(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】フィルム剥離装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B65H 3/08 20060101AFI20240730BHJP
G01N 3/08 20060101ALI20240730BHJP
G01N 3/00 20060101ALI20240730BHJP
B65H 1/04 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B65H3/08 321
G01N3/08
G01N3/00 P
B65H1/04 Z
(21)【出願番号】P 2023500283
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 CN2022099290
(87)【国際公開番号】W WO2023071228
(87)【国際公開日】2023-05-04
【審査請求日】2023-01-02
(31)【優先権主張番号】202111270572.8
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523003870
【氏名又は名称】日善電脳配件(嘉善)有限公司
【氏名又は名称原語表記】RI SHAN COMPUTER ACCESSORY (JIASHAN) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.95 CHANGJIANG ROAD, JIASHAN COUNTY, JIAXING, Zhejiang, 314100 China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】李 江龍
(72)【発明者】
【氏名】黄 明陽
(72)【発明者】
【氏名】李 凱
【審査官】宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109703160(CN,A)
【文献】中国実用新案第208700150(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 3/08
G01N 3/08
G01N 3/00
B65H 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板(4)を含むフィルム剥離装置であって、前記フィルム剥離装置は、
平坦化供給部(1)、
輸送部(2)及び
上向き剥離部(3)を含み、
前記
平坦化供給部(1)は底板(4)上に固定され、前記
平坦化供給部(1)は
離型フィルムを
平坦化した後に、それを平坦に
展開した状態で送出
し、
前記
輸送部(2)は水平方向に
スライドするように底板(4)上に取り付けられ、
且つ前記
平坦化供給部(1)
に対して水平方向の往復運動を行ない、また、前記輸送部(2)
は、離型フィルムを下向きの負圧で吸引して固定する輸送構造であり、前記輸送部(2)
は、前記平坦化供給部(1)から平坦に送出される
前記離型フィルムを支持し
且つ当該離
型フィルムを所定の剥離位置まで輸送
し、
前記
上向き剥離部(3)は
、上向きの負圧により離型フィルムを吸引する上向き剥離構
造であり、前記上向き剥離部(3)は、前記所定の剥離位置の上方に位置し
て、
離型フィルムを上向きに引き剥がすことに使用され
、
前記輸送部(2)が平坦化供給部(1)の一方側まで移動するときに、平坦化状態にさ
れた離型フィルムは前記輸送部(2)に送入され、
離型フィルムが吸着されている輸送部(2)が水平方向の推力により前記上向き剥離部
(3)の下方へ移動するときに、前記上向き剥離部(3)の下方に取り付けられた負圧ノ
ズル(32)の負圧により前記離型フィルムを引き剥がすことを特徴とするフィルム剥離装置。
【請求項6】
前記
輸送部(2)は
、水平方向にスライドするように取り付けられる
輸送支持板(20)と、
離型フィルムの輸送方向において
輸送支持板(20)の中央区域に形成される下部負圧吸引孔(201)とを含み、
輸送支持板(20)の上表面の両側には
輸送固定板(21)がそれぞれ形成され、2つの
輸送固定板(21)は同一の水平面上に位置しかつ平行状態に配置され、各
輸送固定板(21)の裏側には
搬送回転板(22)が
ヒンジを介して回転可能にそれぞれ連結され、
搬送回転板(22)は輸送固定板(21)に対して所定の角度内において回転可能であ
り、前記搬送回転板(22)は、自身の重量によって折り畳み状態から下方に回転するこ
とで展開状態又は展開位置まで回転し、
搬送回転板(22)
は、上に回転
される
と、輸送固定板(21)の上表面に
折り畳まれ
るようになり、
また、搬送回転板(22)が
自身の重量によって下に回転する
と、搬送回転板(22)
は輸送固定板(21)
と面一になるように輸送固定板(21)に対して展開状態に
なり、
前記
離型フィルムの側部は所定のフィルム側部隙間に挿入され、前記離型フィルムは平
坦状態に制限され、
搬送回転板(22)の下表面と
輸送支持板(20)の上表面によりフィルム側部隙間が形成されることを特徴とする請求項1に記載のフィルム剥離装置。
【請求項9】
請求項1~
8のうちいずれか一項に記載のフィルム剥離装置に用いられるフィルム剥離方法であって、前記フィルム剥離方法は、
離型フィルムを原料供給支持板(10)の上表面上に平坦化状態に展開し、
離型フィルムの一側を1つのフィルム側部隙間に挿入し、
離型フィルムの他側を他のフィルム側部隙間に挿入する原料供給のステップS1と、
輸送支持板(20)を原料供給支持板(10)に接近する方向に移動させることにより、ステップS1において平坦化状態に展開された
離型フィルムを
輸送支持板(20)に当接させ、
離型フィルムを
輸送支持板(20)の上表面上に平坦化状態に展開し、
離型フィルムの両側を所定のフィルム側部隙間に挿入し、
輸送支持板(20)上に下部負圧吸引孔(201)が形成されることにより
離型フィルムを
輸送支持板(20)の上表面上に固定させ、水平方向の推力で
輸送支持板(20)を押すことにより
輸送支持板(20)を原料供給支持板(10)から離れる方向に移動させるとともに
輸送支持板(20)を所定の剥離位置まで移動させる原料輸送のステップS2と、
負圧ノズル(32)が下降することにより
輸送支持板(20)上に平坦化状態に展開された
離型フィルムの上表面に当接すると、上向き負圧で
離型フィルムを吸引し、昇降滑動部(30)は昇降駆動構造の駆動により
離型フィルムを引き剥がす剥離のステップS3とを含むことを特徴とするフィルム剥離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、離型フィルムのテアリングに関する技術分野に属し、特に、フィルム剥離装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
離型フィルムはいろいろな電子装置に幅広く使用されている。
【0003】
離型フィルムの剥離強さ(Peel Strength)を測定する必要がある。離型フィルムの剥離強さの測定はフィルム剥離装置により実施される。
【0004】
以下、従来のフィルム剥離装置の構造を観察する。例えば、公開番号がCN202021202526.5である中国の特許出願にはフィルム剥離装置が公開されている。そのフィルム剥離装置は、第一ベース、第二ベース、第一案内軌道モジュール、第二案内軌道モジュール、下部真空吸引部、上向きシリンダー、第一軸ロックモジュール、第二軸ロックモジュール、上部フレーム、上部真空吸引部、下向きシリンダー、第二シリンダー及びカット装置を含む。前記第一ベースと第二ベースとの間には上向きシリンダー装着ベースが取り付けられ、前記上向きシリンダー装着ベースの上部には上向きシリンダーが取り付けられている。前記上向きシリンダーのピストンロッド上には下部真空吸引部が取り付けられ、前記第一ベースの上部には第一案内軌道モジュールが取り付けられる。
【0005】
前記フィルム剥離装置によりフィルムを引き剥がすことができるが、フィルムを供給するか或いはフィルムを輸送するとき剥離前の離型フィルムの平坦性を確保することができず、かつ離型フィルムを引き剥がすとき離型フィルムを安定に固定させることができない。したがって、離型フィルムを引き剥がすとき離型フィルムが曲がってしまうことにより、離型フィルムの剥離強さを正確に測定することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は従来の技術の欠点を解決することができるフィルム剥離装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を解決するため本発明は下記技術的事項を採用する。
本発明のフィルム剥離装置は、底板、平坦化供給部、輸送部及び上向き剥離部を含み、
前記平坦化供給部は底板上に固定され、前記平坦化供給部は離型フィルムを平坦に送出することにより使用され、
前記輸送部は水平方向に移動するように底板上に取り付けられ、前記輸送部は前記平坦
化供給部から平坦に送出される離型フィルムを支持しかつ所定の剥離位置まで輸送することに使用され、
前記上向き剥離部は前記所定の剥離位置の上方に位置し、前記上向き剥離部は離型フィルムを上向き方向に引き剥がすことに使用される。
【0008】
前記フィルム剥離装置において、前記輸送部は下向き負圧によりフィルムを吸引する輸送構造であり、前記上向き剥離部は上向き負圧によりフィルムを吸引する上向き剥離構造である。
【0009】
前記フィルム剥離装置において、所定の位置まで送入される離型フィルムは前記平坦化
供給部と輸送構造により同一の水平面上に位置する。
【0010】
前記フィルム剥離装置において、前記平坦化供給部は、水平方向に固定される原料供給支持板と、2つの回転式ロックモジュールとを含み、
1つの回転式ロックモジュールの外側の下表面は原料供給支持板の上表面の幅方向の一側に固定され、かつその回転式ロックモジュールの裏側の下表面と原料供給支持板の上表面との間には第一フィルム側部隙間が予め形成され、他の1つの回転式ロックモジュールの外側の下表面は原料供給支持板の上表面の幅方向の他側に固定され、かつその回転式ロックモジュールの裏側の下表面と原料供給支持板の上表面との間には第二フィルム側部隙間が予め形成されている。
【0011】
前記フィルム剥離装置において、前記平坦化供給部は加重部を更に含み、前記加重部は原料供給支持板の上表面上に横方向に配置され、加重部の両端は2つの回転式ロックモジュールの変形側の上方にそれぞれ取り付けられる。
【0012】
前記フィルム剥離装置において、回転式ロックモジュールは外側固定板と裏側回転板を含み、前記外側固定板と裏側回転板は両者の間の連結部品により連結され、外側固定板は原料供給支持板の上表面の所定の側部に固定され、裏側回転板の下表面と原料供給支持板の上表面により前記第一フィルム側部隙間または第二フィルム側部隙間が形成され、加重部の両端は展開状態にされている裏側回転板の上表面上に取り付けられる。
【0013】
前記フィルム剥離装置において、外側固定板と裏側回転板が展開状態にされるとき、外側固定板と裏側回転板との間には貫通型位置決め孔が形成される。原料供給支持板の上表面上には前記貫通型位置決め孔の下方に位置する位置調節用穴が形成されている。原料供給支持板の幅方向に沿う位置調節用穴の直径は貫通型位置決め孔の直径より大きい。位置調節用穴内には位置調節決定部が取り付けられ、位置調節決定部は上に移動することにより貫通型位置決め孔内に挿入されることができる。原料供給支持板の幅方向において位置調節決定部が位置調節用穴に相対して移動することにより位置を調節することができる。外側固定板と原料供給支持板との間には2つの裏側回転板の間の距離を調節する位置調節ロック構造が形成されている。
【0014】
前記フィルム剥離装置において、前記輸送部は下向き負圧により離型フィルムを吸引する輸送構造である。
【0015】
前記フィルム剥離装置において、前記輸送部は水平方向にスライドするように取り付けられる輸送支持板と、離型フィルムの輸送方向において輸送支持板の中央区域に形成される下部負圧吸引孔とを含み、
輸送支持板の上表面の両側には輸送固定板がそれぞれ形成され、2つの輸送固定板は同一の水平面上に位置しかつ平行状態に配置され、各輸送固定板の裏側には搬送回転板が回転可能にそれぞれ連結され、搬送回転板が上に回転することにより搬送回転板は輸送固定
板の上表面上に重畳し、搬送回転板が下に回転することにより搬送回転板と輸送固定板は展開状態にされ、搬送回転板の下表面と輸送支持板の上表面によりフィルム側部隙間が形成される。
【0016】
前記フィルム剥離装置において、搬送回転板に近づいている輸送固定板の一側には位置決め切欠口が形成されている。輸送支持板上には位置決め切欠口の下部に位置する位置調節用孔と一部が位置調節用孔内に挿入される位置調節部とが形成されている。位置調節部の厚さは位置調節用孔の深さより大きく、位置調節用孔から突出している位置調節部の突出部分は位置決め切欠口内に挿入される。輸送支持板の幅方向に沿う位置調節部の幅は輸
送支持板の幅方向に沿う位置調節用孔の内径より小さい。
【0017】
前記フィルム剥離装置に用いられるフィルム剥離方法であって、前記フィルム剥離方法は、
離型フィルムを原料供給支持板の上表面上に平坦化状態に展開し、離型フィルムの一側を1つのフィルム側部隙間に挿入し、離型フィルムの他側を他のフィルム側部隙間に挿入する原料供給のステップS1と、
輸送支持板を原料供給支持板に接近する方向に移動させることにより、ステップS1において平坦化状態に展開された離型フィルムを輸送支持板に当接させ、離型フィルムを輸
送支持板の上表面上に平坦化状態に展開し、離型フィルムの両側を所定のフィルム側部隙間に挿入し、輸送支持板上に下部負圧吸引孔が形成されることにより離型フィルムを輸送
支持板の上表面上に固定させ、水平方向の推力で輸送支持板を押すことにより輸送支持板を原料供給支持板から離れる方向に移動させるとともに輸送支持板を所定の剥離位置まで移動させ、それにより原料の輸送を完了する原料輸送のステップS2と、
負圧ノズルが下降することにより輸送支持板上に平坦化状態に展開された離型フィルムの上表面に当接すると、上向き負圧で離型フィルムを吸引し、昇降滑動部は昇降駆動構造の駆動により離型フィルムを引き剥がす剥離のステップS3とを含む。
【0018】
負圧ノズルが離型フィルムに当接すると、ステップS2の下向き負圧による吸引力がなくなる。負圧ノズルの下向き負圧による吸引力がなくなることにより離型フィルムはより平坦に展開される。最後に、負圧ノズルの上向き負圧と負圧ノズルの下向き負圧で離型フィルムを同時に吸引することにより離型フィルムの平坦性を確保する。
【0019】
離型フィルムを供給するステップS1において、離型フィルムを原料供給支持板の上表面上に平坦化状態に展開する前、前記裏側回転板を外側固定板の上表面上に折り畳み、離
型フィルムを原料供給支持板の上表面に平坦化状態に展開した後、前記裏側回転板を復位させることにより第一フィルム側部隙間と第二フィルム側部隙間を形成する。
前記ステップS2において、離型フィルムが輸送支持板に当接する前、前記搬送回転板は輸送固定板の上表面上に重畳し(折り畳まれ)、離型フィルムを輸送支持板の上表面上に平坦化状態に展開した後、前記搬送回転板が復位することにより前記フィルム側部隙間が形成される。
【発明の効果】
【0020】
従来の技術と比較してみると、本発明の事項により下記発明の効果を奏することができる。
離型フィルムを平坦にすることにより離型フィルムを平坦に輸送することができ、かつ輸送中の離型フィルムが曲がることと離型フィルムに傷を負わせることを防止することができる。
離型フィルムを平坦にすることにより、離型フィルムの輸送の効率を向上させ、離型フィルムの剥離の効率と離型フィルムの品質を確保することができる。
離型フィルムの輸送方法を設定することにより離型フィルムを固定させるとともに離型フィルムを所定の剥離位置まで輸送することができる。輸送される離型フィルムはフィルムの供給に伴って移動する。それにより、フィルム輸送位置とフィルム供給位置との間の位置する離型フィルムは引っ張られるので、つぎの離型フィルムの輸送を容易に繰り返し、離型フィルムの剥離強さの測定の正確性を向上させることができる。
上向き剥離部は、離型フィルムを引き剥がす前に離型フィルムを更に押すことにより、離型フィルムを更に展開し、剥離強さの測定の正確性に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の
離型フィルムが引き剥がされている状態を示す図である。
【
図2】本発明のフィルム剥離装置の構造を示す第一斜視図である。
【
図3】本発明のフィルム剥離装置の構造を示す第二斜視図である。
【
図4】本発明のフィルム剥離装置の原料供給側の構造を示す正面図である。
【
図5】本発明のフィルム剥離装置の回転式ロックモジュールの構造を示す図である。
【
図6】本発明のフィルム剥離装置の原料供給支持板の構造を示す図である。
【
図8】本発明のフィルム剥離装置の
輸送支持板の構造を示す図である。
【
図9】本発明のフィルム剥離装置の
輸送固定板と
搬送回転板が連結される構造を示す図である。
【
図10】本発明のフィルム剥離装置の負圧ノズルの構造を示す図である。
【
図11】本発明のフィルム剥離装置のオフセットカムが凹型槽内に位置していることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、具体的な実施例と図面により本発明の技術的事項をより詳細に説明するが、本発明は下記実施例にのみ限定されるものでない。
【0023】
〔実施例一
〕
図4に示すとおり、この実施例においてフィルム剥離装置を提供する。そのフィルム剥離装置は
離型フィルム(release film)を引き剥がすことに使用される。
【0024】
図3~
図5に示すとおり、前記フィルム剥離装置は、
平坦化供給部1とフィルム
輸送部
2を含む。
平坦化供給部1は底板4上に固定され、フィルム
輸送部2は水平方向に移動するように底板4上に取り付けられる。それによりフィルム
輸送部2は
平坦化供給部1に相対して水平方向の往復移動をすることができる。
【0025】
平坦化供給部1は、原料供給支持板10、回転式ロックモジュール11及び加重部材12を含む。
【0026】
原料供給支持板10は水平方向に固定される。例えば、原料供給支持板10は固定支持枠により底板4上に固定されることができる。その場合、底板4を移動させることにより原料供給支持板10は底板4と連動することができる。
【0027】
原料供給支持板10と固定支持枠はボルト等により固定されることができる。
【0028】
図3~
図5に示すとおり、本実施例は2
つの回転式ロックモジュール11を含む。1
つの回転式ロックモジュール11の外側の下表面は原料供給支持板10の上表面の幅方向(width direction)の一側に固定され、かつその回転式ロックモジュール11の裏側の下表面と原料供給支持板10の上表面との間には第一フィルム側部隙間が予め形成されている。他の1
つの回転式ロックモジュール11の外側の下表面は原料供給支持板10の上表面の幅方向の他側に固定され、かつその回転式ロックモジュール11の裏側の下表面と原料供給支持板10の上表面との間には第二フィルム側部隙間が予め形成されている。第一フィルム側部隙間と第二フィルム側部隙間は対称状態に配置され、(剥離フィルムが)引き剥がされていない
離型フィルムの幅方向の一側は第一フィルム側部隙間に挿入され、
離型フィルムの幅方向の他側は第二フィルム側部隙間に挿入される。それにより、
離型フィルムを平坦状態に輸送し、剥離強さを正確に測定することができる。
【0029】
回転式構造を採用するにより、その構造が垂直方向の空間を占用することを減少させ、構造全体の小型化を実現することができる。
【0030】
加重部材12は原料供給支持板10の上表面上に横方向に配置され、加重部材12の両端は2つの回転式ロックモジュール11の変形側の上方にそれぞれ取り付けられる。
【0031】
加重部材12は回転式ロックモジュール11の変形側を押すことにより、離型フィルムを輸送するとき回転式ロックモジュール11の変形側が上方向に変形することを防止することができる。したがって、第一フィルム側部隙間の裏側開口と第二フィルム側部隙間の裏側開口が変形することにより、離型フィルムを平坦に輸送できないことを防止することができる。
【0032】
部品の間の干渉を防止するため、本実施例の加重部材12は逆方向のU型に配置されている。
【0033】
本実施例の回転式ロックモジュール11は外側固定板110と裏側回転板111を含み、外側固定板110の幅は裏側回転板111の幅より広い。
【0034】
図3~
図5に示すとおり、外側固定板110と裏側回転板111は両者の間の連結部品112により連結される。外側固定板110は原料供給支持板10の上表面の所定の側部に固定され、裏側回転板111の下表面と原料供給支持板10の上表面により前記第一フィルム側部隙間または第二フィルム側部隙間が形成されている。展開状態の裏側回転板111は外側固定板110に相対して上に180°回転することができる。その状態において測定前の
離型フィルムを容易に送入することができる。剥離前の
離型フィルムを原料供給支持板10上に搭載させるとき、裏側回転板111は未展開状態にされている。例えば、裏側回転板111と外側固定板110が折畳状態にされることにより、
離型フィルムを容易に送入し、
離型フィルムを搭載させる効率を向上させることができる。
【0035】
加重部材12の両端は展開状態にされている裏側回転板111の上表面上に取り付けられる。加重部材12は一定の重量を有しており、加重部材12の重量により裏側回転板111は外側固定板110に相対して容易に回転することができない。固定部品で加重部材12を展開状態下の裏側回転板111の上表面上に固定させることにより加重部材12の安定性を確保することもできる。
【0036】
展開状態にされている裏側回転板111の上表面の所定の部位には結合槽118が形成され、加重部材12の両端は搭載槽118内に結合されることができる。
【0037】
本実施例の第一フィルム側部隙間と第二フィルム側部隙間はいずれも、不均等型隙間であることが好ましい。例えば、第一フィルム側部隙間と第二フィルム側部隙間は、逆時計回りの方向または時計回りの方向に90°回転したV型隙間であり、2つのV型隙間の開口は対向することができる。裏側回転板111が外側固定板110に相対して回転することにより展開状態にされるとき、前記裏側回転板111の下表面は傾斜面にされ、傾斜面と原料供給支持板10の上表面との間には一定の夾角を有しているV型隙間が形成される。
【0038】
裏側回転板111が外側固定板110に相対して上に回転するとき、前記第一フィルム側部隙間と第二フィルム側部隙間はなくなり、裏側回転板111が展開状態または略展開状態にされるとき、第一フィルム側部隙間と第二フィルム側部隙間が形成される。
【0039】
図3~
図5に示すとおり、本実施例の連結部品112は蝶番またはヒンジである。例えばミセミヒンジ(Misemi hinge)を採用することができる。外側固定板110と裏側回転板111は2つの連結部品112により連結され、裏側回転板111が外側固定板110に相対して回転することにより裏側回転板111は展開状態にされるか或いは外側固定板110の上表面上に重畳する(折り畳まれる)ことができる。2つの連結部品112が取り付けられることにより裏側回転板111の回転の安定性を向上させることができる。また、2つの連結部品112が取り付けられることにより、裏側回転板111が展開されるときの安定性を向上させ、かつ裏側回転板111が揺れること等を防止することができる。
【0040】
図5~
図7に示すとおり、展開状態にされている裏側回転板111の下表面にはPU(ポリウレタン、Polyurethane)板113が取り付けられている。PU板113は、一定の緩衝性を有しており、かつ良好な構造的強度を有している。PU板113が取り付けられることにより
離型フィルムを保護し(PU板113の表面が滑らかであることにより
離型フィルムを保護することができる)、裏側回転板111の構造の強度を増強することができる。PU板113と原料供給支持板10により前記第一フィルム側部隙間と第二フィルム側部隙間が形成される。
【0041】
PU板113はボルトまたは接着剤により裏側回転板111の下表面に固定されることができる。部品の移動の干渉を防止するため、本実施例の裏側回転板111の周辺とPU板113の周辺を一致にすることが好ましい。
【0042】
外側固定板110と裏側回転板111が展開状態にされるとき、外側固定板110と裏側回転板111との間には貫通型位置決め孔114が形成される。原料供給支持板10の上表面上には前記貫通型位置決め孔114の下方に位置する位置調節用穴100が形成されている。原料供給支持板10の幅方向に沿う位置調節用穴100の直径は貫通型位置決め孔114の直径より大きい。位置調節用穴100内には位置調節決定部115が取り付けられ、位置調節決定部115は上に移動することにより貫通型位置決め孔114内に挿入されることができる。原料供給支持板10の幅方向において位置調節決定部115が位置調節用穴100に相対して移動することにより位置を調節することができる。
【0043】
前記位置調節用穴100は長方形の穴であり、貫通型位置決め孔114は長方形の貫通孔である。位置調節決定部115は長方形の貫通孔であり、位置調節決定部115の位置は貫通型位置決め孔114の位置に対応する。位置調節決定部115の一部は前記位置調節用穴100内に挿入され、前記位置調節用穴100は位置調節用穴100の幅方向において移動することができる。
【0044】
前記位置調節用穴100、位置調節決定部115及び貫通型位置決め孔114の協力により2つの位置調節用穴100の平行状態を確保することができ、2つの裏側回転板111が展開状態に回転しても2つの位置調節用穴100の平行状態を確保することができる。したがって、離型フィルムの輸送方向において外側固定板110と離型フィルムの所定の側部が当接することにより、離型フィルムの移動が遅くなり、剥離強さの測定の正確性に影響を与えることを防止することができる。
【0045】
また、離型フィルムの輸送方向における第一フィルム側部隙間と第二フィルム側部隙間の一致性を確保することも確保することができる。したがって、裏側回転板111の変形と位置の偏移により第一フィルム側部隙間と第二フィルム側部隙間が不一致になるとき、離型フィルムの輸送に影響を与えるか或いは離型フィルムに傷を負わせることを防止することができる。
【0046】
位置調節用穴100の長手方向のサイズと位置調節決定部115の長手方向のサイズとの間の差異が微小であることにより精度を確保することができる。
【0047】
図3~
図5に示すとおり、外側固定板110と原料供給支持板10との間には2つの裏側回転板111の間の距離を調節する位置調節ロック構造が形成されている。前記位置調節ロック構造は外側固定板110上に平行状態に形成されている複数のストリップ状孔116を含み、各ストリップ状孔116内には結合ボルト117が挿入される。原料供給支持板10上には前記ストリップ状孔116と1つずつ対応するネジ孔が形成されている。外側固定板110の位置を調節した後、結合ボルト117をネジ孔に結合させることにより原料供給支持板10が外側固定板110に相対している位置を固定させることができる。
【0048】
位置調節決定部115により事前設定位置を正確に調節した後、ストリップ状孔116内の結合ボルト117をネジ孔に結合させることにより、外側固定板110を原料供給支持板10の所定の位置に安定に固定させることができる。
【0049】
前記構造を採用する場合、離型フィルムの幅により2つの回転式ロックモジュール11の間の距離を調節することにより、フィルム剥離装置の通用性を向上させ、構造をより適当にすることができる。
【0050】
図1と
図3~
図7に示すとおり、本実施例の原理はつぎのとおりである。
【0051】
外側固定板110に相対して裏側回転板111を上方向に回転させる。
【0052】
離型フィルムを原料供給支持板10の上表面に搭載させる。そのとき、対向している2つの外側固定板110の裏側側面の間の距離が離型フィルムの幅より大きいことにより、離型フィルムの中央が曲がるか或いは突起することを防止することができる。
【0053】
つぎに、外側固定板110に相対して裏側回転板111を下方向に回転させることにより裏側回転板111を略展開状態または展開状態にする。そのとき、裏側回転板111の下表面のPU板113と離型フィルムとの間に微小の隙間が形成されるか或いはPU板113は離型フィルムの上表面を軽く押す。
【0054】
加重部材12は離型フィルムの上方に横方向に配置され、加重部材12の両端は所定の搭載槽118内に結合される。それにより原料を供給する用意が完了する。
【0055】
そのような原料供給方法を採用することにより、原料の平坦性を確保し、原料供給構造の通用性を向上させ、幅が異なっているいろいろな離型フィルムを測定するコストを低減することができる。
【0056】
本実施例の輸送部2は下向き負圧によりフィルムを吸引する輸送構造であり、上向き剥
離部3は上向き負圧によりフィルムを吸引する上向き剥離構造である。すなわち、輸送部
2の負圧の方向と上向き剥離部3の上向き負圧の方向は相反している。
【0057】
本実施例の輸送部2は水平方向にスライドするように底板4に連結される。輸送部2が所定の位置まで移動していないとき、上向き剥離部3は輸送部2の上方の一側に位置し、輸送部2が所定の位置まで移動するとき、上向き剥離部3は輸送部2の上方に位置する。輸送部2は水平方向の推力により移動する。離型フィルムが吸引されている輸送部2は水平方向の推力により上向き剥離部3の下方に移動するとき、(上向き剥離部3の下方に取り付けられる負圧ノズル32の負圧により離型フィルムを引き剥がすことができる。
【0058】
図3に示すとおり、本実施例の
輸送部2は水平方向にスライドするように底板4に連結される
輸送支持板20を含む。
輸送支持板20と原料供給支持板10は同一の水平面上に位置し、原料供給支持板10と
輸送支持板20は
離型フィルムの輸送方向に配置される。
【0059】
原料供給支持板10の上表面と輸送支持板20の上表面は同一の水平面上に位置している。
【0060】
図3と
図8~
図11に示すとおり、原料供給支持板10から離れている
輸送支持板20の一側には先端200が形成されている。先端200が形成されていることにより
離型フィルムを容易に引き剥がすことができる。原料供給支持板10から離れている
輸送支持板20の一側の下方には傾斜面が形成されることが好ましい。傾斜面が所定の方向に沿って原料供給支持板10側に傾斜することにより先端200が形成される。
【0061】
離型フィルムは原料供給支持板10を経て輸送支持板20上に輸送される。輸送支持板20の中央区域には下部負圧吸引孔201が形成され、その下部負圧吸引孔201は離型フィルムの輸送方向に形成されている。前記下部負圧吸引孔201は下部負圧形成装置に連結されている。下部負圧形成装置が作動するとき、下部負圧吸引孔201は離型フィルムの下表面を吸引する。輸送支持板20の上表面の両側には輸送固定板21がそれぞれ形成され、2つの輸送固定板21は同一の水平面上に位置しかつ平行状態に配置される。各輸送固定板21の裏側には搬送回転板22が回転可能にそれぞれ連結されている。搬送回
転板22が上に回転することにより搬送回転板22は輸送固定板21の上表面上に重畳し(折り畳まれ)、搬送回転板22が下に回転することにより搬送回転板22と輸送固定板21は展開状態にされることができる。搬送回転板22の下表面と輸送支持板20の上表面によりフィルム側部隙間が形成される。離型フィルムの一側は1つのフィルム側部隙間に挿入され、離型フィルムの他側は他のフィルム側部隙間に挿入される。離型フィルムを引き剥がす前に離型フィルムの両側を平坦に押すことにより、離型フィルム全体を上向き
剥離部3の真下に平坦に搭載させることができる。
【0062】
輸送固定板21と搬送回転板22は蝶番またはヒンジにより連結され、搬送回転板22は輸送固定板21に相対して所定の角度内において回転することができる。搬送回転板22が折畳状態から下に回転することにより展開状態または展開位置まで回転できることであればいずれでもよい。
【0063】
2つの輸送固定板21の間の距離は離型フィルムの幅より大きい。したがって、離型フィルムの側部が輸送固定板21の側部に当接することにより、離型フィルムが曲がることを防止することができる。
【0064】
本実施例の搬送回転板22は自身の重量によって下に回転することにより展開状態または展開位置まで回転することができる。それにより離型フィルムを平坦に制限することができる。
【0065】
展開状態または展開位置まで回転した搬送回転板22の下表面にはPU板体23が付着している。PU板体23と輸送支持板20の上表面により前記フィルム側部隙間が形成される。
【0066】
図3と
図8~
図11に示すとおり、
搬送回転板22に近づいている
輸送固定板21の一側には位置決め切欠口210が形成されている。
輸送支持板20上には位置決め切欠口210の下部に位置する位置調節用孔202と一部が位置調節用孔202内に挿入される位置調節部203とが形成されている。位置調節部203の厚さは位置調節用孔202の深さより大きく、位置調節用孔202から突出している位置調節部203の突出部分は位置決め切欠口210内に挿入される。本実施例において、
輸送支持板20の幅方向に沿う位置調節部203の幅は
輸送支持板20の幅方向に沿う位置調節用孔202の内径より小さい。その構造により位置調節部203は位置調節用孔202内において
輸送支持板20の幅方向に移動することができる。その移動により、
輸送固定板21が
輸送支持板20上に位置している位置を固定させ、かつ2つの
搬送回転板22の間の距離を調節することによりサイズが異なっているいろいろな
離型フィルムに適用させることができる。
【0067】
各輸送固定板21上には輸送固定板21の幅方向に延伸している長手状孔212がそれぞれ形成され、長手状孔212内には結合部品213が挿入される。輸送支持板20上には長手状孔212の下方に位置するネジ孔が形成され、結合部品213はネジ孔にネジ結合されることができる。結合部品213が緩んでいるとき、輸送固定板21が輸送支持板20上に位置している位置を決めることができる。
【0068】
結合部品213は、例えば、ボルト、ネジ釘等のメタルプロダクト(metal product)であることができる。
【0069】
輸送固定板21と搬送回転板22で離型フィルムの両側を押し、下部負圧吸引孔201で離型フィルムの長手方向の中央区域を下に吸引することにより、離型フィルムの平坦状態を確保することができる。剥離強さを測定するとき、上向き剥離部3は2つの搬送回転
板22の間に位置している離型フィルムの上表面を吸引する。上向き剥離部3と離型フィルムとの間に微小の隙間が形成されるか或いは上向き剥離部3が昇降駆動構造に連結されることにより、上向き剥離部3は下に移動して離型フィルムと接触した後上に移動する。その2つの方法により、離型フィルムの剥離強さの測定を実施し、かつ離型フィルムの剥離強さを測定することができる。
【0070】
下部負圧吸引孔201は輸送支持板20の内部に形成されかつ原料輸送方向に形成されている少なくとも1つの吸引孔2010を含む。輸送支持板20の上表面には下端が前記吸引孔2010と連通状態に連結されている複数の小型吸引孔2011が形成されている。前記小型吸引孔2011はマトリックス上に配置されている。
【0071】
本実施例の吸引孔2010の数量は1~4個であり、複数の吸引孔2010は平行状態に配置されることが好ましい。1つの方法において、複数の前記吸引孔2010は並列状態に配置され、各吸引孔2010と供給穴2012は連通状態に連結され(そのとき吸引孔2010の開口は密閉されている)、供給穴2012は非貫通穴であり、下部負圧形成装置は供給穴2012に連通状態に連結される。他の1つの方法において、各吸引孔2010は下部負圧形成装置に連結されることもできる。
【0072】
吸着穴2010が円形穴であることにより、ドリリングマシーン(drilling machine)でその吸着穴2010を容易に形成することができる。
【0073】
本実施例の離型フィルムを下部を吸引するとき、離型フィルムの下部の中央区域を吸引し、輸送固定板21と搬送回転板22により形成されたフィルム側部隙間で離型フィルムを平坦にする。小型吸引孔2011で離型フィルムを下向き方向に吸引するとき、離型フィルムの下部の中央区域は輸送支持板20の上表面に当接する。そのとき、負圧で離型フィルムの所定の部位を吸引しかつ離型フィルムの両側がフィルム側部隙間に挿入されることにより、離型フィルムは外部に向く方向に展開される。離型フィルムを引き剥がす前に離型フィルムを展開することにより剥離強さを正確に測定することができる。
【0074】
底板4の上表面の両側には垂直板40がそれぞれ取り付けられ、2つの垂直板40は平行に配置される。輸送支持板20の下表面には2つの垂直板40の間に位置する2つの連結板204が連結されている。2つの連結板204において、1つの連結板204は1つの垂直板40の裏側面に水平方向にスライドするように連結され、他の1つの連結板204は他の1つの垂直板40の裏側面に水平方向にスライドするように連結される。
【0075】
水平方向のスライド構造はスライディングレールとスライダーで構成されることができる。
【0076】
図2に示すとおり、
輸送支持板20を所定の位置まで移動させるため、
輸送支持板20の移動を制限する移動制限構造を設けることができる。具体的に、移動制限構造は各垂直板40の中央の上部に取り付けられる前部制限部400を含み、原料供給支持板10に近づいている
輸送支持板20の一端の両側には制限棒205がそれぞれ取り付けられる。
輸
送支持板20が底板4に相対して
上向き剥離部3の真上まで移動するとき、制限棒205は前部制限部400の後部に当接すると、
輸送支持板20が所定の位置まで移動することを意味する。そのとき、
離型フィルムの剥離強さの測定を始めることができる。
輸送支持
板20が最初の位置に位置しているとき、底板4または垂直板40には原料供給支持板10の下方に位置するバッファー401が取り付けられている。バッファー401の数量は2つであり、2つのバッファー401は平行状態に配置されている。
輸送支持板20がバッファー401に当接すると、
輸送支持板20が最初の位置に戻ることを意味する。そのとき、つぎの
離型フィルムを
輸送支持板20に搭載させることができる。移動の距離を制御することにより、
輸送支持板20を所定の位置まで正確に移動させた後
離型フィルムを搭載させ、
輸送支持板20をフィルム剥離位置まで正確に移動させることができる。
【0077】
輸送部2が平坦化供給部1の一側まで移動するとき、平坦化状態にされる離型フィルムは輸送部2に送入される。離型フィルムが輸送部2に送入されるとき、2つの搬送回転板22は所定の輸送固定板21の上表面上に重畳する(折り畳まれる)ことにより離型フィルムを容易に送入することができる。離型フィルムが輸送支持板20の所定の位置まで送入されるとき(すなわち、離型フィルムの前部の側部が、原料供給支持板10から離れている輸送支持板20の一側に形成されている先端200を超過しないとき)、搬送回転板22が下に回転するとともに搬送回転板22と輸送支持板20によりフィルム側部隙間が形成され、離型フィルムの側部は所定のフィルム側部隙間に挿入される。下向き負圧により離型フィルムの中央区域(離型フィルムの長手方向に沿う離型フィルムの中央区域)は輸送支持板20に固定される。輸送支持板20を固定させるとき、下向き負圧により離型フィルムは輸送支持板20の上表面上に付着し、離型フィルムの中央区域は輸送支持板20に吸引されるので、負圧で離型フィルムの下表面を吸引しなくても離型フィルムは略平坦化状態にされることができる。また、離型フィルムの側部がフィルム側部隙間に挿入されることにより離型フィルムをより平坦にすることができる。
【0078】
図3と
図10に示すとおり、フィルム剥離装置は、底板4に垂直方向に移動可能に取り付けられる
上向き剥離部3と巻き返し構造5とを更に含む。
【0079】
例えば、上向き剥離部3で複数の負圧を設定することにより、いろいろな離型フィルムの剥離強さの測定を実施し、本発明のフィルム剥離装置をいろいろな離型フィルムの剥離強さの測定に使用することができる。
【0080】
2つの前部位置決め部400の上部の間には横配置型縦板402が取り付けられ、前記上向き剥離部3は横配置型縦板402に取り付けられる。そのような構造により、構造全体の小型化を実現し、かついろいろな上向き剥離構造3の着脱を容易に実施することができる。
【0081】
図3と
図10に示すとおり、本実施例の
上向き剥離部3は縦方向に移動可能に横配置型縦板402に連結される昇降滑動部30を含む。昇降滑動部30上にはノズル装着部31が取り付けられ、ノズル装着部31上には負圧ノズル32が取り付けられる。本実施例の負圧ノズル32は横方向に配置されるか或いは縦方向に配置される。
【0082】
負圧ノズル32が下降することにより離型フィルムに当接するとき、負圧ノズル32自体の重量により離型フィルムをより平坦にし、離型フィルムの剥離強さの測定の正確性を確保することができる。
【0083】
本実施例の負圧ノズル32の数量は1~4個であることができる。離型フィルムの長手方向に4つの負圧ノズル32を取り付けるとき、4つの負圧ノズル32は離型フィルムの長手方向の左右両側に取り付けられることができる。離型フィルムの幅方向に1つの負圧ノズル32を取り付けるとき、1つの負圧ノズル32は離型フィルムの幅方向に取り付けられることができる。離型フィルムの種類により負圧ノズル32の数量を決定することができる。
【0084】
負圧ノズル32の数量が2つ以上であるか或いはより多いとき、負圧ノズル32を並列状態に配置することにより各負圧ノズル32が相手に影響を与えることを防止することができる。また、各負圧ノズル32をそれぞれ制御することにより、各負圧ノズル32の負圧値が同一の圧力値にされることを確保することができる。
【0085】
本実施例の昇降駆動構造として偏心型昇降駆動構造を採用する。
図3と
図11に示すとおり、昇降滑動部30には水平方向の操作棒33が回転可能に取り付けられ、昇降滑動部30に近づいている横配置型縦板402の1つの垂直面には固定部34が取り付けられ、固定部34上には凹型槽35が形成されている。操作棒33の一端は前記凹型槽35内に位置するオフセットカム(offset cam)36に連結される。操作棒33を回転させることによりオフセットカム36が回転するように駆動することができる。オフセットカム36が凹型槽35の下部の内壁に当接することにより昇降滑動部30は上向き駆動力を獲得する。それにより
離型フィルムを引き剥がすことができる。
【0086】
操作棒33はベアリングまたはアクスルスリーブ(axle sleeve)を介して昇降滑動部30に回転可能に連結されることができる。
【0087】
オフセットカム36が凹型槽35の下部の内壁に当接しないとき、負圧ノズル32が最低の位置に位置している。その場合、負圧で離型フィルムを吸引することができる。
【0088】
本実施例の巻き返し構造5は片方向の巻き返し構造である。本実施例の巻き返し構造5は2つの垂直板40に回転可能に連結される巻き返しローラー50を含み、巻き返しローラー50の一端は1つの垂直板40の外表面まで延伸し、巻き返しローラー50の他端は他の1つの垂直板40の外表面まで延伸する。巻き返しローラー50の他端にはラチェット51が取り付けられ、底板または他の1つの垂直板40上にはラチェット結合部52が取り付けられている。ラチェット結合部52上にはラチェット51に結合される歯状部53が形成されている。ラチェット51が歯状部53に結合されることにより、巻き返し構造5の片方向の回転を実現し、引き剥がされた離型フィルムを巻き返すことができる。
【0089】
ラチェット51から離れている巻き返しローラー50の一端には手動ローラーが取り付けられている。手動ローラーで巻き返しローラー50を回転させることにより離型フィルムを巻き返すことができる。
【0090】
本実施例の作動原理はつぎのとおりである。
【0091】
平坦化供給部1で離型フィルムを送入し、送入された離型フィルムは平坦化状態に展開される。
離型フィルムを平坦化状態に展開した後、上向き剥離部3の上向き負圧により離型フィルムを引き剥がす。いろいろな負圧を設定するか或いはいろいろな測定負圧値を採用することにより離型フィルムの剥離強さを獲得し、最終の離型フィルムの剥離強さを測定することができる。
【0092】
2つの垂直板40の間には少なくとも1つの第一横方向増強棒403が連結され、2つの連結板204の間には第二横方向増強棒2040が連結されている。増強棒が連結されることによりフィルム剥離装置全体の強度を増加させ、連結板204を安定に移動させることができる。
【0093】
〔実施例二〕
実施例二の作動原理及び構造は実施例一の作動原理及び構造に類似している。相違点は、第一フィルム側部隙間と第二フィルム側部隙間はいずれも、各箇所の隙間のサイズが一致する隙間であることにある。展開状態にされている裏側回転板111の下表面と原料供給支持板10の上表面は平行である。
【0094】
〔実施例三〕
本実施例において実施例一に基づいたフィルム剥離方法を提供する。その方法は下記ステップを含む。
【0095】
原料供給のステップS1において、離型フィルムを原料供給支持板10の上表面上に平坦化状態に展開し、離型フィルムの一側を1つのフィルム側部隙間に挿入し、離型フィルムの他側を他のフィルム側部隙間に挿入する。
【0096】
原料輸送のステップS2において、輸送支持板20を原料供給支持板10に接近する方向に移動させることにより、ステップS1において平坦化状態に展開された離型フィルムを輸送支持板20に当接させ、離型フィルムを輸送支持板20の上表面上に平坦化状態に展開し、離型フィルムの両側を所定のフィルム側部隙間に挿入する。輸送支持板20上に下部負圧吸引孔201が形成されることにより離型フィルムを輸送支持板20の上表面上に固定させ、水平方向の推力で輸送支持板20を押すことにより輸送支持板20を原料供給支持板10から離れる方向に移動させるとともに輸送支持板20を所定の剥離位置まで移動させる。それにより原料の輸送が終わる。
【0097】
離型フィルムを供給するステップS1において、離型フィルムを原料供給支持板10の上表面上に平坦化状態に展開する前、前記裏側回転板111を外側固定板110の上表面上に折り畳み、離型フィルムを原料供給支持板10の上表面に平坦化状態に展開した後、前記裏側回転板111を復位させることにより第一フィルム側部隙間と第二フィルム側部隙間を形成する。
【0098】
前記ステップS2において、離型フィルムが輸送支持板20に当接する前、前記搬送回
転板22は輸送固定板21の上表面上に重畳し(折り畳まれ)、離型フィルムを輸送支持
板20の上表面上に平坦化状態に展開した後、前記搬送回転板22が復位することにより前記フィルム側部隙間が形成される。
【0099】
前記方法により、離型フィルムの供給及び輸送の安定性を向上させ、離型フィルムを引き剥がす安定性と剥離強さの測定の正確性を確保することができる。
【0100】
剥離をするステップS3において、負圧ノズルが下降することにより、輸送支持板上に平坦化状態に展開された離型フィルムの上表面に当接すると、上向き負圧で離型フィルムを吸引し、昇降滑動部は昇降駆動構造の駆動により離型フィルムを引き剥がす。
【0101】
負圧ノズルが離型フィルムに当接すると、ステップS2の下向き負圧による吸引力がなくなる。負圧ノズルの下向き負圧による吸引力がなくなることにより離型フィルムはより平坦に展開される。最後に、負圧ノズルの上向き負圧と負圧ノズルの下向き負圧で離型フィルムを同時に吸引することにより離型フィルムの平坦性を確保する。
【0102】
以上、本発明の具体的な実施例を説明してきたが、前記実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであるため、本発明は前記実施例の構成にのみ限定されるものでない。この技術分野の技術者は本発明の要旨を逸脱しない範囲内において設計の変更、改良等をすることができ、そのような設計の変更、改良等があっても特許請求の範囲が定めた範囲に含まれることは当然である。
【符号の説明】
【0103】
1 平坦化供給部
10 原料供給支持板
100 位置調節用穴
11 回転式ロックモジュール
110 外側固定板
111 裏側回転板
112 連結部品
113 PU板
114 貫通型位置決め孔
115 位置調節決定部
116 ストリップ状孔
117 結合ボルト
118 結合槽
12 加重部材
2 輸送部
20 輸送支持板
200 先端
201 下部負圧吸引孔
2010 吸引孔
2011 小型吸引孔
2012 供給穴
202 位置調節用孔
203 位置調節部
204 連結板
2040 第二横方向増強棒
205 制限棒
21 輸送固定板
210 位置決め切欠口
212 長手状孔
213 結合部品
22 搬送回転板
23 PU板体
3 上向き剥離部
30 昇降滑動部
31 ノズル装着部
32 負圧ノズル
33 操作棒
34 固定部
35 凹型槽
36 オフセットカム
4 底板
40 垂直板
400 前部制限部
401 バッファー
402 横配置型縦板
403 第一横方向増強棒
5 巻き返し構造
50 巻き返しローラー
51 ラチェット
52 ラチェット結合部
53 歯状部