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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/533 20210101AFI20240730BHJP
   H01M 50/54 20210101ALI20240730BHJP
   H01M 50/176 20210101ALI20240730BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20240730BHJP
   H01M 50/188 20210101ALI20240730BHJP
   H01M 50/557 20210101ALI20240730BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20240730BHJP
   H01M 50/566 20210101ALI20240730BHJP
   H01G 11/72 20130101ALI20240730BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20240730BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M50/54
H01M50/176
H01M50/184 A
H01M50/188
H01M50/557
H01M50/55 101
H01M50/566
H01G11/72
H01G11/78
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021151123
(22)【出願日】2021-09-16
(65)【公開番号】P2023043466
(43)【公開日】2023-03-29
【審査請求日】2022-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100136423
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 浩治
(72)【発明者】
【氏名】岡田 光広
【審査官】窪田 陸人
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-077958(JP,A)
【文献】特開2016-195015(JP,A)
【文献】特開2018-181510(JP,A)
【文献】国際公開第2020/218473(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/021372(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
H01M 50/10-50/198
H01G 11/78
H01G 11/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極体と、
前記電極体を収容するための開口を有するケース本体と、
前記ケース本体の開口に取り付けられた蓋と
を有し、
前記蓋は、絶縁材を介して取り付けられた集電端子を有し、
前記絶縁材は、前記蓋の内表面に沿って配置される平坦部を含み、
前記集電端子は、前記平坦部に沿って配置される平板状の部位を有しており、
前記電極体は、集電タブを有し、
前記集電タブは、前記電極体から延びた延伸部と、該延伸部の先端領域から該延伸部とは異なる方向に延びた枝部とを有し、前記枝部が前記集電端子に接合された部位を有し、
前記延伸部の先端領域と前記枝部とは、ともに、前記平板状の部位における前記平坦部と反対側の面上に配置されており、当該面上に、前記枝部が該集電端子に接合された部位が設けられている、二次電池。
【請求項2】
前記枝部は、前記延伸部の先端領域から、該延伸部が前記電極体から延びた方向に対して略垂直方向に延びている、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記枝部は、第1枝部と第2枝部とを備えており、
前記第1枝部は、前記延伸部の先端領域から、該延伸部が前記電極体から延びた方向に対して略垂直方向に延びており、
前記第2枝部は、前記第1枝部が延びた方向と反対方向に延びている、請求項1または2に記載の二次電池。
【請求項4】
電極体と、
前記電極体を収容するための開口を有するケース本体と、
前記ケース本体の開口に取り付けられた蓋と
を有し、
前記蓋は、絶縁材を介して取り付けられた集電端子を有し、
前記電極体は、集電タブを有し、
前記集電タブは、前記電極体から延びた延伸部と、該延伸部の先端領域から該延伸部とは異なる方向に延びた枝部とを有し、前記枝部が前記集電端子に接合された部位を有しており、
前記枝部は、
前記延伸部の先端領域から、該延伸部が前記電極体から延びた方向に対して略垂直方向に延びており、
第1枝部と第2枝部とを備えており、
前記第1枝部は、前記延伸部の先端領域から、該延伸部が前記電極体から延びた方向に対して略垂直方向に延びており、
前記第2枝部は、前記第1枝部が延びた方向と反対方向に延びている、二次電池。
【請求項5】
前記延伸部の先端領域は、先端側に前記集電端子に接合された接合部位を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2018-94559号公報には、正極タブおよび負極タブを有する発電要素が電池ケースの内部に収容された二次電池が開示されている。ここで開示された二次電池では、発電要素から突出した正極タブおよび負極タブが、電池ケースの内部に設けられた同極の集電端子と接合されている。この接合を介して、正極タブおよび負極タブは、電池ケースの外部に配置された電極端子と電気的に接続されている。
【0003】
また、特開2020-167010号公報には、タブを備える電極体と、電極体を備える外装体と、外装体を封口し、端子を備える封口板と、を備える二次電池が開示されている。ここで開示された二次電池では、絶縁部材を介して、集電体が封口板に取り付けられている。この集電体を介して、タブと端子とが電気的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-94559号公報
【文献】特開2020-167010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、本発明者は、集電タブと集電端子とを接合するときに、電極体と集電タブとの境界にかかる振動や衝撃等の外部負荷を低減したい、と考えている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここで開示される技術によると、電極体と、上記電極体を収容するための開口を有するケース本体と、該ケース本体の開口に取り付けられた蓋とを有する二次電池が提供される。この二次電池では、上記蓋は、絶縁材を介して取り付けられた集電端子を有する。上記電極体は、集電タブを有する。上記集電タブは、上記電極体から延びた延伸部と、該延伸部の先端領域から該延伸部とは異なる方向に延びた枝部とを有する。上記枝部が上記集電端子に接合された部位を有する。
【0007】
集電タブが電極体から延びた延伸部と、該延伸部の先端領域から延伸部とは異なる方向に延びた枝部と、を有しており、該枝部が集電端子に接合されている。すなわち、延伸部の延伸方向において外れた位置で集電タブと集電端子とが接合されている。このため、集電タブと集電端子とが接合される時に、延伸部が電極体から延びる始点となる部位(電極体と集電タブとの境界)に加わる外部負荷を低減することができる。延伸部が電極体から延びる始点となる部位に加わる、接合時の外部負荷が低減されることによって、集電タブの損傷リスクが低減される。
【0008】
ここで開示される二次電池の好ましい一態様では、上記枝部は、上記延伸部の先端領域から、該延伸部が上記電極体から延びた方向に対して略垂直方向に延びている。かかる構成によると、延伸部から延びる始点となる部位に外的負荷が掛かりにくいため、集電タブの損傷リスクが低減される。
【0009】
好ましい他の一態様では、上記枝部は、第1枝部と第2枝部とを備えている。上記第1枝部は、上記延伸部の先端領域から、該延伸部が上記電極体から延びた方向に対して略垂直方向に延びており、上記第2枝部は、上記第1枝部が延びた方向と反対方向に延びている。かかる構成によると、延伸部が両側においてそれぞれ集電端子に接合された第1枝部と第2枝部とに支持される。このため、延伸部から延びる始点となる部位に外的負荷が掛かりにくいため、集電タブの損傷リスクが低減される。また、集電タブと集電端子との接合面積を大きくすることができるため、二次電池の抵抗をより小さくすることができる。
【0010】
好ましい他の一態様では、上記延伸部の先端領域は、先端側に上記集電端子に接合された接合部位を有する。かかる構成によると、延伸部の先端領域の先端側の一部が集電端子に接合されることによって、接合面積が大きくなるため、二次電池の抵抗を低減することができる。また、これによって、延伸部が集電端子の表面から浮くのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、二次電池10の部分断面図である。
図2図2は、図1のII-II断面図である。
図3図3は、蓋14の内表面の構造を示す平面図である。
図4図4は、負極集電タブ122と負極集電端子43との超音波接合を説明する模式図である。
図5図5は、正極集電端子33および負極集電端子43に電極体20が接合される状態を示す平面図である。
図6図6は、他の実施形態において負極集電タブ122と負極集電端子43とが接合される状態を説明する平面図である。
図7図7は、負極集電タブ322と負極集電端子43とが接合される状態を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、ここで開示される二次電池の一実施形態を説明する。ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。ここで開示される技術は、特に言及されない限りにおいて、ここで説明される実施形態に限定されない。各図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。また、同一の作用を奏する部材・部位には、適宜に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、数値範囲を示す「A~B」などの表記は、特に言及されない限りにおいて「A以上B以下」を意味するとともに、「Aを上回り、かつ、Bを下回る」を包含する。なお、以下に説明する図面において、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
【0013】
本明細書において「二次電池」とは、電解質を介して一対の電極(正極と負極)の間で電荷担体が移動することによって充放電反応が生じる蓄電デバイス一般をいう。かかる二次電池は、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等のいわゆる蓄電池の他に、電気二重層キャパシタ等のキャパシタなども包含する。以下では、上述した二次電池のうち、リチウムイオン二次電池を対象とした場合の実施形態について説明する。
【0014】
《第1実施形態》
〈二次電池10〉
図1は、二次電池10の部分断面図である。図1では、略直方体のケース本体12の片側の幅広面に沿って、内部を露出させた状態が描かれている。図2は、図1のII-II断面図である。図2では、略直方体のケース本体12の幅狭面から負極集電端子43への負極集電タブ122の接合をみた部分断面図が模式的に描かれている。図1,2に示されているように、二次電池10は、ケース本体12と、蓋14と、電極体20と、を有している。
【0015】
〈電極体20〉
電極体20は、二次電池10の発電要素であり、正極と負極と、該正極と該負極とを離隔するセパレータを備えている。また、電極体20は、外部と電気的に接続される集電タブを有している。図2に示されているように、この実施形態では、二次電池10は、隣り合って配置される2つの電極体20を備えている。かかる隣接する2つの電極体20は、図1,2に示されているように、絶縁フィルム29に覆われた状態で、ケース本体12に収容されている。図1に示されているように、電極体20は、正極要素としての正極シート21と、負極要素としての負極シート22と、セパレータとしてのセパレータシート23とを備えている。正極シート21および負極シート22は、セパレータシート23を介して積層された積層構造を備えている。ここでは、電極体20は、予め定められた形状に形成された正極シート21と負極シート22とがセパレータシート23を介在させて重ねられた、いわゆる積層型電極体が例示されている。
【0016】
〈正極シート21〉
正極シート21は、図1に示されているように、略矩形状の正極集電箔21aと、正極集電箔21aに形成された正極活物質層21bとを備えている。正極活物質層21bは、正極集電箔21aの両側面にそれぞれ形成されている。この実施形態では、正極活物質層21bの形成領域は、矩形状である。正極シート21は、かかる正極活物質層21bの形成領域の一の辺から突出する正極集電タブ121を有している(図5参照)。正極集電タブ121は、正極集電箔21aの一部であり、表面に正極活物質層21bが形成されない活物質層未形成部である。この実施形態では、正極活物質層21bと正極集電タブ121との境界に、正極保護層21pが形成されている(図5参照)。正極保護層21pは、ここでは、正極集電タブ121の突出方向における正極活物質層21bの端部に形成されており、正極集電タブ121と隣接している。なお、正極保護層21pの形成は必須ではない。
【0017】
正極集電箔21aには、例えば、アルミニウム箔が用いられうる。正極活物質層21bは、正極活物質を含む層である。正極活物質は、例えば、リチウムイオン二次電池では、リチウム遷移金属複合材料のように、充電時にリチウムイオンを放出し、放電時にリチウムイオンを吸収しうる材料である。正極活物質は、一般的にリチウム遷移金属複合材料以外にも種々提案されており、特に限定されない。正極保護層21pは、例えば、アルミナ等の無機フィラーを含む層である。
【0018】
〈負極シート22〉
負極シート22は、図1に示されているように、略矩形状の負極集電箔22aと、負極集電箔22aに形成された負極活物質層22bとを備えている。負極活物質層22bは、負極集電箔22aの両側面にそれぞれ形成されている。この実施形態では、負極活物質層22bの形成領域は、矩形状である。負極シート22は、かかる負極活物質層22bの形成領域の一の辺から突出する負極集電タブ122を有している(図5参照)。負極集電タブ122は、負極集電箔22aの一部であり、表面に負極活物質層22bが形成されない活物質層未形成部である。
【0019】
負極集電箔22aには、例えば銅箔が用いられうる。負極活物質層22bは、負極活物質を含む層である。負極活物質は、例えば、リチウムイオン二次電池では、天然黒鉛のように、充電時にリチウムイオンを吸蔵し、充電時に吸蔵したリチウムイオンを放電時に放出しうる材料である。負極活物質は、一般的に天然黒鉛以外にも種々提案されており、特に限定されない。
【0020】
〈セパレータシート23〉
セパレータシート23は、この実施形態では略矩形状であり、負極活物質層22bを覆うことができるように、負極活物質層22bよりも一回り大きく形成されている。セパレータシート23には、例えば、所要の耐熱性を有する電解質が通過しうる多孔質の樹脂シートが用いられる。セパレータシート23についても種々提案されており、特に限定されない。
【0021】
図1に示されているように、底面12aの長辺方向における負極活物質層22bの幅W2は、同方向における正極活物質層21bの幅W1よりも広い。底面12aの長辺方向におけるセパレータシート23の幅W3は、負極活物質層22bの幅W2よりも広い。正極集電タブ121および負極集電タブ122は、セパレータシート23からはみ出すように、所要の長さを備えている(図5参照)。正極シート21と負極シート22とセパレータシート23とは、図1に示されているように、セパレータシート23を介在させた状態で負極活物質層22bが正極活物質層21bを覆い、かつ、正極集電タブ121および負極集電タブ122が、それぞれセパレータシート23からはみ出るように重ねられる。この実施形態では、正極シート21と負極シート22とがセパレータシート23を介して重ねられて形成された矩形の領域では、正極シート21の両面に正極活物質層21bが形成されており、負極シート22の両面に、負極活物質層22bが形成されている。また、上記矩形の領域の一の端部では、複数の正極集電タブ121が重ね合わせられた状態で突出している。また、上記一の端部では、複数の負極集電タブ122が重ね合わせられた状態で突出している。
【0022】
電極体20は、図1,2に示されているように、正極集電タブ121および負極集電タブ122を除く電極体本体部が、一対の幅広矩形面20aを有する扁平な直方体形状である。この実施形態では、各電極シートおよびセパレータシート23の積層方向Zの端面が幅広矩形面20aを構成している。上記電極体本体部における、一対の幅広矩形面20aを除く4つの側面は、正極シート21、負極シート22、およびセパレータシート23の積層面である。
【0023】
〈ケース本体12〉
ケース本体12は、図1に示されているように、電極体20を収容しており、電極体20を収容するための開口12hを有している。ケース本体12は、一側面が開口した略直方体の角形形状を有している。ケース本体12は、図1,2に示されているように、略矩形の底面12aと、一対の幅広面12bと、一対の幅狭面12cとを有している。一対の幅広面12bは、それぞれ底面12aのうち長辺から立ち上がっている。一対の幅狭面12cは、それぞれ底面12aのうち短辺から立ち上がっている。開口12hは、一対の幅広面12bの長辺と一対の幅狭面12cの短辺とで囲まれて形成されている。なお、この実施形態では、ケース本体12および後述の蓋14は、軽量化と所要の剛性を確保するとの観点で、それぞれアルミニウムまたはアルミニウムを主体とするアルミニウム合金で形成されている。
【0024】
またケース本体12は、電極体20と一緒に、図示しない電解液を収容していてもよい。電解液としては、非水系溶媒に支持塩を溶解させた非水電解液を使用できる。非水系溶媒の一例として、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のカーボネート系溶媒が挙げられる。支持塩の一例として、LiPF等のフッ素含有リチウム塩が挙げられる。
【0025】
〈蓋14〉
蓋14は、ケース本体12の開口12hに取り付けられている。そして、蓋14の周縁部が、ケース本体12の開口12hの縁に接合される。かかる接合は、例えば、隙間がない連続した溶接によるとよい。かかる溶接は、例えば、レーザー溶接によって実現されうる。ケース本体12および蓋14は、電極体の収容数(1つまたは複数。図2に示された実施形態では2つ)、サイズ等に応じた大きさを有している。蓋14には、注液孔15とガス排出弁17とが設けられている。注液孔15は、ケース本体12に蓋14を接合した後に電解液を注液するためのものである。注液孔15は、封止部材16により封止されている。ガス排出弁17は、二次電池10の内圧が所定値以上になったときに破断して、二次電池10内のガスを外部に排出するように構成された薄肉部である。
【0026】
この実施形態では、蓋14には、正極端子30と、負極端子40とが取り付けられている。正極端子30は、正極外部端子31と、接続部材32と、正極集電端子33と、を備えている。負極端子40は、負極外部端子41と、接続部材42と、負極集電端子43と、を備えている。正極外部端子31および負極外部端子41は、それぞれ外部絶縁部材50を介して蓋14の外側に取り付けられている。接続部材32および正極集電端子33と、接続部材42および負極集電端子43とは、各極側に設けられた内部絶縁部材60を介して蓋14の内側に取り付けられている。接続部材32および正極集電端子33と、接続部材42および負極集電端子43とは、蓋14の内表面に沿って配置されている。正極集電端子33は、正極集電タブ121を介して電極体20の正極(詳しくは、正極シート21)に接続されている。負極集電端子43は、負極集電タブ122を介して電極体20の負極(詳しくは、負極シート22)に接続されている。
【0027】
電極体20の正極集電タブ121と、負極集電タブ122とは、図1に示されているように、蓋14の長手方向の両側部にそれぞれ取り付けられた正極集電端子33および負極集電端子43にそれぞれ取り付けられている。電極体20は、このように集電タブを介して蓋14に取り付けられた状態で、ケース本体12に収容されている。図1,2に示されるように、電極体は、幅広矩形面20aがケース本体12の幅広面12bに対向するように、ケース本体12に収容されている。なお、集電端子と集電タブとの接続に関しては、後でさらに述べる。
【0028】
以下、負極側を例に挙げて、二次電池10における端子構造、および、電極体20と蓋14との接続を詳細に説明する。蓋14は、図1に示されているように、負極外部端子41を取り付けるための取付孔19を有している。取付孔19は、蓋14の予め定められた位置において蓋14を貫通している。蓋14の取付孔19には、外部絶縁部材50を介在させて、負極外部端子41が取り付けられている。
【0029】
〈負極外部端子41〉
ここで、負極の外部端子41は、頭部41aと、軸部41bとを備えている。頭部41aは、蓋14の外側に配置される部位である。頭部41aは、取付孔19よりも大きな略平板状の部位である。軸部41bは、外部絶縁部材50を介して取付孔19に装着される部位である。軸部41bは、頭部41aの略中央部から下方(図1では、ケース本体12の内方)に突出している。軸部41bの先端は、図1に示されているように、蓋14の内部において、接続部材42にかしめられる部位である。軸部41bの先端は、蓋14の取付孔19および接続部材42の貫通孔42aに挿通された状態で折曲げられて、接続部材42にかしめられている。
【0030】
〈外部絶縁部材50〉
外部絶縁部材50は、図1に示されているように、蓋14の取付孔19の内側面、および蓋14の外側表面に取り付けられる部材である。この実施形態では、外部絶縁部材50は、ベース部50aと、筒部50bと、側壁50cとを備えている。ベース部50aは、蓋14の取付孔19周りの外表面に装着される部位である。ベース部50aは、該外表面に合わせた面(この実施形態では、略平坦な面)を有する。筒部50bは、ベース部50aの底面から突出している。筒部50bは、蓋14の取付孔19に装着されるように該取付孔の内側面に沿った外形を有している。筒部50bの内側面は、負極外部端子41の軸部41bが装着される装着孔となる。側壁50cは、ベース部50aの周縁から上方に立ち上がっている。負極外部端子41の頭部41aは、外部絶縁部材50の側壁50cで囲まれた部位に装着されている。
【0031】
外部絶縁部材50は、蓋14と負極外部端子41との間に配置され、これらの絶縁を確保している。また、外部絶縁部材50は、蓋14の取付孔19の気密性を確保している。かかる観点で、耐薬品性や耐候性に優れた材料が用いられるとよい。この実施形態では、外部絶縁部材50には、PFAが用いられている。PFAは、四フッ化エチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(Tetrafluoroethylene-Perfluoroalkylvinylether Copolymer)である。なお、外部絶縁部材50に用いられる材料は、PFAに限定されない。
【0032】
〈内部絶縁部材60〉
内部絶縁部材60は、蓋14の取付孔19の周りにおいて、蓋14の内側に装着される部材である。内部絶縁部材60は、平坦部60aと、孔60bと、側壁60cとを備えている。平坦部60aは、蓋14の内表面に沿って配置される部位である。この実施形態では、平坦部60aは、略平板状の部位である。平坦部60aは、蓋14の内表面に沿って配置され、ケース本体12に収められるように、蓋14からはみ出ない程度の大きさを有している。孔60bは、取付孔19に対応して設けられた孔である。この実施形態では、孔60bは、平坦部60aの略中央部に設けられている。側壁60cは、平坦部60aの周縁部から下方に立ち上がっている。平坦部60aには、接続部材42と負極集電端子43とが収められる内部絶縁部材60は、ケース本体12の内部に配置されるため、所要の耐薬品性を備えているとよい。この実施形態では、内部絶縁部材60には、PPSが用いられている。PPSは、ポリフェニレンサルファイド樹脂(Poly Phenylene Sulfide Resin)である。なお、内部絶縁部材60に用いられる材料は、PPSに限定されない。
【0033】
〈接続部材42〉
図3は、蓋14の内表面の構造を示す平面図である。接続部材42は、図1,3に示されているように、略平板状であり、貫通孔42aと、突起42bとを備えている。接続部材42は、内部絶縁部材60の平坦部60aに装着される部材であり、負極外部端子41と負極集電端子43とを接続している。貫通孔42aには、負極外部端子41の軸部41bが挿通している。貫通孔42aの周囲には、軸部41bがかしめられている。突起42bは、負極集電端子43の第1プレート部43aに設けられた貫通孔43a1に嵌合される部位である。突起42bの形状は、貫通孔43a1に嵌合できる形状である。この実施形態では、蓋14の内表面側からみた突起42bの平面形状は、楕円形である。接続部材42は、例えば、銅または銅合金で形成されている。
【0034】
〈負極集電端子43〉
負極集電端子43は、図1~3に示されているように、絶縁材(例えば、内部絶縁部材60の平坦部60a)を介して、蓋14に取り付けられている。負極集電端子43は、第1プレート部43aと、第2プレート部43bと、段差部43cとを備えている。第1プレート部43aは、接続部材42の表面に沿って配置される部位である。この実施形態では、第1プレート部43aは、略平板状の部位である。第1プレート部43aは、貫通孔43a1を有している。貫通孔43a1には、接続部材42の突起42bが嵌合される。貫通孔43a1は、突起42bが嵌合できる形状に形成されている。第2プレート部43bは、内部絶縁部材60の平坦部60aに配置される部位である。この実施形態では、第2プレート部43bは、略平板状の部位である。第2プレート部43bには、負極集電タブ122が接合される。段差部43cは、第1プレート部43aの一の端部から第2プレート部43bの一の端部に向かって立ち上がり、両プレート部を連結する部位である。この実施形態では、段差部43cは、接続部材42の側壁に沿って配置されている。負極集電端子43は、例えば、銅または銅合金で形成されている。
【0035】
図1~3に示されているように、この実施形態では、電極体20から突出した負極集電タブ122が、負極集電端子43の第2プレート部43bに接合されている。
【0036】
ところで、集電タブと集電端子とを接合する接合手段としては、例えば超音波接合が挙げられる。図4は、負極集電タブ122と負極集電端子43との超音波接合を説明する模式図である。図4に示されているように、負極集電タブ122と負極集電端子43との超音波接合では、電極体20の一の端部から突出し、積層された複数の負極集電タブ122と、負極集電端子43とを重ね合わせる。次いで、これらの重ね合わせた領域のうちの接合予定部分90を、超音波接合装置のホーンHとアンビルAとで挟み込む。この実施形態では、ホーンHを負極集電タブ122に当接させ、アンビルAを負極集電端子43に当接させる。次いで、両部材を加圧しつつ、ホーンHを振動させることによって、該両部材を接合する。
【0037】
上記超音波接合では、負極集電タブ122の基端BにホーンHの振動等の外部負荷が加わる。基端Bについては、後述する。本発明者は、集電タブと集電端子との接合時(例えば超音波接合)に、集電タブの基端に加わる外部負荷を低減したい、と考えている。本発明者は、これによって、上記接合における集電タブが損傷するリスクを低減することができると考え、集電タブの形状、および、集電タブと集電端子との接合部の形成部位を検討した。
【0038】
図5は、正極集電端子33および負極集電端子43に電極体20が接合される状態を示す平面図である。図5に示されているように、正極集電端子33と負極集電端子43とは、それぞれ間隔を開け、集電タブを接合する接合面を上に向けて並べられている。この実施形態では、正極集電端子33と負極集電端子43とは、蓋14に取り付けた後に、第2プレート部33bと第2プレート部43bとが蓋14に設けられたガス排出弁17側となるように配置されている。2つの電極体20は、正極集電端子33および負極集電端子43に対して、正極集電タブ121と負極集電タブ122とを向けて対称に配置されている。そして、正極集電タブ121と負極集電タブ122とは、正極集電端子33および負極集電端子43に重ねられて接合されている。
【0039】
以下、ここでは、負極集電タブ122と負極集電端子43との接合を説明する。この実施形態では、図5に示されているように、負極集電端子43に対して対称に配置された2つの電極体20からそれぞれ延びた負極集電タブ122の先端が向かい合わせになるように、第2プレート部43bにおける上記接合面に配置されている。詳しくは後述するが、負極集電タブ122の少なくとも一部が、第2プレート部43bに接合されて、接合部90が形成されている。そして、負極集電端子43に2つの負極集電タブ122が接合された後、負極集電タブ122が接合された状態の負極集電端子43が蓋14に取り付けられる。蓋14に負極集電端子43が取り付けられた後、電極体20の幅広面どうしが重ねられて、ケース本体12に収容される(図2参照)。
【0040】
〈負極集電タブ122〉
図5に示されているように、負極集電タブ122は、電極体20から延びた延伸部122aと、該延伸部122aの先端領域Eから該延伸部122aは異なる方向に延びた枝部122bとを有し、枝部122bが負極集電端子43に接合された部位(接合部90)を有している。この実施形態では、図5に示されているように、延伸部122aおよび枝部122bは、帯状である。図5では、延伸部122aは、電極体20から延びている。同図中、延伸部122aが電極体20から延びた方向を矢印Pで表しており、以下、「第1延伸方向P」とも称する。第1延伸方向Pは、例えば、延伸部122aの基端Bの幅方向の中心Rと、延伸部122aの先端領域Eの基端B側の幅方向の中心Sとを結んだ線Laで規定されうる。ここで、延伸部122aの基端Bは、負極集電端子43と電極体20の外縁との境界をいう。電極体20の外縁は、例えば、電極体20の幅広矩形面20aの周縁である。先端領域Eは、例えば、延伸部122aの、枝部122bが設けられた領域をいい、延伸部122aの先端領域Eの基端B側は、延伸部122aの、枝部122bが設けられた領域の基端B側をいう。
【0041】
また、図5では、枝部122bが延びた方向を矢印Qで表しており、以下、「第2延伸方向Q」とも称する。第2延伸方向Qは、例えば、枝部122bの幅方向中心T(枝部122bの第1延伸方向Pにおける中心T)と、延伸部122aの先端領域Eの第1延伸方向Pの中心Uとを結んだ線Lbで規定されうる。そして、「枝部122bが延伸部122aの先端領域Eから該延伸部122aが電極体20から延びた方向とは異なる方向に延びる」、とは、例えば、第1延伸方向Pに沿った線Laと、第2延伸方向に沿った線Lbとがなす角をαおよびβとしたときに(ただし、α≧βであり、α+β=180°とする)、βが10°より大きいことをいう。
【0042】
―延伸部122a―
この実施形態では、延伸部122aは、図5に示されているように、電極体20から負極集電端子43の第2プレート部43bに向かって延びた部位である。この実施形態では、延伸部122aは、負極集電タブ122の基端Bから先端領域Eまで、同じ幅Weを有している。先端領域Eには、第2延伸方向に延びた枝部122bが設けられている。図2,5に示されているように、延伸部122aは、枝部122bが蓋14に取り付けられた負極集電端子43に沿って配置されるように、湾曲した状態でケース本体12に収容される。
【0043】
―枝部122b―
この実施形態では、図5に示されているように、枝部122bとして、延伸部122aの先端領域から延伸部122aとは異なる方向に延びた第1枝部122xと第2枝部122yとを有している。第1枝部122xと第2枝部122yは、それぞれ延伸部122aが電極体20から延びた方向(この実施形態では、第1延伸方向P)に対して略垂直方向(図2,5では、蓋14の長辺方向)に延びている。かかる「略垂直方向」は、この実施形態では、第1延伸方向Pに沿った線Laと、第2延伸方向に沿った線Lbとが略直角に交わることをいい、線Laと線Lbとがなす角αおよびβが、ともに90°±10°であることを意味する。また、第2枝部122yは、延伸部122aの先端領域から第1枝部122xが延びた方向とは反対方向に延びた部位である。そして、第1枝部122xと第2枝部122yは、負極集電端子43に接合されている(接合部90の形成)。
【0044】
二次電池10では、負極集電タブ122が電極体20から延びた延伸部122aと、該延伸部122aの先端領域Eから該延伸部122aとは異なる方向に延びた枝部122bと、を有し、該枝部122bが負極集電端子43に接合されている。換言すると、延伸部122aの延伸方向(図5では、第1延伸方向P)において外れた位置で負極集電タブ122と負極集電端子43とが接合されている。このため、負極集電タブ122と負極集電端子43とが、例えば、超音波接合される時に、延伸部122aが電極体20から延びる始点となる部位(図4,5では、基端B)に加わる外部負荷を低減することができる。延伸部122aが電極体20から延びる始点となる部位(基端B)に加わる、接合時の外部負荷が低減されることによって、負極集電タブ122の損傷リスクが低減される。
【0045】
また、上記のとおり、延伸部122aから外れた位置に接合部90が設けられることによって、負極集電タブ122と負極集電端子43との接合後であっても、延伸部122aが電極体20から延びる始点となる部位(基端B)に加わる外部負荷(例えば、二次電池製造時や使用時に加わる振動や衝撃等)を低減し、負極集電タブ122の損傷リスクを低減することができる。
【0046】
第1枝部122xと第2枝部122yとは、延伸部122aの先端領域Eから、延伸部122aが電極体20から延びた方向に対して略垂直方向に延びている。このため、延伸部122aから延びる始点となる部位に外的負荷が掛かりにくく、負極集電タブ122が損傷しにくい。
【0047】
この実施形態では、図5に示されているように、枝部122bは、第1枝部122xと、第2枝部122yとを有している。第1枝部122xは、延伸部122aの先端領域Eから、延伸部122aが電極体20から延びた方向に対して略垂直方向に延びており、第2枝部122yは、第1枝部122xが延びた方向とは反対方向に延びている。この場合、延伸部122aが両側においてそれぞれ負極集電端子43に接合された第1枝部122xと第2枝部122yとに支持される。このため、延伸部122aから延びる始点となる部位に外的負荷が掛かりにくく、集電タブが損傷しにくい。また、負極集電タブ122と負極集電端子43との接合面積を大きくすることができるため、二次電池10の抵抗をより小さくすることができる。
【0048】
〈接合部90〉
この実施形態では、図5に示されているように、枝部122bが延伸部122aから延びた方向(この実施形態では、第2延伸方向Q)における、第1枝部122xおよび第2枝部122yが負極集電端子43に接合され、かかる部位に接合部90が形成されている。第1枝部122xおよび第2枝部122yを負極集電端子43に接合することによって、負極集電タブ122と負極集電端子43とを、延伸部122aが延びた方向(第1延伸方向P)から外れた位置であり、かつ、負極集電タブ122の基端Bからより離れた位置で接合することができる。これによって、上記外部負荷の低減効果および集電タブの損傷リスクの低減効果をよりよく実現することができる。
【0049】
また、この実施形態では、第1枝部122xと第2枝部122yとの双方に接合部90を設けており、接合部の形成箇所が増えている。これによって、負極集電タブ122と負極集電端子43との接合面積を大きくし、二次電池10の抵抗がより小さくなっている。なお、枝部122bは少なくとも一部が負極集電端子43に接合されていればよい。枝部122bには、負極集電端子122に接合されない部位があってもよい。特に限定するものではないが、接合部90の面積は、概ね一つの枝部122bの面積の30%以上とするとよい。なお、この実施形態の負極集電タブ122の平面形状は多少複雑にはなるものの、その製作に当たっては負極集電箔の打ち抜き処理を採用することもできるので、負極集電タブ122の製作上の困難性はそれほど大きくはないと考えられる。
【0050】
接合部の形状は、ここで開示される技術の効果を実現できる限り、特に限定されない。図5に示されている接合部90の形状は、略矩形状であるが、円形状、楕円形状、およびその他の形状であってもよい。超音波接合装置の設定(例えばホーンやアンビルのワーク対象面の形状)を適宜変更することによって、所望の形状を実現することができる。
【0051】
以上、二次電池10の端子近傍構造、および集電タブと集電端子との接合に関して、負極側を例に挙げて説明した。二次電池10の端子近傍構造に関して、図1に示されているように、正極側では、接続部材32と正極集電端子33の第1プレート部33aとの間には、ヒューズ部材70が配置されている。正極外部端子31と電極体20との間には、平板状の端子保護部材80が配置されている。図1,3に示されているように、正極側に配置された内部絶縁部材60の平坦部60aには、ケース本体12の内方に向かって突出する筒状開口60a1が設けられている。筒状開口60a1は、注液孔15の直下に配置されている。正極集電端子33の第1プレート部33aには、接続部材32の突起32aを装着する貫通孔33a1と、ヒューズ部材70に設けられた突起70aを装着する貫通孔33a2と、が設けられている。正極集電端子33の第2プレート部33bには、筒状開口60a1を装着する貫通孔33b1が設けられている。正極外部端子31、接続部材32、および正極集電端子33は、いずれもアルミニウムまたはアルミニウム合金で形成されうる。なお、図1において、符号18は正極側の取付孔であり、符号33cは正極集電端子33の段差部である。図3において、符号31bは正極外部端子31の軸部であり、符号32bは接続部材32の突起である。それ以外は、基本的に負極側と同様であるため、ここでの説明を省略する。また、ヒューズ部材および端子保護部材の構成、および負極側と異なる構成であって本明細書に特に記載していない構成に関しては、ここで開示される技術を特徴づけるものではないため、説明を省略する。
【0052】
正極側の集電タブと集電端子との接合に関しても、負極側と同様であるため、ここでの説明を省略する。図5,6における符号121は正極集電タブであり、符号121aは正極集電タブ121の延伸部であり、符号121bは正極集電タブ121の枝部であり、符号121xは第1枝部であり、符号121yは第2枝部である。なお、二次電池10は、上述した集電タブと集電端子との接合形態を少なくとも1箇所有していればよい。ここで開示される技術の効果をよりよく実現する観点から、二次電池10は、上述した集電タブと集電端子との接合形態を正極および負極のいずれにも備えることが好ましい。
【0053】
以上、ここで開示される技術の一実施形態について説明した。なお、上述した第1実施形態は、ここで開示される技術が適用された二次電池の一例を示すものであり、ここで開示される技術を限定することを意図したものではない。以下、ここで開示される技術の他の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、特に言及している点以外は、上記第1実施形態に係る二次電池10と略同等の構成を採用することができる。
【0054】
《第2実施形態》
上記第1実施形態では、枝部122bが負極集電端子43に接合されており、延伸部122aは負極集電端子43に接合されていない。しかし、これに限定されない。図6は、他の実施形態において負極集電タブ122と負極集電端子43とが接合される状態を説明する平面図である。図6に示されているように、延伸部122aの先端領域Eは、先端側に負極集電端子43に接合された接合部位を有する。この実施形態では、第1枝部122xおよび第2枝部122yと、延伸部122aの先端領域Eの先端側の一部とが、負極集電端子43に接合された接合部290が形成されている。一方、延伸部122aの先端領域Eの基端B側の一部は、負極集電端子43に接合されていない。枝部122bに加えて、延伸部122aの先端領域Eの先端側の一部が負極集電端子43に接合されることによって、接合面積が大きくなるため、二次電池10の抵抗を低減することができる。また、これによって、延伸部122aが負極集電端子43の表面から浮くのを抑制することができる。さらに、延伸部122aの先端領域Eの基端側Bの一部が負極集電端子43に接合されていないことによって、当該部位に変形の自由度があるため、外部負荷が加わったときの負極集電タブ122が損傷するリスクを低減することができる。なお、延伸部122aの先端領域Eの第1延伸方向Pの長さを1としたときに、先端領域Eの先端側から1/4~1/2の長さの部分が負極集電端子43に接合されているとよい。
【0055】
《第3実施形態》
また、上記第1実施形態では、負極集電タブ122の枝部122bは、第1枝部122xと第2枝部122yとからなるものであった。しかし、これに限定されない。図7は、負極集電タブ322と負極集電端子43とが接合される状態を説明する平面図である。図7に示されているように、負極集電タブ322は、延伸部322aと、枝部322bと、を有している。この実施形態における負極集電タブ322では、延伸部322aの先端領域E3の第2延伸方向Qにおける片側のみに、枝部322bが設けられている。この実施形態の延伸部322aは、上記第1実施形態における負極集電タブ122の延伸部122aと同様の構成である。この実施形態の枝部322bは、上記第1実施形態における負極集電タブ122の第1枝部122xと同様の構成である。このため、負極集電タブ322の延伸部322aおよび枝部322bについて、ここでの詳細な説明を省略する。図7に示されているように、第2延伸方向Qにおいて、枝部322bの先端が負極集電端子43に接合されている(接合部390の形成)。この実施形態においても、上記外部負荷の低減効果および負極集電タブ322の損傷リスクの低減効果を実現することができる。また、負極集電タブ322の形状は、上記効果を実現しつつ、負極集電端子43において負極集電タブ122を配置する面積をより小さくしたい場合に、好ましい。なお、枝部322bが形成される部位は、上述のものに限定されない。枝部322bは、蓋14に設けられたガス排出弁17側に形成されてもよい。また、図7における符号321は正極集電タブであり、符号321aは正極集電タブ321の延伸部であり、符号321bは正極集電タブ321の枝部である。
【0056】
《その他の実施形態》
また、上記第1実施形態では、第1枝部122xと第2枝部122yとは、いずれも延伸部122aから略垂直方向に延びている。しかし、これに限定されない。具体的な図示は省略するが、例えば第1枝部122xまたは第2枝部122yと延伸部122aとがなす角の大きさを100°超150°以下(例えば110°~130°)の範囲に設定してもよい。かかる場合においても、ここで開示される技術の効果を実現することができる。
【0057】
あるいは、枝部122bは、上記第1実施形態の第1枝部122xおよび第2枝部122yに加えて、第3枝部を備えていてもよい。詳細な図示は省略するが、第3枝部は、例えば、上記第1実施形態の延伸部122aが延びた方向に沿って延びた部位でありうる(図5参照)。第3枝部が延びた方向において、該第3枝部が負極集電端子43に接合されうる。この実施形態においても、上記外部負荷の低減効果および集電タブの損傷リスクの低減効果を実現することができる。
【0058】
さらに、上記第1実施形態に係る二次電池10が備える電極体20は積層型電極体であったが、捲回電極体を使用してもよい。また、集電タブと集電端子との接合手段は、超音波接合に限定されず、レーザー溶接や抵抗溶接等の従来公知の接合手段であってもよい。
【符号の説明】
【0059】
10 二次電池
12 ケース本体
14 蓋
15 注液孔
16 封止部材
17 ガス排出弁
20 電極体
29 絶縁フィルム
21 正極シート
22 負極シート
23 セパレータシート
30 正極端子
31 正極外部端子
32 接続部材
33 正極集電端子
40 負極端子
41 負極外部端子
42 接続部材
43 負極集電端子
50,60 絶縁部材
90、290,390 接合部(接合予定部分)
121,321 正極集電タブ
122,322 負極集電タブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7