(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】外光管理のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20240730BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20240730BHJP
G02F 1/1343 20060101ALI20240730BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20240730BHJP
G02C 7/10 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02F1/13 505
G02F1/1343
G02F1/1335 510
G02C7/10
(21)【出願番号】P 2023070034
(22)【出願日】2023-04-21
(62)【分割の表示】P 2021513858の分割
【原出願日】2019-09-13
【審査請求日】2023-04-21
(32)【優先日】2018-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー イアン ラッセル
【審査官】井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/014928(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/001839(WO,A1)
【文献】特開平07-128637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01-27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部搭載型デバイスであって、
前記頭部搭載型デバイスのユーザの頭部を中心として装着されるように構成されたフレームと、
前記頭部搭載型デバイスが前記ユーザによって装着されると、前記ユーザの眼と前記ユーザの環境との間に位置付けられるような態様で前記フレームに物理的に結合されている、制御可能調光アセンブリであって、前記制御可能調光アセンブリは、第1の調光パターンを有する第1の電極を備える第1の電極アセンブリと、前記第1の調光パターンと異なる第2の調光パターンを有する第2の電極を備える第2の電極アセンブリと、第1の偏光器と、第2の偏光器と、液晶層とを備え、前記第1および第2の電極アセンブリは、前記第1の偏光器と前記第2の偏光器との間に配置され、前記液晶層は、前記第1の電極アセンブリと前記第2の電極アセンブリとの間に配置され、前記制御可能調光アセンブリは、前記制御可能調光アセンブリ上の場所の関数として、第1の不透明度のレベルから第2の不透明度のレベルまで変動する不透明度のレベルを呈するように構成されて
おり、前記第1および第2の偏光器の少なくとも一方は、それを通して通過する光に空間的に変動する偏光度を付与するように構成されている、制御可能調光アセンブリと、
前記制御可能調光アセンブリの前記第1および第2の電極に電気的に結合された制御回路網であって、前記制御回路網は、1つ以上の電気信号を前記第1および第2の電極に印加することにより、前記第1の電極アセンブリと前記第2の電極アセンブリとの間に電場を生産し、かつ前記第1および第2の不透明度のレベルの一方または両方を調節するように構成されている、制御回路網と
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記制御可能調光アセンブリは、
前記制御可能調光アセンブリ上の第1の場所における前記第1の不透明度のレベルと、
前記制御可能調光アセンブリ上の第1の場所からの距離の関数として変動する不透明度のレベルと
を呈するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記制御可能調光アセンブリは、前記制御可能調光アセンブリ上の第2の場所における前記第2の不透明度のレベルを呈するように構成され、前記第2の場所は、前記第1の場所と異なる、請求項
2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1の場所は、前記制御可能調光アセンブリの外周の少なくとも一部に沿った1つ以上の点のセットに対応する、請求項
2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第2の場所は、前記制御可能調光アセンブリの外周の少なくとも一部に沿った1つ以上の点のセットに対応する、請求項
3に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1の場所は、前記制御可能調光アセンブリの内側領域内の場所に対応する、請求項
2に記載のデバイス。
【請求項7】
前記制御可能調光アセンブリの前記内側領域内の場所は、前記制御可能調光アセンブリの中心に対応する、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第1の不透明度のレベルは、大域的最小不透明度のレベルを表し、前記第2の不透明度のレベルは、大域的最大不透明度のレベルを表す、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記制御可能調光アセンブリは、前記制御可能調光アセンブリ上の場所の関数として、線形に、指数関数的に、または対数的に変動する、不透明度のレベルを呈するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記制御可能調光アセンブリは、前記第1の不透明度のレベルおよび前記第2の不透明度のレベルが、前記制御可能調光アセンブリへの入力として印加される1つ以上の電気信号の電圧のレベルに基づいて変動するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記制御可能調光アセンブリは、前記第1の不透明度のレベルおよび前記第2の不透明度のレベルが、前記電圧のレベルが変化するにつれて、異なるレートで変化するように構成されている、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記制御可能調光アセンブリは、前記第1の電極アセンブリと前記第2の電極アセンブリとの間に、空間的に変動する電場強度のレベルを呈する電場を生産することにより、前記第1の電極アセンブリと前記第2の電極アセンブリとの間に前記電場を生産するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第1および第2の電極アセンブリの一方または両方は、その1つ以上の性質が空間的に変動するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記1つ以上の性質は、前記第1および第2の電極アセンブリの一方または両方の厚さ、抵抗、伝導性、配向、組成、またはそれらの組み合わせを備える、請求項
13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記制御回路網は、分圧器網、導体、プロセッサ、および電力供給源のうちの1つ以上を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記制御可能調光アセンブリは、前記頭部搭載型デバイスが前記ユーザによって装着されると、前記ユーザの両眼と前記ユーザの環境との間に位置付けられるような態様で前記フレームに物理的に結合されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記制御回路網は、
データソースから入力を受信することと、
1つ以上の電気信号を前記制御可能調光アセンブリに印加することにより、前記データソースから受信された入力に基づいて前記第1および第2の不透明度のレベルの少なくとも一方を調節することと
を行うようにさらに構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記データソースは、感知デバイスを備える、請求項
17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記データソースは、ユーザインターフェースコンポーネント、ディスプレイシステムコンポーネント、ネットワーク-アクセス可能リソース、またはそれらの組み合わせを備える、請求項
17に記載のデバイス。
【請求項20】
前記制御回路網は、
複数のデータソースから入力を受信することと、
1つ以上の電気信号を前
記制御可能調光アセンブリに印加することにより、前記複数のデータソースから受信された入力に基づいて前記第1および第2の不透明度のレベルの少なくとも一方を調節することと
を行うようにさらに構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項21】
前記複数のデータソースは、感知デバイスと、ユーザインターフェースコンポーネント、ディスプレイシステムコンポーネント、ネットワーク-アクセス可能リソースのうちの1つ以上とを含む、請求項
20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記複数のデータソースは、ユーザインターフェースコンポーネント、ディスプレイシステムコンポーネント、およびネットワーク-アクセス可能リソースのうちの少なくとも2つを含む、請求項
21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記第
1の電極は、非均一多区分電極を備え、前記第2の電極は、均一電極を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項24】
前記第1の電極および前記第2の電極は、互いに対して平行であり、かつ前記液晶層の両側に配置されている、平面電極である、請求項
23に記載のデバイス。
【請求項25】
前記第1の電極は、第1または上部の電極部分と、第2の電極部分と、第3または底部の電極とを備え、前記第2の電極部分は、前記第1または上部の電極部分と、第3または底部の電極部分との間に配置されている、請求項
23に記載のデバイス。
【請求項26】
前記制御回路網は、前記第1および第2の電極アセンブリに電気的に結合されており、1つ以上の電気信号を前記制御可能調光アセンブリに印加することにより、前記第1の電極アセンブリと前記第2の電極アセンブリとの間に非均一電場と、前記液晶層内に非均一光減衰とを生産するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項27】
前記制御可能調光アセンブリは、前記頭部搭載型デバイスが前記ユーザによって装着されると、前記ユーザの両眼と前記ユーザの環境との間に位置付けられている、バイザ、マスク、またはシールドとして構成される単一部品を備える、請求項1に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その内容が、完全に記載される場合と同様に、参照することによってその全体として明示的および完全に本明細書に組み込まれる、2018年9月14日に出願され、「SYSTEMS AND METHODS FOR EXTERNAL LIGHT MANAGEMENT」と題された、米国仮特許出願第62/731,755号の優先権を主張する。本願は、弁理士整理番号第ML.20065.00号の下で2017年4月5日に出願され、「SYSTEM AND METHOD FOR AUGMENTED REALITY」と題された、米国特許出願第15/479,700号、弁理士整理番号第ML.20020.00号の下で2014年7月14日に出願され、「PLANAR WAVEGUIDE APPARATUS WITH DIFFRACTION ELEMENT(S) AND SYSTEM EMPLOYING SAME」と題された、米国特許出願第14/331,218号、弁理士整理番号第ML.20011.00号の下で2014年11月27日に出願され、「VIRTUAL AND AUGMENTED REALITY SYSTEMS AND METHODS」と題された、米国特許出願第14/555,585号、弁理士整理番号第ML.20016.00号の下で2015年5月29日に出願され、「METHODS AND SYSTEMS FOR VIRTUAL AND AUGMENTED REALITY」と題された、米国特許出願第14/726,424号、弁理士整理番号第ML.20017.00号の下で2015年5月29日に出願され、「METHODS AND SYSTEMS FOR CREATING FOCAL PLANES IN VIRTUAL AND AUGMENTED REALITY」と題された、米国特許出願第14/726,429号、弁理士整理番号第ML.20018.00号の下で2015年5月29日に出願され、「METHODS AND SYSTEMS FOR DISPLAYING STEREOSCOPY WITH A FREEFORM OPTICAL SYSTEM WITH ADDRESSABLE FOCUS FOR VIRTUAL AND AUGMENTED REALITY」と題された、米国特許出願第14/726,396号、弁理士整理番号第ML-0676USPRV号の下で2018年7月23日に出願され、「SYSTEMS AND METHODS FOR EXTERNAL LIGHT MANAGEMENT」と題された、米国仮特許出願第62/702,212号、および弁理士整理番号第ML-0607US号の下で2019年8月30日に出願され、「SPATIALLY-RESOLVED DYNAMIC DIMMING FOR AUGMENTED REALITY DEVICE」と題された、米国特許出願第16/557,706号に関連する。前述の特許出願の内容は、完全に記載される場合と同様に、参照することによってその全体として明示的および完全に本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式で、ユーザに提示される。拡張現実、すなわち、「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う(すなわち、他の実際の実世界の視覚的入力に対して透過性である)。故に、ARシナリオは、他の実際の実世界の視覚的入力に対して透過性を伴う、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。ヒトの視知覚系は、非常に複雑であって、他の仮想または実世界画像要素の中で仮想画像要素の快適で、自然な感覚で、かつ豊かな提示を促進する、AR技術を生産することは、困難である。
【0003】
脳の視覚中枢は、両眼およびそのコンポーネントの相互に対する運動から有益な知覚情報を得る。相互に対する両眼の輻輳・開散運動(すなわち、眼の視線を収束させ、オブジェクトを固視するための相互に向かった、またはそこから離れる、瞳孔の回転)は、眼の水晶体の合焦(または「遠近調節」)と密接に関連付けられる。通常条件下では、眼の水晶体の焦点を変化させる、すなわち、眼を遠近調節させ、異なる距離におけるオブジェクトに合焦させることは、「遠近調節-輻輳・開散運動反射(accommodation-vergence reflex)」として知られる関係下、自動的に、同一距離までの輻輳・開散運動における整合変化を生じさせるであろう。同様に、輻輳・開散運動の変化は、通常条件下では、遠近調節の整合変化も誘起するであろう。本反射に逆らう作用は、(従来の立体視AR構成の大部分におけるように)眼精疲労、頭痛、または他の形態の不快感をユーザにもたらすことが知られている。
【0004】
立体視ウェアラブル眼鏡は、概して、3次元視点がヒト視覚系によって知覚されるように、若干異なる要素提示を伴う画像を表示するように構成される、左および右眼のための2つのディスプレイを特徴とする。そのような構成は、画像を3次元において知覚するために克服されなければならない、輻輳・開散運動と遠近調節との間の不整合(「輻輳・開散運動-遠近調節衝突」)に起因して、多くのユーザにとって不快であることが見出されている。実際、一部のARユーザは、立体視構成に耐えることが不可能である。故に、大部分の従来のARシステムは、部分的には、従来のシステムが、輻輳・開散運動-遠近調節衝突を含む、ヒト知覚系の基本的側面のいくつかに対処できないため、ユーザにとって快適かつ最大限に有用となるであろう様式において、豊かな両眼のための3次元体験を提示するために最適に好適ではない。
【0005】
ARシステムはまた、仮想デジタルコンテンツを種々の知覚される位置およびユーザに対する距離において表示することが可能でなければならない。ARシステムの設計はまた、仮想デジタルコンテンツを送達する際のシステムの速度、仮想デジタルコンテンツの品質、ユーザの射出瞳距離(輻輳・開散運動-遠近調節衝突に対処する)、システムのサイズおよび可搬性、および他のシステムおよび光学課題を含む、多数の他の課題を提示する。
【0006】
これらの問題(輻輳・開散運動-遠近調節衝突を含む)に対処するための1つの可能性として考えられるアプローチは、画像を複数の深度平面に投影することである。本タイプのシステムを実装するために、1つのアプローチは、光が複数の深度平面から生じるように現れるように、複数の光誘導光学要素を使用して、光をユーザの眼に指向することである。光誘導光学要素は、デジタルまたは仮想オブジェクトに対応する、仮想光を内部結合し、全内部反射(「TIR」)によって、それを伝搬し、次いで、仮想光を外部結合し、デジタルまたは仮想オブジェクトをユーザの眼に表示するように設計される。光誘導光学要素はまた、実際の実世界オブジェクトからの(例えば、そこから反射する)光に対して透過性であるように設計される。
【0007】
しかしながら、一部の実世界光は、光誘導光学要素の中に内部結合され、非制御様式において外部結合し、実世界光が光誘導光学要素によって回折される結果としてユーザの眼に提示される、意図されないレインボーアーチファクトをもたらし得る。ARシナリオにおける意図されないレインボーアーチファクトの出現は、ARシナリオの意図される効果を妨げ得る。本明細書に説明されるシステムおよび方法は、これらの課題に対処するように構成される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態では、拡張現実システムは、仮想光ビームを生成するように構成される、光源であって、仮想光ビームは、仮想オブジェクトに関する情報を搬送する、光源を含む。本システムはまた、光誘導光学要素を含み、光誘導光学要素は、第1の実世界光ビームに対して透過性であって、仮想光ビームは、光誘導光学要素に入射し、全内部反射(TIR)によって、光誘導光学要素を通して伝搬し、光誘導光学要素から出射する。加えて、本システムはまた、光誘導光学要素に隣接して、その表面の外部に配置される、レンズを含み、レンズは、ある量の実世界光を吸収し、実世界光の一部が光誘導光学要素を通して透過することを可能にする、着色とともに構成される。
【0009】
1つ以上の実施形態では、着色は、レンズの世界側上部部分では、殆ど実世界光を透過させず、レンズの世界側底部部分では、より多くの実世界光を透過させる、勾配着色であって、光誘導光学要素によって頭上からの実世界光の不慮の回折から生成されるレインボーアーチファクトは、最小限にされる。
【0010】
1つ以上の実施形態では、勾配着色は、レンズの世界側上部部分から開始してレンズの世界側底部部分へとより多くの実世界光を徐々に透過させる。レンズの上部縁における第1の透過度平均(Tavg)は、5%であって、レンズの中央部分における第2のTavgは、28%であって、レンズの底部部分における第3のTavgは、底部部分を横断して一貫して33%であって、勾配着色を有するレンズを通して透過される実世界光の量は、Tavgとして表される。レンズは、保護要素を光誘導光学要素に提供する。
【0011】
1つ以上の実施形態では、レンズはさらに、そこに隣接して配置される、ダイバータを備え、ダイバータは、レンズの表面における第2の実世界光ビームの光経路を修正するように構成され、第2の実世界光ビームは、世界側上部に対して頭上位置から生じる。
【0012】
1つ以上の実施形態では、レンズは、ダイバータおよび勾配着色とともに構成され、ダイバータと勾配着色の組み合わせは、光誘導光学要素による第2の実世界光ビームの不慮の回折から生成されるレインボー効果を最小限にする。
【0013】
1つ以上の実施形態では、ダイバータは、第2の実世界光ビームを反射させるように構成される。
【0014】
1つ以上の実施形態では、ダイバータは、第2の実世界光ビームを屈折または回折するように構成される。
【0015】
1つ以上の実施形態では、レンズはさらに、配向マーキングを備え、配向マーキングは、組立の間、レンズを眼鏡フレーム上に搭載するために使用される。配向マーキングは、配向マーキングを、組立の間、特殊照明下で可視にし、通常の使用の間、ユーザに不可視にする、特殊インクを備える。
【0016】
1つ以上の実施形態では、特殊インクは、赤外線インクである。
【0017】
1つ以上の実施形態では、特殊インクは、紫外線インクである。
【0018】
1つ以上の実施形態では、特殊インクは、眼鏡フレーム上へのレンズの初期組立後、除去されず、レンズは、保守作業がレンズまたは眼鏡フレーム上で完了された後、再度使用され、再度組み立てられる。
【0019】
別の実施形態では、拡張現実システムは、フレームに実質的に直交する平坦周縁表面を有する、レンズを含む。本システムはまた、平坦周縁表面をフレームの平坦表面に搭載するための平坦表面を有する、フレームを含み、レンズは、保護要素を拡張現実システムの光学要素に提供する。
【0020】
1つ以上の実施形態では、レンズは、Trivexとともに構築される。レンズの中心厚は、1.2mm+/-0.2mmである。レンズは、86.8mm+/-0.9mmの曲率半径を有する。レンズは、勾配着色コーティング、硬質コーティング、ミラーコーティング、防汚コーティング、および/または反射防止のうちの少なくとも1つを備える。
【0021】
さらに別の実施形態では、拡張現実システムは、仮想光ビームを生成するための光源であって、仮想光ビームは、仮想オブジェクトに関する情報を搬送する、光源を含む。本システムはまた、光誘導光学要素であって、光誘導光学要素は、第1の実世界光ビームの第1の部分がそれを通して通過することを可能にし、仮想光ビームは、光誘導光学要素に入射し、実質的全内部反射(TIR)によって、光誘導光学要素を通して伝搬し、光誘導光学要素から出射する、光誘導光学要素を含む。本システムはさらに、光誘導光学要素に隣接して、その表面の外部に配置される、レンズであって、実世界光ビームの第2の部分を減衰させ、実世界光の第1の部分がレンズを通して通過することを可能にする、光変調機構を備える、レンズを含む。
【0022】
1つ以上の実施形態では、光変調機構は、液晶層と、液晶層に隣接して、その対向側に配置される、第1および第2の電極と、それぞれ、第1および第2の電極に隣接して、その外部に配置される、第1および第2の補償フィルムと、それぞれ、第1および第2の補償フィルムに隣接して、その外部に配置される、第1および第2の偏光器とを含む。第1および第2の偏光器はそれぞれ、異なる偏光度をそれを通して通過する光上に付与するように構成される、複数の領域を含んでもよい。液晶層は、第1および第2の電極によって印加される電圧に応答して、遅延または偏光回転度をそれを通して通過する光上に付与するように構成されてもよい。液晶層によって付与される、偏光度は、第1および第2の電極によって印加される電圧に比例してもよい。
【0023】
1つ以上の実施形態では、第1および第2の電極は、液晶層内の方向に沿って変動する、電圧を液晶層に印加するように構成される。方向は、液晶層の底部から液晶層の上部までであってもよい。第1および第2の電極は、液晶層内の方向に沿って増加する、距離によって分離されてもよい。第1の電極は、距離が液晶層内の方向に沿って増加するように、第2の電極から離れるようにテーパ状になってもよい。第1の電極は、複数のセグメントを含んでもよく、各隣接する対のセグメントは、方向において、後続セグメントと比較して第2の電極からより遠くに配置される、先行セグメントを有する。第1の電極は、方向に沿って減少する、厚さを有してもよい。
【0024】
1つ以上の実施形態では、第1の電極は、方向に沿って配置される、第1、第2、および第3のセグメントを含み、第1および第3のセグメントは、第2のセグメントの第2の抵抗より低い、第1および第3の抵抗を有する。第1および第3のセグメントは、酸化インジウムスズを含んでもよい。第2のセグメントは、グラフェンを含んでもよい。本システムはまた、第1の電極の第1および第3のセグメントに電気的に結合される、第1および第2の電圧源を含んでもよい。
【0025】
1つ以上の実施形態では、第1の電極は、方向に沿って配置され、対応する複数の抵抗器によって相互から電気的に分離される、複数のセグメントを含む。本システムはまた、方向に沿って、第1の電極の遠端において、複数のセグメントの第1のセグメントに電気的に結合される、電圧源を含んでもよい。第1の電極は、平坦形状を有してもよく、複数の抵抗器は、第1の電極の縁に沿って配置されてもよい。複数のセグメントは、複数の電気絶縁部材によって、相互から物理的に分離されてもよい。複数の抵抗器はそれぞれ、複数のセグメントの個別の対間に物理的に配置されてもよい。
【0026】
1つ以上の実施形態では、頭部搭載型デバイスは、頭部搭載型デバイスのユーザの頭部を中心として装着されるように構成される、フレームと、頭部搭載型デバイスがユーザによって装着されると、ユーザの眼とユーザの環境との間に位置付けられるようにフレームに物理的に結合される、制御可能調光アセンブリであって、制御可能調光アセンブリ上の場所の関数として、第1の不透明度のレベルから第2の不透明度のレベルに変動する、不透明度のレベルを呈するように構成される、制御可能調光アセンブリと、制御可能調光アセンブリに電気的に結合される、制御回路網であって、1つ以上の電気信号を制御可能調光アセンブリに印加し、第1および第2の不透明度のレベルの一方または両方を調節するように構成される、制御回路網とを備える。
【0027】
いくつかの実装では、制御可能調光アセンブリは、(i)制御可能調光アセンブリ上の第1の場所における第1の不透明度のレベルと、(ii)制御可能調光アセンブリ上の第1の場所からの距離の関数として変動する、不透明度のレベルとを呈するように構成される。これらの実装のうちのいくつかでは、制御可能調光アセンブリは、制御可能調光アセンブリ上の第2の場所における第2の不透明度のレベルを呈するように構成され、第2の場所は、第1の場所と異なる。いくつかのそのような実装では、第1の場所または第2の場所は、制御可能調光アセンブリの外周の少なくとも一部に沿った1つ以上の点のセットに対応する。さらに、いくつかのそのような実装では、第1の場所は、制御可能調光アセンブリの内側領域内の場所に対応する。いくつかの実施例では、制御可能調光アセンブリの内側領域内の場所は、制御可能調光アセンブリの中心に対応する。
【0028】
いくつかの実施形態では、第1の不透明度のレベルは、大域的最小不透明度のレベルを表し、第2の不透明度のレベルは、大域的最大不透明度のレベルを表す。
【0029】
いくつかの実装では、制御可能調光アセンブリは、制御可能調光アセンブリ上の場所の関数として、線形に、指数関数的に、または対数的に変動する、不透明度のレベルを呈するように構成される。
【0030】
いくつかの実施形態では、制御可能調光アセンブリは、第1の不透明度のレベルおよび第2の不透明度のレベルが、制御可能調光アセンブリへの入力として印加される1つ以上の電気信号の電圧のレベルに基づいて変動するように構成される。
【0031】
いくつかの実装では、制御可能調光アセンブリは、第1の不透明度のレベルおよび第2の不透明度のレベルが、電圧のレベルが変化するにつれて、異なるレートで変化するように構成される。
【0032】
いくつかの実施形態では、制御可能調光アセンブリは、第1および第2の偏光器と、第1の偏光器と第2の偏光器との間に配置される、第1および第2の電極アセンブリと、第1の電極アセンブリと第2の電極アセンブリとの間に配置される、液晶層とを備える。これらの実施形態のうちのいくつかでは、制御回路網は、第1および第2の電極アセンブリに電気的に結合され、1つ以上の電気信号を制御可能調光アセンブリに印加し、電場を第1の電極アセンブリと第2の電極アセンブリとの間に生産するように構成される。
【0033】
さらに、いくつかのそのような実施形態では、第1および第2の偏光器の一方または両方は、空間的に変動する偏光度をそれを通して通過する光に付与するように構成される。
【0034】
これらの実施形態のうちの少なくともいくつかでは、電場を第1の電極アセンブリと第2の電極アセンブリとの間に生産するために、制御可能調光アセンブリは、空間的に変動する電場強度のレベルを呈する電場を第1の電極アセンブリと第2の電極アセンブリとの間に生産するように構成される。
【0035】
いくつかのそのような実施形態では、第1および第2の電極アセンブリの一方または両方は、その1つ以上の性質が空間的変動するように構成される。いくつかの実施例では、1つ以上の性質は、厚さ、抵抗、伝導性、配向、組成、またはそれらの組み合わせを含む。
【0036】
いくつかの実装では、制御回路網は、分圧器網、導体、プロセッサ、および電力供給源のうちの1つ以上のものを備える。
【0037】
いくつかの実施形態では、制御可能調光アセンブリは、頭部搭載型デバイスがユーザによって装着されると、ユーザの両眼とユーザの環境との間に位置付けられるようにフレームに物理的に結合される。
【0038】
いくつかの実装では、制御回路網はさらに、1つ以上のデータソースからの入力を受信するように構成され、1つ以上の電気信号を制御可能調光アセンブリに印加し、第1および第2の不透明度のレベルの一方または両方を調節するために、制御回路網は、1つ以上のデータソースから受信された入力に基づいて、1つ以上の電気信号を制御可能調光アセンブリに印加し、第1および第2の不透明度のレベルの一方または両方を調節するように構成される。いくつかのそのような実装では、1つ以上のデータソースは、1つ以上の感知デバイス、ユーザインターフェースコンポーネント、ディスプレイシステムコンポーネント、ネットワーク-アクセス可能リソース、またはそれらの組み合わせを含む。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
拡張現実システムであって、
仮想光ビームを生成するための光源であって、前記仮想光ビームは、仮想オブジェクトに関する情報を搬送する、光源と、
光誘導光学要素であって、前記光誘導光学要素は、第1の実世界光ビームの第1の部分がそれを通して通過することを可能にし、前記仮想光ビームは、前記光誘導光学要素に入射し、実質的全内部反射(TIR)によって、前記光誘導光学要素を通して伝搬し、前記光誘導光学要素から出射する、光誘導光学要素と、
前記光誘導光学要素に隣接して、その表面の外部に配置されるレンズであって、前記レンズは、前記実世界光ビームの第2の部分を減衰させ、前記実世界光の第1の部分が前記レンズを通して通過することを可能にする光変調機構を備える、レンズと
を備える、システム。
(項目2)
前記光変調機構は、
液晶層と、
前記液晶層に隣接して、その対向側に配置される第1および第2の電極と、
第1および第2の補償フィルムであって、前記第1および第2の補償フィルムは、それぞれ、前記第1および第2の電極に隣接して、その外部に配置される、第1および第2の補償フィルムと、
第1および第2の偏光器であって、前記第1および第2の偏光器は、それぞれ、前記第1および第2の補償フィルムに隣接して、その外部に配置される、第1および第2の偏光器と
を備える、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記第1および第2の偏光器はそれぞれ、異なる偏光度をそれを通して通過する光上に付与するように構成される複数の領域を含む、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記液晶層は、前記第1および第2の電極によって印加される電圧に応答して、遅延または偏光回転度をそれを通して通過する光上に付与するように構成される、項目3記載のシステム。
(項目5)
前記液晶層によって付与される偏光度は、前記第1および第2の電極によって印加される電圧に比例する、項目4に記載のシステム。
(項目6)
前記第1および第2の電極は、前記液晶層内の方向に沿って変動する電圧を前記液晶層に印加するように構成される、項目2に記載のシステム。
(項目7)
前記方向は、前記液晶層の底部から前記液晶層の上部までである、項目6に記載のシステム。
(項目8)
前記第1および第2の電極は、前記液晶層内の前記方向に沿って増加する距離によって分離される、項目6に記載のシステム。
(項目9)
前記第1の電極は、前記距離が前記液晶層内の前記方向に沿って増加するように、前記第2の電極から離れるようにテーパ状になる、項目8に記載のシステム。
(項目10)
前記第1の電極は、複数のセグメントを備え、各隣接する対のセグメントは、前記方向において、後続セグメントと比較して前記第2の電極からより遠くに配置される先行セグメントを有する、項目8に記載のシステム。
(項目11)
前記第1の電極は、前記方向に沿って減少する厚さを有する、項目6に記載のシステム。
(項目12)
前記第1の電極は、前記方向に沿って配置される第1、第2、および第3のセグメントを備え、
前記第1および第3のセグメントは、前記第2のセグメントの第2の抵抗より低い第1および第3の抵抗を有する、
項目6に記載のシステム。
(項目13)
前記第1および第3のセグメントは、酸化インジウムスズを含む、項目12に記載のシステム。
(項目14)
前記第2のセグメントは、グラフェンを含む、項目12に記載のシステム。
(項目15)
前記第1の電極の前記第1および第3のセグメントに電気的に結合される第1および第2の電圧源をさらに備える、項目12に記載のシステム。
(項目16)
前記第1の電極は、複数のセグメントを備え、前記複数のセグメントは、前記方向に沿って配置され、対応する複数の抵抗器によって相互から電気的に分離される、項目2に記載のシステム。
(項目17)
前記方向に沿って、前記第1の電極の遠端において前記複数のセグメントの第1のセグメントに電気的に結合される電圧源をさらに備える、項目16に記載のシステム。
(項目18)
前記第1の電極は、平坦形状を有し、
前記複数の抵抗器は、前記第1の電極の縁に沿って配置される、
項目16に記載のシステム。
(項目19)
前記複数のセグメントは、複数の電気絶縁部材によって、相互から物理的に分離される、項目18に記載のシステム。
(項目20)
前記複数の抵抗器はそれぞれ、前記複数のセグメントの個別の対の間に物理的に配置される、項目16に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図面は、本発明の種々の実施形態の設計および可用性を図示する。図は、正確な縮尺で描かれておらず、類似構造または機能の要素は、図全体を通して同一参照番号によって表されることに留意されたい。本発明の種々の実施形態の前述および他の利点および目的を得る方法をより深く理解するために、簡単に前述された本発明の詳細な説明が、付随の図面に図示されるその具体的実施形態を参照することによって与えられるであろう。これらの図面は、本発明の典型的実施形態のみを描写し、したがって、その範囲の限定として見なされないことを理解した上で、本発明は、付随の図面の使用を通して付加的具体性および詳細とともに記載および説明されるであろう。
【0040】
【
図1】
図1-3は、種々の拡張現実システムの詳細な概略図である。
【
図2】
図1-3は、種々の拡張現実システムの詳細な概略図である。
【
図3】
図1-3は、種々の拡張現実システムの詳細な概略図である。
【0041】
【
図4】
図4は、拡張現実システムの焦点平面を描写する、略図である。
【0042】
【
図5】
図5は、拡張現実システムの光誘導光学要素の詳細な概略図である。
【0043】
【
図6】
図6は、拡張現実システムの先行技術の光誘導光学要素の端視図である。
【0044】
【
図7】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、拡張現実システムの光誘導光学要素に隣接して、その外部に配置される、レンズの端視図である。
【0045】
【
図8】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、拡張現実システムの勾配着色されたレンズの正面図である。
【0046】
【
図9】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、拡張現実システムの勾配着色されたレンズの縁の周囲の平坦周縁表面の複数のビューを図示する。
【0047】
【
図10】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による、拡張現実システムの勾配着色されたレンズの正面図である。
【0048】
【
図11】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による、拡張現実システムの外部被覆レンズの全部または一部を形成し得る、制御可能調光アセンブリの概略側面図である。
【0049】
【
図12A】
図12A-12Dは、本開示のいくつかの実施形態による、種々の調光パターンを図示する。
【
図12B】
図12A-12Dは、本開示のいくつかの実施形態による、種々の調光パターンを図示する。
【
図12C】
図12A-12Dは、本開示のいくつかの実施形態による、種々の調光パターンを図示する。
【
図12D】
図12A-12Dは、本開示のいくつかの実施形態による、種々の調光パターンを図示する。
【0050】
【
図13A】
図13A-13Dは、本開示のいくつかの実施形態による、調光パターンを作成するように構成される、種々の偏光器の正面図である。
【
図13B】
図13A-13Dは、本開示のいくつかの実施形態による、調光パターンを作成するように構成される、種々の偏光器の正面図である。
【
図13C】
図13A-13Dは、本開示のいくつかの実施形態による、調光パターンを作成するように構成される、種々の偏光器の正面図である。
【
図13D】
図13A-13Dは、本開示のいくつかの実施形態による、調光パターンを作成するように構成される、種々の偏光器の正面図である。
【0051】
【
図14】
図14A-14Cは、本開示のいくつかの実施形態による、調光パターンを作成するように構成される、電極アセンブリの概略側面図である。
【0052】
【
図15】
図15は、本開示のいくつかの実施形態による、調光パターンを作成するように構成される、電極アセンブリの概略斜視図である。
【0053】
【
図16A】
図16A-16Dは、本開示のいくつかの実施形態による、調光パターンを作成するように構成される、種々の電極アセンブリの正面図である。
【
図16B】
図16A-16Dは、本開示のいくつかの実施形態による、調光パターンを作成するように構成される、種々の電極アセンブリの正面図である。
【
図16C】
図16A-16Dは、本開示のいくつかの実施形態による、調光パターンを作成するように構成される、種々の電極アセンブリの正面図である。
【
図16D】
図16A-16Dは、本開示のいくつかの実施形態による、調光パターンを作成するように構成される、種々の電極アセンブリの正面図である。
【0054】
【
図17A】
図17Aは、本開示のいくつかの実施形態による、調光パターンを作成するように構成される、電極アセンブリの概略斜視図である。
【0055】
【0056】
【
図18A】
図18A-18Dは、本開示のいくつかの実施形態による、調光パターンを作成するように構成される、種々の電極アセンブリの正面図である。
【
図18B】
図18A-18Dは、本開示のいくつかの実施形態による、調光パターンを作成するように構成される、種々の電極アセンブリの正面図である。
【
図18C】
図18A-18Dは、本開示のいくつかの実施形態による、調光パターンを作成するように構成される、種々の電極アセンブリの正面図である。
【
図18D】
図18A-18Dは、本開示のいくつかの実施形態による、調光パターンを作成するように構成される、種々の電極アセンブリの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明の種々の実施形態は、単一実施形態または複数の実施形態において光学システムを実装するためのシステム、方法、および製造品を対象とする。本発明の他の目的、特徴、および利点は、詳細な説明、図、および請求項に説明される。
【0058】
ここで、種々の実施形態が、当業者が本発明を実践することを可能にするように、本発明の例証的実施例として提供される、図面を参照して詳細に説明されるであろう。留意すべきこととして、以下の図および実施例は、本発明の範囲を限定することを意味するものではない。本発明のある要素が、公知のコンポーネント(または方法またはプロセス)を使用して部分的または完全に実装され得る場合、本発明の理解のために必要なそのような公知のコンポーネント(または方法またはプロセス)のそれらの一部のみが、説明され、そのような公知のコンポーネント(または方法またはプロセス)の他の部分の詳細な説明は、本発明を曖昧にしないように、省略されるであろう。さらに、種々の実施形態は、例証として本明細書に参照されるコンポーネントの現在および将来的公知の均等物を包含する。
【0059】
光学システムは、ARシステムから独立して実装されてもよいが、以下の多くの実施形態は、例証目的のためだけにARシステムに関係して説明される。
(問題およびソリューションの概要)
【0060】
実世界光が通過することを可能にしながら、仮想画像を種々の深度に生成するための1つのタイプの光学システムは、少なくとも部分的に透明な光誘導光学要素(例えば、回折光学要素を含む、プリズム)を含む。しかしながら、これらの光誘導光学要素は、非意図的に、実世界光源からの実世界光を内部結合し得る。不慮に内部結合された実世界光は、光誘導光学要素内でユーザの眼に向かって回折され得る。外部結合された実世界光は、回折様式において光誘導光学要素から出射し、それによって、ARシナリオ内において、ユーザの視野内および/または光誘導光学要素によって表示される仮想オブジェクトの近隣に現れる、「レインボー」画像またはアーチファクト等のアーチファクトを生成する。レインボーアーチファクトは、調和しない画像を用いて、ARシナリオの効果を妨げる。
【0061】
以下の開示は、光誘導光学要素に対して外部のカバーレンズ(「ウィンドウ」)を含むことによって本問題に対処する、多平面焦点光学要素を使用して、3D知覚を作成するためのシステムおよび方法の種々の実施形態を説明する。特に、外部ウィンドウは、勾配着色を有し、ユーザの上方から光誘導光学要素の中に進入する光(例えば、太陽光、頭上光等)を低減させる。例えば、勾配着色は、実施例として、レンズの上部部分では、5%の光透過度を可能にし、レンズの底部部分に向かって徐々により多くの光透過度(例えば、33%)を可能にする。勾配着色を有する、外部ウィンドウは、ARシステムに入射する周囲光の量を低減させることによって、仮想コンテンツ中実度を改良し、ARシステム内で不慮に回折し、ユーザに表示される「レインボー」アーチファクトを生成し得る、頭上光の量を低減させることによって、レインボーアーチファクトを遮断/低減させるための重要なコンポーネントである。勾配着色は、明るい頭上光を遮断し、仮想コンテンツの近隣に現れるレインボーアーチファクトを最小限にすることと、(例えば、実際の実世界オブジェクトから反射する)十分な周囲光がARシステムを通過することを可能にし、ユーザに、依然として、物理的環境が可視的に見え、それと相互作用することを可能にすることとの間の照明の平衡を可能にする。
【0062】
光誘導光学要素の中に非意図的に内部結合され、そこから外部結合する、周囲光の低減の結果としての、知覚される仮想コンテンツ中実度の増加は、例えば、映画館の館内照明および映画館環境内のディスプレイ画面の背後の光源に類似し得る。例えば、映画館の内側の館内照明が、低減されるにつれて、画面上に表示されている映画の画質は、向上されて現れる。別の実施例として、光源が、ディスプレイ画面の背後で不慮に照明される場合、ディスプレイ画面上に表示されている映画の画質は、大幅に低減されて現れ得る。画質の本低減は、画面上に表示されている映画の画像を打ち消す、画面の背後の光源に起因し得る。同様に、ユーザが拡張現実ディスプレイシステムを装着している間の、頭上の実世界光源からの照明の低減は、ユーザに表示されている仮想オブジェクトの向上に限って言えば、館内の照明の低減に類似する。さらに、館内のディスプレイ画面の背面から放出されている光源は、不慮に受光され、拡張現実ディスプレイシステムによって表示されている、頭上光源に類似する。頭上光が、最小限にされる場合、レインボーアーチファクトの影響は、それに応じて低減される一方、ユーザに表示される仮想オブジェクトのコンテンツ中実度は、向上される。
【0063】
勾配着色外部レンズを有することは、ユーザの上方から光誘導光学要素の中に進入する光(例えば、太陽光、頭上光等)の大部分を低減させ、それによって、LOE内で回折し、レインボーアーチファクトを生産し得る、不慮に内部結合される光の回折を低減させる。勾配着色は、明るい周囲光が、概して、通常、拡張現実システムのユーザの上方にある、光源から生じるため、レンズの上部部分において、レンズの下側部分とは対照的に、より多くの光を低減させる。典型的頭上光源の実施例は、太陽光、屋内天井灯、屋外街灯等を含む。換言すると、部屋または物理的環境を明化するための大部分の光源は、通常、ユーザの上方から生じる。したがって、光誘導光学要素に対して外部のウィンドウは、ユーザの上方からの実世界光を実質的に低減させ、光誘導光学要素の中への実世界光の意図されない内部結合およびそれと関連付けられるレインボーアーチファクトを最小限にすることができる。同時に、着色の勾配は、中央部分(例えば、視野)に向かってより多くの光透過度を可能にし、レンズの底部部分では、さらにより多くの光透過度を可能にし、物理的環境からのより多くの周囲光が、拡張現実システムに入射し、ユーザが、物理的環境およびARシステムによって表示される仮想オブジェクトと相互作用することを可能にする。
【0064】
本明細書に開示される制御可能勾配着色外部レンズは、ARシステムが、外光強度および方向の変化に応答することを可能にする。ARシステムは、外部照明が比較的に高い強度であるとき、および/または(光学軸と平行な角度と比較して)外光が高角度から生じるとき、着色を増加させることができる。着色の強度の制御は、ARシステムが、不慮に内部結合される光および対応するアーチファクトを低減させる一方、ARシナリオを改良するために、外光透過度に及ぼされる影響を最小限にすることを可能にする。
(例証的拡張現実システム)
【0065】
光誘導光学要素に対して外部のウィンドウの実施形態の詳細を説明する前に、本開示は、ここで、例証的ARシステムの説明を提供するであろう。
【0066】
ARシステムを実装するための1つの可能性として考えられるアプローチは、深度平面情報が埋設され、個別の深度平面から生じるよう現れる画像を生成する、複数の体積位相ホログラム、表面起伏ホログラム、または光誘導光学要素を使用する。換言すると、回折パターン、すなわち、回折光学要素(「DOE」)が、コリメートされた光(略平面波面を伴う光ビーム)がLOEに沿って実質的に全内部反射されるにつれて、複数の場所において回折パターンを交差し、ユーザの眼に向かって出射するように、光誘導光学要素(「LOE」、例えば、平面導波管)内に埋設される、またはその上に刻設されてもよい。DOEは、LOEからのそれを通して出射する光が接するように構成され、したがって、特定の深度平面から生じるよう現れる。コリメートされた光は、光学集光レンズ(「集光器」)を使用して、生成されてもよい。
【0067】
例えば、第1のLOEは、光学無限深度平面から生じるよう現れる、コリメートされた光を眼に送達するように構成されてもよい(0ジオプトリ)。別のLOEは、2メートルの距離から生じるよう現れる、コリメートされた光を送達するように構成されてもよい(1/2ジオプトリ)。さらに別のLOEは、1メートルの距離から生じるよう現れる、コリメートされた光を送達するように構成されてもよい(1ジオプトリ)。スタックされたLOEアセンブリを使用することによって、複数の深度平面が生成され、各LOEが特定の深度平面から生じるよう現れる画像を表示するように構成され得ることが理解され得る。スタックは、任意の数のLOEを含んでもよいことを理解されたい。しかしながら、少なくともN個のスタックされたLOEが、N個の深度平面を生成するために要求される。さらに、N、2N、または3N個のスタックされたLOEが、RGB着色画像をN個の深度平面において生成するために使用されてもよい。
【0068】
3D仮想コンテンツをユーザに提示するために、拡張現実(AR)システムは、Z方向における種々の深度平面から(すなわち、ユーザの眼から直交して離れるように)生じるよう現れるように、仮想コンテンツの画像をユーザの眼の中に投影する。換言すると、仮想コンテンツは、ユーザが、非常に近くにある、または無限距離にある、またはその間の任意の距離にあるようにオブジェクトを知覚し得るように、XおよびY方向(すなわち、ユーザの眼の中心視覚軸に直交する2D平面)において変化し得るだけではなく、また、Z方向にも変化するように現れ得る。他の実施形態では、ユーザは、複数のオブジェクトを異なる深度平面において同時に感知し得る。例えば、ユーザには、無限遠から現れ、ユーザに向かって走ってくる、仮想ドラゴンが見え得る。代替として、ユーザには、ユーザから3メートル離れた距離における仮想鳥と、ユーザから腕の長さ(約1メートル)にある仮想コーヒーカップとが同時に見え得る。
【0069】
多平面焦点システムは、ユーザの眼からZ方向に個別の固定距離に位置する複数の深度平面の一部または全部上に画像を投影させることによって、可変深度の知覚を生成する。ここで
図4を参照すると、多平面焦点システムは、典型的には、固定深度平面202(例えば、
図4に示される6つの深度平面202)においてフレームを表示することを理解されたい。ARシステムは、任意の数の深度平面202を含むことができるが、1つの例示的多平面焦点システムは、Z方向に6つの固定深度平面202を有する。6つの深度平面202のうちの1つ以上のものにおいて仮想コンテンツを生成する際、3D知覚が、ユーザが1つ以上の仮想オブジェクトをユーザの眼から可変距離において知覚するように生成される。ヒトの眼が、離れて現れるオブジェクトより近い距離のオブジェクトにより敏感であることを前提として、
図4に示されるように、眼により近いほど、より多くの深度平面202が生成される。他の実施形態では、深度平面202は、相互から等距離だけ離れて設置されてもよい。
【0070】
深度平面位置202は、典型的には、メートル単位で測定された焦点距離の逆数と等しい屈折力の単位である、ジオプトリで測定される。例えば、一実施形態では、深度平面1は、1/3ジオプトリだけ離れてもよく、深度平面2は、0.3ジオプトリだけ離れてもよく、深度平面3は、0.2ジオプトリだけ離れてもよく、深度平面4は、0.15ジオプトリだけ離れてもよく、深度平面5は、0.1ジオプトリだけ離れてもよく、深度平面6は、無限遠を表してもよい(すなわち、0ジオプトリ離れている)。他の実施形態は、他の距離/ジオプトリで深度平面202を生成してもよいことを理解されたい。したがって、仮想コンテンツを方略的に設置された深度平面202に生成する際、ユーザは、仮想オブジェクトを3次元で知覚可能となる。例えば、ユーザは、深度平面1に表示されるとき、その近くにあるように第1の仮想オブジェクトを知覚し得る一方、別の仮想オブジェクトは、深度平面6における無限遠において現れる。代替として、仮想オブジェクトは、仮想オブジェクトがユーザに非常に近接して現れるまで、最初に、深度平面6で、次いで、深度平面5で表示される等となってもよい。前述の実施例は、例証目的のために大幅に簡略化されていることを理解されたい。別の実施形態では、全6つの深度平面は、ユーザから離れた特定の焦点距離に集中されてもよい。例えば、表示されるべき仮想コンテンツが、ユーザから1/2メートル離れたコーヒーカップである場合、全6つの深度平面は、コーヒーカップの種々の断面で生成され、ユーザにコーヒーカップの非常に粒度の細かい3Dビューを与え得る。
【0071】
一実施形態では、ARシステムは、多平面焦点システムとして機能してもよい。換言すると、6つの固定された深度平面から生じるよう現れる画像が、光源と迅速に連動して生成され、画像情報をLOE1、次いで、LOE2、次いで、LOE3等と迅速に伝達するように、全6つのLOEが、同時に照明されてもよい。例えば、光学無限遠における空の画像を含む、所望の画像の一部が、時間1において出射されてもよく、光のコリメーションを保持するLOE190(例えば、
図4からの深度平面6)が、利用されてもよい。次いで、より近い木の枝の画像が、時間2において出射されてもよく、10メートル離れた深度平面から生じるよう現れる画像を生成するように構成されるLOE190(例えば、
図4からの深度平面5)が、利用されてもよい。次いで、ペンの画像が、時間3において出射されてもよく、1メートル離れた深度平面から生じるよう現れる画像を生成するように構成されるLOE190が、利用されてもよい。本タイプのパラダイムは、ユーザの眼および脳(例えば、視覚野)が同一画像の全部分であるよう入力を知覚するような迅速時間順次方式(例えば、360Hz)で繰り返されることができる。
【0072】
ARシステムは、Z軸(すなわち、深度平面)に沿った種々の場所から生じるように現れ、3D体験のための画像を生成する、画像を投影することが要求される(すなわち、光ビームを発散または収束させることによって)。本願で使用されるように、光ビームは、限定ではないが、光源から放射する光エネルギー(可視および非可視光エネルギーを含む)の指向性投影を含む。種々の深度平面から生じるよう現れる画像を生成することは、その画像のために、ユーザの眼の輻輳・開散運動および遠近調節に順応させ、輻輳・開散運動-遠近調節衝突を最小限にする、または排除する。
【0073】
図1は、画像を単一深度平面において投影させるための基本光学システム100の一部を描写する。システム100は、光源120と、それと関連付けられた回折光学要素(図示せず)および内部結合格子192(ICG)を有する、LOE190とを含む。回折光学要素は、体積または表面起伏を含む、任意のタイプであってもよい。一実施形態では、ICG192は、LOE190の反射モードアルミ被覆部分である。別の実施形態では、ICG192は、LOE190の透過回折部分である。システム100が使用されているとき、光源120からの光ビームは、ユーザの眼への表示のために、実質的全内部反射(「TIR」)によって、ICG192を介して、LOE190に入射し、LOE190に沿って伝搬する。1つのみのビームが
図1に図示されるが、多数のビームが、同一ICG192を通して広範囲の角度からLOE190に入射し得ることを理解されたい。LOEの中に「入射する」または「受容される」光ビームは、限定ではないが、実質的TIRによってLOEに沿って伝搬するようにLOEと相互作用する、光ビームを含む。
図1に描写されるシステム100は、種々の光源120(例えば、LED、OLED、レーザ、およびマスクされた広面積/広帯域エミッタ)を含むことができる。他の実施形態では、光源120からの光は、光ファイバケーブル(図示せず)を介して、LOE190に送達されてもよい。
【0074】
図2は、光源120と、3つのLOE190と、3つの個別の内部結合格子192とを含む、別の光学システム100’を描写する。光学システム100’はまた、3ビームスプリッタまたはダイクロイックミラー162(光を個別のLOEに指向するため)と、3つのLCシャッタ164(LOEが照明されるときを制御するため)とを含む。システム100’が、使用されているとき、光源120からの光ビームは、3ビームスプリッタ162によって、3つのサブビーム/ビームレットに分裂される。3ビームスプリッタはまた、ビームレットを個別の内部結合格子192に向かって再指向する。ビームレットが、個別の内部結合格子192を通してLOE190に入射後、それらは、実質的TIRによって、LOE190に沿って伝搬し、そこで、付加的光学構造と相互作用し、表示をユーザの眼にもたらす。光学経路の遠側上の内部結合格子192の表面は、不透明材料(例えば、アルミニウム)でコーティングされ、光が内部結合格子192を通して次のLOE190に通過することを防止することができる。一実施形態では、ビームスプリッタ162は、波長フィルタと組み合わせられ、赤色、緑色、および青色ビームレットを生成することができる。そのような実施形態では、3つのLOE190が、カラー画像を単一深度平面に表示するために要求される。別の実施形態では、LOE190はそれぞれ、同様の色または異なる色(「タイル状にされた視野」)のいずれかの、ユーザの視野内で側方に角度的に変位されたより大きい単一深度平面画像面積の一部を提示してもよい。
【0075】
図3は、6つのビームスプリッタ162と、6つのLCシャッタ164と、それぞれ、個別のICG192を有する、6つのLOE190とを有する、さらに別の光学システム100’’を描写する。
図2の議論の間に上記に解説されたように、3つのLOE190が、カラー画像を単一深度平面に表示するために要求される。したがって、本システム100’’の6つのLOE190は、カラー画像を2つの深度平面に表示することが可能である。
【0076】
図5は、ICG192と、直交瞳エクスパンダ194(「OPE」)と、射出瞳エクスパンダ196(「EPE」)とを有する、LOE190を描写する。
【0077】
図1-4に示されるように、深度平面、フィールドタイル、または生成される色の数が、増加するにつれて(例えば、ARシナリオ品質の増加に伴って)、LOE190およびICG192の数も増加する。例えば、単一RGB色深度平面は、3つのICG192を伴う、少なくとも3つのLOE190を要求する。結果として、これらの光学要素における実世界光の不慮の内部結合の機会もまた、増加する。さらに、実世界光は全て、外部結合格子(図示せず)を含む、LOE190に沿って内部結合され得る。したがって、容認可能ARシナリオを生成するために要求される光学要素の数の増加は、内部結合される実世界光からのレインボーアーチファクトの問題を悪化させる。
(瞳エクスパンダ)
【0078】
上記に議論されるLOE190は、加えて、射出瞳エクスパンダ196(「EPE」)として機能し、光源120の開口数を増加させ、それによって、システム100の分解能を増加させることができる。光源120は、小径/スポットサイズの光を生成するため、EPE196は、LOE190から出射する光の瞳の見掛けサイズを拡張させ、システム分解能を増加させる。ARシステム100の他の実施形では、システムはさらに、EPE196に加え、直交瞳エクスパンダ194(「OPE」)を備え、XおよびY方向の両方において光を拡張させてもよい。EPE196およびOPE194についてのさらなる詳細は、上記で参照された米国特許出願第14/555,585号および米国特許出願第14/726,424号(その内容は、参照することによって既に組み込まれている)に説明される。
【0079】
図5は、ICG192、OPE194、およびEPE196を有する、LOE190を描写する。
図5は、ユーザの眼からのビューに類似する、上面図からのLOE190を描写する。ICG192、OPE194、およびEPE196は、立体または表面リリーフを含む、任意のタイプのDOEであってもよい。
【0080】
ICG192は、TIRによる伝搬のために、光源120からの光を受容するように構成される、DOE(例えば、線形格子)である。
図5に描写される実施形態では、光源120は、LOE190の側面に配置される。
【0081】
OPE194は、システム100を通して伝搬する光ビームが90度側方に偏向されるであろうように、側方平面(すなわち、光経路と垂直)に傾斜される、DOE(例えば、線形格子)である。OPE194はまた、光ビームが、部分的に、OPE194を通して通過し、複数(例えば、11)のビームレットを形成するように、光経路に沿って、部分的に透過性および部分的に反射性である。一実施形態では、光経路は、X軸に沿ってあり、OPE194は、ビームレットをY軸に対して屈曲するように構成される。
【0082】
EPE196は、システム100を通して伝搬するビームレットが軸方向に90度偏向されるであろうように、軸方向平面(すなわち、光経路またはY方向に平行)に傾斜される、DOE(例えば、線形格子)である。EPE196はまた、ビームレットが、部分的に、EPE196を通して通過し、複数(例えば、7つ)のビームレットを形成するように、光経路(Y軸)に沿って部分的に透過性および部分的に反射性である。EPE196はまた、ユーザの眼に向かって伝搬するビームレットの方向部分に対してZ方向に傾斜される。
【0083】
OPE194およびEPE196の両方もまた、Z軸に沿って少なくとも部分的に透過性であって、実世界光(例えば、実世界オブジェクトから反射する)が、Z方向においてOPE194およびEPE196を通して通過し、ユーザの眼に到達することを可能にする。いくつかの実施形態では、ICG192は、Z軸に沿って少なくとも部分的に透過性であって、また、Z軸に沿って少なくとも部分的に透過性であり、実世界光を受容する。しかしながら、ICG192、OPE194、またはEPE196が、LOE190の透過性回折部分であるとき、それらは、実世界光をLOE190の中に非意図的に内部結合し得る。上記に説明されるように、本非意図的に内部結合される実世界光は、ユーザの眼の中に外部結合され、レインボーアーチファクトを形成し得る。
(レインボーアーチファクト問題)
【0084】
図6は、LOE190を有する、先行技術のARシステム100の端視図である。LOE190は、
図5に描写されるものに類似するが、ICG192およびEPE196のみが、
図6に描写され、OPE194は、明確にするために省略される。種々の源からのいくつかの例示的光ビームが、上記に述べられたレインボーアーチファクト問題を実証するために図示される。光源120によって生成された仮想光ビーム302が、ICG192によって、LOE190の中に内部結合される。仮想光ビーム302は、ARシステム100によって生成された仮想オブジェクト338(例えば、仮想ロボット)に関する情報を搬送する。
【0085】
仮想光ビーム302は、TIRによって、LOE190を通して伝搬され、それがEPE196上に衝突する度に、部分的に出射する。
図6では、仮想光ビーム302は、EPE196上の2つの場所に衝突する。出射する仮想光ビームレット302’は、ARシステム100によって決定された角度でユーザの眼304に送られる。
図6に描写される仮想光ビームレット302’は、相互に略平行である。仮想光ビームレット302’は、したがって、無限遠の近傍から生じるように現れる、画像(例えば、仮想ロボットの仮想オブジェクト338)をレンダリングするであろう。仮想光ビームレット302’は、相互に対して広範囲の角度でユーザの眼304に送られ、ユーザの眼からの広範囲の距離から生じるように現れる、画像をレンダリングし得る。
【0086】
LOE190はまた、実世界オブジェクト308(例えば、離れた木)から反射するもの等の実世界光ビーム306に対して透過性である。
図6に描写される木308は、ユーザの眼304から離れているため、実世界光ビーム302は、相互に略平行である。実世界光ビーム306は、LOE190が光に対して透過性であるため、LOE190を通して通過する。ユーザの眼302のより近い距離における実世界オブジェクト308は、相互に発散するであろうが、依然として、LOE190を通して実質的に通過するであろう。
【0087】
問題は、本先行技術LOE190がまた、LOE190の上部部分においてLOE190に送られる、ユーザの上方からの頭上実世界光ビーム312a(例えば、太陽光、天井灯、街灯等の頭上光源)を内部結合する(屈折によって)ことである。LOE190の上部部分は、例えば、ヘッドセットが、設計通り装着され、ユーザが、直立に起立または着座しているときの、ヘッドセットの上部部分等の世界側上部部分に対応する。例えば、
図6に描写されるユーザの上方の頭上実世界光源314(例えば、太陽)は、LOE190に対して頭上位置にある。太陽314は、LOE190の右に描写されるが、太陽314は、LOE190の上方の空中の高い場所にあり得、典型的には、そうである。太陽からの太陽光は、典型的には、ユーザの上方にあるため、太陽光は、世界側上部部分からヘッドセットに入射するであろう一方、ユーザの物理的環境内の物理的オブジェクトからの大部分の光ビームは、頭上光源がそれを通して入射する、ヘッドセットの世界側上部部分とは対照的に、ヘッドセットの視野部分においてより多くヘッドセットに入射する(ユーザが物理的オブジェクトを見ていると仮定して)。
【0088】
太陽314は、それがまた明るいため、レインボーアーチファクト316aを生成し得る、頭上実世界光源314である。レインボーアーチファクト316aを生成し得る、他のオブジェクト314は、ユーザの上方からLOE190上に偶発的に衝突する、頭上光源(例えば、天井灯、街灯等)を含む。頭上実世界光源の明度は、回折をLOE190内で生じさせ、したがって、レインボーアーチファクトを光源302から生成された仮想オブジェクト338の近隣に生成し得る。回折は、それによって光波が暗および明帯域またはスペクトルの色に分割される、プロセスである。明および暗陰影およびパターンを床を横断して覆わせる、ブラインド内の狭い開口部を通して通過する光は、回折の実施例である。
【0089】
図6に示されるように、頭上実世界ビーム312aは、LOE190の外部表面310において、LOE190の中に内部結合され得る。そこからLOE190が作製される、材料の屈折率に起因して、内部結合される頭上実世界ビーム312a’は、頭上実世界ビーム312aから軌道を変化させる。最後に、内部結合される頭上実世界ビーム312a’が、EPE196上に衝突すると、さらなる変化された軌道を伴って、出射頭上実世界ビーム312a’’としてLOE190から出射する。
図6に示されるように、出射頭上実世界ビーム312a’’は、レインボー画像/アーチファクト316aを仮想オブジェクト338の近隣の視野内にレンダリングする。
図6では、レインボー画像/アーチファクト316aは、仮想オブジェクト338の近隣の場所内に生じるように現れる。仮想オブジェクト338の傍における意図されないレインボー画像/アーチファクト316aの並置は、ARシナリオの意図される効果を妨げ得る。
【0090】
ARシステム100は、実世界光ビーム306に対してある程度の透過性を要求するため、そのLOE190は、頭上実世界光ビーム312aの意図されない内部結合と、内部結合される頭上実世界ビーム312a’’がLOE190から出射するときに生成されるレインボーアーチファクトの問題を有する。単一ビームおよびビームレットが、
図6に描写されるが、これは、明確にするためのものであることを理解されたい。
図6に描写される各単一ビームまたはビームレットは、関連情報を搬送し、類似軌道を有する、複数のビームまたはビームレットを表す。本明細書の実施形態は、レインボーアーチファクトを低減させることに関して説明されるが、実施形態はまた、外光の不慮の内部結合から生じる他の光学アーチファクトも低減させ得る。
(光誘導光学要素に対して外部の被覆レンズ)
【0091】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、拡張現実システムの光誘導光学要素に隣接して、その外部に配置される、レンズの端視図である。LOE190は、ICG192と、OPE(図示せず)と、EPE196と、レンズ350とを有する。レンズ350は、LOE190の表面310に隣接して、その外部に配置される。レンズ350は、着色されたレンズを通して透過し、光誘導光学要素(例えば、LOE190)を通して透過する、実世界光の量が、低減されるように、着色を含み、着色を介して実世界光を吸収するように構成されることができる。着色されたレンズはまた、勾配着色されたレンズとして構成され、レンズの世界側上部部分では、より多くの実世界光を吸収し(例えば、より多くの光を低減させる/より少ない光を透過させる)明るい頭上光源から生成される「レインボー」アーチファクトを最小限にし、レンズの世界側底部部分では、より少ない実世界光を吸収し(例えば、より少ない光を低減させる/より多くの光を透過させる)、十分な光がLOE190を通して透過することを可能にしてもよい。勾配レンズを通して透過される実世界光の量は、レンズを通して透過される光の5%が、T
avg=5%として表され、レンズを通して透過される光の33%が、T
avg=33%として表されるように、透過度平均(「T
avg」)として表され得る。
【0092】
例えば、
図7では、太陽314が、拡張現実システムのユーザの頭上/上方にある。実世界頭上光源314(例えば、太陽)は、頭上実世界光ビーム312bを放出する。頭上実世界光ビームが、勾配着色されたレンズの上部部分(例えば、
図7の右側にあるように描写される)においてレンズ350に入射するにつれて、頭上実世界光ビーム312bのかなりのパーセンテージが、低減された実世界光ビーム312b’(破線として示される)が、レンズ350を通して透過され、透明LOE190を通して透過するように、レンズ350の着色内に吸収される。例えば、レンズ350の上部部分が、5%のT
avgを伴う勾配着色を有する場合、頭上実世界光ビーム312bの5%のみ(例えば、低減された実世界光ビーム312b’)が、レンズ350を通して透過され、LOE190を通して透過する。
【0093】
低減された実世界光ビーム312b’が、LOE190から出射するにつれて、低減された実世界光ビーム312b’は、依然として、回折される光ビーム312b’’が、ユーザの眼304に入射し、したがって、ARシステムのユーザによって知覚される低減されたレインボーアーチファクト316bを作成し得るように、LOE190内の要素によって回折され得る。
図6におけるレインボーアーチファクト316aは、
図6では、頭上実世界光ビーム312aが、その完全強度を伴ってLOE190に入射する(例えば、
図7に図示されるような光312bの一部を吸収する勾配着色、または頭上光の任意の部分を吸収するための任意の着色を有する、レンズ350を伴わない)ため、
図7における低減されたレインボーアーチファクト316bより有意に明るく現れることに留意されたい。完全強度では、眼の中への光ビーム312a’’の回折は、はるかに強くかつ明るく、したがって、
図6と比較して、レインボー効果を最小限にする、
図7における低減されたレインボーアーチファクト316bより明るいレインボー効果として、ユーザによって知覚されるレインボーアーチファクト316aを提供する。低減された実世界光ビーム312b’は、実世界光ビーム312a’ほど強くはないため、低減された実世界光ビーム312b’の強度および明度は、あまり明るくなくかつあまり強くはないレインボーアーチファクト316bを生産する。
【0094】
上記に議論されるように、表示される仮想コンテンツの拡張現実感をユーザの物理的環境の十分な照明で維持するためにレンズ350を通して許容されるべき光の量と、レインボーアーチファクトを最小限にするためにレンズ350によって遮断されるべき光の量との間には、平衡が存在する。
【0095】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、ARシステムの勾配着色されたレンズの正面図である。
図8に描写される破線は、単に、均一/固定着色度を有する、レンズのy-軸を横断した想像上の線を図示することに留意されたい。レンズ350は、着色の変動が幾何学形状の関数である、可変着色を有する。任意の所与の場所における着色度は、レンズ350のy-軸に対して固定される。着色の透過度パーセンテージ(例えば、T
avg)は、ユーザによる仮想コンテンツの不透明度の知覚(例えば、不透明度は、より少ない外光透過度に伴って改良する)と、減少されたレインボーアーチファクト(例えば、より少ない外光透過度に伴って改良する)と、ユーザに実世界が明確に見え/それと相互作用することが可能であるために十分な外光透過度を可能にすること(より多くの外光透過度に伴って改良する)とを平衡することによって決定される。EPE上の種々の点において測定された透過度(例えば、T
avg)が、
図8に示され、仕様が、種々の点のそれぞれにおいて定義される。いくつかの実施形態では、「スイートスポット」透過度パーセンテージ勾配(例えば、
図8に示される)は、容認可能不透明度において実質的にレインボーのないコンテンツを提供する一方、ユーザに、実世界のARシステムを通してユーザによって見られる物理的オブジェクトと相互作用するために十分な世界光が見えることを可能にする。
【0096】
上記に議論されるように、勾配着色は、(a)レンズアセンブリを通して、レインボーアーチファクトの周囲光影響と、(b)仮想コンテンツ知覚を打ち消す、または向上させる、明度とを制御する。レンズ350は、レンズのy-軸に対する種々のT
avg値を有する。
図8に図示されるように、いくつかの実施形態では、勾配着色レンズは、上部縁810における着色が、実施例として、5%のT
avgを有し得る、レンズの上部縁810を含んでもよい。レンズのy-軸に対する位置820では、着色は、実施例として、18%のT
avgを有してもよい。(例えば、上部縁810と位置820との間の)勾配着色を有する、レンズ350の本面積は、本明細書の開示では、勾配着色レンズの上部部分と称され得る。
【0097】
レンズのy-軸に対する位置830では、着色は、実施例として、28%のT
avgを有してもよく、これは、33%のT
avgである、位置830および位置840において入射するものよりも少ない光を吸収する。
図8に示されるように、勾配着色は、33%のT
avgを伴う、位置840で終了し、したがって、レンズの位置840と底部縁850との間のレンズ350の面積は、本明細書の開示では、勾配着色レンズの底部部分と称され得る。他の実施形態では、T
avgおよび異なる位置(例えば、820、830、および840)は、付加的最適化試験に基づいて異なり得る。
【0098】
勾配は、光の各波長が、等しく吸収され、したがって、ウィンドウを通して透過される外光が、温度および着色の観点からユーザに中性に現れるように、中性濃度である。すなわち、勾配は、真のグレーである。いくつかの実施形態では、Tavgは、線形方式において、レンズ350の上部縁810における5%のTavgから位置840における33%のTavgへと徐々に増加される。当業者は、本開示に開示されるレンズの種々のy-軸におけるTavgの実際の値が、単に、レインボーアーチファクトの周囲光影響の制御と仮想コンテンツ知覚を打ち消す明度との間の平衡をとるための例示的構成であることを理解し得る。
【0099】
図7に戻って参照すると、いくつかの実施形態では、拡張現実システムはまた、選択的反射性コーティング320(例えば、ダイバータ)を含み、LOE190の中に不慮に内部結合されないように、頭上光源から反射させてもよい。選択的反射性コーティングは、コーティングされた光学要素が、低入射角(「AOI」、例えば、光学要素の表面から約90度)を伴う実世界光に対して実質的に透過性であるように、角度的に選択的であることができる。同時に、コーティングは、コーティングされた光学要素を高AOI(例えば、光学要素の表面と略平行、約170度)を伴う斜め実世界光に対して高度に反射性にする。
【0100】
勾配着色レンズと選択的反射性コーティング320の両方の組み合わせは、実施例として、太陽光および/または天井照明等の頭上照明から生じる、レインボーアーチファクトを大幅に低減させ得る。太陽光および/または天井灯は、比較的に高AOIから反射性コーティング320上に衝突し得るため、光ビーム312bは、反射された光ビーム313によって図示されるように、反射され、それによって、LOE190に入射しないように、頭上光の量をさらに低減させ得る。選択的反射性コーティング320は、LOE190の外部表面310上に配置される。選択的反射性コーティング320は、コーティング320が「調整」される状態に応じて、種々の特性を有する光を反射させるように構成されることができる。一実施形態では、コーティングは、比較的に高AOIにおいてコーティング320上に衝突する光を選択的に反射させる一方、比較的に低AOIにおいてコーティング320上に衝突する光がコーティングを通して通過することを可能にするように調整される。コーティング320はまた、比較的に低AOI光が、その軌道の角度を顕著に変化させずに、それを通して通過することを可能にするように調整される。コーティング320(例えば、ダイバータ)についてのさらなる詳細は、上記で参照された米国特許出願第15/479,700号(その内容は、参照することによって既に組み込まれている)に説明される。
【0101】
代替として、または加えて、米国特許出願第15/479,700号に描写されるもの等の反射性コーティング320(例えば、ダイバータ)が、レンズ350のコーティングの中に組み込まれ、頭上光を反射させ、それによって、レンズ350を通して透過され、LOE190を通して透過され得る、頭上光の量をさらに低減させることができる。
【0102】
単一ビームおよびビームレットが、
図6および
図7に描写されるが、これは、明確にするためのものであることを理解されたい。
図6および
図7に描写される各単一ビームまたはビームレットは、関連情報を搬送し、類似軌道を有する、複数のビームまたはビームレットを表す。
【0103】
勾配着色を有する、レンズ350は、実世界頭上光を低減させることによって、視野を低減させ得るが、レインボーアーチファクトの低減または最小限化は、ユーザの視野の低減された照明の犠牲に優り得る、利点である。さらに、レンズ350の勾配着色は、容認可能視野を留保しながら、レインボーアーチファクトを低減させるように調整されてもよい。実際、頭上光を低減させることは、上記に議論されるように、視野内に表示される仮想オブジェクトのコンテンツ中実度を改良する。
【0104】
本明細書に説明される実施形態は、勾配着色レンズを含むが、当業者は、勾配着色レンズが、レンズ350の表面に適用される勾配着色コーティングを有する、レンズ350を備えてもよいことを理解し得る。いくつかの実施形態では、光学コーティングは、レンズの表面に適用されてもよく、光学コーティングは、勾配着色コーティング、反射防止コーティング、硬質コーティング、ミラーコーティング、防汚コーティング、および/または配向マーキングを含んでもよい。配向マーキングは、組立の間、勾配を整列させるためのマーカを提供する。いくつかの実施形態では、勾配着色レンズは、楕円形であって、円形ではない。当業者は、勾配着色レンズの形状が、楕円形または円形以外の異なる形状であってもよく、レンズの形状が、ある問題を解決するためのユースケースに応じたものであり得ることを理解し得る。配向マーキングはさらに、下記に開示される。
【0105】
いくつかの実施形態では、着色の勾配は、保護レンズに取り付けられる、勾配フィルムであってもよい。いくつかの実施形態では、着色の勾配は、直接、レンズ自体の中に製造されてもよい。いくつかの実施形態では、着色の勾配は、外部レンズが、吸光構造としてではなく、代わりに、保護構造として使用され得るように、LOE190の表面310上にコーティングされてもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、外部頭上光透過を遮断することは、一部の外光の吸収(勾配着色)と一部の外光の反射(例えば、反射性および/またはミラーコーティング等のダイバータ)の組み合わせによって遂行されてもよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、レンズ材料は、実施例として、Trivex材料であってもよく、これは、約1mmの厚さであって、(a)防滴仕様であって、(b)最小限の(理想的には、ゼロ)歪曲/屈折力を外部ウィンドウを通して透過する外光に印加させ、(c)導波管ガラス屈折率とほぼ同一である、屈折率=1.58を有し得る。他の実施形態では、レンズ材料は、実施例として、ポリカーボネートであってもよい。また、さらに他の実施形態では、レンズ材料は、実施例として、プラスチックおよび/またはガラスであってもよい。
【0108】
いくつかの実施形態では、レンズ350は、EPE196の代わりに、アイボックスに対して地理的に変調される。アイボックスは、特定の方法において視認または観察する手段を提供する、ボックスであってもよい。アイボックスは、その中で事実上視認可能な画像が、レンズシステムまたは視覚的ディスプレイ(例えば、拡張現実システム)によって形成され、射出瞳サイズと瞳距離の組み合わせを表す、空間の体積であってもよい。
【0109】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、拡張現実システムのレンズ350の縁の周囲の平坦周縁表面の複数のビューを図示する。レンズ350は、外向きに向いた表面910と、内向きに向いた表面920と、平坦表面幅950を有する、第1の平坦周縁表面930と、960の平坦表面高さを有する、第2の平坦周縁表面940とを含んでもよい。勾配レンズの縁の周囲に構成され、搭載部、眼鏡フレーム、および/またはARヘッドセットとの界面接触および/またはシールを可能にする、第1の平坦周縁表面930および第2の平坦周縁表面940は全て、以降、「搭載部」と称され得る。
【0110】
旧来のレンズ設計は、概して、レンズの湾曲または丸みを帯びた周縁表面を含み、その個別の搭載部へのレンズの単純スナップ嵌合/スナップ嵌合解除構成および組立を促進する。しかしながら、本開示は、平坦周縁表面930および940をレンズ350の縁の周囲に含み、搭載部との界面接触および/またはシールを促進する。例えば、いくつかの実施形態は、レンズ350が、光誘導光学要素に隣接して、その表面の外部に配置され、光誘導光学要素をユーザの物理的環境内の外部オブジェクトとの物理的接触から保護する、保護カバーレンズであるため、レンズの平坦周縁表面に依拠し得る。ユーザの物理的環境内の外部オブジェクトとの接触に応じて、搭載部から飛び出し得る、丸みを帯びた縁レンズを有することは、光誘導光学要素を保護するというその目的を果たさない場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、レンズ350は、平坦周縁表面を含み、搭載部との界面接触/シールを可能にしてもよい。
【0111】
平坦表面幅950および平坦表面高さ960の測定は、取付のための搭載部の平坦表面積に依存し得る。いくつかの実施形態では、搭載部の平坦表面積は、平坦周縁表面(例えば、950および960)の測定が、レンズ350の厚さ、レンズ350の曲率、またはそれらの組み合わせに依存し得るため、平坦表面幅950および平坦表面高さ960に依存し得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、レンズ350の形状は、マグネシウム搭載部/フレームに対して外部のウィンドウ(例えば、レンズ350)の組立の間、接着剤が適用される、縁の周囲の平坦部分を含んでもよい。サングラスレンズは、概して、レンズが搭載部/フレームの中にスナップ嵌合することを可能にする、面取りされた斜角を含み、搭載部/フレームは、ある程度の可撓性を有してもよい。しかしながら、マグネシウム搭載部/フレームを含む、いくつかの実施形態では、そのような可撓性は、利用不可能である。したがって、レンズは、その上に糊着されなければならない。
【0113】
いくつかの実施形態では、レンズ350は、勾配着色コーティング、硬質コーティング、ミラーコーティング、防汚コーティング、および/または反射防止等の少なくとも1つ以上のコーティングを含んでもよい。レンズ350は、1.20+/-0.2mmの中心厚を有してもよい。レンズ350は、86.8+/-0.9mmの曲率半径を有してもよい。
【0114】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による、拡張現実システムのレンズ350の正面図である。外部レンズ/ウィンドウ(例えば、レンズ350)は、サイズおよび形状が均一(例えば、楕円形、円形、正方形等)ではなくてもよい。レンズ350は、勾配着色を有し、真円ではない。整合/配向マーカ1010が、組立の間、レンズがその搭載部内に正しく配向されることを確実にするために使用されてもよい。配向マーカは、
図10に描写されるように、レンズ350に対して東、北、および西場所に設置されてもよい。旧来の実施形態では、整合マーカ1010のために使用される、インクは、その搭載部へのレンズの組立が完了後、ユーザに配向マークが見えないように、払拭される。整合/配向マーカ1010は、除去されるため、外部ウィンドウ(例えば、レンズ350)は、いったん整合/配向マーカ1010が、実施例として、ARシステムの保守のために搭載部から除去されると、その搭載部に再度取り付けられることができない。
【0115】
いくつかの実施形態では、特殊な種類のインクが、整合/配向マーカ1010として使用されてもよい。特殊な種類のインクは、工場または修理設備内のある種類の光下で可視であり得る。しかしながら、特殊な種類のインクは、ARシステムの通常使用の間、ユーザに不可視となるであろう。特殊な種類のインクは、次いで、保守作業がレンズまたは眼鏡フレーム上で完了された後、レンズが、再度使用され、再度組み立てられるように、眼鏡フレームへのレンズの初期組立後、外部レンズ上に残され得る。いくつかの実施形態では、特殊な種類のインクは、赤外線(IR)インクまたは紫外線(UV)蛍光性インクであってもよい。いくつかの実施形態では、マーキング材料および/またはマーキングプロセスは、実施例として、Essilor(登録商標)によって開発されてもよい。
(制御可能外部被覆レンズシステム)
【0116】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による、システム(例えば、拡張現実システム)の外部被覆レンズの全部または一部を形成し得る、制御可能調光アセンブリを図示する。より具体的には、
図11は、外側電極1106Aと内側電極1106Bとの間に挟入され、ひいては、外側偏光器1102Aと内側偏光器1102Bとの間に挟入される、液晶層1108を含む、制御可能調光アセンブリを描写する。いくつかの実施例では、制御可能調光アセンブリはさらに、外側偏光器1102Aと外側電極1106Aとの間に位置付けられる、外側補償フィルム層1104A(または波長板)、内側偏光器1102Bと内側電極1106Bとの間に位置付けられる、内側補償フィルム層1104B(または波長板)、または両方を含んでもよい。
【0117】
動作時、外側偏光器1102Aは、第1の偏光状態(例えば、垂直偏光)をそれを通してユーザの眼に向かって伝搬する周囲光に付与してもよい。次に、液晶層1108内に含有される液晶分子はさらに、外側および内側電極1106A、1106Bを横断して印加される1つ以上の電場に従って、偏光された周囲光を回転/偏光させてもよい。対の電極1106A、1106Bおよび液晶層1108によって付与される偏光回転は、それを通して通過する周囲光の偏光状態を事実上改変する役割を果たし得るということになる。いくつかの実施例では、遅延および/または付加的偏光回転が、外側および/または内側補償フィルム層1104A、1104Bを用いて付与されてもよい。最後に、内側偏光器1102Bは、第2の異なる偏光状態(例えば、水平偏光)をそれを通してユーザの眼に向かって伝搬する周囲光に付与してもよい。第2の偏光状態は、外側偏光器1102Aと、液晶層1108と、随意に、外側および/または内側補償フィルム層1104A、1104Bの組み合わせられた効果によって周囲光上に付与される、累積偏光状態に略直交するように構成されてもよい。故に、内側偏光器1102Bは、それを通して通過する第2の偏光状態における周囲光の部分が影響されないことを可能にし得、第2の偏光状態以外の偏光状態における周囲光の部分を減衰させ得る。
【0118】
いくつかの実装では、
図11の制御可能調光アセンブリは、レンズ350(
図7参照)のものに類似する様式において、勾配または別様に非均一な着色/調光パターンを生成し、その上に入射する周囲光を減衰させるように構成されてもよい。
図11の制御可能調光アセンブリは、外側および内側電極1106A、1106Bを横断した1つ以上の電場/電圧の印加に応じて、勾配を生成するように構成されてもよい。そのようなパターンの実施例は、
図12A-12Dに示される。加えて、
図11の制御可能調光アセンブリが属する、システムは、種々の異なる要因のいずれかに基づいて、そのような空間的に変動する調光パターンの大域的レベルの不透明度の経時的調節をもたらし得る。いくつかの実施例では、制御可能調光アセンブリは、周囲光がコンポーネントに入射する、場所および/または角度に基づいて変動する、偏光状態を付与するように構成される、その少なくとも1つのコンポーネント(例えば、外側偏光器1102A、内側偏光器1102B、外側補償フィルム層1104A、内側補償フィルム層1104B、外側電極1106A、内側電極1106B、外側電極1106Aおよび/または内側電極1106Bに電気的に結合される、回路網、液晶層1108、外側電極1106A、および/または内側電極1106Bに隣接して配置される基板材料等)を用いて、勾配着色/調光パターンに従って、それを通して通過する周囲光を減衰させるように構成されてもよい。
【0119】
下記にさらに詳細に説明されるように、外側および内側偏光器1102A、1102Bの一方または両方は、空間的に変動する、または別様に非均一な様式において、それを通して通過する、周囲光を偏光させるように構成されてもよい。例えば、外側偏光器1102Aは、特定の偏光状態をその1つの部分/区分に入射する周囲光に付与するが、他の異なる偏光状態をその他の部分/区分に入射する周囲光に付与するように構成されてもよい。
【0120】
加えて、制御可能調光アセンブリが、少なくとも1つの補償フィルム層(例えば、外側および内側補償フィルム層1104A、1104Bの一方または両方)を含む、いくつかの実装では、そのような補償フィルム層1104A、1104Bは、周囲光が補償フィルム層1104A、1104Bに入射する、場所および/または角度に基づいて変動する様式において、それを通して通過する周囲光を偏光/回転/遅延させるように構成されてもよい。いくつかの実装では、補償フィルム層1104A、1104Bは、
図7を参照して上記に説明され、米国特許出願第15/479,700号(その全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる)にさらに詳細に説明されるように、コーティング320のものに類似する様式において、その上に衝突する光と相互作用するように構成されてもよい。例えば、外側補償フィルム層1104Aは、その1つの部分/区分に入射する周囲光を特定の量だけ偏光/回転/遅延させるが、それの他の部分/区分に入射する周囲光を他の異なる量だけ偏光/回転/遅延させるように構成されてもよい。別の実施例では、外側補償フィルム層1104Aは、特定の角度においてそれの表面に入射する周囲光を特定の量だけ偏光/回転/遅延させるが、他の角度においてそれの該表面に入射する周囲光を他の異なる量だけ偏光/回転/遅延させるように構成されてもよい。
【0121】
さらに、いくつかの実施例では、外側および内側電極1106A、1106Bのうちの1つ以上のものは、空間的に変動する、または別様に非均一な電場を、その間に生産するように構成されてもよく、これは、ひいては、液晶層1108が、該空間的に変動する、または別様に非均一な様式において、それを通して通過する周囲光を偏光/回転/遅延させるように、液晶相の非均一性を液晶層1108内に作成し得る。例えば、外側電極1106Aは、比較的に強い電場をその一端に生産するが、比較的に弱い電場をその別の異なる端部に生産するように構成されてもよい。一端および異なる端部は、外側電極1106A上のある方向に沿った対向端であってもよい。本方向は、液晶層1108の底部から上部に対応してもよい。種々の実施形態では、液晶層1108は、染料ドープまたはゲストホスト液晶、ねじれネマチック(TN)または垂直整合(VA)液晶、または強誘電性液晶等の液晶技術を採用してもよい。いくつかの実装では、液晶層1108は、ECBセル等の電気的に制御された複屈折(ECB)技術を採用してもよい。
【0122】
図8-10を参照して上記に説明される外部被覆レンズと同様に、いくつかの実装では、
図11の制御可能調光アセンブリの幾何学形状は、1つ以上の丸みを帯びたまたは湾曲縁および/または表面を特徴とし得る。いくつかの実施形態では、
図11の制御可能調光アセンブリの幾何学形状は、それに対して制御可能調光アセンブリが物理的に結合される、フレームの輪郭に追従するように成形されてもよい。これらの実施形態のうちのいくつかでは、フレームは、ユーザの頭部を中心として装着されるように構成されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、一対の制御可能調光アセンブリは、フレームがユーザによって装着されると、2つの制御可能調光アセンブリが、それぞれ、一対の接眼レンズのものに類似する様式において、ユーザの両眼の正面に位置付けられる/それと整合するように、フレームに物理的に結合されてもよい。他の実施形態では、単一の比較的に幅広の制御可能調光アセンブリが、フレームがユーザによって装着されると、制御可能調光アセンブリが、バイザ、フェイスマスク、またはシールドのものに類似する様式において、ユーザの両眼の正面に位置付けられるように、フレームに物理的に結合されてもよい。
【0123】
図12A-12Dは、本開示のいくつかの実施形態による、例示的調光パターンを示す。
図12Aは、不透明度/透明度が対応する点P1からのユークリッド距離の関数として変動する、半径方向勾配調光パターンG1を示す。より具体的には、半径方向勾配調光パターンG1は、点P1では、殆ど/全く不透明度を呈さず、点P1からのユークリッド距離が増加するにつれて、不透明度の増加量を呈する。点P1は、
図12Aに描写されるように、大域的最小不透明度のレベルが呈される、半径方向勾配調光パターンG1内の点を表し得る。また、点P1から最も遠く離れて位置する、半径方向勾配調光パターンG1内の点は、大域的最大不透明度のレベルが呈される、調光パターンG1内の点を表し得るということになる。
図12Bは、不透明度/透明度が対応する点P2からのユークリッド距離の関数として変動する、半径方向勾配調光パターンG2を示す。
図12Bに示されるように、半径方向勾配調光パターンG2は、点P2において、高レベルの不透明度を呈し、点P2からのユークリッド距離が増加するにつれて、不透明度の減少量を呈する。点P2は、
図12Bに描写されるように、大域的最大不透明度のレベルが呈される、半径方向勾配調光パターンG2内の点を表し得る一方、点P2から最も遠く離れて位置する、半径方向勾配調光パターンG2内の点は、大域的最小不透明度のレベルが呈される、調光パターンG2内の点を表し得る。
図12Cは、不透明度/透明度が、レンズ350の勾配着色パターンに類似する様式において、一端から別の端部に線形に変動する、線形勾配調光パターンG3を示す。調光パターンG1およびG2と同様に、線形勾配調光パターンG3の一端における1つ以上の点のセットは、大域的最小不透明度のレベルが呈される、調光パターンG3内の点を表し得る一方、線形勾配調光パターンG3の別の端部における1つ以上の点のセットは、大域的最大不透明度のレベルが呈される、調光パターンG3内の点を表し得る。
図12Dは、不透明度/透明度がその中心からのユークリッド距離の関数として変動する、半径方向勾配調光パターンG4を示す。
図12Dに示されるように、半径方向勾配調光パターンG4は、その中心では、殆ど/全く不透明度を呈さず、中心からのユークリッド距離が増加するにつれて、不透明度の増加量を呈する。調光パターンG1-G3と同様に、半径方向勾配調光パターンG4の中心における1つ以上の点のセットは、大域的最小不透明度のレベルが呈される、調光パターンG4内の点を表し得る一方、調光パターンG4の外周に沿って位置付けられる複数の点は、大域的最大不透明度のレベルが呈される、調光パターンG4内の点を表し得る。
【0124】
いくつかの実装では、大域的最小または最大不透明度のレベルが呈される、所与の調光パターン内の1つ以上の点のセットに対する位置の関数としての不透明度の変化は、性質上、線形、指数関数的、対数、または別様に多項式であってもよい。さらに、いくつかの実施例では、所与の調光パターンと関連付けられる、勾配ベクトルは全て、同一大きさおよび方向を有してもよい。半径方向勾配調光パターンが採用されるもの等の、いくつかの実施形態では、所与の調光パターンと関連付けられる、勾配ベクトルは全て、同一方向を有していなくてもよい。いくつかの実装では、
図11の制御可能調光アセンブリが属する、システムは、大域的最小および最大不透明度のレベルの一方または両方に調節を行うことによって、調光パターンの大域的レベルの不透明度を経時的に調節してもよい。上記に述べられたように、いくつかの実施例では、大域的不透明度のレベルへの調節は、そのうちのいくつかが下記にさらに詳細に説明される、種々の異なる要因のいずれかに基づいて行われてもよい。
【0125】
図13A-13Dは、本開示のいくつかの実施形態による、調光パターンを作成するように構成される、例示的偏光器を図示する。いくつかの実装では、
図13A-13Dの例示的偏光器のうちの1つ以上のものは、
図11を参照して上記に説明されるような外側および/または内側偏光器1102A、1102Bのものに類似する様式において、制御可能調光アセンブリ内に実装されてもよい。いくつかの実施例では、
図13A-13Dに図示される例示的偏光器はそれぞれ、1つ以上の線形ワイヤグリッド偏光器コンポーネントを含んでもよい。代替として、または加えて、いくつかの実装では、
図13A-13Dに図示される例示的偏光器はそれぞれ、複数の薄皮膜マイクロ偏光器コンポーネントを含んでもよい。さらに、
図13A-13Dに図示される例示的偏光器はそれぞれ、複数の明確に異なる偏光器領域/区分R1-R4を含んでもよく、そのそれぞれが、異なる偏光状態をそれを通して伝搬する周囲光に付与するように構成される。例えば、制御可能調光システムの所与の例示的偏光器の明確に異なる偏光器領域/区分R1を通して伝搬する、周囲光は、続いて、殆ど/全く減衰を受け得ない一方、そのような例示的偏光器の明確に異なる偏光器領域/区分R4を通して伝搬する、周囲光は、続いて、比較的に大量の減衰(例えば、10度または45度)を受け得る。本実施例では、明確に異なる偏光器領域/区分R2を通して通過する周囲光が減衰され得る、範囲は、明確に異なる偏光器領域/区分R1を通して通過するものを上回り、明確に異なる偏光器領域/区分R4を通して通過するもの未満である。本実施例では、明確に異なる偏光器領域/区分R3を通して通過する周囲光が減衰され得る、範囲は、明確に異なる偏光器領域/区分R2を通して通過するものを上回り、明確に異なる偏光器領域/区分R4を通して通過するもの未満であるということになる。
【0126】
図13Aは、制御可能調光アセンブリが
図12Aの半径方向勾配調光パターンG1に従って周囲光を減衰させるように、それを通して通過する周囲光を偏光させるように構成される、制御可能調光システムの例示的偏光器1102-G1を図示する。
図13Bは、制御可能調光アセンブリが
図12Bの半径方向勾配調光パターンG2に従って周囲光を減衰させるように、それを通して通過する周囲光を偏光させるように構成される、制御可能調光システムの例示的偏光器1102-G2を図示する。
図13Cは、制御可能調光アセンブリが
図12Cの線形勾配調光パターンG3に従って周囲光を減衰させるように、それを通して通過する周囲光を偏光させるように構成される、制御可能調光システムの例示的偏光器1102-G3を図示する。
図13Dは、制御可能調光アセンブリが
図12Dの半径方向勾配調光パターンG4に従って周囲光を減衰させるように、それを通して通過する周囲光を偏光させるように構成される、制御可能調光システムの例示的偏光器1102-G4を図示する。
【0127】
上記に述べられたように、いくつかの実施形態では、制御可能調光アセンブリは、周囲光がその上に衝突する角度に基づいて変動する様式において、それを通して通過する周囲光と相互作用するように構成される、少なくとも1つの補償フィルム層(例えば、外側および内側補償フィルム層1104A、1104Bの一方または両方)を含んでもよい。少なくとも1つの補償フィルム層として役割を果たす、またはその一部として含まれ得る、コンポーネントの実施例は、上記に説明されるコーティング320等の1つ以上のコーティング、および/または一軸性遅延フィルム(例えばPureAce(登録商標)等のポリカーボネート樹脂フィルム)、二軸性遅延フィルム(例えば、トリアセチルセルロース(「TAC」)フィルム、シクロオレフィンポリマー(「COP」)フィルム等)、および液晶フィルム(例えば、広視野(「WV」)フィルム、ねじれネマチックフィルム、ハイブリッドネマチックフィルム、垂直配向型フィルム等)、および同等物等、上記に説明されるコーティング320のものに類似する様式においてその上に衝突する光と相互作用するように構成可能である、1つ以上の遅延フィルムまたは他の光学補償フィルムを含む。少なくとも1つの補償フィルムが1つ以上の遅延フィルムまたは他の光学補償フィルムを含む、実装では、そのようなフィルムは、制御可能調光システムが、高AOIを伴う比較的に大量の斜め周囲光を減衰させ、より低いAOIを伴う比較的に少量の周囲光を減衰させるように構成されるように、種々の技法(例えば、指向性「伸展」および/または「擦過」プロセス等)のいずれかを使用して、調整または別様に加工されてもよい。上記に述べられた少なくとも1つの補償フィルム層を実装する際に活用され得る、材料、構成、技法、および動作原理の付加的実施例は、米国特許出願第15/479,700号(その全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に提供される。
【0128】
上記に述べられたように、いくつかの実施形態では、制御可能調光アセンブリは、周囲光がその上に衝突する場所に基づいて変動する様式において、それを通して通過する周囲光と相互作用するように構成される、少なくとも1つの補償フィルム層(例えば、外側および内側補償フィルム層1104A、1104Bの一方または両方)を含んでもよい。そのような実施形態における、少なくとも1つの補償フィルム層としての役割を果たす、またはその一部として含まれ得る、コンポーネントの実施例は、
図13A-13Dを参照して本明細書に説明される例示的偏光器のうちの1つ以上のものに類似する様式において空間的に変動する、または別様にパターン化される、リターダおよび波長板を含んでもよい。換言すると、そのようなコンポーネントは、それぞれ、異なる様式において、それを通して通過する光を遅延または回転させるように構成される、明確に異なる区分/領域を備えてもよい。例えば、そのようなコンポーネントは、その上側部分/区分に入射する周囲光を特定の量だけ遅延または回転させる(
図13A-13Dにおける区分/領域R4に類似する)が、それの他の下側部分/区分に入射する周囲光を他のより少ない量だけ偏光/回転/遅延させる(
図13A-13Dにおける区分/領域R1、R2、およびR3のうちの1つ以上のものに類似する)ように構成されてもよい。いくつかの実装では、そのようなコンポーネントは、米国特許出願第15/815,449号および/または米国特許出願第15/795,067号(その両方とも、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるもののうちの1つ以上のもの等の種々の技法のいずれかを使用して調整または別様に加工される、1つ以上の液晶層を含んでもよい。
【0129】
図14A-14Cは、本開示のいくつかの実施形態による、調光パターンを作成するように構成される、例示的電極アセンブリを図示する。いくつかの実装では、
図14A-14Cの例示的電極アセンブリのうちの1つ以上のものは、
図11を参照して上記に説明されるような外側および/または内側電極1106A、1106Bのものに類似する様式において、制御可能調光アセンブリ内に実装されてもよい。より具体的には、
図14A-14Cは、それぞれ、基板材料1107に内蔵および/または上に配置される、少なくとも1つの電極コンポーネント1106を含む、例示的電極アセンブリを図示する。いくつかの実施例では、
図14A-14Cの例示的電極アセンブリのうちの1つ以上のものに図示される少なくとも1つの電極コンポーネント1106は、酸化インジウムスズ(「ITO」)フィルム等の透明伝導性フィルムであってもよい。各例示的電極アセンブリは、
図11を参照して上記に説明されるような内側または外側電極1106A、1106Bのものに類似する様式において、制御可能調光アセンブリ内に実装されてもよい。したがって、各例示的電極アセンブリは、別の電極アセンブリと平行に位置付けられてもよい一方、電極コンポーネント1106は、必ずしも、別の電極と平行ではない。いくつかの実施例では、そのような別の電極アセンブリは、ITOまたは他の透明伝導性フィルムの単一平面層を含んでもよい。
図11を参照して上記に説明されるような液晶層1108に類似する液晶分子の層は、各対の電極アセンブリ間に配置されてもよい。
【0130】
図14Aは、傾き付き平面電極コンポーネント1106を備える、例示的電極アセンブリを図示する。
図14Aの例示的電極アセンブリは、例えば、別の電極アセンブリと平行に制御可能調光アセンブリ内に実装され、ITOの単一平面層を含んでもよい。すなわち、基板材料1107の表面は、他の電極アセンブリ内のITOの単一平面層の表面と平行に位置付けられてもよい。このように、
図14Aの例示的電極アセンブリの電極コンポーネント1106の表面は、他の電極アセンブリ内のITOの単一平面層の表面に対して傾けられる、または別様に非平行であってもよい一方、例示的電極アセンブリおよび他の電極アセンブリは、(例えば、液晶層の両側上に)平行にスタックされてもよい。したがって、
図14Aの例示的電極アセンブリの電極コンポーネント1106の表面と他の電極アセンブリ内のITOの単一平面層の表面との間の距離は、非均一であり得る。このように、動作時、非均一電場が、
図14Aの例示的電極アセンブリと他の電極アセンブリとの間に生産され得る。非均一電場は、液晶層によって非均一偏光をもたらし得、これは、ひいては、それを通して通過する光の非均一または段階的な減衰をもたらし得る。
図14Aにおける電極アセンブリの電極コンポーネント1106の表面と他の電極アセンブリとの間の距離は、電極アセンブリの底部から上部に増加するため、電場および結果として生じる偏光の両方とも、底部と比較して、電極アセンブリの上部においてより強く、光減衰は、液晶層の上部においてより大きい。
【0131】
図14Bは、それぞれ、その平面表面から異なる距離に位置付けられる、複数の平面電極コンポーネント/セグメント1106を備える、例示的電極アセンブリを図示する。
図14Bの例示的電極アセンブリは、例えば、別の電極アセンブリと平行に制御可能調光アセンブリ内に実装され、ITOの単一平面層を含んでもよい。
図14Aの例示的電極アセンブリと同様に、
図14Bの例示的電極アセンブリ内の基板材料1107の表面は、別の電極アセンブリ内のITOの単一平面層の表面と平行に位置付けられてもよい。相互に対する平面電極コンポーネント/セグメント1106の相対的位置に起因して、
図14Bの電極アセンブリ内の各平面電極コンポーネント/セグメント1106の表面と別の電極アセンブリ内のITOの単一平面層の表面との間の距離は、変動する。すなわち、距離は、電極アセンブリの底部から上部に増加する。したがって、動作時、非均一(すなわち、底部から上部に増加する)電場が、
図14Bの例示的電極アセンブリと他の電極アセンブリとの間に生産され得る。上記に説明されるように、増加する電場は、底部と比較して、液晶層の上部においてより大きい光減衰をもたらす。
【0132】
図14Cは、(1)基板材料1107の面から離れるように傾く、または別様にそれと非平行な表面と、(2)電極アセンブリの底部から上部に減少する、厚さとを伴う、電極コンポーネント1106を備える、例示的電極アセンブリを図示する。
図14Cの例示的電極アセンブリは、例えば、別の電極アセンブリと平行に制御可能調光アセンブリ内に実装され、ITOの単一平面層を含んでもよい。
図14Aおよび14Bの例示的電極アセンブリと同様に、
図14Cの例示的電極アセンブリ内の基板材料1107の表面は、別の電極アセンブリ内のITOの単一平面層の表面と平行に位置付けられてもよい。
図14Cの電極アセンブリ内の電極コンポーネント1106の1つの表面と別の電極アセンブリ内のITOの単一平面層の表面との間の距離は、変動する。すなわち、距離は、電極アセンブリの底部から上部に増加する。加えて、電極コンポーネント1106の厚さは、電極アセンブリの底部から上部に減少する。所与の電気導体の抵抗は、導体の断面積に反比例するため、電極コンポーネント1106の抵抗は、電極コンポーネント1106の厚さの変動に応じて、電極アセンブリの底部から上部に変動し得るということになる。
図14Cに描写される電極コンポーネント1106のそのような特徴は、動作時、非均一(すなわち、底部から上部に増加する)電場を
図14Cの例示的電極アセンブリと他の電極アセンブリとの間に生産する。上記に説明されるように、増加する電場は、底部と比較して、液晶層の上部において、より大きい光減衰をもたらす。
【0133】
図15は、本開示のいくつかの実施形態による、非均一多区分平面の第1の電極1106Aと、均一平面の第2の電極1106Bとを備える、例示的電極アセンブリを図示する。いくつかの実装では、
図15の例示的電極アセンブリは、
図11を参照して上記に説明されるような外側および内側電極1106A、1106Bのものに類似する様式において、制御可能調光アセンブリ内に実装されてもよい。均一平面の第2の電極1106Bは、ITOの単一平面層を含んでもよい。第1および第2の電極1106A、1106Bは、相互に平行であって、液晶層の両側上に配置されてもよい。第1の電極1106Aは、第1の電極1106Aの表面上に相互に隣接して配置される、3つの区分/部分1116、1117、1118を含んでもよい。第1の区分1116は、第1の電極1106Aの上部に配置され、第3の区分1118は、第1の電極1106Aの底部に配置され、第2の区分1117は、第1および第3の区分1116、1118間に配置される。第1および第3の区分1116、1118は、ITOまたは他の透明伝導性酸化物(「TCO」)の層等の比較的に伝導性の透明材料から形成されてもよく、介在する第2の区分1117は、グラフェン、グラフェン酸化物、および/またはカーボンナノチューブ(「CNT」)を含む層等、比較的にあまり伝導性ではない透明材料から形成されてもよい。例示的電極アセンブリはまた、第1の区分1116に電気的に結合される、第1の電圧源1126と、第2の電極1106Bに電気的に結合される、接地電極とを含む。例示的電極アセンブリはまた、第3の区分1118に電気的に結合される、随意の第2の電圧源1128を含む。
【0134】
動作時、第1および第2の電圧が、第1の電極1106Aに印加される(第1および第2の電圧源1126、1128を介して)と、非均一電場が、第1および第2の電極1106A、1106B間に生成される。特に、より強い電圧が、第1の電圧源1126によって印加され、より弱い電圧が、第2の電圧源1128によって印加されるとき、第1の電極1106Aの底部から上部に近似的に増加する、非均一電場が、生成される。第2の電圧源1128を伴わない、実施形態では、電圧を第1の電圧源に印加することは、類似非均一電場を生成し得る。非均一電場は、液晶層によって、非均一偏光をもたらし得、これは、ひいては、それを通して通過する光の非均一または段階的な減衰をもたらし得る。非均一電場は、第1の電極1106Aの底部から上部に近似的に増加するため、電場および結果として生じる偏光は両方とも、底部と比較して、電極アセンブリの上部においてより強く、光減衰は、液晶層の上部においてより大きい。いくつかの実施形態では、
図15および16A-16Dを参照して本明細書に説明される例示的電極アセンブリのうちの1つ以上のものは、区分1116および1117のみを含み、区分1118を含まなくてもよい。これらの実施形態では、区分1117は、直接、対応する回路に電気的に結合されてもよい。
【0135】
図16Aは、制御可能調光アセンブリが
図12Aの半径方向勾配調光パターンG1に従って周囲光を減衰させるように、それを通して通過する周囲光を偏光させるように構成される、制御可能調光システムの例示的第1の電極1106-G1を図示する。例示的第1の電極1106-G1は、
図15に描写される第1の電極1106Aと同様に配置および成形される、3つの区分/部分1116、1117、1118を有する。
図16Bは、制御可能調光アセンブリが
図12Bの半径方向勾配調光パターンG2に従って周囲光を減衰させるように、それを通して通過する周囲光を偏光させるように構成される、制御可能調光システムの例示的第1の電極1106-G2を図示する。例示的第1の電極1106-G2は、
図15に描写される第1の電極1106Aのような3つの区分/部分1116、1117、1118を有するが、しかしながら、3つの区分/部分1116、1117、1118は、
図15に描写される第1の電極1106A内の対応する区分と異なるように成形される。
図16Cは、制御可能調光アセンブリが
図12Cの線形勾配調光パターンG3に従って周囲光を減衰させるように、それを通して通過する周囲光を偏光させるように構成される、制御可能調光システムの例示的第1の電極1106-G3を図示する。例示的第1の電極1106-G3は、
図15に描写される第1の電極1106Aのような3つの区分/部分1116、1117、1118を有するが、しかしながら、3つの区分/部分1116、1117、1118は、
図15に描写される第1の電極1106A内の対応する区分と異なるように成形される。
図16Dは、制御可能調光アセンブリが
図12Dの半径方向勾配調光パターンG4に従って周囲光を減衰させるように、それを通して通過する周囲光を偏光させるように構成される、制御可能調光システムの例示的第1の電極1106-G4を図示する。例示的第1の電極1106-G3は、
図15に描写される第1の電極1106Aのような3つの区分/部分1116、1117、1118を有するが、しかしながら、3つの区分/部分1116、1117、1118は、
図15に描写される第1の電極1106A内の対応する区分と異なるように成形および配置される。
【0136】
図17Aは、本開示のいくつかの実施形態による、非均一多区分平面の第1および第2の電極1106A、1106Bを備える、例示的電極アセンブリを図示する。いくつかの実装では、
図17の例示的電極アセンブリは、
図11を参照して上記に説明されるような外側および内側電極1106A、1106Bのものに類似する様式において、制御可能調光アセンブリ内に実装されてもよい。第1および第2の電極1106A、1106Bは、相互に平行であって、液晶層の両側上に配置されてもよい。第1の電極1106Aは、第1の電極1106Aの表面上に隣接して配置されるが、相互から電気的に絶縁される、4つの区分/部分S1、S2、S3、S4を含んでもよい。絶縁体が、区分S1とS2、S2とS3、およびS3とS4との間に配置され、区分S1、S2、S3、S4を相互から絶縁してもよい。第1の区分S1は、第1の電極1106Aの上部に配置され、第2の区分S2は、第1の電極1106Aのさらに下方に配置され、第3の区分S3は、第1の電極1106Aのなおもさらに下方に配置され、第4の区分S4は、第1の電極1106Aの底部に配置される。区分S1、S2、S3、S4は、ITOの層等の比較的に伝導性透明材料から形成されてもよい。第2の電極1106Bは、第2の電極1106Bの表面上に相互に隣接して配置される、4つの区分/部分S1’、S2’、S3’、S4’を含んでもよい。第1の区分S1’は、第2の電極1106Bの上部に配置され、第2の区分S2’は、第2の電極1106Bのさらに下方に配置され、第3の区分S3’は、第2の電極1106Bのなおもさらに下方に配置され、第4の区分S4’は、第2の電極1106Bの底部に配置される。区分S1’、S2’、S3’、S4’は、ITOの層等の比較的に伝導性透明材料から形成されてもよい。いくつかの実装では、
図17Aの例示的電極アセンブリは、少なくとも部分的に、
図17Bを参照して下記に説明される回路または等価回路網等の分圧器網によって駆動されてもよい。例えば、区分S1、S2、S3、およびS4は、それぞれ、点A、B、C、およびDにおいて、
図17Bを参照して下記に説明される回路に電気的に結合されてもよい。同様に、そのような実施例では、区分S1’、S2’、S3’、およびS4’は、それぞれ、点B、C、D、およびEにおいて、
図17Bの回路に電気的に結合されてもよい。動作時、第1の電極1106Aの区分および第2の電極1106Bの区分は、それぞれ、
図17Bの回路網へのその電気接続によって、アノードおよびカソードとして機能してもよい。
図17Bは、
図17Aに図示される例示的電極アセンブリのための回路図である。特に、
図17Bは、
図17Aを参照して上記に説明される例示的電極アセンブリ内の電極区分のそれぞれを駆動するための例示的分圧器回路網を描写する。他の電気および/または算出回路およびコンポーネントが、
図17Bの回路網の代わりに、またはそれと併せて、実装されてもよいことを理解されたい。
図17Bに示されるように、そのような分圧器回路網は、少なくとも、複数の抵抗器に直列に電気的に結合される、電圧源を含んでもよい。いくつかの実装では、電圧源は、プロセッサ、電力供給源、論理ゲート、および同等物等、そこに電気的に結合される、1つ以上のハードウェアコンポーネントによって、可変、切替可能、または別様に制御可能であってもよい。
図17Aに図示される例示的電極アセンブリ内に存在する、各アノード-カソード対は、複数の抵抗器のうちの異なる1つまたは複数の抵抗器の異なる組み合わせと並列に電気的に結合されてもよい。
図17Aおよび17Bの実施例では、S1-S1’電極対は、第1の抵抗器R1と並列に電気的に結合され、S2-S2’電極対は、第2の抵抗器R2と並列に電気的に結合され、S3-S3’電極対は、第3の抵抗器R3と並列に電気的に結合され、S4-S4’電極対は、第4の抵抗器R4と並列に電気的に結合される。さらに、本実施例では、第4の抵抗器R4の抵抗は、第3の抵抗器R3の抵抗を上回り、これは、第2の抵抗器R2の抵抗を上回り、これは、第1の抵抗器R4の抵抗を上回る。いくつかの実施形態では、複数の抵抗器(例えば、R1、R2、R3、R4)のうちの1つ以上のものは、電極アセンブリ内の1つの電極(例えば、第1の電極1106A)の縁に沿って配置されてもよい。他の実施形態では、複数の抵抗器(例えば、R1、R2、R3、R4)のうちの1つ以上のものは、その個別の区分(例えば、S1、S2、S3、S4)間の電極アセンブリ内の1つの電極(例えば、第1の電極1106A)の表面上に配置されてもよい。
【0137】
動作時、電圧が、第1および第2の電極1106A、1106Bに印加されると、非均一電場が、第1および第2の電極1106A、1106B間に生成される。特に、電圧が、電圧源によって、第1の電極1106Aの第1の区分Aに印加されると、電圧は、事実上より低い電圧が第1の電極1106Aの各後続区分S2、S3、S4に印加されるように、それぞれ順次結合される抵抗器R1、R2、R3、R4を用いて低減される。結果として、第1の電極1106Aの底部から上部に近似的に増加する、非均一電場が、生成される。非均一電場は、液晶層によって非均一偏光をもたらし得、これは、ひいては、それを通して通過する光の非均一または段階的な減衰をもたらし得る。非均一電場は、第1の電極1106Aの底部から上部に近似的に増加するため、電場および結果として生じる偏光は両方とも、底部と比較して、電極アセンブリの上部において、より強く、光減衰は、液晶層の上部において、より大きい。いくつかの実装では、区分S1’、S2’、およびS3’はそれぞれ、それぞれ、点B、C、およびDにおいて、
図17Bの回路網に電気的に結合されなくてもよく、代わりに、全て、区分S4’と同一方法において、点Eにおいて、
図17Bの回路網に電気的に結合されてもよい。このように、第2の電極1106Bの全ての区分は、
図17Aに図示される例示的電極アセンブリ内に存在する各アノード-カソード対が、複数の抵抗器の異なる組み合わせと並列に電気的に結合され得るように、共通接地に電気的に結合されてもよい。例えば、再び
図17Aおよび17Bの実施例を参照すると、これらの実装では、S1-S1’電極対は、抵抗器R1-R4と並列に電気的に結合され、S2-S2’電極対は、抵抗器R2-R4と並列に電気的に結合され、S3-S3’電極対は、抵抗器R3-R4と並列に電気的に結合され、S4-S4’電極対は、第4の抵抗器R4と並列に電気的に結合される。そのような実装では、複数の抵抗器R1-R4の値間の定量的関係(すなわち、R4>R3>R2>R1の関係)は、必ずしも、上記に説明され、
図17Bに描写されたものと一致する必要があるとは限らない。例えば、いくつかの実施形態では、複数の抵抗器R1-R4のいくつかまたは全ては、実質的に等しい抵抗器値を有し得る。いくつかの実施例では、複数の抵抗器のうちの1つ以上のものは、そこから順次下流の1つ以上の抵抗器より高い抵抗値を有し得る。
【0138】
図18Aは、制御可能調光アセンブリが
図12Aの半径方向勾配調光パターンG1に従って周囲光を減衰させるように、それを通して通過する周囲光を偏光させるように構成される、制御可能調光システムの例示的第1の電極1106-G1を図示する。例示的第1の電極1106-G1は、
図17に描写される第1の電極1106Aと同様に配置および成形される、4つの区分/部分S1、S2、S3、S4を有する。
図18Bは、制御可能調光アセンブリが
図12Bの半径方向勾配調光パターンG2に従って周囲光を減衰させるように、それを通して通過する周囲光を偏光させるように構成される、制御可能調光システムの例示的第1の電極1106-G2を図示する。例示的第1の電極1106-G2は、
図17に描写される第1の電極1106Aのような4つの区分/部分S1、S2、S3、S4を有するが、しかしながら、4つの区分/部分S1、S2、S3、S4は、
図17に描写される第1の電極1106A内の対応する区分と異なるように成形される。
図18Cは、制御可能調光アセンブリが
図12Cの線形勾配調光パターンG3に従って周囲光を減衰させるように、それを通して通過する周囲光を偏光させるように構成される、制御可能調光システムの例示的第1の電極1106-G3を図示する。例示的第1の電極1106-G3は、
図17に描写される第1の電極1106Aのような4つの区分/部分S1、S2、S3、S4を有するが、しかしながら、4つの区分/部分S1、S2、S3、S4は、
図17に描写される第1の電極1106A内の対応する区分と異なるように成形される。
図18Dは、制御可能調光アセンブリが
図12Dの半径方向勾配調光パターンG4に従って周囲光を減衰させるように、それを通して通過する周囲光を偏光させるように構成される、制御可能調光システムの例示的第1の電極1106-G4を図示する。例示的第1の電極1106-G3は、
図17に描写される第1の電極1106Aのような4つの区分/部分S1、S2、S3、S4を有するが、しかしながら、4つの区分/部分S1、S2、S3、S4は、
図17に描写される第1の電極1106A内の対応する区分と異なるように成形および配置される。
【0139】
上記に説明される制御可能調光アセンブリおよびその種々のコンポーネントは、具体的形状を伴う、具体的数の区分/部分を含むが、これらの数および形状は、例示にすぎない。区分/部分の数および形状は、本開示の範囲内に留まったまま、変動し得る。制御可能に調光するための種々の機構が、独立して上記に説明されるが、本開示の範囲は、上記に説明される機構の組み合わせおよび副次的組み合わせを含む。例えば、
図13A-13Dに描写される偏光器は、
図14、15、および17Aに描写される電極と組み合わせられることができる。上記に説明される制御可能調光アセンブリは、数(例えば、1または2)ボルトの印加が、制御可能調光アセンブリを通して通過する光の段階的な減衰を実行することを可能にする。本単純アクティブ化機構は、ARシステムのための光減衰を簡略化し、これは、外光の検出された強度および/または方向に応答して、光減衰の段階的な光減衰をアクティブ化し得る。
【0140】
図11を参照して上記に述べられたように、いくつかの実施例では、制御可能調光システムは、種々の異なる要因のいずれかに基づいて、空間的に変動する調光パターン(例えば、勾配調光パターン)の大域的レベルの不透明度の調節を経時的にもたらすように、調光アセンブリを駆動してもよい。いくつかの実装では、そのような要因は、1つ以上のデータソースから受信された入力を含んでもよい。すなわち、いくつかの実装では、制御可能調光システムは、1つ以上のデータソースから受信された入力に基づいて、調光アセンブリに印加される電圧の量を駆動または別様に調節してもよい。そのような1つ以上のデータソースの実施例は、感知デバイス、ユーザインターフェースコンポーネント、ディスプレイシステムコンポーネント、ネットワーク-アクセス可能リソース、および同等物を含んでもよい。
【0141】
例えば、いくつかの実施形態では、制御可能調光システムは、その上に入射する周囲光の強度を測定するように構成される、1つ以上の周囲光センサ(例えば、光ダイオード、結像センサ等)を含んでもよく、1つ以上の周囲光センサから受信されたデータに基づいて、調光アセンブリに印加される電圧の量をリアルタイムで調節してもよい。いくつかの実施例では、制御可能調光システムは、1つ以上のユーザインターフェースコンポーネント(例えば、ハンドヘルドコントローラ、ボタン、ダイヤル、タッチパッド、マイクロホン、カメラ、およびそれを通してユーザ入力が提供され得る、他のコンポーネント)を含んでもよく、そのような1つ以上のユーザインターフェースコンポーネントから受信されたデータに基づいて、調光アセンブリに印加される電圧の量を調節してもよい。このように、ユーザは、そのような1つ以上のユーザインターフェースコンポーネントと相互作用し(例えば、タッチ入力、発話入力、ジェスチャ入力等を用いて)、その選好に従って、調光アセンブリを調節することが可能であり得る。いくつかの実施形態では、制御可能調光システムは、仮想コンテンツを生成、レンダリング、および提示するように構成される、1つ以上の処理ユニット等の1つ以上のディスプレイシステムコンポーネントから受信されたデータに基づいて、調光アセンブリに印加される電圧の量を調節してもよい。いくつかの実装では、制御可能調光システムは、ウェブサイト、クラウドコンピューティングシステム、遠隔に位置するコンピューティングおよび/または感知デバイス、および同等物等、1つ以上の通信ネットワークを経由して、1つ以上のリソースから受信されたデータに基づいて、調光アセンブリに印加される電圧の量を調節してもよい。
【0142】
いくつかの実施形態では、制御可能調光システムは、1つ以上の感知デバイス、1つ以上のユーザインターフェースコンポーネント、1つ以上のディスプレイシステムコンポーネント、1つ以上のネットワークアクセス可能リソース、またはそれらの組み合わせを含む、複数のデータソースから受信された入力に基づいて、調光アセンブリに印加される電圧の量を調節してもよい。そのようなデータソースおよび調光するアセンブリ制御スキームの付加的実施例は、米国特許出願第16/557,706号(その全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる)にさらに詳細に説明される。いくつかの実装では、前述のデータソースおよび/または調光システム制御スキームのうちの1つ以上のものが、本明細書に説明されるシステムおよび技法のうちの1つ以上のものにおいて採用されてもよい。
【0143】
上記に説明されるARシステムは、より選択的および制御可能に透過性の光学要素から利点を享受し得る、種々の光学システムの実施例として提供される。故に、本明細書に説明される光学システムの使用は、開示されるARシステムに限定されず、むしろ、任意の光学システムに適用可能である。実際、主に、ARおよびVRディスプレイシステムのコンテキストにおいて説明されるが、本明細書に説明されるシステムおよび技法のうちの1つ以上のものはまた、種々の他のパラダイムおよび設定において活用されてもよいことを理解されたい。例えば、いくつかの実装では、本明細書に説明されるシステムおよび技法のうちの1つ以上のものは、種々の他のタイプの眼鏡類、例えば、処方眼鏡、サングラス、安全性眼鏡、水泳用ゴーグル、および同等物のいずれかにおいて、およびバイザ、フェイスマスク、および/または保護シールド、例えば、ヘルメット(例えば、フットボール用ヘルメット、ホッケー用ヘルメット、オートバイ用ヘルメット等)、スキーおよびスノーボード用ゴーグル、ペイントボール用マスク、および同等物を含み得る、種々の他のタイプのウェアラブルギヤのいずれかにおいて採用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、2つの制御可能調光アセンブリが、前述のタイプの眼鏡類のうちの1つにおいて採用され、眼鏡類がユーザによって装着されると、2つの制御可能調光アセンブリが、それぞれ、一対の接眼レンズのように、ユーザの両眼の正面に位置付けられ/それと整合するように構成されてもよい。さらに、他の実施形態では、単一の比較的に幅広の制御可能調光アセンブリが、前述のタイプのウェアラブルギヤのうちの1つにおいて採用され、ウェアラブルギヤがユーザによって装着されると、制御可能調光アセンブリが、バイザ、フェイスマスク、またはシールドのものに類似する様式において、ユーザの両眼の正面に位置付けられるように構成されてもよい。これらの実施形態では、制御可能調光アセンブリは、事実上、ウェアラブルギヤのバイザ、フェイスマスク、またはシールドとしての役割を果たしてもよい、またはウェアラブルギヤのバイザ、フェイスマスク、またはシールドに物理的に結合されてもよい。
【0144】
付加的実施例が、下記に提供される。
【0145】
実施例1:頭部搭載型デバイスであって、頭部搭載型デバイスのユーザの頭部を中心として装着されるように構成される、フレームと、頭部搭載型デバイスがユーザによって装着されると、ユーザの眼とユーザの環境との間に位置付けられるようにフレームに物理的に結合される、制御可能調光アセンブリであって、制御可能調光アセンブリ上の場所の関数として、第1の不透明度のレベルから第2の不透明度のレベルに変動する、不透明度のレベルを呈するように構成される、制御可能調光アセンブリと、制御可能調光アセンブリに電気的に結合される、制御回路網であって、1つ以上の電気信号を制御可能調光アセンブリに印加し、第1および第2の不透明度のレベルの一方または両方を調節するように構成される、制御回路網とを備える、頭部搭載型デバイス。
【0146】
実施例2:制御可能調光アセンブリは、(i)制御可能調光アセンブリ上の第1の場所における第1の不透明度のレベルと、(ii)制御可能調光アセンブリ上の第1の場所からの距離の関数として変動する、不透明度のレベルとを呈するように構成される、実施例1に記載の頭部搭載型デバイス。
【0147】
実施例3:制御可能調光アセンブリは、制御可能調光アセンブリ上の第2の場所における第2の不透明度のレベルを呈するように構成され、第2の場所は、第1の場所と異なる、実施例2に記載の頭部搭載型デバイス。
【0148】
実施例4:第1の場所または第2の場所は、制御可能調光アセンブリの外周の少なくとも一部に沿った1つ以上の点のセットに対応する、実施例2に記載の頭部搭載型デバイス。
【0149】
実施例5:第1の場所は、制御可能調光アセンブリの内側領域内の場所に対応する、実施例2に記載の頭部搭載型デバイス。
【0150】
実施例6:制御可能調光アセンブリの内側領域内の場所は、制御可能調光アセンブリの中心に対応する、実施例2に記載の頭部搭載型デバイス。
【0151】
実施例7:第1の不透明度のレベルは、大域的最小不透明度のレベルを表し、第2の不透明度のレベルは、大域的最大不透明度のレベルを表す、実施例1に記載の頭部搭載型デバイス。
【0152】
実施例8:制御可能調光アセンブリは、制御可能調光アセンブリ上の場所の関数として、線形に、指数関数的に、または対数的に変動する、不透明度のレベルを呈するように構成される、実施例1に記載の頭部搭載型デバイス。
【0153】
実施例9:制御可能調光アセンブリは、第1の不透明度のレベルおよび第2の不透明度のレベルが、制御可能調光アセンブリへの入力として印加される1つ以上の電気信号の電圧のレベルに基づいて変動するように構成される、実施例1に記載の頭部搭載型デバイス。
【0154】
実施例10:制御可能調光アセンブリは、第1の不透明度のレベルおよび第2の不透明度のレベルが、電圧のレベルが変化するにつれて、異なるレートで変化するように構成される、実施例9に記載の頭部搭載型デバイス。
【0155】
実施例11:制御可能調光アセンブリは、第1および第2の偏光器と、第1の偏光器と第2の偏光器との間に配置される、第1および第2の電極アセンブリと、第1の電極アセンブリと第2の電極アセンブリとの間に配置される、液晶層とを備える、実施例1に記載の頭部搭載型デバイス。
【0156】
実施例12:第1および第2の偏光器の一方または両方は、空間的に変動する偏光度をそれを通して通過する光に付与するように構成される、実施例11に記載の頭部搭載型デバイス。
【0157】
実施例13:制御回路網は、第1および第2の電極アセンブリに電気的に結合され、1つ以上の電気信号を制御可能調光アセンブリに印加し、電場を第1の電極アセンブリと第2の電極アセンブリとの間に生産するように構成される、実施例11に記載の頭部搭載型デバイス。
【0158】
実施例14:電場を第1の電極アセンブリと第2の電極アセンブリとの間に生産するために、制御可能調光アセンブリは、空間的に変動する電場強度のレベルを呈する電場を第1の電極アセンブリと第2の電極アセンブリとの間に生産するように構成される、実施例13に記載の頭部搭載型デバイス。
【0159】
実施例15:第1および第2の電極アセンブリの一方または両方は、その1つ以上の性質が空間的変動するように構成される、実施例13に記載の頭部搭載型デバイス。
【0160】
実施例16:1つ以上の性質は、厚さ、抵抗、伝導性、配向、位置、組成、またはそれらの組み合わせを含む、実施例15に記載の頭部搭載型デバイス。
【0161】
実施例17:制御回路網は、分圧器網、導体、プロセッサ、および電力供給源のうちの1つ以上のものを備える、実施例1に記載の頭部搭載型デバイス。
【0162】
実施例18:制御可能調光アセンブリは、頭部搭載型デバイスがユーザによって装着されると、ユーザの両眼とユーザの環境との間に位置付けられるようにフレームに物理的に結合される、実施例1に記載の頭部搭載型デバイス。
【0163】
実施例19:制御回路網はさらに、1つ以上のデータソースからの入力を受信するように構成され、1つ以上の電気信号を制御可能調光アセンブリに印加し、第1および第2の不透明度のレベルの一方または両方を調節するために、制御回路網は、1つ以上のデータソースから受信された入力に基づいて、1つ以上の電気信号を制御可能調光アセンブリに印加し、第1および第2の不透明度のレベルの一方または両方を調節するように構成される、実施例1に記載の頭部搭載型デバイス。
【0164】
実施例20:1つ以上のデータソースは、1つ以上の感知デバイス、ユーザインターフェースコンポーネント、ディスプレイシステムコンポーネント、ネットワーク-アクセス可能リソース、またはそれらの組み合わせを含む、実施例19に記載の頭部搭載型デバイス。
【0165】
本発明の種々の例示的実施形態が、本明細書に説明される。非限定的な意味で、これらの実施例が参照される。それらは、本発明のより広く適用可能な側面を例証するために提供される。種々の変更が、説明される本発明に行われてもよく、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、均等物が代用されてもよい。加えて、特定の状況、材料、物質組成、プロセス、プロセス行為、またはステップを本発明の目的、精神、または範囲に適合させるように、多くの修正が行われてもよい。さらに、当業者によって理解されるように、本明細書で説明および例証される個々の変形例はそれぞれ、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に分離され、またはそれらと組み合わせられ得る、離散コンポーネントおよび特徴を有する。全てのそのような修正は、本開示と関連付けられる請求項の範囲内にあることを目的としている。
【0166】
本発明は、対象デバイスを使用して実施され得る方法を含む。本方法は、そのような好適なデバイスを提供する行為を含んでもよい。そのような提供は、エンドユーザによって実施されてもよい。換言すると、「提供する」行為は、単に、エンドユーザが、本主題の方法において必要なデバイスを取得する、それにアクセスする、それに接近する、それを位置付ける、それを設定する、それをアクティブ化する、それに電源を入れる、または別様にそれを提供するように作用することを要求する。本明細書で記載される方法は、論理的に可能である記載された事象の任意の順番で、および事象の記載された順番で実行されてもよい。
【0167】
本発明の例示的側面が、材料選択および製造に関する詳細とともに、上記に記載されている。本発明の他の詳細に関しては、これらは、上記で参照された特許および出版物と関連して理解されるとともに、概して、当業者によって公知または理解され得る。一般的または論理的に採用されるような付加的な行為の観点から、本発明の方法ベースの側面に関して、同じことが当てはまり得る。
【0168】
加えて、本発明は、種々の特徴を随意的に組み込むいくつかの実施例を参照して説明されているが、本発明は、本発明の各変形例に関して考慮されるような説明および指示されるものに限定されるものではない。種々の変更が、説明される本発明に行われてもよく、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、均等物(本明細書に記載されようと、いくらか簡単にするために含まれていなかろうと)が置換されてもよい。加えて、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の全ての介在値、およびその規定範囲内の任意の他の規定または介在値が、本発明内に包含されることを理解されたい。
【0169】
また、説明される本発明の変形例の任意の随意的な特徴が、独立して、または本明細書に説明される特徴のうちのいずれか1つ以上のものと組み合わせて、記載および請求されてもよいことが考慮される。単数形のアイテムへの参照は、複数形の同一のアイテムが存在するという可能性を含む。より具体的には、本明細書で、および本明細書に関連付けられる請求項で使用されるように、「a」、「an」、「said」、および「the」という単数形は、特に規定がない限り、複数形の指示対象を含む。換言すると、冠詞の使用は、上記の説明および本開示と関連付けられる請求項において、対象アイテムの「少なくとも1つ」を可能にする。さらに、そのような請求項は、任意の随意の要素を除外するように起草され得ることに留意されたい。したがって、この記述は、請求項の要素の記載と関連して、「単に(solely)」、「のみ(only)」、および均等物等のそのような排他的用語の使用、または「否定的」制限の使用のために、先行詞としての機能を果たすことを目的としている。
【0170】
そのような排他的用語を使用することなく、本開示と関連付けられる請求項での「備える(comprising)」という用語は、所与の数の要素がそのような請求項で列挙されるか、または特徴の追加をそのような請求項に記載される要素の性質の変換として見なすことができるかにかかわらず、任意の付加的な要素を含むことを可能にするものとする。本明細書で具体的に定義される場合を除いて、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、請求項の有効性を維持しながら、可能な限り広い一般的に理解されている意味を与えられるものである。
【0171】
本発明の範疇は、提供される実施例および/または対象の明細書に限定されるものではなく、むしろ、本開示と関連付けられる請求項の言葉の範囲のみによって限定されるものである。
【0172】
前述の明細書では、本発明は、その具体的実施形態を参照して説明された。しかしながら、種々の修正および変更が、本発明のより広義の精神および範囲から逸脱することなくそこに成されてもよいことは、明白となるであろう。例えば、前述のプロセスフローは、プロセス作用の特定の順序を参照して説明される。しかしながら、説明されるプロセス作用の多くの順序は、本発明の範囲または動作に影響を及ぼすことなく、変更されてもよい。明細書および図面は、故に、限定的意味ではなく、例証的と見なされるべきである。