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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】測定プログラムおよび測定方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/34 20060101AFI20240730BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240730BHJP
【FI】
G06F11/34 142
H04N23/60
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022211500
(22)【出願日】2022-12-28
(65)【公開番号】P2024094751
(43)【公開日】2024-07-10
【審査請求日】2023-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 哲汰
(72)【発明者】
【氏名】清水 就平
(72)【発明者】
【氏名】鳩 康彦
【審査官】久々宇 篤志
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-049532(JP,A)
【文献】特開2021-052325(JP,A)
【文献】特開2007-172035(JP,A)
【文献】特開2002-158982(JP,A)
【文献】国際公開第2016/38977(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/34
G06N 3/00-99/00
H04N 23/00-23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デコードの処理負荷に影響する撮像装置の設定に関する情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された前記撮像装置の設定に関する情報に含まれる複数の設定値を前記撮像装置に設定する設定ステップと、
前記設定ステップにより設定された前記撮像装置から取得された画像を用いて、推論する推論ステップと、
前記推論ステップによる推論実行時のリソースの使用度合いを測定する測定ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする測定プログラム。
【請求項2】
前記設定ステップは、前記撮像装置に関する複数の設定値のうち1つを前記撮像装置に設定し、
前記取得ステップにより取得された撮像装置の設定に関する情報を用いて、推論実行時のリソースの使用度合いを測定していない設定が存在するか否かを判定する判定ステップをさらに有し、
前記設定ステップは、前記判定ステップにおいて、推論実行時のリソースの使用度合いを測定していない設定値が存在すると判定された場合には、前記撮像装置に関する複数の設定値のうち、リソースの使用度合いを測定していない他の設定値を前記撮像装置に設定することを特徴とする請求項1に記載の測定プログラム。
【請求項3】
前記設定ステップは、前記測定ステップで測定した推論実行時のリソースの使用度合いに基づいて、前記撮像装置に設定値を設定することを特徴とする請求項2に記載の測定プログラム。
【請求項4】
前記設定ステップは、前記測定ステップで測定した推論実行時のリソースの使用度合いを用いて、推論実行時にリソースの使用度合いが所定の閾値より低くなるよう、前記撮像装置に設定値を設定することを特徴とする請求項3に記載の測定プログラム。
【請求項5】
前記設定ステップは、前記測定ステップで測定した推論実行時のリソースの使用度合いを用いて、推論実行時にリソースの使用度合いが所定の範囲内に収まるよう、前記撮像装置に設定値を設定することを特徴とする請求項3に記載の測定プログラム。
【請求項6】
コンピュータが実行する制御方法であって、
デコードの処理負荷に影響する撮像装置の設定に関する情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された前記撮像装置の設定に関する情報に含まれる複数の設定値を前記撮像装置に設定値を設定する設定工程と、
前記設定工程により設定された前記撮像装置から取得された画像を用いて、推論する推論工程と、
前記推論工程による推論実行時のリソースの使用度合いを測定する測定工程と
を含むことを特徴とする測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定プログラムおよび測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防犯カメラや監視カメラに関する様々な技術が存在している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、防犯カメラには、メーカ独自の設定値含め、解像度、フレームレート、コーデック、最大ビットレートなど非常に多くの設定値を設定することが可能であり、設定値によりデコードの処理負荷が変化する。デコードの処理負荷が増大した場合には、リソースが逼迫し、デコード速度の低下、アプリケーションの処理速度、処理精度の低下、プロセスの実行停止につながる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-102846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術には、カメラに存在する設定値ごとの影響を測定することが困難であるという課題が存在する。例えば、カメラには非常に多くの設定項目が存在するため、すべての設定項目を組み合わせた設定値のバリエーションは膨大であり、手動によりカメラの設定値を変更して設定値ごとの影響を測定することは困難である。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するため、カメラに存在する設定値ごとの影響を自動で測定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の測定プログラムは、撮像装置の設定に関する情報を取得する取得ステップと、取得ステップにより取得された撮像装置の設定に関する情報に含まれる複数の設定値を撮像装置に設定する設定ステップと、設定ステップにより設定された前記撮像装置から取得された画像を用いて、推論する推論ステップと、推論ステップによる推論実行時のリソースの使用度合いを測定する測定ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カメラに存在する設定値ごとの影響を自動で測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る測定装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る測定装置の処理を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る測定装置の処理を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る測定装置の処理を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る測定装置の処理を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る測定装置の処理を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る測定装置の処理を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る測定装置の処理を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る測定装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図10図10は、測定プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本願に係る測定装置、測定プログラムおよび測定方法の実施形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示しており、重複する説明は省略される。
【0011】
[測定装置の構成]
次に、図1を用いて、測定装置100の構成について説明する。図1が示すように、測定装置100は、通信部110と、制御部120と、記憶部130とを有する。なお、これらの各部は、複数の装置が分散して保持してもよい。以下にこれら各部の処理を説明する。
【0012】
通信部110は、NIC(Network Interface Card)等で実現され、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線を介した外部装置と制御部120の通信を可能とする。例えば、通信部110は、外部装置と制御部120との通信を可能とする。
【0013】
記憶部130は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部130は、撮像装置200、撮像装置200の設定に関する情報、測定シナリオ、測定結果、ログファイル、その他リソースに関する情報を記憶する。ここで、撮像装置200は、画像を撮影するカメラである。なお、画像には、静止画および動画が含まれる。また、撮像装置200の設定に関する情報には、解像度、フレームレート、コーデック、最大ビットレート、撮像装置200の台数といった情報が含まれる。なお、記憶部130が記憶する情報は上記に記載したものに限定されない。
【0014】
制御部120は、CPU(Central Processing Unit)やNP(Network Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いて実現され、メモリに記憶された処理プログラムを実行する。図1に示すように、制御部120は、取得部121と、設定部122と、推論部123と、測定部124と、判定部125とを有する。以下、制御部120が有する各部について説明する。
【0015】
取得部121は、撮像装置200の設定に関する情報を取得する。例えば、取得部121は、撮像装置200の設定に関する情報として、解像度、フレームレート、コーデック、最大ビットレート、台数といった情報を取得する。例えば、取得部121は、使用者からのコマンド操作を受け付けて、撮像装置200の設定に関する情報として、解像度160×90~4K(3840×2019)、フレームレート5FPS~60FPS、コーデックMJPEG~H.264high、最大ビットレート2560kbps~30720kbps、撮像装置200の台数1~3台といった情報を取得する。
【0016】
設定部122は、取得部121により取得された撮像装置200の設定に関する情報に含まれる複数の設定値を撮像装置200に設定する。例えば、設定部122は、取得部121により取得された解像度、フレームレート、コーデック、最大ビットレート、台数といった情報に含まれる各項目の設定値を撮像装置200に設定する。例えば、設定部122は、取得部121により取得された解像度4K、フレームレート60FPS、コーデックH.264high、最大ビットレート30720kbps、撮像装置200の台数1台といった情報を撮像装置200に設定する。
【0017】
また、設定部122は、撮像装置200に関する複数の設定値のうち1つを撮像装置200に設定する。例えば、設定部122は、取得部121により取得された解像度、フレームレート、コーデック、最大ビットレート、台数といった情報のうち、解像度3072×1728、フレームレート40FPS、コーデックH.264high、最大ビットレート15360kbps、撮像装置200の台数2台といった情報を撮像装置200に設定する。
【0018】
また、設定部122は、後述する判定部125において、推論実行時のリソースの使用度合いを測定していない設定値が存在すると判定された場合には、撮像装置200に関する複数の設定値のうち、リソースの使用度合いを測定していない他の設定値を撮像装置200に設定する。例えば、設定部122は、判定部125において、推論実行時のリソースの使用度合いを測定していない設定値が存在すると判定された場合に、撮像装置に200に関する解像度、フレームレート、コーデック、最大ビットレート、撮像装置200の台数といった設定値のうち、推論実行時のリソースの使用度合いを測定していない、解像度HD、フレームレート30FPS、コーデックH.264high、最大ビットレート15360kbps、撮像装置200の台数3台といった情報を撮像装置200に設定する。なお、設定部122は、撮像装置200への設定が不可能である設定値を、リソース使用度合いを測定していない設定値から除外してもよい。
【0019】
また、設定部122は、測定部124で測定した推論実行時のリソースの使用度合いに基づいて、撮像装置200に設定値を設定する。例えば、設定部122は、測定部124で測定した推論実行時の使用度合いを用いて、推論実行時にリソースの使用度合いが所定の閾値より低くなるよう、撮像装置200に設定値を設定する。例えば、設定部122は、推論部124で測定した推論実行時の使用度合いを用いて、推論実行時にリソースの使用度合いが80%より低くなるよう、撮像装置200に設定値を設定する。
【0020】
なお、設定部122は、判定部125により推論実行時のリソースの使用度合いを測定していない設定値が存在しないと判定された場合に、測定部124で測定した推論実行時のリソースの使用度合いに基づいて、撮像装置200に設定値を設定してもよい。
【0021】
また、設定部122は、測定部124で測定した推論実行時のリソースの使用度合いを用いて、推論実行時にリソースの使用度合いが所定の範囲内に収まるよう、撮像装置200に設定値を設定する。例えば、設定部122は、測定部124で測定した推論実行時のリソースの使用度合いを用いて、推論実行時にリソースの使用度合いが60%~80%の範囲内に収まるよう、撮像装置200に設定値を設定する。
【0022】
推論部123は、設定部122により設定された撮像装置200から取得された画像を用いて、推論する。また、推論部123は、設定部122により設定された撮像装置200が撮像した画像を取得し、画像の撮像対象について推論を行う。例えば、推論部123は、設定部122により設定された撮像装置200が撮像した店舗入口の画像を取得し、画像の撮像対象が店舗入口であると推論する。
【0023】
また、例えば、推論部123は、設定部122により設定された撮像装置200が撮像した画像を取得し、画像内の人物の性別について推論する。例えば、推論部123は、設定部122により設定された撮像装置200が撮像した画像を取得し、画像内の人物が男性であると推論する。
【0024】
また、例えば、推論部123は、設定部122により設定された撮像装置200が撮像した画像を取得し、画像内の人数について推論する。例えば、推論部123は、設定部122により設定された撮像装置200が撮像した画像を取得し、画像内の人数が5人であると推論する。
【0025】
また、例えば、推論部123は、設定部122により設定された撮像装置200が撮像した画像を取得し、画像内の人物の行動を推論する。例えば、推論部123は、設定部122により設定された撮像装置200が撮像した画像を取得し、画像内の人物の行動は万引き行為であると推論する。なお、推論部123が推論する人物の行動は、所定の行動に対する予備的な行動であってもよい。
【0026】
また、例えば、推論部123は、設定部122により設定された撮像装置200が撮像した画像を取得し、画像内の状況を推論する。例えば、推論部123は、設定部122により設定された撮像装置200が撮像した画像を取得し、画像内の状況は平常状態であると推論する。
【0027】
測定部124は、推論ステップによる推論実行時のリソースの使用度合いを測定する測定する。例えば、測定部124は、推論部123による推論実行時のCPUやメモリといったリソースの使用度合いを推論する。また、例えば、測定部124は、推論部123による推論実行時の撮像装置200におけるCPUやメモリといったリソースの使用度合いを推論する。また、例えば、測定部124は、推論部123による推論実行時のアプリケーションにおけるCPUやメモリといったリソースの使用度合いを推論する。
【0028】
判定部125は、取得部121により取得された撮像装置200の設定に関する情報を用いて、推論実行時のリソースの使用度合いを測定していない設定が存在するか否かを判定する。例えば、判定部125は、取得部121により取得された撮像装置200に関する情報を用いて、推論実行時のリソースの使用度合いを想定していない設定が存在すると判定する。
【0029】
[測定装置による処理例]
図2~8を用いて、実施形態における測定装置100の処理例について説明する。この例では、測定装置100として機能するアプリケーションである自動測定アプリと、撮像装置200を管理する機能である撮像装置管理機能とを有する端末装置を例に説明する。
【0030】
まず、取得部121は、図2に示すように、撮像装置200の設定に関する情報を取得する。このとき、取得部121は、以下の流れで、撮像装置200の設定に関する情報を取得することができる。まず、取得部121は、ユーザからのコマンド操作を受け付ける(図2(1))。次に、ユーザからのコマンド操作を受け付けた取得部121は、撮像装置200の設定値を取得する(図2(2))。そして、取得部121は、取得した撮像装置200の設定値を測定シナリオとして端末装置に保存させる(図2(3))。
【0031】
続いて、設定部122は、図3に示すように、取得部121により取得された撮像装置200の設定に関する情報に含まれる複数の設定値を撮像装置200に設定する。このとき、設定部122は、以下の流れで、撮像装置200に対して設定値を設定することができる。まず、設定部122は、取得された撮像装置200の設定に関する情報を確認する(図3(1))。次に、設定部122は、撮像装置200の現在の設定値を取得する(図3(2))。それから、設定部122は、測定シナリオの設定値を撮像装置200に設定する(図3(3))。そして、設定部122は、撮像装置200への設定値の反映を確認する(図3(4))。
【0032】
続いて、推論部123は、図4に示すように、設定部122により設定された撮像装置200から取得された画像を用いて、推論する。このとき、推論部123は、以下の流れで、推論を行うことができる。まず、推論部123は、撮像装置管理機能に対して、撮像装置200からの画像取得のリクエストを行う(図4(1))。次に、推論部123からのリクエストを受けた撮像装置管理機能は、撮像装置200から画像を取得する(図4(2))。それから、推論部123は、撮像装置管理機能から画像を取得する(図4(3))。そして、推論部123は、撮像装置管理機能経由で撮像装置200から取得した画像を用いて、推論を実行する(図4(4))。
【0033】
続いて、測定部124は、図5に示すように、推論実行状態のリソースの使用度合いを測定する。このとき、測定部124は、推論実行時の、端末装置のリソースの使用度合い、自動測定アプリのリソースの使用度合い、撮像装置管理機能のリソースの使用度合いを測定することができる。そして、測定部124は、推論実行状態で測定された測定項目ごとのリソースの使用度合いを記憶部130に記憶させる。このとき、測定部124は、リソースの使用度合いと併せて、ログファイルを記憶部130に記憶させてもよい。
【0034】
自動測定アプリは、上述の設定値の設定、推論の実行、リソースの使用度合いの測定の処理を、リソースの使用度合いを測定していない設定が存在しなくなるまで繰り返して行う。このとき、設定部122は、撮像装置200への設定が不可能である設定値、リソース使用度合いについては、測定していない設定値から除外してもよい。
【0035】
これにより、測定装置100は、設定値の設定、推論の実行、リソースの使用度合いの測定を行うことにより、カメラに存在する設定値ごとの影響を自動で測定することができる。
【0036】
その後、設定部122は、測定部124で測定した推論実行時のリソースの使用度合いに基づいて、撮像装置200に設定値を設定することができる。これにより、測定装置100は、自動で測定したカメラに存在する設定値ごとの影響を測定し、処理に悪影響が出ない設定値を設定することができる。
【0037】
なお、撮像装置200が複数台存在する場合には、各撮像装置200と対応した自動測定アプリが、撮像装置200と同数、端末装置に配置される。この場合、各自動測定アプリは、図6~8に示すように、図2~5と同様の流れで、各撮像装置200に対する設定値の設定、推論の実行、リソースの測定を行う。なお、このとき、自動測定アプリは、すべての撮像装置200に対して設定値が設定されたことや、すべての自動測定アプリで推論が開始されたことを相互に確認する。
【0038】
これにより、測定装置100は、複数台のカメラに存在する設定値ごとの影響を自動で測定し、処理に悪影響が出ない設定値を複数台のカメラに対して設定することができる。
【0039】
[フローチャート]
次に、図9を用いて、測定装置100による処理の流れを説明する。なお、下記のステップS101~S106は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS101~S106のうち、省略される処理があってもよい。
【0040】
まず、取得部121は、撮像装置200の設定に関する情報を取得する(ステップS101)。例えば、取得部121は、撮像装置200の設定に関する情報として、解像度、フレームレート、コーデック、最大ビットレート、撮像装置200の台数といった情報を取得する。
【0041】
次に、設定部122は、取得部121により取得された撮像装置200の設定に関する情報に含まれる複数の設定値を撮像装置200に設定する(ステップS102)。例えば、設定部122は、取得部121により取得された解像度、フレームレート、コーデック、最大ビットレート、台数といった情報を撮像装置200に設定する。
【0042】
それから、推論部123は、設定部122により設定された撮像装置200から取得された画像を用いて、推論する(ステップS103)。例えば、推論部123は、設定部122により設定された撮像装置200が撮像した画像を取得し、画像内の人物の性別を推論する。
【0043】
その後、測定部124は、推論部123による推論実行時のリソースの使用度合いを測定する(ステップS104)。例えば、測定部124は、推論部123による推論実行時のCPUやメモリといったリソースの使用度合いを推論する。
【0044】
続いて、判定部125は、取得部121により取得された撮像装置200の設定に関する情報を用いて、推論実行時のリソースの使用度合いを測定していない設定値が存在するか否かを判定する(ステップS105)。
【0045】
このとき、判定部125により、推論実行時のリソースの使用度合いを測定していない設定値が存在すると判定された場合(ステップS105“YES”)、設定部122は、撮像装置200に関する複数の設定値のうち、リソースの使用度合いを測定していない他の設定値を撮像装置200に設定する(ステップS102)。
【0046】
一方、判定部125により、推論実行時のリソースの使用度合いを測定していない設定値が存在しないと判定された場合(ステップS105“NO”)、設定部122は、測定ステップで測定した推論実行時のリソースの使用度合いに基づいて、撮像装置200に設定値を設定する(ステップS106)。例えば、設定部122は、測定部124で測定した推論実行時のリソースの使用度合いを用いて、推論実行時にリソースの使用度合いが所定の閾値より低くなるよう、撮像装置200に設定値を設定する。
【0047】
[効果]
実施形態に係る測定装置100は、撮像装置200の設定に関する情報を取得する取得部121と、取得部121により取得された撮像装置200の設定に関する情報に含まれる複数の設定値を撮像装置200に設定する設定部122と、設定部122により設定された撮像装置200から取得された画像を用いて、推論する推論部123と、推論123による推論実行時のリソースの使用度合いを測定する測定部124とを有する。
【0048】
これにより測定装置100は、設定値の設定、推論の実行、リソースの使用度合いの測定を行うことで、カメラに存在する設定値ごとの影響を自動で測定することができる。
【0049】
実施形態に係る測定装置100は、取得部121により取得された撮像装置200の設定に関する情報を用いて、推論実行時のリソースの使用度合いを測定していない設定が存在するか否かを判定する判定ステップをさらに有し、設定部122は、撮像装置200に関する複数の設定値のうち1つを撮像装置200に設定し、設定部122は、判定部125において、推論実行時のリソースの使用度合いを測定していない設定値が存在すると判定された場合には、撮像装置200に関する複数の設定値のうち、リソースの使用度合いを測定していない他の設定値を撮像装置200に設定する。
【0050】
これにより、測定装置100は、設定値の設定、推論の実行、リソースの使用度合いの測定を繰り返し行うことで、カメラに存在する設定値ごとの影響を自動で測定することができる。
【0051】
実施形態に係る測定装置100において、設定部122は、測定部124で測定した推論実行時のリソースの使用度合いに基づいて、撮像装置200に設定値を設定する。
【0052】
これにより、測定装置100は、カメラに存在する設定値ごとの影響を自動で測定し、測定結果を用いることで、処理に悪影響が出ない設定値をカメラに設定することができる。
【0053】
実施形態に係る測定装置100において、設定部122は、測定部124で測定した推論実行時のリソースの使用度合いを用いて、推論実行時にリソースの使用度合いが所定の閾値より低くなるよう、撮像装置200に設定値を設定する。
【0054】
これにより、測定装置100は、カメラに存在する設定値ごとの影響を自動で測定し、測定結果を用いることで、処理に悪影響が出ない設定値をカメラに設定することができる。
【0055】
実施形態に係る測定装置100において、設定部122は、測定部124で測定した推論実行時のリソースの使用度合いを用いて、推論実行時にリソースの使用度合いが所定の範囲内に収まるよう、撮像装置200に設定値を設定する。
【0056】
これにより、測定装置100は、カメラに存在する設定値ごとの影響を自動で測定し、測定結果を用いることで、処理に悪影響が出ず、かつ、高いパフォーマンスを発揮する設定値をカメラに設定することができる。
【0057】
[プログラム]
また、上記実施形態において説明した測定装置100が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0058】
測定装置100は、例えば、図10に示すようなコンピュータシステム1000によって実現される。コンピュータシステム1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0059】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータシステム1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータシステム1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0060】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、係るプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網NWを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網NWを介して他の機器へ送信する。
【0061】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0062】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、係るプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0063】
例えば、コンピュータシステム1000が本開示の測定装置100として機能する場合、コンピュータシステム1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、測定装置100の機能を実現する。HDD1400には、記憶装置130内のデータが格納される。コンピュータシステム1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網NWを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0064】
[その他]
様々な実施形態を、図面を参照して、本明細書で詳細に説明したが、これらの複数の実施形態は例であり、本発明をこれらの複数の実施形態に限定することを意図するものではない。本明細書に記載された特徴は、当業者の知識に基づく様々な変形や改良を含む、様々な方法によって実現され得る。
【0065】
また、上述した「部(module、-er接尾辞、-or接尾辞)」は、ユニット、手段、回路、ステップなどに読み替えることができる。例えば、通信部(communication module)、制御部(control module)および記憶部(storage module)は、それぞれ、通信ユニット、制御ユニットおよび記憶ユニットに読み替えることができる。
【符号の説明】
【0066】
100 測定装置
110 通信部
120 制御部
121 取得部
122 設定部
123 推論部
124 測定部
125 判定部
130 記憶部
200 撮像装置
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