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特許7529565血管アクセスグラフトのカニューレ挿入のための装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】血管アクセスグラフトのカニューレ挿入のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/36 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
A61M1/36 141
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020502524
(86)(22)【出願日】2018-03-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-30
(86)【国際出願番号】 US2018025414
(87)【国際公開番号】W WO2018183854
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-03-19
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-28
(31)【優先権主張番号】62/479,791
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519352399
【氏名又は名称】インナバスク メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(72)【発明者】
【氏名】ゲイジ ショーン エム
(72)【発明者】
【氏名】ローソン ジェフリー エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ナイト ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ニコルス クレイグ
【合議体】
【審判長】佐々木 正章
【審判官】井上 哲男
【審判官】土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0018721(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0245536(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0336682(US,A1)
【文献】特表2002-515798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動静脈透析グラフトが、長手流路を定める可撓性導管を含み、該可撓性導管が、被験者の動脈に接続するように構成された第1の末端部分と被験者の静脈に接続するように構成された第2の末端部分とを有し、そのために血液が、該可撓性導管の該長手流路を通って該第1の末端部分から該第2の末端部分まで流れ、カニューレ挿入チャンバが、カニューレ挿入ポートを定め、該可撓性導管が、該カニューレ挿入ポートを通して挿入された透析ニードルを受け入れるために該カニューレ挿入チャンバを通って延びる、被験者の身体に皮下移植された動静脈透析アクセスグラフトの透析ニードルを用いてカニューレ挿入を誘導するための誘導装置であって、
第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間で延びる長手軸線と、内面と、を有する細長本体部材であって、
前記本体部材の前記長手軸線に実質的に平行な長手縁部を有する細長のベース部分であって、該ベース部分の該長手縁部間の距離が、前記カニューレ挿入チャンバの横寸法に実質的に等しい、前記ベース部分と、
前記ベース部分の前記長手縁部から延びる脚であって、該ベース部分及び脚が、前記カニューレ挿入チャンバを受け入れるための開口長手チャネルを定める前記脚と、を含む、
前記本体部材を含み、
前記本体部材は、該本体部材を通して前記カニューレ挿入チャンバの中へのニードル挿入の場所を誘導するように前記ベース部分の内面を前記カニューレ挿入ポートと位置合わせするために前記脚が該カニューレ挿入チャンバと係合するように、該カニューレ挿入チャンバに、前記本体部材と前記カニューレ挿入チャンバとの間に皮膚を挟んで、前記脚と前記カニューレ挿入チャンバとの間の嵌合または前記本体部材と前記カニューレ挿入チャンバとの間の磁力により固定されるようになっている、
誘導するための誘導装置。
【請求項2】
前記本体部材は、前記カニューレ挿入チャンバの第1の端部から第2の端部まで延びるようになっている、請求項1に記載の誘導装置。
【請求項3】
前記本体部材は、前記透析ニードルを通すために該本体部材の前記内面の中に開く少なくとも1つの通路を有する請求項1に記載の誘導装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの通路は、前記本体部材の前記内面に対して90°より大きい角度又は90°よりも小さい角度で延びる請求項3に記載の誘導装置。
【請求項5】
動静脈透析グラフトが、長手流路を定める可撓性導管を含み、該可撓性導管が、被験者の動脈に接続するように構成された第1の末端部分と被験者の静脈に接続するように構成された第2の末端部分とを有し、そのために血液が、該可撓性導管の該長手流路を通って該第1の末端部分から該第2の末端部分まで流れ、カニューレ挿入チャンバが、カニューレ挿入ポートを定め、該可撓性導管が、該カニューレ挿入ポートを通して挿入された透析ニードルを受け入れるために該カニューレ挿入チャンバを通って延びる、被験者の身体に皮下移植された動静脈透析アクセスグラフトの透析ニードルを用いてカニューレ挿入を誘導するための誘導装置であって、
第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間で延びる長手軸線と、内面と、を有する細長本体部材であって、
前記本体部材の前記長手軸線に実質的に平行な長手縁部を有し側壁を有する細長のベース部分であって、該ベース部分の該長手縁部間の距離が、前記カニューレ挿入チャンバの横寸法に実質的に等しく、前記側壁が、該ベース部分の上面から垂れて、長手方向に離間したノッチを定める、
前記本体部材を含み、
前記本体部材は、該本体部材を通して前記カニューレ挿入チャンバの中へのニードル挿入の場所を誘導するように前記ベース部分の内面を前記カニューレ挿入ポートと位置合わせするために前記ノッチが該カニューレ挿入チャンバを受け入れるように、前記本体部材と前記カニューレ挿入チャンバとの間に皮膚を挟んで、前記ノッチと前記カニューレ挿入チャンバとの間の嵌合または前記本体部材と前記カニューレ挿入チャンバとの間の磁力により該カニューレ挿入チャンバに固定されるようになっている、
誘導するための誘導装置。
【請求項6】
前記本体部材は、前記カニューレ挿入チャンバの第1の端部から第2の端部まで延びるようになっている、請求項5に記載の誘導装置。
【請求項7】
前記本体部材は、前記透析ニードルを通すために該本体部材の前記内面の中に開く少なくとも1つの通路を有する請求項5に記載の誘導装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの通路は、前記本体部材の前記内面に対して90°より大きい角度又は90°よりも小さい角度で延びる請求項7に記載の誘導装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔相互参照〕
【0002】
この出願は、発明者としてShawn M.Gage及びJeffrey H.Lawsonの名前が挙がる「血管アクセスグラフトのカニューレ挿入のための装置及び方法」という名称の2017年3月31日出願の米国仮特許出願第62/479,791号に関連する。この米国仮特許出願の内容は、その全体が引用によって本明細書に組み込まれ、この米国仮特許出願の出願日付の利益は、出願日付の利益に関するそのような主張によって法律的に果たされる全ての目的に対してこれにより主張するものである。
【0003】
血液透析と血管アクセスを必要とする他の手順とを受け入れる手段として使用するための外科的に生成された血管アクセスのニードルアクセスのための装置及び方法、より具体的には、移植後にカニューレ挿入部位の位置付けを可能にする動静脈グラフト又は動静脈フィステルの血管アクセスのための装置及び方法を説明する。
【背景技術】
【0004】
血液透析は、末期腎疾患の患者のための生命維持治療である。血液透析は、大量の血液が身体から取り出され、廃棄物を除去する機械を通じて濾過され、次に身体の中に戻される処理である。
【0005】
透析中に血液が取り出されて戻されることになる身体上の血管アクセス部位は、血液透析を開始する前に準備される。動静脈フィステル(「AVF」)の生成は、静脈が動脈に直接に接続される外科的手順で達成される。動脈と静脈の間の接続は、合成材料から作られて皮膚のすぐ下に移植される動静脈グラフト(「AVG」)を使用して形成することができる。AVGのための配置部位は、以下に限定されないが、直線又はループ構成のいずれかで前腕、上腕、首、胸、及び大腿部を含む。外科的に位置決めされた状態で、AVGは、血液透析中に血液アクセスのために繰り返し使用することができる導管になる。ニードルは、皮膚を通してグラフトをカニューレ挿入し、グラフトの壁を直接に穿刺するのに使用される。従来の血液透析では、2つのカニューレがアクセスグラフトに置かれ、1つのニードル穿刺が動脈側のグラフト壁に作られ、別のニードル穿刺が静脈側に作られる。透析中に、血液は、グラフトの動脈側から引き出され、血液透析機を通過し、次にグラフトの静脈側に挿入された第2のニードルを通じて患者に戻される。
【0006】
血液透析手順での重要な段階は、ニードル穿刺を行うためのグラフト内の適正な位置を「見つけること」である。更に、従来の透析プロトコルは、1週間に少なくとも3回透析手順を患者に受けさせることを要求する。その結果、皮膚及び下に重なる組織は、移植されたAVGの中への浸入を得るために毎週何度も穿刺される。血液透析のためにAVF又はAVGをカニューレ挿入する技術は、かなりの技能を必要とする。血管アクセスは、多くの場合に皮膚の面の下の数センチメートルに位置し、かつ目視検査によって位置付けることはできない。医療技術者は、触診によってAVF又はAVGを位置付けることを要求され、これは、極度に困難である可能性がある。血管アクセスの穿刺は、間違い及び合併症を起こしやすい。不正確に行われた穿刺は、アクセスの破裂、出血、血腫形成、仮性動脈瘤形成、激痛、又はグラフトの内腔内の組織化された血栓の発症を促進する場合がある。そのような血塊の形成は、多発性グラフト血栓症をもたらす場合があるだけでなく、最終的にグラフト不全に至る場合がある。完全に血管アクセスを欠くこと又はAVF又はAVGデバイスの内腔内のニードルの不適切な位置決めは、グラフトが利用できる状態に留まる時間に悪影響を及ぼす2つの禁忌である。皮膚を通して触診する従来の方法を単に使用することによってカニューレ挿入区域を位置付けることは、信頼性を欠く場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第9,585,998号明細書
【文献】米国公開出願第2014/0336682号明細書
【文献】米国特許第4,268,983号明細書
【文献】米国特許第5,358,281号明細書
【文献】米国特許第4,121,003号明細書
【文献】米国特許第5,633,058号明細書
【非特許文献】
【0008】
【文献】Ji他(2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上の理由により、移植の後の血管アクセスのアクセス領域の正確な識別を含む血管アクセスグラフト又はフィステルの適正なカニューレ挿入のための装置及び方法に対する必要性が存在する。新規な装置は、皮膚を通した挿入を通じて血管アクセスに導入された透析ニードル及びカニューレなどの移植AVF又はAVGの中への正確かつ再現可能な侵入を血管アクセスのユーザが容易にすることを可能にすることにより、移植AVF又はAVGデバイスへのアクセスを改善すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
被験者の身体に皮下移植された動静脈透析アクセスグラフトの透析ニードルを用いてカニューレ挿入を誘導するための装置を提供する。動静脈透析グラフトは、長手流路を定める可撓性導管を含み、それは、被験者の動脈に接続するように構成された第1の末端部分と被験者の静脈に接続するように構成された第2の末端部分とを有し、そのために血液は、導管の長手流路を通って第1の末端部分から第2の末端部分まで流れる。カニューレ挿入チャンバが、カニューレ挿入ポートを定め、導管は、カニューレ挿入ポートを通して挿入されたニードルを受け入れるためにカニューレ挿入チャンバを通って延びる。誘導装置は、長手軸線と内面とを有する細長本体部材を含む。本体部材は、長手縁部内で終端するベース部分を含む。ベース部分の長手縁部間の距離は、カニューレ挿入チャンバの横寸法に実質的に等しい。脚が、ベース部分の長手縁部から延び、脚は、長手縁部内で終端する。ベース部分及び脚は、カニューレ挿入チャンバを受け入れるための開口長手チャネルを定める。本体部材は、本体部材を通ってカニューレ挿入チャンバの中へのニードル挿入の場所を誘導するようにベース部分の内面をカニューレ挿入ポートと位置合わせするために脚がカニューレ挿入チャンバと作動的に係合するように、皮下カニューレ挿入チャンバに隣接して固定されるようになっている。
【0011】
一態様では、本体部材は、第1の端部及び第2の端部を有し、本体部材は、カニューレ挿入チャンバの第1の端部から第2の端部まで延びるようになっている。本体部材は、ニードルを通すために本体部材の内面の中に開く少なくとも1つの通路を有することができる。
【0012】
別の態様では、カニューレ挿入チャンバ及び本体部材の少なくとも一部分は、実質的に磁性又は常磁性の材料を含む。
【0013】
別の実施形態では、被験者の身体に皮下移植された動静脈透析アクセスグラフトの透析ニードルを用いてカニューレ挿入を誘導するための装置を提供する。動静脈透析グラフトは、長手流路を定めて被験者の動脈に接続するように構成された第1の末端部分と被験者の静脈に接続するように構成された第2の末端部分とを有する可撓性導管を含み、そのために血液は、導管の長手流路を通って第1の末端部分から第2の末端部分まで流れる。カニューレ挿入チャンバが、第1の末端部分と第2の末端部分の間にカニューレ挿入ポートを定め、導管は、カニューレ挿入ポートを通して挿入されたニードルを受け入れるためにカニューレ挿入チャンバを通って延びる。誘導装置は、長手軸線を有する細長管状スリーブを含む。スリーブは、カニューレ挿入チャンバの長手寸法及び横寸法に実質的に等しいようになった長手寸法及び横寸法を有する開口部を定める。スリーブは、カニューレ挿入ポートの中へのニードル挿入の場所を誘導するように開口部がカニューレ挿入チャンバを取り囲むように、アクセスグラフトの皮下カニューレ挿入チャンバに隣接して被験者の身体を収容するように構成される。
【0014】
一態様では、スリーブの材料は、フィルム、紙、織布、又は不織布から選択される。
【0015】
更に別の実施形態では、被験者の身体に皮下移植された動静脈透析アクセスグラフトの透析ニードルを用いてカニューレ挿入を誘導するための装置を提供する。動静脈透析グラフトは、長手流路を定めて被験者の動脈に接続するように構成された第1の末端部分と被験者の静脈に接続するように構成された第2の末端部分とを有する可撓性導管を含み、そのために血液は、導管の長手流路を通って第1の末端部分から第2の末端部分まで流れる。カニューレ挿入チャンバが、第1の末端部分と第2の末端部分の間にカニューレ挿入ポートを定める。導管は、カニューレ挿入ポートを通して挿入されたニードルを受け入れるためにカニューレ挿入チャンバを通って延びる。誘導装置は、長手軸線と内面とを有する細長本体部材を含む。本体部材は、長手縁部内で終端するベース部分を含み、ベース部分の長手縁部間の距離は、カニューレ挿入チャンバの横寸法に実質的に等しい。細長管状スリーブが、長手軸線を有し、スリーブは、本体部材を受け入れるように構成された長手寸法及び横寸法を有するポケットを定める。本体部材は、本体部材を通ってカニューレ挿入チャンバの中へのニードル挿入の場所を誘導するためにベース部分の内面がカニューレ挿入ポートと位置合わせするように、皮下カニューレ挿入チャンバに隣接して固定されるようにスリーブのポケットに受け入れられるようになっている。
【0016】
キットも、同じく提供され、かつ被験者の身体に皮下移植された動静脈透析アクセスグラフトにアクセスするための少なくとも1つの透析ニードルを含む。動静脈透析グラフトは、長手流路を定めて被験者の動脈に接続するように構成された第1の末端部分と被験者の静脈に接続するように構成された第2の末端部分とを有する可撓性導管を含み、そのために血液は、導管の長手流路を通って第1の末端部分から第2の末端部分まで流れる。カニューレ挿入チャンバが、カニューレ挿入ポートを定め、導管は、カニューレ挿入ポートを通して挿入されたニードルを受け入れるためにカニューレ挿入チャンバを通って延びる。分配容器が、長手軸線と内面とを各本体部材が有する複数の細長本体部材を収容するために設けられる。本体部材は、長手縁部内で終端するベース部分を含み、ベース部分の長手縁部間の距離は、カニューレ挿入チャンバの横寸法に実質的に等しい。本体部材は、ニードル挿入の場所を誘導するようにベース部分の内面をカニューレ挿入ポートと位置合わせするために脚がカニューレ挿入チャンバと作動的に係合するように、皮下カニューレ挿入チャンバに隣接して固定されるようになっている。各本体部材は、ニードルを通すために本体部材の内面の中に開く少なくとも1つの通路を有し、本体部材のニードル通路は、いずれの他の本体部材のニードル通路とも異なる位置にある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明のより完全な理解のために、添付図面に示して以下に説明する実施形態をここで参照しなければならない。
【0018】
図1】カニューレ挿入チャンバを含む動静脈グラフトのカニューレ挿入のためのアプリケータデバイスの実施形態の分解斜視図である。
図2】皮下カニューレ挿入チャンバ上の位置にある図1に示すようなアプリケータデバイスの縦断面図である。
図3図1に示すようなアプリケータデバイスの上部及び底部斜視図、側部及び端部立面面、及び上部及び底部平面図である。
図4図1に示すようなカニューレ挿入チャンバを含む動静脈グラフトのカニューレ挿入のためのアプリケータデバイスの第2の実施形態の上部及び底部斜視図、側部及び端部立面面、及び上部及び底部平面図である。
図5A】カニューレ挿入チャンバを含む動静脈グラフトの一部分の実施形態の斜視図である。
図5B図5Aに示すようなカニューレ挿入チャンバを含む動静脈グラフトのカニューレ挿入のためのアプリケータデバイスの第3の実施形態の分解斜視図である。
図6】順次離間したニードル通路が貫通する複数のアプリケータデバイスの斜視図である。
図7】ニードル通路がアプリケータデバイスを通して斜めに角度の付いた図6に示すような複数のアプリケータデバイスの斜視図である。
図8A】包装されたアプリケータデバイスのための分配カートリッジの斜視図である。
図8B】包装されたアプリケータデバイスのための分配カートリッジの斜視図である。
図9】1対のカニューレ挿入チャンバを含む動静脈グラフトのカニューレ挿入を誘導するための1対の接着剤アプリケータデバイスの実施形態の上部平面図である。
図10】1対のカニューレ挿入チャンバを含む皮下動静脈グラフトを含む腕上の位置にある図9に示すような1対の接着剤アプリケータデバイスの上部平面図である。
図11A】動静脈グラフトのカニューレ挿入のためのアプリケータデバイス及びスリーブの第4の実施形態の斜視図である。
図11B】動静脈グラフトのカニューレ挿入のためのアプリケータデバイス及びスリーブの第4の実施形態の斜視図である。
図12】血液透析を達成するための1対のカニューレ挿入チャンバ(図示せず)の各々を含む皮下動静脈グラフトのカニューレ挿入を誘導するための接着剤アプリケータデバイスの実施形態の上部平面図である。
図13】仮想線に示す1対のカニューレ挿入チャンバの各々を含む皮下動静脈グラフトのカニューレ挿入を誘導するための脆弱な接着剤アプリケータデバイスの実施形態の上部平面図である。
図14】仮想線に示す1対のカニューレ挿入チャンバの各々を含む皮下動静脈グラフトのカニューレ挿入を誘導するための脆弱な接着剤アプリケータデバイスの別の実施形態の上部平面図である。
図15A】皮下動静脈グラフトのカニューレ挿入に使用するための可撓性ストラップの斜視図である。
図15B】皮下動静脈グラフトのカニューレ挿入に使用するための可撓性ストラップの立面面である。
図16】皮下動静脈グラフト(図示せず)のカニューレ挿入を誘導するための腕上のアプリケータデバイス上の定位置にある図15A及び15Bに示すような1対のストラップの上部平面図である。
図17】仮想線に示す1対のカニューレ挿入チャンバの各々を含む皮下動静脈グラフトのカニューレ挿入を誘導するための腕上の定位置にある図15A及び15Bに示すような1対のストラップの上部平面図である。
図18】仮想線に示す1対のカニューレ挿入チャンバの各々を含む皮下動静脈グラフトのカニューレ挿入を誘導するための腕上の定位置にあるスリーブの実施形態の上部平面図である。
図19】皮下動静脈グラフトのカニューレ挿入を誘導するためのアプリケータデバイスを受け入れるためのポケットを示す図18に示すようなスリーブの接近斜視図である。
図20】アプリケータデバイスを含む図18に示すようなスリーブの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書に使用される場合に用語「血管アクセス」は、血液が動脈から静脈に流れる際に通る動脈及び静脈系の間の意図する外科的接続を意味するのに使用される。上述のように、これは、静脈を動脈に直接に接続することにより(AVF)、又は動脈及び静脈系を接続するために合成又は自己移植導管を利用することにより(AVG)達成することができる。当業技術で公知であり、かつ本発明を実施するのに利用することができる多くのタイプのAVG及び関連の構成要素があるので、これらの構成要素のより詳細な説明は必要ではない。本発明がいずれの特定のタイプのAVGにも向けられないことは理解される。本明細書に説明する血管アクセスグラフト装置及び方法は、血管アクセスを必要とする医療手順に使用するためのものである。従って、本明細書に説明する特徴は、以下に限定されないが、その内容がこれによりその全体が引用によって本明細書に組み込まれる米国特許第9,585,998号明細書によって説明されるAVGを含むAVGのあらゆる従来の血管アクセスグラフトと共に使用することができる。類似の用途は、その内容が同じく引用によってその全体が本明細書に組み込まれる米国特許公開出願第2014/0336682号明細書に図示かつ説明されている。従って、構成要素の全ての機能及びグラフトの使用の詳細説明は、当業者による本発明の説明の理解に関して不要と考えられる。
【0020】
ある一定の専門用語は、単に便宜的に本明細書に使用され、制限すると取るべきではない。例えば、「上側」、「下側」、「左」、「右」、「水平」、「垂直」、「上向き」、「下向き」、「上部」、及び「底部」のような単語は、図に示す構成を単に説明するものである。実際に、構成要素は、あらゆる方向に向けることができ、専門用語は、従って、それ以外の定めがない限りそのような変形を包含することを理解しなければならない。単語「内部」及び「外部」は、コア及びその指定された部分の幾何学中心にそれぞれ向う及びそこから離れる方向を指す。専門用語は、具体的に上述した単語、その派生語、及び類似の意味の単語を含む。
【0021】
類似の参照番号がいくつかの図を通して対応する又は類似の要素を指定する図面をここで参照すると、動脈を静脈に接続するための血管アクセスグラフトが図1に示されており、全体が40で指定されている。血管アクセスグラフト40は、血液のような流体を誘導するための生体適合性材料の管状部分42を含む。従来通り、管状部分42は、動脈に第1の端部で吻合され、第2の端部(図示せず)で静脈に吻合される。1対の離間したカニューレ挿入チャンバ44は、血管アクセスグラフト40の動脈側及び静脈側と流体連通する管状部分の長さに沿って中間に配置される。
【0022】
移植された血管アクセスグラフト40のカニューレ挿入のためのニードル挿入場所を識別するのに使用するためのアプリケータデバイスも図1に示されており、全体が50で指定されている。アプリケータデバイス50は、カニューレ挿入チャンバ44の予め決められた部分の中へのニードルの高度に局在化した正確な送出を可能にする血管アクセスグラフト40のカニューレ挿入チャンバ44に対して適応可能である。本明細書に使用するような用語「適応可能」は、カニューレ挿入チャンバ44に対してアプリケーションデバイス50を位置決めするためのあらゆる対応する固定又は位置合わせ手段を含む。すなわち、アプリケータデバイスを広範囲の血管アクセスグラフトに位置合わせするのに使用することができる適応化の複数の手段が予想されることは理解される。
【0023】
アプリケータデバイスは、以下に限定されないが、熱可塑性プラスチック、熱硬化性ポリマー、エラストマー、ゴム、又は織又は不織複合材料を含む合成又は天然材料のいずれかで形成することができる。アプリケータデバイスは、例えば、ポリマープラスチック発泡体(オープンセル発泡体を含む)、織又は不織複合材、又はそれらの混合物などのあらゆる適切な成形形態とすることができる。特に、好ましいアプリケータデバイスは、従って、例えば、ナイロン、UHMWポリエチレンを含むポリエチレンのようなポリオレフィン、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリスルホン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンコポリマー、及びエチレンブタジエンコポリマー、ポリウレタン、ポリウレタン発泡体、ポリスチレン、可塑性ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、デルリンポリアセタール、及びポリアミド、並びにホモポリマー及び上述のコポリマーから調製することができる。アプリケータデバイスはまた、圧縮された時に止血のための圧力を与えるゲル状物質で作ることができる。アプリケータは、カニューレ挿入及び/又はニードル取り出しの処理を支援するように1又は2以上の薬剤でドープすることができる。例えば、リドカインは、ニードル穿刺の疼痛を最小にするのを補助するために追加することができ、及び/又は局所止血薬は、出血の停止を支援するように組み込むことができる。アプリケータとの薬剤組合せの多くの組合せを予想することができる。アプリケータデバイスは、必要に応じて様々な形状を取り、様々な血管アクセスグラフト及びカニューレ挿入チャンバを受け入れるかつ適応することができることは理解される。ニードル通路は、アプリケータデバイスの材料がニードルによる貫通を許すには硬すぎる場所に設けることができることは更に理解される。
【0024】
一態様では、アプリケータデバイス50は、パズルピースの方式で移植グラフトの上に取り付けることにより、移植血管アクセスグラフト40に対して適応可能であるように構成することができる。この実施形態では、図3に示すような「取り付けた」アプリケータデバイス50は、実質的に長円形のプロファイルを有し、かつ長手軸線を有する実質的に主要なベース部分52を含む細長部材である。ベース部分52は、ほぼ平面の側壁54又は脚の間を張り、そのうちの2つは、ベース部分52の各側の長手縁部53から垂れる。脚54は、ベース部分52の縁部53の長さに沿ってほぼ垂直に垂れる。脚54の各々は、長手縁部55内で終端する。ベース部分52及び脚54は、開口長手チャネル56を定める。図1及び2を参照すると、この構成を有するアプリケータデバイス50は、アプリケータデバイス50の脚54を受け入れるための離間したノッチ48を定める上側周囲リム46を有するカニューレ挿入チャンバ44を含むAVG40に対して適応可能である。使用において、アプリケータデバイス50は、皮膚を間に捕捉した状態で脚54がノッチ48に嵌合するようにカニューレ挿入チャンバ44の上にデバイスを位置決めすることによってAVG40に対して適応される。この配置では、アプリケータデバイス50は、カニューレ挿入チャンバ44の位置を示し、ユーザは、次に、ニードル挿入のためのカニューレ挿入チャンバの長さに沿った望ましい場所を選択することができる。
【0025】
図2を参照すると、使用において、血管アクセスグラフトは、一端59aが動脈の中に移植されて他端59bが静脈の中に移植された状態で患者の皮膚の下に移植され、それによって流体連続性が動脈から管状要素の内腔を通って静脈の中に確立される。血管アクセスグラフト40を使用する患者に対して血液透析を行う方法では、血管アクセスグラフト40の内腔は、血液が内腔から血液透析濾過ユニットの中に迂回され、濾過され、次に内腔の中に戻すことができるように、ニードルを通じて血液透析濾過ユニットに接続される。血管アクセスグラフトは、透析以外の用途を有する場合があることは理解される。そのような用途は、患者が治療液の頻繁な血管注射又は点滴を必要とする状況を含む。全ての場合で、アプリケータデバイス、スティッカー、ストラップ、及びスリーブの使用は、典型的に「外れた」ニードル穿刺の数を大きく低減し、一般的に、その中へのニードルカニューレ挿入が望ましい移植されたデバイスを識別する際により高い精度を容易にする。
【0026】
アプリケータデバイス50は、脚54がカニューレ挿入チャンバ44内でノッチ48に対応するようにカニューレ挿入チャンバ44に手動で位置合わせされる。アプリケータデバイス50は、次に、脚54がッチ48で係合するようにカニューレ挿入チャンバ44に向う方向に押圧される。デバイス50の下向き移動中に、脚54は、カニューレ挿入チャンバ44の周囲リム46内の長手ノッチ48に摺動可能に受け入れられる。アプリケータデバイス50は、従って、デバイスが図1に示すようにカニューレ挿入チャンバ44の上に位置付けられるような位置に位置合わせされる。ユーザは、次に、1又は2以上のニードルをカニューレ挿入チャンバ44の中に挿入して血液透析を開始する。ニードル挿入は、ユーザがユーザにとって最小の失血及び最大の利益を有して可能な限り迅速かつ正確にそれ行うことができるように容易にされる。
【0027】
「取り付けた」アプリケータデバイスの別の実施形態は図4に示されており、全体が60で指定されている。前の実施形態でのように、アプリケータデバイス60は、実質的に長円形のプロファイルを有する細長部材であり、かつ長手軸線を有する実質的に主要なベース部分62含む。この実施形態では、ベース部分62は、ベース部分62の各側の長手縁部に沿って形成された離間したノッチ64を定める。この構成を有するアプリケータデバイス60は、アプリケータデバイス60の離間したノッチ64の中に挿入されるように上側周囲リム46から外向きに突出する脚(図示せず)を有するカニューレ挿入チャンバ44を含むAVG40に対して適応可能である。使用において、アプリケータデバイス60は、脚がノッチ64内に嵌合するようにカニューレ挿入チャンバ44の上にデバイスを位置決めすることによってAVG40に対して適応される。この配置では、アプリケータデバイス60は、カニューレ挿入チャンバ44の位置を示し、ユーザは、次に、ニードルの挿入のためのデバイスの長さに沿った望ましい場所を選択することができる。
【0028】
別の実施形態では、血管アクセスグラフト40は、図5Aに示すように、カニューレ挿入チャンバ44の上に1又は2以上の明確な部位を生成する1又は2以上の固定可能に位置決めされた磁性、常磁性、又は強磁性材料70を含む。図示の実施形態では、磁性又は常磁性部位は、カニューレ挿入チャンバ44の上面上の周囲リム46に沿って周方向に配置される。この配置は、ニードル穿刺を受け入れるように構成されたカニューレ挿入チャンバ44のポート47の境界を実質的に定める。移植に続いて、カニューレ挿入チャンバ44は、移植部位の近くの患者の皮膚の面にわたって磁石を通過させることによって患者の身体内に位置付けることができ、それによってカニューレ挿入中に血管アクセスグラフトのニードルアクセス又は穿刺のための最適部位を磁石が本質的に識別することを可能にする。
【0029】
1又は2以上の磁石を含むロケータ又は検出器(図示せず)は、移植グラフトを位置付けてニードル挿入及びアクセスのためのカニューレ挿入チャンバ44を識別するために使用することができる。ロケータ又は「ワンド」は、移植グラフトに近いと考えられる皮膚の上を通される。ワンドは、次に、カニューレ挿入チャンバ44、又はカニューレ挿入が最適に行われるべき移植グラフト内、移植グラフト上、又はその周りの1又は2以上の部位を識別して位置付けるのに使用される。磁石含有検出器の「局在化する」機能は、血管アクセスグラフトへの損傷を最小にしながら適正なカニューレ挿入部位を見つけることを容易にすることができる。カニューレ挿入チャンバ44は、インプラントに近い領域で皮膚の面にわたってワンドを通すことによって高度な正確性及び精度で皮膚を通して局在化可能である。これは、1又は2以上の磁性材料部位の存在によって定められるようなポート47領域での少なくとも1又は2以上の選択された場所に対してユーザがニードル挿入又はカニューレ挿入を行うことを可能にする。これは、RFIDタグ、すなわち、近赤外線光/可視光分光法又は当業技術で公知の他の方法によって検出されると考えられる特定の材料の集中を通じて移植AVGを検出するための用途に拡張することが可能である。
【0030】
あらゆる適切なサイズの磁石を使用することができるが、例示的磁石は、ネオジウム鉄ボロン(NdFeB)の円筒形をした(例えば、「ボタン」)磁石を含む。ある一定の実施形態では、磁石は、1又は2以上の保護層で被覆されて最大保護及び耐久性を容易にすることができる。好ましくは、本発明の開示の医療デバイスの形成に使用される常磁性材料は、鉄、鋼、コバルト、ニッケル、セラミック材料、外科等級鋼、又はそれらの合金又は組合せを含み、それから本質的に構成され、又はそれから構成され。これに代えて、本発明の開示の医療デバイスの形成に使用する材料は、例えば、超常磁性金属酸化物ナノ粒子(例えば、超常磁性酸化鉄ナノ粒子[SPIO])[例えば、Ji他(2007)を参照]を含む超常磁性材料を含み、それから本質的に構成され、又はそれから構成される場合がある。
【0031】
カニューレ挿入チャンバ44のリム46の周りに離間した磁石部位70の数は、あらゆる実質的な数のものとすることができる。血管アクセスグラフトは、グラフト10の長手軸線の相当な部分に沿って等距離に配置された2から約8又は10までの磁石部位を含むように意図している。本発明の開示のアクセスデバイス、グラフト、及び血管アクセスポートと共に使用するための例示的磁石は、好ましくは、以下に限定されないが、アルミニウム、ホウ素、コバルト、銅、鉄、ネオジム、ニッケル、サマリウム、チタン、又は以下に限定されないがNdFeB、AlNi、AlCoMax、AlNiCo、及びTiConAlなどのような以下に限定されないが市販の永久合金磁石を含むそれらの組合せ又は合金を含むものを含むセラミック、ランタニド、常磁性、強磁性、又は強磁性材料を含み、それから本質的に構成され、又はこれに代えてそれから構成される。
【0032】
使用において、ユーザは、移植血管アクセスグラフト40上の皮膚にわたって検出器「ワンド」を置く。ワンド上の磁石は、移植血管アクセスグラフトのカニューレ挿入チャンバ44の面の磁石部位を検出してそれを局在化する。ニードルは、ワンドによって識別されるようなカニューレ挿入チャンバ44のポート47の中に皮膚を通して挿入される。移植に続く血管アクセスグラフト40の局在化及び識別は、カニューレ挿入チャンバ44と共に含まれる1又は2以上の磁性材料部位70の存在によって容易にされる。
【0033】
代替配置では、取り付けられたアプリケータデバイスの第3の実施形態は図5Bに示されており、全体が80で指定されている。この実施形態では、磁石82は、カニューレ挿入チャンバ44のリム46上の磁石70に位置合わせするためにアプリケータデバイス80の内周面上に設けられる。アプリケータデバイス及び皮下グラフトは、磁石に加えて又はその代替として対話のための他の手段を含むことができることは理解される。そのような対話手段は、アプリケータデバイス、AVG、又は両方の上にセンサを含むことができる。センサは、位置合わせを信号送信するために対話することができ、又はワンドを上述のように使用することができる。アプリケータデバイスは、信号のための光を含むことができる。皮下カニューレ挿入チャンバはまた、赤外線のようなある一定の波長の下で蛍光を発することができる。対話はまた、アプリケーションデバイス及びカニューレ挿入チャンバが接続された時の可聴クリックのように機械的である場合がある。
【0034】
ここで図6を参照すると、複数のアプリケータデバイス80が示されている。各アプリケータデバイス80は、アプリケータデバイス80を通して異なる位置に形成されたニードル通路84を有する。本発明の装置及び方法により、ユーザは、各血液透析治療につき1つで順番に各アプリケータデバイス80を使用することになる。ニードル通路84は、カニューレ挿入チャンバ44の周りの異なる場所でユーザがニードルを挿入することを保証するように様々な位置にある。図7に示すように、ニードル通路84は、アプリケータデバイス80の面に対して直角でない角度で延びることができる。この配置では、ニードルは、ポート47の材料への損傷を最小にするようにポート47を通る。図8A及び8Bは、アプリケータデバイスのための分配容器の実施形態を示している。分配容器は、好ましくは、ニードル通路の適切な間隔を提供するシーケンスでアプリケータデバイスを保持してカニューレ挿入部位の周りの分配を可能にし、これは、ニードル穿刺間の修復を促進してグラフトの寿命を延ばす。
【0035】
別の実施形態では、アプリケータデバイスは、図9及び10に示されて全体が90で指定されているようなシート又はスティッカーを含む。スティッカー90は、平面の上面92、下面94、及びスティッカーの下面上に負荷された接着剤を含む薄いほぼ矩形の要素である。スティッカー90は、血管アクセスグラフト40のカニューレ挿入のための場所を示すために皮膚30の面に解除可能に接着することができる。スティッカー90は、中心に配置された開口部96を定める。図9に示すような開口部96は、ほぼ細長い長円形形状を有する。開口部96の形状はそれほど重要ではないが、実際には、開口部96は、スティッカー90及びAVGの位置合わせのためにAVGの特徴部に対応すべきである。図示の実施形態では、スティッカー90内の開口部96の形状は、カニューレ挿入チャンバ44のサイズ及び形状に対応する。スティッカー90は、スティッカーが皮膚30の面及び皮膚の下のAVG40のあらゆる曲率に適合することを可能にする柔軟な可撓性材料を含むことができる。従って、皮膚及び皮膚の下のあらゆる隆起の曲率は、スティッカーの使用に影響を与えることなく変化する場合がある。
【0036】
スティッカーの底面94は、スティッカーを血管アクセスグラフト40の上の皮膚30に除去可能に接着するための接着剤の層を含む。多くのタイプの接着剤は、接着剤が皮膚へのスティッカー90の強固な結合を可能にする限りスティッカー90と共に使用するのに適切である。接着剤はまた、使用後にスティッカー90の容易な取り出しを可能にすべきである。接着剤は、好ましくは、スティッカー90の底面94に付加された感圧接着剤である。広範なそのような接着剤は市販されている。一実施形態では、スティッカー90の底面94の縁部の一部分は、スティッカーのその部分が皮膚30に接着することを防止するように接着剤を欠く場合がある。この構成は、皮膚30からスティッカーを取り外すためにスティッカー90をユーザが把持する場所を提供する。接着剤は、好ましくは、辞去する時に皮膚30上に残留物を何も残さない。
【0037】
スティッカー90は、血管アクセスグラフト40のカニューレ挿入チャンバ44を受け入れるのに十分なあらゆるサイズとすることができるが、スティッカー90と皮膚30の間に強固な結合を提供するのに十分に大きい接着剤被覆面積を提供する。一実施形態では、スティッカー90は、スティッカー90が血管アクセスグラフト40の上に置かれた時にチャンバを完全に取り囲むように外側周囲をカニューレ挿入チャンバ44の外側周囲よりも大きくすることができる。代替形態として、スティッカー90の底面94の縁部領域のみを接着剤で被覆することができる。
【0038】
スティッカー90は、接着層の上のスティッカー90の底面94に除去可能に接着された保護裏当てを更に含むことができる。除去可能な保護裏当ては、使用前の不要な面へのスティッカー90の接着を防止する。保護裏当ては、当業技術で公知であり、典型的には、シリコーン又はこれに代えて従順材料、例えば、ポリエチレン及びポリ塩化ビニルなどのような解除剤で処理した紙のような様々な材料を含む。除去可能な保護裏当ては、スティッカー90と同じサイズ及び形状とすることができ、又はより大きくすることができる。上述の実施形態では、スティッカー90は、接着剤なしの縁部の一部分を有し、ユーザは、スティッカー90から裏当てを容易に除去するためにその部分を把持することができる。
【0039】
使用において、保護裏当ては、接着剤を露出するためにスティッカー90の底面94から手動で取り外される。次に、スティッカー90は、皮膚30に取り付ける状態になっている。スティッカー90は、開口部96がカニューレ挿入チャンバ44を実質的に取り囲むようにAVG40にわたって皮膚上に位置決めされる。位置決めされた状態で、スティッカー90を接着剤によって皮膚30に適合させるように圧力が印加される。スティッカー90が血管アクセスグラフト40のカニューレ挿入チャンバ44の周りの皮膚30に固定された状態で、スティッカー90は、ユーザがニードル挿入のための場所を決定することを可能にすることになる。従って、スティッカー90は、AVGのカニューレ挿入場所を示すための手段を提供する有効な方法を提供する。
【0040】
図13及び14に示す別の実施形態では、スティッカー90は、皮膚30からの除去時にばらばらになるようになっている場合がある。例えば、スティッカー90の一部分は、低い引き裂き伝播抵抗を有する材料から構成することができる。接着剤をスティッカーのこの部分上に比較的強力に接着することと組み合わせて、スティッカーは、面から除去する時にばらばらになる。より具体的には、皮膚30からスティッカー90を除去することで、スティッカー90を含む材料の一部は皮膚に留まることになる。皮膚に残されたスティッカーの一部は、検査マーク98のような印しであり、人の目に容易に明らかであり、下に重なるAVG40のニードル挿入のためのポイントを示している。次のスティッカー90は、カニューレ挿入のために次の部位で皮膚30上に検査マーク98を残す。図14に示す別の実施形態では、スティッカーが除去された時に境界マークは皮膚に留まることができ、それによってカニューレ挿入チャンバの位置の表示を提供する。この実施形態による好ましいスティッカーは、これによりその内容が引用によって組み込まれる米国特許第4,268,983号明細書に示されており、これは、支持シートと支持シートに接着された脆弱な容易に引裂可能なフィルムとを含む接着ラベルを説明している。’983特許によるラベルがそれを付加した物品から除去される場合に、ラベルを含む脆弱フィルムの一部分は、引き裂かれて基板に接着されたままである。これによりその内容が引用によって組み込まれる米国特許第5,358,281号明細書は、除去された時に目に見える印しを含む面上のラベルの構成要素を残す接着ラベルを説明している。皮膚面に残された印しは、単語をつづる英数字とすることができることは理解される。これによりその内容が引用によって組み込まれる米国特許第4,121,003号明細書はまた、ラベルの除去時の英数字の転写を説明しており、文字は、接着ラベルが面から切り離された時にラベルがそれ自体内で分裂し、それが接着された面上に部分的に留まる低い結合力の材料を含む。
【0041】
図12に示すような別の実施形態では、スティッカー90は、開口部を含まない単体である。カニューレ挿入チャンバ44を示すように構成されたスティッカー90の一部分は、カニューレ挿入のために可能な部位を識別するためのセクションを含む。スティッカー90の1つのセクション102は除去可能である。使用において、スティッカー90は、AVG40の上で皮膚30に付加される。カニューレ挿入部位の上のスティッカーのセクション102は、皮膚30の面から剥離される。次に、露出された皮膚30は、ニードル挿入のための部位として使用される。これによりその内容が引用によって組み込まれる米国特許第5,633,058号明細書は、裏当てフィルム及び印刷された印しに良好に係止する全域着色層を有するステッカーを貼られた裏当てフィルムに弱く係止された透明な印刷印しを説明している。着色層は、自己接着性組成物で被覆される。
【0042】
移植AVGのカニューレ挿入ポイントを位置付けるためのアプリケータデバイスを位置決めするためのアプリケータデバイスと組み合わせて使用するための実施形態は図15A及び15Bに示されており、全体が110で指定されている。組合せは、図16に示すような腕であるユーザの身体の一部にアプリケータデバイス116を固定するための1対の円形の可撓性ストラップ112を含む。アプリケータデバイス116は、ストラップ112を受け入れるために各端部に溝114を有する。使用において、アプリケータデバイス116は、上述のように、カニューレ挿入チャンバ44の上に位置決めされる。次に、ストラップ112は、次のニューレ挿入のために定位置にアプリケータデバイスを固定する。この配置の1つの利点は、血液透析及びニードルの除去に続いて、ストラップ112が腕に対してアプリケータデバイス116を押圧し、出血を止めるのを支援する圧力を提供することである。
【0043】
ストラップ112を使用して動静脈グラフトのカニューレ挿入を誘導するための装置及び方法の別の実施形態は図17に示されている。この実施形態では、ストラップ112は、次のニューレ挿入のためにカニューレ挿入チャンバ44を位置付けるための手段を提供する。ストラップ112の各々は、2つの周方向に離間したノッチ118を内面112に有する。ノッチ118は、患者のAVG40の上に置かれた時に1対のカニューレ挿入チャンバ44の端部を受け入れるように構成される。一緒に、ストラップ112は、カニューレ挿入のための場所を識別する際にユーザを支援するためにカニューレ挿入チャンバ44の端部をユーザに示す。ストラップ112は、カニューレ挿入チャンバ44を係止してデバイスのあらゆる移動を防止するように機能する。このようにして、デバイスは、いずれの端部上でもカニューレ挿入チャンバに固定することができる。
【0044】
ここで図18を参照すると、血管アクセスグラフト40のカニューレ挿入のための場所を決定するためのアプリケータデバイスの更に別の実施形態が示されて全体が130で指定されている。この実施形態では、アプリケータデバイス130は、腕の上を摺動するためのスリーブ132である。スリーブ132は、スリーブ132が着用された時に腕の上に緊密に留まるように可撓性の弾性織物で作られる。スリーブ132は、ほぼ細長で長円形の形状を有する1対の周方向に離間した開口部134を定める。開口部134の形状はそれほど重要ではないが、実際に、開口部134は、開口部及びAVGの位置合わせのためにAVG又はAVGの特徴部の形状に対応しなければならない。図示の実施形態では、スリーブ132の開口部134の形状は、カニューレ挿入チャンバ44のサイズ及び形状に対応する。
【0045】
使用において、スリーブ132は、カニューレ挿入チャンバ44の上の開口部を有して腕上に位置決めされる。次に、ユーザは、血管アクセスグラフト40をカニューレ挿入することができる。更に別の実施形態では、スリーブ132内の開口部134の各々は、皮膚30に隣接する材料の層を有するポケット136を形成する(図19)。ポケット136は、AVGを位置付けてカニューレ挿入するのに使用するためのアプリケータデバイスを受け入れるように構成される(図20)。
【0046】
本明細書に説明するような血管アクセスグラフトのカニューレ挿入のための装置及び方法は、移植グラフト部位に常にかつ正確にアクセスしながらユーザが血液透析を行うことを可能にするための信頼できる手段の提供を含む多くの利点を有する。移植されたデバイスの位置を識別して局在化するための外部デバイスを使用することで、不正確なカニューレ挿入を低減し、身体内への外科的移植後の血管アクセスグラフトの開存性の増加を容易にする。より少ない誤ったニードル挿入及びカニューレ挿入間違いは、カニューレの不正確な挿入又は皮下グラフトの上の適切な挿入部位に「当てる」不適切又は繰り返しニードル穿刺の試みによって移植グラフトに損傷を与え、破壊し、又は変位させる機会を低減する。反復ニードル穿刺によって生じた累積損傷は、グラフト壁を弱くして仮性動脈瘤形成のための条件を生成する。AVGは、ほぼ300のニードル穿刺を1年持続する。グラフトの全長にわたってニードル損傷を均等に分配するようにニードルローテーションを提供する本明細書に説明するような装置及び方法は、仮性動脈瘤形成を最小にするか又は遅らせるのを補助する。
【0047】
本発明の装置は、カニューレ挿入部位の場所を追跡し、従って、適切なニードルローテーションが行われることを保証する。ニードルローテーションを容易にするように設計されたシステム又はシーケンスは、容易にされたカニューレ挿入シーケンスを用いて準拠を維持することにより、カニューレ挿入部位区域を通した適正なニードルローテーションを容易にする。
【0048】
本発明はまた、患者又は医療職員の機能を高め、移植血管アクセスグラフトの配置を適正かつ正確に識別して適正な配置を保証する。血管アクセスグラフトは、例えば、X線、磁気共鳴画像化、及び/又はコンピュータ断層撮影(CT)を含む従来の医療撮像手段によって可視化することができる。
【0049】
本発明は、その単に小数の例示的実施形態に関してかなり詳細に図示して説明したが、様々な修正、省略、及び追加を本発明の新しい教示及び利点から大きく逸脱することなく、特に上述の教示に照らして開示する実施形態に対して行うことができるので、本発明をこれらの実施形態に限定するように意図していないことは当業者によって理解しなければならない。例えば、本発明は、いくつかの血管アクセスデバイス及び用途に使用するのに適切である。従って、本発明者は、全てのそのような修正、省略、追加、及び均等物に特許請求の範囲によって定めるような本発明の精神及び範囲に含めることができるというステッカーを貼るように意図している。特許請求の範囲では、手段プラス機能条項は、本明細書に説明する構造に列挙した機能を果たすとして及び構造的均等物だけでなく同等構造体としてステッカーを貼るように意図している。すなわち、くぎ及びスクリューは、くぎが円筒面を使用して木製部品を互いに固定し、一方でスクリューが木製部品を固定する環境で螺旋面を使用するという点で構造的均等物ではない場合があるが、くぎ及びスクリューは、同等構造体である場合がある。
【符号の説明】
【0050】
40 血管アクセスグラフト
44 カニューレ挿入チャンバ
46 周囲リム
50 アプリケータデバイス
54 側壁又は脚
(態様)
(態様1)
動静脈透析グラフトが、長手流路を定める可撓性導管を含み、該可撓性導管が、被験者の動脈に接続するように構成された第1の末端部分と被験者の静脈に接続するように構成された第2の末端部分とを有し、そのために血液が、該導管の該長手流路を通って該第1の末端部分から該第2の末端部分まで流れ、カニューレ挿入チャンバが、カニューレ挿入ポートを定め、該導管が、該カニューレ挿入ポートを通して挿入された透析ニードルを受け入れるために該カニューレ挿入チャンバを通って延びる、被験者の身体に皮下移植された動静脈透析アクセスグラフトの透析ニードルを用いてカニューレ挿入を誘導するための装置であって、
長手軸線と内面とを有する細長本体部材であって、該本体部材が、長手縁部内で終端するベース部分を含み、該ベース部分の該長手縁部間の距離が、前記カニューレ挿入チャンバの横寸法に実質的に等しい前記細長本体部材と、
前記ベース部分の前記長手縁部から延びて長手縁部内で終端する脚であって、該ベース部分及び脚が、前記カニューレ挿入チャンバを受け入れるための開口長手チャネルを定める前記脚と、
を含み、
前記本体部材は、該本体部材を通して前記カニューレ挿入チャンバの中へのニードル挿入の場所を誘導するように前記ベース部分の前記内面を前記カニューレ挿入ポートと位置合わせするために前記脚が該カニューレ挿入チャンバと作動的に係合するように、該皮下カニューレ挿入チャンバに隣接して固定されるようになっている、
ことを特徴とする誘導するための装置。
(態様2)
前記本体部材は、第1の端部及び第2の端部を有し、
前記本体部材は、前記カニューレ挿入チャンバの前記第1の端部から前記第2の端部まで延びるようになっている、
ことを特徴とする態様1に記載の誘導装置。
(態様3)
前記本体部材は、ニードルを通すために該本体部材の前記内面の中に開く少なくとも1つの通路を有することを特徴とする態様1に記載の誘導装置。
(態様4)
前記カニューレ挿入チャンバ及び前記本体部材の少なくとも一部分が、実質的に磁性又は常磁性の材料を含むことを特徴とする態様1に記載の誘導装置。
(態様5)
動静脈透析グラフトが、長手流路を定める可撓性導管を含み、該可撓性導管が、被験者の動脈に接続するように構成された第1の末端部分と被験者の静脈に接続するように構成された第2の末端部分とを有し、そのために血液が、該導管の該長手流路を通って該第1の末端部分から該第2の末端部分まで流れ、カニューレ挿入チャンバが、該第1の末端部分と該第2の末端部分の間にカニューレ挿入ポートを定め、該導管が、該カニューレ挿入ポートを通して挿入された透析ニードルを受け入れるために該カニューレ挿入チャンバを通って延びる、被験者の身体に皮下移植された動静脈透析アクセスグラフトの透析ニードルを用いてカニューレ挿入を誘導するための装置であって、
長手軸線を有する細長管状スリーブであって、前記カニューレ挿入チャンバの長手寸法及び横寸法に実質的に等しいようになった長手寸法及び横寸法を有する開口部を定める前記細長管状スリーブ、
を含み、
前記スリーブは、前記開口部が前記カニューレ挿入ポートの中へのニードル挿入の場所を誘導するために前記カニューレ挿入チャンバを取り囲むように前記アクセスグラフトの該皮下カニューレ挿入チャンバに隣接して前記被験者の前記身体を受け入れるように構成される、
ことを特徴とする誘導するための装置。
(態様6)
前記スリーブの材料が、フィルム、紙、織布、又は不織布から選択されることを特徴とする態様5に記載の誘導装置。
(態様7)
動静脈透析グラフトが、長手流路を定める可撓性導管を含み、該可撓性導管が、被験者の動脈に接続するように構成された第1の末端部分と被験者の静脈に接続するように構成された第2の末端部分とを有し、そのために血液が、該導管の該長手流路を通って該第1の末端部分から該第2の末端部分まで流れ、カニューレ挿入チャンバが、該第1の末端部分と該第2の末端部分の間にカニューレ挿入ポートを定め、該導管が、該カニューレ挿入ポートを通して挿入された透析ニードルを受け入れるために該カニューレ挿入チャンバを通って延びる、被験者の身体に皮下移植された動静脈透析アクセスグラフトの透析ニードルを用いてカニューレ挿入を誘導するための装置であって、
長手軸線と内面とを有する細長本体部材であって、該本体部材が、長手縁部内で終端するベース部分を含み、該ベース部分の該長手縁部間の距離が、前記カニューレ挿入チャンバの横寸法に実質的に等しい前記細長本体部材と、
長手軸線を有する細長管状スリーブであって、前記本体部材を受け入れるように構成された長手寸法及び横寸法を有するポケットを定める前記細長管状スリーブと、
を含み、
前記本体部材は、前記ベース部分の前記内面が、ニードル挿入の場所を誘導するために前記カニューレ挿入ポートと位置合わせされるように、前記皮下カニューレ挿入チャンバに隣接して固定されるように前記スリーブの前記ポケットに受け入れられるようになっている、
ことを特徴とする誘導するための装置。
(態様8)
キットであって、
被験者の身体に皮下移植された動静脈透析アクセスグラフトにアクセスするための少なくとも1つの透析ニードルであって、該動静脈透析グラフトが、長手流路を定める可撓性導管を含み、該可撓性導管が、該被験者の動脈に接続するように構成された第1の末端部分と該被験者の静脈に接続するように構成された第2の末端部分とを有し、そのために血液が、該導管の該長手流路を通って該第1の末端部分から該第2の末端部分まで流れ、カニューレ挿入チャンバが、カニューレ挿入ポートを定め、該導管が、該カニューレ挿入ポートを通して挿入された該ニードルを受け入れるために該カニューレ挿入チャンバを通って延びる前記少なくとも1つの透析ニードルと、
分配容器と、
複数の細長本体部材であって、各本体部材が、長手軸線及び内面を有し、該本体部材が、長手縁部内で終端するベース部分を含み、該ベース部分の該長手縁部間の距離が、前記カニューレ挿入チャンバの横寸法に実質的に等しい前記複数の細長本体部材と、
を含み、
前記本体部材は、ニードル挿入の場所を誘導するために前記ベース部分の前記内面を前記カニューレ挿入ポートと位置合わせするために脚が前記カニューレ挿入チャンバと作動的に係合するように、該皮下カニューレ挿入チャンバに隣接して固定されるようになっており、
各本体部材が、ニードルを通すために該本体部材の前記内面の中に開く少なくとも1つの通路を有し、該本体部材の該ニードル通路は、いずれの他の本体部材のニードル通路とも異なる位置にある、
ことを特徴とするキット。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19
図20