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特許7529802照明デバイスのタイプに応じたセンサデータ処理方法の選択
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】照明デバイスのタイプに応じたセンサデータ処理方法の選択
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/14 20200101AFI20240730BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20240730BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20240730BHJP
   H05B 47/13 20200101ALI20240730BHJP
   H05B 47/12 20200101ALI20240730BHJP
【FI】
H05B47/14
H05B47/165
H05B47/11
H05B47/13
H05B47/12
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022568675
(86)(22)【出願日】2021-04-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 EP2021061355
(87)【国際公開番号】W WO2021228575
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】20174677.3
(32)【優先日】2020-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デ スルイス バルテル マリヌス
(72)【発明者】
【氏名】プロンク ベルナルドゥス ヨハンネス
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-139217(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0014642(US,A1)
【文献】国際公開第2017/153637(WO,A1)
【文献】特表2011-510435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00 - 39/10
H05B 45/00 - 45/58
H05B 47/00 - 47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明デバイスへの挿入又は統合のためのセンサモジュールであって、当該センサモジュールは、
照明デバイスの異なるタイプに関連する処理方法を記憶するように構成されるメモリと、
少なくとも1つのセンサと、
少なくとも1つの出力インターフェースと、
当該センサモジュールが前記照明デバイスに挿入又は統合される場合に照明デバイス情報を得、前記照明デバイス情報は、前記照明デバイスのタイプを示す、
前記メモリに前記照明デバイス情報を記憶する、
前記メモリに記憶される前記処理方法から、前記照明デバイスの前記タイプに応じて処理方法を選択する、
前記少なくとも1つのセンサからセンサデータを得る、
センシング結果を生成するために前記センサデータに前記選択された処理方法を適用する、及び
前記少なくとも1つの出力インターフェースを介して前記センシング結果を出力する、
ように構成される少なくとも1つのプロセッサと、
を含む、センサモジュール。
【請求項2】
前記照明デバイスの前記タイプは、前記照明デバイスを介して及び/又は前記照明デバイスの環境を介して前記少なくとも1つのセンサにより受信される信号の伝搬に影響を与える前記照明デバイスの特性を示し、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記特性に基づいて前記処理方法を選択するように構成される、請求項1に記載のセンサモジュール。
【請求項3】
前記タイプは、前記照明デバイスが取り付けられる又は置かれるべき表面をモデル識別子を含み、及び/又はモデルグループ識別子を含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記表面、前記モデル識別子及び/又は前記モデルグループ識別子に基づいて前記処理方法を選択するように構成される、請求項1又は2に記載のセンサモジュール。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記照明デバイスの前記タイプが第1の値を有する場合、第1の処理方法を選択し、前記照明デバイスの前記タイプが第2の値を有する場合、第2の処理方法を選択するように構成される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセンサモジュール。
【請求項5】
前記第1の処理方法及び前記第2の処理方法は、異なるパラメータ値を使用し、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記センサデータに前記異なるパラメータ値を適用するように構成される、請求項4に記載のセンサモジュール。
【請求項6】
前記異なるパラメータ値は、異なる閾値を含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記センサデータに前記異なる閾値を適用するように構成される、請求項5に記載のセンサモジュール。
【請求項7】
前記第1の処理方法及び前記第2の処理方法は、異なるアルゴリズムを使用する、請求項4乃至6のいずれか一項に記載のセンサモジュール。
【請求項8】
前記第1の処理方法及び前記第2の処理方法は、前記センサデータの異なる部分を使用し、前記異なる部分は、異なるセンサから得られる、請求項4乃至7のいずれか一項に記載のセンサモジュール。
【請求項9】
前記少なくとも1つのセンサは、光センサ、温度センサ、音響センサ、赤外線センサ、モーションセンサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、及び/又はマイクロ波センサを含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のセンサモジュール。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記照明デバイスから、ユーザデバイスから、又はサーバから前記照明デバイス情報を得るように構成される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のセンサモジュール。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサは、学習フェーズにおいて前記少なくとも1つのセンサからさらなるセンサデータを得る、前記さらなるセンサデータと参照データとを比較する、及び、前記比較に基づいて前記照明デバイス情報を決定するように構成される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のセンサモジュール。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらなる情報を受ける、及び、前記さらなる情報にさらに基づいて前記処理方法を選択するように構成され、前記さらなる情報は、センシング要件に関するユーザ入力、前記照明デバイスの環境に関する情報、及び/又は前記照明デバイスが設置されている空間に関する情報を含む、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のセンサモジュール。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載のセンサモジュールを含む、照明デバイス。
【請求項14】
センシング結果を生成する方法であって、当該方法は、
センサモジュールが照明デバイスに挿入又は統合される場合に前記センサモジュールにおいて照明デバイス情報を得ることであって、前記照明デバイス情報は、前記照明デバイスのタイプを示す、ことと、
前記センサモジュールのメモリに前記照明デバイス情報を記憶することであって、前記メモリは、照明デバイスの異なるタイプに関連する処理方法を記憶する、ことと、
前記メモリに記憶される前記処理方法から、前記照明デバイスの前記タイプに応じて処理方法を選択することと、
前記センサモジュールに含まれる少なくとも1つのセンサからセンサデータを得ることと、
センシング結果を生成するために前記センサデータに前記選択された処理方法を適用することと、
前記センシング結果を出力することと、
を含む、方法。
【請求項15】
少なくとも1つのソフトウェアコード部分を含むコンピュータプログラム若しくはコンピュータプログラム一式又は前記コンピュータプログラム若しくはコンピュータプログラム一式を記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記ソフトウェアコード部分は、コンピュータシステム上で実行された場合、請求項14に記載の方法を実行するために構成され、前記コンピュータシステムは、メモリ、少なくとも1つのセンサ、少なくとも1つの出力インターフェース及び少なくとも1つのプロセッサを含む、コンピュータプログラム若しくはコンピュータプログラム一式又はコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明デバイスへの挿入又は統合のためのセンサモジュール、及びこのようなセンサモジュールを含む照明デバイスに関する。
【0002】
本発明はさらに、センシング結果を生成する方法に関する。
【0003】
本発明はまた、コンピュータシステムがこのような方法を実行することを可能にするコンピュータプログラムプロダクトに関する。
【背景技術】
【0004】
センサは、住宅、オフィス及びその他の建物をよりスマートにする場合に重要なコンポーネントである。例えば、存在センサが、ライトを自動的にオン及びオフするために用いられてもよく、光センサが、ブラインドを自動的に開く及び閉じるために用いられてもよい。照明デバイスにセンサを統合することが知られている。例えば、WO 2009/090601 A1は、照明器具の光素子の特性を検出する及びあるセットポイントを達成するために必要な光補正を計算するために温度センサ及び色センサを照明器具に組み込むことを開示している。
【0005】
US 2019/0014642 A1は、ランプボディ及び制御モジュールを含むウォールランプを開示している。制御モジュールは、制御モジュールの2つの異なる側にそれぞれ配置される制御ユニット及び動作パラメータ調整要素を有する。カバーは、制御モジュールを部分的に覆うように設計されている。制御モジュールは、中心軸に対してそれぞれ第1の角度位置及び第2の角度位置に回転可能である。制御モジュールが第1の角度位置に回転される場合、動作パラメータ調整要素は背後に隠され、ウォールランプは照明機能を実行することができる。制御モジュールが第2の角度位置に回転される場合、動作パラメータ調整要素は、調整可能であるように露出される。
【0006】
しかしながら、照明器具へのセンサの統合は、照明デバイス自体を制御することだけに有益なのではない。照明インフラストラクチャは、建物におけるインターネットオブシングスの展開(Internet of Things roll-out)のためのキャリアの役割を果たす独特の位置にあり、照明器具は、さまざまなセンサをホストするための空間及び電力を提供する。照明器具にセンサを組み込む不利な点は、センサが、該センサが組み込まれる特定の照明器具に対して較正される必要があることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の第1の目的は、広範囲の照明デバイスに統合される又は挿入されることができる、センサモジュールを提供することである。
【0008】
本発明の第2の目的は、センサモジュールが、広範囲の照明デバイスに統合される又は挿入されることを可能にする、方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様において、照明デバイスへの挿入(insertion)又は統合(integration)のためのセンサモジュールは、照明デバイスの異なるタイプに関連する処理方法を記憶するように構成されるメモリと、少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つの出力インターフェースと、当該センサモジュールが前記照明デバイスに挿入又は統合される場合に照明デバイス情報を得、前記照明デバイス情報は、前記照明デバイスのタイプを示す、前記メモリに前記照明デバイス情報を記憶する、前記メモリに記憶される前記処理方法から、前記照明デバイスの前記タイプに応じて処理方法を選択する、前記少なくとも1つのセンサからセンサデータを得る、センシング結果を生成するために前記センサデータに前記選択された処理方法を適用する、及び、前記少なくとも1つの出力インターフェースを介して前記センシング結果を出力するように構成される少なくとも1つのプロセッサとを含む。
【0010】
照明デバイスのタイプに応じて処理方法を選択する、照明デバイスへの挿入又は統合のためのセンサモジュールを提供することにより、センサモジュールは、最適に機能しながら、広範囲の照明デバイスに統合又は挿入されることができる。例えば、照明デバイスは、自身のタイプ又は仕様をセンサモジュールに提供してもよく、これに基づいて、センサモジュールは、センサ処理を調整してもよい。センサモジュールは、製造プロセス中に統合されてもよく、又は、例えば、センサモジュールをコネクタに取り付ける及び/又は照明デバイスのドッキング要素にセンサモジュールを置くことにより、後の段階で照明デバイスに挿入されてもよい。照明デバイスのこのような取り付け手段は、センサモジュールに機械的支持、電力、及びデータ接続を提供してもよい。
【0011】
前記照明デバイスの前記タイプは、前記照明デバイスを介して及び/又は前記照明デバイスの環境を介して前記少なくとも1つのセンサにより受信される信号の伝搬に影響を与える前記照明デバイスの特性を示してもよく、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記特性に基づいて前記処理方法を選択するように構成されてもよい。例えば、前記照明デバイスのタイプは、前記照明デバイスのレイアウト、フォームファクタ、音反射/吸収特性、材料、センサ統合及び/又は構造を示してもよい。
【0012】
異なる照明器具タイプは各々、受信されるセンサ信号に影響を及ぼす固有の物理的特性を有する。例えば、照明器具の特定のレイアウト、フォームファクタ及び材料は、熱センサによって測定される温度に影響を及ぼし、特定の測定補償が、環境温度を評価するために必要になる場合がある。
【0013】
同様に、マイクロフォンによって検出される音信号は、照明器具の音反射/吸収特性によって影響を受ける可能性がある。マイクロ波センサ等の検出デバイスの電界特性、信号強度及び指向性は、照明器具の材料選択、センサ統合及び構造によって影響を受ける可能性がある。照明デバイスがディフューザを含む場合、典型的には、センサがディフューザの前方にあるか後方にあるかの違いが生じる。
【0014】
前記タイプは、前記照明デバイスが取り付けられる又は置かれるべき表面、例えば、天井、システム天井の凹部、壁又は床を記述し、並びに/又はモデル識別子(例えば、「Philips Hue Struana」等のモデル名、915005493901等のモデル番号又はシリアル番号)及び/若しくはモデルグループ識別子(例えば、「Philips Living Colors」)を含んでもよく、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記表面、前記モデル識別子及び/又は前記モデルグループ識別子に基づいて前記処理方法を選択するように構成されてもよい。
【0015】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記照明デバイスの前記タイプが第1の値を有する場合、第1の処理方法を選択し、前記照明デバイスの前記タイプが第2の値を有する場合、第2の処理方法を選択するように構成されてもよい。例えば、前記第1の処理方法及び前記第2の処理方法は、異なるパラメータ(例えば、閾)値、異なるアルゴリズム、及び/又は前記センサデータの異なる部分を使用してもよい。前記センサデータの前記異なる部分は、異なるセンサから得られる。
【0016】
前記少なくとも1つのセンサは、光センサ、温度センサ、音響センサ、赤外線センサ、モーションセンサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、及び/又はマイクロ波センサを含んでもよい。例えば、センサモジュールが加速度計、ジャイロスコープ、及び/又は磁力計を含む場合、照明デバイスの向きを決める処理方法が(照明デバイスタイプに基づいて)選択されてもよい。センサモジュールが照明デバイスに1つの向きでしか挿入又は統合されることができない場合、照明デバイスの向きは、選択された処理方法を加速度計、ジャイロスコープ、及び/又は磁力計センサデータに適用することによって決められてもよい。
【0017】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記照明デバイスから、ユーザデバイスから、又はサーバから前記照明デバイス情報を得るように構成されてもよい。斯くして、照明デバイス情報は、照明デバイスからセンサモジュールに直接共有されてもよく、又は、設置及びコミッショニング情報を含むサーバ等、他のデバイスからセンサモジュールに共有されてもよい。
【0018】
前記少なくとも1つのプロセッサは、学習フェーズにおいて前記少なくとも1つのセンサからさらなるセンサデータを得る、前記さらなるセンサデータと参照データとを比較する、及び、前記比較に基づいて前記照明デバイス情報を決定するように構成されてもよい。斯くして、照明デバイス情報は、例えば、照明デバイスを接続する又はコミッショニングする際に照明デバイスから自動的に受信されるだけでなく、追加的又は代替的に、(初期学習フェーズ中に)収集されたセンサデータ(captured sensor data)に基づいて学習されてもよい。後者は、(エアフロー、隔離(isolation)、材料を含む、天井のタイプ等)建物における照明器具の統合の影響が考慮されることを可能にし得る。
【0019】
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらなる情報を受ける、及び、前記さらなる情報にさらに基づいて前記処理方法を選択するように構成されてもよく、前記さらなる情報は、センシング要件に関するユーザ入力、前記照明デバイスの環境に関する情報、及び/又は前記照明デバイスが設置されている空間に関する情報を含んでもよい。例えば、照明デバイスは、部屋若しくはアプリケーションタイプ、又は部屋内の照明デバイスの位置(例えば、窓の近く、又はコンクリート壁の近く)を示すコミッショニング/コンフィギュレーション仕様を共有してもよく、センサモジュールは、この部屋、アプリケーションタイプ又は位置に最適な処理方法を選択してもよい。このような情報は、建物、設置及び/又はコミッショニング情報を含むサーバによって共有されてもよい。
【0020】
本発明の第2の態様において、センシング結果を生成する方法は、センサモジュールが照明デバイスに挿入又は統合される場合に前記センサモジュールにおいて照明デバイス情報を得ることであって、前記照明デバイス情報は、前記照明デバイスのタイプを示す、ことと、前記センサモジュールのメモリに前記照明デバイス情報を記憶することであって、前記メモリは、照明デバイスの異なるタイプに関連する処理方法を記憶する、ことと、前記メモリに記憶される前記処理方法から、前記照明デバイスの前記タイプに応じて処理方法を選択することと、前記センサモジュールに含まれる少なくとも1つのセンサからセンサデータを得ることと、センシング結果を生成するために前記センサデータに前記選択された処理方法を適用することと、前記センシング結果を出力することとを含む。当該方法は、プログラマブルデバイスで実行されるソフトウェアによって実行されてもよい。このソフトウェアは、コンピュータプログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0021】
さらに、本明細書で説明される方法を実践するためのコンピュータプログラム、並びに、そのコンピュータプログラムを記憶している非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータプログラムは、例えば、既存のデバイスによってダウンロードされるか、又は、既存のデバイスにアップロードされてもよく、あるいは、これらのシステムの製造時に記憶されてもよい。
【0022】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つのソフトウェアコード部分を記憶し、ソフトウェアコード部分は、コンピュータによって実行又は処理されると、センシング結果を生成するための実行可能オペレーションを実行するように構成される。
【0023】
実行可能オペレーションは、センサモジュールが照明デバイスに挿入又は統合される場合に前記センサモジュールにおいて照明デバイス情報を得ることであって、前記照明デバイス情報は、前記照明デバイスのタイプを示す、ことと、前記センサモジュールのメモリに前記照明デバイス情報を記憶することと、前記照明デバイスの前記タイプに応じて処理方法を選択することと、前記センサモジュールに含まれる少なくとも1つのセンサからセンサデータを得ることと、センシング結果を生成するために前記センサデータに前記選択された処理方法を適用することと、前記センシング結果を出力することとを含む。
【0024】
当業者には理解されるように、本発明の諸態様は、デバイス、方法、又はコンピュータプログラムプロダクトとして具現化されてもよい。したがって、本発明の諸態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、あるいは、ソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせた実施形態の形態を取ってもよく、それらは全て、本明細書では「回路」、「モジュール」、又は「システム」と総称されてもよい。本開示で説明される機能は、コンピュータのプロセッサ/マイクロプロセッサによって実行される、アルゴリズムとして実装されてもよい。さらには、本発明の諸態様は、1つ以上のコンピュータ可読媒体として具現化されている、コンピュータプログラムプロダクトの形態を取ってもよく、1つ以上のコンピュータ可読媒体は、その上に具現化されている、例えば記憶されている、コンピュータ可読プログラムコードを有する。
【0025】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが、利用されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定するものではないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体の、システム、装置、若しくはデバイス、あるいは、上述の任意の好適な組み合わせであってもよい。より具体的なコンピュータ可読記憶媒体の例としては、限定するものではないが、1つ以上のワイヤを有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(random access memory;RAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory;ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read-only memory;EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(portable compact disc read-only memory;CD-ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は上述の任意の好適な組み合わせを挙げることができる。本発明の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はそれらに関連して使用するためのプログラムを含むか、又は記憶することが可能な、任意の有形媒体であってもよい。
【0026】
コンピュータ可読信号媒体としては、例えばベースバンド内又は搬送波の一部として、その内部に具現化されているコンピュータ可読プログラムコードを有する、伝搬データ信号を挙げることができる。そのような伝搬信号は、限定するものではないが、電磁気、光学、又はこれらの任意の好適な組み合わせを含めた、様々な形態のうちのいずれを取ってもよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はそれらに関連して使用するためのプログラムを、通信、伝搬、又は伝送することが可能な、任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0027】
コンピュータ可読媒体上に具現化されているプログラムコードは、限定するものではないが、無線、有線、光ファイバ、ケーブル、RF等、又は上述の任意の好適な組み合わせを含めた、任意の適切な媒体を使用して送信されてもよい。本発明の諸態様に関する動作を実施するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk(登録商標)、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語、及び、「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語等の従来の手続き型プログラミング言語を含めた、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書き込まれてもよい。このプログラムコードは、スタンドアロン型ソフトウェアパッケージとして、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で実行されてもよく、部分的にユーザのコンピュータ上かつ部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ若しくはサーバ上で実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(local area network;LAN)若しくは広域ネットワーク(wide area network;WAN)を含めた任意のタイプのネットワークを通じて、ユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は、この接続は、外部コンピュータに対して(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)実施されてもよい。
【0028】
本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラムプロダクトの、フローチャート図及び/又はブロック図を参照して、本発明の諸態様が以下で説明される。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びに、フローチャート図及び/又はブロック図内のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装されることができる点が理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、マシンを作り出すために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置の、プロセッサ、特にマイクロプロセッサ又は中央処理ユニット(central processing unit;CPU)に提供されてもよく、それにより、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスのプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック内で指定されている機能/行為を実施するための手段を作り出す。
【0029】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスに、特定の方式で機能するように指示することが可能な、コンピュータ可読媒体内に記憶されてもよく、それにより、コンピュータ可読媒体内に記憶されている命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック内で指定されている機能/行為を実施する命令を含む、プロダクトを作り出す。
【0030】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ実施プロセスを作り出すために、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上にロードされて、それらのコンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させてもよく、それにより、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック内で指定されている機能/行為を実施するためのプロセスを提供する。
【0031】
図におけるフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態によるデバイス、方法、及びコンピュータプログラムプロダクトの可能な実装の、アーキテクチャ、機能性、及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図内の各ブロックは、指定されている論理関数を実施するための1つ以上の実行可能命令を含む、コードのモジュール、セグメント、又は部分を表してもよい。また、一部の代替的実装形態では、ブロック内に記されている機能は、それらの図に記されている順序と異なる順序で行われてもよい点にも留意されたい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、又は、それらのブロックは、関与している機能性に応じて、逆の順序で実行される場合があってもよい。また、ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、並びに、それらブロック図及び/又はフローチャート図内のブロックの組み合わせは、指定されている機能若しくは行為を実行する専用ハードウェアベースのシステム、又は、専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実施されることができる点にも留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下の図面から明らかであり、例として、それらの図面を参照してさらに解明されるであろう。
図1】センサモジュールの第1の実施形態のブロック図である。
図2】センサモジュールの第2の実施形態のブロック図である。
図3】照明デバイスの第1の実施形態のブロック図である。
図4】照明デバイスの第2の実施形態のブロック図である。
図5】照明デバイスの第3の実施形態のブロック図である。
図6】方法の第1の実施形態のフロー図である。
図7】方法の第2の実施形態のフロー図である。
図8】方法の第3の実施形態のフロー図である。
図9】本発明の方法を実行するための例示的なデータ処理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面中の対応する要素は、同じ参照番号によって示される。
【0034】
図1は、照明デバイスへの挿入又は統合のためのセンサモジュールの第1の実施形態、センサモジュール1を示している。センサモジュール1は、トランシーバ4、プロセッサ5、メモリ7、電源コネクタ8、及びセンサ9を含む。図1の実施形態において、センサモジュール1は、1つのセンサのみを含む。代替的な実施形態では、センサモジュールは、複数のセンサを含む。センサ9は、例えば、光センサ、温度センサ、音響センサ、赤外線センサ、モーションセンサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、又はマイクロ波センサであってもよい。
【0035】
プロセッサ5は、センサモジュール1が照明デバイスに挿入又は統合される場合に照明デバイス情報を得る、及び、メモリ7に照明デバイス情報を記憶するように構成される。照明デバイス情報は、照明デバイスのタイプを示す。プロセッサ5はさらに、照明デバイスのタイプに応じて/関連して、照明デバイスの異なるタイプに関連する処理方法を記憶するように構成されてもよい、メモリから処理方法を選択するように構成される。これは、パラメータ化されたアルゴリズムの単純な調整から、必要なセンサ処理アルゴリズムを決定し、サーバからダウンロードすることまで、様々であってよい。
【0036】
温度センサの場合、処理方法は、特定の照明デバイスタイプの光出力レベル設定(及びその経時的な発展(evolution over time))に基づいて温度センサの測定値を補正するために必要な補正曲線及びパラメータを含んでもよい。音響センサの場合、処理方法は、特定の照明デバイスタイプのハウジング(における音の反射等)によって引き起こされる信号の減衰(又は増幅)を補正するために照明器具におけるあらゆる周波数依存性及び共振を考慮した補正曲線又は周波数スペクトル全体にわたる単純な感度補正係数を含んでもよい。
【0037】
マイクロ波及び赤外線センサの場合、処理方法は、異なる照明デバイスによって生じる感度及び電界指向性の違いを補正するために検出閾値を含んでもよい。さらに、利用可能なセンサデータのある部分が、照明デバイスタイプに応じて、例えば、特定のセンサを(非)アクティブにすることによって無視されてもよい。第1の例として、コンパクトなサイズの照明器具では、周囲温度センシングは典型的には信頼性が低く、それゆえ、温度センサは非アクティブにされてもよい。第2の例として、ある照明器具では、ハウジングがマイクロ波センサの働きを妨げ、これらの照明器具に対して、マイクロ波センサは非アクティブにされてもよい。
【0038】
プロセッサ5はさらに、センサ9からセンサデータ、典型的には生のセンサデータを得る、センシング結果を生成するためにセンサデータに選択された処理方法を適用する、及び、センシング結果を出力するように構成される。図1の実施形態において、センシング結果は、(例えば、RF)トランシーバ4を介して出力される。
【0039】
図2は、照明デバイスへの挿入又は統合のためのセンサモジュールの第2の実施形態、センサモジュール11を示している。図1のセンサモジュール1と比較して、センサモジュール11は、第2のセンサ19を含み、トランシーバ4を含まず、電源コネクタ8の代わりに電源及びデータコネクタ18を含む。図2の実施形態において、センシング結果は、トランシーバ4を介する代わりに、電力及びデータコネクタ18を介して出力される。
【0040】
図1及び図2の実施形態において、センサモジュールは、照明デバイスを介して主電源から電力を受けるための電源コネクタを含む。代替的な実施形態では、センサモジュールは、バッテリを含む。図2の第2の実施形態に対する変形例では、バッテリがセンサモジュール11に追加され、電源及びデータコネクタ18がデータコネクタに置き換えられる。
【0041】
図1及び図2に示されるセンサモジュール1及び11の実施形態において、センサモジュールは、1つのプロセッサ5を含む。代替的な実施形態では、センサモジュールは、複数のプロセッサを含む。センサモジュール1及び11のプロセッサ5は、汎用プロセッサ、又は特定用途向けプロセッサであってもよい。メモリ7は、1つ以上のメモリユニットを含んでもよい。メモリ7は、例えば、固体メモリを含んでもよい。
【0042】
センサモジュール1のトランシーバ4は、1つ以上の他のデバイスと通信するために1つ以上のワイヤレス通信技術、例えば、Zigbee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又はWi-Fi(登録商標)を使用してもよい。代替的な実施形態では、単一のレシーバ及び単一のトランスミッタの代わりに、複数のレシーバ及び/又は複数のトランスミッタが使用される。図1に示される実施形態において、レシーバ及びトランスミッタは、トランシーバ4に組み合わされている。代替的な実施形態では、別個のレシーバ及び別個のトランスミッタが使用される。
【0043】
センサモジュール1及び11は、センサモジュールに典型的な他の構成要素を含んでもよい。本発明は、1つ以上のプロセッサで動作するコンピュータプログラムを使用して実装されてもよい。
【0044】
図3は、図1のセンサモジュール1が統合されている照明デバイスの第1の実施形態、照明デバイス41を示している。照明デバイス41は、天井に取り付けられている。照明デバイス41は、プロセッサ35、電源ユニット36、及び光要素31を含む。電源ユニット36は、主電源から電力を受け、この電力をセンサモジュール1及び照明デバイス41の他の構成要素に供給する。図3の実施形態において、センサモジュール1は、照明デバイス41に統合されており、仮にそうであるとしても、照明デバイス41のカバー/ディフューザを取り外すことなく取り外されることはできない。
【0045】
図3の例では、センサモジュール1は、サーバ49から照明デバイス情報を得、サーバ49にセンシング結果を出力する。センサモジュール1は、例えば、Bluetooth(登録商標)又はWiFi(登録商標) Direct技術を使用して、サーバ49と直接通信してもよく、又は、他のデバイス、例えば、ワイヤレスLANアクセスポイントを介して通信してもよい。
【0046】
図4は、図1のセンサモジュール1が挿入されている照明デバイスの第2の実施形態、照明デバイス51を示している。照明デバイス51も、天井に取り付けられている。照明デバイス51は、プロセッサ35、電源ユニット36、及び光要素31、32を含む。図4の実施形態において、センサモジュール1は、照明デバイス51に挿入されており、カバーを取り外すことなく取り外されることができる。
【0047】
図4の例では、センサモジュール1は、ユーザデバイス59、例えば、モバイルフォンから照明デバイス情報を得、サーバ49にセンシング結果を出力する。センサモジュール1は、例えば、Bluetooth(登録商標)又はWiFi(登録商標) Direct技術を使用して、ユーザデバイス59と直接通信してもよく、又は、他のデバイス、例えば、ワイヤレスLANアクセスポイントを介して通信してもよい。
【0048】
図5は、図1のセンサモジュール1が挿入されている照明デバイスの第3の実施形態、照明デバイス61を示している。照明デバイス61は、システム天井の凹部に設置されている。照明デバイス61は、トランシーバ34、プロセッサ35、電源ユニット36、メモリ37、及び光要素31~33を含む。図5の実施形態において、センサモジュール1は、照明デバイス61に挿入されており、カバーを取り外すことなく取り外されることができる。
【0049】
図5の例では、センサモジュール1は、照明デバイス61から照明デバイス情報を得(照明デバイス61は、メモリ37にこの情報を記憶している)、照明デバイス61にセンシング結果を出力する。照明デバイス61は、センシング結果を他のデバイスに送信するためにトランシーバ34を使用してもよい。ユーザデバイス、例えば、図4のユーザデバイス59は、例えば、光要素をオン若しくはオフにするために、又は、光設定、例えば、色及び/若しくは光出力レベルを制御するために、照明デバイス61と通信することができてもよい。
【0050】
図1の実施形態において、センサモジュール1は、ユーザデバイスから、サーバから、又は自身が挿入又は統合されている照明デバイスから照明デバイス情報を得ることが可能である。どのデバイスから照明デバイス情報が得られるかは、例えば、照明デバイスをコミッショニングする前又はコミッショニングする際にセンサモジュールにおいてコンフィギュレーションされてもよい。代替的な実施形態では、センサモジュールは、これらのデバイスのうちの1つ又は2つからのみ照明デバイス情報を得ることが可能である。
【0051】
図1及び図2の実施形態において、センサモジュールは、照明デバイス情報を決定するために、他のデバイスから受ける情報に完全に依存する。代替的な実施形態では、センサモジュールのプロセッサは、学習フェーズにおいて(複数の)センサからさらなるセンサデータを得る、さらなるセンサデータと参照データとを比較する、及び、比較に基づいて照明デバイス情報を決定するように構成される。
【0052】
図3図5に示される照明デバイス41、51及び61の実施形態では、照明デバイスは、1つのプロセッサ35を含む。代替的な実施形態では、照明デバイスは、複数のプロセッサを含む。照明デバイス41、51及び61のプロセッサ35は、汎用プロセッサ、又は特定用途向けプロセッサであってもよい。光要素31~33は、例えば、LED、例えば、直接発光又は蛍光体変換LEDであってもよい。メモリ37は、1つ以上のメモリユニットを含んでもよい。メモリ37は、例えば、固体メモリを含んでもよい。
【0053】
照明デバイス61のトランシーバ34は、1つ以上の他のデバイスと通信するために1つ以上のワイヤレス通信技術、例えば、Zigbee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又はWi-Fi(登録商標)を使用してもよい。代替的な実施形態では、単一のレシーバ及び単一のトランスミッタの代わりに、複数のレシーバ及び/又は複数のトランスミッタが使用される。図5に示される実施形態において、レシーバ及びトランスミッタは、トランシーバ34に組み合わされている。代替的な実施形態では、別個のレシーバ及び別個のトランスミッタが使用される。
【0054】
照明デバイス41、51及び61は、照明デバイスに典型的な他の構成要素を含んでもよい。本発明は、1つ以上のプロセッサで動作するコンピュータプログラムを使用して実装されてもよい。
【0055】
センシング結果を生成する方法の第1の実施形態が、図6に示されている。ステップ101は、センサモジュールが照明デバイスに挿入又は統合される場合にセンサモジュールにおいて照明デバイス情報を得ることを含む。照明デバイス情報は、照明デバイスのタイプを示し、典型的には、照明デバイスを介して及び/又は照明デバイスの環境を介して少なくとも1つのセンサにより受信される信号の伝搬に影響を与える照明デバイスの特性を示す。
【0056】
例えば、ステップ101は、センサモジュールが照明デバイスに取り付けられ、照明デバイスと接続され次第実行されてもよい。センサデバイスが照明デバイスに取り付けられ、照明デバイスと接続されている時に、ハンドシェイクが行われてもよく、これにより、照明デバイスは、センサモジュールの存在を検出し、照明デバイスタイプ及び仕様についてセンサモジュールに通知する。
【0057】
代替的に、ユーザは、例えば、センサモジュールをコンフィギュレーションするために使用されることができる、ユーザデバイス、例えば、モバイルデバイス上のアプリを使用して、照明デバイスのタイプ及び目的を明示的に指定する。代替的に、センサモジュールは、照明設置及びコミッショニング情報を記憶する(中央)サーバからネットワークを介して照明デバイス情報を受ける。センサモジュールが照明デバイスに関する明示的な入力を受けない場合、センサモジュールは、照明デバイス情報、例えば、照明デバイスタイプを決定するために、収集されたセンサデータが分析される(任意選択的に、ローカル又はリモートに記憶された参照データと比較される)学習フェーズに入ることができてもよい。
【0058】
照明デバイス情報の他に、部屋の仕様、周囲及びエリアの目的も、照明システム又は照明デバイスによってセンサモジュールに伝えられてもよい。このようにして、センサモジュールは、この入力に対して自身のセンサ処理を最適化してもよい。例えば、センサモジュールは、自身がオフィスにあることを知る場合、机の占有状態を追跡し、ノイズレベルを監視することを試みてもよい。一方、センサモジュールが小売環境の入り口に位置付けられる場合、センサモジュールは、店に出入りする人の数を評価してもよい。
【0059】
ステップ103は、センサモジュールのメモリに照明デバイス情報を記憶することを含む。ステップ105は、ステップ101で決定され、ステップ103で記憶される、照明デバイスのタイプに応じて、斯くして、典型的には特性に基づいて、処理方法を選択することを含む。照明デバイスのタイプが第1の値を有する場合、第1の処理方法が選択され、照明デバイスのタイプが第2の値を有する場合、第2の処理方法が選択される。
【0060】
タイプが、照明デバイスが取り付けられる又は置かれるべき表面を記述する、モデル識別子を含む、及び/又はモデルグループ識別子を含む場合、ステップ105は、表面、モデル識別子及び/又はモデルグループ識別子に基づいて処理方法を選択することを含む。照明デバイス情報は、典型的には、ステップ105の一部として、又はステップ103と105との間に実行される別個のステップ(図示せず)においてメモリから取得される。
【0061】
図6の実施形態では、ステップ105は、ステップ121によって実施される。ステップ121は、照明デバイスのタイプが第1の値を有する場合、第1のパラメータ値を選択する、及び、照明デバイスのタイプが第2の値を有する場合、第2のパラメータ値を選択することを含む。
【0062】
ステップ107は、センサモジュールに含まれる少なくとも1つのセンサからセンサデータ、例えば、生のセンサデータを得ることを含む。ステップ109は、センシング結果を生成するためにセンサデータに選択された処理方法を適用することを含む。ステップ109において、ステップ121で選択されるパラメータ値が、センサデータに適用される。選択されたパラメータ値が閾値を含む場合、この閾値が、センサデータに適用される。ステップ111は、センシング結果を出力することを含む。
【0063】
センシング結果を生成する方法の第2の実施形態が、図7に示されている。第1の実施形態と比較して、この第2の実施形態では、ステップ131が、ステップ103と105との間に実行される。ステップ131は、さらなる情報を受けることを含む。さらなる情報は、センシング要件に関するユーザ入力、照明デバイスの環境に関する情報、及び/又は照明デバイスが設置されている空間に関する情報を含む。
【0064】
例えば、ユーザが、照明デバイスのタイプ及び目的を明示的に指定する場合、例えば、ユーザデバイス上のアプリを使用して、ユーザは、追加的に、センシング要件に関して明示的な入力を提供してもよい。例えば、ユーザは、予め定義されたメニューからセンシングオプション(例えば、存在センシング、アクティビティ検出、音響シーン分析、音声制御、周囲光条件、温度、及び/又は空気品質)を(非)選択してもよい。
【0065】
さらに、図7の実施形態では、ステップ105は、ステップ133によって実施される。ステップ133は、照明デバイスのタイプが第1の値を有する場合、第1のアルゴリズムを選択する、照明デバイスのタイプが第2の値を有し、さらなる情報が第1の値を有する場合、第2のアルゴリズムを選択する、及び、照明デバイスのタイプが第2の値を有し、さらなる情報が第2の値を有する場合、第3のアルゴリズムを選択することを含む。
【0066】
センシング結果を生成する方法の第3の実施形態が、図8に示されている。図8の実施形態において、センサモジュールは複数のセンサを含み、ステップ105はステップ141によって実施される。ステップ141は、照明デバイスのタイプが第1の値を有する場合、得られたセンサデータの第1の部分を選択する、及び、照明デバイスのタイプが第2の値を有する場合、得られたセンサデータの第2の部分を選択することを含む。
【0067】
第1及び第2の部分は、センサの異なるセットから得られる。例えば、第1の部分はセンサAから得られ、第2の部分はセンサBから得られ、又は第1の部分はセンサA及びCから得られ、第2の部分はセンサB及びCから得られる。センサモジュールは、例えば、光センサ、温度センサ、音響センサ、赤外線センサ、モーションセンサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、及び/又はマイクロ波センサを含んでもよい。
【0068】
図6図8の実施形態は、複数の態様において互いに異っている、すなわち、複数のステップが追加又は置換されている。これらの実施形態に対する変形例では、これらのステップのサブセットのみが追加又は置換される、及び/又は、1つ以上のステップが省略される。第1の例として、ステップ131は、図7の実施形態から省略されてもよく、並びに/又は、図6及び/若しくは図8の実施形態に追加されてもよい。第2の例として、ステップ121、133及び141のうちの複数が組み合わされてもよい。
【0069】
図9は、図6図8を参照して述べられたような方法を実行し得る、例示的なデータ処理システムを示すブロック図を示している。
【0070】
図9に示されるように、データ処理システム300は、システムバス306を介してメモリ要素304に結合される、少なくとも1つのプロセッサ302を含んでもよい。それゆえ、データ処理システムは、メモリ要素304内にプログラムコードを記憶してもよい。さらに、プロセッサ302は、システムバス306を介してメモリ要素304からアクセスされるプログラムコードを実行してもよい。一態様では、データ処理システムは、プログラムコードを記憶及び/又は実行するために好適なコンピュータとして実装されてもよい。しかしながら、データ処理システム300は、本明細書内で述べられる機能を実行することが可能な、プロセッサ及びメモリを含む任意のシステムの形態で実装されてもよい点を理解されたい。
【0071】
メモリ要素304は、例えば、ローカルメモリ308及び1つ以上の大容量記憶デバイス310等の、1つ以上の物理メモリデバイスを含んでもよい。ローカルメモリとは、プログラムコードの実際の実行中に一般に使用される、ランダムアクセスメモリ又は他の非永続的メモリデバイスを指してもよい。大容量記憶デバイスは、ハードドライブ又は他の永続的データ記憶デバイスとして実装されてもよい。処理システム300はまた、実行中に大容量記憶デバイス310からプログラムコードが取得されなければならない回数を低減するために、少なくとも一部のプログラムコードの一時記憶を提供する、1つ以上のキャッシュメモリ(図示せず)を含んでもよい。また、処理システム300は、例えば、処理システム300がクラウドコンピューティングプラットフォームの一部である場合、別の処理システムのメモリ要素を使用することができてもよい。
【0072】
入力デバイス312及び出力デバイス314として示される、入出力(I/O:input/output)デバイスが、オプションとして、データ処理システムに結合されることができる。入力デバイスの例としては、限定するものではないが、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、(例えば、ボイス及び/又はスピーチ認識のための)マイク等を挙げることができる。出力デバイスの例としては、限定するものではないが、モニタ又はディスプレイ、スピーカ等を挙げることができる。入力デバイス及び/又は出力デバイスは、直接、又は介在I/Oコントローラを介して、データ処理システムに結合されてもよい。
【0073】
一実施形態では、入力デバイス及び出力デバイスは、複合型入力/出力デバイス(入力デバイス312及び出力デバイス314を取り囲む破線で図9に示されるもの)として実装されてもよい。そのような複合型デバイスの一例は、「タッチスクリーンディスプレイ」又は単に「タッチスクリーン」と称される場合もある、タッチセンシティブディスプレイである。そのような実施形態では、デバイスへの入力は、タッチスクリーンディスプレイ上、又はタッチスクリーンディスプレイの近くでの、例えばスタイラス又はユーザの指等の、物理的実体の移動によって提供されてもよい。
【0074】
ネットワークアダプタ316もまた、データ処理システムに結合されて、介在する私設ネットワーク又は公衆ネットワークを介して、そのデータ処理システムが、他のシステム、コンピュータシステム、リモートネットワークデバイス、及び/又はリモート記憶デバイスに結合されることを可能にしてもよい。ネットワークアダプタは、上述のシステム、デバイス、及び/又はネットワークによってデータ処理システム300に送信されるデータを受信するための、データレシーバと、データ処理システム300から上述のシステム、デバイス、及び/又はネットワークにデータを送信するための、データトランスミッタとを含んでもよい。モデム、ケーブルモデム、及びEthernet(登録商標)カードは、データ処理システム300と共に使用されてもよい、種々のタイプのネットワークアダプタの例である。
【0075】
図9に示されるように、メモリ要素304は、アプリケーション318を記憶してもよい。様々な実施形態では、アプリケーション318は、ローカルメモリ308、1つ以上の大容量記憶デバイス310内に記憶されてもよく、あるいは、それらローカルメモリ及び大容量記憶デバイスとは別個であってもよい。データ処理システム300はさらに、アプリケーション318の実行を容易にすることが可能なオペレーティングシステム(図9には示さず)を実行してもよい点を理解されたい。アプリケーション318は、実行可能プログラムコードの形態で実装されており、データ処理システム300によって、例えばプロセッサ302によって、実行されることができる。アプリケーションの実行に応答して、データ処理システム300は、本明細書で述べられる1つ以上の動作又は方法ステップを実行するように構成されてもよい。
【0076】
図9は、入力デバイス312及び出力デバイス314を、ネットワークアダプタ316とは別個のものとして示している。しかしながら、追加的又は代替的に、入力はネットワークアダプタ316を介して受けられてもよく、出力はネットワークアダプタ316を介して送られてもよい。例えば、データ処理システム300は、クラウドサーバであってもよい。この場合、入力は、端末として機能するユーザデバイスから受けられてもよく、出力は、斯かるユーザデバイスに送られてもよい。
【0077】
本発明の様々な実施形態は、コンピュータシステムと共に使用するためのプログラムプロダクトとして実装されてもよく、このプログラムプロダクトのプログラムは、(本明細書で説明される方法を含めた)実施形態の機能を定義する。一実施形態では、このプログラムは、様々な非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に含まれることができ、本明細書で使用されるとき、「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」という表現は、全てのコンピュータ可読媒体を含むが、唯一の例外は一時的な伝搬信号である。別の実施形態では、このプログラムは、様々な一時的コンピュータ可読記憶媒体上に含まれることができる。例示的なコンピュータ可読記憶媒体としては、限定するものではないが、(i)情報が永続的に記憶される、書き込み不可記憶媒体(例えば、CD-ROMドライブによって読み取り可能なCD-ROMディスク、ROMチップ、又は任意のタイプの不揮発性固体半導体メモリ等の、コンピュータ内部の読み出し専用メモリデバイス)、及び(ii)変更可能な情報が記憶される、書き込み可能記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ、ディスケットドライブ若しくはハードディスクドライブ内部のフロッピーディスク、又は任意のタイプのランダムアクセス固体半導体メモリ)が挙げられる。コンピュータプログラムは、本明細書で述べられるプロセッサ302上で実行されてもよい。
【0078】
本明細書で使用される用語法は、特定の実施形態を説明することのみを目的とするものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうではないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用されるとき、用語「含む」及び/又は「含んでいる」は、記述された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するものであるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在若しくは追加を排除するものではない点が、さらに理解されるであろう。
【0079】
以下の請求項における全てのミーンズプラスファンクション又はステッププラスファンクションの要素の、対応する構造、材料、行為、及び均等物は、具体的に特許請求される他の特許請求要素と組み合わせて機能を実行するための、任意の構造、材料、又は行為を含むことが意図される。本発明の実施形態の説明は、例示を目的として提示されてきたが、網羅的であるか、又は開示された形態の実装形態に限定されることを意図するものではない。本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、多くの修正形態及び変形形態が当業者には明らかとなるであろう。実施形態は、本発明の原理及び一部の実際的応用を最良に説明し、想到される特定の用途に適するような様々な修正を有する様々な実施形態に関して、他の当業者が本発明を理解することを可能にするために、選択及び説明されるものとした。
図1
図2
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図5
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図7
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図9