(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】医用情報処理装置、医用情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/40 20180101AFI20240730BHJP
【FI】
G16H10/40
(21)【出願番号】P 2020031898
(22)【出願日】2020-02-27
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 徹
(72)【発明者】
【氏名】杉山 敦子
(72)【発明者】
【氏名】古賀 章浩
(72)【発明者】
【氏名】溝部 秀謙
(72)【発明者】
【氏名】梅澤 孝太郎
(72)【発明者】
【氏名】鳥羽 修平
【審査官】中元 淳二
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-063156(JP,A)
【文献】特開2007-011971(JP,A)
【文献】特開2012-061230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/22
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
疾患の状態に応じた医療のアクションを定義したアクション情報を記憶する記憶部と、
患者に関する臨床データを取得する取得部と、
取得された臨床データを解析する解析処理を行う解析部と、
前記解析処理によって得られた解析結果に基づいて、前記記憶部によって記憶されたアクション情報から、前記患者に適用するアクション情報を選択する選択部と、
選択されたアクション情報に従って、前記患者を医療施設内に引き留めることを医療従事者に指示する情報又は緊急加療を受けられるように患者を誘導する情報を引き留め情報として生成し、当該引き留め情報の報知先を決定する決定部と、
決定された報知先に前記引き留め情報を送信する報知部と
を備え、
前記決定部は、前記患者の現在位置を取得し、当該現在位置に応じて前記引き留め情報の報知先を決定する、
医用情報処理装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記現在位置に応じて、前記患者が前記医療施設内にいる場合は、前記医療従事者を前記引き留め情報の報知先として決定し、前記患者が前記医療施設内にいない場合は、前記患者を前記引き留め情報の報知先として決定する、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
疾患の状態に応じた医療のアクションを定義したアクション情報を記憶する記憶部と、
患者に関する臨床データを取得する取得部と、
取得された臨床データを解析する解析処理を行う解析部と、
前記解析処理によって得られた解析結果に基づいて、前記記憶部によって記憶されたアクション情報から、前記患者に適用するアクション情報を選択する選択部と、
選択されたアクション情報に従って、前記患者を医療施設内に引き留めることを医療従事者に指示する情報又は緊急加療を受けられるように患者を誘導する情報を引き留め情報として生成し、当該引き留め情報の報知先を決定する決定部と、
決定された報知先に前記引き留め情報を送信する報知部と
を備え、
前記選択部は、前記解析結果に基づいて、前記患者に対して緊急加療が必要であるか否かを判定するものであり、臨床データと、当該臨床データの患者の入院の有無とを学習用データとした機械学習によって作成された学習済みモデルに対して、前記取得された臨床データを入力することで、前記患者の入院可能性の尤度を導出し、当該尤度が閾値より高い場合に、前記緊急加療が必要であると判定し、前記緊急加療が必要であると判定した場合に、当該患者に適用するアクション情報を選択する、
医用情報処理装置。
【請求項4】
疾患の状態に応じた医療のアクションを定義したアクション情報を記憶する記憶部と、
患者に関する臨床データを取得する取得部と、
取得された臨床データを解析する解析処理を行う解析部と、
前記解析処理によって得られた解析結果に基づいて、前記記憶部によって記憶されたアクション情報から、前記患者に適用するアクション情報を選択する選択部と、
選択されたアクション情報に従って、前記患者を医療施設内に引き留めることを医療従事者に指示する情報又は緊急加療を受けられるように患者を誘導する情報を引き留め情報として生成し、当該引き留め情報の報知先を決定する決定部と、
決定された報知先に前記引き留め情報を送信する報知部と
を備え、
前記決定部は、前記引き留め情報の報知先の関係者が、前記引き留め情報に気づいた時刻と、前記患者の状態を把握できる時刻とを比較し、前記引き留め情報又は前記引き留め情報の送付先を切り替える、
医用情報処理装置。
【請求項5】
前記選択部は、前記解析結果に基づいて、前記患者に対して緊急加療が必要であるか否かを判定し、必要であると判定した場合に、当該患者に適用するアクション情報を選択する、
請求項
2に記載の医用情報処理装置。
【請求項6】
前記選択部は、臨床データと、当該臨床データの患者の入院の有無とを学習用データとした機械学習によって作成された学習済みモデルに対して、前記取得された臨床データを入力することで、前記患者の入院可能性の尤度を導出し、当該尤度が閾値より高い場合に、前記緊急加療が必要であると判定する、
請求項5に記載の医用情報処理装置。
【請求項7】
前記決定部は、前記引き留め情報の報知先の関係者が、前記引き留め情報に気づいた時刻と、前記患者の状態を把握できる時刻とを比較し、前記引き留め情報又は前記引き留め情報の送付先を切り替える、
請求項2又は3に記載の医用情報処理装置。
【請求項8】
前記決定部は、前記選択されたアクション情報に従って、前記患者に対して緊急加療を実施する必要があることを通知するための加療実施情報をさらに生成し、当該加療実施情報の報知先を決定し、
前記報知部は、決定された報知先に前記加療実施情報を送信する、
請求項1~7のいずれか一つに記載の医用情報処理装置。
【請求項9】
前記決定部は、前記加療実施情報として、前記緊急加療の項目又は手順を医療従事者に指示する情報を生成する、
請求項8に記載の医用情報処理装置。
【請求項10】
前記決定部は、前記加療実施情報として、前記患者に対する緊急加療の緊急度合いを示す情報を生成する、
請求項8に記載の医用情報処理装置。
【請求項11】
前記決定部は、前記臨床データを依頼した依頼元に応じて、前記引き留め情報又は前記加療実施情報の報知先を決定する、
請求項8に記載の医用情報処理装置。
【請求項12】
前記決定部は、前記引き留め情報又は前記加療実施情報の報知先として、当該引き留め情報又は当該緊急加療に関係する複数の報知先を決定し、
前記報知部は、決定された複数の報知先に前記引き留め情報又は前記加療実施情報を一斉送信する、
請求項8又は11に記載の医用情報処理装置。
【請求項13】
前記報知部は、さらに、前記報知先のいずれかにおいて加工された前記引き留め情報又は前記加療実施情報を取得し、当該取得した情報を再度報知する、
請求項8、11、12のいずれか一つに記載の医用情報処理装置。
【請求項14】
制御部をさらに備え、
前記報知部は、前記決定された複数の報知先に関連するシステムに前記引き留め情報又は前記加療実施情報を一斉送信し、
前記制御部は、前記システム間の通信を仲介することで、前記複数の報知先に、前記引き留め情報、前記加療実施情報、前記報知先のいずれかにおいて加工された前記引き留め情報、前記報知先のいずれかにおいて加工された前記加療実施情報、又は、関係者間の対話を提示するように制御する制御部をさらに備える、
請求項12又は13に記載の医用情報処理装置。
【請求項15】
前記決定部は、さらに、前記報知先への報知順序を決定する
請求項8、11~14のいずれか一つに記載の医用情報処理装置。
【請求項16】
前記報知部は、報知先の医療従事者による、以降の送信の中断の指示を受け付ける、もしくは送信順序の変更の指示を受け付ける
請求項15に記載の医用情報処理装置。
【請求項17】
前記報知部は、さらに、報知先の医療従事者による、報知先の追加を受け付けて、当該追加された報知先に再度報知する
請求項1~16のいずれか一つに記載の医用情報処理装置。
【請求項18】
前記決定部は、前記引き留め情報を取得した時刻を取得し、前記引き留め情報を取得した時刻が特定のイベント前であるか特定のイベント後であるかに応じて、前記引き留め情報の報知先を決定する、
請求項1~17のいずれか一つに記載の医用情報処理装置。
【請求項19】
前記決定部は、前記患者が検査を受けてから患者に対する具体的な加療方法が決定するまでのワークフローにおけるどのプロセスまで完了したかを表す患者情報を取得し、当該患者情報に基づいて、前記引き留め情報の報知先を決定する、
請求項1~18のいずれか一つに記載の医用情報処理装置。
【請求項20】
患者に関する臨床データを取得する取得部と、
取得された臨床データを解析する解析処理を行う解析部と、
前記解析処理によって得られた解析結果に基づいて、前記患者を医療施設内に引き留めることを医療従事者に指示する情報又は緊急加療を受けられるように患者を誘導する情報を引き留め情報として生成し、当該引き留め情報の報知先を決定する決定部と、
決定された報知先に前記引き留め情報を送信する報知部と
を備え、
前記決定部は、前記患者の現在位置を取得し、当該現在位置に応じて前記引き留め情報の報知先を決定する、
医用情報処理装置。
【請求項21】
前記決定部は、前記現在位置に応じて、前記患者が前記医療施設内にいる場合は、前記医療従事者を前記引き留め情報の報知先として決定し、前記患者が前記医療施設内にいない場合は、前記患者を前記引き留め情報の報知先として決定する、
請求項20に記載の医用情報処理装置。
【請求項22】
患者に関する臨床データを取得する取得部と、
取得された臨床データを解析する解析処理を行う解析部と、
前記解析処理によって得られた解析結果に基づいて、前記患者を医療施設内に引き留めることを医療従事者に指示する情報又は緊急加療を受けられるように患者を誘導する情報を引き留め情報として生成し、当該引き留め情報の報知先を決定する決定部と、
決定された報知先に前記引き留め情報を送信する報知部と
を備え、
前記決定部は、前記引き留め情報の報知先の関係者が、前記引き留め情報に気づいた時刻と、前記患者の状態を把握できる時刻とを比較し、前記引き留め情報又は前記引き留め情報の送付先を切り替える、
医用情報処理装置。
【請求項23】
疾患の状態に応じた医療のアクションを定義したアクション情報を記憶するステップと、
患者に関する臨床データを取得するステップと、
取得された臨床データを解析する解析処理を行うステップと、
前記解析処理によって得られた解析結果に基づいて、前記記憶されたアクション情報から、前記患者に適用するアクション情報を選択するステップと、
選択されたアクション情報に従って、前記患者を医療施設内に引き留めることを医療従事者に指示する情報又は緊急加療を受けられるように患者を誘導する情報を引き留め情報として生成し、当該引き留め情報の報知先を決定するステップと、
決定された報知先に前記引き留め情報を送信するステップと
を含み、
前記引き留め情報の報知先を決定するステップは、前記患者の現在位置を取得し、当該現在位置に応じて前記引き留め情報の報知先を決定する、
医用情報処理方法。
【請求項24】
前記引き留め情報の報知先を決定するステップは、前記現在位置に応じて、前記患者が前記医療施設内にいる場合は、前記医療従事者を前記引き留め情報の報知先として決定し、前記患者が前記医療施設内にいない場合は、前記患者を前記引き留め情報の報知先として決定する、
請求項23に記載の医用情報処理方法。
【請求項25】
疾患の状態に応じた医療のアクションを定義したアクション情報を記憶するステップと、
患者に関する臨床データを取得するステップと、
取得された臨床データを解析する解析処理を行うステップと、
前記解析処理によって得られた解析結果に基づいて、前記記憶されたアクション情報から、前記患者に適用するアクション情報を選択するステップと、
選択されたアクション情報に従って、前記患者を医療施設内に引き留めることを医療従事者に指示する情報又は緊急加療を受けられるように患者を誘導する情報を引き留め情報として生成し、当該引き留め情報の報知先を決定するステップと、
決定された報知先に前記引き留め情報を送信するステップと
を含み、
前記アクション情報を選択するステップは、前記解析結果に基づいて、前記患者に対して緊急加療が必要であるか否かを判定するものであり、臨床データと、当該臨床データの患者の入院の有無とを学習用データとした機械学習によって作成された学習済みモデルに対して、前記取得された臨床データを入力することで、前記患者の入院可能性の尤度を導出し、当該尤度が閾値より高い場合に、前記緊急加療が必要であると判定し、前記緊急加療が必要であると判定した場合に、当該患者に適用するアクション情報を選択する、
医用情報処理方法。
【請求項26】
疾患の状態に応じた医療のアクションを定義したアクション情報を記憶するステップと、
患者に関する臨床データを取得するステップと、
取得された臨床データを解析する解析処理を行うステップと、
前記解析処理によって得られた解析結果に基づいて、前記記憶されたアクション情報から、前記患者に適用するアクション情報を選択するステップと、
選択されたアクション情報に従って、前記患者を医療施設内に引き留めることを医療従事者に指示する情報又は緊急加療を受けられるように患者を誘導する情報を引き留め情報として生成し、当該引き留め情報の報知先を決定するステップと、
決定された報知先に前記引き留め情報を送信するステップと
を含み、
前記引き留め情報の報知先を決定するステップは、前記引き留め情報の報知先の関係者が、前記引き留め情報に気づいた時刻と、前記患者の状態を把握できる時刻とを比較し、前記引き留め情報又は前記引き留め情報の送付先を切り替える、
医用情報処理方法。
【請求項27】
患者に関する臨床データを取得するステップと、
取得された臨床データを解析する解析処理を行うステップと、
前記解析処理によって得られた解析結果に基づいて、前記患者を医療施設内に引き留めることを医療従事者に指示する情報又は緊急加療を受けられるように患者を誘導する情報を引き留め情報として生成し、当該引き留め情報の報知先を決定するステップと、
決定された報知先に前記引き留め情報を送信するステップと
を含み、
前記引き留め情報の報知先を決定するステップは、前記患者の現在位置を取得し、当該現在位置に応じて前記引き留め情報の報知先を決定する、
医用情報処理方法。
【請求項28】
前記引き留め情報の報知先を決定するステップは、前記現在位置に応じて、前記患者が前記医療施設内にいる場合は、前記医療従事者を前記引き留め情報の報知先として決定し、前記患者が前記医療施設内にいない場合は、前記患者を前記引き留め情報の報知先として決定する、
請求項27に記載の医用情報処理方法。
【請求項29】
患者に関する臨床データを取得するステップと、
取得された臨床データを解析する解析処理を行うステップと、
前記解析処理によって得られた解析結果に基づいて、前記患者を医療施設内に引き留めることを医療従事者に指示する情報又は緊急加療を受けられるように患者を誘導する情報を引き留め情報として生成し、当該引き留め情報の報知先を決定するステップと、
決定された報知先に前記引き留め情報を送信するステップと
を含み、
前記引き留め情報の報知先を決定するステップは、前記引き留め情報の報知先の関係者が、前記引き留め情報に気づいた時刻と、前記患者の状態を把握できる時刻とを比較し、前記引き留め情報又は前記引き留め情報の送付先を切り替える、
医用情報処理方法。
【請求項30】
請求項23~29のいずれか一つに記載の医用情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用情報処理装置、医用情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院等の医療施設で患者が検査を受けた際には、検査の実施部門において、検査で得られた臨床データを基にレポートが作成される。そして、当該レポートが主治医に報告されて診断が行われることで、患者に対する具体的な加療方法が決定するというワークフローが一般的である。
【0003】
ここで、主治医による診断の結果、患者に対して緊急加療が必要であると判断された場合には、その患者が医療施設内にいる間に加療を行うことが求められる。しかしながら、上述したワークフローでは、検査の実施部門によって検査が実施された後にすぐにレポートが作成されないことも多く、その結果、主治医による診断までに時間を要してしまい、患者が医療施設内にいる間に適切な加療を行うことが困難になる場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-49909号公報
【文献】特開2007-193399号公報
【文献】特開2002-119484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、患者に対して適切に緊急加療を実施できるようにすることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る医用情報処理装置は、取得部と、解析部と、決定部と、報知部とを備える。取得部は、患者に関する臨床データを取得する。解析部は、取得された臨床データを解析する解析処理を行う。決定部は、解析処理によって得られた解析結果に基づいて、前記患者を医療施設内に引き留めるための引き留め情報を生成し、当該引き留め情報の報知先を決定する。報知部は、決定された報知先に引き留め情報を送信する。
【0007】
実施形態に係る医用情報処理装置は、記憶部と、取得部と、解析部と、選択部と、決定部と、報知部とを備えていてもよい。記憶部は、疾患の状態に応じた医療のアクションを定義したアクション情報を記憶する。取得部は、患者に関する臨床データを取得する。解析部は、取得された臨床データを解析する解析処理を行う。選択部は、前記解析処理によって得られた解析結果に基づいて、前記記憶部によって記憶されたアクション情報から、前記患者に適用するアクション情報を選択する。決定部は、選択されたアクション情報に従って、前記患者を医療施設内に引き留めるための引き留め情報を生成し、当該引き留め情報の報知先を決定する。報知部は、決定された報知先に前記引き留め情報を送信する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る決定機能によって生成される加療実施情報の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る決定機能によって生成される加療実施情報の他の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置の処理回路によって実行される処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、第3の実施形態に係る報知機能によって行われる一斉送信の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、医用情報処理装置の実施形態について詳細に説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置の構成例を示す図である。
【0011】
例えば、
図1に示すように、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、ネットワーク200を介して、臨床データ収集装置1、放射線科システム2、病理システム3、検体システム4、診療科システム5、医事会計システム6、患者端末7、遠隔読影施設端末8、電子カルテシステム9、病院スタッフ端末10等と通信可能に接続されている。ここで、ネットワーク200は、例えば、有線ネットワーク、無線ネットワーク、又は、それらの組み合わせによって実現されている。
【0012】
本実施形態では、これらの装置及びシステムのうち、医用情報処理装置100、臨床データ収集装置1、放射線科システム2、病理システム3、検体システム4、診療科システム5、医事会計システム6、電子カルテシステム9及び病院スタッフ端末10が、それぞれ同じ病院内に設置されている。なお、病院は、医療施設の一例である。
【0013】
臨床データ収集装置1は、病院内で患者の検査で用いられる装置であり、患者に関する臨床データを収集する装置である。例えば、臨床データ収集装置1は、画像検査で用いられる画像診断装置やPACS(Picture Archiving and Communication System)、病理検査で用いられる病理検査装置、検体検査で用いられる検体検査装置等である。
【0014】
ここで、画像診断装置は、患者の画像データを収集する装置である。例えば、画像診断装置は、X線CT装置、MRI装置、超音波診断装置、X線診断装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置等である。また、PACSは、画像検査で画像診断装置によって収集された装置を保管する装置である。
【0015】
また、病理検査装置は、患者の病理データを収集する装置である。例えば、病理検査装置は、患者から採取された臓器や組織に関するデータを病理データとして収集する。また、検体検査装置は、患者の検体データを収集する装置である。例えば、検体検査装置は、患者から採取された血清や尿に関するデータを検体データとして収集する。
【0016】
放射線科システム2は、病院内の放射線科で利用されるシステムであり、画像診断装置を用いた画像検査で得られた各種の画像データを管理する。例えば、放射線科システム2には、放射線科医が読影レポートを作成する際に画像データを参照するために用いる端末装置や、放射線技師が画像検査の依頼を確認するために用いる端末装置、放射線科医や放射線技師が所持する携帯端末等が含まれる。
【0017】
病理システム3は、病院内の病理検査部門で利用されるシステムであり、病理検査によって得られた各種の病理データを管理する。例えば、病理システム3には、病理医が診断レポートを作成する際に病理データを参照するために用いる端末装置や、病理検査の検査技師が病理検査の依頼を確認するために用いる端末装置、病理医や検査技師が所持する携帯端末等が含まれる。
【0018】
検体システム4は、病院内の検体検査部門で利用されるシステムであり、検体検査によって得られた各種の検体データを管理する。例えば、検体システム4には、検体検査の検査技師が分析レポートを作成する際に検体データを参照するために用いる端末装置や、検査技師が病理検査の依頼を確認するための端末装置、検査技師が所持する携帯端末等が含まれる。
【0019】
診療科システム5は、病院内の各診療科で利用されるシステムであり、医師が患者の診断や治療を行う際に用いる各種情報を管理する。例えば、診療科システム5には、診療科医が診断や治療を行う際に臨床データを参照するために用いる端末装置や、診療科の窓口担当者が診療や治療の予定を確認するために用いる端末装置、診療科医や看護師、窓口担当者が所持する携帯端末等が含まれる。
【0020】
医事会計システム6は、病院内の会計事務部門で利用されるシステムであり、会計事務に関する各種情報を管理する。例えば、医事会計システム6には、会計事務の窓口担当者が患者の受け付けや診療費の会計等を行うために用いる端末装置、窓口担当者が所持する携帯端末、患者が診療費の会計等を行う自動精算機等が含まれる。
【0021】
患者端末7は、病院で検査を受ける患者が所持する端末装置である。例えば、患者端末7は、患者自身が所有するスマートフォン又はタブレット端末や、病院内で患者に貸し出される携帯機器等である。
【0022】
遠隔読影施設端末8は、本実施形態に係る医用情報処理装置100等が設置された病院とは別の場所にある遠隔読影施設に設置された端末装置である。ここで、遠隔読影施設は、他の医療施設から依頼された画像データを読影する読影医が勤務する施設である。
【0023】
電子カルテシステム9は、病院内で利用されるシステムであり、患者の診療記録に関する各種情報を管理する。例えば、電子カルテシステム9には、医師が診療の際に問診結果を入力するために用いる端末装置や、病院スタッフが処置を行う際に臨床データを参照するために用いる端末装置等が含まれる。
【0024】
病院スタッフ端末10は、医師、看護師、技師、受付窓口担当者、医事会計窓口担当者等の病院スタッフが所持する端末装置である。例えば、病院スタッフ端末10には、医師自身が所有するスマートフォン又はタブレット端末や、PHS等が含まれる。
【0025】
医用情報処理装置100は、病院内の情報管理部門等に設置された情報処理装置である。例えば、医用情報処理装置100は、サーバーやワークステーション、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ機器によって実現される。
【0026】
ここで、医用情報処理装置100は、病院内で患者の検査が行われるごとに、検査で得られた臨床データを臨床データ収集装置1から取得して、放射線科システム2、病理システム3及び検体システム4のいずれかに送信する。
【0027】
一般的に、病院等の医療施設で患者が検査を受けた際には、検査の実施部門において、検査で得られた臨床データを基にレポートが作成され、当該レポートが主治医に報告されて診断が行われることで、患者に対する具体的な加療方法が決定するというワークフローが実施される。
【0028】
例えば、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等の画像診断装置(モダリティとも呼ばれる)を用いた画像検査では、検査で得られた画像データを基に、放射線科医によって読影レポートが作成される。また、例えば、病理検査では、検査で得られた病理データを基に、病理医によって病理レポートが作成される。また、例えば、検体検査では、検査で得られた検体データを基に、検体検査の検査技師によって分析レポートが作成される。
【0029】
ここで、主治医による診断の結果、患者に対して緊急加療が必要であると判断された場合には、その患者が医療施設内にいる間に加療を行うことが求められる。しかしながら、上述したワークフローでは、検査の実施部門によって検査が実施された後にすぐにレポートが作成されないことも多く、その結果、主治医による診断までに時間を要してしまい、患者が医療施設内にいる間に適切な加療を行うことが困難になる場合もある。
【0030】
このようなことから、本実施形態では、医用情報処理装置100が、患者に対して適切に緊急加療を実施できるようにするための構成を備える。
【0031】
具体的には、本実施形態では、医用情報処理装置100は、病院内で患者の検査が行われるごとに、取得した臨床データを解析して、当該患者に対して緊急加療が必要であるか否かを判定する。そして、緊急加療が必要であると判定した場合には、医用情報処理装置100は、当該患者を病院内に引き留めるための情報(以下、引き留め情報と呼ぶ)を、臨床データ収集装置1、放射線科システム2、病理システム3、検体システム4、診療科システム5、医事会計システム6、患者端末7、遠隔読影施設端末8、電子カルテシステム9、病院スタッフ端末10、施設の放送機能(放送部)(不図示)等を介して、救急医、会計事務、検査部門の窓口担当者、診療科の窓口担当者、看護師、患者本人等に報知するとともに、当該患者に対して緊急加療を実施する必要があることを通知するための情報(以下、加療実施情報と呼ぶ)を放射線科医、主治医、診療科医、救急医、病理医、看護師、検査技師等に報知する。そして、引き留め情報が報知された医療従事者が実際に報知を確認したか否か、実際に患者を引き留めたか否かを示すログが保存される。
【0032】
このような構成によれば、緊急加療が必要な患者に対して、その患者が病院内にいる間に加療が行われるように関係者を促すことができるようになる。これにより、本実施形態では、患者に対して適切に緊急加療を実施できるようになる。
【0033】
以下、このような医用情報処理装置100の構成について、詳細に説明する。
【0034】
例えば、
図1に示すように、医用情報処理装置100は、NW(network)インタフェース110と、記憶回路120と、入力インタフェース130と、ディスプレイ140と、処理回路150とを有する。
【0035】
NWインタフェース110は、処理回路150に接続されており、ネットワーク200を介して他の装置との間で行われるデータ通信を制御する。具体的には、NWインタフェース110は、処理回路150による制御のもと、他の装置及びシステムとの間で行われる各種データの送受信を制御する。例えば、NWインタフェース110は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(network interface controller)等によって実現される。
【0036】
記憶回路120は、処理回路150に接続されており、各種データを記憶する。具体的には、記憶回路120は、処理回路150による制御のもと、各種データを記憶し、また、記憶されたデータの読み出し及び更新を行う。例えば、記憶回路120は、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
【0037】
入力インタフェース130は、処理回路150に接続されており、操作者から各種指示及び各種情報の入力操作を受け付ける。具体的には、入力インタフェース130は、操作者から受け付けた入力操作を電気信号へ変換して処理回路150に出力する。例えば、入力インタフェース130は、トラックボールやスイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサーを用いた非接触入力回路、マイクロフォンを用いた音声入力回路等によって実現される。なお、本明細書において、入力インタフェース130は、マウスやキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース130の例に含まれる。
【0038】
ディスプレイ140は、処理回路150に接続されており、各種情報及び各種データを表示する。具体的には、ディスプレイ140は、処理回路150による制御のもと、各種情報及び各種データを表示用の電気信号に変換して出力する。例えば、ディスプレイ140は、LCD(Liquid Crystal Display)やタッチパネル等によって実現される。
【0039】
処理回路150は、入力インタフェース130を介して操作者から受け付けた入力操作に応じて、医用情報処理装置100の動作を制御する。例えば、処理回路150は、プロセッサによって実現される。
【0040】
そして、本実施形態では、上述した構成において、記憶回路120が、疾患の状態に応じた医療のアクションを定義したアクション情報を記憶する。なお、記憶回路120は、記憶部の一例である。
【0041】
ここで、アクション情報は、疾患の状態に応じた緊急加療の項目や手順、引き留め情報及び加療実施情報の報知先等を定義した情報である。例えば、記憶回路120には、医療施設の医療方針や設備、勤務している医師や看護師、職員等の状況に応じて、医療施設ごとに適切なアクション情報が記憶される。
【0042】
また、本実施形態では、処理回路150が、取得機能(取得部)151と、解析機能(解析部)152と、選択機能(選択部)153と、決定機能(決定部)154と、報知機能(報知部)155とを有する。なお、取得機能151は、取得部の一例である。また、解析機能152は、解析部の一例である。また、選択機能153は、選択部の一例である。また、決定機能154は、決定部の一例である。また、報知機能155は、報知部の一例である。
【0043】
処理回路150において、解析機能(解析部)152は、取得された臨床データを解析する解析処理を行う。決定機能(決定部)154は、解析処理によって得られた解析結果に基づいて、患者を医療施設内に引き留めるための引き留め情報を生成し、当該引き留め情報の報知先を決定する。報知機能(報知部)155は、決定された報知先に引き留め情報を送信する。
【0044】
また、処理回路150において、取得機能(取得部)151は、患者に関する臨床データを取得する。解析機能(解析部)152は、取得された臨床データを解析する解析処理を行う。選択機能(選択部)153は、解析処理によって得られた解析結果に基づいて、記憶部によって記憶されたアクション情報から、患者に適用するアクション情報を選択する。決定機能(決定部)154は、選択されたアクション情報に従って、患者を医療施設内に引き留めるための引き留め情報を生成し、当該引き留め情報の報知先を決定する。報知機能(報知部)155は、決定された報知先に引き留め情報を送信する。
【0045】
取得機能151は、患者に関する臨床データを取得する。具体的には、取得機能151は、病院内で患者の検査が行われるごとに、検査で得られた臨床データを臨床データ収集装置1から取得し、取得した臨床データを記憶回路120に記憶させる。
【0046】
例えば、取得機能151は、病院内で患者の画像検査が行われるごとに、画像診断装置又はPACSから当該患者の画像データを取得する。また、例えば、取得機能151は、病院内で患者の病理検査が行われるごとに、病理検査装置から当該患者の病理データを取得する。また、取得機能151は、病院内で患者の検体検査が行われるごとに、検体検査装置から当該患者の検体データを取得する。
【0047】
また、取得機能151は、患者に関する臨床データの一部を選択した上で取得してもよい。また、例えば、取得機能151は、病院内で患者の検査が行われるごとに、撮影部位等の検査情報から、臨床データを選択した上で臨床データ収集装置1から取得し、取得した臨床データを記憶回路120に記憶させる。
【0048】
また、取得機能151は、病院内で患者の検査が行われるごとに、取得した臨床データを放射線科システム2、病理システム3及び検体システム4のいずれかに送信する。
【0049】
例えば、医用情報処理装置100は、画像診断装置又はPACSから取得した画像データを放射線科システム2に送信する。また、例えば、医用情報処理装置100は、病理検査装置から取得した病理データを病理システム3に送信する。また、例えば、医用情報処理装置100は、検体検査装置から取得した検体データを検体システム4に送信する。
【0050】
解析機能152は、取得機能151によって取得された臨床データを解析する解析処理を行う。
【0051】
具体的には、解析機能152は、取得機能151によって臨床データが取得されるごとに、取得された臨床データを記憶回路120から読み出し、読み出した臨床データの種類に応じた解析処理を行う。
【0052】
例えば、解析機能152は、臨床データの種類ごとに予め決められた解析処理を行うことで、臨床データから特定の疾患を検出する。
【0053】
選択機能153は、解析機能152によって行われた解析処理によって得られた解析結果に基づいて、記憶回路120によって記憶されたアクション情報から、患者に適用するアクション情報を選択する。
【0054】
具体的には、選択機能153は、解析処理によって得られた解析結果に基づいて、患者に対して緊急加療が必要であるか否かを判定し、必要であると判定した場合に、当該患者に適用するアクション情報を選択する。
【0055】
例えば、選択機能153は、解析結果に基づいて、患者の疾患の状態に応じた緊急度を算出し、算出した緊急度が閾値より高い場合に、緊急加療が必要であると判定する。例えば、選択機能153は、緊急度として、緊急加療を要する疾患である可能性を示す割合(例えば、緊急性気胸の可能性が70%等)を算出し、算出した割合が閾値より高い場合に、緊急加療が必要であると判定する。
【0056】
決定機能154は、選択機能153によって選択されたアクション情報に従って、緊急加療が必要であると判定された患者を病院内に引き留めるための引き留め情報を生成し、当該引き留め情報の報知先を決定する。
【0057】
ここで、決定機能154によって生成される引き留め情報としては、各種の例が考えらえる。例えば、決定機能154は、引き留め情報として、患者を病院内に引き留めることを医療従事者に指示する情報を生成する。または、例えば、決定機能154は、引き留め情報として、緊急加療を受けられるように患者を誘導する情報を生成する。
【0058】
また、決定機能154によって決定される引き留め情報の報知先としても、各種の例が考えられる。例えば、決定機能154は、臨床データを依頼した依頼元に応じて、引き留め情報の報知先を決定する。または、例えば、決定機能154は、患者の現在位置を取得し、当該現在位置に応じて、引き留め情報の報知先を決定する。または、例えば、決定機能154は、患者の医療情報や個人情報等に応じて、引き留め情報の報知先を決定する。
【0059】
具体的な例として、例えば、決定機能154は、患者を病院内に引き留めるように指示する引き留め情報を生成し、会計事務の窓口担当者を当該引き留め情報の報知先として決定する。このとき、例えば、決定機能154は、当該患者の会計が行われないように医事会計システム6を制御する情報を引き留め情報に含めてもよい。また、決定機能154は、患者の主治医がいる診療科の窓口担当者や主治医、看護師をさらに報知先として決定してもよい。また、決定機能154は、最初に主治医を報知先として決定し、主治医によって窓口担当者にも報知すると判断された場合に、診療科の窓口担当者をさらに報知先として決定するようにしてもよい。
【0060】
また、他の例として、例えば、決定機能154は、患者を病院内に引き留めるように指示する引き留め情報を生成し、当該患者の臨床データが一般の診療科から依頼されたものであった場合には、当該診療科の窓口担当者や主治医、看護師を報知先として決定し、当該患者の臨床データが救急科から依頼されたものであった場合には、救急医を報知先として決定する。この場合には、例えば、決定機能154は、病院内で利用されているHIS(Hospital Information System)等のオーダリングシステムに管理されているオーダ情報を参照して、臨床データを依頼した科を特定する。
【0061】
また、他の例として、例えば、決定機能154は、患者が引き留めるように指示する引き留め情報を生成し、当該患者の臨床データが一般の診療科から依頼されたものであった場合には、当該診療科の窓口担当者や主治医、看護師を報知先として決定し、当該患者の臨床データが救急科から依頼されたものであった場合には、救急医を報知先として決定する。この場合には、例えば、決定機能154は、病院内で利用されているHIS(Hospital Information System)等のオーダリングシステムに管理されているオーダ情報を参照して、臨床データを依頼した科を特定する。
【0062】
また、他の例として、例えば、決定機能154は、追加の画像検査を行うために放射線科に向かうように患者を誘導する引き留め情報を生成し、患者自身を当該引き留め情報の報知先として決定する。このとき、例えば、決定機能154は、放射線科の場所を示す情報等を引き留め情報に含めてもよい。また、決定機能154は、病院内の各所に設置されたカメラやGPS(Global Positioning System)等を利用して患者の位置を特定し、患者が病院内にいる場合は、会計事務や診療科の窓口担当者を報知先とし、患者が病院内にいない場合は、患者自身を報知先として決定するようにしてもよい。
【0063】
また、他の例として、例えば、決定機能154は、患者を病院内に引き留めることを指示する引き留め情報について、複数の関係者を報知先の候補として選出したうえで、病院内の勤務管理システム等によって各関係者の出勤状況を確認し、出勤している関係者のみを報知先として決定してもよい。このとき、例えば、決定機能154は、出勤している関係者が複数いる場合には、それらの関係者の優先順位を判別し、優先順位が最も高い関係者のみを報知先として決定してもよい。また、他の例として、例えば、決定機能154は、患者が引き留められていないこと示す情報を、当該引き留め情報として決定してもよい。
【0064】
また、他の例として、決定機能154は、引き留め情報や加療実施情報を報知する際に、電子カルテシステム9等の各種システムから上述した患者が検査を受けてから患者に対する具体的な加療方法が決定するまでのワークフローにおけるどのプロセスまで完了したかを表す患者情報を取得する。そして、決定機能154は取得した患者情報に基づいて引き留め情報を報知する報知先を決定してもよい。例えば、引き留め情報を報知する際に、決定機能154は電子カルテシステム9から取得した患者情報によって患者が会計の前のプロセス(例えば画像検査等)を完了していると判定した場合には、引き留め情報を会計の担当者を報知先として決定し、さらに患者が上述したワークフローにおける会計の前のプロセスまで完了していることを示す引き留め情報を生成し、看護師等関係者を報知先として決定する。
【0065】
さらに、他の例として、例えば、引き留め情報の報知先を決定する際に、決定機能154は電子カルテシステム9から患者情報を取得し、取得した患者情報によって患者が救急での処置中であると判定した場合は、引き留め情報の報知先を救急医決定する。また、他の例として、例えば、引き留め情報の報知先を決定する際に、決定機能154は電子カルテシステム9から患者情報を取得し、取得した患者情報によって患者が例えば会計のフローを終え、病院を離れていると判定した場合は、患者に連絡するための携帯電話番号や住所等の引き留め情報の報知先を看護師等に決定する。つまり、引き留め情報を取得した時刻(タイミング)が特定のイベント(会計)前であるか特定のイベント(会計)後であるかによって、引き留め情報の報知先が異なる。決定機能154は、引き留め情報を取得した時刻を取得し、引き留め情報を取得した時刻が特定のイベント前であるか特定のイベント後であるかに応じて、引き留め情報の報知先を決定する。
【0066】
さらに、決定機能154は、選択機能153によって選択されたアクション情報に従って、患者に対して緊急加療を実施する必要があることを通知するための加療実施情報を生成し、当該加療実施情報の報知先を決定する。
【0067】
ここで、決定機能154によって生成される加療実施情報としては、各種の例が考えらえる。例えば、決定機能154は、加療実施情報として、緊急加療の項目又は手順を医療従事者に指示する情報を生成する。または、例えば、決定機能154は、加療実施情報として、患者に対する緊急加療の緊急度合いを示す情報を生成する。
【0068】
図2は、第1の実施形態に係る決定機能154によって生成される加療実施情報の一例を示す図である。
【0069】
例えば、
図2に示すように、決定機能154は、放射線技師によって用いられる画像データ参照用の端末装置のディスプレイ11上に、緊急加療を行うために必要となる情報をアイコン12、メニュー13及びウィンドウ16で表示するための加療実施情報を生成する。これにより、例えば、ディスプレイ11上に表示された画像データのリストの中で、緊急に読影が必要な画像データに星状のアイコン12が表示される。また、例えば、画像データの解析によって大動脈解離が検出されたことを示す情報や、診療科医に画像データを転送するためのボタン14、関連情報を表示するためのボタン15等を配置したメニュー13がディスプレイ11上に表示される。また、例えば、緊急加療の関係者の所在や連絡先を列挙したウィンドウ16がディスプレイ11上に表示される。
【0070】
図3は、第1の実施形態に係る決定機能154によって生成される加療実施情報の他の一例を示す図である。
【0071】
例えば、
図3に示すように、決定機能154は、診療科医によって用いられる携帯端末21のディスプレイ上に、緊急加療を行うために必要となる情報を表示するための加療実施情報を生成する。これにより、例えば、携帯端末21のディスプレイ上に、緊急に読影が必要なことや、緊急度合いを示す情報(「緊急度高」)を含むメッセージが表示される。このとき、例えば、選択機能153によって、緊急度として、緊急加療を要する疾患である可能性を示す割合が算出されている場合には、その割合が表示されてもよい。
【0072】
また、決定機能154によって決定される加療実施情報の報知先としても、各種の例が考えられる。例えば、決定機能154は、臨床データを依頼した依頼元に応じて、加療実施情報の報知先を決定する。または、例えば、決定機能154は、緊急加療に関係する医療従事者の所在を確認し、当該所在に応じて、加療実施情報の報知先を決定する。または、例えば、決定機能154は、患者の医療情報や個人情報等に応じて、加療実施情報の報知先を決定する。
【0073】
具体的な例として、例えば、決定機能154は、緊急加療のために、再度、画像検査を行うことを指示する加療実施情報を生成し、放射線技師を当該加療実施情報の報知先として決定する。このとき、例えば、決定機能154は、放射線科システム2に新たなオーダ情報を登録するための情報を加療実施情報に含めてもよい。また、例えば、決定機能154は、造影剤の要否や画像データの種類、撮像条件等を加療実施情報に含めてもよい。
【0074】
また、他の例として、例えば、決定機能154は、患者の腹部の画像データを解析した結果、肝臓の疾患が検出された場合には、腹部について緊急に診断が必要なことを示す加療実施情報を生成し、内臓系の診療医を当該加療実施情報の報知先として決定し、肺の疾患が検出された場合には、肺について緊急に診断が必要なことを示す加療実施情報を生成し、呼吸器系の診療医を当該加療実施情報の報知先として決定する。なお、例えば、決定機能154は、検査を依頼した主治医の担当とは異なる疾患について緊急加療が必要な場合には、主治医に対して、加療に対応できる診療医(専門医)の情報を付加した加療実施情報を報知するようにしてもよい。この場合には、診療医に対して、緊急加療を直接依頼するのではなく、主治医を介して依頼できるようになる。
【0075】
また、他の例として、例えば、決定機能154は、臨床データの解析によって検出された疾患の診断が病院において診断が可能か否かを確認し、読影が不可能な場合に、転院を手配することを指示する加療実施情報を生成し、診療科の看護師や転院手配のスタッフを当該加療実施情報の報知先として決定する。このとき、例えば、決定機能154は、転院先の病院等を示す情報や、患者の移送方法を示す情報(救急車、タクシー、ヘリコプター等)等を加療実施情報に含めてもよい。また、決定機能154は、最初に主治医を報知先として決定し、主治医によって転院が必要と判断された場合に、診療科の看護師や転院手配のスタッフをさらに報知先として決定するようにしてもよい。
【0076】
また、他の例として、例えば、決定機能154は、画像データを解析した結果、病院において当該画像データの読影が可能か否かを確認し、読影が不可能な場合に、緊急対応が可能な遠隔読影施設の情報を取得する。そして、決定機能154は、緊急の読影を依頼する加療実施情報を生成し、取得した遠隔読影施設を当該加療実施情報の報知先として決定する。この場合には、決定機能154は、読影を依頼する画像データを加療実施情報に含めておく。
【0077】
また、他の例として、例えば、決定機能154は、患者の健康状態を示す情報を取得し、取得した健康状態に応じた内容の加療実施情報を生成してもよい。このとき、例えば、決定機能154は、患者の健康状態を示す情報として、患者が所有するスマートフォンやウエアブル端末等に記録されている患者のPHR(Personal Health Record)から血圧や歩数、睡眠時間等も情報を取得してもよいし、電子カルテシステム等に保存されている患者のEHR(Electric Health Record)から体温や血圧等を取得してもよい。
【0078】
また、他の例として、例えば、決定機能154が、引き留め情報又は加療実施情報の報知先として、事前に決定された順序に基づいた複数の報知先を決定した場合に、報知機能155が、決定された報知先に引き留め情報及び加療実施情報を決定された順序で送信するようにしてもよい。その際、報知機能155は、送信する順序の途中の医療従事者が、自身の判断で以降の送信を中断したり、報知先を追加したり、送信順序を変更したりすることができるようにしてもよい。その際、報知機能155は、送信する順序を、まず医療従事者に提示してもよい。例えば、決定機能154は、事前に決定された順序の例として、救急において、まず救急医に、次に看護師と会計事務の窓口担当者に送信することを決定する。そして、報知機能155が、まず救急医に送信した上で、患者がまだ救急医の下に居る等の理由により、救急医に対して、以降の医療従事者への送信を中断するかの指示を受け付ける。または、例えば、診療において、決定機能154が、まず放射線科医に、次に看護師と会計事務の窓口担当者に送信することを決定する。報知機能155が、まず放射線科医に送信した上で、放射線科医に対して、看護師と会計事務の窓口担当者へ送信するかの指示を受け付ける。さらに、報知機能155は、患者情報を他の医師、例えば脳外科医に早期に確認してもらうため、放射線科医に対して、報知先を追加して加療実施情報を送信するかの指示を受け付けてもよい。
【0079】
なお、決定機能154によって生成される引き留め情報及び加療実施情報の形式は、例えば、
図2及び3に示したようなディスプレイ上でアイコンやメニュー、ウィンドウ等で表示される形式でもよいし、電子メールやショートメッセージ等の形式であってもよい。また、これらの形式に限らず、音声合成等による音声形式であってもよい。この場合には、報知機能155は、音声形式による情報を、病院の館内放送、病院スタッフの持つスマートフォン、患者のスマートフォン等に報知するようにしてもよい。
【0080】
図1に戻り、報知機能155は、決定機能154によって決定された報知先に引き留め情報を送信する。また、報知機能155は、決定機能154によって決定された報知先に加療実施情報を送信する。
【0081】
例えば、報知機能155は、放射線科医又は放射線技師が報知先として決定された情報については、当該情報を放射線科システム2に送信することによって、各人が用いる端末装置や携帯端末等に表示させる。また、例えば、報知機能155は、病理医又は病理検査の検査技師が報知先として決定された情報については、当該情報を病理システム3に送信することによって、各人が用いる端末装置や携帯端末等に表示させる。
【0082】
また、例えば、報知機能155は、検体検査の検査技師が報知先として決定された情報については、当該情報を検体システム4に送信することによって、各人が用いる端末装置や携帯端末等に表示させる。また、例えば、報知機能155は、診療科の医師、看護師又は窓口担当者が報知先として決定された情報については、当該情報を診療科システム5に送信することによって、各人が用いる端末装置や携帯端末等に表示させる。
【0083】
また、例えば、報知機能155は、会計事務の窓口担当者が報知先として決定された情報については、当該情報を医事会計システム6や病院スタッフ端末10に送信することによって、各人が用いる端末装置や携帯端末等に表示させる。ここで、患者が会計に訪れた際に当該情報を表示させるようにしてもよい。さらに、患者の引き留めが完了した際に、どの窓口担当者によって引き留めが完了したかという情報を他の窓口担当者に報知してもよい。また、例えば、報知機能155は、患者が報知先として決定された情報については、患者端末7に送信することによって、患者自身に報知する。また、例えば、報知機能155は、遠隔読影施設が報知先として決定された加療実施情報については、当該情報を遠隔読影施設端末8に送信することによって、読影医に画像データの読影を依頼する。
【0084】
また、例えば、報知機能155は、救急医や看護師や放射線科医が報知先として決定された情報については、当該情報を電子カルテシステム9や病院スタッフ端末10に送信することによって、各人が用いる端末装置や携帯端末等に表示させる。また、例えば、報知機能155は、当該情報を電子カルテシステム9に送信することによって、電子カルテシステム9に入力することができる。
【0085】
また、例えば、報知機能155は、報知した引き留め情報や加療実施情報が確認されたかを確認し、一定時間(例えば数分、数時間、数日等)経っても引き留め情報や加療実施情報が確認されなかった場合に、引き留め情報(例えば患者の携帯電話番号や住所等)や患者の状態(例えば救急処置完了、帰宅済、入院中等)を関係者に報知したり、引き留め情報や加療実施情報の送付や表示を停止したりすることができる。また、例えば、報知機能155は、患者の引き留めが完了したかを確認し、一定時間(例えば数分、数時間、数日等)経っても患者の引き留めが完了しなかった場合に、引き留め情報(例えば患者の携帯電話番号や住所等)や患者の状態(例えば救急処置完了、帰宅済、入院中等)を関係者に報知したり、引き留め情報や加療実施情報の送付や表示を停止したりすることができる。
【0086】
ここで、いくつかの場合を想定して、上述した各処理機能によって行われる加療実施情報の報知に関する一連の処理の具体例を説明する。
【0087】
一例として、例えば、胸部外科からの依頼で患者の胸部CTの画像データが撮像された場合には、解析機能152が、当該画像データから大動脈解離を検出する解析処理を行う。そして、当該解析処理によって大動脈解離が検出された場合には、選択機能153が、記憶回路120によって記憶されたアクション情報の中から、読影を担当する放射線科医A、胸部CT画像の依頼元である胸部外科医B、施術を担当する胸部外科医Cに報知するアクションを定義したアクション情報を選択する。なお、このとき、胸部CT画像の依頼元である胸部外科医Bに施術を担当する胸部外科医Cの情報が併せて報知されてもよい。
【0088】
その後、決定機能154が、緊急に読影を行う必要があることを示す加療実施情報を生成し、放射線科医Aを当該加療実施情報の報知先として決定する。また、決定機能154は、緊急に診断を行う必要があることを示す加療実施情報を生成し、胸部外科医Bを当該加療実施情報の報知先として決定する。また、決定機能154は、緊急に施術を行う必要があることを示す加療実施情報を生成し、胸部外科医Cを当該加療実施情報の報知先として決定する。さらに、この場合に、決定機能154は、放射線科医A、胸部外科医B及び胸部外科医Cがそれぞれ病院内にいるか否かを確認し、不在の医師がいた場合には、当該医師の代替候補医(例えば、救急外科医等)も加療実施情報の送付先として決定してもよい。そして、報知機能155が、放射線科医A、胸部外科医B及び胸部外科医C、又は、それぞれの代替候補医に各加療実施情報を送信する。
【0089】
また、他の例として、例えば、心臓外科からの依頼で患者の胸部CTの画像データが撮像された場合には、解析機能152が、当該画像データから結核を検出する解析処理を行う。そして、当該解析処理によって結核が検出された場合には、解析機能152は、さらに、同じ患者から採取された血清の検体データを解析し、活動性結核の可能性が高いか否かを判定する。そして、活動性結果の可能性が高いと判定された場合には、選択機能153が、記憶回路120によって記憶されたアクション情報の中から、放射線科医D及び心臓外科医Eに報知するとともに、感染症プロトコルマニュアルに従った処置(例えば、保健所への連絡、患者の隔離方法等)を行うアクションを定義したアクション情報を選択する。
【0090】
その後、決定機能154が、緊急に読影を行う必要があることを示す加療実施情報を生成し、放射線科医Dを当該加療実施情報の報知先として決定する。また、決定機能154は、緊急に診断を行う必要があること、及び、感染症プロトコルマニュアルに従って手順を示す加療実施情報を生成し、心臓外科医Eを当該加療実施情報の報知先として決定する。さらに、この場合に、決定機能154は、例えば、感染症プロトコルマニュアルによって処置施設が他の病院に規定されていたときには、救急車を手配することを指示する加療実施情報を生成し、手配の担当者を当該加療実施情報の報知先として決定してもよい。そして、報知機能155が、放射線科医D及び心臓外科医Eに各加療実施情報を送信する。
【0091】
また、他の例として、例えば、乳腺外科からの依頼で心毒性がある薬剤を加療中の患者の胸部CTの画像データが撮像された場合には、解析機能152が、当該画像データから心肥大を検出する解析処理を行う。そして、当該解析処理によって心肥大が検出された場合には、選択機能153が、記憶回路120によって記憶されたアクション情報の中から、放射線科医F及び乳腺外科医Gに報知するとともに、超音波検査を行う放射線技師Hにも報知するアクションを定義したアクション情報を選択する。
【0092】
その後、決定機能154が、緊急に読影を行う必要があることを示す加療実施情報を生成し、放射線科医Fを当該加療実施情報の報知先として決定する。また、決定機能154は、緊急に診断を行う必要があることを示す加療実施情報を生成し、乳腺外科医Gを当該加療実施情報の報知先として決定する。また、決定機能154は、超音波画像の画像データを撮像することを指示することを示す加療実施情報を生成し、放射線技師Hを当該加療実施情報の報知先として決定する。そして、報知機能155が、乳腺外科医G及び放射線技師Hに各加療実施情報を送信する。
【0093】
なお、上述した解析機能152によって行われた解析処理の結果や、選択機能153によって選択されたアクション情報、決定機能154によって生成された引き留め情報及び加療実施情報、並びに、決定された報知先等は、後で参照することが可能となるように、記憶回路120に記憶されてもよい。
【0094】
以上、処理回路150が有する各処理機能について説明した。ここで、例えば、処理回路150がプロセッサによって実現される場合に、処理回路150が有する各処理機能は、それぞれ、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路120に記憶される。そして、処理回路150は、記憶回路120から各プログラムを読み出して実行することで、各プログラムに対応する処理機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路150は、
図1に示す各処理機能を有することとなる。
【0095】
図4は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100の処理回路150によって実行される処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0096】
例えば、
図4に示すように、本実施形態では、取得機能151が、病院内で患者の検査が行われた場合に(ステップS101,Yes)、検査で得られた臨床データを取得し(ステップS102)、取得した臨床データを各システムに送信する(ステップS103)。
【0097】
続いて、解析機能152が、取得機能151によって取得された臨床データを解析する解析処理を行う(ステップS104)。
【0098】
その後、選択機能153が、解析機能152によって行われた解析処理によって得られた解析結果に基づいて、患者に対して緊急加療が必要であるか否かを判定する(ステップS105)。ここで、緊急加療が必要でないと判定した場合には(ステップS106,No)、選択機能153は、以降の処理手順を行わずに、処理を終了させる。
【0099】
一方、緊急加療が必要であると判定した場合には(ステップS106,Yes)、選択機能153は、解析結果に基づいて、記憶回路120によって記憶されたアクション情報から、患者に適用するアクション情報を選択する(ステップS107)。
【0100】
続いて、決定機能154が、選択機能153によって選択されたアクション情報に従って、患者を病院内に引き留めるための引き留め情報を生成し、当該引き留め情報の報知先を決定する(ステップS108)。
【0101】
さらに、決定機能154は、選択機能153によって選択されたアクション情報に従って、患者に対して緊急加療を実施する必要があることを通知するための加療実施情報を生成し、当該加療実施情報の報知先を決定する(ステップS109)。
【0102】
そして、報知機能155が、決定機能154によって生成された引き留め情報及び加療実施情報をそれぞれの報知先に送信する(ステップS110)。
【0103】
ここで、上述したステップS101~S103の処理は、例えば、処理回路150が、取得機能151に対応するプログラムを記憶回路120から読み出して実行することにより実現される。また、上述したステップS104の処理は、例えば、処理回路150が、解析機能152に対応するプログラムを記憶回路120から読み出して実行することにより実現される。また、上述したステップS105~S107の処理は、例えば、処理回路150が、選択機能153に対応するプログラムを記憶回路120から読み出して実行することにより実現される。また、上述したステップS108及びS109の処理は、例えば、処理回路150が、決定機能154に対応するプログラムを記憶回路120から読み出して実行することにより実現される。また、上述したステップS110の処理は、例えば、処理回路150が、報知機能155に対応するプログラムを記憶回路120から読み出して実行することにより実現される。
【0104】
なお、ここでは、単一のプロセッサによって各処理機能が実現されるものとして説明したが、実施形態はこれに限られず、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することによって、各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路135が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。また、ここでは、単一の記憶回路132が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明したが、実施形態はこれに限られず、複数の記憶回路を分散して配置し、処理回路135が個別の記憶回路から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。
【0105】
上述したように、第1の実施形態では、記憶回路120が、疾患の状態に応じた医療のアクションを定義したアクション情報を記憶する。また、取得機能151が、患者に関する臨床データを取得し、解析機能152が、取得された臨床データを解析する解析処理を行う。また、選択機能153が、解析処理によって得られた解析結果に基づいて、記憶回路120によって記憶されたアクション情報から、患者に適用するアクション情報を選択し、決定機能154が、選択されたアクション情報に従って、患者を病院内に引き留めるための引き留め情報を生成し、当該引き留め情報の報知先を決定する。そして、報知機能155が、決定された報知先に引き留め情報を送信する。
【0106】
このような構成によれば、患者に対して緊急加療が必要な場合に、患者を病院内に引き留めることができるようになり、患者が病院内にいる間に緊急加療を行えるようになる。
【0107】
さらに、第1の実施形態では、決定機能154が、選択されたアクション情報に従って、患者に対して緊急加療を実施する必要があることを通知するための加療実施情報を生成し、当該加療実施情報の報知先を決定する。そして、報知機能155が、決定された報知先に加療実施情報を送信する。
【0108】
このような構成によれば、患者を病院内に引き留めるのと並行して、緊急加療を実施するための手順を進めることができ、患者に対してより迅速に緊急加療を行えるようになる。
【0109】
このように、第1の実施形態では、緊急加療が必要な患者に対して、その患者が病院内にいる間に加療が行われるように関係者を促すことができるようになる。これにより、本実施形態では、患者に対して適切に緊急加療を実施できるようになる。
【0110】
また、緊急に加療が必要な患者に対して、病院にいる間に適切な医療プロセスを実施できるようになり、患者のアウトカム向上や不要な医療コストの削減を図ることができる。また、病院の状況や患者を取り巻く状況に応じて、加療に最適な選択肢を提供するとともに、必要な情報を報知する報知先を適宜に最適化することによって、加療のワークフローを円滑に進められるようになる。
【0111】
なお、上述した第1の実施形態は、医用情報処理装置100が備える構成の一部を適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、第1の実施形態に関わる変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明することとし、第1の実施形態と共通する内容については説明を省略する。
【0112】
(第2の実施形態)
例えば、第1の実施形態において、選択機能153が、機械学習によって作成された学習済みモデルを利用して、患者に緊急加療が必要か否かを判定するようにしてもよい。
【0113】
例えば、選択機能153は、臨床データと、当該臨床データの患者の入院の有無とを学習用データとした機械学習によって作成された学習済みモデルに対して、取得された臨床データを入力することで、患者の入院可能性の尤度を導出し、当該尤度が閾値より高い場合に、緊急加療が必要であると判定する。
【0114】
この場合に、例えば、学習済みモデルは、ディープラーニングや非線形判別分析、サポートベクターマシン(Support Vector Machine:SVM)、ランダムフォレスト(Random Forest)、ナイーブベイズ(Naive Bayes)等の各種の機械学習の手法を用いて作成することができる。
【0115】
(第3の実施形態)
また、例えば、第1の実施形態において、決定機能154が、引き留め情報又は加療実施情報の報知先として、引き留め情報又は緊急加療に関する複数の報知先を決定した場合に、報知機能155が、決定された報知先に引き留め情報又は加療実施情報を一斉送信するようにしてもよい。
【0116】
図5は、第3の実施形態に係る報知機能155によって行われる一斉送信の一例を示す図である。
【0117】
例えば、
図5に示すように、報知機能155は、決定機能154によって、主治医、施術実施医、診療科の窓口担当者、看護師、検査技師及び放射線科医が引き留め情報又は加療実施情報の報知先として決定された場合に、それぞれに引き留め情報又は加療実施情報を一斉に送信する。
【0118】
ここで、報知機能155は、決定された報知先それぞれに対して、引き留め情報又は加療実施情報を一斉に送信するとした。これに限らず、報知機能155は、引き留め情報に関して決定された報知先それぞれに対して、引き留め情報のみを一斉送信してもよいし、加療実施情報に関して決定された報知先それぞれに対して、加療実施情報のみを一斉送信してもよい。さらには、報知機能155は、引き留め情報に関して決定された報知先と、加療実施情報に関して決定された報知先に対して、引き留め情報及び加療実施情報を一斉に送信してもよい。
【0119】
例えば、報知機能155は、SNS(Social Networking Service)のアプリケーションによって提供されているグループ作成機能を用いて、複数の報知先に同時に引き留め情報又は加療実施情報を報知する。または、報知機能155は、電子メールのアプリケーションによって提供されている一斉送信機能を用いて、複数の報知先に同時に引き留め情報又は加療実施情報を報知する。または、報知機能155は、報知先の関係者間で、関係者により加工された引き留め情報又は加療実施情報を共有できるアプリケーションを用いて、複数の報知先に同時に引き留め情報又は加療実施情報に関連する情報を報知する。
【0120】
この場合に、例えば、救急医、看護師及び会計事務の窓口担当者が加療実施情報の報知先として決定された場合に、それぞれに引き留め情報又は加療実施情報を一斉に送信するとする。その際、すでに救急医及び看護師の下から患者が離れている場合、アプリケーションは、救急医及び看護師から、患者が既にいない旨の加工された引き留め情報又の入力をそれぞれ受け付ける。救急医と看護師の入力を受け付けることで、アプリケーションは、会計事務の窓口担当者に対して、患者が訪れる可能性を提示することができる。
【0121】
また、例えば、アプリケーションは、検査部門の窓口担当者、看護師、会計事務の窓口担当者が引き留め情報の報知先として決定された場合に、それぞれに引き留め情報を一斉に送信するとする。その際、すでに検査部門の窓口担当者の下から患者が離れたが、検査部門の窓口担当者が患者の行き先を聞いていた場合、アプリケーションは、検査部門の窓口担当者から、患者の行き先と看護師に探しに行ってほしい旨の加工された引き留め情報の入力を受け付ける。検査部門の窓口担当者の入力を受け付けることで、アプリケーションは、看護師に対して、患者を探しに行くというアクションの実施依頼を提示することができる。
【0122】
また、例えば、アプリケーションは、救急医、看護師、会計事務の窓口担当者が引き留め情報又は加療実施情報の報知先として決定された場合に、それぞれに引き留め情報又は加療実施情報を一斉に送信するとする。その際、すでに救急医の下から患者が離れた場合、アプリケーションは、救急医から、CTを再撮影したいためCT室に戻ってきてほしい旨の加工された引き留め情報及び加療実施情報の入力を受け付ける。救急医の入力を受け付けることで、アプリケーションは、会計事務の窓口担当者に対して、患者が訪れた際にCT室に戻ってほしい旨の加工された引き留め情報と、CT再撮影の旨の加工された加療実施情報を提示することができる。
【0123】
また、例えば、報知機能155は、決定機能154によって決定された報知先(例えば、医事会計システム6、遠隔読影施設端末8、電子カルテシステム9、病院スタッフ端末10等)に関連する各種システムに、引き留め情報又は加療実施情報を一斉送信する。その際に、不図示の制御機能は、各種システム間の通信を仲介することで、電子カルテシステム9の端末や病院スタッフ端末10に、前記送信された情報、加工された引き留め情報又は加療実施情報、SNSのアプリケーションによって提供されているグループ作成機能における関係者間の対話等を提示するように制御することができる。その際に、不図示の制御機能は、患者を引き留められたかどうかという情報、関係者により加工された引き留め情報又は加療実施情報、関係者間の対話等が一覧表示できるように制御してもよい。
【0124】
さらに、報知機能155は、報知した加療実施情報を誰がどのタイミングで確認したか、或いは、加療実施情報が確認されていないかを検知し、検知した結果を示すログを記憶回路120に保存してもよい。また、報知機能155は、患者の引き留めを誰がどのタイミングで行ったか、或いは、引き留めが行われていないかを検知し、検知した結果を示すログを記憶回路120に保存してもよい。
【0125】
(第4の実施形態)
また、例えば、第1の実施形態において、選択機能153が、アクション情報に割り当てられている優先度に基づいて、優先度が最も高いアクション情報を選択するようにしてもよい。
【0126】
この場合には、例えば、記憶回路120が、疾患の状態や年齢、性別等の複数の条件と対応付けてアクション情報を記憶するとともに、各アクション情報に優先度を割り当てて記憶しておく。そして、例えば、選択機能153は、臨床データの解析結果に基づいて、記憶回路120によって記憶されているアクション情報から患者と条件が合致する複数のアクション情報を候補として選択し、選択した候補の中で、優先度が最も高いアクション情報を患者に適用するアクション情報として選択する。
【0127】
(第5の実施形態)
また、例えば、第1の実施形態において、解析機能152によって行われた解析処理の結果が、放射線科医、病理医、及び、検体検査の検査技師によって作成されるレポートに初期情報として自動的に入力されるようにしてもよい。
【0128】
この場合には、例えば、決定機能154が、加療実施情報を生成する際に、解析機能152によって行われた解析処理の結果を加療実施情報に含めておく。そして、例えば、報知機能155が、加療実施情報を報知先に送信する際に、予め記憶回路120に記憶された各レポートのテンプレートから報知先で作成されるレポートのテンプレートを取得し、解析結果を入力したうえで、加療実施情報とともに報知先へ送信する。
【0129】
(第6の実施形態)
また、第1の実施形態では、臨床データとして、画像データ、病理データ及び検体データを用いる場合の例を説明したが、臨床データの例はこれに限られない。例えば、患者の音声が録音された音声データや、患者のバイタルデータ等が用いられてもよい。
【0130】
例えば、取得機能151が、臨床データとして、患者の診察中に録音された音声データを取得し、解析機能152が、自然言語解析等の解析処理によって音声データを解析することで、患者に生じている精神疾患等を検出する。また、選択機能153が、音声データの解析結果に基づいて、検出された精神疾患等の重さの度合いを判定し、判定した度合いが基準を超えている場合に、当該患者に適用するアクション情報を選択する。
【0131】
そして、決定機能154が、選択されたアクション情報に従って、引き留め情報及び加療実施情報を生成し、報知機能155が、各情報をそれぞれの報知先へ送信する。例えば、患者を病院内に引き留めるとともに、患者の精神状態を落ち着かせることを指示する引き留め情報が生成されて、診療科の看護師に送信される。また、精神を安定させる薬剤を患者に服用させることを指示する加療実施情報が生成されて、診療科の看護師や主治医に送信される。
【0132】
または、例えば、取得機能151が、臨床データとして、患者が所有するスマートフォンやウエラブル端末等によって収集されたバイタルデータを取得し、解析機能152が、バイタル値を分析する解析処理によってバイタルデータを解析することで、患者に生じている疾患を検出する。また、選択機能153が、バイタルデータの解析結果に基づいて、患者に緊急加療が必要か否かを判定し、必要であると判定した場合に、当該患者に適用するアクション情報を選択する。
【0133】
そして、決定機能154が、選択されたアクション情報に従って、引き留め情報及び加療実施情報を生成し、報知機能155が、各情報をそれぞれの報知先へ送信する。例えば、患者が、スマートフォンによって運転制御が可能な車椅子を利用している場合には、車椅子を病院内や主治医の診療科に向かわせるように指示する引き留め情報が生成されて、患者のスマートフォンに送信される。また、患者が車椅子で診療科に向かっていることを通知するとともに、緊急に診断が必要であることを示す加療実施情報が生成されて、主治医に送信される。
【0134】
(第7の実施形態)
また、第1の実施形態では、決定機能154は、選択機能153によって選択されたアクション情報に従って、緊急加療が必要であると判定された患者を病院内に引き留めるための引き留め情報を生成し、当該引き留め情報の報知先を決定する場合の例を説明した。しかし、決定する報知先の例はこれに限られない。例えば、決定機能154は、引き留め情報の報知先の関係者が、引き留め情報に気づいた時刻と、電子カルテシステム9等の各種システムから取得できる患者の状態を把握できる時刻(例えば撮影時刻、検査結果登録時刻、処置完了時刻、会計完了時刻等)を比較し、引き留め情報や引き留め情報の送付先を切り替えることができる。病院スタッフが病院スタッフ端末10等に引き留め情報を入力することにより、病院スタッフ端末10等によって引き留め情報に気づいた時刻が取得される。
【0135】
例えば、引き留め情報の報知先の関係者が引き留め情報に気づいた時刻が、会計完了時刻よりも後であった場合は、患者に連絡するための連絡情報(例えば携帯電話番号や住所等)を引き留め情報として、関係者に報知してもよい。
【0136】
または、例えば、引き留め情報の報知先の関係者が引き留め情報に気づいた時刻が、救急での処置完了時刻よりも前であった場合は、引き留め情報や加療実施情報を、救急医に報知してもよい。つまり、引き留め情報に気づいた時刻(タイミング)が特定のイベント前であるか特定のイベント後であるかによって、引き留め情報の報知先が異なる。決定機能154は、引き留め情報に気づいた(引き留め情報を取得した)時刻を取得し、引き留め情報を取得した時刻が特定のイベント前であるか特定のイベント後であるかに応じて、引き留め情報の報知先を決定する。
【0137】
以上、医用情報処理装置に関するいくつかの実施形態について説明したが、本願が開示する技術の実施形態はこれに限られない。
【0138】
例えば、上述した実施形態では、医用情報処理装置100が解析機能152を有することとしたが、実施形態はこれに限られない。例えば、臨床データ収集装置1が、解析機能を有するようにしてもよい。その場合には、臨床データ収集装置1の解析機能が、検査で収集した臨床データを解析する解析処理を行い、その解析結果を医用情報処理装置100に送信する。
【0139】
また、例えば、上述した実施形態で説明した医用情報処理装置100の構成が、クラウドサーバによって実現されてもよい。その場合には、例えば、臨床データ収集装置1が、病院内で患者の検査が行わるごとに、検査で得られた臨床データをクラウドサーバに送信する。そして、クラウドサーバが、上述した医用情報処理装置100の取得機能151、解析機能152、選択機能153、決定機能154及び報知機能155と同様の処理を行うことで、引き留め情報及び加療実施情報をそれぞれの報知先に送信する。
【0140】
なお、本明細書において扱う各種データは、典型的にはデジタルデータである。
【0141】
また、上述した各実施形態では、本明細書における取得部、解析部、選択部、決定部及び報知部を、それぞれ、処理回路150の取得機能151、解析機能152、選択機能153、決定機能154及び報知機能155によって実現する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、本明細書における取得部、解析部、選択部、決定部及び報知部は、実施形態で述べた取得機能151、解析機能152、選択機能153、決定機能154及び報知機能155によって実現する他にも、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアとの混合によって同機能を実現するものであっても構わない。
【0142】
また、上述した説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出して実行することで機能を実現する。一方、プロセッサが例えばASICである場合、プログラムが記憶回路に保存される代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、
図1における複数の構成要素を一つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0143】
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶回路等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、上述した各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0144】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、患者に対して適切に緊急加療を実施できるようにすることができる。
【0145】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、各種の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0146】
100 医用情報処理装置
150 処理回路
151 取得機能
152 解析機能
153 選択機能
154 決定機能
155 報知機能