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特許7529395電気機械用のステータハウジング、車両用の電気機械、および車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】電気機械用のステータハウジング、車両用の電気機械、および車両
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/20 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
H02K5/20
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019214167
(22)【出願日】2019-11-27
(65)【公開番号】P2020089268
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】18209098.5
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518334554
【氏名又は名称】ヴァレオ ジーメンス エーアオトモーティヴェ ゲルマニー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Valeo Siemens eAutomotive Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(72)【発明者】
【氏名】ニルス クライス
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ゼントゲラート
【審査官】若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-068513(JP,A)
【文献】実開平03-045059(JP,U)
【文献】特開2013-141334(JP,A)
【文献】特開2008-253025(JP,A)
【文献】特開2010-041835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械(1)用のステータハウジング(2)であって、軸方向に延びている複数の主チャンネル(8a~8c)を備え、
隣接する前記主チャンネル(8a~8c)同士が偏向チャンネル(9a、9b)によって接続されることで冷却液のための蛇行冷却経路(7)が形成され、
複数の接続チャンネル(10a、10b)が、隣接する前記主チャンネル(8a~8c)同士を軸方向における前記偏向チャンネル(9a、9b)間の位置において流体流動可能に接続することを特徴とする、ステータハウジング(2)。
【請求項2】
前記接続チャンネル(10a、10b)は前記主チャンネル(8a~8c)よりも小さい断面積を有する、
請求項1に記載のステータハウジング(2)。
【請求項3】
前記接続チャンネル(10a、10b)の断面積は、前記接続チャンネル(10a、10b)が接続される主チャンネル(8a~8c)の断面積の少なくとも2%、好ましくは少なくとも5%、さらに好ましくは少なくとも7%、および/または多くとも30%、好ましくは多くとも20%、さらに好ましくは多くとも10%である、
請求項2に記載のステータハウジング(2)。
【請求項4】
前記主チャンネル(8a~8c)を流れる冷却液の質量流量の少なくとも2%、好ましくは少なくとも5%、さらに好ましくは少なくとも10%、および/または多くとも30%、好ましくは多くとも20%、さらに好ましくは多くとも15%が前記主チャンネル(8a~8c)と隣接する前記主チャンネル(8a~8c)を接続する前記接続チャンネル(10a、10b)にバイパスされる、
請求項1から3のいずれか1つに記載のステータハウジング(2)。
【請求項5】
前記接続チャンネル(10a、10b)は台形の断面形状を有する、
請求項1から4のいずれか1つに記載のステータハウジング(2)。
【請求項6】
前記主チャンネル(8a~8c)および前記接続チャンネル(10a、10b)は前記ステータハウジング(2)内のキャビティによって形成される、
請求項1から5のいずれか1つに記載のステータハウジング(2)。
【請求項7】
前記主チャンネル(8a~8c)を形成するキャビティの区域は壁(18)によって区切られ、隣接する前記主チャンネル(8a~8c)同士を接続する前記接続チャンネル(10a、10b)は前記壁(18)の溝によって形成される、
請求項6に記載のステータハウジング(2)。
【請求項8】
前記主チャンネル(8a~8c)を形成するキャビティの区域は前記溝よりも深い、
請求項7に記載のステータハウジング(2)。
【請求項9】
前記キャビティは一つのハウジング要素(16)に形成される、
請求項7又は8に記載のステータハウジング(2)。
【請求項10】
内側ハウジング要素(16)と外側ハウジング要素(17)とを備え、前記内側ハウジング要素(16)は前記外側ハウジング要素(17)の内側に同軸上に設けられる、
請求項1からのいずれか1つに記載のステータハウジング(2)。
【請求項11】
前記キャビティは前記内側ハウジング要素(16)に形成されて前記外側ハウジング要素(17)で閉じられる、または前記キャビティは前記外側ハウジング要素(17)に形成されて前記内側ハウジング要素(16)で閉じられる、
請求項7から10のいずれか1つに記載のステータハウジング(2)。
【請求項12】
一方のハウジング要素(16)は前記ステータハウジング(2)の第1端部シールド(19)を備え、他方のハウジング要素(17)は前記ステータハウジング(2)の第2端部シールド(20)を備える、
請求項9から11のいずれか1つに記載のステータハウジング(2)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1つに記載のステータハウジング(2)の中にステータ(3)が配置される、車両(26)用の電気機械(1)。
【請求項14】
車両(26)を駆動するように構成された請求項13に記載の電気機械(1)を備える、車両(26)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸方向に延びている複数の主チャンネルを備える電気機械用のステータハウジングに関する。ここで、隣接する主チャンネル同士は偏向チャンネルによって接続されることで冷却液のための蛇行冷却経路を形成する。また、本発明は車両用の電気機械および車両に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機械を運転する際の電気損失は、電気機械のステータ巻線に注入した電流に比例する。ステータ巻線の電気抵抗のため、注入電流が増加するほど高熱が生成される。熱が特定の最高定格温度を超えると、電気機械のアクティブ部品、特にステータ巻線における物質の熱破損を招く場合がある。電気機械の利用率を高めるためには、電気機械を液冷却(例えば水冷却)することで熱を散逸させる必要がある。電気機械のステータハウジング内に液冷却を統合する構造において、軸状の主チャンネルと主チャンネル同士を接続する偏向チャンネルが設けられることで蛇行冷却経路を形成する構造が知られている。
【0003】
しかし、偏向チャンネルの数および冷却液の流量の増加に伴って冷却効率の低下および冷却経路の最初と最後との間における圧力降下の増加が招かれる。望ましくない結果として、圧力降下の増加はより強い液体ポンプを必要とする。
【0004】
そこで、本発明の目的は低い圧力降下でも運転可能に改善された冷却経路を有するステータハウジングを提供することである。
【0005】
本発明によれば、この目的は最初に説明するステータハウジングによって解決される。ここで、ステータハウジングは隣接する主チャンネル同士を流体流動可能に接続する複数の接続チャンネル偏向チャンネル間の軸方向における位置に備える。
【0006】
従来の蛇行冷却経路においては、冷却液の流れの剥離によって、各偏向チャンネルの前に高圧力領域、偏向チャンネルの後ろに低圧力領域が現れることが分かっている。ここで、接続チャンネルを追加することで、隣接する主チャンネル間の高圧力領域と低圧力領域との間の圧力の均等化が実現され、その結果これらの圧力領域間の圧力降下が大幅に低減される。本発明のステータハウジングと接続チャンネルを設けない従来のステータハウジングとを比較すると、圧力降下を低減する影響が、一定量の冷却液が接続チャンネルを流れることによるステータハウジングの冷却効率の低下の影響よりも著しく大きいことが確認された。有利には、圧力降下低減を伴う冷却経路の改善によって、本発明のステータハウジングによればより弱く特により小さい流体ポンプを採用することができる。
【0007】
典型的には、偏向チャンネルは冷却経路を流れる冷却液に対して、少なくとも170°、好ましくは少なくとも175°、さらに好ましくは少なくとも179°偏向させるよう構成されてもよい。好ましくは、主チャンネルは軸方向に平行に延びている。典型的には、接続チャンネルは隣接する主チャンネル同士の軸方向における中心位置に配置される。中心位置は、隣接する主チャンネル同士の全長の40%~60%の間の位置であってよい。典型的には、冷却経路は、冷却液の流れる方向に関して最初の主チャンネルと接続される流入チャンネルおよび/または冷却液の流れる方向に関して最後の主チャンネルと接続される流出チャンネルを備える。流入チャンネルは別の偏向チャンネルによって最初の主チャンネルと接続されてもよく、および/または最後の主チャンネルは別の偏向チャンネルによって流出チャンネルと接続されてもよい。別の接続チャンネルが流入チャンネルと最初の主チャンネルとの間に設けられてもよく、および/または別の接続チャンネルが最後の主チャンネルと流出チャンネルとの間に設けられてもよい。流入チャンネルおよび/または流出チャンネルは冷却液を少なくとも部分的にステータハウジングの周方向に導くような形となっていてもよい。
【0008】
好ましくは、接続チャンネルは主チャンネルよりも小さい断面積を有する。小さい接続チャンネルによって、冷却効率に大きな影響を与えることなく、隣接する主チャンネルの圧力領域間において十分な均等化を供することができることが確認されている。具体的には、各接続チャンネルの断面積は、その接続チャンネルが接続される主チャンネルの断面積の少なくとも2%、好ましくは少なくとも5%、さらに好ましくは少なくとも7%、および/または多くとも30%、好ましくは多くとも20%、さらに好ましくは多くとも10%であってよい。
【0009】
有利には、本発明のステータハウジングは、主チャンネルを流れる冷却液の質量流量の少なくとも2%、好ましくは少なくとも5%、さらに好ましくは少なくとも10%、および/または多くとも30%、好ましくは多くとも20%、さらに好ましくは多くとも15%が主チャンネルと隣接する主チャンネルを接続する接続チャンネルにバイパスされる。
【0010】
一般的に、接続チャンネルは円形、楕円形、長方形等の様々な断面形状を有してよい。本発明のステータハウジングの非常に好ましい実施形態によれば、接続チャンネルは台形の断面形状を有する。
【0011】
冷却経路の製造の簡易化のために、主チャンネル、接続チャンネル、および特に偏向チャンネル、流入チャンネル、および/または流出チャンネルはステータハウジング内のキャビティによって形成されることが好ましい。各キャビティはステータハウジングの材料を圧延することで形成されてもよい。
【0012】
ここで、主チャンネルを形成するキャビティの区域は壁によって区切られ、隣接する主チャンネル同士を接続する各接続チャンネルは壁の溝によって形成されてもよい。ここで、主チャンネルを形成するキャビティの区域は溝よりも深いことが好ましい。
【0013】
本発明のステータハウジングは、内側ハウジング要素と外側ハウジング要素とを備えていてもよく、内側ハウジング要素は外側ハウジング要素の内側に同軸上に設けられる。これにより、ステータハウジングはモジュール式に簡単に製造することができる。
【0014】
ここで、キャビティはハウジング要素の一つに形成されてもよい。好ましい設計によれば、キャビティは内側ハウジング要素に形成され、外側ハウジング要素によって閉じられる。あるいは、キャビティは外側ハウジング要素に形成され、内側ハウジング要素によって閉じられる。
【0015】
さらに、一方のハウジング要素はステータハウジングの第1端部シールドを備え、他方のハウジング要素はステータハウジングの第2端部シールドを備えてもよい。好ましくは、第1端部シールドは駆動端部シールドであり、第2端部シールドは非駆動端部シールドである。好ましくは、流入チャンネルと接続される流入口および/または流出チャンネルと接続される流出口は外側ハウジング要素と一体に形成される。好ましくは、流入口と流出口とはステータハウジングの軸方向において対向する位置に配置される。
【0016】
さらに、本発明は、本発明のステータハウジングが内部に配置されるステータを備える車両用の電気機械も対象とする。
【0017】
また、本発明は、車両を駆動するように構成された本発明の電気機械を備える車両も対象とする。車両は完全電気駆動車両またはハイブリッド車両のような部分的電気駆動車両であってよい。
【0018】
本発明のステータハウジングに関する記載はすべて本発明の電気機械および本発明の車両にも同様に適用され、したがって上述したステータハウジングの利点はそれらによっても達成される。
【0019】
さらなる詳細および本発明の利点は、概略図を参照しながら以下に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態のステータハウジングを備える本発明の電気機械の一実施形態の原理的な断面図である。
図2】ステータハウジングの分解図である。
図3】ステータハウジングの接続チャンネルの斜視図である。
図4】電気機械の運転中にステータハウジングの冷却経路を流れる冷却液の流線を示す。
図5】電気機械の運転中の冷却経路における圧力分布を表す。
図6】電気機械の運転中のステータハウジングの内側ハウジング要素の温度分布を表す。
図7】本発明の車両の一実施形態の原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は電気機械1の一実施形態の原理的な断面図であり、電気機械1は一実施形態のステータハウジング2と、圧入によってステータハウジング2の内部に固定されるステータ3と、ステータ3の内部に回転可能に設けられるロータ4と、ロータ4に取り付けられるシャフト5と、を備えている。例示的には、ロータ4は複数の永久磁石6を備えている。
【0022】
図2はステータハウジング2の分解図であって、ステータハウジング2は軸方向に延びている複数の主チャンネル8a~8cと複数の偏向チャンネル9a、9bとを含む冷却経路7を備えており、冷却経路7を流れる冷却液が各主チャンネル8a~8cから出る際に180°偏向するように偏向チャンネル9a、9bは隣接する主チャンネル8a~8c同士を接続する。このように、偏向チャンネル9a、9bは実質的に周方向に延び、ステータハウジング2の対向する部分に交互に設けられる。さらに、冷却経路7は各主チャンネル8a~8c同士を偏向チャンネル9a、9b間の軸方向における中心位置において流体流動可能に接続する接続チャンネル10a、10bを備える。
【0023】
さらに、冷却経路7は流入チャンネル11と流出チャンネル12とを備える。流入チャンネル11と流出チャンネル12は、主チャンネル8a~8cとは異なり、部分的に周方向に延び、それぞれ冷却液の流れ方向(矢印15で描かれている)に関して流入口13から最初の主チャンネル8aへ、または流れ方向に関して最後の主チャンネル(図2では不図示)からステータハウジング2の流出口14へ冷却液を導くよう構成されている。流入口11と最初の主チャンネル8aとは別の偏向チャンネル9cによって接続され、最後の主チャンネルと流出チャンネル12とは別の偏向チャンネル9dによって接続されている。さらに、別の接続チャンネル10cが流入チャンネル11と最初の主チャンネル8aとの間に設けられ、別の接続チャンネル10dが最後の主チャンネルと流出チャンネル12との間に設けられる。これらの接続チャンネル10c、10dの軸方向における位置は接続チャンネル10a、10bのそれと一致する。
【0024】
図3は接続チャンネル10aの斜視図であって、他の接続チャンネル10b、10c、10dを代表する。接続チャンネル10aの断面形状は等脚台形であって、その長い平行辺の長さは短い平行辺の長さの約1.95倍である。接続チャンネル10aの高さは主チャンネル8aの高さの約60%であって、長い平行辺と台形の脚の間の角度αは約44.7°である。接続チャンネル10aの断面積は、接続チャンネル10aを介して主チャンネル8bと接続されている主チャンネル8aの断面積の約8%である。この結果、主チャンネル8aを流れる冷却液の質量流量の約12%が偏向チャンネル9aを通過することなく接続チャンネル10aにバイパスされる。
【0025】
再び図2を参照し、ステータハウジング2は内側ハウジング要素16と外側ハウジング要素17とを備える。内側ハウジング要素16は外側ハウジング要素17の内側に同軸上に設けられる。したがって、主チャンネル8a~8c、偏向チャンネル9a~9d、接続チャンネル10a~10d、流入チャンネル11、および流出チャンネル12は内側ハウジング要素16の円柱構造に圧延して形成されたキャビティによって形成される。このようにして、それぞれ隣接する主チャンネル8a~8c同士は壁18によって区切られ、接続チャンネル10a~10dは壁18にそれぞれ設けられる溝によって形成される。キャビティは、外側ハウジング要素17の内部に配置されることで外側ハウジング要素17の内側円柱構造によって閉じられる。
【0026】
さらに、内側ハウジング要素16は電気機械1の駆動端部(DE)シールドである第1端部シールド19を備え、外側ハウジング要素17は電気機械1の非駆動端部(NDE)シールドである第2端部シールド20を備える。さらに、外側ハウジング要素17に対して内側ハウジング要素16を密閉するシーリング21、22が内側ハウジング要素16の表面の両側に設けられる。
【0027】
図4は、電気機械1の運転中に冷却経路7を流れる冷却液の流線を示す。接続チャンネルが設けられていない従来のステータハウジングと比較して、偏向チャンネルを通過した後の流れの剥離および冷却液の回り込みが、接続チャンネルの等化効果によって大幅に低減される。
【0028】
図5は、電気機械1の運転中のステータハウジング2の冷却経路7における圧力分布を等圧線23a~23fによって表す。冷却液は、冷却経路7に流入し、圧力最大領域23内で最大の圧力降下(例示的には3.5kPa)となる。ここで、等圧線23a~23fはおおよそ次の圧力降下を表す:23a-3.26kPa;23b-3.03kPa;23c-2.80kPa;23d-2.57kPa;23e-2.33kPa;23f-0.00kPa。
【0029】
従来のステータハウジングと比較して、体積流量10L/分、流入冷却液温度25°Cにおいては圧力降下が37.53%低下し、体積流量10L/分、流入冷却液温度65°Cにおいては42.89%低下することが分かった。
【0030】
図6は、電気機械1の運転中の内側ハウジング要素16の温度分布を等温線によって表す。ホットスポット領域24、25で描かれているように、各主チャンネル8a~8cにおいて各接続チャンネル10a~10dの前後に温度の局所的最大点が存在する。これらの領域は接続チャンネルが設けられていない従来の電気機械における単一のホットスポット領域よりも高温である。しかし、下表に示すように、重要な点(流入温度70°C、流量6L/分)において、接続チャンネルが設けられていない従来の電気機械と比較したとき、絶対温度上昇は、接続チャンネル10a~10dを設けることによって実現される圧力降下の抑制に対して極めて影響が小さい。
【0031】
【表1】
【0032】
その結果、接続チャンネル10a~10dを設けることで、電気機械1のいくつかの有意な点における最大温度と平均温度のほんの僅かな上昇のみを犠牲にして、冷却経路7における大幅な圧力降下の抑制が実現される。
【0033】
図7は上記実施形態の一つに係る電気機械1を備える車両26の一実施形態の原理図であって、電気機械1を冷却するために冷却液が熱交換器28を介してポンプ27に供給される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7