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特許7529418再湿接着テープ、再湿接着テープ用活性化水
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  • 特許-再湿接着テープ、再湿接着テープ用活性化水 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】再湿接着テープ、再湿接着テープ用活性化水
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/32 20180101AFI20240730BHJP
   C09J 7/21 20180101ALI20240730BHJP
   C09J 103/02 20060101ALI20240730BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
C09J7/32
C09J7/21
C09J103/02
C09J11/06
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020052616
(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公開番号】P2021152106
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2023-02-03
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390021670
【氏名又は名称】株式会社NichiRica
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100178847
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 映美
(74)【代理人】
【識別番号】100194250
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 直志
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】榊原 善和
(72)【発明者】
【氏名】山田 友昭
【審査官】橋本 栄和
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-126570(JP,A)
【文献】特開2004-339496(JP,A)
【文献】特表2005-526703(JP,A)
【文献】特開2006-160901(JP,A)
【文献】特開2002-020709(JP,A)
【文献】特開2004-331797(JP,A)
【文献】米国特許第06803100(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 7/32
C09J 7/21
C09J 103/02
C09J 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡スチロールの表面に貼着されて用いられる再湿接着テープであって、
基材と、前記基材の一方の面に設けられた再湿性接着層と、を備え、
前記再湿性接着層は、でんぷんのりとリモネンを含む接着剤組成物からなることを特徴とする再湿接着テープ。
【請求項2】
前記再湿性接着層における前記リモネンの含有量は、10質量%以上50質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の再湿接着テープ。
【請求項3】
発泡スチロールの表面における再湿接着テープを貼着する部分または再湿接着テープの再湿性接着層の表面に塗布されて用いられる再湿接着テープ用活性化水であって、
水と、リモネンと、界面活性剤と、を含むことを特徴とする再湿接着テープ用活性化水。
【請求項4】
前記リモネンの含有量は、10質量%以上50質量%以下であることを特徴とする請求項3に記載の再湿接着テープ用活性化水。
【請求項5】
前記界面活性剤の含有量は、0.2質量%以上1.0質量%以下であることを特徴とする請求項3または4に記載の再湿接着テープ用活性化水。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再湿接着テープ、再湿接着テープ用活性化水に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、発泡スチロールの包装においては、発泡スチロールの継ぎ目に再湿接着テープ、粘着テープ等の包装用テープを貼り付ける方法が採用されている。再湿接着テープとしては、例えば、基材と、その基材の片面に再湿性接着剤からなる接着層と、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-213227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発泡スチロールは極性がないポリスチレンで構成されているため、従来の再湿接着テープでは、発泡スチロールに対する接着性が十分に得られなかった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、発泡スチロールに対する接着性が十分に得られる再湿接着テープを提供することを目的とする。また、本発明は、発泡スチロールに対する再湿接着テープの接着性が十分に得られる再湿接着テープ用活性化水を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の態様を有する。
[1]発泡スチロールの表面に貼着されて用いられる再湿接着テープであって、基材と、前記基材の一方の面に設けられた再湿性接着層と、を備え、前記再湿性接着層は、でんぷんのりとリモネンを含む接着剤組成物からなることを特徴とする再湿接着テープ。
[2]前記再湿性接着層における前記リモネンの含有量は、10質量%以上50質量%以下であることを特徴とする[1]に記載の再湿接着テープ。
[3]発泡スチロールの表面における再湿接着テープを貼着する部分または再湿接着テープの再湿性接着層の表面に塗布されて用いられる再湿接着テープ用活性化水であって、水と、リモネンと、界面活性剤と、を含むことを特徴とする再湿接着テープ用活性化水。
[4]前記リモネンの含有量は、10質量%以上50質量%以下であることを特徴とする[3]に記載の再湿接着テープ用活性化水。
[5]前記界面活性剤の含有量は、0.2質量%以上1.0質量%以下であることを特徴とする[3]または[4]に記載の再湿接着テープ用活性化水。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、発泡スチロールに対する接着性が十分に得られる再湿接着テープを提供することができる。また、本発明によれば、発泡スチロールに対する再湿接着テープの接着性が十分に得られる再湿接着テープ用活性化水を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の再湿接着テープの概略構成を示し、再湿接着テープの厚さ方向に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の再湿接着テープ、再湿接着テープ用活性化水の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0010】
[再湿接着テープ]
図1は、本実施形態の再湿接着テープの概略構成を示し、再湿接着テープの厚さ方向に沿う断面図である。
図1に示すように、本実施形態の再湿接着テープ1は、基材10と、基材10の一方の面10aに設けられた再湿性接着層20と、を備える。
【0011】
基材10としては、未晒クラフト紙(両更クラフト紙)、晒クラフト紙等の紙が挙げられる。
基材10として用いられる紙の坪量は、特に限定されないが、例えば、50g/m以上100g/m以下であることが好ましい。
【0012】
再湿性接着層20は、でんぷんのりとリモネンを含む接着剤組成物からなる。すなわち、再湿性接着層20は、基材10の一方の面10aに塗布されたでんぷんのりとリモネンを含む接着剤組成物からなる塗膜である。再湿性接着層20は、接着剤組成物の乾燥物であってもよく、接着剤組成物の未乾燥物であってもよい。
【0013】
でんぷんとしては、コーンスターチ、小麦粉、甘藷(さつまいも)でんぷん、馬鈴薯(じゃがいも)でんぷん、タピオカ等が挙げられる。これらのなかでも、でんぷんのりとした場合の接着性に優れる点から、コーンスターチが好ましい。
【0014】
リモネンは、柑橘類に含まれる代表的な単環式モノテルペンである。リモネンの融点は-74.35℃である。従って、常温では、リモネンは液体である。
【0015】
再湿性接着層20におけるリモネンの含有量は、10質量%以上50質量%以下であることが好ましく、20質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。リモネンの含有量が10質量%以上であれば、再湿性接着層20に水分を含ませて、発泡スチロールの表面に再湿接着テープ1を貼着する際に、発泡スチロールの一部(再湿性接着層20と接した部分)を溶解することができる。その結果、溶解した発泡スチロールが、再湿性接着層20に含まれるでんぷんと発泡スチロールの間に介在して、発泡スチロールの表面に対する再湿接着テープ1の接着性が向上する。ここでは、リモネンによって溶解した発泡スチロールはプライマーとして機能する。なお、溶解した発泡スチロールは、水およびリモネンを含んでゲル状または液状のポリスチレンとなる。一方、リモネンの含有量が50質量%以下であれば、再湿性接着層20に水分を含ませて、発泡スチロールの表面に再湿接着テープ1を貼着する際に、リモネンによって発泡スチロールが溶解し過ぎて、発泡スチロールに穴が開く等の劣化が生じることを抑制できる。従って、再湿接着テープ1を剥離した後の発泡スチロールの表面の劣化が抑制されるため、発泡スチロールを再利用することができる。
【0016】
上記の接着剤組成物を乾燥して形成された再湿性接着層20の塗工量、すなわち、基材10の一方の面10aの1m当たりの再湿性接着層20の質量(g)は、15g/m以上30g/m以下であることが好ましく、17g/m以上23g/m以下であることがより好ましい。再湿性接着層20の塗工量が15g/m以上であれば、再湿性接着層20に水分を含ませて、発泡スチロールの表面に再湿接着テープ1を貼着する際に、発泡スチロールの一部(再湿性接着層20と接した部分)を溶解することができる。その結果、溶解した発泡スチロールが、再湿性接着層20に含まれるでんぷんと発泡スチロールの間に介在して、発泡スチロールの表面に対する再湿接着テープ1の接着性が向上する。一方、再湿性接着層20の塗工量が30g/m以下であれば、再湿性接着層20に水分を含ませて、発泡スチロールの表面に再湿接着テープ1を貼着する際に、リモネンによって発泡スチロールが溶解し過ぎて、発泡スチロールに穴が開く等の劣化が生じることを抑制できる。従って、再湿接着テープ1を剥離した後の発泡スチロールの表面の劣化が抑制されるため、発泡スチロールを再利用することができる。
【0017】
再湿性接着層20は、防腐剤を含んでいてもよい。防腐剤としては、特に限定されないが、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カルシウム等が挙げられる。再湿性接着層20が防腐剤を含むことにより、でんぷんを主成分とする再湿性接着層20にカビが生えることを抑制できる。
【0018】
次に、本実施形態の再湿接着テープ1の使用方法を説明する。
本実施形態の再湿接着テープ1は、主に発泡スチロールの表面に貼着されて用いられる。
まず、再湿性接着層20に水を含ませる。再湿性接着層20に水を含ませるには、再湿性接着層20における基材10の一方の面10aと接する面とは反対側の面(表面)20aから、再湿性接着層20に対して水を塗布する。水を塗布する方法は、特に限定されないが、水をはけ塗りする方法、水を吹き付ける方法、水を滴下する方法等が挙げられる。基材10の一方の面10aに対する水の塗布量を、20g/m以上25g/m以下とすることが好ましい。
再湿性接着層20が十分に水を含んだ後、発泡スチロールの表面に、再湿性接着層20の表面20aが対向するように、再湿接着テープ1を配置する。なお、再湿性接着層20に、十分に水を含ませるには、再湿性接着層20に対して水を塗布してから発泡スチロールの表面に再湿接着テープ1を配置するまでの時間を5秒以上とすることが好ましい。
次いで、発泡スチロールの表面に対して再湿接着テープ1を圧着することにより、発泡スチロールの表面に再湿接着テープ1を貼着する。発泡スチロールの表面に対して再湿接着テープ1を圧着する際に、再湿性接着層20に含まれているリモネンによって溶解した発泡スチロールがプライマーとして機能し、発泡スチロールの表面に対して再湿接着テープ1が強固に接着する。
【0019】
本実施形態の再湿接着テープ1は、再湿性接着層20がでんぷんのりとリモネンを含む接着剤組成物からなるため、発泡スチロールの表面に対する接着性を向上することができる。また、本実施形態の再湿接着テープ1は、基材10および再湿性接着層20が天然素材から構成されているため、廃棄する際に、環境を汚染することを抑制できる。
【0020】
次に、本実施形態の再湿接着テープの製造方法を説明する。
水に、でんぷんを添加して、これらを加熱しながら撹拌、混合し、でんぷんのりを調製する(でんぷんのりを調製する工程。以下、「第1の工程」と言う。)。
【0021】
第1の工程において、水に添加するでんぷんの量は、得られるでんぷんのりの粘度に応じて適宜調整される。水に添加するでんぷんの量は、例えば、水100質量部に対して、5質量部以上25質量部以下であることが好ましい。
【0022】
第1の工程において、水に添加したでんぷんを加熱する温度は、特に限定されないが、例えば、60℃以上90℃以下であることが好ましい。
【0023】
次いで、第1の工程で得られたでんぷんのりに、リモネンを添加して、これらを撹拌、混合し、でんぷんのりとリモネンを含む接着剤組成物を調製する(接着剤組成物を調製する工程。以下、「第2の工程」と言う。)。
【0024】
第2の工程において、でんぷんのりに添加するリモネンの量は、でんぷんのり100質量部に対して、12質量部以上35質量部以下であることが好ましい。でんぷんのりに添加するリモネンの量を前記の範囲とすることにより、再湿性接着層20におけるリモネンの含有量を上記の範囲とすることができる。
【0025】
次いで、第2の工程で得られた接着剤組成物を、アプリケーター等の塗布装置を用いて、基材10の一方の面10aに塗布し、基材10の一方の面10aに接着剤組成物からなる塗膜を形成する(塗膜を形成する工程。以下、「第3の工程」と言う。)。接着剤組成物からなる塗膜を乾燥しない場合には、第3の工程を経て、基材10と、基材10の一方の面10aに設けられた再湿性接着層20と、を備える再湿接着テープ1を得る。
【0026】
第3の工程において、基材10の一方の面10aに対する接着剤組成物の塗工量は、15g/m以上30g/m以下であることが好ましい。基材10の一方の面10aに対する接着剤組成物の塗工量を前記の範囲とすることにより、基材10の一方の面10aに対する再湿性接着層20の塗工量を上記の範囲とすることができる。
【0027】
また、本実施形態の再湿接着テープの製造方法は、第3の工程で基材10の一方の面10aに形成した接着剤組成物からなる塗膜を乾燥する工程(塗膜を乾燥する工程。以下、「第4の工程」と言う。)を有していてもよい。接着剤組成物からなる塗膜を乾燥する場合には、第4の工程を経て、再湿接着テープ1を得る。
【0028】
第4の工程において、接着剤組成物からなる塗膜を乾燥する温度は、特に限定されないが、例えば、80℃以上120℃以下であることが好ましい。
第4の工程において、接着剤組成物からなる塗膜を、上記の温度範囲内で乾燥する時間は、特に限定されないが、例えば、1分以上3分以下であることが好ましい。
【0029】
[再湿接着テープ用活性化水]
本実施形態の再湿接着テープ用活性化水は、水と、リモネンと、界面活性剤と、を含む。
【0030】
水としては、例えば、水道水、イオン交換水、純水等が挙げられる。
【0031】
リモネンとしては、上述の再湿接着テープと同様のものが用いられる。
【0032】
本実施形態の再湿接着テープ用活性化水におけるリモネンの含有量は、10質量%以上50質量%以下であることが好ましく、20質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。リモネンの含有量が10質量%以上であれば、発泡スチロールの表面に再湿接着テープを貼着する際に、発泡スチロールの表面に再湿接着テープ用活性化水を塗布することにより、発泡スチロールの一部(再湿性接着層20と接した部分)を溶解することができる。その結果、溶解した発泡スチロールが、再湿接着テープの接着層と発泡スチロールの間に介在して、発泡スチロールの表面に対する再湿接着テープの接着性が向上する。ここでは、リモネンによって溶解した発泡スチロールはプライマーとして機能する。なお、溶解した発泡スチロールは、水およびリモネンを含んでゲル状または液状のポリスチレンとなる。一方、リモネンの含有量が50質量%以下であれば、発泡スチロールの表面に再湿接着テープ用活性化水を塗布して、発泡スチロールの表面に再湿接着テープを貼着する際に、リモネンによって発泡スチロールが溶解し過ぎて、発泡スチロール(発泡スチロール本体)に穴が開く等の劣化が生じることを抑制できる。従って、再湿接着テープを剥離した後の発泡スチロールの表面の劣化が抑制されるため、発泡スチロールを再利用することができる。
【0033】
界面活性剤としては、水にリモネンを分散させることができるものであれば、特に限定されないが、例えば、高級アルコール系、アルキルフェノール系等が挙げられる。
【0034】
本実施形態の再湿接着テープ用活性化水における界面活性剤の含有量は、0.1質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上0.7質量%以下であることがより好ましい。界面活性剤の含有量が0.1質量%以上であれば、水にリモネンを分散させることができる。一方、界面活性剤の含有量が1.0質量%以下であれば、リモネンの効果の阻害を抑えることが出来る。
【0035】
本実施形態の再湿接着テープ用活性化水の使用方法を説明する。
本実施形態の再湿接着テープ用活性化水は、粘着テープの被着体である発泡スチロールの表面に塗布されて用いられる。
まず、発泡スチロールの表面における再湿接着テープを貼着する部分または再湿接着テープの再湿性接着層の表面に、再湿接着テープ用活性化水を塗布する。再湿接着テープ用活性化水を塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、再湿接着テープ用活性化水をはけ塗りする方法、再湿接着テープ用活性化水を吹き付ける方法、再湿接着テープ用活性化水を滴下する方法等が挙げられる。
次いで、発泡スチロールの表面に対して再湿接着テープを圧着することにより、発泡スチロールの表面に再湿接着テープを貼着する。発泡スチロールの表面に対して再湿接着テープを圧着する際に、再湿接着テープ用活性化水に含まれているリモネンによって溶解した発泡スチロールがプライマーとして機能し、発泡スチロールの表面に対して再湿接着テープが強固に接着する。
【0036】
本実施形態の再湿接着テープ用活性化水は、リモネンを含むため、発泡スチロールの表面に対する再湿接着テープの接着性を向上することができる。
【0037】
本実施形態の再湿接着テープ用活性化水は、水に、所定量のリモネンと界面活性剤を添加して、撹拌、混合することにより得られる。
【実施例
【0038】
以下、実験例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
【0039】
[実験例1]
(再湿接着テープの作製)
でんぷんの含有量が20質量%のでんぷんのり(商品名:RIKA-V糊、日本理化製紙社製)100.00質量部に、リモネン(天然物由来)5.00質量部を添加して、これらを撹拌、混合し、でんぷんのりとリモネンを含む接着剤組成物を調製した。
次いで、坪量60g/mの晒クラフト紙の一方の面に、アプリケーターを用いて、接着剤組成物を塗布し、晒クラフト紙の一方の面に接着剤組成物からなる塗膜を形成した。接着剤組成物の塗工量を、前記の塗膜を乾燥して得られる再湿性接着層の塗工量が20g/mとなるようにした。
次いで、晒クラフト紙の一方の面に形成した接着剤組成物からなる塗膜を、105℃にて3分間乾燥し、晒クラフト紙と、晒クラフト紙の一方の面に設けられた再湿性接着層と、を備える実験例1の再湿接着テープを得た。
得られた再湿接着テープの再湿性接着層におけるリモネンの含有量は、4.8質量%であった。
【0040】
(評価)
再湿接着テープの再湿性接着層における晒クラフト紙の一方の面と接する面とは反対側の面(表面)に水を塗布して、再湿性接着層に水を含ませた。再湿性接着層の表面に対する水の塗布量を、20g/mとした。
再湿性接着層が十分に水を含んだ後、発泡スチロールの表面に、再湿性接着層の表面が接するように、再湿接着テープを配置した。ここでは、発泡スチロールとして、保冷ケースに成形されたものを用いた。
次いで、発泡スチロールの表面に対して再湿接着テープを圧着することにより、発泡スチロールの表面に再湿接着テープを貼着した。再湿接着テープを圧着する際には、2kgのハンドローラーを用い、移動速度10m/minで再湿接着テープの全長に渡って、ハンドローラーを1往復移動させた。
発泡スチロールの表面に再湿接着テープを貼着した状態で、23℃にて24時間放置した。
その後、JIS Z 0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠した方法によりにより、発泡スチロールの表面から再湿接着テープを剥離して、剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、0.279N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、僅かに抵抗感があった。剥離強度の測定結果を表1に示す。
【0041】
[実験例2]
(再湿接着テープの作製)
接着剤組成物におけるリモネンの添加量を10.00質量部としたこと以外は、実験例1と同様にして、実験例2の再湿接着テープを得た。
得られた再湿接着テープの再湿性接着層におけるリモネンの含有量は、9.1質量%であった。
【0042】
(評価)
実験例1と同様にして、再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、0.306N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、僅かに抵抗感があった。剥離強度の測定結果を表1に示す。
【0043】
[実験例3]
(再湿接着テープの作製)
接着剤組成物にリモネンを添加しないこと以外は、実験例1と同様にして、実験例3の再湿接着テープを得た。
【0044】
(評価)
実験例1と同様にして、再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、0.041N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、抵抗感なく容易に剥離した。剥離強度の測定結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
[実験例4]
(再湿接着テープ用活性化水の作製)
水道水100.00質量部に、界面活性剤(商品名:ノイゲン、第一工業製薬社製)0.05質量部およびリモネン(天然物由来)5.00質量部を添加して、これらを撹拌棒で撹拌、混合した後、その混合物を、ホモジナイザーを用いて、5000rpmで3分間、撹拌し、水にリモネンを分散した実験例4の再湿接着テープ用活性化水を調製した。
得られた再湿接着テープ用活性化水におけるリモネンの含有量は、4.8質量%であった。
【0047】
(評価)
(1)外観観察
調製直後の再湿接着テープ用活性化水を目視にて観察したところ、乳白色であった。
その再湿接着テープ用活性化水を、23℃にて24時間放置した後、目視にて観察した。その結果、再湿接着テープ用活性化水はおおよそ3層に分離し、下層から上層に向かうに従って白濁から乳白色となっていた。
【0048】
(2)接着性評価
再湿接着テープの再湿性接着層の表面に実験例4の再湿接着テープ用活性化水を塗布した。再湿性接着層に対する水の塗布量を、20g/m~25g/mとした。ここでは、発泡スチロールとして、保冷ケースに成形されたものを用いた。
次いで、発泡スチロールの表面に、再湿性接着層の表面が対向するように、再湿接着テープを配置した。 次いで、発泡スチロールの表面に対して再湿接着テープを圧着することにより、発泡スチロールの表面に再湿接着テープを貼着した。再湿接着テープを圧着する際には、2kgのハンドローラーを用い、移動速度10m/minで再湿接着テープの全長に渡って、ハンドローラーを1往復移動させた。
発泡スチロールの表面に再湿接着テープを貼着した状態で、23℃にて30分間放置した。
発泡スチロールの表面から再湿接着テープを剥離したところ、再湿接着テープを剥離する際に、僅かに抵抗感があった。
また、発泡スチロールの表面に再湿接着テープを貼着した状態で、23℃にて24時間放置した。
その後、JIS Z 0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠した方法により、発泡スチロールの表面から再湿接着テープを剥離して、剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、0.132N/25mmであった。また、粘着を剥離する際に、僅かに抵抗感があるものの、容易に剥離した。剥離強度の測定結果を表2に示す。
【0049】
[実験例5]
(再湿接着テープ用活性化水の作製)
界面活性剤の添加量を1.00質量部としたこと以外は、実験例4と同様にして、実験例5の再湿接着テープ用活性化水を得た。
得られた再湿接着テープ用活性化水におけるリモネンの含有量は、4.7質量%であった。
【0050】
(評価)
(1)外観観察
調製直後の再湿接着テープ用活性化水を目視にて観察したところ、乳白色であった。
その再湿接着テープ用活性化水を、23℃にて24時間放置した後、目視にて観察した。その結果、再湿接着テープ用活性化水はおおよそ2層に分離し、上層の方が、色が濃く、より微細な粒状をなしていた。
【0051】
(2)接着性評価
実験例4と同様にして、発泡スチロールの表面に再湿接着テープを貼着した状態で、23℃にて30分間放置した後、発泡スチロールの表面から再湿接着テープを剥離したところ、再湿接着テープを剥離する際に、実験例4よりも抵抗感があった。
また、実験例4と同様にして、24時間放置後の再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、0.687N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、抵抗感があった。剥離強度の測定結果を表2に示す。
【0052】
[実験例6]
(再湿接着テープ用活性化水の作製)
界面活性剤の添加量を0.10質量部、リモネンの添加量を10.00質量部としたこと以外は、実験例4と同様にして、実験例6の再湿接着テープ用活性化水を得た。
得られた再湿接着テープ用活性化水におけるリモネンの含有量は、9.1質量%であった。
【0053】
(評価)
(1)外観観察
調製直後の再湿接着テープ用活性化水を目視にて観察したところ、泡立ちがひどく、液相が見えなかった。再湿接着テープ用活性化水を静置すると、徐々に下層に乳白液相が形成された。
その再湿接着テープ用活性化水を、23℃にて24時間放置した後、目視にて観察した。その結果、再湿接着テープ用活性化水はおおよそ3層に分離し、下層から上層に向かうに従って白濁から乳白色となっていた。
【0054】
(2)接着性評価
実験例4と同様にして、発泡スチロールの表面に再湿接着テープを貼着した状態で、23℃にて30分間放置した後、発泡スチロールの表面から再湿接着テープを剥離したところ、再湿接着テープを剥離する際に、実験例4よりも抵抗感があった。
また、実験例4と同様にして、24時間放置後の再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、0.306N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、抵抗感があった。剥離強度の測定結果を表2に示す。
【0055】
[実験例7]
(再湿接着テープ用活性化水の作製)
界面活性剤を添加しないこと以外は、実験例4と同様にして、実験例7の再湿接着テープ用活性化水を得た。
【0056】
(評価)
(1)外観観察
調製直後の再湿接着テープ用活性化水を目視にて観察したところ、乳白状にはならなかった。再湿接着テープ用活性化水を静置すると、徐々に上層が透明になった。
その再湿接着テープ用活性化水を、23℃にて24時間放置した後、目視にて観察した。その結果、水道水とリモネンがほぼ分離していた。
【0057】
(2)接着性評価
実験例4と同様にして、発泡スチロールの表面に再湿接着テープを貼着した状態で、23℃にて30分間放置した後、発泡スチロールの表面から再湿接着テープを剥離したところ、抵抗感なく容易に剥離した。
また、実験例4と同様にして、24時間放置後の再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、0.0229N/25mmであった。また、粘着テープを剥離する際に、抵抗感なく容易に剥離した。剥離強度の測定結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】
[実験例8]
(再湿接着テープ用活性化水の作製)
水道水100.00質量部に、界面活性剤(商品名:ノイゲン、第一工業製薬社製)0.05質量部およびリモネン(天然物由来)10.00質量部を添加して、これらを撹拌棒で撹拌、混合した後、その混合物を、ホモジナイザーを用いて、5000rpmで3分間、撹拌し、水にリモネンを分散した実験例8の再湿接着テープ用活性化水を調製した。
得られた用活性化水におけるリモネンの含有量は、9.1質量%であった。
【0060】
(評価)
スポイトを用いて、発泡スチロールの表面に、実験例8の再湿接着テープ用活性化水を1滴滴下した後、発泡スチロールの表面状態を目視にて観察した。その結果、発泡スチロールの表面が僅かに溶けていた。ここでは、発泡スチロールとして、保冷ケースに成形されたものを用いた。
【0061】
[実験例9]
(再湿接着テープ用活性化水の作製)
リモネンの添加量を30.00質量部としたこと以外は、実験例8と同様にして、実験例9の再湿接着テープ用活性化水を得た。
得られた再湿接着テープ用活性化水におけるリモネンの含有量は、23.1質量%であった。
【0062】
(評価)
スポイトを用いて、発泡スチロールの表面に、実験例9の再湿接着テープ用活性化水を1滴滴下した後、発泡スチロールの表面状態を目視にて観察した。その結果、発泡スチロールの表面が溶けて凹んでいた。
【0063】
[実験例10]
(再湿接着テープ用活性化水の作製)
リモネンの添加量を50.00質量部としたこと以外は、実験例8と同様にして、実験例10の再湿接着テープ用活性化水を得た。
得られた再湿接着テープ用活性化水におけるリモネンの含有量は、33.3質量%であった。
【0064】
(評価)
スポイトを用いて、発泡スチロールの表面に、実験例10の再湿接着テープ用活性化水を1滴滴下した後、発泡スチロールの表面状態を目視にて観察した。その結果、発泡スチロールの表面が溶けて大きく凹んでいた。
【0065】
[実験例11]
(評価)
スポイトを用いて、発泡スチロールの表面に、水道水を1滴滴下した後、発泡スチロールの表面状態を目視にて観察した。その結果、発泡スチロールの表面に変化が見られなかった。
【0066】
[実験例12]
(再湿接着テープ用活性化水の作製)
リモネンを添加しないこと以外は、実験例8と同様にして、実験例12の再湿接着テープ用活性化水を得た。
【0067】
(評価)
スポイトを用いて、発泡スチロールの表面に、実験例12の再湿接着テープ用活性化水を1滴滴下した後、発泡スチロールの表面状態を目視にて観察した。その結果、発泡スチロールの表面に変化が見られなかった。
【0068】
[実験例13]
(接着性評価)
実施例8と同じ再湿接着テープ用活性化水を用いたこと以下は、実験例4と同様にして、24時間放置後の再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、0.029N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、抵抗感なく容易に剥離した。剥離強度の測定結果を表3に示す。
【0069】
[実験例14]
(接着性評価)
実施例9と同じ再湿接着テープ用活性化水を用いたこと以下は、実験例4と同様にして、24時間放置後の再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、0.141N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、抵抗感があった。剥離強度の測定結果を表3に示す。
【0070】
[実験例15]
(接着性評価)
再湿接着テープ用活性化水の代わりに水を用いたこと以下は、実験例4と同様にして、24時間放置後の再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、0.027N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、抵抗感がなく、容易に剥離した。剥離強度の測定結果を表3に示す。
【0071】
【表3】
【0072】
[実験例16]
(接着性評価)
実施例9と同じ再湿接着テープ用活性化水を用いて、発泡スチロールの表面に対する水の塗布量を、10g/mとしたこと以外は、実験例4と同様にして、24時間放置後の再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、0.063N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に抵抗感がなく、容易に剥離した。剥離強度の測定結果を表4に示す。
【0073】
[実験例17]
(接着性評価)
実施例9と同じ再湿接着テープ用活性化水を用いて、発泡スチロールの表面に対する水の塗布量を、20g/mとしたこと以外は、実験例4と同様にして、24時間放置後の再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、0.458N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、僅かに抵抗感があるものの、容易に剥離した。剥離強度の測定結果を表4に示す。
【0074】
[実験例18]
(接着性評価)
実施例9と同じ再湿接着テープ用活性化水を用いて、発泡スチロールの表面に対する水の塗布量を、30g/mとしたこと以外は、実験例4と同様にして、24時間放置後の再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、0.601N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、僅かに抵抗感があった。剥離強度の測定結果を表4に示す。
【0075】
【表4】
【0076】
[実験例19]
(接着性評価)
実施例9と同じ再湿接着テープ用活性化水を用いて、発泡スチロールの表面に対する水の塗布量を20g/mとし、でんぷんアクリル酸からなる接着層を有する再湿接着テープ(商品名:YZ晒70、日本理化製紙社製)を用いたこと以外は、実験例4と同様にして、24時間放置後の再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、0.743N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、僅かに抵抗感があるものの、容易に剥離した。剥離強度の測定結果を表5に示す。
【0077】
[実験例20]
(接着性評価)
実施例9と同じ再湿接着テープ用活性化水を用いて、発泡スチロールの表面に対する水の塗布量を30g/mとしたこと以外は、実験例19と同様にして、24時間放置後の再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、0.095N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、僅かに抵抗感があるものの、容易に剥離した。剥離強度の測定結果を表5に示す。
【0078】
[実験例21]
(接着性評価)
実施例9と同じ再湿接着テープ用活性化水を用いて、発泡スチロールの表面に対する水の塗布量を20g/mとし、ポリビニルアルコールからなる接着層を有する再湿接着テープ(商品名:シール70、日本理化製紙社製)を用いたこと以外は、実験例4と同様にして、24時間放置後の再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、2.114N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、抵抗感があった。剥離強度の測定結果を表5に示す。
【0079】
[実験例22]
(接着性評価)
実施例9と同じ再湿接着テープ用活性化水を用いて、発泡スチロールの表面に対する水の塗布量を、30g/mとしたこと以外は、実験例21と同様にして、24時間放置後の再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、2.667N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、抵抗感があった。剥離強度の測定結果を表5に示す。
【0080】
[実験例23]
(接着性評価)
実施例9と同じ再湿接着テープ用活性化水を用いて、発泡スチロールの表面に対する水の塗布量を20g/mとし、でんぷんアクリルアミドからなる接着層を有する再湿接着テープ(商品名:V-60、日本理化製紙社製)を用いたこと以外は、実験例4と同様にして、24時間放置後の再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、4.316N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、強い抵抗感があった。剥離強度の測定結果を表5に示す。
【0081】
[実験例24]
(接着性評価)
実施例9と同じ再湿接着テープ用活性化水を用いて、発泡スチロールの表面に対する水の塗布量を30g/mとしたこと以外は、実験例23と同様にして、24時間放置後の再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、3.363N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、強い抵抗感があった。剥離強度の測定結果を表5に示す。
【0082】
[実験例25]
(接着性評価)
実施例9と同じ再湿接着テープ用活性化水を用いて、発泡スチロールの表面に対する水の塗布量を20g/mとし、でんぷんアクリル酸からなる接着層を有する再湿接着テープ(商品名:SS70、日本理化製紙社製)を用いたこと以外は、実験例4と同様にして、24時間放置後の再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、0.064N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、抵抗感があるものの、容易に剥離した。剥離強度の測定結果を表5に示す。
【0083】
[実験例26]
(接着性評価)
実施例9と同じ再湿接着テープ用活性化水を用いて、発泡スチロールの表面に対する水の塗布量を30g/mとしたこと以外は、実験例25と同様にして、24時間放置後の再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、0.104N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、抵抗感があるものの、容易に剥離した。剥離強度の測定結果を表5に示す。
【0084】
[実験例27]
(接着性評価)
実施例9と同じ再湿接着テープ用活性化水を用いて、発泡スチロールの表面に対する水の塗布量を20g/mとし、でんぷんアクリル酸からなる接着層を有する再湿接着テープ(商品名:SS78、日本理化製紙社製)を用いたこと以外は、実験例4と同様にして、24時間放置後の再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、0.225N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、抵抗感があるものの、容易に剥離した。剥離強度の測定結果を表5に示す。
【0085】
[実験例28]
(接着性評価)
実施例9と同じ再湿接着テープ用活性化水を用いて、発泡スチロールの表面に対する水の塗布量を30g/mとしたこと以外は、実験例27と同様にして、24時間放置後の再湿接着テープの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、0.262N/25mmであった。また、再湿接着テープを剥離する際に、抵抗感があるものの、容易に剥離した。剥離強度の測定結果を表5に示す。
【0086】
【表5】
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明の再湿接着テープによれば、発泡スチロールに対する接着性が十分に得られる。また、本発明の再湿接着テープ用活性化水によれば、発泡スチロールに対する粘着テープの接着性が十分に得られる。
【符号の説明】
【0088】
1 再湿接着テープ
10 基材
20 再湿性接着層
図1