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特許7529857サービス推奨装置、サービス推奨システム、サービス推奨方法およびサービス推奨プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】サービス推奨装置、サービス推奨システム、サービス推奨方法およびサービス推奨プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240730BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023109175
(22)【出願日】2023-07-03
【審査請求日】2023-07-03
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 リカルド 正和
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-118769(JP,A)
【文献】特開2002-312540(JP,A)
【文献】特開2017-16263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のプロセッサと1以上のメモリとを備え、
前記メモリには、ユーザの個人情報を保存するユーザデータベースと、複数のサービスの情報を保存する要件データベースであって、前記各サービスの申請に必要な申請要件に関するデータ項目を含む、要件データベースと、が格納されており、
前記プロセッサが、
前記複数のサービスのうち1以上の選択するための選択画面をユーザ端末に表示させることと、
前記選択画面を介して選択された前記サービス、前記個人情報、及び前記申請要件に基づいて、前記サービスの推奨申請順序を決定することと、
決定した前記推奨申請順序を前記ユーザ端末に表示させることと、
を実行するように構成される、サービス推奨装置。
【請求項2】
前記個人情報は、前記ユーザが所持する情報を示す所持情報を含み、
前記所持情報は、前記ユーザによる前記複数のサービスの利用の有無を示すデータ項目を含み、
前記プロセッサが、
前記所持情報を登録するための所持情報登録画面を前記ユーザ端末に表示させることと、
選択された前記サービスの前記申請要件と前記所持情報とを比較することにより、前記推奨申請順序を決定することと、
を実行するように構成される、
請求項1に記載のサービス推奨装置。
【請求項3】
前記プロセッサが、
前記所持情報を更新することと、
更新された前記所持情報に基づいて、前記推奨申請順序を更新することと、
更新された前記推奨申請順序を前記ユーザ端末に通知することと、
を実行するように構成される、
請求項2に記載のサービス推奨装置。
【請求項4】
前記選択画面が、前記ユーザが利用を希望する前記サービスの希望申請順序を入力するための入力欄を含み、
前記プロセッサが、
前記選択されたサービスの前記申請要件と前記所持情報とを比較することにより、前記選択されたサービスの申請に不足する不足要件の有無を判断することと、
前記不足要件が無い場合には、前記希望申請順序を前記推奨申請順序として決定し、前記不足要件がある場合には、前記不足要件に係る前記サービスを前記選択されたサービスよりも先に申請するように、前記推奨申請順序を決定することと、
を実行するように構成される、
請求項2に記載のサービス推奨装置。
【請求項5】
前記所持情報が、住所、電話番号、銀行口座番号、又はクレジットカード番号に係る情報を含む、
請求項2に記載のサービス推奨装置。
【請求項6】
前記所持情報が更新された場合に、前記プロセッサが前記ユーザに特典を付与するように構成される、
請求項2に記載のサービス推奨装置。
【請求項7】
前記所持情報が前記推奨申請順序に従って更新された場合に、前記プロセッサが前記ユーザに特典を付与するように構成される、
請求項2に記載のサービス推奨装置。
【請求項8】
前記プロセッサが、前記所持情報が前記推奨申請順序に従って更新されるにつれて、前記ユーザに付与する特典を加算するように構成される、
請求項7に記載のサービス推奨装置。
【請求項9】
前記サービス推奨装置が1以上のサービスサーバと通信するように構成され、
前記各サービスサーバが1以上のプロセッサと1以上のメモリとを有し、
前記各サービスサーバのメモリには、前記サービスの利用者の情報を保存するサービスデータベースが格納されており、
前記サービスサーバのプロセッサが前記利用者の情報を前記サービス推奨装置に送信するように構成され、
前記サービス推奨装置のプロセッサが、
前記サービスサーバから受信した前記利用者の情報に基づいて、前記ユーザデータベースを更新することと、
前記更新に係る通知を前記ユーザ端末に送信することと、
を実行するように構成される、
請求項1~8のうち何れか一項に記載のサービス推奨装置。
【請求項10】
前記個人情報は、前記ユーザが所持する情報を示す所持情報を含み、
前記所持情報は、前記ユーザによる前記複数のサービスの利用の有無を示すデータ項目を含み、
前記サービス推奨装置の前記プロセッサが、
前記サービスサーバから受信した前記利用者の情報に基づいて、前記所持情報を更新することと、
更新された前記所持情報に基づいて、前記推奨申請順序を更新することと、
更新された前記推奨申請順序を前記ユーザ端末に通知することと、
を実行するように構成される、
請求項9に記載のサービス推奨装置。
【請求項11】
前記複数のサービスが、水道、ガス供給、電気供給、銀行、クレジットカード発行、電話契約、インターネット通信契約、宿泊施設予約、物件紹介、住民登録、ネットショップのうちから選択される2以上を含む、
請求項1に記載のサービス推奨装置。
【請求項12】
請求項1に記載のサービス推奨装置と、
前記サービス推奨装置と通信するように構成された1以上のサービスサーバと、
を備える、サービス推奨システム。
【請求項13】
1以上のコンピュータに、
ユーザの個人情報をユーザデータベースに保存することと、
複数のサービスの情報を要件データベースに保存することであって、前記要件データベースが前記各サービスの申請に必要な申請要件に関するデータ項目を含む、ことと、
前記複数のサービスのうち1以上の選択するための選択画面をユーザ端末に表示させることと、
前記選択画面を介して選択された前記サービス、前記個人情報、及び前記申請要件に基づいて、前記サービスの推奨申請順序を決定することと、
決定した前記推奨申請順序を前記ユーザ端末に表示させることと、
を実行させることを含む、サービス推奨方法。
【請求項14】
1以上のコンピュータに、
ユーザの個人情報をユーザデータベースに保存することと、
複数のサービスの情報を要件データベースに保存することであって、前記要件データベースが前記各サービスの申請に必要な申請要件に関するデータ項目を含む、ことと、
前記複数のサービスのうち1以上の選択するための選択画面をユーザ端末に表示させることと、
前記選択画面を介して選択された前記サービス、前記個人情報、及び前記申請要件に基づいて、前記サービスの推奨申請順序を決定することと、
決定した前記推奨申請順序を前記ユーザ端末に表示させることと、
を実行させるための、サービス推奨プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サービス推奨装置、サービス推奨システム、サービス推奨方法およびサービス推奨プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、引っ越しなどのイベントに関して必要な複数の手続きを、電子フォームを用いて効率的に実行するための手続きシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-48849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば在外者が就労のために日本国内へ引っ越しする場合、住所が決まっていないために銀行口座が開けなかったり、国内の銀行口座を持たないために電話番号が取得できなかったりすることがある。すなわち、何らかのサービスの利用を申請しようとしても、その手続きに必要な要件がそろっていないことが多い。
【0005】
サービス申請に必要な要件は、サービス又はサービスの提供者によって異なる。そして、申請に必要な要件を把握するのは、他所から移住してくるユーザにとっては容易ではない。本開示は、複数のサービス申請を効率よく進めることを可能にするサービス推奨装置、サービス推奨システム、サービス推奨方法およびサービス推奨プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るサービス推奨装置は、1以上のプロセッサと1以上のメモリとを備え、前記メモリには、ユーザの個人情報を保存するユーザデータベースと、複数のサービスの情報を保存する要件データベースであって、前記各サービスの申請に必要な申請要件に関するデータ項目を含む、要件データベースと、が格納されており、前記プロセッサが、前記複数のサービスのうち1以上の選択するための選択画面をユーザ端末に表示させることと、前記選択画面を介して選択された前記サービス、前記個人情報、及び前記申請要件に基づいて、前記サービスの推奨申請順序を決定することと、決定した前記推奨申請順序を前記ユーザ端末に表示させることと、を実行するように構成される。
【0007】
本開示の一態様に係るサービス推奨システムは、上記サービス推奨装置と、前記サービス推奨装置と通信するように構成された1以上のサービスサーバと、を備える。
本開示の一態様に係るサービス推奨方法は、1以上のコンピュータに、ユーザの個人情報をユーザデータベースに保存することと、複数のサービスの情報を要件データベースに保存することであって、前記要件データベースが前記各サービスの申請に必要な申請要件に関するデータ項目を含む、ことと、前記複数のサービスのうち1以上の選択するための前記選択画面をユーザ端末に表示させることと、選択画面を介して選択された前記サービス、前記個人情報、及び前記申請要件に基づいて、前記サービスの推奨申請順序を決定することと、決定した前記推奨申請順序を前記ユーザ端末に表示させることと、を実行させることを含む。
【0008】
本開示の一態様に係るサービス推奨プログラムは、1以上のコンピュータに、ユーザの個人情報をユーザデータベースに保存することと、複数のサービスの情報を要件データベースに保存することであって、前記要件データベースが前記各サービスの申請に必要な申請要件に関するデータ項目を含む、ことと、前記複数のサービスのうち1以上の選択するための選択画面をユーザ端末に表示させることと、前記選択画面を介して選択された前記サービス、前記個人情報、及び前記申請要件に基づいて、前記サービスの推奨申請順序を決定することと、決定した前記推奨申請順序を前記ユーザ端末に表示させることと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、複数のサービス申請を効率よく進めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は実施形態に係るサービス推奨システムの構成を例示する模式図である。
図2図2は実施形態に係るサービス推奨装置の電気的構成を例示するブロック図である。
図3図3はアカウント登録画面を例示する模式図である。
図4図4は選択画面を例示する模式図である。
図5図5は要件表示画面を例示する模式図である。
図6図6は所持情報登録画面を例示する模式図である。
図7図7はユーザの所持情報及びサービスの申請要件を例示する模式図である。
図8図8は実施形態に係るサービス推奨方法を例示するフロー図である。
図9図9図8に続くサービス推奨方法を例示するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示のサービス推奨装置、サービス推奨システム、サービス推奨方法およびサービス推奨プログラムの例を、以下に図面を参照しつつ説明する。本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0012】
[サービス推奨システム]
図1に示すように、サービス推奨システム11は、サービス推奨装置12を含む。サービス推奨システム11は、さらに、1以上のサービスサーバ13を含んでもよい。サービス推奨装置12は、推奨サービスを提供するサービス提供者22によって運営される。複数のサービスサーバ13は、それぞれ異なるサービスを提供するサービス提供者23によって運営される。1のサービス提供者22は、1以上の他のサービス提供者23と同一主体であってもよい。
【0013】
以下、サービス提供者23が提供するサービスを、推奨サービスと区別するために「国内サービス」という。複数の国内サービスは、例えば、水道、ガス供給、電気供給、銀行、クレジットカード発行、電話契約、インターネット通信契約、宿泊施設予約、物件紹介、住民登録、ネットショップを含む。「国内サービス」は、特定の国内で提供されるサービスに限らず、特定の地域で提供を受けるために申請の手続きが必要なサービスであればよい。
【0014】
サービス提供者23は、例えば、行政サービスを提供する国又は地方公共団体であってもよいし、水道、ガス、電気などのライフラインを提供する事業者であってもよいし、銀行業又はクレジットカード発行業などを担う金融業者であってもよいし、固定電話、携帯電話、インターネット通信などを提供する通信事業者であってもよい。さらに、複数のサービス提供者23は、ショッピングサイトを提供する小売業者又は仲介業者を含んでもよいし、宿泊施設の予約又は交通機関の予約を仲介する旅行代理店などを含んでもよい。
【0015】
1以上のユーザ端末19とサービス推奨装置12とは、ネットワーク20を通じて互いに通信するように構成される。各ユーザ端末19は、対応するユーザ29によって操作される。ユーザ端末19は、例えば、PC、スマートフォン、又はタブレットであってもよいが、これらに限られない。1以上のユーザ端末19は、ネットワーク20を通じて1以上のサービスサーバ13と通信するように構成されてもよい。複数のサービスサーバ13は、ネットワーク20経由でのユーザ端末19のアクセスを受け付けず、オフラインで運営されてもよい。
【0016】
ネットワーク20は、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ端末、無線通信網、無線基地局、専用回線等を含む。図1に示す装置の全ての組み合わせが相互に通信可能である必要はなく、ネットワーク20は、一部にローカルなネットワークを含んでもよい。
【0017】
図2に、サービス推奨装置12及びサービスサーバ13の一例であるコンピュータの基本的な構成を示す。コンピュータは、例えば、1以上のプロセッサ31、1以上のメモリ32、及び通信IF(interface)33を備える。サービス推奨装置12及びサービスサーバ13は、さらに、入力装置34、出力装置35、及びストレージ36を有してもよい。プロセッサ31、メモリ32、通信IF33、入力装置34、出力装置35、及びストレージ36は、通信バス37により互いに接続される。
【0018】
サービス推奨装置12及びサービスサーバ13の構成は、互いに異なっていてもよい。ユーザ端末19も、サービス推奨装置12及びサービスサーバ13と同様に、プロセッサ31、メモリ32、及び通信IF33、入力装置34、出力装置35、及びストレージ36を備えてもよい。
【0019】
プロセッサ31は、例えば、各種ソフトウェア処理を実行するように構成される処理回路である。処理回路は、ソフトウェア処理の少なくとも一部を処理する専用のハードウェア回路(たとえばASIC等)を備えてもよい。すなわち、ソフトウェア処理は、1又は複数のソフトウェア処理回路及び1又は複数の専用のハードウェア回路の少なくとも一方を備えた処理回路(processing circuitry)によって実行されればよい。
【0020】
プロセッサ31は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はその他の演算装置である。プロセッサ31は、与えられる信号に応じて、又は、予め定められた条件が成立したことに応じて、メモリ32又はストレージ36に格納されているプログラムに含まれる一連の命令を実行する。
【0021】
メモリ32は、例えば、RAM(Random Access Memory)、又はその他の揮発性メモリである。メモリ32は、プログラム、及びデータを一時的に保存するように構成される。プログラムは、例えばストレージ36から読み出される。メモリ32が保存するデータは、サービス推奨装置12及びサービスサーバ13が受信したデータと、プロセッサ31によって生成されたデータとを含んでもよい。
【0022】
通信IF33は、ネットワーク20に接続するように構成される。通信IF33は、ネットワーク20に接続されている他の装置と通信するように構成される。通信IF33は、例えば、LAN、又はその他の有線通信IFとして実現される。通信IF33は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又はその他の無線通信IFとしても実現され得るが、これらに限定されない。
【0023】
入力装置34は、例えば、キーボード及びマウスであり、ボタン、キー、スイッチ、タッチパッド、又はマイクを含んでもよい。出力装置35は、例えば、液晶モニタ又は有機EL(Electro Luminescence)モニタであってもよいし、入力装置34を兼ねたタッチパネルを有するタッチスクリーンであってもよい。出力装置35は、スピーカ又は音声出力のための端子であってもよい。
【0024】
ストレージ36は、メモリの一例であり、例えば、ROM(Read-Only Memory)、ハードディスク装置、フラッシュメモリ、又はその他の不揮発性記憶装置であってもよい。ストレージ36は、メモリカードのように、着脱可能な記憶装置であってもよい。ストレージ36は、プログラム及びデータを永続的に格納するように構成される。ストレージ36には、各種の機能を実現するための1以上のアプリケーション38、及び、1以上のデータベース39が格納されていてもよい。
【0025】
各サービスサーバ13のデータベース39は、対応するサービスの利用者の情報を保存するサービスデータベースを含む。サービスデータベースは、サービスの複数の申請要件にそれぞれ対応するデータ項目、例えば、利用者の名前、住所、及び各利用者に割り当てられるサービスコードを含む。サービスコードは、利用者を識別するための符号であり、各利用者に固有のコードが割り当てられることが多い。サービスコードの例は、電話番号、口座番号、又はクレジットカード番号である。「郵便番号」及び「住所」は、個人又は家屋に固有に割り当てられるものではないが、居住地を識別するために発行される一種のサービスコードとして扱う。
【0026】
[推奨サービス]
第1国(第1地域)に居住していたユーザ29が第2国(第2地域)に移住する場合、そのユーザ29は、第2国で様々な国内サービスを享受するために、複数の国内サービスの利用申請をする必要がある。国境を超えての移住に限らず、別の場所へ移住する場合には、同様に、新たな国内サービスの申し込みが必要になることがある。
【0027】
複数のサービス提供者23の各々は、国内サービスの提供にあたって求める要件が互いに異なる。例えば、クレジットカードの発行には、支払い情報として国内の銀行口座が必要なことがあるが、ショッピングサイトの支払い方法は、クレジットカード、代金引換、銀行振り込み、コンビニ払いなど、複数の選択肢があることが多い。同種の国内サービスであっても、事業者毎に異なる申請要件を課すことがある。例えば、銀行口座の開設には印章を求める銀行が多いが、印章を求めない銀行もある。
【0028】
国内サービスの利用申請には、他のサービス提供者23が発行するサービスコードが必要になることが多い。例えば、連絡先として、電話番号が必要であったり、支払い情報として銀行口座番号又はクレジットカード番号が必要であったりする。さらに、ある国内サービスの申請をするつもりがなくても、他の国内サービスの申請要件に含まれていれば、先に必要なサービスコードを得ておかなければ、目的の国内サービスを申請することができない。
【0029】
そこで、推奨サービスは、複数の国内サービスの推奨申請順序を提示することを主な目的とする。推奨サービスは、ユーザ端末19にインストールされるアプリケーションにより提供されてもよいし、サービス推奨装置12にアクセスした時にサイト経由で提携されるオンラインサービスであってもよい。
【0030】
サービス推奨装置12は、推奨サービスを提供するためのアプリケーション38と、複数のデータベース39とを有する。複数のデータベース39は、ユーザデータベースと、要件データベースとを含む。ユーザデータベースは、複数のユーザ29の個人情報を保存するために用いられる。要件データベースは、複数の国内サービスの情報を保存するために用いられ、各国内サービスの申請に必要な申請要件に関するデータ項目を含む。
【0031】
サービス推奨装置12は、在外者が第1国(例えば、母国)から第1国とは異なる第2国(例えば、外国)に移住する場合を想定した推奨サイトを提供してもよい。例えば、第2国が日本国である場合、アプリケーション38は在外者の利用を想定して日本語以外の言語、例えば英語により表記されてもよい(図3図6参照)。
【0032】
図3に、推奨サイトの一部であるアカウント登録画面41を例示する。アカウント登録画面41は、推奨サイトにアクセスしたユーザ端末19に表示される。アカウント登録画面41は、ユーザ29のアカウント情報を入力するための複数の入力欄42を含む。
【0033】
アカウント情報は、例えば、個人情報と、その個人を特定するための識別情報と、個人であることを確認するための確認情報と、連絡先とを含む。個人情報は、例えばユーザ29の名前である。識別情報は、例えばユーザID(User ID)である。確認情報は、例えばパスワードである。連絡先は、例えばメールアドレス(Mail Address)である。識別情報及び確認情報は、ユーザ29自身が入力するようにしてもよいし、サービス推奨装置12が自動的に付与するようにしてもよい。
【0034】
登録したアカウント情報の少なくとも一部、例えば、メールアドレス及びパスワードなどは、登録後に変更することができる。また、当初、外国語表記で登録した名前を日本語表記の名前に変更することができるようにしてもよい。あるいは、アカウント情報は、外国語表記の名前と日本語表記の名前の両方をデータ項目として含んでもよい。
【0035】
サービス推奨装置12は、入力欄42を介して入力されたアカウント情報をユーザデータベースに保存する。これにより、ユーザ29のアカウント登録が完了する。登録されたユーザ29は、次回から、推奨サイトの一部であるログイン画面(図示略)に識別情報及び確認情報を入力することにより、継続したサービスを受けることができる。
【0036】
ユーザデータベースは、アカウント情報の他、ユーザ29の個人情報、例えば、居住先の住所及び電話番号、元の居住地の住所及び電話番号などのデータ項目を含んでもよい。さらに、ユーザデータベースは、国内サービスに係るサービスコード、及び、ユーザ29の保証人又は勤務先の情報をデータ項目として含んでもよい。ユーザ29は、最低限アカウント情報を入力することで推奨サービスの利用を開始できるが、その他のデータを追加で入力することにより、推奨サービスの他の機能を利用することができるようになる、
図4に推奨サイトの一部である選択画面45を例示する。選択画面45は、複数の選択ボタン51~59を含む。選択画面45は、さらに、アカウント登録ボタン50(Create Account)を含んでもよい。アカウント登録ボタン50が選択されると、図3のアカウント登録画面41が表示される。
【0037】
複数の選択ボタン51~57は、それぞれ、異なる種類の国内サービスに対応している。例えば、選択ボタン51は宿泊施設予約(Hotel/Hostel)、選択ボタン52は住宅紹介(Housing)に対応している。選択ボタン53は銀行口座開設(Create Account)に対応している。選択ボタン54は住民登録(Register Address)、選択ボタン55はマイナンバーカード発行(My Number Card)に対応している。選択ボタン56はスマートフォン購入(Buy a new Smart Phone)、選択ボタン57は電話契約(Phone Contract)に対応している。選択ボタン58はオンラインショッピングのユーザ登録(Resister Online Shop)、選択ボタン59はクレジットカード発行(Credit Card Contract)に対応している。
【0038】
複数の選択ボタン51~59は、複数を同時に選択可能であってもよい。選択された選択ボタン(例えば、図4に示す選択ボタン51,54,57)は、選択状態を示す表示に変化してもよい。選択画面45は、ユーザ29が希望する申請順序を入力するための入力欄を含んでもよい。あるいは、複数の選択ボタン51~59を選択した場合に、選択した国内サービスの中で、申請の希望順位を入力するための希望順位入力画面(図示略)を表示するようにしてもよい。
【0039】
図4の選択画面45に例示される矢印のように、例えば銀行口座と住居契約、あるいは電話番号と住民登録など、ある国内サービスと、そのサービス申請に必要なサービスコードを発行する国内サービスとの関連を、予め選択画面45で示唆しておいてもよい。
【0040】
各選択ボタン51~59は、同種の国内サービスを提供する複数のサービス提供者23に対応していてもよい。この場合、各選択ボタン51~59を押すと、複数のサービス提供者23の提供者選択画面(図示略)が表示され、その中から1以上のサービス提供者23を選択するようになっていてもよい。この提供者選択画面は、各サービス提供者23が提供するサイトへのリンクを含んでもよい。
【0041】
例えば、ユーザ29が電話番号の取得とクレジットカードの発行を希望している場合、ユーザ29は選択画面45で選択ボタン57,59を選択する。
すると、図5に示すように、サービス推奨装置12は、選択された国内サービスの申請要件を示す要件表示画面46を表示してもよい。ユーザ29がクレジットカードの発行を希望する場合、クレジットカード発行の申請には、電話番号及び口座情報が必要になる。そのため、ユーザ29は、先に、電話番号を取得することと、銀行口座を開設することが必要になる。また、電話番号の取得には支払い情報が必要であるため、ユーザ29は、まず、銀行口座を開設することになる。
【0042】
このように、ユーザ29が所持する情報に応じて、国内サービスの申請順序が必然的に決まることがある。また、ユーザ29が選択した国内サービス(すなわち、申請を希望する国内サービス)が1つであったとしても、複数の国内サービスの申請が必要になることがある。
【0043】
サービス推奨装置12は、ユーザ29の所持情報に基づいて、国内サービスの申請順序を提示するように構成される。所持情報は、情報の名称のみであってもよいし、ユーザ29が利用中の国内サービスに係るサービスコードそのものであってもよい。情報の名称とは、例えば、個人情報に係る情報の名称である「住所」、及び、国内サービスに係る名称である「メールアドレス」「口座情報」「クレジットカード」などである。すなわち、所持情報は、住所、電話番号、銀行口座番号、又はクレジットカード番号に係る情報を含んでもよい。所持情報は、複数の国内サービスの利用の有無を示すデータ項目を含むといえる。
【0044】
図6には、ユーザ29が所持情報を登録するための所持情報登録画面47を例示している。サービス推奨装置12は、ユーザ端末19の要求に応じて、あるいはアカウント登録画面41に続いて、所持情報登録画面47をユーザ端末19に表示させてもよい。図6の例では、ユーザ29が自身の所持情報として「住所」と「メールアドレス」を選択した状態を示している。所持情報登録画面47に、あるいは所持情報登録画面47とは別の画面で、各所持情報の内容(サービスコードそのもの)を登録するための入力欄を設けてもよい。
【0045】
図7に、ユーザ29の所持情報とともに、いくつかの国内サービスの申請要件を例示する。データ列60はユーザ29の所持情報を示す。データ列61は一の銀行(銀行1)の口座開設に係る申請要件の一部を示す。データ列62は他の銀行(銀行2)の口座開設に係る申請要件の一部を示す。データ列63は電話番号取得に係る申請要件の一部を示す。データ列64はクレジットカード発行に係る申請要件の一部を示す。データ列65はショッピングサイトへの登録に係る申請要件の一部を示す。
【0046】
図7では申請要件を簡素化して示しているが、実際には、支払い情報について複数の選択肢があったり、クレジットカードが国内発行に限定されたり、本人確認書類が求められたりする。電話番号についても、固定電話、携帯電話、又はインターネット回線を用いた電話(いわゆるIP電話)の何れが許容されるかなど、より詳細な申請要件が課されることがある。そのため、要件データベース及びユーザデータベースのデータ項目は、例示よりも多くなる。また、こうした詳細な要件と所持情報とをより正確に比較するためには、所持情報は情報の名称のみでなく、その内容も登録することが好ましい。
【0047】
図7の例では、一の銀行1の口座開設には住所と印章が必要であり、他の銀行2の口座開設には電話番号及びメールアドレスが必要である。ユーザ29はこの段階では電話番号を有さないため、銀行1の口座開設が第1の選択肢となる。ユーザ29は、実店舗で印鑑を購入することで印章を入手できる。あるいは、ユーザ29はオンラインショップで印鑑を購入することもできる。ユーザ29が入手した印章を用いて銀行1の口座を開設すれば、その口座情報を用いて、電話番号を取得することができる。ユーザ29は、その後、取得した電話番号と口座情報を用いて、クレジットカードの発行を申請することになる。
【0048】
したがって、図7の例では、サービス推奨装置12は、推奨する国内サービスの申請順序として、「1番:オンラインショップ、2番:銀行1、3番:電話番号、4番:クレジットカード」を提示してもよい。申請順序を示すときには、国内サービス名のみ示してもよいし、各国内サービスの申請要件を国内サービス名とともに表示してもよい。
【0049】
図7は、各種データ項目の例示であるが、ユーザ29に申請順序を提示する場合には、同様の内容を含む推奨順序提示画面(図示略)を表示する。この提示画面では、選択された国内サービスに加えて、選択された国内サービスの申請に必要なサービスコードを得るための国内サービスも併せて表示するとよい。
【0050】
[登録情報の共有]
サービス推奨装置12とサービスサーバ13とは、ユーザ29の要望に応じて、あるいはユーザ29の承認を得て、互いにユーザ29の登録情報を共有してもよい。例えば、あるサービスサーバ13に登録された登録情報、例えば、住所及び電話番号を、サービス推奨装置12のユーザデータベースに反映させてもよい。より詳細には、ユーザ29が推奨サービスのアカウントに登録したメールアドレスを、オンラインショップの登録情報に反映させたり、銀行1に登録された口座番号を推奨サービスの所持情報として反映させたりしてもよい。こうした情報共有は、1のサービス提供者22と他のサービス提供者23が同一である又は提携関係にあると、より容易である。
【0051】
サービス提供者22,23同士が情報共有している場合、ある国内サービスの申請後、その登録が完了したときに、サービス推奨装置12がユーザ端末19に登録完了を通知するようにしてもよい。こうした通知は、ユーザ端末19にインストールされたアプリケーションを通じて行ってもよいし、登録されたメールアドレスにメール送信することで行ってもよい。さらに、サービス推奨装置12は、登録情報の追加によって申請が可能になった国内サービスを通知したり、推奨する申請順序の変更を通知したりしてもよい。
【0052】
[推奨サービス利用に伴う特典付与]
サービス推奨装置12は、ユーザ29の推奨サービス利用状況に応じて特典を付与するように構成されてもよい。こうした特典は、例えば、金銭に換えて使用可能なポイントであってもよいし、景品と交換可能なポイントであってもよいし、ある店舗で有効な割引であってもよい。特典として付与されたポイントは、例えば、提携先のショッピングサイトなどで金銭に換えて使用可能であってもよい。あるいは、推奨サービスで得たポイントが他の特典管理サービスのポイントと交換可能であってもよい。
【0053】
サービス推奨装置12は、特典を管理するためのアプリケーションを備えてもよい。この場合、ユーザデータベースは、特典に関する1以上のデータ項目を含む。1以上のデータ項目は、例えば、ポイント数、ポイントの期限、ポイントの使用履歴などである。あるいは、サービス推奨システム11が特典を管理する特典管理装置(図示略)を備え、サービス推奨装置12が特典管理装置と通信するように構成されていてもよい。
【0054】
例えば、サービス推奨装置12は、所持情報が更新された場合に、ユーザ29に特典を付与するようにしてもよい。また、サービス推奨装置12は、同種の複数の国内サービスのうち、推奨サービスが利用を推奨するサービス提供者23の国内サービスをユーザ29が申請した場合に、そのユーザ29にポイントを付与してもよい。これに代えて、あるいはこれに加えて、サービス推奨装置12は、所持情報が推奨申請順序に従って更新された場合に特典を付与したり、付与率を高くしたりしてもよい。さらに、所持情報が推奨申請順序に従って更新されるにつれて、ユーザ29に付与する特典を加算してもよい。すなわち、更新状況に応じて、付与ポイント又は付与率が高くなるようにしてもよい。
【0055】
ユーザ端末19にポップアップで通知を行ったり、メールで通知を行ったりする場合には、その通知に含まれるリンクから次の手続き(例えば、所持情報の更新)を行った場合に、ポイントを付与したり、付与率を高くしたりしてもよい。
【0056】
[サービス推奨方法]
本開示のサービス推奨方法について説明する。
図8は、サービス推奨方法に関し、サービス推奨装置12へのアカウント登録から、推奨する申請順序を提示するまでのサービス推奨装置12(プロセッサ31)とユーザ29(ユーザ端末19)とのアクションを例示する。
【0057】
始めに、ステップS71で、サービス推奨装置12は、ユーザ端末19の要求に応じて、アカウント登録画面41をユーザ端末19に表示させる。ステップS72で、ユーザ29は、ユーザ端末19を介して、アカウント情報(例えば、メールアドレス、名前、ユーザID、パスワード)を入力する。ステップS73で、サービス推奨装置12は、入力されたアカウント情報をユーザデータベースに保存し、推奨サービスへのユーザ登録を行う。
【0058】
ステップS74で、サービス推奨装置12は、ユーザ端末19の要求に応じて、複数の国内サービスのうち1以上の選択するための選択画面45をユーザ端末19に表示させる。ステップS75で、ユーザ29は、ユーザ端末19を介して、選択画面45において1以上の選択ボタン51~59を選択する。ステップS76で、サービス推奨装置12は、選択された国内サービスをユーザデータベースに保存する。ステップS76の後に、サービス推奨装置12は、ユーザ端末19の要求に応じて、又は自動的に、選択された国内サービスの申請要件を示す要件表示画面46をユーザ端末19に表示させてもよい。
【0059】
ステップS77で、サービス推奨装置12は、ユーザ端末19の要求に応じて、所持情報登録画面47をユーザ端末19に表示させてもよい。所持情報登録画面47は、ステップS74(選択画面45の表示)より先に、サービス推奨装置12が自動的に表示させてもよい。ステップS78で、ユーザ29は、ユーザ端末19を介して、所持情報登録画面47において、所持情報を入力する。ステップS79で、サービス推奨装置12は、入力されたユーザ29の所持情報をユーザデータベースに保存する。
【0060】
ステップS80で、サービス推奨装置12は、選択画面45を介して選択された国内サービス、ユーザ29の個人情報、及び各種サービスの申請要件に基づいて、国内サービスの推奨申請順序を決定する。より詳細には、サービス推奨装置12は、選択された国内サービスの申請要件と、ユーザ29の所持情報とを比較して、選択された国内サービスの申請に不足する不足要件の有無を判断する。
【0061】
そして、不足要件が無い場合、サービス推奨装置12はユーザ29の希望申請順序を推奨申請順序として決定する。これに対して、不足要件がある場合、サービス推奨装置12は不足要件に係る国内サービスを選択された国内サービスよりも先に申請するように、推奨申請順序を決定する。すなわち、推奨申請順序の対象となる国内サービスには、選択された国内サービスに加えて、選択された国内サービスの申請要件を満たすための、選択されていない国内サービスが含まれることがある。
【0062】
ステップS81で、サービス推奨装置12は、決定した推奨申請順序をユーザ端末19に表示させる。不足要件がある場合、サービス推奨装置12は、推奨申請順序と共に、あるいは推奨申請順序とは別に、不足要件を満たすための方法をユーザ端末19に表示させてもよい。例えば、サービス推奨装置12は、選択されていないが必要な国内サービスの申請方法、又は、不足物の入手方法(例えば、印鑑の購入方法)をユーザ端末19に表示させてもよい。
【0063】
図9は、ステップS81に続く、サービスサーバ13、サービス推奨装置12(アプリケーション38)及びユーザ29(ユーザ端末19)のアクションを例示する。図9では、サービス推奨装置12とサービスサーバ13とが登録情報を共有する場合を例示している。
【0064】
ステップS82では、ユーザ29が他のサービス提供者23に対して国内サービスの利用を申請する。この申請は、ユーザ端末19を介してオンラインで行われる必要はなく、ユーザ29が営業所などを訪れて、窓口において(すなわち、図1に二点鎖線の矢印で示すように、オフラインで)申請してもよい。
【0065】
ステップS83では、サービス提供者23が申請内容を審査して、サービスサーバ13に国内サービスの利用者登録を行う。これにより、ユーザ29には、サービス提供者23からサービスコード(例えば、口座番号、電話番号、又はクレジットカード番号など)が付与される。付与されたサービスコードはサービスデータベースに保存される。
【0066】
ステップS84で、ユーザ29がサービス提供者23に対して国内サービスに係る情報をサービス提供者22(サービス推奨装置12)と共有するよう依頼する。この情報提供依頼は、ステップS82の国内サービス申請と同時に行われてもよい。また、ステップS82と同様に、ユーザ29は、窓口において(すなわち、オフラインで)情報提供依頼を行ってもよい。情報提供依頼を行わない場合、ユーザ29は、新たに申請したサービスの登録情報を、ユーザ端末19を通じてサービス推奨装置12に直接送信してもよい。
【0067】
ステップS85で、サービスサーバ13は、ユーザ29に付与したサービスコードを含む利用者の情報(登録情報)をサービス推奨装置12に送信する。サービス推奨装置12は、サービスサーバ13が送信した利用者の情報を受信する。
【0068】
ステップS86で、サービス推奨装置12は、サービスサーバ13又はユーザ端末19から受信した登録情報に基づいて、ユーザ29の所持情報を更新する。さらに、ステップS87で、サービス推奨装置12は、更新に係る通知(所持情報の更新が完了したこと)を、ユーザ端末19を介してユーザ29に送信する。通知は、ユーザ端末19にインストールされたアプリケーションを通じて行ってもよいし、登録されたメールアドレスにメール送信することで行ってもよい。
【0069】
サービス推奨装置12は、ユーザ29の所持情報を更新すると、ユーザ29が申請を希望する複数の国内サービスが残っているか否かを判断する。ユーザ29が申請を希望する複数の国内サービスが残っている場合、サービス推奨装置12は、ステップS88で、更新された所持情報に基づいて、残る国内サービスの推奨申請順序を更新する。そして、サービス推奨装置12は、ステップS89で、更新された推奨申請順序を、ユーザ端末19を介してユーザ29に通知する。
【0070】
ステップS90で、サービス推奨装置12は、ステップS80で決定した推奨申請順序と、ステップS86で更新した所持情報とを照合する。より詳細には、サービス推奨装置12は、新たに登録された国内サービスの内容又はその申請順序が、特典付与の条件に一致するか否かを判断する。そして、特典付与の条件に一致する場合には、ステップS91で、サービス推奨装置12がユーザ29に規定の特典を付与する。さらに、サービス推奨装置12は、ステップS92で、付与した特典に関する情報を、ユーザ端末19を介してユーザ29に通知してもよい。
【0071】
登録完了の通知(ステップS87)と、更新した申請順序の通知(ステップS89)と、特典付与通知(ステップS92)とは、互いに順序を変更してもよいし、同時に行ってもよい。
【0072】
[本開示の作用]
推奨サービスは移住前であっても、アカウント登録を行うことができる。アカウント登録に必要なメールアドレスは、国をまたいでも継続して使用しやすい。そして、推奨サービスを利用すれば、国内サービスに関する情報を収集するなど、移住前から移住のための準備を始めることができる。
【0073】
ユーザ29は、アカウント登録後、サービス推奨装置12に国内サービスの登録情報を順次に追加していくことができる。そのため、住所が変わったり、電話番号が変わったりしても、推奨サイトを利用して、ユーザ29の個人情報を一元的に管理することが可能になる。
【0074】
ユーザ29は、「所持情報登録画面47」を手持ち情報リスト、「選択画面45」(及び希望順位入力画面)をやりたいことリスト、「順序提示画面」をやることリスト、「要件表示画面46」をいるものリストとして使用できる。推奨サービスでは、申請作業の進捗に応じてこれらリストが更新されていくので、ユーザ29は常に最新の情報を得ることができる。また、ユーザ29は、この最新の情報をユーザ端末19でいつでも確認できる。
【0075】
サービス推奨装置12が更新された申請順序をユーザ29に通知することにより、ユーザ29が複数の国内サービス申請を効率よく進めるためのタスクガイドになる。そのため、推奨サービスは、ユーザ29が移住する際に必要な手続きを補助することができる。
【0076】
推奨サービスは、必ずしも個人情報そのものを登録しなくても、所持する情報の名称を登録すれば、申請順序を決定することができるので、個人情報を登録することに対する心理的な抵抗感を低減できる。
【0077】
推奨サービスの利用に伴って特典を付与することは、ユーザ29が推奨順序通りに国内サービス申請を行うことの動機付けとなる。そして、推奨順序通りに国内サービス申請することで、ユーザ29はよりスムーズに複数の申請を完了することができる。
【0078】
[本開示の効果]
本開示によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)ユーザ29は、推奨申請順序に従って、複数のサービス申請を効率よく進めることができる。
【0079】
(2)所持情報及び申請要件に基づいて、希望するサービスの申請のために不足する申請要件を判断することができる。したがって、より正確に推奨申請順序を決定することができる。
【0080】
(3)更新された所持情報に基づいて更新された推奨申請順序をユーザ端末19に通知することにより、ユーザ29は通知をガイドとして、順次にサービス申請を行うことができる。
【0081】
(4)不足要件が無い場合には、希望申請順序を推奨申請順序として決定することができる。
(5)所持情報の更新をしたユーザ29に特典を付与することにより、推奨サービスの利用を促すことができる。
【0082】
(6)推奨申請順序に従って所持情報の更新をしたユーザ29に特典を付与することにより、推奨サービスの利用を促すことができる。
(7)所持情報が推奨申請順序に従って更新されるにつれて、ユーザ29に付与する特典を加算することにより、推奨サービスの継続的な利用を促すことができる。
【0083】
(8)サービスサーバ13から受信した利用者の情報に基づいてユーザデータベースを更新することにより、サービスの登録情報をユーザ29がサービス推奨装置12を送る必要がない。
【0084】
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0085】
・推奨サービスのアプリケーション38は、チャットボットにより、各種国内サービス申請についてのユーザ29からの質問に回答するようにしてもよい。
・サービス推奨装置12は、国内サービスを提供する営業所の情報を提供してもよい。例えば、サービス推奨装置12は、印章を必要とするユーザ29に印鑑を購入できる店舗の位置情報及び営業時間を提供したり、住民登録をする市役所の位置情報及び受付時間を提供したりしてもよい。他にも、アプリケーション38は、電話契約のできる営業所の位置情報、受付時間及び予約方法を提供してもよい。
【0086】
・推奨サービスに登録された個人情報、例えば、住所又は電話番号が変更された場合、サービス推奨装置12は、変更された個人情報が登録情報となっている1以上の国内サービスについて、登録情報の変更手続きをするように促す通知をユーザ端末19に送信してもよい。あるいは、サービス推奨装置12とサービスサーバ13とで登録情報を共有している場合には、自動的に変更内容を反映して、変更した旨をユーザ端末19に通知してもよい。
【0087】
上記実施形態及び変更例に基づいて把握される態様を以下に列記する。
[1]1以上のプロセッサと1以上のメモリとを備え、
前記メモリには、ユーザの個人情報を保存するユーザデータベースと、複数のサービスの情報を保存する要件データベースであって、前記各サービスの申請に必要な申請要件に関するデータ項目を含む、要件データベースと、が格納されており、
前記プロセッサが、
前記複数のサービスのうち1以上の選択するための選択画面をユーザ端末に表示させることと、
選択画面を介して選択された前記サービス、前記個人情報、及び前記申請要件に基づいて、前記サービスの推奨申請順序を決定することと、
決定した前記推奨申請順序を前記ユーザ端末に表示させることと、
を実行するように構成される、サービス推奨装置。
【0088】
[2]前記個人情報は、前記ユーザが所持する情報を示す所持情報を含み、
前記所持情報は、前記ユーザによる前記複数のサービスの利用の有無を示すデータ項目を含み、
前記プロセッサが、
前記所持情報を登録するための所持情報登録画面を前記ユーザ端末に表示させることと、
選択された前記サービスの前記申請要件と前記所持情報とを比較することにより、前記推奨申請順序を決定することと、
を実行するように構成される、上記[1]に記載のサービス推奨装置。
【0089】
[3]前記プロセッサが、
前記所持情報を更新することと、
更新された前記所持情報に基づいて、前記推奨申請順序を更新することと、
更新された前記推奨申請順序を前記ユーザ端末に通知することと、
を実行するように構成される、
上記[2]に記載のサービス推奨装置。
【0090】
[4]前記選択画面が、前記ユーザが利用を希望する前記サービスの希望申請順序を入力するための入力欄を含み、
前記プロセッサが、
前記選択されたサービスの前記申請要件と前記所持情報とを比較することにより、前記選択されたサービスの申請に不足する不足要件の有無を判断することと、
前記不足要件が無い場合には、前記希望申請順序を前記推奨申請順序として決定し、前記不足要件がある場合には、前記不足要件に係る前記サービスを前記選択されたサービスよりも先に申請するように、前記推奨申請順序を決定することと、
を実行するように構成される、
上記[2]又は[3]に記載のサービス推奨装置。
【0091】
[5]前記所持情報が、住所、電話番号、銀行口座番号、又はクレジットカード番号に係る情報を含む、
上記[2]~[4]のうち何れかに記載のサービス推奨装置。
【0092】
[6]前記所持情報が更新された場合に、前記プロセッサが前記ユーザに特典を付与するように構成される、
上記[2]~[5]のうち何れかに記載のサービス推奨装置。
【0093】
[7]前記所持情報が前記推奨申請順序に従って更新された場合に、前記プロセッサが前記ユーザに特典を付与するように構成される、
上記[2]~[6]のうち何れかに記載のサービス推奨装置。
【0094】
[8]前記プロセッサが、前記所持情報が前記推奨申請順序に従って更新されるにつれて、前記ユーザに付与する特典を加算するように構成される、
上記[2]~[7]のうち何れかに記載のサービス推奨装置。
【0095】
[9]前記サービス推奨装置が1以上のサービスサーバと通信するように構成され、
前記各サービスサーバが1以上のプロセッサと1以上のメモリとを有し、
前記各サービスサーバのメモリには、前記サービスの利用者の情報を保存するサービスデータベースが格納されており、
前記サービスサーバのプロセッサが前記利用者の情報を前記サービス推奨装置に送信するように構成され、
前記サービス推奨装置のプロセッサが、
前記サービスサーバから受信した前記利用者の情報に基づいて、前記ユーザデータベースを更新することと、
前記更新に係る通知を前記ユーザ端末に送信することと、
を実行するように構成される、
上記[1]~[8]のうち何れかに記載のサービス推奨装置。
【0096】
[10]前記個人情報は、前記ユーザが所持する情報を示す所持情報を含み、
前記所持情報は、前記ユーザによる前記複数のサービスの利用の有無を示すデータ項目を含み、
前記サービス推奨装置の前記プロセッサが、
前記サービスサーバから受信した前記利用者の情報に基づいて、前記所持情報を更新することと、
更新された前記所持情報に基づいて、前記推奨申請順序を更新することと、
更新された前記推奨申請順序を前記ユーザ端末に通知することと、
を実行するように構成される、
上記[9]に記載のサービス推奨装置。
【0097】
[11]前記複数のサービスが、水道、ガス供給、電気供給、銀行、クレジットカード発行、電話契約、インターネット通信契約、宿泊施設予約、物件紹介、住民登録、ネットショップのうちから選択される2以上を含む、
上記[1]~[10]のうち何れかに記載のサービス推奨装置。
【0098】
[12]上記[1]~[9]のうち何れかに記載のサービス推奨装置と、
前記サービス推奨装置と通信するように構成された1以上のサービスサーバと、
を備える、サービス推奨システム。
【0099】
[13]1以上のコンピュータに、
ユーザの個人情報をユーザデータベースに保存することと、
複数のサービスの情報を要件データベースに保存することであって、前記要件データベースが前記各サービスの申請に必要な申請要件に関するデータ項目を含む、ことと、
前記複数のサービスのうち1以上の選択するための選択画面をユーザ端末に表示させることと、
前記選択画面を介して選択された前記サービス、前記個人情報、及び前記申請要件に基づいて、前記サービスの推奨申請順序を決定することと、
決定した前記推奨申請順序を前記ユーザ端末に表示させることと、
を実行させることを含む、サービス推奨方法。
【0100】
[14]1以上のコンピュータに、
ユーザの個人情報をユーザデータベースに保存することと、
複数のサービスの情報を要件データベースに保存することであって、前記要件データベースが前記各サービスの申請に必要な申請要件に関するデータ項目を含む、ことと、
前記複数のサービスのうち1以上の選択するための選択画面をユーザ端末に表示させることと、
前記選択画面を介して選択された前記サービス、前記個人情報、及び前記申請要件に基づいて、前記サービスの推奨申請順序を決定することと、
決定した前記推奨申請順序を前記ユーザ端末に表示させることと、
を実行させるための、サービス推奨プログラム。
【符号の説明】
【0101】
11…サービス推奨システム、12…サービス推奨装置、13…サービスサーバ、19…ユーザ端末、20…ネットワーク、22…サービス提供者、23…サービス提供者、29…ユーザ、31…プロセッサ、32…メモリ、33…通信IF、34…入力装置、35…出力装置、36…ストレージ、37…通信バス、38…アプリケーション、39…データベース、41…アカウント登録画面、42…入力欄、45…選択画面、46…要件表示画面、47…所持情報登録画面、50…アカウント登録ボタン、51~59…選択ボタン。
【要約】
【課題】サービス推奨装置、サービス推奨システム、サービス推奨方法およびサービス推奨プログラムを提供する。
【解決手段】サービス推奨装置12は、1以上のプロセッサと1以上のメモリとを備え、メモリには、ユーザの個人情報を保存するユーザデータベースと、複数のサービスの情報を保存する要件データベースであって、各サービスの申請に必要な申請要件に関するデータ項目を含む、要件データベースと、が格納されている。プロセッサは、複数のサービスのうち1以上の選択するための選択画面をユーザ端末19に表示させることと、選択画面を介して選択されたサービス、個人情報、及び申請要件に基づいて、サービスの推奨申請順序を決定することと、決定した推奨申請順序をユーザ端末19に表示させることと、を実行するように構成される。
【選択図】図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9