(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】角度調整装置
(51)【国際特許分類】
F16M 11/12 20060101AFI20240730BHJP
H01Q 1/12 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
F16M11/12 Z
H01Q1/12 Z
(21)【出願番号】P 2023502832
(86)(22)【出願日】2021-05-21
(86)【国際出願番号】 CN2021095319
(87)【国際公開番号】W WO2022012165
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-03-17
(31)【優先権主張番号】202010678420.0
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】胡 世▲艷▼
(72)【発明者】
【氏名】王 成▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 林霖
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3055482(JP,U)
【文献】特開平07-212630(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108183311(CN,A)
【文献】中国実用新案第201753825(CN,U)
【文献】特開2008-089088(JP,A)
【文献】米国特許第04980805(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0120286(US,A1)
【文献】特表2016-521865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M 11/12
H01Q 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
締結構成要素と、前記締結構成要素に回転可能に接続された角度調整構成要素と、
を備え、
前記角度調整構成要素の少なくとも一部は、前記締結構成要素内に設置され、前記角度調整構成要素は、前記締結構成要素に対して水平方向および垂直方向に回転することができ、
前記締結構成要素は、第1の締結具および第2の締結具を備え、
前記第1の締結具は第1の溝本体を有し、前記第2の締結具は第2の溝本体を有し、前記角度調整構成要素の少なくとも前記一部は、前記第1の溝本体と前記第2の溝本体によって形成される収容空洞内に設置され、
前記角度調整構成要素は、支持部材と、前記支持部材に固定式に接続された回転部材とを備え、
前記回転部材は前記収容空洞内に設置され、前記回転部材は、前記第1の締結具および前記第2の締結具に対して前記水平方向に回転することができ、
前記第1の溝本体は、第1の回転溝と、前記第1の回転溝の両側に設置された第1のシュートとを備え、前記第2の溝本体は、第2の回転溝と、前記第2の回転溝の両側に設置された第2のシュートとを備え、
前記回転部材は、回転部と、前記回転部の両側に設置された連動部とを備え、
前記回転部は、前記第1の回転溝と前記第2の回転溝によって形成される第1の収容空洞内に設置され、前記連動部は、前記第1のシュートと前記第2のシュートによって形成される第2の収容空洞内に設置される、
角度調整装置。
【請求項2】
位置決め部材をさらに備え、
前記回転部は、前記位置決め部材の長さ方向に延びる第1の貫通孔を有し、前記第1の貫通孔の内壁は、斜めの円弧面を有し、
前記位置決め部材は前記第1の貫通孔に設置され、
前記回転部材が前記位置決め部材に対して前記垂直方向に回転するとき、前記斜めの円弧面は、前記回転部材の回転範囲を制限するために使用される、
請求項1に記載の角度調整装置。
【請求項3】
前記回転部は球状構造である、
請求項1または2に記載の角度調整装置。
【請求項4】
前記支持部材は、支持プレートと、前記支持プレートの両側に固定式に接続されたリングアームとを備え、
前記リングアームは、前記回転部材における前記連動部に接続されている、
請求項1から3のいずれか一項に記載の角度調整装置。
【請求項5】
前記第1の締結具は、第1の締結部と、第1の接続部とを備え、少なくとも1つの第1の取り付け孔が前記第1の締結部に配置され、前記第1の締結部の、前記第1の接続部とは反対側に凹部が存在し、前記凹部は歯付き構造を有し、
前記第2の締結具は、第2の締結部と、第2の接続部とを備え、少なくとも1つの第2の取り付け孔が前記第2の締結部に配置され、前記第2の締結部の、前記第2の接続部とは反対側に凹部が存在し、前記凹部は、歯付き構造を有し、
前記第1の溝本体は、前記第1の接続部に設置され、前記第2の溝本体は、前記第2の接続部に設置される、
請求項4に記載の角度調整装置。
【請求項6】
前記位置決め部材を貫通させることができる第2の貫通孔が前記第1の回転溝の溝底および前記第2の回転溝の溝底にそれぞれ配置される、
請求項2に記載の角度調整装置。
【請求項7】
前記第1の締結具は、前記第1の締結部と前記第1の接続部との間に設置された第1の移行部をさらに備え、前記第1の移行部と前記第1の接続部との間に第1の段部が形成され、
前記第2の締結具は、前記第2の締結部と前記第2の接続部との間に設置された第2の移行部をさらに備え、前記第2の移行部と前記第2の接続部との間に第2の段部が形成される、
請求項5に記載の角度調整装置。
【請求項8】
少なくとも1つの第3の貫通孔が前記第1の移行部および前記第2の移行部の各々に配置され、
少なくとも1つの第4の貫通孔が、前記第1の接続部の、前記第1の移行部から離れた一端と、前記第2の接続部の、前記第2の移行部から離れた一端の各々に配置される、
請求項7に記載の角度調整装置。
【請求項9】
前記第1の移行部および前記第2の移行部の一方に少なくとも1つの凸点が配置され、前記第1の移行部および前記第2の移行部の他方に少なくとも1つの凹孔が配置され、前記凸点は前記凹孔と協働するように接続され、または
少なくとも1つの凸点および少なくとも1つの凹孔は、前記第1の移行部および前記第2の移行部の一方に配置され、少なくとも1つの凹孔および少なくとも1つの凸点は、前記第1の移行部および前記第2の移行部の他方に配置され、前記第1の移行部の凸点は、前記第2の移行部の凹孔に協働するように接続され、前記第1の移行部の凹孔は、前記第2の移行部の凸点に協働するように接続される、
請求項7または8に記載の角度調整装置。
【請求項10】
水平調整角度目盛り識別子が、前記第1の接続部の外縁が前記連動部に近い位置、または前記第2の接続部の外縁が前記連動部に近い位置に配置され、
垂直調整角度目盛り識別子が、前記回転部材の前記連動部が前記第1の接続部または前記第2の接続部から露出される位置に配置される、
請求項7から9のいずれか一項に記載の角度調整装置。
【請求項11】
アダプタ構成要素であって、前記アダプタ構成要素は、前記角度調整構成要素の、前記締結構成要素から離れた側に設置され、前記アダプタ構成要素は、前記角度調整構成要素に着脱可能に接続される、アダプタ構成要素をさらに備える、
請求項1から10のいずれか一項に記載の角度調整装置。
【請求項12】
前記アダプタ構成要素は、ダブテール構造を使用して前記角度調整構成要素に接続され、
前記ダブテール構造は、雄ダブテールおよび雌ダブテールを備え、前記雄ダブテールおよび前記雌ダブテールの一方は前記アダプタ構成要素に配置され、前記雄ダブテールおよび前記雌ダブテールの他方は前記角度調整構成要素に配置され、
前記雄ダブテールは、前記雌ダブテールに協働するように接続される、
請求項11に記載の角度調整装置。
【請求項13】
前記アダプタ構成要素はアダプタボードを備え、前記雄ダブテールまたは前記雌ダブテールは、前記アダプタボードの、前記角度調整構成要素に面する側に配置され、
ハンドル、および外部機器との接続に使用される取り付けインターフェースが前記アダプタボードにさらに配置される、
請求項12に記載の角度調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施形態は、機械的組み立て技術の分野に関し、特に角度調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の継続的な発展に伴い、大量の通信機器(無線通信遠隔制御送信部、基地局、アンテナ等)はすべて、ブラケットを使用することによって様々な取り付け環境に締結される必要がある。信号カバレッジなどの機能要件のために、いくつかの機器は、斜めの角度および水平回転角度が調整され得るという要件をさらに有する。これを考慮して、現在の一般的な解決策は、角度調整を実施することができる取り付け機構を使用することによって、通信機器を取り付け搬送装置(ポールまたは壁など)に締結し、次いで、取り付け機構の角度調整機能を使用することによって異なる角度で通信機器の取り付けを実施することである。
【0003】
従来技術において、機器の取り付けに使用される取り付け機構は、通常、締結具と、中間部材と、機器締結具とを含む。締結具は、多機能取り付けブラケットを締結するように構成される。中間部材は、機器の取り付け方向を調整するように構成される。機器締結具は、機器を締結するように構成される。中間部材は水平調整機構または垂直調整機構を使用することによって締結具に接続され、機器締結具は垂直調整機構または水平調整機構を使用することによって中間部材に接続され、その結果、機器取り付けに使用される取り付け機構は、水平方向および垂直方向の両方の角度調整位置決めをサポートすることができる。
【0004】
しかしながら、取り付け機構の角度調整効率は低く、機器は角度調整後に斜めになりやすく、機器の信号カバレッジ機能に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、角度調整効率を改善し、また角度調整後に機器が斜めになるのを防止し、これにより機器の信号カバレッジ機能が影響を受けるのを防止する角度調整装置を提供する。
【0006】
本出願は、締結構成要素と、締結構成要素に回転可能に接続された角度調整構成要素とを含む角度調整装置を提供する。
【0007】
角度調整構成要素の少なくとも一部は締結構成要素内に設置され、角度調整構成要素は締結構成要素に対して水平方向および垂直方向に回転することができる。
【0008】
本出願のこの実施形態で提供される角度調整装置によれば、角度調整構成要素の少なくとも一部は締結構成要素内に設置され、角度調整構成要素は締結構成要素に対して水平方向および垂直方向に回転することができ、その結果、水平方向の角度調整機能と垂直方向の角度調整機能が同じ構成要素に統合される。このようにして、角度調整装置は、角度調整効率を大幅に改善する。加えて、角度調整装置の水平方向の回転軸と垂直方向の回転軸が同一平面上に設置されることから、機器は、角度調整後に斜めになることが防止され、これにより機器の信号カバレッジ機能が影響を受けるのを防止することができる。さらに、機器から壁またはポールまでの、取り付け後に得られる距離を大幅に縮小することができ、これにより、取り付け後に得られる機器取り付けの利便性および美観を大幅に改善し、通信機器の迅速な取り付けおよび配置をサポートすることができる。したがって、本出願のこの実施形態で提供される角度調整装置は、角度調整効率を改善し、また角度調整後に機器が斜めになるのを防止し、これにより機器の信号カバレッジ機能が影響を受けるのを防止することができる。
【0009】
可能な実装形態では、締結構成要素は、第1の締結具および第2の締結具を含む。第1の締結具は第1の溝本体を有し、第2の締結具は第2の溝本体を有し、角度調整構成要素の少なくとも一部は、第1の溝本体と第2の溝本体によって形成される収容空洞内に設置される。
【0010】
角度調整構成要素の少なくとも一部は、第1の締結具の第1の溝本体と第2の締結具の第2の溝本体によって形成される収容空洞内に設置され、その結果、水平方向の角度調整機能と垂直方向の角度調整機能が同じ構成要素に統合され得る。このようにして、角度調整効率が大幅に向上する。
【0011】
可能な実装形態では、角度調整構成要素は、支持部材と、支持部材に固定式に接続された回転部材とを含む。回転部材は、収容空洞内に配置され、回転部材は、第1の締結具および第2の締結具に対して水平方向に回転することができる。
【0012】
角度調整構成要素の回転部材は、第1の締結具の第1の溝本体と第2の締結具の第2の溝本体によって形成される収容空洞内に設置され、その結果、水平方向の角度調整機能と垂直方向の角度調整機能が同じ構成要素に統合され得る。このようにして、角度調整効率が大幅に向上する。
【0013】
可能な実装形態では、第1の溝本体は、第1の回転溝と、第1の回転溝の両側に配置された第1のシュートとを含み、第2の溝本体は、第2の回転溝と、第2の回転溝の両側に配置された第2のシュートとを含む。回転部材は、回転部と、回転部の両側に設置された連動部とを含む。回転部は、第1の回転溝と第2の回転溝によって形成される第1の収容空洞内に設置され、連動部は、第1のシュートと第2のシュートによって形成される第2の収容空洞内に設置される。
【0014】
このようにして、回転部は、第1の回転溝と第2の回転溝によって形成される第1の収容空洞内に設置され、連動部は、第1のシュートと第2のシュートによって形成される第2の収容空洞内に設置される。第1のシュートおよび第2のシュートは、連動部の移動範囲を制限して、締結構成要素に対する水平方向の角度調整構成要素の回転範囲を制限することができる。
【0015】
可能な実装形態では、角度調整装置は、位置決め部材をさらに含む。回転部は、位置決め部材の長さ方向に延びる第1の貫通孔を有し、第1の貫通孔の内壁は、斜めの円弧面を有する。位置決め部材は、第1の貫通孔に設置され、回転部材が位置決め部材に対して垂直方向に回転する際に、回転部材の回転範囲を制限するために斜めの円弧面が使用される。
【0016】
位置決め部材は、接触面の圧力変化を実現させ、これにより接触摩擦に影響を及ぼして、角度調整プロセスにおける即時の位置決めおよびロックを実施することができるように配置される。
【0017】
可能な実装形態では、回転部は球状構造である。回転部は、水平および垂直の双方向の角度調整軸の融合を実現することができる。
【0018】
可能な実装形態では、支持部材は、支持プレートと、支持プレートの2つの側面に固定式に接続されたリングアームとを含む。リングアームは、回転部材における連動部に接続されている。
【0019】
角度調整構成要素の回転部材が締結構成要素の第1の締結具の第1の溝本体および第2の締結具の第2の溝本体に埋め込まれた後、リングアームが第1の締結具および第2の締結具の周囲を囲み、その結果、角度調整装置が激しい衝撃および引き裂きなどの異常な状況を経験した場合に、締結構成要素に対する角度調整構成要素の回転の柔軟性が確実にされ得る。
【0020】
可能な実装形態では、第1の締結具は、第1の締結部および第1の接続部を含み、少なくとも1つの第1の取り付け孔が第1の締結部に配置され、第1の締結部の、第1の接続部とは反対側に凹部が存在し、凹部は歯付き構造を有する。第2の締結具は、第2の締結部および第2の接続部を含み、少なくとも1つの第2の取り付け孔が第2の締結部に配置され、第2の締結部の、第2の接続部とは反対側に凹部が存在し、凹部は歯付き構造を有する。第1の溝本体は第1の接続部に設置され、第2の溝本体は第2の接続部に設置される。
【0021】
このようにして、第1の取り付け孔および第2の取り付け孔は、締結構成要素(第1の締結具および第2の締結具)を壁などの平面に締結し、スチールベルト、ホースクランプ、または拡張ボルトなどと協働して、ポール保持および壁掛けの確実な取り付けを実現することができる。凹部は、締結構成要素のポール形状の締結装置への締結の安定性をさらに確実にし、締結構成要素とポール形状の締結装置との接触面積を増大させることができる。歯付き構造は、締結構成要素とポール形状の締結装置との間の接触摩擦を増大させることができる。
【0022】
可能な実装形態では、位置決め部材を貫通させることができる第2の貫通孔が第1の回転溝の溝底および第2の回転溝の溝底のそれぞれに配置される。
【0023】
このようにして、位置決め部材は、締結構成要素と角度調整構成要素との間の締結および接続を実現するために、第1の締結具に設置された第2の貫通孔、角度調整構成要素に設置された第1の貫通孔、および第2の締結具に設置された第2の貫通孔に順次貫通されてよい。
【0024】
可能な実装形態では、第1の締結具は、第1の締結部と第1の接続部との間に設置される第1の移行部をさらに含み、第1の移行部と第1の接続部との間に第1の段部が形成される。第2の締結具は、第2の締結部と第2の接続部との間に設置された第2の移行部をさらに含み、第2の移行部と第2の接続部との間に第2の段部が形成される。
【0025】
第1の段部は、第1の締結具の第1の移行部と第1の接続部との間に形成され、第2の段部は、第2の締結具の第2の移行部と第2の接続部との間に形成される。したがって、第1の締結具および第2の締結具が締結構成要素に組み立てられるとき、第1の移行部は第2の移行部と嵌合し、第1の接続部と第2の接続部との間に隙間が形成される。この隙間は、第1の溝本体と第2の溝本体とによって形成される収容空洞に回転部材を収容するための調整空間を確保して、締結構成要素を角度調整構成要素に取り付ける際の整合性および汎用性を向上させることができる。また、段部位置(第1の段部および第2の段部)の性質により、組立後に得られる球面ヒンジ保持力をさらに向上させることができる。
【0026】
可能な実装形態では、少なくとも1つの第3の貫通孔が第1の移行部および第2の移行部の各々に配置され、少なくとも1つの第4の貫通孔が、第1の接続部の、第1の移行部から離れた一端と、第2の接続部の、第2の移行部から離れた一端の各々に配置される。
【0027】
このようにして、第1の締結具および第2の締結具は、第1のスタッドを、第1の移行部の第3の貫通孔および第2の移行部の第3の貫通孔に貫通させることによって予め締結されてもよい。または、第1の締結具および第2の締結具は、第2のスタッドを、第1の接続部の、第1の移行部から離れた端部にある第4の貫通孔と、第2の接続部の、第2の移行部から離れた端部にある第4の貫通孔に貫通させることによって予め締結されてもよい。
【0028】
可能な実装形態では、少なくとも1つの凸点が第1の移行部および第2の移行部の一方に配置され、少なくとも1つの凹孔が第1の移行部および第2の移行部の他方に配置され、凸点は凹孔に協働するように接続される。または少なくとも1つの凸点および少なくとも1つの凹孔が第1の移行部および第2の移行部の一方に配置され、少なくとも1つの凹孔および少なくとも1つの凸点が第1の移行部および第2の移行部の他方に配置される。第1の移行部上の凸点は、第2の移行部上の凹孔に協働するように接続され、第1の移行部上の凹孔は、第2の移行部上の凸点に協働するように接続される。
【0029】
凸点は、凹孔と一対一に対応して協働するように接続され、その結果、第1の締結具を第2の締結具に取り付ける際の正確な位置決めがさらに確実にされ得る。
【0030】
可能な実装形態では、水平調整角度目盛り識別子が、第1の接続部の外縁が連動部に近い位置、または第2の接続部の外縁が連動部に近い位置に配置される。回転部材の連動部が第1の接続部または第2の接続部から露出される位置に、垂直調整角度目盛り識別子が配置される。
【0031】
このようにして、角度調整構成要素が締結構成要素に対して水平方向に回転されるとき、水平調整角度目盛り識別子は、水平方向の調整角度の大きさを示すために、締結構成要素に対する水平方向の角度調整構成要素の回転角度を表示するために使用されてよい。角度調整構成要素が締結構成要素に対して垂直方向に回転されるとき、垂直調整角度目盛り識別子は、垂直方向の調整角度の大きさを示すために、締結構成要素に対する垂直方向の角度調整構成要素の回転角度を表示するために使用されてよい。加えて、角度調整プロセスでは、第1の接続部が連動部に最も近い位置の目盛り、または第2の接続部が連動部に最も近い位置の目盛りに基づいて、水平方向の角度調整位置と垂直方向の角度調整位置が一度に決定され得る。
【0032】
可能な実装形態では、角度調整装置は、アダプタ構成要素をさらに含む。アダプタ構成要素は、角度調整構成要素の、締結構成要素から離れた側に設置され、アダプタ構成要素は、角度調整構成要素に着脱可能に接続される。
【0033】
可能な実装形態では、アダプタ構成要素は、ダブテール構造を使用することによって角度調整構成要素に接続される。ダブテール構造は、雄ダブテールおよび雌ダブテールを含み、雄ダブテールおよび雌ダブテールの一方はアダプタ構成要素に配置され、雄ダブテールおよび雌ダブテールの他方は角度調整構成要素に配置される。雄ダブテールは、雌ダブテールに協働するように接続される。
【0034】
ダブテール構造を配置することによって、アダプタ構成要素の角度調整構成要素への迅速な配置取り付けおよびロックが実現され得る。
【0035】
可能な実装形態では、アダプタ構成要素はアダプタボードを含む。雄ダブテールまたは雌ダブテールは、アダプタボードの、角度調整構成要素に面する側に配置される。アダプタボードには、ハンドルと、外部機器に接続するために使用される取り付けインターフェースがさらに配置される。
【0036】
ハンドルの配置は、アダプタボードに対するオペレータの保持および持ち上げを容易にすることができ、取り付けインターフェースは、アダプタボードと外部機器との間の迅速な取り付け接続を実現するために、外部機器の側面インターフェースに対応するように配置される。
【0037】
添付の図面を参照すると、例示的な実施形態のこれらのおよび他の態様、実装形態、および利点は、以下に説明する実施形態から明らかになる。しかしながら、本明細書および添付の図面は、単に本出願の実施形態を例示することが意図されており、本出願の実施形態に対する限定として定義されることは意図されていないことを理解されたい。詳細については、添付の特許請求の範囲を参照されたい。本出願の実施形態の他の態様および利点は、以下の説明に記載され、説明から部分的に明らかであるか、または本出願の実施形態の実施から習得される。加えて、本出願の実施形態の態様および利点は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載された手段および組み合わせを使用することによって実施され獲得されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本出願の一実施形態による角度調整装置の第1の構造の概略図である。
【
図2】
図1に示される角度調整装置の側面図である。
【
図3】本出願の一実施形態による角度調整装置の締結構成要素の第1の構造の概略図である。
【
図4】本出願の一実施形態による角度調整装置の角度調整構成要素の構造の概略図である。
【
図5】本出願の一実施形態による角度調整装置の締結構成要素の第2の構造の概略図である。
【
図6】本出願の一実施形態による角度調整装置の締結構成要素の第3の構造の概略図である。
【
図7】本出願の一実施形態による角度調整装置の締結構成要素と角度調整構成要素とが接続状態にある第1の構造の概略図である。
【
図8】本出願の一実施形態による角度調整装置の締結構成要素と角度調整構成要素とが接続状態にある第2の構造の概略図である。
【
図9】本出願の一実施形態による角度調整装置の締結構成要素と角度調整構成要素とが接続状態にある第3の構造の概略図である。
【
図10】本出願の一実施形態による角度調整装置の締結構成要素と角度調整構成要素とが接続状態にある第4の構造の概略図である。
【
図11】本出願の一実施形態による角度調整装置の第2の構造の概略図である。
【
図12】本出願の一実施形態による角度調整装置の第3の構造の概略図である。
【
図13】
図12に示される角度調整装置の一部の概略拡大図である。
【
図14】本出願の一実施形態による角度調整装置の第4の構造の概略図である。
【
図15】本出願の一実施形態による角度調整装置の第5の構造の概略図である。
【
図16】本出願の一実施形態による角度調整装置のアダプタ構成要素の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本出願の実装形態で用いられる用語は、単に本出願の特定の実施形態を説明するために用いられているにすぎず、本出願を限定することは意図されていない。以下、添付の図面を参照して本出願の実施形態の実装形態について詳細に説明する。
【0040】
現在、信号カバレッジなどの機能要件のために、一部の通信機器の取り付けのために方位角(水平方向の回転角度)およびダウンチルト(垂直方向の傾斜角度)が調整される必要がある。従来技術では、通信機器は、角度調整を実施することができる取り付け機構を使用することによって取り付け搬送装置(取り付け搬送装置は、壁掛けおよびポール保持という2つの取り付け環境に適合可能である)に通常締結され、次いで、取り付け機構の角度調整機能を使用することによって異なる角度での通信機器の取り付けが実施される。取り付け機構は、多機能取り付けブラケットを締結するための締結具と、機器の取り付け方向を調整するための中間部材と、機器を締結するための機器締結具とを備える。中間部材は、水平調整機構または垂直調整機構を使用することによって締結具に接続され、機器締結具は、垂直調整機構または水平調整機構を使用することによって中間部材に接続される。具体的には、水平調整機構を使用することによって中間部材が締結具に接続される場合、垂直調整機構を使用することによって機器締結具が中間部材に接続される。または、垂直調整機構を使用することによって中間部材が締結具に接続される場合、機器締結具は、水平調整機構を使用することによって中間部材に接続される。その結果、取り付け機構は、水平方向および垂直方向の両方の角度調整位置決めをサポートすることができる。
【0041】
しかしながら、前述の取り付け機構では、水平方向および垂直方向の両方が角度調整の必要性を有する場合、水平方向の角度調整が最初に実行される必要があり、次に水平調整機構がロックされる必要があり、その後、垂直方向の角度調整が実行される必要があり、その後垂直調整機構がロックされる必要がある。あるいは、垂直方向の角度調整が最初に実行される必要があり、その後垂直調整機構がロックされる必要があり、その後水平方向の角度調整が実行される必要があり、その後水平調整機構がロックされる必要がある。水平調整機構と垂直調整機構は独立して制御されるため、取り付け機構の角度調整効率は低い。加えて、水平調整機構の回転軸および垂直調整機構の回転軸が1つの平面上に設置されていないことから、取り付け機構が角度調整を実行した後に機器が斜めになりやすく、機器の信号カバレッジ機能に影響を及ぼす。
【0042】
これに基づいて、本出願の実施形態は、水平および垂直の全方向角度調整要件を実施して、機器の取り付けおよび締結、ならびに取り付け後に実行される角度調整操作をサポートする角度調整装置を提供する。水平方向の角度調整機能と垂直方向の角度調整機能が同じ構成要素に統合される。すなわち、角度調整構成要素が締結構成要素に対して水平方向および垂直方向の両方に回転することができ、その結果角度調整装置は角度調整効率を大幅に改善する。加えて、角度調整装置の水平方向の回転軸と垂直方向の回転軸が同一平面上に設置されることから、機器は、角度調整後に斜めになることが防止され、これにより機器の信号カバレッジ機能が影響を受けるのを防止することができる。さらに、機器から壁またはポールまでの、取り付け後に得られる距離を大幅に縮小することができ、これにより、取り付け後に得られる機器取り付けの利便性および美観を大幅に改善し、通信機器の迅速な取り付けおよび配置をサポートすることができる。
【0043】
図1および
図2を参照すると、本出願の一実施形態で提供される角度調整装置100は、締結構成要素10と、締結構成要素10に回転可能に接続された角度調整構成要素20とを含んでもよい。角度調整構成要素20の少なくとも一部は締結構成要素10内に設置され、角度調整構成要素20は締結構成要素10に対して水平方向および垂直方向に回転することができる。
【0044】
図3に示されるように、締結構成要素10は、第1の締結具11および第2の締結具12を含んでもよい。加えて、第1の締結具11は第1の溝本体111を有してもよく、第2の締結具12は第2の溝本体121を有してもよく、角度調整構成要素20の少なくとも一部は、第1の溝本体111と第2の溝本体121とによって包囲されて形成される収容空洞内に設置される。
【0045】
さらに
図3を参照すると、第1の溝本体111は、第1の回転溝1111と、第1の回転溝1111の両側に設置された第1のシュート1112とを含んでもよく、第2の溝本体121は、第2の回転溝1211と、第2の回転溝1211の両側に設置された第2のシュート1212とを含んでもよい。また、第1の収容空洞は、第1の回転溝1111と第2の回転溝1211とによって包囲されて形成されてよく、第2の収容空洞は、第1のシュート1112と第2のシュート1212とによって包囲されて形成されてもよい。
【0046】
図4に示されるように、角度調整構成要素20は、支持部材21と、支持部材21に固定式に接続された回転部材22とを含んでもよい。回転部材22は、第1の溝本体111と第2の溝本体121とによって包囲されて形成された収容空洞内に設置され、回転部材22は、第1の締結具11および第2の締結具12に対して水平方向に回転することができる。
【0047】
具体的には、回転部材22は、回転部221と、回転部221の両側に設置される連動部222とを含んでもよい。回転部221は、第1の回転溝1111と第2の回転溝1211によって形成される第1の収容空洞内に設置され、連動部222は、第1のシュート1112と第2のシュート1212によって形成される第2の収容空洞内に設置される。
【0048】
本出願のこの実施形態では、角度調整装置100は、位置決め部材30をさらに含んでもよい。
図4に示されるように、回転部221は、位置決め部材30の長さ方向に延びる第1の貫通孔2211を有し、第1の貫通孔2211の内壁は、斜めの円弧面2212を有してもよい。位置決め部材30は、第1の貫通孔2211に設置され、回転部材22が位置決め部材30に対して垂直方向に回転する際に回転部材22の回転範囲を制限するために斜めの円弧面2212が使用される。位置決め部材30は、接触面の圧力変化を実現させることができ、これにより接触摩擦に影響を及ぼして、角度調整プロセスにおける即時の位置決めおよびロックを実施することができるように配置される。
【0049】
任意選択の実装形態として、回転部221は球状構造であってもよい。回転部221は、水平および垂直の双方向の角度調整軸の融合を実現することができる。
【0050】
さらに
図4を参照すると、支持部材21は、支持プレート211と、支持プレート211の両側に固定式に接続されたリングアーム212とを含んでもよい。リングアーム212は、回転部材22における連動部222に固定式に接続されている。角度調整構成要素20の回転部材22が、締結構成要素10の第1の締結具11の第1の溝本体111および第2の締結具12の第2の溝本体121によって形成された収容空洞に埋め込まれた後、リングアーム212は、第1の締結具11および第2の締結具12の周囲を囲み、その結果、角度調整装置100が激しい衝撃および引き裂きなどの異常な状況を経験した場合に、締結構成要素10に対する角度調整構成要素20の回転柔軟性が確実にされ得る。
【0051】
本出願のこの実施形態では、
図5に示されるように、第1の締結具11は、第1の締結部112および第1の接続部113を含んでもよく、少なくとも1つの第1の取り付け孔1121が第1の締結部112に配置されてよい。同様に、第2の締結具12は、第2の締結部122および第2の接続部123を有し、少なくとも1つの第2の取り付け孔1221が第2の締結部122に配置されてよい。
【0052】
締結構成要素10(第1の締結具11および第2の締結具12)は、第1の取り付け孔1121および第2の取り付け孔1221を使用することによって壁などの平面に締結されて、スチールベルト、ホースクランプ、拡張ボルトなどと協働して、ポール保持および壁掛けの確実な取り付けを実現することができることに留意されたい。例えば、本出願のこの実施形態では、第1の締結部112に配置された第1の取り付け孔1121および第2の締結部122に配置された第2の取り付け孔1221にホースクランプを貫通させることによって、締結構成要素10が所定の取り付け位置に締結されてよい。例えば、締結構成要素10は、ホースクランプを使用することによって様々なポール形状の締結装置に締結されてよく、様々なサイズおよび直径のポール形状の締結装置への締結は、異なる長さのホースクランプと協働して実施されてよい。
【0053】
また、ポール形状の締結装置との締結の安定性をさらに確実にするために、締結構成要素10とポール形状の締結装置との接触面積が増大され、締結構成要素10とポール形状の締結装置との間の接触摩擦が増大される。第1の締結部112の、第1の接続部113とは反対側に凹部1122があってもよく、凹部1122は歯付き構造1123を有する。第2の締結部122の、第2の接続部123とは反対側に凹部1122があってもよく、凹部1122は歯付き構造1123を有してよい。
【0054】
本出願のこの実施形態で提供される角度調整装置100は、水平方向および垂直方向の両方の角度調整位置決めをサポートすることができ、また、壁掛けおよびポール保持という2つの取り付け環境にも適合可能であることに留意されたい。
【0055】
機器取り付けに使用される角度調整装置100に取り付けられた機器の安定性をさらに確実にするために、本出願のこの実施形態における締結構成要素10の第1の締結具11および第2の締結具12は対称構造であってもよいことが理解されよう。
【0056】
本出願のこの実施形態では、
図3に示されるように、第1の溝本体111は第1の接続部113に設置され、第2の溝本体121は第2の接続部123に設置され、位置決め部材30を貫通させることができる第2の貫通孔1113は、第1の回転溝1111の溝底および第2の回転溝1211の溝底のそれぞれに配置されてよい。このようにして、位置決め部材30は、締結構成要素10と角度調整構成要素20との間の締結および接続を実現するために、第1の締結具11に設置された第2の貫通孔1113、角度調整構成要素20に設置された第1の貫通孔2211、および第2の締結具12に設置された第2の貫通孔1113に順次貫通されてよい。
【0057】
任意選択の実装形態として、さらに
図3を参照すると、第1の締結具11は、第1の締結部112と第1の接続部113との間に設置された第1の移行部114をさらに含んでもよく、第1の移行部114と第1の接続部113との間に第1の段部115が形成されてよい。同様に、第2の締結具12は、第2の締結部122と第2の接続部123との間に設置された第2の移行部124をさらに含んでもよく、第2の移行部124と第2の接続部123との間に第2の段部125が形成される。
【0058】
第1の段部115は、第1の締結具11の第1の移行部114と第1の接続部113との間に形成され、第2の段部125は、第2の締結具12の第2の移行部124と第2の接続部123との間に形成される。したがって、第1の締結具11および第2の締結具12が締結構成要素10に組み立てられるとき、第1の移行部114は第2の移行部124と嵌合し、第1の接続部113と第2の接続部123との間に隙間が形成される。この隙間は、第1の溝本体111と第2の溝本体121によって形成される収容空洞に回転部材22を収容するための調整空間を確保して、締結構成要素10を角度調整構成要素20に取り付ける際の整合性および汎用性を向上させることができる。また、段部位置(第1の段部115および第2の段部125)の性質により、組立後に得られる球面ヒンジ保持力をより向上させることができる。
【0059】
本出願のこの実施形態では、
図5に示されるように、少なくとも1つの第3の貫通孔1141が、第1の移行部114および第2の移行部124の各々に配置されてよく、少なくとも1つの第4の貫通孔1131が、第1の接続部113の、第1の移行部114から離れた一端と、第2の接続部123の、第2の移行部124から離れた一端の各々にさらに配置されてよい。
【0060】
このようにして、第1の締結具11および第2の締結具12は、第1の移行部114の第3の貫通孔1141および第2の移行部124の第3の貫通孔1141に第1のスタッド50(
図11に示される)を貫通させることによって予め締結されてよく、第1の締結具11および第2の締結具12は、第1の接続部113の、第1の移行部114から離れた端部の第4の貫通孔1131および第2の接続部123の、第2の移行部124から離れた端部の第4の貫通孔1131に第2のスタッド60(
図11に示される)を貫通させることによって、予め締結されてもよい。または、第1の締結具11および第2の締結具12は、第1の移行部114の第3の貫通孔1141および第2の移行部124の第3の貫通孔1141に第1のスタッド50を貫通させるとともに、第1の接続部113の、第1の移行部114から離れた端部の第4の貫通孔1131および第2の接続部123の、第2の移行部124から離れた端部の第4の貫通孔1131に第2のスタッド60を貫通させることによって予め締結されてもよい。
【0061】
加えて、製造組立プロセスにおいて、第1のスタッド50および第2のスタッド60の締め付けトルクが制御されて、角度調整構成要素20の回転部材22の回転部221に対する第1の締結具11および第2の締結具12の拘束力を制御し、特定の重量支持条件下で角度調整プロセスにおける連続位置決めを実施してもよい。
【0062】
第1の締結具11を第2の締結具12に取り付ける際の正確な位置決めをさらに確実にするために、少なくとも1つの凸点1142が第1の移行部114および第2の移行部124の一方に配置されてよく、少なくとも1つの凹孔1143が第1の移行部114および第2の移行部124の他方に配置されてよい。凸点1142は、凹孔1143と一対一の対応で、協働するように接続される。
【0063】
本出願のこの実施形態では、凸点1142および凹孔1143の特定の配置方法は、以下の2つの可能な実装形態を含むが、これらに限定されない。
【0064】
可能な実装形態は以下の通りであり、
図3を参照すると、少なくとも1つの凸点1142が第1の移行部114に配置され、少なくとも1つの凹孔1143が第2の移行部124に配置される。
【0065】
別の可能な実装形態は以下の通りであり、少なくとも1つの凸点1142が第2の移行部124に配置され、少なくとも1つの凹孔1143が第1の移行部114に配置される。
【0066】
凸点1142および凹孔1143の具体的な形状および数量は、正確な位置決め効果が実現され得る限り、本出願のこの実施形態では限定されないことに留意されたい。可能な実装形態では、
図3に示されるように、第1の移行部114に2つの凸点1142が存在してもよく、第2の移行部124に2つの凹孔1143が存在してもよく、凸点1142は、凹孔1143と一対一に対応し、協働して接続される。
【0067】
本出願のこの実施形態では、
図6に示されるように、第1の締結具11と第2の締結具12が実際に取り付けられると、凸点1142が凹孔1143に対応して取り付けられ、次いで第1のスタッド50が第1の締結具11の第3の貫通孔1141および第2の締結具12の第3の貫通孔1141を貫通し、これにより第1の締結具11と第2の締結具12の事前取り付けを実施する。
【0068】
確実なことに、いくつかの他の実施形態では、少なくとも1つの凸点1142および少なくとも1つの凹孔1143が第1の移行部114および第2の移行部124の一方に配置されてもよく、少なくとも1つの凹孔1143および少なくとも1つの凸点1142が、第1の移行部114および第2の移行部124の他方に配置されてもよい。第1の移行部114の凸点1142は、第2の移行部124の凹孔1143に協働するように接続され、第1の移行部114の凹孔1143は、第2の移行部124の凸点1142に協働するように接続される。このようにして、少なくとも1つの凸点1142が第1の移行部114および第2の移行部124の一方に配置されてよく、少なくとも1つの凸孔1143が第1の移行部114および第2の移行部124の他方に配置されてよい解決策と比較して、第1の締結具11と第2の締結具12との間の取り付けおよび位置決めの精度をさらに向上させることができる。
【0069】
図7から
図10は、本出願の実施形態による角度調整装置100の回転状態の構造の概略図である。
図7および
図8は、水平回転プロセスにおける角度調整装置100の状態を示す図である。角度調整構成要素20が締結構成要素10に対して水平方向に回転するとき、角度調整構成要素20の回転部材22は、締結構成要素10の第1の締結具11の第1の溝本体111と第2の締結具12の第2の溝本体121とによって形成される収容空洞内に設置される。具体的には、回転部221は、第1の回転溝1111と第2の回転溝1211によって形成される第1の収容空洞内に設置され、連動部222は、第1のシュート1112と第2のシュート1212によって形成される第2の収容空洞内に設置され、第1のシュート1112および第2のシュート1212は、連動部222の移動範囲を制限して、締結構成要素10に対する角度調整構成要素20の水平方向の回転範囲を制限することができる。第1の締結具11が切り離された後、
図7は、締結構成要素10における第2の締結具12に対する角度調整構成要素20の水平方向の回転位置を示し、
図8は、締結構成要素10における第2の締結具12に対する角度調整構成要素20の水平方向の別の回転位置を示す。
【0070】
角度調整構成要素20が締結構成要素10に対して垂直方向に回転するとき、角度調整構成要素20の回転部材22は、締結構成要素10の第1の締結具11の第1の溝本体111と第2の締結具12の第2の溝本体121によって形成される収容空洞内に設置される。具体的には、回転部221は、第1の回転溝1111と第2の回転溝1211によって形成される第1の収容空洞内に設置され、第1の貫通孔2211の内壁は、斜めの円弧面2212を有し、位置決め部材30は、第1の貫通孔2211に設置される。斜めの円弧面2212は、回転部材22が位置決め部材30に対して垂直方向に回転する際に、回転部材22の垂直方向の回転範囲を制限するために使用される。全体の対称軸が設置される平面に沿って締結構成要素10および角度調整構成要素20に垂直な断面を取り、
図9は、締結構成要素10の第1の締結具11および第2の締結具12に対する垂直方向の角度調整構成要素20の回転位置を示し、
図10は、締結構成要素10の第1の締結具11および第2の締結具12に対する垂直方向の角度調整構成要素20の別の回転位置を示す。
【0071】
本出願のこの実施形態では、締結構成要素10および角度調整構成要素20が角度調整を実行するとき、角度調整構成要素20の回転部材22は、締結構成要素10内の第1の締結具11の第1の溝本体111と第2の締結具12の第2の溝本体121によって形成される収容空洞に埋め込まれる。次に、
図11を参照すると、第1のスタッド50および第2のスタッド60は、特定の減衰力を提供するために、事前締結を実行するために最初に使用され、次いで、角度調整構成要素20が回転されて、締結構成要素10に対する角度調整構成要素20の水平方向および垂直方向の回転角度を別々に調整する。角度調整構成要素20が適切な回転角度に調整された後、位置決め部材30を締結構成要素10および角度調整構成要素20に順次貫通させて、角度調整構成要素20に対する角度固定を実行する。位置決め部材30が締め付けられた後、締結構成要素10と角度調整構成要素20との間に完全な拘束ロックが実現される。
【0072】
可能な実装形態では、
図12および
図13に示されるように、水平調整角度目盛り識別子1132が、締結構成要素10の第1の接続部113の外縁が連動部222に近い位置、または締結構成要素10の第2の接続部123の外縁が連動部222に近い位置に配置されてもよい。このようにして、角度調整構成要素20が締結構成要素10に対して水平方向に回転されるとき、水平調整角度目盛り識別子1132は、水平方向の調整角度の大きさを示すために、締結構成要素10に対する水平方向の角度調整構成要素20の回転角度を表示するために使用されてよい。
【0073】
加えて、回転部材22の連動部222が第1の接続部113または第2の接続部123から露出される位置に、垂直調整角度目盛り識別子2221さらに配置されてもよい。このようにして、角度調整構成要素20が締結構成要素10に対して垂直方向に回転するとき、垂直調整角度目盛り識別子2221は、垂直方向の調整角度の大きさを示すために、締結構成要素10に対する垂直方向の角度調整構成要素20の回転角度を表示するために使用されてよい。
【0074】
可能な実装形態では、水平調整角度目盛り識別子1132および垂直調整角度目盛り識別子2221は、レーザまたは印刷などのプロセスを使用して較正されてもよい。
【0075】
水平調整角度目盛り識別子1132は、締結構成要素10の第1の接続部113の外縁が連動部222に近い位置、または締結構成要素10の第2の接続部123の外縁が連動部222に近い位置に配置される。垂直調整角度目盛り識別子2221もまた、回転部材22の連動部222が第1の接続部113または第2の接続部123から露出される位置に配置される。したがって、角度調整プロセスでは、第1の接続部113が連動部222に最も近い位置の目盛り、または第2の接続部123が連動部222に最も近い位置の目盛りに基づいて、水平方向の角度調整位置と垂直方向の角度調整位置が一度に決定され得る。
【0076】
本出願のこの実施形態では、角度調整装置100は、アダプタ構成要素40をさらに含んでもよい。
図14および
図15を参照すると、アダプタ構成要素40は、角度調整構成要素20の締結構成要素10から離れた側に設置されてよく、アダプタ構成要素40は、角度調整構成要素20に着脱可能に接続される。
【0077】
任意選択の実装形態として、アダプタ構成要素40は、ダブテール構造を使用して角度調整構成要素20に接続されてもよい。ダブテール構造を配置することによって、アダプタ構成要素40の角度調整構成要素20への迅速な配置取り付けおよびロックが実現され得る。具体的には、ダブテール構造は、雄ダブテール201および雌ダブテール401を含んでもよい。雄ダブテール201は、アダプタ構成要素40および角度調整構成要素20の一方に配置されてもよく、雌ダブテール401は、アダプタ構成要素40および角度調整構成要素20の他方に配置されてもよい。雄ダブテール201は、雌ダブテール401に協働するように接続される。
【0078】
例えば、本出願のこの実施形態では、(
図16に示されるように)雌ダブテール401はアダプタ構成要素40上に配置され、(
図4に示されるように)雄ダブテール201は角度調整構成要素20上に配置される。実際の取り付けにおいて、アダプタ構成要素40の雌ダブテール401の底部は、角度調整構成要素20の雄ダブテール201の上部から角度調整構成要素20に摺動して取り付けられてもよい。特定の案内動作の下で、迅速な取り付けが実現される。このようにして、雄ダブテール201は、雌ダブテール401と協働して、アダプタ構成要素40と角度調整構成要素20との間の接続を実現する。
【0079】
確実なことに、いくつかの他の実施形態では、本出願のこの実施形態におけるアダプタ構成要素40は、例えばねじ接続、ピン接続、接着接続、またはバックル接続を介して、別の着脱可能な方法で角度調整構成要素20に接続されてもよい。着脱可能な接続の具体的な構造は、本出願のこの実施形態では限定されない。さらに、アダプタ構成要素40は、角度調整構成要素20に着脱可能ではない方法で接続されてもよい。例えば、アダプタ構成要素40の接続端部および角度調整構成要素20の接続端部の両方が金属材料である。この場合、2つの構成要素は溶接方式で接続されてもよい。
【0080】
可能な実装形態では、
図16に示されるように、アダプタ構成要素40はアダプタボード41を含んでもよい。雌ダブテール401は、アダプタボード41の角度調整構成要素20に面する表面上に配置され、ハンドル411、および外部機器に接続されるように構成された取り付けインターフェース412がアダプタボード41上にさらに配置されてもよい。ハンドル411は、アダプタボード41に対するオペレータの保持および持ち上げを容易にすることができ、取り付けインターフェース412は、アダプタボード41と外部機器との間の迅速な取り付け接続を実現するために、外部機器の側面インターフェースに対応している。
【0081】
加えて、本出願のこの実施形態で提供される角度調整装置100は、通信機器だけでなく、屋内または屋外などの他の分野における角度調整取り付けに関連する機器、例えば、一般的なセキュリティ機器またはエネルギー機器にも適用可能であることに留意されたい。
【0082】
本出願の実施形態の説明では、特に指定されたり、限定されない限り、「取り付け」または「接続」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、締結接続であってもよく、中間媒体を使用して実行される間接的な接続であってもよく、2つの要素間の相互接続、または2つの要素間の相互作用関係であってもよいことに留意されたい。当業者にとって、本出願の実施形態における用語の特定の意味は、特定の事例に基づいて理解され得る。
【0083】
本出願の実施形態では、方向または位置関係は、添付の図面に基づいて示された方向または位置関係であり、単に本出願を説明し、説明を簡略化することが意図されているにすぎず、示された装置または要素が特定の方向を有するか、または特定の方向に形成される、および操作されるべきであることを示すまたは暗示することを意図するものではなく、したがって、本出願に対する限定として理解されるべきではない。本出願の実施形態の説明において、「複数の」は、特に正確に指定されない限り、少なくとも2つを意味する。
【0084】
明細書、特許請求の範囲、および本出願の実施形態の添付図面において、用語「第1」、用語「第2」、用語「第3」、用語「第4」など(記載のある場合)は、同様の物体を区別することを意図するものであり、特定の順序やシーケンスを必ずしも示すものではない。そのように呼ばれるデータは、本明細書に記載される本出願の実施形態が本明細書に例示され、または記載される順序以外の順序でも実施されることができるように、しかるべき状況において相互に交換可能であることが理解されるべきである。さらに、「含む」、「有する」などの用語、およびそれらの任意の変形は、非排他的な包含を網羅することが意図されており、例えば、一連のステップまたはユニットを含むプロセス、方法、システム、製品、または機器は、必ずしもそれらの明確に列挙されたステップまたはユニットに限定されず、そのようなプロセス、方法、製品、または機器に明確に列挙されていない、または固有のものではない他のステップまたはユニットを含む場合がある。
【0085】
最後に、前述の実施形態は、本出願の実施形態を限定するのではなく、本出願の実施形態の技術的解決策を説明するためのものにすぎないことに留意されたい。本出願は、前述の実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者は、自分たちが、本発明の実施形態の技術的解決策の範囲から逸脱することなく、前述の実施形態で説明された技術的解決策をさらに修正し得る、またはその技術的特徴の一部もしくは全部の同等の置き換えを行い得ることを理解するはずである。
【符号の説明】
【0086】
100 角度調整装置
10 締結構成要素
11 第1の締結具
111 第1の溝本体
1111 第1の回転溝
1112 第1のシュート
1113 第2の貫通孔
112 第1の締結部
1121 第1の取り付け孔
1122 凹部
1123 歯付き構造
113 第1の接続部
1131 第4の貫通孔
1132 水平調整角度目盛り識別子
114 第1の移行部
1141 第3の貫通孔
1142 凸点
1143 凹孔
115 第1の段部
12 第2の締結具
121 第2の溝本体
1211 第2の回転溝
1212 第2のシュート
122 第2の締結部
1221 第2の取り付け孔
123 第2の接続部
124 第2の移行部
125 第2の段部
20 角度調整構成要素
21 支持部材
211 支持プレート
212 リングアーム
22 回転部材
221 回転部
2211 第1の貫通孔
2212 斜めの円弧面
222 連動部
2221 垂直調整角度目盛り識別子
201 雄ダブテール
30 位置決め部材
40 アダプタ構成要素
41 アダプタボード
411 ハンドル
412 取り付けインターフェース
401 雌ダブテール
50 第1のスタッド
60 第2のスタッド