(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】ダブル非対称光ファイバカプラ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/26 20060101AFI20240730BHJP
G02B 6/28 20060101ALI20240730BHJP
G02B 6/287 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G02B6/26
G02B6/28 W
G02B6/287
(21)【出願番号】P 2021536393
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(86)【国際出願番号】 CA2019051872
(87)【国際公開番号】W WO2020124254
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-11-14
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521271059
【氏名又は名称】カスター オプティクス インク
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴッドボウ ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】マジェアウ ルーカス
【審査官】堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0196537(US,A1)
【文献】特開昭62-161106(JP,A)
【文献】特表2016-513267(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103185919(CN,A)
【文献】GRIFFIN, R. et al.,Asymmetric multimode couplers,JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY,1991年,Vol. 9, No. 11,pp.1508-1517,DOI: 10.1109/50.97639
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/26 - 6/293
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光ファイバであって、長手方向に延びるマルチモードガイド領域と、前記第1の光ファイバの第1の位置と第2の位置との間で長手方向に延びる第1のテーパ部分とを有し、前記第1のテーパ部分が第1のテーパ方向に沿って前記第1の位置から前記第2の位置へ漸進的に減少する寸法を有する、第1の光ファイバと、
第2の光ファイバであって、長手方向に延びるマルチモードガイド領域と、前記第2の光ファイバの第3の位置と第4の位置との間で長手方向に延びる第2のテーパ部分とを有し、前記第2のテーパ部分が第2のテーパ方向に沿って前記第3の位置から前記第4の位置へ漸進的に減少する寸法を有する、第2の光ファイバと、
前記第1のテーパ部分の少なくとも一部分が前記第2のテーパ部分の少なくとも一部分に光学的に結合され、前記第1のテーパ方向が前記第2のテーパ方向と反対である結合領域と、を備え
、
前記結合領域は、前記第2の光ファイバの前記第3の位置から前記第1の光ファイバの前記第1の位置に延びる第1の結合方向と、前記第1の光ファイバの前記第1の位置から前記第2の光ファイバの前記第3の位置に延びる第2の結合方向と、を定義し、
前記結合領域は、前記第1の結合方向と前記第2の結合方向の両方に沿って実質的に維持されている光エテンデュを備える断面を有し、前記光エテンデュは、次の式、
G
i
=πS
i
(NA
i
)
2
と同等の式で定義され、ここでG
i
は前記第1の結合方向と前記第2の結合方向のそれぞれに沿った長手方向の位置iでの前記結合領域の前記光エテンデュを示し、S
i
は前記長手方向の位置iでの前記結合領域の断面積を示し、NA
i
は前記長手方向の位置iでの前記結合領域の開口数を示す、光ファイバカプラ。
【請求項2】
前記第1の光ファイバは少なくとも1つの内側クラッドによって囲まれたコアを有するマルチクラッド光ファイバであり、前記第1の光ファイバの前記少なくとも1つの内側クラッドは前記第1の光ファイバの前記長手方向に延びるマルチモードガイド領域として機能する、請求項1に記載の光ファイバカプラ。
【請求項3】
前記第2の光ファイバは少なくとも1つの内側クラッドによって囲まれたコアを有するマルチクラッド光ファイバであり、前記第2の光ファイバの前記少なくとも1つの内側クラッドは前記第2の光ファイバの前記長手方向に延びるマルチモードガイド領域として機能する、請求項2に記載の光ファイバカプラ。
【請求項4】
前記第2の光ファイバはマルチモードコアを
中心に有するマルチモード光ファイバであり、前記第2の光ファイバの前記マルチモードコアは前記第2の光ファイバの前記長手方向に延びるマルチモードガイド領域として機能する、請求項2に記載の光ファイバカプラ。
【請求項5】
前記第1の光ファイバはマルチモードコアを
中心に有するマルチモード光ファイバであり、前記第1の光ファイバの前記マルチモードコアは前記第1の光ファイバの前記長手方向に延びるマルチモードガイド領域として機能する、請求項1に記載の光ファイバカプラ。
【請求項6】
前記第2の光ファイバは少なくとも1つの内側クラッドによって囲まれたコアを有するマルチクラッド光ファイバであり、前記第2の光ファイバの前記少なくとも1つの内側クラッドは前記第2の光ファイバの前記長手方向に延びるマルチモードガイド領域として機能する、請求項5に記載の光ファイバカプラ。
【請求項7】
前記第2の光ファイバはマルチモードコアを
中心に有するマルチモード光ファイバであり、前記第2の光ファイバの前記マルチモードコアは前記第2の光ファイバの前記長手方向に延びるマルチモードガイド領域として機能する、請求項5に記載の光ファイバカプラ。
【請求項8】
前記第1のテーパ部分の前記少なくとも一部分は前記第2のテーパ部分の前記少なくとも一部分に熱的に融着される、請求項1に記載の光ファイバカプラ。
【請求項9】
前記結合領域は実質的に完全に満たされたラウンチ条件を有するマルチモード信号の伝搬を、
前記第1の光ファイバの前記マルチモードコアに結合される前記第2の光ファイバから伝搬されるマルチモード信号の比率により与えられる第1のマルチモード
率で前記
第1の結合方向に沿って、及び、
前記第2の光ファイバに結合される前記第1の光ファイバの前記マルチモードコアから伝搬されるマルチモード信号の比率により与えられる第2のマルチモード
率で前記
第2の結合方向に沿って、可能にするように構成される、請求項
5に記載の光ファイバカプラ。
【請求項10】
前記
第1のマルチモード
率と前記
第2のマルチモード
率の合計は、100%を超える、請求項
9に記載の光ファイバカプラ。
【請求項11】
前記
第1のマルチモード
率と前記
第2のマルチモード
率の合計は、110%を超える、請求項
9に記載の光ファイバカプラ。
【請求項12】
前記
第1のマルチモード
率と前記
第2のマルチモード
率の合計は、120%を超える、請求項
9に記載の光ファイバカプラ。
【請求項13】
前記
第1のマルチモード
率と前記
第2のマルチモード
率の合計は、150%を超える、請求項
9に記載の光ファイバカプラ。
【請求項14】
前記
第1のマルチモード
率と前記
第2のマルチモード
率の両方は、50%を超える、請求項
9に記載の光ファイバカプラ。
【請求項15】
前記
第1のマルチモード
率と前記
第2のマルチモード
率の両方は、60%を超える、請求項
9に記載の光ファイバカプラ。
【請求項16】
前記
第1のマルチモード
率と前記
第2のマルチモード
率の両方は、70%を超える、請求項
9に記載の光ファイバカプラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
改善点は、一般に光ファイバカプラに関連し、特にマルチモード光信号の取り出し及び/又は入射のための光ファイバカプラに関連する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバカプラは、多くの種類の画像化及び/又は検知システムで使用される。そのようなカプラは、一般に、第1の光ファイバの一部分を第2の光ファイバの一部分に熱的に融着し、及び/又はテーパ化することによって製造され、その結果、それぞれのガイド領域にガイドされる光は相互作用し、これにより4つの異なるポートから出る。
【0003】
Boudouxらによる特許文献1には、2つのダブルクラッド光ファイバが一緒に融着されてテーパ化された対称光ファイバカプラの一例が記載される。この光ファイバカプラは、干渉照明信号が入射され得る第1のポートと、第2のポートとを含み、第2のポートは、そこから干渉照明信号が出力され、更に干渉シングルモード成分と分散マルチモード成分とを含む出力光信号を収集する。第1及び第2の光ファイバは、同じ寸法及び/又は構造を有し、したがって光ファイバカプラは対称であると言われる。このような対称光ファイバカプラには、理論上の等分配限界があり、第2のポートから第3のポートへ取り出され、又は第3のポートから第2のポートに入射され得るマルチモード成分の量を、着信マルチモード信号の50%に制限することが周知である。実際、43%近く、又はそれ以上を達成することさえ課題であることが判明した。
【0004】
Godboutらによる特許文献2には、非対称光ファイバカプラの一例が記載され、それはそのようなマルチモード信号取り出し及び/又は入射率を強化することを目的とする。特に、この光ファイバカプラは、第1のダブルクラッド光ファイバが異なる寸法及び/又は構造の第2の光ファイバと、Boudouxらを参照して議論された理論上の等分配限界がもはや適用されない方法で融着される。このようにして、50%をはるかに超えるマルチモード取り出し及び/又は入射率を有する光ファイバカプラを得ることができた。
【0005】
既存の光ファイバカプラはある程度満足できるものであることが判明したが、改善の余地が残っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第8,792,757号明細書
【文献】米国特許第9,753,222号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
光エテンデュは、光ファイバの断面積とその開口数の2乗(又は同等に立体角)との積として定義される。光エテンデュの保存は、線形光システムに適用される物理的原理であり、光エテンデュは、線形光システムを伝搬するときに光信号に光損失を生じることなく減少し得ないことが述べられる。上記の光ファイバカプラは線形光システムであるため、光エテンデュの保存の対象となる。
【0008】
Boudouxらによって記載される光ファイバカプラに関して、第2のポートから第3のポートに伝搬されるマルチモード光信号は、第1及び第2の光ファイバが互いに融着される領域に沿って一定の光エテンデュを受け得る。特に、第1の光ファイバ上の融着領域の入口位置における光エテンデュは、第2の光ファイバ上の融着領域の出口位置における光エテンデュと同様であり、これは第1及び第2の光ファイバの両方が、同じ寸法及び/又は構造を有するためである。したがって、上記の理論上の等分配限界によって制限されるが、マルチモード取り出し及び/又は入射は、そのような光ファイバカプラを用いて、無視できる光損失で生じ得ることが見出された。
【0009】
より大きなマルチモード取り出し及び/又は透過率は、Godboutらによって記載される光ファイバカプラを使用して実現され得るが、そのような光ファイバカプラによって供給される光エテンデュの保存は、十分なものではなかった可能性がある。例えば、第1の光ファイバ上の融着領域の入口位置における光エテンデュが、第2の光ファイバ上の融着領域の出口位置における光エテンデュよりも大きい場合があり、それは第1及び第2の光ファイバが実際に異なる寸法及び/又は構造を有するためである。このような状況では、光損失が大きくなる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、理論上の等分配限界よりも大きいマルチモード取り出し及び/又は入射率を達成しながら、依然として満足のいく光損失を達成するのに役立ち得る光ファイバカプラを提供する方法を発見した。
【0011】
一態様では、光ファイバカプラが記載され、光ファイバカプラは、第1のテーパ部分が第1のテーパ方向に沿って漸進的に減少する寸法を備える第1の光ファイバと、第2のテーパ部分が第2のテーパ方向に沿って漸進的に減少する寸法を備える第2の光ファイバと、第1の光ファイバの第1のテーパ部分の少なくとも一部分が第2の光ファイバの第2のテーパ部分に光学的に結合される結合領域とを有する。第1のテーパ方向と第2のテーパ方向が互いに反対である場合、第1及び第2の光ファイバと、及び第1及び第2のテーパ部分との、所与のパラメータの下で、全体的なフォームファクタが結合領域に沿っていくらか保存されることが想定でき、これは次に光エテンデュの保存に寄与できる。しかしながら、本開示に記載された実施形態から理解されるように、フォームファクタは、所与の結合方向に沿って保存される必要がないが、それでも光エテンデュの保存に寄与する。
【0012】
本開示の第1の態様によると、光ファイバカプラが提供され、光ファイバカプラは、第1の光ファイバであって、長手方向に延びるマルチモードガイド領域、及び第1の光ファイバの第1の位置と第2の位置との間で長手方向に延びる第1のテーパ部分を有し、第1のテーパ部分が第1のテーパ方向に沿って第1の位置から第2の位置へ漸進的に減少する寸法を有する第1の光ファイバと、第2の光ファイバであって、長手方向に延びるマルチモードガイド領域、及び第2の光ファイバの第3の位置と第4の位置との間で長手方向に延びる第2のテーパ部分を有し、第2のテーパ部分が第2のテーパ方向に沿って第3の位置から第4の位置へ漸進的に減少する寸法を有する第2の光ファイバと、第1のテーパ部分の少なくとも一部分が第2のテーパ部分の少なくとも一部分に光学的に結合され、第1のテーパ方向が第2のテーパ方向と反対である結合領域とを含む。
【0013】
更に、本開示の第1の態様によると、第1の光ファイバは、例えば、少なくとも1つの内側クラッドによって囲まれたコアを有するマルチクラッド光ファイバであり得て、その場合、第1の光ファイバの少なくとも1つの内側クラッドは、例えば、第1の光ファイバの長手方向に延びるマルチモードガイド領域として機能し得る。
【0014】
更に、本開示の第1の態様によると、第2の光ファイバは、例えば、少なくとも1つの内側クラッドによって囲まれたコアを有するマルチクラッド光ファイバであり得て、その場合、第2の光ファイバの少なくとも1つの内側クラッドは、例えば、第2の光ファイバの長手方向に延びるマルチモードガイド領域として機能し得る。
【0015】
更に、本開示の第1の態様によると、第2の光ファイバは、例えば、マルチモードコアを有するマルチモード光ファイバであり得て、その場合、第2の光ファイバのマルチモードコアは、例えば、第2の光ファイバの長手方向に延びるマルチモードガイド領域として機能し得る。
【0016】
更に、本開示の第1の態様によると、第1の光ファイバは、例えば、マルチモードコアを有するマルチモード光ファイバであり得て、その場合、第1の光ファイバのマルチモードコアは、例えば、第1の光ファイバの長手方向に延びるマルチモードガイド領域として機能し得る。
【0017】
更に、本開示の第1の態様によると、光ファイバカプラは、例えば、第1及び第2の光ファイバのいずれか一方から第1及び第2の光ファイバの他方に、結合領域を横切って延びる結合方向を有し得て、ここで結合領域は、少なくとも結合方向に沿って維持されている光エテンデュを備える断面を有し、光エテンデュは、次の式、Gi=πSi(NAi)2と同等の式で定義され、ここで、Giは、結合方向に沿った長手方向の位置iでの結合領域の光エテンデュを示し、Siは、長手方向の位置iでの結合領域の断面積を示し、NAiは、長手方向の位置iでの結合領域の開口数を示す。
【0018】
更に、本開示の第1の態様によると、光エテンデュは、例えば、結合方向に沿って増加し得る。
【0019】
更に、本開示の第1の態様によると、第1のテーパ部分の少なくとも一部分は、例えば、第2のテーパ部分の少なくとも一部分に熱的に融着され得る。
【0020】
更に、本開示の第1の態様によると、結合領域は、例えば、第2の光ファイバの第3の位置から第1の光ファイバの第1の位置まで延びるマルチモード入射方向、及び第1の光ファイバの第1の位置から第2の光ファイバの第3の位置まで延びるマルチモード取り出し方向を定義し得て、ここで結合領域は、実質的に完全に満たされたラウンチ条件を有するマルチモード信号の伝搬を、所与のマルチモード入射率でマルチモード入射方向に沿って、また所与のマルチモード取り出し率でマルチモード取り出し方向に沿っての両方で可能にするように構成される。
【0021】
更に、本開示の第1の態様によると、所与のマルチモード入射率と所与のマルチモード取り出し率の合計は、例えば、100%を超えることができる。
【0022】
更に、本開示の第1の態様によると、所与のマルチモード入射率と所与のマルチモード取り出し率の合計は、例えば、110%を超えることができる。
【0023】
更に、本開示の第1の態様によると、所与のマルチモード入射率と所与のマルチモード取り出し率の合計は、例えば、120%を超えることができる。
【0024】
更に、本開示の第1の態様によると、所与のマルチモード入射率と所与のマルチモード取り出し率の合計は、例えば、150%を超えることができる。
【0025】
更に、本開示の第1の態様によると、所与のマルチモード入射率と所与のマルチモード取り出し率の両方は、例えば、50%を超えることができる。
【0026】
更に、本開示の第1の態様によると、所与のマルチモード入射率と所与のマルチモード取り出し率の両方は、例えば、60%を超えることができる。
【0027】
更に、本開示の第1の態様によると、所与のマルチモード入射率と所与のマルチモード取り出し率の両方は、例えば、70%を超えることができる。
【0028】
更に、本開示の第1の態様によると、結合領域は、例えば、所与のマルチモード入射率を妨げ、所与のマルチモード取り出し率の利益に帰するように構成され得る。
【0029】
本開示の第2の態様によると、光ファイバカプラが提供され、光ファイバカプラは、第1の光ファイバであって、長手方向に延びるマルチモードガイド領域、及び第1の光ファイバの第1の位置と第2の位置との間で長手方向に延びる第1のファイバ部分を有する第1の光ファイバと、第2の光ファイバであって、長手方向に延びるマルチモードガイド領域、及び第2の光ファイバの第3の位置と第4の位置との間で長手方向に延びる第2のファイバ部分を有する第2の光ファイバと、第1のファイバ部分の少なくとも一部分が第2のファイバ部分の少なくとも一部分に光学的に結合され、それによって第2の光ファイバの第3の位置から第1の光ファイバの第1の位置まで延びるマルチモード入射方向、及び第1の光ファイバの第1の位置から第2の光ファイバの第3の位置まで延びるマルチモード取り出し方向を定義する結合領域と、を含み、ここで、結合領域は、実質的に完全に満たされたラウンチ条件を有するマルチモード信号の伝搬を、所与のマルチモード入射率でマルチモード入射方向に沿って、また所与のマルチモード取り出し率でマルチモード取り出し方向に沿っての両方で可能にするように構成される。
【0030】
更に、本開示の第2の態様によると、所与のマルチモード入射率と所与のマルチモード取り出し率の合計は、例えば、100%を超えることができる。
【0031】
更に、本開示の第2の態様によると、所与のマルチモード入射率と所与のマルチモード取り出し率の合計は、例えば、110%を超えることができる。
【0032】
更に、本開示の第2の態様によると、所与のマルチモード入射率と所与のマルチモード取り出し率の合計は、例えば、120%を超えることができる。
【0033】
更に、本開示の第2の態様によると、所与のマルチモード入射率と所与のマルチモード取り出し率の合計は、例えば、150%を超えることができる。
【0034】
更に、本開示の第2の態様によると、所与のマルチモード入射率と所与のマルチモード取り出し率の両方は、例えば、50%を超えることができる。
【0035】
更に、本開示の第2の態様によると、所与のマルチモード入射率と所与のマルチモード取り出し率の両方は、例えば、60%を超えることができる。
【0036】
更に、本開示の第2の態様によると、所与のマルチモード入射率と所与のマルチモード取り出し率の両方は、例えば、70%を超えることができる。
【0037】
更に、本開示の第2の態様によると、結合領域は、例えば、所与のマルチモード入射率を妨げ、所与のマルチモード取り出し率の利益に帰するように構成され得る。
【0038】
「テーパ部分」という表現は、光ファイバの所与の方向に沿って寸法が漸進的に減少する光ファイバの任意の部分を含むように広く解釈されることが意図される。減少する寸法の例には、光ファイバの断面、光ファイバの幅、光ファイバの厚さなどが含まれ得るが、これらに限定されない。したがって、本開示では、各テーパ部分は、寸法が漸進的に減少する方向であると定義される方向を有する。
【0039】
「ダウンテーパ部分」及び「アップテーパ部分」という表現を導入して、本開示のいくつかの特定のテーパ部分を指すことが便利であることが分かった。しかしながら、理解し得るように、ある視点からダウンテーパ部分と呼ばれるものは、別の視点からアップテーパ部分と呼ばれることもあり得る。しかしながら、本開示において、テーパ部分は、テーパ部分の寸法が左から右に延びる方向に減少するか増加するかに応じて、ダウンテーパ部分又はアップテーパ部分のいずれかで指定され得る。例えば、左から右に寸法が減少するテーパ部分は、ダウンテーパ部分と呼ばれ、左から右に寸法が増加するテーパ部分は、アップテーパ部分と呼ばれる。もちろん、そのような用語は、それが使用される文脈に応じて広く解釈されるべきである。
【0040】
本発明の改善に関する多くの更なる特徴及びそれらの組み合わせは、本開示の読後に、当業者には見えてくるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】1つ以上の実施形態による、光ファイバカプラの一例である。
【
図2A】1つ以上の実施形態による、互いに平行である第1のマルチモード光ファイバと第2のマルチモード光ファイバの概略図であり、第1のマルチモード光ファイバのアップテーパ部分が第2のマルチモード光ファイバのダウンテーパ部分と長手方向に整列している。
【
図2B】1つ以上の実施形態による、
図2Aの第1及び第2のマルチモード光ファイバを有する光ファイバカプラの一例の概略図であり、第1のマルチモード光ファイバのアップテーパ部分は、第2のマルチモード光ファイバのダウンテーパに光学的に結合している。
【
図3A】1つ以上の実施形態による、互いに平行であるダブルクラッド光ファイバとマルチモード光ファイバの概略図であり、ダブルクラッド光ファイバのアップテーパ部分がマルチモード光ファイバのダウンテーパ部分と長手方向に整列している。
【
図3B】1つ以上の実施形態による、
図3Aのダブルクラッド光ファイバとマルチモード光ファイバを有する光ファイバカプラの一例の概略図であり、ダブルクラッド光ファイバのアップテーパ部分は、マルチモード光ファイバのダウンテーパ部分に光学的に結合している。
【
図4A】1つ以上の実施形態による、互いに平行であるダブルクラッド光ファイバとマルチモード光ファイバの概略図であり、ダブルクラッド光ファイバのアップテーパ部分がマルチモード光ファイバのダウンテーパ部分と長手方向に整列しており、マルチモード光ファイバは、ダブルクラッド光ファイバのテーパ比よりも大きいテーパ比を有している。
【
図4B】1つ以上の実施形態による、
図4Aのダブルクラッド光ファイバとマルチモード光ファイバを有する光ファイバカプラの一例の概略図であり、ダブルクラッド光ファイバのアップテーパ部分は、マルチモード光ファイバのダウンテーパ部分に光学的に結合している。
【
図5A】互いに平行であるダブルクラッド光ファイバとマルチモード光ファイバの概略図であり、ダブルクラッド光ファイバのアップテーパ部分がマルチモード光ファイバのダウンテーパ部分と長手方向に整列しており、マルチモード光ファイバは、ダブルクラッド光ファイバの内側クラッドの寸法よりも大きい寸法を有するマルチモードコアを有している。
【
図5B】1つ以上の実施形態による、
図5Aのダブルクラッド光ファイバとマルチモード光ファイバを有する光ファイバカプラの一例の概略図であり、ダブルクラッド光ファイバのアップテーパ部分は、マルチモード光ファイバのダウンテーパ部分に光学的に結合している。
【
図6A】1つ以上の実施形態による、互いに平行であるダブルクラッド光ファイバとマルチモード光ファイバの概略図であり、ダブルクラッド光ファイバのアップテーパ部分がマルチモード光ファイバのダウンテーパ部分と長手方向に整列しており、それよりも長い。
【
図6B】1つ以上の実施形態による、
図6Aのダブルクラッド光ファイバとマルチモード光ファイバを有する光ファイバカプラの一例の概略図であり、ダブルクラッド光ファイバのアップテーパ部分は、マルチモード光ファイバのダウンテーパ部分に光学的に結合している。
【
図7A】1つ以上の実施形態による、互いに平行である第1のマルチモード光ファイバと第2のマルチモード光ファイバの概略図であり、第1及び第2のマルチモード光ファイバの外側クラッドが除去されたストリップ領域を示している。
【
図7B】1つ以上の実施形態による、
図7Aの第1及び第2のマルチモード光ファイバを有する光ファイバカプラの一例の概略図であり、第1のマルチモード光ファイバのアップテーパ部分は、第2のマルチモード光ファイバのダウンテーパに光学的に結合している。
【
図8】1つ以上の実施形態による、
図4Aの光ファイバカプラを組み込んだ、レーザマーキングシステム及び光干渉断層計監視システムを組み込む臨床システムの一例の概略図である。
【
図9】1つ以上の実施形態による、
図3Bの光ファイバカプラを組み込んだ、組み合わせ分光法と光干渉断層計システムの一例の概略図である。
【
図10】1つ以上の実施形態による、広帯域マルチモードサーキュレータで示される、
図3Bの光ファイバカプラを組み込んだ分光法の光干渉断層計システムの一例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、第1のポート102aと第2のポート102bとの間に延びる第1の光ファイバ102、第3のポート104aと第4のポート104bとの間に延びる第2の光ファイバ104、及び第1の光ファイバ102の少なくとも一部分が第2の光ファイバ104の少なくとも一部分に光学的に結合される結合領域106を有する光ファイバカプラ100の一例を示す。
【0043】
特に、第1の光ファイバ102は、第1の光ファイバ102の第1の位置108aと第2の位置108bとの間に長手方向に延びる第1のテーパ部分108を有する。第1のテーパ部分108は、第1の位置108aから第2の位置108bまで、第1のテーパ方向112に沿って漸進的に減少する寸法110を有する。
【0044】
第2の光ファイバ104は、第2の光ファイバ104の第3の位置114aと第4の位置114bとの間に長手方向に延びる第2のテーパ部分114を有する。第2のテーパ部分114は、第3の位置114aから第4の位置114bまで、第2のテーパ方向118に沿って漸進的に減少する寸法116を有する。
【0045】
図を参照して以下に説明するように、結合領域106は、第1のテーパ部分108の少なくとも一部分が第2のテーパ部分114の少なくとも一部分に光学的に結合され、第1のテーパ方向112が第2のテーパ方向118と反対であるようにされる。
【0046】
この例では、第1の光ファイバ102の第1のテーパ部分108はアップテーパ部分であり、第2の光ファイバ104の第2のテーパ部分114はダウンテーパ部分であり、以下の段落では、アップテーパ108とダウンテーパ114と呼ぶ。
【0047】
しかしながら、理解されるように、いくつかの別の実施形態では、第1のテーパ部分108はダウンテーパ部分であり得て、一方、第2のテーパ部分114はアップテーパ部分であり得る。
【0048】
したがって、光ファイバカプラ100の結合領域106は、第1の光ファイバ102と第2の光ファイバ104のいずれか一方に属するダウンテーパの少なくとも一部分を有し、その部分は第1の光ファイバ102と第2の光ファイバ104のうちの他方に属するアップテーパ部分の少なくとも一部分に光学的に結合されている。
【0049】
理解され得るように、実施形態に応じて、結合領域106は長さ120を有し得て、その長さは、アップ及びダウンテーパ部分108及び114の長さよりも長い、等しい、又は短い。
【0050】
例えば、いくつかの実施形態では、アップ及びダウンテーパ部分108及び114の一部のみが互いに光学的に結合され、したがって、結合領域106を、アップ及びダウンテーパ部分108及び114の長さよりも短い長さにする。
【0051】
代替の実施形態では、結合領域106は、アップ及びダウンテーパ部分108及び114の一方又は両方の端部を超え、これは結合領域106の長さを、アップ及びダウンテーパ部分108及び114の長さよりも長くする。
【0052】
理解され得るように、実施形態に応じて、アップ及びダウンテーパ部分108及び114は、互いにより長く、等しく、又はより短くされ得る。
【0053】
また、アップ及びダウンテーパ部分108及び114の初期直径と、アップ及びダウンテーパ部分108及び114の最終直径は、実施形態に応じて互いにより大きく、等しく、又は小さくし得る。
【0054】
当業者はまた、アップ及びダウンテーパ部分108及び114の位置が、アップテーパの一部分のみがダウンテーパの一部分又は全体に接触するように、またその逆であるようにオフセットされ得ることを理解するであろう。
【0055】
いくつかの実施形態では、アップ及び/又はダウンテーパ部分はそれぞれ、1つ以上の平坦域、及び/又は山と谷を備える領域を有するテーパ部分をもたらす一連のテーパを有し得る。
【0056】
この例では、光結合106は、第1の光ファイバ102のアップテーパ部分108と第2の光ファイバ104のダウンテーパ部分114との間の密接な接触を含む。しかしながら、別のいくつかの実施形態では、光結合106は、第1の光ファイバ102のアップテーパ部分108を第2の光ファイバ104のダウンテーパ部分114に熱的に融着及び/又はテーパ化することによって得られる。
【0057】
第1及び第2の光ファイバ102及び104の両方は、少なくともマルチモード光信号を伝搬するように構成され、それらの間のマルチモード移行を可能にすることに留意されたい。したがって、第1及び第2の光ファイバ102及び104の両方は、外側クラッド142によって囲まれたそれぞれの長手方向に延びるマルチモードガイド領域132を有する。いくつかの実施形態では、外側クラッド142は、第1及び第2の光ファイバ102及び104の一方又は両方から部分的又は全体的に除去され得る。そのような外側クラッドの除去は、実施形態に応じて、テーパ化の前、又は後に実行され得る。
【0058】
例えば、いくつかの実施形態では、第1の光ファイバ102は、少なくとも1つの内側クラッドによって囲まれたコアを有するマルチクラッド光ファイバである。これらの実施形態では、第1の光ファイバ102の内側クラッドは、第1の光ファイバ102の長手方向に延びるマルチモードガイド領域132として機能する。いくつかの別の実施形態では、第1の光ファイバ102は、マルチモードコアを有するマルチモード光ファイバである。これらの後者の実施形態では、第1の光ファイバ102のマルチモードコアは、第1の光ファイバ102の長手方向に延びるマルチモードガイド領域132として機能する。
【0059】
同じことが第2の光ファイバ104についても言える。同様に、いくつかの実施形態では、第2の光ファイバ104は、少なくとも1つの内側クラッドによって囲まれたコアを有するマルチクラッド光ファイバである。これらの実施形態では、第2の光ファイバ104の内側クラッドは、第2の光ファイバ104の長手方向に延びるマルチモードガイド領域132として機能する。いくつかの他の実施形態では、第2の光ファイバ104は、マルチモードコアを有するマルチモード光ファイバである。これらの後者の実施形態では、第2の光ファイバ104のマルチモードコアは、第2の光ファイバ104の長手方向に延びるマルチモードガイド領域132として機能する。
【0060】
マルチモード移行比は、第1のポート102aから第4のポート104bに(又はその逆に)、あるいは第2のポート102bから第3のポート104aに(又はその逆に)、マルチモード信号の初期強度を超えて伝送されるマルチモード信号の強度の比として定義され得ることに留意されたい。マルチモード移行は、一般に、マルチモード信号が第2のポート102bから第3のポート104aに取り出し方向122に沿って(又は同等に、第1の位置108aから第3の位置114aに)取り出されるマルチモード取り出し、及びマルチモード信号が、第3のポート104aから第2のポート102bに入射方向124に沿って(又は同等に、第3の位置114aから第1の位置108aに)入射されるマルチモード入射を包含する。
【0061】
この例では、取り出し及び入射方向122及び124などの結合方向は、第1及び第2の光ファイバ102及び104のいずれか一方から第1及び第2の光ファイバ102及び104の他方へ、結合領域106をわたって延びるように定義され得る。したがって、光ファイバカプラ100は、結合領域106が、少なくとも1つ以上の可能な結合方向に沿って維持される光エテンデュを備える断面を有するように設計されることが簡便であると見出された。
【0062】
光エテンデュは、以下の式と同等の式によって定義される。
【0063】
Gi=πSi(NAi)2
【0064】
ここで、Giは、結合方向に沿った長手方向の位置iでの結合領域106の光エテンデュを示し、Siは、長手方向の位置iでの結合領域106の断面積を示し、NAiは、長手方向の位置iでの結合領域106の開口数を示す。
【0065】
例えば、特定の実施形態では、取り出し方向122方向に沿った第1の長手方向の位置での結合領域106の光エテンデュG1は、取り出し方向122に沿った第1の長手方向の位置から長手方向に離間される第2の長手方向の位置での結合領域106の光エテンデュG2と同様である。
【0066】
このようにして、上記のように、第1の光ファイバ102から第2の光ファイバ104への取り出し方向122に沿って伝搬するマルチモード光信号が経験し得る光損失は、既存の光ファイバカプラで経験し得る同様のマルチモード光信号と比較して満足のいくレベルに保持され得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、以下に詳述するように、光エテンデュは維持されるのみでなく、取り出し方向122又は入射方向124のいずれかに沿って増加される。
【0068】
光エテンデュが、取り出し及び入射方向122及び124の一方又は両方に沿って、保存されるか、又は最小の影響であるため、光ファイバカプラ100は、第1及び第2のマルチモード光ファイバ102及び104の開口数の比よりも低いテーパ化比によって制限されず、これはGonthierらによって米国特許出願公開第2010/0183261号で以前に推論された。
【0069】
このような制限は、光エテンデュ方程式と保存則を用いて実証され得る。システムの光エテンデュとシステム内で光を伝搬する光エテンデュを区別することが、便宜上、第1である。システムの光エテンデュは、構造によって支持される最大の光エテンデュとして定義される。光ファイバについて、光エテンデュは開口数(NA)に関連し、開口数はその光ファイバの屈折率に基づき計算され得る。一方、光の伝搬について、光エテンデュは、本明細書でLNAと呼ばれるラウンチされた(又はそうでなければ励起された)開口数に関連する。したがって、表面積Sの光ファイバ内では、LNA≦NAであることが理解される。LNA=NAのラウンチ条件では、構造は完全に満たされていると言われる。更に可変の光エテンデュを有する構造を想起することもでき、それは増加し、その後、元の値に減少し得て、LNAが維持されている限り、損失はない。
【0070】
非テーパ化領域に光エテンデュG1と、テーパ化領域に光エテンデュG1Tを有する第1のテーパ化光ファイバの場合、保存則では、G1はG1T以下でなければならないことが記述される。したがって、本明細書でLNA1Tと呼ばれるテーパ化領域のLNAは、テーパ比ITRに比例して増加し得て、以下の式によって示される。
【0071】
【0072】
G1=πS1(NA1)2とG1T=πS1T(LNA1T)2を用いて、式(1)は次のようになり得る。
【0073】
【0074】
テーパ化比定義、
【数3】
を用いて、式(2)は次のようになり得る。
【0075】
【0076】
第1の光ファイバからの光を第2の光ファイバへ損失なしに伝送するために、第2の光ファイバは、第1の光ファイバのすべてのモードの伝搬を可能にする必要がある。特に、結合領域の開口数に直接関連する光ファイバによって支持されるモードでは、第1の光ファイバの開口数は、好ましくは、第2のファイバの開口数以下である必要がある。したがって、第1のファイバがテーパ化光ファイバである場合、テーパ化領域のラウンチされた開口数LNA1tは、好ましくは第2のファイバの開口数NA2以下である必要がある。この制限に従って、本発明者らは、テーパ化比ITR1→1Tが、好ましくは、第1の開口数NA1の、第2のファイバの開口数NA2に対する比率以上であるべきことを示し、以下に示す。
【0077】
【0078】
したがって、既存の光ファイバカプラを用いて得られる比率を超えるマルチモード取り出し及び/又は入射比を達成することが可能である。以下に提示される実施例1は、第1及び第2のマルチモード光ファイバの開口数の比率よりも低いテーパ化比によって制限されない光ファイバカプラの一実施形態を示す。
【0079】
実施例1
図2Aは、それぞれ対応するダウンテーパ部分及びアップテーパ部分を有する第1のマルチモード光ファイバ202及び第2のマルチモード光ファイバ204を示す。示されるように、第1及び第2のマルチモード光ファイバ202及び204は、光結合の前に配置されることが想定されるように示され、この場合では熱融着を含んでいる。
【0080】
特に、この実施形態に示されるように、第1及び第2のマルチモード光ファイバ202及び204は、互いに平行であり、第1のマルチモード光ファイバ202のアップテーパ部分208は、第2のマルチモード光ファイバ204のダウンテーパ部分214と長手方向に位置合わせされている。
【0081】
この特定の実施形態では、第1及び第2のマルチモード光ファイバ202及び204は、125μmの全直径及び105μmのマルチモードコア直径を有し、NAは0.22である。第1及び第2のマルチモード光ファイバ202及び204のそれぞれのダウン及びアップテーパ部分は、それらの初期直径d1及びd2の30%でテーパ化される。
【0082】
図2Bは、第1及び第2のマルチモード光ファイバ202及び204を有する光ファイバカプラ200の一例を示す。示されるように、光ファイバカプラ200は、結合領域206を有し、そこでは第1のマルチモード光ファイバ202のアップテーパ部分208が第2のマルチモード光ファイバ204のダウンテーパ214に熱的に融着される。融着に続いて、図示しないが、結合領域206の追加のテーパ化を用いて、一方のマルチモード光ファイバから他方のマルチモード光ファイバへのモード移行を促進してもよい。
【0083】
この実施形態に示されるように、結合領域206は、第1のマルチモード光ファイバ202のアップテーパ部分208と第2のマルチモード光ファイバ204のダウンテーパ部分214との長さにわたって延びる。
【0084】
光ファイバカプラ200は、光ファイバカプラ200の第2のポート202bから第3のポート204aに延びる取り出し方向222において84%のマルチモード取り出し率と、光ファイバカプラ200の第3のポート204aから第2のポート202bに延びる入射方向224において84%のマルチモード入射率を示すことが判明された。光ファイバカプラ200の過剰損失は、取り出し方向及び入射方向222及び224の両方において、7%未満であることが見出された。
【0085】
既存の技術に基づいて製造された2つの同一であるが非テーパ化マルチモード光ファイバで作られた光ファイバカプラは、1つの結合方向のみでマルチモード取り出し率の43%に制限され、非テーパ化マルチモード光ファイバでは16%の過剰損失があることが判明した。2つの同一のマルチモード光ファイバで作られた光ファイバカプラの場合、マルチモード光ファイバの一方のダウンテーパ部分が、マルチモード光ファイバの他方の非テーパ化部分に光学的に結合され、1つの結合方向のみにおいてマルチモード取り出し率の59%しか達成されず、35%の過剰損失を有した。したがって、本発明者らは、そのような結果は、本明細書に記載の光ファイバカプラ200が、より高いマルチモード取り出し及び/又は入射率を、効率的なマルチモード双方向性を可能にすることに加えて達成し得ることを実証すると考えている。
【0086】
図2Bの下部は、第1及び第2のマルチモード光ファイバ202及び204の断面を、結合領域206に沿った複数の長手方向の位置で示す。結合領域206の取り出し及び入射方向222及び224に沿って、光エテンデュが実質的に維持され、したがって、上記のように光損失の低減に寄与することを理解する必要がある。
【0087】
実施例2
図3Aは、それぞれ対応するダウン及びアップテーパ部分を有するダブルクラッド光ファイバ302及びマルチモード光ファイバ304を示す。図示のように、ダブルクラッド光ファイバ302及びマルチモード光ファイバ304は、それらが光結合の前に配置されることが想定されるように示される。
【0088】
特に、この実施形態では、ダブルクラッド光ファイバ302及びマルチモード光ファイバ304は、互いに平行であり、ダブルクラッド光ファイバ302のアップテーパ部分308は、マルチモード光ファイバ304のダウンテーパ部分314と長手方向に位置合わせされている。
【0089】
この特定の例では、ダブルクラッド光ファイバ302は、125μmの全直径、105μmの内側クラッド直径、及び9μmのコア直径を有し、NAは0.12/0.2である。マルチモード光ファイバ304は、125μmの全直径と、105μmのマルチモードコア直径を有し、NAは0.22である。ダブルクラッド光ファイバ302及びマルチモード光ファイバ304は両方ともに、それらの初期寸法d1及びd2の35%に事前テーパ化される。
【0090】
図3Bは、ダブルクラッド光ファイバ302及びマルチモード光ファイバ304を有する光ファイバカプラ300の一例を示し、ダブルクラッド光ファイバ302のアップテーパ部分308は、マルチモード光ファイバ304のダウンテーパ部分314に熱的に融着されている。
【0091】
先行の例のように、結合領域306は、アップテーパ部分308及びダウンテーパ部分314の長さにわたって延びる長さを有する。
【0092】
光ファイバカプラ300は、77%のマルチモード取り出し率を示すことが判明され、これは、ダブルクラッド光ファイバ302の内側クラッド330から伝搬されたマルチモード信号の77%が、マルチモード光ファイバ304のマルチモードコア332に取り出され、過剰損失が4%であることを意味する。一方、光ファイバカプラ300は65%のマルチモード入射率を有し、これは、マルチモード光ファイバ304のマルチモードコア332から伝搬されたマルチモード信号の65%が、ダブルクラッド光ファイバ302の内側クラッド330に入射され、過剰損失が20%であることを意味する。また、ダブルクラッド光ファイバ302のコア334に沿って伝搬するシングルモード信号は、光ファイバカプラ300の第1のポート302aから第2のポート302bへ、又は第2のポート302bから第1のポート302aへ、0.5dBの損失のみ経験することが判明された。
【0093】
図3Bの下部は、ダブルクラッド光ファイバ302及びマルチモード光ファイバ304の断面を、結合領域306とそれを越えて沿う、複数の長手方向の位置で示す。結合領域306の取り出し及び入射方向322及び324に沿って、光エテンデュが実質的に維持され、したがって、上記のように光損失の低減に寄与することが理解される。
【0094】
実施例3
図4Aは、それぞれが対応するダウン及びアップテーパ部分を有するダブルクラッド光ファイバ402及びマルチモード光ファイバ404を示す。図示のように、ダブルクラッド光ファイバ402及びマルチモード光ファイバ404は、それらが光結合の前に配置されることが想定されるよう示される。
【0095】
この例では、ダブルクラッド光ファイバ402のアップテーパ部分408は、マルチモード光ファイバ404のダウンテーパ部分414と長手方向に位置合わせされている。
【0096】
特に、ダブルクラッド光ファイバ402は、全直径が125μm、内側クラッド直径が105μm、及びコア直径が9μmであり、NAが0.12/0.2である。マルチモード光ファイバ404は、全直径が125μm、マルチモードコア直径が105μmであり、NAは0.15である。
【0097】
この例に示されるように、マルチモード光ファイバ404は、ダブルクラッド光ファイバ402のテーパ化比よりも大きいテーパ化比を有する。したがって、ダブルクラッド光ファイバ402は、元の寸法d1の36.7%までテーパ化され、マルチモード光ファイバ404は、元の寸法d2の17.5%までテーパ化される。
【0098】
図4Bは、ダブルクラッド光ファイバ402及びマルチモード光ファイバ404を有する光ファイバカプラ400の一例を示し、ダブルクラッド光ファイバ402のアップテーパ部分408は、マルチモード光ファイバ404のダウンテーパ部分414に熱的に融着されている。
【0099】
光ファイバカプラ400は、62.6%のマルチモード取り出し率を示すことが判明され、これは、ダブルクラッド光ファイバ402の内側クラッド430から伝搬されたマルチモード信号の62.6%が、マルチモード光ファイバ404のマルチモードコア432に取り出され、過剰損失が20%であることを意味し、一方、86%のマルチモード入射率を供給し、これは、マルチモード光ファイバ404のマルチモードコア432から伝搬されたマルチモード信号の86%が、ダブルクラッド光ファイバ402の内側クラッド430に入射され、過剰損失が4%であることを意味する。また、ダブルクラッド光ファイバ402のコア434に沿って伝搬するシングルモード信号は、光ファイバカプラ400の第1のポート402aから第2のポート402bへ、及びその逆へ、0.5dBの損失のみ経験し得ることが判明された。
【0100】
図4Bもまた、ダブルクラッド光ファイバ402及びマルチモード光ファイバ404の断面を、結合領域406とそれを越えて沿う複数の長手方向の位置で示す。光エテンデュは取り出し及び入射方向422及び424のいずれか一方に沿って実質的に維持され、したがって、上記のように光損失の低減に寄与することが理解される。
【0101】
実施例4
図5Aは、それぞれが対応するダウン及びアップテーパ部分を有するダブルクラッド光ファイバ502及びマルチモード光ファイバ504を示す。図示のように、ダブルクラッド光ファイバ502及びマルチモード光ファイバ504は、それらが光結合の前に配置されることが想定されるよう示される。
【0102】
この例では、ダブルクラッド光ファイバ502とマルチモード光ファイバ504は互いに平行であり、ダブルクラッド光ファイバ502のアップテーパ部分508は、マルチモード光ファイバ504のダウンテーパ部分514と長手方向に位置合わせされている。
【0103】
この特定の例では、ダブルクラッド光ファイバ502は、全直径が125μm、内側クラッド直径が105μm、コア直径が9μmであり、NAが0.12/0.2である。マルチモード光ファイバ504は、全直径が220μm、マルチモードコア直径が200μmであり、NAは0.22である。ダブルクラッド光ファイバ502とマルチモード光ファイバ504の両方は、元の寸法d1とd2の36.7%まで事前テーパ化される。
【0104】
図5Bは、ダブルクラッド光ファイバ502及びマルチモード光ファイバ504を有する光ファイバカプラ500の一例を示し、ダブルクラッド光ファイバ502のアップテーパ部分508は、マルチモード光ファイバ504のダウンテーパ部分514に熱的に融着されている。
【0105】
光ファイバカプラ500は、85%のマルチモード取り出し率を示すことが判明され、これは、ダブルクラッド光ファイバ502の内側クラッド530から伝搬されたマルチモード信号の85%が、マルチモード光ファイバ504のマルチモードコア532に取り出され、過剰損失が1%未満であることを意味する。また、光ファイバカプラ500は、22%のマルチモード入射率を有し、これは、マルチモード光ファイバ504から伝搬されたマルチモード信号の22%が、ダブルクラッド光ファイバ502の内側クラッド530に入射され、過剰損失が50%であることを意味する。また、ダブルクラッド光ファイバ502のコア534に沿って伝搬するシングルモード信号は、光ファイバカプラ500の第1のポート502aから第2のポート502bへ、及びその逆へ、0.5dBの損失のみ経験し得ることが判明された。
【0106】
既存の技術に基づいて製造された類似するが非テーパ化光ファイバで作製された光ファイバカプラは、72%のマルチモード取り出し率を、6%の過剰損失で実現でき、一方、14%のマルチモード入射率を、15%未満の過剰損失で実現できることが判明され、再び、この例の光ファイバカプラの性能が支持される。
【0107】
図5Bは、光ファイバ502及び504の断面を、結合領域506とそれを越えて沿う複数の長手方向の位置で示す。この例では、結合領域506の光エテンデュが挿入方向524に沿って増加し、これにより、光ファイバカプラ500のマルチモード双方向性が低下する可能性があることが理解される。
【0108】
以下で議論されるように、本明細書に提示される光ファイバカプラは、生物医学的ファイバベースの画像化及び/又は検知システムにおいて特に有用であることが判明された。例えば、光ファイバカプラは、内視鏡検査、光干渉断層法、蛍光画像化、拡散光学分光法、ラマン分光法、共焦点顕微鏡検査、共焦点内視鏡検査、レーザ凝固、レーザ切除、又はそれらの任意の組み合わせで便利に使用され得る。
【0109】
実施例5
図6Aは、それぞれが対応するダウン及びアップテーパ部分を有するダブルクラッド光ファイバ602及びマルチモード光ファイバ604を示す。図示のように、ダブルクラッド光ファイバ602及びマルチモード光ファイバ604は、それらが光結合の前に配置されることが想定されるよう示される。
【0110】
この例では、ダブルクラッド光ファイバ602のアップテーパ部分608は、マルチモード光ファイバ604のダウンテーパ部分614に対して長手方向にオフセットされる。図示のように、アップテーパ部分608は、 この例では、ダウンテーパ部分614よりも長い。
【0111】
特に、ダブルクラッド光ファイバ602は、全直径が125μm、内側クラッド直径が102μm、コア直径が4μmであり、NAが0.19/0.24である。マルチモード光ファイバ604は、全直径が125μm、マルチモードコア直径が105μmであり、NAは0.22である。
【0112】
この例に示すように、マルチモード光ファイバ604は、ダブルクラッド光ファイバ602のテーパ化比よりも大きいテーパ化比を有する。したがって、ダブルクラッド光ファイバ602は、元の寸法d1の48%までテーパ化されるが、マルチモード光ファイバ604は、元の寸法d2の17.5%にテーパ化される。
【0113】
図6Bは、ダブルクラッド光ファイバ602及びマルチモード光ファイバ604を有する光ファイバカプラ600の一例を示し、ダブルクラッド光ファイバ602のアップテーパ部分608は、マルチモード光ファイバ604のダウンテーパ部分614に熱的に融着されている。
【0114】
光ファイバカプラ600は、実施例3を参照して説明した光ファイバカプラ400の光学的特性と同様のマルチモード光学的特性を示すことが判明された。しかしながら、ダブルクラッド光ファイバ602のシングルモード断熱感度のために、ダブルクラッド光ファイバ602のアップテーパ部分608は、より滑らかである必要が有り、これは長さおよびテーパ化比を増加させることによって達成された。
【0115】
図6Bはまた、ダブルクラッド光ファイバ602及びマルチモード光ファイバ604の断面を、結合領域606とそれを越えて沿う複数の長手方向の位置で示す。光エテンデュが取り出し及び入射方向622及び624のいずれか一方に沿って実質的に維持され、これにより、上記のように光損失の減少に寄与することが理解される。
【0116】
実施例6
図7Aは、第1のマルチモード光ファイバ702及び第2のマルチモード光ファイバ704を示し、それぞれ対応するダウン及びアップテーパ部分を有している。示されるように、第1及び第2のマルチモード光ファイバ702及び704はそれぞれストリップ領域746を有し、そこではそれらの外側クラッド742及び744がダウン及びアップテーパ部分の前で除去される。第1及び第2のマルチモード光ファイバ702及び704は、光結合の前に配置されることが想定されるように示され、この場合、熱的に融着することを含む。図示のように、第1のマルチモード光ファイバ702のダウンテーパ部分は、第2のマルチモード光ファイバ704のストリップされた部分に隣接し、一方、第2のマルチモード光ファイバ704のアップテーパ部分は、第1のマルチモード光ファイバ702のストリップされた部分に隣接する。
【0117】
特に、この実施形態に示されるように、第1及び第2のマルチモード光ファイバ702及び704は、互いに平行であり、第1のマルチモード光ファイバ702のアップテーパ部分708が、第2のマルチモード光ファイバ704のダウンテーパ部分714と長手方向に位置合わせされている。
【0118】
この特定の例では、第1及び第2のマルチモード光ファイバ702及び704は、全直径が125μm、及びマルチモードコア直径が105μmであり、NAが0.22である。外側クラッド742及び744の部分は、ストリップ領域746内で除去されるため、第1及び第2のマルチモード光ファイバ702及び704は、この領域において105μmの初期直径を有する。第1及び第2のマルチモード光ファイバ702及び704のそれぞれのダウン及びアップテーパ部分は、それらの初期直径d1及びd2の30%でテーパ化される。
【0119】
図7Bは、第1及び第2のマルチモード光ファイバ702及び704を有する光ファイバカプラ700の一例を示す。示されるように、光ファイバカプラ700は結合領域706を有し、そこでは第1のマルチモード光ファイバ702のアップテーパ部分708が第2のマルチモード光ファイバ704のダウンテーパ714に熱的に融着される。融着に続いて、結合領域706の追加のテーパ化を実行し(図示せず)、一方のマルチモード光ファイバから他方のマルチモード光ファイバへのモード移行を促進してもよい。
【0120】
この実施形態に示されるように、結合領域706は、第1のマルチモード光ファイバ702のアップテーパ部分708及び第2のマルチモード光ファイバ704のダウンテーパ部分714の長さにわたって延びる。
【0121】
上記の例を考慮して、本発明者らは、そのような光ファイバカプラが、実施形態に応じて良好な性能を示し得ることを見出した。例えば、光ファイバカプラは、いくつかの実施形態において、マルチモード入射率とマルチモード取り出し率の合計が100%を超える、好ましくは110%を超える、より好ましくは120%を超える、最も好ましくは150%を超え得るように設計され得る。更に、代替の実施形態では、光ファイバカプラは、マルチモード入射率とマルチモード取り出し率の両方が50%を超える、好ましくは60%を超える、最も好ましくは70%を超えるように設計され得る。実施形態又は意図される用途に応じて、結合領域は、マルチモード入射率を妨げ、所与のマルチモード取り出し率の利益となるように、又はその逆に構成され得ることが理解される。
【0122】
以下は、上記の光ファイバカプラの1つ以上を有利に使用することができる例示的な用途を提示する。以下の用途は単なる例であり、本開示による光ファイバカプラは別の用途にも使用できることを意図している。
【0123】
適用例1
図8は、レーザマーキングシステム852及び光干渉断層計(OCT)監視システム854の両方を組み込んだ例示的なシステム850を示す。図示されたシステム850は、胃内視鏡検査又は結腸内視鏡検査などの腔内内視鏡検査に適した臨床システムであり、生体内での熱効果のリアルタイム監視を可能にする。
【0124】
示されるように、システム850は、
図4Bを参照して説明及び図示された光ファイバカプラ400に対応する光ファイバカプラを有する。この例では、光ファイバカプラ400を使用して、マルチモード信号を、マルチモード光ファイバ404からダブルクラッド光ファイバ402の内側クラッドに効率的に入射する。
【0125】
示すように、OCT監視システム854は、例えば、波長掃引レーザ、シングルモードファイバーベース干渉計、及び検出モジュールを有し得る。シングルモードサンプルアームファイバ856は、光ファイバカプラ400のポート1に接続(例えば、接合)され、OCT信号をサンプル858まで伝搬する。光ファイバカプラ400のポート2は、長手方向の並進ステージ862上にセットアップされた光ファイバ回転ジョイント(FORJ)860に接続され、光ファイバプローブの螺旋状走査を可能にする。代替的に、マイクロモータが遠位で使用され得る。サンプル858からの後方散乱光は、ダブルクラッド光ファイバ404のシングルモードコアによって回収され、光ファイバカプラ400を通って伝搬し、検出のためにOCT監視システム854に戻る。したがって、光ファイバカプラ400の最小のシングルモード損失は、高感度OCT画像化にとって重要である。
【0126】
マーキングレーザが、ダブルクラッド光ファイバ404の内側クラッドへ、ロバストで効率的に結合することを可能にするために、光ファイバカプラ400が使用される。これにより、臨床的に互換性のあるセットアップが可能になり、自由空間光通信を使用する必要がなくなり、自由空間光通信は損失が大きく、煩雑で、少なくとも一部の状況でミスアライメントが生じ易い場合がある。
【0127】
OCT監視システム854及びレーザマーキングシステム852は、トリガ及び信号取得のためにA/Dボード864とインタフェースされる。A/Dボード864はまた、当業者が理解し得るように、モータ制御を実行できる。
【0128】
適用例2
図9は、一実施形態による、分光法のOCTシステム950の一例を示す。図示の光ファイバカプラは、シングルファイバ照明及び分光信号の検出を可能にするために双方向マルチモードカプラとして使用される
図3Bの光ファイバカプラ300に対応する。この例に示されるように、分光法のOCTシステム950のファイバ出力956は、ダブルクラッドファイバカプラ300のポート1に直接接合される。ポート2は、画像化又は検知光学系とのインタフェースに使用される。このような光学系は、マイクロミラーに取り付けられたプリズム、プリズムとGRINレンズアセンブリ、又は用途に応じて別のもので構成され得る。サンプル958によって逆反射されたOCT信号は、ダブルクラッド光ファイバ302のファイバコアによって回収され、分光法のOCTシステム950の検出モジュール970に送信される。
【0129】
この例では、広帯域可視光源972からの光は、自由空間光通信(例えば、ビームスプリッタ974及びレンズ/対物レンズ976)を使用してポート3でマルチモード光ファイバ304に結合され、光ファイバカプラ300のダブルクラッド光ファイバ302の内側クラッド内に入射される。サンプル958によって後方散乱され、内側クラッドによって収集された可視光は、光ファイバカプラ300を通過し、ポート3に伝送される。ビームスプリッタ974を用いて、検出モジュール970に信号を反射し、それはこの例では分光計の形で設けられる。
【0130】
理解され得るように、この実施形態は、必要に応じて、OCTを拡散分光法、白色光分光法又はハイパースペクトル画像化と組み合わせるために使用し得る。
【0131】
適用例3
図10は、
図9に示されているものと同様のシステム1050を示すが、照明及び検出信号を結合/分離するために使用される自由空間光通信は、広帯域マルチモードサーキュレータ(WMC)1080に置換される。WMC1080は、光源1072から光ファイバカプラ300に光を効率的に透過し、光を光ファイバカプラ300から検出モジュール1070に向けて効率的に伝送する。このセットアップにより、OCTと分光法を組み合わせたロバストな全ファイバ型ソリューションが可能になる。
【0132】
理解され得るように、上記で説明され、図示された例は、例示のみを意図する。例えば、図を参照して記載された光ファイバカプラは、互いに結合された2つの光ファイバを有し、その結果、4つの別個の光ポートをもたらすが、本明細書に記載された光ファイバカプラは、1つ以上の別の光ファイバカプラに統合され得て、又は1つ以上の別のマルチモード光ファイバ若しくはマルチクラッド光ファイバに光学的に結合され得て、その結果、4つ以上の別個の光ポートをもたらし得る。したがって、本明細書に記載の光ファイバカプラは、互いに光学的に結合されている2つの光ファイバのみに限定されない。更に、本開示で記載される光ファイバカプラは、光検出及び測距(又はライダー)、シングルモード及びマルチモードベースの電気通信、ガス検知、分光法などの非生物医学分野で使用され得る。範囲は、添付の特許請求の範囲によって示される。