(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】データ伝送方法及びデータ伝送デバイス
(51)【国際特許分類】
H04L 61/5014 20220101AFI20240730BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H04L61/5014
H04L12/28 200Z
(21)【出願番号】P 2022567492
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(86)【国際出願番号】 CN2022083948
(87)【国際公開番号】W WO2022228002
(87)【国際公開日】2022-11-03
【審査請求日】2022-11-07
(31)【優先権主張番号】202110449956.X
(32)【優先日】2021-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515034703
【氏名又は名称】広州視源電子科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU SHIYUAN ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.6,4th Yunpu Road,Huangpu District,Guangzhou,Guangdong P.R.CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】518298061
【氏名又は名称】▲広▼州▲視▼▲叡▼▲電▼子科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU SHIRUI ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.192,Kezhu Road,Science Park Guangzhou,Guang Dong,China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】黄 升
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111641431(CN,A)
【文献】特開2009-088875(JP,A)
【文献】特表2015-537297(JP,A)
【文献】特開2010-283721(JP,A)
【文献】特開2007-013880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ伝送デバイスに適用されるデータ伝送方法であって、
前記データ伝送デバイスは、第1通信モジュールと、第2通信モジュールとを含み、前記第1通信モジュール及び前記第2通信モジュールは全て第1通信プロトコルに従ってデータを伝送し、
前記第1通信プロトコルは、無線通信プロトコルを含み、
前記データ伝送方法は、
前記第1通信モジュール
が電子デバイスからのメディアデータを取得するステップと、
前記第1通信モジュール
が前記第1通信プロトコルに従って前記第2通信モジュールに前記メディアデータを送信するステップと、
前記第2通信モジュール
が前記メディアデータを受信して、前記第1通信プロトコルに従って電子黒板に前記メディアデータを送信するステップと、を含
み、
前記第1通信モジュールが前記電子黒板に動的ホスト構成プロトコル(DHCP)要求を送信するステップと、
前記第1通信モジュールが、前記電子黒板が前記電子デバイスに割り当てたIPアドレスを受信するステップと、をさらに含み、
前記IPアドレスは、前記電子デバイスにより前記第1通信モジュールが前記無線通信プロトコルに従ってデータを伝送するように制御されるためのものである
ことを特徴とするデータ伝送方法。
【請求項2】
前記第1通信モジュールは、USBケーブルを介して前記電子デバイスに接続されるUSBネットワークカードを含み、
前記第1通信モジュールは電子デバイスからのメディアデータを取得するステップは、
前記USBネットワークカードは、前記USBケーブルを介して前記電子デバイスから送信された前記メディアデータを受信するステップを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1通信モジュールと前記第2通信モジュールとの間でブリッジ又はウェブサイトアドレス変換NATの通信接続関係が確立されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
電子デバイス
とデータ伝送デバイスとを含むデータ伝送システムに適用されるデータ伝送方法であって、
前記電子デバイスは、データ伝送デバイスにメディアデータを送信し、前記データ伝送デバイスが前記メディアデータを電子黒板に伝送し、前記データ伝送デバイスは、第1通信モジュールと、第2通信モジュールとを含み、前記第1通信モジュール及び前記第2通信モジュールは全て第1通信プロトコルに従ってデータを伝送し、
前記第1通信プロトコルは、無線通信プロトコルを含み、
前記データ伝送方法は、
前記電子デバイスが前記データ伝送デバイスの第1通信モジュールに接続されていると決定するステップと、
前記第1通信モジュールが電子デバイスからのメディアデータを取得するステップと、
前記第1通信モジュール
が前記第1通信プロトコルに従って前記第2通信モジュールに前記メディアデータを送信する
ステップと、
前記第2通信モジュール
が前記第1通信プロトコルに従って前記電子黒板に前記メディアデータを送信するステップと、を含
み、
前記第1通信モジュールが前記電子黒板に動的ホスト構成プロトコル(DHCP)要求を送信するステップと、
前記第1通信モジュールが、前記電子黒板が前記電子デバイスに割り当てたIPアドレスを受信するステップと、をさらに含み、
前記IPアドレスは、前記電子デバイスにより前記第1通信モジュールが前記無線通信プロトコルに従ってデータを伝送するように制御されるためのものである
ことを特徴とするデータ伝送方法。
【請求項5】
前記第1通信モジュールは、USBケーブルを介して前記電子デバイスに接続されるUSBネットワークカードを含み、
前記電子デバイスが前記データ伝送デバイスの第1通信モジュールに接続されていると決定する上記ステップは、
USB列挙手段によって、前記電子デバイスがUSBケーブルを介して前記データ伝送デバイスのUSBネットワークカードに接続されていることを検出するステップを含む
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1通信モジュールは前記第1通信プロトコルに従って前記第2通信モジュールに前記メディアデータを送信するように制御される上記ステップは、
前記USBケーブルを介して、前記第1通信モジュールに前記メディアデータを送信して、前記第1通信モジュールは前記第1通信プロトコルに従って前記第2通信モジュールに前記メディアデータを送信するように制御するステップを含む
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
電子デバイスからのメディアデータを取得し、第1通信プロトコルに従って第2通信モジュールに前記メディアデータを送信する第1通信モジュールと、
前記メディアデータを受信し、前記第1通信プロトコルに従って電子黒板に前記メディアデータを送信する前記第2通信モジュールと、を含
み、
前記第1通信プロトコルは、無線通信プロトコルを含み、
前記第1通信モジュールは、前記電子黒板に動的ホスト構成プロトコル(DHCP)要求を送信し、
前記第1通信モジュールは、前記電子黒板が前記電子デバイスに割り当てたIPアドレスを受信し、
前記IPアドレスは、前記電子デバイスにより前記第1通信モジュールが前記無線通信プロトコルに従ってデータを伝送するように制御されるためのものである
ことを特徴とするデータ伝送デバイス。
【請求項8】
電子デバイスと、データ伝送デバイスとを含むデータ伝送システムであって、
前記データ伝送デバイスは、第1通信モジュールと、第2通信モジュールとを含み、前記第1通信モジュール及び前記第2通信モジュールは、全て第1通信プロトコルに従ってデータを伝送し、
前記第1通信プロトコルは、無線通信プロトコルを含み、
前記電子デバイスは、前記データ伝送デバイスの第1通信モジュールに接続され、前記第1通信プロトコルに従って前記第2通信モジュールにメディアデータを送信するように前記第1通信モジュールを制御し、
前記データ伝送デバイスは、前記第2通信モジュールを介して前記第1通信プロトコルに従って電子黒板に前記メディアデータを送信し、
前記第1通信モジュールは、前記電子黒板に動的ホスト構成プロトコル(DHCP)要求を送信し、
前記第1通信モジュールは、前記電子黒板が前記電子デバイスに割り当てたIPアドレスを受信し、
前記IPアドレスは、前記電子デバイスにより前記第1通信モジュールが前記無線通信プロトコルに従ってデータを伝送するように制御されるためのものである
ことを特徴とするデータ伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2021年04月25日に中国特許庁に提出された、出願番号が202110449956.X、発明の名称が「データ伝送方法及びデータ伝送デバイス」である中国特許出願の優先権を主張しており、その全内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願は電子の技術分野に関し、特にデータ伝送方法及びデータ伝送デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
会議中の人々の交流を助けるために、従来技術では、多くの技術的解決手段が提供されている。例えば、プレゼンテーションをカーテンに投影して表示して共有すること、リモートインスタントメッセージングや大画面タッチタブレットを使用してキャンバスを作成するなどがあり、また、データ伝送デバイスを使う方法もあり、データ伝送デバイスは、ケーブルを介してユーザの電子デバイス(ノートパソコン、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータや携帯電話などを含む)に接続され、ユーザの電子デバイス内のメディアデータ(表示画面データ及び音声データを含む)を会議室の電子黒板に伝送して表示する。
【0004】
従来技術では、電子黒板は会議室の壁に取り付けられていることが多いため、移動が容易ではなく、また、データ伝送デバイスがますます小型化し、携帯しやすくなるので、データ伝送デバイスはユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、略称:USB)などの有線方式で電子デバイスに接続され、無線忠実度(Wireless Fidelity、略称:WiFi)、ブルートゥース(登録商標)などの無線通信方式で電子黒板に接続され得る。ユーザは、データ伝送デバイスを使用する際に、ケーブルを介してデータ伝送デバイスを電子デバイスに接続した後、電子デバイスはUSBケーブルを介してメディアデータをデータ伝送デバイスに伝送することができ、その後、データ伝送デバイスはWiFiなどの無線通信方式を介してメディアデータを電子黒板に伝送し、このように、メディアデータ伝送の過程全体が完了する。
【0005】
しかし、従来技術を用いると、データ伝送デバイスは、USBケーブルを介してメディアデータを受信し、WiFiを介してメディアデータを送信するため、メディアデータを伝送する際に、メディアデータがサポートするプロトコルフォーマットの変換も必要となり、これにより、メディアデータ伝送に必要な時間を増大させ、また、メディアデータを変換するときのエラー発生の可能性を増加させることで、メディアデータを伝送する際の伝送効率及び伝送品質を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、データ伝送デバイスによるメディアデータ伝送の伝送効率及び伝送品質が低いという従来技術の技術的課題を解決するデータ伝送方法及びデータ伝送デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の第1態様は、データ伝送デバイスに適用されるデータ伝送方法であって、
データ伝送デバイスは、第1通信モジュールと、第2通信モジュールとを含み、第1通信モジュール及び第2通信モジュールは全て第1通信プロトコルに従ってデータを伝送し、
前記データ伝送方法は、
第1通信モジュールは、電子デバイスからのメディアデータを取得するステップと、
第1通信モジュールは、第1通信プロトコルに従って第2通信モジュールにメディアデータを送信するステップと、
第2通信モジュールは、メディアデータを受信して、第1通信プロトコルに従って電子黒板にメディアデータを送信するステップと、を含む
データ伝送方法を提供する。
【0008】
本願の第1態様の一実施例では、第1通信モジュールは、USBケーブルを介して電子デバイスに接続されるUSBネットワークカードを含み、第1通信モジュールは電子デバイスからのメディアデータを取得するステップは、USBネットワークカードは、USBケーブルを介して電子デバイスから送信されたメディアデータを受信するステップを含む。
【0009】
本願の第1態様の一実施例では、第1通信プロトコルは、イーサネット通信プロトコルを含み、第1通信モジュールと第2通信モジュールとの間でブリッジ又はウェブサイトアドレス変換NATの通信接続関係が確立されている。
【0010】
本願の第2態様は、電子デバイスに適用されるデータ伝送方法であって、
電子デバイスは、データ伝送デバイスにメディアデータを送信し、データ伝送デバイスがメディアデータを電子黒板に伝送し、データ伝送デバイスは、第1通信モジュールと、第2通信モジュールとを含み、第1通信モジュール及び第2通信モジュールは全て第1通信プロトコルに従ってデータを伝送し、
前記データ伝送方法は、
電子デバイスがデータ伝送デバイスの第1通信モジュールに接続されていると決定するステップと、
前記第1通信モジュールは前記第1通信プロトコルに従って前記第2通信モジュールに前記メディアデータを送信するように制御されて、第2通信モジュールは第1通信プロトコルに従って電子黒板にメディアデータを送信するステップと、を含むデータ伝送方法を提供する。
【0011】
本願の第2態様の一実施例では、第1通信モジュールは、USBケーブルを介して電子デバイスに接続されるUSBネットワークカードを含み、電子デバイスがデータ伝送デバイスの第1通信モジュールに接続されていると決定するステップは、USB列挙手段によって、電子デバイスがUSBケーブルを介してデータ伝送デバイスのUSBネットワークカードに接続されていることを検出するステップを含む。
【0012】
本願の第2態様の一実施例では、第1通信モジュールは第1通信プロトコルに従って第2通信モジュールにメディアデータを送信するように制御されるステップは、USBケーブルを介して、第1通信モジュールにメディアデータを送信して、第1通信モジュールは第1通信プロトコルに従って第2通信モジュールにメディアデータを送信するように制御するステップを含む。
【0013】
本願の第2態様の一実施例では、第1通信プロトコルは、イーサネット通信プロトコルを含む。
【0014】
本願の第2態様の一実施例では、前記電子デバイスがデータ伝送デバイスの第1通信モジュールに接続されていると決定するステップの後、さらに、第1通信モジュールは電子黒板に動的ホスト構成プロトコルDHCPを送信するように制御されるステップと、第1通信モジュールを介して、電子黒板が電子デバイスに割り当てたIPアドレスを受信するステップとを含む。IPアドレスは、電子デバイスにより前記第1通信モジュールが前記イーサネット通信プロトコルに従ってデータを伝送するように制御するためのものである。
【0015】
本願の第3態様は、本願の第1態様の実施例で提供されるデータ伝送方法を実行するデータ伝送デバイスであって、
第1通信モジュールと、第2通信モジュールとを含み、第1通信モジュールは、電子デバイスからのメディアデータを取得し、第1通信プロトコルに従って第2通信モジュールにメディアデータを送信し、第2通信モジュールは、メディアデータを受信し、第1通信プロトコルに従って電子黒板にメディアデータを送信する、データ伝送デバイスを提供する。
【0016】
本願の第3態様の一実施例では、第1通信モジュールは、USBケーブルを介して電子デバイスに接続されるUSBネットワークカードを含み、第1通信モジュールは、具体的には、USBネットワークカードUSBケーブルを介して電子デバイスから送信されたメディアデータを受信する。
【0017】
本願の第3態様の一実施例では、第1通信プロトコルは、イーサネット通信プロトコルを含み、第1通信モジュールと第2通信モジュールとの間でブリッジ又はウェブサイトアドレス変換NATの通信接続関係が確立されている。
【0018】
本願の第4態様は、本願の第2態様で提供されるデータ伝送方法を実行する電子デバイスであって、
通信インターフェースと、処理モジュールとを含み、通信インターフェースは、データ伝送デバイスの第1通信モジュールとの通信に用いられ、処理モジュールは、通信インターフェースがデータ伝送デバイスの第1通信モジュールに接続されていると決定し、前記通信インターフェースを介して、前記第1通信プロトコルに従って第2通信モジュールにメディアデータを送信するように前記第1通信モジュールを制御して、第2通信モジュールが第1通信プロトコルに従って電子黒板にメディアデータを送信するように構成される電子デバイスを提供する。
【0019】
本願の第4態様の一実施例では、第1通信モジュールは、USBケーブルを介して電子デバイスに接続されるUSBネットワークカードを含み、処理モジュールは、具体的には、USB列挙手段によって、電子デバイスがUSBケーブルを介してデータ伝送デバイスのUSBネットワークカードに接続されていることを検出する。
【0020】
本願の第4態様の一実施例では、処理モジュールは、具体的には、USBケーブルを介して、第1通信モジュールにメディアデータを送信し、第1通信モジュールは、第1通信プロトコルに従って第2通信モジュールにメディアデータを送信するように制御される。
【0021】
本願の第4態様の一実施例では、第1通信プロトコルは、イーサネット通信プロトコルを含む。
【0022】
本願の第4態様の一実施例では、処理モジュールは、さらに、前記通信インターフェースを介して電子黒板に動的ホスト構成プロトコルDHCPを送信し、前記通信インターフェースを介して、電子黒板が電子デバイスに割り当てた、電子デバイスがイーサネット通信プロトコルに従ってデータを伝送するためのIPアドレスを受信する。
【0023】
本願の第5態様は、データ伝送システムであって、
本願の第4態様のいずれか1項に記載の電子デバイスと、本願の第3態様のいずれか1項に記載のデータ伝送デバイスとを含み、例えば、電子デバイスは、データ伝送デバイスの第1通信モジュールに接続され、第1通信プロトコルに従って第2通信モジュールにメディアデータを送信するように第1通信モジュールを制御してもよく、データ伝送デバイスは、第2通信モジュールを介して第1通信プロトコルに従って電子黒板にメディアデータを送信してもよいデータ伝送システムを提供する。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本願の実施例で提供されるデータ伝送方法及びデータ伝送デバイスでは、電子デバイスがデータ伝送デバイスを介して電子黒板にメディアデータを送信する際に、電子デバイスはデータ伝送デバイスの第1通信モジュールを直接に制御して第1通信プロトコルのメディアデータを送信させ、次に第2通信モジュールは第1通信プロトコルに従って電子黒板にメディアデータを送信することができ、よって、データ伝送デバイスによるメディアデータ伝送にわたって、メディアデータについてプロトコル変換を行う必要がなく、これにより、データ伝送デバイスによるメディアデータ伝送に必要な時間を短縮させ、データ伝送デバイスによる毎回のメディアデータ伝送の遅延を低減させ、データ伝送デバイスによるメディアデータ伝送の伝送効率を向上させ、また、データ伝送デバイスではプロトコル変換のステップを省略するので、メディアデータに対するプロトコル変換時のエラー発生の可能性を低減させ、データ伝送デバイスによるメディアデータ伝送の伝送品質を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本願の実施例又は従来技術の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明するが、明らかに、以下の説明における図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な努力を必要とせずにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【
図4】本願で提供されるデータ伝送デバイスの一実施例の構造概略図である。
【
図5】本願で提供されるデータ伝送方法の一実施例の流れの概略図である。
【
図6】本願で提供されるデータ伝送デバイスの使用状態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本願の実施例に係る技術的解決手段について、図面を参照しながら明確かつ完全に説明するが、明らかに、説明される実施例は、本願の実施例の一部にすぎず、全ての実施例ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力を必要とせずに取得する他の全ての実施例は、本願の特許範囲に属する。
【0027】
本願の明細書及び特許請求の範囲、並びに上記の図面における用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」など(存在する場合)は、類似の対象を区別するためのものであって、特定の順序又は優先順位を説明するためのものではない。このように使用されるデータは、本明細書に記載の本願の実施例が、例えば本明細書に図示又は記載されたもの以外の順序で実施されることを可能にするために、適宜交換されてもよいことが理解されるべきである。さらに、用語「含む」及び「有する」並びにそれらの変形は、排他的でない包含をカバーすることを意図しており、例えば、一連のステップ又はユニットを包含するプロセス、方法、システム、製品、又はデバイスは、明示的にリストされたステップ又はユニットに限定される必要はなく、明示的にリストされていない、又はこれらのプロセス、方法、製品、又はデバイスに固有の他のステップ又はユニットを含んでもよい。
【0028】
本願の実施例を説明するに先立って、図面を参照して、本願の適用場面及び技術に存在するいくつかの欠点について説明する。
【0029】
図1は、本願の適用場面の概略図であり、ここで、ユーザが電子デバイス1のプレゼンテーションを会議で共有する必要がある場面を例として、電子デバイス1の画面サイズに制限があるため、ユーザは、ケーブル2を用いて電子デバイス1をデータ伝送デバイス3に接続した後、電子デバイス1の表示インターフェースに表示されているプレゼンテーションの画面を、データ伝送デバイス3を介して壁に掛設された電子黒板4に伝送して表示することができる。
【0030】
ここで、電子デバイス1は、ノートパソコン、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーションなどの表示インターフェースを有するデバイスであってもよく、データ伝送デバイス3は、スクリーン投影装置、スクリーンプロジェクタ、無線スクリーンプロジェクタ、スクリーン送信装置、又は無線スクリーン送信装置などとも呼ばれ、電子黒板4(interactive white board)は、インタラクティブスマート黒板、スマート電子黒板、スマートインタラクティブホワイトボード、大画面黒板などとも呼ばれてもよい。データ伝送デバイス3と電子黒板4とは、無線通信方式によって接続されてもよく、前記無線通信方式は、ワイヤレス忠実度(Wireless Fidelity、略称:WiFi)、ブルートゥース(登録商標)、又は他の近距離無線通信方式などを含むが、これらに限定されない。電子黒板4は、データ伝送デバイス3と連携して、電子デバイス1におけるプレゼンテーションの共有を実現することができる。いくつかの実施例では、電子黒板4は、リモートインスタントメッセージング、及びタッチパネルを使用してキャンバスを作成するなどの機能を単独で実現することも可能である。いくつかの実施例では、データ伝送デバイス3と電子黒板4は同一のメーカによって提供されてもよく、ユーザはデータ伝送デバイス3と電子黒板4とを同時に購入し、電子黒板4を会議室の壁に取り付けた後、データ伝送デバイス3を使用して電子デバイス1の表示インターフェース上の画面を会議型黒板4に伝送して表示することができる。
【0031】
電子デバイス1とデータ伝送デバイス3との間でデータ通信が可能であり、例えば、電子デバイス1とデータ伝送デバイス3との間にケーブル2を設けて有線通信により相互に接続することができる。ケーブル2は、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、略称:USB)ケーブル、高精細マルチメディアインターフェース(High Definition Multimedia Interface、略称:HDMI(登録商標))ケーブル、又はネットワークケーブルなどであってもよい。一実施例において、USBケーブルは、USB Type-Cケーブルであってもよい。
【0032】
いくつかの実施例では、ケーブル2はデータ伝送デバイス3とは別体として設けられてもよく、ケーブル2はデータ伝送デバイス3のメーカによって提供されるか、ユーザが自分で購入してもよい。別のいくつかの実施例では、ケーブル2はデータ伝送デバイス3とは一体として設けられてもよく、即ち、ケーブル2とデータ伝送デバイス3は一体型のデバイスを構成し、この場合、ケーブル2はデータ伝送デバイス3の一部とみなすことができ、このようにして、ユーザがデータ伝送デバイス3を電子デバイス1に接続する際に、データ伝送デバイス3をケーブル2の一端に接続するステップを省略してもよく、電子デバイス1をケーブルの他端に接続するだけでよく、これによって、効率を向上させるとともに、ケーブル2を見つけられないことによりデータ伝送デバイス3を電子デバイス1に接続できないような状況を回避できる。
【0033】
一方、
図1に示す場面では、電子黒板4は会議室の壁に取り付けられていることが多く、また、データ伝送デバイス3はますます小型化し、携帯しやすくなるので、データ伝送デバイス3は通常、USBケーブル2などの有線方式によって電子デバイス1に接続され、WiFi、ブルートゥース(登録商標)などの無線通信方式で電子黒板4に接続される。
【0034】
いくつかの実施例では、
図2はデータ伝送デバイスの構造概略図であり、
図2に示すデータ伝送デバイス3は、USB通信インターフェース31と、プロセッサ32と、WiFi通信モジュールとを含み、ユーザが
図2に示すデータ伝送デバイス3を
図1に示す場面に適用してスクリーン投影機能を実現する場合、流れは全体として
図3を参照すればよい。
【0035】
図3はデータ伝送方法の流れの概略図であり、データ伝送デバイスの構造は
図2に示される。具体的には、ユーザがデータ伝送デバイス3を用いてスクリーン投影を行う際に、まず、S10において、USBケーブル2を介して電子デバイス1をデータ伝送デバイス3のUSB通信インターフェース31に接続し、次に、データ伝送デバイス3に対して、S10においてUSB列挙手段によって、USB通信インターフェース31がUSBケーブル2を介して電子デバイス1に接続されていることを検出した後、S20において、WiFi通信モジュール33によって電子黒板4とのWiFi接続関係を確立する。データ伝送デバイス3と電子デバイス1との有線接続関係、データ伝送デバイス3と電子黒板4との無線接続関係の両方が確立されると、S30において、電子デバイス1は、メディアデータ(電子デバイス1の現在の表示画面データやオーディオデータなど)を、USBプロトコルに従って、USBケーブル2を介してデータ伝送デバイス3に送信し、このような場合、データ伝送デバイス3のプロセッサ32は、USB通信インターフェース31を介して、電子デバイス1から送信されたメディアデータを受信してもよい。プロセッサ32がこのときに受信したメディアデータがUSBプロトコルをサポートするので、WiFi通信モジュールによってサポートされるイーサネットプロトコルを介して伝送できないため、プロセッサ32は、S40においてメディアデータについてフォーマット変換をすることで、USBプロトコルをサポートするメディアデータを、イーサネットプロトコルをサポートするメディアデータに変換しなければならない。最後に、プロセッサ32は、イーサネットプロトコルをサポートするメディアデータをWiFi通信モジュール33に送信し、WiFi通信モジュール33はS50においてイーサネットプロトコルに従って電子黒板4にメディアデータを送信し、電子黒板4は、メディアデータを受信すると、復号やレンダリングなどの処理を行ってから、メディアデータを表示/再生してもよい。
【0036】
以上のように、
図3に示すデータ伝送方法では、データ伝送デバイスが電子デバイスと電子黒板との間でメディアデータを伝送する際に、電子デバイス及び電子黒板に対する接続方式が異なるため、データ伝送デバイスは、電子デバイスから送信されたデータを受信する場合と、電子黒板へデータを送信する場合、サポートする通信プロトコルが異なり、その結果、データ伝送デバイスは、スクリーン投影機能を実現するときに、メディアデータがサポートするプロトコルフォーマットを変換しなければならず、このステップによって、データ伝送デバイスによるメディアデータ伝送の時間を増大するとともに、メディアデータに対するプロトコル変換のエラー発生の可能性を増加させ、データ伝送デバイスによるメディアデータ伝送の伝送効率及び伝送品質を低下させる。
【0037】
したがって、本願はデータ伝送方法及びデータ伝送デバイスを提供し、同じ第1通信プロトコルをサポートする第1通信モジュール及び第2通信モジュールをデータ伝送デバイスに備え、それぞれ電子デバイス及び電子黒板に接続することによって、データ伝送デバイスが電子デバイスと電子黒板との間でメディアデータを伝送する際に、電子デバイスは第1通信モジュールを制御して第1通信プロトコルに従って第2通信モジュールにメディアデータを送信させた後、第2通信モジュールは直接に第1通信プロトコルに従ってメディアデータを電子黒板に送信し、このような過程において、データ伝送デバイスはメディアデータについてプロトコル変換などの処理を行う必要がなく、これによって、データ伝送デバイスによるメディアデータ伝送に必要な時間を短縮させ、メディアデータについてプロトコル変換を行うときのエラー発生の可能性を低減させ、データ伝送デバイスによる伝送メディアデータの伝送効率及び伝送品質を向上させる。
【0038】
以下、特定の実施例をもって本願の技術的解決手段について詳細に説明する。以下の複数の特定の実施例は互いに組み合わせられてもよいことから、同一又は類似の概念又は過程については、ある実施例では詳しく説明しないことがある。
【0039】
具体的には、本実施例で提供されるデータ伝送デバイス3は
図1に示す場面に適用されてもよく、データ伝送デバイスは少なくとも2つの通信モジュールを含み、この2つの通信モジュールは第1通信モジュール及び第2通信モジュールとし、データ伝送デバイス3は第1通信モジュールをもって電子デバイス1に接続され、第2通信モジュールをもって電子黒板4に接続される。また、第1通信モジュール及び第2通信モジュールは同じ通信プロトコルをサポートし、この通信プロトコルは第1通信プロトコルとし、つまり、電子デバイスは、第1通信プロトコルに従って第1通信モジュールにデータを送信し、第2通信モジュールは第1通信プロトコルに従って電子黒板にデータを送信してもよい。
【0040】
1つの可能な実施形態では、
図4は本願で提供されるデータ伝送デバイスの一実施例の構造概略図であり、
図4に示すデータ伝送デバイスは、
図1に示す場面に適用されてもよく、データ伝送デバイス3として機能し、ケーブル2を介して電子デバイス1に接続され、また、電子デバイス1のメディアデータを電子黒板4に伝送する。
【0041】
図4に示す例では、第1通信モジュールはUSB通信モジュール34、第2通信モジュールはWiFi通信モジュール33であってもよい。この中でも、USB通信モジュール34は、具体的には、USBネットワークカードであってもよく、前記USBネットワークカードは、データ伝送デバイス3に配置されたハードウェアエンティティモジュールとして実現されるか、データ伝送デバイス3のプロセッサ32で実行されるソフトウェアプログラムとして実現されてもよく、これによって、USB通信モジュール34はUSBインターフェースを介してイーサネット通信プロトコルのデータを伝送することができる。このような場合、データ伝送デバイス3では、USB通信モジュール34はさらにUSB通信インターフェース31に接続され、順次USB通信インターフェース31、ケーブル2を介して電子デバイス1に接続される。USB通信モジュール34及びWiFi通信モジュールは同じイーサネット通信プロトコルをサポートするので、電子デバイス1はイーサネットプロトコルのメディアデータをUSB通信モジュール34に送信し、WiFi通信モジュール33は電子黒板4にイーサネットプロトコルのメディアデータを送信してもよい。
【0042】
より具体的には、
図5は本願で提供されるデータ伝送方法の一実施例の流れの概略図であり、
図5に示すデータ伝送方法は、
図1に示す場面に適用されてもよく、電子デバイス1、電子黒板4及び
図4に示すデータ伝送デバイス3によって実現される。
図5に示すように、本実施例で提供されるデータ伝送方法は、ステップS101~S108を含む。
【0043】
S101において、USBケーブル2及びUSB通信インターフェース31を介して電子デバイス1をデータ伝送デバイス3のUSB通信モジュール34に接続し、USBケーブル及びUSB通信インターフェース31を介して電子デバイス1とUSB通信モジュール34との間の通信接続関係を確立し、第1接続関係とする。
【0044】
S101において、ユーザは、USBケーブル2を使用して電子デバイス1をデータ伝送デバイス3に接続し、具体的には、USBケーブル2の一端を電子デバイス1のUSB通信インターフェースに接続し、USBケーブル2の他端をデータ伝送デバイス3のUSB通信インターフェース31に接続し、次に、電子デバイス1に対して、電子デバイス1のプロセッサなどの処理モジュールでUSB列挙手段によって、電子デバイス1のUSB通信インターフェースとデータ伝送デバイス3のUSB通信モジュール34とが接続されていることを読み取り、また、データ伝送デバイス3のUSB通信インターフェース31がさらにUSB通信モジュール34に接続されているので、電子デバイス1は、USB列挙の際に。USBインターフェースとUSB通信モジュール34とが接続されていることを読み取り、その後、USB通信モジュール34を用いて通信してもよい。このような場合、電子デバイス1は、USBケーブル2を介してUSB通信モジュール34に初期化などの操作を行い、電子デバイス1とUSB通信モジュール34との間で通信接続関係を確立し、第1接続関係としてもよく、電子デバイスは、この第1接続関係を通じて、このUSB通信モジュール34を介して通信してもよい。本実施例では、第1接続関係の確立について特に限定せず、電子デバイスがUSBネットワークカードに接続される際に電子デバイスとUSBネットワークカードとの間で接続が確立されて、電子デバイスがUSBネットワークカードを使用できるようにする関連技術の過程を参照すればよい。
【0045】
例えば、
図6は本願で提供されるデータ伝送デバイスの使用状態の概略図であり、ここで、S101の過程は、電子デバイス1がUSB通信モジュール34(USBネットワークカード)に接続されてから、このUSBネットワークカードを使用する過程として理解してもよい。このような場合、電子デバイス1がUSB通信モジュール34を使用して通信を行う際に、両方間の基礎となるデータ伝送がUSBプロトコルに従って行われてもよく、一方、電子デバイス1はUSBケーブル2を介してデータ伝送デバイス3に接続された後、USBケーブル2、USB通信インターフェース31を介してUSB通信モジュール34に接続され、このとき、電子デバイス1にUSBネットワークカードが取り付けられることに「相当」し、これにより、USB通信モジュール34は電子デバイス1の一部として機能し、このUSBネットワークカードが取り付けられた電子デバイス1’はUSBネットワークカードを介してイーサネットプロトコルのデータを伝送してもよい。即ち、図において破線で囲まれた電子デバイス1’において、ケーブル2、USB通信インターフェース31及びUSB通信モジュール34は一体型の通信モジュール11’と「見なしてもよく」、電子デバイス1’は該通信モジュール11’を介してイーサネットプロトコルに従ってデータを伝送してもよい。なお、
図6には、破線で示される仮想の電子デバイス1’及び通信モジュール11’は論理的に仮想的な包含関係にあるものに過ぎず、エンティティ構造上、USB通信インターフェース31及びUSB通信モジュール34はデータ伝送デバイス3に配置されている。
【0046】
S102において、データ伝送デバイス3のWiFi通信モジュール33を電子黒板4と接続関係を確立し、第3接続関係とする。
【0047】
WiFi通信モジュール33は、具体的には、無線通信方式によって、電子黒板4とWiFi接続関係を確立し、S102の後にも、確立されたWiFi接続関係を持続してもよく、本実施例では、WiFi接続関係の確立について特に限定せず、プロセッサ32はWiFi通信モジュール33を制御して実行させてもよい。
【0048】
S103において、ブリッジ又はウェブサイトアドレス変換NATの方式によって、USB通信モジュール34とWiFi通信モジュール33との間の第2接続関係を確立する。
【0049】
USB通信モジュール34及びWiFi通信モジュール33のいずれもイーサネットプロトコルをサポートするため、USB通信モジュール34のネットワークポートとWiFi通信モジュール33のネットワークポートとの間で、ブリッジ又はNAT接続関係を確立し、USB通信モジュール34とWiFi通信モジュール33が確立した接続関係を通じてイーサネットプロトコルのデータを伝送することを可能としてもよい。
【0050】
例えば、
図6に示す例では、S103を通じて、データ伝送デバイス3のUSB通信モジュール34とWiFi通信モジュール33との間で第2接続関係が確立され、該第2接続関係は無線通信方式によって実現され、このため、
図6には、第2接続関係が両方の間の破線で示されるケーブルでマークされている。
【0051】
S104において、電子デバイス1はUSB通信モジュール34を制御して電子黒板4に動的ホスト構成プロトコル(Dynamic Host Configuration Protocol、略語:DHCP)要求を送信させる。
【0052】
電子デバイス1とUSB通信モジュール34が接続された後、電子デバイス1は、USB通信モジュール34を使用してイーサネットプロトコルを通信するために、電子黒板4にDHCP要求を送信することによって、電子デバイス1にインターネットプロトコルアドレス(Internet Protocol Address、略語:IPアドレス)を割り当てるように電子黒板4に要求してもよい。一実施例では、電子デバイス1は、具体的には、ケーブル2及びUSB通信インターフェース31を介してUSB通信モジュール34を制御して電子黒板4にDHCP要求を送信させるか、又はUSB通信モジュール34を制御してブリッジされたWiFi通信モジュール33によって電子黒板4にDHCP要求を送信させてもよい。
【0053】
S105において、電子黒板4は電子デバイス1にIPアドレスを割り当て、電子デバイス1にIPアドレスを送信する。
【0054】
電子黒板4は、電子デバイスから送信されたDHCP要求を受信すると、電子デバイス1にIPアドレスを割り当て、IPアドレスを電子デバイス1に送信する。電子デバイス1は、電子黒板4から送信されたIPアドレスを受信すると、イーサネットプロトコルに従って電子黒板4にデータを送信するという以降のS106~S108の流れを実行してもよい。
【0055】
S106において、電子デバイス1は、具体的には、USB通信モジュール34との間の第1接続関係を通じて、USB通信モジュール34を制御して、メディアデータのイーサネットプロトコルに従ってメディアデータをWiFi通信モジュール33に送信させる。S106において、電子デバイス1は、ケーブル2を介してメディアデータUSBをUSB通信モジュール34に送信してもよく、このような場合、USB通信モジュール34は電子デバイス1から送信されたメディアデータを受信し、このとき、電子デバイス1は、USB通信モジュール34を、メディアデータを出力するインターフェースであるUSBネットワークカードとして使用することに相当し、電子デバイス1とUSB通信モジュール34との間の基礎とあるプロトコルとしては、まだUSBプロトコルが使用され、これにより、電子デバイス1は、USBケーブル2を介して、USBプロトコルに従って、メディアデータをUSB通信モジュール34に送信し、USB通信モジュールを制御してイーサネットプロトコルに従ってメディアデータをWiFi通信モジュール33に送信させる。
【0056】
S107において、USB通信モジュール34は、具体的には、WiFi通信モジュール33との第2接続関係を通じて、電子デバイス1の制御の下で、イーサネットプロトコルに従って、S106で受信したメディアデータをWiFi通信モジュール33にそのまま転送し、S107においては、アプリケーションレベルでは、USB通信モジュール34は電子デバイス1のネットワークカードに相当し、電子デバイス1のメディアデータイーサネットプロトコルに従ってメディアデータをそのままWiFi通信モジュール33に送信し、この過程においては、伝送対象のメディアデータのプロトコルのフォーマットを変更していない。このような場合、WiFi通信モジュール33は、イーサネットプロトコルに従ってUSB通信モジュール34から送信されたメディアデータを受信する。
【0057】
S108において、WiFi通信モジュール33は、電子黒板4との第3接続関係を通じて、さらにイーサネットプロトコルに従って、電子黒板4にメディアデータをそのまま転送する。S108においても、WiFi通信モジュール33は、伝送対象のメディアデータのプロトコルフォーマットを変更しておらず、これは、WiFi通信モジュール33がUSB通信モジュール34と電子黒板4との間で中継の役割を果たすことに相当する。この場合、インタラクティブスクリーン4は、メディアデータを受信すると、メディアデータについて復号やレンダリングなどの処理を直接行ってから、表示/再生してもよい。
【0058】
以上のように、本実施例で提供されるデータ伝送方法では、両方ともにイーサネットプロトコルをサポートするUSB通信モジュール及びWiFi通信モジュールがデータ伝送デバイスに備わることによって、USB通信モジュールが電子デバイスに接続されると、電子デバイスはUSB通信モジュールを使用してイーサネットプロトコルに従ってメディアデータをWiFi通信モジュールに伝送し、次に、WiFi通信モジュールはイーサネットプロトコルに従ってメディアデータを電子黒板に送信してスクリーン投影表示を行い、電子デバイスがUSB通信モジュールを直接に制御してイーサネットプロトコルのメディアデータを送信させることができるので、データ伝送デバイスは、メディアデータの伝送にわたって、メディアデータについて、
図2~
図3に示す実施例におけるUSBプロトコルからイーサネットプロトコルへの変換を行う必要がなく、このため、
図2~
図3に示す実施例に比べて、データ伝送デバイスによるメディアデータ伝送に必要な時間を短縮させ、データ伝送デバイスによる毎回のメディアデータ伝送における遅延を低減させ、データ伝送デバイスによるメディアデータ伝送の伝送効率を向上させ、また、データ伝送デバイスでは、プロトコル変換のステップが省略されるため、メディアデータに対するプロトコル変換時のエラー発生の可能性を低減させ、データ伝送デバイスによるメディアデータ伝送の伝送品質を向上させ、さらに、本実施例のようにデータ伝送デバイスにUSB通信モジュールを追加する場合、アーキテクチャが簡単であり、実現されやすく、ハードウェア又はソフトウェアの形式で柔軟に実現されてもよく、一旦設定したら、以降の全てのメディアデータ伝送に使用可能である。
【0059】
これに加えて、本願の実施例によれば、電子デバイス1がデータ伝送デバイス3のUSB通信モジュール34を使用してデータ伝送を行う形態では、電子デバイス1にUSBネットワークカードが設置されている場合、データ伝送デバイス3にUSB通信モジュール34が設置されず、電子デバイス1のUSBネットワークカードは直接に本実施例のUSB通信モジュール34として機能してもよく、データ伝送デバイス3のWiFi通信モジュールとブリッジ/NATの方式で第2接続関係を確立した後、電子デバイス1は、USB通信モジュールを制御して、第2接続関係及び第3接続関係を通じて、イーサネットプロトコルに従って、電子黒板にメディアデータを伝送させてもよく、その具体的な実施及び原理は変わらないので、ここでは詳しく説明しない。
【0060】
前述の実施例では、本願の実施例で提供されるデータ伝送方法について説明したが、上記本願の実施例で提供される方法の各機能を実現するために、実行主体である電子デバイス及びデータ伝送デバイスは、ハードウェア構造及び/又はソフトウェアモジュールを含み、ハードウェア構造、ソフトウェアモジュール、又はハードウェア構造とソフトウェアモジュールを組み合わせた形態で上記各機能を実現してもよい。上記機能のいずれかがハードウェア構造、ソフトウェアモジュール、ハードウェア構造とソフトウェアモジュールを組み合わせた形態のどれで実行されるかは、技術的解決手段の特定の適用及び設計の限定条件によるものである。
【0061】
例えば、
図4に示すデータ伝送デバイスは上記実施例のデータ伝送方法を実行し、第1通信モジュールは、電子デバイスからのメディアデータを取得し、第1通信プロトコルに従って第2通信モジュールにメディアデータを送信し、第2通信モジュールはメディアデータを受信し、第1通信プロトコルに従って電子黒板にメディアデータなどを送信してもよい。具体的には、
図5に示す実施例を参照すればよく、ここでは詳しく説明しない。
【0062】
また、例えば、本願はまた、上記実施例において電子デバイスによって実行されるデータ伝送方法を実行し得る電子デバイスを提供し、該電子デバイスは、通信インターフェースと、処理モジュールとを含んでもよい。通信インターフェースは、USBケーブルを介してデータ伝送デバイスの第1通信モジュールに接続され得るUSB通信インターフェースであってもよく、処理モジュールは、CPUなどのプロセッサであってもよく、この場合、電子デバイスの通信インターフェースがUSBケーブルを介してデータ伝送デバイスの第1通信モジュールに接続されると、処理モジュールは、通信インターフェースがデータ伝送デバイスの第1通信モジュールに接続されていると決定し、通信インターフェースは、第2通信モジュールが第1通信プロトコルに従って電子黒板にメディアデータを送信するように、第1通信モジュールを制御して第1通信プロトコルに従って第2通信モジュールにメディアデータを送信させてもよい。具体的には、
図5に示す実施例を参照すればよく、ここでは詳しく説明しない。
【0063】
なお、上記の装置の各モジュールの区分は、単なる論理機能の区分であり、実際に実現される場合には、その全部又は一部が1つの物理的エンティティに集積されてもよいし、物理的に分離されてもよい。これらのモジュールは、全て、処理要素を介して呼び出されるソフトウェアの形で実現されてもよく、全てハードウェアとして実現されてもよく、モジュールの一部が処理要素を介してソフトウェアを呼び出す形で実現され、もう一部がハードウェアの形で実現されてもよい。個別に設けられた処理要素であってもよいし、上記装置のいずれかのチップに集積されて実現されてもよいし、上記装置のメモリにプログラムコードの形式で記憶され、上記装置のいずれかの処理要素により呼び出されて前記決定モジュールの機能を実行してもよい。他のモジュールも同様に実現されている。また、これらのモジュールの全部又は一部は集積されてもよいし、独立して実現してもよい。本明細書に記載の処理要素は、信号の処理能力を有する集積回路であってもよい。実施中に、上記方法の各ステップ又は上記の各モジュールは、プロセッサ要素のハードウェアの集積論理回路又はソフトウェア形式の命令によって達成されてもよい。
【0064】
例えば、これらのモジュールは、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、又は1つ又は複数のマイクロプロセッサ(digital signal processor、DSP)、又は1つ又は複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)など、上記の方法を実施する1つ又は複数の集積回路として構成されてもよい。別の例として、上記のいずれかのモジュールが処理素子を介してプログラムコードを呼び出すことによって実現される場合、その処理素子は、中央処理装置(central processing unit、CPU)やプログラムコードを呼び出すことができる他のプロセッサなどの汎用プロセッサであってもよい。また、これらのモジュールは集積してシステムオンチップ(system-on-a-chip、SOC)の形で実現されてもよい。
【0065】
上記実施例では、全体又は一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせによって実現されてもよい。ソフトウェアを使用して実現される場合には、全体又は一部はコンピュータプログラム製品の形態で実現されてもよい。前記コンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のコンピュータ命令を含む。前記コンピュータプログラム命令がコンピュータ上でロードされ、実行されると、本願の実施例に記載された流れ又は機能の全部又は一部が生成される。前記コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラマブルデバイスとすることができる。前記コンピュータ命令は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶するか、又は、あるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から別のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に伝送してもよく、例えば、前記コンピュータ命令は、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、デジタル加入者線(DSL))又は無線(例えば、赤外線、無線、マイクロ波など)を介して、あるウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターに伝送することができる。前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータがアクセス可能な任意の使用可能な媒体、又は1つ又は複数の使用可能な媒体を集積させたものを含むサーバ、データセンターなどのデータ記憶デバイスとすることができる。前記利用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ)、光学媒体(例えば、DVD)、又は半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスクsolid state disk(SSD))などであってもよい。
【0066】
本願は、また、プロセッサと、メモリと、コンピュータプログラムとを含む電子デバイスを提供し、コンピュータプログラムは、メモリに記憶され、プロセッサによって実行されるように構成されており、コンピュータプログラムは、本願の前述の実施例において電子デバイスによって実行されるデータ伝送方法のいずれかを実行するための命令を含む。
【0067】
本願は、また、プロセッサと、メモリと、コンピュータプログラムとを含むデータ伝送デバイスを提供し、コンピュータプログラムは、メモリに記憶され、プロセッサによって実行されるように構成されており、コンピュータプログラムは、本願の前述の実施例においてデータ伝送デバイスによって実行されるデータ伝送方法のいずれかを実行するための命令を含む。
【0068】
本願は、また、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶されており、コンピュータプログラムは、本願に記載の実施例において電子デバイスによって実行されるデータ伝送方法のいずれかの命令をサーバに実行させるか、本願に記載の実施例においてデータ伝送デバイスによって実行されるデータ伝送方法のいずれかの命令をサーバに実行させる。
【0069】
本願の実施例は、また、命令を実行するチップを提供し、前記チップは、本願の実施例のいずれかにおいて電子デバイスによって実行される方法を実行するか、本願の実施例のいずれかにおいてデータ伝送デバイスによって実行される方法を実行する。
【0070】
本願の実施例は、また、プログラム製品を提供し、前記プログラム製品はコンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムは記憶媒体に記憶されており、少なくとも1つのプロセッサは前記記憶媒体から前記コンピュータプログラムを読み取ってもよく、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、本願の前述の実施例のいずれかにおいて電子デバイスによって実行されるデータ伝送方法を実現するか、本願に記載の実施例のいずれかにおいてデータ伝送デバイスによって実行されるデータ伝送方法を実現してもよい。
【0071】
当業者であれば、上記の各方法の実施例を実現するためのステップの全部又は一部が、プログラム命令に関連するハードウェアによって達成されてもよいことを理解する。前述のプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶することができる。このプログラムが実行されると、上記の各方法の実施例を含むステップが実行され、一方、上記記憶媒体は、ROM、RAM、磁気ディスク又は光ディスクなど、プログラムコードを記憶することができる各種の媒体を含む。
【0072】
なお、以上の各実施例は本願の技術的解決手段を説明することにのみ使用され、それを制限するものではなく、前述の各実施例を参照して本願について詳細な説明を行ったが、当業者であれば、前述の各実施例に記載の技術的解決手段を修正したり、その一部若しくは全部の技術的特徴を均等に置換したりすることができることを理解すべきであり、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本願の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱させるものではない。