(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】板材供給装置
(51)【国際特許分類】
B21D 43/00 20060101AFI20240730BHJP
B21D 43/02 20060101ALI20240730BHJP
B21C 47/34 20060101ALI20240730BHJP
B21C 49/00 20060101ALI20240730BHJP
B65H 20/02 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B21D43/00 J
B21D43/00 R
B21D43/02 H
B21C47/34 C
B21C47/34 B
B21C49/00 B
B65H20/02 Z
(21)【出願番号】P 2020571187
(86)(22)【出願日】2020-02-03
(86)【国際出願番号】 JP2020003951
(87)【国際公開番号】W WO2020162404
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2022-11-07
(31)【優先権主張番号】P 2019018148
(32)【優先日】2019-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390006585
【氏名又は名称】株式会社三共製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健吾
【審査官】後藤 泰輔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03888400(US,A)
【文献】特開平10-005904(JP,A)
【文献】米国特許第03817067(US,A)
【文献】特開2011-104650(JP,A)
【文献】特開2004-143876(JP,A)
【文献】実開平06-005716(JP,U)
【文献】特開平02-108415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 43/00
B21D 43/02
B21C 47/34
B21C 49/00
B65H 20/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
間欠的に板材を搬送する板材送り装置に、前記板材を供給するための板材供給装置であって、
略前記板材送り装置の方向に前記板材を搬送する上側部分と、
前記上側部分から搬送された前記板材を受容して、前記板材送り装置の方向とは略反対の斜め鉛直下側方向に前記板材を搬送する中央部分と、
前記中央部分から搬送された前記板材を受容して、略前記板材送り装置の方向に前記板材を搬送する下側部分と
を備え、
前記板材供給装置には、前記中央部分と前記下側部分との間に
のみ、前記板材送り装置の間欠搬送に応じて前記板材を滞留させることができる空間が設けられ、
前記中央部分は、前記板材を把持して搬送するための一対のロールと、前記一対のロールのうちの少なくとも1つを等速で回転駆動するサーボモータと、前記サーボモータを駆動するドライバと、前記ドライバを介して前記サーボモータを制御して前記一対のロールによる前記板材の送り量を制御する制御装置とを備え、それによって、前記中央部分は、前記板材を前記上側部分から前記中央部分に等速で搬送させることができるようになっており、
前記板材が重力に逆らわないように、前記上側部分において、前記板材は、水平方向又は水平方向から下側に傾斜した方向に搬送され、前記下側部分において、前記板材は、水平方向又は水平方向から下側に傾斜した方向に搬送される、板材供給装置。
【請求項2】
前記空間の大きさは、前記板材供給装置における前記中央部分の位置を調整することによって調整されることができるようになっている、請求項1に記載の板材供給装置。
【請求項3】
前記板材供給装置における前記中央部分の位置は、前記板材の厚さ、前記板材の送り長さ、及び前記板材の搬送速度のうちの少なくとも1つに従って調整されることができるようになっている、請求項1又は2に記載の板材供給装置。
【請求項4】
前記中央部分は、前記空間の大きさを調整するために、鉛直方向に移動することができるようになっている、請求項1~3の何れか一項に記載の板材供給装置。
【請求項5】
前記中央部分は、前記空間の大きさを調整するために、水平方向に平行であって、且つ前記斜め鉛直下側方向に垂直である軸線を中心として回転することができるようになっている、請求項1~4の何れか一項に記載の板材供給装置。
【請求項6】
前記上側部分は、前記板材を前記中央部分に案内するためのガイドを備える、請求項1~
5の何れか一項に記載の板材供給装置。
【請求項7】
前記下側部分は、前記板材を前記板材送り装置に案内するためのガイドを備える、請求項1~
6の何れか一項に記載の板材供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス装置等に対して間欠的に板材を搬送する板材送り装置に、板材を供給することができる板材供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
板材送り装置がプレス装置等に対してコイル材等の板材を搬送する場合、板材送り装置による搬送動作は、プレス装置におけるプレス作業に合わせて板材の移動・停止を繰り返すように間欠的に行われる。板材の移動・停止によって発生する慣性力が板材に作用して、板材が振動したり、バタツキと呼ばれる波打ち現象が発生したりする。このようなバタツキが発生すると、板材送り装置に過度な負担を掛けるだけなく、板材に曲がりが生じたりキズがついたりするため、ルーパーと呼ばれる緩衝区間を設ける必要がある。コイル材のバタツキを緩和させる手法として、緩衝区間としてU字型、S字型、等のルーパーが設けられたコイル材供給装置がある。U字型、S字型、等のルーパーが設けられない場合と比べるとバタツキは少なくなるが、コイル材を高速を搬送する場合にはバタツキが発生し、それ以上に高速にコイル材を搬送することはできず、プレス加工に高速化が要求される中で、プレス能力を充分に発揮することができないという問題点がある。
【0003】
引用文献1には、プレス装置の板材送り装置の近傍に配置されて、コイル材をループを作りながら送るためのサーボモータを備える一対の送りロールと、コイル材のループ量を検出するための位置センサと、位置センサからの信号によりサーボモータを制御して送りロールによるコイル材の送り量を制御する制御装置とを備えるコイル材供給装置が開示されている。引用文献2には、コイル材供給部と、このコイル材供給部の下流側に設けられるコイル材のループ量を検出する位置センサと、位置センサからの信号によりサーボモータを制御して送りロールによるコイル材の送り量を制御する制御装置と、コイル材供給部を材料の供給角度を条件に合わせ変更できるようにその取付角度の調整が可能な状態で保持するスタンドとを含む、コイル材をプレス装置の板材送り装置に供給するためのコイル材供給装置が開示されている。引用文献3には、コイル材を矯正して送り出すレベラー部とレベラー部から出た後のコイル材をループ形成させるガイド部を有し、形成されたループの膨らみを所望値にすると共に、レベラー部に入る前にコイル材をループ形成させる別のガイド部を有し、レベラー部はループ形状が変曲される中間部に配されているコイル材供給装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平6-5716号公報
【文献】特開2004-142876号公報
【文献】特開2011-104650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1~3のよるコイル材供給装置においては、板材は重力に逆らうように実質的に鉛直下側方向から鉛直上側方向に搬送されるために、板材が搬送される何れか場所で重力によって板材が垂下して、バタツキが発生しやすくなるという問題点がある。また、板材送り装置が間欠的に板材を高速に搬送する場合には、板材の移動・停止によって慣性力が発生して板材が振動し、バタツキが発生しやすくなるという問題点がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解決するために、板材を重力に逆らわないように搬送して重力方向への影響を緩和し、板材送り装置による板材の移動・停止によって発生する慣性力の影響を緩和するように、板材を供給することができる板材供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの観点によれば、間欠的に板材を搬送する板材送り装置に、板材を供給するための板材供給装置が、略板材送り装置の方向に板材を搬送する上側部分と、上側部分から搬送された板材を受容して、斜め鉛直下側方向に板材を搬送する中央部分と、中央部分から搬送された板材を受容して、略板材送り装置の方向に板材を搬送する下側部分とを備える。
【0008】
本発明の一具体例によれば、板材供給装置には、板材送り装置の間欠搬送に応じて板材を滞留させることができる空間が設けられている。
【0009】
本発明の一具体例によれば、板材供給装置において、上記空間が、中央部分と下側部分との間に設けられている。
【0010】
本発明の一具体例によれば、板材供給装置において、中央部分が、板材を上側部分から中央部分に等速で搬送させることができるようになっている。
【0011】
本発明の一具体例によれば、板材供給装置において、上記空間の大きさが、板材供給装置における中央部分の位置を調整することによって調整されることができるようになっている。
【0012】
本発明の一具体例によれば、板材供給装置において、中央部分の位置が、板材の厚さ、板材の送り長さ、及び板材の搬送速度のうちの少なくとも1つに従って調整されることができるようになっている。
【0013】
本発明の一具体例によれば、板材供給装置において、中央部分が、上記空間の大きさを調整するために、鉛直方向に移動することができるようになっている。
【0014】
本発明の一具体例によれば、板材供給装置において、中央部分が、上記空間の大きさを調整するために、水平方向に平行であって、且つ斜め鉛直下側方向に垂直である軸線を中心として回転することができるようになっている。
【0015】
本発明の一具体例によれば、板材供給装置において、上側部分が、板材を中央部分に案内するためのガイドを備える。
【0016】
本発明の一具体例によれば、板材供給装置において、下側部分が、板材を板材送り装置に案内するためのガイドを備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、重力方向への影響を緩和してバタツキの発生を抑制することができ、加工装置に高速に板材を供給することができる。
【0018】
なお、本発明の他の目的、特徴及び利点は、添付図面に関する以下の本発明の実施例の記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態としての板材供給装置を備える、プレス加工ラインの側面図である。
【
図2】
図1の板材供給装置を備える、プレス加工ラインの斜視図である。
【
図4】
図3の板材供給装置に対して、時計回り方向に中央部分を回転させた場合の板材供給装置の側面図である。
【
図5】
図3の板材供給装置に対して、鉛直下側方向に中央部分を移動させた場合の板材供給装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0021】
図1~
図5を参照して、本発明の一実施形態としての板材供給装置101を説明する。
図1及び
図2に示すように、プレス加工ラインにおいて、コイル材等の板材105は、アンコイラ104から板材供給装置101に搬送され、板材供給装置101は、プレス加工等の加工処理を行うプレス装置103等の加工装置に間欠的に板材105を搬送する板材送り装置102に、板材105を供給する。
図3~
図5に示すように、板材供給装置101は、板材送り装置102の方向301に板材105を搬送する上側部分201と、上側部分201から搬送された板材105を受容して、斜め鉛直下側方向302に板材105を搬送する中央部分202と、中央部分202から搬送された板材105を受容して、板材送り装置102の方向301に板材105を搬送する下側部分203とを備える。板材送り装置102の方向301は、
図3~
図5においては水平方向であるが、実質的に板材送り装置102の方向であればよく、水平方向から多少傾斜していてもよい。例えば、水平方向から鉛直下側方向に傾斜していてもよい。中央部分202においては、板材105は、実質的に鉛直下側方向に搬送されていればよい。また、中央部分202においては、板材105は、
図3~
図5に示すように、板材送り装置102の方向301に対向する斜め鉛直下側方向302に搬送されてもよく、これによって、板材105は、Z字状に折り返されように板材供給装置101において搬送され、結果として、プレス加工ラインのライン長を短くすることができる。また、板材105は、その重みによって重力方向に垂下して変形するが、板材供給装置101においては、板材105は重力に逆らわないように板材105自身の重みを利用して変形せずに搬送されるため、重力方向への影響を緩和してバタツキの発生を抑制することができ、且つ、プレス加工の高速化にも応えることができる。
【0022】
板材供給装置101には、板材送り装置102のプレス装置103への間欠搬送に応じて板材105を滞留させることができる空間204が設けられている。空間204は、板材105の遊びの空間となる。板材送り装置102による板材105の搬送動作は、プレス装置103におけるプレス作業に合わせて板材105の移動・停止を繰り返すように間欠的に行われる。従って、板材送り装置102がプレス装置103に板材105を移動させている場合には、板材105は、空間204において中央部分202から下側部分203に向かって、
図3~
図5で示される右側のループを描くように搬送される。板材送り装置102がプレス装置103への板材105の移動を停止すると、一方では板材105が中央部分202から下側部分203に向かって搬送され続けるために、板材105は空間204において滞留し、板材105の描くループは、停止時間に従って
図3~
図5で示される左側のループの方に向かって左側に徐々に移動する。板材送り装置102がプレス装置103への板材105の移動を開始する直前の板材105が描くループが、
図3~
図5で示される左側のループである。板材送り装置102がプレス装置103への板材105の移動を開始すると、板材105の描くループは、
図3~
図5で示される右側のループの方に向かって右側に徐々に移動する。空間204を設けることによって、板材送り装置102による板材105の移動・停止によって発生する慣性力の影響を緩和して板材105の振動を抑制し、バタツキの発生を抑制することができ、且つ、プレス加工の高速化にも応えることができる。
【0023】
空間204は、
図3~
図5に示すように、中央部分202と下側部分203との間に設けられているのが好ましい。しかし、これに限定されるものではなく、板材供給装置の構成によっては、上側部分201と中央部分202との間に設けられてもよい。
【0024】
中央部分202は、板材105を上側部分201から中央部分202に等速で搬送させることができるようになっている。中央部分202は、板材105を把持して搬送するための一対のロールと、一対のロールのうちの少なくとも1つを回転駆動するサーボモータと、サーボモータを駆動するドライバと、ドライバを介してサーボモータを制御して一対のロールによる板材105の送り量を制御する制御装置とを備えてもよく、一対のロールは、タイミングベルト、ギヤ、等の結合装置により結合されていてもよい。板材105を等速で搬送するために、制御装置はドライバに信号を出力し、信号に基づいてドライバはサーボモータの出力軸を回転させ、サーボモータの出力軸の回転に伴って、板材105を把持する一対のロールは等速に回転して、板材105を上側部分201から中央部分202に等速で搬送させる。一対のロールの間隔は、板材105の厚さに従って調整される。しかし、中央部分202は、これに限定されるものではなく、板材105を等速で搬送させることができるものであればよい。また、上側部分201が板材105を上側部分201から等速で搬送させることができるようになっていてもよい。
【0025】
板材105を滞留させるための空間204の大きさは、板材供給装置101における中央部分202の位置を調整することによって調整されることができるようになっていてもよい。
図3~
図5に示すように、板材105が中央部分202から下側部分203に向かって搬送される場合、空間204において中央部分202から下側部分203に向かうように板材105によるループが形成されるが、一般的に板材105がループを形成する場合の板材105のループ半径限界は通常、板材105の厚さの500倍までとされており、板材105によるループがこのループ半径限界以下のループ半径であれば、板材105に曲がり変形が生じない。
図3~
図5に示すように、中央部分202の板材供給装置101における位置を変更することによって、板材105によるループのループ半径を変更することができる。例えば、中央部分202の板材供給装置101における位置を変更することによって、板材105によるループのループ半径を小さくすることができ、それによって、板材105の自由度を制限して、バタツキの発生を抑制することができる。
【0026】
中央部分202の位置は、板材105の厚さ、板材105の送り長さ、及び板材105の搬送速度のうちの少なくとも1つに従って調整されることができるようになっていてもよい。例えば、板材105の厚さが薄い場合には、ループ半径が小さくなるように中央部分202の位置を調整し、板材105の厚さが厚い場合には、ループ半径が大きくなるように中央部分202の位置を調整する。また、板材105の送り長さが短い場合には、ループ半径が小さくなるように中央部分202の位置を調整し、板材105の送り長さが長い場合には、ループ半径が大きくなるように中央部分202の位置を調整する。また、板材105の搬送速度が速い場合には、ループ半径が小さくなるように中央部分202の位置を調整し、板材105の搬送速度が遅い場合には、ループ半径が大きくなるように中央部分202の位置を調整する。
【0027】
中央部分202は、空間204の大きさを調整するために、鉛直方向に移動することができるようになっていてもよい。
図3及び
図5に示すように、中央部分202を鉛直上側方向に移動させることによって、板材105が滞留することができる空間204を大きくしてループ半径を大きくすることができ、中央部分202を鉛直下側方向に移動させることによって、板材105が滞留することができる空間204を小さくしてループ半径を小さくすることができる。板材供給装置101は、中央部分202を鉛直方向に直線運動させることができる直線運動機構を備えてもよい。直線運動機構としては、例えば、エアシリンダ、電動シリンダ、等があって、シリンダを空気的又は電気的に鉛直方向に直線運動させることによって、それに応じて、シリンダに接続された中央部分202を直線運動させることができる。また、直線運動機構は、モータ、ねじ軸、及びナットより構成されていてもよく、モータの出力軸に接続されたねじ軸の回転を、ナットによる鉛直方向の直線運動に変換することによって、ナットに接続された中央部分202を直線運動させることができる。しかし、これに限定されるものではなく、中央部分202を鉛直方向に移動させることができるものであればよい。例えば、中央部分202は、手動調整により鉛直方向に移動することができてもよい。
【0028】
中央部分202は、空間204の大きさを調整するために、水平方向に平行である軸線であって、且つ中央部分202において板材105が搬送される方向である斜め鉛直下側方向302に垂直である軸線を中心として回転することができるようになっていてもよい。
図3及び
図4に示すように、中央部分202を時計周りの方向に回転させて、鉛直下側方向に対する、板材105が中央部分202から送出される方向の角度を大きくすることによって、板材105が滞留することができる空間204を大きくしてループ半径を大きくすることができる。また、中央部分202を反時計周りの方向に回転させて、鉛直下側方向に対する、板材105が中央部分202から送出される方向の角度を小さくすることによって、板材105が滞留することができる空間204を小さくしてループ半径を小さくすることができる。板材供給装置101は、中央部分202を回転させることができる回転運動機構を備えてもよい。回転運動機構としては、例えばモータ等があって、水平方向に平行であって斜め鉛直下側方向302に垂直である軸線を中心としてモータの出力軸を回転させることによって、それに応じて、出力軸に接続された中央部分202を回転させることができる。また回転運動機構は、減速機を備えてもよい。しかし、これに限定されるものではなく、中央部分202を回転させることができるものであればよい。例えば、中央部分202は、手動調整により水平方向に平行であって斜め鉛直下側方向302に垂直である軸線を中心として回転することができてもよい。
【0029】
上側部分201は、板材105を中央部分202に案内するために、少なくとも一部にガイド205を備えていてもよい。ガイド205によって、バタツキの発生を抑制することができる。
図3~
図5においては、板材105の両面にガイド205が設けられている場所があるが、必要に応じて、板材105の片面にのみガイド205が設けられていてもよい。
【0030】
中央部分202は、板材105を中央部分202の内部に案内するために、少なくとも一部にガイド206を備えていてもよい。ガイド206によって、バタツキの発生を抑制することができる。
図3~
図5においては、板材105の両面にガイド206が設けられているが、必要に応じて、板材105の片面にのみガイド206が設けられていてもよい。また、ガイド206は、上側部分201から搬送される板材105を受容することができるように、上側部分201に向かって徐々に幅広であってもよい。幅広にすることによって、上記のように中央部分202が回転した場合であっても板材105を受容することができる。また、ガイド206は、中央部分202が回転した角度に応じて、中央部分202から突出する角度を調整することができてもよい。
【0031】
下側部分203は、板材105を板材送り装置102に案内するために、少なくとも一部にガイド207を備えていてもよい。ガイド207によって、バタツキの発生を抑制することができる。
図3~
図5においては、板材105の下面にのみガイド205が設けられているが、必要に応じて、板材105の両面にガイド207が設けられていてもよい。
【0032】
上記に説明したような本発明の板材供給装置101を使用することによって、重力方向への影響、及び板材送り装置102による板材105の移動・停止によって発生する慣性力の影響を緩和して、プレス装置103等の加工装置に間欠的に板材105を搬送する板材送り装置102に、バタツキの発生が抑制され、板材105の振動が抑制され、且つ、プレス加工等の加工処理の高速化にも応える、板材105を供給することができる。そして、板材送り装置102から高精度に間欠的に搬送された板材105を、プレス装置103等の加工装置は、プレス加工等の加工処理を行って、携帯電話、パソコン、等の情報関連機器に使用される小型部品、自動車、産業用モータ部品、家電製品、等の構成部品、等の構造物を製造することができる。
【0033】
上記記載は特定の実施例についてなされたが、本発明はそれに限らず、本発明の原理と添付の特許請求の範囲の範囲内で種々の変更及び修正をすることができることは当業者に明らかである。
【符号の説明】
【0034】
101 板材供給装置
102 板材送り装置
103 プレス装置
104 アンコイラ
105 板材
201 上側部分
202 中央部分
203 下側部分
204 空間
205 ガイド
206 ガイド
207 ガイド
301 板材送り装置の方向
302 斜め鉛直下側方向