IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東邦瓦斯株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-液状異物除去装置 図1
  • 特許-液状異物除去装置 図2
  • 特許-液状異物除去装置 図3
  • 特許-液状異物除去装置 図4
  • 特許-液状異物除去装置 図5
  • 特許-液状異物除去装置 図6
  • 特許-液状異物除去装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】液状異物除去装置
(51)【国際特許分類】
   B04C 3/06 20060101AFI20240730BHJP
   B04C 9/00 20060101ALI20240730BHJP
   B01D 45/12 20060101ALI20240730BHJP
   C10L 3/10 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B04C3/06
B04C9/00
B01D45/12
C10L3/10
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023032637
(22)【出願日】2023-03-03
(65)【公開番号】P2024018903
(43)【公開日】2024-02-08
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】P 2022119643
(32)【優先日】2022-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000221834
【氏名又は名称】東邦瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 修一
(72)【発明者】
【氏名】岡本 望
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 和男
(72)【発明者】
【氏名】天野 志保
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-297982(JP,A)
【文献】特開2016-070628(JP,A)
【文献】特開2016-159242(JP,A)
【文献】特表2017-512121(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0088615(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B04C 3/06
B04C 9/00
B01D 45/12
C10L 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造ガスに混入した液状異物を除去する液状異物除去装置であって、
中心軸線が上下方向に向けられた、縦置き形状の円筒状容器と、
前記円筒状容器の円筒部の下側位置に設けられたガス入口と、
前記円筒状容器の上部に設けられたガス出口と、
前記円筒状容器の下部に設けられた液状異物排出口と、
前記ガス入口から前記円筒状容器内に突出して設けられ、前記ガス入口に流入する前記製造ガスを、前記円筒状容器の内壁面を旋回するよう噴出させるガス吹出しノズルと、を備え、
前記ガス吹出しノズルから噴出される前記製造ガスが、前記内壁面に接触して旋回しながら上昇し、前記ガス出口に排出される際に、前記内壁面に付着する液状異物が前記内壁面を下降して前記液状異物排出口に排出されるよう構成されており、
前記ガス吹出しノズルは、前記円筒状容器の円筒部に溶接された筒部材によって構成されており、
前記ガス吹出しノズルの噴出口は、前記筒部材の側壁部において開口された側壁開口部によって形成されており、
前記筒部材の先端部には、前記筒部材の中心軸線に対して傾斜して前記筒部材の先端を閉じる傾斜板が設けられており、
前記側壁開口部は、前記傾斜板に傾斜して対向する位置に形成されている、液状異物除去装置。
【請求項2】
前記側壁開口部は、斜め上方に向けて開口されている、請求項に記載の液状異物除去装置。
【請求項3】
前記円筒状容器の前記上部及び前記下部は、全半球形状、円すい形状、半だ円形状又は皿形状の端部として形成されており、
前記ガス出口は、前記上部において、前記全半球形状、円すい形状、半だ円形状又は皿形状の端部の頂点部に形成されており、
前記液状異物排出口は、前記下部において、前記全半球形状、円すい形状、半だ円形状又は皿形状の端部の頂点部に形成されている、請求項1または請求項2に記載の液状異物除去装置。
【請求項4】
前記円筒状容器の前記下部は、前記半だ円形状又は皿形状の端部として形成されており、
前記液状異物排出口は、前記下部において、前記半だ円形状又は皿形状の端部の頂点部に形成されており、
前記液状異物排出口の上方に、前記ガス吹出しノズルから噴出された後に下方に向かって流れて前記半だ円形状又は皿形状の端部にて反射した前記製造ガスの乱れを整流する整流部材が設けられている、請求項1または請求項2に記載の液状異物除去装置。
【請求項5】
前記整流部材は、上方に向かって窄まるテーパ状部を有する、請求項に記載の液状異物除去装置。
【請求項6】
前記半だ円形状又は皿形状の端部の頂点部を高さの基準点としたとき、前記整流部材の先端部の高さは、前記ガス入口の最下部の高さよりも低い、請求項に記載の液状異物除去装置。
【請求項7】
前記整流部材は、小開口と前記小開口よりも大径の大開口と備え、かつ、前記小開口および前記大開口が同心に配置された筒状の第1のレジューサ部材を含んで構成されており、
前記第1のレジューサ部材は、前記小開口側を上方、前記大開口側を下方にして配置されている、請求項に記載の液状異物除去装置。
【請求項8】
前記ガス入口には、天然ガスに、液状異物を含む液化石油ガスが混合されて、前記天然ガスの熱量を調整する増熱器が接続されており、
前記液状異物排出口には、前記円筒状容器よりも下方に位置する状態で、前記円筒状容器内の液状異物を排出するための排出容器が接続されており、
前記円筒状容器の前記液状異物排出口と前記排出容器の上部との間には、前記円筒状容器内に液状異物を溜めるための閉位置と、前記円筒状容器内の液状異物を前記排出容器内に排出するための開位置とに切り換え可能な第1バルブが配置されており、
前記排出容器の下部には、前記排出容器内に液状異物を溜めるための閉位置と、前記排出容器内の液状異物を排出するための開位置とに切り換え可能な第2バルブが配置されている、請求項1または請求項2に記載の液状異物除去装置。
【請求項9】
製造ガスに混入した液状異物を除去する液状異物除去装置であって、
中心軸線が上下方向に向けられた、縦置き形状の円筒状容器と、
前記円筒状容器の円筒部の下側位置に設けられたガス入口と、
前記円筒状容器の上部に設けられたガス出口と、
前記円筒状容器の下部に設けられた液状異物排出口と、
前記ガス入口から前記円筒状容器内に突出して設けられ、前記ガス入口に流入する前記製造ガスを、前記円筒状容器の内壁面を旋回するよう噴出させるガス吹出しノズルと、を備え、
前記ガス吹出しノズルから噴出される前記製造ガスが、前記内壁面に接触して旋回しながら上昇し、前記ガス出口に排出される際に、前記内壁面に付着する液状異物が前記内壁面を下降して前記液状異物排出口に排出されるよう構成されており、
前記円筒状容器の前記下部は、前記半だ円形状又は皿形状の端部として形成されており、
前記液状異物排出口は、前記下部において、前記半だ円形状又は皿形状の端部の頂点部に形成されており、
前記液状異物排出口の上方に、前記ガス吹出しノズルから噴出された後に下方に向かって流れて前記半だ円形状又は皿形状の端部にて反射した前記製造ガスの乱れを整流する整流部材が設けられている、液状異物除去装置。
【請求項10】
前記整流部材は、上方に向かって窄まるテーパ状部を有する、請求項9に記載の液状異物除去装置。
【請求項11】
前記半だ円形状又は皿形状の端部の頂点部を高さの基準点としたとき、前記整流部材の先端部の高さは、前記ガス入口の最下部の高さよりも低い、請求項9に記載の液状異物除去装置。
【請求項12】
前記整流部材は、小開口と前記小開口よりも大径の大開口と備え、かつ、前記小開口および前記大開口が同心に配置された筒状の第1のレジューサ部材を含んで構成されており、
前記第1のレジューサ部材は、前記小開口側を上方、前記大開口側を下方にして配置されている、請求項9に記載の液状異物除去装置。
【請求項13】
前記ガス吹出しノズルは、前記円筒状容器の円筒部に溶接された筒部材によって構成されており、
前記ガス吹出しノズルの噴出口は、前記筒部材の側壁部において開口された側壁開口部によって形成されている、請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の液状異物除去装置。
【請求項14】
前記側壁開口部は、斜め上方に向けて開口されている、請求項13に記載の液状異物除去装置。
【請求項15】
前記筒部材の先端部には、前記筒部材の中心軸線に対して傾斜して前記筒部材の先端を閉じる傾斜板が設けられており、
前記側壁開口部は、前記傾斜板に傾斜して対向する位置に形成されている、請求項13に記載の液状異物除去装置。
【請求項16】
前記円筒状容器の前記上部及び前記下部は、全半球形状、円すい形状、半だ円形状又は皿形状の端部として形成されており、
前記ガス出口は、前記上部において、前記全半球形状、円すい形状、半だ円形状又は皿形状の端部の頂点部に形成されており、
前記液状異物排出口は、前記下部において、前記全半球形状、円すい形状、半だ円形状又は皿形状の端部の頂点部に形成されている、請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の液状異物除去装置。
【請求項17】
前記ガス入口には、天然ガスに、液状異物を含む液化石油ガスが混合されて、前記天然ガスの熱量を調整する増熱器が接続されており、
前記液状異物排出口には、前記円筒状容器よりも下方に位置する状態で、前記円筒状容器内の液状異物を排出するための排出容器が接続されており、
前記円筒状容器の前記液状異物排出口と前記排出容器の上部との間には、前記円筒状容器内に液状異物を溜めるための閉位置と、前記円筒状容器内の液状異物を前記排出容器内に排出するための開位置とに切り換え可能な第1バルブが配置されており、
前記排出容器の下部には、前記排出容器内に液状異物を溜めるための閉位置と、前記排出容器内の液状異物を排出するための開位置とに切り換え可能な第2バルブが配置されている、請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の液状異物除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状異物除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
天然ガスを主成分とする都市ガスは、天然ガスに液化石油ガスを注入して熱量を調整(増熱)して製造している。熱量の調整は、増熱器において、天然ガスにガス化した液化石油ガスが混合されることによって行われる。このとき、液化石油ガスの産地等によっては、ガス化しない微量な油分等の液状異物が混入していることがあり、この液状異物を除去する何らかの装置が必要となる。
【0003】
熱量が調整された製造ガスに含まれる液状異物は、例えば、増熱器の下流側に繋がる導管に設置されるガバナステーションのガスストレーナに付着する。また、例えば、特許文献1の潤滑液分離装置においては、潤滑液を含んだ圧縮ガスに旋回流れを生じさせることにより、潤滑液を圧縮ガスから分離回収することが記載されている。この潤滑液分離装置においては、潤滑液を含んだ圧縮ガスから潤滑液を除去する潤滑液分除去フィルタが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-257115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、ガバナステーションのガスストレーナを用いる場合には、ガスストレーナに付着した液状異物を定期的に除去するメンテナンスが必要となる。また、特許文献1の潤滑液分離装置においても、潤滑液分除去フィルタの清掃、交換等のメンテナンスが必要になる。従って、従来の技術においては、メンテナンスを行うために、予備系統がない場合には、ガバナステーション又は潤滑液分離装置の稼働を停止させる必要が生じる。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、メンテナンスを不要にして装置の稼働率を高めることができる液状異物除去装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、
製造ガスに混入した液状異物を除去する液状異物除去装置であって、
中心軸線が上下方向に向けられた、縦置き形状の円筒状容器と、
前記円筒状容器の円筒部の下側位置に設けられたガス入口と、
前記円筒状容器の上部に設けられたガス出口と、
前記円筒状容器の下部に設けられた液状異物排出口と、
前記ガス入口から前記円筒状容器内に突出して設けられ、前記ガス入口に流入する前記製造ガスを、前記円筒状容器の内壁面を旋回するよう噴出させるガス吹出しノズルと、を備え、
前記ガス吹出しノズルから噴出される前記製造ガスが、前記内壁面に接触して旋回しながら上昇し、前記ガス出口に排出される際に、前記内壁面に付着する液状異物が前記内壁面を下降して前記液状異物排出口に排出されるよう構成されており、
前記ガス吹出しノズルは、前記円筒状容器の円筒部に溶接された筒部材によって構成されており、
前記ガス吹出しノズルの噴出口は、前記筒部材の側壁部において開口された側壁開口部によって形成されており、
前記筒部材の先端部には、前記筒部材の中心軸線に対して傾斜して前記筒部材の先端を閉じる傾斜板が設けられており、
前記側壁開口部は、前記傾斜板に傾斜して対向する位置に形成されている、液状異物除去装置にある。
また、本発明の他の態様は、
製造ガスに混入した液状異物を除去する液状異物除去装置であって、
中心軸線が上下方向に向けられた、縦置き形状の円筒状容器と、
前記円筒状容器の円筒部の下側位置に設けられたガス入口と、
前記円筒状容器の上部に設けられたガス出口と、
前記円筒状容器の下部に設けられた液状異物排出口と、
前記ガス入口から前記円筒状容器内に突出して設けられ、前記ガス入口に流入する前記製造ガスを、前記円筒状容器の内壁面を旋回するよう噴出させるガス吹出しノズルと、を備え、
前記ガス吹出しノズルから噴出される前記製造ガスが、前記内壁面に接触して旋回しながら上昇し、前記ガス出口に排出される際に、前記内壁面に付着する液状異物が前記内壁面を下降して前記液状異物排出口に排出されるよう構成されており、
前記円筒状容器の前記下部は、前記半だ円形状又は皿形状の端部として形成されており、
前記液状異物排出口は、前記下部において、前記半だ円形状又は皿形状の端部の頂点部に形成されており、
前記液状異物排出口の上方に、前記ガス吹出しノズルから噴出された後に下方に向かって流れて前記半だ円形状又は皿形状の端部にて反射した前記製造ガスの乱れを整流する整流部材が設けられている、液状異物除去装置にある。
【発明の効果】
【0008】
前記一態様および他の態様の液状異物除去装置は、円筒状容器の円筒部の下側位置に設けられたガス入口から、円筒状容器内に突出して設けられたガス吹出しノズルを備える。そして、液状異物除去装置の使用時には、ガス吹出しノズルから噴出される製造ガスが、円筒状容器の内壁面に接触して旋回しながら上昇し、円筒状容器の上部におけるガス出口へ排出される。このとき、円筒状容器の内壁面に付着する液状異物は、内壁面を下降して円筒状容器の下部における液状異物排出口に回収される。
【0009】
この構成により、液状異物除去装置においては、フィルタ等を用いる必要がなく、メンテナンスのために装置の稼働を停止する必要もない。それ故、前記一態様および他の態様の液状異物除去装置によれば、メンテナンスを不要にして装置の稼働率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態1にかかる、液状異物除去装置を示す説明図である。
図2図2は、実施形態1にかかる、液状異物除去装置を部分的に示す、図1におけるII-II矢視説明図である。
図3図3は、実施形態1にかかる、液状異物除去装置を示す、図1におけるIII-III矢視説明図である。
図4図4は、実施形態1にかかる、液状異物除去装置を用いた都市ガス製造設備を示す説明図である。
図5図5は、実施形態1にかかる、他の液状異物除去装置を示す、図1におけるIII-III矢視相当の説明図である。
図6図6は、図1に対応して示した、実施形態2にかかる、液状異物除去装置を示す説明図である。
図7図7は、図6に示される整流部材の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
前述した液状異物除去装置にかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
<実施形態1>
実施形態1の液状異物除去装置について、図1図5を用いて説明する。本実施形態の液状異物除去装置1は、図1図3に示すように、製造ガスFに混入した油分等の液状異物Yを除去するものである。液状異物除去装置1は、中心軸線O1が上下方向Lに向けられた円筒状容器2と、円筒状容器2の円筒部21の下側位置に設けられたガス入口31と、円筒状容器2の上部22に設けられたガス出口32と、円筒状容器2の下部23に設けられた液状異物排出口33と、ガス入口31から円筒状容器2内に突出して設けられたガス吹出しノズル4とを備える。
【0013】
ガス吹出しノズル4は、ガス入口31に流入する製造ガスFを、円筒状容器2の内壁面20を旋回するよう噴出させるよう構成されている。液状異物除去装置1は、ガス吹出しノズル4から噴出される製造ガスFが、内壁面20に接触して旋回しながら上昇し、ガス出口32に排出される際に、内壁面20に付着する液状異物Yが内壁面20を下降して液状異物排出口33に排出されるよう構成されている。
【0014】
以下に、本形態の液状異物除去装置1について詳説する。
(液状異物除去装置1)
図4に示すように、製造ガスFは、天然ガスF1に、液状異物Yを含む液化石油ガスF2が混合されることによって、熱量が調整(増熱)される。本形態の製造ガスFは都市ガスである。液状異物除去装置1は、天然ガスF1に、液状異物Yを含む液化石油ガスF2が混合されたときに、気化されずに天然ガスF1中に残る液状異物Yを除去するものである。液状異物除去装置1は、天然ガスF1に液化石油ガスF2を混合させて、天然ガスF1の熱量を調整する増熱器54に接続して使用される。
【0015】
液状異物除去装置1は、製造ガスFを需要家56へ供給する都市ガス製造設備5において使用される。都市ガス製造設備5においては、LNGポンプによって昇圧された液化天然ガスF0が、LNGタンク51からLNG気化器52に送られ、LNG気化器52において気化され、付臭された後に、天然ガスF1として増熱器54に送られる。また、LPGポンプによって昇圧された液化石油ガスF2が、LPGタンク53から増熱器54に送られて気化し、増熱器54において天然ガスF1に混合される。増熱器54は、天然ガスF1に液化石油ガスF2が混合されることによって、天然ガスF1の熱量を調整(増熱)するものである。
【0016】
液化石油ガスF2が混合された、熱量調整後の製造ガスFは、増熱器54から液状異物除去装置1へ送られる。そして、液状異物除去装置1において、製造ガスFから液状異物Yが除去される。その後、液状異物Yが除去された、製造ガスFがガバナステーション(調圧器)55によって減圧された後、各需要家56に供給される。
【0017】
液化石油ガスF2には、その産地等によっては、増熱器54において液体から気体に変化しない微量のポリプロピレングリコール等の液状異物Yが含まれることがある。この液状異物Yをガバナステーション55に設けられたストレーナによって除去する場合には、ストレーナに液状異物Yが溜まるため、この溜まった液状異物Yを除去するためのメンテナンスが必要になる。本形態の液状異物除去装置1は、ガバナステーション55とは別に設置され、ガバナステーション55におけるストレーナのメンテナンスを不要にすることができるものである。なお、液状異物除去装置1は、例えば、高張力鋼等の鋼材を用いて構成されることができる。
【0018】
(円筒状容器2)
図1に示すように、円筒状容器2は、製造ガスFが旋回しながら上昇するよう、上下方向(鉛直方向)に中心軸線O1が向けられた円筒形状の円筒部21を有する。円筒状容器2の上部22及び下部23は、外側に膨らむ全半球形状の端部として形成されている。換言すれば、円筒部21の両端部は全半球形状に形成されている。なお、円筒状容器2の上部22及び下部23の少なくとも一方は、外側に膨らむ円すい形状の端部として形成されていてもよい。かかる構成は、例えば、円筒形状の円筒部21の上端及び下端に所定形状の端部部材を溶接する等して構成することができる。なお、このような端部部材は、鏡板と称されることがある。
【0019】
ガス出口32は、円筒状容器2の上部22において、全半球形状の端部の頂点部に形成されている。液状異物排出口33は、円筒状容器2の下部23において、全半球形状の端部の頂点部に形成されている。ガス入口31は、円筒状容器2の円筒部21の、中心軸線O1の方向の中間位置よりも下側である下側位置に設けられている。本形態のガス入口31は、円筒部21における、下部23に隣接する下側位置に設けられている。
【0020】
図4に示すように、増熱器54の出口は、円筒状容器2のガス入口31に接続されている。円筒状容器2の液状異物排出口33には、円筒状容器2よりも下方に位置する状態で、円筒状容器2内の液状異物Yを排出するための排出容器6が接続されている。排出容器6を用いることにより、液状異物除去装置1の稼働を停止せずに、円筒状容器2内に溜まった液状異物Yを外部へ排出することができる。円筒状容器2のガス出口32には、ガバナステーション55が接続されている。円筒状容器2のガス出口32から排出される製造ガスFの圧力は、ガバナステーション55によって、各需要家56へ供給するために適した圧力に調整される。
【0021】
円筒状容器2の液状異物排出口33と排出容器6の上部との間には、円筒状容器2内に液状異物Yを溜めるための閉位置と、円筒状容器2内の液状異物Yを排出容器6内に排出するための開位置とに切り換え可能な第1バルブ61が配置されている。第1バルブ61は、液状異物除去装置1の通常稼働時には、閉位置にしておくことにより、円筒状容器2内の製造ガスFの圧力が逃げないようにすることができる。一方、第1バルブ61は、液状異物除去時には、開位置に切り換え、円筒状容器2内に溜まった液状異物Yを排出容器6内に排出することができる。第1バルブ61を開位置に切り換えるときには、後述する第2バルブ62を閉位置にしておき、排出容器6内に液状異物Yが溜まるようにする。
【0022】
排出容器6の下部には、排出容器6内に液状異物Yを溜めるための閉位置と、排出容器6内の液状異物Yを外部へ排出するための開位置とに切り換え可能な第2バルブ62が配置されている。第2バルブ62は、通常時には、閉位置にしておく。一方、第2バルブ62は、排出時には、開位置に切り換え、排出容器6内に溜まった液状異物Yを外部へ排出することができる。第2バルブ62を開位置に切り換えるときには、第1バルブ61を閉位置にしておく。
【0023】
(ガス吹出しノズル4)
図2及び図3に示すように、ガス吹出しノズル4は、円筒状容器2の円筒部21に溶接された筒部材40によって構成されている。図2及び図3において、溶接部分を符号Xによって示す。本形態の筒部材40によるガス吹出しノズル4は、円筒部21の法線方向(径方向)に沿って、換言すれば円筒部21の接線方向に対して垂直な状態で円筒部21の内壁面20に溶接されている。筒部材40を利用してガス吹出しノズル4を形成することにより、ガス吹出しノズル4を簡単に形成することができる。
【0024】
ガス吹出しノズル4は、円筒部21の下端位置であって、円筒部21の周方向の一部に貫通して形成された貫通穴211の縁部に、筒部材40を溶接することによって形成されている。この構成により、ガス吹出しノズル4の溶接を容易にすることができる。図5に示すように、ガス吹出しノズル4を円筒部21の接線方向に沿って溶接する場合には、筒部材40の端部と、円筒部21の貫通穴211の縁部の一部とを突き合わせた状態で溶接する必要があり、ガス吹出しノズル4の形成が難しくなる。図5において、溶接部分を符号Xによって示す。
【0025】
図3に示すように、ガス吹出しノズル4は、円筒状容器2の円筒部21に溶接された筒部材40によって構成されている。本形態の筒部材40は円筒形状を有する。ガス吹出しノズル4の噴出口は、筒部材40の側壁部42において開口された側壁開口部41によって形成されている。側壁開口部41は、円筒状容器2内に配置された部位であって、筒部材40の側壁部42の先端側部位に形成されている。
【0026】
図1及び図2に示すように、側壁開口部41は、側壁開口部41から噴出される製造ガスFが、円筒状容器2の内壁面20に沿って旋回しながら上昇しやすくするために、斜め上方に向けて開口されている。側壁開口部41が斜め上方に向けて開口された状態とは、側壁開口部41の中心を通る中心軸線O3が、円筒状容器2の水平方向Hに対して、筒部材40の中心軸線O2の回りに上方へ向けて回動された状態にあることをいう。図1においては、円筒状容器2の水平方向Hに対する側壁開口部41の中心軸線O3の傾斜角度θ2を示す。円筒状容器2の水平方向Hとは、円筒状容器2の中心軸線O1に直交する方向のことを示す。
【0027】
なお、側壁開口部41は、水平方向Hに向けて開口されていてもよい。この場合にも、円筒状容器2の上部22にガス出口32が形成されていることにより、製造ガスFが旋回しながら上昇する流れを形成することができる。
【0028】
図3に示すように、本形態の筒部材40の先端部には、筒部材40の中心軸線O2に対して傾斜して筒部材40の先端を閉じる傾斜板43が設けられている。傾斜板43は、筒部材40の先端の開口部分を、筒部材40の中心軸線O2に対して垂直に閉じるのではなく、斜めに閉じる壁部として設けられている。ガス入口31から筒部材40の内部に流れる製造ガスFが傾斜板43に衝突することにより、筒部材40の中心軸線O2に沿った製造ガスFの流れを、側壁開口部41に向けた流れに変更することができる。
【0029】
本形態の傾斜板43は、筒部材40に鋭角状の先端部を形成するよう、筒部材40の中心軸線O2に対して、45°±5°の傾斜角度θ1で傾斜している。この場合には、傾斜板43の傾斜角度θ1が適切であり、製造ガスFの旋回流を形成することが容易になる。
【0030】
側壁開口部41は、傾斜板43に傾斜して対向する位置に形成されている。換言すれば、傾斜板43及び側壁開口部41は、筒部材40の中心軸線O2の方向において互いに重なる先端側の位置に形成されている。この構成により、傾斜板43によって流れが変更された製造ガスFが側壁開口部41から噴出される際に、円筒状容器2の内壁面20に沿った旋回流にすることが容易になる。
【0031】
図1に示すように、本形態の側壁開口部41の中心軸線O3は、円筒状容器2の水平方向Hに対して、筒部材40の中心軸線O2の回りに上方へ回動した位置にある。図1において、側壁開口部41の中心軸線O3の傾斜は、傾斜角度θ2によって示される。円筒状容器2内において製造ガスFを容易に上昇させるためには、側壁開口部41の中心軸線O3が水平方向Hに対して、上方へ回動した位置にあることが好ましい。
【0032】
このような筒部材40によるガス吹出しノズル4の構成により、ガス吹出しノズル4の側壁開口部41から円筒状容器2の円筒部21の内壁面20に対して、斜め上方に向けて衝突するよう製造ガスFが噴出される。そして、内壁面20に斜め上方に向けて衝突する製造ガスFは、内壁面20を斜め上方に向けて旋回しながら上昇する。
【0033】
(製造ガスFの製造過程における液状異物除去装置1の使用方法)
図1及び図4に示すように、製造ガスFが製造される際には、増熱器54から、液化石油ガスF2が混合された製造ガスFが液状異物除去装置1のガス入口31に供給される。ガス入口31に供給された製造ガスFは、ガス吹出しノズル4の側壁開口部41から円筒状容器2の内壁面20に、円筒状容器2の周方向に旋回するように斜め上方に向けて噴出される。そして、製造ガスFは、円筒状容器2の円筒部21の内壁面20に接触するとともに内壁面20に沿って旋回しながら上昇し、円筒状容器2の上部22の内壁面20に到達するときには、上部22におけるガス出口32からガバナステーション55へ排出される。
【0034】
製造ガスFが円筒部21の内壁面20に接触しながら旋回するときには、製造ガスFに含まれる噴霧状の液状異物Yが油滴として内壁面20に付着する。円筒状容器2の内壁面20に付着する液状異物Yは、内壁面20を伝って沈降し、円筒状容器2の下部23における液状異物排出口33へと回収される。こうして、液状異物除去装置1によって製造ガスFから液状異物Yが除去される。そして、円筒状容器2の上部22におけるガス出口32からガバナステーション55へ排出される製造ガスFから、液状異物Yが除去される。
【0035】
(作用効果)
本形態の液状異物除去装置1は、円筒状容器2の円筒部21の下側位置に設けられたガス入口31から、円筒状容器2内に突出して設けられたガス吹出しノズル4を備える。そして、液状異物除去装置1の使用時には、ガス吹出しノズル4から噴出される製造ガスFが、円筒状容器2の内壁面20に接触して旋回しながら上昇し、円筒状容器2の上部22におけるガス出口32から外部へ排出される。このとき、円筒状容器2の内壁面20に付着する液状異物Yは、内壁面20を伝って沈降して円筒状容器2の下部23における液状異物排出口33に回収される。また、製造ガスFが円筒状容器2の内壁面20を旋回することにより、製造ガスFが円筒状容器2内に滞留する時間が長く、液状異物Yを効果的に内壁面20に付着させることができる。
【0036】
そして、液状異物排出口33に回収された液状異物Yは、第1バルブ61を閉位置から開位置にすることにより、排出容器6内に移液することができる。そのため、液状異物Yを液状異物除去装置1の外部へ排出することが容易である。また、液状異物除去装置1においてフィルタ等を用いる必要がなく、フィルタの清掃、交換等のメンテナンスを行う必要がない。そして、メンテナンスのために液状異物除去装置1の稼働を停止する必要もない。それ故、本形態の液状異物除去装置1によれば、メンテナンスを不要にして装置の稼働率を高めることができる。
【0037】
<実施形態2>
実施形態2の液状異物除去装置について、図6及び図7を用いて説明する。なお、実施形態2以降において用いられる符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
【0038】
本実施形態の液状異物除去装置1は、実施形態1の液状異物除去装置1と比較して、円筒状容器2の少なくとも下部23が、外側に膨らむ半だ円形状の端部として形成されている点で異なっている。換言すれば、円筒部21の下端部は半だ円形状に形成されている。かかる構成は、例えば、円筒形状の円筒部21の下端に半だ円形状の端部部材を溶接する等して構成することができる。
【0039】
一方、円筒状容器2の上部22は、図6に示すように、外側に膨らむ半だ円形状の端部として形成されていてもよいし、図示はしないが、外側に膨らむ全半球形状の端部、円すい形状の端部、皿形状の端部として形成されていてもよい。なお、本開示において、全半球形状、円すい形状、半だ円形状、皿形状の用語は、JIS B 8265:2017に準拠して理解される形状を意味するものとする。
【0040】
また、本実施形態の液状異物除去装置1は、実施形態1の液状異物除去装置1と比較して、液状異物排出口33の上方に整流部材7が設けられている点においても異なっている。その他の構成は、基本的には、実施形態1の液状異物除去装置1と同様とすることができる。なお、本実施形態では、図6に示すように、円筒状容器2の下部23において半だ円形状の端部の頂点部に形成された液状異物排出口33は、ガス出口32に比べて径が細い細穴として形成されている。
【0041】
ここで、ガス入口31付近は高圧になるため、円筒状容器2の下部23を形成する端部部材と円筒部21との溶接線は、ガス入口31からできるだけ遠ざけることが好ましい。しかしながら、円筒状容器2の下部23が全半球形状の端部として形成されている実施形態1の液状異物除去装置1では、溶接線をガス入口31から離そうとすると、液状異物除去装置1の上下方向の長さが長くなり、装置が大型化する。これに対して、実施形態2の液状異物除去装置1のように、円筒状容器2の下部23が半だ円形状の端部として形成されている場合には、溶接線をガス入口31からできるだけ遠ざけつつ、装置の小型化を図りやすい利点がある。
【0042】
本実施形態の液状異物除去装置1は、基本的には、実施形態1の液状異物除去装置1と同様に、ガス吹出しノズル4から噴出される製造ガスFが、内壁面20に接触して旋回しながら上昇し、ガス出口32に排出される際に、内壁面20に付着する液状異物Yが内壁面20を下降して液状異物排出口33に排出されるよう構成されている。
【0043】
しかしながら、実際には、ガス入口31から流入してガス吹出しノズル4から噴出された製造ガスFの一部は下方にも流れる。この際、実施形態1の液状異物除去装置1のように、円筒状容器2の下部23が全半球形状の端部として形成されている場合には、上記下方に向かって流れた製造ガスFは、全半球形状の端部の内壁面に沿って流れて全半球形状の端部の頂点部付近にて収斂して上に上がる。ところが、本実施形態の液状異物除去装置1のように、円筒状容器2の下部23が半だ円形状の端部として形成されている場合には、上記下方に向かって流れた製造ガスFは、半だ円形状の端部の内壁面にて反射し、その付近にて製造ガスFの乱れが生じ、これがガス吹出しノズル4から噴出される製造ガスFの流れの邪魔をする。そのため、これが原因で、何も対策をしなければ液状異物Yの除去率が1割程度低下する。
【0044】
本実施形態の液状異物除去装置1は、液状異物排出口の上方に、ガス吹出しノズル4から噴出された後に下方に向かって流れて半だ円形状の端部にて反射した製造ガスFの乱れを整流する整流部材7を設けることにより、半だ円形状の端部を採用した場合でも、全半球形状の端部を採用した場合と同等又はそれ以上の液状異物Yの除去を実現することが可能になる。
【0045】
整流部材7の具体的な構成は、半だ円形状の端部にて反射して上昇する製造ガスFの乱れを整流することができる形状であれば、特に限定されない。本実施形態では、整流部材7は、上方に向かって窄まるテーパ状部70を有するよう構成されている。この構成によれば、半だ円形状の端部にて反射して乱れた製造ガスFがテーパ状部70の周面に沿って上昇する際に、製造ガスFの乱れを効率よく整流することが可能になる。
【0046】
整流部材7は、具体的には、図6に示すように、小開口711と小開口711よりも大径の大開口712と備え、かつ、小開口711および大開口712が同心に配置された筒状の第1のレジューサ部材71を含んで構成されることができる。そして、この第1のレジューサ部材71は、小開口711側を上方、大開口712側を下方にして配置されている。この構成によれば、第1のレジューサ部材71の筒周面を利用して、上述したテーパ状部70を構成することができる。また、このような第1のレジューサ部材71は、一般的な配管接手部材として入手が容易であるため、液状異物除去装置1の製造性を向上させることができ、また、液状異物除去装置1の低コスト化にも寄与することができる。
【0047】
図6では、より具体的には、整流部材7は、第1のレジューサ部材71と第2のレジューサ部材72とが溶接等により結合されたものから構成されている。本実施形態では、第2のレジューサ部材72は、第1のレジューサ部材71と同じものが採用されており、整流部材7は、第1のレジューサ部材71の大開口712と第2のレジューサ部材72の大開口712とが突き合わされて溶接等により結合されて一体化されている。この構成によれば、入手が容易なレジューサ部材を組み合わせることにより、整流部材7におけるテーパ状部70の高さ(上下方向のテーパ状部70の配置位置)を調節しやすくなる。また、第1のレジューサ部材71と第2のレジューサ部材72の形状を任意に変更することも容易になるなどの利点もある。なお、整流部材7は、図7(a)に示すように、第2のレジューサ部材72を結合することなく第1のレジューサ部材71のみから構成されていてもよい。また、整流部材7は、図7(b)に示すように、先端および底部が開口した円すい状部材からなる第3のレジューサ部材73等から構成することもできる。なお、図7(a)に示したレジューサ形状は、レジューサ中心部で急激に径が小さくなる1形と称される形状であり、図7(b)に示したレジューサ形状は、一方端部に向かって緩やかに径が小さくなる2形と称される形状である。整流部材7をレジューサ部材を用いて構成する場合、1形、2形のいずれのレジューサ形状を適用してもよい。また、上述した整流部材7は、例えば、PT370等の汎用鋼材より構成することができる。
【0048】
本実施形態の液状異物除去装置1において、半だ円形状の端部の頂点部を高さの基準点としたとき、整流部材7の先端部の高さは、ガス入口31の最下部の高さよりも低いことが好ましい。より好ましくは、整流部材7の先端部の高さは、上記基準点からガス入口31の最下部までの高さの2/3以下、さらに好ましくは、上記基準点からガス入口31の最下部までの高さの1/2以下とされているとよい。
【0049】
上記の場合には、整流部材7によって整流されて上昇する製造ガスFの流れが、ガス吹出しノズル4から噴出される製造ガスFの流れを邪魔し難くなり、液状異物Yの除去率向上に寄与しやすくなる。
【0050】
なお、上述した整流部材7は、液状異物Yが液状異物排出口33に流れ込むのを妨げないように、例えば、整流部材7の底部に適宜隙間701を有することができる。かかる隙間701は、具体的には、整流部材7の底部に設けた穴やスリット、整流部材7の底部に互いに離間して設けた複数の脚部間の空間などより構成することができる。これらの隙間701によれば、整流部材7の外側から整流部材7の内側に配置された液状異物排出口33に液状異物Yが容易に流れ込むことができる。
【0051】
なお、実施形態2の液状異物除去装置1では、円筒状容器2の少なくとも下部23が、半だ円形状の端部として形成されている場合を用いて主に説明したが、円筒状容器2の少なくとも下部23は、皿形状の端部として形成されていても、上記同様の問題を解決することができ、同様の作用効果を奏することができる。
【0052】
その他の構成および作用効果については、実施形態1の液状異物除去装置1と同様である。
【0053】
本発明は、実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。また、各実施形態に示される各構成は、それぞれ任意に組み合わせることができる。また、出願当初の特許請求の範囲に記載の各請求項同士は、それぞれ任意に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0054】
1 液状異物除去装置
2 円筒状容器
20 内壁面
21 円筒部
31 ガス入口
32 ガス出口
33 液状異物排出口
4 ガス吹出しノズル
F 製造ガス(都市ガス)
Y 液状異物
O1 中心軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7