(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】通信装置および通信方法
(51)【国際特許分類】
H04L 51/00 20220101AFI20240730BHJP
G06F 16/182 20190101ALI20240730BHJP
【FI】
H04L51/00
G06F16/182 100
(21)【出願番号】P 2020162243
(22)【出願日】2020-09-28
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】高橋 悟史
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-059961(JP,A)
【文献】特開2001-216221(JP,A)
【文献】特開2004-194080(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/00
G06F 16/182
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子メールにて送信可能なファイル容量の上限値を設定する送信ファイル設定部と、
送信ファイルのページ数を設定する送信ページ設定部と、
複数のページ数を含む送信ファイルが前記ファイル容量の上限値を超えた場合、前記上限値を超えない複数の分割送信ファイルに分割して指定されたアドレスに送信する通信部と、
前記複数の分割送信ファイルを結合するための結合用設定ファイルおよび結合用ツールの設定を受け付ける送信設定部と、
前記送信ファイル設定部、前記送信ページ設定部および前記通信部を制御する制御部とを備え、
前記通信部が
複数のページ数を含む送信ファイルを指定されたアドレスに送信する際に、前記送信ページ設定部によって設定されたページ数にすると前記ファイル容量の上限値を超えてしまう場合、前記制御部は、前記ファイル容量の上限値を超えないように前記送信ファイルのページ数を分割して前記通信部に送信させ、前記送信設定部の設定に応じて、
分割された送信ファイルを前記送信ページ設定部によって設定されたページ数のファイルにするための前記結合用設定ファイルおよび前記結合用ツールを前記通信部に併せて送信させることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記送信設定部の設定に応じて、前記結合用設定ファイルおよび前記結合用ツールを取得可能なウェブサイトのアドレス情報を前記指定されたアドレスに前記通信部に併せて送信させる請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記送信設定部は、前記通信部が前記送信ファイルを分割して前記複数の分割送信ファイルを送信する場合、前記結合用ツールを毎回送信すべきか否かの設定を受け付ける請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記結合用ツールを外部からアクセス可能に記憶した記憶部をさらに備えた請求項1~3のいずれか1つに記載の通信装置。
【請求項5】
前記結合用設定ファイルおよび前記結合用ツールを記憶した記憶部と、
前記結合用設定ファイルおよび前記結合用ツールを指定できるページを表示する表示部と、
ユーザーの操作を受け付ける操作部をさらに備え、
前記通信部が前記複数の分割送信ファイルを受信した場合、前記結合用設定ファイルおよび前記結合用ツールを指定できるページを前記表示部に表示させ、ユーザーの操作に基づき、前記複数の分割送信ファイルを結合する請求項1~3のいずれか1つに記載の通信装置。
【請求項6】
電子メールにて送信可能なファイル容量の上限値を設定する送信ファイル設定ステップと、
送信ファイルのページ数を設定する送信ページ設定ステップと、
複数のページ数を含む送信ファイルが前記ファイル容量の上限値を超えた場合、前記上限値を超えない複数の分割送信ファイルに分割して指定されたアドレスに送信する分割送信ステップと、
前記複数の分割送信ファイルを結合するための結合用設定ファイルおよび結合用ツールの設定を受け付ける送信設定ステップとを有し、
前記分割送信ステップにおいて、
複数のページ数を含む送信ファイルを指定されたアドレスに送信する際に、前記送信ページ設定ステップにおいて設定されたページ数にすると前記ファイル容量の上限値を超えてしまう場合、前記ファイル容量の上限値を超えないように前記送信ファイルのページ数を分割して送信し、前記送信ファイルを分割して前記複数の分割送信ファイルを指定されたアドレスに送信する場合、前記送信設定ステップの設定に応じて、
分割された送信ファイルを前記送信ページ設定ステップにおいて設定されたページ数のファイルにするための前記結合用設定ファイルおよび前記結合用ツールを併せて送信することを特徴とする通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置および通信方法に関し、より詳細には、画像等を含むファイルを電子メールで送信する機能を有する通信装置および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機などの装置において、画像を電子メールで送信する際、送信すべきファイルが予め定められた送信可能なファイル容量の上限を超えてしまい、送信できないことがある。
このような問題が生じたとき、従来、ファイルを分割して送信する機能を有する通信装置が知られている。
【0003】
このようなファイル分割機能を有する通信装置の発明として、従来、データ量が予め操作部で設定しておいた上限値を超える場合は複数の電子メールに分割するか画像データのデータ量を減らして送信させるデータ通信装置の発明が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、1つのメールの送信可能なファイル容量の上限サイズが決まっており、かつユーザーが指定するページ数でファイルを分割して作成する機能を有する通信装置の場合、送信可能なファイル容量の上限が優先され、ユーザーが指定したページ数の設定が無効にされることがあった。
その結果、ユーザーの望まないページ数で送信されてしまう問題があった。
【0006】
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、送信可能なファイル容量の上限を超えてしまう場合であっても、ユーザーが指定したページ数のファイルを受信者が取得できるようにファイルを送信する通信装置および通信方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、電子メールにて送信可能なファイル容量の上限値を設定する送信ファイル設定部と、送信ファイルのページ数を設定する送信ページ設定部と、複数のページ数を含む送信ファイルが前記ファイル容量の上限値を超えた場合、前記上限値を超えない複数の分割送信ファイルに分割して指定されたアドレスに送信する通信部と、前記複数の分割送信ファイルを結合するための結合用設定ファイルおよび結合用ツールの設定を受け付ける送信設定部と、前記送信ファイル設定部、前記送信ページ設定部および前記通信部を制御する制御部とを備え、前記通信部が前記送信ファイルを分割して前記複数の分割送信ファイルを指定されたアドレスに送信する場合、前記制御部は、前記送信設定部の設定に応じて、前記送信ページ設定部によって設定されたページ数のファイルにするための前記結合用設定ファイルおよび前記結合用ツールを前記通信部に併せて送信させることを特徴とする通信装置を提供する。
また、本発明は、電子メールにて送信可能なファイル容量の上限値を設定する送信ファイル設定ステップと、送信ファイルのページ数を設定する送信ページ設定ステップと、複数のページ数を含む送信ファイルが前記ファイル容量の上限値を超えた場合、前記上限値を超えない複数の分割送信ファイルに分割して指定されたアドレスに送信する分割送信ステップと、前記複数の分割送信ファイルを結合するための結合用設定ファイルおよび結合用ツールの設定を受け付ける送信設定ステップとを有し、前記分割送信ステップにおいて、前記送信ファイルを分割して前記複数の分割送信ファイルを指定されたアドレスに送信する場合、前記送信設定ステップの設定に応じて、前記送信ページ設定ステップにおいて設定されたページ数のファイルにするための前記結合用設定ファイルおよび前記結合用ツールを併せて送信することを特徴とする通信方法を提供する。
【0008】
本発明において、「通信装置」は、電子メールなど、画像等を含むファイルを外部の機器に送信する機能を有する装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、送信可能なファイル容量の上限を超えることにより、送信ファイルを分割しなければならない場合であっても、送信者が設定したページ数の送信ファイルを受信者が取得できるようにする通信装置および通信方法が実現される。
【0010】
さらに、本発明の好ましい態様について説明する。
【0011】
(2)前記制御部は、前記送信設定部の設定に応じて、前記結合用設定ファイルおよび前記結合用ツールを取得可能なウェブサイトのアドレス情報を前記指定されたアドレスに前記通信部に併せて送信させるものであってもよい。
【0012】
このようにすれば、送信可能なファイル容量の上限を超えることにより、送信ファイルを分割しなければならない場合であっても、所定のウェブサイトから取得した結合用設定ファイルおよび結合用ツールを用いることにより、送信者が設定したページ数の送信ファイルを受信者が取得できるようにする通信装置が実現される。
【0013】
(3)前記送信設定部は、前記通信部が前記送信ファイルを分割して前記複数の分割送信ファイルを送信する場合、前記結合用ツールを毎回送信すべきか否かの設定を受け付けるものであってもよい。
【0014】
このようにすれば、送信可能なファイル容量の上限を超えることにより、送信ファイルを分割しなければならない場合であっても、結合用ツールを毎回送信することにより、送信者が設定したページ数の送信ファイルを受信者が取得できるようにする通信装置が実現される。
【0015】
(4)前記結合用ツールを外部からアクセス可能に記憶した記憶部をさらに備えたものであってもよい。
【0016】
このようにすれば、送信可能なファイル容量の上限を超えることにより、送信ファイルを分割しなければならない場合であっても、外部からアクセス可能な結合用ツールを備えることにより、送信者が設定したページ数の送信ファイルを受信者が取得できるようにする通信装置が実現される。
【0017】
(5)前記結合用設定ファイルおよび前記結合用ツールを記憶した記憶部と、前記結合用設定ファイルおよび前記結合用ツールを指定できるページを表示する表示部と、ユーザーの操作を受け付ける操作部をさらに備え、前記通信部が前記複数の分割送信ファイルを受信した場合、前記結合用設定ファイルおよび前記結合用ツールを指定できるページを前記表示部に表示させ、ユーザーの操作に基づき、前記複数の分割送信ファイルを結合するものであってもよい。
【0018】
このようにすれば、送信可能なファイル容量の上限を超えることにより、送信ファイルを分割しなければならない場合であっても、記憶部に記憶された所定の結合用設定ファイルおよび結合用ツールを指定することにより、送信者が設定したページ数の送信ファイルを受信者が取得できるようにする通信装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態1に係るデジタル複合機の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示すデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示すデジタル複合機のファイル送信時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図1に示すデジタル複合機の送信ファイルおよび結合後のファイルの一例を示す説明図である。
【
図5】
図1に示すデジタル複合機のファイルの結合用ツールの送付設定・結合用Webページの一例を示す説明図である。
【
図6】
図1に示すデジタル複合機の送信ファイルの一例を示す説明図である。
【
図7】
図1に示すデジタル複合機の送信ファイルに添付された結合用ツールの実行画面の説明図である。
【
図8】
図1に示すデジタル複合機の送信ファイルに添付された結合用ツールを実行した後に表示される画面の一例を示す説明図である。
【
図9】
図1に示すデジタル複合機の送信ファイルの別の一例を示す説明図である。
【
図10】本発明の実施形態2に係るデジタル複合機のファイルの結合用ツールの送付設定・結合用Webページの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を用いて本発明をさらに詳述する。
なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、本発明を限定するものと解されるべきではない。
【0021】
〔実施形態1〕
図1および
図2に基づき、本発明の画像形成装置の一実施形態であるデジタル複合機1について説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係るデジタル複合機1の外観を示す斜視図である。また、
図2は、
図1に示すデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0022】
なお、本発明は、デジタル複合機1に限定されるものではなく、画像読取機能と電子メール送信機能を備えたすべての機器に適用可能である。
【0023】
デジタル複合機1は、画像データをデジタル処理し、複写機能やスキャナ機能、ファクシミリ機能を有するMFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)などの装置である。
【0024】
デジタル複合機1は、操作部172や通信部15を介して受付けたユーザーからの指示に基づき、スキャン、印刷、コピーまたは画像送信(Scan to Email, Scan to Ftp)等のジョブを実行する。
【0025】
図2に示すように、デジタル複合機1は、制御部10、画像取得部11、画像形成部12、記憶部13、画像処理部14、通信部15、給紙部16、パネルユニット17、送信ファイル設定部18、送信ページ設定部19および送信設定部20を備える。
【0026】
以下、デジタル複合機1の各構成要素を説明する。
【0027】
制御部10は、デジタル複合機1を統合的に制御するものであって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース回路等からなる。
制御部10は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、モーター、クラッチ、パネルユニット17等、あらゆる負荷の監視・制御をおこなう。
【0028】
画像取得部11は、原稿台に置かれた原稿や原稿トレイから搬送されてきた原稿を検知して読み取り、画像データを生成する部分である。また、外部の情報処理装置(不図示)またはファクシミリ装置(不図示)等で生成された画像データを取得する部分である。
なお、画像データを外部の情報処理装置等から取得する場合、有線または無線ネットワークを経由して画像データを取得するものであっても、またはUSB等に記録された画像データを取得するものであってもよく、また、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0029】
画像形成部12は、画像処理部14によって生成された画像データを用紙上に印刷出力する部分であり、LSU121を備える。
LSU121は、画像取得部11によって取得されたデジタル信号からなる画像情報に対応するレーザー光を帯電状態にある感光体ドラムの表面に照射して、静電潜像を形成する装置である。
【0030】
記憶部13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD等の記憶媒体が用いられる。
なお、データを保持する領域がハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域がフラッシュ記憶部で構成されるといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0031】
画像処理部14は、画像取得部11によって読み取られた原稿画像を適正な電気信号に変換して画像データを生成し、画像取得部11から入力された画像データを操作部172からの指令に従い、拡大・縮小等の出力に適するように処理をおこなう部分である。
【0032】
通信部15は、ネットワーク等を介して、コンピュータや携帯情報端末、外部の情報処理装置やファクシミリ装置等との通信をおこない、電子メールやFAXなどの種々の情報をこれら外部の通信装置と送受信する部分である。
【0033】
給紙部16は、給紙カセット、手差トレイに格納された用紙を画像形成部12まで搬送する部分である。
【0034】
パネルユニット17は、表示部171および操作部172を備える。
【0035】
表示部171は、各種情報の表示をおこなう部分である。表示部171は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。制御部10は、表示部171を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示をおこなう。
【0036】
操作部172は、タッチパネルを備え、ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0037】
送信ファイル設定部18は、通信部15が電子メールにて送信可能なファイル容量の上限値を設定する部分である。
【0038】
送信ページ設定部19は、ユーザーによる電子メールの送信ファイルのページ数の設定を受け付ける部分である。
【0039】
送信設定部20は、複数の分割送信ファイルを結合するための結合用設定ファイルおよび結合用ツールの設定を受け付ける部分である。
【0040】
<ファイル送信時の処理>
次に、
図3~
図9に基づき、本発明の実施形態1に係るデジタル複合機1のファイル送信時の処理について説明する。
図3は、
図1に示すデジタル複合機1のファイル送信時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0041】
図3のステップS1において、制御部10は、予め設定された送信可能なファイル容量の上限値を超えた場合にファイルを分割して送信すべき設定が有効か否かを判定する(ステップS1)。
【0042】
ファイル容量の上限値を超えた場合にファイルを分割して送信すべき設定が有効でない場合(ステップS1の判定がNoの場合)、制御部10は、受け付けたファイルをそのまま送信する。
【0043】
一方、ファイル容量の上限値を超えた場合にファイルを分割して送信すべき設定が有効な場合(ステップS1の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS2において、ユーザーが指定するページ数でファイルを作成すべき設定が有効か否かを判定する(ステップS2)。
【0044】
ユーザーが指定するページ数でファイルを作成すべき設定が有効でない場合(ステップS2の判定がNoの場合)、ステップS3において、制御部10は、予め定められた設定に基づき、ファイルの容量が上限値を超えた場合にファイルの分割処理を実行する(ステップS3)。
【0045】
一方、ユーザーが指定するページ数でファイルを作成すべき設定が有効な場合(ステップS2の判定がYesの場合)、ステップS4において、制御部10は、ファイルに含める画像サイズを計算する(ステップS4)。
【0046】
続いて、ステップS5において、制御部10は、ファイル容量が上限値を超えたか否かを判定する(ステップS5)。
【0047】
ファイル容量が上限値を超えた場合(ステップS5の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS6において、ファイルに含める画像のサイズを減らした上でサイズの再計算を行う(ステップS6)。
【0048】
このとき、ユーザーが指定するページ数にするとファイル容量の上限値を超えてしまう場合は、ファイル容量を超えないようにページ数を分割する。
その後、制御部10は、処理をステップS5の判定に戻す(ステップS5)。
【0049】
次に、ステップS5において、ファイル容量が上限値を超えていない場合(ステップS5の判定がNoの場合)、ステップS7において、制御部10はファイルを作成する(ステップS7)。
【0050】
次に、ステップS8において、制御部10は、次のページがあるか否かを判定する(ステップS8)。
【0051】
次のページがある場合(ステップS8の判定がYesの場合)、制御部10は、処理をステップS4に戻し、次のページについて同様の処理を行う。
【0052】
一方、次のページがない場合(ステップS8の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS9において、ユーザーによって指定されたページ数よりも少ないページ数のファイルがあるか否かを判定する(ステップS9)。
【0053】
ユーザーによって指定されたページ数よりも少ないページ数のファイルがない場合(ステップS9の判定がNoの場合)、制御部10は、ファイルの送信を実行する。
【0054】
一方、ユーザーによって指定されたページ数よりも少ないページ数のファイルがある場合(ステップS9の判定がYesの場合)、ステップS10において、制御部10は、結合用設定ファイルを作成した上で添付する(ステップS10)。
【0055】
図4は、
図1に示すデジタル複合機1の送信ファイルおよび結合後のファイルの一例を示す説明図である。
【0056】
図4の例において、ユーザー指定のページ数が3ページであるにもかかわらず、ファイル容量の上限値を超えるため、2ページの画像ファイル「001.pdf」と1ページの画像ファイル「002.pdf」の3ページ未満の2つのファイルが作成された場合を想定している。
【0057】
この場合、これらの2つの画像ファイルの結合用の設定ファイル「file.conf」も併せて添付する。
【0058】
そして、ファイルの送信後、これら3つのファイルを受信したユーザーは、結合用の設定ファイルを実行して2つの画像ファイルを結合する。
その結果、
図4(B)に示すように、3ページの画像ファイル「image001.pdf」が生成される。
【0059】
次に、
図3のステップS11において、制御部10は、ファイルの結合用ツールの添付設定が有効か否かを判定する(ステップS11)。
【0060】
図5は、
図1に示すデジタル複合機1のファイルの結合用ツールの送付設定・結合用Webページの一例を示す説明図である。
【0061】
図5に示すように、「結合用ツールの送付設定」として、ユーザーは、「結合用ツールをメールに添付する」または「結合用ツールをメールに添付しない」のいずれかの項目にチェックを入れる。
【0062】
また、ユーザーは、「ダウンロード」ボタンを押すことで、結合用ツールをダウンロードすることもできる。
また、ユーザーは、「結合を実行」ボタンを押すことで、ファイルを結合することもできる。
【0063】
図3のステップS11において、結合ツールの添付設定が有効な場合(ステップS11の判定がYesの場合)、ステップS12において、制御部10は、送信メールに結合用のツールを添付し(ステップS12)、ファイルの送信を実行する。
【0064】
図6は、
図1に示すデジタル複合機1の送信ファイルの一例を示す説明図である。
図6(A)(B)に示すように、2つに分割された画像ファイル「001.pdf」および「002.pdf」がそれぞれ送信ファイル1および送信ファイル2に分割して送信される。
【0065】
また、送信ファイル2には、結合用の設定ファイル「file.conf」および結合用ツール「tool.exe」も併せて添付される。
【0066】
図7は、
図1に示すデジタル複合機1の送信ファイルに添付された結合用ツールの実行画面の説明図である。
【0067】
図7の例において、メールで送信された設定ファイル「file.conf」および結合する画像ファイル「001.pdf」「002.pdf」が指定された状態でユーザーが「結合」ボタンを押すと、ファイルの結合が実行される。
【0068】
図8は、
図1に示すデジタル複合機1の送信ファイルに添付された結合用ツールを実行した後に表示される画面の一例を示す説明図である。
【0069】
図8に示すように、「結合したファイルを以下より取得してください」というメッセージとともに、結合ファイルが格納されたページのURL「http://xxxx.xxxxx.xxxx.xxxx.xxxxx」が表示される。
【0070】
ユーザーは、当該URLをクリックすることで、2つの画像ファイル「001.pdf」「002.pdf」の結合ファイル「image001.pdf」を取得することができる。
【0071】
一方、
図3のステップS11において、結合ツールの添付設定が有効でない場合(ステップS11の判定がNoの場合)、ステップS13において、制御部10は、送信メールの本文にツールのURLを記載し(ステップS13)、ファイルの送信を実行する。
【0072】
図9は、
図1に示すデジタル複合機1の送信ファイルの別の一例を示す説明図である。
図9(A)(B)に示すように、2つに分割された画像ファイル「001.pdf」および「002.pdf」がそれぞれ送信ファイル1および送信ファイル2に分割して送信される。
【0073】
また、送信ファイル2には、結合用の設定ファイル「file.conf」も併せて添付される。
さらに、送信ファイル2のメール本文に「ファイル結合用のツールは以下のURLより取得してください」として、URL「http://xxxx.xxxx.xxxx.xx」が記載される。
【0074】
ユーザーは、当該URLをクリックすることで、2つの画像ファイル「001.pdf」「002.pdf」の結合用のツールを取得することができる。
【0075】
このようにして、送信可能なファイル容量の上限を超えることにより、送信ファイルを分割しなければならない場合であっても、送信者が設定したページ数の送信ファイルを受信者が取得できるようにするデジタル複合機1を実現することができる。
【0076】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係るデジタル複合機1のファイル送信設定として、
図10に示すように、ファイルの結合用ツールを毎回送信すべきか否かを送信者が設定できるようにしてもよい。
【0077】
ユーザーが結合用ツールを一緒に送信すべき設定をした場合は、制御部10は、通信部15に結合用ツールを毎回送信させる。
【0078】
一方、ユーザーが結合用ツールを一緒に送信しない設定をした場合は、結合用ツールを送信しない代わりに、送信ファイルのメール本文に「ファイル結合用のツールは以下のURLより取得してください」として、URL「http://xxxx.xxxx.xxxx.xx」が記載される。
この場合、当該メールには、結合用の設定ファイル「file.conf」も併せて添付される。
【0079】
なお、結合用ツールをダウンロードする場合は、URLに接続している装置の使用環境を考慮して、当該使用環境に適した結合用ツールを自動選択するようにしてもよい。
【0080】
このようにして、送信可能なファイル容量の上限を超えてしまう場合であっても、ユーザーが指定したページ数のファイルを受信者が取得できるようにファイルを送信するデジタル複合機1において、ファイルの結合用ツールを毎回送信すべきか否かを送信者が設定できるデジタル複合機1を実現することができる。
【0081】
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3に係るデジタル複合機1のファイル送信設定として、デジタル複合機1本体でファイルを結合できる機能を提供するようにしてもよい。
【0082】
この場合、デジタル複合機1の本体のWebページにファイル結合用の設定ファイルと、結合すべきファイルを指定できるページを表示部171に表示させる。
ユーザーは、当該Webページで、ファイル結合用の設定ファイルと、結合すべきファイルを指定する。
【0083】
制御部10は、ユーザーによって指定された結合用の設定ファイルを読み込み、結合すべきファイル同士を結合し、結合後のファイル名を設定して、ユーザーが当該結合ファイルをダウンロード可能なURLを表示部171に表示させる。
【0084】
ユーザーは、当該URLを指定することで、結合ファイルをダウンロードすることができる。
【0085】
このようにして、送信可能なファイル容量の上限を超えてしまう場合であっても、ユーザーが指定したページ数のファイルを受信者が取得できるようにファイルを送信するデジタル複合機1において、ファイルの受信後、デジタル複合機1の本体のWebページ上で結合すべきファイルを指定し、所定のURLから結合ファイルをダウンロードできるデジタル複合機1を実現することができる。
【0086】
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4に係るデジタル複合機1のWebサービスとして、PDFなどのファイルを結合できる機能を併せて提供するようにしてもよい。
【0087】
例えば、メールにて送信したファイルと、併せて送信した設定ファイルをドラッグ&ドロップすることで、当該設定ファイルに従ったファイルの結合を実施可能にする。
【0088】
このようにして、送信可能なファイル容量の上限を超えてしまう場合であっても、ユーザーが指定したページ数のファイルを受信者が取得できるようにファイルを送信するデジタル複合機1において、ファイルの受信後、併せて提供されるWebサービスにおいて、ファイルを結合できるデジタル複合機1を実現することができる。
【0089】
本発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
前述した実施の形態の他にも、本発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、本発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。本発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0090】
1:デジタル複合機、 10:制御部、 11:画像取得部、 12:画像形成部、 13:記憶部、 14:画像処理部、 15:通信部、 16:給紙部、 17:パネルユニット、 18:送信ファイル設定部、 19:送信ページ設定部、 20:送信設定部、 121:LSU、 171:表示部、 172:操作部