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特許7529351電力制御装置およびこれを含むバッテリーシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】電力制御装置およびこれを含むバッテリーシステム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240730BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20240730BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H02J7/00 302D
H01M10/44 P
H01M10/48 P
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023540632
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 KR2022012315
(87)【国際公開番号】W WO2023038317
(87)【国際公開日】2023-03-16
【審査請求日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0120957
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ホビーン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨウンミン
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-162656(JP,A)
【文献】特開2004-312789(JP,A)
【文献】特開2007-104867(JP,A)
【文献】特開2014-045538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H01M 10/44
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列連結された複数のバッテリーセルを含むバッテリーパックと、
前記複数のバッテリーセルのそれぞれの電圧を測定し、前記バッテリーパックの充電および放電を制御するバッテリー管理システムと、
前記バッテリーパックの正極端子電圧を利用して直流電圧を生成する電力変換部と、
前記正極端子電圧を利用して電源電圧を生成する電源部と、
前記直流電圧を利用して前記バッテリー管理システムに駆動電圧を供給するレギュレーターと、
前記電力変換部の低電圧ロック状態で、前記電源部と連結されると前記電源電圧を利用して前記電力変換部をイネーブルさせる電力制御装置とを含む、バッテリーシステム。
【請求項2】
前記電源部と前記電力制御装置との間に位置して、前記バッテリーシステムに充電器が連結される時にターンオンされるスイッチをさらに含む、請求項1に記載のバッテリーシステム。
【請求項3】
前記電力制御装置は、
前記電源電圧により生成される制御電圧に同期して前記電源電圧を出力する第1ラッチを含み、
前記第1ラッチの出力は前記電力変換部に供給され、前記電力変換部は前記電源電圧により前記低電圧ロック状態でイネーブルされる、請求項1または2に記載のバッテリーシステム。
【請求項4】
前記バッテリー管理システムは、
前記バッテリーパックが充電により前記正極端子電圧が所定の基準電圧以上になると前記第1ラッチをリセットさせ、
前記リセットされた第1ラッチは前記電源電圧を出力しない、請求項3に記載のバッテリーシステム。
【請求項5】
前記電力制御装置は、
前記電源電圧により生成される制御電圧と所定の第1基準電圧とを比較する比較器と、
前記比較器の出力により前記電力変換部の直流電圧を利用して前記レギュレーターを動作させる制御信号を供給する第2ラッチとを含む、請求項1または2に記載のバッテリーシステム。
【請求項6】
前記電力変換部は、前記バッテリーパックの正極端子に連結された第1接続点の電圧が所定の臨界電圧以下である時に低電圧ロックされ、前記低電圧ロック状態で前記電力制御装置から供給される前記電源電圧によりイネーブルされる、請求項1または2に記載のバッテリーシステム。
【請求項7】
前記電力制御装置は、
前記電源電圧により生成される制御電圧に同期して前記電源電圧を前記第1接続点に出力する第1ラッチを含む、請求項6に記載のバッテリーシステム。
【請求項8】
前記電力制御装置は、
前記電源部と連結されている一端を含む第1抵抗と、
前記第1抵抗の他端とグラウンドとの間に連結されている第2抵抗と、
前記第1抵抗の他端に連結されている一端を含む第3抵抗と、
前記第3抵抗の他端と前記グラウンドとの間に連結されているキャパシタとをさらに含み、
前記第3抵抗の他端と前記キャパシタとが連結された第2接続点の電圧が前記制御電圧である、請求項7に記載のバッテリーシステム。
【請求項9】
前記電力制御装置は、
前記制御電圧と所定の第1基準電圧とを比較する比較器と、
前記比較器の出力により前記電力変換部の直流電圧を利用して前記レギュレーターを動作させる制御信号を供給する第2ラッチとをさらに含む、請求項7に記載のバッテリーシステム。
【請求項10】
低電圧ロック状態の電力変換部をイネーブルさせる電力制御装置において、
電源電圧により生成される制御電圧に同期して前記電源電圧を出力する第1ラッチと、
前記制御電圧と所定の第1基準電圧とを比較する比較器と、
前記比較器の出力により前記電力変換部の直流電圧を出力する第2ラッチとを含み、
前記電源電圧は、前記電力変換部の入力端が連結されたバッテリーパックの正極端子の電圧により生成され、前記第1ラッチの出力に前記電力変換部がイネーブルされる、電力制御装置。
【請求項11】
前記電力制御装置は、
前記電源電圧が供給される一端を含む第1抵抗と、
前記第1抵抗の他端とグラウンドとの間に連結されている第2抵抗と、
前記第1抵抗の他端に連結されている一端を含む第3抵抗と、
前記第3抵抗の他端と前記グラウンドとの間に連結されているキャパシタとをさらに含み、
前記第3抵抗の他端と前記キャパシタとが連結された接続点の電圧が前記制御電圧である、請求項10に記載の電力制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願(ら)との相互引用]
本出願は、2021年9月10日付韓国特許出願第10-2021-0120957号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本開示は、電力制御装置およびこれを含むバッテリーシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
バッテリーシステムから電力の供給を受ける動力装置システムでバッテリーシステムをウェイクアップ(wakeup)状態で維持するための12V電源を提供しない場合、バッテリーシステムは100V以下のバッテリーを利用して内部的に12V電力を生成する。また、このように生成された12V電力は動力装置システム外の外部システムに提供され得る。
【0004】
12V電力はバッテリーシステムをウェイクアップ状態で維持するために持続的に供給されなければならず、これによる漏洩電流(leakage current)が発生する。これはバッテリー放電の原因になり、これを防止するために12V電力を供給するコンバータ(converter)はバッテリーから供給される電圧が所定の臨界電圧以下である時、低電圧ロック(Under voltage lock)を活性化して消費電流を防止することができる。
【0005】
低電圧ロックが活性化された後、バッテリーを充電するために充電器をバッテリーに連結する。しかし、12V電力がバッテリー管理システムに供給されないため、バッテリー管理システムはウェイクアップすることができない。そうすると、充電器とバッテリーを連結するためのリレーが閉じられず、バッテリー充電は不可能になる。これを防止するために、低電圧ロック条件で、12V電圧をバッテリー管理システムに供給するために別途のウェイクアップ回路が必要となる。
【0006】
またバッテリーシステムによっては充電器信号が持続的に入らず、短時間(例えば、100ms)だけ入る場合もある。このような場合、短時間の充電器信号だけでバッテリー管理システムをウェイクアップさせることができなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、バッテリーが完全放電されて直流電源を提供することができない時、バッテリーを充電するための充電器とバッテリーを連結するためのリレーを閉じることができる電力制御装置およびこれを含むバッテリーシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の一特徴によるバッテリーシステムは、直列連結された複数のバッテリーセルを含むバッテリーパック、前記複数のバッテリーセルのそれぞれの電圧を測定し、前記バッテリーパックの充電および放電を制御するバッテリー管理システム、前記バッテリーパックの正極端子電圧を利用して直流電圧を生成する電力変換部、前記正極端子電圧を利用して電源電圧を生成する電源部、前記直流電圧を利用して前記バッテリー管理システムに駆動電圧を供給するレギュレーター、および前記電力変換部の低電圧ロック状態で、前記電源部と連結されると前記電源電圧を利用して前記電力変換部をイネーブルさせる電力制御装置を含むことができる。
【0009】
前記バッテリーシステムは、前記電源部と前記電力制御装置との間に位置して、前記バッテリーシステムに充電器が連結される時にターンオンされるスイッチをさらに含むことができる。
【0010】
前記電力制御装置は、前記電源電圧により生成される制御電圧に同期して前記電源電圧を出力する第1ラッチを含み、前記第1ラッチの出力は前記電力変換部に供給され、前記電力変換部は前記電源電圧により前記低電圧ロック状態でイネーブルされ得る。
【0011】
前記バッテリーシステムは、前記バッテリーパックが充電により前記正極端子電圧が所定の基準電圧以上になると前記第1ラッチをリセットさせ、前記リセットされた第1ラッチは前記電源電圧を出力しなくてもよい。
【0012】
前記電力制御装置は、前記制御電圧と所定の第1基準電圧とを比較する比較器、および前記比較器の出力により前記電力変換部の直流電圧を利用して前記レギュレーターを動作させる制御信号を供給する第2ラッチを含むことができる。
【0013】
前記電力変換部は、前記バッテリーパックの正極端子に連結された第1接続点の電圧が所定の臨界電圧以下である時に低電圧ロックされ、前記低電圧ロック状態で前記電力制御装置から供給される前記電源電圧によりイネーブルされ得る。
【0014】
前記電力制御装置は、前記電源電圧により生成される制御電圧に同期して前記電源電圧を前記第1接続点に出力する第1ラッチを含むことができる。
【0015】
前記電力制御装置は、前記電源部と連結されている一端を含む第1抵抗、前記第1抵抗の他端とグラウンドとの間に連結されている第2抵抗、前記第1抵抗の他端に連結されている一端を含む第3抵抗、および前記第3抵抗の他端と前記グラウンドとの間に連結されているキャパシタをさらに含むことができる。前記第3抵抗の他端と前記キャパシタとが連結された第2接続点の電圧が前記制御電圧であり得る。
【0016】
前記電力制御装置は、前記制御電圧と所定の第1基準電圧とを比較する比較器、および前記比較器の出力により前記電力変換部の直流電圧を利用して前記レギュレーターを動作させる制御信号を供給する第2ラッチをさらに含むことができる。
【0017】
本発明の他の特徴による低電圧ロック状態の電力変換部をイネーブルさせる電力制御装置は、電源電圧により生成される制御電圧に同期して前記電源電圧を出力する第1ラッチ、前記制御電圧と所定の第1基準電圧とを比較する比較器、および前記比較器の出力により前記電力変換部の直流電圧を出力する第2ラッチを含み、前記電源電圧は、前記電力変換部の入力端が連結されたバッテリーパックの正極端子の電圧により生成され、前記第1ラッチの出力に前記電力変換部がイネーブルされ得る。
【0018】
前記電力制御装置は、前記電源電圧が供給される一端を含む第1抵抗、前記第1抵抗の他端とグラウンドとの間に連結されている第2抵抗、前記第1抵抗の他端に連結されている一端を含む第3抵抗、および前記第3抵抗の他端と前記グラウンドとの間に連結されているキャパシタをさらに含むことができる。前記第3抵抗の他端と前記キャパシタとが連結された接続点の電圧が前記制御電圧であり得る。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一実施形態によれば、バッテリー放電による低電圧ロック(Under Voltage Lock)条件でも外部の物理的スイッチを利用せずに、充電信号によりバッテリーが直流電源を提供することができるようにバッテリー管理システムを活性化させることができる電力制御装置およびこれを含むバッテリーシステムを提供することができる。
【0020】
充電信号が短時間で供給されても、本発明によりバッテリーシステムは、直流電源を提供することができるようにバッテリー管理システムを活性化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施形態によるバッテリーシステムを図式的に示す図面である。
図2】一実施形態による電力制御装置の構成を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の説明で使用される構成要素に対する接尾辞「モジュール」および/または「部」は、明細書作成の容易さだけを考慮して付与されたり混用されたりするものであって、それ自体で互いに区別される意味または役割を有するものではない。また、明細書に記載された「…部」、「…器」、「モジュール」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアやソフトウェアまたはハードウェアおよびソフトウェアの結合で具現され得る。
【0023】
また、本明細書に開示された実施形態を説明するに当たり、関連した公知技術に対する具体的な説明が本明細書に開示された実施形態の要旨を不明確にし得ると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、添付した図面は、本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付した図面により本明細書に開示された技術的な思想が制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物または代替物を含むものと理解されなければならない。
【0024】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明することに使用され得るが、前記構成要素は前記用語により限定されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。
【0025】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか、または「接続されて」いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているか、または接続されていることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されなければならない。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるか、または「直接接続されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないと理解されなければならない。
【0026】
本出願で、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0027】
図1は一実施形態によるバッテリーシステムを図式的に示す図面である。
【0028】
図1で、バッテリーシステム1の両出力端P+、P-の間には外部装置2が連結されており、リレー21、22が閉じられる場合、バッテリーパック10と外部装置2が電気的に連結され得る。
【0029】
外部装置2が電装負荷である場合、バッテリーシステム1は電装負荷2にエネルギーを供給する電源として動作して放電され得る。電装負荷は、移動手段またはエネルギー貯蔵システム(energy storage system、ESS)であり得、移動手段は、例えば電気自動車、ハイブリッド自動車またはスマートモビリティー(smart mobility)であり得る。外部装置2が充電器である場合、バッテリーシステム1は充電器2を通じて電力系統からエネルギーの供給を受けて充電され得る。
【0030】
バッテリーシステム1は、バッテリーパック10、二つのリレー21、22、電流センサー23、およびバッテリー管理システム(Battery Management System)20を含む。
【0031】
バッテリーパック10は、直列連結された複数のバッテリーセル10_1-10_n(nは2以上の自然数)を含む。図1ではバッテリーパック10が直列連結されたものと示されているが、これは一例であり、発明がこれに限定されない。例えば、並列連結された二つ以上のバッテリーセルの複数個が直列連結され得る。
【0032】
リレー21は、バッテリーパック10の正極と出力端P+との間に連結されており、リレー22は、バッテリーパック10の負極と出力端P-との間に連結されており、バッテリー管理システム20の制御によりリレー21、22の開放および閉鎖が制御され得る。例えば、バッテリー管理システム20は、イネーブルレベルのリレー制御信号SR1、SR2を生成してリレー21、22に伝送し、リレー21、22はイネーブルレベルのリレー制御信号SR1、SR2により閉じられ得る。または、バッテリー管理システム20は、ディスエーブルレベルのリレー制御信号SR1、SR2を生成してリレー21、22に伝送し、リレー21、22はディスエーブルレベルのリレー制御信号SR1、SR2により開放され得る。バッテリーパック10の充電または放電中にはリレー21、22が閉じられて、充電電流経路または放電電流経路を構成することができる。
【0033】
電流センサー23は、バッテリーパック10に流れる電流を感知し、感知した電流を指示する電流感知信号ISをバッテリー管理システム20に伝送することができる。
【0034】
バッテリー管理システム20は、複数のバッテリーセル10_1-10_nに連結されており、複数のバッテリーセル10_1-10_nのそれぞれのセル電圧、バッテリーパック10のバッテリー電流などの情報に基づいてバッテリー10の充放電電流を制御し、複数のバッテリーセル10_1-10_nに対するセルバランシング動作を制御することができる。
【0035】
バッテリーシステム1は、電源部30、電力変換部40、レギュレーター(regulator)50、および電力制御装置60をさらに含むことができる。スイッチ3は電源部30と電力制御装置60との間に連結されている。
【0036】
スイッチ3は、外部装置2とバッテリーシステム1との連結状態および外部装置2の動作状態のうちの少なくとも一つに応じてスイッチングする。
【0037】
スイッチ3は、外部装置2とバッテリーシステム1との連結の有無に応じてスイッチングすることができる。例えば、外部装置2がバッテリーシステム1の両出力端P+、P-の間に連結されるとスイッチ3はオンされ得る。
【0038】
スイッチ3は、外部装置2の動作を制御する信号に応じてスイッチングすることができる。例えば、外部装置2の動作を制御する信号がオンレベルになると、スイッチ3もターンオンされ得る。反対に、外部装置2の動作を制御する信号がオフレベルになると、スイッチ3もターンオフされ得る。
【0039】
本開示で外部装置2が充電器である場合、充電器2が両出力端P+、P-の間に連結される時、スイッチ3がターンオンされ得る。または、充電器2の動作を制御する充電信号ON_Sが充電を指示するレベルであるオンレベルである時、スイッチ3がターンオンされ、充電信号ON_Sが充電を終了するレベルであるオフレベルである時、スイッチ3がターンオフされ得る。図1ではスイッチ3が外部装置2と区分して示されているが、外部装置2の内部に位置することができる。図1でスイッチ3のスイッチング動作を制御する信号の一例である充電信号ON_Sは、充電器の外部装置2からスイッチ3に供給され得る。
【0040】
電源部30は、バッテリーパック10の正極端子P1に連結されて、バッテリーパック10の正極端子P1電圧に従う電源電圧VW1を生成することができる。電源電圧VW1は電力制御装置60の駆動電圧として利用され得る。電力制御装置60が動作するのに必要な電圧を駆動電圧という。外部装置2がターンオンされると、オン状態であるスイッチ3を通じて電源電圧VW1が電力制御装置60にスタート信号SSとして伝達され得る。
【0041】
電力変換部40は、正極端子P1の電圧を利用して直流電圧VDCを生成する。電力変換部40はバックコンバータで具現され得る。電力変換部40は二つの抵抗R1、R2が連結された接続点N_ENの電圧に基づいて低電圧ロックを制御することができる。例えば、接続点N_ENの電圧が所定の第1臨界電圧以下である時、電力変換部40は低電圧ロック制御動作により動作しない。電力変換部40は接続点N_ENの電圧が所定の第2臨界電圧より大きい時にイネーブルされて、低電圧ロックを解除することができる。電力変換部40がイネーブルされると、正極端子P1の電圧を利用して直流電圧VDCを生成することができる。電力変換部40により生成された直流電圧VDCはバッテリーシステム1の動作に必要な駆動電圧として利用され得る。
【0042】
レギュレーター50は、電力制御装置60の制御信号SCにより動作を始めてバッテリー管理システム20の動作に必要な駆動電圧VSを供給する。
【0043】
電力制御装置60は、外部装置2が動作を始める時、電源部30から供給される制御信号SSに基づいて電力変換部40およびレギュレーター50を起動させることができる。
【0044】
以下、図2を参照して一実施形態による充電動作を詳細に説明する。
【0045】
図2は一実施形態による電力制御装置の構成を示す図面である。
【0046】
図2で電源部30は、二つの抵抗R3、R4、電圧フォロア(voltage follower)31、およびダイオード32を含む。図2に示された電源部30の構成は一例であり、本発明がこれに限定されるのではない。電源部30は、バッテリーパック10の正極端子P1の電圧を利用して常時電源を生成することができればよい。例えば、一般的なレギュレーターで電源部30が具現され得る。レギュレーターはバッテリーパック10の正極端子P1の電圧の入力を受けて一定の電圧の電源を生成することができる。
【0047】
二つの抵抗R3、R4は正極端子P1の電圧を抵抗分配する。電圧フォロア31は抵抗分配された電圧の入力を受けて出力することができる。ダイオード32のアノードは電圧フォロア31の出力端に連結され、ダイオード32のカソードはスイッチ3の一端に連結されている。ダイオード32はスイッチ3の短絡によるバッテリーシステム1の構成が損傷することを防止することができる。
【0048】
図2に示された実施形態で、外部装置2は充電器であると説明する。充電が始まると、外部装置2からスイッチ3に供給されるオンレベルの充電信号ON_Sによりスイッチ3がオンされ得る。オン状態のスイッチ3を通じて電源部30からスタート信号SSが電力制御装置60に供給される。スタート信号SSは電源電圧VW1と同一のレベルであり得る。
【0049】
スイッチ3の他端は抵抗R5の一端に連結され、抵抗R5の他端は抵抗R6の一端および抵抗RDの一端に連結されている。抵抗R6の他端はグラウンドに連結されており、抵抗RDの他端は比較器61の入力に連結されている。キャパシタCDの一端は比較器61の入力に連結されており、キャパシタCDの他端はグラウンドに連結されている。
【0050】
スイッチ3のオン期間の間に供給されるスタート信号SSは二つの抵抗R5、R6により抵抗分配される。スタート信号SSは電源電圧VW1に従う電圧レベルであり、電源電圧VW1と同一のレベルであり得る。二つの抵抗R5、R6により抵抗分配されたスタート信号SSの電圧によりキャパシタCDが充電されて制御電圧VW2が増加することができる。制御電圧VW2が所定の電圧まで増加できるように充電信号ON_Sの最小オンレベル期間が決定され得る。この時、抵抗RDの抵抗値およびキャパシタCDのキャパシタンスを考慮して充電信号ON_Sの最小オンレベル期間が決定され得る。抵抗RDおよびキャパシタCDはノイズフィルターであり、スタート信号SSのノイズによる誤動作を防止することができる。
【0051】
図2に示されているように、電力制御装置60は、比較器61および二つのラッチ62、63を含む。
【0052】
比較器61は、制御電圧VW2と所定の基準電圧とを比較して制御電圧VW2が基準電圧以上である時、オンレベル(例えば、ハイレバル)の出力信号を生成することができる。
【0053】
ラッチ63は、制御電圧VW2の発生に同期して電力変換部40をイネーブルさせることができる。ラッチ63は、電源電圧VW1の供給を受け、スイッチ3のオン以降に発生する制御電圧VW2により電源電圧VW1を接続点N_ENに供給する。そうすると、電力変換部40がイネーブルされ得る。
【0054】
電力変換部40がイネーブルされて直流電圧VDCを生成し、直流電圧VDCがラッチ62に供給される。
【0055】
ラッチ62は、比較器61の出力信号がオンレベルである時、レギュレーター50を起動させる制御信号SCを生成することができる。この時、電力変換部40から供給される直流電圧VDCにより制御信号SCのレベルが決定され得る。
【0056】
レギュレーター50は制御信号SCがオンレベルである時に動作を始める。レギュレーター50は直流電圧VDCを一定の電圧に変換して駆動電圧VSを生成してバッテリー管理システム20に供給する。
【0057】
バッテリー管理システム20は、駆動電圧VSにより動作を始め、リレー21、22を閉じる。そうすると、バッテリーパック10が充電されて正極端子P1の電圧が上昇する。バッテリー管理システム20は、バッテリーパック10の充電により正極端子P1の電圧が正常範囲まで上昇すると、スリップ信号SEを生成してラッチ63に供給することができる。ラッチ63はスリップ信号SEによりリセットされて電源電圧VW1を接続点N_ENに供給しないことができる。
【0058】
従来は低電圧ロック機能が活性化された時、外部装置が動作を始めてもバッテリーシステムが動作するために必要な直流電圧が供給されない状況が維持される。例えば、バッテリーシステムを充電するために充電器がバッテリーシステムに連結されても、バッテリーシステムと充電池との間のリレーを閉じることができず、充電されない。このような状況を改善するために、バッテリーシステムをイネーブルさせるための外部の物理的スイッチがバッテリーシステムに連結される方式が提案されたりもした。しかし、このような場合、作業者が当該スイッチを動作させなければならないという不便さがある。
【0059】
これとは異なり、一実施形態によるバッテリーシステムは、充電信号のように外部装置2を動作させる信号が発生すると、作業者の措置なしに自動的に低電圧ロック状態の電力変換部40をイネーブルさせることができる。また一実施形態によるバッテリーシステムは、電力変換部40をイネーブルさせるためにラッチ63を使用するため、持続的なオンレベルでなく、オンレベルパルス形態の充電信号でも電力変換部40がイネーブルされ得る。つまり、オンレベルパルスの充電信号により制御電圧VW2が発生すると、ラッチ63の出力が電源電圧VW1で維持されるため、接続点N_ENに電源電圧VW1を供給することができる。
【0060】
以上で本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
図1
図2