(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】燃焼装置
(51)【国際特許分類】
F23K 5/00 20060101AFI20240730BHJP
F23N 5/24 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
F23K5/00 304
F23N5/24 104
(21)【出願番号】P 2020148397
(22)【出願日】2020-09-03
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】弁理士法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】竹内 健
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-133522(JP,A)
【文献】特開平11-083004(JP,A)
【文献】特開2018-013289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23K1/00-5/22
F23N1/00-5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼室に配置され、燃焼用空気と燃料ガスとの混合ガスを燃焼させるバーナと、バーナに燃焼用空気を給気路を介して供給するファンと、バーナに燃料ガスを供給するガス供給路と、ガス供給路に設けられた比例弁と、バーナに点火させる点火動作を行う点火手段と、バーナの着火を検知する着火検知手段と、ファン、比例弁及び点火手段を制御するコントローラと、バーナでの燃焼に伴って発生する燃焼ガスを燃焼室から外部に排気する排気路とを備えた燃焼装置において、
コントローラは、混合ガスの空燃比がバーナの着火に適した値になるように、比例弁の開度及びファンの回転数の制御を行うと共に、点火手段に点火動作を行わせ、バーナに点火させて着火させる制御を行う通常燃焼モードと、混合ガスの空燃比が爆発下限限界未満
で着火不能な値になるように比例弁の開度とファンの回転数との少なくとも一方を制御しつつ、バーナに供給される混合ガスを、所定時間、排気路を通じて燃焼室から外部に排気させるパージ動作を行う試運転モードとを実行可能に構成されることを特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
請求項1記載の燃焼装置であって、前記給気路から前記燃焼室を経て前記排気路に至る給排気部にこの給排気部内の状態を検出する給排気部状態検出手段を備え、
前記コントローラは、前記試運転モードでは、前記パージ動作に先立って、給排気部状態検出手段に給排気部内の状態を検出させ、給排気部内の状態に異常がある場合、パージ動作を実行せず、給排気部内の状態が正常である場合、パージ動作を実行することを特徴とする燃焼装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記通常燃焼モードを実行中に、前記点火手段に点火動作を所定回数繰り返し行わせても前記着火検知手段がバーナの着火を検知しない場合、前記試運転モードに移行することを特徴とする請求項1又は2記載の燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼室に配置され、燃焼用空気と燃料ガスとの混合ガスを燃焼させるバーナと、バーナに燃焼用空気を給気路を介して供給するファンと、バーナに燃料ガスを供給するガス供給路と、ガス供給路に設けられた比例弁と、バーナに点火させる点火動作を行う点火手段と、バーナの着火を検知する着火検知手段と、ファン、比例弁及び点火手段を制御するコントローラと、バーナでの燃焼に伴って発生する燃焼ガスを燃焼室から外部に排気する排気路とを備えた燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、燃焼装置の一種として、燃焼装置を設置後、初めてバーナで混合ガスを燃焼させる燃焼が指示される場合、ガス供給路内に存在する多量の空気を、燃料ガスを供給することによって燃焼室の外部に抜く試運転モードがコントローラに設定されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
試運転モードでは、コントローラは、比例弁を開弁させて所定の開度にし、ガス供給路内の空気を燃料ガスで置換して、バーナに供給される混合ガスの空燃比が爆発下限限界以上になるまでの間、点火手段に点火動作を繰り返し実行させ、バーナに着火させる。なお、メタン、プロパンの爆発下限限界は、夫々、5.0vol%, 2.1vol%である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1記載の燃焼装置では、試運転モードでの比例弁の開度が、バーナで混合ガスの燃焼が安定に行われる通常燃焼モードでの点火時と同じ開度になるようにコントローラに設定されている。しかし、バーナに供給される混合ガスの空燃比が爆発下限限界以上になった状態でも、点火電極のスパークミス等の偶発的な要因によってバーナが未着火になる場合がある。この場合、燃焼室内には多量の混合ガスが滞留するため、このままの状態で再度点火手段に点火動作を行わせてバーナに点火させると、爆着が発生する虞がある。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、試運転モードを実行中にバーナでの爆着の発生を抑制することができる、安全性の向上した燃焼装置を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、燃焼室に配置され、燃焼用空気と燃料ガスとの混合ガスを燃焼させるバーナと、バーナに燃焼用空気を給気路を介して供給するファンと、バーナに燃料ガスを供給するガス供給路と、ガス供給路に設けられた比例弁と、バーナに点火させる点火動作を行う点火手段と、バーナの着火を検知する着火検知手段と、ファン、比例弁及び点火手段を制御するコントローラと、バーナでの燃焼に伴って発生する燃焼ガスを燃焼室から外部に排気する排気路とを備えた燃焼装置において、コントローラは、混合ガスの空燃比がバーナの着火に適した値になるように、比例弁の開度及びファンの回転数の制御を行うと共に、点火手段に点火動作を行わせ、バーナに点火させて着火させる制御を行う通常燃焼モードと、混合ガスの空燃比が爆発下限限界未満で着火不能な値になるように比例弁の開度とファンの回転数との少なくとも一方を制御しつつ、バーナに供給される混合ガスを、所定時間、排気路を通じて燃焼室から外部に排気させるパージ動作を行う試運転モードとを実行可能に構成されることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、試運転モードで行うパージ動作によって、ガス供給路内の空気が燃料ガスで置換されるが、バーナに供給される混合ガスの空燃比は爆発下限限界未満であるため、試運転モードを実行中にバーナで爆着が発生するのを抑制することができる。したがって、パージ動作時の安全性が向上する。
【0009】
本発明においては、上記燃焼装置であって、上記給気路から上記燃焼室を経て上記排気路に至る給排気部にこの給排気部内の状態を検出する給排気部状態検出手段を備え、上記コントローラは、上記試運転モードでは、上記パージ動作に先立って、給排気部状態検出手段に給排気部内の状態を検出させ、給排気部内の状態に異常がある場合、パージ動作を実行せず、給排気部内の状態が正常である場合、パージ動作を実行することが望ましい。これによれば、試運転モードでは、パージ動作に先立って、給排気部内の状態に閉塞の発生等による異常があるのか、又は給排気部内の状態が正常であるのかをコントローラが判別するため、給排気部内の状態に異常があることに起因する、混合ガス中の空気量の低下や、排気したはずの混合ガスが排気路に逆流するショートサーキット等に伴う混合ガスの空燃比の上昇を抑制することができる。したがって、パージ動作時に、バーナに爆発下限限界以上の混合ガスが供給されるのを抑制することができ、パージ動作の安全性がより向上する。
【0010】
また、本発明においては、上記コントローラは、上記通常燃焼モードを実行中に、上記点火手段に点火動作を所定回数繰り返し行わせても上記着火検知手段がバーナの着火を検知しない場合、上記試運転モードに移行することが望ましい。これによれば、通常燃焼モードであっても、バーナに供給される混合ガス中の空気量がバーナでの着火に適さない過剰な量になっている場合、試運転モードに自動的に移行するため、ユーザや施工者が試運転モードに切り換える手間が省け、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の燃焼装置の一実施形態である給湯用熱源機を示す模式図。
【
図2】
図1に示す給湯用熱源機のコントローラが行う制御の一形態を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照して、本発明の燃焼装置1の実施形態である給湯用熱源機1aの概要を説明する。給湯用熱源機1aは、燃焼筐2で囲われる燃焼室2aを備えている。燃焼室2aの下部にはバーナ3が配置され、バーナ3は、5本の単位バーナ3aが並設された第1部分3
1と、10本の単位バーナ3aが並設された第2部分3
2とを有している。また、燃焼室2aには、バーナ3の第1部分3
1に臨む点火電極31が設けられていると共に、点火電極31への高電圧印加源であり、点火手段としてのイグナイタ32が設けられている。イグナイタ32は、通電により点火動作を行い、点火電極31でスパークさせて第1部分3
1に点火させる。さらに、燃焼室2aには、バーナ3の着火を検知する着火検知手段としてフレームロッド33が設けられている。
【0013】
燃焼室2aの上部には、被加熱物として給湯用の熱交換器4が配置されている。また、燃焼筐2の下面には、バーナ3に給気路5aを介して燃焼用空気を供給するファン5が接続されている。ファン5が供給する燃焼用空気は、単位バーナ3aに直接供給される1次空気と、燃焼室2aの下部を通じて単位バーナ3aの炎口付近に供給される2次空気とからなる。バーナ3からの燃焼ガスにより熱交換器4の上流側の給水管4aからの水を加熱し、熱交換器4の下流側の出湯管4bから所定の設定温度に加熱された温水が出湯する。熱交換器4を通過した燃焼ガスは、燃焼筐2の上面に接続された排気路6から燃焼室2aの外部に排気される。そして、給気路5aから燃焼室2aを経て排気路6に至る給排気部Aが形成されている。給排気部A内の状態は、給排気部状態検出手段A1が検出する。給排気部状態検出手段A1は、給排気部A内の状態が、バーナ3での燃焼に支障がない正常であるのか、又は給排気部A内のどこかに閉塞等が生じて、バーナ3での燃焼に支障が生じる虞のある異常であるのかを検出する。具体的には、給排気部状態検出手段A1は、ファン5のファン電流を検出し、給排気部A内の状態の正常又は異常を検出する。
【0014】
バーナ3に燃料ガスを供給するガス供給路7には、電磁開閉弁からなる元弁71と、その下流側の比例弁72とが介設されている。また、比例弁72の下流側のガス供給路7の部分は、バーナ3の第1部分31に連なる第1分岐路7aと、バーナ3の第2部分32に連なる第2分岐路7bとに分かれている。第1分岐路7a及び第2分岐路7bの夫々には、電磁開閉弁からなる第1能力切換弁73a、第2能力切換弁73bが介設されている。バーナ3には、第1能力切換弁73a及び第2能力切換弁73bの開閉によって燃料ガスが第1部分31、又は第1部分31及び第2部分32の両方に供給される。こうして、バーナ3の燃焼能力が2段階に切り換わるようにしている。なお、イグナイタ32の点火動作に際してバーナ3には、燃料ガスと燃焼用空気の混合ガスが供給される。
【0015】
また、給湯用熱源機1aは、ファン5、元弁71、比例弁72、第1能力切換弁73a、第2能力切換弁73b及びイグナイタ32を制御するコントローラ8を備えている。コントローラ8は、CPU,ROM,RAM,A/Dコンバータ、インターフェース等を備えるマイクロコンピュータから構成される。フレームロッド33及び給排気部状態検出手段A1はコントローラ8に接続されている。
【0016】
また、コントローラ8は、通常燃焼モードと試運転モードとを実行可能に構成される。通常燃焼モードでは、コントローラ8は、混合ガスの空燃比がバーナ3の着火に適した値になるように、比例弁71の開度及びファン5の回転数の制御を行うと共に、イグナイタ32に点火動作を行わせてバーナ3に点火させて着火させる制御を行う。ここで、バーナ3の着火に適した空燃比とは、燃料ガスの種類に基づく理論値と、バーナ3の燃焼能力やファン5の給気能力等とを考慮して決めることができる推定値である。この推定値はコントローラ8に予め設定されている。燃焼が指示されると、コントローラ8は、元弁71及び第1能力切換弁73aを開弁させると共に、比例弁72を開弁させ、空燃比が上記推定値になるように、バーナ3の第1部分31に供給する燃料ガスのガス量を比例弁71に通電する比例弁電流の大きさによって比例弁71の開度を制御する。また、コントローラ8は、バーナ3の第1部分31に供給する燃焼用空気の空気量をファン5の回転数によって制御する。
【0017】
一方、試運転モードでは、コントローラ8は、元弁71、比例弁72及び第1能力切換弁73aを開弁させた後、混合ガスの空燃比が爆発下限限界未満で着火不能な値になるように比例弁71の開度とファン5の回転数との少なくとも一方を制御しつつ、バーナ3の第1部分31に供給される混合ガスを、所定時間、排気路6を通じて燃焼室2aから外部に排気させるパージ動作を行う。
【0018】
図2を参照して、
図1に示すコントローラ8が実行する制御を説明する。コントローラ8は、燃焼が指示されると、試運転モードであるか否かを判別する(STEP1)。ここで、試運転モード又は通常燃焼モードの選択は、ユーザや施工者が、コントローラ8に接続されるリモコン等を通じて行うことができる。また、給湯用熱源機1aの設置後の初回の燃焼の指示の場合、自動的に試運転モードが選択されるように、コントローラ8に予め設定することもできる。
【0019】
試運転モードでない場合、コントローラ8は、上述した通常燃焼モードでの制御を実行する(STEP8)。一方、試運転モードである場合、コントローラ8は、ファン5を駆動させ、給気路5aを通じてバーナ3の第1部分3
1に燃焼用空気を供給する(STEP2)。バーナ3の第1部分3
1に供給される燃焼用空気は、燃焼室2a内を経て排気路6から外部に排気される。次いで、コントローラ8は、
図1に示す給排気部状態検出手段A
1に給排気部A内の状態を検出させて、給排気部A内の状態に異常があるのか又給排気部A内の状態が正常であるのかを判別する(STEP3)。コントローラ8は、給排気部検出手段A
1が検出するファン電流値の変化を予め設定された閾値に基づいて、給排気部A内の状態の正常又は異常を判別する。具体的には、ファン電流値の変化量が閾値よりも低下する場合、コントローラ8は、給排気部A内の状態に閉塞等の異常があると判別し、ファン電流値の変化量が閾値又はこれ以下である場合、コントローラ8は、給排気部A内の状態が正常であると判別する。
【0020】
給排気部A内の状態が正常である場合、コントローラ8は、ファン5の回転数を所定の回転数で一定にして、
図1に示す元弁71及び第1能力切換弁73aを開弁させると共に、比例弁71を開弁させて開度を制御して、バーナ3の第1部分3
1に供給される燃料ガスと燃焼空気の混合ガスの空燃比が爆発下限限界未満になるように調整し、上記の通りのパージ動作を実行する(STEP4)。また、パージ動作の実行開始時に、タイマーを起動させてパージ動作の継続時間を計測する。一方、給排気部A内の状態に異常がある場合、コントローラ8は、異常の報知をし、パージ動作を実行せず、燃焼の指示をキャンセルして、元弁71、比例弁72及び第1能力切換弁73aを閉弁させると共に、ファン5を停止させて試運転モードを終了する(STEP5)。
【0021】
給排気部A内の状態が正常である場合、コントローラ8は、次いで、空燃比が爆発下限限界未満の混合ガスをバーナ3の第1部分31に供給させながら、給排気部検出手段A1に給排気部A内の状態を再度検出させ、給排気部A内の状態に異常があるのか又は給排気部A内の状態が正常であるのかを再度判別する(STEP6)。給排気部A内の状態に異常がある場合、パージ動作を停止させ、STEP5に移行して異常の報知等を行い、試運転モードを終了する。給排気部A内の状態が正常である場合、パージ動作を継続させる。
【0022】
そして、コントローラ8は、タイマーで計測したパージ動作の継続時間が所定時間であるか否かを判別する(STEP7)。ここで、所定時間は、コントローラ8に設定され、この設定は、ユーザ又は施工者が任意に行うことができる。具体的な所定時間は、一般的には1分間が例示される。所定時間経過した場合、タイマーを停止し、上記の通りの通常燃焼モードに移行する(STEP8)。所定時間未満の場合にはSTEP6に戻る。
【0023】
また、コントローラ8は、通常燃焼モードが選択されて燃焼が指示されると、通常燃焼モードの制御を実行する。但し、通常燃焼モードを実行中に、イグナイタ32に通電して点火動作を所定回数繰り返し行わせてもフレームロッド33がバーナ3の第1部分31の着火を検知しない場合、コントローラ8は、上記の通りの試運転モードに移行する。試運転モードに移行する点火動作の所定回数はコントローラ8に予め設定されている。
【0024】
このような給湯用熱源機1aでは、試運転モードで行うパージ動作によって、ガス供給路7内の空気が燃料ガスで置換されるが、バーナ3の第1部分31に供給される混合ガスの空燃比は爆発下限限界未満であるため、試運転モードを実行中にバーナ3の第1部分31で爆着が発生するのを抑制することができる。したがって、パージ動作時の安全性が向上する。
【0025】
また、試運転モードでは、パージ動作に先立って、給排気部A内の状態に閉塞の発生等による異常があるのか、又は給排気部A内の状態が正常であるのかをコントローラ8が判別するため、給排気部A内の状態に異常があることに起因する、混合ガス中の空気量の低下や、排気したはずの混合ガスが排気路6に逆流するショートサーキット等に伴う混合ガスの空燃比の上昇を抑制することができる。したがって、パージ動作時に、バーナ3の第1部分31に爆発下限限界以上の混合ガスが供給されるのを抑制することができ、パージ動作の安全性がより向上する。
【0026】
さらに、通常燃焼モードであっても、バーナ3の第1部分31に供給される混合ガス中の空気量がバーナ3の第1部分31での着火に適さない過剰な量になっている場合、試運転モードに自動的に移行するため、ユーザや施工者が試運転モードに切り換える手間が省け、利便性が向上する。
【0027】
以上、本発明を一実施形態に関して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、バーナ3の構成やこれに伴うガス給気路7の構成には種々の態様が可能である。また、試運転モードで行うパージ動作では、比例弁72の開度の制御のみばかりでなく、バーナ3の第1部分31に供給される混合ガスの空燃比が爆発下限限界未満の値になるようにする限り、比例弁72の開度を所定の開度で一定にしてファン5の回転数を制御したり、比例弁72の開度及びファン5の回転数の両方を制御したりしてもよい。さらに、給排気部状態検出手段A1には、給排気部A内の適当な部位に設置可能な風量センサ等を採用することができる。風量センサの場合、給排気部A内の風量に関する閾値をコントローラ8に予め設定しておき、コントローラ8は、風量センサが検出する給排気部A内の風量が閾値未満である場合、給排気部A内の状態に閉塞等の異常があると判別し、閾値以上である場合、給排気部A内の状態は正常であると判別する。
【0028】
また、試運転モードは、給湯用熱源機1aの設置後の初回の燃焼の指示に実行されるだけではなく、ガス供給路7内が燃料ガスで置換された後にも実行可能である。さらに、
図2に示すSTEP3及びSTEP6は、いずれか一方を省略することが可能である。さらに、試運転モードでは、コントローラ8は、イグナイタ32に点火動作を実行させることもできる。この場合、仮に何らかの要因で混合ガスの空燃比が爆発下限限界以上になることがあっても、空燃比が爆発下限限界に達した正にその時にバーナ3の第1部分3
1が着火するため、爆着の発生は抑制される。そして、燃焼装置1としては、給湯用熱源機1aの他、暖房用熱源機等も例示される。
【符号の説明】
【0029】
1…燃焼装置、2a…燃焼室、3…バーナ、32…イグナイタ(点火手段)、33…フレームロッド(着火検知手段)、5…ファン、5a…給気路、6…排気路、7…ガス供給路、72…比例弁、8…コントローラ、A…給排気部、A1…給排気部状態検出手段。