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特許7529658ポリマーブレンド組成物およびそれから作製された分解性押出ネット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】ポリマーブレンド組成物およびそれから作製された分解性押出ネット
(51)【国際特許分類】
   B29D 28/00 20060101AFI20240730BHJP
   B29C 48/05 20190101ALI20240730BHJP
   B29C 48/33 20190101ALI20240730BHJP
   B29C 48/345 20190101ALI20240730BHJP
   C08K 5/098 20060101ALI20240730BHJP
   C08L 67/02 20060101ALI20240730BHJP
   C08L 67/04 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B29D28/00
B29C48/05
B29C48/33
B29C48/345
C08K5/098
C08L67/02
C08L67/04
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021518431
(86)(22)【出願日】2019-10-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 US2019054215
(87)【国際公開番号】W WO2020072590
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】62/740,750
(32)【優先日】2018-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521518057
【氏名又は名称】エスヴェーエム ルクセンブルク
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100162422
【弁理士】
【氏名又は名称】志村 将
(72)【発明者】
【氏名】カーク ジェフリー デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ソーン アンドリュー ジョン
【審査官】前田 直樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0147087(US,A1)
【文献】特表2008-527120(JP,A)
【文献】特開2002-235013(JP,A)
【文献】国際公開第2013/164743(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0349723(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0268190(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104559087(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107022178(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104514041(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107099876(CN,A)
【文献】特開2001-089649(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0183329(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0269873(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L
C08K
B29C
B29D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の相互接続ストランドを含む分解性押出ネットであって、前記ストランドの少なくとも一部がポリマーブレンドから作製され、前記ポリマーブレンドが、
質量%~質量%ののポリ乳酸
質量%~質量%ののポリブチレートアジペートテレフタレート(PBAT)組成物、
.5質量%~3質量%のの相溶化剤組成物、および
2質量%~7質量%のの分解添加剤
を含む、分解性押出ネット。
【請求項2】
前記ポリマーブレンドが、
質量%のポリブチレートアジペートテレフタレート組成物、および
2質量%の相溶化剤組成物
を含み、前記相溶化剤組成物がポリ乳酸-ポリブチレート相溶化剤を含む、請求項1に記載の分解性押出ネット。
【請求項3】
前記分解添加剤が、担体樹脂中の金属カルボン酸塩を含む、請求項1に記載の分解性押出ネット。
【請求項4】
前記分解添加剤が、担体樹脂中のステアリン酸鉄を含む、請求項1に記載の分解性押出ネット。
【請求項5】
前記ポリブチレートアジペートテレフタレート組成物が、1種以上のポリブチレートアジペートテレフタレート(PBAT)ポリマーを含む、請求項1に記載の分解性押出ネット。
【請求項6】
前記ポリ乳酸、植物デンプンに由来する1種以上のポリ乳酸ポリマーを含む、請求項1に記載の分解性押出ネット。
【請求項7】
前記相溶化剤組成物が、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ化綿実油(ECSO)、またはマレイン化綿実油(MCSO)からなる群から選択される相溶化剤を含む、請求項1に記載の分解性押出ネット。
【請求項8】
第1の面、および前記第1の面に対向する第2の面を有する、請求項1に記載の分解性押出ネット、および
前記ネットの前記第1の面に固定された材料の第1の層
を含む、複合材料。
【請求項9】
前記ネットが、浸食制御ネットとしての使用のために構成されている、請求項1に記載の分解性押出ネット。
【請求項10】
分解性押出ネットを調製するためのポリマーブレンド組成物であって、
質量%~質量%ののポリ乳酸
質量%~質量%ののポリブチレートアジペートテレフタレート組成物、
.5質量%~3質量%のの相溶化剤組成物、および
2質量%~7質量%のの分解添加剤
を含む、ポリマーブレンド組成物。
【請求項11】
質量%のポリブチレートアジペートテレフタレート組成物、および
2質量%の相溶化剤組成物
を含み、前記相溶化剤組成物がポリ乳酸-ポリブチレート相溶化剤を含む、請求項10に記載のポリマーブレンド組成物。
【請求項12】
前記分解添加剤が、担体樹脂中の金属カルボン酸塩を含む、請求項10に記載のポリマーブレンド組成物。
【請求項13】
前記分解添加剤が、担体樹脂中のステアリン酸鉄を含む、請求項10に記載のポリマーブレンド組成物。
【請求項14】
前記ポリブチレートアジペートテレフタレート組成物が、1種以上のポリブチレートアジペートテレフタレート(PBAT)ポリマーを含む、請求項10に記載のポリマーブレンド組成物。
【請求項15】
前記ポリ乳酸、植物デンプンに由来する1種以上のポリ乳酸ポリマーを含む、請求項10に記載のポリマーブレンド組成物。
【請求項16】
前記相溶化剤組成物が、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ化綿実油(ECSO)、またはマレイン化綿実油(MCSO)から選択される相溶化剤を含む、請求項10に記載のポリマーブレンド組成物。
【請求項17】
植物デンプンに由来する前記1種以上のポリ乳酸ポリマーが、線状脂肪族熱可塑性ポリエステルを含む、請求項6に記載の分解性押出ネット。
【請求項18】
植物デンプンに由来する前記1種以上のポリ乳酸ポリマーが、線状脂肪族熱可塑性ポリエステルを含む、請求項15に記載のポリマーブレンド組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
押出プラスチックネットは、農業、包装、および一般消費者向け(consumer)製品から、ろ過用途、工業用途、医療用途、浸食制御用途およびエネルギー用途に至る、数百もの工業および一般消費者向け製品における必須の機能を発揮する。現在、プラスチックネットを製造するための典型的な押出法は、相互連結ネットワーク状態にある個々のプラスチックストランドをネット様構造体に押出することを含む。例えば、それらの開示の全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第3,700,521号;米国特許第3,767,353号;米国特許第3,723,218号;米国特許第4,123,491号;米国特許第4,152,479号および米国特許第4,190,692号を参照されたい。
生分解性プラスチックは、我々が最近経験する従来的な非生分解性プラスチックの需要に対する、環境に一層優しい解決策を実現し得ることが十分に認められている。生分解性プラスチックは、例えば、二酸化炭素レベルの低減、温室ガス廃棄レベルの低減、天然の細菌による分解可能性、分解時の他の危険物質の放出の回避、製造サイクル中のエネルギー消費の少なさ、および一般に、我々が生成する廃棄物量の低減を含めた利点をもたらすことができる。したがって、再生可能資源に由来する、容易に加工可能な分解性材料を使用する、許容される機械的強度のある押出ネットの製造が望ましいであろう。
【発明の概要】
【0002】
以下は、特許請求した主題の一部の態様の基本的な理解をもたらすため、特許請求されている主題の簡単な概要を提供する。この概要は、特許請求されている主題の包括的な概略ではない。この要約は、特許請求されている主題の重要かつ必須の要素を特定するものでもなく、特許請求されている主題の範囲を説明するものでもないことが意図されている。その唯一の目的は、後に提示される一層詳細な説明への前置きとして簡略化した形態での特許請求されている主題の一部の概念を提示することである。
本開示は、複数の相互接続ストランドを含む分解性押出ネットに関する。ネットのストランドの少なくとも一部は、ポリ乳酸組成物;ポリブチレート組成物;ポリ乳酸-ポリブチレート相溶化剤組成物;および分解添加剤を含むポリマーブレンドから作製されている。分解添加剤は、担体樹脂中の分解剤を含んでもよい。
一部の実施形態では、本ポリマーブレンド組成物は、約55%~約60%の範囲の量のポリ乳酸組成物、約35%~約40%の範囲の量のポリブチレート組成物、約0.5%~約3%の範囲の量の相溶化剤組成物、および約2%~約7%の範囲の量の分解添加剤を含有する。一部の実施形態では、本ポリマーブレンド組成物は、約52%~約58%のポリ乳酸組成物、約38%のポリブチレートポリマー組成物、約2%のポリ乳酸-ポリブチレート相溶化剤組成物、および約2%~8%の範囲の分解添加剤を含有する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】本開示の例示的実施形態によるネットの斜視図である。
図2】経時的な縦方向の強度損失のパーセンテージを示す、本開示の実施例1および2による組成物、ならびに比較組成物から作製した押出フィルムから収集したQUV試験データのグラフである。
図3】経時的な縦方向の強度損失のパーセンテージを示す、本開示の実施例1および2による組成物、ならびに比較組成物から作製した押出フィルムから収集した結露を伴うQUV試験データのグラフである。
図4】経時的な縦方向の強度損失のパーセンテージを示す、本開示の実施例1および2による組成物、ならびに比較組成物から作製した押出ネットから収集したQUV試験データのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本分解性押出ネットの特定の実施形態は、本明細書の以下に記載されている。しかし、開示されている実施形態は、本開示の単なる例に過ぎず、様々な他の形態において具現化されてもよいことを理解すべきである。したがって、本明細書において開示されている具体的な詳細は、限定としてではなく、単に特許請求の範囲に関する基礎として、および実質的に任意の適切に詳述されている構成で本開示を様々に使用するよう当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。不必要に詳細な本開示を曖昧にすることを回避するため、周知の機能は詳述されていない。
本開示は、分解性押出ネットに関する。以下の開示は、浸食制御用途で使用する分解性押出ネットに関して提示されているが、本分解性押出ネットは、例えば、タマネギおよびシチメンチョウのバッグ向けなどの包装用ネット;芝生用ネット、芝生を包むもの、ヘイベイル(hay bail)などの農業用ネット;ならびに工業用ろ過用途および家財道具用途などの様々な他の用途に使用するよう容易に適合させることができることを理解すべきである。さらに、本分解性押出ネットはまた、使い捨ておむつ、失禁用パンツ、トレーニングパンツ、絆創膏、包帯、おむつホルダーおよびライナーおよび生理用下着、医療用ガウン、医療用カーテン、マットレスパッド、ブランケット、シート、衣類、一般消費者向けワイプスのための複合織物、ならびに建物および建築用複合材料などの他の同様の製品に使用するように適合させることができる。
【0005】
図1において分かる通り、本ネット10は、一方向に延在するストランド12、および一般に交差、すなわち横方向に延在するストランド14を含む。ストランド12および14は、押出された細長いポリマー部材をしており、この部材は、押出中に横断して交差し、ネット様構造体を形成する。ストランド12および14はまた、押出中に交差させるのではなく、一緒に編み込まれた押出ストランドを形成することもできる。一部の実施形態では、ストランド12および14は、同じ材料で作製されている。他の実施形態では、ストランド12は、ストランド14とは異なる材料から作製されている。例えば、ネット10は、ストランド12の材料を10~90質量%、およびストランド14の材料を10~90質量%含んでもよい。さらに他の実施形態では、ネット10は、ストランド12の材料を45~55質量%、およびストランド14の材料を45~55質量%含んでもよい。一部の実施形態では、ストランド12および14が、同じ材料から作製されている場合、ストランド12および14が作製される材料が、本開示による分解性組成物となる。本分解性組成物以外の材料が、一組のストランド12または14の1つを製造するために使用される場合、このような材料は、非分解性組成物を含んでもよい。
したがって、本分解性押出ネットは、分解性材料から全体が製造されていてもよく、または分解性材料と非分解性材料の組合せから製造されていてもよい。一部の実施形態では、本押出ネットを調製するために使用される分解性材料は、1種または複数のポリ乳酸(PLA)ポリマー組成物、1種または複数のポリブチレートアジペートテレフタレート(PBAT)ポリマー組成物、PLA-PBAT相溶化剤および分解添加剤を含む、材料の組合せ物を含むことができる。
【0006】
PLA組成物
一般に、本ポリ乳酸組成物は、ラクチドまたは乳酸に少なくとも一部由来する1種または複数のポリマーを含んでもよく、このようなポリマーは、本明細書においてポリラクチドまたはPLAとしてまとめて称される。
一般に、ポリマーの命名は、時として、該ポリマーが作製されたモノマーに基づくポリマーのことを述べ、他の場合では、ポリマー中に見出される最小の反復単位に基づいてポリマーを特徴づける。例えば、ポリラクチドにおける最小反復単位は、乳酸(実際には、乳酸の残基)である。しかし、典型的な例では、市販のポリラクチドは、乳酸というよりも、ラクチドモノマーの重合によって製造されよう。ラクチドモノマーは、当然ながら、乳酸の二量体である。本明細書において、用語「ポリ乳酸」、「ポリラクチド」および「PLA」は、ポリ乳酸をベースとするポリマーとポリラクチドに基づくポリマーの両方をその範囲内に含むことが意図されており、これらの用語は互換的に使用される。すなわち、用語「ポリ乳酸」、「ポリラクチド」および「PLA」は、ポリマーが形成される方法に関して、制限することを意図するものではない。
【0007】
用語「ポリラクチドをベースとする」ポリマーまたは「ポリ乳酸をベースとする」ポリマーは、乳酸またはラクチドからなるポリマー、および乳酸またはラクチドからなるコポリマーを指すことが意図されており、生じたポリマーは、乳酸残基反復単位またはラクチド残基反復単位を少なくとも50質量%、含む。この文脈では、用語「乳酸残基反復単位」は、以下の単位:
【化1】
を指すことが意図されている。
上記の定義を考慮すると、ポリラクチドは、乳酸残基含有ポリマーとラクチド残基含有ポリマーの両方で呼ぶことができることが明確となるはずである。本明細書において、用語「ラクチド残基反復単位」とは、以下の反復単位:
【化2】
を指すことが意図されている。
【0008】
ラクチド残基反復単位は、L-ラクチド、D-ラクチドおよびメソ-ラクチドから得ることができることを理解すべきである。L-ラクチドは、2つのS-乳酸残基から構成されている。D-ラクチドは、2つのR-乳酸残基から構成されている。メソ-ラクチドは、S-乳酸残基とR-乳酸残基の両方から構成されている。
一部の実施形態では、PLAは、例えば、トウモロコシなどの再生可能資源に由来する線状脂肪族熱可塑性ポリエステルとすることができ、多数の状況で堆肥化可能である。最近では、PLAは、持続可能かつ再生可能な資源に由来する原料をもたらすので、ネットなどの繊維用途における利用が次第に増加している。
トウモロコシに由来する植物をベースとするPLAは、周知である。従来、分子結合を緩めるために、混合物中にトウモロコシを浸した後、この混合物を挽き砕いて遠心分離にかけ、トウモロコシ油とデンプンを分離する。次に、加水分解を使用して、デンプンからデキストロースを抽出する。発酵により、最終的にデキストロースから乳酸が形成する。電気透析により乳酸をラクチドに転換した後、重合によりラクチド長鎖が形成され、完全に植物をベースとするPLAになる。
一部の実施形態では、PLA組成物は、PLAポリマーの混合物を含み、これらの少なくとも一部は、植物のデンプンに由来するなどの、持続可能かつ再生可能な資源に由来する。
一部の実施形態では、PLA組成物は、約200,000ダルトンの名目平均分子量を有するPLAポリマーを少なくとも50質量%含む。
【0009】
PBAT組成物
一般に、PBAT組成物は、その構成的な成分として、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオールを有する、ジオール-ジカルボン酸縮合型ポリエステルを含む1種または複数のポリマーを含むことができる。一部の実施形態では、PBAT組成物は、任意の生分解性の統計的な脂肪族-芳香族コポリエステルを含むことができる。一部の実施形態では、PBAT組成物は、ポリマー鎖中のモノマー、1,4-ブタンジオール、アジピン酸およびテレフタル酸に基づく、少なくとも1種の脂肪族-芳香族コポリエステルを含む。このような生分解性ポリマーは、標準的な条件下で土壌中またはコンポスト中で代謝されると、最終的に、二酸化炭素、水およびバイオマスに分解する。一部の実施形態では、PBAT組成物は、BASF SEから入手可能な、ecoflex(登録商標)という商標名で販売されている、市販のF Blend C1200とすることができる。
【0010】
一部の実施形態では、PBAT組成物は、PBATポリマーを少なくとも50質量%、含む。PBATがPLA組成物中のポリマーよりも低い分子量を有するポリマーを含む場合、PTAB組成物は、PLA組成物と混合されると、PLAの可撓性を増大させることができる。
【0011】
PLA-PBAT相溶化剤(compatiblizer)組成物
一般に、PLA-PBAT相溶化剤組成物は、実質的に均一なPLAとPBATの混合物が実現するのを確実にする一助となる任意の組成物である。一部の実施形態では、PLA-PBAT相溶化剤組成物は、PLA担体樹脂および相溶化剤からなる混合物を含む。一部の実施形態では、PLA担体樹脂は、PLA-PBAT相溶化剤組成物の約90質量%~約99質量%を構成し、その残りが相溶化剤である。PLA担体樹脂は、容易に加工する任意の押出グレードの熱可塑性樹脂とすることができる。一部の実施形態では、PLA担体樹脂は透明であり、再生可能資源に由来する。一部の実施形態では、PLA担体樹脂は、NatureWorksから入手可能なIngeo(商標)という商標名で販売されているBiopolymer2003Dとすることができ、PLA-PBAT相溶化剤組成物の95%を構成することができる。一部の実施形態では、相溶化剤は、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(EJ400)、またはエポキシ化綿実油(ECSO)などのエポキシをベースとする化合物、またはマレイン化(MCSO)綿実油とすることができる。PLA-PBAT相溶化剤組成物中で使用することができる他の好適な相溶化剤には、例えば、以下に限定されないが、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’-トルイジン-4,4’-ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、二級メチルフェニレンジイソシアネート、水素化二級-トルイレンビスマレイミドジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、4,4’-ジイソプロピルジフェニルジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、1,8-4-イソシアネートメチルオクタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、リシンメチルエステルジイソシアネート、リシンエステルトリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリイソシアネートフェニルホスホロチオエート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートまたはそれらの組合せを含めたイソシアネートを含むが、これに限定されない。一部の実施形態では、相溶化剤はまた、BASFにより販売されているJoncryl ADR、Arkemaにより販売されているLotader AX8900、またはDuPontにより販売されているBiomax Strong120とすることができる。
【0012】
分解添加剤
一部の実施形態では、分解添加剤は、担体樹脂中の分解剤を含む。一部の実施形態では、担体樹脂は、分解添加剤の約90質量%~約99質量%を構成し、その残りは、分解剤である。一部の実施形態では、担体樹脂は、生分解性で、透明であり、再生可能資源に由来する。一部の実施形態では、担体樹脂は、NatureWorksから入手可能なIngeo(商標)という商標名で販売されているBiopolymer2003Dとすることができ、分解添加剤の95%を構成することができる。一部の実施形態では、分解剤は、ステアリン酸鉄塩を含むが、任意の好適な分解剤が使用されてもよい。好適な分解性添加剤は、主に熱への曝露に基づいてプラスチック材料の分解を引き起こす添加剤とすることができる。金属カルボン酸塩が、比較的よく知られた分解剤添加剤であるが、他の分解剤添加剤の例には、以下に限定されないが、エーテル、アセタール、ケタール、アミン、アルデヒド、天然油、不飽和脂肪酸、および遊離ラジカルの発生の一助となる他の化合物、および酸化反応に関与する過酸化物のような自己酸化可能な、不飽和有機化合物が含まれる。
【0013】
他の添加剤
一部の実施形態では、慣用的な追加の添加剤は、押出ネットを作製するために使用される組成物中に含まれてもよい。
一部の実施形態では、好適な光分解性添加剤が使用されてもよい。好適な光分解性添加剤は、主に光への曝露に基づいてプラスチック材料の分解を引き起こす添加剤である。光分解性添加剤の例には、以下に限定されないが、芳香族ケトン、芳香族アミン、過酸化物、キノンおよびアゾ化合物のような光感受性ポリマーが含まれる。
一部の実施形態では、着色剤が含まれてもよい。着色剤は、UV光を反射、拡散、吸収または回折(defract)することによって、UV光の強度を低下させることができるので、分解速度に影響を及ぼすことができる。好適な着色剤の1つは、PolyOne Corporation of Assesse(ベルギー)から入手可能な緑色の着色剤29025 GN PEマスターバッチを含み、これは、生じた押出ネットに緑色を付与する、担体中の緑色着色剤である。
一部の実施形態では、安定剤が含まれる。安定剤は、ネットをUV光への曝露に起因する過度な分解から保護する一助となり得る。少なくともある特定の実施形態では、安定剤は、オリゴマー状の立体障害アミン光安定剤または立体障害アミン光安定剤(hindered amine light stabilizer:HALS)などの立体障害アミン化合物を含むことができる。
【0014】
例示的な組成物
一部の実施形態では、分解性押出ネットを製造するために使用されるポリマー組成物ブレンドは、約55%~約60%の範囲の量のPLA組成物、約35%~約40%の範囲の量のPBAT組成物、約0.5%~約3%の範囲の量の相溶化剤組成物、および約2%~約7%の範囲の量の分解添加剤を含むことができる。
押出可能な組成物の調製
押出可能な組成物は、ポリマー組成物を形成するための任意の慣用的な方法によって調製することができる。これらの方法は、必ずしも限定されないが、コンパウンディング法を含む。一般に、ポリマーブレンド組成物を作製するための好適な方法は、二軸スクリュー押出機を使用する個別の操作、または良好な分布特性および分散混合特性を特徴とする、軸を装備した単軸スクリュー押出機を使用するインライン式コンパウンディング法のどちらか一方としての、コンパウンディング法を含む。
非分解性繊維組成物
上記の通り、一部の実施形態では、ストランド12、14の一部は、非分解性繊維組成物から作製され得る。一部の実施形態では、非分解性繊維組成物は、HDPEおよびこのような樹脂のコポリマーを含む、ナイロン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの非エラストマー材料を含んでもよい。一部の実施形態では、非分解性繊維は、ポリオレフィンから作製される。一部の実施形態では、非分解性繊維は、ポリプロピレンから作製される。
【0015】
ネットの調製
本分解性押出ネットは、任意の好適な押出法によって調製することができる。一般に、押出ネットを作製する好適な方法は、往復部または回転部によりダイを通して上記のポリマーブレンド組成物を押出して、ネット形状体を形成させることを含む。これにより、縦方向のストランドを横断する横方向ストランドが作製され、これが、連続的に流れる。当然ながら、本分解性ポリマーブレンド組成物を使用して、横方向ストランドと縦方向ストランドの両方、またはストランドの一方または一部を形成することができ、この場合、異なる生分解性材料または非分解性材料などの別の材料が使用されて、他のストランドを形成することができることを理解すべきである。押出後、ネットは、次に、2組のニップローラ間の差異を使用して、縦方向に通常、延伸される。この後、この材料は、次に、テンターフレームを使用し、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,152,479号に記載されているものなどの好適な任意の方法で横方向に、通常、延伸される。しかし、上記の方法は、本発明による押出ネットを製造するために使用され得る多数の好適な方法の単に1つであることを理解すべきである。
【実施例
【0016】
本開示の主題は、以下の非限定例によってさらに例示される:
実施例1
本開示による分解性押出フィルムは、PLA組成物として、NatureWorksから入手可能なIngeo(商標)という商標名で販売されているBiopolymer2003Dを57%、PBAT組成物として、BASF SEから入手可能なecoflex(登録商標)という商標名で販売されているF Blend C1200を38%、TECHMER PLAM111474相溶化剤を2%、および分解添加剤を3%(この添加剤は、ステアリン酸鉄を5%およびPLA担体樹脂を95%含む)を含む混合物を使用して製造する。フィルムを周知の押出法により生成し、この場合、組成物は、華氏約355度~約380度の温度において、所望のダイを通して押出する。押出後、このフィルムをニップローラにかけて、最後にロール積層にする。
【0017】
実施例2
本開示による分解性押出フィルムは、PLA組成物として、Biopolymer2003Dを55%、PBAT組成物として、F Blend C1200を38%、TECHMER PLAM111474相溶化剤を2%、および分解添加剤を5%(この添加剤は、ステアリン酸鉄を5%およびPLA担体樹脂を95%含む)を含む混合物を使用して製造する。実施例2の組成物のフィルムは、実施例1と同じ方法を使用して押出した。
【0018】
実施例3
本開示による分解性押出フィルムは、PLA組成物として、Biopolymer2003Dを60%、PBAT組成物として、F Blend C1200を38%、TECHMER PLAM111474相溶化剤を2%、を含む混合物(分解剤添加剤は含まない)を使用して製造する。実施例3のフィルムは、実施例1と同じ方法を使用して押出した。
【0019】
実施例4
本開示による分解性押出フィルムは、PLA組成物として、Biopolymer2003Dを55%、PBAT組成物として、F Blend C1200を38%、TECHMER PLAM111474相溶化剤を2%、ステアリン酸鉄を有する分解添加剤を2.5%、およびステアリン酸マンガンを有する分解添加剤を2.5%、を含む混合物を使用して製造する。ステアリン酸鉄2.5%、ステアリン酸マンガン2.5%、PLA担体樹脂95%を含む添加剤。実施例4の組成物のフィルムは、実施例1と同じ方法を使用して押出した。
【0020】
実施例5
本開示による分解性押出フィルムは、ポリプロピレンの組成物を使用して製造する。分解剤添加剤は使用しなかった。実施例5の組成物のフィルムは、実施例1と同じ方法を使用して押出した。
【0021】
実施例6
本開示による分解性押出ネットは、PLA組成物として、NatureWorksから入手可能なIngeo(商標)という商標名で販売されているBiopolymer2003Dを57%、PBAT組成物として、BASF SEから入手可能なecoflex(登録商標)という商標名で販売されているF Blend C1200を38%、TECHMER PLAM111474相溶化剤を2%、および分解添加剤を3%(この添加剤は、ステアリン酸鉄を5%およびPLA担体樹脂を95%含む)を含む混合物を使用して製造する。ネットは、往復部または回転部によりダイを通して組成物を押出して、ネット形状体を形成させることによって生成した。次に、この押出したネットを、華氏100度~華氏250度の温度において、縦および横方向に延伸した。
【0022】
実施例7
本開示による分解性押出ネットは、PLA組成物として、Biopolymer2003Dを55%、PBAT組成物として、F Blend C1200を38%、TECHMER PLAM111474を2%、および分解添加剤を5%(この添加剤は、ステアリン酸鉄を5%およびPLA担体樹脂を95%含む)を含む混合物を使用して製造する。このネットは、実施例6と同じ手順を使用して生成した。
縦方向の強度損失の試験(machine direction:MD強度損失)は、実施例1および2のフィルム、PLA/PBAT対照フィルム(実施例3)、および以下の表1中で選択された組成物から作製された押出フィルムに対して行った。各試料のMD強度損失は、ASTM D4329-13で概説されている手順のわずかな修正バージョンに従う、QUV加速耐候試験により収集した。Q-Panel、QUV-BasicおよびQUV-EMを使用して、結露を伴うおよび伴わないで、摂氏50度の条件に試料を曝露させた。長期間、典型的な室外環境の条件と類似した条件を再現しようと、240時間の経過にわたりUVA-340ランプを使用した。これらの強度損失試験から収集したデータを図2および3に示す。
【0023】
本開示による分解性押出ネットの縦方向の強度損失(MD強度損失)の試験は、実施例6および7の組成物から作製したネット、ならびに以下の表1中の選択した組成物から作製したネットに行った。これらの強度損失試験から収集したデータを図4に示す。
熱安定性試験は、実施例1、2および4、PLA/PBAT対照(実施例3)の組成物から作製したフィルムに対して行った。熱安定剤は、所与の配合物に含ませなかった。これらの材料を試験するため、華氏365度で、フィルム試料をキャストフィルムラインに流し、どの組成物が、組成物の熱プロファイルにより、加工中に押出装置内部での熱分解する兆候を示す恐れがあるかを判定した。ポリマーが加水分解、脱重合、酸化などにより分解するので、加工中の分解により、所与の実施例の場合に、1インチあたりの重量ポンド(pounds of force per inch)の測定値が小さくなる。熱安定性試験から収集したデータを、以下の表1に示す。PLA/PBAT対照(実施例3)は、5061lb/平方インチとなる1平方インチあたりの力を有した。実施例1および2は、一層高い値を有した一方、実施例4は、分解の兆候を示し、したがって、より低い値を有した。
【0024】
【表1】
【0025】
本分解性ネットはまた、別のタイプの複合材料を形成するために使用することもでき、この場合、ネットは、少なくとも1つまたは複数の層からなる材料に固定される。このような複合材料の例は、一般消費者向けワイプス、強化ティッシュタオル、および浸食制御複合材料を含む。当業者は、ネットの所望の機能に応じて、各層の作製時にどの組成物を使用すべきかを決めて、こうして分解速度を制御することができる。
本開示の実施形態が記載されているが、本開示が、当技術が許す限り広い範囲であること、および本明細書が同様に一読されることが意図されているので、本開示が本開示の実施形態に限定されることを意図するものではない。したがって、上記は、限定としてではなく、本開示の実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。したがって、実施形態の範囲は、提示されている実施例によってではなく、添付の特許請求の範囲およびその法律上の均等物によって決定されるべきである。
【0026】
当業者は、本明細書に具体的に記載されている生成物および方法が、非限定的な例示的実施形態であることを理解していよう。1つの例示的実施形態と関連して例示または記載されている特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされてもよい。様々な代替形態および変更形態が、本開示から逸脱することなく、当業者によって考案され得る。したがって、本開示は、このような代替形態、変更形態および変形形態のすべてを包含することが意図されている。同様に、当業者は、上記の実施形態に基づいた本開示のさらなる特徴および利点を認識するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示されるもの以外の、特に示されて記載されているものによって限定されるものではない。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕複数の相互接続ストランドを含む分解性押出ネットであって、前記ストランドの少なくとも一部がポリマーブレンドから作製され、前記ポリマーブレンドが、
約55%~約60%の範囲の量のポリ乳酸組成物、
約35%~約40%の範囲の量のポリブチレートアジペートテレフタレート(PBAT)組成物、
約0.5%~約3%の範囲の量の相溶化剤組成物、および
約2%~約7%の範囲の量の分解添加剤
を含む、分解性押出ネット。
〔2〕前記ポリマーブレンドが、
約52%~約58%のポリ乳酸組成物、
約38%のポリブチレートアジペートテレフタレート組成物、
約2%のポリ乳酸-ポリブチレート相溶化剤、および
約2%~8%の分解添加剤
を含む、前記〔1〕に記載の分解性押出ネット。
〔3〕前記分解添加剤が、担体樹脂中の金属カルボン酸塩を含む、前記〔1〕に記載の分解性押出ネット。
〔4〕前記分解添加剤が、担体樹脂中のステアリン酸鉄を含む、前記〔1〕に記載の分解性押出ネット。
〔5〕前記ポリブチレート組成物が、1種以上のポリブチレートアジペートテレフタレート(PBAT)ポリマーを含む、前記〔1〕に記載の分解性押出ネット。
〔6〕前記ポリ乳酸組成物が、植物デンプンに由来する1種以上のポリ乳酸ポリマーを含む、前記〔1〕に記載の分解性押出ネット。
〔7〕前記相溶化剤組成物が、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ化綿実油(ECSO)、またはマレイン化(MCSO)綿実油からなる群から選択される相溶化剤を含む、前記〔1〕に記載の分解性押出ネット。
〔8〕第1の面、および前記第1の面に対向する第2の面を有する、前記〔1〕に記載の分解性押出ネット、および
前記ネットの前記第1の面に固定された材料の第1の層
を含む、複合材料。
〔9〕前記ネットが、浸食制御ネットとしての使用のために構成されている、前記〔1〕に記載の分解性押出ネット。
〔10〕分解性押出ネットを調製するのに好適なポリマーブレンド組成物であって、
約55%~約60%の範囲の量のポリ乳酸組成物、
約35%~約40%の範囲の量のポリブチレート組成物、
約0.5%~約3%の範囲の量の相溶化剤組成物、および
約2%~約7%の範囲の量の分解添加剤
を含む、ポリマーブレンド組成物。
〔11〕約52%~約58%のポリ乳酸組成物
約38%のポリブチレート組成物、
約2%のポリ乳酸-ポリブチレート相溶化剤、および
約2%~8%の分解添加剤
を含む、前記〔10〕に記載のポリマーブレンド組成物。
〔12〕前記分解添加剤が、担体樹脂中の金属カルボン酸塩を含む、前記〔10〕に記載のポリマーブレンド組成物。
〔13〕前記分解添加剤が、担体樹脂中のステアリン酸鉄を含む、前記〔10〕に記載のポリマーブレンド組成物。
〔14〕前記ポリブチレート組成物が、1種以上のポリブチレートアジペートテレフタレート(PBAT)ポリマーを含む、前記〔10〕に記載のポリマーブレンド組成物。
〔15〕前記ポリ乳酸組成物が、植物デンプンに由来する1種以上のポリ乳酸ポリマーを含む、前記〔10〕に記載のポリマーブレンド組成物。
〔16〕前記相溶化剤組成物が、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ化綿実油(ECSO)、またはマレイン化(MCSO)綿実油から選択される相溶化剤を含む、前記〔10〕に記載のポリマーブレンド組成物。

図1
図2
図3
図4