(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】腕時計ケースの筐体の内部の相対湿度レベルを測定するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
G01N 29/02 20060101AFI20240730BHJP
G01W 1/11 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G01N29/02
G01W1/11 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021167155
(22)【出願日】2021-10-12
【審査請求日】2021-10-12
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-12
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【氏名又は名称】小池 勇三
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク・デュビュニョン
(72)【発明者】
【氏名】セドリック・ブラッテル
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル・ウィルマン
【合議体】
【審判長】樋口 宗彦
【審判官】榎本 吉孝
【審判官】▲高▼見 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-12827(JP,A)
【文献】特開2012-526973(JP,A)
【文献】特開2000-193645(JP,A)
【文献】特開2008-542722(JP,A)
【文献】特開2001-507798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 29/00- G01N 29/52
G01N 21/00- G01N 21/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕時計(2)のケース(3)の筐体(9)の内部の相対湿度レベルを測定するための
測定デバイス(1)であって、前記筐体(9)は所定方向に開口し、透過可能部材(15)が前記開口を覆うように設けられ、前記
測定デバイス(1)は、
- 前記透過可能部材(15)および前記ケース(3)の前記筐体(9)に向けて光ビーム(8)を放射することができる光放射源を備えた放射モジュール(5)と、
- 前記筐体(9)からの少なくとも1つの音響信号(12)を受信するための受信機モジュール(6a、6b、6c)と、
- 前記
各モジュール(5、6)に接続され、前記筐体(9)の内部に含まれるガス状流体(11)の水蒸気含有量を、前記受信機モジュール(6a、6b、6c)によって受信された前記少なくとも1つの音響信号(12)
に基づいて評価するように構成される制御ユニット(7)とを備える、
測定デバイス(1)。
【請求項2】
前記放射モジュール(5)は、前記放射モジュール(5)が、前記ケース(3)の前記筐体に含まれる水蒸気を含むガス状流体(11)による少なくとも1つの音響信号(12)の生成を確実にすることができる光ビームを放射するように構成された前記光放射源を変調するための要素(4)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の測定デバイス(1)。
【請求項3】
前記放射モジュール(5)は、短パルス光ビームを放射することができることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の測定デバイス(1)。
【請求項4】
前記受信機モジュール(6a、6b)は、少なくとも1つの電気音響変換器を備えることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の測定デバイス(1)。
【請求項5】
前記受信機モジュール(6a、6b)は、圧力マイクロフォン(6a)または圧力勾配マイクロフォン(6b)を備えることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の測定デバイス(1)。
【請求項6】
前記受信機モジュール(6c)は、光学マイクロフォン(6c)を備えることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の測定デバイス(1)。
【請求項7】
前記光学マイクロフォン(6c)は、電磁放射源、ミラーなどの反射要素、この電磁放射を検出するための少なくとも1つの検出器、および干渉計を備えることを特徴とする、請求項6に記載の測定デバイス(1)。
【請求項8】
前記制御ユニット(7)は、そのメモリ素子内に、音響信号の値を、前記筐体の内部に含まれるガス状流体(11)の水蒸気含有量の値にマッチさせるための1つまたは複数のルックアップテーブルを備えることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の測定デバイス(1)。
【請求項9】
前記光放射源はレーザ源であり、前記ガス状流体(11)は水蒸気を含む空気であることを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の測定デバイス(1)。
【請求項10】
腕時計(2)と、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の測定デバイス(1)とを備え、前記腕時計(2)の内部の相対湿度レベルを判定するためのアセンブリ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕時計ケースの筐体の内部の相対湿度レベルを測定するためのデバイスに関する。本発明はさらに、そのような測定デバイスを備える腕時計の内部の相対湿度レベルを判定するためのアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
腕時計の耐水性はバールで測定される(バールは圧力の単位で、1バールは1気圧(atm)に相当する)。腕時計の耐水性はメートル(m)で表されることがよくある。耐水仕様として説明される腕時計は、水泳等の活動中、または単にシャワーにおいて、水に対する抵抗を保証する必要のある通常の日常使用を目的とする。いわゆるダイバーズウォッチは、より厳しい基準に準拠する必要があり、現在の基準によれば、最小深度100mまでの耐水性を保証する必要がある。
【0003】
耐水性を保証するために、腕時計には通常、腕時計のクリスタル、ベゼル、裏蓋などの腕時計の特定の部品、およびリューズおよびプッシュボタンのような可動部品の組み立てポイントに配置された防水シールのセットが提供される。時間の経過や使用に伴い、シールの機械的特性が変化し、腕時計の耐水性が低下する場合がある。これにより、腕時計は、水や水蒸気に対する浸透性が高まる。これにより、腕時計クリスタルの内面に結露現象が発生したり、さらに悪いことに、特定の金属成分の酸化や特定のポリマ成分の劣化が発生したりする可能性がある。したがって、必ずしも腕時計を開ける必要がなくても、腕時計の内部の相対湿度レベルを時々監視できる必要があり、腕時計ケースを開けるには、体系的にシールを交換し、腕時計製造者の介入が必要になるため、費用がかかる。腕時計の内部の過剰な水蒸気は、1つまたは複数のシールを短中期的に交換する必要があることを示すことができる。
【0004】
このニーズを満たすために、一部の腕時計は、腕時計の内部の相対湿度レベルを測定するためのデバイスを含んでいることが知られている。そのような測定デバイスは、相対湿度を含む様々な環境パラメータの値を測定および記録することができる電子モジュールの形態をとる。そのような電子モジュールはサイズが小さいため、腕時計ケースの内部に配置でき、専用センサを介して腕時計ケースの内部の相対湿度レベルを測定できる。次に、測定された相対湿度値を、通常は赤外線または無線周波数手段によって、ワイヤレスで、腕時計ドッキングステーションに送信することができる。したがって、電子モジュールによって放射される信号、たとえば赤外線信号は、腕時計ケースの透明部分、通常はクリスタルを通過し、ドッキングステーションの赤外線センサによって受信される。時計のユーザは、ドッキングステーションに接続され、専用ソフトウェアがインストールされているコンピュータを使用するか、またはスマートフォンを使用して、測定された相対湿度値を表示できる。
【0005】
しかしながら、そのような電子測定デバイスの1つの欠点は、様々な電子構成要素に電力を供給するためにバッテリまたは電池を必要とすることである。したがって、そのようなデバイスは、特に機械式腕時計には比較的不適切である。さらに、電子腕時計の場合、製品の自律性が低下し、大容量のバッテリを使用する必要が生じ、腕時計の体積が大きくなる可能性がある。
【0006】
別の欠点は、そのようなデバイスは、比較的かさばり、腕時計の内部において、あまり目立たない訳ではないことである。さらに、そのような電子測定デバイスは比較的高価であり、したがって腕時計の製造コストに影響を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、腕時計ケースを開ける必要なしに、このケースの内部の相対湿度レベルを監視できるようにすることにより、腕時計ケースの内部に存在する相対湿度レベルを測定し、そのようなケースの耐水性の欠陥の検出に寄与するデバイスを提供することである。そのような測定デバイスは、費用効果が高く、使いやすく、腕時計ケースの内部の相対湿度レベルの信頼性の高い高速な測定をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、腕時計ケースの筐体の内部の相対湿度レベルを測定するためのデバイスに関し、デバイスは、
- 前記ケースの筐体に向けて光ビームを放射することができる光放射源を備えた放射モジュールと、
- 前記筐体からの少なくとも1つの音響信号を受信するための受信機モジュールと、
- 前記モジュールに接続され、前記筐体の内部に含まれるガス状流体の水蒸気含有量を、受信機モジュールによって受信された前記少なくとも1つの音響信号の関数として評価するように構成される制御ユニットとを備える。
【0010】
他の実施形態によれば、
- 放射モジュールは、前記放射モジュールが、ケースの筐体に含まれる水蒸気を含むガス状流体による少なくとも1つの音響信号の生成を確実にすることができる光ビームを放射するように構成された前記光放射源を変調するための要素を備え、
- 放射モジュールは、短パルス光ビームを放射することができ、
- 受信機モジュールは、少なくとも1つの電気音響変換器を備え、
- 受信機モジュールは、圧力マイクロフォンまたは圧力勾配マイクロフォンを備え、
- 受信機モジュールは、光学マイクロフォンを備え、
- 光学マイクロフォンは、電磁放射源、ミラーなどの反射要素、この電磁放射を検出するための少なくとも1つの検出器、および干渉計を備え、
- 制御ユニットは、そのメモリ素子内に、音響信号の値を、前記筐体の内部に含まれるガス状流体の水蒸気含有量の値にマッチさせるための1つまたは複数のルックアップテーブルを備え、
- 光放射源はレーザ源であり、ガス状流体は水蒸気を含む空気である。
【0011】
本発明はさらに、前記腕時計およびそのような測定デバイスを備える、腕時計の内部の相対湿度レベルを判定するためのアセンブリに関する。
【発明の効果】
【0012】
腕時計の内部の相対湿度レベルを測定するためのこのデバイスの目的、利点、および特徴は、図面によって示される少なくとも1つの非限定的な実施形態に基づいて与えられる以下の説明においてより明確に示されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の1つの実施形態による、この腕時計の内部の相対湿度レベルを測定するためのデバイスを備える、腕時計の内部の相対湿度レベルを判定するためのアセンブリの概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態による、圧力マイクロフォンまたは圧力勾配マイクロフォンを含む受信機モジュールを備える、相対湿度レベルを測定するためのデバイスの第1の代替案の概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態による、光学マイクロフォンを含む受信機モジュールを備える、相対湿度レベルを測定するためのデバイスの第2の代替案の概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態による、測定デバイスを操作するための方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1から
図3は、腕時計2の内部の相対湿度レベルを測定するためのアセンブリ10を示す。このアセンブリ10は、腕時計2の内部の相対湿度レベルを測定するためのデバイス1のみならず、この腕時計2をも備える。
【0015】
図2および
図3は、この測定デバイス1の2つの代替案を示しており、これらは、以下で説明する少なくとも1つの音響信号12を受信するための受信機モジュール6a~6cで使用される技術によって異なることに留意されたい。
【0016】
本明細書では、「相対湿度レベル」は、空気中に含まれる水蒸気の分圧と、同じ温度での飽和蒸気圧との比を意味すると理解されるべきであることに留意されたい。言い換えれば、相対湿度レベルの測定は、同じ温度条件下での空気の最大水蒸気容量に対する空気の水蒸気含有量の比の測定に対応する。
【0017】
腕時計2は、たとえば、機械式腕時計2または電子腕時計2など、任意のタイプの腕時計2であり得ることに留意されたい。
【0018】
この構成では、測定デバイス1は、光放射源を備え、前記ケース3の筐体9に向けて光ビーム8を放射できる放射モジュール5を備える。デバイス1は、前記筐体9からの少なくとも1つの音響信号12を受信するための受信機モジュール6a~6cと、これらの2つのモジュール5、6に接続された制御ユニット7とをさらに備える。
【0019】
この放射モジュール5では、光放射源は、好ましくはレーザ源である。あるいは、この光放射源は、赤外線光源であり得る。この放射モジュール5は、この場合はレーザビームである、放射モジュールによって放射された光ビームの影響下で、ケース3の前記筐体9において少なくとも1つの音響信号12を生成するように構成された前記光放射源を変調するための要素4を備える。言い換えれば、前記光放射源を変調するための前記要素4は、前記放射モジュール5が、ケース3の筐体9に含まれる水蒸気を含むガス状流体11による少なくとも1つの音響信号12の生成を確実にすることができる光ビームを放射するように構成される。
【0020】
より具体的には、
図4を参照して示すように、ケース3の筐体9の内部に存在するガス状流体11、この場合は、特に水蒸気を含む空気の分子は、放射モジュール5によって放射されるこれらの変調された光ビームによって構成される電磁放射を吸収することにより、より高い電子的、振動的、または回転的な量子状態に励起される。一般に、この量子状態のより低い状態への過疎化は、蛍光または衝突のいずれかによって起こり、衝突は、特にエネルギ移動プロセスのために、ガス状流体11の温度の上昇を引き起こす。この非放射緩和プロセスは、緩和時間が励起エネルギレベルの放射寿命と競合する可能性がある場合に発生する。したがって、放射源を変調することによって、放射モジュール5の変調要素4は、ケース3の筐体9の内部に存在するこのガス状流体11の温度を周期的に変化させることに寄与し、これにより、この筐体9の内部の圧力が周期的に変化し、これは、この筐体の内部での前記少なくとも1つの音響信号12の生成につながる。温度はまた、光学的に検出することができる屈折率も変調できることに留意されたい。
【0021】
そのような放射モジュール5は、フェムト秒および/またはナノ秒のレーザパルスを放射できる。そのようなフェムト秒パルスは、可視または近赤外レーザから生成でき、ナノ秒パルスは紫外線から生成できる。特に、放射モジュール5は、水蒸気を含むガス状流体11において、異なる吸収係数を有する波長で、複数の光ビームを同時にまたは連続して放射できることに留意されたい。さらに、このモジュールは、フラッシュランプまたはレーザダイオード、さらには色素レーザによって光ポンピングされたYAGタイプのレーザを放射できることに留意されたい。
【0022】
放射モジュール5は、頭字語「OPO」によっても知られる光パラメトリック発振器をさらに備えることができることに留意されたい。この発振器は、コヒーレントな単色光源であり、レーザでは不可能な波長を生成するために使用されることが好ましい。
【0023】
この測定デバイス1において、前記筐体9から発生する前記少なくとも1つの音響信号12を受信するための受信機モジュール6a~6cは、音響信号12を電気信号に変換することができる少なくとも1つの電気音響変換器を備える。測定デバイス1の第1の代替案では、そのような放射モジュール6a、6bは、音響信号または波の影響下で変形および/または移動することができるダイアフラムまたは圧電素子を一般に備えた少なくとも1つの圧力マイクロフォン6aまたは圧力勾配マイクロフォン6cを備えることができる。測定デバイス1の第2の代替案では、この放射モジュール6は、少なくとも1つの光学マイクロフォン6cを備えることができる。そのようなマイクロフォン6cは、欧州特許第2338287号明細書にさらに詳細に記載されており、干渉法に基づく技術を使用して音響信号12を電気信号に変換することができるデバイスである。そのようなマイクロフォン6cは、特に、電磁放射線源、ミラーなどの反射要素、この電磁放射線を検出するための少なくとも1つの検出器、およびFabry-Perot干渉計またはGires-Tournoisエタロンなどの干渉計を備える。この測定デバイス1の別の代替案では、放射モジュール6a~6cは、以下のマイクロフォン6a~6c、すなわち、少なくとも1つの圧力マイクロフォン6a、少なくとも1つの圧力勾配マイクロフォン6b、および少なくとも1つの光学マイクロフォン6cの任意の組合せを備えることができることに留意されたい。
【0024】
上記のように、測定デバイス1は、放射モジュール5および受信機モジュール6に接続された制御ユニット7をさらに備える。この制御ユニットは、前記筐体の内部に含まれるガス状流体11の水蒸気含有量を、受信機モジュール6a~6cによって受信された前記少なくとも1つの音響信号12の関数として評価するように構成される。この制御ユニット7は、コンピュータであり得る。これは、ハードウェアおよびソフトウェアリソース、特にメモリ素子と連携する少なくとも1つのプロセッサを備える。この制御ユニット7は、腕時計2のケース3の筐体9の内部の相対湿度レベルの測定値の判定に寄与するために、コンピュータプログラムを実施するためのコマンドを実行することができる。
【0025】
この制御ユニット7は、放射モジュール5および受信機モジュール6a、6b、6cに接続される。これらの条件下では、ケース3の筐体9の内部の相対湿度レベルの測定値の推定に寄与するために、これらのモジュール5、6a、6b、6cを制御することができ、さらに、受信機モジュール6a~6cによって測定された音響信号12の値を決定することもできる。特に、制御ユニット7は、信号変調および同期検出動作によって、信号処理動作を実施することができる。そのような制御ユニット7は、たとえば、そのメモリ素子内に、ケース3の内部の湿度レベルの評価に関与するために、音響信号の値を、ガス状流体11の水蒸気含有量の値にマッチさせるための1つまたは複数のルックアップテーブルを備える。制御ユニット7は、ガス状流体11の水蒸気含有量の値を使用して、ケース3の筐体9の内部の相対湿度レベルを判定できることが理解される。
【0026】
測定デバイスは、腕時計の温度ならびに前記腕時計が配置されている環境の温度を測定するための温度センサを備えることができることに留意されたい。これらのセンサは、制御ユニット7に接続され、ケース3の内部の湿度レベルの評価に関与する。より具体的には、この評価は、腕時計の温度とその環境の温度が実質的に同じまたは厳密に同じである場合に特に行われる。
【0027】
したがって、このアセンブリ10において、腕時計は、ケース3を備える。そのようなケース3は、たとえば、形状が環状であり、このケース3のクリスタル15が載る上部環状エッジを備えた中央部14を含む。「ガラス」とも呼ばれるこのクリスタル3は、非限定的かつ非網羅的な方式で、少なくとも放射モジュールからの光ビームが透過することを可能にするように構成された厚さを有する鉱物ガラスまたはサファイアガラスであり得る。
【0028】
図2および
図3の例に示される腕時計2のケース3では、その構成は実質的に円形である。しかしながら、本発明は、腕時計2のこのケース3のそのような構成に決して限定されない。
【0029】
測定アセンブリ10において、受信機モジュール6a、6bは、圧力マイクロフォン6aまたは圧力勾配マイクロフォン6bを備える場合、ケース3の異なる部品のいずれかの反対側、すなわち裏蓋13、中央部14、またはクリスタル15の反対側に配置することができる。この受信機モジュール6cが、光学マイクロフォン6cを備える場合、それはケース3のクリスタル15に面して配置される。
【0030】
1つの代替案によれば、制御ユニットに接続された受信機モジュール6cは、腕時計ケースの筐体の内部の相対湿度レベルの評価に関与するために、中央部の振動を測定することができることに留意されたい。さらに、測定デバイス1は、携帯型またはモバイルデバイス、すなわち、その電源のための有線接続を必要とせずにユーザによって携帯され得るデバイス1であり得る。
【0031】
他方、測定デバイス1は、制御ユニット7によって判定された相対湿度レベルの値に応じて、複数の異なる視覚信号を表示することができる表示素子を備えることができる。したがって、場合によっては、表示素子によって表示される各視覚信号は、所定の相対湿度レベル値または所定の相対湿度差値に対応する。この表示素子は、発光ダイオードを備えたスクリーンであり得るか、またはより単純に、発光ダイオードを備えた光インジケータに対応することができ、所与のダイオードの照明は、所定の相対湿度しきい値に対応する。
【符号の説明】
【0032】
1 測定デバイス
2 腕時計
3 ケース
4 変調要素
5 放射モジュール
6a 受信機モジュール
6b 受信機モジュール
6c 受信機モジュール
7 制御ユニット
8 光ビーム
9 筐体
10 測定アセンブリ
11 ガス状流体
12 音響信号
13 裏蓋
14 中央部
15 クリスタル