(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】音響信号をブロードキャストする方法
(51)【国際特許分類】
H04R 1/00 20060101AFI20240730BHJP
G04C 21/02 20060101ALI20240730BHJP
G04C 21/14 20060101ALI20240730BHJP
G04G 13/02 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H04R1/00 317
G04C21/02 B
G04C21/14
G04G13/02 V
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022157522
(22)【出願日】2022-09-30
(62)【分割の表示】P 2019201263の分割
【原出願日】2019-11-06
【審査請求日】2022-11-07
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591260638
【氏名又は名称】ティソ・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】エドアルド・フランツィ
(72)【発明者】
【氏名】アラン-セルジュ・ポレ
【審査官】冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-047094(JP,A)
【文献】特表平11-515151(JP,A)
【文献】特開昭55-078278(JP,A)
【文献】特開昭55-116292(JP,A)
【文献】実開昭58-123392(JP,U)
【文献】米国特許第09542816(US,B1)
【文献】特開2004-159181(JP,A)
【文献】特開平02-257739(JP,A)
【文献】特表2017-513126(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0195928(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00-1/02
H04R 17/00
G04G 13/00
G04C 21/02
G04C 21/14
G04G 13/02
G10K 9/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕時計の着用者に音響信号をブロードキャストする方法であって、
前記方法は、前記腕時計(1)の機能に関連する事象を識別するステップ、
並びに、識別された前記事象に関連する構成信号を、少なくとも1つの変形可能な支持要素(9)上に取り付けられた複数の圧電要素(4)を備える前記腕時計(1)の音声インタフェース(3)に送信するステップを含み、
前記複数の圧電要素及び前記少なくとも1つの変形可能な支持要素(9)は、一緒に音を生成することができ
、
前記送信するステップは、前記識別された事象に関連する前記構成信号用の設計基準を選択するサブステップ(12)を含み、
前記設計基準は、前記複数の圧電要素(4)の動作シナリオを含み、
前記構成信号は、メッセージのブロードキャストの期間中に、前記音声インタフェース(3)の前記圧電要素(4)の各々を制御するための別々の命令を含み、
前記構成信号は、前記音声インターフェース(3)の前記圧電要素(4)の各々を別々に制御することに関与して、前記着用者にブロードキャストされることができる前記音及びタッチメッセージを生成することに寄与し、
前記タッチメッセージは、触覚の形態での、図形表現の輪郭の生成を含み、前記図形表現は、パターン、記号、文字、又は図形の少なくともいずれかを含む、
方法。
【請求項2】
前記設計基準は、音声インタフェース(3)の動作データを含み、前記データは、少なくとも1つの振動周波数及び少なくとも1つの振動振幅を含み、前記振動周波数及び前記振動振幅の両方は、前記インタフェース(3)を構成する前記圧電要素(4)の各々に対して定義されていること特徴とする、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
情報データは、前記音響信号のブロードキャストの持続時間を含むことを特徴とする、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記情報データは、ブロードキャストの前記持続時間に関して、前記圧電要素(4)の各々の少なくとも1つの動作時点/期間を含むこと、すなわち、
前記音響信号のブロードキャストの前記持続時間の全て若しくは一部の間の単一の動作時点、又は、
前記音響信号のブロードキャストの前記持続時間の間の一連の動作時点を含むこと、を特徴とする、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記情報データは、前記動作時点の各々に対して、
振動周波数及び振動振幅、
振動周波数及び一連の振動振幅、
一連の振動周波数及び一連の振動振幅、又は、
一連の振動周波数及び振動振幅、
を含むことを特徴とする、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか1項に記載の方法を実装した腕時計(1)、特にコネクテッド腕時計であって、前記腕時計(1)は、処理ユニット(2)、及び複数の圧電要素(4)が設けられた音声インタフェース(3)を備え、前記処理ユニット(2)は前記音声インタフェース(3)に接続されている、腕時計(1)。
【請求項7】
前記音声インタフェース(3)は、前記腕時計ケース(1)内、及び/又は前記腕時計(1)の前記腕時計バンド内に画定されることを特徴とする、請求項
6に記載の腕時計(1)。
【請求項8】
プログラムコード命令を含むコンピュータプログラムであって、前記プログラムコード命令は、前記コンピュータプログラムが腕時計(1)の処理ユニット(2)によって実行された場合に、請求項1から
5のいずれか1項に記載の方法の前記ステップ(10から13)を実行する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕時計の着用者に音響信号をブロードキャストする方法に関する。
【0002】
本発明はまた、本方法を実装した腕時計、並びにコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術では慣例的に、通知メッセージの受信は、腕時計において、ラウドスピーカから構成された音声インタフェースによってブロードキャストされた音響信号の放出からなるアラートによって示されている。しかし、そのような音声インタフェースは、その機能との関連において多量のエネルギーを消費し、それゆえ、エネルギー容量が限定される、そのような腕時計にとっては問題である。
【0004】
それゆえ、とりわけ従来技術の欠点を持たない、代替的な解決策を見つける必要が存在すると理解されるであろう。
【発明の概要】
【0005】
従って、本発明の目的の1つは、エネルギーをほとんど消費しない、音響信号をブロードキャストする方法を提案し、腕時計によって発することができる極めて多様な種々の音を提案することである。
【0006】
本発明の別の目的は、従来技術の音声インタフェースと比較して小型又はコンパクトな音声インタフェースを提案することである。
【0007】
この目的のために、本発明は、腕時計の着用者に音響信号をブロードキャストする方法に関し、この方法は、この腕時計の機能に関連する事象を識別するステップ、並びに、識別された事象に関連する構成信号を、少なくとも1つの変形可能な支持要素上に取り付けられた複数の圧電要素を備える腕時計の音声インタフェースに送信するステップ、を含み、複数の圧電要素及び少なくとも1つの変形可能な支持要素は、一緒に音を生成することができる。
【0008】
他の実施形態では、
送信するステップは、識別された事象に関連する構成信号用の設計基準を選択するサブステップを含み、
設計基準は、少なくとも1つの振動周波数及び少なくとも1つの振動振幅を含む、音声インタフェースの動作データを含み、これらは両方ともインタフェースを構成する各圧電要素に対して定義されており、
情報データは音響信号のブロードキャストの持続時間を含み、
情報データは、ブロードキャストの持続時間に関連する各圧電要素の少なくとも1つの動作時点/期間、すなわち、
音響信号のブロードキャストの持続時間の全て若しくは一部の間に機能している単一の時点、又は、
音響信号のブロードキャストの持続時間の間の一連の動作時点、を含み、
情報データは、各動作時点に対して、
振動周波数及び振動振幅、
振動周波数及び一連の振動振幅、
一連の振動周波数及び一連の振動振幅、又は、
一連の振動周波数及び振動振幅、
を含み、
構成信号は、メッセージのブロードキャストの持続時間の間に、音声インタフェースの各圧電要素を制御するための別々の命令を含み、
構成信号は、音声インタフェースの各圧電要素の別々の制御に関与して、
着用者にブロードキャストされることができる音声、又は、
着用者にブロードキャストされることができる音声及びタッチメッセージ、
を生成することに寄与する。
【0009】
本発明はまた、本方法を実装した、とりわけコネクテッド腕時計に関し、腕時計は、処理ユニット、及び複数の圧電要素が設けられた音声インタフェース、を備え、処理ユニットは音声インタフェースに接続されている。
【0010】
有益には、音声インタフェースは腕時計ケース内、及び/又はこの腕時計の腕時計バンド内に画定される。
【0011】
本発明はまた、プログラムコード命令を含むコンピュータプログラムに関し、プログラムコード命令は、コンピュータプログラムが腕時計の処理ユニットによって実行されたときに、この方法のステップを実行する。
【0012】
他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して、決して限定することなく提示として以下に与えられる記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態による、腕時計の着用者に音響信号をブロードキャストする方法に関連する論理図を示す。
【
図2】本発明の一実施例による、本方法を実装した腕時計を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、腕時計1の着用者に音響信号をブロードキャストする方法を表す。本方法は、腕時計1の着用者に、腕時計1の1つ以上の機能に関連する事象の識別を、識別された事象に特有の音響信号のブロードキャストによって教える/通知することを目標としている。そのような方法により、この音響信号の生成に関与するために腕時計1内に配置された圧電要素4を別々に制御することが可能になる。例えば、この音響信号は、バランスなどの調整機構の影響下でダイレクトドライブが一秒ごとに「ジャンプ」するときのダイレクトドライブの運動に起因する、機械的運動の「カチカチ」というノイズを生成することができる。電子的運動を伴う、腕時計1のための、この特に有利な例では、識別された事象は、腕時計の動作モードの起動であって、起動は例えば腕時計1のコンテクストメニュー中のこの動作モードの選択であってもよい。この音響信号は、この腕時計1の音声インタフェース内に含まれる腕時計1の触覚描画インタフェースのインタフェースによってブロードキャストされる、検出された事象に関連するタッチメッセージに関連付けられてもよい、という点に留意すべきである。例えば、事象の識別に続いて、腕時計による音声/ノイズのブロードキャストに加えて、識別された事象に特有のタッチメッセージもまた、着用者に同時に又は実質的に同時にブロードキャストされてもよい。そのようなメッセージは、非限定的及び非網羅的に、
触覚の形態での、パターン/記号、文字、又は図形などの図形表現の輪郭の生成、すなわち、着用者の皮膚上で個人の指先の運動によって実現され得るようなものの生成、
着用者の皮膚への図形表現の適用、例えば文字又は記号/パターンの形状の適用、
例えば、穏やかな、快適な、又は官能的な、又は逆に不快な触覚の知覚を着用者に対して生成することを目指した、波動及び/又は振動する現象の生成、
に対応してもよい。
【0015】
これに関連して、特に音声インタフェース3を用いた音声/ノイズを有する、このタッチメッセージのブロードキャストにより、着用者が、音響的に感知する音声に加えて、メッセージを触覚的に感知することが可能になる。換言すれば、着用者によるこのメッセージの受信は、着用者の触感覚認知に依存している。一例では、識別された事象が着用者のガールフレンドからの不在着信に関連する場合は、着用者は、音声/ノイズに加えて、愛撫の感覚を着用者の皮膚上で感知することができ、又は変形形態では、着用者はハート形状の輪郭の生成を着用者の皮膚上で感知することができる。
【0016】
そのような方法は、腕時計1、特にコネクテッド腕時計によって実現される。
図2に見える、そのような腕時計1は、非限定的及び非網羅的に、
ハードウェアリソース及びソフトウェアリソース、特に、メモリ構成要素と協働する少なくとも1つのプロセッサ、を備える処理ユニット2、
複数の圧電要素4を備える音声インタフェース3であって、各要素4は電気信号を機械的発振/脈動に変換することができる、音声インタフェース3、
音声インタフェース3に含まれ、従って複数の圧電要素4を備えてもいる、触覚描画インタフェース、
第1のアナログ表示構成要素、並びに第2のデジタル及び/又は英数字表示構成要素が設けられたハイブリッド表示ダイヤル5、
通信モジュール6、
機械式又は電子式ムーブメント7、及び、
環境、挙動、及び/又は生理学的センサ8、
を備える。
【0017】
腕時計1のこの処理ユニット2は、とりわけ、音声インタフェース3、触覚描画インタフェース、圧電要素4、表示ダイヤル5、通信モジュール6、ムーブメント7、並びに環境、挙動及び生理学的センサ8にリンク/接続されている。
【0018】
この腕時計1では、音声インタフェース3は腕時計ケース1内、及び/又はこの腕時計の腕時計バンド内に定義される。この音声インタフェース3、及び従って更に触覚描画インタフェースは、圧電要素4、及び圧電要素4に関連付けられた少なくとも1つの変形可能な支持要素9を備える。各圧電要素4は、例えば圧電セラミック又は可撓性圧電材料(ポリフッ化ビニリデン:PVDF)から製造されてもよく、非限定的に、円形形状を有してもよく、及び/又はフィルム又は膜であってもよい。そのような圧電要素4は、およそ数ミリメートル又は更に数マイクロメートルの小さな厚さと共に、およそ数平方ミリメートル又は更に数平方マイクロメートルの特徴的寸法を有してもよい。この圧電要素4は、少なくとも1つの支持要素9を振動によって変形させるために、処理ユニット2から制御命令を受信することができる。音響支持要素9とも称される、変形可能支持要素9は、例えばプレートである。本明細書では、用語「プレート」は実質的に2次元の要素であり、その厚さは長さ及び幅と比較して小さいと理解されるであろう。プレートは湾曲して所与の曲率を有していてもよい。
【0019】
振動による支持要素9の変形は、可聴効果を生み、従って音響信号を生成し、よって支持要素9の周囲の空気の動きを生成することが可能な、振動周波数範囲に従って達成される。振動周波数範囲は支持要素9の材料に直接依存する。例として、支持要素9がPMMAから作製される場合は、対応する周波数範囲は20Hzから20kHzにわたる。可聴効果の連続が音楽/メロディーを形成するような、高周波数での振動による支持要素9の所与の一連の変形を想定することができる。本明細書では、周囲の空気を撹乱させることにより音を直接生成するのは圧電要素4の運動ではなく、実際は、この撹乱、従って音響信号を生成するのは、圧電要素4が載っている支持要素9の動きであるという点に留意すべきである。
【0020】
第1の例示的実施形態では、この音声インタフェース3の圧電要素4は、腕時計ケース1の裏面を形成する支持要素9の面の全て又は一部に配置され得る。第2の例では、これら圧電要素4は腕時計バンドに、特に、この腕時計バンドの少なくとも1つの長さに含まれる支持要素9の面の全て又は一部に配置されてもよい。第3の例では、これら圧電要素4は、腕時計ケースの裏面及び腕時計バンドの少なくとも1つの長さに含まれる支持要素9の面の全て又は一部に配置され得る。第4の例では、この音声インタフェース3の各圧電要素4は、別々の支持要素9に関連付けられてもよく、換言すると、音声インタフェース3が備える支持要素9と同じ数の圧電要素4を備える。従って、圧電要素4及び支持要素9からなるアセンブリは腕時計ケース内及び/又は腕時計バンド内に配置され得る。第5の例では、腕時計ケースの裏面は複数の支持要素9に分割されてもよく、その各々に少なくとも1つの圧電要素4を配置することができる。
【0021】
この腕時計1では、各圧電要素4は、処理ユニット2に別々にリンク/接続されていることに留意されたい。換言すれば、処理ユニット2はこの音声インタフェース3の各圧電要素4を個々に及び/又は別々に制御することができる。
【0022】
音声インタフェース3に含まれる触覚描画インタフェースの圧電要素4及び変形可能な支持要素9は、この音声インタフェース3に含まれる要素と同じように配置されるという点に留意すべきである。しかし、触覚描画インタフェースのこれら要素4、9は、腕時計1の部分の全てに又は一部だけに画定されており、この部分は、例えば着用者の手首に画定される着用者の皮膚と接触することが意図されている。触覚描画インタフェースは、圧電要素4及び変形可能な支持要素9が配置されている、変形可能な支持膜を備えてもよいという点に留意すべきである。この例では、そのとき、この膜は腕時計1に取り付けられた部分であってもよく、同時に、着用者の皮膚と接触する、腕時計ケースの裏面に固定されてもよく、及び/又は着用者の皮膚と接触する、腕時計バンドの面に固定されてもよい。一代替形態では、この膜は腕時計ケース1の裏の接触面及び/又は腕時計バンドの接触面と一体として形成されてもよい。
【0023】
この腕時計1では、通信モジュール6は、特にSIM(「加入者識別モジュール:Subscriber Identity Module」の頭字語)カードを備えることによりセルラネットワークのシステムと、又はWLAN無線ローカルネットワークと、接続を確立するように構成されており、例えばBluetoothなどの通信技術を実装することもできる。これらの状態下では、腕時計1は、遠隔サーバ、コンピュータ、又はコンピュータフォンとデータを交換できる。
【0024】
その上、腕時計1の環境センサ8は、環境パラメータ、例えば温度、気圧などを測定するにはとりわけ好適である。挙動センサ8に関しては、これらは、腕時計1の着用者の全てのタイプの挙動特性、例えば、着用者が行った動き又はジェスチャなどを測定できる。この目的のため、これら挙動センサ8は1つ以上の慣性センサを備えてもよく、これは、加速度計、ジャイロスコープ、又は小型多軸ジャイロメータのタイプであり、例えばMEMS技術で作製された多軸センサであって、角速度、並びに加速度計及び/又はジャイロスコープに関連付けられた複数の軸線に沿った線形加速度を検出できる。生理学的センサ8に関しては、これらは、着用者の生体の機能に関連するパラメータ、例えば、脈拍、血液酸素飽和度、皮膚インピーダンス、血圧、呼吸数、呼吸性不整脈、皮膚温、発汗量、血液酸素飽和度、又は血流量などを測定できる。
【0025】
そのような方法は、腕時計1の機能に関連する事象を識別するステップ10を含む。この腕時計1は、実際に機能のセットを含む。これらの機能は、非限定的及び非網羅的に、通話の管理、SMS又はMMSタイプのショートメッセージの管理、インスタントメッセージの管理、気圧測定、標高測定、温度測定、スポーツ結果の提供、ナビゲーション/案内支援、動きのモニタ、速い脈拍数測定、歩数測定、日記、腕時計の動作モードの構成(例えば、動作モードは、「カチカチ」などの機械的運動の音又はノイズの再生である)、アラームなど、に関連する。
【0026】
これに関連して、処理ユニット2による事象の識別は、非限定的及び非網羅的に、
特に、着用者の挙動若しくは生理学的パラメータ、又は環境パラメータなどを、この処理ユニット2によってモニタする場合は、1つ以上のセンサ8から得られた測定値が閾値を超過したと判断すること、
通信モジュール6から来て処理ユニット2によって受信された不在着信を受信すること、
遠隔サーバの処理ユニット2によって通信モジュールを介してから受信された、ショートメッセージ若しくはインスタントメッセージ、又は電子メールを受信すること、
腕時計1の動作モードを起動すること(例えば、「カチカチ」というノイズに関連するモード)、
目覚ましアラーム、会議用のアラーム、薬摂取用のアラームなどのアラームをトリガすること、
などの結果生じ得る、という点に留意すべきである。
【0027】
本方法は次に、識別された事象に関連する構成信号を、少なくとも1つの支持要素9上に取り付けて一緒に音を生成できる複数の圧電要素4を備える腕時計1の音声インタフェース3に送信するステップ11を含む。この音声インタフェースは、前述した通り、音声/ノイズに加えて、この音声インタフェース3の触覚描画インタフェース内に含まれる複数の圧電要素4及び少なくとも1つの支持要素9によって形成されたアセンブリからタッチメッセージを生成できるという点に留意すべきである。このステップ11は、識別された事象に関連する構成信号用の設計基準を選択するサブステップ12を含む。換言すれば、この設計基準は識別された事象に応じて定義される。この設計基準は好ましくは、処理ユニット2のメモリ要素内にアーカイブされている他の識別可能な事象に対する他の設計基準のように、腕時計の着用者によって事前に構成されている。そのような設計基準は、音声インタフェース3を構成する圧電要素4の動作シナリオを含む。そのとき、この設計基準は、腕時計1の着用者に伝達されることが意図された音響信号の生成に関与する構成信号の設計に関与している。例として、識別された事象が、「カチカチというノイズなどの、腕時計の動作モードの起動」である場合は、構成信号の設計基準は、機械的運動の「カチカチ」というノイズを表現する音響信号を生成するように特別に定義された構成信号を設計することを目標とする動作シナリオを含む。変形形態では、設計基準は、腕時計1の着用者に伝達されることが意図された音響信号及びタッチメッセージの生成に寄与する構成信号の設計に関与してもよい。例として、識別された事象が、「目覚ましアラームのトリガ」である場合は、構成信号の設計基準は、構成信号を設計することを目標とする動作シナリオを含み、構成信号は、音響信号、及び、着用者によって感知される愛撫の感覚を伴う穏やかな目覚まし音楽/メロディーを再現する、このタッチメッセージを生成するように特に定義されている。
【0028】
構成信号の設計基準は音声インタフェース3の動作データを含む。より正確には、音声インタフェース3のこれら動作データは、インタフェース3を構成する各圧電要素4に対して定義された少なくとも1つの周波数及び少なくとも1つの振幅を含む。特に、これら動作データは、
音響信号のブロードキャストの持続時間と、
ブロードキャストの持続時間に対しての、各圧電要素4の少なくとも1つの動作時点/期間、すなわち、
音響信号のブロードキャストの期間の全て又は一部の間の単一の動作時点、又は、
音響信号のブロードキャストの期間中の一連の動作時点と、
各動作時点に対して、
振動周波数及び振動振幅、又は、
振動周波数及び一連の振幅、又は、
一連の振動周波数及び一連の振動振幅、又は、
一連の振動周波数及び振動振幅、
を含む。
【0029】
一連の振動周波数は、類似した若しくは実質的に類似した周波数のみ、又は異なる若しくは実質的に異なる周波数のみ、又は類似した周波数と異なる周波数との組み合わせを含んでもよいという点に留意すべきである。同様に、一連の振幅は、類似した若しくは実質的に類似した振幅のみ、又は異なる若しくは実質的に異なる振幅のみ、又は類似した振幅と異なる振幅との組み合わせを含んでもよい。
【0030】
このステップ11は次に、設計基準から構成信号を生成するサブステップ13を含む。このサブステップ13の間に、処理ユニット2は、この設計基準を用いて、この音声インタフェース3の各圧電要素4を個々に及び/又は別々に制御することを可能にする構成信号を設計する。この構成信号は次に、処理ユニット2によって音声インタフェース3に送信される。そのような信号は、タッチメッセージのブロードキャストに関連するか又は関連しない音響信号のブロードキャストの期間中に、各圧電要素4に対する別々の制御命令を含む。
【0031】
この構成信号を受信した時点で、音声インタフェース3は着用者に、タッチメッセージのブロードキャストに関連するか又は関連しない音響信号を送信/ブロードキャストする。従って、この音響信号は、非限定的及び非網羅的に、
少なくとも1つの可変振幅及び/又は少なくとも1つの可変周波数を有する、簡潔な及び/又は短い音声/ノイズ、
少なくとも1つの可変振幅及び/又は少なくとも1つの可変周波数を有する長い音声/ノイズ、
少なくとも1つの可変振幅及び/又は少なくとも1つの可変周波数を有する、簡潔な及び/又は短い音声、及び/又は長い音声/ノイズの連続、
音楽/メロディー、又は、
音楽/メロディーの連続、
に対応してもよい。
【0032】
音響信号のブロードキャストにタッチメッセージのブロードキャストが付随する場合は、この音声/ノイズのブロードキャストは、非限定的及び非網羅的に、
触覚の形態での、パターン/記号、文字、又は数字などの図形表現の輪郭の生成、すなわち、着用者の皮膚上で個人の指先の運動によって実現され得るようなものの生成、
着用者の皮膚への図形表現の適用、例えば文字又は記号/パターンの形状の適用、
例えば、穏やかな、快適な、又は官能的な、又は逆に不快な触覚の知覚を着用者に対して生成することを目指した、波動及び/又は振動する現象の生成、に関連付けられる。
【0033】
本発明はまた、プログラムコード命令を含むコンピュータプログラムに関し、プログラムコード命令は、コンピュータプログラムが腕時計1の処理ユニット2によって実行された場合に、本方法のステップ10から13を実行する。
【符号の説明】
【0034】
1 腕時計
2 処理ユニット
3 音声インタフェース
4 圧電要素
5 表示ダイヤル
6 通信モジュール
7 ムーブメント
8 センサ
9 支持要素
10 識別するステップ
11 送信するステップ
12 選択するサブステップ
13 生成するサブステップ