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  • 特許-正極およびこれを備える二次電池 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】正極およびこれを備える二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/1391 20100101AFI20240730BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H01M4/1391
H01M4/62 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022006595
(22)【出願日】2022-01-19
(65)【公開番号】P2023105638
(43)【公開日】2023-07-31
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100136423
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 浩治
(72)【発明者】
【氏名】細江 健斗
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-030447(JP,A)
【文献】特開2013-033702(JP,A)
【文献】特開2005-063825(JP,A)
【文献】特開2014-032758(JP,A)
【文献】特開2019-139893(JP,A)
【文献】国際公開第2020/040148(WO,A1)
【文献】特開2005-032712(JP,A)
【文献】特開平08-007881(JP,A)
【文献】特開平11-297313(JP,A)
【文献】特開2010-282979(JP,A)
【文献】国際公開第2019/082867(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/230714(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/241404(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/00-4/62
H01M 10/05-10/0587
H01M 10/36-10/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極活物質と、バインダと、溶媒としての水と、を含有する水系正極ペーストであって、
前記バインダは、ポリカルボン酸系バインダを含み、
前記正極活物質の平均粒子径(D50)に対する、水に分散させた際の前記ポリカルボン酸系バインダの平均粒子径(D50)の比が、0.33以下である、水系正極ペースト。
【請求項2】
水に分散させた際の前記ポリカルボン酸系バインダの平均粒子径(D50)が、0.1μm以上5.0μm以下である、請求項1に記載の水系正極ペースト
【請求項3】
前記ポリカルボン酸系バインダを構成するポリマーが、架橋性モノマー単位を含有する、請求項1または2に記載の水系正極ペースト
【請求項4】
リチウムイオン二次電池の正極の正極活物質層の作製に用いられる、請求項1~3のいずれか1項に記載の水系正極ペースト
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正極に関する。本発明はまた、当該正極を備える二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン二次電池等の二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
【0003】
典型的な二次電池の電極、特にリチウムイオン二次電池の電極は、一般的に、活物質を含有する活物質層が集電体に支持された構成を有する。この活物質層には、活物質粒子同士、および活物質粒子と集電体とを接合するためにバインダが用いられている。
【0004】
環境負荷の低減等を目的として、活物質層の形成に用いられる電極ペーストに、溶媒として水が使用される場合がある。溶媒として水を含む電極ペースト(すなわち水系電極ペースト)に適したバインダとしては、アクリル酸等の不飽和カルボン酸のポリマーであるポリカルボン酸系バインダが知られている。例えば、特許文献1には、電極のバインダとして高分子ポリカルボン酸を使用することにより、リチウムイオン二次電池のエネルギー密度、高温保存特性、およびサイクル駆動時の耐久性を向上できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2013/124950号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、高温保存特性として高温保存後の容量維持率が評価されている。一方で、電池が高温下で保存された際に、抵抗増加の抑制と、容量劣化の抑制とを両立させることは難しい。本発明者らが鋭意検討した結果、従来技術のポリカルボン酸系バインダを用いて正極を作製し、当該正極を用いて電池を構築した場合には、特許文献1に記載のように、電池が高温下で保存された際の容量劣化耐性は高くなるが、電池が高温下で保存された際の抵抗増加抑制に関しては不十分であるという問題があることを見出した。
【0007】
そこで本発明は、電池を高温下で保存した際の、容量劣化と抵抗増加の両方を抑制することができる正極を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここに開示される正極は、正極集電体と、前記正極集電体上に支持された正極活物質層と、を備える。前記正極活物質層は、正極活物質と、バインダと、を含有する。前記バインダは、ポリカルボン酸系バインダを含む。前記正極活物質の平均粒子径(D50)に対する、水に分散させた際の前記ポリカルボン酸系バインダの平均粒子径(D50)の比は、0.33以下である。このような構成によれば、電池を高温下で保存した際の、容量劣化と抵抗増加の両方を抑制可能な正極を提供することができる。
【0009】
ここで、水に分散させた際の前記ポリカルボン酸系バインダの平均粒子径(D50)が、0.1μm以上5.0μm以下であることがより有利である。
【0010】
ここで、前記ポリカルボン酸系バインダを構成するポリマーが、架橋性モノマー単位を含有することがより有利である。
【0011】
また、ここに開示される正極は、リチウムイオン二次電池の正極であることがより有利である。
【0012】
別の側面から、ここに開示される二次電池は、上記の正極と、負極と、非水電解液と、を備える。このような構成によれば、高温下で保存した際の、容量劣化と抵抗増加の両方を抑制可能な電池が提供することができる。
【0013】
ここで、前記非水電解液が、被膜形成剤として、B、P、またはSiが配位したオキサラト錯体を含有することがより有利である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る正極を模式的に示す断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る正極を用いたリチウムイオン二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。
図3図2のリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を説明する。なお、本明細書において言及していない事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
【0016】
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイスをいい、いわゆる蓄電池、および電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。また、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
【0017】
ここに開示される正極は、典型的には、二次電池に用いられ、好適にはリチウムイオン二次電池に用いられる。図1は、ここに開示される正極の一例の本実施形態に係る正極50を模式的に示す断面図であり、厚さ方向に垂直な断面図である。図1に示されている本実施形態に係る正極50は、リチウムイオン二次電池の正極である。
【0018】
図示されるように、正極50は、正極集電体52と、正極集電体52に支持された正極活物質層54と、を備える。言い換えると、正極50は、正極集電体52と、正極集電体52上に設けられた正極活物質層54とを備える。正極活物質層54は、正極集電体52の片面上のみに設けられていてもよいし、図示例のように、正極集電体52の両面上に設けられていてもよい。正極活物質層54は、正極集電体52の両面上に設けられていることが好ましい。
【0019】
図示例では、正極50の幅方向の一方の端部に、正極活物質層54が設けられていない正極活物質層非形成部分52aが設けられている。正極活物質層非形成部分52aでは、正極集電体52が露出しており、正極活物質層非形成部分52aは集電部として機能することができる。しかしながら、正極50から集電するための構成はこれに限られない。
【0020】
正極集電体52の形状は、図示例では、箔状(またはシート状)であるが、これに限定されない。正極集電体52は、棒状、板状、メッシュ状等の種々の形態であってよい。正極集電体52の材質としては、従来のリチウムイオン二次電池と同様に、導電性の良好な金属(例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)を用いることができ、なかでも、アルミニウムが好ましい。正極集電体52としては、アルミニウム箔が特に好ましい。
【0021】
正極集電体52の寸法は特に限定されず、電池設計に応じて適宜決定すればよい。正極集電体52としてアルミニウム箔を用いる場合には、その厚みは、特に限定されないが、例えば5μm以上35μm以下であり、好ましくは7μm以上20μm以下である。
【0022】
正極活物質層54は、正極活物質と、バインダと、を含有する。正極活物質としては、リチウムイオン二次電池に用いられる公知の組成の正極活物質を用いてよい。具体的に例えば、正極活物質として、リチウム複合酸化物、リチウム遷移金属リン酸化合物等を用いることができる。正極活物質の結晶構造は、特に限定されず、層状構造、スピネル構造、オリビン構造等であってよい。
【0023】
リチウム複合酸化物としては、遷移金属元素として、Ni、Co、Mnのうちの少なくとも1種を含むリチウム遷移金属複合酸化物が好ましく、その具体例としては、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム系複合酸化物、リチウム鉄ニッケルマンガン系複合酸化物等が挙げられる。これらの正極活物質は、1種単独で用いてよく、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
なお、本明細書において「リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物」とは、Li、Ni、Co、Mn、Oを構成元素とする酸化物の他に、それら以外の1種または2種以上の添加的な元素を含んだ酸化物をも包含する用語である。かかる添加的な元素の例としては、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Na、Fe、Zn、Sn等の遷移金属元素や典型金属元素等が挙げられる。また、添加的な元素は、B、C、Si、P等の半金属元素や、S、F、Cl、Br、I等の非金属元素であってもよい。このことは、上記したリチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム系複合酸化物、リチウム鉄ニッケルマンガン系複合酸化物等についても同様である。
【0025】
リチウム遷移金属リン酸化合物としては、例えば、リン酸鉄リチウム(LiFePO)、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)、リン酸マンガン鉄リチウム等が挙げられる。
【0026】
本実施形態では、正極活物質層54に含まれるバインダとして、ポリカルボン酸系バインダを使用する。本明細書において、「ポリカルボン酸系バインダ」とは、不飽和カルボン酸またはその塩をモノマー単位として含有するポリマー(以下、「ポリカルボン酸系ポリマー」ともいう)から構成されるバインダのことを指す。不飽和カルボン酸またはその塩の例としては、アクリル酸またはその塩、メタクリル酸またはその塩、マレイン酸またはその塩、フマル酸またはその塩などが挙げられ、アクリル酸またはその塩、およびメタクリル酸またはその塩が好ましく、アクリル酸またはその塩が好ましい。したがって、本実施形態においては、ポリカルボン酸系バインダは、好ましくはアクリル酸系バインダまたはメタクリル酸系バインダであり、より好ましくはアクリル酸系バインダである。また、塩に関しては、アルカリ金属塩(例、Li、Na、K等)が好ましい。
【0027】
ポリカルボン酸系ポリマーは、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。コポリマーである場合、不飽和カルボン酸またはその塩と共重合されるモノマーの例としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等が挙げられる。
【0028】
本実施形態においては、水に分散させた場合の平均粒子径(D50)が、正極活物質の平均粒子径(D50)に対して特定の関係を満たすポリカルボン酸系バインダが使用される。すなわち、本実施形態においては、正極活物質の平均粒子径(D50)に対する、水に分散させた際のポリカルボン酸系バインダの平均粒子径(D50)の比(D50/D50)が、0.33以下である。当該比(D50/D50)が、0.33以下であることにより、電池を高温下で保存した際の、容量劣化と抵抗増加の両方を抑制することができる。その理由は次のように考えられる。
【0029】
水系正極ペーストを用いて正極活物質層54を作製する場合、当該ペースト中に分散したポリカルボン酸系バインダは、当該ペーストの溶媒である水によって膨潤する。この膨潤によって、ポリカルボン酸系バインダが軟らかくなるため、ポリカルボン酸系バインダが正極活物質粒子同士を接合する際には、正極活物質粒子の表面上に広がる。ここで、ポリカルボン酸系バインダが、正極活物質粒子の表面上に過度に広がると、電池反応可能な正極活物質の表面積が小さくなり、反応抵抗の上昇を招く。上記比(D50/D50)が0.33以下であることにより、膨潤したポリカルボン酸系バインダの粒子径が、正極活物質粒子の粒子径よりも十分に小さくなり、電池反応可能な正極活物質の表面積を十分に確保することができる。また、上記比(D50/D50)が0.33以下であることにより、容量劣化を抑制することができる。これは、バインダ膜を通じたLiイオンの透過量が少なくなるため、正極活物質とバインダとの界面における非水電解液の分解量が減るためと考えられる。よって、上記比(D50/D50)が0.33以下であることにより、電池を高温下で保存した際の、容量劣化と抵抗増加の両方を抑制することができる。
【0030】
上記比(D50/D50)の下限は特に限定されないが、上記比(D50/D50)は、0.05以上、0.07以上、または0.10以上であり得る。
【0031】
正極活物質の平均粒子径(D50)は、上記比(D50/D50)の範囲を満たす限り特に限定されない。正極活物質の平均粒子径(D50)は、典型的には25μm以下であり、好ましくは1μm以上20μm以下であり、より好ましくは3μm以上15μm以下である。なお、正極活物質の平均粒子径(D50)は、レーザ回折散乱法により体積基準での正極活物質の粒度分布を測定し、当該粒度分布おいて累積度数が体積百分率で50%となる粒子径(D50)を求めることにより、得ることができる。
【0032】
水に分散させた際のポリカルボン酸系バインダの平均粒子径(D50B)は、上記比(D50/D50)を満たす限り特に限定されない。上記比(D50/D50)を小さくするには、水に分散させた際のポリカルボン酸系バインダの平均粒子径(D50B)を小さくすることが正極50の設計の容易さの観点から有利である。この観点から、ポリカルボン酸系バインダの当該平均粒子径(D50)は、好ましくは0.1μm以上であり、より好ましくは0.5μm以上であり、さらに好ましくは0.7μm以上であり、最も好ましくは1.0μm以上である。ポリカルボン酸系バインダの当該平均粒子径(D50)は、好ましくは5.0μm以下であり、より好ましくは4.5μm以下であり、さらに好ましくは4.0μm以下である。なお、本実施形態に係る正極50は、水に分散させた際のポリカルボン酸系バインダの平均粒子径(D50B)を用いて規定されているが、正極50において、ポリカルボン酸系バインダが、実際に水に分散していることを要求するものではない。
【0033】
水に分散させた際のポリカルボン酸系バインダの平均粒子径(D50B)は、架橋されたポリカルボン酸系バインダを用いることにより、効果的に小さくすることができる。また、架橋されたポリカルボン酸系バインダによれば、高温下での正極活物質とバインダとの界面における非水電解液の分解が特に起こり難くなる。したがって、ポリカルボン酸ポリマーは、架橋ポリマーであることが好ましい。言い換えると、ポリカルボン酸ポリマーは、架橋性モノマー単位を含有することが好ましい。架橋性モノマー単位は、例えば、2以上の重合性基を有するモノマー(すなわち、多官能性モノマー)の単位であり、具体例として、ジアクリレートモノマー単位、トリアクリレートモノマー単位などが挙げられる。水に分散させた際のポリカルボン酸系バインダの平均粒子径(D50B)を効果的に小さくする観点からは、ポリカルボン酸ポリマー中の架橋性モノマー単位の含有量は、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下である。
【0034】
水に分散させた際のポリカルボン酸系バインダの平均粒子径(D50B)は、次のようにして求めることができる。ポリカルボン酸系バインダを水に分散させ、水に十分に膨潤させたポリカルボン酸系バインダのサンプルを準備する。試料循環器を備え、レーザ回折・散乱法に基づく粒度分布測定装置を用意する。水溶媒を循環させながら、サンプルを装置に投入し、体積基準での粒度分布を測定し、体積基準の粒度分布における積算値50%での粒子径(D50)を平均粒子径(D50B)として求める。
【0035】
正極活物質層54中の正極活物質の含有量(すなわち、正極活物質層54の全質量に対する正極活物質の含有量)は、特に限定されないが、70質量%以上が好ましく、より好ましくは80質量%以上97質量%以下であり、さらに好ましくは85質量%以上96質量%以下である。
【0036】
正極活物質層54中のポリカルボン酸系バインダの含有量は、特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上15質量%以下であり、好ましくは1質量%以上10質量%以下、より好ましくは1.5質量%以上8質量%以下である。
【0037】
正極活物質層54は、正極活物質およびバインダ以外の成分を含有していてもよい。そのような成分としては、導電材、リン酸リチウム等が挙げられる。
【0038】
導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(グラファイト等)の炭素材料を使用し得る。正極活物質層54中の導電材の含有量は、特に限定されないが、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上15質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以上10質量%以下である。
【0039】
リン酸リチウムとしては、リン酸三リチウム(LiPO)などが挙げられる。リン酸リチウムの含有量は、特に限定されないが、リン酸リチウムは、正極活物質に対し、0.5質量%以上15質量%以下含有されることが好ましく、1質量%以上10質量%以下含有されることがより好ましい。
【0040】
正極活物質層54の片面当たりの厚みは、特に限定されないが、通常20μm以上であり、好ましくは50μm以上である。一方、当該厚みは、通常300μm以下であり、好ましくは200μm以下である。
【0041】
正極50は、例えば、次のようにして作製することができる。正極活物質と、バインダと、溶媒としての水と、任意成分と、を含有する水系電極ペーストを準備する工程、この水系電極ペーストを、集電体に塗布する工程、および塗布された水系電極ペーストを乾燥する工程を行う。活物質層の厚み、密度等の調整のために、乾燥によって形成された活物質層にプレス処理する工程をさらに行ってもよい。各工程の具体的な操作は、公知方法に従って行うことができる。
【0042】
なお、本明細書において、「ペースト」とは、活物質が固形分として分散した分散液のことを指し、よって「ペースト」は、「スラリー」、「インク」等を包含する。
【0043】
本実施形態に係る正極50を用いて電池を作製した場合には、高温下で保存した際に、容量劣化と抵抗増加の両方を抑制することができる。
【0044】
そこで、別の側面から、ここに開示される二次電池は、本実施形態に係る正極50と、負極と、非水電解液と、を備える。以下、リチウムイオン二次電池を例に挙げて、ここに開示される二次電池の実施形態を、図2および図3を参照しながら説明する。
【0045】
図2に示すリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解液(図示せず)とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型のリチウムイオン二次電池100である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36が設けられている。また、電池ケース30には、非水電解液を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
【0046】
捲回電極体20は、図2および図3に示すように、正極シート50と、負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。正極シート50は、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された構成を有する。負極シート60は、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成されている構成を有する。正極活物質層非形成部分52a(すなわち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)および負極活物質層非形成部分62a(すなわち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)は、捲回電極体20の捲回軸方向(すなわち、上記長手方向に直交するシート幅方向)の両端から外方にはみ出すように形成されている。正極活物質層非形成部分52aおよび負極活物質層非形成部分62aには、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
【0047】
正極シート50としては、上述の正極50が用いられている。
【0048】
負極シート60を構成する負極集電体62としては、リチウムイオン二次電池に用いられる公知の負極集電体を用いてよく、その例としては、導電性の良好な金属(例えば、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)製のシートまたは箔が挙げられる。負極集電体62としては、銅箔が好ましい。
【0049】
負極集電体62の寸法は特に限定されず、電池設計に応じて適宜決定すればよい。負極集電体62として銅箔を用いる場合には、その厚みは、特に限定されないが、例えば5μm以上35μm以下であり、好ましくは7μm以上20μm以下である。
【0050】
負極活物質層64は負極活物質を含有する。当該負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。黒鉛は、天然黒鉛であっても人造黒鉛であってもよく、黒鉛が非晶質な炭素材料で被覆された形態の非晶質炭素被覆黒鉛であってもよい。
【0051】
負極活物質の平均粒子径(D50)は、特に限定されず、従来のリチウムイオン二次電池において採用される平均粒子径と同程度であってよい。負極活物質の平均粒子径は、典型的には50μm以下であり、好ましくは1μm以上25μm以下であり、より好ましくは5μm以上20μm以下である。なお、負極活物質の平均粒子径(D50)は、正極活物質の平均粒子径(D50)と同じ方法により求めることができる。
【0052】
また、負極活物質のBET比表面積は、特に制限されず、通常1.5m/g以上であり、好ましくは2.5m/g以上である。一方、当該BET比表面積は、通常10m/g以下であり、好ましくは6m/g以下である。なお、本明細書において「BET比表面積」は、吸着質として窒素(N)ガスを用いたガス吸着法(定容量吸着法)によって測定されたガス吸着量を、BET法で解析した値をいう。
【0053】
負極活物質層64は、活物質以外の成分、例えばバインダや増粘剤等を含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリカルボン酸系バインダ等を使用し得る。ポリカルボン酸系バインダの例については、正極活物質層54に用いられるポリカルボン酸系バインダと同じである。より高い高温保存特性の観点から、負極活物質層64のバインダは、ポリカルボン酸系バインダであることが好ましい。
【0054】
負極活物質層64の増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。負極活物質層64のバインダが、ポリカルボン酸系バインダである場合には、増粘剤を用いなくてよい。
【0055】
負極活物質層中の負極活物質の含有量は、90質量%以上が好ましく、95質量%以上99質量%以下がより好ましい。負極活物質層中のバインダの含有量は、0.1質量%以上8質量%以下が好ましく、0.2質量%以上5質量%以下がより好ましい。負極活物質層中の増粘剤の含有量は、0.3質量%以上3質量%以下が好ましく、0.4質量%以上2質量%以下がより好ましい。
【0056】
負極活物質層64の片面当たりの厚みは、特に限定されないが、通常20μm以上であり、好ましくは50μm以上である。一方、当該厚みは、通常300μm以下であり、好ましくは200μm以下である。
【0057】
セパレータ70としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70の表面には、耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
【0058】
非水電解液は、典型的には、非水溶媒と支持塩とを含有する。非水溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。なかでも、カーボネート類が好ましく、その具体例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F-DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が挙げられる。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0059】
支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩(好ましくはLiPF)を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
【0060】
また、非水電解液は、被膜形成剤として、B、P、またはSiが配位したオキサラト錯体を含有していてもよい。非水電解液が当該オキサラト錯体を含有する場合には、電池の高温保存特性をさらに向上させることができる。当該オキサラト錯体の例としては、LiB(C、LiBF(C)、LiPF(C、LiPF(C)、(CHSi(C)、(CHCHSi(C)等が挙げられる。非水電解液中の当該オキサラト錯体の濃度としては、例えば、0.010mol/kg以上0.600mol/kg以下であり、好ましくは、0.020mol/kg以上0.050mol/kg以下である。
【0061】
なお、上記非水電解液は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した成分以外の成分、例えば、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;増粘剤;等の各種添加剤を含んでいてもよい。
【0062】
以上にように構成されるリチウムイオン二次電池100においては、高温下で保存した際の、容量劣化と抵抗増加が共に抑制されている。リチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。また、リチウムイオン二次電池100は、小型電力貯蔵装置等の蓄電池として使用することができる。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
【0063】
なお、一例として扁平形状の捲回電極体20を備える角形のリチウムイオン二次電池100について説明した。しかしながら、リチウムイオン二次電池は、積層型電極体(すなわち、複数の正極と、複数の負極とが交互に積層された電極体)を備えるリチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、リチウムイオン二次電池は、円筒形リチウムイオン二次電池、ラミネート型リチウムイオン二次電池等として構成することもできる。
【0064】
また本実施形態に係る正極50は、リチウムイオン二次電池の正極に適しているが、その他の電池の正極として使用することができ、その他の電池は、公知方法に従って構成することができる。
【0065】
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
【0066】
<実施例1~3および比較例1~3:リチウムニッケルコバルトマンガン系正極活物質>
表1に示す平均粒子径(D50)を有するLiNi1/3Co1/3Mn1/3(LNCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、表1に示す水に分散させた際の平均粒子径(D50)を有するポリカルボン酸系バインダとを、LNCM:AB:バインダ=89:8:3の質量比でイオン交換水と混合し、正極ペーストを調製した。このペーストを、長尺状のアルミニウム箔の両面に帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより正極シートを作製した。
【0067】
負極活物質としての天然黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンラバー(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、長尺状の銅箔の両面に帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより負極シートを作製した。
【0068】
また、セパレータとして、PP/PE/PPの三層構造の多孔質ポリオレフィンシートにHRLが設けられたものを用意した。上記で作製した正極シートと、負極シートと、2枚の上記用意したセパレータシートとを積層し、捲回した後、側面方向から押圧して拉げさせることによって扁平形状の捲回電極体を作製した。
【0069】
次に、捲回電極体に正極端子および負極端子を接続し、電解液注入口を有する角型の電池ケースに収容した。続いて、電池ケースの電解液注入口から非水電解液を注入し、当該注入口を気密に封止した。なお、非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=3:3:4の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.1mol/Lの濃度で溶解させ、さらにLiBOBを0.02mol/kgとなるように添加したものを用意した。その後、エージング処理を行って、各実施例および各比較例の評価用リチウムイオン二次電池を得た。
【0070】
<実施例4,5および比較例4,5:リン酸鉄リチウム系正極活物質>
表1に示す平均粒子径(D50)を有するLiFePO(LFP)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、表1に示す水に分散させた際の平均粒子径(D50)を有するポリカルボン酸系バインダとを、LFP:AB:バインダ=89:8:3の質量比でイオン交換水と混合し、正極ペーストを調製した。このペーストを、長尺状のアルミニウム箔の両面に帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより正極シートを作製した。
【0071】
この正極シートを用いた場合は、上記と同様にして、各実施例および各比較例の評価用リチウムイオン二次電池を得た。
【0072】
<実施例6および比較例6:リチウムニッケルコバルトアルミニウム系正極活物質>
表1に示す平均粒子径(D50)を有するLiNi0.8Co0.1Al0.1(NCA)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、表1に示す水に分散させた際の平均粒子径(D50)を有するポリカルボン酸系バインダとを、NCA:AB:バインダ=89:8:3の質量比でイオン交換水と混合し、正極ペーストを調製した。このペーストを、長尺状のアルミニウム箔の両面に帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより正極シートを作製した。
【0073】
この正極シートを用いた場合は、上記と同様にして、各実施例および各比較例の評価用リチウムイオン二次電池を得た。
【0074】
<水に分散させた際のポリカルボン酸系バインダの平均粒子径(D50)>
表1に示す水に分散させた際のポリカルボン酸系バインダの平均粒子径(D50)は、次のようにして測定した。ポリカルボン酸系バインダを水に分散させて、水に十分に膨潤させたバインダのサンプルを準備した。サンプルの準備は、ダマ(内部に水を含まないバインダ凝集物)が発生しないように、自転・公転ミキサー(シンキー社製「あわとり練太郎」)を用いて行った。レーザ回折・散乱式の粒度分布測定装置として、マイクロトラック・ベル社製の「マイクロトラックMT300IIシリーズ」を用意した。付属の試料循環器において水を循環させ、サンプルを装置に投入し、体積基準での粒度分布を測定し、体積基準の粒度分布における積算値50%での粒子径(D50)を平均粒子径(D50)として求めた。
【0075】
<高温保存試験-反応抵抗>
上記作製した各評価用リチウムイオン二次電池を3.7Vまで充電した後、-10℃にて周波数0.01Hz~100,000Hz、電圧振幅5mVの交流電圧を印加した状態でインピーダンス測定を行った。そして、得られたCole-Coleプロットの円弧の直径を初期の反応抵抗として測定した。
【0076】
各評価用リチウムイオン二次電池をSOC80%に調整した後、70℃の温度環境下40日間保存した。その後、上記と同じ方法で反応抵抗を測定した。抵抗増加率(%)=(高温保存後の反応抵抗/初期の反応抵抗)×100より、抵抗増加率を求めた。
【0077】
比較例1-1の抵抗増加率を100とした場合の、実施例1-1および比較例1-2の抵抗増加率の比を求めた。比較例2-1の抵抗増加率を100とした場合の、実施例2-1および実施例2-2の抵抗増加率の比を求めた。比較例3-1の抵抗増加率を100とした場合の、実施例3-1および実施例3-2の抵抗増加率の比を求めた。比較例4-1の抵抗増加率を100とした場合の、実施例4-1および比較例4-2の抵抗増加率の比を求めた。比較例5-1の抵抗増加率を100とした場合の、実施例5-1および比較例5-2の抵抗増加率の比を求めた。比較例6-1の抵抗増加率を100とした場合の、実施例6-1および実施例6-2の抵抗増加率の比を求めた。結果を表1に示す。
【0078】
<高温保存試験-容量維持率>
上記作製した各評価用リチウムイオン二次電池を、25℃の環境下においた。これを1/5Cの電流値で4.1Vまで定電流-定電圧充電(カット電流:1/50C)し、10分間休止した後、1/5Cの電流値で3.0Vまで定電流放電した。このときの放電容量を測定し、これを初期容量とした。
【0079】
各評価用リチウムイオン二次電池をSOC80%に調整した後、70℃の温度環境下40日間保存した。その後、上記と同じ方法で容量を測定した。容量維持率(%)=(高温保存後の容量/初期容量)×100より、容量維持率を求めた。
【0080】
比較例1-1の容量維持率を100とした場合の、実施例1-1および比較例1-2の容量維持率の比を求めた。比較例2-1の容量維持率を100とした場合の、実施例2-1および実施例2-2の容量維持率の比を求めた。比較例3-1の容量維持率を100とした場合の、実施例3-1および実施例3-2の容量維持率の比を求めた。比較例4-1の容量維持率を100とした場合の、実施例4-1および比較例4-2の容量維持率の比を求めた。比較例5-1の容量維持率を100とした場合の、実施例5-1および比較例5-2の容量維持率の比を求めた。比較例6-1の容量維持率を100とした場合の、実施例6-1および実施例6-2の容量維持率の比を求めた。結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
表1の結果より、正極活物質の平均粒子径(D50)に対する、水に分散させた際のポリカルボン酸系バインダの平均粒子径(D50)の比が、0.33以下である場合に、高い容量劣化耐性を維持しつつ、高温保存時における抵抗増加を抑制できることがわかる。特に、当該比が、0.33以下となった場合に、高温保存後の抵抗増加の抑制効果が急激に発揮されることがわかる。
【0083】
以上の結果より、ここに開示される正極によれば、電池を高温下で保存した際の、容量劣化の抑制と、抵抗増加の抑制とを両立できることがわかる。
【0084】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【符号の説明】
【0085】
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
100 リチウムイオン二次電池
図1
図2
図3