(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】プロペラファンおよび冷凍装置
(51)【国際特許分類】
F04D 29/32 20060101AFI20240730BHJP
F04D 29/16 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
F04D29/32 F
F04D29/32 E
F04D29/16
(21)【出願番号】P 2022032386
(22)【出願日】2022-03-03
【審査請求日】2022-03-03
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】P 2021040365
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石橋 知大
(72)【発明者】
【氏名】陳 作舟
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 明楠
(72)【発明者】
【氏名】丸山 要
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】長馬 望
【審判官】関口 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-233420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/32
F04D 29/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロペラファン(10)であって、
所定の回転軸(A)周りに回転する翼(14)と、
前記翼(14)の翼端(20)に接続されたリング(16)とを備え、
前記翼(14)の翼端(20)側には、当該翼(14)の回転半径方向における断面形状が正圧面(26)側に凸状に張り出す湾曲部(32)が設けられ、
前記湾曲部(32)において、前記翼(14)の回転半径方向における反り線(36)上の翼元(18)の位置からの前記回転軸(A)に沿う方向における前記正圧面(26)側への高さを軸方向高さ(H)とし、該軸方向高さ(H)が回転半径方向で最大となる位置を最大反り位置(X2)としたとき、該最大反り位置(X2)での前記軸方向高さ(H)は、前記翼(14)の後縁(24)側で最大であ
り、
前記回転軸(A)を通る翼断面における、前記翼(14)の翼元(18)から翼端(20)までの距離をRとし、前記翼(14)の翼元(18)から任意の位置までの距離をrとしたとき、前記最大反り位置(X2)は、0.6≦r/R≦0.8の範囲に位置する、プロペラファン。
【請求項2】
請求項
1に記載されたプロペラファンにおいて、
前記最大反り位置(X2)での前記軸方向高さ(H)は、前記翼(14)の前縁(22)から後縁(24)に向けて高くなる、プロペラファン。
【請求項3】
プロペラファンであって、
所定の回転軸(A)周りに回転する翼(14)と、
前記翼(14)の翼端(20)に接続されたリング(16)とを備え、
前記翼(14)の翼端(20)側には、当該翼(14)の回転半径方向における断面形状が正圧面(26)側に凸状に張り出す湾曲部(32)が設けられ、
前記翼(14)の回転半径方向において前記翼(14)と前記リング(16)とが前記翼(14)の負圧面(28)側になす角度(φ)は、前記翼(14)の後縁(24)側で最大とな
り、
前記湾曲部(32)において、前記翼(14)の回転半径方向における反り線(36)上の翼元(18)の位置からの前記回転軸(A)に沿う方向における前記正圧面(26)側への高さを軸方向高さ(H)とし、該軸方向高さ(H)が回転半径方向で最大となる位置を最大反り位置(X2)とし、前記回転軸(A)を通る翼断面における、前記翼(14)の翼元(18)から翼端(20)までの距離をRとし、前記翼(14)の翼元(18)から任意の位置までの距離をrとしたとき、前記最大反り位置(X2)は、0.6≦r/R≦0.8の範囲に位置する、プロペラファン。
【請求項4】
請求項
3に記載されたプロペラファンにおいて、
前記角度(φ)は、前記翼(14)の前縁(22)から後縁(24)に向けて大きくなる、プロペラファン。
【請求項5】
請求項
3または
4に記載されたプロペラファンにおいて、
前記翼(14)の後縁(24)側には、前記角度(φ)が130°以上である部分を含む、プロペラファン。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれか1項に記載されたプロペラファンにおいて、
前記翼(14)の後縁(24)には、セレーション(40)が設けられる、プロペラファン。
【請求項7】
冷凍装置であって、
請求項1~
6のいずれか1項に記載されたプロペラファン(10)を備える、冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プロペラファンおよび冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、冷凍装置などにおいて、空気流を生成するための送風機にプロペラファンが用いられている。プロペラファンとしては、複数の翼を囲むように設けられたリングを備えるリング付きのプロペラファンが知られている(例えば、特許文献1参照)。リング付きのプロペラファンでは、リングが各翼の翼端に接続され、各翼とリングとが共に回転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リング付きのプロペラファンでは、翼とリングとが接続された部分の負圧面側に形成される隅部において、境界層の影響により空気の流れが淀んだ死水域が顕著になる。また、当該プロペラファンにおいて、翼の正圧面に沿って流れた空気は、翼の後端に到達して正圧面から離れると、負圧面へと巻き込まれるような流れを形成して、後流渦と呼ばれる渦となる。後流渦は、翼の負圧面に形成される死水域が大きいほど発達して高エネルギーになる。この後流渦は、翼の前縁にぶつかると圧力損失を生じるため、プロペラファンの送風性能を低下させる。
【0005】
本開示の目的は、リング付きのプロペラファンの送風性能を向上させることになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、プロペラファン(10)を対象とする。第1の態様のプロペラファン(10)は、所定の回転軸(A)周りに回転する翼(14)と、前記翼(14)の翼端(20)に接続されたリング(16)とを備える。前記翼(14)の翼端(20)側には、当該翼(14)の回転半径方向における断面形状が正圧面(26)側に凸状に張り出す湾曲部(32)が設けられる。前記湾曲部(32)において、前記回転軸(A)に沿う方向における反り線(36)上の翼元(18)の位置からの高さを軸方向高さ(H)とし、該軸方向高さ(H)が回転半径方向で最大となる位置を最大反り位置(X2)としたとき、該最大反り位置(X2)での前記軸方向高さ(H)は、前記翼(14)の後縁(24)側で最大である。
【0007】
この第1の態様では、翼(14)の翼端(20)側に設けられた、回転半径方向における断面形状が正圧面(26)側に凸状に張り出す湾曲部(32)において、最大反り位置(X2)での軸方向高さ(H)が翼(14)の後縁(24)側で最大であるので、翼(14)とリング(16)とが接続された部分の負圧面(28)側の隅部(WC)に発生する死水域(DA)が小さくなる。この死水域(DA)が小さいほど、後流渦が発達にし難くなり低エネルギーとなる。これにより、後流渦が翼(14)の前縁(22)にぶつかることで生じるエネルギー損失を抑制し、プロペラファン(10)の送風性能を向上させることができる。
【0008】
本開示の第2の態様は、第1の態様のプロペラファン(10)において、前記回転軸(A)を通る翼断面における、前記翼(14)の翼元(18)から翼端(20)までの距離をRとし、前記翼(14)の翼元(18)から任意の位置までの距離をrとしたとき、前記最大反り位置(X2)が、0.6≦r/R≦0.8の範囲に位置する、プロペラファン(10)である。
【0009】
この第2の態様では、翼(14)の湾曲部(32)における最大反り位置(X2)が0.6≦r/R≦0.8の範囲に位置するので、翼(14)とリング(16)とが接続された部分の負圧面(28)側の隅部(WC)に発生する死水域(DA)を好適に小さくできる。このことは、後流渦の発生を抑制するのに有利である。
【0010】
本開示の第3の態様は、第1または第2の態様のプロペラファン(10)において、前記最大反り位置(X2)での前記軸方向高さ(H)が、前記翼(14)の前縁(22)から後縁(24)に向けて高くなる、プロペラファン(10)である。
【0011】
この第3の態様では、翼(14)の湾曲部(32)における最大反り位置(X2)での軸方向高さ(H)が翼(14)の前縁(22)から後縁(24)に向けて高くなるので、翼(14)とリング(16)とが接続された部分の負圧面(28)側の隅部(WC)に発生する死水域(DA)を前縁(22)から後縁(24)に向けて小さくできる。このことは、後流渦の発生を抑制するのに有利である。
【0012】
本開示の第4の態様は、プロペラファン(10)を対象とする。第4の態様のプロペラファン(10)は、所定の回転軸(A)周りに回転する翼(14)と、前記翼(14)の翼端(20)に接続されたリング(16)とを備える。第4の態様のプロペラファン(10)において、前記翼(14)の回転半径方向において前記翼(14)と前記リング(16)とが前記翼(14)の負圧面(28)側になす角度(φ)は、前記翼(14)の後縁(24)側で最大となる。
【0013】
この第4の態様では、翼(14)の回転半径方向において翼(14)とリング(16)とが翼(14)の負圧面(28)側になす角度(φ)が翼(14)の後縁(24)側で最大となるので、翼(14)とリング(16)とが接続された部分の負圧面(28)側の隅部(WC)に発生する死水域(DA)が小さくなる。この死水域(DA)が小さいほど、後流渦が発達にし難くなり低エネルギーとなる。これにより、後流渦が翼(14)の前縁(22)にぶつかることで生じるエネルギー損失を抑制し、プロペラファン(10)の送風性能を向上させることができる。
【0014】
本開示の第5の態様は、第4の態様のプロペラファン(10)において、前記角度(φ)が、前記翼(14)の前縁(22)から後縁(24)に向けて大きくなる、プロペラファン(10)である。
【0015】
この第5の態様では、翼(14)の回転半径方向において翼(14)とリング(16)とが翼(14)の負圧面(28)側になす角度(φ)が翼(14)の前縁(22)から後縁(24)に向けて大きくなるので、翼(14)とリング(16)とが接続された部分の負圧面(28)側の隅部(WC)に形成される死水域(DA)を前縁(22)から後縁(24)に向けて小さくできる。このことは、後流渦の発生を抑制するのに有利である。
【0016】
本開示の第6の態様は、第4または第5の態様のプロペラファン(10)において、前記翼(14)の後縁(24)側に、前記角度(φ)が130°以上である部分を含む、プロペラファン(10)である。
【0017】
この第6の態様では、翼(14)の回転半径方向において翼(14)とリング(16)とが翼(14)の負圧面(28)側になす角度(φ)が130°以上である部分を翼(14)の後縁(24)側に含むので、翼(14)とリング(16)とが接続された部分の負圧面(28)側の隅部(WC)に発生する死水域(DA)を好適に小さくできる。このことは、後流渦の発生を抑制するのに有利である。
【0018】
本開示の第7の態様は、第1~第6の態様のいずれか1つのプロペラファン(10)において、前記翼(14)の後縁(24)に、セレーション(40)が設けられる、プロペラファン(10)である。
【0019】
この第7の態様では、翼(14)の後縁(24)にセレーション(40)が設けられるので、プロペラファン(10)の回転に伴う翼(14)の風切り音を低減できる。
【0020】
本開示の第8の態様は、冷凍装置(1)を対象とする。第8の態様の冷凍装置(1)は、第1~第7の態様のいずれか1つのプロペラファン(10)を備える。
【0021】
この第8の態様では、第1~第7の態様のいずれか1つのプロペラファン(10)を備えるので、冷凍装置(1)において、プロペラファン(10)による送風量を確保しつつ省エネ化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、実施形態のチラー装置の概略構成を例示する斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のII-II線におけるチラー装置の要部を例示する断面図である。
【
図3】
図3は、実施形態のプロペラファンを例示する斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態のプロペラファンを例示する背面図である。
【
図5】
図5は、
図4のV-V線におけるプロペラファンの翼断面を例示する断面図である。
【
図6】
図6は、
図4のVI-VI線におけるプロペラファンの翼断面を例示する断面図である。
【
図7】
図7は、
図4のVII-VII線におけるプロペラファンの翼断面を例示する断面図である。
【
図8】
図8は、実施形態のプロペラファンの周方向における翼断面を例示する断面図である。
【
図9】
図9は、実施形態のプロペラファンにおける半径比と軸方向高さとの関係を例示するグラフである。
【
図10】
図10は、実施形態のプロペラファンにおける翼の前縁からの角度と第2最大反り位置での軸方向高さとの関係を例示するグラフである。
【
図11】
図11は、実施形態のプロペラファンにおける翼の回転軸を中心とした前縁からの角度と翼端隅部で翼とリングとがなす角度との関係を例示するグラフである。
【
図12】
図12は、実施形態のプロペラファンでの翼の負圧面側の流体シミュレーションの結果を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態のプロペラファンでの翼の正圧面側の流体シミュレーションの結果を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態のプロペラファンにおける風量と静圧との関係を例示するグラフである。
【
図15】
図15は、実施形態のプロペラファンにおける風量と静圧効率との関係を例示するグラフである。
【
図16】
図16は、第1変形例のプロペラファンを示す斜視図である。
【
図17】
図17は、第2変形例のプロペラファンを示す斜視図である。
【
図19】
図19は、比較例のプロペラファンでの翼の負圧面側の流体シミュレーションの結果を示す図である。
【
図20】
図20は、比較例のプロペラファンでの翼の正圧面側の流体シミュレーションの結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
《実施形態》
この実施形態のプロペラファン(10)は、送風装置(5)に使用される。送風装置(5)は、
図1に示すようなチラー装置(1)に設けられる。チラー装置(1)は、冷凍装置の一例である。チラー装置(1)は、4対の熱交換器(3a,3b)を備える。これら4対の熱交換器(3a,3b)は、水平方向に一列に配列される。各対の熱交換器(3a,3b)は、上方に向かって互いに離間し、側面視でV字状をなす。
【0025】
送風装置(5)は、各対の熱交換器(3a,3b)の上方に配置される。送風装置(5)は、上面パネル(6)と、プロペラファン(10)と、ファンモータ(不図示)と、送風グリル(11)とを備える。
【0026】
上面パネル(6)は、4対の熱交換器(3a,3b)を上方から覆う。上面パネル(6)には、
図2に示す送風口(7)が複数形成される。複数の送風口(7)は、熱交換器(3a,3b)の配列方向に4行、熱交換器(3a,3b)の配列方向に対して直角な方向に2列設けられる。熱交換器(3a,3b)の配列方向に対して直角な方向に並んだ2つの送風口(7)は、共通の1対の熱交換器(3a,3b)の上方に位置する。各送風口(7)は、上面パネル(6)と一体に設けられた円環筒状のベルマウス(8)によって構成される。
【0027】
ベルマウス(8)は、上面パネル(6)の送風口(7)の開口周縁から下方に向かって延びる。プロペラファン(10)は、ベルマウス(8)の内側に回転軸(A)を上下方向に向けた状態で設けられる。プロペラファン(10)は、ファンモータの駆動により回転して上方へ送風する。本例のプロペラファン(10)では、下側が上流側であり、上側が下流側である。送風グリル(11)は、上面パネル(6)においてプロペラファン(10)の下流側に設けられる。
【0028】
-プロペラファンの構成-
プロペラファン(10)は、合成樹脂製の軸流ファンである。プロペラファン(10)は、リング(16)付きのプロペラファン(10)である。
図3および
図4に示すように、プロペラファン(10)は、1つのハブ(12)と、4つの翼(14)と、1つのリング(16)とを備える。1つのハブ(12)と4つの翼(14)と1つのリング(16)とは、一体に形成される。プロペラファン(10)は、例えば射出成形によって成形される。なお、プロペラファン(10)は、金属製であってもよい。
【0029】
ハブ(12)は、円筒状に形成される。このハブ(12)は、プロペラファン(10)の回転軸部であって、プロペラファン(10)の中心に位置する。ハブ(12)の中心部分には、軸孔(13)が形成される。ハブ(12)には、図示しないファンモータの駆動軸が軸孔(13)を通して取り付けられる。ハブ(12)は、ファンモータが駆動すると、回転軸(A)を中心に回転する。ハブ(12)の中心軸は、プロペラファン(10)の回転軸(A)と一致する。
【0030】
4つの翼(14)は、ハブ(12)の周方向において互いに一定の角度間隔をあけて配置される。各翼(14)は、ハブ(12)の外周面から回転半径方向の外方へ延びる。4つの翼(14)は、ハブ(12)からプロペラファン(10)の回転半径方向における外側に向けて放射状に広がる。隣り合う翼(14)同士は、正面視または背面視で重なり合わない。各翼(14)は、回転半径方向および回転方向(D)に沿って滑らかに湾曲した板状に形成される。
【0031】
各翼(14)の形状は、互いに同じである。各翼(14)において、プロペラファン(10)の径方向における中心側の端、つまり回転軸(A)に垂直な方向(回転半径方向)における内側の端は、翼元(18)である、各翼(14)において、プロペラファン(10)の径方向における外周側の端、つまり回転軸(A)に垂直な方向(回転半径方向)における外側の端は、翼端(20)である。各翼(14)の翼元(18)および翼端(20)はそれぞれ、プロペラファン(10)の回転方向(D)に沿って延びる。
【0032】
各翼(14)の翼元(18)は、ハブ(12)に接続される。各翼(14)において、プロペラファン(10)の回転軸(A)から翼元(18)までの距離Riは、翼元(18)の全長に亘って実質的に一定である。また、各翼(14)の翼端(20)は、リング(16)に接続される。各翼(14)において、プロペラファン(10)の回転軸(A)から翼端(20)までの距離Roは、翼端(20)の全長に亘って実質的に一定である。
【0033】
各翼(14)において、翼端(20)の長さは、翼元(18)の長さよりも長い。プロペラファン(10)の回転方向(D)において、翼端(20)の前側の端は、翼元(18)の前側の端よりも前方に位置する。プロペラファン(10)の回転方向(D)において、翼端(20)の後側の端は、翼元(18)の後側の端よりも後方に位置する。各翼(14)において、回転方向(D)における前側の縁は、前縁(22)である。各翼(14)において、回転方向(D)における後側の縁は、後縁(24)である。
【0034】
各翼(14)の前縁(22)および後縁(24)はそれぞれ、ハブ(12)側からリング(16)側へ延びる。各翼(14)の前縁(22)は、翼(14)の回転方向(D)における後側に向かって凹むように湾曲する。各翼(14)の後縁(24)は、翼(14)の回転方向(D)における前側に向かって凹むように湾曲する。各翼(14)の前縁(22)および後縁(24)のうち翼元(18)側の両部分は、互いに略平行に延びる。各翼(14)の前縁(22)および後縁(24)のうち翼端(20)側の両部分は、翼端(20)側に向かって互いに離間するように延びる。
【0035】
各翼(14)は、プロペラファン(10)の回転軸(A)と直交する平面に対して交差するように傾く。各翼(14)の前縁(22)は、ハブ(12)の一端(
図3で上側に向く端)寄りに位置する。各翼(14)の後縁(24)は、ハブ(12)の他端(
図3で下側に向く端)寄りに位置する。各翼(14)において、回転方向(D)における前側の臨む面(
図3で下向きの面)が正圧面(26)であり、回転方向(D)における後側に臨む面(
図3で上向きの面)が負圧面(28)である。
【0036】
リング(16)は、複数の翼(14)を囲むように設けられる。リング(16)は、円環状に形成される。リング(16)の外周面は、ベルマウス(8)の内周面と対向する(
図2参照)。リング(16)の内周面は、4つの翼(14)における各翼端(20)に接続される。すなわち、4つの翼(14)の各翼端(20)は、リング(16)によって連結される。リング(16)は、プロペラファン(10)の側面視で、各翼(14)の前縁(22)から後縁(24)にかけての全体を覆う。リング(16)の両端部分はそれぞれ、プロペラファン(10)の外周側に反るように曲がる。
【0037】
プロペラファン(10)では、4つの翼(14)の回転に伴い、背面の吸込側(下側)から正面の送風側(上側)に向けて空気が流れる。こうしたプロペラファン(10)の回転により、送風装置(5)は送風を行う。プロペラファン(10)は、回転軸(A)を中心に回転すると、正圧面(26)で空気を押し出す。その際、翼(14)の正圧面(26)側では、空気を押し出すために圧力が上昇する一方、翼(14)の負圧面(28)側では、圧力が低下した状態になる。
【0038】
プロペラファン(10)の回転時において、翼(14)の正圧面(26)に沿って流れた空気は、翼(14)の後縁(24)や翼端(20)に到達して正圧面(26)から離れると、正圧面(26)から負圧面(28)へと巻き込まれるような流れを形成して渦となる。翼(14)の翼端(20)側で生じる渦は、翼端渦と呼ばれる。翼(14)の後縁(24)側で生じる渦は、後流渦と呼ばれる。これら翼端渦および後流渦はいずれも、エネルギー損失を招くため、送風性能を低下させる要因となる。
【0039】
プロペラファン(10)では、リング(16)が設けられることで、プロペラファン(10)によって押し出される空気が翼(14)の正圧面(26)側から負圧面(28)側に翼端(20)を回り込み難くなる。それにより、翼端渦の発生が抑制される。しかし、そうしたリング(16)付きのプロペラファン(10)では、翼(14)とリング(16)とが接続された部分の負圧面(28)側に形成される隅部(以下、翼端隅部と称する)(WC)において、境界層の影響により空気の流れが淀んだ死水域(DA)が発生する。本例のプロペラファン(10)では、当該死水域(DA)の発生を抑制するように各翼(14)の形状が工夫される。
【0040】
-翼の形状-
図5~
図7に示すように、各翼(14)は、第1湾曲部(30)と、第2湾曲部(32)とを有する。第1湾曲部(30)は、翼(14)の翼元(18)側、つまり回転半径方向における内側に設けられる。第1湾曲部(30)は、翼(14)の回転半径方向における断面形状が負圧面(28)側に凸状に張り出す。第2湾曲部(32)は、翼(14)の翼端(20)側、つまり回転半径方向における外側に設けられる。第2湾曲部(32)は、翼(14)の回転半径方向における断面形状が正圧面(26)側に凸状に張り出す。
【0041】
第1湾曲部(30)は、翼(14)の回転半径方向における中間位置よりも内側の部分のうち70%以上の部分、好ましくは80%以上の部分を構成する。第2湾曲部(32)は、翼(14)の回転半径方向における中間位置よりも外側の部分のうち70%以上の部分、好ましくは80%以上の部分を構成する。本例において、各翼(14)の回転半径方向における内側半分は、第1湾曲部(30)によって構成される。各翼(14)の回転半径方向における外側半分は、第2湾曲部(32)によって構成される。
【0042】
図8に示す翼断面は、プロペラファン(10)の回転軸(A)から距離Rnに位置する1つの翼(14)の断面、つまり回転軸(A)を中心とした円弧状の断面を平面に展開したものである。この
図8に示すように、各翼(14)は、負圧面(28)側に膨らむように反る。
図8に示す翼断面において、翼(14)の前縁(22)と後縁(24)とを結んだ線分は、翼弦(34)である。
【0043】
また、翼弦(34)がプロペラファン(10)の回転軸(A)と直交する平面となす角度は、取付け角(α)である。各翼(14)において、取付け角(α)は、半径比(r/R)に応じて変化する。半径比(r/R)は、回転軸(A)を通る翼断面(翼(10)の回転半径方向)における、翼(14)の翼元(18)から翼端(20)までの距離をR(Ro-Ri)とし、翼(14)の翼元(18)から任意の位置までの距離をr(Rn-Ri)としたときの、前者に対する後者の比(r/R)である。半径比(r/R)は、翼(14)の回転半径方向における翼元(18)からの位置を示す。
【0044】
翼弦(34)の長さは翼弦長(c)である。翼弦長(c)は、半径がRnで中心角がθの円弧の長さ(Rnθ)を、取付け角(α)に対する余弦(cosα)で除した値(c=Rnθ/cosα)である。なお、θは、プロペラファン(10)の回転軸(A)から距離Rnの位置における翼(14)の中心角であり(
図4参照)、その単位はラジアンである。
【0045】
〈翼弦長〉
図8に示すように、各翼(14)において、翼弦長(c)は、半径比(r/R)に応じて変化する。翼弦長(c)は、第1湾曲部(30)で略一定である。ここで、翼弦長(c)が「略一定」であるとは、翼弦長(c)の変化幅が翼元(18)での翼弦長(c)に対して±10%以内の長さであることを意味する。第1湾曲部(30)での翼弦長(c)の変化幅は、翼元(18)での翼弦長(c)に対して±5%以内の長さであることが好ましい。翼弦長(c)は、第2湾曲部(32)で翼端(20)に向かって次第に増大する。第2湾曲部(32)の翼弦長(c)についての回転半径方向における単位長さ当たりの変化幅は、翼端(20)に向かうほど大きくなる。各翼(14)の翼弦長(c)は、第2湾曲部(32)の中途部では極大とならず、翼端(20)で最大となる。
【0046】
〈最大反り位置高さ、軸方向高さ〉
図5~
図7に示す翼断面において、正圧面(26)と負圧面(28)との中点を結んだ線は、反り線(36)である。各翼(14)において、回転軸(A)に沿う方向における反り線(36)上の翼元(18)の位置からの高さは、軸方向高さ(H)である。各翼(14)の第1湾曲部(30)での軸方向高さ(H)は、
負圧面(28)側への高さである。各翼(14)の第2湾曲部(32)での軸方向高さ(H)は、
正圧面(26)側への高さである。
【0047】
図9に示すグラフでは、
図5の翼断面における軸方向高さ(H)のプロファイルを破線で示し、
図6の翼断面における軸方向高さ(H)のプロファイルを一点鎖線で示し、
図7の翼断面における軸方向高さ(H)のプロファイルを実線で示す。
図5~
図8に示すように、各翼(14)の軸方向高さ(H)は、翼元(18)から翼端(20)にかけてのいずれの断面形状においても、回転半径方向における全長に亘り滑らかに変化する。
【0048】
第1湾曲部(30)において、軸方向高さ(H)が回転半径方向で最大となる位置は、第1最大反り位置(X1)である。本例のプロペラファン(10)において、第1最大反り位置(X1)は、翼(14)の前縁(22)から後縁(24)に向かうほど翼元(18)側に寄る。そして、第1最大反り位置(X1)での軸方向高さ(H)は、翼(14)の前縁(22)側で最大となる。具体的には、第1最大反り位置(X1)での軸方向高さ(H)は、翼(14)の前縁(22)から後縁(24)に向けて低くなり、翼(14)の後縁(24)で最小となる。第1最大反り位置(X1)での軸方向高さ(H)は、第1湾曲部(30)の翼弦(34)に沿う方向における全幅に亘って略一定でもよい。
【0049】
第2湾曲部(32)において、軸方向高さ(H)が回転半径方向で最大となる位置は、第2最大反り位置(X2)である。本例のプロペラファン(10)において、第2最大反り位置(X2)は、その位置を半径比(r/R)で示すと、0.6≦r/R≦0.8の範囲に位置する。第2最大反り位置(X2)は、第2湾曲部(32)の翼弦(34)に沿う方向における全幅に亘って略一定である。そして、第2最大反り位置(X2)での軸方向高さ(H)は、翼(14)の後縁(24)側で最大である。具体的には、
図10に示すように、第2最大反り位置(X2)での軸方向高さ(H)は、翼(14)の前縁(22)から後縁(24)に向けて高くなり、翼(14)の後縁(24)で最大となる。
【0050】
翼(14)の回転半径方向において、翼(14)とリング(16)とは、翼(14)の負圧面(28)側に翼端隅部(WC)を形成する。この翼端隅部(WC)で翼(14)とリング(16)とがなす角度(以下、翼端隅部(WC)の角度と称する)(φ)は、当該翼(14)の第2最大反り位置(X2)での軸方向高さ(H)に応じて変化する。すなわち、各翼(14)において、第2最大反り位置(X
2)での軸方向高さ(H)が大きいほど、翼端隅部(WC)の角度(φ)が大きくなる。翼端隅部(WC)の角度(φ)は、翼(14)の後縁(24)側で最大となる。具体的には、
図11に示すように、翼端隅部(WC)の角度(φ)は、翼(14)の前縁(22)から後縁(24)に向けて大きくなり、翼(14)の後縁(24)で最大となる。翼(14)の後縁(24)側には、翼端隅部(WC)の角度(φ)が130°以上である部分を含む。
【0051】
-プロペラファンの性能-
図19および
図20では、比較例のプロペラファン(100)の流体シミュレーションの結果を、乱流運動エネルギー(風速の大きさ)の等値面をグレースケールで色付けして示す。この流体シミュレーションでの風量は、大風量側の280m
3/minである。比較例のプロペラファン(100)は、各翼(14)の回転半径方向における断面形状に湾曲のないファンである。
図19に示すように、比較例のプロペラファン(100)では、翼(14)の負圧面(28)側において翼端隅部(WC)に死水域(DA)(二点鎖線で囲む領域)が発生し、その死水域(DA)が翼(14)の前縁(22)から後縁(24)に向かって比較的広い範囲に広がり、翼端隅部(WC)での風速が前縁(22)から後縁(24)にかけての広い範囲で低いことが分かる。また、
図20に示すように、比較例のプロペラファン(100)では、翼(14)の正圧面(26)側において翼(14)の前縁(22)を起点とした高乱流運動エネルギーの領域(TA)(二点鎖線で囲む領域)が比較的大きく、後流渦によるエネルギー損失が多いことが分かる。
【0052】
図12および
図13では、本例のプロペラファン(10)の流体シミュレーションの結果を、乱流運動エネルギー(風速の大きさ)の等値面をグレースケールで色付けして示す。この流体シミュレーションでの風量は、大風量側の280m
3/minである。
図12に示すように、本例のプロペラファン(10)では、翼(14)の負圧面(28)側において翼端隅部(WC)の前縁(22)側に死水域(DA)(二点鎖線で囲む領域)が発生しているものの、その死水域(DA)の範囲は比較的狭く、翼端隅部(WC)での風速が増大することが分かる。また、
図13に示すように、本例のプロペラファン(10)では、翼(14)の正圧面(26)側において翼(14)の前縁(22)を起点とした高乱流運動エネルギーの領域(TA)(二点鎖線で囲む領域)が比較的小さく、後流渦によるエネルギー損失が少ないことが分かる。
【0053】
図14では、本例のプロペラファン(10)を用いた送風装置の風量-静圧特性(P-Q曲線)を実線で示し、比較例のプロペラファン(100)を用いた送風装置の風量-静圧特定(P-Q曲線)を破線で示す。比較例のプロペラファン(100)は、上記と同様に各翼(14)の回転半径方向における断面形状に湾曲のないファンである。
図11に示すように、本例のプロペラファン(10)を用いた送風装置(5)は、同一風量での静圧と同一静圧での風量との両方が、比較例のプロペラファン(100)を用いた送風装置と比べて、グラフの全領域において大きくなる。
【0054】
図15では、本例のプロペラファン(10)を用いた送風装置の風量と静圧効率との関係を実線で示し、比較例のプロペラファン(100)を用いた送風装置の風量と静圧効率との関係を破線で示す。比較例のプロペラファン(100)は、上記と同様に各翼(14)の回転半径方向における断面形状に湾曲のないファンである。
図12に示すように、本例のプロペラファン(10)を用いた送風装置は、同一風量に対する静圧効率が、比較例のプロペラファン(100)を用いた送風装置と比べて、グラフの全領域、特に大風量側において高められる。
【0055】
-実施形態の特徴-
この実施形態のプロペラファン(10)によると、翼(14)の翼端(20)側に設けられた、回転半径方向における断面形状が正圧面(26)側に凸状に張り出す第2湾曲部(32)において、第2最大反り位置(X2)での軸方向高さ(H)が翼(14)の後縁(24)側で最大であるので、翼端隅部(WC)に発生する死水域(DA)が小さくなる。この死水域(DA)が小さいほど、後流渦が発達にし難くなり低エネルギーとなる。これにより、後流渦が翼(14)の前縁(22)にぶつかることで生じるエネルギー損失を抑制し、プロペラファン(10)の送風性能を向上させることができる。
【0056】
この実施形態のプロペラファン(10)によると、翼(14)の第2湾曲部(32)における第2最大反り位置(X2)が0.6≦r/R≦0.8の範囲に位置するので、翼端隅部(WC)に発生する死水域(DA)を好適に小さくできる。このことは、後流渦の発生を抑制するのに有利である。
【0057】
この実施形態のプロペラファン(10)によると、翼(14)の第2湾曲部(32)における第2最大反り位置(X2)での軸方向高さ(H)が翼(14)の前縁(22)から後縁(24)に向けて高くなるので、翼端隅部(WC)に発生する死水域(DA)を翼(14)の前縁(22)から後縁(24)に向けて小さくできる。このことは、後流渦の発生を抑制するのに有利である。
【0058】
この実施形態のプロペラファン(10)によると、翼(14)の回転半径方向において翼(14)とリング(16)とが翼端隅部(WC)でなす角度(φ)が翼(14)の後縁(24)側で最大となるので、翼端隅部(WC)に発生する死水域(DA)が小さくなる。この死水域(DA)が小さいほど、後流渦が発達にし難くなり低エネルギーとなる。これにより、後流渦が翼(14)の前縁(22)にぶつかることで生じるエネルギー損失を抑制し、プロペラファン(10)の送風性能を向上させることができる。
【0059】
この実施形態のプロペラファン(10)によると、翼(14)の回転半径方向において翼(14)とリング(16)とが翼端隅部(WC)でなす角度(φ)が翼(14)の前縁(22)から後縁(24)に向けて大きくなるので、翼端隅部(WC)に発生する死水域(DA)を前縁(22)から後縁(24)に向けて小さくできる。このことは、後流渦の発生を抑制するのに有利である。
【0060】
この実施形態のプロペラファン(10)によると、翼(14)の回転半径方向において翼(14)とリング(16)とが翼端隅部(WC)でなす角度(φ)が130°以上である部分を翼(14)の後縁(24)側に含むので、翼端隅部(WC)に発生する死水域(DA)を好適に小さくできる。このことは、後流渦の発生を抑制するのに有利である。
【0061】
この実施形態のチラー装置(1)によると、送風性能が向上したプロペラファン(10)を備えるので、プロペラファン(10)による送風量を確保しつつ省エネ化を実現できる。
【0062】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0063】
-第1変形例-
図16に示すように、プロペラファン(10)は、5つの翼(14)を備えてもよい。プロペラファン(10)が備える翼(14)は、3つ以下であってもよく、6つ以上であってもよい。また、プロペラファン(10)において、隣り合う翼(14)同士は、正面視または背面視で部分的に重なり合ってもよい。
【0064】
-第2変形例-
図17に示すように、プロペラファン(10)において、各翼(14)の後縁(24)には、セレーション(40)が設けられてもよい。セレーション(40)は、例えば鋸刃状に形成される。セレーション(40)は、各翼(14)の後縁(24)の略全体に亘って設けられる。セレーション(40)は、各翼(14)の後縁(24)の翼端(20)側のみなど、一部のみに設けられてもよい。
【0065】
この第2変形例のプロペラファン(10)によると、各翼(14)の後縁(24)にセレーション(40)が設けられるので、セレーション(40)によって翼(14)の負圧面(28)側を流れる空気の乱れが抑えられる。それにより、プロペラファン(10)の回転に伴う翼の風切り音を低減できる。さらには、プロペラファン(10)の送風効率を高めることも期待できる。
【0066】
-第3変形例-
図18に示すように、チラー装置(1)において、ベルマウス(8)は、プロペラファン(10)の送風方向における下流側(本例では上側)のみに設けられてもよい。すなわち、ベルマウス(8)は、プロペラファン(10)の外周側(厳密にはリング(16)の外側)に延びていなくてもよい。本例のベルマウス(8)は、リング(16)の下流端の付近に位置する。本例のベルマウス(8)は、プロペラファン(10)の送風方向における上流側から下流側に向かって広がるテーパー状に形成される。
【0067】
-その他の変形例-
プロペラファン(10)において、各翼(14)の回転半径方向における内側の部分(第1湾曲部(30)に相当する部分)は、回転半径方向における断面形状が略平坦な板状など、正圧面(26)側に張り出す凸状以外の形状に形成されてもよい。プロペラファン(10)は、チラー装置(1)のみならず、空気調和装置や換気装置など、送風を必要とする他の様々な装置に使用することが可能である。
【0068】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
以上説明したように、本開示は、プロペラファンおよび冷凍装置について有用である。
【符号の説明】
【0070】
A 回転軸
c 翼弦長
D 回転方向
H 軸方向高さ
WC 翼端隅部
X1 第1最大反り位置
X2 第2最大反り位置(最大反り位置)
1 チラー装置(冷凍装置)
3a 熱交換器
3b 熱交換器
5 送風装置
6 上面パネル
7 送風口
8 ベルマウス
10 プロペラファン
11 送風グリル
12 ハブ
13 軸孔
14 翼
16 リング
18 翼元
20 翼端
22 前縁
24 後縁
26 正圧面
28 負圧面
30 第1湾曲部
32 第2湾曲部
34 翼弦
36 反り線
40 セレーション