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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】クラッチ接続方法及びクラッチ機構
(51)【国際特許分類】
   F16D 27/09 20060101AFI20240730BHJP
   F16D 27/01 20060101ALI20240730BHJP
   F16D 11/04 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
F16D27/09
F16D27/01
F16D11/04 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019146841
(22)【出願日】2019-08-08
(65)【公開番号】P2020029956
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】P 2018153010
(32)【優先日】2018-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】中井 悠人
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-169247(JP,A)
【文献】特開2009-115236(JP,A)
【文献】特開平05-087157(JP,A)
【文献】実公昭52-006753(JP,Y2)
【文献】特開昭52-039051(JP,A)
【文献】特開昭55-006060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 11/00-39/00,48/00-48/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1磁石を備える第1軸部材と第2磁石を備える第2軸部材とを連結するクラッチ機構におけるクラッチ接続方法であって、
前記第1磁石と前記第2磁石とが引き合うことで前記第1軸部材を前記第2軸部材に対して相対回転させることにより、前記第1軸部材と前記第2軸部材との回転方向における位置を合わせ、
前記第1軸部材と前記第2軸部材との回転方向における位置を合わせた後に前記第1軸部材と前記第2軸部材とを連結する、
クラッチ接続方法。
【請求項2】
前記第1軸部材は第1トルク伝達部を備え、
前記第2軸部材は第2トルク伝達部を備え、
前記第1トルク伝達部と前記第2トルク伝達部とが噛み合うことにより、前記第1軸部材と前記第2軸部材とが連結される、
請求項1に記載のクラッチ接続方法。
【請求項3】
第1トルク伝達部と第1磁石とを有する第1軸部材と、
第2トルク伝達部と第2磁石とを有する第2軸部材と
前記第2軸部材に形成された溝、及び、前記第1軸部材と前記第2軸部材とが連結された場合に前記第1軸部材の軸方向とは異なる方向に移動して前記溝に挿入される前記第1軸部材に設けられた位置決め部材を有しており、前記第1軸部材と前記第2軸部材とが連結された場合に前記第1軸部材と前記第2軸部材との前記軸方向の位置を保持する保持機構と
を備え、
前記第1磁石と前記第2磁石とが引き合うことで前記第1軸部材を前記第2軸部材に対して相対回転させることにより、前記第1軸部材と前記第2軸部材とは回転方向において位置合わせされる、クラッチ機構。
【請求項4】
前記第1トルク伝達部と前記第2トルク伝達部とが噛み合うことにより前記第1軸部材と前記第2軸部材とが接続される、請求項3に記載のクラッチ機構。
【請求項5】
前記第2軸部材は電磁石を備え、前記電磁石により前記第1軸部材を前記第2軸部材に引き寄せることで前記第1軸部材と前記第2軸部材とが接続される、請求項3又は4に記載のクラッチ機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラッチ接続方法及びクラッチ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、歯車変速装置等に使用される様々なクラッチ接続方法及びクラッチ機構が知
られている。
【0003】
従来の歯車変速装置に用いられるクラッチ機構が特許文献1に開示されている。特許文
献1に記載されている歯車変速装置においては、駆動源からの回転を入力する入力歯車と
出力軸との間にクラッチ機構が設けられている。このクラッチ機構は、入力カップリング
及び出力カップリングを有し、入力カップリングの歯と出力カップリングの歯とが噛み合
っているときに回転を伝達し、入力カップリングと出力カップリングとが分離されている
ときに回転の伝達を遮断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平1-299344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のクラッチ機構においては、入力側の回転部材(例えば、上記の入力カップリング
)の歯の位相と出力側の回転部材(例えば、上記の出力カップリング)の歯の位相とがず
れていることがある。従来のクラッチ機構においては、入力側の部材と出力側の部材とが
接触してから両部材の位相合わせが行われている。例えば、特許文献1のクラッチ機構で
は、出力カップリングが入力カップリングに向かって下降して入力カップリングに設けら
れた凸部が出力カップリングに設けられた凹部に係合することにより、入力カップリング
と出力カップリングとの位相合わせが行われる。このように、従来のクラッチ機構におい
ては、入力側の部材の位相と出力側の部材の位相とを予め合わせておくことができず、入
力側の部材と出力側の部材とが接してから両部材の位相合わせが行われている。このため
、クラッチの連結動作の開始から完了までに位相合わせに要する時間だけ多くの時間が掛
かってしまう。
【0006】
本発明の目的の一つは、入力側の部材と出力側の部材との位相合わせを行うための新規
のクラッチ接続方法及びクラッチ機構を提供することである。より具体的な本発明の目的
の一つは、入力側の部材と出力側の部材との位相合わせを容易に行うことが可能なクラッ
チ接続方法及びクラッチ機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、第1軸部材と第2軸部材とを連結するクラッチ機構におけるクラッチ接続方法に関する。当該クラッチ接続方法は、前記第1軸部材と前記第2軸部材との回転方向における位置を合わせ、前記第1軸部材と前記第2軸部材との回転方向における位置を合わせた後に前記第1軸部材と前記第2軸部材とを連結する。
【0008】
本発明の一実施形態において、前記第1軸部材は、第1磁石を有する。この第1磁石は
、前記第1軸部材に固定されていてもよい。本発明の一実施形態において、前記第2軸部材は、第2磁石を有する。この第2磁石は、前記第2軸部材に固定されていてもよい。本発明の一実施形態においては、前記第1磁石と前記第2磁石とが引き合うことにより前記第1軸部材と前記第2軸部材との回転方向における位置を合わせる。
【0009】
本発明の一実施形態に係るクラッチ機構は、第1トルク伝達部と第1磁石とを有する第
1軸部材と、第2トルク伝達部と第2磁石とを有する第2軸部材とを備える。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記第1トルク伝達部と前記第2トルク伝達部とが連結
されることにより前記第1軸部材と前記第2軸部材とが接続される。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記第1軸部材と前記第2軸部材とは、前記第1磁石と
前記第2磁石とにより回転方向において位置合わせされる。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記第2軸部材は電磁石を備える。本発明の一実施形態
においては、前記電磁石により前記第1軸部材を前記第2の軸部材に引き寄せることで前
記第1軸部材と前記第2軸部材とが接続される。
【0013】
本発明の一実施形態に係るクラッチ機構は、前記第1軸部材と前記第2軸部材とが連結
された場合に前記第1軸部材と前記第2軸部材との軸方向の位置を保持する保持機構を備
える。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一実施形態によれば、第1の軸部材と第2の軸部材との位相合わせを容易に行
うことが可能なクラッチ接続方法及びクラッチ機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係るクラッチ機構の概略図である。図1においては第1軸部材と第2軸部材とが分離されている。
図2】本発明の一実施形態に係るクラッチ機構の概略図である。図2においては第1軸部材と第2軸部材とが接続されている。
図3】本発明の他の実施形態に係るクラッチ機構の概略図である。図3においては第1軸部材と第2軸部材とが分離されている。
図4】本発明の一実施形態に係るクラッチ機構の概略図である。図4においては第1軸部材と第2軸部材とが接続されている。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ここで、本発明の一実
施形態におけるクラッチ機構は、歯車変速装置等の変速装置を含む様々な装置に適用可能
である。
【0017】
図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係るクラッチ機構1について説明する
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係るクラッチ機構1は、第1軸部材2と
第2軸部材5とを備える。第1軸部材2及び第2軸部材5はいずれも中心軸Aの周りで回
転することができる。第1軸部材2及び第2軸部材5の少なくとも一方は、他方に対して
中心軸Aに沿う軸方向に移動可能に設けられる。第1軸部材2が分離位置にある場合には
、第1軸部材2は第2軸部材5と分離され、第1軸部材2と第2軸部材5との間で回転(
トルク)は伝達されない。第1軸部材2が接続位置にある場合には、第1軸部材2と第2
軸部材5とは接続され、第1軸部材2と第2軸部材5との間で回転が伝達される。例えば
、不図示の駆動源からの回転は第2軸部材5に入力され、第1軸部材2が接続位置にある
ときに、この駆動源からの回転が第2軸部材5から第1軸部材2に伝達される。図1は、
第1軸部材2が分離位置にあるクラッチ機構1を示しており、図2は、第1軸部材2が接
続位置にあるクラッチ機構1を示している。
【0018】
図示のように、第1軸部材2は、第1の軸部8と該第1の軸部8の端部に設けられた第
1の中間軸部9とを備える。第1の中間軸部9は第1の軸部8の軸方向に摺動可能に構成
される。また、第1の中間軸部9の少なくとも一部は周囲をハウジング10により支持さ
れる。第1の中間軸部9とハウジング10との間にはすべり軸受を設けてもよい。第1の
中間軸部9には、第1のトルク伝達部3及び第1の磁石4が設けられる。第1の磁石4は
、第1の中間軸部9に固定されてもよい。第1の中間軸部9は、第1の磁石4に代えて第
1の固定磁極20を備えてもよい。図示のように、第1の中間軸部9には、第1の磁石4
及び第1の固定磁極20の両方が設けられてもよい。第1の中間軸部9は、軸方向に延び
る先端部9aを有する。
【0019】
図示のように、第2軸部材5は、第2の軸部11と該第2の軸部11の端部に設けられ
た第2の中間軸部12とを備える。第2の中間軸部12は、第1の中間軸部9の一部を収
容可能な収容部(収容孔)13を有する。第2の中間軸部12には、第2のトルク伝達部
6、第2の磁石7、及び電磁コイル22が設けられる。第2の磁石7は、第2の中間軸部
12に固定されてもよい。第2の中間軸部12は、第2の磁石7に代えて第2の固定磁極
21を備えてもよい。図示のように、第2の中間軸部12には、第2の磁石7及び第2の
固定磁極21の両方が設けられてもよい。
【0020】
クラッチ機構1においては、第1のトルク伝達部3と第2のトルク伝達部6とが連結さ
れることにより第1軸部材2と第2軸部材5とが接続される。第1軸部材2と第2軸部材
5とが接続されることにより、第1軸部材2と第2軸部材5との間でトルクが伝達される
【0021】
第1のトルク伝達部3は、中心軸Aの方向から見たときに、例えば歯車形状や多角形形
状を有するように構成される。第1のトルク伝達部3は、第2のトルク伝達部6に設けら
れたスプラインと係合してもよい。第1のトルク伝達部3や第2のトルク伝達部6の具体
的な構成は、上記のものに限られず、第1軸部材2と第2軸部材5との間でトルク伝達が
可能な様々な構成が採用され得る。
【0022】
クラッチ機構1は、第1の磁石4と第2の磁石7とにより、第1軸部材2と第2軸部材
5とが回転方向において位置合わせされるよう構成される。つまり、第1の磁石4と第2
の磁石7とにより、第1軸部材2と第2軸部材5との位相合わせが行われる。例えば、第
1の磁石4と第2の磁石7とが引き合うことにより第1軸部材2が第2軸部材5に対して
相対回転し、第1軸部材2と第2軸部材5とが回転方向において位置合わせされる。第1
軸部材2の位相と第2軸部材5の位相とを合わせるため、第1の磁石4及び第2の磁石7
は、第1のトルク伝達部3及び第2のトルク伝達部6の噛合い可能な位相と第1の磁石4
と第2の磁石7が引き合う位相とが同位相となるよう配置することができる。
【0023】
本発明の一実施形態に係るクラッチ機構1は、第1軸部材2と第2軸部材5とが連結さ
れた場合に軸方向における第1軸部材2の第2軸部材5に対する移動を制限する保持機構
23を備える。保持機構23は、一例として、図示のように、第2の中間軸部12に設け
られた位置決め部材(例えば位置決めピン)23aと、第1の中間軸部9に設けられた溝
23bと、を有する。第1軸部材2と第2軸部材5とが連結された場合に、位置決め部材
23aが溝23bに挿入されることで、軸方向において第1軸部材2の第2軸部材5に対
する位置が保持される。保持機構23には種々の態様が考えられ、図示の例に限定される
ものではない。第1の中間軸部9の先端と収容部13の底部との間には弾性部材(例えば
、ばね部材)25が設けられる。
【0024】
図示のように、クラッチ機構1には、電磁コイル22への電力供給を行う主電源18を
設けることができる。また、クラッチ機構1には、主電源18の電力消失時に電力供給を
行うことができる単独バッテリー19が設けられてもよい。単独バッテリー19により、
電力供給源に冗長性を持たせることができる。
【0025】
次に、クラッチ機構1の動作を説明する。本発明の一実施形態に係るクラッチ機構1に
おいては、電磁コイル22を励磁することで第1の固定磁極20が第2の固定磁極21に
吸引される。つまり、電磁コイル22及び固定磁極20が電磁石として機能する。これに
より、第1軸部材2を第2軸部材5に引き寄せることができる。第1軸部材2が接続位置
まで移動すると、第1軸部材2と第2軸部材5とが連結される。
【0026】
前述のように、第1の磁石4と第2の磁石7とにより、第1軸部材2と第2軸部材5と
が位相合わせされているので、第1軸部材2が第2軸部材5に接するまで引き寄せられた
ときにはトルク伝達部3の位相と第2のトルク伝達部6の位相とは合致している。このた
め、第1軸部材2が第2軸部材5と接した後に位相合わせを行うことなく第1のトルク伝
達部3と第2のトルク伝達部6とを噛合わせることができる。このようにして、第1軸部
材2と第2軸部材5とが連結され、これらの軸部材間でのトルク伝達が可能となる。以上
のようにして、第1軸部材2と第2軸部材5との位相合わせが行われた後に第1軸部材2
と第2軸部材5とが接続される。
【0027】
第1軸部材2と第2軸部材5とが連結された後、位置決め部材23aが第1の中間軸部
9に設けられた溝23bに挿入されることで第1の中間軸部9の軸方向における移動が規
制される。このようにして、電磁コイル22への電力供給が停止された場合においても第
1のトルク伝達部3と第2のトルク伝達部6との間の連結を維持することが可能となる。
【0028】
本発明の一実施形態に係るクラッチ接続方法は、第1軸部材2及びこの第1軸部材2と
連結される第2軸部材5を備えたクラッチ機構1におけるクラッチ接続方法に関する。本発明の一実施形態に係るクラッチ接続方法では、第1軸部材2に設けられた第1の磁石4と第2軸部材5に設けられた第2の磁石7とにより第1軸部材2と第2軸部材5とを回転方向において位置合わせされる(つまり、位相合わせされる)。次に、電磁コイル22を励磁することにより第1軸部材2を第2軸部材5に引き寄せて第1軸部材2と第2軸部材5とが連結される。
【0029】
以上のように、本発明の一実施形態によれば、第1の磁石4と第2軸部材5に設けられ
た第2の磁石7とにより、第1軸部材2と第2軸部材5との位相合わせを容易に行うこと
ができる。
【0030】
次に、図3及び図4を参照して本発明の他の実施形態に係るクラッチ機構101につい
て説明する。図3に示されるように、クラッチ機構101は、第1軸部材102と、第2
軸部材105と、を備える。第1軸部材102及び第2軸部材105はいずれも中心軸A
の周りで回転することができる。第1軸部材102及び第2軸部材105の少なくとも一
方は、他方に対して中心軸Aに沿う軸方向に移動可能に設けられる。第1軸部材102が
分離位置にある場合には、第1軸部材102は第2軸部材105と分離され、第1軸部材
102と第2軸部材105との間で回転(トルク)は伝達されない。第1軸部材102が
接続位置にある場合には、第1軸部材102と第2軸部材105とは接続され、第1軸部
材102と第2軸部材105との間で回転が伝達される。第1軸部材102は、第1の軸
部108と、第1の軸部108の端部に設けられた第1の中間軸部109と、を備える。
第1の中間軸部109は、第1の軸部108の軸方向に摺動可能に構成される。また、第
1の中間軸部109は、収容部126を有している。収容部126には、回転伝達部12
7が設けられる。回転伝達部127は、例えばトレランスリングである。このトレランス
リングは、平坦な外周面と、後述する外歯117と噛み合う波形の内周面とを有する。回
転伝達部127として、トレランスリング以外にトルクを伝達可能な様々な部材が用いら
れ得る。収容部126を確定する壁部の先端には、第1の固定磁極120が設けられる。
【0031】
図示のように、第2軸部材105は、第2の軸部111と、第2の軸部111の端部に
設けられた第2の中間軸部112と、を備える。第2の中間軸部112は、回転軸Aに沿
って延びる棒状の先端部112aを有する。先端部112aの少なくとも一部は、第1の
中間軸部109の収容部(収容孔)126に収容される。先端部112aには、外歯11
7が設けられている。第2の中間軸部112は、第2の固定磁極121と、電磁コイル1
22を備える。
【0032】
図示のクラッチ機構101においては、第1の中間軸部109に設けられた回転伝達部
127と第2の中間軸部112の先端部112aに設けられた外歯117とが噛み合うこ
とにより、第1軸部材102と第2軸部材105とが接続される。ことで、第1軸部材1
02と第2軸部材105との間でトルクが伝達される。第1軸部材102と第2軸部材1
05とが接続されることにより、第1軸部材102と第2軸部材105との間でトルクが
伝達される。
【0033】
クラッチ機構101においては、第1の固定磁極120と第2の固定磁極121とによ
り、第1軸部材102と第2軸部材105とが回転方向において位置合わせされるよう構
成される。
【0034】
本発明の一実施形態に係るクラッチ機構101は、第1軸部材102と第2の軸部材5とが連結された場合に軸方向における第1軸部材102の第2の軸部材5に対する移動を制限する保持機構23を備える。保持機構23は、一例として、図示のように、第2の中間軸部112に設けられた位置決め部材(例えば位置決めピン)23aと、第1の中間軸部109に設けられた溝23bと、を有する。保持機構23には種々の態様が考えられ、図示の例に限定されるものではない。第2の中間軸部112の端部には支持部材(例えば、支持ピン)128が設けられてもよい。
【0035】
図示のクラッチ機構101には、電磁コイル122への電力供給を行う主電源18を設
けることができる。また、クラッチ機構1には、主電源18の電力消失時に電力供給を行
ことができる単独バッテリー19が設けられてもよい。
【0036】
次に、クラッチ機構101の動作を説明する。本発明の一実施形態に係るクラッチ機構
101においては、電磁コイル122を励磁することで第1の固定磁極120が第2の固
定磁極121に吸引される。これにより、第1軸部材102を第2軸部材105に引き寄
せて、第1軸部材102と第2軸部材105とを連結させることができる。例えば、本発
明の一実施形態に係るクラッチ機構101では、主電源18により電磁コイル122に電
力供給が行われると電磁コイル122が励磁され、これにより第1の固定磁極120が第
2の固定磁極121に引き寄せられる。これにより、第1の中間軸部109と第2の中間
軸部112とが引き寄せられる。
【0037】
クラッチ機構101においては、第1の固定磁極120と第2の固定磁極121とによ
り、第1軸部材102と第2軸部材105とが位相合わせされる。第1軸部材102と第
2軸部材105とが位相合わせされている状態で、第1の中間軸部109の回転伝達部1
27と第2の中間軸部112の外歯117とが連結される。このようにして第1軸部材1
02と第2軸部材105とが接続され、これらの軸部材間でのトルク伝達が可能となる。
【0038】
本発明の一実施形態に係るクラッチ接続方法は、第1軸部材102及びこの第1軸部材
102と連結される第2軸部材105とを備えたクラッチ機構101におけるクラッチ接続方法に関する。本発明の一実施形態に係るクラッチ接続方法では、第1軸部材102に設けられた第1の固定磁極121と第2軸部材105に設けられた第2の固定磁極122により、第1軸部材102と第2軸部材105とが回転方向および軸方向において位置合わせされる。具体的には、電磁コイル122を励磁することにより、第1軸部材102が第2軸部材105に対して相対回転し、第1軸部材102と第2軸部材105との回転方向における位置合わせ(位相合わせ)が行われる。また、電磁コイル122を励磁することにより、第1軸部材102を第2軸部材105に引き寄せて第1軸部材102と第2軸部材105とが連結される。
【0039】
以上のように、本発明の一実施形態によるクラッチ機構101によれば、電磁コイル1
22の励磁により互いに引き寄せられる第1の固定磁極120と第2の固定磁極121と
により、第1軸部材102と第2軸部材105との位相合わせを容易に行うことができる。
【0040】
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明した
ものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば
、明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内
容も本願の実施形態に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
1、101 クラッチ機構
2、102 第1の軸部材
3 第1のトルク伝達部
4 第1の磁石
5 第2の軸部材
6 第2のトルク伝達部
7 第2の磁石
8 第1の軸部
9 第1の中間軸部
10 ハウジング
11 第2の軸部
12 第2の中間軸部
13 収容部
18 主電源
19 単独バッテリー
20、120 第1の固定磁極
21、121 第2の固定磁極
22、122 電磁コイル
23 保持機構
24 溝
25 弾性部材
26、126 収容部
127 回転伝達部
128 支持部材
図1
図2
図3
図4