(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】デジタルビーム成形を可能にするための小球体を有するマイクロLEDシート
(51)【国際特許分類】
F21V 5/00 20180101AFI20240730BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240730BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20240730BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240730BHJP
【FI】
F21V5/00 530
F21S2/00 100
F21V5/00 320
F21V5/04 400
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2021557808
(86)(22)【出願日】2020-04-06
(86)【国際出願番号】 EP2020059736
(87)【国際公開番号】W WO2020207957
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2023-04-05
(32)【優先日】2019-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッセンベルフ ミシェル コルネリス ヨセフス マリー
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-537360(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0199852(US,A1)
【文献】特開2017-084747(JP,A)
【文献】国際公開第2017/198517(WO,A1)
【文献】特開2018-164071(JP,A)
【文献】特開2011-102923(JP,A)
【文献】特表2016-537802(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102008031930(DE,A1)
【文献】中国実用新案第207796576(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 5/00
F21S 2/00
F21V 5/04
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数n個の光源の、第1の2D配列と、前記光源の下流に構成されている複数m個のビーム成形要素の、第2の2D配列とを備える、照明デバイスであって、
前記光源が、光源光を生成するように構成されており、前記n個の光源が、光源の複数k個の個別制御可能なサブセットを含み、前記ビーム成形要素が、前記n個の光源の前記光源光のビームを成形するように構成されており、n≧16、m≧4、n/m>1、及びk≦n/2であり、
各ビーム成形要素の上流
に、異なる個別制御可能なサブセット
の光源が構成されており、前記ビーム成形要素のうちの2つ以上が、それぞれの前記ビーム成形要素の上流に構成されている前記光源に対して、異なる空間構成を有し、
前記光源が、第1の長さ、第1の幅、第1の対角線長さ、及び第1の直径の群から選択される第1の寸法d1を有する、固体光源を含み、前記ビーム成形要素が、第2の長さ、第2の幅、第2の対角線長さ、及び第2の直径の群から選択される第2の寸法d2を有する、光透過性要素を含み、d2≧4
*d1であり、
前記ビーム成形要素が、球体を含む、照明デバイス。
【請求項2】
m1個のビーム成形要素と、前記m1個のビーム成形要素の上流に構成されているn1個の光源とを含む、p個の区画を備え、n1個の光源の総数のうちの少なくとも一部が、前記光源の複数k個の個別制御可能なサブセットによって含まれており、前記m1個のビーム成形要素
の各々と、前記m1個のビーム成形要素の上流に構成されている前記n1個の光源
とが、互いに
対する構成を有し、1≦p≦m、4≦m1≦m、及び16≦n1≦nであり、第2の2D配列とそれぞれの前記光源との距離には関わりなく、m1個の前記構成が互いに異なる、
請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項3】
前記n1個の光源が、n個の光源の総数のうちの少なくとも一部の第1の配列によって含まれており、前記第1の配列が、ランダム又は疑似ランダムであり、及び/あるいは、前記m1個のビーム成形要素が、m個のビーム成形要素の総数のうちの少なくとも一部の第2の配列によって含まれており、前記第2の配列が、ランダム又は疑似ランダムである、請求項2に記載の照明デバイス。
【請求項4】
複数のスペーサを備え、前記スペーサが、m個のビーム成形要素の総数のうちの少なくとも一部の位置を規定し、前記スペーサが、第3の配列によって含まれており、前記第3の配列が、ランダム又は疑似ランダムである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項5】
前記光源が第1のピッチx1を有し、前記ビーム成形要素が第2のピッチx2を有し、前記第1のピッチx1が前記第2のピッチx2よりも小さく、a
*x2/x1として定義される、前記第1のピッチx1に対する前記第2のピッチx2の比が整数ではなく、aが、1~10の範囲から選択される整数である、請求項1又は2に記載の照明デバイス。
【請求項6】
前記光源が固体光源を含み、前記ビーム成形要素が光透過性要素を含み、ビーム成形要素の前記第2の2D配列が、ランダム又は疑似ランダムである、請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項7】
k≦n/4である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項8】
前記第1の寸法d1が、最大200μmであり、前記第2の寸法d2が、少なくとも800μmであり、前記寸法d2が、第2の直径である、請求項7に記載の照明デバイス。
【請求項9】
前記ビーム成形要素が、ビーム成形要素の複数p2個のサブセットを含み、前記サブセットが、前記第2の寸法d2のうちの少なくとも1つに関して互いに異なっており、p2≧2である、請求項7又は8に記載の照明デバイス。
【請求項10】
前記球体が、2つ以上の異なる寸法を有する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項11】
前記照明デバイスは、前記ビーム成形要素の単層を備え、n≧100、n/m≧4、k≧10、及びp≧10である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の照明デバイスを備える、照明器具。
【請求項13】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の照明デバイスと、前記光源の複数k個の個別制御可能なサブセットを制御するように構成されている制御システムとを備える、照明システム。
【請求項14】
前記制御システムが、較正モードにおいて、較正ルーチンを実行するように構成されており、前記較正ルーチンが、前記光源の複数k個の個別制御可能なサブセットと、ユーザ入力情報及び較正センサ信号のうちの1つ以上との関数として、前記光源の複数k個の個別制御可能なサブセットの、強度分布特性と、関連する光源設定とのセットを決定する、請求項13に記載の照明システム。
【請求項15】
前記照明デバイスの外部に、前記制御システムに機能的に結合されている1つ以上の光学センサを更に備え、前記1つ以上の光学センサが、前記較正ルーチン中に前記較正センサ信号を生成するように構成されている、請求項14に記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明デバイスに関する。本発明は更に、そのような照明デバイスを備える、照明器具又は照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
レンズアレイを有するパネルが、当該技術分野において既知である。例えば、米国特許出願公開第2017/0242161号は、ディスプレイパネルであって、基板と、光を生成する画素光源のアレイと、画素光源のアレイに電気的に結合されている画素駆動回路のアレイであって、画素駆動回路が、対応する画素光源を駆動し、各画素光源が、個別に制御可能である、画素駆動回路のアレイと、画素光源に位置合わせされており、画素光源によって生成された光の発散を低減するように位置決めされている、マイクロレンズのアレイとを備え、画素駆動回路のアレイ、画素光源のアレイ、及びマイクロレンズのアレイが、全て基板上に一体化されている、ディスプレイパネルを説明している。ディスプレイパネルは、画素光源のアレイに対するマイクロレンズのアレイの位置を維持する、光学スペーサを更に備え、光学スペーサもまた、基板上に一体化されている。
【0003】
米国特許第9618179(B2)号は、照明ユニットであって、対応する光源ユニット光を供給するように構成されている複数の光源ユニットの配列と、複数の透過性の第1の箔領域を含み、各第1の箔領域が複数の光学要素を有する、第1の箔と、複数の透過性の第2の箔領域を含み、各第2の箔領域が複数の光学要素を有する、第2の箔とを備え、各光源ユニットが、光源ユニットの下流に構成されている対応する第1の箔領域と、第1の箔領域の下流に構成されている対応する第2の箔領域とを含む、照明ユニットを開示している。
【0004】
国際公開第2017/198517(A1)号は、入射光を受光して出力光を供給するための、光出力デバイスであって、入射光を受光するための第1の主表面と、出力光を供給するための第2の反対側表面とを有する、プレートを備え、第1の表面及び第2の表面のうちの少なくとも一方が、モザイク状レンズのモザイク状表面を含み、モザイク状レンズが、少なくとも第1の領域及び第2の領域を有し、各領域内では、全ての六角形が、同じサイズ及び互いに対して同じ角度方向の正六角形であり、第1の領域と第2の領域とが、モザイク状表面の法線を中心とした、領域間でのレンズの相対回転を有し、第1の領域及び第2の領域が互いに対してランダムに位置合わせされており、各領域が、少なくとも7つのモザイク状レンズを含む、光出力デバイスを開示している。
【0005】
カナダ特許第3029487(A)号は、照明光用の光線を放出するために電力によって駆動されるように構成されている照明光源を含む、照明光源マトリクスを含む、照明器具を開示している。照明器具は、照明光源マトリクスの上に延在するように位置決め及び構成されている光学レンズであって、照明光源によって放出された入射光線を受光するように結合されている入力面と、出力面とを含む、光学レンズを更に含む。入力面及び出力面の双方は、照明光源によって放出されて通過する入射光線を屈折させるか又は内部全反射させて、照明光を出力ビームパターンへと成形又は誘導するための、様々な部分をそれぞれが含む。結合されている照明光源ドライバが、選択的に、照明光源を個別に又は組み合わせて制御して、光学レンズからの出力ビームパターンを調節する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在、アドレス指定可能なLEDのアレイが開発されつつある。そのようなアレイは、特にマイクロLEDに基づく場合、高密度のアレイであってもよい。それゆえ、マイクロLEDは、可撓性であってもよい大面積発光シートの基礎を形成し得る。これらのシートは、全てがオン/オフされてもよいが、基板はまた、画素電極を含んでもよく、画素電極のサイズは、必ずしもマイクロLEDのサイズに関連しなくてもよい。そのようなマイクロLEDアレイは、本質的に拡散光を生成し得る。ビーム成形光学素子を追加することによって、ビーム成形が得られてもよい。しかしながら、このことは、極めて小さいアレイに関してのみ実用的であり得る。より大きいシートの場合のビーム成形は、非実用的に(大きく)なるか、又は可能性が極めて限定的となる。更には、そのようなビーム成形は、LEDアレイによって供給されるビームの制御可能な指向性を、可能にしない場合がある。
【0007】
それゆえ、本発明の一態様は、好ましくは、上述の欠点のうちの1つ以上を更に少なくとも部分的に取り除く、代替的な照明デバイスを提供することである。本発明は、従来技術の欠点のうちの少なくとも1つを克服若しくは改善すること、又は有用な代替物を提供することを、目的として有してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
とりわけ、本明細書では、基板上に複数の光源、例えばマイクロLEDを含む、(可撓性であってもよい)平面照明デバイスが提案される。光源は、個別にアドレス指定可能であるか、又は、小クラスタ(又は、「サブセット」)においてアドレス指定可能である。特に、実施形態では、各光源(クラスタ)に特定の強度分布を付与するために、(球体)レンズの層(単層)が追加されてもよい。球径は特に、光源(又は、マイクロLEDクラスタなどの光源クラスタ)のピッチよりも(数倍)大きくてもよく、それにより、各光源が主ビーム方向を得ることができる(球体がより小さい場合には、各光源は複数の強度ピークを有し得る)。(マイクロLEDアレイのような)光源の配列、又は球体の配列は、実施形態では、秩序化されていてもよい。しかしながら、特に、球体の位置は、光源の位置と相関されていない。このようにして、平面照明デバイスにおいて、光源と球体との相対位置の、比較的大きいバリエーションが得られてもよい。
【0009】
それゆえ、一態様では、本発明は、複数n個の光源(例えば、マイクロLEDなど)の、第1の2D(二次元)配列と、光源の下流に構成されている複数m個のビーム成形要素の、第2の2D配列とを備える、照明デバイス(「デバイス」)を提供する。特に、光源は、光源光を生成するように構成されている。特定の実施形態では、n個の光源は、光源の複数k個の個別制御可能なサブセットを含む。更には、特に、ビーム成形要素は、n個の光源の光源光のビームを成形するように構成されている。
【0010】
特定の実施形態では、n≧16である。更には、特定の実施形態では、m≧4である。また更なる特定の実施形態では、n/m>1である。また更なる特定の実施形態では、4≦k≦nである。
【0011】
照明デバイスは特に、光源のうちの1つ以上の光源光を含む、照明デバイス光を生成するように構成されている。
【0012】
それゆえ、特定の実施形態では、1つ以上のビーム成形要素の上流、より特定的には、複数のビーム成形要素の上流、更により特定的には、各ビーム成形要素の上流には、異なる個別制御可能なサブセットの光源が構成されている。更には、特に、実施形態では、ビーム成形要素のうちの2つ以上は、(対応の)ビーム成形要素の上流に構成されている光源の、異なる空間構成を有する。
【0013】
それゆえ、(他の、又は同じ)特定の実施形態では、照明デバイスは、(i)m1個のビーム成形要素と、(ii)m1個のビーム成形要素の上流に構成されているn1個の光源とを含む、p個の区画を備えてもよく、n1個の光源の総数のうちの少なくとも一部は、光源の複数k個の個別制御可能なサブセットによって含まれている。更には、特定の実施形態では、m1個のビーム成形要素の各々と、当該ビーム成形要素の上流に構成されているn1個の光源とが、互いに対する構成を有する。特定の実施形態では、1≦p≦mである。更なる特定の実施形態では、4≦m1≦mである。更には、特定の実施形態では、n1≧16≦n1≦nである、更には、特に第2の2D配列と対応の光源との距離には関わりなく、((対応の)区画内の)m1個の構成は互いに異なる。
【0014】
それゆえ、とりわけ、本発明は(一態様では)、複数n個の光源の、第1の2D配列と、光源の下流に構成されている複数m個のビーム成形要素の、第2の2D配列とを備える、照明デバイスであって、
- 光源が、光源光を生成するように構成されており、n個の光源が、光源の複数k個の個別制御可能なサブセットを含み、ビーム成形要素が、n個の光源の光源光のビームを成形するように構成されており、n≧16、m≧4、n/m>1、及びk≦n/2であり、
- 各ビーム成形要素の上流には、異なる個別制御可能なサブセットの光源が構成されており、ビーム成形要素のうちの2つ以上が、対応のビーム成形要素の上流に構成されている光源に対して、異なる空間構成を有する、照明デバイスを提供する。
【0015】
とりわけ、本発明はまた((他の)一態様では)、複数n個の光源の、第1の2D配列と、光源の下流に構成されている複数m個のビーム成形要素の、第2の2D配列とを備える、照明デバイスであって、
- 光源が、光源光を生成するように構成されており、n個の光源が、光源の複数k個の個別制御可能なサブセットを含み、ビーム成形要素が、n個の光源の光源光のビームを成形するように構成されており、n≧16、m≧4、n/m>1、及び4≦k≦nであり、
- 照明デバイスは、(i)m1個のビーム成形要素と、(ii)m1個のビーム成形要素の上流に構成されているn1個の光源とを含む、p個の区画を備え、n1個の光源の総数のうちの少なくとも一部が、光源の複数k個の個別制御可能なサブセットによって含まれており、m1個のビーム成形要素の各々と、当該ビーム成形要素の上流に構成されているn1個の光源とが、互いに対する構成を有し、1≦p≦m、4≦m1≦m、及び16≦n1≦nであり、第2の2D配列と対応の光源との距離には関わりなく、m1個の構成が互いに異なる、照明デバイスも提供する。
【0016】
そのようなデバイスでは、(光源のうちの1つ以上の光源光から本質的に成るものであってもよい)照明デバイス光の、ビーム形状及び/又はビーム方向を制御することが可能であり得る。いずれの光源が(及び、どのように光源が)照明デバイス光に寄与するかに応じて、細いビーム、広いビーム、非対称ビームなどが、照明デバイスによって全て供給されてもよい。それゆえ、光源を制御することによって、種々の光強度分布が作り出されてもよい。
【0017】
ビーム成形要素に対して、当該ビーム成形要素の上流に、1つ以上の、より特定的には2つ以上の光源が構成されてもよい。それゆえ、それらの光源の光源光は、それらの(1つ以上の、より特定的には2つ以上の)光源の下流に構成されている当該のビーム成形要素によって、ビーム成形されてもよい。それゆえ、これらの(1つ以上の、より特定的には2つ以上の)光源は、当該の特定のビーム成形要素の上流に構成されている。それゆえ、特に各ビーム成形要素の上流には、1つ以上の、特に2つ以上の、更により特定的には4つ以上の光源が構成されてもよい。このようにして、複数の光源のそれぞれが、ビーム成形要素で構成されている。それゆえ、n個の光源の全てが、m個のビーム成形要素の上流に構成されている。m>1である場合、ビーム成形要素のそれぞれは、n個の光源のサブセットの下流に構成されている。ビーム成形要素の上流に構成されている光源のうちの2つ以上は、個別に制御可能であってもよい。それゆえ、実施形態では、(m1個の)ビーム成形要素のそれぞれの上流には、個別に制御可能であり得る2つ以上の光源が構成されてもよい。それゆえ、実施形態では、各ビーム成形要素の上流には、異なる個別制御可能なサブセットの光源が構成されている。それゆえ、実施形態では、各ビーム成形要素(レンズなど)は、少なくとも2つの別個に制御可能な光源を有し得る。
【0018】
特に、実施形態では、光源は第1のピッチを有してもよく、ビーム成形要素は第2のピッチを有してもよく、第1のピッチは第2のピッチよりも小さく、特に、第1のピッチに対する第2のピッチの比は整数ではなく特に、比は2よりも大きい(以下もまた更に参照)。代替的に又は追加的に、ビーム成形要素は、(対応の)光源の寸法よりも大きい(光源の平面に平行な平面内での)寸法を有してもよい。代替的に又は追加的に、ビーム成形要素は、(光源の配列とは異なる)ランダム配列若しくは疑似ランダム配列で構成されており、及び/又は、光源は、(ビーム成形要素の配列とは異なる)ランダム配列若しくは疑似ランダム配列で構成されている。
【0019】
そのような実施形態では、更にまた他の実施形態でも(以下もまた参照)、1つ以上の個別制御可能な光源又は光源のサブセットは、光源光の或る調光範囲を提供してもよい。更には、特定の実施形態では、ビーム成形要素のうちの2つ以上は、対応のビーム成形要素の上流に構成されている光源の、異なる空間構成を有する。それゆえ、光源は、2つ以上のビーム成形要素が、これらのビーム成形要素の上流に、光源の異なる構成を有し得るように構成されてもよい。異なる構成は特に、ビーム成形要素の配列に対する、平面内での光源の構成に関する。光源は、空間的に異なる方式で配置されてもよい。異なる構成が存在する場合、対応の2つ以上のビーム成形要素の下流にある光源光のビームは、異なっていてもよい。特に、2つ以上のビーム成形要素のうちの1つの上流にある光源の選択は、2つ以上のビーム成形要素のうちの別のビーム成形要素の上流にある光源では本質的に生成可能であり得ない、対応のビーム成形要素の下流にあるビームをもたらしてもよい。このことはとりわけ、例えば、光源又はビーム成形要素が、ランダム又は疑似ランダムな配列で構成されている場合に(以下もまた参照)、達成されてもよい。それゆえ、実施形態では、光源とビーム成形要素との組み合わせの、少なくとも2つの異なる空間構成が存在してもよい。
【0020】
当業者であれば、2つの構成が空間的に異なる場合を理解されるであろう。
【0021】
(対応の光源の構成の下流に構成されている)2つの対応のビーム成形要素に対する、光源の2つの空間構成が同一であるが、構成のうちの一方において1つ以上が欠落している(例えば、双方とも六角形の充填であるが、一方が1つの要素を欠落している)場合、このことは、空間的に異なる構成とは見なされない。
【0022】
光源の構成は同じであるが、ビーム成形要素の光軸が、対応の光源の構成に対して異なる方式で構成されている場合、これらは、(光源と、それらの対応の下流に構成されているビーム成形要素との)空間的に異なる構成と見なされる。例えば、それぞれが5つの光源を有する、2つの五角形構成を想定すると、各五角形は中心を有し、中心から等距離に光源を有している。対応のビーム成形要素が、中心から異なる距離で五角形平面に交差する光軸を有している場合、光源と対応のビーム成形要素との双方の構成は、空間的に異なっている。例えば、一方の光軸は中心と交差してもよく、一方は交差しなくてもよく、後者の変形形態では、ビーム成形要素は、対応のビーム成形要素の上流にある光源の構成に対して、オフセットされていてもよい。
【0023】
2つの対応のビーム成形要素の下流にある、光源の2つの構成が、光源の構成のうちの一方においてのみ利用可能な、隣接光源間の1つ以上の最短距離を有している場合、このことは、ビーム成形要素とそれらの対応の上流に構成されている光源との、空間的に異なる構成の証拠であり得る。最短距離の差は、光源の寸法(固体光源ダイの長さ、幅、又は直径など)の約5%よりも大きくてもよい。
【0024】
2つの構成のうちの一方が、(例えば構成のうちの一方における1つ以上の要素の欠如に起因することなく)他方の構成と整合されることができない場合、このことは、空間的に異なる構成に起因し得る。例えば、90°の角度で構成されている2つの辺aを有する三角形は、辺aを有する正方形と同じ位置に、3つの光源を正確に規定し得る。それゆえ、そのような三角形構成で構成されている、そのような3つの光源は、そのような4つの光源の正方形構成とは、空間的に異なり得ない。しかしながら、辺を有する五角形は、4つの光源位置を有する、辺aを有する正方形とは空間的に異なる構成をもたらす、5つの光源位置を規定し得る。
【0025】
それゆえ、特定の実施形態では、照明デバイスは、(i)m1個の(隣接する)ビーム成形要素と、(ii)m1個のビーム成形要素の上流に構成されているn1個の(隣接する)光源とを含む、p個の区画を備えてもよい。特に、m1個のビーム成形要素の各々と、当該ビーム成形要素の上流に構成されているn1個の光源とが、互いに対する構成を有する。特定の実施形態では、1≦p≦mである。実施形態では、1≦m1≦mである。また更なる特定の実施形態では、4≦m1≦mである。また更には、特定の実施形態では、n1≧16、特に16≦n1≦nである、より特定的には、少なくとも何らかのランダム性が存在してもよい(上記もまた参照)。それゆえ、特定の実施形態では、第2の2D配列と対応の光源との距離には関わりなく、m1個の構成は互いに異なる。それゆえ、実施形態では、照明デバイスは、(i)m1個のビーム成形要素と、(ii)m1個のビーム成形要素の上流に構成されているn1個の光源とを含む、p個の区画を備え、m1個のビーム成形要素の各々と、当該ビーム成形要素の上流に構成されているn1個の光源とが、互いに対する構成を有し、1≦p≦m、4≦m1≦m、及びn1≧16であり、特定の実施形態では、第2の2D配列と対応の光源との距離には関わりなく、m1個の構成は互いに異なる。
【0026】
そのようなデバイスでは、光源を制御することの関数として、ビーム形状及び/又はビーム方向が制御されてもよい。更には、そのようなデバイスでは、全ての光源がオンに切り替えられる場合に、本質的にランバート型の、照明デバイス光の放出が得られてもよいが、照明デバイス光を生成するために光源の総数のうちの1つ以上のサブセットを選択することによって、極めて異なるビーム形状及び/又はビーム方向が得られてもよい。ランバート型の光分布から、細いビーム、バットウィング形状の光分布までが、単一の照明デバイスで得られてもよい。しかしながら、実施形態ではまた、非対称の光強度分布の照明デバイス光が作り出されてもよい。
【0027】
それゆえ、本発明は、一態様では、複数n個の光源の、第1の2D配列と、光源の下流に構成されている複数m個のビーム成形要素の、第2の2D配列とを備える、照明デバイスを提供する。用語「2D配列」とは、2Dアレイを指す場合がある。以下で示されるように、第1の配列及び/又は第2の配列は、必ずしも規則的ではない。実施形態では、これらのうちの一方若しくは双方がランダムであってもよく、又は、更に良好には疑似ランダムであってもよく、それにより、配列は、(本質的に)不規則ではあるが、依然として、大きい間隙又はクラスタ形成を伴うことなく均等に分布される。それゆえ、特定の実施形態では、ビーム成形要素の第2の2D配列が、ランダム又は疑似ランダム(ランダム配列又は疑似ランダム配列)である。他の特定の実施形態では、光源の第1の配列が、ランダム又は疑似ランダム(ランダム配列又は疑似ランダム配列)である。
【0028】
それゆえ、実施形態では、光源の総数のうちの少なくとも一部、及び/又はビーム成形要素の総数のうちの少なくとも一部は、不規則な配列で配置されてもよい。しかしながら、実施形態ではまた、光源の総数のうちの少なくとも一部、及び/又はビーム成形要素の総数のうちの少なくとも一部は、規則的な配列で配置されてもよい。特に、実施形態では、ビーム成形要素の総数のうちの少なくとも一部が、不規則な配列で配置されてもよい。このことは、以下で更に解明される。
【0029】
特定の実施形態では、照明デバイスは、平面デバイスである。更なる特定の実施形態では、照明デバイスは、剛性又は可撓性であってもよい。例えば、光源を有する可撓性のシートが適用されてもよい。また、ビーム成形要素を有する可撓性のシートが適用されてもよい。又は、ビーム成形要素は、可撓性のシートの間に含まれてもよい(以下もまた更に参照)。
【0030】
特に、光源の第1の2D配列は、光源が埋め込まれているか又は取り付けられている、単一の(可撓性の)支持体に基づくものであってもよい。それゆえ、特定の実施形態では、光源の第1の2D配列は、高さよりも実質的に大きい、少なくとも100倍大きいような、少なくとも10倍大きいなどの、長さ及び幅を有してもよい。それゆえ、実施形態では、複数の光源は、(可撓性の)シート又は(可撓性の)シート状の層(特に、単層など)によって含まれている。実施形態では、シートは、湾曲状であってもよい。
【0031】
特に、第2の2D配列は、ビーム成形要素を単一層内に含む、層又は多層に基づくものであってもよい。実施形態では、第2の2D配列は、第1の層及び第2の層を含んでもよく、それらの間にビーム成形要素が構成されている。これらの層は、可撓性の層であってもよい。それゆえ、特定の実施形態では、ビーム成形要素は、(実施形態では湾曲状であってもよい)単一平面内で、互いに隣り合って構成されている。それゆえ、特定の実施形態では、ビーム成形要素の第2の2D配列は、高さよりも実質的に大きい、少なくとも100倍大きいような、少なくとも10倍大きいなどの、長さ及び幅を有してもよい。それゆえ、実施形態では、複数のビーム成形要素は、シート又はシート状の層によって含まれている。実施形態では、シートは湾曲状であってもよい。
【0032】
上述のように、実施形態では、ビーム成形要素は、2つの層の間に含まれてもよい。このことは、ビーム成形要素が球体を含む場合に、特に当てはまり得る。ビーム成形要素が半ドームを含む場合、一体化された半ドームを有する層が設けられてもよい。代替的実施形態では、ビーム成形要素は、ホスト材料、特に、シリコーン層などの光透過性材料内に埋め込まれてもよい。特に、ホスト材料に関する、例えば550nmにおける屈折率は、ビーム成形要素の屈折率よりも、少なくとも10%低いか、又は特に少なくとも25%低いなどの、実質的に低いものである。
【0033】
用語「上流」及び「下流」は、光生成手段(本明細書では特に、光源)からの光の伝搬に対する、物品又は特徴部の配置に関するものであり、光生成手段からの光ビーム内での第1の位置に対して、光ビーム内の、光生成手段により近い第2の位置が「上流」であり、光ビーム内の、光生成手段からより遠く離れた第3の位置が「下流」である。
【0034】
オプションとして、ビーム成形要素の下流には、例えば、カラーフィルタ若しくは偏光フィルタのような光学フィルタ、又は、限定された散乱角を有する拡散器、UV遮断フィルタなどのような、更なる光学素子が存在してもよい。しかしながら、一般に、ビーム成形要素の下流にある光学素子は、ビーム形状を維持するために、本質的に拡散性が強いものではない。これらのオプションの更なる光学素子は、本明細書では更には論じられない。
【0035】
特に、光源は、光源光を生成するように構成されている。照明デバイスは、特に、照明デバイス光を生成するように構成されている。照明デバイス光は、(制御モード(以下を参照)において)オンに切り替えられている光源の光源光を含み得る。
【0036】
特に、照明デバイスは、可視光を生成するように構成されているが、追加的に又は代替的に、IR放射線及びUV放射線のうちの1つ以上のような、他のオプションもまた可能であり得る。
【0037】
実施形態では、照明デバイスは、白色(照明デバイス)光を生成するように構成されてもよい。他の実施形態では、照明システムは、着色(照明デバイス)光を生成するように構成されてもよい。照明デバイス光が制御可能であってもよいため(以下もまた参照)、特定の実施形態では、照明デバイス光は、色点、色温度、演色評価数などの群から選択される、制御可能な光学特性を有してもよい。
【0038】
以下で更に解明されるように、特に(少なくとも)照明デバイス光は、強度分布に関して制御可能である。それゆえ、ビーム角及び/又はビーム幅、並びに/あるいは、(照明デバイス光の)ビーム内の強度分布は、本明細書では制御可能であってもよい。上述のように、ビーム成形要素は、n個の光源の光源光のビームを成形するように構成されている。
【0039】
用語「可視」、「可視光」、又は「可視発光」、及び同様の用語は、約380~780nmの範囲の1つ以上の波長を有する光を指す。
【0040】
本明細書における用語「白色光」は、当業者には既知である。特に、白色光とは、約2000~20000K、特に2700~20000K、一般照明に関しては、特に約2700K~6500Kの範囲、バックライトの目的に関しては、特に約7000K~20000Kの範囲の相関色温度(correlated color temperature;CCT)を有し、特に、BBL(黒体軌跡;black body locus)から約15SDCM(等色標準偏差;standard deviation of color matching)位内、特にBBLから約10SDCM位内、更により特定的にはBBLから約5SDCM位内である光に関する。
【0041】
用語「光源」とは、発光ダイオード(light emitting diode;LED)、共振空洞発光ダイオード(resonant cavity light emitting diode;RCLED)、垂直共振器レーザダイオード(vertical cavity laser diode;VCSEL)、端面発光レーザなどの、半導体発光デバイスを指す場合がある。用語「光源」はまた、パッシブマトリクス(passive-matrix organic light-emitting diode;PMOLED)又はアクティブマトリクス(active-matrix organic light-emitting diode;AMOLED)などの、有機発光ダイオードを指す場合もある。特定の実施形態では、光源は、固体光源(LED又はレーザダイオードなど)を含む。一実施形態では、光源は、LED(発光ダイオード)を含む。LEDという用語はまた、複数のLEDを指す場合もある。更には、用語「光源」は、実施形態ではまた、いわゆるチップオンボード(chips-on-board;COB)光源を指す場合もある。用語「COB」は、特に、封入も接続もされることなく、PCBなどの基板上に直接実装されている、半導体チップの形態のLEDチップを指す。それゆえ、複数の半導体光源が、同じ基板上に構成されてもよい。実施形態では、COBは、単一の照明モジュールとして一体に構成されている、マルチLEDチップである。
【0042】
語句「異なる光源」又は「複数の異なる光源」、及び同様の語句は、実施形態では、少なくとも2つの異なるビンから選択されている複数の固体光源を指す場合がある。同様に、語句「同一の光源」又は「複数の同じ光源」、及び同様の語句は、実施形態では、同じビンから選択されている複数の固体光源を指す場合がある。
【0043】
本明細書では、用語「光源」は特に、固体光源、特に、ミニサイズ又はマイクロサイズを有するような小型の固体光源を指す。例えば、光源は、ミニLED及びマイクロLEDのうちの1つ以上を含み得る。特に、実施形態では、光源は、マイクロLED又は「microLED」又は「μLED」を含む。本明細書では、ミニサイズ又はミニLEDという用語は特に、100μm~1mmの範囲から選択される、ダイ寸法、特に長さ及び幅などの寸法を有する、固体光源を示す。本明細書では、μサイズ又はマイクロLEDという用語は特に、100μm以下の範囲から選択される、ダイ寸法、特に長さ及び幅などの寸法を有する、固体光源を示す。
【0044】
照明デバイスは、n個の光源を備える。特に、n≧16であり、更により特定的には、n≧64であり、また更により特定的には、n≧100である。また更なる実施形態では、n≧10,000などの、n≧4096であるが、n≧100,000もまた可能であり得る。用語「照明デバイス」はまた、機能的に結合されている複数の照明デバイスを指す場合もある。それゆえ、用語「照明システム」(以下もまた更に参照)は、それぞれが例えば4096個の固体光源を有する、機能的に結合されている複数の照明デバイスを指す場合がある。
【0045】
上述のように、照明デバイス光は、特に、照明デバイス光の少なくとも強度分布が制御可能であり得るという意味で、制御可能であってもよい。それゆえ、実施形態では、角度強度分布が制御可能であってもよい。それゆえ、特定の実施形態では、n個の光源は、光源の複数k個の個別制御可能なサブセットを含み得る。実施形態では、k=nである。各サブセットが単一の光源を含む場合には、k=nである。特に、より特定的にはk≧4などの、k≧2である。一般に、k≧16などの、実質的により多くの個別制御可能なサブセットが存在することになる。特定の実施形態では、k≦n/2、又は更にk≦n/4であるが、kはまた、nであってもよい。特に、実施形態では4≦k≦nである。
【0046】
用語「個別制御可能」とは特に、個別制御可能な光源又は光源のサブセットが、オフ状態からオン状態に(又は、その逆に)切り替えられてもよく、及び/又は、強度において調光されてもよいことを示し得る。後者は、例えば、段階的又は無段階的な増光(強度の増大)若しくは減光(強度の減少)を指す場合がある。そのような実施形態では、1つ以上の個別制御可能な光源又は光源のサブセットは、光源光の或る調光範囲を提供してもよい。それゆえ、実施形態では、照明デバイス光のビーム形状(及び、光強度)は、光源の1つ以上の制御可能なサブセットをオンに(及び/又は、他方ではオフに)切り替えることによって、制御されてもよい。他の実施形態では、照明デバイス光のビーム形状(及び、光強度)は、光源の1つ以上の制御可能なサブセットを増光(及び/又は、他方では減光)することによって、制御されてもよい。更に他の実施形態では、双方のオプションが(異なる制御可能なサブセットに対して)適用されてもよい。
【0047】
それゆえ、実施形態では、照明デバイス光はそれゆえまた、強度においても制御可能である。上述のように、特定の実施形態では、照明デバイス光はそれゆえまた、色点、色温度、演色性などのうちの1つ以上においても制御可能である。
【0048】
上述のように、m個のビーム成形要素は特に、n個の光源の光源光のビームを成形するように構成されている。一般に(以下もまた参照)、単一のビーム成形要素が、2つ以上の光源の下流に構成されてもよい。それゆえ、特にn/m>1であり、更により特定的には、n/m≧10のような、n/m≧4である。実施形態では、n/m≧100である。実施形態では、n/m≧500である。特定の実施形態では、n/m≦20,000であるが、より大きいこともまた可能であり得る。更なる特定の実施形態では、n/m≦10,000である。
【0049】
ビーム成形要素は、コリメータ及びレンズのうちの1つ以上を含み得る。コリメータは特に、中実の光透過性本体であってもよい。レンズは、それ自体が光透過性本体である。それゆえ、ビーム成形要素は、光透過性材料から本質的に成るものであってもよい。それゆえ、ビーム成形要素は特に、(光源光に対して屈折性の)屈折要素、又は内部全反射要素であってもよい。
【0050】
光透過性材料は、PE(polyethylene;ポリエチレン)、PP(polypropylene;ポリプロピレン)、PEN(polyethylene napthalate;ポリエチレンナフタレート)、PC(polycarbonate;ポリカーボネート)、ポリメチルアクリレート(polymethylacrylate;PMA)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate;PMMA)(Plexiglas(登録商標)又はPerspex(登録商標))、セルロースアセテートブチレート(cellulose acetate butyrate;CAB)、シリコーン、ポリ塩化ビニル(polyvinylchloride;PVC)、一実施形態では(PETG)(glycol modified polyethylene terephthalate;グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)を含めた、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)、PDMS(polydimethylsiloxane;ポリジメチルシロキサン)、及びCOC(cyclo olefin copolymer;シクロオレフィンコポリマー)から成る群から選択されるような、透過性の有機材料から成る群から選択される1種以上の材料を含んでもよい。特に、光透過性材料は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリ(メチル)メタクリレート(P(M)MA)、ポリグリコリド又はポリグリコール酸(polyglycolic acid;PGA)、ポリ乳酸(polylactic acid;PLA)、ポリカプロラクトン(polycaprolactone;PCL)、ポリエチレンアジペート(polyethylene adipate;PEA)、ポリヒドロキシアルカノエート(polyhydroxy alkanoate;PHA)、ポリヒドロキシ酪酸(polyhydroxy butyrate;PHB)、ポリ(3-ヒドロキシブチラート-co-3-ヒドロキシバレラート)(poly(3-hydroxybutyrate-co-3-hydroxyvalerate);PHBV)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate;PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(polytrimethylene terephthalate;PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などの、芳香族ポリエステル、又はそのコポリマーを含んでもよく、特に、光透過性材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含んでもよい。それゆえ、光透過性材料は、特にポリマー光透過性材料である。しかしながら、別の実施形態では、光透過性材料は、無機材料を含んでもよい。特に、無機光透過性材料は、ガラス、(溶融)石英、透過性セラミック材料、及びシリコーンから成る群から選択されてもよい。また、無機部分及び有機部分の双方を含むハイブリッド材料も、適用されてもよい。特に、光透過性材料は、PMMA、透明PC、又はガラスのうちの1つ以上を含む。
【0051】
実施形態では、ビーム成形要素は、単一の本体内に一体化されている、コリメータ部分とレンズ部分とを含み得る。それゆえ、単一のビーム成形要素が、実施形態では、コリメーション機能及びレンズ機能の双方を有してもよい。レンズは特に、収束レンズである。特定の実施形態では、全てのビーム成形要素がレンズを含み、更により特定的には、本質的に同じレンズを含む。
【0052】
特定の実施形態では、m≧4である。更により特定的には、m≧100又はm≧10000などの、m≧64である。更に別の特定の実施形態では、m=1である。しかしながら、特に、m≧4である。
【0053】
照明デバイスは、(仮想)セグメント又は区画に分割されてもよい。これらは、ビーム成形要素の総数のうちのサブセットと、ビーム成形要素の総数のうちのサブセットの、これらのビーム成形要素の上流に構成されている光源とを含む、断面部分であってもよい。そのようなセグメント又は区画は、照明デバイスを構築し得るが、それらは、光源及び/又はビーム成形要素の不規則な配列が使用される実施形態が可能であることを考慮すると、必ずしも同一の単位セルであるとは限らない(ただし、このことが当てはまる場合もある)。しかしながら、単一の特定の区画は、光源及び/又はビーム成形要素の不規則な配列を含んでもよいが、複数のそのような特定の区画は、規則的な配列で構成されてもよい。このことは、実施形態では、光源及び/又はビーム成形要素の疑似ランダム配列をもたらし得る。ランダムセルの単位を繰り返すことは、疑似ランダム配列を作り出すための一方式である。別の一方式は、領域を、1つのセル当たり1つの光源(又は、レンズ)を有する規則的なセルに分割するが、この光源(又は、レンズ)の、セル内部でのランダムな位置を可能にすることである。この場合、セルは、光源の位置のランダム性に対する境界である。
【0054】
それゆえ、区画は特に、光源及びビーム成形要素の列全体にわたる、仮想断面部分である。区画の概念は、本明細書では特に、所望のランダム性を更に説明するために導入されている(以下を更に参照)。
【0055】
各区画は、複数のビーム成形要素及び対応の光源を含む。特に、区画は、複数の隣接するビーム成形要素に、またそれゆえ、複数の隣接する光源にも関連し得る。特定の実施形態では、区画のビーム成形要素のうちの2つ以上は、隣接していない。それゆえ、対応のビーム成形要素に関する、対応の光源のサブセットもまた、その場合、隣接して構成されなくてもよい。本明細書では、更に特に、前者の(「隣接する」)実施形態が更に論じられすなわち、本発明は更に、隣接するビーム成形要素(及び、光源)に関して特に論じられるが、このことは必ずしも、区画の概念に当てはまるとは限らない。
【0056】
用語「対応の光源」及び同様の用語は特に、特定のビーム成形要素の上流に構成されている光源を指す。特に、(当該の光源の光源光の)光軸が、ビーム成形要素を通るように構成されている光源を指す。それゆえ、そのような実施形態では、より多くの光源光が、いずれかの他の(隣接する)ビーム要素を通って伝搬するよりも、(対応の)ビーム成形要素を通って伝搬することになる。
【0057】
各ビーム成形要素及び対応の光源は、特定の構成を有する。特に、光源からビーム成形要素までの距離には関わりなく、構成が言及される。この距離は特に、対応の光源に対して垂直(「z方向」)に決定される。それゆえ、構成はまた、対応のビーム成形要素の平面及び対応の光源の平面に本質的に平行な平面内(へ)の、光源とビーム成形要素との重ね合わせであってもよい。
【0058】
定義上、(実施形態では)各区画は、少なくとも4つのビーム成形要素を含むことが定義されている。上述のように、原理的には、全てのビーム成形要素を有する単一の区画が存在してもよいが、特に、全てのビーム成形要素を全体として含む、複数の区画が存在することになる。
【0059】
それゆえ、特定の実施形態では、照明デバイスは、(i)m1個の(隣接する)ビーム成形要素と、(ii)m1個のビーム成形要素の上流に構成されているn1個の(隣接する)光源とを含む、p個の区画を備え、m1個のビーム成形要素の各々と、当該ビーム成形要素の上流に構成されているn1個の光源とが、互いに対する構成を有する。特に、実施形態では、1≦p≦mである。更には、特定の実施形態では、4≦m1≦mである。また更なる実施形態では、n1≧16である。また更なる実施形態では、m1≧16(及び、特にn1≧64)である。
【0060】
光源及びビーム成形要素の(全体の)配列に言及すると、ビーム成形要素の下方のあらゆる位置は、固有の強度ピーク方向に対応し得る。個別にアドレス指定可能な光源で領域が完全に充填されている場合には、全ての方向が、光源のサイズ及び光学素子のサイズによって制限され得る精度で、アドレス指定されることができる。そのような場合、原理的には、1つの構成(高密度充填)で十分であり得る。しかしながら、照明デバイスは、より多くの異なる構成が存在する場合には、より良好に機能し得る(例えば少なくとも2つの、同じ高密度充填であるが、半ピッチ移行されていることにより、全ての方向が第1の構成によって既にアドレス指定可能な場合であっても、より精緻なビームの調節性が可能となる)。ビーム成形要素の上流にある領域が、完全には光源で充填されていない場合には、光源が利用可能ではない位置に関連付けられた、強度分布における間隙が存在し得る。このことを回避するために、少なくとも1/f個の異なる構成が存在することが望ましく、ここでf=(総光源面積)/(総面積)とは、光源の面積分率又は充填分率である。上述のように、強度分布のアドレス指定能力は、より多くの構成の場合、より精緻になる。それゆえ、(光源の、それらの下流に構成されているビーム成形要素に対する)少なくとも1/f個の空間的に異なる構成、特に少なくとも2/f個の構成、又は、更により特定的には少なくとも4/f個の構成が存在してもよい。
【0061】
特に、区画内の光源(の総数)のうちの1つ以上が、更により特定的には、実施形態では大部分が、異なる個別制御可能なサブセットに属している。特に、区画内の各ビーム成形要素に関して、少なくとも1つの対応の光源、より特定的には少なくとも2つの対応の光源、更により特定的には少なくとも4つの対応の光源が、異なる個別制御可能なサブセットに属している。それゆえ、実施形態では、n1個の光源の総数のうちの少なくとも一部は、光源の複数k個の個別制御可能なサブセットによって含まれている。より特定的には、実施形態では、区画内の各ビーム成形要素に関して、ビーム成形要素の上流に構成されている1つ以上の光源は、個別制御可能なサブセットのうちの1つ以上に属している。それゆえ、実施形態では、区画内の各ビーム成形要素に関して、ビーム成形要素の上流に構成されている、1つ以上の光源、特に、少なくとも4つなどの、2つ以上の光源が存在しており、それらは、個別制御可能なサブセットのうちの1つ以上に属している。
【0062】
ビーム成形要素の規則的な配列及び光源の規則的な配列の実施形態では、全ての構成は、本質的に同一であってもよい(しかしながら、以下もまた参照)。しかしながら特に、本明細書では、ある種の短いスケール又は長いスケールの不規則性が利用可能であってもよい実施形態が提供され(上記もまた参照)、このことは、異なる構成が互いに異なり得るという事実をもたらし得る。例えば、対応の少なくとも4つのビーム成形要素に関連する少なくとも4つの異なる構成は、互いに異なり得る。
【0063】
それゆえ、実施形態では、第2の2D配列と対応の光源との距離には関わりなく、m1個の構成は互いに異なり得る。
【0064】
特定の実施形態では、区画はまた、本質的に同じ構成を含んでもよい点に留意されたい。更には、構成が互いに異なっていない区画もまた存在してもよい。しかしながら、特定の実施形態では、少なくとも16個の異なるタイプの構成のような、少なくとも4つなどの、互いに異なる複数の構成が存在してもよい。
【0065】
個別制御可能な光源を有する異なる構成は、(光源光から)照明デバイスによって生成された照明デバイス光の、ビーム成形及び/又はビーム方向の制御を可能にし得る。
【0066】
上述のように、異なる構成を得るために、1つ以上のオプションが選択されてもよい。実施形態では、n1個の光源は、n個の光源の総数のうちの少なくとも一部の第1の配列によって含まれており、第1の配列は、ランダム又は疑似ランダムである。代替的に又は追加的に、m1個のビーム成形要素は、m個のビーム成形要素の総数のうちの少なくとも一部の第2の配列によって含まれており、第2の配列は、ランダム又は疑似ランダムである。また更には、代替的に又は追加的に、照明デバイスは、複数のスペーサを備えてもよく、スペーサは、m個のビーム成形要素の総数のうちの少なくとも一部の位置を規定し、スペーサは、第3の配列によって含まれており、第3の配列は、ランダム又は疑似ランダムである。スペーサは、ビーム成形要素の総数のうちの少なくとも一部の位置を指定してもよい。光源及びビーム成形要素の双方が、それぞれ、ランダム配列又は擬似ランダム配列で配置され得る場合、配列は、同一ではない点に留意されたい。
【0067】
(何らかの)ランダム性を導入することによって、本発明の効果が得られてもよい。しかしながら、ビーム成形要素の規則的な配列及び光源の規則的な配列の実施形態でも、全ての構成のうちのサブセットはまた、互いに異なっていてもよい。このことは、ピッチが整合しない場合に、特に当てはまり得る。特定の実施形態では、光源は第1のピッチ(x1)を有してもよく、ビーム成形要素は第2のピッチ(x1)を有してもよく、第1のピッチ(x1)は第2のピッチ(x2)よりも小さく、第1のピッチ(x1)に対する第2のピッチ(x2)の比は整数ではない。
【0068】
特に、実施形態ではまた、比は、2倍若しくは3倍、又は、4倍などの更に大きい整数を提供するものではない。それゆえ、特定の実施形態では、光源は第1のピッチ(x1)を有し、ビーム成形要素は第2のピッチ(x2)を有し、第1のピッチ(x1)は第2のピッチ(x2)よりも小さく、a*x2/x1として定義される、第1のピッチ(x1)に対する第2のピッチ(x2)の比は整数ではなく、aは、1~10の範囲から選択される整数である。aが大きいほど、より多くの異なる構成が作り出され得る。
【0069】
用語「第1のピッチ」はまた、光源のサブセットのピッチを指す場合もある。例えば、光源のサブセットの規則的な配列は、ビーム成形要素のピッチとは異なるピッチを有してもよく、それにより、光源のサブセットの規則的な配列のアレイにわたって、少なくとも4回などの数回、ビーム成形要素及び(光源の対応の規則的な配列の)対応の光源は、互いに異なる構成を有する。用語「第1のピッチ」はまた、複数の第1のピッチを指す場合もある。xy平面内で、(第1の)ピッチは、1つの方向又は2つの方向において異なっていてもよい。区画内では、ピッチは不整合を有してもよいが、区画は(複数の区画が存在する場合)規則的な配列で構成されてもよいため、対応の区画に属している(全ての)光源のうちのサブセット、及び/又は、対応の区画に属している(全ての)ビーム成形要素のうちのサブセットは、規則的なピッチを有してもよい点に留意されたい。
【0070】
異なる構成を作り出すための他の実施形態もまた可能であり得る。
【0071】
それゆえ、ビーム成形要素が、光源の光源光をコリメートし得る場合であっても、全ての光源がオンに切り替えられる場合に、照明デバイス光の実質的にランバート型の光分布が得られてもよく、その一方で、光源の1つ以上のサブセットがオンに切り替えられる(ただし、全ての光源がオンに切り替えられてはいない)場合には、ランバート型から逸脱した、更には大幅に逸脱した強度分布が得られてもよい。
【0072】
上述のように、ビーム成形要素の上流には、複数の光源が構成されてもよく、これらの光源は主として、それらの光源光をビーム成形要素に供給する。例えば、同じビーム成形要素の諸部分と一致する光軸を有する、全ての光源は、当該のビーム成形要素に対する、対応の光源と見なされてもよい。それゆえ、一般に、ビーム成形要素の面内寸法は、光源の面内寸法よりも、大幅に大きくはないにせよ、より大きい。それゆえ、光源は、第1の長さ、第1の幅、第1の対角線長さ、及び第1の直径の群から選択される第1の寸法d1を有する、(固体)光源を含み、ビーム成形要素は、第2の長さ、第2の幅、第2の対角線長さ、及び第2の直径の群から選択される第2の寸法d2を有する、光透過性要素を含み、特定の実施形態では、d2≧4*d1である。特に、それゆえ寸法とは、光源又はビーム成形要素の平面に、それぞれ平行な寸法を指す。光源の寸法は、固体光源の実施形態では、ダイの寸法であってもよい。
【0073】
例えば、特定の実施形態では、第1の寸法d1は、最大200μmであってもよく、第2の寸法d2は、少なくとも800μmである。特定の実施形態では、寸法d2は、直径(本明細書ではまた「第2の直径」としても示されるもの)であってもよい。しかしながら、他の寸法もまた使用されてもよい。
【0074】
異なる構成を得るための一実施形態は、例えば、異なる(面内)寸法を有するビーム成形要素を使用することである。それゆえ、2D配列で構成されている場合、それらは、ランダム配列若しくは疑似ランダム配列、特にランダム配列を、比較的容易に採用し得るか又は強制され得る。それゆえ、特定の実施形態では、ビーム成形要素は、ビーム成形要素の複数p2個のサブセットを含み、サブセットは、第2の寸法d2のうちの少なくとも1つに関して互いに異なっており、p2≧2である。更なる特定の実施形態では、p2≧4、例えば、2≦p2≦16であるが、より大きい数のp2もまた可能であり得る。特定の実施形態では、最小寸法は、最大寸法の80%以下のような、90%以下である。寸法を評価する場合、幅、又は長さ、又は直径などのいずれかのような、同じタイプの寸法が評価されてもよい。
【0075】
特定の実施形態では、ビーム成形要素は、半ドームを含む。
【0076】
ビーム成形要素は、光軸を有してもよい。特に、ビーム成形要素は、球体又は半ドームの場合に当てはまり得るような、光軸において互いに交差する、1つ以上の、特に少なくとも2つの対称平面を有してもよい。ビーム成形要素の光軸は特に、本質的に、第1の配列に対して垂直かつ第2の配列に対して垂直に構成されてもよい。
【0077】
代替的に又は追加的に、ビーム成形要素は、球体を含む。球体を使用する場合、2つ以上の異なる寸法(上記もまた参照)を有する球体を使用することは、比較的容易であり得る。球体は、特にレンズが極めて小さい場合には、大量に作製することが容易であり得るため、極めて好都合であり得る。更には、球体は、方向付けされる必要がない。球体は、光源に接触している(スペーサが必要とされない)場合、焦点に近接しており、全ての方向において同等に良好に機能する(通常の単レンズは、軸外方向において多大な収差を付与する傾向がある)。
【0078】
特定の実施形態では、照明デバイスは、ビーム成形要素の単層を備える。
【0079】
更には、特定の実施形態では、n≧100、n/m≧4、k≧10、及びp≧10である。
【0080】
照明デバイスは、例えば、オフィス照明システム、家庭用アプリケーションシステム、店舗照明システム、家庭用照明システム、アクセント照明システム、スポット照明システム、劇場照明システム、光ファイバアプリケーションシステム、投影システム、警告標識システム、医療用照明アプリケーションシステム、インジケータ標識システム、装飾用照明システム、ポータブルシステム、自動車用アプリケーション、(屋外)道路照明システム、都市照明システム、温室照明システム、園芸用照明などの一部であってもよく、又は、それらに適用されてもよい。
【0081】
また更なる態様では、本発明はまた、本明細書で定義されるような照明デバイスを備える、照明器具も提供する。照明器具は、筐体、光学要素、ルーバなどを更に備えてもよい。
【0082】
また更なる態様では、本発明はまた、本明細書で定義されるような照明デバイスと、オプションとして制御システムとを備える、照明システムも提供する。特に、制御システムは、光源の複数k個の個別制御可能なサブセットを制御するように構成されている。代替的に、又は追加的に、制御システムは(それゆえ)、照明デバイス光のビーム形状及び/又はビーム方向を制御するように構成されてもよい。更には、オプションとして、制御システムは、照明デバイス光のスペクトル分布を制御するように構成されてもよい。それゆえ、特に本発明は、本明細書で定義されるような照明デバイスと、光源の個別制御可能な複数k個のサブセットを制御するように構成されている(及び/又は、照明デバイス光を制御するように構成されている)制御システムとを備える、照明システムを提供する。
【0083】
用語「制御すること」及び同様の用語は特に、少なくとも、要素の挙動を決定すること、又は要素の動作を管理することを指す。それゆえ、本明細書では、「制御すること」及び同様の用語は、例えば、要素に対して、例えば、測定すること、表示すること、作動すること、開放すること、移行すること、温度を変更することなどの挙動を課すこと(要素の挙動を決定すること、又は要素の動作を管理すること)などを指す場合がある。その他にも、用語「制御すること」及び同様の用語は、監視することを更に含んでもよい。それゆえ、用語「制御すること」及び同様の用語は、要素に挙動を課すこと、並びにまた、要素に挙動を課して、当該要素を監視することを含んでもよい。要素を制御することは、「コントローラ」としてもまた示され得る、制御システムにより行われることができる。それゆえ、制御システムと要素とは、少なくとも一時的に、又は恒久的に、機能的に結合されてもよい。要素は、制御システムを含んでもよい。実施形態では、制御システムと要素とは、物理的に結合されなくてもよい。制御は、有線制御及び/又は無線制御を介して行われることができる。用語「制御システム」はまた、特に機能的に結合されている複数の異なる制御システムを指す場合もあり、複数の異なる制御システムのうちの、例えば1つの制御システムが、マスター制御システムであってもよく、1つ以上の他の制御システムが、スレーブ制御システムであってもよい。制御システムは、ユーザインタフェースを含んでもよく、又はユーザインタフェースに機能的に結合されてもよい。
【0084】
制御システムはまた、リモートコントローラからの命令を受信して実行するように構成されてもよい。実施形態では、制御システムは、スマートフォン又はI-phone、タブレットなどのような、ポータブルデバイスなどのデバイス上の、アプリを介して制御されてもよい。それゆえ、デバイスは、必ずしも照明デバイスに結合されてはいないが、(一時的に)照明デバイスに機能的に結合されてもよい。
【0085】
それゆえ、実施形態では、制御システムは(また)、リモートデバイス上のアプリによって制御されるように構成されてもよい。そのような実施形態では、照明システムの制御システムは、スレーブ制御システムであってもよく、又は、スレーブモードにおいて制御してもよい。例えば、照明システムは、コード、特に対応の照明システムに関する固有コードにより、識別可能であってもよい。照明システムの制御システムは、(固有)コードの(光学センサ(例えば、QRコードリーダ)のユーザインタフェースによって入力された知識に基づいて照明システムへのアクセスを有する、外部制御システムによって制御されるように構成されてもよい。照明システムはまた、Bluetooth、Wi-fi、ZigBee、BLE、若しくはWiMax、又は別の無線技術などに基づく、他のシステム又はデバイスと通信するための手段を備えてもよい。
【0086】
システム、又は装置、又はデバイスは、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作のモード」において、アクションを実行してもよい。同様に、方法においては、アクション、又は段階、又はステップが、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作のモード」において実行されてもよい。用語「モード」はまた、「制御モード」として示される場合もある。このことは、システム、又は装置、又はデバイスがまた、別の制御モード、又は複数の他の制御モードを提供するよう構成されてもよいことを排除するものではない。同様に、このことは、モードを実行する前に、及び/又はモードを実行した後に、1つ以上の他のモードが実行されてもよいことを排除し得ない。
【0087】
しかしながら、実施形態では、少なくとも制御モードを提供するよう構成されている、制御システムが利用可能であってもよい。他のモードが利用可能である場合には、そのようなモードの選択は、特に、ユーザインタフェースを介して実行されてもよいが、センサ信号又は(時間)スキームに応じてモードを実行することのような、他のオプションもまた可能であり得る。動作モードは、実施形態ではまた、単一の動作モード(すなわち、更なる調整可能性を有さない、「オン」)でのみ動作することが可能な、システム、又は装置、又はデバイスを指す場合もある。
【0088】
それゆえ、実施形態では、制御システムは、ユーザインタフェースの入力信号、(センサの)センサ信号、及びタイマーのうちの1つ以上に応じて制御してもよい。用語「タイマー」とは、クロック及び/又は所定の時間スキームを指す場合がある。
【0089】
ビーム成形要素を(疑似)ランダムに配列する場合、事前には、所望の光分布を得るように光源を制御するための方法が、既知ではない場合がある。それゆえ、較正ルーチンが適用されてもよい。較正ルーチンは、(照明デバイス又は照明器具又は照明システムの)製造プラントにおいて行われてもよく、(設置者によって)現地において行われてもよく、又は(現地において)消費者によって行われてもよい。製造プラントにおける事前の較正と、(設置後の)現地における微調整の較正とのような、そのようなオプションの組み合わせもまた適用されてもよい。較正はまた、全ての可能な強度分布が評価されること(「完全較正」)ではなく、ユーザ又は設置者が、例えば、照明デバイス光が得られるべき、いくつかの所望の位置を定義して、それらの場所に(同時に又は順次に)センサを位置決めする(又は、目さえも使用する)という点で、比較的簡略化されてもよく、較正ルーチンは、いずれの光源が所望の強度分布に属しているかを定義してもよい。
【0090】
それゆえ、実施形態では、制御システムは、較正モードにおいて、較正ルーチンを実行するように構成されてもよく、較正ルーチンは、(i)光源の複数k個の個別制御可能なサブセットと、(ii)ユーザ入力情報(例えば、目視検査に基づくもの)及び較正センサ信号のうちの1つ以上との関数として、光源の複数k個の個別制御可能なサブセットの、(a)強度分布特性と(b)関連する光源設定とのセットを決定する。このセットは、例えば、制御システムのメモリ内に記憶されてもよい。強度分布特性は、例えば、光源のサブセットごとの、強度分布、又は、ピーク方向の観点からの簡略化された説明であってもよい。例えば、強度分布特性は、実施形態では、全角度測定に基づき得るが、代替的に(又は、追加的に)、実施形態ではまた、壁又はテーブルなどに向けられるような、或る特定の方向(又は、数少ない方向)に対する、光源のサブセットの寄与を決定するために、1つ又は数個の照度計のみを特定の位置に有する、簡略化された設定を使用する測定にも基づき得る。
【0091】
センサが適用される場合、そのようなセンサは、照明システムによって含まれてもよいが、特に、照明デバイスの外部に構成されてもよい。特定の実施形態では、照明システムは(それゆえ)、特に照明デバイスの外部に、制御システムに機能的に結合されている1つ以上の光学センサを更に備えてもよく、1つ以上の光学センサは、較正ルーチン中に較正センサ信号を生成するように構成されている。
【0092】
また更には、照明システムは、ユーザインタフェースを備えてもよく、ユーザインタフェースは、制御システムに機能的に接続されているか又は接続可能である。代替的に又は追加的に、ユーザインタフェースは、アプリによって提供されてもよい。それゆえ、本発明はまた、一態様では、本明細書で定義されるような照明デバイス若しくは照明システムに機能的に結合されているか、又は、本明細書で定義されるような照明デバイス若しくは照明システムによって含まれている、コンピュータ上で実行されると、(a)較正ルーチン及び(b)複数の光源を制御する方法のうちの、1つ以上を引き起こすことが可能な、コンピュータプログラム製品も提供する。
【0093】
特定の実施形態では、制御システムは、メモリ、処理デバイス(又は、「プロセッサ」若しくは「プロセッサシステム」若しくは「コントローラ」若しくは「制御システム」)、及びユーザインタフェース、及びオプションとしてディスプレイを含んでもよい。
【0094】
ユーザインタフェースデバイスの例としては、とりわけ、手動作動ボタン、ディスプレイ、タッチスクリーン、キーパッド、音声起動入力デバイス、オーディオ出力、インジケータ(例えば、ライト)、スイッチ、ノブ、モデム、及びネットワーキングカードが挙げられる。特に、ユーザインタフェースデバイスは、ユーザインタフェースが機能的に含まれていることによってユーザインタフェースが機能的に結合されている、デバイス又は装置に、ユーザが指示することを可能にするように構成されてもよい。ユーザインタフェースは特に、手動作動ボタン、タッチスクリーン、キーパッド、音声起動入力デバイス、スイッチ、ノブなど、並びに/あるいは、オプションとして、モデム及びネットワーキングカードなどを含み得る。ユーザインタフェースは、グラフィカルユーザインタフェースを含み得る。用語「ユーザインタフェース」はまた、リモートコントローラなどの、リモートユーザインタフェースを指す場合もある。リモートコントローラは、別個の専用デバイスであってもよい。しかしながら、リモートコントローラはまた、システム又はデバイス又は装置を(少なくとも)制御するように構成されているアプリを有する、デバイスであってもよい。
【0095】
コントローラ/プロセッサ及びメモリは、任意のタイプであってもよい。プロセッサは、説明されている様々な動作を実行すること、及びメモリ内に記憶されている命令を実行することが可能であってもよい。プロセッサは、特定用途向け集積回路、又は汎用集積回路であってもよい。更には、プロセッサは、本システムに従って実行するための専用プロセッサであってもよく、又は、本システムに従って実行するために多くの機能のうちの1つのみが動作する、汎用プロセッサであってもよい。プロセッサは、プログラム部分、複数のプログラムセグメントを利用して動作してもよく、又は、専用集積回路若しくは多目的集積回路を利用する、ハードウェアデバイスであってもよい。
【0096】
一態様では、本発明はまた、照明デバイスと制御システムとを備える、照明システムも提供する。照明デバイスは、複数n個の光源の、第1の2D配列と、光源の下流に構成されているm個のビーム成形要素の、第2の2D配列とを備え、光源は、光源光を生成するように構成されており、n個の光源は、光源の複数k個の個別制御可能なサブセットを含み、1つ以上のビーム成形要素は、n個の光源の光源光のビームを成形するように構成されており、n≧16、1≦m≦4、n/m>1、特に、n/m≧1000などの、更に最大で約200,000などの、n/m≧100であり、2≦k≦n、特に、8≦k≦nなどの4≦k≦nである。制御システムは特に、光源の複数k個の個別制御可能なサブセットを制御するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0097】
ここで、本発明の実施形態が、添付の概略図面を参照して例としてのみ説明され、図面中、対応する参照記号は、対応する部分を示す。
【
図2a】一実施形態、及び付随するシミュレーションを概略的に示す。
【
図2b】一実施形態、及び付随するシミュレーションを概略的に示す。
【
図3a】いくつかの配列、サブセット、及びビーム形状を示す。
【
図3b】いくつかの配列、サブセット、及びビーム形状を示す。
【
図4a】いくつかの配列、サブセット、及びビーム形状を示す。
【
図4b】いくつかの配列、サブセット、及びビーム形状を示す。
【
図5a】いくつかの配列、サブセット、及びビーム形状を示す。
【
図5b】いくつかの配列、サブセット、及びビーム形状を示す。
【
図6a】いくつかの配列、サブセット、及びビーム形状を示す。
【
図6b】いくつかの配列、サブセット、及びビーム形状を示す。
【
図7a】いくつかの配列、サブセット、及びビーム形状を示す。
【
図7b】いくつかの配列、サブセット、及びビーム形状を示す。
【
図8】とりわけ、照明システムの一実施形態を概略的に示す。
【0098】
当該概略図面は、必ずしも正しい縮尺ではない。
【発明を実施するための形態】
【0099】
以下では、本発明が更に解明される。用語「microLED」とは、実施形態では、microLEDを指す場合もあるが、また、光源の例として使用されてもよく、それゆえ、他の実施形態ではまた、例えばminiLEDを指す場合もある。
【0100】
図1aは、microLEDの規則的アレイ上に配置されている、球体の規則的アレイである一実施形態を、概略的に示している。
【0101】
図1aは、複数n個の光源10の、第1の2D配列100と、光源10の下流に構成されている複数m個のビーム成形要素20の、第2の2D配列200とを備える、照明デバイス1100の一実施形態を概略的に示している。光源10は、光源光11を生成するよう構成されている。ビーム成形要素20は、n個の光源10の光源光11のビームを成形するように構成されている。ここで、この(及び、他の)概略的に示されている実施形態では、ビーム成形要素20は、球体を含む。しかしながら、他の実施形態では、代替的に又は追加的に、ビーム成形要素20は、半ドームを含む。ビーム成形要素20は、光軸0を有する。
【0102】
参照符号x1は、光源10のピッチを示し、参照符号x2は、ビーム成形要素20のピッチを示す。参照符号Hは、本発明の目的上、基板1122、光源10、ビーム成形要素20、及びオプションとして(本質的に光透過性の材料の)第2の層(
図1dを参照)から本質的に成るものであってもよい、照明デバイスの高さを示す。基板1122は、可撓性であってもよい。
【0103】
光源10のうちの1つ以上、又は更にそれぞれが、個別に制御可能であってもよい。それゆえ、
図1aはまた、n個の光源(10)が、光源(10)の複数k個の個別制御可能なサブセット(110)を含む一実施形態も、概略的に示している。実施形態では、k=nであり、その場合、全ての光源が、個別に制御可能である。
【0104】
図1a~
図1fでは、例としてk=4であり、すなわち、光源10の4つの異なる個別制御可能なサブセット110が示されている。それゆえ、参照符号110(k)で示されている全ての光源10は、k番目のサブセットに属している。当然ながら、より少ないサブセット又はより多くのサブセットが存在してもよい。
【0105】
実施形態では、全ての光源が、制御可能なサブセットに属している。
【0106】
参照符号410は、ビーム成形要素を位置決めするために使用されてもよい、スペーサ要素を指す。それゆえ、実施形態では、照明デバイス1100は、複数のスペーサ410を備えてもよく、スペーサは、(m個の)ビーム成形要素20の総数のうちの少なくとも一部の位置を規定してもよい。
【0107】
光源10は、固体光源を含み得る。固体ダイなどの光源は、第1の長さ、第1の幅、第1の対角線長さ、及び第1の直径の群から選択される、第1の寸法d1を有し得る。ビーム成形要素20は、第2の長さ、第2の幅、第2の対角線長さ、及び第2の直径の群から選択される第2の寸法d2を有し得る、光透過性要素を含む。特に、また概略的にも示されているように、d2≧4*d1である。例えば、第1の寸法d1は、最大200μmであり、第2の寸法d2は、少なくとも800μmである。ここで、概略的に示されている実施形態のうちのいくつかでは、d1は、光源、特に固体光源ダイの、長さ又は幅であってもよい。更には、特に、本明細書で概略的に示されているいくつかの実施形態では、寸法d2は、直径である。
【0108】
この実施形態の利点は、比較的容易な較正であってもよく、各microLEDは、全ての相対位置が本質的に既知であり得るため、所定の強度分布を有する。この実施形態の別の利点は、強度分布においてサテライトピークを引き起こすことになる、隣接する球体への光を、スペーサが遮断する点である。
【0109】
別の実施形態では、microLEDアレイ及び球体アレイの双方が規則的であってもよいが、球体アレイのピッチは、microLEDのピッチの整数とは異なり得る。その結果、各球体は、隣接する球体とは僅かに異なる(球体に対する)位置を有するmicroLEDのセットと、関連付けられることになる。その結果、microLEDの強度のセットは、より多くのバリエーションを有することになり、より詳細に標的強度が近似され得る。
【0110】
図1aでは、対応の3つのビーム成形要素20に関する光源10の構成は、本質的に同じである。それゆえ、ここでは、ビーム成形要素20のうちの2つ以上は、対応のビーム成形要素20の上流に構成されている光源10の、異なる空間構成を有さない。
【0111】
図1bは、(そのような)一実施形態を概略的に示す。ここで、x1で示されている光源10のピッチと、x2で示されているビーム成形要素20のピッチとは、異なっている。後者は、前者の整数倍でなくてもよい。
【0112】
図1bでは、ビーム成形要素20のうちの2つ以上、ここでは4つ全てが、対応のビーム成形要素20の上流に構成されている光源10の、異なる空間構成を有する。
【0113】
図1bでは、又は他の図では、光源10、ビーム成形要素20、制御可能なサブセット110などのような全ての要素は、それぞれ、各光源、ビーム成形要素、光源/光源のセットなどに関して示されてはいない点に留意されたい。可読性の目的のために、それらの要素のうちのいくつかのみが、それらの参照番号で示されている。
【0114】
不規則なmicroLEDパターン、球径のバリエーションによって引き起こされる不規則な球体アレイ、不規則なスペーサ位置によって引き起こされる不規則な球体アレイ、又は組み合わせなどの、本質的に同じ利益を達成するための様々な代替案が存在し得る。
【0115】
図1cは、(n1個の)光源が、(n個の)光源10の総数のうちの少なくとも一部の第1の配列によって含まれており、第1の配列がランダム又は疑似ランダムである一実施形態を、概略的に示している。
【0116】
図1cでは、ビーム成形要素20のうちの2つ以上、ここでは4つ全てが、対応のビーム成形要素20の上流に構成されている光源10の、異なる空間構成を有する。
【0117】
図1dは、(m1個の)ビーム成形要素20が、(m個の)ビーム成形要素20の総数のうちの少なくとも一部の第2の配列によって含まれており、第2の配列がランダム又は疑似ランダムである一実施形態を、概略的に示している。
【0118】
図1dはまた、ビーム成形要素20が、ビーム成形要素20の複数p2個のサブセットを含み、サブセットが、第2の寸法d2のうちの少なくとも1つに関して互いに異なっており、p2≧2である一実施形態も、概略的に示している。この概略図面では、最も左側及び最も右側のビーム成形要素は、同じ第2の寸法(ここでは、直径)を有し、その一方で、間にある2つのビーム成形要素20の第2の直径は、2つの外側ビーム成形要素とは異なっており、かつ互いに異なる。それゆえ、この概略的に示されている実施形態では、p2=3である。
【0119】
それゆえ、
図1dでもまた、ビーム成形要素20のうちの2つ以上、ここでは4つ全てが、対応のビーム成形要素20の上流に構成されている光源10の、異なる空間構成を有する。
【0120】
ここでは、(本質的に光透過性の材料の)第2の層1121が、概略的に示されている。そのような層はまた、本明細書で説明及び/又は概略的に示されている他の実施形態でも、利用可能であってもよい。
【0121】
図1eは、スペーサ410が第3の配列によって含まれており、第3の配列がランダム又は疑似ランダムである一実施形態を、概略的に示している。
【0122】
図1bでは、ビーム成形要素20のうちの2つ以上が、対応のビーム成形要素20の上流に構成されている光源10の、異なる空間構成を有する。それらのうちのいくつかはまた、対応のビーム成形要素20(最も左、左から2番目、及び最も右)の上流に構成されている光源10の、同じ異なる空間構成を有してもよい。
【0123】
図1a~
図1e、特に
図1b~
図1eで示されるように、ビーム成形要素20及び関連する光源10の異なる構成は、特にxy平面内、すなわち、光源の配列100及びビーム成形要素の配列に平行な平面内で作り出されている。それゆえ、重ね合わせが成された場合には、異なる構成が明確に視認されてもよく、例えば
図1fを参照すると、2つの実施例が提供されており、上段では、ビーム成形要素20の規則的な配列を有しているが、光源10の不規則な配列又は疑似ランダム配列を有しており、下段では、光源10の規則的な配列100と、異なる第2の寸法d2を有するビーム成形要素20を使用することによって得られた、ビーム成形要素20の不規則な配列又は疑似ランダム配列200とを有している。
【0124】
図1fは、上側の一連部分において、対応のビーム成形要素20の上流に構成されている光源10の、3つの異なる空間構成を示している。
図1は、上側の一連部分において、対応のビーム成形要素20の上流に構成されている光源10の、少なくともいくつかの異なる空間構成を示している。
【0125】
以下では、とりわけ、透明PMMA球体の僅かに不規則な層と組み合わせた僅かに不規則なLED分布に対する、シミュレーションの結果が示される。
【0126】
或る1つのLEDがオンに切り替えられる場合には、最も近接している球体が、主強度ピークを生成することになる。隣接する球体は、いくつかの二次的な、より低い強度ピークを生成し得る。多数のmicroLEDが使用される場合、これらのピークは平均化して、バックグラウンドレベルに達することになる。このバックグラウンドレベルは、球体間の遮断要素によって、又は、ランバート放出源の代わりに幾分コリメートされたmicroLEDを使用することによって(例えば、microLEDを、小型反射器カップ内で、又は一次光学素子と共に使用することによって)低減されてもよい。
【0127】
光源及びその最も近接している球体は、本明細書ではとりわけ、ビーム成形要素及び当該ビーム成形要素の上流に構成されている光源としてもまた示されている実施形態の、一実施例である。
【0128】
いくつかの光源が、2つ以上のビーム成形要素にわたって均等に光を分配することは、排除され得ない。しかしながら、このことは、比較的多数の光源を考慮すると、無視されてもよく、又は代替的に、光源は、(同じ制御可能なサブセット内にある)2つ以上の光源から成ると見なされてもよい。
【0129】
図2aは、小さい円で示されている複数の光源10と、当該光源の下流にある、大きい円で示されているビーム成形要素20とを有する、照明デバイス1100又は当該照明デバイスの少なくとも一部の一実施形態を、概略的に示している。それらは、単一の(投影)平面内に描かれている。更には、例として区画Pが示されている。
【0130】
特に、区画300内の各ビーム成形要素20に関しては、少なくとも2つの対応の光源10、更により特定的には少なくとも4つの対応の光源10が、異なる個別制御可能なサブセット110に属している。区画300は、照明デバイスの断面部分であってもよく、これは、照明デバイスの、全高Hの体積を規定してもよく、またそれゆえ、複数のビーム成形要素、及び(ビーム成形要素の数よりも更に多い)複数の(対応の)光源10を含んでもよい。
【0131】
上述のように、照明デバイス1100は、m1個の(隣接する)ビーム成形要素20(ここでは、4つ)と、m1個のビーム成形要素20の上流に構成されている、ここでは約60個の、n1個の(隣接する)光源10とを含む、p個の区画300を備える。
【0132】
n1個の光源10の総数のうちの少なくとも一部は、光源10の複数k個の個別制御可能なサブセット110によって含まれている。図示のように、各ビーム成形要素20の上流にある光源10の構成は、他とは異なる。それゆえ、m1個のビーム成形要素20の各々と、当該ビーム成形要素の上流に構成されているn1個の光源10とが、互いに対する構成を有し、第2の2D配列200と対応の光源10との距離(すなわち、光源の平面又はビーム成形要素の平面に対して垂直な、z方向の距離)には関わりなく、m1個の構成は互いに異なる。
【0133】
明確性のために、図面では、全ての光源が、それらの参照符号10で示されてはおらず、同様に、全てのサブセットが、それらの参照符号110で示されてはおらず、それゆえ、図面には、参照符号110で示されているよりも多くのサブセットが存在し得る点に留意されたい。このことはまた、参照符号20で全てが個別に示されてはいない、ビーム成形要素20のような、他の要素にも適用される。
【0134】
図2aに示されている区画に基づいて、光ビームが、モンテカルロ光線追跡シミュレーションソフトウェアツールでシミュレートされた。それらは、
図2bで概略的に示されている。光源を制御すること、ここでは、区画内の異なる光源をオン又はオフに切り替えることによって、細いビーム(narrow beam;NB)、中広ビーム(medium broad beam;MB)、広いビーム(wide beam;WB)、非常に広いビーム(very wide beam;VWB)、非対称ビーム(図示せず)、バットウィング又は中空ビーム(batwing;BW)などの、極めて異なるビーム形状の照明デバイス光が得られることができると思われる。
【0135】
図2bは、光源の異なるサブセットが、オン(太線で描かれている光源)又はオフ(太線ではないもの)に切り替えられている、
図3a~
図7bに基づくものである。図示のように、完全に異なるビーム形状が提供されることができる。
図3、
図4、
図5、
図6、及び
図7のそれぞれは、異なるサブセット(aの図)、及び関連するビーム形状(bの図)を示している。bの図における異なる曲線は、ビームの異なるスライスを指す。
【0136】
上述のように、非対称ビームもまた作り出されてもよい。
【0137】
それゆえ、とりわけ、本明細書では、個々のLED、特にmicroLEDの光に照準を合わせた、透明な屈折性球体の層を追加することが提案される。このことは、球体とmicroLEDなどの光源との、構造化されたパターンとしてもよいが、特にまた、(半)非構造化された光源及び/又は球体の分布を有してもよい。一態様では、各光源又は(microLEDなどの)光源のサブセットの強度分布を特定するために、較正ステップが適用されてもよい。これは、詳細な光強度分布、あるいは単に、主ビーム方向の座標及び相対強度であってもよい。次いで、microLEDなどの光源のサブセットをオンに切り替えることによって、任意の全体的強度パターンが生成されることができる。このサブセット(又は、個々の調光レベル)は、実施形態では、microLEDなどの光源の全体的効果である強度分布を標的分布に整合させるための、最適化アルゴリズムによって決定されてもよい。実施形態ではまた、標的ピーク強度方向に対して所与の角度距離内のピーク強度方向を有する全ての光源を、単にオンに切り替えることであってもよい。
【0138】
図8は、照明デバイス1100を備える照明器具1200の一実施形態を、概略的に示している。更には、図はまた、照明デバイス1100を備える照明システム1000の一実施形態も、概略的に示している。照明システム1000は、光源の複数k個の個別制御可能なサブセットを制御するように構成されている、制御システム30を更に備えてもよい。制御システム30は、照明デバイス光のビーム形状及び/又はビーム方向を制御するように構成されてもよい。更には、オプションとして、制御システム30は、照明デバイス光1101のスペクトル分布を制御するように構成されてもよい。
【0139】
照明システム1000は、実施形態では、照明デバイス1100の外部に、制御システム30に機能的に結合されている1つ以上の光学センサ40を更に備えてもよい。特定の実施形態では、1つ以上の光学センサ40は、較正ルーチン中に較正センサ信号を生成するように構成されてもよい。上述のように、実施形態では、制御システム30は、較正モードにおいて、較正ルーチンを実行するように構成されてもよく、較正ルーチンは、(i)光源10の複数k個の個別制御可能なサブセット110と、(ii)ユーザ入力情報及び較正センサ信号のうちの1つ以上との関数として、光源10の複数k個の個別制御可能なサブセット110の、(a)強度分布特性と(b)関連する光源設定とのセットを決定する。
【0140】
また更には、照明システム1000は、ユーザインタフェース50を備えてもよく、ユーザインタフェース50は、制御システム30に機能的に接続されているか又は接続可能である。接続は、無線又は有線であってもよい。
【0141】
用語「複数」は、2つ以上を指す。
【0142】
本明細書の用語「実質的に(substantially)」若しくは「本質的に(essentially)」、及び同様の用語は、当業者には理解されるであろう。用語「実質的に」又は「本質的に」はまた、「全体的に(entirely)」、「完全に(completely)」、「全て(all)」などを伴う実施形態も含み得る。それゆえ、実施形態では、実質的に又は本質的にという形容詞はまた、削除される場合もある。適用可能な場合、用語「実質的に」又は用語「本質的に」はまた、95%以上、特に99%以上、更により特定的には99.5%以上などの、100%を含めた90%以上にも関連し得る。
【0143】
用語「備える、含む(comprise)」は、用語「備える(comprises)」が「から成る(consists of)」を意味する実施形態もまた含む。
【0144】
用語「及び/又は」は、特に、その「及び/又は」の前後で言及された項目のうちの1つ以上に関連する。例えば、語句「項目1及び/又は項目2」、及び同様の語句は、項目1及び項目2のうちの1つ以上に関する場合もある。用語「備えている、含んでいる(comprising)」は、一実施形態では、「から成る(consisting of)」を指す場合もあるが、別の実施形態ではまた、「少なくとも定義されている種、及びオプションとして1つ以上の他の種を包含する」も指す場合がある。
【0145】
更には、明細書本文及び請求項での、第1、第2、第3などの用語は、類似の要素を区別するために使用されるものであり、必ずしも、連続的又は時系列的な順序を説明するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書で説明される本発明の実施形態は、本明細書で説明又は図示されるもの以外の、他の順序での動作が可能である点を理解されたい。
【0146】
本明細書では、デバイス、装置、又はシステムは、とりわけ、動作中について説明されてもよい。当業者には明らかとなるように、本発明は、動作の方法、又は動作中のデバイス、装置、若しくはシステムに限定されるものではない。
【0147】
上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、むしろ例示するものであり、当業者は、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、多くの代替的実施形態を設計することが可能となる点に留意されたい。
【0148】
請求項では、括弧内のいかなる参照符号も、その請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0149】
動詞「備える、含む(to comprise)」及びその活用形の使用は、請求項に記述されたもの以外の要素又はステップが存在することを排除するものではない。文脈が明らかにそうではないことを必要としない限り、明細書本文及び請求項の全体を通して、単語「備える、含む(comprise)」、「備えている、含んでいる(comprising)」などは、排他的又は網羅的な意味ではなく包括的な意味で、すなわち、「含むが、限定されない」という意味で解釈されたい。
【0150】
要素に先行する冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数のそのような要素が存在することを排除するものではない。
【0151】
本発明は、いくつかの個別要素を含むハードウェアによって、及び、好適にプログラムされたコンピュータによって実施されてもよい。いくつかの手段を列挙する、デバイスの請求項、又は装置の請求項、又はシステムの請求項では、これらの手段のうちのいくつかは、1つの同一のハードウェア物品によって具現化されてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0152】
本発明はまた、デバイス、装置、若しくはシステムを制御し得るか、又は、本明細書で説明される方法若しくはプロセスを実行し得る、制御システムも提供する。また更には、本発明はまた、デバイス、装置、若しくはシステムに機能的に結合されているか、又は、デバイス、装置、若しくはシステムによって含まれている、コンピュータ上で実行されると、そのようなデバイス、装置、若しくはシステムの1つ以上の制御可能要素を制御する、コンピュータプログラム製品も提供する。
【0153】
本発明は更に、明細書本文で説明される特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、デバイス、装置、若しくはシステムに適用される。本発明は更に、明細書本文で説明される特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、方法又はプロセスに関する。
【0154】
本特許で論じられている様々な態様は、更なる利点をもたらすために組み合わされることも可能である。更には、当業者は、実施形態が組み合わされることが可能であり、また、3つ以上の実施形態が組み合わされることも可能である点を理解するであろう。更には、特徴のうちのいくつかは、1つ以上の分割出願のための基礎を形成し得るものである。