(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】照明器具ドライバ及び設置方法
(51)【国際特許分類】
F21V 23/00 20150101AFI20240730BHJP
F21V 29/508 20150101ALI20240730BHJP
F21V 29/83 20150101ALI20240730BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240730BHJP
【FI】
F21V23/00 150
F21V23/00 140
F21V29/508
F21V29/83
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2021566126
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(86)【国際出願番号】 EP2020062676
(87)【国際公開番号】W WO2020225351
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-04-26
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ウィギントン ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ビューゼ ジョン ジェフリー
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-519144(JP,A)
【文献】特開2016-110791(JP,A)
【文献】国際公開第2019/001997(WO,A1)
【文献】特開2014-035502(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00 - 9/90
F21S 2/00 - 45/70
F21V 1/00 - 99/00
H05B 39/00 - 39/10
H05B 45/00 - 45/58
H05B 47/00 - 47/29
H02G 3/08 - 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具のためのドライバであって、
ジャンクションボックスのスプライスコンパートメント
の第1の開口部に挿入可能であり、
少なくとも部分的に、前記ジャンクションボックスの
第2の開口部
から出て、前記ジャンクションボックスのスプライスコンパートメントの一部ではないプレナム空間に挿入可能なハウジングと、
前記照明器具を駆動するための前記ハウジング内の複数の構成要素と、
前記複数の構成要素を前記照明器具に電気的に結合するための電気接続部と、
を含む、ドライバ。
【請求項2】
当該ドライバは、LEDドライバであり、前記照明器具は、LED照明器具である、請求項1に記載のドライバ。
【請求項3】
前記ハウジングは、
直管状である、請求項2に記載のドライバ。
【請求項4】
前記ハウジングは、U字形である、請求項2に記載のドライバ。
【請求項5】
前記ハウジングは、湾曲部を有する、請求項2に記載のドライバ。
【請求項6】
前記ハウジングは、非円形の三次元形状を有する、請求項2に記載のドライバ。
【請求項7】
前記LEDドライバは、前記ハウジングを前記ジャンクションボックスに固定するための留め具を含む、請求項2に記載のドライバ。
【請求項8】
前記複数の構成要素は、前記ハウジングから少なくとも部分的に取り外し可能である、請求項2に記載のドライバ。
【請求項9】
前記ハウジングは、放熱を容易にする材料から作られる、請求項2に記載のドライバ。
【請求項10】
LED照明器具のためのLEDドライバを設置する方法であって、当該方法は、
前記LEDドライバを、ジャンクションボックスのスプライスコンパートメント
の第1の開口部を通り、
少なくとも部分的に、前記ジャンクションボックスの
第2の開口部
から出て、前記ジャンクションボックスのスプライスコンパートメントの一部ではないプレナム空間に挿入するステップと、
前記LEDドライバを前記ジャンクションボックスに固定するステップと、
前記LEDドライバを前記LED照明器具に電気的に接続するステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記LEDドライバを固定するステップは、留め具を使用することを含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具ドライバ及び照明器具ドライバを設置する方法に関し、とりわけ、後付け又は新規設置のいずれにも使用されることができる標準的な配線ジャンクションボックス(standard wiring junction box)の開口部に挿通されることができるハウジングを有するLEDドライバに関する。
【背景技術】
【0002】
伝統的な照明システムからより新しい照明システムにアップグレードすることは、省エネルギ及び可能性のあるメンテナンスの省力化を提供する。このような伝統的な照明システムには、創出された最初の光源である白熱タングステンフィラメントランプが含まれる。その後、HID又はメタルハライドランプ及び蛍光ランプが、白熱ランプに比べて増加したランプ寿命及びより明るい出力を提供するために使用された。より最近では、LEDの明るさ及び効率の進歩が、白熱、HID又は蛍光ランプと競合するように、適切に構成される場合より一層長い寿命及び明るい出力を提供し得るLEDランプ及びLEDモジュールが開発されることを可能にしている。LEDドライバは、PWM、定電圧、又は定電流のいずれかを通じてLEDに適切な電力を供給するために使用される。LEDランプ及びLEDモジュールは、内部又は外部構成においてLEDドライバに直接ハードワイヤードされることができ、又は調光可能なAC LED及び特別なICチップを使用して除外されることができる。
【0003】
LED技術は、従来の蛍光照明システムに比べて電力需要及びエネルギ消費を減らし、また制御可能性、光の均一性、及びより少ないメンテナンスを提供する。これに関連して、LED照明器具は、効率の良い代替光源である。複数のLEDを定義付けられた配置で利用することにより、LEDは、上述した現在の照明器具の代替を提供するために利用されることができる。LED照明器具(例えば、バルブ、チューブ、フィクスチャ(fixture)等)が広く適用されるためには、これらが、既存の照明構成における現在の照明器具を置き換えることができる必要がある。
【0004】
一部のアプリケーションでは、最終的に長持ちし、エネルギ効率の良いLEDライトフィクスチャを創出するために既存の白熱、コンパクト蛍光又はHIDフィクスチャに設置されることができるLEDバルブ又はLEDモジュールが望まれている。例えば、蛍光灯照明器具は、商業施設(例えば、オフィスビル、小売店、集合住宅、ホテル等)で広く使用されている。このような蛍光灯照明器具は、一般的に、典型的には天井に位置するハウジングを含む。ハウジングは、複数の蛍光チューブを含む。チューブは、動作(照明)を開始するために高い初期電圧を必要とし、その後、動作するために定電流を必要とし、そのために、バラストが、チューブの動作電力要件を提供するためにライン電力(例えば、120V、240V)を受けるために使用される。一部のアプリケーションでは、ハウジング内の蛍光チューブを置き換えることができるように同じ、実質的に同じ、又は類似のフットプリント及びフォームファクタを有する従来の後付けLEDチューブが使用されることが可能である。しかしながら、このような従来の後付けLEDチューブは、蛍光灯照明器具全体が(すなわち、ハウジングを取り除いて)新しい照明器具、例えば、より小さく、より現代的なフィクスチャと交換されるべき場合には使用されることができない。
【0005】
これに関連して、LEDドライバモジュールが(ジャンクションボックス(junction box)とも呼ばれる)配線ボックス(wiring box)に設置されるように設計されている従来のLED照明器具が存在する。配線ボックスは、壁又は天井の裏側に隠される。配線ボックスは、LEDドライバモジュールに必要なハウジングエンクロージャとして機能する。LEDドライバモジュールは、配線接続に通常必要とされる空間の一部を使用して配線ボックス内に配置される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来のLED照明器具及び従来のLEDドライバモジュールには、主に2つの問題又は不利な点がある。第1に、より高ワットの照明器具が必要とされる場合、LEDドライバは大きくなりすぎ、配線ボックスに収まらない。第2に、より大きなLEDドライバモジュールは、より多くの熱を発生させ、これは、配線ボックス内で適切に放散できない可能性がある。これは、LEDドライバモジュールの故障及び場合によっては火災の危険につながる可能性がある。
【0007】
本発明の態様及び実施形態は、フィクスチャ取付(fixture mounting)のために従来の配線ボックスを使用する場合により高ワットの照明器具と使用するためのLEDドライバを提供することによりこれらの不利な点の一方及び/又は両方に対処する。これは、(1)フィクスチャ取付のために従来の配線ボックスを使用する場合に「建物」の配線接続のためにより多くのスペースを確保し、(2)LEDドライバが従来の配線ボックス内に閉じ込められるのではなく、壁又は天井のプレナム空間(plenum space)によって提供されるより大きなエアスペースに位置するため、より高ワットのLEDドライバによって発生する熱のより良好な放散を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、配線ジャンクションボックス(wiring junction box)のノックアウトホール(knockout hole)に挿通されることができるLEDドライバを使用する改善された方法に関する。LEDドライバは、建物のプレナム空間内で、その最終的な位置に、タブを使用して、固定される(locked into position)ことができる。LEDドライバのための配線は、ジャンクションボックス内でアクセス可能である。これに関連して、LEDドライバは、後付けアプリケーションのために建物の部屋側から、ジャンクションボックスを通り、ノックアウトを介して、建物のプレナム空間に挿入されることができる。これは、配線のために配線ボックス内により多くのスペースを確保し、より高出力の照明器具のためにより大きなLEDドライバを許容する。
【0009】
本発明の別の態様は、より高ワットのLEDドライバによって発生する熱のより良好な放散を可能にする。
【0010】
本発明の一実施形態は、照明器具のためのドライバであって、少なくとも部分的に、ジャンクションボックスの開口部を介して、ジャンクションボックスのスプライスコンパートメント(splice compartment)の一部ではないプレナム空間に挿入されることができるハウジングを含む、ドライバに関する。複数の構成要素(component)が、照明器具を駆動するためにハウジング内に位置し、電気接続部(electrical connection)が、複数の構成要素を照明器具に電気的に結合するために設けられる。一実施形態では、ドライバは、LEDドライバであり、照明器具は、LED照明器具である。
【0011】
本発明の別の実施形態は、LED照明器具のためのLEDドライバを設置する方法に関する。当該方法は、ジャンクションボックスに少なくとも1つの開口部を形成するためにノックアウトタブを取り除く又は少なくとも1つの既存の開口部を使用するステップと、LEDドライバを、少なくとも部分的に、開口部を介して、ジャンクションボックスのスプライスコンパートメントの一部ではないプレナム空間に挿入するステップとを含む。当該方法はさらに、LEDドライバをジャンクションボックスに固定するステップと、LEDドライバをLED照明器具(12)に電気的に接続するステップとを含む。LEDドライバを固定するステップは、留め具を使用して行われてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明のさらなる詳細、態様、及び実施形態が、単に例として、以下の図面を参照して説明される。これらの図中の要素は、簡潔性及び明瞭性のために示されており、必ずしも正しい縮尺で描かれてはいない。これらの図中、既に説明されている要素に対応する要素は、同じ参照番号を有し得る。図において、
【
図1】本発明の一実施形態によるLEDドライバを示す。
【
図2】
図1のLEDドライバがジャンクションボックスに設置されているのを示す。
【
図3】
図1の実施形態をジャンクションボックスに設置する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、多くの異なる形態での実施形態が可能であるが、本開示は本発明の原理の例示として見なされるべきであり、図示及び述べられる特定の実施形態に本発明を限定することを意図するものではないという理解の下に、1つ以上の特定の実施形態が、図面において示されており、本明細書で詳細に述べられる。
【0014】
以下では、理解のために、実施形態の諸要素は、動作時において述べられる。しかしながら、それぞれの要素は、それらによって実行されるとして述べられている機能を実行するように構成されていることが、明らかとなるであろう。
【0015】
さらに、本発明は、それらの実施形態に限定されるものではなく、本発明は、本明細書に記載の又は互いに異なる従属請求項に列挙されるあらゆる新規な特徴又は特徴の組み合わせにある。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態によるLEDドライバ10を示している。LEDドライバ10は、LED照明器具12に動作電圧及び電流を供給するための複数の構成要素11を含む。構成要素11は、ハウジング13から取り外し可能なプリント回路(PC)基板上に配置されてもよい。例えば、構成要素11は、修理又は交換のためにハウジング13から引き出すこと(slide out)ができてもよい。構成要素11は、ハウジング13及び/又はリード線14に電気的に接続するためのコネクタ(図示せず)を含んでもよい。リード線14は、(直接的又は間接的に)LEDドライバ10をLED照明器具12及び/又は電源(図示せず)にを電気的に接続する。リード線14は、ワイヤ、コネクタ、又は他の従来の結合手段であってもよい。
【0017】
また、LEDドライバ10は、キャップ15を含んでもよい。キャップ15は、構成要素11のための環境からのカバーを提供するため、及び/又は、構成要素11をハウジング13内にロックするために使用されてもよい。当業者であれば、キャップ15はすべての実施形態においては必要ではないことを理解するであろう。また、キャップ15の機能は、ハウジング13及び/又は構成要素11のPCボードによって果たされてもよい/統合されてもよい。
【0018】
さらに、LEDドライバ10は、LEDドライバ10を(
図2に示される)ジャンクションボックス17と位置決め及び/又はロックするための留め具16を含んでもよい。留め具16は、LEDドライバ10をジャンクションボックス17の開口部18(ジャンクションボックス17は、スプライスコンパートメント20へのアクセスを可能にする主開口部を含み、
図2に示されるように複数のノックアウトタブ18aを含み得る)内に機械的に結合又は固定するハードウェアデバイスであってもよい。一般的に、留め具16は、LEDドライバ10を損傷することなく取り除かれる又は取り外されることができる非永久的なジョイントを創出するために使用される。これに関連して、留め具16は、タブ、クランプ、クリップ、又はねじコネクタであってもよい。また、ジョイントは、所望であれば、例えば溶接を介して、永久的であってもよい。留め具16は、金属、プラスチック、複合材、合金、又は留めるために一般的に使用される他の材料で作られてもよい。LEDドライバ10を開口部18にジョイントする他の代替的な方法は、クリンピング、はんだ付け、ろう付け、テーピング、粘着、セメント、又は他の接着剤の使用を含んでもよい。また、磁石、(吸盤等)真空、さらには(スティッキーパッド(sticky pad)等)摩擦等の力が使用されてもよい。
【0019】
複数の構成要素11は、LED照明器具12を駆動する。構成要素11は、供給及び制御回路、絶縁回路(例えば、光アイソレータ(opto-isolator)、トランス)、整流器/フィルタ、及び電流(及び場合によっては電圧)監視回路を含んでもよい。LEDドライバ10は、信号が絶縁回路を介して効率的に伝送され得るように、受けた電圧を小さなスライスにスライシング又はスイッチングしてもよい。スライスの交流電流(AC)は、絶縁回路の二次巻線に電気を誘導する。スライスのAC周波数は、それによって給電されるLED照明器具(例えば、フィクスチャ、バルブ、チューブ、アレイ)を流れる電流の量を決定する。LEDドライバ10は、該ドライバが利用される電源及び該ドライバが給電するLED照明器具12に関連するパラメータを含む様々なパラメータに基づいてプログラムされてもよい。また、LEDドライバ10は、その電源がエネルギ効率基準を満たすように力率補正のために使用されてもよい。
【0020】
絶縁回路は、降圧機能果たしてもよく、エネルギをLED照明器具12を動作するために必要なエネルギに(例えば、120Vから30Vに)変換してもよい。代替的に、他の回路(図示せず)が、エネルギをLED照明器具12が必要とするレベルに変換(例えば、さらに降圧)するために使用されてもよい。絶縁回路は、ライン電力との不意の接触を防止するようにLEDドライバから電源を絶縁する。整流器/フィルタは、AC電圧をDC電圧に変換し、ノイズを除去する。
【0021】
電流監視回路は、絶縁回路の一次側で、LED照明器具12を通る電流を間接的に(AC信号の周波数を測定することによって)監視してもよい。電流監視回路は、相応に電流を増加又は減少させるために(電流に対応する)AC電圧の周波数を調整するためのフィードバック(例えば、測定された電流に関連する参照信号)を提供してもよい。電圧監視回路は、LED照明器具12の電圧が危険なレベルに達しないように、絶縁回路の一次側にかかる電圧降下を測定することによって、LED照明器具12にかかる電圧を監視してもよい。監視されるLED照明器具12の電圧は、この測定値を考慮して調整されてもよい。
【0022】
当業者であれば、他の既知の回路、要素及びモジュールが、LED照明器具12を駆動するのに必要な電圧及び電流を供給するために使用されてもよいことを理解するであろう。また、本発明は、LEDドライバ(10)に限定されるものではなく、照明器具のための他のタイプのドライバを含んでもよい。
【0023】
また、LEDという用語は、LEDの物理的及び/又は電気的パッケージのタイプを制限しない点も理解されたい。例えば、LEDは、それぞれが異なる放射線スペクトルを放出するように構成される(例えば、個別に制御可能であってもよく、又は制御可能でなくてもよい)複数のダイを有する、単一の発光デバイスを指してもよい。また、LEDは、そのLED(例えば、何らかのタイプの白色LED)の一体部分として見なされる、蛍光体に関連付けられてもよい。一般に、LEDという用語は、パッケージ化LED、非パッケージ化LED、表面実装LED、チップオンボードLED、T型パッケージ実装LED、放射状パッケージLED、電力パッケージLED、何らかのタイプの収容部及び/又は光学要素(例えば、拡散レンズ)を含むLEDなどを指してもよい。一般に、LEDという用語は、パッケージ化LED、非パッケージ化LED、表面実装LED、チップオンボードLED、T型パッケージ実装LED、放射状パッケージLED、電力パッケージLED、何らかのタイプの収容部及び/又は光学要素(例えば、拡散レンズ)を含むLEDなどを指してもよい。
【0024】
用語「照明フィクスチャ(lighting fixture)」は、本明細書では、特定のフォームファクタ、アセンブリ、又はパッケージでの、1つ以上の照明ユニットの実装又は構成を指すために、使用される。用語「照明ユニット」は、本明細書では、同じタイプ又は異なるタイプの1つ以上の光源を含む装置を指すために使用される。所与の照明ユニットは、光源に関する様々な取り付け構成、エンクロージャ/ハウジングの様々な構成及び形状、並びに/又は電気的接続及び機械的接続の様々な構成のうちの、任意の1つを有してもよい。更には、所与の照明ユニットは、オプションとして、光源の動作に関連する様々な他の構成要素(例えば、制御回路)に関連付けられてもよい(例えば、含んでもよく、結合されてもよく、及び/又は一体にパッケージ化されてもよい)。「LEDベースの照明ユニット」とは、上述のような1つ以上のLEDベースの光源を、単独で、又は他の非LEDベースの光源と組み合わせて含む、照明ユニットを指す。「マルチチャネル」照明ユニットとは、それぞれが異なる放射線スペクトルを生成するように構成された、少なくとも2つの光源を含む、LEDベース又は非LEDベースの照明ユニットを指し、異なる光源スペクトルのそれぞれが、そのマルチチャネル照明ユニットの「チャネル」と称されてもよい。
【0025】
ハウジング13は、1つ以上の開口部18に挿通されることが可能なように設計される。
図1の実施形態に示されるように、ハウス13は、管状、例えば、円筒形チューブであってもよい。しかしながら、ハウジング13は、この形状に限定されず、1つ以上の開口部18に完全に又は部分的に挿通されることが可能な任意の形状であってもよい。例えば、ハウジング13は、矩形形状、多面体形状、八角形チューブ、3次元湾曲形状(3D curved shape)、中間又は他の場所に角度(例えば、30度、45度又は90度)を有する3次元形状、U字形コンテナ、非円形の3次元形状、又は、構成要素11を収容する及び開口部18に嵌入することが可能な他のコンテナであってもよい。また、ハウジング13は、放熱を促進するための通気口を含んでもよく、放熱を促進することができる金属、プラスチック、複合材、合金、又は他の材料で作られてもよい。
【0026】
古い照明器具(例えば、白熱又は蛍光)をLED照明器具12で改装する目的の一部は、電力を節約すること(斯くして、金を節約すること)と、及び、できるだけ簡単で安価な移行を行うことである。LED照明器具12の材料費とは別に、エンドユーザは、設置の手間を考慮しなければならない。LED照明器具12の設置を迅速、簡単及び単純にすることは、その設計において重要な考慮事項の一つである。本発明の実施形態の一部の設置を単純化するやり方の1つは、ジャンクションボックス17の既存の開口部18を使用することである。ジャンクションボックス17は、以前の非LED照明器具に既に使用されていてもよい。例えば、
図2に示されるように、ジャンクションボックス17は既存であり、壁又は天井19の裏側に設けられる。設置者は、本発明の1つ以上の実施形態による新しいLED照明器具12のためのLEDドライバ10を設置する場合に追加のジャンクションボックス17又はハウジングを追加する又は取り外す必要はない。LEDドライバ10は、壁又は天井19の裏側の空間(例えば、壁又は天井19のスタッド又は支持梁の間)に収まる。
【0027】
本発明の目的のために、ジャンクションボックス17は、電気接続部に対する安全バリア及び保護を提供するハウジングを含む。ハウジングは、限定されるものではないが、ボックス、矩形、六角形、又は他の三次元形状等、任意の適切な構成であってもよい。ハウジングは、例えば、金属、プラスチック、複合材、又は他の材料で作られてもよい。ハウジングは、建物の電気配線システムの一部を形成してもよい。
【0028】
ジャンクションボックス17は、一般的に(例えば米国で)ホット(黒)、ホワイト(中性)及び接地(緑又は銅)として既知である、電気配線のための安全な環境を提供する。他の色の配線は、二次的機能及び照明制御のために使用される。ジャンクションボックス17は、電気配線のための集合場所(communal meeting spot)としての役割を果たし、ここで、これらは、先に進む前につなげられる。これに関連して、ジャンクションボックス17は、電力、照明制御線及び/又はデータ線が入れられる電気配線のための(
図2に示される)スプライスコンパートメント20を有する。このような電力、照明制御線及び/又はデータ線の相互接続又は集合は、ジャンクションボックスの開口部20aを介して行われてもよい。ジャンクションボックス17は、適用される建築基準法に準拠して正しく設置されなければならない。
【0029】
電気技師は、典型的には、ジャンクションボックス17がライトフィクスチャ(light fixture)を支持するために使用される場合に一般的に必要であるスタッド又は根太等の強固な構造場所にジャンクションボックス17を固定する。また、ジャンクションボックス17は、マウントボックス(mounting box)、フィクスチャボックス(fixture box)、ハンディボックス(handy box)、リモデリングボックス(remodeling box)、ライトスイッチボックス(light switch box)、レセプタクルボックス(receptacle box)、アウトレットボックス(outlet box)、エレクトリカルボックス(electrical box)、シーリングファンボックス(ceiling fan box)等、レセプタクルボックス又は他の名称で呼ばれることもある。
【0030】
米国では、ジャンクションボックス17には様々なサイズがあるが、2つの典型的なサイズは、一般的に3本の配線が入る2インチ×3インチ及び深さ2 1/2インチのジャンクションボックス17、並びに、5本以上の配線のために作られている2インチ×3インチ及び深さ3 1/2インチのジャンクションボックス17である。
【0031】
図2に示されるように、ジャンクションボックス17は、複数のノックアウトタブ18aを含む。ノックアウトタブ18aは、アウトレット及びスイッチ等の働きをするジャンクションボックス17の開口部18を形成するために部分的に打ち抜きされた「クォーターコイン」サイズ(米国では、典型的には直径約3/4インチ)のものであってもよい。ひとたび取り外されると、開口部18は、ジャンクションボックス17に電気配線を入れる及びジャンクションボックス17から電気配線出すことを可能にする。住宅及び建物の照明アプリケーションでは、開口部18のサイズは3/4インチが最も一般的であるが、開口部18には、1/2インチ、3/4インチ、1インチ、1-1/4インチ、1-1/2インチ、2インチ等様々なサイズがある。当業者であれば、ジャンクションボックス17の他の構成が可能であり、例えば、ノックアウトタブ18aを有さない開口部18を含むことが可能であることを理解するであろう。
【0032】
図3は、LEDドライバ10を開口部18を介してジャンクションボックス17に設置する方法を示している。ステップAにおいて、LEDドライバ10は離れていて、ジャンクションボックス17に設置されていない。設置者はまず、LEDドライバ10の挿入又は接続に適した開口部18を決定しなければならない。開口部18は、既に適当な位置にあってもよく、又は、1つ以上のノックアウトタブ18aが取り外されることが必要とされてもよい。設置者は、LEDドライバ10を収めるためのスペース、例えば、壁19、天井19等の裏側を確保しなければならない。ステップBにおいて、LEDドライバが、開口部18に又は部分的に挿入され、押され、動かされ、整えられ、配置される。ステップC(オプション)において、LEDドライバは、留め具16で適当な位置に固定されてもよい。ステップA~Cに示されるように、LEDドライバ10は、後付け又は新規のアプリケーションのために建物の部屋側から、ジャンクションボックス17を通り、開口部18を介して、建物のプレナム空間21(すなわち、壁19又は天井19の裏側)に挿入されることができるように設計される。設置者は、リード線14を使用してLEDドライバ(10)とLED照明器具(12)とを電気的に接続してもよい。
【0033】
これは、配線のためにジャンクションボックス17内により多くのスペースを確保し、より高出力のLED照明器具12のためにより大きなLEDドライバ10を許容する。また、これは、LEDドライバ10がジャンクションボックス17内に閉じ込められるのではなく、プレナム空間21によって提供されるより大きなエアスペースに位置するため、LEDドライバ10によって発生する熱のより良好な放散を可能にする。
【0034】
前述の詳細な説明は、本発明が取ることができる多くの形態の一部を述べた。上記の例は、本発明のさまざまな態様のいくつかの可能な実施形態の単なる例示であり、当業者であれば、本発明及び添付図面を精読及び理解すれば、等価な代替例及び/又は変形例を思い付くであろう。とりわけ、上述された構成要素(デバイス、システム等)により実行されるさまざまな機能に関して、このような構成要素を述べるために使用される(「手段(means)」への言及も含む)用語は、そうでないと示されない限り、当該開示の例示された実装形態において当該機能を実行する開示された構造と構造的に等価でなくても、該述べられた構成要素の指定された機能を実行する(すなわち、機能的に等価である)、ハードウェア又はハードウェアの組み合わせ等、任意の構成要素に対応することが意図される。
【0035】
本発明の特定のフィーチャは、いくつかの実装形態の1つのみに関して図示され、及び/又は述べられているかもしれないが、このようなフィーチャは、所与の又は特定のアプリケーションに有利である、及び、望ましいように、他の実装形態の1以上の他のフィーチャと組み合わされてもよい。さらに、単数の構成要素又は項目への言及は、別段特定されない限り、2以上のこのような構成要素又は項目を包含することが意図される。
【0036】
不定冠詞「a」及び「an」は、本明細書及び請求項において使用されるとき、そうではないことが明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味するように理解されるべきである。
【0037】
語句「及び/又は」は、本明細書及び請求項において使用されるとき、そのように結合されている要素の「いずれか又は双方」、すなわち、一部の場合には接続的に存在し、他の場合には離接的に存在する要素を意味するように理解されるべきである。「及び/又は」で列挙されている複数の要素は、同じ方式で、すなわち、そのように結合されている要素のうちの「1つ以上」として解釈されるべきである。「及び/又は」の節によって具体的に特定されている要素以外の他の要素は、具体的に特定されているそれらの要素に関連するか又は関連しないかにかかわらず、オプションとして存在してもよい。それゆえ、非限定例として、「A及び/又はB」への言及は、「含む(comprising)」等のオープンエンドの言語とともに使用される場合、一実施形態では、Aのみ(オプションとして、B以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみ(オプションとして、A以外の要素を含む)、更に別の実施形態では、A及びBの双方(オプションとして、他の要素を含む)などに言及することができる。
【0038】
本明細書及び請求項において使用されるとき、「又は」は、上記で定義されたような「及び/又は」と同じ意味を有するように理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分離する際、「又は」又は「及び/又は」は、包括的であるとして、すなわち、少なくとも1つを含むが、また、いくつかの要素又は要素のリストのうちの2つ以上を、オプションとして、列挙されていない追加項目も含むとして解釈されるものとする。その反対が明確に示される、「~のうちの1つのみ」若しくは「~のうちの厳密に1つ」、又は請求項で使用される場合の「~から成る」等の用語のみが、いくつかの要素又は要素のリストのうちの厳密に1つを含むことに言及する。一般に、用語「又は」は、本明細書で使用されるとき、「~のいずれか」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つのみ」、又は「~のうちの厳密に1つ」等の、排他性の用語に先行する場合にのみ、排他的選択肢(すなわち、「一方又は他方であるが、双方ではない」)を示すとして解釈されるものとする。「~から本質的に成る」は、請求項で使用される場合、特許法の分野で使用される際の、その通常の意味を有するものとする。
【0039】
本明細書及び請求項において使用されるとき、1つ以上の要素のリストを参照する語句「少なくとも1つ」は、その要素のリスト内の要素の任意の1つ以上から選択された、少なくとも1つを意味するが、必ずしも、その要素のリスト内で具体的に列挙されているそれぞれの要素のうちの、少なくとも1つを含むものではなく、その要素のリスト内の要素の、任意の組み合わせを排除するものではないことが理解されるべきである。この定義はまた、語句「少なくとも1つ」が言及する、その要素のリスト内で具体的に特定されている要素以外の要素が、具体的に特定されているそれらの要素に関連するか又は関連しないかにかかわらず、オプションとして存在してもよいことも可能にする。それゆえ、非限定例として、「A及びBのうちの少なくとも1つ」(又は、等価的に「A又はBのうちの少なくとも1つ」、又は、等価的に「A及び/又はBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、オプションとして2つ以上を含めた、少なくとも1つのAであり、Bは存在しないこと(及び、オプションとしてB以外の要素を含む)、別の実施形態では、オプションとして2つ以上を含めた、少なくとも1つのBであり、Aは存在しないこと(及び、オプションとしてA以外の要素を含む)、更に別の実施形態では、オプションとして2つ以上を含めた、少なくとも1つのA、及び、オプションとして2つ以上を含めた、少なくとも1つのB(及び、オプションとして他の要素も含む)などに言及することができる。
【0040】
また、そうではないことが明確に示されない限り、2つ以上のステップ又は行為を含む、本明細書で特許請求されるいずれの方法においても、その方法のステップ又は行為の順序は、必ずしも、その方法のステップ又は行為が列挙されている順序に限定されるものではないことも理解されるべきである。
【0041】
請求項並びに上記の明細書では、「備える(comprising)」、「含む(including)」、「運ぶ(carrying)」、「有する(having)」、「包含する(containing)」、「伴う(involving)」、「保持する(holding)」、「~で構成される(composed of)」等の全ての移行句は、オープンエンドであり、すなわち、含むが限定されないことを意味する点を理解されたい。米国特許庁の特許審査基準のセクション2111.03に記載されているように、移行句「~から成る」及び「~から本質的に成る」のみが、それぞれ、クローズド又は半クローズドの移行句であるものとする。
【0042】
請求項では、括弧内の参照符号は、例示的な実施形態の図面中の参照符号、又は実施形態の式を指すことにより、請求項の明瞭性を高めるものである。これらの参照符号は、請求項を制限するものとして解釈されるべきではない。