(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】電源装置とこの電源装置を備える電動車両及び蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/262 20210101AFI20240730BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20240730BHJP
H01M 50/264 20210101ALI20240730BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20240730BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240730BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20240730BHJP
【FI】
H01M50/262 S
H01M50/209
H01M50/264
H01M50/244 Z
H01M50/249
H01M50/289
H01M50/262 M
(21)【出願番号】P 2021537675
(86)(22)【出願日】2020-07-20
(86)【国際出願番号】 JP2020028028
(87)【国際公開番号】W WO2021024775
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】P 2019143427
(32)【優先日】2019-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003225
【氏名又は名称】弁理士法人豊栖特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高田 浩志
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-97983(JP,A)
【文献】特開2013-161792(JP,A)
【文献】国際公開第2016/174855(WO,A1)
【文献】特開2002-6755(JP,A)
【文献】国際公開第2019/021779(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/262
H01M 50/209
H01M 50/264
H01M 50/244
H01M 50/249
H01M 50/289
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の角形の電池セルを積層してなる電池積層体と、
前記電池積層体の積層方向の両端部に配置してなる一対のエンドプレートと、
前記エンドプレートに固定してなるバインドバーとを備える電源装置であって、
前記バインドバーが金属板であって、
ベースプレートに固定されるブラケットの固定片を表面に突出して一体構造に設けており、さらに、
前記バインドバーは、
長手方向と幅方向の中間部分を、前記固定片を構成する固定片領域として、
前記固定片領域の外周縁の一部で長手方向に伸びる直線部分を、前記バインドバーの長手方向に伸びる折曲ラインとし、かつ
前記固定片領域の外周縁の前記折曲ラインを除く領域を切断ラインとしており、
前記切断ラインが切断され、前記折曲ラインで折り曲げられて、
前記固定片領域を外側に突出する固定片として、前記固定片領域を開口窓としており、
前記ブラケットは、
前記固定片に固定される固定部と、
前記固定部を先端に設けてなる立ち上がり部と、
前記立ち上がり部の下端に設けてなるベースプレート連結部とを備え、
前記固定片が前記ブラケットの前記固定部に固定されて、
前記バインドバーが前記ブラケットを介して前記ベースプレートに固定されるようにしてなることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載される電源装置であって、さらに、
前記固定片を貫通して、前記固定片を前記ブラケットの固定部に固定してなる止ネジを備え、
前記固定片が、前記バインドバーの長手方向に伸びるスリットを有し、
前記止ネジが前記スリットに挿通されて、
前記固定片と前記ブラケットの前記固定部とを固定してなることを特徴とする電源装置。
【請求項3】
請求項2に記載される電源装置であって、
前記バインドバーが、
長手方向に離して配置してなる複数の前記スリットを有する前記固定片を有することを特徴とする電源装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載される電源装置であって、
前記バインドバーが、
長手方向に離して配置されてなる複数の前記固定片を有し、
各々の前記固定片が前記スリットを有することを特徴とする電源装置。
【請求項5】
請求項1ないし4にいずれかに記載される電源装置であって、
前記電池積層体の両側に配置している各々の前記バインドバーが複数の前記固定片を有し、
前記電池積層体の両側に配置している各々の前記バインドバーの非対称位置に前記固定片が配置されてなることを特徴とする電源装置。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれかに記載される電源装置であって、
前記エンドプレートが前記ベースプレートに固定されてなることを特徴とする電源装置。
【請求項7】
請求項1ないし6いずれかに記載される電源装置であって、
前記折曲ラインが、前記固定片領域下縁の直線部分であることを特徴とする電源装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載される電源装置であって、
前記バインドバーの表面に、
細長い棒材からなるトラスメンバー又はアーチメンバーが固定されてなることを特徴とする電源装置。
【請求項9】
請求項8に記載される電源装置であって、
前記トラスメンバー又は前記アーチメンバーが、
前記固定片に連結されてなることを特徴とする電源装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載される電源装置であって、
前記電池積層体の中間に中間プレートが積層され、
前記中間プレートが前記バインドバーに固定されてなることを特徴とする電源装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の電源装置を備える電動車両であって、
前記電源装置と、
該電源装置から電力供給される走行用のモータと、
前記電源装置及び前記モータを搭載してなる車両本体と、
前記モータで駆動されて前記車両本体を走行させる車輪とを備えることを特徴とする電動車両。
【請求項12】
請求項1ないし10のいずれかに記載の電源装置を備える蓄電装置であって、
前記電源装置と、
該電源装置への充放電を制御する電源コントローラとを備え、
前記電源コントローラでもって、外部からの電力により前記電池セルへの充電を可能とすると共に、該電池セルに対し充電を行うよう制御することを特徴とする蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の角形電池セルを積層している電源装置とこの電源装置を備える電動車両及び蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池を用いた電源装置が車両の駆動用電源等の用途で利用されている。このような電源装置は、複数枚の電池セルを積層している電池積層体の両端面にエンドプレートを配置し、エンドプレートを左右のバインドバーで締結する構成が一般に採用されている(特許文献1参照)。このような電源装置において、出力を向上させるためには、電池セルの数を増やすことが挙げられる。
また、このような電源装置を電動車両及び蓄電装置へ締結する方法としては、バインドバーの所定箇所に穴を設け、電動車両及び蓄電装置へネジなどで締結する方法が従来から知られている。
【0003】
しかしながら、上記のようなエンドプレートとバインドバーを用いた構成においては、電池セルの数が増加すると、電池積層体が長くなって曲げモーメントが強くなるので、これに応じて相応の剛性アップが要求される。電池セルの荷重に対する曲げモーメントに耐えるように、バインドバーの剛性を上げる必要が生じ、このためバインドバーを構成する金属板を厚くしたり、より強固な材質を使用する等の対策が必要となり、重量が重くなったりコストが高くなるという問題が生じる。また、電池セル数が増すにつれて、中央に位置する電池セルの位置ずれがより大きくなるという懸念も生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の欠点を解決することを目的に開発されたもので、本発明の目的の一は、電池積層体の変形を少なくして電池セルの位置ずれを抑制する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様に係る電源装置は、複数の角形の電池セル1を積層してなる電池積層体10と、電池積層体10の積層方向の両端部に配置してなる一対のエンドプレート4と、エンドプレート4に固定してなるバインドバー2とを備える。バインドバー2は金属板であって、ベースプレート70に固定されるブラケット71の固定片41を表面に突出して一体構造に設けており、さらに、バインドバー2は、長手方向と幅方向の中間部分を、固定片41を構成する固定片領域40として、固定片領域40の外周縁の一部で長手方向に伸びる直線部分を、バインドバー2の長手方向に伸びる折曲ライン42とし、かつ固定片領域40の外周縁の折曲ライン42を除く領域を切断ライン43としており、切断ライン43が切断され、折曲ライン42で折り曲げられて、固定片領域40を外側に突出する固定片41として、固定片領域40を開口窓45としている。ブラケット71は、固定片41に固定される固定部74と、固定部74を先端に設けてなる立ち上がり部73と、立ち上がり部73の下端に設けてなるベースプレート連結部72とを備え、固定片41がブラケット71の固定部74に固定されて、バインドバー2がブラケット71を介してベースプレート70に固定されている。
【0007】
本発明のある態様に係る電動車両は、上記電源装置100と、電源装置100から電力供給される走行用のモータ93と、電源装置100及びモータ93を搭載してなる車両本体91と、モータ93で駆動されて車両本体91を走行させる車輪97とを備えている。
【0008】
本発明のある態様に係る蓄電装置は、上記電源装置100と、電源装置100への充放電を制御する電源コントローラ88と備えて、電源コントローラ88でもって、外部からの電力により電池セル1への充電を可能とすると共に、電池セル1に対し充電を行うよう制御している。
【発明の効果】
【0009】
以上の電源装置は、多数の電池セルを積層して長くなる電池積層体においても、変形を少なくして電池セルの位置ずれを抑制できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電源装置の斜視図である。
【
図3】
図2に示すバインドバーの製造工程を示す斜視図である。
【
図4】
図1に示す電源装置とベースプレートの固定構造を示す拡大断面図である。
【
図5】本発明の他の実施形態に係る電源装置の斜視図である。
【
図6】本発明の他の実施形態に係る電源装置の平面図である。
【
図7】ブラケットの他の一例を示す拡大断面図である。
【
図8】ブラケットの他の一例を示す拡大断面図である。
【
図9】トラスメンバーを備えるバインドバーの一例を示す模式正面図である。
【
図10】X字状のトラス構造のトラスメンバーを備えるバインドバーの模式正面図である。
【
図11】ワーレントラス構造のトラスメンバーを備えるバインドバーの模式正面図である。
【
図12】プラットトラス構造のトラスメンバーを備えるバインドバーの模式正面図である。
【
図13】ハウトラス構造のトラスメンバーを備えるバインドバーの模式正面図である。
【
図14】Kトラス構造のトラスメンバーを備えるバインドバーの模式正面図である。
【
図15】フィンクトラス構造のトラスメンバーを備えるバインドバーの模式正面図である。
【
図16】アーチメンバーを備えるバインドバーの模式正面図である。
【
図17】トラスメンバー及びアーチメンバーの一例を示す断面斜視図である。
【
図18】トラスメンバー及びアーチメンバーの他の一例を示す断面斜視図である。
【
図19】トラスメンバー及びアーチメンバーの他の一例を示す断面斜視図である。
【
図21】エンジンとモータで走行するハイブリッド車に電源装置を搭載する例を示すブロック図である。
【
図22】モータのみで走行する電気自動車に電源装置を搭載する例を示すブロック図である。
【
図23】蓄電用の電源装置に適用する例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0012】
本発明の第1の実施態様の電源装置は、複数の角形の電池セルを積層してなる電池積層体と、電池積層体の積層方向の両端部に配置してなる一対のエンドプレートと、エンドプレートに固定してなるバインドバーとを備えている。バインドバーが金属板であって、ベースプレートに固定されるブラケットの固定片を表面に突出して一体構造に設けられ、さらに、バインドバーは、長手方向と幅方向の中間部分を、固定片を構成する固定片領域として、固定片領域の外周縁の一部で長手方向に伸びる直線部分を、前記バインドバーの長手方向に伸びる折曲ラインとし、かつ固定片領域の外周縁の切断ラインを除く領域を切断ラインとしており、切断ラインが切断され、折り曲げラインで折り曲げられて、固定片領域を外側に突出する固定片として、固定片領域を開口窓としている。ブラケットは、固定片に固定される固定部と、固定部を先端に設けてなる立ち上がり部と、立ち上がり部の下端に設けてなるベースプレート連結部とを備え、固定片がブラケットの固定部に固定されて、バインドバーがブラケットを介してベースプレートに固定されている。
【0013】
以上の電源装置は、多数の電池セルを積層して長くなる電池積層体においても変形を少なくして電池セルの位置ずれを抑制できる特長がある。とくに、以上の電源装置は、金属板のバインドバーの長手方向と幅方向の中間部分を固定片領域とし、この固定片領域の外周縁の一部であって長手方向に伸びる直線部分を折曲ライン、残りの部分を切断ラインとして、切断ラインで切断して、直線状の折曲ラインで折り曲げ加工して固定片を設けている。この構造でバインドバーに設けられる固定片は、バインドバーの長手方向と幅方向の中間部分に位置し、かつ長手方向に伸びる姿勢でバインドバーと一体構造に設けられ、この位置と姿勢で設けられた固定片がブラケットを介してベースプレートに固定されるので、バインドバーは、長手方向の中間であって、しかも幅方向の中間がベースプレートに強固に固定される。長手方向と幅方向の中間をベースプレートに固定しているバインドバーは、電池セルの積層数が多くなって電池積層体が長くなっても変形が抑制される。とくに、以上の電源装置は、バインドバーの長手方向と幅方向の中間をベースプレートに強固に固定することで、バインドバーの変形を理想的な状態で抑制して、電池セルの位置ずれを極めて効果的に防止できる。
【0014】
本発明の第2の実施態様の電源装置は、固定片を貫通して固定片をブラケットの固定部に固定してなる止ネジを備え、固定片が、バインドバーの長手方向に伸びるスリットを有し、止ネジがスリットに挿通されて、固定片とブラケットの固定部とを固定してなる。
【0015】
以上の電源装置は、固定片に設けている細長いスリットに止ネジを挿通して固定片とブラケットを固定するので、固定片とブラケットの相対位置をスリットの方向にずらして固定できる。この構造の電源装置は、バインドバーの形状を変更することなく、ブラケットを介して種々のベースプレートに固定できる特長がある。複数種の電源に使用される電源装置は、取り付けられる装置や車両によって、ベースプレートに固定しているブラケットの位置が変化する。以上の電源装置は、スリットに挿通する止ネジの位置を変更することで、ブラケットを介して固定位置が異なるベースプレートに固定できるので、電源装置を規格化して複数の装置や車両に固定できる特長がある。
【0016】
本発明の第3の実施態様の電源装置は、バインドバーが、長手方向に離して配置してなる複数のスリットを有する固定片を有する。
【0017】
本発明の第4の実施態様の電源装置は、バインドバーが、長手方向に離して配置されてなる複数の固定片を有し、各々の固定片がスリットを備えている。
【0018】
本発明の第5の実施態様の電源装置は、電池積層体の両側に配置している各々のバインドバーが複数の固定片を有し、電池積層体の両側に配置している各々のバインドバーの非対称位置に固定片を配置している。
【0019】
本発明の第6の実施態様の電源装置は、エンドプレートをベースプレートに固定している。
【0020】
本発明の第7の実施態様の電源装置は、折曲ラインを、固定片領域下縁の直線部分としている。
【0021】
本発明の第8の実施態様の電源装置は、バインドバーの表面に、細長い棒材からなるトラスメンバー又はアーチメンバーを固定している。
【0022】
以上の電源装置は、固定片を設けてできる開口窓によるバインドバーの強度低下を、トラスメンバーやアーチメンバーで補強して、電池積層体の変形を少なくして電池セルの位置ずれを抑制できる。とくに、多数の電池セルを積層して電池積層体が長くなる電源装置においても、電池セルの重量でバインドバーが変形して電池セルが位置ずれするのをトラスメンバーやアーチメンバーで防止し、さらにバインドバーの長手方向と幅方向の中間をブラケットでベースプレートに固定するので、バインドバーの変形をさらに少なくできる特長がある。したがって、以上の電源装置は、車両に搭載されて走行モータに電力を供給する大出力の電源装置に使用されても、振動や衝撃で電池セルが位置ずれするのを効果的に抑制できる。さらに、以上の電源装置は、電池セルの位置ずれを抑制するために、バインドバーを厚くて重い板材とすることなく、表面に細長いトラスメンバーやアーチメンバーを固定して曲げモーメントに対する変位を抑制し、さらに、バインドバーの長手方向と幅方向の中間をベースプレートに固定するので、バインドバーを軽量化しながら電池セルの位置ずれを効果的に抑制できる。
【0023】
本発明の第9の実施態様の電源装置は、トラスメンバー又は前記アーチメンバーが、固定片に連結されてなる。
【0024】
以上の電源装置は、トラスメンバーやアーチメンバーで固定片を補強してベースプレートに固定できるので、電源装置をより強固な取り付け構造でベースプレートに固定できる。
【0025】
本発明の第10の実施態様の電源装置は、電池積層体の中間に中間プレートが積層され、中間プレートがバインドバーに固定されている。
【0026】
(実施の形態1)
本発明の一実施形態に係る電源装置100を、
図1と
図2に示す。これらの図に示す電源装置100は、車載用の電源装置の例を示している。具体的には、この電源装置100は、主としてハイブリッド車や電気自動車等の電動車両に搭載されて、車両の走行モータに電力を供給して、車両を走行させる電源に使用される。ただ、本発明の電源装置は、ハイブリッド車や電気自動車以外の電動車両に使用でき、また電動車両以外の大出力が要求される無停電電源などの用途にも使用できる。
【0027】
(電源装置100)
図1と
図2に示す電源装置100は、電池セル1を複数枚積層した電池積層体10と、この電池積層体10の積層方向の両端部に配置してなる一対のエンドプレート4と、エンドプレート4に固定してなるバインドバー2とを備える。電池セル1は、外形を幅よりも厚さを薄くした板状としており、主面を矩形状として、複数枚を積層している。また、電池セル1同士の間をセパレータ12などの絶縁材で絶縁している。さらに、電池セル1をセパレータ12を介して交互に積層した状態で、電池積層体10の両側の端面にエンドプレート4を配置している。一対のエンドプレート4は、バインドバー2に固定されて、エンドプレート4の間で電池積層体10を加圧状態に固定している。
【0028】
(電池セル1)
電池セル1は、その外形を構成する外装缶を、幅よりも厚さを薄くした角形としている。外装缶は上方を開口した有底筒状に形成され、開口部分を封口板で閉塞している。外装缶には、電極組立体が収納される。封口板には正負の電極端子と、この電極端子の間にガス排出弁を設けている。電池セルは、外装缶の表面を熱収縮チューブなどの絶縁膜(図示せず)で被覆している。封口板の表面は、電極端子や排出弁を設けているので、絶縁膜では被覆されず露出している。電池セル1同士は、バスバー13等で電気的に接続される。バスバー13は、金属板を折曲して形成される。
【0029】
隣接する電池セル1同士の間には、樹脂製のセパレータ12等の絶縁部材が介在されて、これらの間を絶縁する。表面を絶縁膜で被覆している電池セルは、セパレータを介することなく積層することもできる。
【0030】
(セパレータ12)
セパレータ12は、
図2の分解斜視図に示すように、隣接する電池セル1の、対向する主面同士の間に介在されてこれらを絶縁する。このセパレータ12は、絶縁材で薄いプレート状またはシート状に製作される。図に示すセパレータ12は、電池セル1の対向面とほぼ等しい大きさのプレート状としており、このセパレータ12を互いに隣接する電池セル1の間に積層して、隣接する電池セル1同士を絶縁している。なお、セパレータとして、隣接する電池セルの間に冷却気体の流路を形成する形状のセパレータを使用し、この流路に冷却気体を強制送風して電池セルを冷却することもできる。
【0031】
セパレータ12の材質は、絶縁性とする。例えばプラスチック等の樹脂製とすることで、軽量で安価に構成できる。また硬質の部材とする他、可撓性を有する部材としてもよい。特に、冷却隙間を設けない形態のセパレータ12は、シート状とする等可撓性のある薄い材質とすることができる。シート状として片面に接着面を塗布したセパレータを使用すれば、電池セル1の主面や側面の一部といった絶縁が必要な領域に貼付することが容易となる。加えて、シート状とすることでセパレータの薄型化が容易となり、電池積層体10の厚さや重量が増すことも抑制できる。
【0032】
(エンドプレート4)
電池セル1とセパレータ12とを交互に積層した電池積層体10の両端面には一対のエンドプレート4を配置して、一対のエンドプレート4で電池積層体10を締結している。エンドプレート4は、十分な強度を発揮する材質、例えば金属製とする。ただ、エンドプレートは、材質を樹脂製とすることや、さらに、この樹脂製のエンドプレートを金属製の材質からなる部材で補強して構成することもできる。
図2の例では、エンドプレート4を、1枚の金属板で構成している。
【0033】
(バインドバー2)
バインドバー2は、両端部をエンドプレート4に固定している。バインドバー2は、
図1と
図2に示すように、両端にエンドプレート4が積層された電池積層体10の両側面に配置されて、端部を一対のエンドプレート4に固定される。このバインドバー2は、電池積層体10の電池積層方向に延長された板状に形成される。具体的には、バインドバー2は、電池積層体10の側面を覆う平板状の締結主面25と、その端縁を折曲した折曲片として、第一折曲片21、第二折曲片22、第三折曲片23、第四折曲片24を有する。第一折曲片21は、締結主面25の長手方向に沿った端縁の内の一方、ここでは上端側を折曲した上端折曲片である。また、第二折曲片22は、締結主面25の長手方向に沿った他方側の端縁、ここでは下端側を折曲した下端折曲片である。さらに、第三折曲片23は、締結主面25の長手方向と交差する端縁、ここでは前方側を部分的に折曲したエンドプレート固定片である。最後に、第四折曲片24は、締結主面25の長手方向と交差する端縁の内、後方側を部分的に折曲したエンドプレート固定片である。このようにバインドバー2の各端縁を折曲したことで、長手方向に沿う断面形状と、長手方向と交差する断面形状のいずれも、コ字状として、剛性を高めることが可能となる。
【0034】
また、バインドバー2はエンドプレート4にねじ止めなどにより固定される。また、上端折曲片で電池積層体10の上面の隅部を、下端折曲片で電池積層体10の下面の隅部を、それぞれ部分的に被覆して強度を増す。
【0035】
このようなバインドバー2は、金属板を折曲加工して製造される。またバインドバー2は、長期にわたって電池積層体10を狭持するよう、十分な強度を備える必要がある。このため、剛性及び熱伝導に優れた高抗張力鋼、一般鋼、ステンレス、アルミ合金、マグネシウム合金等あるいはその組み合わせが利用できる。
図2の例では、例えば、Fe系の金属よりなるバインドバーを用いている。
【0036】
バインドバー2を設ける位置は、電池積層体10の側面とする他、上下面とすることもできる。また、バインドバー2をエンドプレート4に固定する構造も、ねじ止めに限らず、リベットやかしめ、溶接、接着等、既知の固定構造が適宜利用できる。さらに、
図2のように、電池セル1同士の間に、冷却気体を送風できるよう、バインドバーの締結主面25に開口部25aを設けることもできる。さらに、バインドバー2は、複数の開口部25aを設けて軽量化することもできる。また、開口部25aのあるバインドバー2は、開口部25aに空気を送風し、電池積層体10の電池セル1間に強制送風して電池セルを冷却することができる。
【0037】
図3と
図4に示すバインドバー2は、金属板をプレス加工して表面と突出する固定片41を一体構造に設けている。固定片41は、ブラケット71を介して車両のシャーシーなどのベースプレート70に固定される。固定片41は、バインドバー2の金属板の一部を外側に曲げ加工して設けられる。バインドバー2は、長手方向と幅方向の中間部分を、固定片41を構成する固定片領域40とし、この固定片領域40を外側に水平に伸びるように曲げ加工して固定片41を設けている。固定片領域40は、外周縁の一部で長手方向に伸びる直線部分を、バインドバー2の長手方向に伸びる折曲ライン42とし、固定片領域40の外周縁の折曲ライン42を除く領域を切断ライン43として、切断ライン43を切断し、折曲ライン42を直角に折り曲げて、固定片領域40を外側に突出する固定片41として、固定片領域40を開口窓45としている。
図3のバインドバー2は、固定片領域40を長手方向に細長い長方形として、折曲ライン42をバインドバー2の下縁と平行として直角に折り曲げ加工して、水平姿勢の固定片41を設けている。さらに、
図3のバインドバー2は、長方形である固定片領域40の下縁の直線部分を折曲ライン42として、折曲ライン42の上方を開口窓45としている。
【0038】
固定片41は、長手方向に伸びるスリット44を設けている。スリット44は、止ネジ49のネジ部を挿通して、ネジ頭を係止する横幅である。止ネジ49は、ネジ部をスリット44に挿通してブラケット71の雌ネジ孔にねじ込み、あるいは先端部からナットをねじ込んで、固定片41をブラケット71に固定する。
【0039】
図1の斜視図に示す電源装置100は、取り付け位置が異なるベースプレート70に固定できるように、バインドバー2の長手方向に固定片41を長くし、複数のスリット44を長手方向に並べて設けている。この構造の電源装置100は、固定片41の長さを、好ましくはバインドバー2の全長の50%以上、さらに好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上として、複数のスリット44(図においては6個)を設けている。
図5の斜視図に示す電源装置100は、電池積層体10の両側に配置する各々のバインドバー2に、長手方向に離して複数の固定片41を設けて、各々の固定片41にスリット44を設けている。
【0040】
以上の電源装置100は、バインドバー2の長手方向の自由な位置にブラケット71を固定できるので、バインドバー2を変更することなく、取り付け位置が異なる複数種のベースプレート70に固定できる。また、ベースプレート70の最適位置に固定できる特長がある。複数種の電源に使用される電源装置100は、取り付けられる装置や車両によって、ベースプレートの形状が異なり、ベースプレートに固定されるブラケットの取り付け位置が変化する。以上の電源装置100は、止ネジ49を挿通するスリット44を選択し、さらに止ネジ49がスリット44に挿通する位置も調整することで、止ネジ49の位置を自由に変更できるので、電源装置100のバインドバー2を規格化しながら、異なるベースプレート70の種々の装置や車両に確実に固定できる。
【0041】
バインドバー2に複数の固定片41を設けている電源装置100は、電池積層体10の両側に配置している各々のバインドバー2の非対称位置に固定片41を配置して、互いに接近してベースプレート70に固定できる特長がある。それは、
図6の平面図に示すように、一方の電源装置の固定片41の間に、隣接して配置する電源装置の固定片41を配置して、電源装置100を接近して配置できるからである。
【0042】
(ブラケット71)
図1と
図4に示すブラケット71は、金属板をプレス加工して、固定片41に固定される固定部74と、この固定部74を上端に設けている立ち上がり部73と、立ち上がり部73の下端に設けているベースプレート連結部72とを設けている。ブラケット71は、バインドバー2と同じ強度の金属板、あるいはバインドバー2以上の強度の金属板を加工して制作される。好ましくは、ブラケット71は、バインドバー2と同等の強度の高張力鋼であって、バインドバー2と同じ厚さ、あるいはバインドバー2よりも厚い金属板で製作される。
図4に示す形状のブラケット71は、立ち上がり部73の上端を直角に折り曲げ加工して固定部74を設け、立ち上がり部73の下縁を直角に折り曲げ加工してベースプレート連結部72を設けている。固定部74は、固定片41のスリット44に挿通する止ネジ49をねじ込んで固定する雌ネジ孔75を備えている。
図4のブラケット71は、固定部74に止ネジ49の貫通穴を設けて下面に止ネジ49をねじ込むナット76を溶接などの方法で固定している。ただ、ナット76は、固定部74に溶接することなく、止ネジ49の下端部にねじ込んで止ネジ49に固定することもできる。
【0043】
図4のブラケット71は、固定部74とベースプレート連結部72を同じ側に折曲加工して、横断面形状をコ字状としている。さらに、図のブラケット71は、固定部74の横幅を、ベースプレート連結部72の横幅よりも狭くしており、平面視において、ベースプレート連結部72の両端部に対して、固定部74が重ならないようにして、ベースプレート連結部72の両端部に固定ネジ79の挿入穴77を設けている。これにより、ブラケット71は、ベースプレート連結部72の挿入穴77に対して、固定部74を避けながら上方から固定ネジ79を挿入して螺合できる。この形状のブラケット71は、ベースプレート連結部72を固定ネジ79でベースプレート70に固定した後、止ネジ49で固定片41を固定部74に連結する。
【0044】
さらに、ブラケット71は、
図7に示す構造とすることもできる。
図7のブラケット71は、固定部74とベースプレート連結部72を反対側に折曲加工しており、固定部74は立ち上がり部からバインドバー2の表面に向かって突出する形状とし、ベースプレート連結部72は、固定部74と反対側に突出する形状としている。この形状のブラケット71は、止ネジ49で固定片41を固定部74に連結した状態で、ベースプレート連結部72を固定ネジ79でベースプレート70に固定できる。図に示すブラケット71は、固定部74に止ネジ49をねじ込んで固定する雌ネジ孔75を設けている。
【0045】
ただ、ブラケット71は以上の形状に特定することなく、たとえば、
図8の断面図に示すように、ブラケット71を固定台として、上面と下面に雌ネジ孔75を設けた構造とすることもできる。このブラケット71は、上面を固定部74として、下面をベースプレート連結部72とする。このブラケット71は、固定部74である上面の雌ネジ孔75に、固定片41を貫通する止ネジ49がねじ込まれ、ベースプレート連結部72の雌ネジ孔75には、ベースプレート70を貫通する固定ネジ79がねじ込まれて、上面の固定部74に固定片41が固定され、下面のベースプレート連結部72はベースプレート70に固定される。
【0046】
さらに、バインドバー2は、表面にトラスメンバー5やアーチメンバー6を固定して曲げ強度を強くすることもできる。
図9~
図15に示すバインドバー2は、表面にトラスメンバー5を固定しており、
図16のバインドバー2は、表面にアーチメンバー6を固定している。
図9~
図15のバインドバー2は、電池セル1の積層方向、すなわち長手方向の曲げモーメントに対する強度を向上するために、締結主面25の表面にトラスメンバー5を固定している。
図16のバインドバー2は、締結主面25の表面にアーチメンバー6を固定している。トラスメンバー5とアーチメンバー6は、好ましくはバインドバー2と同じ材質、例えば両方を高張力鋼として、熱膨張を等しくする。このバインドバー2は、温度変化による歪みを抑制できる。ただ、トラスメンバー5及びアーチメンバー6とバインドバー2は、必ずしも同じ金属製とする必要はなく、たとえば、トラスメンバー5及びアーチメンバー6をバインドバー2よりも熱膨張の小さい、あるいは大きい金属製とすることもできる。
【0047】
バインドバー2の表面に固定しているトラスメンバー5及びアーチメンバー6は、バインドバー2を補強して曲げモーメントに対する変位を少なくして、電池セル1の位置ずれを抑制する。振動や衝撃を受ける環境で使用される電源装置100は、電池積層体10が長くなると中央部の電池セル1の位置ずれが大きくなるが、トラスメンバー5及びアーチメンバー6で補強されたバインドバー2は、曲げモーメントに対する変位が少なく、振動や衝撃で電池セル1が位置ずれするのを抑制できる。さらに、金属板の一部を曲げ加工して固定片41を設けているバインドバー2は、固定片41を外側に曲げ加工してできる開口窓45で強度が低下するが、表面に固定するトラスメンバー5及びアーチメンバー6で補強して、曲げモーメントに対する変位を少なくできる。
【0048】
トラスメンバー5及びアーチメンバー6は、引張応力と圧縮応力でバインドバー2の変位を抑制するので、長手方向に受ける応力に対して十分な強度の細長い棒材が使用される。
図17ないし
図19は、トラスメンバー5及びアーチメンバー6の断面斜視図を示す。
図17のトラスメンバー5及びアーチメンバー6は、金属板51を溝型にプレス加工したもので、両側にフランジ部51Aを設けている。このトラスメンバー5及びアーチメンバー6は、フランジ部51Aを溶接してバインドバー2に固定できる。
図18のトラスメンバー5及びアーチメンバー6は四角形の金属パイプ52で、両側をバインドバー2に溶着している。金属パイプ52のトラスメンバー5及びアーチメンバー6は、両側を確実にバインドバー2に溶接して固定できる。
図19のトラスメンバー5及びアーチメンバー6は、金属ロッド53で両側を溶接してバインドバー2に固定している。
【0049】
図9のトラスメンバー5は、バインドバー2の下縁に沿って固定している下弦55と、下弦55に両端部を固定している2本の傾斜弦57とを備える。下弦55と2本の傾斜弦57は三角形に配置されて、2本の傾斜弦57は、上端部をバインドバー2の中央の上端縁部に、下端部を下弦55の両端に固定している。電池積層体10の中央部に中間プレート3を積層している電源装置100は、傾斜弦57の上端部を中間プレート3に固定して、電池積層体10の中央部が上下方向に変形するのを効果的に抑制できる。この構造の電源装置100は、傾斜弦57とバインドバー2を貫通する止ネジ14Aを中間プレート3にネジ止めして、バインドバー2の中央部を確実に中間プレート3に固定できる。
【0050】
図9のトラスメンバー5は、バインドバー2の中央部に下向きに作用する荷重Fを、図の矢印で示すように、下弦55の引張応力Tと、傾斜弦57の圧縮応力Pで支持する。下弦55の引張応力Tと傾斜弦57の圧縮応力Pは、下弦55と傾斜弦57の角度(θ)により変化する。引張応力Tと傾斜弦57の圧縮応力Pは、下弦55と傾斜弦57の角度(θ)と荷重Fを用いて以下のように表せる。
P=F/2sinθ
T=F/2tanθ
ここで、
図9において、矢印Rは、下弦55の両端の連結点にはたらく上向きの反力Rを示しており、R=F/2となる。なお、この反力Rは、下弦55の両端の連結点における引張応力Tと圧縮応力Pの合力と等しくなる。一例として、下弦55と傾斜弦57の角度(θ)を30度とするトラスメンバー5は、下弦55の引張応力Tが荷重Fの86%になり、傾斜弦57の圧縮応力Pは荷重Fに等しくなる。下弦55と傾斜弦57は、この応力に耐えて弾性変形し、さらに、この応力での変位が設定値よりも小さくなる強度の棒材を使用する。
【0051】
トラスメンバー5は、長手方向に作用する引張応力Tと圧縮応力Pでバインドバー2の変形を抑制する。したがって、トラスメンバー5である下弦55と傾斜弦57は、少なくとも端部をバインドバー2に固定して、バインドバー2の変位を抑制する。トラスメンバー5は、好ましくはバインドバー2に溶接して固定される。ただし、トラスメンバー5とバインドバー2の固定方法を溶接に特定する必要はなく、たとえば、図示しないが、接着やネジ止めなどで固定することもできる。トラスメンバー5は、両端部をバインドバー2に固定するが、全体をバインドバー2に固定し、あるいは複数カ所をバインドバー2に固定することもできる。
【0052】
トラスメンバー5は、
図9に示す形状に特定されず、
図10~
図15に示す以下の構造でバインドバー2の曲げを抑制することもできる。
図10のトラスメンバー5は、バインドバー2の上縁に上弦56を、下縁に下弦55を固定すると共に、傾斜弦57をクロスするX字状として、クロスする傾斜弦57A、57Bの各上端を上弦56の一端と上弦56の中間部(中間プレート3)に固定し、クロスする傾斜弦57B、57Aの各下端を下弦55の一端と下弦55の中間部(中間プレート3)に固定している。このバインドバー2は、電池積層体10の中央部、中間プレート3のある電池積層体10は中間プレート3に固定して、電池積層体10の中間部が上下方向に変形するのを抑制できる。このトラスメンバー5は、バインドバー2の中間部に下向きに荷重が作用する状態において、下弦55と2本の傾斜弦57Bで形成される三角形の頂点に下向きに作用する荷重Fに対しては、下弦55に引張応力Tが、傾斜弦57Bには圧縮応力Pが作用し、上弦56と2本の傾斜弦57Aで形成される上下反転された三角形の頂点に下向きに作用する荷重Fに対しては、上弦55に圧縮応力Tが、傾斜弦57Aには引張応力Pが作用してバインドバー2の曲げを抑制する。また、
図10において、矢印Rは、下弦55及び上弦56の両端の連結点にはたらく上向きの反力Rを示しており、R=F/2となる。なお、この反力Rは、下弦55の両端の連結点においては、引張応力Tと圧縮応力Pの合力と等しくなり、上弦56の両端の連結点においては、引張応力Pと圧縮応力Tの合力と等しくなる。
【0053】
図11のトラスメンバー5は、トラス構造をワーレントラスとするもので、上弦56と下弦55と傾斜弦57とからなり、複数の傾斜弦57の端部を上弦56と下弦55に固定してジグザグ状に配置し、上弦56と傾斜弦57と下弦55とで長手方向に、交互に上下反転する状態に三角形を並べる形状とする。
図12のトラスメンバー5は、トラス構造をプラットトラスとし、
図13のトラスメンバー5はハウトラスとするもので、下弦55と上弦56に一定の間隔で垂直弦58を固定し、上弦56と下弦55と垂直弦58とで区画する四角形に対角線状に傾斜弦57を固定している。
図12のプラットトラスは、中央部の垂直弦58の下端と下弦55との連結点に傾斜弦57A、57Bの下端を連結して、中央部の傾斜弦57A、57BをV字状に配置してバインドバー2に固定し、中央部の傾斜弦57A、57Bの両側の傾斜弦57A、57Bを中央部の傾斜弦57A、57Bと同じ方向に傾斜する姿勢としている。
図13のハウトラスは、中央部の垂直弦58の上端と上弦56との連結点に傾斜弦57A、57Bの上端を連結して、中央部の傾斜弦57A、57Bを逆V字状に配置してバインドバー2に固定し、中央部の傾斜弦57A、57Bの両側の傾斜弦57A、57Bを中央部の傾斜弦57A、57Bと同じ方向に傾斜するようにバインドバー2に固定している。さらに、
図14のトラスメンバー5は、トラス構造をKトラスとするもので、上弦56と下弦55と垂直弦58とで囲まれる四角形の内側に、3組の三角形を設けるように、2本の傾斜弦57の一端を垂直弦58の中央部に固定して、他端を対向する四角形の隅部に固定している。このトラス構造は、四角形の内部に3組の三角形を配置するので、バインドバー2の曲げモーメントに対する変形をより少なくできる。さらに、
図15のトラスメンバー5は、トラス構造をフィンクトラスとするもので、
図9のトラス構造を構成している各々のメイン傾斜弦57Xに、3本のサブ傾斜弦57Yを連結し、全体で8本の傾斜弦57を固定している。メイン傾斜弦57Xと下弦55とで形成される三角形の内部を、サブ傾斜弦57Yで7組の三角形に区画して、バインドバー2の曲げモーメントに対する変位をより少なくしている。
【0054】
さらに、
図16のバインドバー2は、アーチメンバー6をバインドバー2の表面に固定している。この図のバインドバー2は、2本のアーチメンバー6をバインドバー2に上下反転する姿勢でバインドバー2に固定している。ひとつのアーチメンバー6Xは中央部をバインドバー2の上縁の中央部に固定して、両端部をバインドバー2の下縁両端部に固定し、他方のアーチメンバー6Yは、中央部をバインドバー2の下縁の中央部に固定し、両端部をバインドバー2の上縁両端部に固定している。中央部をバインドバー2の上縁に固定しているアーチメンバー6Xは、電池積層体10の中央部における下方向への変形を圧縮応力で抑制する。また、中央部をバインドバー2の下縁に固定しているアーチメンバー6Yは、電池積層体10の中央部における上方向への変形を圧縮応力で抑制する。電池積層体10は、電池セル1の自重で中央部が下がる方向に荷重を受け、上下振動を受ける環境で使用される電源装置では、上下振動する状態で、中央部が上下に移動する振動力が作用する。したがって、2本のアーチメンバー6X、6Yを上下反転してバインドバー2に固定するバインドバー2は、中央部の上下方向の変位を少なくして電池セル1を定位置に配置できる。
【0055】
金属製のバインドバー2は、電池セル1の外装缶の短絡を防止するため、バインドバー2と電池積層体10との間に絶縁構造を設けることもできる。
図2の例では、金属製のバインドバー2と電池積層体10との間に、絶縁材9を介在させている。絶縁材9は、絶縁性の部材、例えば樹脂シートや紙等で構成される。また、絶縁材9の形状は、バインドバー2とほぼ同様の形状として、電池積層体10の側面がバインドバー2と触れないようにする。
図2の例では、絶縁材9は、バインドバー2に設けた開口窓45を閉塞しないよう、絶縁材9にも開口領域9aが開口されている。
【0056】
(中間プレート3)
図1及び
図2の電池積層体10は、中間部分に中間プレート3を積層している。
図2の電池積層体10は中央部分に1枚の中間プレート3を設けているが、長い電池積層体は中間に複数の中間プレートを設けることもでき、電池積層体の長さによっては中間プレートを使用しない場合もある。中間プレート3は、バインドバー2に固定されている。このためバインドバー2は、長手方向の中間において中間プレート3と固定するための中間プレート固定部27を有している。一方、中間プレート3は、中間プレート固定部27と固定される金属カラー31を固定している。なお、電池積層体の剛性が充分な場合、上述したように中間プレートを使用しないことも可能である。
【0057】
以上の電源装置100は、電池積層体10の中間部分に中間プレート3を配置して、中間プレート3の両側をバインドバー2に連結し、さらに、バインドバー2の中間部分に設けている固定片41をブラケット71を介してベースプレート70に固定している。この構造は、電池セル1の積層数が多くなって電池積層体10が長くなる電源装置100においても、電池セル1の位置ずれをより少なくできる特長がある。とくに、バインドバー2の表面にトラスメンバー5やアーチメンバー6を固定して以上の構造とする電源装置100は、電池セル数が多くなって電池積層体10が長くなっても、電池セル1の位置ずれを極めて少なくできる特長がある。それは、バインドバー2の中間部分が固定片41とブラケット71を介してベースプレート70に固定されて位置ずれが抑制され、位置ずれの抑制されるバインドバー2の中間部分が中間プレート3に固定されて、中間プレート3の位置ずれが抑制され、さらに位置ずれしない中間プレート3が電池積層体10の中間部分の位置ずれを抑制するからである。
【0058】
さらに、電池セル同士の厚さのばらつきを中間プレート3でもって抑制する効果も得られる。
図2に示すように中間に中間プレート3を配置することで、中間プレート3の一方の面と一方のエンドプレート4及び中間プレート3の他方の面と他方のエンドプレート4のそれぞれの間で、電池積層体10を二分してそれぞれ狭持できるため、二分された電池積層体10の積層数を半減できる分、電池セル1及びセパレータ12の厚さのばらつきの累積誤差を低減して、バインドバー2での締結を行い易くできる。いいかると、電源装置間でバインドバーの締結状態のばらつきを抑制することができ、各電源装置の締結状態を一定に維持して信頼性を向上できることができる。
【0059】
バインドバー2に中間プレート3を配置する位置は、好ましくはバインドバー2の長手方向のほぼ中央とする。ただし、いずれか一方に若干偏心した位置に中間プレートを配置、固定することを妨げない。特に積層する電池セルの数が偶数の場合は、中央に中間プレートを配置することが可能であるが、奇数となる場合は、中間に中間プレートを配置することが困難となる。このような態様においても、本発明を好適に利用できる。
【0060】
中間プレート3の斜視図を、
図20に示す。中間プレート3は、好ましくは絶縁性のプラスチック製とする。ただし、中間プレートは全体をプラスチック製とすることなく、たとえば、図示しないが、四角形の両側部分と上下部分、すなわち外周部と、両面をプラスチック製として他の部分を金属製とすることもできる。この中間プレートは、金属板をプラスチックにインサート成形して製造して、表面をプラスチックで絶縁する構造にできる。以上の中間プレート3は、両面に積層される電池セル1と確実に絶縁することができる。中間プレートを成形する樹脂材料としては、例えば結晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート等が使用できる。
【0061】
(金属カラー31)
中間プレート3は、バインドバー2を固定するために両側に金属カラー31を固定している。金属カラー31は、好ましくは中間プレート3にインサート成形して固定される。金属カラーは、図示しないが、中間プレート3に強固に固定するために、外周面にはリング状の溝部、又は多数の突起を設けている。インサート成形して固定された金属カラー31は、中間プレート3の正確な位置に強固に固定される。ただ、金属カラーは接着し、あるいは圧入して中間プレートに固定することもできる。プラスチック製の中間プレート3に金属カラー31をインサート成形して固定するハイブリット構造は、中間プレート3を軽量で成型が容易な樹脂性としつつ、強度や耐久性が求められるバインドバー2との固定部分を金属製として、信頼性を増すことが可能となる。以上の中間プレート3はプラスチック製で、金属カラー31をインサート成形して固定しているが、金属カラーは中間プレートと一体構造とすることもできる。この中間プレートは一部を金属製として金属カラーと一体構造とし、金属製の中間プレートの表面をプラスチック等で絶縁する構造とする。この中間プレートは、金属カラーと一体構造に成形する部分をアルミダイキャスト製として、表面をプラスチック等で絶縁する構造で実現できる。
【0062】
中間プレート3は、両側面の複数カ所に金属カラー31を固定して、バインドバー2を確実に固定する。
図20の中間プレート3は、上下と中央部の3カ所に金属カラー31を固定している。中間プレート3に固定される金属カラー31の個数は特定されるものでないが、上下とその中間に固定されて、バインドバー2を確実に固定できる。
【0063】
金属カラー31は、中間プレート3の側面から突起して固定されて先端を平面状としている。さらに、金属カラーは中央部に雌ネジ孔31aを設けている。雌ネジ孔31aは、バインドバー2を貫通する固定具14である止ネジ14Aがねじ込まれて、バインドバー2を中間プレート3に連結する。
【0064】
(中間プレート固定部27)
バインドバー2は、長手方向の中間において中間プレート3の金属カラー31と固定するための中間プレート固定部27を設けている。ここで、
図2に示すように、中間プレート3とバインドバー2とを固定する固定具14の方向は、バインドバー2の主面に対して略垂直となるようにしている。このようにバインドバー2の延在方向に対して垂直な方向に軸力が働くように固定具14を設けたことで、バインドバー2にかかる負荷を低減することできる。
【0065】
(締結部材側第二固定部28)
さらに、バインドバー2を中間プレート3に固定する固定構造は、複数設けることもできる。例えば第一折曲片21の中間に、締結部材側第二固定部28を設けてもよい。
図2に示すバインドバー2は、締結部材側第二固定部28として、第一折曲片21の中央から突出させた第一折曲片ねじ穴を形成している。このように、中間プレート固定部27と交差する部位に締結部材側第二固定部28を設けたことで、互いに交差する位置にてバインドバー2と中間プレート3とを固定することができ、異なる方向からのより強固な固定構造が実現される。また中間プレート3の上面において、第一折曲片ねじ穴と対向する部位には、ブラケット側第二固定部38として、ブラケット側第二ねじ穴が開口されている。これにより、電池積層体10の上面から、ねじを第一折曲片ねじ穴とブラケット側第二ねじ穴を挿通して螺合できる。
【0066】
(締結部材側第三固定部29)
さらに、バインドバー2と中間プレート3との固定構造は、3以上設けてもよい。例えば
図2の例では、締結部材側第三固定部29として、第二折曲片22の中間にも、第二折曲片ねじ穴を形成している。同様に中間プレート3にも、締結部材側第三固定部29と対応する位置にブラケット側第三固定部(図示せず)として、ブラケット側第三ねじ穴を設けている。
【0067】
また、
図20に示す中間プレート3は、中間部分を開口させて樹脂使用量を低減している。また、中間プレートの両面に通気隙間を有するセパレータを配置する場合は、セパレータの形状、例えば冷却隙間の凹凸などと合致する形状に形成する。
【0068】
なお、
図2の例では、電池セル1の側面にセパレータ12を被覆した状態で、中間プレート3と接合している。言い換えると、電池セル1と中間プレート3との間にはセパレータ12が介在されている。ただ、中間プレートに接する電池セルに関しては、セパレータを省略することもできる。この場合は、中間プレートの側面で電池セルの表面を被覆できるよう、上述した冷却隙間等を中間プレートの表面に形成してもよい。
【0069】
以上の電源装置は、電動車両を走行させるモータに電力を供給する車両用の電源として利用できる。電源装置を搭載する電動車両としては、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド自動車やプラグインハイブリッド自動車、あるいはモータのみで走行する電気自動車等の電動車両が利用でき、これらの車両の電源として使用される。なお、車両を駆動する電力を得るために、上述した電源装置を直列や並列に多数接続して、さらに必要な制御回路を付加した大容量、高出力の電源装置を構築して搭載することもできる。
【0070】
(ハイブリッド車用電源装置)
図21は、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド自動車に電源装置を搭載する例を示す。この図に示す電源装置を搭載した車両HVは、車両本体91と、この車両本体91を走行させるエンジン96及び走行用のモータ93と、これらのエンジン96及び走行用のモータ93で駆動される車輪97と、モータ93に電力を供給する電源装置100と、電源装置100の電池を充電する発電機94とを備えている。電源装置100は、DC/ACインバータ95を介してモータ93と発電機94に接続している。車両HVは、電源装置100の電池を充放電しながらモータ93とエンジン96の両方で走行する。モータ93は、エンジン効率の悪い領域、例えば加速時や低速走行時に駆動されて車両を走行させる。モータ93は、電源装置100から電力が供給されて駆動する。発電機94は、エンジン96で駆動され、あるいは車両にブレーキをかけるときの回生制動で駆動されて、電源装置100の電池を充電する。なお、車両HVは、図に示すように、電源装置100を充電するための充電プラグ98を備えてもよい。この充電プラグ98を外部電源と接続することで、電源装置100を充電できる。
【0071】
(電気自動車用電源装置)
また、
図22は、モータのみで走行する電気自動車に電源装置を搭載する例を示す。この図に示す電源装置を搭載した車両EVは、車両本体91と、この車両本体91を走行させる走行用のモータ93と、このモータ93で駆動される車輪97と、このモータ93に電力を供給する電源装置100と、この電源装置100の電池を充電する発電機94とを備えている。電源装置100は、DC/ACインバータ95を介してモータ93と発電機94に接続している。モータ93は、電源装置100から電力が供給されて駆動する。発電機94は、車両EVを回生制動する時のエネルギーで駆動されて、電源装置100の電池を充電する。また車両EVは充電プラグ98を備えており、この充電プラグ98を外部電源と接続して電源装置100を充電できる。
【0072】
(蓄電装置用の電源装置)
さらに、本発明は、電源装置の用途を、車両を走行させるモータの電源には特定しない。実施形態に係る電源装置は、太陽光発電や風力発電等で発電された電力で電池を充電して蓄電する蓄電装置の電源として使用することもできる。
図23は、電源装置100の電池を太陽電池82で充電して蓄電する蓄電装置を示す。
【0073】
図23に示す蓄電装置は、家屋や工場等の建物81の屋根や屋上等に配置された太陽電池82で発電される電力で電源装置100の電池を充電する。この蓄電装置は、太陽電池82を充電用電源として充電回路83で電源装置100の電池を充電した後、DC/ACインバータ85を介して負荷86に電力を供給する。このため、この蓄電装置は、充電モードと放電モードを備えている。図に示す蓄電装置は、DC/ACインバータ85と充電回路83を、それぞれ放電スイッチ87と充電スイッチ84を介して電源装置100と接続している。放電スイッチ87と充電スイッチ84のON/OFFは、蓄電装置の電源コントローラ88によって切り替えられる。充電モードにおいては、電源コントローラ88は充電スイッチ84をONに、放電スイッチ87をOFFに切り替えて、充電回路83から電源装置100への充電を許可する。また、充電が完了し満充電になると、あるいは所定値以上の容量が充電された状態で、電源コントローラ88は充電スイッチ84をOFFに、放電スイッチ87をONにして放電モードに切り替え、電源装置100から負荷86への放電を許可する。また、必要に応じて、充電スイッチ84をONに、放電スイッチ87をONにして、負荷86への電力供給と、電源装置100への充電を同時に行うこともできる。
【0074】
さらに、電源装置は、図示しないが、夜間の深夜電力を利用して電池を充電して蓄電する蓄電装置の電源として使用することもできる。深夜電力で充電される電源装置は、発電所の余剰電力である深夜電力で充電して、電力負荷の大きくなる昼間に電力を出力して、昼間のピーク電力を小さく制限することができる。さらに、電源装置は、太陽電池の出力と深夜電力の両方で充電する電源としても使用できる。この電源装置は、太陽電池で発電される電力と深夜電力の両方を有効に利用して、天候や消費電力を考慮しながら効率よく蓄電できる。
【0075】
以上のような蓄電装置は、コンピュータサーバのラックに搭載可能なバックアップ電源装置、携帯電話等の無線基地局用のバックアップ電源装置、家庭内用または工場用の蓄電用電源、街路灯の電源等、太陽電池と組み合わせた蓄電装置、信号機や道路用の交通表示器などのバックアップ電源用などの用途に好適に利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明に係る電源装置とこの電源装置を備える電動車両及び蓄電装置は、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車、電気自動車、電動オートバイ等の電動車両を駆動するモータの電源用等に使用される大電流用の電源として好適に利用できる。例えばEV走行モードとHEV走行モードとを切り替え可能なプラグイン式ハイブリッド電気自動車やハイブリッド式電気自動車、電気自動車等の電源装置が挙げられる。またコンピュータサーバのラックに搭載可能なバックアップ電源装置、携帯電話等の無線基地局用のバックアップ電源装置、家庭内用、工場用の蓄電用電源、街路灯の電源等、太陽電池と組み合わせた蓄電装置、信号機等のバックアップ電源用等の用途にも適宜利用できる。
【符号の説明】
【0077】
100…電源装置、1…電池セル、2…バインドバー、3…中間プレート、4…エンドプレート、5…トラスメンバー、6、6X、6Y…アーチメンバー、9…絶縁材、9a…開口領域、10…電池積層体、12…セパレータ、13…バスバー、14…固定具、14A…止ネジ、21…第一折曲片、22…第二折曲片、23…第三折曲片、24…第四折曲片、25…締結主面、25a…開口部、27…中間プレート固定部、28…締結部材側第二固定部、29…締結部材側第三固定部、31…金属カラー、31a…雌ネジ孔、38…ブラケット側第二固定部、40…固定片領域、41…固定片、42…折曲ライン、43…切断ライン、44…スリット、45…開口窓、49…止ネジ、51…金属板、51A…フランジ部、52…金属パイプ、53…金属ロッド、55…下弦、56…上弦、57、57A、57B…傾斜弦、57X…メイン傾斜弦、57Y…サブ傾斜弦、58…垂直弦、70…ベースプレート、71…ブラケット、72…ベースプレート連結部、73…立ち上がり部、74…固定部、75…雌ネジ孔、76…ナット、77…挿入穴、79…固定ネジ、81…建物、82…太陽電池、83…充電回路、84…充電スイッチ、85…DC/ACインバータ、86…負荷、87…放電スイッチ、88…電源コントローラ、91…車両本体、93…モータ、94…発電機、95…DC/ACインバータ、96…エンジン、97…車輪、98…充電プラグ、HV、EV…車両