(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】タンブル乾燥機
(51)【国際特許分類】
D06F 58/02 20060101AFI20240730BHJP
D06F 58/22 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
D06F58/02 L
D06F58/02 A
D06F58/02 F
D06F58/02 H
D06F58/02 K
D06F58/22
(21)【出願番号】P 2020566212
(86)(22)【出願日】2018-06-04
(86)【国際出願番号】 EP2018064652
(87)【国際公開番号】W WO2019233548
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-03-16
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】520045608
【氏名又は名称】エレクトロラックス プロフェッショナル アクティエボラーグ(パブリーク)
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ニルソン
(72)【発明者】
【氏名】グンナル インゲマル パーション
【合議体】
【審判長】柿崎 拓
【審判官】窪田 治彦
【審判官】西 秀隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0082955(US,A1)
【文献】実開昭57-161993(JP,U)
【文献】特開昭61-280891(JP,A)
【文献】特開2014-30664(JP,A)
【文献】特開2011-1838(JP,A)
【文献】特開2012-61334(JP,A)
【文献】特開2005-253589(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3118365(EP,A1)
【文献】特開2006-204656(JP,A)
【文献】特開2010-22870(JP,A)
【文献】特開平5-15697(JP,A)
【文献】特開平7-275591(JP,A)
【文献】特開2000-24393(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0017119(US,A1)
【文献】特開2007-29359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F58/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥される洗濯物を受け取るように適合された回転可能な乾燥ドラム(21)であって、複数の開口部(25)を備えた円筒状の外周部(27)を有する、乾燥ドラムと、
乾燥ドラム(21)の下方に配置された少なくとも1つの粒子分離フィルタ(29)であって、前記乾燥ドラム(21)の円筒直径の少なくとも50%に相当する幅を有する、少なくとも1つの粒子分離フィルタ(29)と、
ファン(39)、及び前記少なくとも1つの粒子分離フィルタ(29)とファン(39)との間にテーパ状の伝達チャネルを形成するように構成された漏斗形インタフェース部分(45)と、
を備えるタンブル乾燥機(1)であって、
前記ファン(39)は、ラジアルファンであり、垂直方向(V)から0~25°の傾き(α)をもって配置された軸(47)を有し、
乾燥ドラム(21)内に導入される空気流が、前記外周部(27)を通って乾燥ドラム(21)から出て、前記少なくとも1つの粒子分離フィルタ(29)を通って導かれ、前記漏斗形インタフェース部分(45)によって集められ、前記ファン(39)によってタンブル乾燥
機(1)の後部に向かうように方向付けされ、
前記タンブル乾燥機(1)はヒートポンプシステム(13)を更に備え、該ヒートポンプシステム(13)は、蒸発器(17)と、圧縮機(20)と、凝縮器(19)と、膨張弁とを備え、前記ファン(39)は前記蒸発器(17)の上流に配置されている、ことを特徴とするタンブル乾燥機(1)。
【請求項2】
前記ファン(39)の軸(47)は、垂直方向(V)から5~15°の傾き(α)をもって配置されている、請求項1に記載のタンブル乾燥機(1)。
【請求項3】
前記ファン(39)はモータ(41)を備え、前記ファン(39)及び前記モータ(41)は前記漏斗形インタフェース部分(45)を備えるプラスチックシェル(43)で囲まれ、ファン装置(23)を形成する、請求項1又は2に記載のタンブル乾燥機(1)。
【請求項4】
前記ファン装置(23)は、前記タンブル乾燥機(1)に分離可能に取り付けられ
ている、請求項3記載のタンブル乾燥機(1)。
【請求項5】
前記ファン装置(23)は、堅い
接続部を介して前記タンブル乾燥機(1)に取り付けられる、請求項3又は4に記載のタンブル乾燥機(1)。
【請求項6】
前記ファン装置(23)は、前記タンブル乾燥機(1)のそれぞれの側面に配置された溝(51)内に挿入可能であり、前記タンブル乾燥機(1)の前壁内のハッチ(49)によって所定の位置に保持される、請求項3~5の何れか一項に記載のタンブル乾燥機(1)。
【請求項7】
前記ファン装置(23)は、前記タンブル乾燥機(1)の内側で、底面に載置される、請求項3~6の何れか一項に記載のタンブル乾燥機(1)。
【請求項8】
前記ヒートポンプシステム(13)
は、前記タンブル乾燥機(1)の後部に沿って前記乾燥ドラム(21)の後方に配置され、前記ファン装置(23)は、前記乾燥ドラム(21)の下方
に配置されている、請求項
3~7の何れか一項に記載のタンブル乾燥機(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの粒子分離フィルタ(29)は、前記乾燥ドラム(21)の円筒直径の80~100%に対応する幅を有する、請求項1~8の何れか一項に記載のタンブル乾燥機(1)。
【請求項10】
少なくとも1つの粒子分離フィルタ(29)は、4μmまでのサイズを有する粒子を80%以上除去するように適合されたフィルタである、請求項1~9の何れか一項に記載のタンブル乾燥機(1)。
【請求項11】
乾燥ドラム(21)の回転はモータ(37)により駆動され、該モータ(37)は前記乾燥ドラム(21)の上部に配置される、請求項1~10の何れか一項に記載のタンブル乾燥機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタンブル乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
タンブル乾燥機では湿った洗濯物を乾かすために熱風を使用する。タンブル乾燥機には、排気エア乾燥機、凝縮乾燥機、ヒートポンプ乾燥機の3つの異なる原理がある。
【0003】
排気エア乾燥機は建物内の換気システムに接続され、洗濯物を乾燥させるために使用される湿った加湿空気がこの換気システムに放出される。
【0004】
凝縮乾燥機では、加湿した空気から熱風がタンブル乾燥機周辺の環境に放出される前に、水が凝縮される。凝縮水は排水タンクに集められるか、建物内の排水に放出される。
【0005】
ヒートポンプ乾燥機は、加湿された空気をドラムから蒸発器に再循環させ、そこで加湿された空気を熱交換によって冷却し、除湿する。除湿された空気は、冷却器で熱交換されて加熱され、続いて、加熱され乾燥した空気は、洗濯乾燥プロセスを実行するためにドラム内に供給される。その結果、ドラム内に乾燥した暖かい空気が繰り返し供給され、それによって洗濯物が乾燥される。このタイプの乾燥機は、より低温で洗濯物を乾燥させることができるため、エネルギー消費量が少なくなり、最も環境にやさしい製品である。
【0006】
あらゆるタイプのタンブル乾燥機に共通するのは、乾燥工程、特に7~8kgまでの湿った洗濯物を乾かす能力を持つ小型タンブル乾燥機に必要な、すべてのコンポーネントを収容するための制限された間隔である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、公知のタンブル乾燥機と比較して改善された性能を有する、最大7~8kgの湿式洗濯物を乾燥する能力を有するタンブル乾燥機を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これは、少なくとも部分的には、乾燥される洗濯物を受け入れるように構成された、回転可能な乾燥ドラムを備えるタンブル乾燥機によって達成され、ドラムは、複数の開口部を備える円筒状の外周部と、乾燥ドラムの下方に配置された少なくとも1つの粒子分離フィルタであって、前記フィルタは、前記ドラムの円筒状の直径の少なくとも50%に対応する幅を有する、少なくとも1つの粒子分離フィルタと、前記少なくとも1つのフィルタと前記ファンとの間にテーパー状の伝達チャンネルを形成するように構成された漏斗状のインタフェース部分及びファンと、を備える。ファンはラジアルファンであり、垂直方向から0~25°の傾きを有するように配置された回転軸を有し、ドラムに導入される空気流がその周囲を通ってドラムを離れ、少なくとも1つのフィルタを通って導かれ、漏斗形インタフェースによって集められ、ファンによってタンブル乾燥機の後部に向かうようになっている。
【0009】
本実施形態を通して、コンパクトな構造を維持しつつ、より大量の空気を機械内部に循環させることができる。ファンによる空気流の流れ方向を変えることにより、タンブル乾燥機内の空間を与えられたときに最も適した方向に空気流を導くことができる。タンブル乾燥機からの加湿された空気は、垂直方向でファンに入り、ファンによってタンブル乾燥機の後部に向かうほぼ水平方向に方向変換される。
【0010】
ファンの軸心は、垂直方向から5~15°の傾きで配置されてもよい。
【0011】
付加的な構成要素、例えばファンの近くの空気ヒートポンプシステムを収容するために、ファンからの空気の流れは、タンブル乾燥機の後部の方へ向けることができる。ファンの軸を垂直位置から5~15°傾斜させることにより、タンブル乾燥機内の間隔を有利な方法で使用する。垂直位置から約7°のファンの軸の傾きは、他の成分に対して最良の位置を提供し得ることが分かっている。
【0012】
ファンは、モータを備えることができ、ファンおよびモータは、漏斗形インタフェース部分を備えるプラスチックシェルによって囲まれ、ファン装置を形成することができる。
【0013】
ファンを保護し、かつ、ドラムおよび粒子フィルタからファン内に大きな空気の流れを集めることができるようにするために、プラスチックシェルが、ファンおよびファンを動力源とするモータの周囲に配置されてもよい。漏斗形インタフェース部分は、プラスチックシェルの一体部分を形成し、粒子フィルタのサイズに対応する長方形の形状を有することができる。
【0014】
ファン装置は、タンブル乾燥機に分離可能に取り付けられ、タンブル乾燥機の前面を通して一体物トとして工具なしで取り外されてもよい。
【0015】
タンブル乾燥機は、ドラムの下方のタンブル乾燥機の前壁にハッチを設けてもよい。ファン装置は、いかなる工具も使用せずに、タンブル乾燥機から一体物として引き出すことができ、これにより、ファンおよび/またはそのモータのサービス、修理または交換が容易になる。
【0016】
ファン装置は、堅い接続部を通してタンブル乾燥機に取り付けることができる。タンブル乾燥機のそれぞれの側面に配置された溝に挿入可能であってもよく、タンブル乾燥機の前壁のハッチによって適所に保持されてもよい。
【0017】
ファン装置の漏斗形インタフェース部分は、溝部内に挿入されてもよく、これは、堅い接続を提供し、インタフェース部分が途中で曲がるのを防止する。これは、簡単で、安価で、信頼性のある解決策を提供し、ファン装置をタンブル乾燥機内の適所に保ち、同時に、タンブル乾燥機からのファン装置の廃棄を容易にする。
【0018】
ファン装置は、タンブル乾燥機の内側の底面に静止してもよい。
【0019】
溝部内に懸架されたファン装置の一方の側をタンブル乾燥機のそれぞれの側面内に配置し、タンブル乾燥機の底面に静止する反対側を配置することによって、ファン装置をタンブル乾燥機内に確実に配置することができる。
【0020】
タンブル乾燥機は、ヒートポンプシステムをさらに備えてもよい。ヒートポンプシステムは、蒸発器と、コンプレッサと、凝縮器と、膨張弁とを備えることができ、ファン装置は、蒸発器の上流側に配置される。
【0021】
ファン装置の下流側にヒートポンプシステムを配置することによって、空気流をタンブル乾燥機内で循環させることができ、ドラム内の乾燥時間を短くすることができ、タンブル乾燥機は、より高い性能を有することができ、これは、エネルギー節約をもたらす。蒸発器は、蒸発器内で生成された凝縮水の排水のために下に自由空間を有するタンブル乾燥器内に配置することができる。ファン装置の位置が低いと、ファンとファン装置を傾けて、空気の流れを蒸発器の方へ少し上向きに向けることが好都合である。
【0022】
ヒートポンプシステム及びファン装置は、ドラムの後方、タンブル乾燥機の後方部分に沿って、且つドラムの下方にL字状に配置することができる。
【0023】
ヒートポンプシステムとファン装置をタンブル乾燥機内にL字形状に配置することで、タンブル乾燥機内のスペースは効率よく利用され、高性能でコンパクト乾燥機を提供する。
【0024】
少なくとも1つの粒子分離フィルターは、ドラムの円筒直径の80~100%に対応する幅を有していてもよい。
【0025】
ドラムから出た空気の流れ全体は、乾燥プロセス中に衣類を残した糸くずや他の粒子を分離するための粒子分離フィルターを通過し、空気の流れがファン装置およびヒートポンプシステムに入る前に、空気の流れから粒子を効果的に除去し、乾燥機内の他の成分の目詰まりを防止する。幅の広いフィルタは、空気の流れに対する抵抗をより少なくする。
【0026】
少なくとも1つの粒子分離フィルターは、4μmまでのサイズを有する80%以上の粒子を除去するように適合されたフィルターであってもよい。
【0027】
このフィルタをファン装置やヒートポンプシステムの前段に配置することにより、例えば冷却器の目詰まりを完全または部分的に防止することができ、保守作業が少なくて済むようになる。
【0028】
モータはドラムを回転駆動してもよい。モータはドラムの上部に配置されることができる。
【0029】
モータをドラムの上に配置することにより、タンブル乾燥機はよりコンパクトになる。
【0030】
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載された特徴の全ての可能な組み合わせによって具体化され得ることに留意されたい。
【0031】
本発明の上記の他の物、特徴及び利点は、添付図面を参照して、本発明の実施の形態の以下の例示的及び非限定的な詳細な説明を通して、より良く理解されるであろう。ここで、同一の参照番号は、類似の要素に使用されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図2】
図2は露出している内部部品を有する、ヒートポンプシステムを備えるタンブル乾燥機の側面視の断面図(
図1のA-A参照)である。
【
図3】
図3は内部部品が露出しているタンブル乾燥機の平面視の断面図(
図1のC-C参照)である。
【
図5】
図5はファン装置および取り外された粒子フィルタを有するタンブル乾燥機の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、平行パイプ状のケーシング3を備えるタンブル乾燥機1を概略的に示す。扉5は、乾燥される湿式洗濯物の入力および乾式洗濯物の出力のために、ケーシング3の前壁9にヒンジ7によって取り付けられている。タンブル乾燥機1は、ケーシング3の前壁9に配置された器具制御パネル11を更に備えることができ、これにより、利用者は、利用可能ないくつかの乾燥サイクルの中から所望の乾燥サイクルを手動で選択することができる。
【0034】
図2は、
図1におけるタンブル乾燥機のA-A断面を示す。タンブル乾燥機1は、ヒートポンプシステム13を備え、タンブル乾燥機1内の空気流の循環のための空気流回路15を提供する。ヒートポンプシステム13は、蒸発器17と、凝縮器19と、膨張弁(図示せず)とを備えることができる。
【0035】
乾燥すべき湿った洗濯物は、タンブル乾燥機2の前壁9に配置された扉5を介してケーシング3の内部に配置された回転可能な乾燥ドラム21に供給される。ドラム21が回転している間、湿った洗濯物から湿気を取り除くために、暖かくて乾燥した空気を使用してもよい。空気流の流れは、空気流回路15内で循環され、ファン装置23によって動かされてもよい。図示の実施形態では、ファン装置23は、乾燥ドラム21の下方であるが、蒸発器17の前方に配置されている。ファン装置23は、凝縮器19と乾燥ドラム21との間のループ内に配置することもできる。図示の実施形態における空間の考慮事項により、乾燥ドラム21の下のファン装置23の位置が選択されている。
【0036】
湿った洗濯物が乾燥ドラム21内で乾燥されると、湿った洗濯物から乾燥ドラム21内で循環される空気流に水分が移される。温かく加湿された空気は、その円筒状の外周部27の複数の開口部25を通って乾燥ドラム21から出て、ファン装置23に循環される。
【0037】
空気の流れは、ファン装置23に入る前に、空気の流れの流れから粒子または糸くずを分離するために、少なくとも1つの粒子分離フィルタ29に通されてもよい。
図2に示す実施形態では、2つの粒子分離フィルタ29a、bが存在する。洗濯物がドラム21内で乾燥されるときに形成される糸くず29aの分離のための1つのフィルタと、4μmまでのサイズを有する80%以上の粒子を除去するように適合された1つの粒子分離フィルタ29bと、を備える。
【0038】
粒子分離フィルタ29a、29bは、ドラムの円筒直径の80~100%に対応する幅を有する長方形の形状を有していてもよい。粒子分離フィルタ29aは、
図3に見られるように、フィルタに安定性を与え、引き伸ばされたままであることを確実にするために、グリッドを設けたプラスチックフレーム31内に固定することができる。これらの粒子分離フィルタ29a,29bをファン装置23やヒートポンプシステム13の前段に配置することにより、これらのシステム23,13の目詰まりを防止することができ、保守作業が少なくて済むようになる。
【0039】
暖かく加湿された空気は、ファン装置23から空気流ダクト33を通って蒸発器17に送られ、この蒸発器はダクト(図示せず)で構成され、ダクト内で暖かく加湿された空気と冷媒とが交互に導かれ、空気流は冷やされ、冷媒との熱交換を通して除湿される。冷却器からは、チューブ(図示せず)によって凝縮水を除去することができる。
【0040】
次いで、冷却された除湿された空気は、蒸発器17から凝縮器19に循環され、そこで、空気の流れは、冷媒との熱交換を通じて再び加熱される。
【0041】
次いで、暖かい空気の流れが再び乾燥ドラム21に吹き込まれる。矢印は空気流回路15内の気流の循環を示す。
【0042】
冷媒は、冷媒回路を介して導かれ、圧縮機20が冷媒を圧縮し、ここで、冷媒は、凝縮器19内で凝縮され、膨張弁(図示せず)を通過した後に蒸発器17内で蒸発する。
【0043】
蒸発器17と、圧縮機20と、凝縮器19と、膨張弁(図示せず)とを備えるヒートポンプシステム13は、タンブル乾燥器1の後面に沿って、部分的に乾燥ドラム21の後方に配置されていてもよく、空気の流れを出入りさせるための開口部を備えた絶縁シェル35で囲まれていてもよい。
【0044】
ヒートポンプシステム13及びファン装置23は、乾燥ドラム21の後方、タンブル乾燥機1の後方、及び乾燥ドラム21の下方に沿って、L字形状に配置することができる。
【0045】
乾燥ドラム21モータ37によって駆動されて回転してもよい。
図2に見られるように、このモータ37は、乾燥ドラム21の上部に配置され、コンパクトな配置を提供することができる。
【0046】
図2に示すように構成要素をタンブル乾燥機1内に配置することにより、タンブル乾燥機1内のスペースを効率よく利用され、高性能でコンパクトなタンブル乾燥機1を与える。
【0047】
図4はファン装置23の拡大図を示す。ファン装置23は、漏斗形インタフェース部分45を備えるプラスチックシェル43によって囲まれた、モータ41によって動力供給されるラジアルファン39を備えてもよい。
【0048】
プラスチックシェル43は、ラジアルファン39とファンモータ41とで一体物を形成する幾つかの部品によって組み立てることができる。
【0049】
漏斗形インタフェース部分45は、プラスチックシェル43の一体化された部分であってもよく、粒子分離フィルタ29a、29bのサイズに対応する長方形の入口を有することができ、乾燥ドラム21から大量の加湿された暖かい空気を集め、この空気の流れを垂直方向(V)でラジアルファン39にもたらすようになっている。空気の流れの方向は、ラジアルファン39によって変更され、半径方向を離れた空気の流れは、空気流ダクト33を介して蒸発器17に向かうように、タンブル乾燥機1の後方に方向づけられる。
【0050】
ファン39によって空気流の流れ方向を変えることによって、タンブル乾燥機1の内部の間隔を与えられたときに最も適した方法で空気流を導くことができる。タンブル乾燥機1からの加湿された空気は、垂直方向(V)にファン39に入り、ファン39によってタンブル乾燥機1の後部に向かうほぼ水平方向(H)に変換される。
【0051】
ファン装置23の下流側に配置された蒸発器17は、蒸発器17内で生成された凝縮水の効率的な排水のために、下にある自由空間を必要とすることがある。ファン装置23は、ファン装置23の底面がタンブル乾燥機1の底面に載置されるので、蒸発器17よりも低い位置を有することができる。ファン39から空気流を空気流ダクト33を介して蒸発器17の入口に向けるために、ラジアルファン39の回転軸47を0~25°、好ましくは上下方向から5~15°の傾き(α)で配置してもよい。
図4に示す実施形態では、ラジアルファン39の軸47は、垂直位置から7°の傾き(α)をもって配置されている。このように軸をわずかに前方に傾けて、蒸発器に当たるように空気の流れを上昇させる。
【0052】
タンブル乾燥機1の前壁9に配置されたハッチ49(
図1参照)を通して、ファン装置23を一体物として取り外すことができ、これにより、ラジアルファン39および/またはそのモータ41のサービス、修理または交換が容易になる。
【0053】
漏斗形インタフェース部分45の側面は、
図5に見られるようにタンブル乾燥機1のそれぞれの側面に配置された溝51に挿入され、ケーシング3とファン装置23との間の
堅い接続を提供することができる。ファン装置23は、かくして、その上部23aで自由に吊り下げられ、その下部23bで乾燥機の底面または床に接して静止し、任意に、前壁9のハッチ49によって所定の位置で保持することができる。したがって、ファン装置23は、いかなる工具も必要としない簡単な方法で、単にハッチ49を開き、ファン装置23を引き出すだけで、タンブル乾燥機1から取り外すことができる。
【0054】
粒子分離フィルタ29は、漏斗形インタフェース部分45のすぐ上にタンブル乾燥機1のそれぞれの側面に配置された溝51に挿入することもでき、洗浄または交換のために容易に取り外すことができる。
【0055】
本発明は、主に、いくつかの実施形態について上述した。しかしながら、当業者であれば容易に理解できるように、上記で開示されたもの以外の他の実施形態も、添付の特許請求の範囲に規定されているように、本発明の範囲内で同様に可能である。
【0056】
例えば、実施形態に示すように、タンブル乾燥機は、ヒートポンプ乾燥機の代わりに排気エア乾燥機又は凝縮乾燥機であってもよい。
【0057】
特許請求の範囲において、「有する、comprising」という語は、他の構成要素又は方法ステップを除外せず、不定物品「a」又は「an」は、複数を除外しない。