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特許7529432成形金型及びそれを用いたバルジ加工装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】成形金型及びそれを用いたバルジ加工装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 39/20 20060101AFI20240730BHJP
   B21D 17/02 20060101ALI20240730BHJP
   B21D 51/16 20060101ALN20240730BHJP
【FI】
B21D39/20 D
B21D17/02
B21D51/16 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020075836
(22)【出願日】2020-04-22
(65)【公開番号】P2021171779
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】513131383
【氏名又は名称】株式会社リケンCKJV
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】大橋 一善
【審査官】後藤 泰輔
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-257935(JP,A)
【文献】特開昭59-197322(JP,A)
【文献】特開2018-083219(JP,A)
【文献】特開2011-194438(JP,A)
【文献】特開平07-178480(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 11/00-21/00,
39/00-41/04,
47/00-55/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属管の内周面に挿入した弾性体を圧縮して該金属管の外周面に膨出部を成形するためのバルジ加工装置に用いられる成形金型であって、
前記成形金型は装着金型と、該装着金型と螺合する螺着金型とを備え、
前記装着金型は、前記バルジ加工装置の装置本体に装着される装着金型本体部と、挿入部材とを有し、
前記装着金型本体部は、前記装置本体の先端部に有する被当接部との間に所定の隙間からなる遊びを有するように対向配置した対向面と、貫通孔とを有し、前記挿入部材は前記貫通孔に挿入され、前記対向面よりも装置本体の被当接部側に突出する当接部を有し、
前記装着金型本体部と挿入部材と螺着金型にて内側に挿通された金属管の外周部に位置し膨出部を成形するための成形部を有し、
前記膨出部の成形時には前記装置本体の被当接部が前記対向面に接する位置まで前記当接部を押圧し、前記挿入部材が前記膨出部に向けて軸方向に移動するものであり、成形が完了すると前記膨出部の反発力により前記挿入部材が後退し、前記装着金型と螺着金型との相互の噛み込み力が緩和されるものであることを特徴とする成形金型。
【請求項2】
金属管の内周面に挿入した弾性体を圧縮して該金属管の外周面に膨出部を成形するためのバルジ加工装置に用いられる成形金型であって、
前記成形金型は装着金型と、該装着金型と螺合する螺着金型とを備え、
前記装着金型は、前記バルジ加工装置の装置本体に装着される装着金型本体部と、挿入部材と、当接部材とを有し、
前記装着金型本体部は、前記装置本体の先端部に有する被当接部との間に所定の隙間からなる遊びを有するように対向配置した対向面と、挿入孔とを有し、前記挿入部材は前記挿入孔に挿入され、前記当接部材は前記対向面よりも装置本体の被当接部側に突出する当接部と、前記挿入部材を押圧するための突設部とを有し、
前記装着金型本体部と挿入部材と螺着金型にて内側に挿通された金属管の外周部に位置し膨出部を成形するための成形部を有し、
前記膨出部の成形時には前記装置本体の被当接部が前記対向面に接する位置まで前記当接部を押圧し、前記当接部材を介して前記挿入部材が前記膨出部に向けて軸方向に移動するものであり、成形が完了すると前記膨出部の反発力により前記挿入部材が後退し、前記装着金型と螺着金型との相互の噛み込み力が緩和されるものであることを特徴とする成形金型。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の成形金型と、
金属管の内周面に挿入され軸方向に圧縮されることにより該金属管の外周面に膨出部を成形する弾性体と、
前記弾性体を軸方向に圧縮する圧縮機構を有する装置本体と、を備えることを特徴とするバルジ加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属管の外周面に膨出部を成形するための成形金型及びそれを用いたバルジ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金属管同士をメカニカル式管継手等にて接続するために、金属管の先端側に膨出部を成形したものが知られている。
一般的に、この膨出部はバルジ加工により成形される。
従来のバルジ加工装置は、第1金型と第2金型とを螺合状態で金属管の周囲に配設し、金型の内側に成形凹部を設けるとともに金属管の内周面にウレタン樹脂等からなる弾性体を挿入し、この弾性体に対して軸方向に圧縮する力を加えることで金属管を内側から金型凹部に押圧し、金属管の外周面に膨出部を成形していた。
しかし、成形後に内圧の付加をやめても金型のねじ部同士の歯合による噛み込みが強く、大型レンチ等の特殊作業工具を用いて金型同士の螺合状態を解除する必要があり、作業上の問題となっていた。
【0003】
特許文献1には、フック部材がスライドすることにより第1金型部材を第2金型部材へ引き寄せて凸条部(膨出部)を成形するバルジ加工装置について開示する。
これにより、金型の取外作業を小さな力で容易かつ迅速に行うことが可能となる。
しかし、同公報に開示するバルジ加工装置は、フック部材を有する第2金型部材とフック部材がスライド可能な第1金型部材のように複雑な金型構造にならざるを得なかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-83219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、構造がシンプルな成形金型と、その成形金型の取外作業がより容易かつ迅速に行うことが可能なバルジ加工装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る成形金型は、金属管の内周面に挿入した弾性体を圧縮して該金属管の外周面に膨出部を成形するためのバルジ加工装置に用いられる成形金型であって、前記成形金型は、装着金型と、該装着金型と螺合する螺着金型とを備え、前記装着金型と螺着金型とで前記金属管に膨出部を成形するための成形部を形成し、前記装着金型は、前記バルジ加工装置の装置本体に保持される保持部と、該装置本体と対向する対向面に該装置本体に当接する当接部とを有し、前記当接部が軸方向に遊びを設けて備えられていることを特徴とする。
【0007】
本発明において、当接部は、前記対向面よりも装置本体側へわずかに突出していることが好ましい。
このようにすると、軸方向に遊びを有する当接部は、バルジ加工時には装置本体に当接し支持されるが、内圧を解放することで当接力が解消され、装着金型と螺着金型とのねじ部の噛み込み力が緩和される。
本発明において、装着金型は、前記対向面に貫通孔を設け、前記当接部は、前記貫通孔に挿入されて前記対向面よりも装置本体側へわずかに突出していてもよい。
【0008】
本発明に係るバルジ加工装置は、請求項1~3のいずれかに記載の成形金型と、金属管の内周面に挿入され軸方向に圧縮されることにより該金属管の外周面に膨出部を成形する弾性体と、前記弾性体を軸方向に圧縮する圧縮機構を有する装置本体と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る成形金型は、装着金型と螺着金型とにわたって金属管に膨出部を成形するための成形部を設けてある。
本発明の装着金型は、装置本体との対向面に軸方向に遊びを有する当接部を配設しているため、弾性体に圧縮力を加える際には当接部が装置本体に押圧支持される。
これにより、ねじ部に噛み込み力が加わりつつ金属管の外周面に膨出部が成形される。
しかしながら、成形後に圧縮力(内圧)を解放すると、当接部がその遊びにより装置本体と対向面との間の当圧力を解消するため、ねじ部の噛み込み力が緩和される。
本発明に係る成形金型を用いたバルジ加工装置は、バルジ加工後に成形金型の螺合状態を容易に螺退させることができ、大型レンチ等の特殊用作業工具が不要で、現場での作業性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る成形金型の構造例を示し、(a)は装着金型と螺合金型との螺合前の状態を、(b)は螺合した状態を示す。
図2】本発明に係る装着金型の構造例を示し、(a)は装着金型本体部に挿入部材を装着する前の状態を、(b)は装着後の状態を示す。
図3】(a)、(b)は図2(a)、(b)の斜視図を示す。
図4】本発明に係るバルジ加工装置の構造例を示す。
図5】(a)~(d)は、バルジ加工装置を用いたバルジ加工例を示す。
図6】(a)~(d)は、バルジ加工の説明図を示す。
図7】本発明に係る成形金型の別の構造例を示し、(a)は装着金型と螺合金型との螺合前の状態を、(b)は螺合した状態を示す。
図8】本発明に係る装着金型の別の構造例を示し、(a)は装着金型本体部に挿入部材及び当接部材を装着する前の状態を、(b)は装着後の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る成形金型100の構造例を以下、図に基づいて説明する。
本発明に係る成形金型100は、金属管1の内周面に挿入した弾性体300に圧縮力を加え、金属管1の外周面に膨出部2を成形するためのバルジ加工装置に用いられる。
【0012】
図1に示すように、成形金型100は、装着金型10と螺着金型30とからなる。
装着金型10の外側に設けたおねじ部11と、螺着金型30の内側に設けためねじ部31とが螺合した状態を、図1(b)に示す。
外形が円形状である成形金型100は、内部に形成された空洞部19,20,33にバルジ加工を施す金属管1を挿通する。
ここで、図1(b)の左右方向を軸方向とし、図5(a)、(b)に示すように、金属管1は左方向から右方向に向かって成形金型100(装着金型10)に差し込まれる。
図6(a)に示すように、成形金型100は、挿通された金属管1を収容する収容部12,13,32との間で成形部40を形成し、図6(b)に示すように、成形部40に金属管1を内側から押圧して膨出部2を成形する。
【0013】
図1(b)に示すように、装着金型10は、左側が螺着金型30と螺合し、右側が後述する装置本体200の内側に装着されるとともに、装置本体200の被当接部204と対向する対向面14を有する。
対向面14に設けてある保持部15は、円環状の対向面14よりも小径な円環状であり、対向面14から右方向へ大きく突出し、内部に空洞部18を形成してある。
図4に示すように、保持部15が装置本体200の内側に保持されることで、装着金型10が装置本体200に装着され、対向面14が装置本体200の先端部(図4でいう左端部)である被当接部204と対向する。
ここで、装着金型10は図2図3に示すように、装着金型本体部10aと挿入部材10bとから構成される。
図2(a)、図3(a)に示すように、円環状の挿入部材10bには、右方向に突出した4つの略楕円柱状の当接部16を十字状に配設してある。
一方、装着金型本体部10aには、保持部15の外側である対向面14に4つの略楕円状の貫通孔17を十字状に設けてある。
装着金型10は、図2(b)、図3(b)に示すように、貫通孔17に当接部16を挿入するように装着金型本体部10aに挿入部材10bを装着する。
この際、当接部16が対向面14よりわずかに右方向に突出するように装着してある。
当接部16を貫通孔17に挿入するように設けたことで、図6(b)に示すように、当接部16は被当接部204に強く当接すると対向面14の位置までわずかに左方向に押され、また、図6(c)に示すように、当接力が弱まるとわずかに右方向に復帰し得る。
すなわち、当接部16は、軸方向である左右方向に遊びを設けて装着金型10に備えられてある。
なお、当接部16及び貫通孔17の数や大きさ、形に特に制限はないが、一定間隔を持って3つ以上配設されることが好ましく、対向面14よりもわずかに、例えば0.5mm程右方向に突出していることが好ましい。
【0014】
図4に、本発明に係るバルジ加工装置の構造例を示し、図5に、このバルジ加工装置を用いた加工例を、図6には、このバルジ加工の説明図を示す。
バルジ加工装置は、図4に示すように、装着金型10及び螺着金型30と、ウレタン等の弾性体300と、装置本体200とから構成される。
装置本体200は、油圧機構等により軸方向に沿って前進及び後退制御された駆動ロッド201を有し、駆動ロッド201の左方向に延長ロッド202と、圧縮部材203とを備える。
延長ロッド202は、円環状の弾性体300を外嵌状に配設し、圧縮部材203は、弾性体300の端面に隣接する円環状の金属であり、弾性体300を装置本体200側に向けて押圧する。
圧縮部材203の押圧により、弾性体300の外径が大きくなるような圧縮力が生じる。
【0015】
図5(a)、(b)に示すように、金属管1の開口端部を装着金型10に差し込んで金属管1の内周面に圧縮部材203と弾性体300とを接設し、図6(a)に示すように、螺着金型30のめねじ部31と装着金型10のおねじ部11とを螺合する。
その後、図6(b)に示すように、駆動ロッド201を右方向へ後退させることで、圧縮部材203が弾性体300を右方向に圧縮し、圧縮部材203と装着金型10とに狭圧された弾性体300が成形部40に向けて外側に膨出することで、金属管1を内側から押圧して膨出部2を成形する。
ここで、成形部40は図1(b)に示すように、螺着金型30の収容部32、装着金型本体部10aの収容部12及び挿入部材10bの収容部13にて形成されている。
金属管1の内側に弾性体300の圧縮による内圧が加わると、金属管1の外周部に塑性変形を生じて膨出部2が形成される。
この膨出部2には、金属材料によるいわゆるスプリングバックと称されている反発力が残っており、装着金型10と螺着金型30との相互のねじ部間にこの反発力が加わるためにねじ部同士を緩めることが困難であった。
しかし、本発明においては、挿入部材10bの収容部13に上記金属管1の膨出部2による反発力が負荷されているものの、図6(c)に示すように、膨出部2の成形後に駆動ロッド201の左方向への前進により弾性体300への圧縮力が解除されると、当接部16の遊びによって成形部40の一部を形成していた挿入部材10bの収容部13がわずかに右方向へ後退することで、金属管1の膨出部2による反発力が弱くなる。
そのため、バルジ加工後のおねじ部11とめねじ部31の噛み込み力は弱くなり、図6(d)に示すように、装着金型10と螺合する螺着金型30は容易に螺退可能となる。
これにより、図5(c)、(d)に示すように、金属管1の開口端部側に膨出部2が成形される。
【0016】
本発明に係る成形金型100の別の構造例を図7に、装着金型10の別の構造例を図8に示す。
図4に示すようなバルジ加工装置に用いられる本実施例(図7図8)の装着金型10(成形金型100)は、小径な金属管1にバルジ加工を施すための金型である。
以下、図1図3に示す成形金型100との差異点について説明する。
【0017】
図7(b)に示すように、装着金型10は、装置本体200の内側に保持される保持部22と、保持されることで装置本体200の被当接部205と対向する対向面21とを有する。
装着金型10は、左側が螺着金型30と螺合し、右側の保持部22が装置本体200に保持されることで装置本体200に装着される。
図8に示すように、装着金型10は、装着金型本体部10a、挿入部材10b及び当接部材10cから構成される。
装着金型本体部10aは、図8(a)に示すように、小径である左側から右側に向かって大径となる円環状であり、小径から大径となるくびれ付近に、内部に形成した空洞部20と空洞部29とが繋がる挿入孔28a、28bを有する。
保持部22は、装着金型本体部10aの右側に設けられ、保持部22の先端面(図8(a)でいう右端面)に対向面21を有する。
一方、円環状の挿入部材10bには、右方向に突出した4つの略楕円柱状又は略円柱状の突出部24を十字状に配設してあり、また、円環状の当接部材10cには、金型本体当接面27に左方向に突出した4つの略楕円柱状又は略円柱状の突設部25を十字状に配設してある。
当接部材10cの右端面は、図4に示す装置本体200の被当接部205に当接する円環状の当接部26であり、当接部26が対向面21よりわずかに右方向に突出するように当接部材10cを装着金型本体部10aに装着する。
装着金型本体部10aに対して左側から挿入部材10bを、右側から当接部材10cを装着すると、図8(b)に示すように、突出部24と突設部25とが挿入孔28a、28bに挿入され、突設部25が対応する突出部24に対向する。
当接部26は、被当接部205に強く当接することで対向面21の位置までわずかに左方向に押され、これにより突出部24と突設部25とが強く当接する。
本実施例においては、挿入孔28bの孔径は挿入孔28aよりも大きく、突設部25の円径は突出部24よりも大きいが、必ずしも挿入孔28a、28bの孔径及び突出部24,突設部25の円径に差を設ける必要はなく、挿入孔28aの孔径及び突出部24の円径が挿入孔28b及び突設部25よりも大きくてもよい。
また、突設部25を当接部材10cに設けずに、突出部24が挿入孔28a、28bまで右方向に大きく突出して当接部材10cの金型本体当接面27に直接当接してもよいが、当接強度を高めるために突出部24及び突設部25の両方を設けることが好ましい。
本実施例においては、突出部24をわずかに挿入孔28bに突出するように装着することで、突出部24が突設部25により左方向に押され易い。
当接部26は被当接部205に強く当接することでわずかに左方向に押され、これにより突設部25が突出部24を挿入孔28aの孔端面28cの位置までわずかに左方向に押すことになる。
また、当接部26の当接力が弱まると、突出部24はわずかに右方向に復帰し得る。
すなわち、突出部24と突設部25とを有することによって、当接部26は軸方向に遊びを設けて装着金型10に備えられる。
【0018】
図7図8に示す装着金型10(成形金型100)を用いたバルジ加工装置の駆動ロッド201は、油圧機構等により空洞部23a、23b内で前進及び後退制御される。
金属管1を内側から押圧して膨出部2を成形する際、図6(b)に示す当接部16の動きと同様に、当接部26は被当接部205に強く当接することでわずかに左方向に押され、その状態が保持される。
この際、突出部24は挿入孔28aの孔端面28cの位置まで突設部25によりわずかに左方向に押され、その状態が保持される。
膨出部2の成形後に油圧を解除し駆動ロッド201を左方向へ前進させると、図6(c)に示す当接部16の動きと同様に、当接部26が被当接部205に対する当接力を弱めて右方向へ復帰し、突出部24も右方向へ復帰する。
当接部26及び突出部24が遊びを有しているために、バルジ加工中に強く噛み込まれたおねじ部11とめねじ部31の噛み込み力はバルジ加工後にその力を弱め、装着金型10と螺合する螺着金型30は容易に螺退可能となる。
【符号の説明】
【0019】
1 金属管
2 膨出部
10 装着金型
14 対向面
15 保持部
16 当接部
17 貫通孔
21 対向面
22 保持部
26 当接部
30 螺着金型
40 成形部
100 成形金型
200 装置本体
300 弾性体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8