(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】半導体リングレーザ、光集積回路、および光集積回路を備える光電子システム
(51)【国際特許分類】
H01S 5/14 20060101AFI20240730BHJP
H01S 5/343 20060101ALI20240730BHJP
G02B 6/12 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H01S5/14
H01S5/343
G02B6/12 301
G02B6/12 361
G02B6/12 371
G02B6/12 341
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022084884
(22)【出願日】2022-05-25
【審査請求日】2022-05-25
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520052259
【氏名又は名称】エフェクト フォトニクス ベーハー
【氏名又は名称原語表記】EFFECT Photonics B.V.
【住所又は居所原語表記】Kastanjelaan 400 5616 LZ Eindhoven Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100137903
【氏名又は名称】菅野 亨
(72)【発明者】
【氏名】タヒビリ モハンマド サイード
【審査官】吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-350523(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0307375(US,A1)
【文献】特開2002-340564(JP,A)
【文献】特開2000-277849(JP,A)
【文献】特開2015-002335(JP,A)
【文献】特開2011-142313(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0103719(US,A1)
【文献】特開2008-066546(JP,A)
【文献】特開2003-031897(JP,A)
【文献】特開2008-034657(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体リングレーザ(1)であって、
- 閉ループレーザ共振器(2)と、
- 前記閉ループレーザ共振器(2)と光学的に相互接続される光利得デバイス(3)と
を備え、前記光利得デバイス(3)が、
・ 第1の光利得セグメント(4)と、
・ 第2の光利得セグメント(5)と
を備え、
前記第1の光利得セグメント(4)および前記第2の光利得セグメント(5)が
、同一ではなく、互いに光学的に相互接続され、
かつ、互いに電気的に絶縁さ
れ、
前記第1の光利得セグメント(4)および前記第2の光利得セグメント(5)が、前記閉ループレーザ共振器(2)中をそれぞれ時計回り方向と反時計回り方向とに伝搬する光波に互いに異なるラウンドトリップ利得を提供するように、互いに異なる非線形光利得飽和および/または圧縮を有するように構成される、半導体リングレーザ(1)。
【請求項2】
前記光利得デバイス(3)が前記閉ループレーザ共振器(2)の中に配置される、請求項1に記載の半導体リングレーザ(1)。
【請求項3】
前記閉ループレーザ共振器(2)がリッジ型導波路構造(6)を備え、前記第1の光利得セグメント(4)が前記リッジ型導波路構造(6)の第1のセクション(7)に配置され、前記第2の光利得セグメント(5)が前記リッジ型導波路構造(6)の第2のセクション(8)に配置され、前記リッジ型導波路構造(6)の前記第1のセクション(7)が前記リッジ型導波路構造(6)の前記第2のセクション(8)とは異なる構成を有する、請求項1に記載の半導体リングレーザ(1)。
【請求項4】
前記閉ループレーザ共振器(2)がリッジ型導波路構造(6)を備え、前記第1の光利得セグメント(4)が前記リッジ型導波路構造(6)の第1のセクション(7)に配置され、前記第2の光利得セグメント(5)が前記リッジ型導波路構造(6)の第2のセクション(8)に配置され、前記リッジ型導波路構造(6)の前記第1のセクション(7)が前記リッジ型導波路構造(6)の前記第2のセクション(8)とは異なる構成を有する、請求項2に記載の半導体リングレーザ(1)。
【請求項5】
前記リッジ型導波路構造(6)の前記第1のセクション(7)および前記リッジ型導波路構造(6)の前記第2のセクション(8)が異なる幾何構造を有する、請求項3に記載の半導体リングレーザ(1)。
【請求項6】
前記リッジ型導波路構造(6)の前記第1のセクション(7)および前記リッジ型導波路構造(6)の前記第2のセクション(8)が異なる幾何構造を有する、請求項4に記載の半導体リングレーザ(1)。
【請求項7】
前記第1の光利得セグメント(4)が第1の金属コンタクト(9)を備え、前記第2の光利得セグメント(5)が第2の金属コンタクト(10)を備え、前記第1の金属コンタクト(9)および前記第2の金属コンタクト(10)が互いに電気的に絶縁され、前記第1の金属コンタクト(9)は第1の電気バイアス源(11)と電気的に相互接続することができ、前記第2の金属コンタクト(10)は第2の電気バイアス源(12)と電気的に相互接続することができ、前記第1の電気バイアス源(11)および前記第2の電気バイアス源(12)が互いに異なる電気バイアス状態を提供するように構成される、請求項1に記載の半導体リングレーザ(1)。
【請求項8】
前記第1の光利得セグメント(4)が第1の半導体光増幅器、すなわち第1のSOA(14)を備え、前記第2の光利得セグメントが第2のSOA(15)を備える、請求項1に記載の半導体リングレーザ(1)。
【請求項9】
前記閉ループレーザ共振器(2)と光学的に相互接続される光フィルタ構造(16)を備え、前記光フィルタ構造(16)が予め定義された3dB帯域幅を有する帯域通過フィルタ特性を有するように構成され、前記閉ループレーザ共振器(2)が予め定義されたモード間隔を有するように構成され、前記予め定義されたモード間隔に対する前記予め定義された3dB帯域幅の比率が0.5から10.0までの範囲の値を有する、請求項1に記載の半導体リングレーザ(1)。
【請求項10】
前記光フィルタ構造(16)が
可変光フィルタ構造である、請求項9に記載の半導体リングレーザ(1)。
【請求項11】
前記閉ループレーザ共振器(2)と光学的に相互接続される光遅延線路(17)を備える、請求項1に記載の半導体リングレーザ(1)。
【請求項12】
前記半導体リングレーザ(1)がハイブリッド集積またはモノリシック集積を可能にするように構成される、請求項1に記載の半導体リングレーザ(1)。
【請求項13】
前記半導体リングレーザがリン化インジウム、すなわちInPをベースとするリングレーザである、請求項1に記載の半導体リングレーザ(1)。
【請求項14】
請求項1に記載の半導体リングレーザ(1)を備える
光集積回路、すなわちPIC(100)。
【請求項15】
前記PICがモノリシック集積PICである、請求項14に記載のPIC(100)。
【請求項16】
前記PICがInPをベースとするPICである、請求項14に記載のPIC(100)。
【請求項17】
前記PICがInPをベースとするPICである、請求項15に記載のPIC(100)。
【請求項18】
請求項14に記載のPIC(100)を備える光電子システム(200)であって、送信機、受信機、トランシーバ、コヒーレント送信機、コヒーレント受信機およびコヒーレントトランシーバのうちの1つである光電子システム(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体リングレーザに関する。また、本発明は、本発明による半導体リングレーザを備える光集積回路(PIC:photonic integrated circuit)に関する。本発明は、本発明によるPICを備える光電子システムにさらに関する。本発明による光電子システムは、例えば、排他的ではないが、電気通信用途、光検出および測距(LIDAR:Light Detection and Ranging)またはセンサ用途に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
例えば、排他的ではないが、電気通信用途、光検出および測距(LIDAR)またはセンサ用途に使用することができる多くの光電子システムでは、半導体レーザは、光放射の安定したビームを狭いスペクトルで生成するためのキーとなる要素である。多くの異なるタイプの半導体レーザが知られている。例えば分布ブラッグ反射型レーザまたはFabry-Perotレーザの代わりにリングレーザを適用する利点は、リングレーザにはオンチップ反射器またはファセット反射器が不要であることである。その代わりにリングレーザは閉ループレーザ共振器を備えている。これには、半導体レーザを必要とする進歩したPICおよび光電子システムの製造および設計のための特定の利点がある。閉ループレーザ共振器は、光子の誘導放出の結果として閉ループレーザ共振器内に生成される光パワーの一部を抽出するためのパワータップとして作用する光出力カプラを備えている。
【0003】
一般に、時計回り(CW:clockwise)および反時計回り(CCW:counterclockwise)の両方に伝搬する光波に対するラウンドトリップ条件は、半導体リングレーザの閉ループレーザ共振器内では同じである。したがって半導体リングレーザは、CWおよびCCWの両方の方向に光パワーを提供する。この効果は、Fabry-Perotレーザの前方ファセットおよび後方ファセットからの光パワー放出と匹敵し得る。多くの用途では、逆方向に伝搬する光波、すなわちCW方向およびCCW方向に伝搬する光波の光パワーの比率を制御することが重要である。
【0004】
逆方向に伝搬する光波の光パワー間の平衡は、閉ループレーザ共振器の光路の意図しない非対称性に影響され得る。このような非対称性は、例えばわずかな製造誤差、外部フィードバック、または散乱して閉ループレーザ共振器の中に戻される光放射によるものであり得る。逆方向に伝搬する光波の光パワーの崩壊しやすい平衡は、逆方向に伝搬する光波間のパワー交換の結果として半導体リングレーザの不安定な光性能の原因になり得る。
【0005】
上記に基づいて、逆方向に伝搬する光波の光パワー間の平衡の改良された制御による改良された光性能を有する半導体リングレーザを提供する必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、逆方向に伝搬する光波の光パワー間の平衡の改良された制御を可能にする半導体リングレーザを提供することであり、その結果として本発明による半導体リングレーザは、上で言及した欠点および/または知られている半導体リングレーザに関連する他の欠点のうちの少なくとも1つを回避することができ、あるいは少なくとも軽減することができる。
【0007】
本発明の別の目的は、本発明による半導体リングレーザを備えるPICを提供することである。
【0008】
本発明のさらに別の目的は、本発明によるPICを備える光電子システムを提供することである。本発明による光電子システムは、例えば、排他的ではないが、電気通信用途、LIDARまたはセンサ用途に使用することができる。
【0009】
本発明の態様は、添付の独立請求項および従属請求項に示されている。従属請求項からの特徴は、独立請求項からの特徴と適宜組み合わせてもよく、単に請求項に明示的に示されている通りでなくてもよい。さらに、すべての特徴は他の技術的に等価の特徴と置き換えてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上で言及した目的のうちの少なくとも1つは、半導体リングレーザによって達成され、半導体リングレーザは、
- 閉ループレーザ共振器と、
- 閉ループレーザ共振器と光学的に相互接続される光利得デバイスと
を備え、光利得デバイスが、
・ 第1の光利得セグメントと、
・ 第2の光利得セグメントと
を備え、
第1の光利得セグメントおよび第2の光利得セグメントは同一ではなく、互いに光学的に相互接続され、互いに電気的に絶縁される。
【0011】
上で定義した光利得デバイスを有する半導体リングレーザを提供することにより、閉ループレーザ共振器の中をCW方向およびCCW方向に伝搬する光波の光パワー間の平衡の制御を改善することができる。したがって半導体リングレーザの方向操作の改良された制御を達成することができる。
【0012】
例えばCW方向に伝搬する光波と関連付けることができる第1の光利得セグメントと、例えばCCW方向に伝搬する光波と関連付けることができる第2の光利得セグメントとは同一ではない。その結果、CW方向およびCCW方向に伝搬する光波に対するラウンドトリップ条件の対称性を破壊することができる。さらに、第1の光利得セグメントおよび第2の光利得セグメントは互いに電気的に絶縁されているため、CW方向およびCCW方向に伝搬する光波を独立して制御することができる。
【0013】
同一ではない、電気的に独立して制御することができる第1の光利得セグメントおよび第2の光利得セグメントの非線形光利得飽和および/または圧縮の結果として、CW方向およびCCW方向に伝搬する光波に対する異なるラウンドトリップ利得を提供することができる。CW方向およびCCW方向に伝搬する光波に対する異なるラウンドトリップ利得間の差を制御することにより、上で言及した方向のうちの一方を優勢な操作方向として指定することができる。したがって本発明による半導体リングレーザは改良された方向操作を有することができる。
【0014】
半導体リングレーザの方向操作の改良された制御を可能にすることにより、本発明による半導体リングレーザの光性能を改善することができる。当業者は、単一方向の操作、すなわちCW方向のみの操作、あるいはCCW方向のみの操作を有する半導体リングレーザを可能にすることにより、半導体リングレーザの光出力パワーを少なくとも大きくすることができ、最終的には最大化することができることを認識することになる。
【0015】
本発明による半導体リングレーザは、2つの操作方向のうちの一方、すなわちCW方向またはCCW方向を抑制するように構成され、かつ、配置される光フィードバックアームを含む半導体リングレーザの方向操作を制御するための知られている解決法に関連する欠点を回避することができる。知られている解決法の第1の欠点は、フィードバック信号の強度の制御が困難であることである。したがってレーザは外部フィードバックになりがちである。知られている解決法の第2の欠点は、フィードバック信号の強度を制御するために振幅制御要素がフィードバックアームに統合される場合、構造がより大きくなり、より大きいフットプリントが必要になることである。より大きいフットプリントの結果として、通常、半導体リングレーザのコストが増加する。
【0016】
操作方向の制御、すなわち望ましくない伝搬方向の抑制はレーザ共振器内で生じるため、当業者は、本発明による半導体リングレーザは、知られている解決法に関連する上で言及した第1の欠点を回避することができることを認識することになる。したがって外部反射がフィードバックアームを介して結合し、レイジングモードに戻ることはない。したがって望ましくない偽光反射、または逆方向に伝搬する光波間、すなわちCW方向とCCW方向の間のパワー交換による光出力パワーおよび周波数の不安定性を抑制することができる。上記のすべては、少なくとも改良された安定性および低減された線幅の点で改良された光性能を有する半導体リングレーザを達成するために有利である。
【0017】
本発明による半導体リングレーザの実施形態では、光利得デバイスは閉ループレーザ共振器の中に配置される。
【0018】
閉ループレーザ共振器の中に光利得デバイスを配置することにより、本発明による半導体リングレーザのコンパクトな実施形態を提供することができる。半導体リングレーザのフットプリントを小さくし、したがって半導体リングレーザのコストを低減するためにはこれは有利である。以上に基づいて、当業者は、上で言及した、半導体リングレーザの方向操作を制御するための光フィードバックアームを含む知られている解決法の第2の欠点は、本発明による半導体リングレーザの上で定義した実施形態を適用することによって回避することができることを認識することになる。
【0019】
本発明による半導体リングレーザの実施形態では、閉ループレーザ共振器はリッジ型導波路構造を備え、第1の光利得セグメントはこのリッジ型導波路構造の第1のセクションに配置され、第2の光利得セグメントはリッジ型導波路構造の第2のセクションに配置され、リッジ型導波路構造の第1のセクションはリッジ型導波路構造の第2のセクションとは異なる構成を有する。
【0020】
リッジ型導波路構造の第1のセクションおよび第2のセクションは、例えば第1のセクションおよび第2のセクションの透明キャリア密度、第1のセクションおよび第2のセクションにおける半導体材料の組成、および第1のセクションおよび第2のセクションにおける半導体材料の層の配置および/または数のうちの少なくとも1つに関して異なる構造を有することができる。
【0021】
リッジ型導波路構造の第1のセクションおよび第2のセクションの構成における上で言及した相違のうちの少なくとも1つは、光利得デバイスの第1の光利得セグメントおよび第2の光利得セグメントに異なる光利得特性を提供することができる。上で考察したように、第1の光利得セグメントおよび第2の光利得セグメントの異なる光利得特性により、閉ループレーザ共振器中の逆方向に伝搬する光波の光パワー間の平衡の制御を改善することができ、したがって半導体リングレーザの方向操作の制御を改善することができる。したがって本発明による半導体リングレーザは改良された光性能を有している。
【0022】
当業者は、リッジ型導波路構造は、いわゆる競技用トラックの形を有する閉ループ構造であってもよいことを認識することになる。
【0023】
本発明による半導体リングレーザの実施形態では、リッジ型導波路構造の第1のセクションおよびリッジ型導波路構造の第2のセクションは異なる幾何構造を有する。
【0024】
異なる幾何構造は、例えばリッジ型導波路構造の第1のセクションおよび第2のセクションの異なる長さまたは幅のうちの少なくとも1つであってもよい。リッジ型導波路構造の第1のセクションおよび第2のセクションは異なるエッチ深さを使用して製造することも能である。この方法によれば同一ではない第1の光利得セグメントおよび第2の光利得セグメントを提供することができる。第1の光利得セグメントおよび第2の光利得セグメントが同一ではないことの結果として、CW方向およびCCW方向に伝搬する光波に対する閉ループレーザ共振器の対称性を破壊することができる。さらに、第1の光利得セグメントおよび第2の光利得セグメントは、例えばリッジ型導波路構造の第1のセクションおよび第2のセクションの上で言及した異なる幾何構造の結果として異なる利得特性を有することができる。上で考察したように、この方法によれば閉ループレーザ共振器中の逆方向に伝搬する光波の光パワー間の平衡の改良された制御を達成することができ、したがって半導体リングレーザの方向操作の改良された制御を達成することができる。
【0025】
本発明による半導体リングレーザの実施形態では、第1の光利得セグメントは第1の金属コンタクトを備え、第2の光利得セグメントは第2の金属コンタクトを備え、第1の金属コンタクトおよび第2の金属コンタクトは互いに電気的に絶縁され、第1の金属コンタクトは第1の電気バイアス源と電気的に相互接続することができ、第2の金属コンタクトは第2の電気バイアス源と電気的に相互接続することができ、第1の電気バイアス源および第2の電気バイアス源は互いに異なる電気バイアス状態を提供するように構成される。
【0026】
当業者は、この方法によれば、閉ループレーザ共振器中の逆方向に伝搬する光波の光パワー間の平衡の改良された制御を達成し、したがって半導体リングレーザの方向操作の改良された制御を達成するために、光利得デバイスの第1の光利得セグメントおよび第2の光利得セグメントに異なる利得特性を提供することも可能であることを認識することになる。
【0027】
異なる電気バイアス状態は、例えば、閉ループレーザ共振器中の逆方向に伝搬する光波の光パワー間の平衡を制御するために第1の金属コンタクトを介して、また、第2の金属コンタクトを介して注入される異なる電流であってもよい。この方法によれば半導体リングレーザの単一方向の操作を達成することができ、その結果として半導体リングレーザの光出力パワーを少なくとも大きくすることができ、最終的には最大化することができる。
【0028】
第1の金属コンタクトおよび第2の金属コンタクトに異なる電気バイアス状態を適用する利点は、適用される実際の電気バイアス状態に応じて操作の方向を選択し、変更することができることである。当業者は、上で言及した、光フィードバックアームが使用される知られている解決法によれば操作の方向が固定されているため、これが本発明による半導体リングレーザの利点であることを認識することになる。
【0029】
さらに、本発明による半導体リングレーザの例示的かつ非限定的な実施形態によれば、光利得デバイスは、少なくとも2つの光利得セグメントに分割される単一の構造であってもよく、これらの少なくとも2つの光利得セグメントは、同一ではなく、互いに光学的に相互接続され、第1の光利得セグメントおよび第2の光利得セグメントを個別に駆動するために使用される少なくとも2つの電気コンタクトの構成および配置によって互いに電気的に絶縁されることに留意されたい。
【0030】
さらに、本発明による半導体リングレーザの別の例示的かつ非限定的な実施形態によれば、光利得デバイスは、2つの同一ではない利得セグメントを得るために電気的に一体にグループ化される3つの全く同じ光利得ユニットを備えることができることに留意されたい。同一ではない光利得セグメントは互いに光学的に相互接続され、互いに電気的に絶縁される。これを達成するために、3つの全く同じ光利得ユニットのうちの2つの全く同じ光利得ユニットが電気的に相互接続され、3つの全く同じ光利得ユニットのうちの第3の全く同じ光利得ユニットから電気的に絶縁される。当業者は、本発明による半導体リングレーザの他の例示的かつ非限定的な実施形態によれば、同一ではない光利得セグメントの数および全く同じ光利得ユニットの数は任意の所望の数にすることができることを認識することになる。同一ではない光利得セグメントおよび全く同じ光利得ユニットに対して上で言及した数は、単に一例として言及されているにすぎない。
【0031】
上で言及した、本発明による半導体リングレーザの例示的かつ非限定的な実施形態に関して、所望の操作方向、すなわちCWまたはCCWは、3つの全く同じ光利得ユニットが電気的にまとめてグループ化される方法に応じて確立することができることに留意されたい。例えば2つの電気的に相互接続された全く同じ光利得ユニットがCW方向に伝搬する光波と結合される場合、CW方向が優勢な操作方向になり、CCW方向が抑制されることになる。同様に、2つの電気的に相互接続された全く同じ光利得ユニットがCCW方向に伝搬する光波と結合される場合、CCW方向が優勢な操作方向になり、CW方向が抑制されることになる。
【0032】
さらに、本発明による半導体リングレーザの他の例示的かつ非限定的な実施形態によれば、上で言及したオプションの任意の適切な組合せを適用して、光利得デバイスの第1の光利得セグメントおよび第2の光利得セグメントに異なる利得特性を提供することができ、その結果として半導体リングレーザの方向操作の改良された制御を達成することができることに留意されたい。
【0033】
本発明による半導体リングレーザの実施形態では、第1の光利得セグメントは第1の半導体光増幅器(SOA:semiconductor optical amplifier)を備え、第2の光利得セグメントは第2のSOAを備える。
【0034】
当業者は、SOAはしばしばSOAの活性領域とも呼ばれる真性領域に電流を注入することによって光利得を提供するための適切なデバイスであり、電子および正孔の大きいポピュレーションを作り出すことができることを認識することになる。活性領域におけるキャリア密度が透明キャリア密度を超えると、SOAは、誘導放出を介して光信号を増幅するために使用することができる光利得を達成することができる。
【0035】
上で言及したように、光利得デバイスの第1の光利得セグメントおよび第2の光利得セグメントは、第1の光利得セグメントおよび第2の光利得セグメントが同一ではない限り、全く同じおよび/または同一ではない複数のSOAを備えることができる。
【0036】
本発明による半導体リングレーザの実施形態では、半導体リングレーザは、閉ループレーザ共振器と光学的に相互接続される光フィルタ構造を備え、光フィルタ構造は、予め定義された3dB帯域幅を有する帯域通過フィルタ特性を有するように構成され、閉ループレーザ共振器は予め定義されたモード間隔を有するように構成され、予め定義されたモード間隔に対する予め定義された3dB帯域幅の比率は0.5から10.0までの範囲の値を有する。
【0037】
閉ループレーザ共振器の予め定義されたモード間隔に対する予め定義された3dB帯域幅の比率が上で言及した範囲の値を有する帯域通過フィルタ特性は狭幅光フィルタとして解釈されることに留意されたい。
【0038】
光フィルタ構造は、任意の適切なタイプのフィルタ構造、例えばMach-Zehnderフィルタであってもよく、あるいは任意の適切な構造のフィルタ構造、例えばフィルタ構造のカスケードであってもよい。
【0039】
さらに、当業者は、予め定義されたモード間隔に対する予め定義された3dB帯域幅の上で言及した比率の実際の値はフィルタ特性の形に依存し得ることを認識することになる。例えばガウス形状または二乗余弦(レイズドコサイン)形状を有するフィルタ特性の場合、上で言及した比率は3.0であってもよく、一方、ブロック形状を有するフィルタ特性の場合、比率は1.0であってもよい。
【0040】
光フィルタ構造および閉ループレーザ共振器を光学的に相互接続することにより、シングルモード半導体リングレーザを提供することができることに留意されたい。この場合、光フィルタは、光電気通信システムなどの近代の用途に必要な、単一の、クリーンで、かつ、安定した波長すなわち周波数をレイジングスペクトルが含むように設計される。さらに、光パワーを設計方向、すなわち上で言及したCWまたはCCWに集中させることにより、本発明による半導体リングレーザの光出力パワーを少なくとも大きくすることができ、最終的には最大化することができる。
【0041】
当業者は、閉ループレーザ共振器の中に光フィルタ構造を配置することにより、本発明によるシングルモード半導体リングレーザのコンパクトな実施形態を提供することができることを認識することになる。半導体リングレーザのフットプリントを小さくし、したがって半導体リングレーザのコストを低減するためにはこれは有利である。
【0042】
本発明による半導体リングレーザの実施形態では、光フィルタ構造は可変光フィルタ構造である。
【0043】
当業者は、閉ループレーザ共振器の中に可変フィルタ構造を追加することにより、シングルモードで、波長又は周波数可変の半導体リングレーザを提供することができることを認識することになる。そのようにすることにより、光フィルタ構造を同調させることによってレイジング波長すなわちレイジング周波数を選択することができ、その一方で、CW方向およびCCW方向に伝搬する光波間の光パワーの交換によってもたらされ得る方向性光パワー不安定性が小さくなる結果として、半導体リングレーザの方向操作を妨害する危険を少なくとも小さくすることができる。
【0044】
本発明による半導体リングレーザの実施形態では、半導体リングレーザは、閉ループレーザ共振器と光学的に相互接続される光遅延線路を備える。
【0045】
この方法によれば、極端に狭い線幅を有する単一周波数すなわち単一波長の半導体リングレーザを提供することができる。当業者は、閉ループレーザ共振器の中に光遅延線路を配置することにより、本発明による単一周波数すなわち単一波長の半導体リングレーザのコンパクトな実施形態を提供することができることを認識することになる。半導体リングレーザのフットプリントを小さくし、したがって半導体リングレーザのコストを低減するためにはこれは有利である。
【0046】
本発明による半導体リングレーザの実施形態では、半導体リングレーザはハイブリッド集積またはモノリシック集積を可能にするように構成される。
【0047】
他の光電子デバイスとのハイブリッド集積を可能にするように半導体リングレーザを構成する利点は、シリコンフォトニクスの領域に本発明による半導体リングレーザも使用することができることである。
【0048】
本発明による半導体リングレーザのハイブリッド集積を可能にする別の利点は、半導体リングレーザを交換することができることである。半導体リングレーザの交換は、例えばレーザの機能不全の場合、またはレーザが破壊した後に必要であり得る。
【0049】
他の光電子デバイスとのモノリシック集積を可能にするように半導体リングレーザを構成する利点は、能動光電子デバイスおよび受動光電子デバイスの両方を同じ半導体基板の上で集積することができることである。したがって能動光電子デバイスおよび受動光電子デバイスのモノリシック集積は、それらのハイブリッド集積よりも煩わしさがより軽減され、必要なダイ面積が恐らくより小さくなり得る。したがって能動光電子デバイスおよび受動光電子デバイスのモノリシック集積に関連するコストは、それらのハイブリッド集積に関連するコストよりも低くすることができる。
【0050】
本発明による半導体リングレーザの実施形態では、半導体リングレーザはリン化インジウム、すなわちInPをベースとするリングレーザである。
【0051】
当業者は、InPをベースとする半導体材料は、光電気通信用途に適用することができる半導体リングレーザを製造するために選択される半導体材料であることを認識することになる。さらに、当業者は、InPをベースとするリングレーザは、LIDARまたはセンサ用途に有利に適用することができることを認識することになる。
【0052】
本発明の別の態様によれば、本発明による半導体リングレーザを備えるPICが提供される。
【0053】
上記に基づいて、当業者は、本発明によるPICは、本発明による半導体リングレーザによって提供される利点を利用することができることを認識することになる。
【0054】
本発明によるPICの実施形態では、PICはモノリシック集積されたPICである。
【0055】
上で言及したように、モノリシック集積の利点は、能動光電子デバイスおよび受動光電子デバイスの両方を同じ半導体基板の上で集積することができることである。したがってモノリシック集積されるPICの製造は煩わしさをより軽減することができ、したがって典型的にはそれぞれ異なる基板の上に製造される能動光電子デバイスおよび受動光電子デバイスをハイブリッド相互接続するための組立てステップを必要とする、ハイブリッド集積されるPICの組立てよりも安価にすることができる。さらに、モノリシック集積することにより、PICはより小さいフットプリントを有することができる。当業者は、より小さいフットプリントにより、PICのコストを低減することができることを認識することになる。
【0056】
本発明によるPICの実施形態では、PICはInPをベースとするPICである。
【0057】
例えば、排他的ではないが、光電気通信用途、LIDARまたはセンサ用途の分野に適用されるPICは、可能な限り小さいフットプリントを有することが好ましい単一のダイの上に集積される光学的および電気的な機能の数が増加しているため、ますます複雑になっている。当業者は、PICのためのほとんどの汎用技術プラットフォーム、とりわけ上で言及した応用分野のためのほとんどの汎用技術プラットフォームは、InPをベースとする半導体材料を含むウェーハを使用していることを認識することになる。InPをベースとする技術により、単一のダイ上の1つのPICの中に、例えば光を発生し、および/または光を吸収する光デバイスなどの能動コンポーネント、および例えば光を導き、および/または光を切り換える光デバイスなどの受動コンポーネントの両方をモノリシック集積することができる。
【0058】
本発明のさらに別の態様によれば、本発明によるPICを備える光電子システムが提供される。光電子システムは、例えば、排他的ではないが、電気通信用途、LIDARまたはセンサ用途に使用することができる。光電子システムは、送信機、受信機、トランシーバ、コヒーレント送信機、コヒーレント受信機およびコヒーレントトランシーバのうちの1つであってもよい。上記に基づいて、当業者は、上で言及した任意の送信機、受信機およびトランシーバは、本発明によるPICによって提供される利点を利用することができることを認識することになる。
【0059】
本発明の他の特徴および利点は、本発明による、集積された半導体リングレーザ源、PICおよび光電子システムの例示的かつ非限定的な実施形態についての説明から明らかになるであろう。
【0060】
当業者は、集積された半導体リングレーザ源、PICおよび光電子システムについての説明される実施形態は、事実上、単なる例示的なものにすぎず、多少なりとも保護の範囲を制限するものとして解釈してはならないことを認識することになる。当業者は、集積された半導体リングレーザ源、PICおよび光電子システムの代替実施形態および等価実施形態を想定し、修正して、本発明の保護の範囲を逸脱することなく実践することができることを認識することになる。
【0061】
添付の図面の図が参照される。図は事実上、略図であり、したがって必ずしもスケール通りに描かれていない。さらに、同じ参照番号は、同じまたは同様の部品を表している。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】本発明による半導体リングレーザの第1の例示的かつ非限定的な実施形態の略上面図である。
【
図2】
図1に示されている半導体リングレーザの第1の例示的かつ非限定的な実施形態のリッジ型導波路構造の第1のセクションに配置されている第1の光利得セグメントの略横断面を示す図である。
【
図3】
図1に示されている半導体リングレーザの第1の例示的かつ非限定的な実施形態のリッジ型導波路構造の第2のセクションに配置されている第2の光利得セグメントの略横断面を示す図である。
【
図4】本発明による半導体リングレーザの第2の例示的かつ非限定的な実施形態の略上面図である。
【
図5】本発明による半導体リングレーザの第3の例示的かつ非限定的な実施形態の略上面図である。
【
図6】本発明による半導体リングレーザの第4の例示的かつ非限定的な実施形態の略上面図である。
【
図7】本発明による半導体リングレーザの第5の例示的かつ非限定的な実施形態の略上面図である。
【
図8】本発明による半導体リングレーザの第6の例示的かつ非限定的な実施形態の略上面図である。
【
図9】本発明による半導体リングレーザを備えた、本発明によるPICの第1の例示的かつ非限定的な実施形態の略図である。
【
図10】本発明によるPICを備えた、本発明による光電子システムの第1の例示的かつ非限定的な実施形態の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1は、閉ループレーザ共振器2と、該閉ループレーザ共振器2の中に配置されている光利得デバイス3とを備えた、本発明による半導体リングレーザ1の第1の例示的かつ非限定的な実施形態の略上面図を示したものである。閉ループレーザ共振器2の中に光利得デバイス3を配置することにより、本発明による半導体リングレーザ1のコンパクトな実施形態を提供することができる。半導体リングレーザ1のフットプリントを小さくし、したがって半導体リングレーザのコストを低減するためにはこれは有利である。
【0064】
光利得デバイス3は第1の光利得セグメント4および第2の光利得セグメント5を備えている。第1の光利得セグメント4および第2の光利得セグメント5は同一ではなく、互いに光学的に相互接続され、互いに電気的に絶縁されている。
【0065】
光利得デバイス3により、閉ループレーザ共振器2の中をCW方向およびCCW方向に伝搬する光波の光パワー間の平衡の制御を改善することができる。CW方向およびCCW方向は、湾曲した矢印によって
図1に示されている。したがって半導体リングレーザ1の方向操作の改良された制御を達成することができる。
【0066】
例えばCW方向に伝搬する光波と結合することができる第1の光利得セグメント4、および例えばCCW方向に伝搬する光波と結合することができる第2の光利得セグメント5は同一ではない。その結果として、CW方向およびCCW方向に伝搬する光波に対するラウンドトリップ条件の対称性を破壊することができる。さらに、第1の光利得セグメント4および第2の光利得セグメント5は互いに電気的に絶縁されているため、それらを独立して制御することができる。
【0067】
上で考察したように、同一ではない、電気的に独立して制御することができる第1の光利得セグメント4および第2の光利得セグメント5の非線形光利得飽和および/または圧縮により、CW方向およびCCW方向に伝搬する光波に対する異なるラウンドトリップ利得を提供することができる。CW方向およびCCW方向に伝搬する光波に対する異なるラウンドトリップ利得間の差を制御することにより、上で言及した方向のうちの一方を優勢な操作方向として指定することができる。したがって本発明による半導体リングレーザ1は改良された方向操作を有することができる。
【0068】
半導体リングレーザ1の方向操作の改良された制御を可能にすることにより、本発明による半導体リングレーザ1の光性能を改善することができる。当業者は、単一方向の操作、すなわちCW方向のみの操作、あるいはCCW方向のみの操作を有する半導体リングレーザ1を可能にすることにより、半導体リングレーザ1の光出力パワーを少なくとも大きくすることができ、最終的には最大化することができることを認識することになる。
【0069】
図1に示されている半導体リングレーザ1の閉ループレーザ共振器2は、いわゆる競技用トラックの形を有する閉ループリッジ型導波路構造6を備えている。
【0070】
第1の光利得セグメント4はリッジ型導波路構造6の第1のセクション7に配置され、第2の光利得セグメント5はリッジ型導波路構造6の第2のセクション8に配置されている。
【0071】
図2は、リッジ型導波路構造6の第1のセクション7に配置されている第1の光利得セグメント4の略横断面を示したものであり、一方、
図3は、
図1に示されているリッジ型導波路構造6の第2のセクション8に配置されている第2の光利得セグメント5の略横断面を示したものである。
【0072】
図2および
図3は事実上、単なる略図にすぎないが、
図2および
図3の寸法は同じスケールで描かれている。したがって
図2および
図3に示されている特徴の寸法は比較可能である。
【0073】
図2に示されているリッジ型導波路構造6の第1のセクション7の第1の例示的かつ非限定的な実施形態によれば、第1のセクション7は、半導体をベースとする頂部クラッド層20、半導体をベースとする底部クラッド層21、および半導体をベースとする頂部クラッド層20と半導体をベースとする底部クラッド層21の間に配置され、それらと接触している、半導体をベースとする光コア層22を備えている。半導体をベースとする光コア層22は2つの量子井戸23を備えている。
【0074】
図3に示されているリッジ型導波路構造6の第2のセクション8の第1の例示的かつ非限定的な実施形態によれば、第2のセクション8は、半導体をベースとする頂部クラッド層20、半導体をベースとする底部クラッド層21、および半導体をベースとする頂部クラッド層20と半導体をベースとする底部クラッド層21の間に配置され、それらと接触している、半導体をベースとする光コア層22を備えている。半導体をベースとする光コア層22は3つ以上の量子井戸23を備えており、この例では4つの量子井戸を備えている。
【0075】
図2と
図3を比較すると、リッジ型導波路構造6の第1のセクション7は、少なくとも、それぞれ第1のセクション7および第2のセクション8における半導体をベースとする光コア層22の量子井戸の数の点で、リッジ型導波路構造6の第2のセクション8とは異なる構成を有していることが分かる。
【0076】
図には示されていない、リッジ型導波路構造6の第1のセクション7および第2のセクション8の他の例示的かつ非限定的な実施形態によれば、例えば第1のセクションおよび第2のセクションの透明キャリア密度、および/または第1のセクションおよび第2のセクションにおける半導体材料の組成の点で異なる構成を有する第1のセクション7および第2のセクション8を提供することも可能であることに留意されたい。
【0077】
当業者は、InPをベースとする半導体材料は、光電気通信用途に適用することができる半導体リングレーザを製造するために選択される半導体材料であることを認識することになる。さらに、当業者は、InPをベースとするリングレーザは、LIDARまたはセンサ用途に有利に適用することができることを認識することになる。
【0078】
リッジ型導波路構造6の第1のセクション7および第2のセクション8の構成における上で言及した相違のうちの少なくとも1つは、光利得デバイス3の第1の光利得セグメント4および第2の光利得セグメント5に異なる光利得特性を提供することができる。上で考察したように、第1の光利得セグメントおよび第2の光利得セグメントの異なる光利得特性により、閉ループレーザ共振器2中の逆方向に伝搬する光波の光パワー間の平衡の制御を改善することができ、したがって半導体リングレーザ1の方向操作の制御を改善することができる。したがって本発明による半導体リングレーザ1は改良された光性能を有している。
【0079】
さらに、
図2と
図3を比較すると、リッジ型導波路構造6の第1のセクション7の第1の例示的かつ非限定的な実施形態および第2のセクション8の第1の例示的かつ非限定的な実施形態は異なる幾何構造を有していることも分かる。第1のセクション7は第2のセクション8の第2の幅W2と同じである第1の幅W1を有しているが、当業者は、他の例示的かつ非限定的な実施形態によれば、第1のセクション7および第2のセクション8は異なる幅を有することができることを認識することになる。これは、リッジ型導波路構造6の第1のセクション7および第2のセクション8の中に案内される光放射の異なる光拘束をもたらす。
【0080】
それぞれ
図2および
図3に示されている第1のセクション7および第2のセクション8の第1の例示的かつ非限定的な実施形態によれば、リッジ型導波路構造6の第1のセクション7は、リッジ型導波路構造6の第2のセクション8を製造するために使用されるエッチ深さD2より深いエッチ深さD1を使用して製造されている。リッジ型導波路構造6の第1のセクション7では、第1のエッチ深さD1は、半導体をベースとする頂部クラッド層20、半導体をベースとする光コア層22および半導体をベースとする底部クラッド層21の部分的な除去をもたらしている。リッジ型導波路構造6の第2のセクション8では、第2のエッチ深さD2は、半導体をベースとする頂部クラッド層20のみの部分的な除去をもたらしている。当業者は、リッジ型導波路構造6の第1のセクション7によって提供される光拘束の程度は、リッジ型導波路構造6の第2のセクション8によって提供される光拘束の程度より大きいことを認識することになる。
【0081】
図1から、第1のセクション7は第2のセクション8の第2の長さL2とは異なる第1の長さL1を有していることが分かる。当業者は、上で考察したリッジ型導波路構造6の第1のセクション7および第2のセクション8の異なる幾何構造の結果として、第1の光利得セグメント4および第2の光利得セグメント5は同一ではないことを認識することになる。さらに、第1の光利得セグメント4および第2の光利得セグメント5が同一ではないことの結果として、CW方向およびCCW方向に伝搬する光波に対する閉ループレーザ共振器2の対称性が破壊されている。さらに、第1の光利得セグメント4および第2の光利得セグメント5は、リッジ型導波路構造6の第1のセクション7および第2のセクション8の異なる幾何構造の結果として異なる利得特性を有することができる。上で考察したように、この方法によれば閉ループレーザ共振器2中の逆方向に伝搬する光波の光パワー間の平衡の改良された制御を達成することができ、したがって半導体リングレーザ1の方向操作の改良された制御を達成することができる。
【0082】
図1は、第1の光利得セグメント4が第1の金属コンタクト9を備えていること、また、第2の光利得セグメント5が第2の金属コンタクト10を備えていることを示している。第1の金属コンタクト9および第2の金属コンタクト10は互いに電気的に絶縁されている。第1の金属コンタクト9は第1の電気バイアス源11と電気的に相互接続され、第2の金属コンタクト10は第2の電気バイアス源12と電気的に相互接続されている。
【0083】
第1の電気バイアス源11および第2の電気バイアス源12は、互いに異なる電気バイアス状態を提供するように構成されている。当業者は、この方法によれば、光利得デバイス3の第1の光利得セグメント4および第2の光利得セグメント5も提供することができ、閉ループレーザ共振器2中の逆方向に伝搬する光波の光パワー間の平衡の改良された制御を達成し、したがって半導体リングレーザ1の方向操作の改良された制御を達成するために利得特性が異なっていることを認識することになる。
【0084】
異なる電気バイアス状態は、例えば、閉ループレーザ共振器2中の逆方向に伝搬する光波の光パワー間の平衡を制御するために第1の金属コンタクト9を介して、また、第2の金属コンタクト10を介して注入される異なる電流であってもよい。この方法によれば半導体リングレーザ1の単一方向の操作を達成することができ、その結果として半導体リングレーザ1の光出力パワーを少なくとも大きくすることができ、最終的には最大化することができる。
【0085】
第1の金属コンタクト9および第2の金属コンタクト10に異なる電気バイアス状態を適用する利点は、適用される実際の電気バイアス状態に応じて操作の方向を選択し、変更することができることである。
【0086】
図4は、本発明による半導体リングレーザ1の第2の例示的かつ非限定的な実施形態の略上面図を示したものである。光利得デバイス3は、第1の光利得セグメント4および第2の光利得セグメント5に分割される単一の構造であり、これらの光利得セグメントは、同一ではなく、互いに光学的に相互接続され、第1の光利得セグメント4および第2の光利得セグメント5を個別に駆動するために使用される第1の金属コンタクト9および第2の金属コンタクト10の構成および配置によって互いに電気的に絶縁されている。
【0087】
図5は、本発明による半導体リングレーザ1の第3の例示的かつ非限定的な実施形態の略上面図を示したものであり、光利得デバイス3は、3つの全く同じ光利得ユニット18a、18b、18cを備えており、これらの光利得ユニットは、同一ではない、3つの全く同じ光利得ユニットのうちの第1の光利得ユニット18aを備えた第1の光利得セグメント4、および3つの全く同じ光利得ユニットのうちの第2の光利得ユニット18bおよび第3の光利得ユニット18cを備えた第2の光利得セグメント5を得るために、2つの電気スイッチ19a、19bを使用して電気的に一体にグループ化されている。
【0088】
第1の光利得セグメント4および第2の光利得セグメント5は、互いに光学的に相互接続され、互いに電気的に絶縁されている。第1の光利得セグメント4の第1の光利得ユニット18aは、第1の光利得ユニット18aに電流を注入するように構成されている第1の電気バイアス源11に電気接続されている。第2の光利得セグメント5の第2の光利得ユニット18bおよび第3の光利得ユニット18cは、第2の光利得ユニット18bおよび第3の光利得ユニット18cに電流を注入するように構成されている第2の電気バイアス源12に電気接続されている。第2の光利得ユニット18bおよび第3の光利得ユニット18cを並列に効果的にポンピングすることにより、第2の光利得セグメント5は第1の光利得セグメント4よりも長いことに留意されたい。第2の光利得ユニット5によって提供されるより大きいラウンドトリップ利得の結果として、CW方向が優勢な操作方向になり、CCW方向が抑制されることになる。
【0089】
図6は、本発明による半導体リングレーザ1の第4の例示的かつ非限定的な実施形態の略上面図を示したものであり、光利得デバイス3は、3つの全く同じ光利得ユニット18a、18b、18cも備えており、これらの光利得ユニットは、同一ではない、3つの全く同じ光利得ユニットのうちの第1の光利得ユニット18aおよび第2の光利得ユニット18bを備えた第1の光利得セグメント4、および3つの全く同じ光利得ユニットのうちの第3の光利得ユニット18cを備えた第2の光利得セグメント5を得るために、2つの電気スイッチ19a、19bを使用して電気的に一体にグループ化されている。
【0090】
第1の光利得セグメント4および第2の光利得セグメント5は、互いに光学的に相互接続され、互いに電気的に絶縁されている。第1の光利得セグメント4の第1の光利得ユニット18aおよび第2の光利得ユニット18bは、第1の光利得ユニット18aおよび第2の光利得ユニット18bに電流を注入するように構成されている第1の電気バイアス源11に電気接続されている。第2の光利得セグメント5の第3の光利得ユニット18cは、第3の光利得ユニット18cに電流を注入するように構成されている第2の電気バイアス源12に電気接続されている。第1の光利得ユニット18aおよび第2の光利得ユニット18bを並列に効果的にポンピングすることにより、第1の光利得セグメント4は第2の光利得セグメント5よりも長いことに留意されたい。第1の光利得ユニット4によって提供されるより大きいラウンドトリップ利得の結果として、CCW方向が優勢な操作方向になり、CW方向が抑制されることになる。
【0091】
本発明による半導体リングレーザの他の例示的かつ非限定的な実施形態(図示せず)によれば、半導体リングレーザの方向操作の改良された制御を達成するために、上で言及した実施形態の任意の適切な組合せを適用することができることに留意されたい。
【0092】
図7は、本発明による半導体リングレーザ1の第5の例示的かつ非限定的な実施形態の略上面図を示したものであり、光フィルタ構造16が閉ループレーザ共振器2と光学的に相互接続されている。光フィルタ構造16は予め定義された3dB帯域幅を有する帯域通過フィルタ特性を有しており、閉ループレーザ共振器2は予め定義されたモード間隔を有しており、予め定義されたモード間隔に対する予め定義された3dB帯域幅の比率は、0.5から10.0までの範囲の値を有している。
【0093】
閉ループレーザ共振器2の予め定義されたモード間隔に対する予め定義された3dB帯域幅の比率が上で言及した範囲の値を有する帯域通過フィルタ特性は狭幅光フィルタとして解釈されることに留意されたい。
【0094】
光フィルタ構造16は、任意の適切なタイプのフィルタ構造、例えばMach-Zehnderフィルタであってもよく、あるいは任意の適切な構造のフィルタ構造、例えばフィルタ構造のカスケードであってもよい。
【0095】
さらに、当業者は、予め定義されたモード間隔に対する予め定義された3dB帯域幅の上で言及した比率の実際の値はフィルタ特性の形に依存し得ることを認識することになる。例えばガウス形状または二乗余弦(レイズドコサイン)形状を有するフィルタ特性の場合、上で言及した比率は3.0であってもよく、一方、ブロック形状を有するフィルタ特性の場合、比率は1.0であってもよい。
【0096】
光フィルタ構造16および閉ループレーザ共振器2を光学的に相互接続することにより、シングルモード半導体リングレーザ1を提供することができることに留意されたい。この場合、光フィルタ16は、光電気通信システムなどの近代の用途に必要な、単一の、クリーンで、かつ、安定した波長すなわち周波数をレイジングスペクトルが含むように設計される。さらに、光パワーを設計方向、すなわち上で言及したCWまたはCCWに集中させることにより、半導体リングレーザ1の光出力パワーを少なくとも大きくすることができ、最終的には最大化することができる。
【0097】
当業者は、閉ループレーザ共振器2の中に光フィルタ構造16を配置する結果として、
図7に示されているシングルモード半導体リングレーザ1の実施形態がコンパクトであることを認識することになる。半導体リングレーザのフットプリントを小さくし、したがって半導体リングレーザのコストを低減するためにはこれは有利である。
【0098】
第3の電気バイアス源13と電気的に相互接続されている閉ループレーザ共振器2の中に同調可能フィルタ構造16を追加することにより、シングルモードで、波長すなわち周波数同調可能な半導体リングレーザ1を提供することができる。第3の電気バイアス源13は光フィルタ構造16の同調を可能にするように構成されており、それにより半導体リングレーザ1のレイジング波長すなわちレイジング周波数を選択し、その一方で、CW方向およびCCW方向に伝搬する光波間の光パワーの交換によってもたらされ得る方向性光パワー不安定性が小さくなる結果として、半導体リングレーザ1の方向操作を妨害する危険を少なくとも小さくすることができる。
【0099】
図7に示されている半導体リングレーザ1の例示的かつ非限定的な実施形態では、光利得デバイス3の第1の光利得セグメント4は第1のSOA14を備えており、光利得デバイス3の第2の光利得セグメント5は第2のSOA15を備えている。第2のSOA15は第1のSOA14より大きいため、第2の光利得セグメント5によって提供される
ラウンドトリップ利得は、第1の光利得セグメント4によって提供される
ラウンドトリップ利得より大きい。この場合、CCW方向が優勢な操作方向になり、CW方向が抑制されることになる。
【0100】
半導体リングレーザの他の例示的かつ非限定的な実施形態(図示せず)によれば、光利得デバイスの第1の光利得セグメントおよび第2の光利得セグメントは、第1の光利得セグメントおよび第2の光利得セグメントが同一ではない限り、全く同じおよび/または同一ではない複数のSOAを備えることができることに留意されたい。
【0101】
図8は、半導体リングレーザ1の第6の例示的かつ非限定的な実施形態の略上面図を示したものであり、光遅延線路17が閉ループレーザ共振器2と光学的に相互接続されている。この方法によれば、極端に狭い線幅を有する単一周波数の半導体リングレーザ1を提供することができる。閉ループレーザ共振器2の中に光遅延線路17を配置することにより、単一周波数の半導体リングレーザ1の実施形態がコンパクトになる。半導体リングレーザのフットプリントを小さくし、したがって半導体リングレーザのコストを低減するためにはこれは有利である。
【0102】
図9は、本発明による半導体リングレーザ1を備えた、本発明によるPIC100の第1の例示的かつ非限定的な実施形態の略図を示したものである。半導体リングレーザ1は、PIC100の他の光電子デバイス(図示せず)とモノリシック集積されていると解釈することができる。
【0103】
図には示されていない、PICの例示的かつ非限定的な実施形態によれば、半導体リングレーザは、PICの他の光電子デバイスとハイブリッド方式で集積することができる。本発明による半導体リングレーザのハイブリッド集積を可能にする利点は、半導体リングレーザをシリコンフォトニクスの領域でも使用することができることである。本発明による半導体リングレーザのハイブリッド集積を可能にする別の利点は、半導体リングレーザを交換することができることである。半導体リングレーザの交換は、例えばレーザの機能不全の場合、またはレーザが破壊した後に必要であり得る。
【0104】
図9に概略的に示されている同じ基板上で半導体リングレーザを他の光電子デバイス(図示せず)とモノリシック集積する利点は、半導体リングレーザ1と他の光電子コンポーネントのモノリシック集積は、それらのハイブリッド集積よりも煩わしさが軽減され、必要なダイ面積を恐らくより小さくすることができることである。したがって能動光電子デバイスおよび受動光電子デバイスのモノリシック集積に関連するコストは、それらのハイブリッド集積に関連するコストよりも低くすることができる。さらに、モノリシック集積することにより、PIC100はより小さいフットプリントを有することができる。PICのコストを低減するためにはこれは有利である。
【0105】
PIC100はInPをベースとするPICであってもよい。当業者は、PICのためのほとんどの汎用技術プラットフォーム、とりわけ上で言及した応用分野のためのほとんどの汎用技術プラットフォームは、InPをベースとする半導体材料を含むウェーハを使用していることを認識することになる。InPをベースとする技術により、単一のダイ上の1つのPICの中に、例えば光を発生し、および/または光を吸収する光デバイスなどの能動コンポーネント、および例えば光を導き、および/または光を切り換える光デバイスなどの受動コンポーネントの両方をモノリシック集積することができる。
【0106】
上記に基づいて、当業者は、本発明によるPIC100は、本発明による半導体リングレーザ1によって提供される利点を利用することができることを認識することになる。
【0107】
図10は、本発明によるPIC100を備えた、本発明による光電子システム200の第1の例示的かつ非限定的な実施形態の略図を示したものである。光電子システム200は、例えば、排他的ではないが、電気通信用途、LIDARまたはセンサ用途に使用することができる。光電子システム200は、例えば送信機、受信機、トランシーバ、コヒーレント送信機、コヒーレント受信機およびコヒーレントトランシーバのうちの1つであってもよい。上記に基づいて、当業者は、本発明による光電子システム200は、本発明によるPIC100によって提供される利点を利用することができることを認識することになる。
【0108】
本発明は、閉ループレーザ共振器2と、該閉ループレーザ共振器2と光学的に相互接続される光利得デバイス3とを備える半導体リングレーザ1に関するものとして要約することができる。光利得デバイス3は、第1の光利得セグメント4および第2の光利得セグメント5を備える。第1の光利得セグメント4および第2の光利得セグメント5は同一ではなく、互いに光学的に相互接続され、互いに電気的に絶縁される。
【0109】
また、本発明は、本発明による半導体リングレーザ1を備えるPIC100、およびこのようなPIC100を備える光電子システム200に関している。光電子システム200は、送信機、受信機、トランシーバ、コヒーレント送信機、コヒーレント受信機およびコヒーレントトランシーバのうちの1つであってもよい。光電子システム200は、例えば、排他的ではないが、電気通信用途、LIDARまたはセンサ用途に使用することができる。
【0110】
本発明の範囲は上で開示された例に限定されないこと、また、添付の特許請求の範囲によって定義されている本発明の範囲を逸脱することなく、それらに対するいくつかの修正および変更が可能であることは当業者には明らかであろう。詳細には、本発明の様々な態様の特定の特徴を組み合わせることができる。本発明の態様は、有利には、本発明の別の態様に関連して説明された特徴を追加することによってさらに強化され得る。本発明は図および説明の中で詳細に図解され、説明されているが、このような図解および説明は、単に実例による説明および例示的なものにすぎず、限定的なのものではないことを考慮されたい。
【0111】
本発明は開示されている実施形態に限定されない。特許請求される本発明を実践する当業者は、図、説明および添付の特許請求の範囲を考察することにより、開示されている実施形態に対する変形形態を理解し、実施することができる。特許請求の範囲では、「備える」という語は他のステップまたは要素を排他せず、また、単数形の表現は複数形の表現を含む。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されている、という単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に使用することができないことを示しているわけではない。特許請求の範囲におけるすべての参照番号は、本発明の範囲を限定するものとして解釈してはならない。
【符号の説明】
【0112】
1 半導体リングレーザ
2 閉ループレーザ共振器
3 光利得デバイス
4 第1の光利得セグメント
5 第2の光利得セグメント
6 リッジ型導波路構造
7 リッジ型導波路構造の第1のセクション
8 リッジ型導波路構造の第2のセクション
9 第1の金属コンタクト
10 第2の金属コンタクト
11 第1の電気バイアス源
12 第2の電気バイアス源
13 第3の電気バイアス源
14 第1の半導体光増幅器(SOA)
15 第2のSOA
16 光フィルタ構造
17 光遅延線路
18a、18b、18c 全く同じ光利得ユニット
19a、19b 電気スイッチ
20 半導体をベースとする頂部クラッド層
21 半導体をベースとする底部クラッド層
22 半導体をベースとする光コア層
23 量子井戸
100 光子集積回路(PIC)
200 光電子システム
D1、D2 リッジ型導波路構造の第1のセクションおよび第2のセクションのそれぞれのエッチ深さ
L1、L2 リッジ型導波路構造の第1のセクションおよび第2のセクションのそれぞれの長さ
W1、W2 リッジ型導波路構造の第1のセクションおよび第2のセクションのそれぞれの幅