(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】アノテーション表示プログラムおよびアノテーション表示方法
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20240730BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20240730BHJP
【FI】
H04L67/00
G06F3/0481
(21)【出願番号】P 2020120218
(22)【出願日】2020-07-13
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】畑田 晃希
(72)【発明者】
【氏名】岡林 桂樹
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-137735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示する画像データの切り替わりを検出したことに応じて、切り替わり前の第一の画像データにアノテーションが付されているか否かを判定し、
前記第一の画像データにアノテーションが付されていると判定した場合に、前記第一の画像データと対応付けて前記アノテーションを記憶部に記憶し、
切り替わり後の第二の画像データと類似する画像データが前記記憶部に存在するか否かを判定し、
前記類似する画像データが存在すると判定した場合、前記類似する画像データと対応付けて前記記憶部に記憶されているアノテーションを、前記第二の画像データに重畳して表示させる、
処理をコンピュータに実行させ
、
前記記憶部は、表示された複数の画像データのそれぞれの画像データと対応付けて、当該画像データが最後に表示された時刻を記憶しており、
前記類似する画像データが存在するか否かを判定する処理は、
前記第二の画像データへ切り替わる前の前記第一の画像データへの切り替わりを検出した際に、前記第一の画像データに類似する画像データが前記記憶部に存在しなかった場合、前記記憶部を参照して、前記複数の画像データのうち最後に表示された時刻が新しい画像データから優先して、前記第二の画像データと類似するか否かを判定する、
ことを特徴とするアノテーション表示プログラム。
【請求項2】
前記記憶部は、表示された複数の画像データのそれぞれの画像データと対応付けて、当該画像データが最初に表示された時刻を記憶しており、
前記類似する画像データが存在するか否かを判定する処理は、
前記第二の画像データへ切り替わる前の前記第一の画像データへの切り替わりを検出した際に、前記第一の画像データに類似する画像データが前記記憶部に存在した場合、前記記憶部を参照して、前記複数の画像データのうち最初に表示された時刻が、前記第一の画像データに類似する画像データと近い画像データから優先して、前記第二の画像データと類似するか否かを判定する、ことを特徴とする請求項1に記載のアノテーション表示プログラム。
【請求項3】
前記第一の画像データにアノテーションが付されていると判定した場合、前記アノテーションを非表示にさせる、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1または2に記載のアノテーション表示プログラム。
【請求項4】
前記表示する画像データは、第一の装置から第二の装置に送信されて前記第二の装置に表示される画像データである、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載のアノテーション表示プログラム。
【請求項5】
表示する画像データの切り替わりを検出したことに応じて、切り替わり前の第一の画像データにアノテーションが付されているか否かを判定し、
前記第一の画像データにアノテーションが付されていると判定した場合に、前記第一の画像データと対応付けて前記アノテーションを記憶部に記憶し、
切り替わり後の第二の画像データと類似する画像データが前記記憶部に存在するか否かを判定し、
前記類似する画像データが存在すると判定した場合、前記類似する画像データと対応付けて前記記憶部に記憶されているアノテーションを、前記第二の画像データに重畳して表示させる、
処理をコンピュータに実行させ、
前記記憶部は、表示された複数の画像データのそれぞれの画像データと対応付けて、当該画像データが最初に表示された時刻を記憶しており、
前記類似する画像データが存在するか否かを判定する処理は、
前記第二の画像データへ切り替わる前の前記第一の画像データへの切り替わりを検出した際に、前記第一の画像データに類似する画像データが前記記憶部に存在した場合、前記記憶部を参照して、前記複数の画像データのうち最初に表示された時刻が、前記第一の画像データに類似する画像データと近い画像データから優先して、前記第二の画像データと類似するか否かを判定する、
ことを特徴とするアノテーション表示プログラム。
【請求項6】
表示する画像データの切り替わりを検出したことに応じて、切り替わり前の第一の画像データにアノテーションが付されているか否かを判定し、
前記第一の画像データにアノテーションが付されていると判定した場合に、前記第一の画像データと対応付けて前記アノテーションを記憶部に記憶し、
切り替わり後の第二の画像データと類似する画像データが前記記憶部に存在するか否かを判定し、
前記類似する画像データが存在すると判定した場合、前記類似する画像データと対応付けて前記記憶部に記憶されているアノテーションを、前記第二の画像データに重畳して表示させる、
処理をコンピュータが実行
し、
前記記憶部は、表示された複数の画像データのそれぞれの画像データと対応付けて、当該画像データが最後に表示された時刻を記憶しており、
前記類似する画像データが存在するか否かを判定する処理は、
前記第二の画像データへ切り替わる前の前記第一の画像データへの切り替わりを検出した際に、前記第一の画像データに類似する画像データが前記記憶部に存在しなかった場合、前記記憶部を参照して、前記複数の画像データのうち最後に表示された時刻が新しい画像データから優先して、前記第二の画像データと類似するか否かを判定する、
ことを特徴とするアノテーション表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アノテーション表示プログラムおよびアノテーション表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、端末の画面をキャプチャし、キャプチャした画面を大画面ディスプレイに転送して映像を表示するシステムがある。例えば、ユーザは、大画面ディスプレイに表示された映像上で、手書きのストロークや付箋メモなどをアノテーションとして付与することができる。
【0003】
先行技術としては、例えば、操作に応じて切り替わる複数のコンテンツを含んで構成されるコンテンツデータと、コンテンツに対する視聴者のコメントを示すコメントデータとに基づいて、コンテンツの切り替わりに応じて、当該コンテンツに対するコメントの表示を制御するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、端末に表示された画像を転送して他の端末に表示する場合に、表示する画像が切り替わると、切り替わり後の画像に対して、その画像に過去に付されたアノテーションを表示することができないという問題がある。
【0006】
一つの側面では、本発明は、画像データを表示する際に、その画像データに過去に付されたアノテーションを再表示可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの実施態様では、表示する画像データの切り替わりを検出したことに応じて、切り替わり前の第一の画像データにアノテーションが付されているか否かを判定し、前記第一の画像データにアノテーションが付されていると判定した場合に、前記第一の画像データと対応付けて前記アノテーションを記憶部に記憶し、切り替わり後の第二の画像データと類似する画像データが前記記憶部に存在するか否かを判定し、前記類似する画像データが存在すると判定した場合、前記類似する画像データと対応付けて前記記憶部に記憶されているアノテーションを、前記第二の画像データに重畳して表示させる、アノテーション表示プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によれば、画像データを表示する際に、その画像データに過去に付されたアノテーションを再表示可能にすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態1にかかるアノテーション表示方法の一実施例を示す説明図である。
【
図2】
図2は、表示システム200のシステム構成例を示す説明図である。
【
図3】
図3は、第一の情報処理端末201等のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、画像テーブル220の記憶内容の一例を示す説明図である。
【
図5】
図5は、アノテーションテーブル230の記憶内容の一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、ストロークテーブル600の記憶内容の一例を示す説明図である。
【
図7】
図7は、実施の形態1にかかる第一の情報処理端末201の機能的構成例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、類似する画像データの検索順序を示す説明図(その1)である。
【
図9】
図9は、類似する画像データの検索順序を示す説明図(その2)である。
【
図10】
図10は、実施の形態1にかかる第一の情報処理端末201のアノテーション表示処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
【
図11】
図11は、実施の形態1にかかる第一の情報処理端末201のアノテーション表示処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
【
図12】
図12は、実施の形態2にかかる第一の情報処理端末201および第二の情報処理端末202の機能的構成例を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、実施の形態2にかかる表示システム200の動作例を示す説明図である。
【
図14】
図14は、実施の形態2にかかる第一の情報処理端末201のアノテーション表示処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、実施の形態2にかかる第二の情報処理端末202のアノテーション表示処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、実施の形態3にかかる表示システム200の動作例を示す説明図である。
【
図17】
図17は、実施の形態4にかかる表示システム200の動作例を示す説明図である。
【
図18】
図18は、アノテーションテーブル1800の記憶内容の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、本発明にかかるアノテーション表示プログラムおよびアノテーション表示方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかるアノテーション表示方法の一実施例を示す説明図である。
図1において、第一の装置101は、表示する画像データを送信するコンピュータである。第二の装置102は、第一の装置101から受信した画像データを表示するコンピュータである。表示する画像データは、例えば、第一の装置101に表示された映像をキャプチャして得られる画像データである。
【0012】
第一の装置101は、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォンなどのモバイル機器である。第二の装置102は、例えば、大画面ディスプレイを有する表示装置や、スクリーンなどに画像を表示(投影)する投影装置などである。
【0013】
第二の装置102において、ユーザは、第一の装置101の画面を複数人で共有しながらコミュニケーションをとることができる。また、第二の装置102において、ユーザは、ペン入力やジェスチャーインターフェースなどにより、表示された画像データ上にアノテーションを付すことができる。
【0014】
アノテーションとは、画像データに重畳して表示されるオブジェクトである。アノテーションは、例えば、画像データ上の注目すべき箇所を示したり、画像データ上の情報同士の関連を示したり、画像データに情報を補足したりする場合に付される。アノテーションとしては、画像データに合わせてユーザが作成する手書きのストローク、付箋メモ、スタンプ画像などが挙げられる。
【0015】
ここで、ある端末に表示された画像データを転送して他の端末に表示する場合、表示する画像データが切り替わって、画像データとアノテーションとの対応関係がなくなると、切り替わり後の画像データに対して、過去に当該画像データに付されたアノテーションを自動で表示することができない。
【0016】
一方で、表示する画像データの切り替え時に、ユーザが手動で、切り替わり前の画像データに付されたアノテーションを消したり、切り替わり後の画像データにもう一度アノテーションを付したりすることになると、手間や時間がかかり作業効率の低下を招くおそれがある。
【0017】
そこで、実施の形態1では、画像データを表示する際に、その画像データに過去に付されたアノテーションを再表示可能にするアノテーション表示方法について説明する。以下、第一の装置101の処理例について説明する。
【0018】
(1)第一の装置101は、表示する画像データの切り替わりを検出したことに応じて、切り替わり前の第一の画像データにアノテーションが付されているか否かを判定する。第一の装置101は、第一の画像データにアノテーションが付されていると判定した場合に、第一の画像データと対応付けてアノテーションを記憶部110に記憶する。
【0019】
図1の例では、第一の装置101に表示された画像データ121が、第一の装置101から第二の装置102に転送され、第二の装置102に表示された場合を想定する。画像データ121は、第一の装置101の画面をキャプチャした情報である。第二の装置102では、例えば、第一の装置101の画面(画像データ121)を複数人で共有しながらコミュニケーションをとることができる。また、第二の装置102では、表示された画像データ121上にアノテーションを付すことができる。
【0020】
ここでは、第二の装置102に表示された画像データ121上にアノテーション131が付された場合を想定する。アノテーション131は、画像データ121上の注目すべき箇所を示すストロークである。また、画像データ121上にアノテーション131が付された後、画像データ121から画像データ122に切り替わった場合を想定する。
【0021】
この場合、第一の装置101は、切り替わり前の画像データ121にアノテーションが付されているか否かを判定する。例えば、第一の装置101は、画像データ121に付されたアノテーション131を第二の装置102から取得した場合に、画像データ121にアノテーション131が付されていると判定してもよい。ここでは、第一の装置101は、第一の画像データ121にアノテーション131が付されていると判定し、第一の画像データ121と対応付けて、アノテーション131を記憶部110に記憶する。
【0022】
(2)第一の装置101は、切り替わり後の第二の画像データと類似する画像データが記憶部110に存在するか否かを判定する。第一の装置101は、類似する画像データが存在すると判定した場合、類似する画像データと対応付けて記憶部110に記憶されているアノテーションを、第二の画像データに重畳して表示させる。
【0023】
例えば、第一の装置101は、記憶部110に記憶されている画像データの中から、切り替わり後の画像データ122に類似する画像データを検索する。具体的には、例えば、第一の装置101は、切り替わり後の画像データ122と記憶部110に記憶された画像データとを比較して、画像データ同士の類似度を算出する。そして、第一の装置101は、算出した類似度が閾値以上の画像データが検索された場合に、類似する画像データが存在すると判定する。
【0024】
なお、類似する画像データを検索する技術としては、既存のいかなる技術を用いることにしてもよい。例えば、第一の装置101は、画像データの特徴量をもとに類似する画像データを検索することにしてもよい。
【0025】
ここでは、切り替わり後の画像データ122に類似する画像データ123が検索された場合を想定する。また、画像データ123と対応付けて、アノテーション132が記憶部110に記憶されている場合を想定する。この場合、第一の装置101は、画像データ123と対応付けて記憶部110に記憶されているアノテーション132を、画像データ122に重畳して表示させる。具体的には、例えば、第一の装置101は、アノテーション132を第二の装置102に転送して、第二の装置102に表示されている画像データ122に重畳してアノテーション132を表示させる。
【0026】
このように、第一の装置101によれば、画像データを表示する際に、その画像データに過去に付されたアノテーションを再表示することが可能となる。このため、表示する画像データの切り替え時に、ユーザが手動で、切り替わり後の画像データにもう一度アノテーションを付すという面倒な作業が不要となり、作業効率の向上を図ることができる。
【0027】
図1の例では、画像データ121から画像データ122に切り替わった際に、画像データ122(画像データ122に類似する画像データ123)に過去に付されたアノテーション132を再表示することができる。このため、ユーザが手動で、切り替わり後の画像データ122にもう一度アノテーションを付すという面倒な作業が不要となる。
【0028】
(表示システム200のシステム構成例)
つぎに、実施の形態1にかかる表示システム200のシステム構成例について説明する。表示システム200は、例えば、PC等に表示された画像データを転送して大画面ディスプレイに表示することで、複数人で情報を共有可能にして共同作業を支援するコンピュータシステムに適用される。
【0029】
図2は、表示システム200のシステム構成例を示す説明図である。
図2において、表示システム200は、第一の情報処理端末201と、第二の情報処理端末202と、情報管理サーバ203と、を含む。表示システム200において、第一の情報処理端末201、第二の情報処理端末202および情報管理サーバ203は、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
【0030】
ここで、第一の情報処理端末201は、画像テーブル220およびアノテーションテーブル230を有する。第一の情報処理端末201は、例えば、個人が使用するPCやタブレットPCである。画像テーブル220およびアノテーションテーブル230の記憶内容については、
図4および
図5を用いて後述する。
図1に示した第一の装置101は、例えば、第一の情報処理端末201に相当する。また、
図1に示した記憶部110は、例えば、画像テーブル220およびアノテーションテーブル230に相当する。
【0031】
第二の情報処理端末202は、例えば、大画面ディスプレイを有する表示装置である。
図1に示した第二の装置102は、例えば、第二の情報処理端末202に相当する。
【0032】
情報管理サーバ203は、各種情報を管理するコンピュータである。具体的には、例えば、情報管理サーバ203は、第一の情報処理端末201および第二の情報処理端末202で使用するアプリケーションや、第一の情報処理端末201および第二の情報処理端末202で表示する情報などを管理する。
【0033】
なお、
図2の例では、第一の情報処理端末201および第二の情報処理端末202をそれぞれ1台のみ表示したが、これに限らない。例えば、表示システム200には、複数の第一の情報処理端末201が含まれていてもよく、また、複数の第二の情報処理端末202が含まれていてもよい。また、表示システム200には、情報管理サーバ203が含まれていなくてもよい。
【0034】
(第一の情報処理端末201および第二の情報処理端末202のハードウェア構成例)
つぎに、第一の情報処理端末201および第二の情報処理端末202のハードウェア構成例について説明する。ここでは、第一の情報処理端末201および第二の情報処理端末202を「第一の情報処理端末201等」と表記する。
【0035】
図3は、第一の情報処理端末201等のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3において、第一の情報処理端末201等は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、ディスクドライブ303と、ディスク304と、通信I/F(Interface)305と、ディスプレイ306と、入力装置307と、可搬型記録媒体I/F308と、可搬型記録媒体309と、を有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
【0036】
ここで、CPU301は、第一の情報処理端末201等の全体の制御を司る。CPU301は、複数のコアを有していてもよい。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMがOS(Operating System)のプログラムを記憶し、ROMがアプリケーションプログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
【0037】
ディスクドライブ303は、CPU301の制御に従ってディスク304に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク304は、ディスクドライブ303の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク304としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
【0038】
通信I/F305は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して外部のコンピュータ(例えば、
図2に示した情報管理サーバ203)に接続される。そして、通信I/F305は、ネットワーク210と装置内部とのインターフェースを司り、外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。通信I/F305には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0039】
ディスプレイ306は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する表示装置である。ディスプレイ306としては、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどを採用することができる。
【0040】
入力装置307は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを有し、データの入力を行う。入力装置307は、キーボードやマウスなどであってもよく、また、タッチパネル式の入力パッド、入力ペンおよびテンキーなどであってもよく、また、ジェスチャーインターフェースであってもよい。
【0041】
可搬型記録媒体I/F308は、CPU301の制御に従って可搬型記録媒体309に対するデータのリード/ライトを制御する。可搬型記録媒体309は、可搬型記録媒体I/F308の制御で書き込まれたデータを記憶する。可搬型記録媒体309としては、例えば、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。
【0042】
なお、第一の情報処理端末201等は、上述した構成部のうち、例えば、ディスクドライブ303、ディスク304、可搬型記録媒体I/F308、可搬型記録媒体309を有していなくてもよい。また、第一の情報処理端末201等は、上述した構成部のほかに、例えば、カメラ、スピーカ、マイクロフォンなどを有していてもよい。また、
図2に示した情報管理サーバ203についても、第一の情報処理端末201等と同様のハードウェア構成により実現することができる。ただし、情報管理サーバ203は、上述した構成部のうち、例えば、ディスプレイ306、入力装置307を有していなくてもよい。
【0043】
(画像テーブル220の記憶内容)
つぎに、
図4を用いて、第一の情報処理端末201が有する画像テーブル220の記憶内容について説明する。画像テーブル220は、例えば、
図3に示したメモリ302、ディスク304などの記憶装置により実現される。
【0044】
図4は、画像テーブル220の記憶内容の一例を示す説明図である。
図4において、画像テーブル220は、画像ID、画像データ、登録時刻および更新時刻のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、画像管理情報(例えば、画像管理情報400-1~400-3)をレコードとして記憶する。
【0045】
ここで、画像IDは、画像データを一意に識別する識別子である。画像IDは、例えば、画像データが最初に表示された際に採番される。画像データは、表示された画像データである。登録時刻は、画像データが最初に表示された日時を示す。更新時刻は、画像データが最後に表示された日時を示す。
【0046】
例えば、画像管理情報400-1は、画像ID「1」の画像データPD1の登録時刻「2020/04/28 10:10:00」および更新時刻「2020/04/28 10:10:00」を示す。ここでは、画像ID「1」の画像データPD1は一度しか表示されていないため、登録時刻および更新時刻が同時刻となっている。
【0047】
(アノテーションテーブル230の記憶内容)
つぎに、
図5を用いて、第一の情報処理端末201が有するアノテーションテーブル230の記憶内容について説明する。アノテーションテーブル230は、例えば、
図3に示したメモリ302、ディスク304などの記憶装置により実現される。
【0048】
図5は、アノテーションテーブル230の記憶内容の一例を示す説明図である。
図5において、アノテーションテーブル230は、画像ID、アノテーションIDおよび更新時刻のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、アノテーション管理情報(例えば、アノテーション管理情報500-1~500-3)をレコードとして記憶する。
【0049】
ここで、画像IDは、アノテーションが付された画像データの画像IDを示す。アノテーションIDは、アノテーションを一意に識別する識別子である。アノテーションIDは、例えば、アノテーション管理情報が作成された際に採番される。更新時刻は、アノテーションが作成または更新された日時を示す。
【0050】
例えば、アノテーション管理情報500-1は、画像ID「1」、アノテーションID「1」および更新時刻「2020/04/28 10:10:20」を示す。
【0051】
アノテーションの実体は、例えば、後述の
図6に示すようなストロークテーブル600に記憶される。ストロークテーブル600は、例えば、アノテーションテーブル230に含まれる。ここで、アノテーションが手書きのストロークである場合を例に挙げて、ストロークテーブル600の記憶内容について説明する。
【0052】
図6は、ストロークテーブル600の記憶内容の一例を示す説明図である。
図6において、ストロークテーブル600は、アノテーションID、座標列、色および更新時刻のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、ストローク情報(例えば、ストローク情報600-1~600-3)をレコードとして記憶する。
【0053】
ここで、アノテーションIDは、アノテーションを一意に識別する識別子である。座標列は、アノテーションを構成するストロークを形成する座標の配列を示す。座標列は、例えば、画像データ(または、画面)上でのストロークの位置を特定する情報であり、ストロークを形成する各座標(x,y)を「x0,y0,x1,y1,x2,y2,…,xn,yn」と並べたものである。色は、ストロークの色を示す。更新時刻は、ストロークが作成または更新された日時を示す。
【0054】
例えば、ストローク情報600-1~600-3は、アノテーションID「1」のアノテーションを構成する3つのストロークそれぞれの座標列、色および更新時刻を示す。
【0055】
(第一の情報処理端末201の機能的構成例)
つぎに、
図7を用いて、実施の形態1にかかる第一の情報処理端末201の機能的構成例について説明する。
【0056】
図7は、実施の形態1にかかる第一の情報処理端末201の機能的構成例を示すブロック図である。
図7において、第一の情報処理端末201は、映像表示部701と、画像取得部702と、検出部703と、保存部704と、アノテーション表示部705と、記憶部710と、を含む。具体的には、例えば、映像表示部701~アノテーション表示部705は、
図3に示した第一の情報処理端末201のメモリ302、ディスク304、可搬型記録媒体309などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、通信I/F305により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、メモリ302、ディスク304などの記憶装置に記憶される。記憶部710は、例えば、メモリ302、ディスク304などの記憶装置により実現される。具体的には、例えば、記憶部710は、
図4に示した画像テーブル220、
図5に示したアノテーションテーブル230および
図6に示したストロークテーブル600を記憶する。
【0057】
映像表示部701は、映像データを表示する。ここで、映像データは、画像データの集合である。映像データは、例えば、プレゼンテーションソフトにより作成される文書やグラフなどのコンテンツをスライド形式で表示可能な情報である。映像データは、例えば、第一の情報処理端末201において作成されてもよく、また、
図2に示した情報管理サーバ203から取得されてもよい。
【0058】
具体的には、例えば、映像表示部701は、自端末のディスプレイ306(
図3参照)に映像データを表示する。また、映像表示部701は、自端末のディスプレイ306に表示された内容(画面)をキャプチャして得られる画像データを、
図2に示した第二の情報処理端末202に送信する。画像データの送信は、例えば、1/30秒程度の間隔で行われる。
【0059】
これにより、第一の情報処理端末201に表示された映像と同じ映像を第二の情報処理端末202に表示することができる。なお、映像表示部701は、例えば、第二の情報処理端末202に画像データを送信するにあたり、前回の画像データとの差分画像だけを送信して転送量を削減する転送方式を採用することにしてもよい。また、各種テーブル220,230等は、例えば、映像データごとに、当該映像データの表示が開始すると作成される。
【0060】
画像取得部702は、表示する画像データを取得する。ここで、表示する画像データは、例えば、第二の情報処理端末202に表示する画像データである。具体的には、例えば、画像取得部702は、映像表示部701によって自端末のディスプレイ306に表示された内容(画面)をキャプチャして画像データを取得する。
【0061】
なお、画像取得部702による取得処理は、例えば、一定時間ごとに行われる。一定時間は、任意に設定可能である。一定時間は、例えば、1~3秒程度の時間に設定されてもよく、また、第二の情報処理端末202への画像データの送信間隔と同程度の時間に設定されてもよい。
【0062】
以下の説明では、表示する画像データを「画像データPD」と表記する場合がある。
【0063】
検出部703は、表示する画像データPDの切り替わりを検出する。具体的には、例えば、検出部703は、一定時間ごとに、画像取得部702によって取得された最新の画像データPDと、画像取得部702によって取得された直前の画像データPDとを比較して、画像データ同士の類似度を算出する。
【0064】
画像データ同士の類似度は、各画像データのPDの特徴量に基づいて算出される。なお、画像データ同士の類似度を算出する技術としては、既存のいかなる技術を用いることにしてもよい。例えば、検出部703は、深層学習などの機械学習に基づく技術を用いて、画像データ同士の類似度を算出することにしてもよい。
【0065】
そして、検出部703は、算出した類似度が閾値Th1未満の場合に、表示する画像データPDの切り替わりを検出する。一方、検出部703は、算出した類似度が閾値Th1以上の場合には、表示する画像データPDの切り替わりを検出しない。閾値Th1は、任意に設定可能である。閾値Th1は、例えば、プレゼンテーションソフトにより作成される情報のページの切り替わりが検出できる程度の値に設定される。
【0066】
また、検出部703は、例えば、自端末の入力装置307を用いたユーザの操作入力により、プレゼンテーションソフトにより作成される情報等のページの切り替えが行われた場合に、表示する画像データPDの切り替わりを検出することにしてもよい。
【0067】
保存部704は、表示する画像データPDの切り替わりが検出されたことに応じて、切り替わり前の第一の画像データPDにアノテーションが付されているか否かを判定する。ここで、アノテーションは、画像データPDに重畳して表示されるオブジェクトであり、例えば、手書きのストローク、付箋メモ、スタンプ画像などである。切り替わり前の第一の画像データPDは、検出部703によって切り替わりが検出された画像データPDの直前に画像取得部702によって取得された画像データPDである。
【0068】
具体的には、例えば、保存部704は、表示する画像データPDの切り替わりが検出されたことに応じて、第二の情報処理端末202に対して、表示中のアノテーションを送信するよう要求することにしてもよい。この場合、保存部704は、要求に応じて第二の情報処理端末202からアノテーションを受信した場合に、切り替わり前の第一の画像データPDにアノテーションが付されていると判定する。一方、第二の情報処理端末202からアノテーションを受信しなかった場合、保存部704は、切り替わり前の第一の画像データPDにアノテーションが付されていないと判定する。なお、アノテーションには、例えば、アノテーションの作成時刻を示す情報が付与されていてもよい。
【0069】
また、第二の情報処理端末202が、第一の情報処理端末201から送信された画像データを表示中にアノテーションが付された際に、そのアノテーションを第一の情報処理端末201に送信することにしてもよい。この場合、保存部704は、例えば、切り替わり直前の期間に、第二の情報処理端末202からアノテーションを受信(取得)した場合に、切り替わり前の第一の画像データPDにアノテーションが付されていると判定する。一方、保存部704は、切り替わり直前の期間に、第二の情報処理端末202からアノテーションを受信していない場合には、切り替わり前の第一の画像データPDにアノテーションが付されていないと判定する。
【0070】
切り替わり直前の期間は、検出部703によって画像データPDの切り替わりが検出された前回の検出時点から、検出部703によって画像データPDの切り替わりが検出された今回の検出時点までの期間である。ただし、初回の切り替わり時の場合、前回の検出時点は、例えば、映像表示部701によって映像データの表示が開始された時点である。
【0071】
また、画像データに付されたアノテーションの一部または全部が、削除または更新される場合がある。この場合、第二の情報処理端末202は、例えば、削除または更新後のアノテーションを、第一の情報処理端末201に送信することにしてもよい。これにより、第一の情報処理端末201は、アノテーションの一部または全部が削除や更新されても、画像データに付された最新のアノテーションを取得することができる。また、アノテーションの全部が削除された場合は、第一の情報処理端末201は、画像データにアノテーションが付されていないと判断することができる。
【0072】
保存部704は、第一の画像データPDにアノテーションが付されていると判定した場合に、第一の画像データPDと対応付けてアノテーションを記憶部710に記憶する。具体的には、例えば、保存部704は、第一の画像データPDにアノテーションが付されていると判定した場合、第一の画像データPDの画像IDと対応付けて、アノテーションテーブル230に当該アノテーションを記憶する。
【0073】
ここで、画像IDは、第一の画像データPDを一意に識別する識別子である。画像IDは、例えば、画像テーブル220に画像データPDが新規登録される際に付与される。アノテーションの実体は、例えば、アノテーションIDと対応付けて、
図6に示したようなストロークテーブル600に記憶される。アノテーションの実体とは、アノテーションの形状、色、位置などを表す情報である。例えば、アノテーションが手書きのストロークの場合、保存部704は、アノテーションIDと対応付けて、座標列、色および更新時刻を、ストロークテーブル600に記憶する。
【0074】
より詳細に説明すると、例えば、保存部704は、アノテーションテーブル230を参照して、切り替わり前の第一の画像データPDの画像IDに対応するアノテーション管理情報を特定する。なお、各画像データPDの画像IDに対応するアノテーション管理情報は、例えば、各画像データPDが最初に表示された際に作成される。アノテーションIDは、例えば、アノテーション管理情報を新規登録する際に採番される。
【0075】
そして、保存部704は、特定したアノテーション管理情報の更新時刻に現在時刻を設定する。また、保存部704は、特定したアノテーション管理情報のアノテーションIDと対応付けて、切り替わり前の第一の画像データPDに付されているアノテーションの実体を、
図6に示したようなストロークテーブル600に記憶する。例えば、アノテーションが手書きのストロークである場合、保存部704は、アノテーションIDと対応付けて、座標列、色および更新時刻を、ストロークテーブル600に記憶する。
【0076】
また、保存部704は、切り替わり後の第二の画像データPDと類似する画像データが記憶部710に存在するか否かを判定する。切り替わり後の第二の画像データPDは、検出部703によって切り替わりが検出された画像データPDである。具体的には、例えば、保存部704は、第一の画像データPDにアノテーションが付されていると判定した場合に、画像テーブル220から、第二の画像データPDと類似する画像データを検索する。
【0077】
より詳細に説明すると、例えば、保存部704は、第二の画像データPDと、画像テーブル220に記憶された画像データとを比較して、画像データ同士の類似度を算出する。そして、保存部704は、算出した類似度が閾値Th2以上の画像データを検索する。閾値Th2は、任意に設定可能である。閾値Th2は、例えば、類似度が閾値Th2以上であれば、画像データ同士が同じ画像データであると判断できる程度の値に設定される。
【0078】
ここで、類似度が閾値Th2以上の画像データが検索された場合、保存部704は、第二の画像データPDと類似する画像データが存在すると判定する。類似する画像データは、類似度が閾値Th2以上の画像データである。この際、保存部704は、検索された類似する画像データに対応する更新時刻を更新する。例えば、保存部704は、更新時刻を現在時刻に更新する。一方、類似度が閾値Th2以上の画像データが検索されなかった場合、保存部704は、第二の画像データPDと類似する画像データが存在しないと判定する。
【0079】
保存部704は、第二の画像データPDと類似する画像データが存在しないと判定した場合、第二の画像データPDを記憶部710に記憶する。具体的には、例えば、保存部704は、第二の画像データPDと類似する画像データが存在しないと判定した場合、第二の画像データPDに画像IDを付与する。そして、保存部704は、付与した画像IDと対応付けて、第二の画像データPD、登録時刻および更新時刻を画像テーブル220に新規登録する。ここでの登録時刻および更新時刻は、例えば、第二の画像データPDの登録時の日時である。
【0080】
アノテーション表示部705は、第一の画像データPDにアノテーションが付されていると判定された場合に、第一の画像データPDに付されているアノテーションを非表示にさせる。具体的には、例えば、アノテーション表示部705は、アノテーション非表示制御メッセージを、第二の情報処理端末202に送信する。
【0081】
アノテーション非表示制御メッセージは、表示中の画像データに重畳して表示されているアノテーションを非表示にするよう指示するメッセージである。第二の情報処理端末202は、アノテーション非表示制御メッセージを受信すると、自端末のディスプレイ306に表示された画像データに重畳して表示中のアノテーションを非表示にする。
【0082】
また、アノテーション表示部705は、第二の画像データPDと類似する画像データが存在すると判定された場合、類似する画像データと対応付けて記憶部710に記憶されているアノテーションを、第二の画像データPDに重畳して表示させる。
【0083】
具体的には、例えば、アノテーション表示部705は、画像テーブル220から検索された第二の画像データPDと類似する画像データと対応付けてアノテーションテーブル230に記憶されているアノテーションを特定する。そして、アノテーション表示部705は、特定したアノテーションを第二の情報処理端末202に送信することにより、第二の画像データPDに重畳してアノテーションを表示させる。
【0084】
例えば、画像テーブル220から検索された第二の画像データPDと類似する画像データの画像IDを「1」とする。また、アノテーションが手書きのストロークである場合を想定する。この場合、アノテーション表示部705は、アノテーションテーブル230を参照して、画像ID「1」に対応するアノテーションID「1」を特定する。
【0085】
つぎに、アノテーション表示部705は、ストロークテーブル600を参照して、アノテーションID「1」に対応するストローク情報600-1~600-3を特定する。そして、アノテーション表示部705は、特定したストローク情報600-1~600-3を含むアノテーション表示制御メッセージを、第二の情報処理端末202に送信する。
【0086】
アノテーション表示制御メッセージは、表示中の画像データに重畳してアノテーションを表示するよう指示するメッセージである。第二の情報処理端末202は、アノテーション表示制御メッセージを受信すると、アノテーション表示制御メッセージに含まれるストローク情報600-1~600-3に基づいて、自端末のディスプレイ306に表示中の画像データに重畳して、アノテーション(手書きのストローク)を表示する。
【0087】
また、保存部704は、第二の画像データPDと類似する画像データが記憶部710に存在するか否かを判定するにあたり、前回の画像切り替わり時に、類似する画像データが記憶部710に存在したか否かを判断することにしてもよい。前回の画像切り替わり時とは、第二の画像データPDへ切り替わる前の第一の画像データPDへの切り替わりが検出されたときである。
【0088】
すなわち、保存部704は、第二の画像データPDへ切り替わる前の第一の画像データPDへの切り替わりが検出された際に、第一の画像データPDに類似する画像データが記憶部710(例えば、画像テーブル220)に存在したか否かを判断することにしてもよい。
【0089】
ここで、第一の画像データPDに類似する画像データが記憶部710に存在しなかった場合、保存部704は、記憶部710を参照して、複数の画像データのうち最後に表示された時刻が新しい画像データから優先して、第二の画像データPDと類似するか否かを判定することにしてもよい。
【0090】
一方、第一の画像データPDに類似する画像データが記憶部710に存在した場合、保存部704は、記憶部710を参照して、複数の画像データのうち最初に表示された時刻が、第一の画像データPDに類似する画像データと近い画像データから優先して、第二の画像データPDと類似するか否かを判定することにしてもよい。
【0091】
第二の画像データPDと類似する画像データが存在するか否かを判定する際の処理内容については、
図8および
図9を用いて後述する。
【0092】
なお、上述した第一の情報処理端末201の機能部うちの映像表示部701については、例えば、本アノテーション表示プログラムとは異なる既存の画像転送アプリケーションにより実現されることにしてもよい。
【0093】
また、上述した説明では、第二の情報処理端末202に表示された画像データに重畳してアノテーションを表示させる場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、本アノテーション表示プログラムは、第一の情報処理端末201に表示される画像データに重畳してアノテーションを表示させる場合に適用することにしてもよい。
【0094】
また、上述した第一の情報処理端末201の各機能部は、表示システム200内の他のコンピュータ、例えば、第二の情報処理端末202により実現されることにしてもよい。この場合、画像テーブル220およびアノテーションテーブル230は、第二の情報処理端末202が有する。
【0095】
(類似する画像データが存在するか否かの判定処理)
つぎに、
図8および
図9を用いて、第二の画像データPDと類似する画像データが存在するか否かを判定する際の処理内容の一例について説明する。ここでは、画像テーブル220から、第二の画像データPDと類似する画像データを検索する場合を想定する。画像テーブル220には、第二の画像データPDと類似する画像データが検索されなかった場合に、第二の画像データPDが新規登録される。
【0096】
図8および
図9は、類似する画像データの検索順序を示す説明図である。保存部704は、第二の画像データPDと類似する画像データが画像テーブル220に存在するか否かを判定するにあたり、前回の画像切り替わり時に、類似する画像データが画像テーブル220に存在したか否かを判断する。
【0097】
なお、前回の画像切り替わり時とは、第二の画像データPDへ切り替わる前の第一の画像データPDへの切り替わりが検出されたときである。
【0098】
まず、第一の画像データPDに類似する画像データが画像テーブル220に存在しなかった場合を想定する。前回の画像切り替わり時に類似する画像データが検索されなかったということは、例えば、スライド番号に従って、新しいスライド(ページ)を順次閲覧しているような使用シーンが想定される。
【0099】
この場合、表示されるスライドのスライド番号は、「1⇒2⇒100」のように大きくジャンプするように変化するのではなく、「1⇒2⇒3⇒2⇒3」といった感じで変化することが多い。このため、保存部704は、例えば、画像テーブル220に記憶された複数の画像データのうち最後に表示された時刻が新しい画像データから優先して、第二の画像データPDと類似するか否かを判定する。
【0100】
最後に表示された時刻は、画像テーブル220内の更新時刻に相当する。すなわち、保存部704は、画像テーブル220を参照して、更新時刻が最新の画像データから優先して、第二の画像データPDとの類似度を算出することにより、第二の画像データPDと類似する画像データを検索する。
【0101】
図8の例では、保存部704は、画像テーブル220内の更新時刻を参照して、画像データ「PD5⇒PD4⇒PD3⇒PD2⇒PD1」の順に、第二の画像データPDとの類似度を算出する(
図8中、矢印800参照)。これにより、画像テーブル220の中から、第二の画像データPDと類似する画像データを効率的に検索することができる。
【0102】
つぎに、第一の画像データPDに類似する画像データが画像テーブル220に存在した場合を想定する。前回の画像切り替わり時に類似する画像データが検索されたということは、例えば、閲覧済みの前のページに戻って議論をやり直しているような使用シーンが想定される。
【0103】
例えば、「1⇒2⇒3⇒…⇒98⇒99⇒100」のようにスライド番号順にページを閲覧した後、スライド番号が「3」のページにジャンプした場合、その後はスライド番号が「3」に近いページを閲覧する可能性が高いといえる。このため、保存部704は、例えば、画像テーブル220に記憶された複数の画像データのうち最初に表示された時刻が、第一の画像データPDに類似する画像データと近い画像データから優先して、第二の画像データPDと類似するか否かを判定する。
【0104】
最初に表示された時刻は、画像テーブル220内の登録時刻に相当する。すなわち、保存部704は、画像テーブル220を参照して、登録時刻が、第一の画像データPDに類似する画像データと近い画像データから優先して、第二の画像データPDとの類似度を算出することにより、第二の画像データPDと類似する画像データを検索する。
【0105】
図9の例では、第一の画像データPDと類似する画像データを「画像データPD3」とする。この場合、保存部704は、画像テーブル220内の登録時刻を参照して、画像データPD3と登録時刻が近い画像データ「PD4⇒PD2⇒PD1⇒PD5」の順に、第二の画像データPDとの類似度を算出する(
図9中、矢印900参照)。これにより、画像テーブル220の中から、第二の画像データPDと類似する画像データを効率的に検索することができる。
【0106】
なお、
図9に示した画像データPD2,PD4のように、第一の画像データPDと類似する画像データの登録時刻との時間差が同じ画像データが複数存在する場合は、それらの画像データをどの順番で類似度を算出するかは、任意に設定可能である。
【0107】
(第一の情報処理端末201のアノテーション表示処理手順)
つぎに、実施の形態1にかかる第一の情報処理端末201のアノテーション表示処理手順について説明する。ここでは、第一の情報処理端末201から第二の情報処理端末202に映像データを送信する場合を想定する。また、第一の情報処理端末201から第二の情報処理端末202への映像データの送信は開始されている場合を想定する。
【0108】
図10および
図11は、実施の形態1にかかる第一の情報処理端末201のアノテーション表示処理手順の一例を示すフローチャートである。
図10のフローチャートにおいて、まず、第一の情報処理端末201は、表示する画像データPDの切り替わりを検出したか否かを判断する(ステップS1001)。
【0109】
ここで、第一の情報処理端末201は、表示する画像データPDの切り替わりを検出するのを待つ(ステップS1001:No)。第一の情報処理端末201は、表示する画像データPDの切り替わりを検出した場合(ステップS1001:Yes)、切り替わり前の第一の画像データPDにアノテーションが付されているか否かを判定する(ステップS1002)。
【0110】
ここで、アノテーションが付されていない場合(ステップS1002:No)、第一の情報処理端末201は、ステップS1005に移行する。一方、アノテーションが付されている場合(ステップS1002:Yes)、第一の情報処理端末201は、切り替わり前の第一の画像データPDと対応付けて、第一の画像データPDに付されているアノテーションを、アノテーションテーブル230に記憶する(ステップS1003)。
【0111】
そして、第一の情報処理端末201は、第一の画像データPDに付されているアノテーションを非表示にさせる(ステップS1004)。具体的には、例えば、第一の情報処理端末201は、アノテーション非表示制御メッセージを、第二の情報処理端末202に送信する。なお、ステップS1002において、第一の情報処理端末201は、切り替わり後の画面データPDが最初の画像データPDの場合、ステップS1005に移行する。
【0112】
つぎに、第一の情報処理端末201は、切り替わり後の第二の画像データPDを取得する(ステップS1005)。そして、第一の情報処理端末201は、画像テーブル220から、取得した第二の画像データPDと類似する画像データを検索する(ステップS1006)。
【0113】
つぎに、第一の情報処理端末201は、類似する画像データが検索されたか否かを判断する(ステップS1007)。ここで、類似する画像データが検索された場合(ステップS1007:Yes)、第一の情報処理端末201は、ステップS1009に移行して、検索された類似する画像データの画像IDを取得して(ステップS1009)、
図11に示すステップS1101に移行する。
【0114】
一方、類似する画像データが検索されなかった場合(ステップS1007:No)、第一の情報処理端末201は、切り替わり後の第二の画像データPDを画像テーブル220に新規登録する(ステップS1008)。この際、第一の情報処理端末201は、切り替わり後の第二の画像データPDに画像IDを採番する。そして、第一の情報処理端末201は、切り替わり後の第二の画像データPDの画像IDを取得して(ステップS1009)、
図11に示すステップS1101に移行する。
【0115】
図11のフローチャートにおいて、まず、第一の情報処理端末201は、アノテーションテーブル230から、取得した画像IDに対応するアノテーション管理情報を検索する(ステップS1101)。そして、第一の情報処理端末201は、アノテーション管理情報が検索されたか否かを判断する(ステップS1102)。
【0116】
ここで、アノテーション管理情報が検索されなかった場合(ステップS1102:No)、第一の情報処理端末201は、アノテーションテーブル230に、取得した画像IDに対応するアノテーション管理情報を新規作成して(ステップS1103)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0117】
一方、アノテーション管理情報が検索された場合(ステップS1102:Yes)、第一の情報処理端末201は、検索したアノテーション管理情報を参照して、取得した画像IDに対応付けて記憶されているアノテーションを特定する(ステップS1104)。そして、第一の情報処理端末201は、特定したアノテーションを、切り替わり後の第二の画像データPDに重畳して表示させて(ステップS1105)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0118】
これにより、第一の情報処理端末201から第二の情報処理端末202に画像データを転送して表示する際に、その画像データに過去に付されたアノテーションを再表示することが可能となる。なお、ステップS1104において、取得した画像IDに対応付けて記憶されているアノテーションがストロークテーブル600等から特定されなかった場合、切り替わり後の第二の画像データPDにアノテーションは表示されない。
【0119】
以上説明したように、実施の形態1にかかる表示システム200によれば、第一の情報処理端末201は、表示する画像データPDの切り替わりを検出したことに応じて、切り替わり前の第一の画像データPDにアノテーションが付されているか否かを判定し、第一の画像データPDにアノテーションが付されていると判定した場合に、第一の画像データPDと対応付けて当該アノテーションを記憶部710に記憶することができる。また、第一の情報処理端末201は、切り替わり後の第二の画像データPDと類似する画像データが記憶部710に存在するか否かを判定し、類似する画像データが存在すると判定した場合、類似する画像データと対応付けて記憶部710に記憶されているアノテーションを、第二の画像データPDに重畳して表示させることができる。表示する画像データPDは、例えば、第一の情報処理端末201から第二の情報処理端末202に送信されて第二の情報処理端末202に表示される画像データである。
【0120】
これにより、画像データを表示する際に、その画像データに過去に付されたアノテーションを再表示することが可能となる。このため、表示する画像データの切り替え時に、ユーザが手動で、切り替わり後の画像データにもう一度アノテーションを付すという面倒な作業が不要となる。
【0121】
また、実施の形態1にかかる表示システム200によれば、第一の情報処理端末201は、切り替わり後の第二の画像データPDと類似する画像データが存在するか否かを判定するにあたり、前回の画像切り替わり時に、類似する画像データが記憶部710に存在したか否かを判断することにしてもよい。前回の画像切り替わり時とは、第二の画像データPDへ切り替わる前の第一の画像データPDへの切り替わりが検出されたときである。そして、第一の情報処理端末201は、前回の画像切り替わり時に類似する画像データが存在しなかった場合、記憶部710を参照して、複数の画像データのうち最後に表示された時刻が新しい画像データから優先して、第二の画像データPDと類似するか否かを判定することができる。
【0122】
これにより、例えば、スライド番号に従って、新しいスライド(ページ)を順次閲覧しているような使用シーンにおいて、第二の画像データPDと類似する画像データを効率的に検索することができる。
【0123】
また、実施の形態1にかかる表示システム200によれば、第一の情報処理端末201は、前回の画像切り替わり時に類似する画像データが存在した場合、記憶部710を参照して、複数の画像データのうち最初に表示された時刻が、第一の画像データPDに類似する画像データと近い画像データから優先して、第二の画像データPDと類似するか否かを判定することができる。
【0124】
これにより、例えば、閲覧済みの前のページに戻って議論をやり直しているような使用シーンにおいて、第二の画像データPDと類似する画像データを効率的に検索することができる。
【0125】
また、実施の形態1にかかる表示システム200によれば、第一の情報処理端末201は、第一の画像データPDにアノテーションが付されていると判定した場合、当該アノテーションを非表示にさせることができる。
【0126】
これにより、ユーザが手動で、切り替わり前の画像データに付されたアノテーションを消すという面倒な作業が不要となる。
【0127】
これらのことから、実施の形態1にかかる表示システム200によれば、表示する画像データの切り替え時に、ユーザが手動で、切り替わり前の画像データに付されたアノテーションを消したり、切り替わり後の画像データにもう一度アノテーションを付したりする作業が不要となり、作業効率の向上を図ることができる。また、表示する画像データに対応付けてアノテーションを保存するため、文書やグラフなどのコンテンツを作成するアプリケーション(例えば、プレゼンテーションソフト)自体にアノテーションを保存する機能を追加しなくてもよい。また、プレゼンテーションソフトなどでコンテンツ作成時に各スライド(ページ)を一意に識別するスライドIDなどが予め付与されていなくても、画像データ同士の類似度合いから画像データを識別して、その画像データに過去に付されたアノテーションを再表示することができる。
【0128】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2にかかるアノテーション表示方法について説明する。実施の形態2では、実施の形態1にかかる第一の情報処理端末201が有する機能を、表示システム200内の複数のコンピュータにより実現する場合について説明する。なお、実施の形態1で説明した箇所と同様の箇所については、図示および説明を省略する。
【0129】
(表示システム200の機能的構成例)
つぎに、
図12を用いて、実施の形態2にかかる表示システム200の機能的構成例について説明する。ここでは、実施の形態2では、実施の形態1にかかる第一の情報処理端末201が有する機能を、表示システム200内の第一の情報処理端末201および第二の情報処理端末202により実現する場合について説明する。
【0130】
図12は、実施の形態2にかかる第一の情報処理端末201および第二の情報処理端末202の機能的構成例を示すブロック図である。まず、実施の形態2にかかる第一の情報処理端末201の機能的構成例について説明する。
【0131】
図12において、第一の情報処理端末201は、第一の映像表示部1211と、画像取得部1212と、検出部1213と、第一の保存部1214と、第一の記憶部1215と、を含む。具体的には、例えば、第一の映像表示部1211~第一の保存部1214は、
図3に示した第一の情報処理端末201のメモリ302、ディスク304、可搬型記録媒体309などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、通信I/F305により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、第一の情報処理端末201のメモリ302、ディスク304などの記憶装置に記憶される。また、第一の記憶部1215は、例えば、第一の情報処理端末201のメモリ302、ディスク304などの記憶装置により実現される。具体的には、例えば、第一の記憶部1215は、
図4に示した画像テーブル220を記憶する。
【0132】
第一の映像表示部1211は、映像データを表示する。具体的には、例えば、第一の映像表示部1211は、自端末のディスプレイ306に映像データを表示する。また、第一の映像表示部1211は、自端末のディスプレイ306に表示された内容(画面)をキャプチャして得られる画像データを、第二の情報処理端末202に送信する。
【0133】
画像取得部1212は、表示する画像データPDを取得する。具体的には、例えば、画像取得部1212は、第一の映像表示部1211によって自端末のディスプレイ306に表示された内容(画面)をキャプチャして画像データを取得する。なお、画像取得部1212による取得処理は、例えば、一定時間ごとに行われる。
【0134】
検出部1213は、表示する画像データPDの切り替わりを検出する。具体的には、例えば、検出部1213は、一定時間ごとに、画像取得部1212によって取得された最新の画像データPDと、画像取得部1212によって取得された直前の画像データPDとを比較して、画像データ同士の類似度を算出する。
【0135】
そして、検出部1213は、算出した類似度が閾値Th1未満の場合に、表示する画像データPDの切り替わりを検出する。一方、検出部1213は、算出した類似度が閾値Th1以上の場合には、表示する画像データPDの切り替わりを検出しない。また、検出部1213は、例えば、自端末の入力装置307を用いたユーザの操作入力により、プレゼンテーションソフトにより作成される情報等のページの切り替えが行われた場合に、表示する画像データPDの切り替わりを検出することにしてもよい。
【0136】
第一の保存部1214は、表示する画像データPDの切り替わりが検出されたことに応じて、アノテーション非表示制御メッセージを、第二の情報処理端末202に送信する。アノテーション非表示制御メッセージは、表示中の画像データに重畳して表示されているアノテーションを非表示にするよう指示するメッセージである。
【0137】
なお、アノテーション非表示制御メッセージには、切り替わり前の第一の画像データPDを識別する識別子、例えば、第一の画像データPDの画像IDが含まれていてもよい。
【0138】
また、第一の保存部1214は、切り替わり後の第二の画像データPDと類似する画像データが第一の記憶部1215に存在するか否かを判定する。具体的には、例えば、第一の保存部1214は、画像テーブル220から、第二の画像データPDと類似する画像データを検索する。
【0139】
より詳細に説明すると、例えば、第一の保存部1214は、第二の画像データPDと、画像テーブル220に記憶された画像データとを比較して、画像データ同士の類似度を算出する。そして、第一の保存部1214は、算出した類似度が閾値Th2以上の画像データを検索する。ここで、類似度が閾値Th2以上の画像データが検索された場合、第一の保存部1214は、第二の画像データPDと類似する画像データが存在すると判定する。一方、類似度が閾値Th2以上の画像データが検索されなかった場合、第一の保存部1214は、第二の画像データPDと類似する画像データが存在しないと判定する。
【0140】
第一の保存部1214は、第二の画像データPDと類似する画像データが存在しないと判定した場合、第二の画像データPDを第一の記憶部1215に記憶する。具体的には、例えば、第一の保存部1214は、第二の画像データPDと類似する画像データが存在しないと判定した場合、第二の画像データPDに画像IDを付与する。そして、第一の保存部1214は、付与した画像IDと対応付けて、第二の画像データPD、登録時刻および更新時刻を画像テーブル220に新規登録する。ここでの登録時刻および更新時刻は、例えば、第二の画像データPDの登録時の日時である。
【0141】
また、第一の保存部1214は、第二の画像データPDと類似する画像データが存在すると判定された場合、アノテーション表示制御メッセージを、第二の情報処理端末202に送信する。アノテーション表示制御メッセージは、表示中の画像データにアノテーションを重畳して表示するよう指示するメッセージである。アノテーション表示制御メッセージは、第二の画像データPDと類似する画像データを識別する識別子、例えば、画像IDを含む。
【0142】
つぎに、実施の形態2にかかる第二の情報処理端末202の機能的構成例について説明する。
【0143】
図12において、第二の情報処理端末202は、第二の映像表示部1221と、第二の保存部1222と、アノテーション表示部1223と、第二の記憶部1224と、を含む。具体的には、例えば、第二の映像表示部1221~アノテーション表示部1223は、
図3に示した第二の情報処理端末202のメモリ302、ディスク304、可搬型記録媒体309などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、通信I/F305により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、第二の情報処理端末202のメモリ302、ディスク304などの記憶装置に記憶される。第二の記憶部1224は、例えば、第二の情報処理端末202のメモリ302、ディスク304などの記憶装置により実現される。具体的には、例えば、第二の記憶部1224は、
図5に示したアノテーションテーブル230および
図6に示したストロークテーブル600を記憶する。
【0144】
第二の映像表示部1221は、映像データを表示する。具体的には、例えば、第二の映像表示部1221は、第一の情報処理端末201から受信した画像データを、自端末のディスプレイ306に表示する。画像データは、例えば、1/30秒程度の間隔で第一の情報処理端末201から第二の情報処理端末202に送信される。
【0145】
第二の保存部1222は、アノテーション非表示制御メッセージを受信した場合、切り替わり前の第一の画像データPDにアノテーションが付されているか否かを判定する。具体的には、例えば、第二の保存部1222は、自端末のディスプレイ306に表示された画像データに重畳して表示中のアノテーションがあるか否かを判断する。
【0146】
ここで、表示中のアノテーションがある場合、第二の保存部1222は、切り替わり前の第一の画像データPDにアノテーションが付されていると判定する。一方、表示中のアノテーションがない場合、第二の保存部1222は、切り替わり前の第一の画像データPDにアノテーションが付されていないと判定する。
【0147】
また、第二の保存部1222は、切り替わり前の第一の画像データPDにアノテーションが付されていると判定した場合、第一の画像データPDを識別する識別子と対応付けて、当該アノテーションを第二の記憶部1224に記憶する。第一の画像データPDを識別する識別子は、例えば、第一の画像データPDの画像IDである。
【0148】
第一の画像データPDの画像IDは、例えば、アノテーション非表示制御メッセージに含まれていてもよい。また、第一の画像データPDの画像IDとして、アノテーション非表示制御メッセージの直前に第一の情報処理端末201から受信されたアノテーション表示制御メッセージに含まれる画像IDを用いることにしてもよい。
【0149】
具体的には、例えば、第二の保存部1222は、切り替わり前の第一の画像データPDにアノテーションが付されていると判定した場合、第一の画像データPDの画像IDと対応付けて、表示中のアノテーションを、アノテーションテーブル230に記憶する。表示中のアノテーションは、自端末のディスプレイ306に表示された画像データに重畳して表示中のアノテーションである。
【0150】
表示中のアノテーションは、切り替わり前の第一の画像データPDにアノテーションが付されているアノテーションに相当する。アノテーションの実体は、例えば、アノテーションIDと対応付けて、
図6に示したようなストロークテーブル600に記憶される。
【0151】
より詳細に説明すると、例えば、第二の保存部1222は、アノテーションテーブル230を参照して、切り替わり前の第一の画像データPDの画像IDに対応するアノテーション管理情報を特定する。そして、第二の保存部1222は、特定したアノテーション管理情報の更新時刻に現在時刻を設定する。また、第二の保存部1222は、特定したアノテーション管理情報のアノテーションIDと対応付けて、表示中のアノテーションの実体を、
図6に示したようなストロークテーブル600に記憶する。
【0152】
アノテーション表示部1223は、切り替わり前の第一の画像データPDにアノテーションが付されていると判定された場合、当該アノテーションを非表示にする。具体的には、例えば、アノテーション表示部1223は、自端末のディスプレイ306に表示された画像データに重畳して表示中のアノテーションを非表示にする。
【0153】
また、アノテーション表示部1223は、アノテーション表示制御メッセージを受信した場合、第二の記憶部1224を参照して、切り替わり後の第二の画像データPDに類似する画像データを識別する識別子と対応付けて第二の記憶部1224に記憶されているアノテーションを、第二の画像データに重畳して表示する。
【0154】
具体的には、例えば、アノテーション表示部1223は、アノテーション表示制御メッセージに含まれる画像IDと対応付けてアノテーションテーブル230に記憶されているアノテーションを特定する。そして、アノテーション表示部1223は、特定したアノテーションを、自端末のディスプレイ306に表示された画像データ(切り替わり後の第二の画像データPD)に重畳して表示する。
【0155】
例えば、アノテーション表示制御メッセージに含まれる画像IDを「1」とする。また、アノテーションが手書きのストロークである場合を想定する。この場合、アノテーション表示部1223は、アノテーションテーブル230を参照して、画像ID「1」に対応するアノテーションID「1」を特定する。
【0156】
つぎに、アノテーション表示部1223は、ストロークテーブル600を参照して、アノテーションID「1」に対応するストローク情報600-1~600-3を特定する。そして、アノテーション表示部1223は、特定したストローク情報600-1~600-3に基づいて、自端末のディスプレイ306に表示中の画像データに重畳して、アノテーション(手書きのストローク)を表示する。
【0157】
なお、第一の情報処理端末201の第一の映像表示部1211および第二の情報処理端末202の第二の映像表示部1221は、例えば、
図7に示した映像表示部701に対応する。第一の情報処理端末201の画像取得部1212は、例えば、
図7に示した画像取得部702に対応する。第一の情報処理端末201の検出部1213は、例えば、
図7に示した検出部703に対応する。第一の情報処理端末201の第一の保存部1214および第二の情報処理端末202の第二の保存部1222は、例えば、
図7に示した保存部704に対応する。第二の情報処理端末202のアノテーション表示部1223は、例えば、
図7に示したアノテーション表示部705に対応する。
【0158】
(表示システム200の動作例)
つぎに、実施の形態2にかかる表示システム200の動作例について説明する。
【0159】
図13は、実施の形態2にかかる表示システム200の動作例を示す説明図である。
図13において、第一の情報処理端末201は、表示する画像データPDの切り替わりを検出したことに応じて、アノテーション非表示制御メッセージm1を第二の情報処理端末202に送信する。
【0160】
第二の情報処理端末202は、アノテーション非表示制御メッセージm1を受信した場合、切り替わり前の第一の画像データにアノテーションが付されているか否かを判定する。具体的には、例えば、第二の情報処理端末202は、自端末のディスプレイ306に表示された画像データに重畳して表示中のアノテーションがあるか否かを判断する。
【0161】
第二の情報処理端末202は、アノテーションが付されていると判定した場合、当該アノテーションを非表示にするとともに、切り替わり前の第一の画像データの画像IDと対応付けて当該アノテーションをアノテーションテーブル230に記憶する。
【0162】
なお、切り替わり前の第一の画像データの画像IDは、例えば、アノテーション非表示制御メッセージm1に含まれていてもよい。また、第二の情報処理端末202は、アノテーション非表示制御メッセージm1の直前に受信されたアノテーション表示制御メッセージ(不図示)に含まれる画像IDを、切り替わり前の第一の画像データの画像IDとしてもよい。
【0163】
第一の情報処理端末201は、切り替わり後の第二の画像データと類似する画像データが画像テーブル220に存在するか否かを判定する。第一の情報処理端末201は、類似する画像データが存在すると判定した場合、類似する画像データの画像IDを含むアノテーション表示制御メッセージm2を第二の情報処理端末202に送信する。
【0164】
ここでは、切り替わり後の画像データ1300と類似する画像データとして、画像ID「xxx」の画像データが検索された場合を想定する。この場合、画像ID「xxx」を含むアノテーション表示制御メッセージm2が第二の情報処理端末202に送信される。
【0165】
第二の情報処理端末202は、アノテーション表示制御メッセージm2を受信した場合、アノテーションテーブル230を参照して、アノテーション表示制御メッセージm2に含まれる画像IDと対応付けて記憶されているアノテーションを、切り替わり後の第二の画像データに重畳して表示する。
【0166】
ここでは、アノテーション表示制御メッセージm2に含まれる画像ID「xxx」と対応付けて、アノテーション1301~1303がアノテーションテーブル230に記憶されている場合を想定する。アノテーション1301~1303は、手書きのストロークを示す。この場合、アノテーション1301~1303が、切り替わり後の画像データ1300に重畳して表示される。
【0167】
これにより、画像データが切り替わった際に、切り替わり後の画像データ1300(画像データ1300に類似する画像ID「xxx」の画像データ)に過去に付されたアノテーション1301~1303を再表示することができる。
【0168】
(第一の情報処理端末201のアノテーション表示処理手順)
つぎに、実施の形態2にかかる第一の情報処理端末201のアノテーション表示処理手順について説明する。ここでは、第一の情報処理端末201から第二の情報処理端末202への映像データの送信は開始されている場合を想定する。
【0169】
図14は、実施の形態2にかかる第一の情報処理端末201のアノテーション表示処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14のフローチャートにおいて、まず、第一の情報処理端末201は、表示する画像データPDの切り替わりを検出したか否かを判断する(ステップS1401)。
【0170】
ここで、第一の情報処理端末201は、表示する画像データPDの切り替わりを検出するのを待つ(ステップS1401:No)。そして、第一の情報処理端末201は、表示する画像データPDの切り替わりを検出した場合(ステップS1401:Yes)、アノテーション非表示制御メッセージを、第二の情報処理端末202に送信する(ステップS1402)。
【0171】
つぎに、第一の情報処理端末201は、切り替わり後の第二の画像データPDを取得する(ステップS1403)。そして、第一の情報処理端末201は、画像テーブル220から、取得した第二の画像データPDと類似する画像データを検索する(ステップS1404)。
【0172】
つぎに、第一の情報処理端末201は、類似する画像データが検索されたか否かを判断する(ステップS1405)。ここで、類似する画像データが検索された場合(ステップS1405:Yes)、第一の情報処理端末201は、ステップS1407に移行して、検索された類似する画像データの画像IDを取得する(ステップS1407)。
【0173】
一方、類似する画像データが検索されなかった場合(ステップS1405:No)、第一の情報処理端末201は、切り替わり後の第二の画像データPDを画像テーブル220に新規登録する(ステップS1406)。この際、第一の情報処理端末201は、切り替わり後の第二の画像データPDに画像IDを採番する。
【0174】
つぎに、第一の情報処理端末201は、切り替わり後の第二の画像データPDの画像IDを取得する(ステップS1407)。そして、第一の情報処理端末201は、取得した画像IDを含むアノテーション表示制御メッセージを、第二の情報処理端末202に送信して(ステップS1408)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0175】
これにより、表示する画像データPDの切り替わりに応じて、第二の情報処理端末202にアノテーション非表示制御メッセージを送信することができる。また、画像テーブル220から、切り替わり後の第二の画像データPDと類似する画像データが検索された場合、類似する画像データの画像IDを含むアノテーション表示制御メッセージを第二の情報処理端末202に送信することができる。
【0176】
(第二の情報処理端末202のアノテーション表示処理手順)
つぎに、実施の形態2にかかる第二の情報処理端末202のアノテーション表示処理手順について説明する。ここでは、第一の情報処理端末201から第二の情報処理端末202への映像データの送信は開始されている場合を想定する。
【0177】
図15は、実施の形態2にかかる第二の情報処理端末202のアノテーション表示処理手順の一例を示すフローチャートである。
図15のフローチャートにおいて、まず、第二の情報処理端末202は、第一の情報処理端末201からメッセージを受信したか否かを判断する(ステップS1501)。
【0178】
ここで、第二の情報処理端末202は、第一の情報処理端末201からメッセージを受信するのを待つ(ステップS1501:No)。そして、第二の情報処理端末202は、第一の情報処理端末201からメッセージを受信した場合(ステップS1501:Yes)、受信したメッセージが、アノテーション非表示制御メッセージであるか否かを判断する(ステップS1502)。
【0179】
ここで、アノテーション非表示制御メッセージの場合(ステップS1502:Yes)、第二の情報処理端末202は、自端末のディスプレイ306に表示された画像データに重畳して表示中のアノテーションがあるか否かを判断する(ステップS1503)。
【0180】
ここで、表示中のアノテーションがない場合(ステップS1503:No)、第二の情報処理端末202は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0181】
一方、表示中のアノテーションがある場合(ステップS1503:Yes)、第二の情報処理端末202は、切り替わり前の第一の画像データPDと対応付けて、表示中のアノテーションを、アノテーションテーブル230に記憶する(ステップS1504)。そして、第一の情報処理端末201は、表示中のアノテーションを非表示にして(ステップS1505)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0182】
また、ステップS1502において、アノテーション非表示制御メッセージではない場合(ステップS1502:No)、第二の情報処理端末202は、受信したメッセージが、アノテーション表示制御メッセージであるか否かを判断する(ステップS1506)。
【0183】
ここで、アノテーション表示制御メッセージではない場合(ステップS1506:No)、第二の情報処理端末202は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0184】
一方、アノテーション表示制御メッセージの場合(ステップS1506:Yes)、第二の情報処理端末202は、アノテーションテーブル230から、受信したアノテーション表示制御メッセージに含まれる画像IDに対応するアノテーション管理情報を検索する(ステップS1507)。そして、第二の情報処理端末202は、アノテーション管理情報が検索されたか否かを判断する(ステップS1508)。
【0185】
ここで、アノテーション管理情報が検索されなかった場合(ステップS1508:No)、第二の情報処理端末202は、アノテーションテーブル230に、アノテーション表示制御メッセージに含まれる画像IDに対応するアノテーション管理情報を新規作成して(ステップS1509)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0186】
一方、アノテーション管理情報が検索された場合(ステップS1508:Yes)、第二の情報処理端末202は、検索したアノテーション管理情報を参照して、アノテーション表示制御メッセージに含まれる画像IDに対応付けて記憶されているアノテーションを特定する(ステップS1510)。そして、第一の情報処理端末201は、自端末のディスプレイ306に表示中の画像データ(切り替わり後の第二の画像データPD)に、特定したアノテーションを重畳して表示して(ステップS1511)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0187】
これにより、アノテーション非表示制御メッセージに応じて、表示中のアノテーションを非表示にすることができる。また、アノテーション表示制御メッセージに応じて、表示中の画像データ(切り替わり後の第二の画像データPD)に、その画像データに過去に付されたアノテーションを重畳して表示することができる。
【0188】
以上説明したように、実施の形態2にかかる表示システム200によれば、送信側端末(第一の情報処理端末201)と受信側端末(第二の情報処理端末202)とが連動して、画像データを表示する際に、その画像データに過去に付されたアノテーションを再表示することが可能となる。
【0189】
(実施の形態3)
つぎに、実施の形態3にかかるアノテーション表示方法について説明する。実施の形態3では、
図2に示した情報管理サーバ203を利用してアノテーションを共有することにより、複数の第二の情報処理端末202で同じアノテーションを表示する場合について説明する。なお、実施の形態1,2で説明した箇所と同様の箇所については、図示および説明を省略する。
【0190】
ここでは、複数の第二の情報処理端末202を「第二の情報処理端末202-1~202-n」と表記する場合がある(n:2以上の自然数)。また、アノテーションテーブル230は、情報管理サーバ203が有するものとする。
【0191】
図16は、実施の形態3にかかる表示システム200の動作例を示す説明図である。
図16において、第一の情報処理端末201は、表示する画像データPDの切り替わりを検出したことに応じて、アノテーション非表示制御メッセージを第二の情報処理端末202-1~202-nに送信する。
【0192】
各第二の情報処理端末202-1~202-nは、アノテーション非表示制御を受信した場合、切り替わり前の第一の画像データにアノテーションが付されているか否かを判定する。具体的には、例えば、各第二の情報処理端末202-1~202-nは、自端末のディスプレイ306に表示された画像データに重畳して表示中のアノテーションがあるか否かを判断する。
【0193】
各第二の情報処理端末202-1~202-nは、アノテーションが付されていると判定した場合、当該アノテーションを非表示にする。また、各第二の情報処理端末202-1~202-nは、切り替わり前の第一の画像データの画像IDと対応付けて、当該アノテーションを情報管理サーバ203に送信する。
【0194】
情報管理サーバ203は、各第二の情報処理端末202-1~202-nから取得した画像IDとアノテーションとを対応付けてアノテーションテーブル230に記憶する。ただし、情報管理サーバ203は、例えば、第二の情報処理端末202-1~202-nから取得したアノテーションのうち更新時刻が最新のアノテーションのみを記憶する。
【0195】
また、各第二の情報処理端末202-1~202-nは、アノテーションが作成または更新されると、その都度、作成または更新されたアノテーションを情報管理サーバ203に送信することにしてもよい。この場合、情報管理サーバ203は、作成または更新されたアノテーションを取得すると、そのアノテーションを他の第二の情報処理端末202に送信する。
【0196】
他の第二の情報処理端末202は、作成または更新されたアノテーションを受信すると、表示中のアノテーションに換えて、受信したアノテーションを画像データに重畳して表示する。これにより、第二の情報処理端末202-1~202-nで同じアノテーションを表示することが可能となる。
【0197】
第一の情報処理端末201は、切り替わり後の第二の画像データと類似する画像データが画像テーブル220に存在するか否かを判定する。第一の情報処理端末201は、類似する画像データが存在すると判定した場合、類似する画像データの画像IDを含むアノテーション表示制御メッセージを第二の情報処理端末202-1~202-nに送信する。
【0198】
各第二の情報処理端末202-1~202-nは、アノテーション表示制御メッセージを受信した場合、情報管理サーバ203から、アノテーション表示制御メッセージに含まれる画像IDと対応付けて記憶されているアノテーションを取得する。具体的には、例えば、各第二の情報処理端末202-1~202-nは、アノテーション表示制御メッセージに含まれる画像IDを情報管理サーバ203に送信する。
【0199】
情報管理サーバ203は、画像IDを受信すると、アノテーションテーブル230を参照して、受信した画像IDと対応付けて記憶されているアノテーションを特定する。そして、情報管理サーバ203は、特定したアノテーションを各第二の情報処理端末202-1~202-nに送信する。各第二の情報処理端末202-1~202-nは、情報管理サーバ203から取得したアノテーションを、切り替わり後の第二の画像データに重畳して表示する。
【0200】
以上説明したように、実施の形態3にかかる表示システム200によれば、情報管理サーバ203を利用してアノテーションを共有することにより、第二の情報処理端末202-1~202-nで同じアノテーションを表示することが可能となる。
【0201】
なお、第一の情報処理端末201は、切り替わり後の第二の画像データと類似する画像データが存在すると判定した場合、類似する画像データの画像IDを情報管理サーバ203に送信することにしてもよい。この場合、第一の情報処理端末201は、送信した画像IDと対応付けて記憶されているアノテーションを情報管理サーバ203から取得する。そして、第一の情報処理端末201は、情報管理サーバ203から取得したアノテーションを、切り替わり後の第二の画像データに重畳して表示する。これにより、第一の情報処理端末201でも、第二の情報処理端末202-1~202-nとアノテーションを表示することが可能となる。
【0202】
(実施の形態4)
つぎに、実施の形態4にかかるアノテーション表示方法について説明する。実施の形態4では、第一の情報処理端末201から第二の情報処理端末202に切り替わり後の画像データPDの画像IDを送信する際に、当該画像IDに対応する画像データをあわせて送信する場合について説明する。なお、実施の形態1~3で説明した箇所と同様の箇所については、図示および説明を省略する。
【0203】
図17は、実施の形態4にかかる表示システム200の動作例を示す説明図である。
図17において、第一の情報処理端末201は、表示する画像データPDの切り替わりを検出したことに応じて、アノテーション非表示制御メッセージを第二の情報処理端末202に送信する。
【0204】
第二の情報処理端末202は、アノテーション非表示制御を受信した場合、切り替わり前の第一の画像データにアノテーションが付されているか否かを判定する。具体的には、例えば、第二の情報処理端末202は、自端末のディスプレイ306に表示された画像データに重畳して表示中のアノテーションがあるか否かを判断する。
【0205】
第二の情報処理端末202は、アノテーションが付されていると判定した場合、当該アノテーションを非表示にするとともに、切り替わり前の第一の画像データの画像IDと対応付けて当該アノテーションを、
図18に示すようなアノテーションテーブル1800に記憶する。
【0206】
第一の情報処理端末201は、切り替わり後の第二の画像データと類似する画像データが画像テーブル220に存在するか否かを判定する。第一の情報処理端末201は、類似する画像データが存在すると判定した場合、類似する画像データの画像IDと、類似する画像データ(または、切り替わり後の第二の画像データ)を含むアノテーション表示制御メッセージを第二の情報処理端末202に送信する。
【0207】
第二の情報処理端末202は、アノテーション表示制御メッセージを受信した場合、アノテーションテーブル1800を参照して、アノテーション表示制御メッセージに含まれる画像IDと対応付けて記憶されているアノテーションを、切り替わり後の第二の画像データに重畳して表示する。
【0208】
ここでは、切り替わり後の画像データ1700に、アノテーション1701~1703が重畳して表示された場合を想定する。
【0209】
また、第二の情報処理端末202は、アノテーション表示制御メッセージに含まれる画像IDと対応付けて、アノテーション表示制御メッセージに含まれる画像データを、アノテーションテーブル1800に記憶する。ここで、アノテーションテーブル1800の記憶内容について説明する。
【0210】
図18は、アノテーションテーブル1800の記憶内容の一例を示す説明図である。
図18において、画像ID、画像データ、アノテーションIDおよび更新時刻のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、アノテーション管理情報(例えば、アノテーション管理情報1800-1~1800-3)をレコードとして記憶する。
【0211】
ここで、画像IDは、アノテーションが付された画像データの画像IDを示す。画像データは、アノテーションが付された画像データである。アノテーションIDは、アノテーションを一意に識別する識別子である。更新時刻は、アノテーションが作成または更新された日時を示す。
【0212】
例えば、アノテーション管理情報1800-1は、画像ID「1」、画像データPD1、アノテーションID「1」および更新時刻「2020/04/28 10:10:20」を示す。なお、アノテーションテーブル1800は、例えば、
図6に示したようなストロークテーブル600を含む。
【0213】
これにより、第二の情報処理端末202は、例えば、自端末の入力装置307を用いたユーザの操作入力により、デジタル付箋の作成指示を受け付けた場合に、アノテーションテーブル1800を参照して、デジタル付箋を作成することが可能となる。デジタル付箋は、画像データ上にアノテーションを重畳して表示した情報である。
【0214】
例えば、第二の情報処理端末202は、アノテーションテーブル1800を参照して、画像データPD1上に、アノテーションID「1」のアノテーションを重畳して表示したデジタル付箋1710を作成することができる。また、第二の情報処理端末202は、アノテーションテーブル1800を参照して、画像データPD2上に、アノテーションID「2」のアノテーションを重畳して表示したデジタル付箋1720を作成することができる。また、第二の情報処理端末202は、アノテーションテーブル1800を参照して、画像データPD3上に、アノテーションID「3」のアノテーションを重畳したデジタル付箋1730を作成することができる。
【0215】
また、第二の情報処理端末202は、例えば、作成したデジタル付箋1710,1720,1730を表示することができる。
図17の例では、第一の情報処理端末201から送信された画像データ1700(アノテーション1701~1703を含む)とともに、デジタル付箋1710,1720,1730が一括表示されている。
【0216】
以上説明したように、実施の形態4にかかる表示システム200によれば、第二の情報処理端末202は、アノテーションを対応する画像データ上に重畳したデジタル付箋を作成することができる。また、第二の情報処理端末202側で画像IDに対応する画像データを保持しておくことで、アノテーションを適切な画像データ上に重畳したデジタル付箋を作成することができる。
【0217】
なお、本実施の形態で説明したアノテーション表示方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本アノテーション表示プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD、USBメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本アノテーション表示プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【0218】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0219】
(付記1)表示する画像データの切り替わりを検出したことに応じて、切り替わり前の第一の画像データにアノテーションが付されているか否かを判定し、
前記第一の画像データにアノテーションが付されていると判定した場合に、前記第一の画像データと対応付けて前記アノテーションを記憶部に記憶し、
切り替わり後の第二の画像データと類似する画像データが前記記憶部に存在するか否かを判定し、
前記類似する画像データが存在すると判定した場合、前記類似する画像データと対応付けて前記記憶部に記憶されているアノテーションを、前記第二の画像データに重畳して表示させる、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするアノテーション表示プログラム。
【0220】
(付記2)前記記憶部は、表示された複数の画像データのそれぞれの画像データと対応付けて、当該画像データが最後に表示された時刻を記憶しており、
前記類似する画像データが存在するか否かを判定する処理は、
前記第二の画像データへ切り替わる前の前記第一の画像データへの切り替わりを検出した際に、前記第一の画像データに類似する画像データが前記記憶部に存在しなかった場合、前記記憶部を参照して、前記複数の画像データのうち最後に表示された時刻が新しい画像データから優先して、前記第二の画像データと類似するか否かを判定する、ことを特徴とする付記1に記載のアノテーション表示プログラム。
【0221】
(付記3)前記記憶部は、表示された複数の画像データのそれぞれの画像データと対応付けて、当該画像データが最初に表示された時刻を記憶しており、
前記類似する画像データが存在するか否かを判定する処理は、
前記第二の画像データへ切り替わる前の前記第一の画像データへの切り替わりを検出した際に、前記第一の画像データに類似する画像データが前記記憶部に存在した場合、前記記憶部を参照して、前記複数の画像データのうち最初に表示された時刻が、前記第一の画像データに類似する画像データと近い画像データから優先して、前記第二の画像データと類似するか否かを判定する、ことを特徴とする付記1または2に記載のアノテーション表示プログラム。
【0222】
(付記4)前記第一の画像データにアノテーションが付されていると判定した場合、前記アノテーションを非表示にさせる、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1~3のいずれか一つに記載のアノテーション表示プログラム。
【0223】
(付記5)前記表示する画像データは、第一の装置から第二の装置に送信されて前記第二の装置に表示される画像データである、ことを特徴とする付記1~4のいずれか一つに記載のアノテーション表示プログラム。
【0224】
(付記6)前記類似する画像データが存在するか否かを判定する処理は、
前記第二の画像データと前記記憶部に記憶された画像データとを比較して、画像データ同士の類似度を算出し、
算出した前記類似度が閾値以上の画像データが検索された場合に、前記類似する画像データが存在すると判定する、ことを特徴とする付記1~5のいずれか一つに記載のアノテーション表示プログラム。
【0225】
(付記7)表示する画像データの切り替わりを検出したことに応じて、切り替わり前の第一の画像データにアノテーションが付されているか否かを判定し、
前記第一の画像データにアノテーションが付されていると判定した場合に、前記第一の画像データと対応付けて前記アノテーションを記憶部に記憶し、
切り替わり後の第二の画像データと類似する画像データが前記記憶部に存在するか否かを判定し、
前記類似する画像データが存在すると判定した場合、前記類似する画像データと対応付けて前記記憶部に記憶されているアノテーションを、前記第二の画像データに重畳して表示させる、
処理をコンピュータが実行することを特徴とするアノテーション表示方法。
【0226】
(付記8)第一の装置と第二の装置とを含み、前記第一の装置に表示される画像データを、前記第一の装置から前記第二の装置に転送して前記第二の装置に表示するシステムにおいて、
前記第一の装置が、
表示する画像データの切り替わりを検出したことに応じて、アノテーション非表示制御メッセージを前記第二の装置に送信し、
表示された画像データを記憶する第一の記憶部を参照して、切り替わり後の第二の画像データと類似する画像データが前記第一の記憶部に存在するか否かを判定し、
前記類似する画像データが存在すると判定した場合、前記類似する画像データを識別する識別子を含む、アノテーション表示制御メッセージを前記第二の装置に送信し、
前記第二の装置が、
前記アノテーション非表示制御メッセージを受信した場合、前記第一の画像データにアノテーションが付されているか否かを判定し、
前記第一の画像データにアノテーションが付されていると判定した場合に、前記アノテーションを非表示にするとともに、前記第一の画像データを識別する識別子と対応付けて前記アノテーションを第二の記憶部に記憶し、
前記アノテーション表示制御メッセージを受信した場合、前記アノテーション表示制御メッセージに含まれる識別子と対応付けて前記第二の記憶部に記憶されているアノテーションを、前記第二の画像データに重畳して表示する、
ことを特徴とするアノテーション表示方法。
【0227】
(付記9)前記第一の装置が、
前記類似する画像データが存在すると判定した場合、前記類似する画像データを識別する識別子と、前記類似する画像データとを含む、アノテーション表示制御メッセージを前記第二の装置に送信し、
前記第二の装置が、
前記アノテーション表示制御メッセージを受信した場合、前記類似する画像データを識別する識別子と対応付けて、前記類似する画像データを前記第二の記憶部に記憶し、
前記第二の記憶部を参照して、前記類似する画像データを識別する識別子と対応付けて記憶されている前記類似する画像データに、前記類似する画像データを識別する識別子と対応付けて記憶されているアノテーションを重畳した画像データを作成する、
ことを特徴とする付記8に記載のアノテーション表示方法。
【符号の説明】
【0228】
101 第一の装置
102 第二の装置
110,710 記憶部
200 表示システム
201 第一の情報処理端末
202 第二の情報処理端末
203 情報管理サーバ
210 ネットワーク
220 画像テーブル
230,1800 アノテーションテーブル
300 バス
301 CPU
302 メモリ
303 ディスクドライブ
304 ディスク
305 通信I/F
306 ディスプレイ
307 入力装置
308 可搬型記録媒体I/F
309 可搬型記録媒体
600 ストロークテーブル
701 映像表示部
702,1212 画像取得部
703,1213 検出部
704 保存部
705,1223 アノテーション表示部
1211 第一の映像表示部
1214 第一の保存部
1215 第一の記憶部
1221 第二の映像表示部
1222 第二の保存部
1224 第二の記憶部