(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】B型肝炎ウイルスを検出または定量化するための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/6888 20180101AFI20240730BHJP
C12Q 1/6844 20180101ALI20240730BHJP
C12Q 1/6851 20180101ALI20240730BHJP
【FI】
C12Q1/6888 Z ZNA
C12Q1/6844 Z
C12Q1/6851 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022061765
(22)【出願日】2022-04-01
(62)【分割の表示】P 2019527192の分割
【原出願日】2017-11-17
【審査請求日】2022-04-01
(32)【優先日】2016-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500169900
【氏名又は名称】ジェン-プローブ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】クイ ガオ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー エム. リネン
【審査官】小倉 梢
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-517804(JP,A)
【文献】特開2011-019528(JP,A)
【文献】特表2005-505289(JP,A)
【文献】特表2005-529614(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12Q 1/00 - 1/70
C12N 15/00 - 15/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1、第2、第3、および第4の増幅オリゴマーを含む組成物またはキットであって、
前記第1の増幅オリゴマーは、配列番号2を含む配列を含み;
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号20、21または22のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;
前記第3の増幅オリゴマーは、配列番号41の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号34または35のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;
前記第1、第2、第3および第4の増幅オリゴマーの前記標的ハイブリダイズ配列は各々、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも14個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む、
組成物またはキット。
【請求項2】
少なくとも第1、第2、第3、および第4の増幅オリゴマーを含む組成物またはキットであって、
前記第1の増幅オリゴマーは、配列番号2または3のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号20、21または22のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;
前記第3の増幅オリゴマーは、配列番号41の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号35の30位におけるイノシンを含む配列番号35の少なくとも10個の連続したヌクレオチド、および、HBVの遺伝子型、亜型または単離体のB型肝炎ウイルス配列の少なくとも14個の連続したヌクレオチドを含み;
前記第1、第2、第3および第4の増幅オリゴマーの前記標的ハイブリダイズ配列は各々、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも14個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む、
組成物またはキット。
【請求項3】
少なくとも第1、第2、第3、および第4の増幅オリゴマーを含む組成物またはキットであって、
前記第1の増幅オリゴマーは、配列番号2または3のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号20、21または22のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;
前記第3の増幅オリゴマーは、配列番号41の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号34または35のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;
前記第1、第2、第3および第4の増幅オリゴマーの前記標的ハイブリダイズ配列は各々、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも14個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含み、
前記組成物またはキットはさらに、前記第1および第2の増幅オリゴマーから産生されたアンプリコンに特異的にハイブリダイズするように構成された少なくとも1つのプローブオリゴマーを含み、前記プローブオリゴマーが、配列番号29の配列を含み、配列番号29の前記配列が、配列番号29のヌクレオチド33と34の間にc9リンカーを含む、組成物またはキット。
【請求項4】
試料中のB型肝炎ウイルスを検出する方法であって、
前記試料を、少なくとも第1、第2、第3、および第4の増幅オリゴマーと接触させ、それにより組成物を形成することと、
B型肝炎ウイルス核酸の存在下で少なくとも第1および第2のアンプリコンを産生する核酸増幅反応を、前記組成物中で実施することと、
前記第1および第2のアンプリコンを定量化することと、
を含み、
前記第1のアンプリコンは、前記B型肝炎ウイルス核酸の存在下で前記第1および第2の増幅オリゴマーの伸長を通して産生され;
前記第2のアンプリコンは、前記B型肝炎ウイルス核酸の存在下で前記第3および第4の増幅オリゴマーの伸長を通して産生され;
前記第1の増幅オリゴマーは、配列番号2または3のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号20、21または22のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;
前記第3の増幅オリゴマーは、配列番号41の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号34または35のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;
前記第1、第2、第3および第4の増幅オリゴマーの前記標的ハイブリダイズ配列は各々、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも14個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む、
方法。
【請求項5】
前記核酸増幅反応が等温である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記核酸増幅反応が、転写媒介増幅である、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
B型肝炎ウイルス核酸の存在下で少なくとも第1および第2のアンプリコンを産生する前記核酸増幅を実施する前に、少なくとも1つの増幅オリゴマーが伸長される線形増幅を実施することをさらに含む、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
B型肝炎ウイルス核酸の存在下で少なくとも第1および第2のアンプリコンを産生する前記核酸増幅が、指数関数的増幅反応である、請求項4~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1、第2、第3および第4の増幅オリゴマーのうちの1つ以上が、プロモーター-プライマーであり;および/または
前記第2の増幅オリゴマーがプロモーター-プライマーであり;および/または
前記第4の増幅オリゴマーがプロモーター-プライマーである、
請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物、またはキット。
【請求項10】
前記プロモーター-プライマーのうちの1つ以上が、前記標的ハイブリダイズ配列の5’に位置するT7プロモーターを含み、および/または
1つ以上のプロモーター-プライマーが、配列番号8、9、10、11、12または13の配列を含む、
請求項9に記載の組成物、またはキット。
【請求項11】
前記第1、第2、第3および第4の増幅オリゴマーのうちの1つ以上は、非ヌクレオチド検出可能標識を含み;および/または
前記第1の増幅オリゴマーは、配列番号4、5、6、または7のうちの少なくとも1、2、または3つを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;および/または
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号23、24、25、26、27、および28のうちの少なくとも1、2、3、4または5つを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;および/または
前記第3の増幅オリゴマーは、配列番号42、43、および44のうちの少なくとも1、2、または3つを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;および/または
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号36、37、38、および39のうちの少なくとも1、2、または3つを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;および/または
前記第1の増幅オリゴマーは、配列番号3の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の連続したヌクレオチドを含み;および/または前記第1の増幅オリゴマーは、配列番号3の配列を含み;および/または
前記第1の増幅オリゴマーは、配列番号2の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22個の連続したヌクレオチドを含む、
請求項1~3および9~10のいずれか一項に記載の組成物、またはキット。
【請求項12】
前記第1の増幅オリゴマーは、配列番号2の配列を含み;および/または
前記組成物またはキットは、配列番号3の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の連続したヌクレオチドを含む、前記第1の増幅オリゴマーとは異なるさらなる増幅オリゴマーをさらに含む、
請求項1~3および9~11のいずれか一項に記載の組成物、またはキット。
【請求項13】
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号21の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21個の連続したヌクレオチドを含み;および/または
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号21の配列を含み;および/または
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号14の配列を含み;および/または
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号22の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、または26個の連続したヌクレオチドを含み;および/または
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号22の配列を含み;および/または
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号15の配列を含み;および/または
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号20の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28個の連続したヌクレオチドを含み;および/または
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号20の配列を含み;および/または
前記第3の増幅オリゴマーは、配列番号41の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、または19個の連続したヌクレオチドを含み;および/または
前記第3の増幅オリゴマーは、配列番号41の配列を含み;および/または
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号35の30位におけるイノシンを含む配列番号35の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含み;および/または
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号34の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18,19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28個の連続したヌクレオチドを含み;および/または
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号34の配列を含み;および/または
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号30の配列を含み;および/または
前記組成物またはキットはさらに、配列番号69の配列の少なくと
も10
個の連続したヌクレオチド、および、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも14個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む第5の増幅オリゴマーを含む、
請求項1~3および9~12のいずれか一項に記載の組成物、またはキット。
【請求項14】
前記組成物またはキットはさらに、配列番号73の配列の少なくと
も10
個の連続したヌクレオチド、および、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも14個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む第6の増幅オリゴマーを含む、
請求項1~3および9~13のいずれか一項に記載の組成物、またはキット。
【請求項15】
前記第6の増幅オリゴマーは、配列番号73の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、または19個の連続したヌクレオチドを含み;および/または
前記第6の増幅オリゴマーは、配列番号73の配列を含み;および/または
前記組成物はさらに、HBV核酸を含み;および/または
前記組成物またはキットはさらに、少なくとも1つのDNAポリメラーゼを含み;および/または
前記DNAポリメラーゼは、逆転写酵素である、
請求項1~3および9~14のいずれか一項に記載の組成物、またはキット。
【請求項16】
前記組成物またはキットはさらに、RNAポリメラーゼを含む、
請求項1~3および9~15のいずれか一項に記載の組成物、またはキット。
【請求項17】
前記組成物またはキットはさらに、Mg2+、緩衝液、およびdNTPのうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、またはそれらの各々を含み;および/または
前記組成物またはキットはさらに、rNTPを含む、
請求項1~3および9~16のいずれか一項に記載の組成物、またはキット。
【請求項18】
前記組成物またはキットはさらに、HBVに特異的にハイブリダイズしない第1の対照増幅オリゴマーおよび第2の対照増幅オリゴマーを含む、
請求項1~3および9~17のいずれか一項に記載の組成物、またはキット。
【請求項19】
前記第2の対照増幅オリゴマーは、配列番号86の配列の少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22個の連続したヌクレオチドを含み;および/または
前記第1の対照増幅オリゴマーまたは前記第2の対照増幅オリゴマーは、プロモーター-プライマーであり;および/または
前記組成物またはキットはさらに、前記第1および第2の対照増幅オリゴマーから産生されたアンプリコンに特異的にハイブリダイズするように構成された少なくとも1つの対照プローブオリゴマーを含む、
請求項18に記載の組成物、またはキット。
【請求項20】
前記組成物またはキットはさらに、前記第1および第2の増幅オリゴマーから産生されたアンプリコンに特異的にハイブリダイズするように構成された少なくとも1つのプローブオリゴマーを含む、
請求項1~3および9~19のいずれか一項に記載の組成物、またはキット。
【請求項21】
前記プローブオリゴマーは、配列番号29の配列を含み、配列番号29の前記配列が、配列番号29のヌクレオチド33と34の間にc9リンカーを含む、請求項20に記載の組成物、またはキット。
【請求項22】
前記プローブオリゴマーはさらに、非ヌクレオチド検出可能標識を含む、請求項3および20~21のいずれか一項に記載の組成物、またはキット。
【請求項23】
前記プローブオリゴマーはさらに、蛍光標識を含む、請求項22に記載の組成物、またはキット。
【請求項24】
前記プローブオリゴマーはさらに、消光剤を含み、前記消光剤が、前記プローブが標的核酸にアニーリングされているときよりも、前記プローブが遊離しているときにより大きい程度まで蛍光を吸収する、請求項2
3に記載の組成物、またはキット。
【請求項25】
前記蛍光標識が前記プローブオリゴマーの5’末端に付着し、かつ、前記消光剤が前記プローブオリゴマーの3’末端に付着するか、または、前記蛍光標識が前記プローブオリゴマーの3’末端に付着し、かつ、前記消光剤が前記プローブオリゴマーの5’末端に付着する、請求項2
4に記載の組成物、またはキット。
【請求項26】
前記プローブオリゴマーは、その5’末端に第1の自己相補領域を、そして、その3’末端に第2の自己相補領域を含む、請求項3および20~25のいずれか一項に記載の組成物、またはキット。
【請求項27】
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号35の30位におけるイノシンを含む配列番号35の少なくとも10個の連続したヌクレオチド、および、HBV配列の少なくとも14個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ領域を含む、請求項1~3および9~26のいずれか一項に記載の組成物、またはキット。
【請求項28】
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号35の30位におけるイノシンを含む配列番号35の少なくとも14個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ領域を含む、請求項1~3および9~27のいずれか一項に記載の組成物、またはキット。
【請求項29】
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号35の30位におけるイノシンを含む配列番号35の少なくとも18個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ領域を含む、請求項1~3および9~28のいずれか一項に記載の組成物、またはキット。
【請求項30】
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号35の配列を含む標的ハイブリダイズ領域を含む、請求項1~3および9~29のいずれか一項に記載の組成物、またはキット。
【請求項31】
1、2、3、4つ、またはそれ以上の標的ハイブリダイズ配列が、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む、請求項1~3および9~30のいずれか一項に記載の組成物、またはキット。
【請求項32】
前記第1、第2、第3および第4の増幅オリゴマーのうちの1つ以上が、プロモーター-プライマーであり;および/または
前記第2の増幅オリゴマーがプロモーター-プライマーであり;および/または
前記第4の増幅オリゴマーがプロモーター-プライマーである、
請求項4~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記プロモーター-プライマーのうちの1つ以上が、前記標的ハイブリダイズ配列の5’に位置するT7プロモーターを含み、および/または
1つ以上のプロモーター-プライマーが、配列番号8、9、10、11、12または13の配列を含む、
請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第1、第2、第3および第4の増幅オリゴマーのうちの1つ以上は、非ヌクレオチド検出可能標識を含み;および/または
前記第1の増幅オリゴマーは、配列番号4、5、6、または7のうちの少なくとも1、2、または3つを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;および/または
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号23、24、25、26、27、および28のうちの少なくとも1、2、3、4または5つを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;および/または
前記第3の増幅オリゴマーは、配列番号42、43、および44のうちの少なくとも1、2、または3つを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;および/または
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号36、37、38、および39のうちの少なくとも1、2、または3つを含む標的ハイブリダイズ配列を含み;および/または
前記第1の増幅オリゴマーは、配列番号3の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の連続したヌクレオチドを含み;および/または前記第1の増幅オリゴマーは、配列番号3の配列を含み;および/または
前記第1の増幅オリゴマーは、配列番号2の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22個の連続したヌクレオチドを含む、
請求項4~8および32~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の増幅オリゴマーは、配列番号2の配列を含み;および/または
前記組成物は、配列番号3の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の連続したヌクレオチドを含む、前記第1の増幅オリゴマーとは異なるさらなる増幅オリゴマーをさらに含む、
請求項4~8および32~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号21の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21個の連続したヌクレオチドを含み;および/または
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号21の配列を含み;および/または
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号14の配列を含み;および/または
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号22の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、または26個の連続したヌクレオチドを含み;および/または
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号22の配列を含み;および/または
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号15の配列を含み;および/または
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号20の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28個の連続したヌクレオチドを含み;および/または
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号20の配列を含み;および/または
前記第3の増幅オリゴマーは、配列番号41の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、または19個の連続したヌクレオチドを含み;および/または
前記第3の増幅オリゴマーは、配列番号41の配列を含み;および/または
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号35の30位におけるイノシンを含む配列番号35の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含み;および/または
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号34の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18,19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28個の連続したヌクレオチドを含み;および/または
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号34の配列を含み;および/または
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号30の配列を含み;および/または
前記組成物はさらに、配列番号69の配列の少なくと
も10
個の連続したヌクレオチド、および、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも14個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む第5の増幅オリゴマーを含む、
請求項4~8および32~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記組成物はさらに、配列番号73の配列の少なくと
も10
個の連続したヌクレオチド、および、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも14個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む第6の増幅オリゴマーを含む、
請求項4~8および32~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記第6の増幅オリゴマーは、配列番号73の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、または19個の連続したヌクレオチドを含み;および/または
前記第6の増幅オリゴマーは、配列番号73の配列を含み;および/または
前記組成物はさらに、HBV核酸を含み;および/または
前記組成物はさらに、少なくとも1つのDNAポリメラーゼを含み;および/または
前記DNAポリメラーゼは、逆転写酵素である、
請求項4~8および32~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記組成物はさらに、RNAポリメラーゼを含む、
請求項4~8および32~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記組成物はさらに、HBVに特異的にハイブリダイズしない第1の対照増幅オリゴマーおよび第2の対照増幅オリゴマーを含む、
請求項4~8および32~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記第2の対照増幅オリゴマーは、配列番号86の配列の少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22個の連続したヌクレオチドを含み;および/または
前記第1の対照増幅オリゴマーまたは前記第2の対照増幅オリゴマーは、プロモーター-プライマーであり;および/または
前記組成物はさらに、前記第1および第2の対照増幅オリゴマーから産生されたアンプリコンに特異的にハイブリダイズするように構成された少なくとも1つの対照プローブオリゴマーを含む、
請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記組成物はさらに、前記第1および第2の増幅オリゴマーから産生されたアンプリコンに特異的にハイブリダイズするように構成された少なくとも1つのプローブオリゴマーを含む、
請求項4~8および32~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記プローブオリゴマーは、配列番号29の配列を含み、配列番号29の前記配列が、配列番号29のヌクレオチド33と34の間にc9リンカーを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記プローブオリゴマーはさらに、非ヌクレオチド検出可能標識を含む、請求項42または43に記載の方法。
【請求項45】
前記プローブオリゴマーはさらに、蛍光標識を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記プローブオリゴマーはさらに、消光剤を含み、前記消光剤が、前記プローブが標的核酸にアニーリングされているときよりも、前記プローブが遊離しているときにより大きい程度まで蛍光を吸収する、請求項4
5に記載の方法。
【請求項47】
前記蛍光標識が前記プローブオリゴマーの5’末端に付着し、かつ、前記消光剤が前記プローブオリゴマーの3’末端に付着するか、または、前記蛍光標識が前記プローブオリゴマーの3’末端に付着し、かつ、前記消光剤が前記プローブオリゴマーの5’末端に付着する、請求項4
6に記載の方法。
【請求項48】
前記プローブオリゴマーは、その5’末端に第1の自己相補領域を、そして、その3’末端に第2の自己相補領域を含む、請求項42~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号35の30位におけるイノシンを含む配列番号35の少なくとも10個の連続したヌクレオチド、および、HBV配列の少なくとも14個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ領域を含む、請求項4~8および32~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号35の30位におけるイノシンを含む配列番号35の少なくとも14個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ領域を含む、請求項4~8および32~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号35の30位におけるイノシンを含む配列番号35の少なくとも18個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ領域を含む、請求項4~8および32~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記第4の増幅オリゴマーは、配列番号35の配列を含む標的ハイブリダイズ領域を含む、請求項4~8および32~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
1、2、3、4つ、またはそれ以上の標的ハイブリダイズ配列が、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む、請求項4~8および32~52のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、B型肝炎ウイルス核酸の検出および定量化に有用な組成物、キット、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
導入および概要
B型肝炎ウイルス(HBV)は、急性および慢性の疾患を引き起こす可能性があり、感染した個体は、肝硬変および癌の危険にさらされている。2016年7月のWHO Hepatitis B Fact Sheetによると、世界中で約2億4千万人が感染していると推定され、B型肝炎関連肝疾患を起因として年間約68万人以上が死亡している。HBVの伝染は、性感染、感染した母親からの出生、および歯ブラシおよびかみそりならびに針などの共用の物の上を含む、体液との他の接触を通して起こり得、医療従事者に対する職業上の危険を示す。
【0003】
HBVは、部分的二本鎖DNA(dsDNA)ウイルスである。その分布は世界的で、遺伝子型A~Hおよび複数の亜型が知られている。抗ウイルス療法は、慢性HBVに対して有効であり得るが、信頼性が高く感度の高い核酸ベースの検出および定量化は、HBV複製の誤差を起こしやすい性質に部分的に起因する遺伝的異質性によって複雑になり、新しいウイルスDNAは、酵素を欠いたプルーフリーディング活性によってRNAから逆転写される。例えば、Huang C-J et al.(2013),“Impact of Genetic Heterogeneity in Polymerase of Hepatitis B Virus on Dynamics of Viral
Load and Hepatitis B Progression,”PLoS ONE 8(7):e70169,doi:10.1371/journal.pone.0070169を参照されたい。B型肝炎は、他の種類の肝炎とは臨床的理由で容易に区別できず、核酸アッセイなどの分子検出アプローチの重要性をさらに強調する。定量化は、例えば抗ウイルス療法の前、最中、または後にウイルス量を監視することにおいて、または感染の重症度を評価することにおいて有用であり得る。しかしながら、複数の遺伝子型を確実に検出および定量化する様式でHBV核酸のアッセイを行うことは、例えば、2つの増幅オリゴマーと1つのプローブの小さい組が、比較可能な様式で多くの既知の遺伝子型および亜型を増幅させ定量化する可能性が低く、特に、低濃度の一部の遺伝子型に対する偽陰性の影響を受けやすい場合があるという点で、重要である。一方で、増加した数のオリゴマーを使用することは、オリゴマー間または意図していない標的配列との相互作用の可能性の増大、差動増幅効率、リソース競合など、正確さ、感度、または特異性に影響を及ぼす可能性がある要因によって複雑になり得る。
したがって、遺伝子型に関係なく、HBVの高感度、特異的、かつ正確な検出および定量化が必要とされている。組成物、キット、および方法が、この必要性を満たすために、他の利益を提供するために、または少なくとも公衆に有用な選択を提供するために本明細書に提供される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】Huang C-J et al.(2013),“Impact of Genetic Heterogeneity in Polymerase of Hepatitis B Virus on Dynamics of Viral Load and Hepatitis B Progression,”PLoS ONE 8(7):e70169,doi:10.1371/journal.pone.0070169
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
少なくとも第1、第2、第3、および第4の増幅オリゴマーを含む組成物またはキットが本明細書に提供され、第1の増幅オリゴマーは、配列番号2または3のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、第2の増幅オリゴマーは、配列番号20、21、または22のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、第3の増幅オリゴマーは、配列番号41の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、第4の増幅オリゴマーは、配列番号34または35のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、第1、第2、第3、および第4の増幅オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列は各々、B型肝炎ウイルス配号の少なくとも約14個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む。
【0006】
試料中のB型肝炎ウイルスを検出する方法も提供され、試料を少なくとも第1、第2、第3、および第4の増幅オリゴマーと接触させ、それにより組成物を形成することと、B型肝炎ウイルス核酸の存在下で少なくとも第1および第2のアンプリコンを産生する核酸増幅反応を、組成物中で実施することと、第1および第2のアンプリコンを定量化することとを含み、第1のアンプリコンは、B型肝炎ウイルス核酸の存在下で第1および第2の増幅オリゴマーの伸長を通して産生され、第2のアンプリコンは、B型肝炎ウイルス核酸の存在下で第3および第4の増幅オリゴマーの伸長を通して産生され、第1の増幅オリゴマーは、配列番号2または3のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、第2の増幅オリゴマーは、配列番号20、21、または22のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、第3の増幅オリゴマーは、配列番号41の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、第4の増幅オリゴマーは、配列番号34または35のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、第1、第2、第3、および第4の増幅オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列は各々、B型肝炎ウイルス配号の少なくとも約14個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および第4の増幅オリゴマーのうちの1つ以上は、プロモーター-プライマーである。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、プロモーター-プライマーである。いくつかの実施形態では、第4の増幅オリゴマーは、プロモーター-プライマーである。いくつかの実施形態では、プロモーター-プライマーのうちの1つ以上は、標的ハイブリダイズ配列の5’に位置するT7プロモーターを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロモーター-プライマーは、配列番号8、9、10、11、12、または13の配列を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および第4の増幅オリゴマーのうちの1つ以上は、非ヌクレオチド検出可能標識を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の増幅オリゴマーは、配列番号4、5、6、または7のうちの少なくとも1、2、または3つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号23、24、25、26、27、および28のうちの少なくとも1、2、3、4、または5つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む。いくつかの実施形態では、第3の増幅オリゴマーは、配列番号42、43、および44のうちの少なくとも1、2、または3つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む。いくつかの実施形態では、第4の増幅オリゴマーは、配列番号36、37、38、および39のうちの少なくとも1、2、または3つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の増幅オリゴマーは、配列番号3の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の増幅オリゴマーは、配列番号3の配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の増幅オリゴマーは、配列番号2の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の増幅オリゴマーは、配列番号2の配列を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、配列番号3の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の連続したヌクレオチドを含む、第1の増幅オリゴマーとは異なるさらなる増幅オリゴマーをさらに含む。いくつかの実施形態では、さらなる増幅オリゴマーは、配列番号3の配列を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号21の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号21の配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号14の配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号22の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、または26個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号22の配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号15の配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号20の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号20の配列を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、第3の増幅オリゴマーは、配列番号41の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、または19個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第3の増幅オリゴマーは、配列番号41の配列を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、第4の増幅オリゴマーは、配列番号35の位置30におけるイノシンを含む、配列番号35の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第4の増幅オリゴマーは、配列番号34の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第4の増幅オリゴマーは、配列番号34の配列を含む。いくつかの実施形態では、第4の増幅オリゴマーは、配列番号30の配列を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、配列番号69の配列の少なくとも10個の連続したヌクレオチド、およびB型肝炎ウイルス配列の少なくとも約14個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む第5の増幅オリゴマーをさらに含む。いくつかの実施形態では、第5の増幅オリゴマーは、配列番号70、71、または72のうちの少なくとも1つまたは2つを含む。いくつかの実施形態では、第5の増幅オリゴマーは、配列番号69の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、または29個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第5の増幅オリゴマーは、配列番号69の配列を含む。いくつかの実施形態では、第5の増幅オリゴマーは、プロモーター-プライマーである。いくつかの実施形態では、第5の増幅オリゴマーは、配列番号67の配列を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、配列番号73の配列の少なくとも10個の連続したヌクレオチド、およびB型肝炎ウイルス配列の少なくとも約14個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む第6の増幅オリゴマーをさらに含む。いくつかの実施形態では、第6の増幅オリゴマーは、配列番号74、75または76のうちの少なくとも1つまたは2つを含む。いくつかの実施形態では、第6の増幅オリゴマーは、配列番号73の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、または19個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第6の増幅オリゴマーは、配列番号73の配列を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、組成物は、HBV核酸をさらに含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、少なくとも1つのDNAポリメラーゼをさらに含む。いくつかの実施形態では、DNAポリメラーゼは、逆転写酵素である。いくつかの実施形態では、DNAポリメラーゼは、好熱性である。いくつかの実施形態では、DNAポリメラーゼは、中温性である。
【0019】
いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、RNAポリメラーゼをさらに含む。いくつかの態様では、RNAポリメラーゼは、T7 RNAポリメラーゼである。
【0020】
いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、Mg2+、緩衝液、およびdNTPのうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、またはそれらの各々をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、rNTPをさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、HBVに特異的にハイブリダイズしない第1の対照増幅オリゴマーおよび第2の対照増幅オリゴマーをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の対照増幅オリゴマーは、配列番号77の配列の少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第2の対照増幅オリゴマーは、配列番号86の配列の少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の対照増幅オリゴマーまたは第2の対照増幅オリゴマーは、プロモーター-プライマーである。いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、第1および第2の対照増幅オリゴマーから産生されたアンプリコンに特異的にハイブリダイズするように構成された少なくとも1つの対照プローブオリゴマーをさらに含む。いくつかの実施形態では、対照プローブオリゴマーは、配列番号79の配列の少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、または23個の連続したヌクレオチドを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、第1および第2の増幅オリゴマーから産生されたアンプリコンに特異的にハイブリダイズするように構成された少なくとも1つのプローブオリゴマーをさらに含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号29の配列の少なくとも10個の連続したヌクレオチド、およびB型肝炎ウイルス配列の少なくとも約14個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号82の少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号82の配列を含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号82の少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号29の配列を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、第3および第4の増幅オリゴマーから産生されたアンプリコンに特異的にハイブリダイズするように構成された少なくとも1つのプローブオリゴマーをさらに含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号40の配列の少なくとも10個の連続したヌクレオチド、およびB型肝炎ウイルス配列の少なくとも約14個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号83の少なくとも10、11、12、13、14、または15個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号83の配列を含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号40の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25個の連続したヌクレオチドを含む。配列番号83の配列を含む標的ハイブリダイズ領域を含むプローブオリゴマーも提供される。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号84の配列を含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号85の配列を含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号40の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号40の配列を含む。
【0024】
配列番号35の位置30におけるイノシンを含む、配列番号35の少なくとも10個の連続したヌクレオチドと、HBV配列の少なくとも14個の連続したヌクレオチドとを含む、標的ハイブリダイズ領域を含む増幅オリゴマーも提供される。いくつかの実施形態では、配列番号34または35の部分配列を含む増幅オリゴマーは、配列番号35の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、または34個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、配列番号34または35の部分配列を含む増幅オリゴマーは、配列番号35の配列を含む。いくつかの実施形態では、配列番号34または35の部分配列を含む増幅オリゴマーは、配列番号31の配列を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプローブオリゴマーは、非ヌクレオチド検出可能標識を含む。いくつかの実施形態では、非ヌクレオチド検出可能標識は、蛍光標識である。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、消光剤を含む。いくつかの実施形態では、非ヌクレオチド検出可能標識は、蛍光標識であり、消光剤は、プローブが標的核酸にアニーリングされているときよりも、プローブが遊離しているときにより大きい程度まで蛍光を吸収する。いくつかの態様では、蛍光標識は、FAM、HEX、またはアクリジンである。いくつかの実施形態では、消光剤は、DABCYLまたはROXである。いくつかの実施形態では、蛍光標識がプローブオリゴマーの5’末端に付着し、消光剤がプローブオリゴマーの3’末端に付着するか、または蛍光標識がプローブオリゴマーの3’末端に付着し、消光剤がプローブオリゴマーの5’末端に付着している。いくつかの態様では、プローブオリゴマー中の糖の少なくとも約半分、少なくとも約90%、または全てが2’-O-メチル-リボースである。いくつかの態様では、プローブオリゴマーは、その5’末端に第1の自己相補領域およびその3’末端に第2の自己相補領域を含む。いくつかの実施形態では、自己相補領域は、ハイブリダイズして、約4~7個のワトソン-クリックまたはゆらぎ塩基対を形成することができる。いくつかの実施形態では、自己相補領域は、ハイブリダイズして、約5個のワトソン-クリックまたはゆらぎ塩基対を形成することができる。
【0026】
以下の捕捉オリゴマー(i)~(iv):(i)配列番号49または99の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、第1の捕捉オリゴマー、(ii)配列番号53、100、101、または104の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、第2の捕捉オリゴマー、(iii)配列番号57、96、または102の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、第3の捕捉オリゴマー、(iv)配列番号61、97、98、または103の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、第4の捕捉オリゴマー、から選択される2つ以上の異なる捕捉オリゴマーを含む、組成物またはキットも提供され、2つ以上の異なる捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列は各々、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも約14個の連続したヌクレオチドまたはその相補対を含む。
【0027】
試料からHBVを単離する方法も提供され、捕捉オリゴマーとHBV核酸の1つ以上の複合体を形成するための許容条件下で、試料を、以下の捕捉オリゴマー(i)~(iv):(i)配列番号49または99の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、第1の捕捉オリゴマー、(ii)配列番号53、100、101、または104の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、第2の捕捉オリゴマー、(iii)配列番号57、96、または102の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、第3の捕捉オリゴマー、(iv)配列番号61、97、98、または103の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、第4の捕捉オリゴマー、から選択される2つ以上の異なる捕捉オリゴマーと接触させ、それにより組成物を形成することであって、2つ以上の異なる捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列は各々、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも約14個の連続したヌクレオチドまたはその相補対を含む、形成することと、組成物から捕捉オリゴマーを単離することとを含む。いくつかの実施形態では、捕捉オリゴマーを単離することは、捕捉オリゴマーを固体支持体と会合させることと、固体支持体を洗浄することとを含む。いくつかの実施形態では、固体支持体は、少なくとも1つまたは少なくとも2つの捕捉オリゴマーの一部分に相補的であるポリ-N配列を含む。いくつかの実施形態では、固体支持体は、少なくとも1つまたは少なくとも2つの捕捉オリゴマー中に存在する親和性タグを認識する結合剤を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、捕捉オリゴマー(i)~(iv)のうちの少なくとも3つを含む。いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、捕捉オリゴマー(i)~(iv)を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1の捕捉オリゴマーは、配列番号50、51、および52のうちの少なくとも1つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の捕捉オリゴマーは、配列番号49の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の捕捉オリゴマーは、配列番号49の配列を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、第2の捕捉オリゴマーは、配列番号54、55、および56のうちの少なくとも1つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の捕捉オリゴマーは、配列番号53の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第2の捕捉オリゴマーは、配列番号53を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、第3の捕捉オリゴマーは、配列番号58、59、および60のうちの少なくとも1つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む。いくつかの実施形態では、第3の捕捉オリゴマーは、配列番号57の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第3の捕捉オリゴマーは、配列番号57の配列を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、第4の捕捉オリゴマーは、配列番号62、63、および64のうちの少なくとも1つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む。いくつかの実施形態では、第4の捕捉オリゴマーは、配列番号61の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、または27個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第4の捕捉オリゴマーは、配列番号61の配列を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、捕捉オリゴマーのうちの少なくとも1つは、非ヌクレオチド親和性標識をさらに含む。いくつかの実施形態では、捕捉オリゴマーのうちの少なくとも1つは、非HBV配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、2、3、または4つの捕捉オリゴマーは、非HBV配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1、2、3、または4つの捕捉オリゴマーは、ポリ-N配列をさらに含む。いくつかの態様では、ポリ-N配列は、ポリ-Aまたはポリ-T配列である。
【0034】
いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、配列番号2または3のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む第1の増幅オリゴマー、配列番号20、21、または22のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む第2の増幅オリゴマー、配列番号41の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む第3の増幅オリゴマー、配列番号34または35のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む第4の増幅オリゴマーから選択される、少なくとも1つの増幅オリゴマーをさらに含み、第1、第2、第3、および第4の増幅オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列は各々、B型肝炎ウイルス配号の少なくとも約14個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、本明細書に開示される第1の増幅オリゴマーを含む。いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、本明細書に開示される第2の増幅オリゴマーを含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号22の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、または26個の連続したヌクレオチドを含み、組成物またはキットは、第2の増幅オリゴマーとは異なり、配列番号20の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28個の連続したヌクレオチドを含む、さらなる増幅オリゴマーをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号22の配列を含む。いくつかの実施形態では、さらなる増幅オリゴマーは、配列番号20の配列を含む。組成物またはキットは、本明細書に開示される第3の増幅オリゴマーを含む、請求項113~118のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、本明細書に開示される配列番号34または35のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む増幅オリゴマーを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの増幅オリゴマーが伸長される線形増幅を実施することをさらに含む。いくつかの実施形態では、線形増幅の前に、増幅オリゴマーは、HBV核酸と捕捉オリゴマーの複合体と会合し、この複合体は、固体支持体と会合し、方法は、固体支持体を洗浄することを含む。いくつかの態様では、固体支持体は、マイクロビーズの集団である。いくつかの実施形態では、集団のマイクロビーズは、磁性である。いくつかの実施形態では、洗浄ステップに続いて、方法は、HBV核酸と捕捉オリゴマーの複合体に会合した増幅オリゴマーに対して反対向きの1つ以上のさらなる増幅オリゴマーを付加することを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーは、プロモーター-プライマーである。いくつかの実施形態では、1つ以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーは、プロモーター-プライマーではない。いくつかの実施形態では、1つ以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーは、本明細書に開示される第1の増幅オリゴマーを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーは、本明細書に開示される第2の増幅オリゴマーを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーは、本明細書に開示される第3の増幅オリゴマーを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーは、本明細書に開示される配列番号34または35のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む増幅オリゴマーを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、方法は、線形増幅に続いて指数関数的増幅を実施することをさらに含む。いくつかの実施形態では、指数関数的増幅は、転写媒介増幅である。
【0038】
いくつかの実施形態では、オリゴマーの1、2、3、4つ、またはそれ以上の標的ハイブリダイズ配列は、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25個の連続したヌクレオチドまたはその相補体をまたはオリゴマー含む。
【0039】
第1および第2の標識と会合した第1および第2のB型肝炎アンプリコンを含む試料中のB型肝炎ウイルスのレベルを決定する方法も提供され、方法は、第1の標識からから発せられる第1のシグナルを検出することと、第2の標識から発せられる第2のシグナルを検出することと、第1のシグナルまたは第2のシグナルが所定の閾値を超えているかを判定することと、試料中のB型肝炎のレベルを計算することとを含み、第1のシグナルまたは第2のシグナルが所定の閾値を超えている場合、レベルは、第1および第2のシグナルのより大きい方から計算され、第1のシグナルおよび第2のシグナルが所定の閾値を下回っている場合、レベルは、第1および第2のシグナルの平均から計算される。
【0040】
いくつかの実施形態では、試料は、インビトロ試料である。いくつかの実施形態では、方法は、第1および第2のシグナルに対応する第1および第2のレベルを決定し、第1および第2のレベルを算術的に平均することによって、第1および第2のシグナルの平均を決定することを含む。いくつかの実施形態では、B型肝炎ウイルスのレベルは、濃度である。いくつかの実施形態では、B型肝炎ウイルスのレベルは、量である。いくつかの実施形態では、第1および第2のアンプリコンのうちの一方または両方は、HBVのS ORFからの配列を含む。いくつかの実施形態では、第1および第2のアンプリコンのうちの一方または両方は、HBVのP ORFからの配列を含む。いくつかの実施形態では、第1および第2のアンプリコンのうちの一方または両方は、HBVのS ORFおよびP ORFからの配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のアンプリコンは、配列番号2または3のうちの1つの少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1のアンプリコンは、配列番号20、21、または22のうちの1つの10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第2のアンプリコンは、配列番号41の10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第2のアンプリコンは、配列番号34または35のうちの1つの10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の連続したヌクレオチドを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、所定の閾値は、予測されたランダム誤差が点変異による予測された誤差よりも大きいか、またはそれにほぼ等しい値である。いくつかの実施形態では、所定の閾値は、点変異による予測された誤差が、予測されたランダム誤差よりも大きいか、またはそれにほぼ等しい値である。いくつかの実施形態では、所定の閾値は、約10IU/mL~約200IU/mLの範囲内の濃度に対応する。いくつかの実施形態では、所定の閾値は、約20IU/mL~約40IU/mL、約40IU/mL~約60IU/mL、約60IU/mL~約80IU/mL、または約80IU/mL~約100IU/mLの範囲内である。
【0042】
いくつかの実施形態では、第1の標識、第2の標識、または両方は、蛍光である。いくつかの実施形態では、第1および第2の標識のうちの少なくとも1つは、プローブに付着している。いくつかの実施形態では、プローブは、消光剤を含む。
【0043】
本明細書に開示されるプローブオリゴマーを含むキットまたは組成物も提供される。本明細書に開示される増幅オリゴマーを含むキットまたは組成物も提供される。いくつかの実施形態では、キットまたは組成物は、本明細書に開示されるプローブオリゴマーをさらに含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、キットまたは組成物は、本明細書に開示される第1の増幅オリゴマー、本明細書に開示される第2の増幅オリゴマー、本明細書に開示される第3の増幅オリゴマー、または本明細書に開示される第4の増幅オリゴマーのうちの少なくとも1、2、3、または4つをさらに含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、キットまたは組成物は、本明細書に開示される第1の捕捉オリゴマー、本明細書に開示される第2の捕捉オリゴマー、本明細書に開示される第3の捕捉オリゴマー、または本明細書に開示される第4の捕捉オリゴマーのうちの少なくとも1、2、3、または4つをさらに含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、キットまたは組成物は、本明細書に開示される第5の増幅オリゴマー、または本明細書に開示される第6の増幅オリゴマーのうちの少なくとも1つまたは2つをさらに含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、キットまたは組成物は、本明細書に開示されるさらなる増幅オリゴマーをさらに含み、キットまたは組成物が本明細書に開示される第2の増幅オリゴマーを含む場合、さらなる増幅オリゴマーは、第2の増幅オリゴマーとは異なる。
【0048】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される1つ、2つ、またはそれ以上のオリゴマーは、キット内に提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される1つ、2つ、またはそれ以上のオリゴマーは、組成物中に提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、水性、凍結、または凍結乾燥である。
【0049】
節の見出しは、読者の便宜のために提供されており、本開示の範囲を限定するものではない。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
少なくとも第1、第2、第3、および第4の増幅オリゴマーを含む組成物またはキットであって、
前記第1の増幅オリゴマーが、配列番号2または3のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、
前記第2の増幅オリゴマーが、配列番号20、21、または22のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、
前記第3の増幅オリゴマーが、配列番号41の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、
前記第4の増幅オリゴマーが、配列番号34または35のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、
前記第1、第2、第3、および第4の増幅オリゴマーの前記標的ハイブリダイズ配列が各々、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも約14個の連続したヌクレオチドまたはその相補対を含む、組成物またはキット。
(項目2)
試料中のB型肝炎ウイルスを検出する方法であって、
前記試料を少なくとも第1、第2、第3、および第4の増幅オリゴマーと接触させ、それにより組成物を形成することと、
B型肝炎ウイルス核酸の存在下で少なくとも第1および第2のアンプリコンを産生する核酸増幅反応を前記組成物中で実施することと、前記第1および第2のアンプリコンを定量化することと、を含み、
前記第1のアンプリコンが、前記B型肝炎ウイルス核酸の存在下での前記第1および第2の増幅オリゴマーの伸長を通して産生され、
前記第2のアンプリコンが、前記B型肝炎ウイルス核酸の存在下での前記第3および第4の増幅オリゴマーの伸長を通して産生され、
前記第1の増幅オリゴマーが、配列番号2または3のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、
前記第2の増幅オリゴマーが、配列番号20、21、または22のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、
前記第3の増幅オリゴマーが、配列番号41の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、
前記第4の増幅オリゴマーが、配列番号34または35のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、
前記第1、第2、第3、および第4の増幅オリゴマーの前記標的ハイブリダイズ配列が各々、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも約14個の連続したヌクレオチドまたはその相補対を含む、方法。
(項目3)
前記第1、第2、第3、および第4の増幅オリゴマーのうちの1つ以上が、プロモーター-プライマーである、項目1に記載の組成物もしくはキットまたは項目2に記載の方法。
(項目4)
前記第2の増幅オリゴマーが、プロモーター-プライマーである、前記項目1~3のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目5)
前記第4の増幅オリゴマーが、プロモーター-プライマーである、前記項目1~4のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目6)
前記プロモーター-プライマーのうちの1つ以上が、標的ハイブリダイズ配列の5’位に位置するT7プロモーターを含む、項目3~6のいずれか1項に記載の組成物、キッ
ト、または方法。
(項目7)
1つ以上のプロモーター-プライマーが、配列番号8、9、10、11、12、または13の配列を含む、項目3~7のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目8)
前記第1、第2、第3、および第4の増幅オリゴマーのうちの1つ以上が、非ヌクレオチド検出可能標識を含む、前記項目1~7のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目9)
前記第1の増幅オリゴマーが、配列番号4、5、6、または7のうちの少なくとも1つ、2つ、または3つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、前記項目1~8のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目10)
前記第2の増幅オリゴマーが、配列番号23、24、25、26、27、および28のうちの少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、または5つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、前記項目1~9のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目11)
前記第3の増幅オリゴマーが、配列番号42、43、および44のうちの少なくとも1つ、2つ、または3つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、前記項目1~10のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目12)
前記第4の増幅オリゴマーが、配列番号36、37、38、または39のうちの少なくとも1つ、2つ、または3つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、前記項目1~11のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目13)
前記第1の増幅オリゴマーが、配列番号3の少なくとも11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、または20個の連続したヌクレオチドを含む、前記項目1~12のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目14)
前記第1の増幅オリゴマーが、配列番号3の配列を含む、前記項目1~13のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目15)
前記第1の増幅オリゴマーが、配列番号2の少なくとも11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、または22個の連続したヌクレオチドを含む、前記項目1~14のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目16)
前記第1の増幅オリゴマーが、配列番号2の配列を含む、前記項目1~15のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目17)
前記組成物またはキットが、配列番号3の少なくとも11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、または20個の連続したヌクレオチドを含む、前記第1の増幅オリゴマーとは異なるさらなる増幅オリゴマーをさらに含む、前記項目1~16のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目18)
前記さらなる増幅オリゴマーが、配列番号3の配列を含む、項目17に記載の組成物、キット、または方法。
(項目19)
前記第2の増幅オリゴマーが、配列番号21の少なくとも11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、または21個の連続したヌクレオチドを含む、前記項目1~18のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目20)
前記第2の増幅オリゴマーが、配列番号21の配列を含む、前記項目1~19のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目21)
前記第2の増幅オリゴマーが、配列番号14の配列を含む、前記項目1~20のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目22)
前記第2の増幅オリゴマーが、配列番号22の少なくとも11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、または26個の連続したヌクレオチドを含む、前記項目1~21のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目23)
前記第2の増幅オリゴマーが、配列番号22の配列を含む、前記項目1~22のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目24)
前記第2の増幅オリゴマーが、配列番号15の配列を含む、前記項目1~23のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目25)
前記第2の増幅オリゴマーが、配列番号20の少なくとも11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、または28個の連続したヌクレオチドを含む、前記項目1~24のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目26)
前記第2の増幅オリゴマーが、配列番号20の配列を含む、前記項目1~25のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目27)
前記第3の増幅オリゴマーが、配列番号41の少なくとも11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、または19個の連続したヌクレオチドを含む、前記項目1~26のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目28)
前記第3の増幅オリゴマーが、配列番号41の配列を含む、前記項目1~27のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目29)
前記第4の増幅オリゴマーが、配列番号35の位置30におけるイノシンを含む配列番号35の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む、前記項目1~28のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目30)
前記第4の増幅オリゴマーが、配列番号34の少なくとも11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、または28個の連続したヌクレオチドを含む、前記項目1~29のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目31)
前記第4の増幅オリゴマーが、配列番号34の配列を含む、前記項目1~30のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目32)
前記第4の増幅オリゴマーが、配列番号30の配列を含む、前記項目1~31のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目33)
前記組成物またはキットが、配列番号69の配列の少なくとも10個の連続したヌクレオチド、およびB型肝炎ウイルス配列の少なくとも約14個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む第5の増幅オリゴマーをさらに含む、前記項目1~32のいずれか1項に記載のキット、組成物、または方法。
(項目34)
前記第5の増幅オリゴマーが、配列番号70、71、または72のうちの少なくとも1つまたは2つを含む、項目33に記載の組成物、キット、または方法。
(項目35)
前記第5の増幅オリゴマーが、配列番号69の少なくとも11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、または29個の連続したヌクレオチドを含む、項目33または34に記載の組成物、キット、または方法。
(項目36)
前記第5の増幅オリゴマーが、配列番号69の配列を含む、項目33~35のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目37)
前記第5の増幅オリゴマーが、プロモーター-プライマーである、項目33~36のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目38)
前記第5の増幅オリゴマーが、配列番号67の配列を含む、項目33~37のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目39)
前記組成物またはキットが、配列番号73の配列の少なくとも10個の連続したヌクレオチド、およびB型肝炎ウイルス配列の少なくとも約14個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む第6の増幅オリゴマーをさらに含む、前記項目1~38のいずれか1項に記載のキット、組成物、または方法。
(項目40)
前記第6の増幅オリゴマーが、配列番号74、75、または76のうちの少なくとも1つまたは2つを含む、項目39に記載の組成物、キット、または方法。
(項目41)
前記第6の増幅オリゴマーが、配列番号73の少なくとも11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、または19個の連続したヌクレオチドを含む、前記項目1~40のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目42)
前記第6の増幅オリゴマーが、配列番号73の配列を含む、前記項目1~41のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目43)
前記組成物が、HBV核酸をさらに含む、前記項目1~42のいずれか1項に記載の組成物または方法。
(項目44)
前記組成物またはキットが、少なくとも1つのDNAポリメラーゼをさらに含む、前記項目1~43のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目45)
前記DNAポリメラーゼが、逆転写酵素である、項目44に記載の組成物、キット、または方法。
(項目46)
前記DNAポリメラーゼが、好熱性である、項目44または45に記載の組成物、キット、または方法。
(項目47)
前記DNAポリメラーゼが、中温性である、項目44または45に記載の組成物、キット、または方法。
(項目48)
前記組成物またはキットが、RNAポリメラーゼをさらに含む、前記項目1~47のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目49)
前記RNAポリメラーゼが、T7 RNAポリメラーゼである、項目48のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目50)
前記組成物またはキットが、Mg2+、緩衝液、およびdNTPのうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または各々を含む、前記項目1~49のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目51)
前記組成物またはキットが、rNTPをさらに含む、前記項目1~50のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目52)
前記組成物またはキットが、HBVに特異的にハイブリダイズしない第1の対照増幅オリゴマーおよび第2の対照増幅オリゴマーをさらに含む、前記項目1~51のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目53)
前記第1の対照増幅オリゴマーが、配列番号77の配列の少なくとも10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、または19個の連続したヌクレオチドを含む、項目52に記載の組成物、キット、または方法。
(項目54)
前記第2の対照増幅オリゴマーが、配列番号86の配列の少なくとも10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、または22個の連続したヌクレオチドを含む、項目52または53に記載の組成物、キット、または方法。
(項目55)
前記第1の対照増幅オリゴマーまたは前記第2の対照増幅オリゴマーが、プロモーター-プライマーである、項目52~54のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目56)
前記組成物またはキットが、前記第1および第2の対照増幅オリゴマーから産生されるアンプリコンに特異的にハイブリダイズするように構成された少なくとも1つの対照プローブオリゴマーをさらに含む、項目52~55のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目57)
前記対照プローブオリゴマーが、配列番号79の配列の少なくとも10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、または23個の連続したヌクレオチドを含む、項目56に記載の組成物、キット、または方法。
(項目58)
前記組成物またはキットが、前記第1および第2の増幅オリゴマーから産生されるアンプリコンに特異的にハイブリダイズするように構成された少なくとも1つのプローブオリゴマーをさらに含む、前記項目1~57のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目59)
前記プローブオリゴマーが、配列番号29の配列の少なくとも10個の連続したヌクレオチド、およびB型肝炎ウイルス配列の少なくとも約14個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む、項目58に記載の組成物、キット、または方法。
(項目60)
前記プローブオリゴマーが、配列番号82の少なくとも10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、または28個の連続したヌクレオチドを含む、項目58または59に記載の組成物、キット、または方法。
(項目61)
前記プローブオリゴマーが、配列番号82の配列を含む、項目58~60のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目62)
前記プローブオリゴマーが、配列番号82の少なくとも10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、または28個の連続したヌクレオチドを含む、項目58~61のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目63)
前記プローブオリゴマーが、配列番号29の配列を含む、項目58~62のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目64)
前記組成物またはキットが、前記第3および第4の増幅オリゴマーから産生されるアンプリコンに特異的にハイブリダイズするように構成された少なくとも1つのプローブオリゴマーをさらに含む、項目58~63のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目65)
前記プローブオリゴマーが、配列番号40の配列の少なくとも10個の連続したヌクレオチド、およびB型肝炎ウイルス配列の少なくとも約14個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む、項目64に記載の組成物、キット、または方法。
(項目66)
前記プローブオリゴマーが、配列番号83の少なくとも10個、11個、12個、13個、14個、または15個の連続したヌクレオチドを含む、項目64または65のいずれかに記載の組成物、キット、または方法。
(項目67)
前記プローブオリゴマーが、配列番号83の配列を含む、項目64~66のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目68)
前記プローブオリゴマーが、配列番号40の少なくとも11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、または25個の連続したヌクレオチドを含む、項目64~67のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目69)
配列番号83の配列を含む標的ハイブリダイズ領域を含む、プローブオリゴマー。
(項目70)
前記プローブオリゴマーが、配列番号84の配列を含む、項目64~69のいずれか1項に記載の組成物、キット、方法、またはプローブオリゴマー。
(項目71)
前記プローブオリゴマーが、配列番号85の配列を含む、項目64~70のいずれか1項に記載の組成物、キット、方法、またはプローブオリゴマー。
(項目72)
前記プローブオリゴマーが、配列番号40の少なくとも11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、または25個の連続したヌクレオチドを含む、項目64~71のいずれか1項に記載の組成物、キット、方法、またはプローブオリゴマー。
(項目73)
前記プローブオリゴマーが、配列番号40の配列を含む、項目64~72のいずれか1項に記載の組成物、キット、方法、またはプローブオリゴマー。
(項目74)
配列番号35の位置30におけるイノシンを含む、配列番号35の少なくとも10個の連続したヌクレオチドと、HBV配列の少なくとも14個の連続したヌクレオチドとを含む、標的ハイブリダイズ領域を含む、増幅オリゴマー。
(項目75)
配列番号34または35の部分配列を含む前記増幅オリゴマーが、配列番号35の少なくとも11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個、31個、32個、33個、または34個の連続したヌクレオチドを含む、項目1~68または項目70~74のいずれか1項に記載の組成物、キット、方法、または増幅オリゴマー。
(項目76)
配列番号34または35の部分配列を含む前記増幅オリゴマーが、配列番号35の配列を含む、項目1~68または項目70~74のいずれか1項に記載の組成物、キット、方法、または増幅オリゴマー。
(項目77)
配列番号34または35の部分配列を含む前記増幅オリゴマーが、配列番号31の配列を含む、項目1~68または項目70~74のいずれか1項に記載の組成物、キット、方法、または増幅オリゴマー。
(項目78)
少なくとも1つのプローブオリゴマーが、非ヌクレオチド検出可能標識を含む、項目58~73または項目75~77のいずれか1項に記載の組成物、キット、方法、またはプローブオリゴマー。
(項目79)
前記非ヌクレオチド検出可能標識が、蛍光標識である、項目58~73または項目75~78のいずれか1項に記載の組成物、キット、方法、またはプローブオリゴマー。
(項目80)
前記プローブオリゴマーが消光剤を含む、項目79に記載の組成物、キット、方法、またはプローブオリゴマー。
(項目81)
前記非ヌクレオチド検出可能標識が、蛍光標識であり、前記消光剤が、前記プローブが標的核酸にアニーリングされているときよりも、前記プローブが遊離しているときにより大きい程度まで蛍光を吸収する、項目80に記載の組成物、キット、方法、またはプローブオリゴマー。
(項目82)
前記蛍光標識が、FAM、HEX、またはアクリジンである、項目79~81のいずれか1項に記載の組成物、キット、方法、またはプローブオリゴマー。
(項目83)
前記消光剤が、DABCYLまたはROXである、項目80~82のいずれか1項に記載の組成物、キット、方法、またはプローブオリゴマー。
(項目84)
前記蛍光標識が、前記プローブオリゴマーの5’末端に付着し、前記消光剤が、前記プローブオリゴマーの3’末端に付着するか、または前記蛍光標識が前記プローブオリゴマーの3’末端に付着し、前記消光剤が前記プローブオリゴマーの5’末端に付着する、項目80~83のいずれか1項に記載の組成物、キット、方法、またはプローブオリゴマー。
(項目85)
前記プローブオリゴマー中の糖のうちの少なくとも約半分、少なくとも約90%、または全てが、2’-O-メチル-リボースである、項目58~73または項目75~84のいずれか1項に記載の組成物、キット、方法、またはプローブオリゴマー。
(項目86)
前記プローブオリゴマーが、その5’末端に第1の自己相補領域およびその3’末端に第2の自己相補領域を含む、項目58~73または項目75~85のいずれか1項に記載の組成物、キット、方法、またはプローブオリゴマー。
(項目87)
前記自己相補領域がハイブリダイズして、約4~7個のワトソン-クリック塩基対またはゆらぎ塩基対を形成することができる、項目86に記載の組成物、キット、方法、またはプローブオリゴマー。
(項目88)
前記自己相補領域がハイブリダイズして、約5個のワトソン-クリック塩基対またはゆらぎ塩基対を形成することができる、項目87に記載の組成物、キット、方法、またはプローブオリゴマー。
(項目89)
以下の捕捉オリゴマー(i)~(iv):
(i)配列番号49または99の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、第1の捕捉オリゴマー、
(ii)配列番号53、100、101、または104の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、第2の捕捉オリゴマー、
(iii)配列番号57、96、または102の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、第3の捕捉オリゴマー、
(iv)配列番号61、97、98、または103の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、第4の捕捉オリゴマー、から選択される2つ以上の異なる捕捉オリゴマーを含む、組成物またはキットであって、
前記2つ以上の異なる捕捉オリゴマーの前記標的ハイブリダイズ配列が各々、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも約14個の連続したヌクレオチドまたはその相補対を含む、組成物またはキット。
(項目90)
試料からHBV核酸を単離する方法であって、
捕捉オリゴマーとHBV核酸の1つ以上の複合体を形成するための許容条件下で、前記試料を、以下の捕捉オリゴマー(i)~(iv):
(i)配列番号49または99の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、第1の捕捉オリゴマー、
(ii)配列番号53、100、101、または104の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、第2の捕捉オリゴマー、
(iii)配列番号57、96、または102の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、第3の捕捉オリゴマー、
(iv)配列番号61、97、98、または103の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、第4の捕捉オリゴマー、から選択される2つ以上の異なる捕捉オリゴマーと接触させ、それにより組成物を形成することであって、前記2つ以上の異なる捕捉オリゴマーの前記標的ハイブリダイズ配列が各々、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも約14個の連続したヌクレオチドまたはその相補対を含む、形成することと、
前記組成物から前記捕捉オリゴマーを単離することと、を含む、方法。
(項目91)
前記捕捉オリゴマーを単離することが、前記捕捉オリゴマーを固体支持体と会合させることと、前記固体支持体を洗浄することとを含む、項目90に記載の方法。
(項目92)
前記固体支持体が、少なくとも1つまたは少なくとも2つの捕捉オリゴマーの一部分に相補的であるポリ-N配列を含む、項目91に記載の方法。
(項目93)
前記固体支持体が、少なくとも1つまたは少なくとも2つの捕捉オリゴマー中に存在する親和性タグを認識する結合剤を含む、項目91に記載の方法。
(項目94)
前記組成物またはキットが、前記捕捉オリゴマー(i)~(iv)のうちの少なくとも3つを含む、項目89に記載の組成物もしくはキットまたは項目90~93のいずれか1項に記載の方法。
(項目95)
前記組成物またはキットが、捕捉オリゴマー(i)~(iv)を含む、項目94に記載の組成物、キット、または方法。
(項目96)
前記第1の捕捉オリゴマーが、配列番号50、51、および52のうちの少なくとも1つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、項目89~95のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目97)
前記第1の捕捉オリゴマーが、配列番号49の少なくとも11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、または24個の連続したヌクレオチドを含む、項目89~96のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目98)
前記第1の捕捉オリゴマーが、配列番号49の配列を含む、項目89~97のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目99)
前記第2の捕捉オリゴマーが、配列番号54、55、および56のうちの少なくとも1つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、項目89~98のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目100)
前記第2の捕捉オリゴマーが、配列番号53の少なくとも11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、または24個の連続したヌクレオチドの前記配列を含む、項目89~99のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目101)
前記第2の捕捉オリゴマーが、配列番号53を含む、項目89~100のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目102)
前記第3の捕捉オリゴマーが、配列番号58、59、および60のうちの少なくとも1つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、項目89~101のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目103)
前記第3の捕捉オリゴマーが、配列番号57の少なくとも11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、または25個の連続したヌクレオチドを含む、項目89~102のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目104)
前記第3の捕捉オリゴマーが、配列番号57の配列を含む、項目89~103のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目105)
前記第4の捕捉オリゴマーが、配列番号62、63、および64のうちの少なくとも1つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、項目89~104のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目106)
前記第4の捕捉オリゴマーが、配列番号61の少なくとも11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、または27個の連続したヌクレオチドを含む、項目89~105のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目107)
前記第4の捕捉オリゴマーが、配列番号61の配列を含む、項目89~106のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目108)
前記捕捉オリゴマーのうちの少なくとも1つが、非ヌクレオチド親和性標識をさらに含む、項目89~107のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目109)
前記捕捉オリゴマーのうちの少なくとも1つが、非HBV配列をさらに含む、項目89~108のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目110)
前記2つ、3つ、または4つの捕捉オリゴマーが、非HBV配列をさらに含む、項目89~109のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目111)
少なくとも1つ、2つ、3つ、または4つの捕捉オリゴマーが、ポリ-N配列をさらに含む、項目89~110のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目112)
前記ポリ-N配列が、ポリ-Aまたはポリ-T配列である、項目111に記載の組成物、キット、または方法。
(項目113)
前記組成物またはキットが、配列番号2または3のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む第1の増幅オリゴマー、
配列番号20、21、または22のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む第2の増幅オリゴマー、
配列番号41の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む第3の増幅オリゴマー、
配列番号34または35のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む第4の増幅オリゴマー、から選択される少なくとも1つの増幅オリゴマーをさらに含み、
前記第1、第2、第3、および第4の増幅オリゴマーの前記標的ハイブリダイズ配列が各々、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも約14個の連続したヌクレオチドまたはその相補対を含む、項目89~112のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目114)
前記組成物またはキットが、項目8、9、または13~17のいずれか1項に記載の第1の増幅オリゴマーを含む、項目113の組成物、キット、または方法。
(項目115)
前記組成物またはキットが、項目4、8、10、または19~26のいずれか1項に記載の第2の増幅オリゴマーを含む、項目113または114の組成物、キット、または方法。
(項目116)
前記第2の増幅オリゴマーが、配列番号22の少なくとも11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、または26個の連続したヌクレオチドを含み、前記組成物またはキットが、前記第2の増幅オリゴマーとは異なり、配列番号20の少なくとも11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、または28個の連続したヌクレオチドを含む、さらなる増幅オリゴマーをさらに含む、項目115に記載の組成物、キット、または方法。
(項目117)
前記第2の増幅オリゴマーが、配列番号22の配列を含む、項目116に記載の組成物、キット、または方法。
(項目118)
前記さらなる増幅オリゴマーが、配列番号20の配列を含む、項目116または117に記載の組成物、キット、または方法。
(項目119)
前記組成物またはキットが、項目8、11、または27~28のいずれか1項に記載の第3の増幅オリゴマーを含む、項目113~118のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目120)
前記組成物またはキットが、項目5、8、12、または29~32のいずれか1項に記載の配列番号34または35のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む増幅オリゴマーを含む、項目113~119のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目121)
少なくとも1つの増幅オリゴマーが伸長される線形増幅を実施することをさらに含む、項目113~120のいずれか1項に記載の方法。
(項目122)
前記線形増幅の前に、前記増幅オリゴマーが、HBV核酸と捕捉オリゴマーの複合体と会合し、前記複合体が、固体支持体と会合し、前記方法が、前記固体支持体を洗浄することを含む、項目121に記載の方法。
(項目123)
前記固体支持体が、マイクロビーズの集団である、項目122に記載の方法。
(項目124)
前記集団の前記マイクロビーズが、磁性である、項目123記載の方法。
(項目125)
洗浄ステップに続いて、前記方法が、HBV核酸と捕捉オリゴマーの複合体と会合した増幅オリゴマーに対して反対向きの1つ以上のさらなる増幅オリゴマーを付加することを含む、項目122~124のいずれか1項に記載の方法。
(項目126)
1つ以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーが、プロモーター-プライマーである、項目125に記載の方法。
(項目127)
1つ以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーが、プロモーター-プライマーではない、項目125に記載の方法。
(項目128)
前記1つ以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーが、項目8、9、または13~17のいずれか1項に記載の第1の増幅オリゴマーを含む、項目125~127のいずれか1項に記載の方法。
(項目129)
前記1つ以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーが、項目4、8、10、または19~26のいずれか1項に記載の第2の増幅オリゴマーを含む、項目125~128のいずれか1項に記載の方法。
(項目130)
前記1つ以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーが、項目8、11、または27~28のいずれか1項に記載の第3の増幅オリゴマーを含む、項目125~129のいずれか1項に記載の方法。
(項目131)
前記1つ以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーが、項目1、5、8、12、または29~32のいずれか1項に記載の配列番号34または35のうちの1つの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む増幅オリゴマーを含む、項目125~130のいずれか1項に記載の方法。
(項目132)
前記線形増幅に続いて指数関数的増幅を実施することをさらに含む、項目121~131のいずれか1項に記載の方法。
(項目133)
前記指数関数的増幅が、転写媒介増幅である、項目132に記載の方法。
(項目134)
1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の標的ハイブリダイズ配列が、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも約15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、または25個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む、前記項目1~133のいずれか1項に記載の方法、組成物、またはオリゴマー。
(項目135)
第1および第2の標識のそれぞれと会合した第1および第2の標識のB型肝炎アンプリコンを含む
試料中のB型肝炎ウイルスのレベルを決定する方法であって、前記方法が、
前記第1の標識から発せられる第1のシグナルを検出することと、
前記第2の標識から発せられる第2のシグナルを検出することと、
前記第1のシグナルまたは前記第2のシグナルが所定の閾値を超えているかを判定することと、
前記試料中のB型肝炎のレベルを計算することと、を含み、
前記第1のシグナルまたは前記第2のシグナルが所定の閾値を超えている場合、前記レベルが、前記第1および第2のシグナルのより大きい方から計算され、
前記第1のシグナルおよび前記第2のシグナルが所定の閾値を下回っている場合、前記レベルが、前記第1および第2のシグナルの平均から計算される、方法。
(項目136)
前記試料が、インビトロ試料である、項目135に記載の方法。
(項目137)
前記第1および第2のシグナルに対応する第1および第2のレベルを決定し、前記第1および第2のレベルを算術的に平均化することによって、前記第1および第2のシグナルの平均値を決定することを含む、項目135または136に記載の方法。
(項目138)
B型肝炎ウイルスの前記レベルが、濃度である、項目135~137のいずれか1項に記載の方法。
(項目139)
B型肝炎ウイルスの前記レベルが、量である、項目135~137のいずれか1項に記載の方法。
(項目140)
前記第1および第2のアンプリコンのうちの一方または両方が、HBVのS ORFからの配列を含む、項目135~139のいずれか1項に記載の方法。
(項目141)
前記第1および第2のアンプリコンのうちの一方または両方が、HBVのP ORFからの配列を含む、項目135~140のいずれか1項に記載の方法。
(項目142)
前記第1および第2のアンプリコンのうちの一方または両方が、HBVのS ORFおよびP ORFの重複からの配列を含む、項目135~141のいずれか1項に記載の方法。
(項目143)
前記第1のアンプリコンが、配列番号2または3のうちの1つの少なくとも10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、または20個の連続したヌクレオチドを含む、項目135~142のいずれか1項に記載の方法。
(項目144)
前記第1のアンプリコンが、配列番号20、21、または22のうちの1つの少なくとも10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、または20個の連続したヌクレオチドを含む、項目135~143のいずれか1項に記載の方法。
(項目145)
前記第2のアンプリコンが、配列番号41の少なくとも10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、または20個の連続したヌクレオチドを含む、項目135~144のいずれか1項に記載の方法。
(項目146)
前記第2のアンプリコンが、配列番号34または35のうちの1つの少なくとも10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、または20個の連続したヌクレオチドを含む、項目135~145のいずれか1項に記載の方法。
(項目147)
前記所定の閾値が、予測されたランダム誤差が点変異による予測された誤差よりも大きいか、またはそれにほぼ等しい値である、項目135~146のいずれか1項に記載の方法。
(項目148)
前記所定の閾値が、点変異による予測された誤差が、予測されたランダム誤差よりも大きいか、またはそれにほぼ等しい値である、項目135~146のいずれか1項に記載の方法。
(項目149)
前記所定の閾値が、約10IU/mL~約200IU/mLの範囲内の濃度に対応する、項目135~148のいずれか1項に記載の方法。
(項目150)
前記所定の閾値が、約20IU/mL~約40IU/mL、約40IU/mL~約60IU/mL、約60IU/mL~約80IU/mL、または約80IU/mL~約100IU/mLの範囲内である、項目149に記載の方法。
(項目151)
前記第1の標識、前記第2の標識、または両方が蛍光である、項目135~150のいずれか1項に記載の方法。
(項目152)
前記第1および第2の標識のうちの少なくとも1つが、プローブに付着している、項目151に記載の方法。
(項目153)
前記プローブが、消光剤を含む、項目152に記載の方法。
(項目154)
項目69~73または78~88のいずれか1項に記載のプローブオリゴマーを含む、キットまたは組成物。
(項目155)
項目74~77のいずれか1項に記載の増幅オリゴマーを含む、キットまたは組成物。(項目156)
項目69~73または78~88のいずれか1項に記載のプローブオリゴマーをさらに含む、項目155に記載のキットまたは組成物。
(項目157)
項目1、8、9、もしくは13~17のいずれか1項に記載の第1の増幅オリゴマー、項目1、4、8、10、もしくは19~26のいずれか1項に記載の第2の増幅オリゴマー、項目1、8、11、もしくは27~28のいずれか1項に記載の第3の増幅オリゴマー、または項目1、5、8、12、もしくは29~32のいずれか1項に記載の第4の増幅オリゴマーのうちの少なくとも1つ、2つ、3つ、または4つをさらに含む、項目154~156のいずれか1項に記載のキットまたは組成物。
(項目158)
項目58~63のいずれか1項に記載のプローブオリゴマーをさらに含む、項目154~157のいずれか1項に記載のキットまたは組成物。
(項目159)
項目89もしくは96~98のいずれか1項に記載の第1の捕捉オリゴマー、項目89もしくは99~101のいずれか1項に記載の第2の捕捉オリゴマー、項目89もしくは102~104のいずれか1項に記載の第3の捕捉オリゴマー、または項目89もしくは105~107のいずれか1項に記載の第4の捕捉オリゴマーのうちの少なくとも1つ、2つ、3つ、または4つをさらに含む、項目154~158のいずれか1項に記載のキットまたは組成物。
(項目160)
項目33~38のいずれか1項に記載の第5の増幅オリゴマー、または項目39~42のいずれか1項に記載の第6の増幅オリゴマーのうちの少なくとも1つまたは2つをさらに含む、項目154~159のいずれか1項に記載のキットまたは組成物。
(項目161)
項目17、18、または116のいずれか1項に記載のさらなる増幅オリゴマーをさらに含み、前記キットまたは組成物が項目1、4、8、10、または19~26のいずれか1項に記載の第2の増幅オリゴマーを含む場合、前記さらなる増幅オリゴマーが、前記第2の増幅オリゴマーとは異なる、項目154~160のいずれか1項に記載のキットまたは組成物。
(項目162)
項目1~68、70~73、75~89、94~120、または154~161のいずれか1項に記載のキット。
(項目163)
項目1~68、70~73、75~89、94~120、または154~161のいずれか1項に記載の組成物。
(項目164)
水性、凍結、または凍結乾燥である、項目163に記載の組成物。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1A】遺伝子型A~Hを代表するHBVクローン配列を有する、例示的な標的捕捉オリゴマー0707bおよび733の整列を示す。
【
図1B】対応する位置における10個の最も一般的なHBVデータベース配列を有する、例示的な標的捕捉オリゴマー1290および1168のそれぞれの整列を示す。行は、個々の文字でラベル付けされ(必ずしもHBV遺伝子型名称に対応していない)、一致する配列の頻度が示される。点は、オリゴマーとの一致を示し、ミスマッチは、文字で示される。
図1Bの行Hおよび
図1Cの行Gの一連のNは、内部欠失を有するHBV配列を示す。
【
図1D-1】HBV位置376-474を包含する領域内の異なるHBVクローンの配列を有する、例示的なオリゴマーの整列を示す。
図1D-2は、
図1D-1の右端からの整列の続きである。
【
図2A】異なるHBVクローンの配列を有する、例示的なオリゴマーの整列を示し、376-402 T7増幅オリゴマー(配列番号15)に対する差が示される。
【
図2B-1】例示的なオリゴマー、代表的なHBV遺伝子型A配列、および108ヌクレオチド欠失を含むGenBank受託番号AB674430のHBV配列の整列を示す。
【
図3-1】HBV位置640-720を包含する領域内の異なるHBVクローンの配列を有する、例示的なオリゴマーの整列を示す。
【
図4A】内部増幅オリゴマーA376およびA35の非存在(A-B)および存在(C-D)下における実験の発生曲線を示す。
図4Aおよび4Cは、408-435プローブオリゴマーによって検出されるアンプリコンの検出を示す。
図4Bおよび4Dは、668Aプローブオリゴマーによって検出されるアンプリコンの検出を示す。矢印は、2,000IU/mLの試料のトレースを示し、括弧は、より低濃度の試料のトレースを示す。最低濃度(2IU/mL)のトレースは、灰色であり、中間濃度(10IU/mL)のトレースは、黒色である。
【
図5】PEI遺伝子型パネル上で実施されるアボット(縞模様の棒)およびロシュ(黒色の棒)からの市販のアッセイを比較した、例示的な定量化方法(白色の棒)の予測される定量化に対して観察された対数差分を示す。
【
図6A】HBV定量化の再現性を実証する散布図を示す。
【
図6B】発生時間をアンプリコン1および2のそれぞれの対数コピー/mLに変換するための較正曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
A.定義
本教示を詳細に説明する前に、本開示が特定の組成物またはプロセスステップに限定されず、それ自体が変化し得ることを理解されたい。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の言及を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「1つのオリゴマー」への言及は、複数のオリゴマーなどを含む。
【0052】
本開示で考察される温度、濃度、時間などの前に黙示的な「約」があり、これによりわずかで非実質的な逸脱が本明細書の教示の範囲内であることが理解されよう。一般に、「約」という用語は、組成物の活性または安定性に有意な影響を及ぼさない、組成物の成分の量のわずかな変動を示す。また、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含むこと(comprising)」、「含有する(contain)」、「含有する(contains)」、「含有すること(containing)」、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含むこと(including)」の使用は、限定を意図するものではない。上記の一般的な説明および詳細な説明が両方とも、例示的かつ説明的なものにすぎず、教示を限定するものではないことを理解されたい。参照により組み入れられるいかなる資料の範囲も本開示の明示的内容と矛盾する限りにおいて、明示的内容が優先する。
【0053】
特に記述のない限り、様々な構成要素「を含む(comprising)」と列挙している本明細書の実施形態は、列挙された構成要素「からなる(consisting of)」または「から本質的になる(consisting essentially of)」としても企図され、様々な構成要素「からなる(consisting of)」と列挙している本明細書の実施形態もまた、列挙された構成要素「を含む(comprising)」または「から本質的になる(consisting essentially of)」として企図され、様々な構成要素「から本質的になる(consisting essentially of)」と列挙している本明細書の実施形態も、列挙された構成要素「からなる(consisting of)」または「を含む(comprising」として企図される(この互換性は、請求項におけるこれらの用語の使用には当てはまらない)。
【0054】
「試料」は、B型肝炎ウイルス(HBV)または核酸もしくは核酸のフラグメントなどのその構成要素を含有し得る任意の検体を含む。試料は、HBVまたはそれに由来する標的核酸を含有し得る、生きているヒトまたは死んだヒトに由来する任意の組織または材料を含む「生物学的試料」を含み、例えば、末梢血、血漿、血清、リンパ節、胃腸組織(例えば、肝臓)または他の体液もしくは材料を含む。生物学的試料は、組織または細胞構造を物理的または機械的に破壊するように処理されてもよく、したがって、標準的な方法を使用して分析用の生物学的試料を調製するために使用される酵素、緩衝液、塩、洗剤などをさらに含有し得る溶液中に細胞内成分を放出する。また、試料は、試料を濾過デバイスの上もしくは中に通すことから、または遠心分離後に、または媒体、マトリクス、もしくは支持体への付着によって得られるものなどの処理済み試料を含み得る。
【0055】
「核酸」とは、窒素ヘテロ環塩基または塩基類似体を有する2つ以上の共有結合したヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体を含む多量体化合物であって、ヌクレオシドは、ホスホジエステル結合または他の結合によって互いに結合して、ポリヌクレオチドを形成する。核酸は、RNA、DNA、またはキメラDNA-RNAポリマーもしくはオリゴヌクレオチド、およびそれらの類似体を含む。核酸「骨格」は、糖-ホスホジエステル結合、ペプチド-核酸結合(「ペプチド核酸」またはPNAにおいては、例えば、国際特許出願公開第WO 95/32305号を参照されたい)、ホスホロチオエート結合、メチルホスホネート結合、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む様々な結合から構成され得る。核酸の糖部分は、リボースもしくはデオキシリボースのいずれか、または例えば2’-メトキシ置換および2’-ハライド置換(例えば2’-F)などの既知の置換を有する同様の化合物であり得る。窒素塩基は、従来の塩基(A、G、C、T、U)、その類似体(例えば、イノシン、5-メチルイソシトシン、イソグアニン;例えば、The Biochemistry of the Nucleic Acids 5-36,Adams et al.,ed.,11th ed.,1992、Abraham et
al.,2007,BioTechniques 43:617-24を参照されたい)であってよく、これは、プリンまたはピリミジン塩基の誘導体(例えば、N4-メチルデオキシグアノシン、デアザ-またはアザ-プリン、デアザ-またはアザ-ピリミジン、5または6位に置換基を有するピリミジン塩基、2、6、および/または8位に改変または置き換え置換基を有するプリン塩基、例えば、2-アミノ-6-メチルアミノプリン、O6-メチルグアニン、4-チオ-ピリミジン、4-アミノ-ピリミジン、4-ジメチルヒドラジン-ピリミジン、およびO4-アルキル-ピリミジン、ならびにピラゾロ-化合物、例えば、非置換または3-置換ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン。それぞれ参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,378,825号、同第6,949,367号、および国際特許出願公開第WO 93/13121号)を含む。核酸は、骨格が1つ以上の残基に対して窒素塩基を含まない「脱塩基」残基を含み得る(例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,585,481号を参照されたい)。核酸は、RNAおよびDNAに見られるような従来の糖、塩基、および結合のみを含み得るか、または従来の成分および置換(例えば、2’-メトキシ骨格によって結合される従来の塩基、もしくは従来の塩基および1つ以上の塩基類似体の混合物を含む核酸)を含み得る。核酸は、「ロックド核酸」(LNA)を含んでもよく、1つ以上のヌクレオチドモノマーは、糖立体配座を模倣するRNAにロックされた二環式フラノース単位を有し、一本鎖RNA(ssRNA)、一本鎖DNA(ssDNA)、または二本鎖DNA(dsDNA)中の相補的配列に対するハイブリダイゼーション親和性を増強する(参照により本明細書に組み込まれるVester et al.,Biochemistry 43:13233-41,2004)。核酸は、核酸の機能または挙動を変化させるための修飾塩基、例えばさらなるヌクレオチドが核酸に付加されるのを阻止するための3’-末端ジデオキシヌクレオチドの付加を含み得る。インビトロで核酸を作製するための合成方法は、当該分野で周知であるが、核酸は、日常的な技術を使用して天然の供給源から精製され得る。
【0056】
ある配列が、HBVのいずれかの遺伝子型、亜型、または単離体と比較して、その配列またはその相補体が生じる、それと少なくとも約90%もしくは少なくとも約95%同一である、またはただ1つのミスマッチを含む場合、それは、「B型肝炎ウイルス配列」であり、例えば、「B型肝炎ウイルス配列の14個の連続したヌクレオチド」とは、HBVの遺伝子型、亜型、もしくは単離体、あるいはそれらの相補体の14個の位置のうち少なくとも13個と一致する14塩基長を指す。配列がB型肝炎ウイルス配列として認定されるかどうかを判定する目的のために、Uの存在は、Tと同等であると見なされ、その逆もまた同様である。本明細書に開示される例示的なオリゴマーの標的ハイブリダイズ領域、本明細書に開示されるインビトロ転写物のHBV由来配列、およびその部分配列もまた、B型肝炎ウイルス配列と見なされる。したがって、B型肝炎ウイルス配列の例は、配列番号1~7、20~28、34~39、49~64、69~76、82~84、および96~125、ならびに配列表中の受託番号によって参照される完全HBVゲノム配列を含む。いくつかの実施形態では、上記で参照されたHBVの遺伝子型、亜型、または単離体は、例えば、本開示の日付で入手可能な配列データベースまたは刊行物中に存在する、HBVの既知の遺伝子型、亜型、または単離体である。HBV核酸の数値的位置が参照される場合、そのような位置は、HBV遺伝子型A1配列である配列番号1に関連する。位置は、他の遺伝子型において異なり得、例えば、配列番号1の700位は、配列番号101のHBV遺伝子型F1a配列の703位に整合することが理解される。対応する位置は、標準パラメータを用いたニードルマン-ウンシュアルゴリズムなどの適切な整合アルゴリズムを使用して決定され得る。
【0057】
オリゴマーが、例えば、「特定の配列番号の少なくとも10個の連続したヌクレオチド」および「B型肝炎ウイルス配列の少なくとも約14個の連続したヌクレオチド」を含む場合、同じヌクレオチドは、(i)および(ii)の両方に加算され得、例えば、B型肝炎ウイルス配列の少なくとも14個の連続したヌクレオチドは、B型肝炎ウイルス配列の上記の定義と一致する範囲で、その特定の配列番号の少なくとも10個の連続したヌクレオチドのいずれかまたは全てを含むことができる。同様に、配列番号の配列の各々が存在する場合、それらが重複するかどうかにかかわらず、「オリゴマーは、複数の特定の配列番号のうちの少なくとも2つ(またはそれ以上)を含む標的ハイブリダイズ配列を含む」。したがって、簡単な例として、CATは、CAおよびATの両方を含む。
【0058】
2つの分子が「少なくともN個の共通の位置にアニールする」とは、分子が、標的核酸、例えば、HBV核酸の同じまたは反対の鎖上にN個以上のヌクレオチドだけ重複するハイブリダイゼーション部位を有することを意味する。例えば、655~681位に特異的にハイブリダイズするように構成された第1のオリゴマーおよび679~699位に特異的にハイブリダイズするように構成された第2のオリゴマーは、(i)それらが両方とも同じ鎖に特異的にハイブリダイズするように構成されているか、または(ii)一方がセンスまたは(+)鎖に特異的にハイブリダイズするように構成され、他方がアンチセンスまたは(-)鎖に特異的にハイブリダイズするように構成されているかどうかにかかわらず、3つの共通位置(679、680、および681)にアニールする。
【0059】
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」という用語は、核酸鎖を意味する。本出願全体を通して、核酸は、5’末端から3’末端によって示される。合成核酸、例えば、DNA、RNA、DNA/RNAキメラ(非天然のヌクレオチドまたは類似体がそれらに含まれる場合を含む)は、典型的には「3’から5’へ」、すなわち、成長している核酸の5’末端に対してヌクレオチドの付加によって合成される。
【0060】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオチド」は、リン酸基、5炭素糖、および窒素塩基(本明細書では「核酸塩基」とも称される)からなる核酸のサブユニットである。RNAに見られる5炭素糖は、リボースである。DNAでは、5炭素糖は、2’-デオキシリボースである。この用語はまた、リボースの2’位にあるメトキシ基(本明細書では「2’-O-Me」または「2’-メトキシ」とも呼ばれる)などのそのようなサブユニットの類似体も含む。本明細書で使用される場合、「T」残基を含有するメトキシオリゴヌクレオチドは、リボース部分の2’位にメトキシ基、およびヌクレオチドの塩基位置にウラシルを有する。
【0061】
本明細書で使用される場合、「非ヌクレオチド単位」は、ポリマーのハイブリダイゼーションに有意に関与しない単位である。そのような単位は、例えば、ヌクレオチドとのいかなる有意な水素結合にも関与せず、構成要素として5つのヌクレオチド塩基またはその類似体のうちの1つを有する単位を除外するであろう。
【0062】
本明細書で使用される場合、「標的核酸」は、増幅される標的配列を含む核酸である。標的核酸は、本明細書に記載されるようなDNAまたはRNAであってもよく、一本鎖または二本鎖のいずれかであってもよい。標的核酸は、標的配列以外に増幅していなくてもよい他の配列を含み得る。
【0063】
本明細書で使用される場合、「標的配列」という用語は、増幅および/または検出されるべき標的核酸の特定のヌクレオチド配列を指す。「標的配列」は、増幅プロセス(例えば、TMA)中にオリゴヌクレオチド(例えば、プライミングオリゴヌクレオチドおよび/またはプロモーターオリゴヌクレオチド)が複合体を形成する複合体形成配列を含む。標的核酸がもともと一本鎖である場合、「標的配列」という用語はまた、標的核酸中に存在するような「標的配列」に相補的な配列も指す。標的核酸がもともと二本鎖である場合、「標的配列」という用語は、センス(+)鎖およびアンチセンス(-)鎖の両方を指す。(+)鎖は、ウイルスmRNA配列に対応し、(-)は、その相補体である。配列番号1の例示的な遺伝子型A配列は、(+)鎖を表す。
【0064】
「標的ハイブリダイズ配列」は、標的核酸配列とハイブリダイズするように構成されたオリゴマーの部分を指すために本明細書で使用される。いくつかの実施形態では、標的ハイブリダイズ配列は、標的核酸配列と特異的にハイブリダイズするように構成されている。標的ハイブリダイズ配列は、それらがハイブリダイズするように構成されている標的配列の部分に対して100%相補的であり得るが、必ずしもそうではない。標的ハイブリダイズ配列はまた、標的配列に対して挿入、欠失、および/または置換されたヌクレオチド残基を含み得る。標的配列に対する標的ハイブリダイズ配列の100%未満の相補性は、例えば、HBVの様々な遺伝子型にハイブリダイズするように構成されたオリゴマーの場合のように、標的核酸が種内の複数の株である場合に生じ得る。標的核酸に対して100%未満の相補性を有するように標的ハイブリダイズ配列を構成するための他の理由が存在することが理解される。
【0065】
HBV核酸の領域に関して本明細書で使用される「配列を標的にする」という用語は、オリゴヌクレオチドが本明細書に記載の増幅および検出を可能にする様式で標的配列にハイブリダイズするプロセスを指す。1つの好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドは、標的HBV核酸配列と相補的であり、ミスマッチを含まない。別の好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドは、相補的であるが、標的HBV核酸配列と1、2、3、4、または5つのミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、HBV核酸配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドは、標的配列に相補的な少なくとも10個~最大50個のヌクレオチドを含む。10、50、およびその間の各整数が含まれるように、少なくとも10および50もの数が包含範囲であることが理解される。いくつかの実施形態では、オリゴマーは、標的配列に特異的にハイブリダイズする。
【0066】
「するように構成された」という用語は、参照オリゴヌクレオチド標的ハイブリダイズ配列のポリヌクレオチド配列構成の実際の配置を意味する。例えば、標的配列から特定のアンプリコンを生成するように構成された増幅オリゴマーは、標的配列にハイブリダイズするポリヌクレオチド配列を有し、アンプリコンを生成するための増幅反応に使用することができる。また一例として、標的配列に特異的にハイブリダイズするように構成されたオリゴヌクレオチドは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で参照配列に特異的にハイブリダイズするポリヌクレオチド配列を有する。
【0067】
本明細書で使用される場合、「に特異的にハイブリダイズするように構成された」という用語は、増幅オリゴヌクレオチド、検出プローブ、または他のオリゴヌクレオチドの標的ハイブリダイズ領域が、参照HBV標的領域の配列を標的にし得るポリヌクレオチド配列を有するように設計されることを意味する。そのようなオリゴヌクレオチドは、その配列のみを標的とすることに限定されず、むしろ組成物として、キット内で、またはHBV標的核酸を標的にするための方法において有用である。オリゴヌクレオチドは、試料からのHBVの増幅および検出のためのアッセイの構成要素として機能するように設計されており、したがって試験試料中に通常見られる他の核酸の存在下でHBVを標的にするように設計されている。「に特異的にハイブリダイズする」とは、当該技術分野で理解されるように、非標的核酸に対する多少のレベルのハイブリダイゼーションが起こり得るため、排他的にハイブリダイズすることを意味するのではない。むしろ、「に特異的にハイブリダイズする」とは、試料中の標的核酸の正確な検出が決定され得るように、オリゴヌクレオチドがアッセイにおいて標的を主にハイブリダイズするように機能するように構成されていることを意味する。「上流」とは、所与の位置よりも(+)鎖の5’末端(または(-)鎖の3’末端)に近い位置を指す。「下流」とは、所与の位置よりも(+)鎖の3’末端(または(-)鎖の5’末端)に近い位置を指す。
【0068】
標的HBV核酸に関して本明細書で使用される場合、「フラグメント」という用語は、1つの連続した核酸を指す。ある特定の実施形態では、フラグメントは、配列番号1に対応するHBV RNA由来の連続したヌクレオチドを含み、このフラグメント中の連続したヌクレオチドの数は、配列番号1に対応する全配列についての数よりも少ない。
【0069】
本明細書で使用される場合、「領域」という用語は、核酸の一部分を指し、前述の一部分は、全核酸よりも小さい。例えば、参照される核酸がオリゴヌクレオチドプロモータープライマーである場合、「領域」という用語は、全オリゴヌクレオチドのより小さいプロモーター部分を指すために使用され得る。同様に、かつまた単なる例として、核酸がHBV核酸である場合、「領域」という用語は、核酸のより小さい領域を指すために使用され得、より小さい領域は、本開示の1つ以上のオリゴヌクレオチドによって標的化される。別の非限定的な例として、参照される核酸がアンプリコンである場合、領域という用語は、プローブの標的ハイブリダイズ配列によるハイブリダイゼーションのために同定されたより小さいヌクレオチド配列を指すために使用され得る。
【0070】
互換性のある「オリゴマー」、「オリゴ」、および「オリゴヌクレオチド」という用語は、一般に1,000ヌクレオチド未満のヌクレオチド(nt)残基を有する核酸を指し、約5ntの残基の下限および約500~900ntの残基の上限を有する範囲内のポリマーを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、約12~15ntの下限および約50~600ntの上限を有するサイズ範囲内にあり、他の実施形態は、約15~20ntの下限および約22~100ntの上限を有するサイズ範囲内にある。オリゴヌクレオチドは、天然に存在する供給源から精製され得るか、または様々な周知の酵素的方法もしくは化学的方法のいずれかを使用して合成され得る。オリゴヌクレオチドという用語は、試薬に対するいかなる特定の機能も意味せず、むしろ、それは、本明細書に記載される全てのそのような試薬を網羅するために一般的に使用されている。オリゴヌクレオチドは、様々な異なる機能を果たし得る。例えば、オリゴヌクレオチドが相補鎖に対して特異的であり、それとハイブリダイズすることが可能であり、核酸ポリメラーゼの存在下でさらに伸長され得る場合、それはプライマーとして機能し得、オリゴヌクレオチドがRNAポリメラーゼによって認識される配列を含有し、転写を可能にする場合、それはプライマーとして機能し、プロモーターを提供し得(例えば、T7プライマー)、オリゴヌクレオチドが標的核酸またはそのアンプリコンにハイブリダイズすることが可能であり、検出可能な部分(例えば、フルオロフォア)をさらに提供する場合、それは標的核酸を検出するように機能し得る。
【0071】
本明細書で使用される場合、特定の参照核酸配列「に実質的に対応する」オリゴヌクレオチドは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で同じ標的核酸配列とハイブリダイズするという点で、オリゴヌクレオチドが参照核酸配列と同様のハイブリダイゼーション特性を有するように、オリゴヌクレオチドが参照核酸配列と十分に類似することを意味する。当業者は、「実質的に対応するオリゴヌクレオチド」が参照配列とは異なり得、それでもなお同じ標的核酸配列にハイブリダイズし得ることを理解するであろう。文脈が明らかにそうでないと指示しない限り、第2の核酸に対応する第1の核酸は、そのRNAまたはDNA等価物ならびにそのDNA/RNAキメラを含み、それらの相補体を含むことも理解される。核酸からのこの変動は、配列内の同一塩基の割合、またはプローブもしくはプライマーとその標的配列との間の完全に相補的な塩基の割合に関して述べられ得る。したがって、ある特定の実施形態では、これらの塩基同一性または相補性の割合が100%から約80%である場合、オリゴヌクレオチドは、参照核酸配列に「実質的に対応する」。いくつかの実施形態では、割合は、100%~約85%である。いくつかの実施形態では、割合は、100%~約90%、例えば100%~約95%である。同様に、核酸または増幅された核酸の領域は、本明細書において参照核酸配列に対応すると見なされ得る。当業者は、許容できないレベルの非特異的ハイブリダイゼーションを引き起こすことなく、特定の標的配列へのハイブリダイゼーションを可能にするために様々な割合の相補性で必要とされ得る、ハイブリダイゼーション条件に対する様々な修正を理解するであろう。
【0072】
本明細書で使用される場合、「ブロッキング部分」は、それが核酸ポリメラーゼによって効率的に伸長され得ないように、オリゴヌクレオチドまたは他の核酸の3’末端を「ブロックする」ために使用される物質である。核酸ポリメラーゼによる伸長を意図していないオリゴマーは、増幅反応においてオリゴマーの酵素媒介伸長を防止するために3’OHを置き換えるブロッカー基を含み得る。例えば、増幅中に存在するブロック化増幅オリゴマーおよび/または検出プローブは、官能性3’OHを有さず、その代わりに3’末端またはその付近に位置する1つ以上のブロッキング基を含み得る。いくつかの実施形態では、3’末端付近のブロッキング基は、3’末端の5残基以内であり得、オリゴマーへのポリメラーゼの結合を制限するのに十分に大きい。他の実施形態では、ブロッキング基は、3’末端に共有結合している。多くの異なる化学基、例えばアルキル基、非ヌクレオチドリンカー、アルカン-ジオールジデオキシヌクレオチド残基、およびコルジセピンが、3’末端をブロックするために使用され得る。
【0073】
「増幅オリゴマー」は、少なくともその3’末端が標的核酸に相補的であり、標的核酸またはその相補体にハイブリダイズし、核酸増幅反応に関与するオリゴマーである。増幅オリゴマーの例は、標的核酸にハイブリダイズし、増幅プロセスにおいてポリメラーゼによって伸長される3’OH末端を含有する「プライマー」である。いくつかの実施形態では、増幅オリゴヌクレオチドの5’領域は、標的核酸に対して非相補的であるプロモーター配列(「プロモータープライマー」と称され得る)を含み得る。増幅オリゴマーの別の例は、ポリメラーゼによって伸長されない(例えば、それが3’ブロック化末端を有するため)が、増幅に関与するかまたは増幅を促進するオリゴマーである。例えば、増幅オリゴヌクレオチドの5’領域は、標的核酸に対して非相補的であるプロモーター配列(これは「プロモータープロバイダー」と称され得る)を含み得る。当業者は、プライマーとして機能する増幅オリゴマーが5’プロモーター配列を含むように修飾され得、したがってプロモータープライマーとして機能することを理解するであろう。3’ブロック化末端を組み込むことは、今や標的核酸にハイブリダイズし、転写を開始するのに役立つ上流プロモーター配列を提供することが可能であるが、オリゴ伸長のためのプライマーを提供しないプロモータープライマーをさらに修飾する。そのような修飾オリゴは、本明細書において「プロモータープロバイダー」オリゴマーと称される。増幅オリゴヌクレオチドのサイズ範囲は、約10~約70ntの長さであり(プロモーター配列またはポリAテールを含まない)、標的核酸配列(またはその相補鎖)の領域に相補的である少なくとも約10個の連続した塩基、さらには少なくとも12個の連続した塩基を含有するものを含む。連続した塩基は、増幅オリゴマーが結合する標的配列に対して少なくとも80%、または少なくとも90%、または完全に相補的である。増幅オリゴマーは、修飾されたヌクレオチドもしくは類似体、または増幅反応に関与するが、標的核酸もしくは鋳型配列に相補的でも含有されてもいない、さらなるヌクレオチドを任意に含んでもよい。オリゴヌクレオチド、アンプリコン、または他の核酸の長さの範囲に言及する場合、その範囲が全ての整数を含む(例えば、19~25個の連続したヌクレオチド長には、19、20、21、22、23、24、および25が含まれる)ことが理解される。
【0074】
本明細書で使用される場合、「プロモーター」は、核酸に結合し、特定の部位でRNAの転写を開始するためのシグナルとして、DNA依存性RNAポリメラーゼ(「転写酵素」)によって認識される特定の核酸配列である。
【0075】
本明細書で使用される場合、「プロモータープロバイダー」または「プロバイダー」は、第1および第2の領域を含み、その3’末端からのDNA合成の開始を防止するように修飾されているオリゴヌクレオチドを指す。プロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドの「第1の領域」は、DNA鋳型にハイブリダイズする塩基配列を含み、このハイブリダイズする配列は、プロモーター領域の3’に位置するが、必ずしも隣接しない。プロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイズ部分は、典型的には少なくとも10ヌクレオチド長であり、最大50ヌクレオチド以上の長さまで伸長してもよい。「第2の領域」は、RNAポリメラーゼのためのプロモーター配列を含む。プロモーターオリゴヌクレオチドは、それがRNAまたはDNA依存性DNAポリメラーゼ、例えば、逆転写酵素によって伸長され得ないように操作され、いくつかの実施形態では、上記のようにその3’末端にブロッキング部分を含む。本明細書で言及されるように、「T7プロバイダー」は、T7 RNAポリメラーゼによって認識されるオリゴヌクレオチド配列を提供するブロック化プロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドである。
【0076】
「終結オリゴヌクレオチド」は、プライミングオリゴヌクレオチドを含む新生核酸のプライマー伸長を「終結」させ、それにより新生核酸鎖の定義された3’末端を提供するために、標的領域の5’末端付近の標的核酸内の配列に実質的に相補的である塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである。終結オリゴヌクレオチドは、新生核酸鎖にとって望ましい3’末端を達成するのに十分な位置で標的核酸にハイブリダイズするように設計されている。終結オリゴヌクレオチドの位置決めは、その設計に応じて柔軟である。終結オリゴヌクレオチドは、修飾されていても修飾されていなくてもよい。ある特定の実施形態では、終結オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つ以上の2’-O-MEリボヌクレオチドを用いて合成される。これらの修飾ヌクレオチドは、相補的二本鎖のより高い熱安定性を示した。2’-O-MEリボヌクレオチドはまた、エキソヌクレアーゼに対するオリゴヌクレオチドの耐性を増大させるように機能し、それにより修飾オリゴヌクレオチドの半減期を増大させる。(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Majlessi et al.,Nucleic Acids Res.26:2224-9,1988を参照されたい)。2’-O-Meリボヌクレオチドに加えて、またはその代わりに、本明細書の他の場所に記載されているような他の修飾が利用され得る。例えば、終結オリゴヌクレオチドは、PNAまたはLNAを含み得る。(例えば、参照により本明細書に組み込まれるPetersen et al.,J.Mol.Recognit.13:44-53,2000を参照されたい。)本開示の終結オリゴヌクレオチドは、典型的には、その3’末端に伸長を防止するためのブロッキング部分を含む。終結オリゴヌクレオチドはまた、ポリメラーゼによる新生核酸鎖のさらなる伸長を終結させるようにオリゴヌクレオチドに結合したタンパク質またはペプチドを含み得る。本開示の終結オリゴヌクレオチドは、典型的には少なくとも10塩基長であり、最大15、20、25、30、35、40、50、またはそれ以上のヌクレオチド長まで伸長し得る。終結オリゴヌクレオチドは、典型的または必然的に3’ブロッキング部分を含むが、「3’-ブロック化」オリゴヌクレオチドは、必ずしも終結オリゴヌクレオチドではない。
【0077】
「増幅」は、標的核酸配列またはその相補体もしくはそのフラグメントの複数のコピーを得るための任意の既知の手順を指す。複数のコピーは、アンプリコンまたは増幅産物と呼ばれることがある。「フラグメント」の増幅は、例えば、標的核酸の内部位置にハイブリダイズし、そこから重合を開始する増幅オリゴヌクレオチドを使用することによって産生される、完全ではない標的核酸またはその相補体を含有する増幅核酸の産生を指す。既知の増幅方法としては、例えば、レプリカーゼ媒介増幅、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、および転写媒介または転写関連増幅が挙げられる。レプリカーゼ媒介増幅は、自己複製RNA分子、およびQBレプリカーゼなどのレプリカーゼを使用する(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,786,600号を参照されたい)。PCR増幅は、DNAポリメラーゼ、プライマー対、および熱サイクリングを使用して、dsDNAの2つの相補鎖の複数のコピーを合成するか、またはcDNAから合成する(例えば、参照により各々が本明細書に組み込まれる、米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、および同第4,800,159号を参照されたい)。LCR増幅は、4つ以上の異なるオリゴヌクレオチドを使用して、ハイブリダイゼーション、ライゲーション、および変性の複数サイクルを使用することによって標的およびその相補鎖を増幅する(例えば、参照により各々が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,427,930号および同第5,516,663号を参照されたい)。SDAは、制限エンドヌクレアーゼの認識部位を含有するプライマー、および標的配列を含む半修飾DNA二本鎖の一方の鎖にニックを入れるエンドヌクレアーゼを使用し、それにより、一連のプライマー伸長および鎖置換ステップで増幅が起こる(例えば、参照により各々が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,422,252号、同第5,547,861号、および同第5,648,211号を参照されたい)。
【0078】
本明細書で使用される場合、「線形増幅」という用語は、反応中の標的核酸の量に線形に比例する標的核酸の増加を生じるように設計されている増幅機構を指す。例えば、転写関連反応を使用してDNA標的から複数のRNAコピーが作製され得、コピー数の増加は、線形因子(例えば、鋳型の開始コピー×100)によって表され得る。いくつかの実施形態では、多相増幅手順における第1相線形増幅は、第2相増幅反応が始まる前に、標的核酸鎖またはその相補体の開始数を少なくとも10倍、例えば、少なくとも100倍、または10~1,000倍増加させる。線形増幅系の例は、“T7-based Linear Amplification of DNA”(TLAD、Liu et al.,BMC Genomics,4: Art.No.19,May 9,2003を参照されたい)である。他の方法は、例えば、米国特許第9,139,870号から既知であるか、または本明細書に開示されている。したがって、「線形増幅」という用語は、標的核酸配列の指数関数的増幅をもたらさない増幅反応を指す。「線形増幅」という用語は、逆転写(RT)-PCRの場合のようにRNA分子の単一cDNA分子への転写などの、核酸鎖の単一コピーを単純に作製する方法を指すものではない。
【0079】
本明細書で使用される場合、「指数関数的増幅」という用語は、反応中の標的核酸の量に幾何学的に比例する標的核酸の増加を生じるように設計されている核酸増幅を指す。例えば、PCRは、あらゆる元の標的鎖および存在するあらゆる合成鎖に対して、1つのDNA鎖を産生する。同様に、転写関連増幅は、あらゆる元の標的鎖およびその後に合成されるあらゆる鎖に対して、複数のRNA転写物を産生する。合成された鎖がその後の増幅ラウンドにおいて鋳型として使用されるため、増幅は、指数関数的である。増幅反応は、増幅反応がそのような増加を生じるように設計されている限り、指数関数的増幅と見なされるための指数関数的に増幅する量の核酸を実際に産生する必要はない。
【0080】
「転写関連増幅」または「転写媒介増幅」(TMA)は、RNAポリメラーゼを使用して、核酸鋳型から複数のRNA転写物を産生する核酸増幅を指す。これらの方法は一般に、RNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、リボヌクレオシド三リン酸、およびプロモーター配列、例えば、T7プロモーターを含む鋳型相補的オリゴヌクレオチドを用い、任意に1つ以上の他のオリゴヌクレオチドを含み得る。T7プロモーター含有オリゴマーが使用される場合、それは、「T7プライマー」または「T7オリゴマー」と呼ばれることがあり、他のプライマー/オリゴマーは、「非T7」または「NT7」プライマー/オリゴマーと呼ばれることがある。TMA法および単一プライマー転写関連増幅法は、本明細書に記載のようにHBV標的配列の検出に使用される増幅法の実施形態である。転写関連増幅のバリエーションは、以前に詳細に開示されたように当該技術分野において周知である(例えば、参照により各々が本明細書に組み込まれる、米国特許第4,868,105号、同第5,124,246号、同第5,130,238号、同第5,399,491号、同第5,437,990号、同第5,554,516号、および同第7,374,885号、ならびに国際特許出願公開第WO 88/01302号、同第WO 88/10315号、および同第WO 95/03430号を参照されたい)。当業者は、開示された組成物がポリメラーゼによるオリゴマー配列の伸長に基づく増幅方法において使用され得ることを理解するであろう。
【0081】
本明細書で使用される場合、「リアルタイムTMA」という用語とは、リアルタイム検出を通して監視される標的核酸の単一プライマー転写媒介増幅(「TMA」)を指す。
【0082】
本明細書で使用される場合、「アンプリコン」または「増幅産物」という用語は、標的配列内に含有される配列に対して相補的または相同である、増幅手順中に生成される核酸分子を指す。アンプリコンの相補的または相同的配列は、本明細書において「標的特異的配列」と呼ばれることがある。本開示の増幅オリゴマーを使用して生成されたアンプリコンは、非標的特異的配列を含み得る。アンプリコンは、二本鎖または一本鎖であってもよく、DNA、RNA、またはその両方を含み得る。例えば、DNA依存性RNAポリメラーゼは、転写媒介増幅手順中に二本鎖DNAから一本鎖アンプリコンを転写する。これらの一本鎖アンプリコンは、RNAアンプリコンであり、増幅オリゴマーがどのように構成されているかに応じて、二本鎖複合体のいずれかの鎖であり得る。したがって、アンプリコンは、一本鎖RNAであり得る。RNA依存性DNAポリメラーゼは、RNA鋳型に相補的であるDNA鎖を合成する。したがって、アンプリコンは、二本鎖DNAおよびRNAハイブリッドであり得る。RNA依存性DNAポリメラーゼは、しばしばRNase活性を含むか、またはRNA鎖を分解するRNaseと共に使用される。したがって、アンプリコンは、一本鎖DNAであり得る。RNA依存性DNAポリメラーゼおよびDNA依存性DNAポリメラーゼは、DNA鋳型から相補的DNA鎖を合成する。したがって、アンプリコンは、二本鎖DNAであり得る。RNA依存性RNAポリメラーゼは、RNA鋳型からRNAを合成する。したがって、アンプリコンは二本鎖RNAであり得る。DNA依存性RNAポリメラーゼは、転写とも称される二本鎖DNA鋳型からRNAを合成する。したがって、アンプリコンは、一本鎖RNAであり得る。アンプリコンおよびアンプリコンを生成するための方法は、当業者に既知である。本明細書における便宜上、RNAの一本鎖またはDNAの一本鎖は、本開示の増幅オリゴマーの組み合わせによって生成されたアンプリコンを表し得る。そのような表現は、アンプリコンを示される表現に限定することを意味しない。本開示を所有する当業者は、増幅オリゴマーおよびポリメラーゼ酵素を使用して、全て本開示の精神および範囲内にある多数のタイプのアンプリコンのいずれかを生成するであろう。
【0083】
本明細書で使用される場合、「非標的特異的配列」は、オリゴマー配列のある領域を指し、前述の領域は、標準的なハイブリダイゼーション条件下で標的配列と安定にハイブリダイズしない。非標的特異的配列を有するオリゴマーとしては、プロモータープライマーおよび分子ビーコンが挙げられるが、これらに限定されない。増幅オリゴマーは、標的配列または鋳型配列に相補的ではない配列を含有し得、例えば、プライマーの5’領域は、標的核酸に対して非相補的であるプロモーター配列を含み得る(「プロモータープライマー」と呼ばれる)。当業者は、プライマーとして機能する増幅オリゴマーが5’プロモーター配列を含むように修飾され得、したがってプロモータープライマーとして機能することを理解するであろう。同様に、プロモータープライマーは、プロモーター配列の除去、またはプロモーター配列なしの合成によって修飾されてもよく、それでもなおプライマーとして機能する。3’ブロック化増幅オリゴマーは、プロモーター配列を提供し、重合のための鋳型として機能し得る(「プロモータープロバイダー」と呼ばれる)。したがって、プロモータープライマーなどの増幅オリゴマーメンバーによって生成されるアンプリコンは、標的特異的配列および非標的特異的配列を含むであろう。
【0084】
「検出プローブ」、「検出オリゴヌクレオチド」、「プローブオリゴマー」、および「検出プローブオリゴマー」は、互換的に使用されて、ハイブリダイゼーションを促進する条件下で、核酸中または増幅核酸中の標的配列に特異的にハイブリダイズして、標的配列または増幅された核酸の検出を可能にする、核酸オリゴマーを指す。検出は、直接的(例えば、その標的配列に直接ハイブリダイズしたプローブ)、または間接的(例えば、中間分子構造を介してその標的に連結したプローブ)のいずれかであり得る。検出プローブは、DNA、RNA、それらの類似体、またはそれらの組み合わせ(例えば、DNA/RNAキメラ)であり得、それらは、標識されていてもいなくてもよい。検出プローブは、例えば2’-O-メチル結合などの代替骨格結合をさらに含み得る。検出プローブの「標的配列」は、一般に、標準的な塩基対合によってプローブオリゴマーの少なくとも一部分に特異的にハイブリダイズする、より大きい核酸配列内のより小さい核酸配列領域を指す。検出プローブは、標的特異的配列、およびプローブの三次元立体配座に寄与する他の配列を含み得る(例えば、参照により各々が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,118,801号、同第5,312,728号、同第6,849,412号、同第6,835,542号、同第6,534,274号、および、同第6,361,945号、ならびに米国特許出願公開第2006/0068417号を参照されたい)。
【0085】
「安定した」または「検出に対して安定した」とは、反応混合物の温度が核酸二本鎖の融解温度より少なくとも2℃低いことを意味する。
【0086】
本明細書で使用される場合、「標識」とは、検出されるかまたは検出可能なシグナルをもたらすプローブに直接的または間接的に結合した部分または化合物を指す。直接的標識化は、共有結合または非共有相互作用、例えば、水素結合、疎水性およびイオン性相互作用、またはキレートもしくは配位錯体の形成を含む、標識をプローブに連結する結合または相互作用を通して起こり得る。間接的標識化は、直接的または間接的のいずれかで標識され、検出可能なシグナルを増幅することができる、架橋部分または「リンカー」、例えば、結合対メンバー、抗体、またはさらなるオリゴマーの使用を通して起こり得る。標識は、例えば放射性核種、リガンド(例えば、ビオチン、アビジン)、酵素もしくは酵素基質、反応基、もしくは発色団(例えば、検出可能な色を付与する染料、粒子、もしくはビーズ)、発光化合物(例えば、生物発光、リン光、もしくは化学発光標識)、またはフルオロフォアなどのいずれかの検出可能な部分を含む。標識は、混合物中の結合標識プローブが非結合標識プローブとは異なる検出可能な変化、例えば、不安定性または特異的な分解特性を示す均質アッセイにおいて検出可能であり得る。「均質な検出可能な標識」は、未結合形態の標識または標識プローブから結合したものを物理的に除去することなく検出され得る(例えば、参照により各々が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,283,174号、同第5,656,207号、および同第5,658,737号を参照されたい)。標識は、化学発光化合物、例えば、標準AEを含むアクリジニウムエステル(「AE」)化合物および誘導体を含む(例えば、参照により各々が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,656,207号、同第5,658,737号、および同第5,639,604号を参照されたい)。標識を核酸に付着させ、標識を検出する合成および方法は、周知である。(例えば、参照により本明細書に組み込まれるSambrook et al.Molecular Cloning.A Laboratory Manual,2nd ed.(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Habor,NY,1989),Chapter 10を参照されたい。)また、参照により各々が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,658,737号、同第5,656,207号、同第5,547,842号、同第5,283,174号、および同第4,581,333号も参照されたい)。2つ以上の標識、および2つ以上の種類の標識が特定のプローブ上に存在し得るか、または検出は、各プローブが検出可能なシグナルを生じさせる化合物で標識されているプローブの混合物を使用し得る(例えば、参照により各々が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,180,340号および同第6,350,579号を参照されたい)。
【0087】
「捕捉プローブ」、「捕捉オリゴヌクレオチド」、「捕捉オリゴマー」、「標的捕捉オリゴマー」、および「捕捉プローブオリゴマー」は、標準的な塩基対合によって標的核酸中の標的配列に特異的にハイブリダイズし、固定化プローブ上の結合パートナーに結合して標的核酸を支持体に捕捉する、核酸オリゴマーを指すために互換的に使用される。捕捉オリゴマーの一例は、2つの結合領域:通常は同じオリゴマー上の配列結合領域(例えば、標的部位)および固定化プローブ結合領域を含むが、2つの領域は、1つ以上のリンカーによって互いに結合した2つの異なるオリゴマー上に存在し得る。捕捉オリゴマーの別の実施形態は、標的核酸に非特異的に結合し、それを支持体上の固定化プローブに結合するために、ランダムまたは非ランダムポリ-GU、ポリ-GT、またはポリU配列を含む標的配列結合領域を使用する。
【0088】
本明細書で使用される場合、「固定化オリゴヌクレオチド」、「固定化プローブ」、「固定化結合パートナー」、「固定化オリゴマー」、または「固定化核酸」とは、捕捉オリゴマーを支持体に直接または間接的に結合する核酸結合パートナーを指す。支持体に結合した固定化プローブは、試料中の未結合材料からの捕捉プローブ結合標的の分離を容易にする。固定化プローブの一実施形態は、試料中の未結合材料からの結合標的配列の分離を容易にする、支持体に結合したオリゴマーである。支持体は、ニトロセルロース、ナイロン、ガラス、ポリアクリレート、混合ポリマー、ポリスチレン、シラン、ポリプロピレン、金属、または他の組成物で作られてもよく、その一実施形態が磁気誘引性粒子である、既知の材料、例えば、マトリクスおよび溶液中で遊離している粒子を含み得る。支持体は、固定化プローブが直接的に(共有結合、キレート化、もしくはイオン相互作用を介して)、または間接的に(1つ以上のリンカーを介して)結合している単分散磁性球体(例えば、均一サイズ+5%)であってもよく、プローブと支持体との間の結合または相互作用は、ハイブリダイゼーション条件下で安定である。
【0089】
「相補的」とは、2つの一本鎖核酸の類似領域、または同じ一本鎖核酸の2つの異なる領域のヌクレオチド配列が、ストリンジェントなハイブリダイゼーションまたは増幅条件下での安定な二本鎖水素結合領域で、一本鎖領域が一緒にハイブリダイズすることを可能にするヌクレオチド塩基組成を有することを意味する。互いにハイブリダイズする配列は、標準的な核酸塩基対合(例えば、G:C、A:T、またはA:Uの対合)によって意図される標的配列と完全に相補的または部分的に相補的であり得る。「十分に相補的」とは、一連の相補的塩基間の水素結合によって別の配列にハイブリダイズすることが可能である連続した配列を意味し、これは、標準的な塩基対合によって配列中の各位置で相補的であり得るか、または相補的ではない脱塩基残基を含む1つ以上の残基を含有し得る。十分に相補的な連続した配列は、典型的には、オリゴマーが特異的にハイブリダイズすることが意図される配列に対して少なくとも80%、または少なくとも90%相補的である。「十分に相補的」である配列は、たとえ配列が完全に相補的でないとしても、適切なハイブリダイゼーション条件下で核酸オリゴマーとその標的配列との安定なハイブリダイゼーションを可能にする。ある一本鎖領域のヌクレオチドの連続した配列が、他の一本鎖領域のヌクレオチドの類似配列と一連の「基準の」または「ワトソン-クリック」水素結合塩基対を形成することが可能であり、これによりAがUまたはTと対になり、CがGと対になる場合、ヌクレオチド配列は、「完全に」相補的である(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Sambrook et al.,Molecular Cloning.A Laboratory Manual,2nd ed.(Cold Spring
Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY.,1989)の§§1.90~1.91、7.37~7.57、9.47~9.51、および11.47~11.57、特に§§9.50~9.51、11.12~11.13、11.45~11.47、および11.55~11.57を参照されたい)。同一性のパーセントの範囲が全ての整数および端数を含むことが理解される(例えば、少なくとも90%は、90、91、93.5、97.687などを含む)。特定の配列の「相補体」への言及は、文脈がそうでないこと示さない限り、一般に完全に相補的な配列を示す。
【0090】
「ゆらぎ」塩基対とは、GとUまたはTのいずれかとの対合を指す。
【0091】
「優先的にハイブリダイズする」または「特異的にハイブリダイズする」とは、ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下で、プローブがそれらの標的配列またはその複製とハイブリダイズして、安定なプローブ:標的ハイブリッドを形成し、同時に安定なプローブ:非標的ハイブリッドの形成が最小限に抑えられることを意味する。したがって、プローブは、非標的配列よりも十分に大きい程度まで標的配列またはその複製にハイブリダイズして、当業者が増幅中に形成された標的配列のRNA複製物または相補的DNA(cDNA)を正確に検出または定量化することを可能にする。適切なハイブリダイゼーション条件は、当該技術分野において周知であり、配列組成に基づいて予測され得るか、または日常的な試験方法を使用することによって決定され得る(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Sambrook et al.,Molecular Cloning.A Laboratory Manual,2nd ed.(Cold
Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY.,1989)の§§1.90~1.91、7.37~7.57、9.47~9.51、および11.47~11.57、特に§§9.50~9.51、11.12~11.13、11.45~11.47、および11.55~11.57を参照されたい)。
【0092】
「核酸ハイブリッド」、「ハイブリッド」、または「二重鎖」とは、二本鎖の水素結合領域を含有する核酸構造を意味し、各鎖は他方に対して相補的であり、この領域は、化学発光または蛍光検出、オートラジオグラフィー、またはゲル電気泳動が挙げられるが、これらに限定されない手段によって検出されるのに、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で十分に安定である。そのようなハイブリッドは、RNA:RNA、RNA:DNA、またはDNA:DNA二本鎖分子を含んでもよい。
【0093】
「試料調製」は、試料中に存在するHBV核酸のその後の増幅および/または検出のために試料を処理する任意のステップまたは方法を指す。試料は、標的核酸が少数成分である成分の複合体混合物であり得る。試料調製は、より大きい体積の試料からの空中もしくは水性の粒子の濾過、または標準的な微生物学的方法を使用することによる試料からの微生物の単離などによって、より大きい試料体積から微生物または核酸などの成分を濃縮する任意の既知の方法を含み得る。試料調製は、濾過、遠心分離、または吸着を使用することなどによって、細胞内成分を実質的に水性または有機の相に放出するための細胞成分の物理的破壊および/または化学的溶解、ならびに破片の除去を含み得る。試料調製は、標的核酸を選択的または非特異的に捕捉し、それを他の試料成分から分離する核酸オリゴヌクレオチドの使用を含み得る(例えば、各々が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,110,678号および国際特許出願公開第WO 2008/016988号に記載されるように)。
【0094】
「分離すること」または「精製すること」は、試料の1つ以上の成分が他の試料成分から除去または分離されることを意味する。試料成分は、通常、一般的には水溶液相内の標的核酸を含むが、これはまた、細胞フラグメント、タンパク質、炭水化物、脂質、および他の核酸を含み得る。「分離すること」または「精製すること」は、任意の精製の程度を含意するものではない。典型的には、分離または精製することは、他の試料成分から少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも95%の標的核酸を除去する。
【0095】
本明細書で使用される場合、「DNA依存性DNAポリメラーゼ」は、DNA鋳型から相補的DNAコピーを合成する酵素である。例としては、E.coli由来のDNAポリメラーゼI、バクテリオファージT7 DNAポリメラーゼ、またはバクテリオファージT4、Phi-29、M2、もしくはT5由来のDNAポリメラーゼである。DNA依存性DNAポリメラーゼは、細菌もしくはバクテリオファージから単離されるか、または組換え的に発現される、天然に存在する酵素であり得るか、あるいはある特定の望ましい特性、例えば、熱安定性、または様々な修飾鋳型からのDNA鎖を認識もしくは合成する能力を有するように操作されている修飾または「進化」形態であり得る。全ての既知のDNA依存性DNAポリメラーゼは、合成を開始するために相補的プライマーを必要とする。好適な条件下で、DNA依存性DNAポリメラーゼは、RNA鋳型から相補的DNAコピーを合成し得ることが知られている。RNA依存性DNAポリメラーゼは、典型的には、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性も有する。
【0096】
本明細書で使用される場合、「DNA依存性RNAポリメラーゼ」または「転写酵素」は、通常二本鎖であるプロモーター配列を有する二本鎖または部分的二本鎖DNA分子から複数のRNAコピーを合成する酵素である。RNA分子(「転写物」)は、プロモーターのすぐ下流の特定の位置から開始して5’から3’方向に合成される。転写酵素の例は、E.coliならびにバクテリオファージT7、T3、およびSP6由来のDNA依存性RNAポリメラーゼである。
【0097】
本明細書で使用される場合、「RNA依存性DNAポリメラーゼ」または「逆転写酵素」(「RT」)は、RNA鋳型から相補的DNAコピーを合成する酵素である。全ての既知の逆転写酵素はまた、DNA鋳型から相補的DNAコピーを作製する能力を有し、したがって、それらは、RNA依存性およびDNA依存性の両方のDNAポリメラーゼである。RTはまた、RNAse H活性を有し得る。プライマーは、RNAとDNAの両方の鋳型を用いて合成を開始するための逆転写酵素に必要である。
【0098】
「好熱性」は、酵素、例えば、ポリメラーゼが、約45℃より高い温度、例えば、約50℃~99℃の範囲内の温度で最適な活性を呈することを示す。いくつかの実施形態では、好熱性酵素は、60℃で20分間のインキュベーション後にその活性の50%超を失うことはない。いくつかの実施形態では、好熱性酵素は、好熱性生物、例えば、その最適増殖温度が約45℃以上、例えば、約50℃以上である生物から得られるか、またはそれに由来する。
【0099】
本明細書で使用される場合、「選択的RNAse」は、RNA:DNA二本鎖のRNA部分を分解するが、一本鎖RNA、二本鎖RNAまたはDNAを分解しない酵素である。例示的な選択的RNAseは、RNAse H酵素である。RNAse Hと同一または同様の活性を有する酵素もまた使用され得る。選択的RNAseは、エンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼであり得る。ほとんどの逆転写酵素は、それらのポリメラーゼ活性に加えてRNAse H活性を含む。しかしながら、関連するポリメラーゼ活性がない他のRNAse H源が利用可能である。分解は、RNA:DNA複合体からのRNAの分離をもたらし得る。あるいは、選択的RNAseは、RNAの一部分が融解するか、または酵素がRNAの一部分を解くことを可能にするように、様々な位置で単にRNAを切断することができる。本開示のRNA標的配列またはRNA生成物を選択的に分解する他の酵素は、当業者には容易に明らかであろう。
【0100】
本明細書で使用される場合、「標準曲線」は、(1)ポリヌクレオチドの増幅前の量、および(2)対応するアンプリコンの増幅後の量のいくつかの時間依存的しるしに関する表現である。例えば、標準曲線は、x軸上にプロットされた既知の数の投入鋳型分子、およびy軸上にプロットされたあるレベルの検出可能なアンプリコン産生を達成するための増幅反応に必要な時間値を有するグラフであり得る。標準曲線は、典型的には、既知の数のポリヌクレオチド鋳型を含む対照ポリヌクレオチド標準を使用して作られる。標準曲線は、電子形式で保存され得るか、またはグラフ表示され得る。試験試料中の分析物ポリヌクレオチドの増幅前の量は、当業者によく知られているように、試験試料について得られた測定された時間依存値を標準曲線と比較することによって決定され得る。
【0101】
増幅および/または検出系の文脈において、「特異性」という用語は、配列およびアッセイ条件に依存して標的配列と非標的配列とを区別するその能力を説明する系の特徴を指すために本明細書で使用される。核酸増幅に関して、特異性は、一般に、副産物の数に対する産生された特定のアンプリコンの数の比(例えば、シグナル対ノイズ比)を指す。検出に関して、特異性は、一般に、非標的核酸から生じたシグナルに対する標的核酸から生じたシグナルの比を指す。
【0102】
「感度」という用語は、核酸増幅反応が検出または定量化され得る精度を指すために本明細書で使用される。増幅反応の感度は、一般に、増幅系において確実に検出され得る標的核酸の最小コピー数の尺度であり、例えば、用いられる検出アッセイ、および増幅反応の特異性、例えば、副産物に対する特定のアンプリコンの比に依存するであろう。
【0103】
本明細書で使用される場合、「相対光単位」(「RLU」)および「相対蛍光単位」(「RFU」)という用語は、所与の波長または波長帯で試料によって放出される光子の相対数を示す任意の測定単位を表す。RLUまたはRFUの測定は、測定に使用される検出器の特性によって異なる。
【0104】
本明細書で使用される場合、「TTime」、「出現時間」、および「出現の時間」はという用語は、互換性があり、アッセイデータのリアルタイムプロットにおける閾値時間またはシグナルの出現の時間を表す。TTime値は、アンプリコン産生を示す特定の閾値がリアルタイム増幅反応において過ぎる時間を推定する。TTimeならびにTTime値を計算および使用するためのアルゴリズムは、Lightら、米国特許出願公開第2006/0276972号の段落番号[0517]~[0538]に記載されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。曲線あてはめ手順が、正規化されバックグラウンド補正されたデータに適用される。曲線あてはめは、所定の下限と上限との間のデータの一部分に対してのみ実施される。データに適合する曲線を見つけた後の目的は、曲線またはその投影が所定の閾値と交差する点に対応する時間を推定することである。一実施形態では、正規化データの閾値は、0.11である。上限および下限は、曲線が様々な対照データセットに適合する範囲が、所与の閾値に関連する時間の最小の変動性を示すように経験的に決定される。例えば、一実施形態では、下限は、0.04であり、上限は、0.36である。曲線は、下限を下回る第1のデータ点から上限を超える第1のデータ点まで延在するデータに適合する。次に、適合の勾配が統計的に有意であるかどうかの決定がなされる。例えば、一次係数のp値が0.05より小さい場合、適合は、有意と見なされ、処理が続行される。そうでなければ、処理は停止する。あるいは、データの有効性は、R2値によって決定され得る。線形曲線y=mx+bの傾きmおよび切片bが、近似曲線に対して決定される。その情報により、TTimeは、以下のように決定され得る。TTime=(閾値-b)/m。
【0105】
特に指示のない限り、1IU/mLのHBVの濃度は、5コピー/mLのHBV核酸に対応する。1対数コピー/mLのHBV核酸は、10コピー/mLに対応し、2対数コピー/mLのHBV核酸は、100コピー/mLに対応するなどであり、すなわち、n対数コピー/mLは、10nコピー/mLに等しい。
【0106】
特に指示のない限り、以下の表に現れるオリゴマー配列は、小文字が2’-O-メチルRNAを示し、大文字がDNAを示すという慣例に従う。「(c9)」は、-(CH2)9-リンカーを示す。他に示されない限り、インビトロ転写物(IVT)配列は、RNAである。
【0107】
特に特許請求の範囲における「配列番号Xの配列」への言及は、他に示されない限り、対応する配列表の記載の塩基配列を指し、骨格の同一性を必要としない(例えば、RNA、2’-O-Me RNA、またはDNA)。さらに、TおよびU残基は、他に示されない限り、配列表の記載の目的のために互換性があると見なされるべきであり、例えば、6番目の位置の残基がTであるかUであるかにかかわらず、配列は、配列番号2と同一であると見なされ得る。
【0108】
B.オリゴマー、組成物、およびキット
本開示は、試料からのHBVを増幅させる、検出する、または定量化するのに有用なオリゴマー、組成物、およびキットを提供する。
【0109】
いくつかの実施形態では、増幅オリゴマーが提供される。増幅オリゴマーは一般に、例えば、HBV核酸に特異的にハイブリダイズするように構成された標的ハイブリダイズ領域を含む。異なる長さおよび塩基組成のオリゴマーがHBV核酸を増幅させるために使用され得るが、いくつかの実施形態において、本開示におけるオリゴマーは、長さ10~60塩基、長さ14~50塩基、または長さ15~40塩基の標的ハイブリダイズ領域を有する。いくつかの実施形態では、約30~50個、例えば、35~45個のヌクレオチドなどの比較的長い標的ハイブリダイズ領域を有する初期増幅オリゴマーが使用され、後の段階で、より短い標的ハイブリダイズ領域を有する増幅オリゴマー、例えば、約15~30ntなどの約14~35ヌクレオチドが使用される。
【0110】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の増幅オリゴマーは、標的ハイブリダイズ配列の5’位に位置し、HBV標的核酸に非相補的であるプロモーター配列をさらに含むプロモータープライマーである。例えば、HBV標的領域の増幅のための本明細書に記載のオリゴマーの組み合わせのいくつかの実施形態では、上記の増幅オリゴマーは、標的ハイブリダイズ配列に対して5’位のプロモーター配列をさらに含むプロモータープライマーである。あるいは、増幅オリゴマーは、プロモーター配列を含むプロモータープロバイダーであり得る。特定の実施形態では、プロモーター配列は、例えば、配列番号8に示される配列を有するT7プロモーター配列などのT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列である。特定の変形形態では、プロモータープライマーは、配列番号9、10、11、12、または13のうちの1つに示されるT7プロモーターを含む非HBV配列を含む。いくつかの実施形態では、(+)-鎖HBV配列を含有する標的ハイブリダイズ配列を含む、少なくとも1つ、例えば、2、3、または4つのプロモータープライマーが提供される。
【0111】
いくつかの実施形態では、増幅オリゴマーは、プロモータープライマーではないか、またはプロモーター配列を含まない。例えば、PCRベースのアプローチでは、プライマーは一般に、プロモータープライマーではなく、TMAベースのアプローチでは、プロモータープライマーではない少なくとも1つのプライマーが、典型的には使用される(一方で、少なくとも1つのプロモータープライマーも使用される)。いくつかの実施形態では、(-)-鎖HBV配列を含有する標的ハイブリダイズ配列を含む、プロモータープライマーではない、少なくとも1つ、例えば、2、3、または4つの増幅オリゴマーが提供される。
【0112】
いくつかの実施形態では、逆方向増幅オリゴマーである、すなわち、それが(+)鎖HBV核酸に特異的にハイブリダイズするように構成され、言い換えれば、その標的ハイブリダイズ配列がHBVの「アンチセンス」配列に対応する、第1の増幅オリゴマーが提供される。
【0113】
いくつかの実施形態では、第1の増幅オリゴマーの標的配列は、配列番号1などのHBVゲノム核酸の449位、例えば、448~450、447~451、446~452、445~453、444~454、443~455、442~456、441~457、440~458、または439~459位を含む。いくつかの実施形態では、第1の増幅オリゴマーは、配列番号2に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の増幅オリゴマーは、配列番号3に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。その配列に関するものを含めて、第1の増幅オリゴマーの様々な実施形態が上記の要約に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わされ得る。
【0114】
第1の増幅オリゴマーが提供されるいくつかの実施形態では、(+)鎖HBV核酸に特異的にハイブリダイズするように同様に構成された、第1の増幅オリゴマーとは異なるさらなる逆方向増幅オリゴマーもまた提供される。そのようなさらなる増幅オリゴマーは、第1の増幅オリゴマーとの共通の位置、例えば、第1の増幅オリゴマーとの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の共通の位置にアニールすることができる。いくつかの実施形態では、さらなる増幅オリゴマーの標的配列は、配列番号1などのHBVゲノム核酸の449位、例えば、448~450、447~451、446~452、445~453、444~454、443~455、442~456、441~457、440~458、または439~459位を含む。いくつかの実施形態では、さらなる増幅オリゴマーは、配列番号2に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、さらなる増幅オリゴマーは、配列番号3に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。実施例に記載されるように、そのようなさらなる増幅オリゴマーを使用することは、遺伝子型間の配列変動にもかかわらず、HBV核酸の定量化の相対的な正確さを改善し得る。いくつかの実施形態では、第1の増幅オリゴマーは、配列番号2の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含み、さらなる増幅オリゴマーは、配列番号3の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む。その配列に関するものを含めて、さらなる増幅オリゴマーの様々な実施形態が上記の概要に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わされ得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、順方向増幅オリゴマーである、すなわち、それが(-)鎖HBV核酸に特異的にハイブリダイズするように構成され、言い換えれば、その標的ハイブリダイズ配列がHBVの「アンチセンス」配列に対応する、第2の増幅オリゴマーが提供される。
【0116】
いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーの標的配列は、配列番号1などのHBVゲノム核酸の386または387位、例えば、386~387、385~388、384~389、383~390、382~391、381~-392、380~393、379~394、378~395、377~396、または376~397位を含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号18に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号19、20、21、もしくは22の配列、またはそれに対して最大1もしくは2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号1のN~397位(ここで、Nは、376、377、378、379、380、381、382、383、もしくは384である)を含む標的ハイブリダイズ配列、またはそれに対して最大1もしくは2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号1のN~402位(ここで、Nは、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、もしくは389である)を含む標的ハイブリダイズ配列、またはそれに対して最大1もしくは2のミスマッチを有する配列を含む。その配列に関するものを含めて、第2の増幅オリゴマーの様々な実施形態が上記の要約に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わされ得る。
【0117】
第2の増幅オリゴマーが提供されるいくつかの実施形態では、(-)鎖HBV核酸に特異的にハイブリダイズするように同様に構成された、第2の増幅オリゴマーとは異なるさらなる順方向増幅オリゴマーもまた提供される。そのようなさらなる増幅オリゴマーは、第2の増幅オリゴマーとの共通の位置、例えば、第2の増幅オリゴマーとの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の共通の位置にアニールすることができる。いくつかの実施形態では、さらなる増幅オリゴマーの標的配列は、配列番号1などのHBVゲノム核酸の389位、例えば、388~390、387~391、386~392、385~393、384~394、383~395、382~396、381~397、380~398、379~399、378~400、377~401、または376~402位を含む。いくつかの実施形態では、さらなる増幅オリゴマーは、配列番号19に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、さらなる増幅オリゴマーは、配列番号18、20、21、または22に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。そのようなさらなる増幅オリゴマーを使用することは、遺伝子型間の配列変動にもかかわらず、HBV核酸の定量化の相対的な正確さを改善し得る。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号18の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含み、さらなる増幅オリゴマーは、配列番号19の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む。さらなる増幅オリゴマーの標的ハイブリダイズ領域は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のヌクレオチド、例えば、約4~6個のヌクレオチド、例えば、5個のヌクレオチド、第2の増幅オリゴマーの標的ハイブリダイズ領域よりも長くあり得る。その配列に関するものを含めて、そのようなさらなる増幅オリゴマーの様々な実施形態が上記の概要に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わされ得る。
【0118】
上述の第1、第2、および任意にさらなる増幅オリゴマーは、増幅反応で使用されて、例えば、配列番号1などのHBV核酸の425位、例えば、420~430、416~434、406~444、396~454、386~464、または376~474位を含む、第1のアンプリコンを産生することができる。
【0119】
いくつかの実施形態では、逆方向増幅オリゴマーである、すなわち、それが(+)鎖HBV核酸に特異的にハイブリダイズするように構成され、言い換えれば、その標的ハイブリダイズ配列がHBVの「アンチセンス」配列に対応する、第3の増幅オリゴマーが提供される。
【0120】
いくつかの実施形態では、第3の増幅オリゴマーの標的配列は、配列番号1などのHBVゲノム核酸の698または699位、例えば、698~699、697~700、696~701、695~702、694~703、693~704、692~705、691~706、690~707、または689~708位を含む。いくつかの実施形態では、第3の増幅オリゴマーは、配列番号41に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。その配列に関するものを含めて、第3の増幅オリゴマーの様々な実施形態が上記の要約に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わされ得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、順方向増幅オリゴマーである、すなわち、それが(-)鎖HBV核酸に特異的にハイブリダイズするように構成され、言い換えれば、その標的ハイブリダイズ配列がHBVの「アンチセンス」配列に対応する、第4の増幅オリゴマーが提供される。
【0122】
いくつかの実施形態では、第4の増幅オリゴマーの標的配列は、配列番号1などのHBVゲノム核酸の656位、例えば、655~657、654~658、653~659、652~660、651~661、650~662、649~663、648~664、647~665、または646~666位を含む。いくつかの実施形態では、第4の増幅オリゴマーは、配列番号40に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、第4の増幅オリゴマーは、配列番号1などのHBV核酸配列のN~666位(ここで、Nは、646、647、648、649、650、651、652、もしくは653である)を含む標的ハイブリダイズ配列、またはそれに対して最大1もしくは2のミスマッチを有する配列を含む。その配列に関するものを含めて、第4の増幅オリゴマーの様々な実施形態が上記の概要に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わされ得る。
【0123】
上述の第3および第4の増幅オリゴマーは、増幅反応で使用されて、例えば、配列番号1などのHBV核酸の677または678位、例えば、673~682、668~687、658~697、648~707、または646~708位を含む、第2のアンプリコンを産生することができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、順方向増幅オリゴマーである、すなわち、それが(-)鎖HBV核酸に特異的にハイブリダイズするように構成され、言い換えれば、その標的ハイブリダイズ配列がHBVの「アンチセンス」配列に対応する、第5の増幅オリゴマーが提供される。
【0125】
いくつかの実施形態では、第5の増幅オリゴマーの標的配列は、配列番号1などのHBVゲノム核酸の264または265位、例えば、263~266、258~271、255~274、または250~279位を含む。いくつかの実施形態では、第5の増幅オリゴマーは、配列番号69に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、第5の増幅オリゴマーは、配列番号1などのHBV核酸配列のN~279位(ここで、Nは、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、もしくは266である)を含む標的ハイブリダイズ配列、またはそれに対して最大1もしくは2のミスマッチを有する配列を含む。その配列に関するものを含めて、第5の増幅オリゴマーの様々な実施形態が上記の概要に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わされ得る。
【0126】
いくつかの実施形態では、順方向増幅オリゴマーである、すなわち、それが(-)鎖HBV核酸に特異的にハイブリダイズするように構成され、言い換えれば、その標的ハイブリダイズ配列がHBVの「センス」配列に対応する、第6の増幅オリゴマーが提供される。
【0127】
いくつかの実施形態では、第6の増幅オリゴマーの標的配列は、配列番号1などのHBVゲノム核酸の461または462位、例えば、461~462、457~466、455~468、または452~471位を含む。いくつかの実施形態では、第6の増幅オリゴマーは、配列番号73に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。その配列に関するものを含めて、第6の増幅オリゴマーの様々な実施形態が上記の概要に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わされ得る。
【0128】
上述の第5および第6の増幅オリゴマーは、ディスプレーサーとして使用され得、例えば、それらは、それらの3’末端からの伸長および同時の鎖置換を通して他のオリゴマーによるアンプリコン産生を促進し、一本鎖鋳型を他のオリゴマーによる結合に利用可能にすることができる。第5および第6の増幅オリゴマーは、変性ステップの必要性を低減または回避することができ、感度を強化することができる。
【0129】
例えば、第6の増幅オリゴマーの存在が必ずしも第1、第2、第3、第4、および第5の増幅オリゴマーの全ての存在を意味するわけではないことに留意されたい。例えば、第1および第2の増幅オリゴマーのみの存在下で指数関数的増幅を実施することが可能であり、第5および第6の増幅オリゴマーの一方または両方が、ディスプレーサーとして使用され得る。加えて、線形増幅は、例えば、いかなる反対向きのオリゴマーもないプロモータープライマーの存在下で実施され得る。この注記は、序数が使用される他の場合にも準用され、例えば、第2の捕捉オリゴマーの存在が必ずしも第1の捕捉オリゴマーの存在を意味するとは限らない。いくつかの実施形態では、第2、第4、および第5の増幅オリゴマーは、プロモータープライマーであり、これにより、それらは、上述のプロモータープライマーの特徴のうちのいずれかを有し得る。
【0130】
いくつかの実施形態では、第2、第4、および任意のさらなる増幅オリゴマーなど、それらが存在するか、または使用される範囲で、他の増幅オリゴマーとは異なる少なくとも1つの初期増幅オリゴマーが提供される。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーとの1つ以上の共通の位置にアニールし、第2の増幅オリゴマーおよび任意にさらなる順方向増幅オリゴマーなどの少なくとも1つまたは2つの他の増幅オリゴマーよりも長い標的ハイブリダイズ領域を有する、初期増幅オリゴマーが提供される。いくつかの実施形態では、第4の増幅オリゴマーとの1つ以上の共通の位置にアニールし、第4の増幅オリゴマーよりも長い標的ハイブリダイズ領域を有する、初期増幅オリゴマーが提供される。実施例に記載されるように、長い標的ハイブリダイズ領域を含む初期増幅オリゴマーを使用することは、その後のある特定のHBV遺伝子型の増幅および定量化を改善し、それにより全体的な検出および定量化性能を改善し得る。第2の増幅オリゴマーとの1つ以上の共通の位置にアニールする初期増幅オリゴマー、および第4の増幅オリゴマーとの1つ以上の共通の位置にアニールする初期増幅オリゴマーが、一緒に提供され得る。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマー(複数可)は、以下または上記の概要に記載されるような1つ以上の標的捕捉オリゴマーと共に組成物中にある。
【0131】
いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーとの1つ以上の共通の位置にアニールする初期増幅オリゴマーの標的配列は、配列番号1などのHBVゲノム核酸の390または391位、例えば、390~391、389~392、388~393、387~394、386~395、385~396、384~397、383~398、382~399、381~400、380~401、379~402、378~403、377~404、または376~405位を含む。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは、配列番号20に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは、配列番号16もしくは17の配列、またはそれに対して最大1もしくは2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは、配列番号1などのHBVゲノム配列のN~405位(ここで、Nは、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、もしくは392である)を含む標的ハイブリダイズ配列、またはそれに対して最大1もしくは2のミスマッチを有する配列を含む。その配列に関するものも含めて、初期増幅オリゴマーの様々な実施形態が上記の要約に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わされ得る。初期増幅オリゴマーはまた、第2の増幅オリゴマーに関して上記の概要に列挙された特徴を有し得る。例えば、初期増幅オリゴマーは、配列番号20の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、もしくは28個の連続したヌクレオチド、または配列番号20の配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは、プロモーター-プライマーである。
【0132】
いくつかの実施形態では、第4の増幅オリゴマーとの1つ以上の共通の位置にアニールする初期増幅オリゴマーの標的配列は、配列番号1などのHBVゲノム核酸の659位、例えば、658~660、657~661、656~662、655~663、654~664、653~665、652~666、651~667、650~668、649~670、648~671、または646~672位を含む。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは、配列番号35に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含み、任意に、配列番号35の3’末端から第6のヌクレオチドにおけるイノシンは、ミスマッチしていない。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは、配列番号33もしくは31の配列、またはそれに対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含み、任意に、配列番号33または31の3’末端から第6のヌクレオチドにおけるイノシンは、ミスマッチしていない。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは、配列番号1などのHBVゲノム配列のN~672位(ここで、Nは、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、もしくは659である)を含む標的ハイブリダイズ配列、またはそれに対して最大1もしくは2のミスマッチを有する配列を含み、任意に、667位に対応するヌクレオチドは、イノシンである。その配列に関するものも含めて、初期増幅オリゴマーの様々な実施形態が上記の要約に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わされ得る。初期増幅オリゴマーはまた、配列番号35の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ領域を含む第4の増幅オリゴマーまたは任意の増幅オリゴマーに関して上記の概要に列挙された特徴を有することができる。例えば、初期増幅オリゴマーは、配列番号35の少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、もしくは34個の連続したヌクレオチド(任意に、配列番号35の30位におけるイノシンを含む)、または配列番号35の配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは、プロモーター-プライマーである。
【0133】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプローブオリゴマーが提供される。相補的増幅配列にハイブリダイズする検出プローブのいくつかの実施形態は、DNAもしくはRNAオリゴマー、またはDNAとRNAヌクレオチドとの組み合わせを含有するオリゴマー、または修飾骨格を用いて合成されたオリゴマー、例えば、1つ以上の2’-メトキシ置換リボヌクレオチドを含むオリゴマーであり得る。増幅されたHBV配列の検出に使用されるプローブは、非標識で間接的に(例えば、プローブ上の部分への別の結合パートナーの結合によって)検出されてもよく、または様々な検出可能な標識で標識されてもよい。検出プローブオリゴマーは、核酸骨格中の1つ以上の結合において2’-メトキシ骨格を含有し得る。
【0134】
いくつかの実施形態では、本開示による検出プローブオリゴマーは、標識をさらに含む。特に適切な標識は、検出可能な光シグナルを発する化合物、例えば、均一混合物中で検出され得るフルオロフォアまたは発光(例えば、化学発光)化合物を含む。1つより多い標識、および1つより多くの種類の標識が特定のプローブ上に存在し得るか、または検出は、各プローブが検出可能なシグナルを生じる化合物で標識されているプローブの混合物の使用に頼り得る(例えば、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,180,340号および同第6,350,579号を参照されたい)。標識は、共有結合、キレート化、およびイオン相互作用を含む様々な手段によってプローブに付着させることができるが、いくつかの実施形態では、標識は共有結合的に付着させる。例えば、いくつかの実施形態では、検出プローブは、例えばアクリジニウムエステル(AE)化合物などの付着された化学発光標識を有し(例えば、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,185,439号、同第5,639,604号、同第5,585,481号、および同第5,656,744号を参照されたい)、これは、典型的な変形において、非ヌクレオチドリンカーによってプローブに付着される(例えば、それぞれ参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第5,585,481号、同第5,656,744号、および同第5,639,604号を参照されたい)。
【0135】
本開示による検出プローブオリゴマーは、非標的ハイブリダイズ配列をさらに含み得る。いくつかの用途において、少なくともある程度の自己相補性を示すプローブは、検出前にハイブリダイズしていないプローブの除去を最初に必要とせずに試験試料中のプローブ:標的二本鎖の検出を容易にするために望ましい。そのような検出プローブの具体的な実施形態は、例えば、一般にヘアピンと呼ばれる立体配座などの、分子内ハイブリダイゼーションによって保持される立体配座を形成するプローブを含む。特に好適なヘアピンプローブは、「分子トーチ」(例えば、各々が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,849,412号、同第6,835,542号、同第6,534,274号、および第6,361,945号を参照されたい)、ならびに「分子ビーコン」(例えば、Tyagi et al.、上記、米国特許第5,118,801および米国特許第5,312,728号、上記を参照されたい)を含む。さらに他の実施形態では、検出プローブは、分子内結合によって保持される立体配座を実質的に形成しない線状オリゴマーである。
【0136】
例として、「分子ビーコン」と呼ばれる構造は、標的相補配列、標的核酸配列の非存在下で閉鎖立体配座にプローブを保持する親和性対(または核酸アーム)、およびプローブが閉鎖立体配座にあるときに相互作用する標識対を有する核酸分子を含む。標的核酸と標的相補的配列とのハイブリダイゼーションは、親和性対のメンバーを分離し、それによりプローブを開放立体配座にシフトさせる。開放立体配座へのシフトは、例えば、フルオロフォアおよび消光剤(例えば、DABCYLおよびEDANS)であり得る標識対の相互作用の減少により検出可能である。分子ビーコンは、米国特許第5,925,517号に十分に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。HBV特異的核酸配列を検出するのに有用な分子ビーコンは、本明細書に開示されるプローブ(例えば、標的ハイブリダイズ)配列のうちの1つのいずれかの末端にフルオロフォアを含む第1の核酸アームおよび消光剤部分を含む第2の核酸アームを付加することによって作られ得る。この構成では、本明細書に開示されるHBV特異的プローブ配列は、得られる分子ビーコンの標的相補的「ループ」部分として働き、一方、プローブの自己相補的「アーム」は、プローブの「ステム」部分を表す。
【0137】
本開示と併せて使用され得る自己相補的ハイブリダイゼーションアッセイプローブの別の例は、一般に「分子トーチ」と呼ばれる(時には単にトーチと呼ばれる)構造である。これらの自己報告プローブは、結合領域(例えば、-(CH2)9-リンカー)によって接続され、所定のハイブリダイゼーションアッセイ条件下で互いにハイブリダイズする、自己相補性の異なる領域(造語「標的結合ドメイン」および「標的閉鎖ドメイン」)を含むように設計されている。適切な標的または変性条件に曝露されると、分子トーチの2つの相補的領域(完全にまたは部分的に相補的であり得る)が融解し、所定のハイブリダイゼーションアッセイ条件が回復したときに標的結合ドメインが標的配列へのハイブリダイゼーションに利用可能になる。分子トーチは、標的結合ドメインが標的閉鎖ドメインよりも標的配列へのハイブリダイゼーションを促進するように設計されている。分子トーチの標的結合ドメインおよび標的閉鎖ドメインは、分子トーチが標的核酸にハイブリダイズするときとは対照的に、分子トーチが自己ハイブリダイズするときには異なるシグナルが生じるように位置付けられた相互作用標識(例えば、蛍光/消光剤)を含み、それにより、それに関連する実行可能な標識を有するハイブリダイズしていないプローブの存在下で試験試料中のプローブ:標的二本鎖を検出することを可能にする。分子トーチは、米国特許第6,361,945号に十分に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0138】
いくつかの実施形態における分子トーチおよび分子ビーコンは、相互作用的な対の検出可能な標識で標識されている。相互作用可能な対の標識のメンバーである検出可能な標識の例には、FRETまたは非FRETエネルギー移動機構によって互いと相互作用するものが含まれる。蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)は、熱エネルギーへの変換なく、かつ供与体および受容体が動的衝突を起こすことなく、原子間距離よりもかなり長い距離にわたる、発色団間の共鳴相互作用による、吸収部位からその分子または分子系におけるその利用部位へのエネルギー量子の無放射伝達を含む。「供与体」は、最初にエネルギーを吸収する部分であり、「受容体」は、その後にエネルギーが伝達される部分である。FRETに加えて、励起エネルギーが供与体から受容体分子に伝達され得る少なくとも3つの他の「非FRET」エネルギー移動プロセスがある。
【0139】
2つの標識が十分に接近して保持されて、1つの標識によって発せられたエネルギーが第2の標識によって受容または吸収され得る場合、FRET機構または非FRET機構にかかわらず、2つの標識は、互いに「エネルギー移動関係」にあると言われる。これは、例えば、分子ビーコンがステム二本鎖の形成によって閉鎖状態に維持され、プローブの一方のアームに付着したフルオロフォアからの蛍光発光が反対側のアーム上の消光剤部分によって消光される場合である。
【0140】
開示された分子トーチおよび分子ビーコンのための例示的な標識部分には、フルオロフォアおよび蛍光消光特性を有する第2の部分(すなわち、「消光剤」)が含まれる。この実施形態では、特性シグナルは、特定の波長の蛍光である可能性が高いが、あるいは可視光シグナルであってもよい。蛍光が関与する場合、発光の変化は、いくつかの実施形態では、FRETによるものか、または放射エネルギー移動もしくは非FRETモードによるものである。閉鎖状態の一対の相互作用標識を有する分子ビーコンが適切な周波数の光によって刺激されると、非常に低い可能性がある第1のレベルで、蛍光シグナルが発生する。この同じプローブが開放状態にあり、適切な周波数の光によって刺激されると、フルオロフォア部分と消光剤部分は、互いに十分に分離され、それらの間のエネルギー移動は、実質的に排除される。その条件下で、消光剤部分は、フルオロフォア部分からの蛍光を消光することができない。フルオロフォアが適切な波長の光エネルギーによって刺激されると、第1のレベルより高い第2のレベルの蛍光シグナルが発生する。2つの蛍光レベル間の差は、検出可能かつ測定可能である。このようにフルオロフォア部分および消光剤部分を使用すると、分子ビーコンは、「開放」立体配座において「オン」になるだけであり、プローブが容易に検出可能なシグナルを発することによって標的に結合することを示す。プローブの立体配座状態は、標識部分間の相互作用を調節することによってプローブから発生したシグナルを変化させる。
【0141】
本開示に関連して使用され得る供与体/受容体標識対の例は、FRETを非FRET対と区別することを試みることなく、フルオレセイン/テトラメチルローダミン、IAEDANS/フルオロセイン、EDANS/DABCYL、クマリン/DABCYL、フルオレセイン/フルオレセイン、BODIPY FL/BODIPY FL、フルオレセイン/DABCYL、ルシファーイエロー/DABCYL、BODIPY/DABCYL、エオシン/DABCYL、エリスロシン/DABCYL、テトラメチルローダミン/DABCYL、Texas Red/DABCYL、CY5/BH1、CY5/BH2、CY3/BH1、CY3/BH2、およびフルオレセイン/QSY7色素が含まれる。当業者であれば、供与体色素と受容体色素が異なる場合、受容体の増感蛍光の出現または供与体蛍光の消光によって、エネルギー移動が検出され得ることを理解するであろう。供与体種と受容体種が同じである場合、エネルギーは、結果として生じる蛍光偏光解消によって検出され得る。DABCYLおよびQSY7色素などの非蛍光受容体は、直接(すなわち、非増感)受容体励起から生じるバックグラウンド蛍光の潜在的な問題を有利に排除する。供与体-受容体対の一方のメンバーとして使用され得る例示的なフルオロフォア部分には、フルオレセイン、ROX、およびCY色素(例えば、CY5)が含まれる。供与体-受容体対の他方のメンバーとして使用され得る例示的な消光剤部分には、DABCYLおよびBiosearch Technologies,Inc.(Novato,Calif.)から入手可能なBLACK HOLE QUENCHER部分が含まれる。
【0142】
核酸ポリメラーゼによって伸長されることを意図しないオリゴマー、例えば、プローブオリゴマーおよび捕捉オリゴマーは、増幅反応においてオリゴマーの酵素媒介伸長を防止するために3’OHを置き換えるブロッカー基を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において増幅中に存在するブロック化増幅オリゴマーおよび/または検出プローブは、官能性3’OHを有さず、その代わりに3’末端またはその付近に位置する1つ以上のブロッキング基を含む。3’末端付近のブロッキング基は、いくつかの実施形態において、3’末端から5残基以内であり、ポリメラーゼのオリゴマーへの結合を制限するのに十分に大きく、他の実施形態は、3’末端に共有結合したブロッキング基を含有する。多くの異なる化学基、例えば、アルキル基、非ヌクレオチドリンカー、アルカン-ジオールジデオキシヌクレオチド残基、およびコルジセピンが、3’末端をブロックするために使用され得る。
【0143】
長さおよび塩基組成の異なるオリゴヌクレオチドプローブが、HBV核酸を検出するために使用され得るが、本開示におけるプローブのいくつかの実施形態は、長さ10~60塩基、または長さ14~50塩基、または長さ15~30塩基である。上述の第1のアンプリコンに特異的にハイブリダイズするように構成された第1のプローブオリゴマーが提供され得る。あるいは、または加えて、上述の第1のアンプリコンに特異的にハイブリダイズするように構成された第2のプローブオリゴマーが提供され得る。
【0144】
いくつかの実施形態では、第1のプローブオリゴマーの標的配列は、配列番号1などのHBVゲノム核酸の424位、例えば、423~425、421~427、419~429、417~431、415~433、413~435、411~437、410~438、409~439、または408~440位を含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号82に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号29の配列、またはそれに対して最大1もしくは2のミスマッチを有する配列を含む。その配列に関するものも含めて、プローブオリゴマーの様々な実施形態が上記の要約に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わされ得る。
【0145】
いくつかの実施形態では、第2のプローブオリゴマーの標的配列は、配列番号1などのHBVゲノム核酸の675または676位、例えば、675~676、674~677、673~678、672~679、671~680、670~681、669~682、または668~683位を含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号83に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号84、85、40の配列、またはそれに対して最大1もしくは2のミスマッチを有する配列を含む。その配列に関するものも含めて、プローブオリゴマーの様々な実施形態が上記の要約に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わされ得る。
【0146】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの捕捉オリゴマー、例えば、2、3、または4つの捕捉オリゴマーが提供される。2つ以上の捕捉オリゴマーが存在する場合、それらの標的ハイブリダイズ配列は、互いと異なることが理解される。1つ以上の捕捉オリゴマーは、HBV核酸に特異的にハイブリダイズするように構成された標的ハイブリダイズ配列、例えば、長さ10~60塩基、または長さ14~50塩基、または長さ15~30塩基を含む。例えば、捕捉プローブの特定の実施形態では、1、2、3、または4つの捕捉プローブは、配列番号49、53、57、61、および96~104から選択される標的ハイブリダイズ配列を有する。標的ハイブリダイズ配列は、固定化プローブに結合する配列または部分、例えば、ビーズなどの固体基質に付着したオリゴマーに共有結合している。
【0147】
より具体的な実施形態では、捕捉オリゴマーは、HBV標的配列に相補的ではないが固定化結合パートナー(例えば、固定化プローブ)の配列に特異的にハイブリダイズするテール部分(例えば、3’テール)を含み、それにより、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,110,678号に既に記載されるように、標的核酸が他の試料成分から分離されることを可能にする部分として働く。任意の配列がテール領域内で使用され得、これは一般に、長さ約5~50ntであり、ある特定の実施形態は、少なくとも約10nt、例えば、約10~40nt(例えば、A10~A40)、例えば、約14~33nt(例:A14~A30またはT3A14~T3A30)の実質的にホモポリマーのテール(「ポリ-N配列」)を含み、これは、固体支持体、例えば、マトリクスまたは粒子に付着した相補的固定化配列(例えば、ポリ-T)に結合する。例えば、3’テールを含む捕捉プローブの特定の実施形態では、1、2、3、または4つの捕捉プローブは、配列番号45、46、47、および48から選択される配列を有する。
【0148】
いくつかの実施形態では、第1の捕捉オリゴマーが提供される。いくつかの実施形態では、第1の捕捉オリゴマーの標的配列は、配列番号1などのHBVゲノム核酸の719位、例えば、718~720、716~722、714~724、712~726、710~728、709~729、708~730、または707~731位を含む。いくつかの実施形態では、第1の捕捉オリゴマーは、配列番号49に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の捕捉オリゴマーは、配列番号99に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の捕捉オリゴマーは、配列番号45に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。その配列に関するものを含めて、第1の捕捉オリゴマーの様々な実施形態が上記の要約に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わされ得る。
【0149】
いくつかの実施形態では、第2の捕捉オリゴマーが提供される。いくつかの実施形態では、第2の捕捉オリゴマーの標的配列は、配列番号1などのHBVゲノム核酸の745位、例えば、744~746、742~748、740~750、738~752、736~754、735~755、734~756、または733~757位を含む。いくつかの実施形態では、第2の捕捉オリゴマーは、配列番号53に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の捕捉オリゴマーは、配列番号100、101、または104に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の捕捉オリゴマーは、配列番号46に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。その配列に関するものを含めて、第2の捕捉オリゴマーの様々な実施形態が上記の概要に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わされ得る。
【0150】
いくつかの実施形態では、第3の捕捉オリゴマーが提供される。いくつかの実施形態では、第3の捕捉オリゴマーの標的配列は、配列番号1などのHBVゲノム核酸の1180または1181位、例えば、1180~1181、1178~1183、1176~1185、1174~1187、1172~1189、1170~1191、1169~1192、または1168~1193位を含む。いくつかの実施形態では、第3の捕捉オリゴマーは、配列番号57に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、第3の捕捉オリゴマーは、配列番号96に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、第3の捕捉オリゴマーは、配列番号102に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、第3の捕捉オリゴマーは、配列番号47に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。その配列に関するものを含めて、第3の捕捉オリゴマーの様々な実施形態が上記の概要に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わされ得る。
【0151】
いくつかの実施形態では、第4の捕捉オリゴマーが提供される。いくつかの実施形態では、第4の捕捉オリゴマーの標的配列は、配列番号1などのHBVゲノム核酸の1303位、例えば、1302~1304、1300~1306、1298~1308、1296~1310、1294~1312、1292~1314、1291~1315、または1290~1316位を含む。いくつかの実施形態では、第4の捕捉オリゴマーは、配列番号61に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、第4の捕捉オリゴマーは、配列番号97、98、または103に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、第4の捕捉オリゴマーは、配列番号48に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。その配列に関するものを含めて、第4の捕捉オリゴマーの様々な実施形態が上記の概要に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わされ得る。
【0152】
例えば、条件が増幅に適していたことを立証することによって、陰性結果が有効であることを確認するために、内部対照オリゴマーが提供され得る。例示的な対照標的捕捉オリゴマーは、配列番号80である。例示的な対照増幅オリゴマーは、配列番号77および78である。例示的な対照プローブオリゴマーは、配列番号79である。対照増幅オリゴマーによって増幅され得る対照鋳型もまた提供され得る。対照鋳型は既知のプロトコルに従って調製することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,785,844号を参照すると、これは、HIV-1配列の一部分と内部対照プローブによって標的化される特有の配列とを含有するインビトロで合成された転写物からなる内部対照を記載する。
【0153】
本開示のある特定の態様では、試料中のHBVの有無を判定するために、またはHBVを定量化するために、少なくとも2つのオリゴマーの組み合わせが提供される。いくつかの実施形態では、オリゴマーの組み合わせは、例えば、配列番号1もしくは105~125の配列を有するHBV標的核酸、または受託番号が本明細書に提供される実施例で言及される任意のHBV株もしくは構築物の標的領域を増幅させるのに適した、少なくとも2つの増幅オリゴマーを含む。そのような実施形態では、少なくとも1つの増幅オリゴマーは、センス配向(「センスTHS」)の標的ハイブリダイズ配列を含み、少なくとも1つの増幅オリゴマーは、アンチセンス配向(「アンチセンスTHS」)の標的ハイブリダイズ配列を含み、センスTHSおよびアンチセンスTHSは各々、HBV配列内の標的配列に特異的にハイブリダイズするように構成されている。標的ハイブリダイズ配列は、アンチセンスTHSによって標的化されたHBV配列がセンスTHSによって標的にされたHBV配列の下流に位置するように選択される(すなわち、少なくとも2つの増幅オリゴマーは、それらが増幅される標的領域に隣接するように配置される)。
【0154】
オリゴマーは、様々な組み合わせ(例えば、キットまたは組成物)で提供され得、例えば、第1の増幅オリゴマー、さらなる逆方向増幅オリゴマー、第2の増幅オリゴマー、さらなる順方向増幅オリゴマー、第3の増幅オリゴマー、第4の増幅オリゴマー、第5の増幅オリゴマー、第6の増幅オリゴマー、第2の増幅オリゴマーとの1つ以上の共通の位置にアニールする初期増幅オリゴマー、第4の増幅オリゴマーとの1つ以上の共通の位置にアニールする初期増幅オリゴマー、第1のプローブオリゴマー、第2のプローブオリゴマー、第1の捕捉オリゴマー、第2の捕捉オリゴマー、第3の捕捉オリゴマー、および第4の捕捉オリゴマーのうちの2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16個、例えば、少なくとも1つの初期増幅オリゴマーおよび少なくとも1つの捕捉オリゴマー;任意に、少なくとも1つの初期増幅オリゴマーをさらに含む、第1の捕捉オリゴマーおよび第2の捕捉オリゴマー;任意に、少なくとも1つの初期増幅オリゴマーをさらに含む、第1の捕捉オリゴマーおよび第3の捕捉オリゴマー;任意に、少なくとも1つの初期増幅オリゴマーをさらに含む、第1の捕捉オリゴマーおよび第4の捕捉オリゴマー;任意に、少なくとも1つの初期増幅オリゴマーをさらに含む、第2の捕捉オリゴマーおよび第3の捕捉オリゴマー;任意に、少なくとも1つの初期増幅オリゴマーをさらに含む、第2の捕捉オリゴマーおよび第4の捕捉オリゴマー;任意に、少なくとも1つの初期増幅オリゴマーをさらに含む、第3の捕捉オリゴマーおよび第4の捕捉オリゴマー;任意に、第1のプローブオリゴマーをさらに含む、第1の増幅オリゴマーおよび第2の増幅オリゴマー;任意に、第1のプローブオリゴマーをさらに含む、第1、第2、および第3のさらなる逆方向増幅オリゴマー;任意に、第1のプローブオリゴマーをさらに含む、第1、第2、およびさらなる順方向増幅オリゴマー;任意に、第1のプローブオリゴマーをさらに含む、第1、第2、さらなる順方向増幅オリゴマー、およびさらなる逆方向増幅オリゴマー;任意に、第1のプローブオリゴマーをさらに含む、第2の増幅オリゴマーとの1つ以上の共通の位置にアニールする初期増幅オリゴマー、少なくとも1つの捕捉オリゴマー、第1の増幅オリゴマー、および第2の増幅オリゴマー;任意に、第1のプローブオリゴマーをさらに含む、第2の増幅オリゴマーとの1つ以上の共通の位置にアニールする初期増幅オリゴマー、少なくとも2つの捕捉オリゴマー、第1の増幅オリゴマー、および第2の増幅オリゴマー;任意に、第2のプローブオリゴマーをさらに含む、第3の増幅オリゴマーおよび第4の増幅オリゴマー;任意に、第2のプローブオリゴマーをさらに含む、第3の増幅オリゴマー、第4の増幅オリゴマー、および第4の増幅オリゴマーとの1つ以上の共通の位置にアニールする初期増幅オリゴマー;任意に、第2のプローブオリゴマーをさらに含む、第3の増幅オリゴマー、第4の増幅オリゴマー、第4の増幅オリゴマーとの1つ以上の共通の位置にアニールする初期増幅オリゴマー、および少なくとも1つの捕捉オリゴマー;任意に、第1のプローブオリゴマーをさらに含む、第2の増幅オリゴマーとの1つ以上の共通の位置にアニールする初期増幅オリゴマー、少なくとも2つの捕捉オリゴマー、第1の増幅オリゴマー、および第2の増幅オリゴマー;任意に、第3および/もしくは第4の捕捉オリゴマーをさらに含む、第2の増幅オリゴマーとの1つ以上の共通の位置にアニールする初期増幅オリゴマー、少なくとも1つの捕捉オリゴマー、第1の増幅オリゴマー、第2の増幅オリゴマー、第3の増幅オリゴマー、および第4の増幅オリゴマー;または任意に、第1および第2のプローブオリゴマーをさらに含む、第2の増幅オリゴマーとの1つ以上の共通の位置にアニールする初期増幅オリゴマー、第4の増幅オリゴマーとの1つ以上の共通の位置にアニールする初期増幅オリゴマー、少なくとも1つの捕捉オリゴマー、第1の増幅オリゴマー、第2の増幅オリゴマー、第3の増幅オリゴマー、および第4の増幅オリゴマーを含む。組み合わせは、対照オリゴマーまたはそれらの組み合わせ、例えば、2つの対照増幅オリゴマー、対照標的捕捉オリゴマー、および/または対照プローブオリゴマーをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、第1および第2の増幅オリゴマーの両方が存在する。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーおよび第3の増幅オリゴマーの両方が存在する。
【0155】
いくつかの実施形態では、組み合わせは、対照オリゴマーを含まず、17、16、15、14、13、12、11、10、または9を超える異なるオリゴマーを含まない。そのような実施形態では、誤った組み込み、二重組み込み、省略、またはオリゴマー合成中の他の誤りから生じ得るような、微量(例えば、変異体に最も類似した配列を有するオリゴマーなどの主要なオリゴマー種に対して約15モル%以下または約10モル%以下)で存在する変異体は、異なるオリゴマーとは見なされない。
【0156】
いくつかの実施形態では、オリゴマーの組み合わせは、以下の実施例のいずれかに記載されるように、または実施例に記載される個々の反応において提供される。
【0157】
いくつかの実施形態では、例えば、キットまたは組成物中のオリゴマーの組み合わせは、任意に、試料中に存在すると疑われる他の非HBV核酸(例えば、表8に列挙される微生物および/または血液媒介性ウイルスのうちの1つ以上または全てなどの他の血液媒介病原体)に対して最小限の交差反応性で、少なくとも3、4、5、6、7、8、または9つのHBV遺伝子型(例えば、A、B、C、C2、D、E、F、G、またはH型)の核酸に、特異的にハイブリダイズするように構成されている。いくつかの実施形態では、オリゴマーの組み合わせは、1対数のHBV A内でそのような株を定量化するために使用され得る。いくつかの実施形態では、オリゴマーの組み合わせは、0.5対数のHBV A内でそのような株を定量化するために使用され得る。いくつかの態様では、本開示の組成物は、A型肝炎、風疹、C型肝炎、単純ヘルペス1型、単純ヘルペス2型、HIV2、パルボウイルス、デング熱、CMV、HTLV、エプスタイン-バール、およびウエストナイルウイルスのうちの1つ以上または全てに対して最小限の交差反応性で、HBV核酸に特異的にハイブリダイズするように構成されている。いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、C.albicans、P.acnes、S.aureus、S.epidermis、またはN.gonorrhoeaeのうちの1つ以上または全てに対して最小限の交差反応性で、HBV核酸に特異的にハイブリダイズするように構成されている。一態様では、本開示の組成物は、これらの生物のうちの1つ以上を検出するための構成要素および方法をさらに含む多重系の一部である。
【0158】
試料中のHBV標的核酸の有無を判定するための、またはその量を定量化するための反応混合物もまた、本開示によって提供される。本開示による反応混合物は、以下のうちの少なくとも1つ以上を含む:HBV標的核酸の増幅のための本明細書に記載のオリゴマーの組み合わせ、HBV標的核酸を精製するための本明細書に記載の捕捉プローブオリゴマー、およびHBV増幅産物の有無を判定するための本明細書に記載の検出プローブオリゴマー。いくつかの実施形態では、上記の任意のオリゴマーの組み合わせが反応混合物中に存在する。反応混合物は、例えば捕捉プローブ核酸のアレイなどの多数の任意成分をさらに含んでもよい。増幅反応混合物については、反応混合物は典型的には、例えば、緩衝液、塩溶液、適切なヌクレオチド三リン酸(例えば、dATP、dCTP、dGTP、dTTP、ATP、CTP、GTP、およびUTP)などのインビトロ増幅を実施するのに適した他の試薬、ならびに/または酵素(例えば、逆転写酵素および/またはRNAポリメラーゼ)を含み、典型的には、試験試料成分を含み、その中に、HBV標的核酸が存在してもしなくてもよい。加えて、増幅オリゴマーの組み合わせと共に検出プローブを含む反応混合物については、反応混合物のための増幅オリゴマーおよび検出プローブオリゴマーの選択は、共通の標的領域によって連結される(すなわち、反応混合物は、反応混合物の増幅オリゴマーの組み合わせによって増幅可能な配列に結合するプローブを含むであろう)。
【0159】
本明細書に記載の方法を実施するためのキットもまた、本開示によって提供される。本開示によるキットは、以下のうちの少なくとも1つ以上を含む:HBV標的核酸の増幅のための本明細書に記載の増幅オリゴマーの組み合わせ、HBV標的核酸を精製するための本明細書に記載の少なくとも1つの捕捉プローブオリゴマー、およびHBV増幅産物の有無を判定するための本明細書に記載の少なくとも1つの検出プローブオリゴマー。いくつかの実施形態では、上記の任意のオリゴマーの組み合わせがキット中に存在する。キットは、例えば捕捉プローブ核酸のアレイなどのいくつかの任意成分をさらに含み得る。キット中に存在し得る他の試薬には、例えば、緩衝液、塩溶液、適切なヌクレオチド三リン酸(例えば、dATP、dCTP、dGTP、dTTP、ATP、CTP、GTP、およびUTP)、ならびに/または酵素(例えば、逆転写酵素、および/またはRNAポリメラーゼ)などのインビトロ増幅を実施するのに適した試薬が含まれる。本明細書に記載のオリゴマーは、様々な異なる実施形態で包装され得、当業者は、本開示が多くの異なるキット構成を包含することを理解するであろう。例えば、キットは、HBVゲノムの1つの標的領域のみのための増幅オリゴマーを含み得るか、またはそれは、上記の第1および第2のアンプリコンを産生するためなどの複数のHBV標的領域のための増幅オリゴマーを含み得る。加えて、増幅オリゴマーの組み合わせと共に検出プローブを含むキットについては、キットのための増幅オリゴマーおよび検出プローブオリゴマーの選択は、共通の標的領域によって連結される(すなわち、キットは、キットの増幅オリゴマーの組み合わせによって増幅可能な配列に結合するプローブを含むであろう)。ある特定の実施形態では、キットは、本開示による方法を実施するための1組の使用説明書をさらに含み、使用説明書は、添付文書および/またはキットもしくはその構成要素の包装に関連し得る。
【0160】
C.方法および使用
本明細書に開示されるいかなる方法も、本方法の目的に向けられた本方法に関与する材料の対応する使用の開示としても理解されるべきである。HBV配列を含むオリゴマーのうちのいずれも、およびそのようなオリゴマーを含むいかなる組み合わせ(例えば、キットおよび組成物)も、HBVの検出または定量化で使用するためも、かつHBVを検出または定量化するための組成物の調製で使用するためにも開示されるものとして理解されるべきである。
【0161】
大まかにいえば、方法は、以下の構成要素のうちの1つ以上を含むことができる:HBV核酸が捕捉オリゴマーおよび任意に初期増幅オリゴマーへアニールされた標的捕捉、標的オリゴマーと会合していない材料を除去するための単離、例えば、洗浄、線形増幅、指数関数的増幅、および指数関数的増幅とともにリアルタイムで実施され得るアンプリコン検出、例えば、アンプリコン定量化。ある特定の実施形態は、上記のステップの各々を伴う。ある特定の実施形態は、線形増幅なしの指数関数的増幅を伴う。ある特定の実施形態は、洗浄、単離、および線形増幅を伴う。ある特定の実施形態は、指数関数的増幅およびアンプリコン検出を伴う。ある特定の実施形態は、上に列挙した構成要素のうちのいずれか2つを伴う。ある特定の実施形態は、直上に列挙したいずれか2つの構成要素、例えば、洗浄および線形増幅、または線形増幅および指数関数的増幅を伴う。
【0162】
いくつかの実施形態では、増幅は、HBV標的核酸に対応するHBV核酸標的領域を増幅させるために、試料を少なくとも2つのオリゴマーと接触させることであって、オリゴマーが上記のような少なくとも2つの増幅オリゴマー(例えば、指数関数的増幅のために、センス方向に向けられた1つ以上、およびアンチセンス方向に向けられた1つ以上)を含む、接触させることと、(2)インビトロ核酸増幅反応を実施することであって、試料中に存在する任意のHBV標的核酸が、増幅産物を生成するための鋳型として使用される、実施することと、(3)増幅産物の有無を検出し、それにより試料中のHBVの有無を判定するか、または試料中のHBV核酸の量を定量化することとを含む。
【0163】
いくつかの実施形態では、増幅は、HBV標的核酸に対応するHBV核酸標的領域を増幅させるために、試料を少なくとも4つのオリゴマーと接触させることであって、オリゴマーが上記のような第1のアンプリコンを産生するための少なくとも2つの増幅オリゴマー(例えば、指数関数的増幅のために、センス方向に向けられた1つ以上、およびアンチセンス方向に向けられた1つ以上)、ならびに上記のような第2のアンプリコンを産生するための少なくとも2つの増幅オリゴマー(例えば、指数関数的増幅のために、センス方向に向けられた1つ以上、およびアンチセンス方向に向けられた1つ以上)を含む、接触させることと、(2)インビトロ核酸増幅反応を実施することであって、試料中に存在する任意のHBV標的核酸が、増幅産物を生成するための鋳型として使用される、実施することと、(3)第1または第2のアンプリコンの有無を検出し、それにより試料中のHBVの有無を判定するか、または試料中のHBV核酸の量を定量化することとを含む。
【0164】
本開示に従った検出方法は、方法のその後のステップに供される試料を得るステップをさらに含むことができる。ある特定の実施形態では、使用される試料を「得ること」は、例えば、方法の1つ以上のステップが実施される試験施設または他の場所で試料を受け取ること、および/または方法の1つ以上のステップが実施される施設内の場所から(例えば、貯蔵施設または他の保管所から)試料を検索することを含む。
【0165】
ある特定の実施形態では、方法は、例えば、捕捉ステップ前などの増幅前に、HBV標的核酸を試料中の他の成分から精製することをさらに含む。そのような精製は、試料中に含有される生物を他の試料成分から分離および/もしくは濃縮するか、または非核酸試料成分、例えば、タンパク質、炭水化物、塩、脂質などを除去もしくは分解する方法を含んでもよい。いくつかの実施形態では、試料中のDNAは、例えば、DNaseを用いて分解され、任意に、DNaseを除去もしくは不活性化するか、または分解されたDNAを除去する。
【0166】
特定の実施形態では、標的核酸を精製することは、標的核酸を捕捉して、標的核酸を他の試料成分から特異的にまたは非特異的に分離することを含む。非特異的標的捕捉法は、実質的に水性の混合物からの核酸の選択的沈殿、他の試料成分を除去するために洗浄される支持体への核酸の付着、またはHBV核酸および他の試料成分を含有する混合物から核酸を物理的に分離する他の手段を伴い得る。
【0167】
標的捕捉は典型的には、ハイブリダイズ条件下で、通常、テール配列:固定化プローブ配列の二本鎖のTmよりも高い温度で、HBV標的配列に特異的にハイブリダイズする1つ以上の捕捉プローブオリゴマーを含有する液相混合物中で生じる。捕捉プローブテールを含む実施形態については、捕捉プローブテールが固定化プローブにハイブリダイズするようにハイブリダイズ条件を調整することによって、HBV標的:捕捉プローブ複合体が捕捉される。ある特定の実施形態は、常磁性ビーズなどの微粒子固体支持体を使用する。
【0168】
単離は、捕捉の後に続くことができ、固体支持体上の複合体は、他の試料成分から分離される。単離は、任意の適切な技術、例えば、HBV標的配列と会合した支持体を1回以上(例えば、2回または3回)洗浄して、他の試料成分および/または結合していないオリゴマーを除去することによって達成され得る。常磁性ビーズなどの微粒子固体支持体を使用する実施形態では、HBV標的と会合した粒子は、洗浄溶液中で懸濁され、いくつかの実施形態において磁力を使用することによって、洗浄溶液から回収され得る。取り扱いステップ数を制限するために、HBV標的核酸は、支持体上の複合体中のHBV標的配列を増幅オリゴマーと単純に混合して、増幅ステップへと進めることによって増幅し得る。
【0169】
線形増幅は、例えば、標的核酸配列を、標的核酸配列の線形増幅を支持し、その指数関数的増幅に必要とされる少なくとも1つの成分を欠失する第1の相の増幅反応混合物と接触させることによって実施され得る。いくつかの実施形態では、第1相増幅反応混合物は、逆転写酵素、ポリメラーゼ、およびそれらの組み合わせから選択される増幅酵素を含む。ポリメラーゼは、典型的には、RNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存性RNAポリメラーゼ、およびそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、第1相増幅反応混合物は、リボヌクレアーゼ(RNase)、例えば、RNase HまたはRNase H活性を有する逆転写酵素をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1相増幅混合物は、RNase H活性を有する逆転写酵素、およびRNAポリメラーゼを含む。
【0170】
いくつかの実施形態では、第1相増幅混合物は、増幅オリゴヌクレオチドも含み得る。増幅オリゴヌクレオチドは、T7 RNAポリメラーゼなどのRNAポリメラーゼについての5’プロモーター配列、および/またはその酵素的伸長を防止するブロック化3’末端を含むことができる。加えて、第1の相の増幅混合物は、時に、所望の終点を超えた標的核酸配列の酵素的伸長を防止するためのブロッカーオリゴヌクレオチドを含み得る。
【0171】
上述のように、第1相増幅反応の主要な特徴は、指数関数的増幅に必要とされる1つ以上の成分が欠けていること、および/または指数関数的増幅を示す薬剤が存在すること、および/または反応混合物の温度が指数関数的増幅の助けにならないことが理由で、指数関数的増幅反応を指示することができないことである。制限なしで、指数関数的増幅に必要とされる欠けている成分および/または阻害因子および/または反応条件は、以下の群から選択され得る:増幅オリゴヌクレオチド(例えば、RNAポリメラーゼについての5’プロモーター配列を含む増幅オリゴヌクレオチド、非プロモーター増幅オリゴヌクレオチド、またはそれらの組み合わせ)、酵素(例えば、RNAポリメラーゼなどのポリメラーゼ)、ヌクレアーゼ(例えば、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、切断酵素、RNase、ホスホリラーゼ、グリコシラーゼなど)、酵素補助因子、キレート剤(例えば、EDTAまたはEGTA)、リボヌクレオチド三リン酸(rNTP)、デオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)、Mg2+、塩、緩衝液、酵素阻害薬、ブロッキングオリゴヌクレオチド、pH、温度、塩濃度、およびそれらの組み合わせ。場合によっては、第1の相の反応において存在する指数関数的増幅の阻害因子の効果を逆転させる作用因子などの欠けている成分が、間接的に関与し得る。
【0172】
HBV標的配列を指数関数的に増幅させることは、増幅する標的領域に隣接する少なくとも2つの増幅オリゴマーを使用するインビトロ増幅反応を利用する。
【0173】
いくつかの実施形態では、上記の少なくとも第1および第2の増幅オリゴマーが提供される。特定の実施形態では、増幅する標的領域は、ヌクレオチド位置417または418を含む配列番号1の領域、例えば、約415~420、410~425、405~430、400~435、395~440、390~445、385~450、380~455、または376~459位(増幅産物へと組み込まれるオリゴマー配列を含む)に実質的に対応する。
【0174】
いくつかの実施形態では、上記の少なくとも第3および第4の増幅オリゴマーが提供される。特定の実施形態では、増幅する標的領域は、ヌクレオチド位置677を含む配列番号1の領域、例えば、約675~679、670~684、665~689、660~694、655~699、650~704、または646~708位(増幅産物へと組み込まれるオリゴマー配列を含む)に実質的に対応する。
【0175】
これらの標的領域の増幅に特に適した増幅オリゴマーの組み合わせは、上に説明されている。いくつかの実施形態では、第1および第2の増幅オリゴマーならびに第3および第4の増幅オリゴマーが隣接する標的領域は、同じ反応混合物中で増幅する。好適な増幅方法には、例えば、レプリカーゼ媒介増幅、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、および転写媒介増幅または転写関連増幅(TMA)が含まれる。
【0176】
例えば、TMA増幅を使用するいくつかの増幅方法は、以下のステップを含む。簡潔には、増幅する配列を含有する標的核酸は、一本鎖核酸(例えば、HBV RNAなどのssRNA)として提供される。当業者は、代替的に、DNAがTMAにおいて使用され得ることを認識するであろう。二本鎖核酸(例えば、dsDNA)の従来の融解は、一本鎖標的核酸を提供するために使用され得る。プロモータープライマー(例えば、上記のプロモーターを含む第3の増幅オリゴマー)は、その標的配列において標的核酸へ特異的に結合し、逆転写酵素(RT)は、標的鎖を鋳型として使用してプロモータープライマーの3’末端を伸長して、cDNA伸長産物を作り出し、ssRNAが元の鋳型であった場合、RNA:DNA二本鎖をもたらす。RNaseは、RNA:DNA二本鎖のRNA鎖を消化し、第2のプライマーは、プロモータープライマー末端から下流のcDNA鎖に位置するその標的配列に特異的に結合する。RTは、第1のcDNA鋳型を使用して他のプライマーの3’末端を伸長することによって、新たなDNA鎖を合成して、機能性プロモーター配列を含有するdsDNAを作り出す。次いで、プロモーター配列に特異的なRNAポリメラーゼは、転写を開始して、反応において初期標的鎖の約100~1000の増幅コピー(「アンプリコン」)であるRNA転写産物を産生する。増幅は、他のプライマーがアンプリコンの各々におけるその標的配列に特異的に結合するときに続行し、RTは、アンプリコンRNA鋳型からDNAコピーを作り出して、RNA:DNA二本鎖を産生する。反応混合物中のRNaseは、RNA:DNA二本鎖からアンプリコンRNAを消化し、プロモータープライマーは、新たに合成されたDNAにおけるその相補的配列に特異的に結合する。RTは、プロモータープライマーの3’末端を伸長して、機能性プロモーターを含有するdsDNAを作り出し、そのdsDNAにRNAポリメラーゼが結合して、標的鎖に相補的であるさらなるアンプリコンを転写する。より多くのアンプリコンコピーを作製する自己触媒サイクルは、試料中に存在する標的核酸が結果的に約10億倍増幅する反応の経過中に反復する。増幅産物は、増幅中に、または増幅反応の終了時に、増幅産物中に含有される標的配列に特異的に結合するプローブを使用することによってリアルタイムで検出され得る。結合したプローブから結果的に生じるシグナルの検出は、試料中の標的核酸の存在を示す。
【0177】
いくつかの実施形態では、方法は、「逆方向」TMA反応を利用する。そのような変形形態において、開始または「順方向」増幅オリゴマーは、標的領域の3’末端の付近で標的核酸にハイブリダイズするプライミングオリゴヌクレオチドである。逆転写酵素(RT)は、標的核酸を鋳型として使用してプライマーの3’末端を伸長することによって、cDNA鎖を合成する。他のまたは「逆方向」増幅オリゴマーは、合成されたcDNA鎖内に含有される標的配列にハイブリダイズするよう構成された標的ハイブリダイズ配列を有するプロモータープライマーまたはプロモータープロバイダーである。第2の増幅オリゴマーがプロモータープライマーである場合、RTは、cDNA鎖を鋳型として使用してプロモータープライマーの3’末端を伸長して、標的配列鎖の第2のcDNAコピーを作り出し、それにより機能性プロモーター配列を含有するdsDNAを作り出す。次に、増幅は、前段落においてRNAポリメラーゼを利用するプロモーター配列からの転写の開始について本質的に上に説明された通りに続行する。あるいは、第2の増幅オリゴマーがプロモータープロバイダーである場合、標的領域の5’末端の付近にある標的配列にハイブリダイズする終結オリゴヌクレオチドは、終結オリゴヌクレオチドの3’末端でプライミングオリゴマーの伸長を終結するよう典型的に利用され、それにより、プライミングオリゴマーからの伸長によって合成した初期cDNA鎖について定義された3’末端を提供する。次いで、プロモータープロバイダーの標的ハイブリダイズ配列は、初期cDNA鎖の定義された3’末端にハイブリダイズし、cDNA鎖の3’末端は、プロモータープロバイダーのプロモーター配列に相補的な配列を付加するよう伸長して、結果的に二本鎖プロモーター配列の形成を生じる。次いで、初期cDNA鎖が鋳型として使用されて、プロモーター部分を含んでいない、初期cDNA鎖に相補的な複数のRNA転写産物を、二本鎖プロモーターを認識し、そこから転写を開始するRNAポリメラーゼを使用して転写する。次いで、これらのRNA転写産物の各々は、第1のプライミング増幅オリゴマーからのさらなる増幅のための鋳型として役立つように利用可能である。
【0178】
検出ステップは、例えば、増幅産物を、標識された検出プローブにハイブリダイズして、標識されたプローブから結果的に生じるシグナルを検出することなどによって、増幅した標的配列と特異的に会合したシグナルを検出するための様々な既知の技術のうちのいずれかを使用して実施され得る。検出ステップは、例えば、その核酸塩基配列の全部または一部など、増幅した配列に関するさらなる情報も提供し得る。検出は、増幅反応が完了した後に実施され得るか、または標的領域を例えばリアルタイムで増幅させることと同時に実施され得る。一実施形態では、検出ステップは、均一な検出、例えば、ハイブリダイズしていないプローブの混合物からの除去なしでの、ハイブリダイズしたプローブの検出を可能にする(例えば、各々が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,639,604号および第5,283,174号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、核酸は、検出可能な電荷などの物理的変化を結果として生じる表面と会合している。増幅した核酸は、核酸をマトリクスの中もしくは上で濃縮し、核酸もしくは核酸と会合した色素(例えば、臭化エチジウムまたはサイバーグリーンなどの挿入剤)を検出するか、または液相中の核酸と会合した色素の増加を検出することによって検出されてもよい。他の検出方法は、増幅した産物中の配列に特異的にハイブリダイズして、プローブ:産物複合体の存在を検出するように、または増幅産物と会合した検出可能なシグナルを増幅させ得るプローブの複合体を使用することによって、構成された核酸検出プローブを使用してもよい(例えば、各々が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,424,413号、第5,451,503号、および第5,849,481号)。増幅した産物と特異的に会合する直接的または間接的に標識されたプローブは、試料中の標的核酸の存在を示す検出可能なシグナルを提供する。特に、増幅した産物は、HBVゲノムRNA中の標的配列またはHBVゲノムRNA中の配列に相補的な標的配列を含有するであろうし、プローブは、試験した試料中のHBV核酸の存在を示すために、増幅した産物中に含有される配列に直接または間接的に結合するであろう。
【0179】
増幅ステップの終了近くまたは終了時に増幅した産物を検出する実施形態では、線形検出プローブは、増幅した産物へのプローブのハイブリダイゼーションを示すためのシグナルを提供するために使用されてもよい。そのような検出の一例は、標的核酸にハイブリダイズする発光標識されたプローブを使用する。次いで、発光標識がハイブリダイズされていないプローブから加水分解される。検出は、ルミノメーターを使用して化学発光によって実施される(例えば、参照により本明細書に組み込まれる国際特許出願公開第WO 89/002476号を参照されたい)。リアルタイム検出を使用する他の実施形態では、検出プローブは、例えば、プローブが、増幅した産物に結合するときに検出されるレポーター部分で標識された分子ビーコン、分子トーチ、またはハイブリダイゼーションスイッチプローブなどのヘアピンプローブであってもよい。そのようなプローブは、標的ハイブリダイズ配列と非標的ハイブリダイズ配列とを含み得る。このようなプローブの種々の形態は、すでに説明されている(例えば、参照により本明細書に各々組み込みまれる米国特許第5,118,801号、第5,312,728号、第5,925,517号、第6,150,097号、第6,849,412号、第6,835,542号、第6,534,274号、および第6,361,945号、ならびに米国特許出願公開第2006/0068417A1号および第2006/0194240A1号を参照されたい)。
【0180】
いくつかの実施形態では、分子トーチ(単にトーチと呼ばれる場合がある)が検出に使用される。いくつかの実施形態では、トーチは、先に開示されたようなプローブオリゴマーである。
【0181】
概して、開示された方法は、分析物ポリヌクレオチドの増幅前の量と、分析物アンプリコンの増幅後の量とを関連付ける標準曲線を参照するステップを伴い得る。
【0182】
リアルタイム増幅反応が、反応に投入される分析物ポリヌクレオチドの数と、時間の関数としての合成される分析物アンプリコンの数との間の定量的な関連性を有利に特徴付けるため、試験試料中に存在する分析物ポリヌクレオチドの数は、標準曲線を使用して決定され得る。例えば、既知の量のポリヌクレオチド標準曲線を含有する複数の増幅反応は、未知数の分析物ポリヌクレオチドを含有する試験試料を使用して調製された増幅反応と並行して実行され得る。あるいは、標準曲線は、分析手順が実行される度に曲線を準備することが不必要であるように、事前に準備され得る。事前に準備されたそのような曲線は、検査機器の記憶デバイスに電子的に記憶することさえできる。第1の軸上のポリヌクレオチド標準物質の増幅前の量と、第2の軸上の核酸増幅のある特定のレベル(バックグラウンドシグナルを上回る出現の時間など)をもたらすのに必要とされる時間のいくつかの兆候とを有する標準曲線を次に準備する。次いで、試験反応のために測定される分析物アンプリコンの増幅後の量は、標準曲線の増幅後の軸上に位置する。曲線の他の軸上の対応する値は、試験反応において存在した分析物ポリヌクレオチドの増幅前の量を表す。したがって、試験試料中に存在する分析物ポリヌクレオチドの分子の数を決定することは、標準曲線を参照することによって、より具体的には、当業者によく知られているであろう手順である、試験試料について得られた定量的結果を標準曲線と比較することによって達成される。
【0183】
本明細書に記載の手順は、試験試料中に存在する分析物ポリヌクレオチド(例えば、HBV核酸)を定量化するために容易に使用され得る。実際に、複数の標準的な対照増幅反応が既知数の分析物ポリヌクレオチド標準物質を使用して開始される場合、および未知数の分析物ポリヌクレオチド分子を含む試験反応が実施される場合、各反応におけるある特定のレベルの増幅をもたらすのに必要とされる時間を測定した後に、試験試料中に存在しなければならなかった分析物ポリヌクレオチド分子の数を決定することが可能になる。標準的な増幅反応に投入される分析物ポリヌクレオチド分子の数と、ある特定のレベルの増幅をもたらすのに必要とされる時間との間の関連性は、グラフを使用して簡便に確立される。試験試料中に存在する分析物ポリヌクレオチドの数を決定することは単に、測定された分析物アンプリコンシグナル強度に対応する分析物ポリヌクレオチド分子の数を標準グラフから決定することである。これは、分析物ポリヌクレオチド標準物質が、試験試料中に含有される分析物ポリヌクレオチドの増幅前の量を定量化するために、ポリヌクレオチド増幅反応に関連してどのように使用され得るかを例示する。
【0184】
いくつかの実施形態では、定量化は、上述したものなどの第1および第2のアンプリコンのうちの一方または両方に基づき実施される。いくつかの実施形態では、第1および第2のアンプリコンのレベルは、例えば、第1および第2のアンプリコンのそれぞれに特異的にハイブリダイズするように構成された第1および第2のプローブオリゴマー(例えば、標識されたプローブオリゴマー)からのシグナルに基づき、決定される。レベルは、所定の閾値と比較されて、試料中のHBV核酸のレベルの決定をどのように進めるかを決定することができる。例えば、レベルのうちの一方または両方が所定の閾値にほぼ等しいか、またはそれを上回っている場合、レベルのうちのより高い方が使用されて、試料中のHBV核酸のレベルを決定することができる。一方で、レベルのうちの一方または両方が所定の閾値を下回っている場合、レベルの平均が使用されて、試料中のHBV核酸のレベルを決定することができる。いくつかの実施形態では、平均は、算術平均である(例えば、10および30コピー/mLの第1および第2のレベルに基づき、20コピー/mL)。いくつかの実施形態では、平均は、幾何平均である(例えば、1.1および1.3対数コピー/mLの第1および第2のレベルに基づき、1.2対数コピー/mL)。
【0185】
レベルは、様々な方法で、例えば、濃度、コピーの絶対数、質量、発生時間、またはRLUもしくはRFUとして表され得る。レベルは、対数または算術であり得る。レベルは、異なる形態の表現間で変換され得る。例えば、RFU対時間は、発生時間に変換され得、発生時間は、較正曲線を使用して対数値に変換され得る。さらなる例として、対数は、算術値に変換され得る。いくつかの実施形態では、較正曲線または他の適切な標準は、レベルを所定の閾値と比較することを補助するために使用される。
【0186】
いくつかの実施形態では、所定の閾値は、予測された器械誤差が点変異による予測された誤差よりも大きいか、もしくはそれにほぼ等しい値であるか、または点変異による予測された誤差が予測されたランダム誤差よりも大きいか、もしくはそれにほぼ等しい値である。ランダム誤差は、生化学的プロセス、試料および試薬取り扱い、ならびに機器性能の変動性などの誤差の原因により複製間に生じる変動を表す。いくつかの実施形態では、所定の閾値は、予測された器械誤差が点変異による予測された誤差に等しい値の約50IU/mL、40IU/mL、30IU/mL、20IU/mL、または10IU/mL以内である。いくつかの実施形態では、所定の閾値は、予測された器械誤差が点変異による予測された誤差に等しい値の約1、0.5、または0.25対数IU/mL以内である。予測された誤差は、対照実験、例えば、機器誤差のための複製、および点変異による予測された誤差のための点変異体と変異なしのHBV核酸との比較を使用して決定され得る。
【0187】
予測されたランダム誤差が点変異による予測された誤差にほぼ等しい値に近い所定の閾値を使用することは、アンプリコンレベルが両方ともその値を下回る場合に、ランダム値が変動性の主な原因である可能性が高く、平均化が全誤差を低減する可能性が高いという点で、有益であり得る。一方で、少なくとも1つのアンプリコンレベルがその値を上回る場合、変異が変動性の主な原因である可能性がより高く、これにより、より高い測定されたレベルを使用することは、全誤差を低減する可能性が高い。
【0188】
例示的な所定の閾値は、IU/mL値に関して上記の概要に提供され、それは、コピー/mL、対数コピー/mL、発生時間などを含む上述の他の形態に変換可能であることが理解される。加えて、使用される機器に応じて、所定の閾値のための代替の値が望ましい場合がある。
【0189】
いくつかの実施形態では、方法または使用は、任意に、試料中に存在すると疑われる他の非HBV核酸(例えば、他の血液媒介病原体)に対して最小限の交差反応性で、少なくとも3、4、5、6、7、8、または9つのHBV遺伝子型(例えば、遺伝子型A、B、C、C2、D、E、F、G、またはH)の実質的に等価の定量化(例えば、1、0.5、または0.25対数内)を提供することができる。いくつかの態様では、方法、A型肝炎、風疹、C型肝炎、単純ヘルペス1型、単純ヘルペス2型、HIV2、パルボウイルス、デング熱、CMV、HTLV、エプスタイン-バール、およびウエストナイルウイルス。いくつかの実施形態では、本開示の方法および使用は、C.albicans、P.acnes、S.aureus、S.epidermis、またはN.gonorrhoeaeのうちの1つ以上または全てに対して最小限の交差反応性を示す。一態様では、本開示の方法および使用は、上記のウイルスまたは微生物のうちの1つ以上を検出するための方法で多重化される。概して、最小限の交差反応性は、少なくとも約95%の特異性、例えば、少なくとも約96%、97%、98%、または99%を示すものとして理解される。
【実施例】
【0190】
以下の実施例は、ある特定の開示された実施形態を例示するよう提供され、本開示の範囲をいかなる方法でも制限するものとして解釈されるべきではない。
【0191】
一般的な試薬および方法。別途記載のない限り、増幅を、T7 RNAポリメラーゼおよび逆転写酵素を用いた転写媒介増幅を使用して等温で実施した。二相性TMAを、本質的に、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,139,870号に記載される通りに実施した。概して、二相性手順において付加された最後のプライマーは、各アンプリコンが産生されるためのT7プライマー、または2つ以上の異なるT7プライマー配列の組み合わせを使用した、各アンプリコンが産生されるためのより短いT7プライマーであった。例示的な増幅オリゴマーは、配列番号2、3、14、15、30、および41の配列を有するものを含む。
【0192】
増幅反応を、T7プライマーおよび非T7プライマーの反応当たり約5~10pmoleを使用して様々なプライマーの組み合わせについて実施した。
【0193】
検出には、5’-フルオロフォア(例えば、FAMまたはROX)および3’-消光剤(例えば、DABCYL)を含有するプローブオリゴマーとして分子トーチを使用した(FAMおよびDABCYLについては「5F3D」またはROXおよびDABCYLについては「5R3D」)。トーチは、参照により組み込まれる米国特許第6,849,412号において詳細に考察されている。トーチは概して、-(CH2)9-リンカーを3’末端の付近(例えば、3’末端から5番目のヌクレオチドと6番目のヌクレオチドとの間、または4番目のヌクレオチドと5番目のヌクレオチドとの間)に含有していた。例示的なプローブオリゴマーは、配列番号29および40の配列を有するものを含む。標的捕捉を、本質的に、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,034,554号に記載される通りに実施した。例示的な標的捕捉オリゴマーは、配列番号45~48および87~95の配列を有するものを含む。
【0194】
例示的な内部対照オリゴマーおよび鋳型は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,785,844号において考察されている。
【0195】
特に指示のない限り、「HBVデータベース」配列は、ヒトドナーから得られた約4300個のHBV単離体配列のデータベースからのものである。
【0196】
実施例1-標的捕捉
単独で、かつ初期増幅オリゴマーの存在と組み合わせて(実施例2を参照されたい)、配列番号45~48または87~95の配列を有する標的捕捉オリゴマー(TCO)から選択された、様々な例示的なTCOを用いて、標的捕捉を実施し、続いて洗浄、線形増幅、指数関数的増幅、および検出を行った。5コピー/IUのコピー-IU変換係数を使用した。TCOの任意の付加なしで、感度は、複数のTCOの組み合わせを使用したときの最大約89%の感度を比較して、2IU/mLのWHO標準HBVウイルスを血清中で試験したときに約4%であった。様々な単一のTCOの使用は、約30~60%の範囲内の感度を得た。これは、複数の例示的なTCOを使用することによって提供され得る利益を示す。
【0197】
実施例2-初期増幅オリゴマー
T7初期増幅オリゴマーの機能性を以下の通り実証した。2IU/mL、10IU/mL、および2000IU/mLのHBV核酸濃度を、捕捉増幅反応における出発物質として使用した。配列番号45~48または87~95の配列を有するTCOから選択されたTCOの組み合わせを用いて、標的捕捉を実施し、続いて洗浄、線形増幅、指数関数的増幅、および検出を行った。結果が
図4A~Bに現れる実験において、初期増幅オリゴマーを省略した。したがって、指数関数的増幅相の開始まで増幅オリゴマーを付加しなかったため、線形増幅は、
図4A~Bに表される実験において生じたとは考えられない。A376およびA35初期増幅オリゴマー(配列番号16および31)は、結果が
図4C~Dに現れる実験の捕捉段階において存在した。
【0198】
2000IU/mLにおいて、核実験の再現可能な発生時間を用いて、HBV核酸を検出した(
図4A~Dの矢印で示される)。2IU/mLおよび10IU/mLのHBV核酸のより低濃度において(
図4A~Dの括弧で示される。2IU/mLのトレースは灰色、10IU/mLのトレースは黒色)、T7初期増幅オリゴマーなしの発生時間(
図4A~B)は、408~435プローブオリゴマーおよび668Aプローブオリゴマーによって検出されたアンプリコンの各々に対する約27分よりも高い時間範囲にわたって分布した。T7初期増幅オリゴマーありでは、発生時間は概して、408~435プローブオリゴマーによって検出されたアンプリコンに対して約16~22分であり、668Aプローブオリゴマーによって検出されたアンプリコンに対して約18~26分であったが、単離した場合、2IU/mL試料は、より遅い発生時間を示した。2IU/mLおよび10IU/mL発生時間データは、初期増幅オリゴマーを使用したときに、これらの実験のためのトレースが、より低い定量化制限を促進する初期増幅オリゴマーと一致して、初期増幅オリゴマーの非存在下よりも少ない重複を有した、より早く、より一貫した発生時間を示した(
図4C対
図4Aおよび
図4D対
図4B)という点で改善された。
【0199】
実施例3-NT7増幅オリゴマー(-)02
2000IU/mL(3.3対数IU/mL)の濃度の1組のオリゴマーを使用して、HBVデータベースからの配列に対応するHBVクローン配列の範囲に対して増幅を実施し、そこで、NT7(-)02オリゴマー(配列番号3)は欠けており、手順は、その他の点では、2つの初期増幅オリゴマーが存在する実施例2にあるようなものであった。ほとんどの配列を目標値の約0.25対数内に定量化したが、クローン4G(対応する領域のNT7結合部位にAからGへの変異がある)は、約2対数によって不十分に定量化された(図示せず)。0.2、0.3、および0.4pmol/μLで含まれた(-)02オリゴマーとの反応は、他のクローンと一致し、かつ標的の0.25対数内の定量化を示し、他のクローンの定量化に対する(-)02オリゴマーの付加の効果は、最小限であった。
【0200】
実施例4-ディスプレーサーオリゴマー
HBV DNAは、部分的二本鎖である。259~290オリゴマー(配列番号67)または452Bオリゴマー(配列番号73)などのディスプレーサーオリゴは、ディスプレーサーオリゴの伸長および同時の鎖置換を通して一本鎖鋳型を生成することによって、アッセイ性能を改善することができる。
【0201】
ディスプレーサーオリゴを使用する効果は、以下の表1に示される。手順は、使用したディスプレーサーオリゴマーが表1に示されるようなものであったことを除いて、2つの初期増幅オリゴマーが存在する実施例2にあるようなものであった。
【表1】
【0202】
実施例5-例示的な内部対照オリゴマー
配列番号77 (NT7増幅オリゴマー)、78(T7増幅オリゴマー)、79(プローブ)、および80(捕捉)によるオリゴマーを、内部対照(別名、一般的な内部対照[GIC]、IC)としての使用のために評価した。標的捕捉試薬中のIC鋳型と共に、標的捕捉および増幅試薬中に適切なICオリゴマーを含むことは、アッセイ性能に有意な影響を及ぼさなかった(図示せず)。リソース競合に基づく穏やかな減速(例えば、より低い標的濃度における発生時間の約1~3分の差)は、有意な効果と見なされない。
【0203】
実施例6-HBV亜型検出および臨床比較
Paul-Ehrlich-Institut (PEI)のHBV遺伝子型参照パネルおよびさらなる遺伝子型H臨床試料(Boca Biolistics)を、5個の複製において試験した。手順は、2つの初期増幅オリゴマーが存在する実施例2にあるようなものであった。
図5は、市販のアボットおよびロシュアッセイ(単一の複製)から得られた結果と比較した定量化結果を示す。PEIパネル試料は概して、標的の0.3対数コピー内で定量化され、アボットおよびロシュアッセイからの個々の測定値に引けを取らない。
【0204】
実施例7-再現性、線形性、およびデータ分析
再現性。遺伝子型A~Hの表記およびウイルス負荷の範囲を有する1組の796個の個々のドナー試料を、再現性に関して試験した。アッセイは、2つの初期増幅オリゴマーを含む実施例2に記載される通りであった。定量化は、
図6Aに示されるHBV核酸の濃度の幅広い範囲にわたって再現可能であった。
【0205】
線形性。定量化はまた、二本鎖HBV DNAの2~9対数コピー/mLを包含する範囲にわたって、両方のアンプリコンの検出のための発生時間と線形であった(
図6B、408~435プローブオリゴマーによって検出されたアンプリコン。
図6C、668Aプローブオリゴマーによって検出されたアンプリコン)。
【0206】
データ分析。最低濃度、例えば、約50IU/mL(約1.7対数IU/mL)未満で、精度がより低かったことが観察された(
図6A)。また、アンプリコン1およびアンプリコン2の異なる測定値(例えば、アンプリコン1が約50IU/mLを下回る濃度を示し、アンプリコン2が約50IU/mLを上回る濃度を示した場合、または逆もまた同様)が、時に、増幅を遅らせ、それに応じて観察された濃度を抑制したHBV配列における変異の存在に起因したことがわかった(データは図示せず)。
【0207】
この現象、ならびに約50IU/mLを上回る単一のアンプリコン定量化の比較的高い正確さおよび精度を考慮して、区分的分析プロセスを開発し、アッセイ結果を、アンプリコン1および2の観察の一方または両方が50IU/mL以上であった場合に、その最大値として報告し、そうでなければ、アンプリコン1および2の観察の算術平均を報告した。この区分的プロセスは、(i)常に平均を報告すること、および(ii)常に最大値を報告することの各々に対して、全体的な正確さを改善することがわかった(例えば、異なる遺伝子型および濃度のパネルにわたる標的に対して、0.25対数コピー/mLなどの閾値を越える誤差の頻度として表される)。50IU/mLにある遷移は、全体的な正確さに関して利益を得るために重要ではなく、例えば、約25IU/mLまたは100IU/mLなどの遷移値も有効であると予測されることが理解される。
【0208】
実施例8-低濃度アッセイにおける正確さおよび反応性に対するアンプリコン1+2のための定量化の効果
アンプリコン1に加えてアンプリコン2の増幅および検出のための試薬を含む効果を評価した。手順は、アンプリコン1のみのデータに関して、A35、A02、A08、および668Aオリゴマーが存在しなかったことを除いて、2つの初期増幅オリゴマーが存在する実施例2にあるようなものであった。正確さを10IU/mLにおいて評価した。感度を5IU/mLにおいて評価した。
【0209】
アンプリコン1+2の定量化結果は、区分的分析プロセスのための50IU/mLの遷移値を使用した実施例7に記載される通りであった。アンプリコン1のみと比較して、アンプリコン2の増幅および分析を含むことは、遺伝子型B~Fに対する全誤差を低減した(表2)。反応性は、反応性が100%まで改善した遺伝子型B、D、およびEを含む全ての遺伝子型に対して、改善したか、またはほぼ同じままであった(表3)。
【0210】
【0211】
【0212】
実施例9-アッセイ性能のさらなる特徴付け
2つの初期増幅オリゴマーを含む実施例2に記載されるようなアッセイを、以下の通りさらに特徴付けた。
【0213】
遺伝子型にわたる定量化。遺伝子型B~HおよびC2を、表4に示されるように個々のまたは組み合わせたアンプリコンによって、遺伝子型Aの約0.15対数内で全て定量化した。遺伝子型B、C、C2、およびE~Hの各々を、両方のアンプリコンからのデータを使用したときに遺伝子型Aの0.1対数内で定量化し、改善された定量化の一貫性を実証した。
【0214】
【0215】
臨床的特異性。292新鮮および747凍結HBV陰性臨床検体を試験することによって、臨床的特異性を評価した。合計521個の血漿および581個の血清検体を試験した。特異性を、HBV DNAが検出されなかったHBV陰性試料の割合として計算した。HBV DNAは、1039個の全試料のうち1038個で検出されなかった(99.9%の特異性、95%の信頼区間: 99.5~100%)。凍結血清試料で、単一の偽陽性が生じた(表5)。
【表5】
【0216】
交差反応性。アッセイが、臨床試料中に存在し得る微生物またはウイルスと交差反応するかどうかを評価し、定量化の正確さに偽陽性結果またはバイアスをもたらすために、5つの微生物および15個の血液媒介性ウイルス(BBV)をHBV陰性正常ドナーにスパイクした(表6)。HBVウイルスの非存在下で偽陽性結果に寄与した微生物はなかった。2000IU/mL(すなわち、10000コピー/mLまたは4対数コピー/mL)のHBVウイルスの存在下で、検出を妨げる微生物はなかった。さらなる微生物または血液媒介性ウイルスを有するHBV陽性試料は全て、100%の反応性を示し、平均0.21対数コピー内で定量化された。観察された最大差は、アンプリコン2の検出におけるHIV-2および両方のアンプリコンの検出における0.38対数コピーであった。
【0217】
【0218】
配列表
以下の表中、小文字は、2’Ome RNAを示し、大文字は、DNAを示す。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【配列表】