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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】双方向通気弁、電池及び電力消費装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/317 20210101AFI20240730BHJP
   H01M 50/333 20210101ALI20240730BHJP
   F16K 17/196 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H01M50/317 201
H01M50/333
F16K17/196 B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023501523
(86)(22)【出願日】2021-05-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 CN2021092892
(87)【国際公開番号】W WO2022151619
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】202110032669.9
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522010668
【氏名又は名称】ジアンス・コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲賀▼▲遠▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 凡
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 雷
【審査官】山下 裕久
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第211423483(CN,U)
【文献】中国実用新案第211391013(CN,U)
【文献】特開2003-157115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/317
H01M 50/333
F16K 17/196
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端と第2端を有するガス通路を形成するための弁座と、
前記ガス通路に移動可能に設けられた双方向弁アセンブリであって、第1弁板と第2弁板を含み、前記第1弁板には第1貫通孔が設けられ、前記第2弁板には第2貫通孔が設けられ、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔は、前記ガス通路の軸方向の投影が互いに離れている、双方向弁アセンブリと、
第1弾性部材であって、前記ガス通路を閉鎖するために、前記第1弾性部材の付勢端が前記第1弁板又は前記第2弁板に当接することで、前記第1弁板及び/又は前記第2弁板に対して、前記第1弁板と前記第2弁板とを互いに接近させる力を加え、前記ガス通路の前記第1端と前記第2端との気圧差が第1閾値に達した場合、前記第1弁板が、前記第1端に向かって移動して前記ガス通路を開放するように設定されているか、又は、前記第2弁板が、前記第2端に向かって移動して前記ガス通路を開放するように設定されている、第1弾性部材と
を含み、
前記弁座に移動可能に設けられた取付座であって、放圧通路が設けられた取付座と、
前記弁座に固定され且つ前記ガス通路の前記第2端に位置し、前記取付座に対する前記弁座の移動によって前記放圧通路を開放又は閉鎖するためのものである第3弁板と、
前記第3弁板に対し、前記放圧通路を閉鎖する力を加えるための第2弾性部材であって、前記ガス通路の第1端の気圧が前記第2端の気圧よりも大きく、且つ気圧差が第2閾値に達した場合、前記第3弁板が前記第2弾性部材の力に打ち勝って前記放圧通路を開放するように設定されている、第2弾性部材と
をさらに含み、
前記第2閾値は前記第1閾値より大きく、
前記双方向弁アセンブリは第1シール材をさらに含み、前記第1シール材は、前記第1弁板及び/又は前記第2弁板に設けられ、前記双方向弁アセンブリが前記ガス通路を閉鎖している場合、前記第1シール材は、前記第1弁板と前記第2弁板との間に位置し、前記第1貫通孔を前記第2貫通孔から離隔させており、
前記ガス通路の内壁に阻止部が設けられ、前記ガス通路の軸方向において、前記第1弁板と前記第2弁板はそれぞれ前記阻止部の両側に設けられ、前記第1弁板は、前記阻止部の前記第1端寄りの側に位置し、前記第2弁板は、前記阻止部の前記第2端寄りの側に位置することを特徴とする、双方向通気弁。
【請求項2】
前記第1弁板と前記第2弁板は、前記ガス通路と同軸に設けられ、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔のうち一方が前記ガス通路と同軸に設けられ、他方が前記ガス通路の周方向に沿って設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の双方向通気弁。
【請求項3】
前記第1弁板及び/又は前記第2弁板には凹溝が設けられ、前記第1シール材は、前記凹溝に固定され且つ前記凹溝から突出していることを特徴とする、請求項に記載の双方向通気弁。
【請求項4】
前記阻止部において前記第1シール材側に面する端縁に第1斜面が設けられ、前記第1シール材の端縁に第2斜面が設けられ、前記第1斜面は前記第2斜面にシール接続されていることを特徴とする、請求項に記載の双方向通気弁。
【請求項5】
前記双方向弁アセンブリはエンドキャップをさらに含み、前記エンドキャップは、前記ガス通路の前記第1端に移動可能に設けられ、前記エンドキャップは前記第2弁板と接続するためのものであり、前記第1弾性部材が、前記エンドキャップと前記第1弁板との間に位置することを特徴とする、請求項1に記載の双方向通気弁。
【請求項6】
前記双方向弁アセンブリは、前記エンドキャップと前記第2弁板とを接続するための接続柱をさらに含むことを特徴とする、請求項に記載の双方向通気弁。
【請求項7】
前記第1弾性部材は、前記接続柱に嵌着される第1ばねであることを特徴とする、請求項に記載の双方向通気弁。
【請求項8】
前記取付座の中央部に取付孔が設けられ、前記弁座が前記取付孔に嵌着されていることを特徴とする、請求項1に記載の双方向通気弁。
【請求項9】
前記放圧通路は、前記ガス通路の周方向に沿って設けられていることを特徴とする、請求項に記載の双方向通気弁。
【請求項10】
前記取付座において前記第1端に向いた側に、前記取付孔を囲む取付溝が設けられ、前記第1端寄りの前記弁座の外周に規制部が設けられ、前記第2弾性部材は、前記取付溝と前記規制部との間に設けられた第2ばねであることを特徴とする、請求項に記載の双方向通気弁。
【請求項11】
単電池と、
前記単電池を収容するためのケースと、
前記ケースに設けられた請求項1~10のいずれか一項に記載の双方向通気弁であって、前記ガス通路の前記第1端が前記ケースの内部に向かって設けられ、前記ガス通路の前記第2端が前記ケースの外部に向かって設けられる双方向通気弁と
を含むことを特徴とする、電池。
【請求項12】
電気エネルギーを提供するための請求項11に記載の電池を含むことを特徴とする、電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年1月12日に出願された出願番号202110032669.9号、発明の名称「双方向通気弁、電池及び装置」の中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は、参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願の実施例は、動力電池の技術分野に関し、具体的には双方向通気弁、電池及び電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0003】
動力電池パックは通常、シール設計が採用されており、基本的な防水防塵の要件を満たすほか、通気機能も備える必要がある。車両等の装置の運転中、電池パックでは、発熱や高度の変化により電池パック内外の圧力が異なる。圧力の均衡を維持し、圧力による電子パックの筐体やシール界面の変形及び不具合を防止するために、適時ガスを補充/除去できることが必要である。
【0004】
現在、電池パックの通気装置としては、基本的な防水・防塵の要件を満たすとともに、防水通気膜を用いて電池パック内外の気圧を均衡させることができる防水通気膜付きの弁体が通常採用されている。しかし、従来の防水通気膜弁体は常時開放式の設計であり、外部の水分の影響を受けやすく結露のリスクがある。結露は部品の不具合、さらには絶縁不良又は短絡の故障を引き起こし、使用者の身体及び財産の安全に対し大きなリスクとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の課題に鑑み、本願の実施例は、弁の両端のガスを双方向に制御可能に交換できるようにし、電池や電池を使用する装置に用いた場合に、電池外部の水分の影響を減らし、電池の結露のリスクを回避できるようにするために、双方向通気弁、電池及び電力消費装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施例の一態様によれば、双方向通気弁が提供される。前記双方向通気弁は、第1端と第2端を有するガス通路を形成するための弁座と、前記ガス通路に移動可能に設けられた双方向弁アセンブリであって、第1弁板と第2弁板を含み、前記第1弁板には第1貫通孔が設けられ、前記第2弁板には第2貫通孔が設けられ、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔は、前記ガス通路の軸方向の投影が互いに離れている、双方向弁アセンブリと、
第1弾性部材であって、前記ガス通路を閉鎖するために、前記第1弾性部材の1方の付勢端が前記第1弁板又は前記第2弁板に当接することで、前記第1弁板及び/又は前記第2弁板に対して、前記第1弁片と前記第2弁片とを互いに接近させる力を加え、前記ガス通路の前記第1端と前記第2端との気圧差が第1閾値に達した場合、前記第1弁片が、前記第1端に向かって移動して前記ガス通路を開放するように設定されているか、又は、前記第2弁片が、前記第2端に向かって移動して前記ガス通路を開放するように設定されている、第1弾性部材と、を含む。
【0007】
任意の一形態において、前記第1弁板と前記第2弁板は、前記ガス通路と同軸に設けられ、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔のうち一方が前記ガス通路と同軸に設けられ、他方が前記ガス通路の周方向に沿って設けられている。
【0008】
任意の一形態において、前記双方向弁アセンブリは第1シール材をさらに含み、前記第1シール材は、前記第1弁板及び/又は前記第2弁板に設けられ、前記双方向弁アセンブリが前記ガス通路を閉鎖している場合、前記第1シール材は、前記第1弁板と前記第2弁板との間に位置し、前記第1貫通孔を前記第2貫通孔から離隔させている。
【0009】
任意の一形態において、前記第1弁板及び/又は前記第2弁板には凹溝が設けられ、前記第1シール材は、前記凹溝に固定され且つ前記凹溝から突出している。
【0010】
任意の一形態において、前記ガス通路の内壁に阻止部が設けられ、前記ガス通路の軸方向において、前記第1弁板と前記第2弁板はそれぞれ前記阻止部の両側に設けられ、前記第1弁板は、前記阻止部の前記第1端寄りの側に位置し、前記第2弁板は、前記阻止部の前記第2端寄りの側に位置する。
【0011】
任意の一形態において、前記阻止部において前記第1シール材側に面する端縁に第1斜面が設けられ、前記第1シール材の端縁に第2斜面が設けられ、前記第1斜面は前記第2斜面にシール接続されている。
【0012】
任意の一形態において、前記双方向弁アセンブリはエンドキャップをさらに含み、前記エンドキャップは、前記ガス通路の前記第1端に移動可能に設けられ、前記エンドキャップは前記第2弁板と接続するためのものであり、前記第1弾性部材が、前記エンドキャップと前記第1弁板との間に位置する。
【0013】
任意の一形態において、前記双方向弁アセンブリは、前記エンドキャップと前記第2弁板とを接続するための接続柱をさらに含む。
【0014】
任意の一形態において、前記第1弾性部材は、前記接続柱に嵌着される第1ばねである。
【0015】
任意の一形態において、前記双方向通気弁は、前記弁座に移動可能に設けられた取付座であって、放圧通路が設けられた取付座と、前記弁座に固定され且つ前記ガス通路の前記第2端に位置し、前記取付座に対する前記弁座の移動によって前記放圧通路を開放又は閉鎖するためのものである第3弁板と、前記第3弁板に対し、前記放圧通路を閉鎖する力を加えるための第2弾性部材であって、前記ガス通路の第1端の気圧が前記第2端の気圧よりも大きく、且つ気圧差が第2閾値に達した場合、前記第3弁板が前記第2弾性部材の力に打ち勝って前記放圧通路を開放するように設定されている第2弾性部材と、をさらに含み、前記第2閾値は前記第1閾値より大きい。
【0016】
任意の一形態において、前記取付座の中央部に取付孔が設けられ、前記弁座が前記取付孔に嵌着されている。
【0017】
任意の一形態において、前記放圧通路は、前記ガス通路の周方向に沿って設けられている。
【0018】
任意の一形態において、前記取付座において前記第1端に向いた側に、前記取付孔を囲む取付溝が設けられ、前記第1端寄りの前記弁座の外周に規制部が設けられ、前記第2弾性部材は、前記取付溝と前記規制部との間に設けられた第2ばねである。
【0019】
本願の実施例の別の態様によれば、電池が提供される。電池は、単電池と、前記単電池を収容するためのケースと、前記ケースに設けられた上記双方向通気弁であって、前記ガス通路の前記第1端が前記ケースの内部に向かって設けられ、前記ガス通路の前記第2端が前記ケースの外部に向かって設けられる双方向通気弁と、を含む。
【0020】
本願の実施例のさらなる態様によれば、電気エネルギーを提供するための上記電池を含む電力消費装置が提供される。
【発明の効果】
【0021】
本願の実施例が提供する双方向通気弁は、第1弾性部材を用いて双方向弁アセンブリに対し、弁座内のガス通路を閉鎖する力を加えて、ガス通路両端の気圧差が第1閾値より大きい場合に、双方向弁アセンブリが第1弾性部材の力に打ち勝ってガス通路を開放できるようにしている。このようにして、気圧の駆動によって、ガス通路両端の気圧に対し、その均衡を双方向に制御可能な調整を実現する。ガス通路両端の気圧が均衡している場合、ガス通路は閉鎖状態になる。従来技術の常時開放式通気弁の設計と比較すると、本願の実施例の双方向通気弁は、電池や電池を使用する装置に適用した場合、電池外部の水分の影響を減らし、結露のリスクを低減することができる。
【0022】
上記説明は、本願の技術的解決手段の概要にすぎない。本願の技術手法をより明瞭に理解し、明細書の内容に基づいて実施できるように、また、本願の上記及びその他の目的、特徴及び利点をより明確且つ容易に理解できるように、以下では特に本願の具体的な実施形態を列挙する。
【0023】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明を閲読することによって、他の様々な利点及びメリットが、当業者にとって明らかになるはずである。添付の図面は、好ましい実施形態を示す目的で用いられるものにすぎず、本願に対する限定とはみなされない。全ての図において、同一の図面符号を用いて同一の部材を表す。添付の図面は以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本願の一実施例に係る双方向通気弁の立体構造を示す図である。
図2】本願の一実施例に係る双方向通気弁の分解図である。
図3】本願の一実施例に係る双方向通気弁における弁座のガス通路の軸線に沿った平面の断面を示す図である。
図4】本願の一実施例に係る双方向通気弁における第1弁板の立体構造を示す図である。
図5】本願の一実施例に係る双方向通気弁における第2弁板の立体構造を示す図である。
図6】本願の一実施例に係る双方向通気弁の正面の構造を示す図である。
図7】本願の一実施例に係る双方向通気弁における、図6のA-A面に沿った断面図である。
図8】本願の別の実施例に係る双方向通気弁における、図6のA-A面に沿った断面図である。
図9】本願の一実施例に基づき提供される双方向通気弁における、図6のA-A面に沿った断面図であり、双方向弁アセンブリ及び第1弾性部材を取り除いてガス通路を示したものである。
図10】本願の一実施例に係る双方向通気弁の排気時の断面構造を示す図である。
図11】本願の一実施例に係る双方向通気弁の吸気時の断面構造を示す図である。
図12】本願の一実施例に基づき提供される双方向通気弁の防爆放圧時の断面構造を示す図である。
図13】本願の別の一実施例に係る電池の立体構造を示す図である。
図14】本願のさらに別の一実施例に係る電力消費装置の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面と結びつけて本願の技術的解決手段の実施例を詳細に説明する。以下の実施例は、本願の技術的解決手段をより明確に説明するために用いられるにすぎず、したがって例示にすぎず、本願の保護範囲を限定するために用いることはできない。
【0026】
図1及び図2を参照されたい。それぞれ、本願の一実施例に係る双方向通気弁の立体構造及び分解構造を模式的に示す。
【0027】
図に示すように、双方向通気弁100は、弁座110と、双方向弁アセンブリ120と、第1弾性部材130とを含む。弁座110は、ガス通路111を形成するためのものである。ガス通路111の両端はそれぞれ第1端と第2端であり、以下の文中では、図2におけるガス通路111の左側の一端を第1端、右側の一端を第2端とする。双方向弁アセンブリ120は、ガス通路111に設けられ、ガス通路111内を移動することができる。ガス通路111に対する双方向弁アセンブリ120の移動を利用して、ガス通路111の開閉及び閉鎖が実現される。第1弾性部材130は、双方向弁アセンブリ120に付勢して、双方向弁アセンブリ120にガス通路111を閉鎖させるためのものである。
【0028】
ガス通路111の両端の気圧差が所定の閾値(第1閾値)を超えると、双方向弁アセンブリ120はこの気圧差の作用を受けて、第1弾性部材130の力に打ち勝ってガス通路111内を移動し、ガス通路111を開放し、双方向通気弁100の両端のガスを流通させて排気又は吸気を行うことで、ガス通路111の両端の気圧の均衡を実現する。気圧が均衡になると、即ち、ガス通路111の両端の気圧差が第1閾値以下まで低下すると、双方向弁アセンブリ120は、第1弾性部材130の付勢の作用により復元され、ガス通路111を再び閉鎖する。
【0029】
本願の実施例で提供する双方向通気弁100では、第1弾性部材130を用いて双方向弁アセンブリ120に付勢し、ガス通路111の両端の気圧差が第1閾値に達しない場合、即ち両端の気圧が均衡している場合は、双方向弁アセンブリ120にガス通路111を閉鎖させ、ガス通路111の両端の気圧差が第1閾値を超えたときにのみ、ガス通路111が開放される。このようにして、気圧による駆動によって、双方向通気弁100のガス通路111の両端における気圧に対し、その均衡を双方向に制御可能な調整を実現する。
【0030】
従来技術の常時開放式の通気弁の設計において両端のガスがリアルタイムで交換されるのと比較すると、本願の実施例の双方向通気弁100では、弁の両端のガスは必要に応じて交換される。電池に用いられる場合、このように必要に応じて交換することで、電池と外部とのガス交換の頻度と量を大幅に減らすことができ、外部の水分が電池内部に与える影響を減らし、結露のリスクを低減し、電池及び電力消費装置の信頼性と安全性を高めることができる。
【0031】
図に示す具体的な実施例では、弁座110は全体として円筒形である。これに対応してガス通路111は円柱形であり、図3に示す軸線のような、ガス通路111の断面の中心を通り且つ第1端から第2端までの長手方向に沿って延伸する軸線を有する。このような構造は比較的シンプルで、組立てに便利である。
【0032】
しかしながら、当業者が理解すべき点として、本願の目的の達成にとって、図示したものは典型例にすぎず、他の実施例において、弁座110及びガス通路111は他の形状及び構造を有してもよい。例えば、ガス通路111は、断面が他の形状であってもよく、或いは、ガス通路111は、互いに連通する複数のセグメントを有してもよく、各セグメントの間は、互いに平行若しくは垂直であるか、又は他の角度を成していてもよい。
【0033】
引き続き図2を参照するとともに、さらに図3図5を参照されたい。ここで図3は、本願の一実施例に係る双方向通気弁100における弁座110の軸線に沿った平面の断面構造を示す。図4及び図5はそれぞれ、本願の一実施例に係る双方向通気弁100の第1弁板121及び第2弁板123の立体構造を模式的に示す。
【0034】
図に示す具体的な実施例において、双方向通気弁100における双方向弁アセンブリ120は、第1弁板121と第2弁板123を含み、第1弁板121には第1貫通孔122が設けられ、第2弁板123には第2貫通孔124が設けられている。第1貫通孔122と第2貫通孔124は、ガス通路111の軸方向の投影が互いに離れている。第1弾性部材130は、第1弁板121若しくは第2弁板123に付勢するか、又は第1弁板121と第2弁板123の両方に付勢することで、両者を互いに接近させてガス通路111を閉鎖する。
【0035】
第1弁板121と第2弁板123は、ガス通路111内でガス通路111の軸方向に沿って配置されている。第1貫通孔122と第2貫通孔124が位置をずらして設けられているため、第1弁板121と第2弁板123が第1弾性部材130の付勢の作用によりガス通路111の軸方向に沿って移動し、互いに接近するか又は押し当てられている場合、第1貫通孔122と第2貫通孔124とが重畳するか又は重なり合って連通することはなく、双方向弁アセンブリ120によるガス通路111の効果的な閉鎖が容易である。
【0036】
また、ガス通路111の第1端からのガスは、第1貫通孔122を通って第2弁板123に作用し、ガス通路111の第2端からのガスは、第2貫通孔124を通って第1弁板121に作用する。ガス通路111の両端の気圧差が第1閾値に達した場合、双方向弁アセンブリ120は、第1弾性部材130の作用力に打ち勝って、気圧差による駆動の下、第1弁板121をガス通路111の第1端に向かって移動させるか、第2弁板123をガス通路111の第2端に向かって移動させるか、又は第1弁板121及び第2弁板123の両方をそれぞれガス通路111の第1端、第2端に向かって移動させることで、2つの弁板を互いに切り離すか又は遠ざける。ガス通路111の両端のガスは、「第1貫通孔122-第1弁板121と第2弁板123との間の隙間-第2貫通孔124」の連通によって、ガス交換を実現する。
【0037】
排気又は吸気のガス交換が完了した後、ガス通路111の両端では再び気圧の均衡が戻り、即ち両端の気圧差が第1閾値以下まで低下する。この時、双方向弁アセンブリ120に対する気圧差の作用力は、第1弾性部材130の作用力に対抗するには不十分となり、第1弁板121と第2弁板123は、第1弾性部材130の付勢の下、再び互いに接近してガス通路111を閉鎖する。
【0038】
ガス通路111の軸線方向に沿って第1弁板121と第2弁板123を配置し、且つ第1貫通孔122と第2貫通孔124を設けることにより、ガス通路111の両端のガスが第1貫通孔122と第2貫通孔124を通って第2弁板123と第1弁板121にそれぞれ作用する。これは、吸気・排気の開放圧力の必要に応じて、貫通孔のサイズ調整により弁板の受圧面積を調整するのに役立ち、構造が柔軟で、様々なニーズに応えることができる。
【0039】
図に示す具体的な実施例では、双方向弁アセンブリ120における第1弁板121及び第2弁板123の移動形態は、ガス通路111の軸方向に沿った移動である。しかしながら、当業者が理解すべき点として、図示したものは典型例にすぎない。他の実施例では、双方向弁アセンブリ120が他の移動形態を有してもよい。例えば、ガス通路111の両端の圧力差が第1閾値より大きい場合、第1弁板121及び/又は第2弁板123は、第1弾性部材130の力に打ち勝って、ガス通路111内で互いに相対的に反転するか、回転するか、又はガス通路111の軸方向と垂直な方向に沿って移動することで、第1貫通孔122と第2貫通孔124を連通させて、ガス通路111を開放する。
【0040】
いくつかの実施例において、第1弁板121と第2弁板123は、ガス通路111と同軸に設けられている。また、第1貫通孔122と第2貫通孔124は、一方がガス通路111と同軸に設けられ、他方がガス通路111の周方向に沿って設けられている。このような設計は、双方向通気弁100の全体構造がよりシンプルになり、第1弁板121及び第2弁板123が受ける圧力が均一になり、第1弁板121及び第2弁板123のガス通路111における軸方向の移動が確保され、双方向弁アセンブリ120及び双方向通気弁100の構造の安定性と信頼性の向上に役立つ。
【0041】
引き続き図2図5を参照されたい。図に示す具体的な実施例において、第1弁板121の第1貫通孔122はガス通路111と同軸に設けられ、第2弁板123の第2貫通孔124はガス通路111の周方向に沿って設けられている。当業者が理解すべき点として、他の実施例では、第1弁板121の第1貫通孔122がガス通路111の周方向に沿って設けられ、第2弁板123の第2貫通孔124がガス通路111と同軸に設けられていてもよく、また、ガス通路111の周方向に沿って設けられた第1貫通孔122又は第2貫通孔124は、1つ又は複数であってもよい。
【0042】
引き続き図2を参照するとともに、さらに図6図8を参照されたい。ここで、図6は、本願の一実施例に係る双方向通気弁100の正面の構造を模式的に示し、図7及び図8はそれぞれ、本願の2つの異なる実施例に係る双方向通気弁100における図6のA-A面に沿った断面構造を模式的に示す。
【0043】
図に示す具体的な実施例において、双方向弁アセンブリ120は、第1シール材125をさらに含んでもよい。第1シール材125は第1弁板121に設けられるか、第2弁板123に設けられるか、又は第1弁板121と第2弁板123の両方に設けられてもよい。双方向弁アセンブリ120がガス通路111を閉鎖する場合、第1シール材125は、第1弁板121と第2弁板123との間に位置し、第1貫通孔122を第2貫通孔124から離隔する。
【0044】
第1シール材125を設けて、且つ第1シール材125を第1弁板121及び/又は第2弁板123に設けることは、双方向弁アセンブリ120によるガス通路111の閉鎖効果を高め、第1弁板121と第2弁板123の間の隙間に起因する閉鎖不良を回避するのに有利であるとともに、第1弁板121と第2弁板123との接触を弾性的に緩衝することができる。
【0045】
第1シール材125は例えば、図7に示すようなパッキンであってもよく、或いは図8に示すようなシールリングであってもよい。当業者が理解すべき点として、図示したものは典型例にすぎず、他の実施例において、第1シール材125は1つ又は複数であってもよく、第1弁板121と第2弁板123が互いに接近してガス通路111を閉鎖する場合に第1貫通孔122を第2貫通孔124から離隔できればよい。
【0046】
引き続き図4及び図7を参照されたい。いくつかの実施例ではさらに、弁板に第1シール材125を固定するための凹溝126が設けられてもよく、第1シール材125は凹溝126に固定され、一部が凹溝126から突出している。図に示す具体的な実施例では、凹溝126は第1弁板121に設けられ、第1貫通孔122の外周に沿って設けられている。しかしながら、当業者が理解すべき点として、他の実施例では、凹溝126は第2弁板123に設けられてもよく、或いは第1弁板121及び第2弁板123の各々に凹溝126が設けられていてもよい。また、第1シール材125が他の構造や配置形態を有する場合、凹溝126の配置形態を第1シール材125の構造及び数に適応させてもよい。例えば、複数の第1シール材125を固定できるように複数の凹溝126を設けてもよい。
【0047】
弁座110の内壁と直接接触するように第1シール材125を設けるのではなく、弁板に凹溝126を設けて、第1シール材125を弁板に固定することにより、弁座110と第1シール材125との摩擦をなくすか、又は回避することができ、シールの信頼性を高めることができる。凹溝126の深さは、第1シール材125の圧縮量に基づいて設計してもよい。第1弁板121と第2弁板123が第1弾性部材130の作用により互いに接近してガス通路111を閉鎖する際、第1シール材125のうち凹溝126から突出する部分が、他方の弁板又は他方の弁板上の第1シール材125に弾性的に接触し、第1貫通孔122と第2貫通孔124との離隔効果及びガス通路111に対する閉鎖効果がさらに高められる。
【0048】
引き続き図3を参照するとともに、さらに図9を参照されたい。図9は、本願の一実施例に係る双方向通気弁100における、図6のA-A面に沿った断面図を模式的に示す。図中、双方向弁アセンブリ120及び第1弾性部材130が取り除かれて、ガス通路111が示されている。
【0049】
図に示す具体的な実施例では、ガス通路111の内壁に阻止部112を設けてもよい。ガス通路111の軸方向において、第1弁板121と第2弁板123はそれぞれ阻止部112の両側に設けられている。ここで、第1弁板121は、阻止部112のガス通路111の第1端寄りの側に位置し、第2弁板123は、阻止部112のガス通路111の第2端寄りの側に位置する。阻止部112は、図に示すように、ガス通路111の周方向に沿って連続するようにガス通路111の内壁に設けられるリブであってもよい。他の実施例において、阻止部112は1つ又は複数の突起であってもよい。複数の突起が存在する場合、これらの突起は、ガス通路の周方向に沿って均一に、又は不均一に配置されていてもよい。
【0050】
ガス通路111内に阻止部112を設けることにより、ガス通路を閉鎖する場合、双方向弁アセンブリ120を阻止部112により阻止して、ガス通路111内の特定の位置に保持することで、双方向通気弁100の全体構造の安定性と信頼性を高めることができる。第1弁板121と第2弁板123がガス通路111の軸方向に沿って間隔を置いて配置される形態と組み合わせると、双方向通気弁100の構造が全体的に簡素化されるとともに、各部材の組立て及び動作の形態も簡素化することができる。
【0051】
当業者が理解すべき点として、図示したものは典型例にすぎず、他の実施例では、他の構造又は部材を採用してガス通路111内での双方向弁アセンブリ120の位置決めを実現してもよい。例えば、双方向弁アセンブリ120をガス通路111内に確実に保持し、双方向弁アセンブリ120がガス通路を閉鎖する際に双方向弁アセンブリ120の第1弁板121及び第2弁板123をガス通路111内の特定の場所に確実に位置させるために、ガス通路111の第1端又は第2端に阻止構造又は阻止部材を設けてもよく、或いは、他の固定構造又は弾性部材を設けてもよい。
【0052】
引き続き図3図7及び図9を参照されたい。図に示す具体的な実施例では、阻止部112において第1シール材125側に面する端縁に第1斜面113が設けられ、これに対応して、第1シール材125の端縁に第2斜面(図示せず)が設けられ、第1斜面113は第2斜面にシール接続されている。阻止部112と第1シール材125との間が斜面によりシールされることで、阻止部112と第1シール材125との間のシール面積を増加させ、シール効果を高めており、第1シール材125と阻止部112のサイズを適合させるのに有利である。これは、第1シール材125がパッキンである実施例(例えば、図7に示す具体的な実施例)において特に有利である。
【0053】
引き続き図2図7及び図8を参照されたい。図に示す具体的な実施例において、双方向弁アセンブリ120は、第2弁板123に接続するためのエンドキャップ127をさらに含んでもよい。エンドキャップ127は、ガス通路111の第1端に移動可能に設けられ、第1弾性部材130は、エンドキャップ127と第1弁板121との間に位置する。
【0054】
第1弁板121及び第2弁板123は、ガス通路111内でガス通路111の軸方向に沿って配置されているため、第1弁板121はガス通路111の第1端に対向して接近し、第2弁板123はガス通路111の第2端に対向して接近している。エンドキャップ127を設けて第2弁板123に接続させ、第1弾性部材130をエンドキャップ127と第1弁板121との間に位置させることにより、第1弾性部材130はエンドキャップ127に対し、ガス通路111の第1端に向かう力を加え、したがって間接的に第2弁板123に対して、ガス通路111の第1端に向かう力を加えている。同時に、第1弾性部材130は第1弁板121に対しても、ガス通路111の第2端に向かう力を加えている。このようにして巧みに、双方向弁アセンブリ120の第1弁板121と第2弁板123を、第1弾性部材130の作用により互いに接近させてガス通路111を閉鎖する効果を得ている。
【0055】
当業者が理解すべき点として、図示したものは典型例にすぎず、他の実施例では、第1弾性部材130が第1弁板121と第2弁板123に対して、互いに接近してガス通路111を閉鎖する力を他の形態で加えるようにしてもよい。例えば、ガス通路111の第2端に、エンドキャップ127に類似する別のエンドキャップを設け、この別のエンドキャップを第1弁板121に接続させてもよく、第1弾性部材130をこの別のエンドキャップと第2弁板123との間に配置してもよい。或いは、ガス通路111の両端にそれぞれ阻止構造を設け、第1弾性部材130が2つの弾性部材を含んでもよい。このうち一方が、ガス通路111の第1端の阻止構造と第1弁板121との間に位置して、第1端から第1弁板121に対して、第2端に向かう力を加え、他方が、ガス通路111の第2端の阻止構造と第2弁板123との間に位置して、第2端から第2弁板123に対して、第1端に向かう力を加え、第1弁板121、第2弁板123を互いに接近させ、ガス通路111を閉鎖させる。或いは、他の実施例において、上記以外の他の形態を採用してもよい。
【0056】
図に示す具体的な実施例では、エンドキャップ127は、断面がガス通路111の断面とマッチする円盤状の構造である。エンドキャップ127の中央部は第2弁板123に接続されている。エンドキャップ127にはさらに、周方向に分布する複数の第3貫通孔128が設けられ、第3貫通孔128は、ガス通路111の第1端とガス通路111の内部のガスを連通させるために用いられる。しかしながら、当業者が理解すべき点として、図示したものは典型例にすぎず、他の実施例において、エンドキャップ127は他の構造を有していてもよく、1つ又は複数であってもよく、エンドキャップ127と第1弁板121との間に第1弾性部材130を制限することができればよい。例えば、エンドキャップ127を、断面積がガス通路111の断面積よりも小さい円盤型、短冊型又は他の形状とすることで、エンドキャップ127とガス通路111との間の隙間を用いてガスの連通を実現させてもよい。
【0057】
引き続き図5図7及び図8を参照されたい。いくつかの実施例において、双方向弁アセンブリ120は、エンドキャップ127と第2弁板123とを接続するための接続柱129をさらに含んでもよい。接続柱129の一端は、第2弁板123に接続されてもよく、或いは第2弁板123と一体構造でもよい。接続柱129の他端は、エンドキャップ127に接続されている。接続柱129を用いて第2弁板123をエンドキャップ127に接続させることで、第1弾性部材130によるエンドキャップ127を介した第2弁板123への付勢を、ガス通路111の軸方向に沿って伝達し、ガス通路111の両端の気圧が第1弁板121及び第2弁板123に作用する力の方向と同じ同一直線上で伝達することができ、その結果、第1弁板121及び第2弁板123が軸方向で力を受けるように確保し、引っ掛かりを防止し、双方向通気弁100の信頼性と安定性を確保することができる。
【0058】
図に示す具体的な実施例では、接続柱129は第2弁板123と一体構造であり、これにより構造をさらに簡素化し、組立てを容易にしている。接続柱129は第2弁板123の中央部に位置し、これに対応して、エンドキャップ127にも、中央部に接続柱129と接続するための接続孔が設けられている。これは、この具体的な実施例における、第1貫通孔122が第1弁板121の中央部に位置し且つガス通路111と同軸であり、第2貫通孔124が第2弁板123においてガス通路111の周方向に沿って設けられるという具体的な構造に適応する。当業者が理解すべき点として、図示したものは典型例にすぎず、他の実施例では、第1弁板121及び第2弁板123の具体的な構造及び設置形態に応じて、接続柱129は1つ又は複数であってもよく、また、弁板の中央又は外周に位置してもよい。
【0059】
接続柱129とエンドキャップ127との間はねじで接続してもよい。例えば、エンドキャップ127の対応する位置にねじ孔を設け、接続柱129のエンドキャップ127に接続される端部にねじ山を設けてもよい。第1弾性部材130がエンドキャップ127と第2弁板123との間に位置するため、エンドキャップ127と接続柱129との間をねじで接続することは、実際の必要に応じて第1弾性部材130の弾性圧縮量を設計し、排気及び吸気の制御精度を高めるのにも有利である。同様に、接続柱129が第1弁板121に接続される実施例においても、接続柱129と第1弁板121との間をねじで接続してもよい。
【0060】
引き続き図2図7及び図8を参照されたい。いくつかの実施例において、第1弾性部材130は、接続柱129に嵌着される第1ばねであってもよい。第1ばねで第1弁板121と第2弁板123を同時に押さえ、第1弁板121と第2弁板123に復元の駆動力と予圧を与えることで、双方向弁アセンブリ120のガス通路111に対する閉鎖の効果を高め、不用意な開放を防止する。
【0061】
図に示す具体的な実施例において、接続柱129の一端は、第2弁板123の中央部に接続され、第1弁板121の中央部の第1貫通孔122を通り、また、他端はエンドキャップ127に接続されている。この場合、第1弾性部材130を、接続柱129に嵌着する第1ばねとして設計すると、特に有利である。構造が簡単で、組立てが容易であり、第1ばねによる付勢が均一で且つガス通路111の軸線と同一直線上であり、弁が引っ掛かることで動作中の双方向通気弁100の故障や不具合が生じることを回避することができる。
【0062】
当業者が理解すべき点として、図示したものは典型例にすぎず、他の実施例では、第1弾性部材130は、他の構造を有しても、他の位置に設けられてもよく、或いは1つ又は複数であってもよい。例えば、第1弾性部材130は、ベローズ、ゴムエラストマー、金属片等でもよい。第1弾性部材130及び双方向弁アセンブリ120の具体的な構造に応じて、第1弾性部材130の位置及び数は、他の設計であってもよい。
【0063】
いくつかの実施例において、本願の双方向通気弁100はさらに、防爆弁の機能を兼ね備えてもよい。
【0064】
引き続き図1図2図6図9を参照されたい。図に示す具体的な実施例において、双方向通気弁100は、取付座140、第3弁板150及び第2弾性部材160をさらに含んでもよい。取付座140は、弁座110に設けられ、弁座110に対して移動することができ、取付座140には放圧通路141が設けられている。第3弁板150は、弁座110に固定され、ガス通路111の第2端に位置し、取付座140に対する弁座110の移動によって放圧通路141を開放又は閉鎖するためのものである。第2弾性部材160は、第3弁板150に対し、放圧通路141を閉鎖する力を加えるためのものである。したがって、ガス通路111の第1端の気圧が第2端の気圧よりも大きく、且つこの気圧差が第2閾値に達した場合、第3弁板150は、第2弾性部材160の力に打ち勝って放圧通路141を開放することができる。ここで、第2閾値は第1閾値より大きい。
【0065】
本願の実施例で提供する双方向通気弁100では、弁座110に対して相対的に移動可能な取付座140を設け、取付座140に放圧通路141を設け、弁座110に固定された、ガス通路111の第2端の第3弁板150に対し、第2弾性部材160を用いて付勢することで、放圧通路141を閉鎖して、防爆弁と双方向通気弁の複合機能を実現している。本実施例における第3弁板150は、一方向の防爆弁板である。ガス通路111の第1端のガスは、放圧通路141を介して第3弁板150に作用し、第3弁板150に対し、第2端に向かう力を加える。ガス通路111の第2端のガスは、第3弁板150に直接作用し、第3弁板150に対し、第1端に向かう力を加える。
【0066】
ガス通路111の第1端の気圧が第2端の気圧より大きく、この気圧差が第2閾値に達した場合、第3弁板150がこの気圧差に駆動されて、第2弾性部材160の力に打ち勝ち、弁座110と共に取付座140に対して移動して放圧通路141を開放し、ガス通路111の第1端のガスをこの放圧通路141を介して第2端に排出させて、放圧機能が実現される。この第2閾値は防爆気圧の限界値であり、均衡の通気限界値を規定する第1閾値よりも大きい。この放圧工程を経て、ガス通路111の第1端の気圧が低下して、第2端との気圧差が第2閾値未満になると、この気圧差は、第2弾性部材160の力に対抗するには不十分となり、第3弁板150に作用する第2弾性部材160の復元力により、第3弁板150が弁座110と共に取付座140に対して移動し、放圧通路141の閉鎖を復活させる。
【0067】
引き続き図2図6図9を参照されたい。図に示す具体的な実施例において、弁座110は、取付座140の中央部に取り付けられている。具体的に、取付座140の中央部に取付孔142が設けられており、弁座110は取付孔142に嵌着され、ガス通路111の軸方向に沿って取付座140に対して移動することができる。
【0068】
本願の実施例の双方向通気弁100では、弁座110と取付座140が同軸で設けられており、吸気/排気の均衡化の工程や防爆放圧の工程において、双方向弁アセンブリ120と第3弁板150の移動方向もガス通路111の軸線方向と一致し、また、放圧工程ではガス通路111と放圧通路141の両方を同時に用いることができ、放圧効率が大幅に高められる。
【0069】
引き続き図2を参照されたい。図に示す具体的な実施例において、放圧通路141は、ガス通路111の周方向に沿って設けられてもよい。例えば、図に示すように、周方向に沿って均等に配置された4つの放圧通路141を設けてもよい。これにより、双方向通気弁100では防爆放圧の工程において、第3弁板150が受ける力が均等に分散され、その結果、第3弁板150がガス通路111の軸方向に沿って確実に移動でき、防爆放圧の工程が安定的且つ確実になる。
【0070】
いくつかの実施例において、第3弁板150は、取付座140の断面形状に対応した環状の弁板であってもよい。この環状の弁板は、弁座110のガス通路111の第2端に固定され、取付座140においてガス通路111の周方向に沿って設けられた放圧通路141を閉鎖する。また、環状の弁板の中央の開口が、ガス通路111の位置に対応しており、ガス通路111の吸気/排気の均衡を妨げないようになっている。
【0071】
他の実施例において、第3弁板150は、環状の弁板の中央部に設けられた半透過膜151をさらに含んでもよい。半透過膜151は、防水・防塵及び通気の機能を有し、半透過膜151を弁座110のガス通路111の第2端に固定すると、本願の実施例の双方向通気弁100が電池に適用される場合に、追加の防水・防塵の機能を電池に提供することができ、ガス通路111を通じて水や埃が電池内部に進入することによる電池機能の損傷又はそれへの影響を回避することができる。
【0072】
いくつかの実施例では、放圧通路141に対する第3弁板150のシール効果を高めるために、第3弁板150と、取付座140においてガス通路111の第2端に向いた側との間に、第2シール材171をさらに設けてもよい。第1シール材125に関する上記説明と同様に、第2シール材171も、パッキン又はシールリングであってもよく、また、取付座140の対応する位置に凹溝を設けて第2シール材171をその中に固定し、第2シール材171の一部をこの凹溝から突出させて第3弁板150と弾性的に接触させてもよい。
【0073】
引き続き図1図2図6図9を参照されたい。図に示す具体的な実施例において、第2弾性部材160は、弁座110と取付座140との間に設けられた第2ばねであり、放圧通路141を閉鎖するために、第3弁板150をガス通路111の第2端から取付座140に向かって押し付ける力を、弁座110と取付座140に加えるためのものである。このため、ガス通路111の第1端寄りの弁座110の外周に規制部114を設けてもよく、これに対応して、取付座140においてガス通路111の第1端に向いた側に、取付溝144をさらに設けてもよい。取付溝144は取付孔142を囲むように設けられている。このようにして、第2ばねは、弁座110の外側壁に嵌着される。
【0074】
第2弾性部材160を、弁座110の外周に嵌着される第2ばねとして設け、第2ばねによって提供される弾性の復元力もガス通路111と同軸であることで、本願の実施例の双方向通気弁100はさらに、防爆放圧の工程において均等に力を受けるようになる。
【0075】
いくつかの実施例では、本願の実施例の双方向通気弁100が電池に適用される場合に電池のケースとのシール効果を確保できるように、双方向通気弁100は、第3シール材172をさらに含んでもよい。再び図2図6図9を参照されたい。図に示す具体的な実施において、第3シール材172は、取付座140においてガス通路111の第1端寄りの側に設けてもよい。これは、双方向通気弁100が電池に適用される場合、第1端が電池ケースの内部に位置する一端で、第2端が電池ケースの外部に位置する一端であるからである。
【0076】
第1シール材125及び第2シール材171に関する上記説明と同様に、第3シール材172も、パッキン又はシールリングであってもよく、また、取付座140の対応する位置に凹溝を設けて第3シール材172をその中に固定し、第3シール材172の一部をこの凹溝から突出させて電池ケースと弾性的に接触させてもよい。当業者が理解すべき点として、図示したものは典型例にすぎず、他の実施例では、第3シール材172は、他の構造であってもよく、他の位置、例えば弁座110に設けられていてもよい。これは、双方向通気弁100が防爆放圧の機能を備えず、したがって取付座140を有さない状況において特に有利である。
【0077】
いくつかの実施例において、本願の実施例の双方向通気弁100を電池に適用する際に、双方向通気弁100を電池のケースに固定しやすいように、双方向通気弁100に固定構造をさらに設けてもよい。固定構造は例えば、取付座140に設けられたねじ孔143であってもよく、ねじによって双方向通気弁100を電池のケースに固定することができる。当業者が理解すべき点として、図示したものは典型例にすぎず、他の実施例では、固定構造はこれに限定されず、他の固定形態であってもよい。そして、固定構造は、他の位置に設けてもよい。例えば、固定構造を弁座110に設けるか、又は弁座110に接続させてもよい。これは、双方向通気弁100が防爆放圧の機能を備えず、したがって取付座140を有さない状況において、特に有利である。
【0078】
いくつかの実施例において、本願の実施例の双方向通気弁100を保護するために、双方向通気弁100に保護カバー180をさらに設けてもよい。保護カバー180は、双方向通気弁100においてガス通路111の第2端寄りの側に設けてもよい。これにより、双方向通気弁100を電池に適用する場合、保護カバー180を電池の外部側に配置して、内部の弁座110、双方向弁アセンブリ120、第3弁板150等の他の構造を保護することができる。保護カバー180と弁座110又は取付座140の間には、ガス通路111及び放圧通路141を塞がないように、また、双方向通気弁100の双方向通気の機能及び防爆放圧の機能に影響を与えないように、隙間を空けておくべきである。
【0079】
図2図6図9を参照されたい。図に示すように、保護カバー180は、双方向通気弁100において、取付座140でガス通路111の第2端寄りの最も外側に設けられて、内部の他の構造を保護してもよい。
【0080】
続いて添付の図10図12を参照されたい。それぞれ、本願の具体的な一実施例に係る双方向通気弁100の排気、吸気、防爆放圧の際の断面構造を模式的に示す。以下では、双方向通気弁100の電池への適用を参照しながら説明を行う。
【0081】
図10に示すように、ガス通路111の第1端の気圧が第2端の気圧よりも大きい場合、即ち電池内部の気圧が外部の気圧よりも大きく、この気圧差が第1閾値よりも大きく且つ第2閾値よりも小さい場合、双方向通気弁100は排気工程を開始する。
【0082】
電池内部のより大きい気圧に駆動されて、電池内のガスは、ガス通路111に沿って第1弁板121の第1貫通孔122を通り、第2弁板123に付勢し、第2弁板123を電池外部の方向に向かって押す。第2弁板123はこの作用力の下で、第1ばねの力に打ち勝ってガス通路111の軸線に沿って第2端に向かって移動し、弁座110の内壁の阻止部112及び第1シール材125から離れ、ガス通路111を開放する。この時、第1ばねは圧縮状態にある。電池内部のガスは、図10の白抜き矢印の向きが示すように、ガス通路111に沿って排出されることになる。ガス通路111の両端の気圧差が第1閾値以下に戻ると、第2弁板123は第1ばねの回復力の作用により、ガス通路111の軸線方向に沿って第1端に向かって移動し、再び弁座110の内壁の阻止部112に押し付けられて第1シール材125に弾性的に接触して、ガス通路111を再び閉鎖する。
【0083】
図11に示すように、ガス通路111の第1端の気圧が第2端の気圧より小さく、即ち電池内部の気圧が外部の気圧より小さく、この気圧差が第1閾値より大きい場合、双方向通気弁100は吸気工程を開始する。
【0084】
電池外部のより大きい気圧に駆動されて、電池外のガスは、ガス通路111に沿って第2弁板123の第2貫通孔124を通り、第1弁板121に付勢し、第1弁板121を電池内部の方向に向かって押す。第1弁板121はこの作用力の下で、第1ばねの力に打ち勝ってガス通路111の軸線に沿って第1端に向かって移動し、弁座110の内壁の阻止部112から離れ、ガス通路111を開放する。この時、第1ばねは圧縮状態にある。電池外部のガスは、図11の白抜き矢印の向きが示すように、ガス通路111に沿って電池内に進入することになる。ガス通路111の両端の気圧差が第1閾値以下に戻ると、第1弁板121は第1ばねの回復力の作用により、ガス通路111の軸線方向に沿って第2端に向かって移動し、再び弁座110の内壁の阻止部112に押し付けられ、第1シール材125が再び第2弁板123に弾性的に接触して、ガス通路111を閉鎖する。
【0085】
図12に示すように、ガス通路111の第1端の気圧が第2端の気圧よりも大きく、即ち電池内部の気圧が外部の気圧よりも大きく、且つこの気圧差が第2閾値に達した場合、双方向通気弁100は防爆放圧の工程を開始する。
【0086】
電池内外の気圧差が防爆の閾値(第2閾値)に達したため、電池内のガスは直接、放圧通路141を通って第3弁板150に作用し、第3弁板150を電池外部の方向に向かって押す。第3弁板150はこの作用力の下で、第2弾性部材160(ここでは第2ばね)の力に打ち勝ってガス通路111の軸線に沿って第2端に向かって移動し、取付座140及び第2シール材171から離れ、放圧通路141を開放する。この時、第2ばねは圧縮状態にある。電池内部のガスは、図12の黒塗り矢印の向きが示すように、放圧通路141に沿って迅速に排出されることになる。同時に、電池内のガスは、さらにガス通路111に沿って第1弁板121の第1貫通孔122を通り、第2弁板123に付勢し、第2弁板123を電池外部の方向に向かって押す。第2弁板123はこの作用力の下で、同時に第1ばねの力に打ち勝ってガス通路111の軸線に沿って第2端に向かって移動し、弁座110の内壁の阻止部112及び第1シール材125から離れ、ガス通路111を開放する。この時も、第1ばねは圧縮状態にある。電池内部のガスは、やはり同時に、図12の白抜き矢印の向きが示すように、ガス通路111に沿って排出される。
【0087】
この状況では、電池内のガスが、同時に放圧通路141とガス通路111の両方に沿って同時に排出されるので、電池内部の気圧をより迅速に第2閾値(即ち防爆の閾値)以下まで下げることができ、電池の安全性を高めることができる。第3弁板150は第2ばねの回復力の作用により、弁座110とともにガス通路111の軸線方向に沿って第1端に向かって移動し、再び取付座140に押し付けられて第2シール材171に弾性的に接触して、放圧通路141を再び閉鎖する。この時、ガス通路111を開放状態のままにし、電池内外の気圧が均衡する(即ち、第1閾値より小さくなる)まで、電池内外の気圧の調整を続けてもよい。
【0088】
本願の実施例に係る双方向通気弁100は、特に電池に適用される。本願の実施例の別の態様によれば、電池200がさらに提供される。添付の図13を参照されたい。本願のさらに別の実施例に係る電池200の立体構造が模式的に示されている。
【0089】
図に示すように、電池200は、ケース210と、ケース210内に収容された単電池(図示せず)と、本願の上記実施例にかかる双方向通気弁100とを含む。双方向通気弁100は、ケース210に固定され、ガス通路111の第1端がケース210の内部に向かって設けられ、ガス通路111の第2端がケース210の外部に向かって設けられている。
【0090】
前述のように、いくつかの実施例では、例えば取付座140に位置するねじ孔143等、双方向通気弁100の固定構造によって、双方向通気弁100を電池200のケース210に固定してもよい。いくつかの実施例では、双方向通気弁100に設けられた第3シール材172を用いて、双方向通気弁100と電池200のケース210との間のシールを確保してもよい。
【0091】
本願の実施例のさらなる態様によれば、電力消費装置300がさらに提供される。この電力消費装置は、上述した電池200を含み、電池200は、この電力消費装置300に電気エネルギーを供給するためのものである。図14を参照されたい。本願のさらに別の一実施例に係る電力消費装置300の構造が模式的に示されている。
【0092】
図に示す具体的な実施例において、電力消費装置300は、例えば車両であってもよく、車両は、ガソリン自動車、天然ガス自動車又は新エネルギーの自動車であってもよい。新エネルギーの自動車は、電気自動車、ハイブリッド車又はエクステンデッド・レンジEV(EREV:Extended Range Electric Vehicle)等であってもよい。車両の内部に電池200が設けられるか、或いは、車両の底部、前部又は後部に電池200が設けられる。この車両は、モータ310と、コントローラ320と、この車両に電気エネルギーを供給するための電池200とを有し、コントローラ320を介して、モータ310に給電するよう電池200を制御してモータ310を運転させ、ひいては車両の車輪又は他の部材の動作を駆動する。当然ながら、図示したものは典型例にすぎず、他の実施例では、電力消費装置300は、例えば携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、電動バイク、電気自動車、汽船、宇宙船、電動玩具、電動工具等、電池200を含み電池200によって電気エネルギーが供給される他の装置であってもよい。
【0093】
留意すべき点として、本願の実施例で使用される技術用語又は科学用語は、別途説明がない限り、本願の実施例が属する技術分野の当業者が理解する通常の意味であるものとする。
【0094】
本願の実施例の説明において、技術用語の「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」等が示す向き又は位置関係は、添付図面に示された向き又は位置関係に基づくものであり、本願の実施例の説明を容易にして簡略化するためのものにすぎず、示された装置又は要素が特定の向きを有し、特定の向きで構成され、動作しなければならないことを示し、又は暗示するものではなく、したがって、本願の実施例に対する限定であると理解してはならない。
【0095】
また、「第1」、「第2」等は、説明を目的として使用されるものにすぎず、相対的な重要性を示すか暗示するもの、又は示された技術的特徴の数を暗に示すものと理解してはならない。本願の実施例の説明において、「複数」とは、明確且つ具体的に別途限定されない限り、2つ以上を意味する。
【0096】
本願の実施例の説明において、明確な規定及び限定が別途記載されていない限り、技術用語である「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」等の用語は、広義に理解されるべきである。例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、或いは一体に形成されてもよい。機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよい。直接的な連結であってもよく、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの要素内部の連通又は2つの要素の相互作用の関係であってもよい。当業者にとって、本願の実施例における上記用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することが可能である。
【0097】
本願の実施例の説明において、明確な規定及び限定が別途記載されていない限り、第1の特徴が第2の特徴「上に」ある、又は第2の特徴「下に」あることは、第1及び第2の特徴が直接接触していることであってもよく、或いは、中間媒体を介して第1及び第2の特徴が間接的に接触していることであってもよい。さらに、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」、「上部」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上又は斜め上方にあることであってもよく、或いは単に第1の特徴の水平の高さが第2の特徴より高いことを表してもよい。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」、「下部」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真下又は斜め下方にあることであってもよく、或いは単に第1の特徴の水平の高さが第2の特徴より低いことを表してもよい。
【0098】
最後に説明すべき点として、以上の各実施例は、本願の技術的解決手段を説明するためのものにすぎず、それらを限定するものではない。前述の各実施例を参照しながら本願について詳細に説明してきたが、当業者が理解すべき点として、前述の各実施例に記載された技術的解決手段を修正し、又はその一部若しくは全ての技術的特徴を均等置き換えすることは依然として可能であるが、これらの修正又は置き換えによって、対応する技術的解決手段の趣旨が、本願の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱することにはならず、それらはいずれも、本願の特許請求の範囲及び明細書の範囲に含まれるべきである。特に、各実施例で述べた技術的特徴はいずれも、構造的な矛盾がない限り、それぞれ任意の形態で組み合わせることができる。本願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲に含まれる全ての技術的解決手段を含むものである。
【符号の説明】
【0099】
100 双方向通気弁
110 弁座
111 ガス通路
112 阻止部
113 第1斜面
114 規制部
120 双方向弁アセンブリ
121 第1弁板
122 第1貫通孔
123 第2弁板
124 第2貫通孔
125 第1シール材
126 凹溝
127 エンドキャップ
128 第3貫通孔
129 接続柱
130 第1弾性部材
140 取付座
141 放圧通路
142 取付孔
143 ねじ孔
144 取付溝
150 第3弁板
151 半透過膜
160 第2弾性部材
171 第2シール材
172 第3シール材
180 保護カバー
200 電池
210 ケース
300 電力消費装置
310 モータ
320 コントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14