(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】搬器用天面部、及びエレベーター用搬器
(51)【国際特許分類】
B66B 11/02 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
B66B11/02 A
(21)【出願番号】P 2020103450
(22)【出願日】2020-06-16
【審査請求日】2023-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】592217141
【氏名又は名称】サノヤス・エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100195752
【氏名又は名称】奥村 一正
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】山本 儀
(72)【発明者】
【氏名】向井 毅三
(72)【発明者】
【氏名】小林 直弥
(72)【発明者】
【氏名】秋山 貴樹
【審査官】山田 拓実
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-168076(JP,U)
【文献】特開平08-026631(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0181383(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 11/00-11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーター用搬器に取付けられる搬器用天面部であって、
前記エレベーター用搬器の第1側面部を取付けるための第1側面取付け部を第1側面部方向の端部に向かって複数位置に備え、
前記第1側面部方向の前記複数位置のいずれに前記第1側面部を取付けるかにより、前記エレベーター用搬器の前記第1側面部方向の長さが変化
し、
前記第1側面取付け部は、当該搬器用天面部の下部に設けられた板状であり、前記板状に設けられた孔にボルトで前記第1側面部を取付けることを特徴とする搬器用天面部。
【請求項2】
エレベーター用搬器に取付けられる搬器用天面部であって、
前記エレベーター用搬器の第1側面部を取付けるための第1側面取付け部を第1側面部方向の端部に向かって複数位置に備え、
前記第1側面部方向の前記複数位置のいずれに前記第1側面部を取付けるかにより、前記エレベーター用搬器の前記第1側面部方向の長さが変化するとともに、
前記エレベーター用搬器の前記第1側面部に対向する第2側面部を取付けるための第2側面取付け部を第2側面部方向の端部に向かって複数位置に備え、
前記第2側面部方向の前記複数位置のいずれに前記第2側面部を取付けるかにより、前記エレベーター用搬器の前記第2側面部方向の長さが変化することを特徴とする搬器用天面部。
【請求項3】
人荷を積載するエレベーター用搬器であって、当該エレベーター用搬器の第1側面部を取付けるための第1側面取付け部を第1側面部方向の端部に向かって複数位置に備えるとともに、前記エレベーター用搬器の前記第1側面部に対向する第2側面部を取付けるための第2側面取付け部を前記第2側面部方向の端部に向かって複数位置に備えた天面部と、
前記天面部における複数の前記第1側面取付け部のいずれかに取付けた前記第1側面部と、
前記天面部における複数の前記第2側面取付け部のいずれかに取付けた前記第2側面部と、
前記天面部と接し、前記第1側面部及び前記第2側面部と直交する方向の第3側面部と、
前記天面部と接し、前記第3側面部と対向する第4側面部と、
前記第1側面部、前記第2側面部、前記第3側面部、及び前記第4側面部と接する底面部とを備えたことを特徴とするエレベーター用搬器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床面の広さや積載荷重に関係なく天面部が共通である搬器用天面部、及びエレベーター用搬器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベーターの搬器には、積載荷重に応じた搬器内の床面積が法律で規定されていて、積載荷重によって床面積が変更される。つまり、積載荷重が大きくなると床面積を大きくすることができ、積載荷重が小さくなると床面積が小さくなる。
【0003】
特許文献1には、床や天井を分割し、それぞれをスライド式にして床面積を可変にできる構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許文献1:特開平11-139729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、積載荷重に応じて床面積を変更するものではなく、また、前背面と天井及び床同士をスライド式とするとともに、側壁と天井及び床同士をスライド式としており、構造が複雑であるというという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決して、容易に床面積を変更できるとともに、床面積にかかわらず天面部を共通とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、エレベーター用搬器に取付けられる搬器用天面部であって、
前記エレベーター用搬器の第1側面部を取付けるための第1側面取付け部を第1側面部方向の端部に向かって複数位置に備え、
前記第1側面部方向の前記複数位置のいずれに前記第1側面部を取付けるかにより、前記エレベーター用搬器の前記第1側面部方向の長さが変化し、
前記第1側面取付け部は、当該搬器用天面部の下部に設けられた板状であり、前記板状に設けられた孔にボルトで前記第1側面部を取付けることを特徴とする搬器用天面部を提供するものである。
【0008】
この構成により、エレベーター用搬器の第1側面部方向の長さを変化させることで、容易に床面積を変更できるとともに、床面積にかかわらず天面部を共通とすることができる。
【0009】
上記課題を解決するために本発明は、エレベーター用搬器に取付けられる搬器用天面部であって、
前記エレベーター用搬器の第1側面部を取付けるための第1側面取付け部を第1側面部方向の端部に向かって複数位置に備え、
前記第1側面部方向の前記複数位置のいずれに前記第1側面部を取付けるかにより、前記エレベーター用搬器の前記第1側面部方向の長さが変化するとともに、
前記エレベーター用搬器の前記第1側面部に対向する第2側面部を取付けるための第2側面取付け部を第2側面部方向の端部に向かって複数位置に備え、
前記第2側面部方向の前記複数位置のいずれに前記第2側面部を取付けるかにより、前記エレベーター用搬器の前記第2側面部方向の長さが変化することを特徴とする搬器用天面部を提供するものである。
【0010】
この構成により、エレベーター用搬器の第1側面部方向及び第2側面部方向の長さを変化させることで、容易に床面積を変更できるとともに、床面積にかかわらず天面部を共通とすることができる。
【0011】
また、上記課題を解決するために本発明は、人荷を積載するエレベーター用搬器であって、当該エレベーター用搬器の第1側面部を取付けるための第1側面取付け部を第1側面部方向の端部に向かって複数位置に備えるとともに、前記エレベーター用搬器の前記第1側面部に対向する第2側面部を取付けるための第2側面取付け部を前記第2側面部方向の端部に向かって複数位置に備えた天面部と、
前記天面部における複数の前記第1側面取付け部のいずれかに取付けた前記第1側面部と、
前記天面部における複数の前記第2側面取付け部のいずれかに取付けた前記第2側面部と、
前記天面部と接し、前記第1側面部及び前記第2側面部と直交する方向の第3側面部と、
前記天面部と接し、前記第3側面部と対向する第4側面部と、
前記第1側面部、前記第2側面部、前記第3側面部、及び前記第4側面部と接する底面部とを備えたことを特徴とするエレベーター用搬器を提供するものである。
【0012】
この構成により、天面部に第1側面部及び第2側面部を取付ける位置により、容易に床面積を変更できるとともに、床面積にかかわらず天面部を共通とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の搬器用天面部、及びエレベーター用搬器により、容易に床面積を変更できるとともに、床面積にかかわらず天面部を共通とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施例1におけるエレベーター用搬器を説明する図である。
【
図2】本発明の実施例1における搬器用天面部を説明する図である。
【
図3】本発明の実施例1におけるエレベーター用搬器の詳細を説明する図である。
【
図4】本発明の実施例2におけるエレベーター用搬器の詳細を説明する図である。
【
図5】本発明の実施例3におけるエレベーター用搬器の詳細を説明する図である。
【
図6】本発明の実施例4におけるエレベーター用搬器の詳細を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0015】
本発明の実施例1について、
図1~
図3を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例1におけるエレベーター用搬器を説明する図である。
図2は、本発明の実施例1における搬器用天面部を説明する図である。
図3は、本発明の実施例1におけるエレベーター用搬器の詳細を説明する図である。
【0016】
実施例1におけるエレベーター用搬器10は、人荷を積載して、図示しないガイドに沿って上昇又は下降する。エレベーター用搬器10は、略L型の駆動フレームに、人荷を積載する搬器本体が載せられた構造を有している。この構造により、サイズや形状が異なる搬器本体も駆動フレームに載せることが可能で、エレベーターの更新時に対応しやすくなっている。そして、駆動フレームがガイドに沿って上昇、下降することで、搬器本体が上昇、下降する。
【0017】
エレベーター用搬器10の天井には、略四角形で厚みを備えた板状の搬器用天面部3が取付けられ、天面部3の4辺に接して、それぞれ略四角形で厚みを備えた板状の第1側面部5、第2側面部6、第3側面部7、及び第4側面部8が取付けられている。また、第1側面部5、第2側面部6、第3側面部7、及び第4側面部8の下端4辺に接して略四角形で厚みを備えた板状の図示しない底面部が取付けられている。
【0018】
搬器用天面部3の構造を
図2に示す。
図2(a)は搬器用天面部3の上面図、
図2(b)は左側面図、
図2(c)は正面図、
図2(d)は正面図における第1側面部方向(-x方向)の拡大図、
図2(e)は正面図における第2側面部方向(+x方向)の拡大図である。搬器用天面部3は、厚みを有した略四角形状の板状をなしている。そして、搬器用天面部3の下部には、第1側面部方向(-x方向)の端部に向かって内側から順に4ヶ所の位置に第1側面取付け部4(4A、4B、4C、4D)が
図2(a)のy方向に連続して長く延びる板状に設けられている。第1側面取付け部4(4A、4B、4C、4D)のそれぞれには、第1側面部5をボルトで取付けるための複数の孔が設けられている。また、同様に、第2側面部方向(+x方向)の端部に向かって内側から順に4ヶ所の位置に第2側面取付け部4´(4A´、4B´、4C´、4D´)が
図2(a)のy方向に連続して長く延びる板状に設けられている。第2側面取付け部4´(4A´、4B´、4C´、4D´)のそれぞれには、第2側面部6をボルトで取付けるための複数の孔が設けられている。
【0019】
図3を参照して、エレベーター用搬器10の詳細を説明する。エレベーター用搬器10の天井には、上述した搬器用天面部3が取付けられている。そして、実施例1においては、第1側面部5が第1側面部方向(-x方向)の端部に向かって最も内側の第1側面取付け部4A(
図2参照)に取付けられ、第1側面部5と対向する第2側面部6が第2側面部方向(+x方向)の端部に向かって最も内側の第2側面取付け部4A´に取付けられている。また、第1側面部5及び第2側面部6と直交する方向の第3側面部7が天面部3の正面方向(-y方向)の端部に取付けられ、第3側面部7と対向する第4側面部8が天面部3の裏面方向(+y方向)の端部に取付けられている。第1側面部5、第2側面部6、第3側面部7、及び第4側面部8は略同一の高さ(z方向の長さ)を有しており、第1側面部5、第2側面部6、第3側面部7、及び第4側面部8の下部に図示しない底面部が取付けられている。第1側面部5及び第2側面部6が取付けられる位置に基づいて、底面部は、第1側面部方向(-x方向)に一部がスライド移動して床面積が可変するように構成されている
【0020】
第1側面部5が第1側面部方向(-x方向)の端部に向かって最も内側の第1側面取付け部4A(図示せず)に取付けられ、第2側面部6が第2側面部方向(+x方向)の端部に向かって最も内側の第2側面取付け部4A´に取付けられていることで、実施例1におけるエレベーター用搬器10の内部の底面積は最も狭く構成され、法定の積載荷重は350kgである。
【0021】
搬器用天面部3の幅寸法X11=1309mm、奥行き寸法Y11=1049mmで後述する全ての実施例において共通している。つまり、積載荷重にかかわらず搬器用天面部3は共通している。また、エレベーター用搬器10における搬器本体の高さ寸法Z11=2230mmで後述する全ての実施例において共通している。実施例1においては、搬器本体内の有効幅寸法X12=900mm、搬器本体の外幅寸法X13=1074mmで最も狭く、積載荷重が最も少ない設定である。
【0022】
なお、実施例1においては、エレベーター用搬器10の第1側面部5を取付けるための第1側面取付け部4を第1側面部方向の端部に向かって複数位置に備え、また、第2側面部6を取付けるための第2側面取付け部4´を第2側面部方向の端部に向かって複数位置に備える構成としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、第1側面取付け部4又は第2側面取付け部4´のいずれか一方のみとしてもよい。
【0023】
また、実施例1においては、第1側面取付け部4を4ヶ所の位置に備え、第2側面取付け部4´を4ヶ所の位置に備えた構成としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、それぞれ3ヶ所以下でも5ヶ所以上でもよく、第1側面取付け部4の個数と第2側面取付け部4´の個数とを異なるものとしてもよい。
【0024】
また、実施例1においては、第1側面部5と第2側面部6とを互いに対向する位置に設けたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、第1側面部5と第2側面部6とを互いに隣り合う位置に設けてもよい。その場合は、搬器用天面部3における第1側面取付け部4と第2側面取付け部4´とを互いに隣り合う位置に設ければよい。
【0025】
さらに、実施例1においては、底面部の一部がスライド移動して床面積が可変するように構成したが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、必要な床面積にあわせた大きさの底面部をそれぞれ使用してもよい。
【0026】
このように、実施例1においては、エレベーターの搬器に取付けられる搬器用天面部であって、
前記エレベーター用搬器の第1側面部を取付けるための第1側面取付け部を前記第1側面部方向の端部に向かって複数位置に備え、
前記第1側面部方向の前記複数位置のいずれに前記第1側面部を取付けるかにより、前記エレベーター用搬器の前記第1側面部方向の長さが変化することを特徴とする搬器用天面部により、搬器の第1側面部方向の長さを変化させることで、容易に床面積を変更できるとともに搬器用天面部を共通とすることができる。
【0027】
また、搬器用天面部であって、前記エレベーター用搬器の前記第1側面部に対向する第2側面部を取付けるための第2側面取付け部を前記第2側面部方向の端部に向かって複数位置に備え、
前記第2側面部方向の前記複数位置のいずれに前記第2側面部を取付けるかにより、前記エレベーター用搬器の前記第2側面部方向の長さが変化することにより、エレベーター用搬器の第2側面部方向の長さを変化させることで、容易に床面積を変更できるとともに、床面積にかかわらず搬器用天面部を共通とすることができる。
【0028】
さらに、人荷を積載するエレベーター用搬器であって、当該エレベーター用搬器の第1側面部を取付けるための第1側面取付け部を第1側面部方向の複数位置に備えるとともに、前記エレベーター用搬器の前記第1側面部に対向する第2側面部を取付けるための第2側面取付け部を前記第2側面部方向の複数位置に備えた天面部と、
前記天面部における複数の前記第1側面取付け部のいずれかに取付けた前記第1側面部と、
前記天面部における複数の前記第2側面取付け部のいずれかに取付けた前記第2側面部と、
前記天面部と接し、前記第1側面部及び前記第2側面部と直交する方向の第3側面部と、
前記天面部と接し、前記第3側面部と対向する第4側面部と、
前記第1側面部、前記第2側面部、前記第3側面部、及び前記第4側面部と接する底面部とを備えたことを特徴とするエレベーター用搬器により、搬器用天面部に第1側面部及び第2側面部を取付ける位置により、容易に床面積を変更できるとともに、床面積にかかわらず搬器用天面部を共通とすることができる。
【実施例2】
【0029】
本発明における実施例2は、共通の搬器用天面部を用いながら床面積がより広い点で実施例1と異なっている。
図4を参照して実施例2について説明する。
図4は、発明の実施例2におけるエレベーター用搬器の詳細を説明する図である。
【0030】
実施例2におけるエレベーター用搬器20の天井には、上述した搬器用天面部3が取付けられている。そして、実施例2においては、第1側面部5が第1側面部方向(-x方向)の端部に向かって内側から2番目の第1側面取付け部4B(
図2参照)に取付けられ、第2側面部6が第2側面部方向(+x方向)の端部に向かって内側から2番目の第2側面取付け部4B´に取付けられている。また、第3側面部7が搬器用天面部3の正面方向(-y方向)の端部に取付けられ、第4側面部8が搬器用天面部3の裏面方向(+y方向)の端部に取付けられている。第1側面部5、第2側面部6、第3側面部7、及び第4側面部8は略同一の高さ(z方向の長さ)を有しており、第1側面部5、第2側面部6、第3側面部7、及び第4側面部8の下部に図示しない底面部が取付けられている。第1側面部5及び第2側面部6が取付けられる位置に基づいて、底面部は、第1側面部方向(-x方向)に一部がスライド移動して床面積が可変するように構成されている
【0031】
第1側面部5が第1側面部方向(-x方向)の端部に向かって内側から2番目の第1側面取付け部4Bに取付けられ、第2側面部6が第2側面部方向(+x方向)の端部に向かって内側から2番目の第2側面取付け部4B´に取付けられていることで、実施例2におけるエレベーター用搬器20の内部の底面積は実施例1における350kg積載荷重時よりも広く構成され、法定の積載荷重は400kgである。
【0032】
搬器用天面部3の幅寸法X11=1309mm、奥行き寸法Y11=1049mmで他の実施例と(つまり、積載荷重にかかわらず)共通している。また、エレベーター用搬器10における搬器本体の高さ寸法Z11=2230mmで他の実施例と共通している。実施例2においては、搬器本体内の有効幅寸法X22=1040mm、搬器本体の外幅寸法X23=1124mmで2番目に狭く、積載荷重も2番目に少ない設定である。
【実施例3】
【0033】
本発明における実施例3は、共通の搬器用天面部を用いながら床面積がより広い点で実施例1、2と異なっている。
図5を参照して実施例3について説明する。
図5は、発明の実施例3におけるエレベーター用搬器の詳細を説明する図である。
【0034】
実施例3におけるエレベーター用搬器30の天井には、上述した搬器用天面部3が取付けられている。そして、実施例3においては、第1側面部5が第1側面部方向(-x方向)の端部に向かって内側から3番目の第1側面取付け部4C(
図2参照)に取付けられ、第2側面部6が第2側面部方向(+x方向)の端部に向かって内側から3番目の第2側面取付け部4C´に取付けられている。また、第3側面部7が搬器用天面部3の正面方向(-y方向)の端部に取付けられ、第4側面部8が搬器用天面部3の裏面方向(+y方向)の端部に取付けられている。第1側面部5、第2側面部6、第3側面部7、及び第4側面部8は略同一の高さ(z方向の長さ)を有しており、第1側面部5、第2側面部6、第3側面部7、及び第4側面部8の下部に図示しない底面部が取付けられている。第1側面部5及び第2側面部6が取付けられる位置に基づいて、底面部は、第1側面部方向(-x方向)に一部がスライド移動して床面積が可変するように構成されている
【0035】
第1側面部5が第1側面部方向(-x方向)の端部に向かって内側から3番目の第1側面取付け部4Cに取付けられ、第2側面部6が第2側面部方向(+x方向)の端部に向かって内側から3番目の第2側面取付け部4C´に取付けられていることで、実施例3におけるエレベーター用搬器30の内部の底面積はより広く構成され、法定の積載荷重は450kgである。
【0036】
搬器用天面部3の幅寸法X11=1309mm、奥行き寸法Y11=1049mmで他の実施例と共通している。また、エレベーター用搬器10における搬器本体の高さ寸法Z11=2230mmで他の実施例と共通している。実施例3においては、搬器本体内の有効幅寸法X32=1170mm、搬器本体の外幅寸法X33=1174mmで3番目に狭く、積載荷重も3番目に少ない設定である。
【実施例4】
【0037】
本発明における実施例4は、共通の搬器用天面部を用いながら床面積がより広い点で実施例1~3と異なっている。
図6を参照して実施例4について説明する。
図6は、発明の実施例4におけるエレベーター用搬器の詳細を説明する図である。
【0038】
実施例4におけるエレベーター用搬器40の天井には、上述した搬器用天面部3が取付けられている。そして、実施例4においては、第1側面部5が第1側面部方向(-x方向)の端部に向かって内側から4番目(最も外側)の第1側面取付け部4D(
図2参照)に取付けられ、第2側面部6が第2側面部方向(+x方向)の端部に向かって内側から4番目(最も外側)の第2側面取付け部4D´に取付けられている。また、第3側面部7が搬器用天面部3の正面方向(-y方向)の端部に取付けられ、第4側面部8が搬器用天面部3の裏面方向(+y方向)の端部に取付けられている。第1側面部5、第2側面部6、第3側面部7、及び第4側面部8は略同一の高さ(z方向の長さ)を有しており、第1側面部5、第2側面部6、第3側面部7、及び第4側面部8の下部に図示しない底面部が取付けられている。第1側面部5及び第2側面部6が取付けられる位置に基づいて、底面部は、第1側面部方向(-x方向)に一部がスライド移動して床面積が可変するように構成されている
【0039】
第1側面部5が第1側面部方向(-x方向)の端部に向かって内側から4番目で最も外側の第1側面取付け部4Dに取付けられ、第2側面部6が第2側面部方向(+x方向)の端部に向かって内側から4番目で最も外側の第2側面取付け部4D´に取付けられていることで、実施例4におけるエレベーター用搬器40の内部の底面積は最も広く構成され、法定の積載荷重は500kgである。
【0040】
搬器用天面部3の幅寸法X11=1309mm、奥行き寸法Y11=1049mmで他の実施例と(つまり、積載荷重にかかわらず)共通している。また、エレベーター用搬器10における搬器本体の高さ寸法Z11=2230mmで他の実施例と共通している。実施例4においては、搬器本体内の有効幅寸法X42=1300mm、搬器本体の外幅寸法X43=1304mmで最も広く、積載荷重も最も多い設定である。
【0041】
このように、エレベーター用搬器に取付けられる搬器用天面部であって、
前記エレベーター用搬器の第1側面部を取付けるための第1側面取付け部を前記第1側面部方向の端部に向かって複数位置に備え、
前記第1側面部方向の前記複数位置のいずれに前記第1側面部を取付けるかにより、前記エレベーター用搬器の前記第1側面部方向の長さが変化することを特徴とする搬器用天面部により、搬器の第1側面部方向の長さを変化させることで、容易に床面積を変更できるとともに搬器用天面部を共通とすることができる。
【0042】
また、搬器用天面部であって、前記エレベーター用搬器の前記第1側面部に対向する第2側面部を取付けるための第2側面取付け部を前記第2側面部方向の端部に向かって複数位置に備え、
前記第2側面部方向の前記複数位置のいずれに前記第2側面部を取付けるかにより、前記エレベーター用搬器の前記第2側面部方向の長さが変化することにより、エレベーター用搬器の第2側面部方向の長さを変化させることで、容易に床面積を変更できるとともに、床面積にかかわらず搬器用天面部を共通とすることができる。
【0043】
さらに、人荷を積載するエレベーター用搬器であって、当該エレベーター用搬器の第1側面部を取付けるための第1側面取付け部を第1側面部方向の複数位置に備えるとともに、前記エレベーター用搬器の前記第1側面部に対向する第2側面部を取付けるための第2側面取付け部を前記第2側面部方向の複数位置に備えた天面部と、
前記天面部における複数の前記第1側面取付け部のいずれかに取付けた前記第1側面部と、
前記天面部における複数の前記第2側面取付け部のいずれかに取付けた前記第2側面部と、
前記天面部と接し、前記第1側面部及び前記第2側面部と直交する方向の第3側面部と、
前記天面部と接し、前記第3側面部と対向する第4側面部と、
前記第1側面部、前記第2側面部、前記第3側面部、及び前記第4側面部と接する底面部とを備えたことを特徴とするエレベーター用搬器により、搬器用天面部に第1側面部及び第2側面部を取付ける位置により、容易に床面積を変更できるとともに、床面積にかかわらず搬器用天面部を共通とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明における搬器用天面部、及びエレベーター用搬器は、エレベーターの分野に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0045】
1: 前扉 2:後扉 3:搬器用天面部
4(4A、4B、4C、4D):第1側面取付け部
4´(4A´、4B´、4C´、4D´):第2側面取付け部
5:第1側面部 6:第2側面部 7:第3側面部 8:第4側面部
9:レール
10:エレベーター用搬器
20:エレベーター用搬器
30:エレベーター用搬器
40:エレベーター用搬器