(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】フォールトトレラント電源付き電気メータ
(51)【国際特許分類】
G01R 21/00 20060101AFI20240730BHJP
G01R 11/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G01R21/00 R
G01R11/00 A
(21)【出願番号】P 2022509023
(86)(22)【出願日】2020-08-03
(86)【国際出願番号】 US2020044722
(87)【国際公開番号】W WO2021030087
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2023-07-19
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513113895
【氏名又は名称】ランディス・ギア イノベーションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LANDIS+GYR INNOVATIONS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100189544
【氏名又は名称】柏原 啓伸
(72)【発明者】
【氏名】ラミレス,アニバル ディエゴ
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0293219(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0163695(US,A1)
【文献】国際公開第2016/084159(WO,A1)
【文献】特開2015-186388(JP,A)
【文献】特開2001-265666(JP,A)
【文献】特開2016-034218(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105866527(CN,A)
【文献】特開2009-063598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 21/00
G01R 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォールトトレラント電源を動作させる方法であって、
交流(AC)電圧を初期の直流(DC)電圧に変換するステップと、
前記初期の直流電圧を第1の直流電圧と第2の直流電圧に変換するステップと、
前記第1の直流電圧を計測デバイスに印加するステップと、
前記第2の直流電圧を周辺デバイスに印加するステップと、
前記初期の直流電圧が電圧範囲外である場合、前記周辺デバイスへの前記第2の直流電圧を非活性化するステップと、
前記計測デバイスへの前記第1の直流電圧を維持するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
更に、
温度測定値を受信するステップと、
前記温度測定値が温度範囲外の場合、前記周辺デバイスへの前記第2の直流電圧を非活性化するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
更に、
ある時間が経過したとき、前記周辺デバイスに前記第2の直流電圧を再印加するステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
更に、
前記初期の直流電圧が前記電圧範囲外に減少した場合、前記第2の直流電圧および前記周辺デバイスを無効にするステップ
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
更に、
前記交流電圧を監視するステップと、
前記交流電圧が交流電圧範囲より低下した場合、前記計測デバイスにキャパシタから電力を印加し、計測情報を不揮発性メモリに保存するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記交流電圧を監視するステップは、前記交流電圧が交流電圧範囲外であるか否かを判定するステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
更に、
前記初期の直流電圧を第3の直流電圧に変換するステップと、
前記第3の直流電圧を追加の周辺デバイスに印加するステップと、
前記初期の直流電圧が前記電圧範囲外である場合、前記追加の周辺デバイスへの前記第3の直流電圧を非活性化するステップと、
第1の時間が経過したとき、前記周辺デバイスに前記第2の直流電圧を再印加するステップと、
前記初期の直流電圧が前記電圧範囲外である場合、前記周辺デバイスを無効化し前記追加の周辺デバイスに前記第3の直流電圧を再印加するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
更に、
前記初期の直流電圧が前記電圧範囲外より低下した場合、前記周辺デバイスを前記第2の直流電圧から切り離すステップ
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
更に、
前記周辺デバイスに関するエラー状態を記録するステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
フォールトトレラント電源を動作させる方法であって、
交流(AC)電圧を初期の直流(DC)電圧に変換するステップと、
前記初期の直流電圧を第1の直流電圧と第2の直流電圧に変換するステップと、
前記第1の直流電圧を高優先度デバイスに印加するステップと、
前記第2の直流電圧を低優先度デバイスに印加するステップと、
前記初期の直流電圧が電圧範囲外である場合、前記低優先度デバイスへの前記第2の直流電圧を非活性化するステップと、
前記高優先度デバイスへの前記第1の直流電圧を維持するステップと
を含む、方法。
【請求項11】
前記第2の直流電圧は、前記第1の直流電圧と異なる、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
更に、
ある時間が経過したとき、前記第2の直流電圧を前記低優先度デバイスに再印加するステップ
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
更に、
前記初期の直流電圧が前記電圧範囲外である場合、前記第2の直流電圧および前記低優先度デバイスを無効にするステップ
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
更に、
前記交流電圧を監視するステップと、
前記交流電圧が交流電圧範囲外である場合、前記高優先度デバイスにキャパシタから電力を印加して計測情報を不揮発性メモリに保存するステップと
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記交流電圧を監視するステップは、前記交流電圧が交流電圧範囲外であるか否かを判定するステップ
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
電気メータであって、
交流(AC)電圧を初期の直流(DC)電圧に変換するように構成された電源と、
前記初期の直流電圧を第1の直流電圧と第2の直流電圧に変換するように構成された直流-直流コンバータと、
ホストプロセッサと
を含み、
前記ホストプロセッサは、
前記直流-直流コンバータに、前記第1の直流電圧を計測デバイスに印加させ、
前記直流-直流コンバータに、前記第2の直流電圧を周辺デバイスに印加させ、
前記初期の直流電圧が電圧範囲外である場合、前記直流-直流コンバータに、前記周辺デバイスに対する前記第2の直流電圧を非活性化させ、前記計測デバイスに対する前記第1の直流電圧を維持させる
ように構成されている、
電気メータ。
【請求項17】
前記ホストプロセッサは、更に、
ある時間が経過したときを検出して前記周辺デバイスに前記第2の直流電圧を再印加するように構成されている、
請求項16に記載の電気メータ。
【請求項18】
前記ホストプロセッサは、更に、
前記初期の直流電圧が前記電圧範囲外である場合、前記第2の直流電圧と前記周辺デバイスを無効にするように構成されている、
請求項16に記載の電気メータ。
【請求項19】
更に、温度センサを備え、
前記ホストプロセッサは、更に、
前記温度センサから温度測定値を受信し、
前記温度測定値が温度範囲外である場合、前記周辺デバイスへの前記第2の直流電圧を非活性化する
ように構成されている、
請求項16に記載の電気メータ。
【請求項20】
前記ホストプロセッサは、更に、
前記直流-直流コンバータに、前記初期の直流(DC)電圧を第3の直流電圧に変換させ、
前記直流-直流コンバータに、前記第3の直流電圧を追加の周辺デバイスに印加させ、
閾値の時間、待機し、
前記第2の直流電圧を前記周辺デバイスに再印加して前記第3の直流電圧を前記追加の周辺デバイスに再印加する
ように構成されている、
請求項16に記載の電気メータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概略電気メータに関し、より具体的にはフォールトトレラント内部電源を備える電気メータに関する。
【背景技術】
【0002】
電気メータは、通常、エンドユーザー施設に設置され、エアコン、テレビ、照明などの電気負荷によって消費される電力を測定する。いくつかの電気メータは、無線ネットワークを介して消費情報を送信する、電力消費の分析を行う、またはメータ改ざんを検出するなど、測定以上の機能を果たすことができる追加のハードウェアを含む。この追加のハードウェアに電力を供給するために、電力計は、従来の計測システムとこれらの追加のデバイスの両方に電力を供給する内部電源を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、新しいメータの追加ハードウェア、例えば、プロセッサ、通信装置、ネットワークカードなどは、通常の要件に対して追加の電力を必要とし、短絡または過剰消費などの電力障害のリスクを増加させ、追加の熱を発生させる。既存のソリューションでは、電気的な故障を検出すると、計測機能もオフになる。エンドユーザー宅には電力が供給されているため、一定期間消費電力の測定が行われず、課金情報も失われてしまう。そのため、新しいソリューションが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ある態様と特徴は、電気メータのためのフォールトトレラント電源の技術的改良に関するものである。一例として、システムは、交流(AC)電圧を初期の直流(DC)電圧に変換する。このシステムは、さらに、初期の直流電圧を第1の直流電圧と第2の直流電圧に変換する。このシステムは、第1の直流電圧を計測デバイスなどの高優先度デバイスに印加する。第2の直流電圧は、低優先度デバイスや周辺デバイスに印加される。初期の直流電圧が電圧範囲外である場合、システムは、低優先度デバイスへの第2の直流電圧を非活性化し、計測デバイスへの第1の直流電圧を維持する。
【0005】
これらの例示的な例は、本開示を制限または定義するためではなく、その理解を助けるための例を提供するために言及されている。追加の例およびさらなる説明は、発明の詳細な説明に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明を添付図面を参照して読むと、よりよく理解される。
【0007】
【
図1】
図1は、本開示の一態様に係る、フォールトトレラント電源を有する電気メータを含む計量環境の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の一態様に係る、電気メータシステムの概略図である。
【
図3】
図3は、本開示の一態様に係る、電気メータシステムの模式図である。
【
図4】
図4は、本開示の一態様に係る、周辺デバイスの故障を検出するための例示的な処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本開示の一態様に係る、周辺デバイスの検出された障害から回復するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本開示の一態様に係る、メータホスト機能を実装するための例示的なコンピューティングシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の態様は、電気計測システム用のフォールトトレラント内部電源に関するものである。コア計測ハードウェアに加えて、電気計測システムは、ホスト-メータ通信デバイス、無線ネットワーキングカードなどの周辺デバイスを含むことができる。一般に、これらの周辺デバイスは、課金目的のためにアクティブなままである計測機能に対して二次的なものであると考えられている。開示されたソリューションは、計測ハードウェアへの電力を維持しながら、周辺デバイスまたはメータに接続された外部デバイスによって引き起こされる短絡または過電流状況などの障害を検出し、そこから回復することができるフォールトトレラント電源を提供する。
【0009】
いくつかの態様において、開示されたシステムは、計測システムおよび周辺デバイスに供給される1つまたは複数の電圧の指示を受け取るプロセッサ(例えば、ホストプロセッサ)を含む。これらの電圧に基づいて、プロセッサは、電力障害が発生したという判定を行うことができる。故障の例としては、ハードウェアデバイスの故障、短絡、または過電流が挙げられる。これに応答して、プロセッサは、計測ユニットへの電源を接続したまま、周辺デバイスへの出力を非活性化する。
【0010】
ここで図に目を向けると、
図1は、本開示の一態様に係る、フォールトトレラント電源を備えた電気メータを含む計量環境の一例を示す図である。計量環境100は、電気メータ101、電源110、および顧客機器190を含む。電源110は、例えば電気メータ101の内部機器に電力を供給するため、および電気メータ101を介して顧客機器190に電力を供給するため、両方に電力を供給する。電源110の例としては、配電線および変電所が挙げられる。電力源によって提供される典型的な電圧は、108ボルト(V)、120V、240Vなどである。電源110は、単相または多相であることができる。顧客機器190の例としては、ランプ、モータ、家庭用電化製品、産業用機器などがある。
【0011】
電気メータ101は、電源115、プロセッサ165、計測ユニット120、および周辺デバイス130a-nのうちの1つまたは複数を含む。より具体的には、電気メータ101は、電源110から電力を受け取り、接続102を介して計測ユニット120に、接続103を介して電源115に、電力を供給する。多相環境では、接続102及び接続103は、1つ又は複数の相の交流を含む。計測ユニット120は、接続102を介して電力を受け取り、接続107を介して顧客機器190に電力を提供し、接続102の各相の消費電流を測定する。計測ユニット120は、電圧の測定、ゼロクロスの検出、およびピーク需要時間または低需要時間の検出などの高度な分析などの追加機能を実行することができる。
【0012】
電源115は、計測ユニット120と周辺デバイス130a-nの両方に電力を供給する。周辺デバイス130a-nの例は、通信装置、PCI(Peripheral Component Interconnect)エクスプレスカード、USB(Universal Serial Bus)コントローラなどである。特に、電源115は、異なるデバイスに別々の電力出力を提供することができる。計測ユニット120への接続106は、接続104a-nを介して周辺デバイス130a-nにそれぞれ電力を供給する接続104a-nから別々に切り替えられ得る。例えば、電源115は、電源110からの入力電圧を適切なレベル(例えば、12V又は24V)に降圧する変圧器を含むことができる。電源115は、AC(交流)をDC(直流)に変換する整流器や、第1の、すなわち初期の直流(DC)電圧(例えば、12V)を第2の、より低い電圧(例えば、3.3Vまたは5V)に変換する他の(例えば、トランジスタベースの)スイッチングデバイスなどの追加のコンバータを含むことも可能である。
【0013】
電源115は、プロセッサ165と連動して動作し、過電圧、過熱、電気ノイズなどの故障を検出する。これに応答して、電源115は、一定期間または恒久的に1つまたは複数の周辺デバイスをシャットダウンするなどの措置を取ることができる。プロセッサ165の例には、マイクロコントローラ、信号プロセッサ、および汎用プロセッサが含まれる。電源115は、接続105を介してプロセッサ165に接続する。電源115によって生成された1つ以上の電圧の状態は、接続105を介してプロセッサ165に提供される。さらに、接続105は、プロセッサ165が、計測ユニット220及び周辺デバイス130a-nへの電力を粒単位で個別に制御することを可能にする。例えば、プロセッサ165は、周辺デバイス130a-nを適宜選択的に非活性化または再活性化することができる。
【0014】
図2は、本開示の一態様に係る、電気メータシステムの概略図である。電気メータ101の一例である電気メータシステム200は、電源215、計測ユニット220、ディスプレイ235、ゼロクロス検出器240、周辺デバイス230a-n、スイッチ244a-n、インターフェース245、及びホストデバイス260のうちの1つ以上を含む。
【0015】
計測ユニット220は、計測のための電力を受け取る。描かれているように、計測ユニット220は、第1の位相で電圧201aを受け、第2の位相で電圧201bを受けるが、計測ユニット220は、任意の数の位相で動作することができる。計測ユニット220は、特定の相の電圧を検出する電圧センサ221a-bと、特定の相で消費される電流を検出する電流センサ222a-nとを含む。電圧センサ221a-bは、電圧201a-bおよび電流センサをサンプリングし、有効エネルギー、無効エネルギー、停電および他の関連するサービス情報を計算することができる。
【0016】
計測ユニット220はまた、計量集積回路(IC)224を含み、これは、デジタル領域またはアナログ領域で動作するハードウェアを含むことができる。不揮発性であってもよいメモリ226は、例えば、計量情報が、別の装置への送信のために、またはユーティリティメータリーダーによる抽出のために、ホストデバイス260に提供される前に、計量情報を格納するために使用される。
【0017】
ゼロクロス検出器240は、それぞれが異なる位相(ただし、任意の数の位相が可能)を表す電圧201a-bを監視する。ゼロクロス検出器240は、交流電圧がゼロ閾値を通過するたびに、パルス241を出力する。パルス241は、計量目的のために計測ユニットによって使用され、また、AC電力がメータに失われたことを早期に示すために電源215によって使用される。ゼロクロス検出器240は、単相対多相の検出も提供することができる。場合によっては、この機能は、計測ユニット220に、例えば、計量IC224に統合される。
【0018】
電源215は、電力を受け取り、内部デバイスに電力を供給する。例えば、電源215は、電圧210を介して計測ユニットに、および電圧211a-nを介して周辺デバイス230a-nに、それぞれ電力出力を提供する。電源215は、パルス241と電圧211a-nの両方に関する情報を含む電圧監視信号216をホストデバイス260に送る。これに対して、ホストデバイス260は、障害の存在を判定し、制御信号262a-nを介して、電源に制御を発することができる。制御の例は、障害が発生した場合に1つ以上の電圧211a-nへの電力を無効にすることを含む。電源は、
図3-
図4に関してさらに議論される。
【0019】
ホストデバイス260は、1つ以上の制御信号を介して電源215を制御することができる。例えば、ホストデバイス260は、制御信号261及び制御信号262a-nを電源215に送信する。制御信号261に基づいて、電源215は、例えば、出力電圧210を制御することによって、計測ユニット220への電力を活性化または非活性化することができる。制御信号262a-nに基づいて、電源215は、例えば、電圧211a-nを制御することによって、1つ以上の周辺デバイス230a-nへの電力を活性化または非活性化することが可能である。ホストデバイス260、例えばプロセッサ265によって実行される処理の例は、
図4-
図5に関してさらに説明される。
【0020】
ホストデバイス260は、通信インターフェース228を介して計測ユニット220に接続する。ホストデバイス260は、通信インターフェース228を介して、計量情報および課金情報を受信することができる。ホストデバイス260はまた、例えば、計量停止、エンドユーザー構内への電力遮断、または他の機能を実行するコマンドを発行することによって、通信インターフェース228を介して計測ユニット220を制御することができる。ホストデバイス260は、プロセッサ265を使用して、計量情報および改ざんイベントなどの他の情報を処理し、メモリ262に情報を格納する。ホストデバイス260は、スイッチ244a-nに接続する。スイッチ244a-nは、メータ上に外付けされるか、またはカバーを取り外すことによってユーザによってアクセス可能であり得る。スイッチ244a-nは、例えば需要リセットなど、設定の何らかの制御、構成、またはカスタマイズを提供する。いくつかの場合、電気メータシステムは、ユーザがディスプレイ上でサービス関連情報(例えば、ライン電圧、電流、および/または位相角)を読み取ることを可能にする磁気的に作動するスイッチを含むことができる。いくつかの場合において、ホストデバイス260は、コンピュータおよび監視装置などの外部装置との接続を提供するインターフェース245a-nに接続する。インターフェース245a-nの例は、ユニバーサルシリアルバス(USB)およびシリアルインターフェースである。場合によっては、計測ユニット220及びホストデバイス260は、単一の集積回路に統合される。ホストデバイスの例は、
図6に関してさらに議論される。
【0021】
いくつかの態様において、電気メータシステム200は、温度センサ236を含むことができる。温度センサ236は、電気メータシステム200の内部に配置されることができ、および/または電子機器アセンブリの一部を形成することができる。温度センサ236は、電気メータシステム200内の電子機器の現在の温度を提供するために、ホストデバイス260とインターフェースする。
【0022】
例えば、プロセッサ265は、電気メータシステム200内の温度を連続的に監視することができる。温度が安全な動作温度範囲の外にある場合、プロセッサ265は、電源315に、計測ユニット220への電力を維持しながら、1つ以上の周辺デバイス230a-nをシャットダウンさせることができる。プロセッサ265は、温度を監視し続けることができ、電気メータシステム200が安全な動作温度範囲に戻ると、プロセッサ265は、1つ以上の周辺デバイス230a-nを再びオンにするようにさせることができる。いくつかの場合において、安全な動作温度範囲は、約+80摂氏から+85摂氏以下である。
【0023】
図3は、本開示の一態様に係る、電気計測システムの追加の概略図である。
図3は、フォールトトレラント電源システム300を描いており、このシステムは、計測ユニット220、電源315、ホストデバイス360、および周辺デバイス230a-nを含む。電源315は、電圧201aおよびニュートラル301を受信し、入力の交流(AC)電圧を初期の電圧331まで降圧するAC-DCコンバータ230を含む。一例では、初期の電圧331は12Vであるが、初期電圧は任意の電圧とすることができる。初期の電圧は、その後、特定の機器のニーズを満たすためにさらに低下させることができる電圧である。
【0024】
周辺デバイスの種類によって、特定の電圧が必要とされる場合がある。例えば、PCI Expressは3.3Vを必要とし、無線カードは3.3Vを必要とし、無線機は4Vを必要とすることができる。電力コンバータ317は、初期の電圧331を電圧332(一例は3.3V)に変換し、電圧332を計測ユニット220に供給する。電力コンバータ318a-nの各々は、初期の電圧331を異なる電圧に変換することができる。例えば、電力コンバータ318aは、初期の電圧331を3.3Vに変換することができ、電力コンバータ318bは、初期の電圧331を5Vに変換することができる。電圧311a-nは、それぞれ周辺デバイス230a-nに供給される。電圧311a-nの例は3.3Vと5Vである。場合によっては、2つの周辺デバイス230a-nが同じ電圧を必要とすることがあっても、異なる電力コンバータ318a-nを使用し、電源315に異なる周辺デバイスを個別にオン/オフする能力を与えることが可能である。
【0025】
電源315は、抵抗器R1及びR2に初期の電圧331を供給する。例えば、+12ボルト直流(DC)の初期電圧を考えると、R1=82kΩ、R2=12kΩであり、この場合、A/Dコンバータ320に行く電圧の範囲は約1.53V直流(DC)である。A/D(アナログ-デジタル)コンバータ320は、抵抗R1とR2の間に接続されており、分圧器として動作させることができる。A/Dコンバータ320は、R1とR2の間で測定された電圧を周期的にサンプリングし、デジタルの電圧監視信号316をホストデバイス360に提供する。ホストデバイス360は、ゼロクロス検出器240から初期電圧監視信号316とパルス241を受信する。初期電圧監視信号316とパルス241を使用して、ホストデバイス260はフォールトトレラント電力管理を実装する。ホストデバイス260は、これらの信号を使用して、過電流障害または他のエラーの早期検出を形成し、メータの計測機能を維持するための修正措置をとる。
図4は、処理の一例を説明するものである。
【0026】
議論したように、1つ以上の周辺デバイス230a-nは、過電流、短絡、または他の故障を引き起こす可能性がある。例えば、ACライン電圧が最低ライン電圧閾値(例えば、120V)以上であるにもかかわらず、初期の電圧331が閾値未満のままである場合、1つ以上の周辺デバイス230a-nの部分における過剰消費または短絡のいずれかが、低電圧を引き起こしていると考えられる。
図4は、故障を特定するための処理の一例を説明する図である。
【0027】
図4は、本開示の一態様に係る、周辺デバイスの故障を検出するための例示的なプロセス400を示すフローチャートである。プロセス400は、ホストデバイス260上のプロセッサ265によって、または別のプロセッサによって実装され得る。
【0028】
ブロック401において、プロセス400は、交流(AC)電圧を初期の直流(DC)電圧に変換することを含む。例えば、AC-DCコンバータ330は、電圧201a(AC)を初期の電圧331(例えば、12V)に変換する。
【0029】
ブロック402において、プロセス400は、初期直流電圧を第1直流電圧および第2直流電圧に変換することを含む。例えば、電力コンバータ317は、初期の電圧331を電圧332に変換し、電力コンバータ318aは、初期の電圧331を電圧311aに変換する。
【0030】
ブロック403において、プロセス400は、第1の直流(DC)電圧を計測デバイスに印加することを含む。例えば、ホストデバイス260は、電力コンバータ317に、電圧332を計測ユニット220に供給させる。
【0031】
ブロック404において、プロセス400は、第2の直流(DC)電圧を周辺デバイスに印加することを含む。例えば、ホストデバイス260は、電力コンバータ318aに、周辺デバイス230aに電圧311aを供給させる。
【0032】
ブロック405において、プロセス400は、初期の直流(DC)電圧が電圧範囲外であることを検出し、周辺デバイスへの第2の直流電圧を非活性化することを含む。例えば、ホストデバイス260は、初期電圧監視信号316を分析する。初期電圧監視信号316が範囲外、例えば、範囲以下であることを検出すると、ホストデバイス260は、制御信号262aを発行することによって、電力コンバータ318aに周辺デバイス230aへの電圧311aを非活性化させる。ある場合には、ホストデバイス260は、任意の周辺デバイスを非活性化する前に、パルス241をチェックして、メータがAC電力を有するかどうかを判定することができる。
【0033】
ブロック406において、プロセス400は、計測デバイスへの第1の直流電圧を維持することを含む。ホストデバイス260は、計測ユニット220への電圧332を維持する。
【0034】
障害を検出すると、ホストデバイス260は、1つまたは複数のアクションを取ることができる。例えば、ホストデバイス260は、障害からの回復を試み、警告を送信し、又は1つ以上の周辺デバイスを無効にすることができる。一例では、閾値の時間が満たされた後、ホストデバイス260は、制御信号262a-nを電力コンバータ318a-nに送り、すべての周辺デバイス230a-nに電力を供給し直すようにさせる。
図5に関して議論されたプロセス500のような、異なるプロセスを使用することができる。
【0035】
図5は、本開示の一態様に係る、周辺デバイスの検出された故障から回復するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。プロセス500は、ホストデバイス260上のプロセッサ265によって、または別のプロセッサによって実施され得る。
【0036】
ブロック501において、プロセス500は、計測デバイス、第1の周辺デバイス、および第2の周辺デバイスに直流(DC)電力を印加することを含む。ブロック501において、プロセス500は、プロセス400のブロック401-404に関して説明されたのと実質的に同様の動作を含む。 例えば、ホストデバイス260は、電力コンバータ317に計測ユニット220に電力を供給させ、電力コンバータ318aに周辺デバイス230aに電力を供給させ、電力コンバータ318nに周辺デバイス230nに電力を供給させる。
【0037】
ブロック502において、プロセス500は、故障を検出することを含む。ブロック502において、プロセス500は、プロセス400のブロック405に関して説明されたのと実質的に同様の動作を含む。例えば、ホストデバイス260は、初期電圧監視信号316が範囲外であることを検出する。範囲の例は、予想される12Vの初期電圧に対して10V-12Vである。ホストデバイス260は、電力コンバータ317に、計測ユニット220への電力を維持させる。
【0038】
ブロック503において、プロセス500は、ある時間が経過したことを判定し、第2の周辺デバイスを非活性化状態に維持しながら第1の周辺デバイスを再活性化することを含む。ホストデバイス260は、電力を再活性化する前に、障害が潜在的にそれ自体を修正することを可能にするために、ある時間待機する。ホストデバイス260は、次に、電力コンバータ318aに電圧311aを周辺デバイス230aに再活性化させるために制御信号262aを発行する。ホストデバイス260は、電力コンバータ318nに周辺デバイス230nを非活性化状態に維持させる。
【0039】
ブロック504において、プロセス500は、初期の直流(DC)電圧が電圧範囲外で減少したことを判定し、第1の周辺デバイスを無効にすることを含む。ホストデバイス260は、初期電圧監視信号316を受信し、初期電圧監視信号316が2回目の範囲外であると判定する。ホストデバイス260は、この第2の障害が検出された後、周辺デバイス230aを無効にする。他の態様では、ホストデバイス260は、周辺デバイスをオンラインに戻すために、その周辺デバイスを無効にする前に3回以上試みることができる。場合によっては、ホストデバイス260は、故障を永久的なものとして記憶し、メータを修理することができるまで周辺デバイス230aへの電力供給を無効にすることができる。
【0040】
ブロック505において、プロセス500は、第2の周辺デバイスを再活性化することを含む。例えば、ホストデバイス260は、周辺デバイス230nへの電圧311nを再活性化するために制御信号262nを発行する。
【0041】
いくつかの場合において、異なる周辺デバイス230a-nは、異なる優先順位を有し得る。例えば、WiFiデバイスは、無線機よりも高い優先順位を有し得る。その場合、障害後、ホストデバイス260は、無線を再活性化することを試みる前に、WiFiデバイスを再活性化することを試みる。
【0042】
障害の後、または回復プロセスの任意の時点で、ホストデバイス260によって様々なアクションが実行され得る。例えば、ホストデバイス260は、外部デバイスにメッセージを送信するか、または不揮発性メモリに障害または回復を記録することができる。例えば、両方のデバイスを正常に再活性化した後、電力コンバータ318a-nのすべてを有効化しても過電流が再表示されない場合、そのイベントをログに記録することが可能である。他の場合、プロセッサは、誤動作の時間および起源(例えば、どの周辺デバイスか)を記録し、次に、この情報を電力会社などの外部エンティティに伝達することができる。
【0043】
さらに、ホストデバイス260は、メータ自体への電力供給(例えば、入線電圧)に障害があるかどうかを検出し、それに応じて行動を起こすこともできる。例えば、ACライン電圧がラインサイクルの閾値数内で範囲外に落ちる場合、ホストデバイス260は、すべての重要な情報が不揮発性メモリに保存されるまで、システム(例えば、計測ユニット220及び/又は周辺デバイス230a-n)を備えた1つ以上のコンポーネントの動作を維持するために、1つ以上のキャパシタに蓄積されたエネルギーを使用することができる。キャパシタは、初期の電圧331と接地との間に接続することができる。すべての重要な情報が不揮発性メモリに保存されると、ホストデバイス260は、計測機能を停止し、キャパシタ内のエネルギーが枯渇するか、交流(AC)停電が解決されるまで交流(AC)ラインの監視を継続することが可能である。
【0044】
図6は、本開示の一態様に係る、メータホスト機能を実装するための例示的なコンピューティングシステムを示す。コンピューティングデバイス600の描かれた例は、1つ以上のメモリデバイス604に通信可能に結合されたプロセッサ602(例えば、プロセッサ265)を含む。プロセッサ602は、メモリデバイス604に格納されたコンピュータ実行可能なプログラムコード630(例えば、フォールトトレラント電力機能を実装するコード)を実行し、メモリデバイス604に格納されたデータ620(例えば、計測データまたは故障データ)、またはその両方をアクセスする。プロセッサ602の例は、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、または他の任意の適切な処理デバイスを含む。プロセッサ602は、単一の処理装置を含む、任意の数の処理装置又はコアを含むことができる。コンピューティングデバイスの機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせで実装され得る。
【0045】
メモリデバイス604は、データ、プログラムコード、またはその両方を格納するための任意の適切な非一過性のコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、プロセッサにコンピュータ可読命令又は他のプログラムコードを提供することができる任意の電子、光学、磁気、又は他のストレージデバイスを含むことができる。コンピュータ可読媒体の非限定的な例としては、フラッシュメモリ、ROM、RAM、ASIC、または処理装置が命令を読み出すことができる他の任意の媒体が挙げられる。命令は、例えば、C、C++、C#、Visual Basic、Java、またはスクリプト言語を含む任意の適切なコンピュータプログラミング言語で書かれたコードからコンパイラまたはインタプリタによって生成されたプロセッサ固有の命令を含んでもよい。コンピューティングデバイス600は、プロセッサ602を構成するプログラムコード430を実行し、本明細書に記載される動作のうちの1つ以上を実行する。例えば、プログラムコード430は、プロセッサに
図6に記載される動作を実行させる。
【0046】
コンピューティングデバイス600は、入力デバイスまたは出力デバイスなどの多数の外部デバイスまたは内部デバイスを含むこともできる。例えば、コンピューティングデバイス600は、インターフェース646を備えて示されている。インターフェース646は、入力デバイスから入力を受け取り、または出力デバイスに出力を提供することができる。1つ以上のバス606も、コンピューティングデバイス600に含まれる。バス606は、コンピューティングデバイス600のそれぞれの1つのコンポーネントまたは複数のコンポーネントを通信可能に結合している。
【0047】
一般的考慮事項
【0048】
本主題は、その特定の態様に関して詳細に説明されてきたが、当業者は、前述の理解を得た時点で、そのような態様に対する変更、変形、および同等物を容易に作り出すことができることが理解されるであろう。したがって、本開示は、限定ではなく例示の目的で提示されており、当業者に容易に明らかになるような本主題に対する変更、変形、および/または追加を含めることを排除するものではないことを理解されたい。