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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】車両用操作制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20240730BHJP
   B60R 16/027 20060101ALI20240730BHJP
   B62D 1/04 20060101ALI20240730BHJP
   G06F 3/0354 20130101ALI20240730BHJP
   G06F 3/04817 20220101ALI20240730BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20240730BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20240730BHJP
【FI】
B60R16/02 630B
B60R16/027 T
B62D1/04
G06F3/0354 453
G06F3/04817
G06F3/0482
G06F3/0488
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018231157
(22)【出願日】2018-12-10
(65)【公開番号】P2020093591
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-03-25
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】小園 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 周
(72)【発明者】
【氏名】名和田 毅
【合議体】
【審判長】筑波 茂樹
【審判官】八木 誠
【審判官】澤崎 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-129352(JP,A)
【文献】特開2015-93550(JP,A)
【文献】特開2014-102655(JP,A)
【文献】特開2015-6821(JP,A)
【文献】特開2014-71700(JP,A)
【文献】特開2018-97794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R16/00-16/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のステアリングホイールに配設されるタッチパッドに対する運転者のタッチ操作により選択可能な複数のアイコンを表示部によって前記運転者の運転視界内に表示させ、且つ選択されている前記アイコンを他の前記アイコンと識別可能な態様で前記表示部に表示させる制御部を備え、
前記制御部は、選択されている前記アイコンの機能名および状態表示ガイダンスのうち少なくとも1つを前記表示部内の前記選択されているアイコンとは異なる箇所に表示させ、選択されていない前記アイコンの機能名および状態表示ガイダンスを前記表示部に表示させず、
前記識別可能な態様で表示されるアイコンが前記タッチパッドのなぞり操作によって切替わる際の前記タッチパッドに対する前記運転者のタッチ位置を、前記運転者が設定変更可能とされている車両用操作制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数のアイコンを選択するために前記タッチパッドに設定される複数の操作領域を表す複数の領域マークを前記複数のアイコンに隣接させて前記表示部に表示させると共に、前記選択されているアイコンに隣接する前記領域マークを他の前記領域マークよりも拡大させて前記表示部に表示させる請求項1に記載の車両用操作制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、選択されている前記アイコンの色を選択される前の色とは異ならせて前記表示部に表示させる請求項1又は請求項2に記載の車両用操作制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用操作制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両のステアリングホイールに取り付けられ、運転者が親指でタッチ操作するタッチ式のステアリングスイッチ(タッチパッド)が開示されている。このタッチパッドが取り付けられるステアリングホイールは、車両を操舵するためのリムと、このリムの内周面に一体的に形成されたスポークとを有している。そして、リムとスポークとの境界部が、リムを基準としてスポークが前方に離れるように段差状に形成されている。これにより、上記タッチ操作の正確性を高めるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-067194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の先行技術では、例えば車両を運転中の運転者がタッチパッドを見ずにタッチ操作する際に、タッチパッドにおけるどの位置に親指が触れているのかを正確に認識できないと、正確な操作を行えない。このため、運転者の操作を容易にする観点で改善の余地がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、運転者の操作が容易になる車両用操作制御装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明に係る車両用操作制御装置は、車両のステアリングホイールに配設されるタッチパッドに対する運転者のタッチ操作により選択可能な複数のアイコンを表示部によって前記運転者の運転視界内に表示させ、且つ選択されている前記アイコンを他の前記アイコンと識別可能な態様で前記表示部に表示させる制御部を備え、前記制御部は、選択されている前記アイコンの機能名および状態表示ガイダンスのうち少なくとも1つを前記表示部内の前記選択されているアイコンとは異なる箇所に表示させ、選択されていない前記アイコンの機能名および状態表示ガイダンスを前記表示部に表示させず、前記識別可能な態様で表示されるアイコンが前記タッチパッドのなぞり操作によって切替わる際の前記タッチパッドに対する前記運転者のタッチ位置を、前記運転者が設定変更可能とされている
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、車両のステアリングホイールに配設されるタッチパッドが運転者によりタッチ操作される。また、運転者の運転視界内には、表示部によって画像が表示される。そして、制御部は、上記のタッチ操作により選択可能な複数のアイコンを表示部により上記運転視界内に表示させ、且つ選択されているアイコンを他のアイコンと識別可能な態様で表示部により上記運転視界内に表示させる。このため、タッチパッドをタッチ操作する運転者は、タッチパッドを見なくとも、上記のように識別可能な態様で運転視界内に表示されるアイコンを見ることにより、何れのアイコンを選択しているのかを認識することができる。これにより、運転者の操作が容易になる。
【0009】
また、この発明では、運転者がタッチパッドをなぞり操作することにより、選択されるアイコン(他のアイコンと識別可能な態様で表示されるアイコン)が切替わる。この切替えの際のタッチパッドに対する運転者のタッチ位置が運転者のイメージと異なる場合、運転者に対して違和感を与える可能性があるが、本発明では、上記のタッチ位置を運転者が設定変更可能とされている。これにより、運転者に対して上記のような違和感を与えることを防止または抑制できる。
【0010】
請求項に記載の発明に係る車両用操作制御装置は、請求項1において、前記制御部は、前記複数のアイコンを選択するために前記タッチパッドに設定される複数の操作領域を表す複数の領域マークを前記複数のアイコンに隣接させて前記表示部に表示させると共に、前記選択されているアイコンに隣接する前記領域マークを他の前記領域マークよりも拡大させて前記表示部に表示させる。
【0011】
請求項に記載の発明によれば、制御部は、複数のアイコンを選択するためにタッチパッドに設定される複数の操作領域を表す複数の領域マークを、表示部により複数のアイコンに隣接させて運転者の運転視界内に表示させる。しかも、制御部は、選択されているアイコンに隣接する領域マークを他の領域マークよりも拡大させて表示部により上記運転視界内に表示させる。これにより、運転者は、何れのアイコンを選択しているのかを一層認識し易くなるので、運転者の操作が一層容易になる。
請求項に記載の発明に係る車両用操作制御装置は、請求項1又は請求項2において、前記制御部は、選択されている前記アイコンの色を選択される前の色とは異ならせて前記表示部に表示させる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明に係る車両用操作制御装置によれば、運転者の操作が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る車両用操作制御装置を含む車両用操作装置が適用された車両の車室前部の構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る車両用操作制御装置を含む車両用操作装置の構成を示すブロック図である。
図3】タッチパッドを示す正面図である。
図4】表示部によってウインドシールドガラスに表示される複数のアイコンの一例を示す正面図であり、一のアイコンが選択されている状態を示す図である。
図5図4とは異なるアイコンが選択されている状態を示す図4に対応した正面図である。
図6】ポインタの切替タイミングの選択画面の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1図6を用いて本発明の一実施形態に係る車両用操作制御装置を含む車両用操作装置10について説明する。なお、図1図3図6に示される矢印UP、矢印LHは、車両の上方向、左方向をそれぞれ示している。以下、単に上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両上下方向の上下、車両左右方向の左右を示すものとする。
【0015】
図1及び図2に示されるように、車両用操作装置10は、車両12のステアリングホイール14に配設された左右一対のタッチパッド30A、30Bと、表示部としてのヘッドアップディスプレイ38と、本実施形態に係る車両用操作制御装置が備える制御部としてのECU(Electronic Control Unit)42とを備えている。この車両用操作装置10は、車両12に搭載された複数の車載機器(図2に示される車載機器54、56、58等)を操作するための車載機器操作装置である。上記複数の車載機器としては、空調装置、オーディオ装置、カーナビゲーション装置等が挙げられる。
【0016】
上記のステアリングホイール14は、車両12の操舵を行うためのものであり、円環状に形成されて運転者の手により把持されるリム部16と、リム部16の内側に位置するボス部18と、リム部16とボス部18との間に架け渡された複数(ここでは3つ)のスポーク部20A、20B、20Cとを備えている。3つのスポーク部20A、20B、20Cのうち、ボス部18を介して互いに反対側に配置された左右一対のスポーク部20A、20Bには、タッチパッド30A、30Bが配設されている。
【0017】
各タッチパッド30A、30Bは、左右のスポーク部20A、20Bにおけるリム部16側に配置されており、図示しない運転席側から見て円形状をなしている。これらのタッチパッド30A、30Bは、例えば静電容量方式による静電タッチパッドとされており、運転席側に露出した円形状の操作面32が、運転者の指(ここでは親指)によってタッチ操作される構成になっている。各タッチパッド30A、30Bの各操作面32は、スポーク部20A、20Bの表面よりも若干車両前方側へ凹んでいる。これにより、運転者は、各操作面32とスポーク部20A、20Bの表面との間に形成された段差に沿って親指を動かすことにより、各操作面32の外周側を円環状になぞり操作(スワイプ操作)可能とされている。このなぞり操作では、各操作面32に対する親指の接触が維持されたままで、当該親指の接触位置(タッチ位置)の変化がタッチパッド30A、30Bにより検出される構成になっている。
【0018】
なお、タッチパッド30A、30Bは、静電容量方式に限らず、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式又は電磁誘導方式などの任意の方式により構成されたものでよい。また、左右のタッチパッド30A、30Bは、基本的に同様の構成とされているため、以下の説明では、左右のタッチパッド30A、30Bを、単に「タッチパッド30」と称する場合がある。
【0019】
タッチパッド30の操作面32には、前述した車載機器を操作するための複数の操作領域34(一例として図3に示される操作領域34A~34D参照)が設定される構成になっている。なお、図3では、タッチパッド30の操作面32にその周方向に並ぶ4つの操作領域34A~34Dが設定された状態を図示しているが、操作領域34Aの数や配置は、操作対象となる車載機器の種類や、後述するヘッドアップディスプレイ38の表示内容などに応じて適宜変更可能である。
【0020】
上記タッチパッド30A、30Bの車両前方側でスポーク部20A、20B内には、押圧センサ36A、36Bが配設されている。押圧センサ36A、36Bは、例えばタクタイルスイッチであり、タッチパッド30A、30Bが車両前方側へ押し込まれたときにオンになり、当該押し込みが解除されることでオフになるように構成されている。以下の説明では、押圧センサ36A、36Bを、単に「押圧センサ36」と称する。
【0021】
ヘッドアップディスプレイ38(以下、「HUD38」と称する)は、例えば車両12の運転席の前方でインストルメントパネル22の上部に設けられており、ウインドシールドガラス24における運転席の前方部分に設定された表示領域40に画像(ここでは運転者が視認可能な虚像)を投影表示する。このHUD38は、例えば光源と、光源から射出された光が透過する液晶パネルと、液晶パネルを透過した光を表示領域40へ向けて反射する反射鏡とを含んで構成されている。また、上記の表示領域40は、運転者の運転視界内に配置される。
【0022】
なお、本実施形態では、ウインドシールドガラス24に画像を投影表示するHUD38が表示部とされているが、これに限るものではない。表示部は、ウインドシールドガラス24よりも運転席側で運転者の運転視界内に配置される透明板に画像を投影表示するタイプのヘッドアップディスプレイであってもよい。また、表示部は、ウインドシールドガラス24に一体的に配設される透明液晶ディスプレイや透明有機ELディスプレイ等であってもよい。
【0023】
ECU42は、CPU(Central Processing Unit)44、RAM(Random Access Memory)46、ROM(Read Only Memory)48、及び入出力インタフェース部(I/O)50を備えており、これらがバス52を介して互いに接続された構成になっている。このECU42のI/O50には、タッチパッド30、押圧センサ36及びHUD38の他、前述した複数の車載機器(車載機器54、56、58等)が接続されている。このECU42は、ROM48に予め記憶された制御プログラムをRAM46に展開してCPU44で実行することにより、タッチパッド30、押圧センサ36、HUD38及び上記複数の車載機器の制御を行う。
【0024】
具体的には、ECU42は、タッチパッド30及び押圧センサ36の操作により操作可能な項目(操作対象となる車載機器の種類や、操作対象として選択された車載機器の機能等)を示す複数のアイコン60(一例として図4及び図5に示されるアイコン60A~60D参照)を、HUD38によって表示領域40に表示させる。この場合、タッチパッド30の操作面32に設定される複数の操作領域34と、表示領域40に表示される複数のアイコン60とが対応される構成になっている。つまり、ECU42は、タッチパッド30のタッチ操作により選択可能な複数のアイコン60を、HUD38により表示領域40に表示させる構成になっている。
【0025】
例えば、図3及び図4に示されるように、タッチパッド30の操作面32に上下左右に並んだ4つの操作領域34A~34Dが設定される場合、表示領域40には、上下左右に並んだ4つのアイコン60A~60Dが表示される。この場合、操作領域34Aがタッチ操作されている状態ではアイコン60Aが選択され、操作領域34Bがタッチ操作されている状態ではアイコン60Bが選択され、操作領域34Cがタッチ操作されている状態ではアイコン60Cが選択され、操作領域34Dがタッチ操作されている状態ではアイコン60Dが選択される構成になっている。そして、上記何れかの選択状態でタッチパッド30が押し込まれて押圧センサ36がオンになると、上記選択されたアイコン60によって示される項目の内容が、ECU42の制御により実行される構成になっている。
【0026】
また、本実施形態では、ECU42は、タッチパッド30のタッチ操作により選択されているアイコン60(以下、「選択アイコン60」と称する場合がある)を、他のアイコン60とは識別可能な態様でHUD38に表示させる構成になっている。この「識別可能な態様」としては、選択アイコン60を他のアイコン60とは異なる色で表示する態様、選択アイコン60を他のアイコン60よりも拡大して表示する態様、選択アイコン60を指し示すポインタを表示領域40に表示する態様などが挙げられる。
【0027】
一例として、本実施形態では、タッチパッド30の操作領域34Aがタッチ操作されている状態では、図4に示されるように操作領域34Aに対応するアイコン60Aが他のアイコン60B、60C、60Dとは異なる色で表示される。また、タッチパッド30の操作領域34Bがタッチ操作されている状態では、図5に示されるように操作領域34Bに対応するアイコン60Bが他のアイコン60A、60C、60Dとは異なる色で表示される。また、図示は省略するが、タッチパッド30の操作領域34Cがタッチ操作されている状態では、操作領域34Cに対応するアイコン60Cが他のアイコン60A、60B、60Dとは異なる色で表示され、タッチパッド30の操作領域34Dがタッチ操作されている状態では、操作領域34Dに対応するアイコン60Dが他のアイコン60A、60B、60Cとは異なる色で表示される構成になっている。
【0028】
このため、タッチパッド30の操作面32が時計回りの方向になぞり操作されると、選択アイコン60(すなわち他のアイコン60とは異なる色で表示されるアイコン60)が、時計回りの方向に順次切替えられる。また、タッチパッド30の操作面32が反時計回り方向になぞり操作されると、選択アイコン60が反時計回りの方向に順次切替えられる構成になっている。以下、上記の切替えを「識別表示の切替え」と称する場合がある。
【0029】
本実施形態では、上記のなぞり操作に伴う識別表示の切替えのタイミング、すなわちECU42が識別表示の切替えを行う際のタッチパッド30のタッチ位置を、運転者(ユーザ)が設定変更可能とされている。具体的には、ECU42は、タッチパッド30及び押圧センサ36が所定の操作をされることにより、識別表示の切替えタイミングの選択(設定変更)を行うための画面(図6参照)をHUD38により表示領域40に表示させる。なお、図6では「識別表示」を「ポインタ」と記載している。
【0030】
上記の画面が表示領域40に表示された状態では、運転者は、タッチパッド30及び押圧センサ36を操作することにより、識別表示の切替えタイミングを早くしたり遅くしたりすることができるように構成されている。つまり、本実施形態では、タッチパッド30、押圧センサ36及びHUD38が、識別表示の切替えのタイミングを設定変更するためのユーザインターフェースとされている。
【0031】
また、本実施形態では、ECU42は、複数の操作領域34を表す複数の領域マーク62(一例として図4及び図5に示される領域マーク62A~62D参照)を、複数のアイコン60に隣接させてHUD38により表示領域40に表示させる。また、領域マーク62の横に機能名または状態表示ガイダンスを表示する。そして、ECU42は、選択されているアイコン60(図4のアイコン60A及び図5のアイコン60B参照)に隣接する領域マーク62(図4の領域マーク62A及び図5の領域マーク62B参照)を、他の領域マーク62よりも拡大させてHUD38に表示させる構成になっている。
【0032】
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0033】
上記構成の車両用操作装置10では、車両12のステアリングホイール14に配設されたタッチパッド30の操作面32に、複数の操作領域34が設定され、当該操作面32が運転者によりタッチ操作される。また、ウインドシールドガラス24における運転者の運転視界内に設定された表示領域40には、HUD38によって画像が表示される。そして、ECU42は、上記のタッチ操作により選択可能な複数のアイコン60をHUD38により表示領域40に表示させ、且つ選択されているアイコン60を他のアイコン60と識別可能な態様でHUD38により表示領域40に表示させる。このため、タッチパッド30をタッチ操作する運転者は、タッチパッド30を見なくとも、上記のように識別可能な態様で表示領域40に表示されるアイコン60を見ることにより、何れのアイコン60を選択しているのかを認識することができる。これにより、運転者の操作が容易になる。
【0034】
なお、例えばタッチパッド30の操作面32に、複数の操作領域34に対応して複数の凸部等を形成すれば、運転者が各操作領域34を認識し易くなる。しかしながら、そのような構成では、運転者は、どの操作領域34に実際に触れているのかを正確に認識し難い場合がある。この点、本実施形態では、運転車がタッチ操作している操作領域34に対応するアイコン60が、他のアイコン60と識別可能な態様で表示領域40に表示されるので、運転者は、どの操作領域34に実際に触れているのかを正確に認識することができる。
【0035】
また、本実施形態では、運転者がタッチパッド30をなぞり操作することにより、選択されるアイコン60(他のアイコン60と識別可能な態様で表示されるアイコン60)が切替わる。この切替えのタイミングが運転者のイメージと異なる場合、運転者に対して違和感を与える可能性があるが、本実施形態では、運転者は、タッチパッド30及び押圧センサ36の操作により、上記の切替えタイミングを設定変更することができる。これにより、運転者に対して上記のような違和感を与えることを防止または抑制できる。
【0036】
さらに、本実施形態では、ECU42は、タッチパッド30の複数の操作領域34を表す複数の領域マーク62を、複数のアイコン60に隣接させてHUD38により表示領域40に表示させる。これにより、タッチパッド30における操作領域34の設定状態を運転者が認識し易くなる。しかも、ECU42は、タッチパッド30の操作により選択されているアイコン60に隣接する領域マーク62を、他の領域マーク62よりも拡大させてHUD38により表示領域40に表示させる。これにより、運転者は、何れのアイコン60を選択しているのかを一層認識し易くなるので、運転者の操作が一層容易になる。
【0037】
なお、上記実施形態では、タッチパッド30が運転席側から見て円形状に形成された構成にしたが、これに限らず、タッチパッドの形状は適宜変更可能である。例えばタッチパッド30が運転席側から見て矩形状に形成された構成にしてもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、複数の操作領域34及び複数のアイコン60が上下左右に並んで(円環状に並んで)配置される構成にしたが、これに限らず、複数の操作領域及び複数のアイコンが並ぶ方向は適宜変更可能である。例えば、複数の操作領域及び複数のアイコンが車両上下方向又は車幅方向に直線状に並んで配置される構成にしてもよい。
【0039】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
【符号の説明】
【0040】
10 車両用操作装置
12 車両
14 ステアリングホイール
30 タッチパッド
38 ヘッドアップディスプレイ(表示部)
42 ECU(制御部)
60 アイコン
62 領域マーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6