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  • 特許-制御装置、端末装置及び情報処理方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】制御装置、端末装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/50 20200101AFI20240730BHJP
   A61M 15/06 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
A24F40/50
A61M15/06 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023510106
(86)(22)【出願日】2021-04-01
(86)【国際出願番号】 JP2021014109
(87)【国際公開番号】W WO2022208835
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100198845
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 善喬
(72)【発明者】
【氏名】芹田 和俊
(72)【発明者】
【氏名】菅野 有香
(72)【発明者】
【氏名】千住 雅俊
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-68739(JP,A)
【文献】特表2018-536388(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00~47/00
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引装置がユーザに吸引されるエアロゾルを生成するために使用した基材である第1の基材を示す情報と、前記第1の基材に対応する前記ユーザの生体情報と、に基づいて、前記ユーザに適した前記基材である第2の基材を選択する選択処理部、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記選択処理部は、前記第1の基材に対応する前記生体情報に基づいて前記ユーザの状態を推定し、推定した前記ユーザの状態に基づいて前記第2の基材を選択する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1の基材に対応する前記生体情報は、前記吸引装置が前記第1の基材を使用してエアロゾルを生成した際に検出された前記生体情報を含む、
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第1の基材に対応する前記生体情報は、前記吸引装置が前記第1の基材を使用してエアロゾルを生成する前及び生成した後に検出された前記生体情報を含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1の基材に対応する前記生体情報は、前記吸引装置がエアロゾルを生成する処理を実行したことをトリガとして収集される、
請求項1~4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記選択処理部は、前記吸引装置がエアロゾルを生成する処理を実行したことをトリガとして、前記第2の基材を選択する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記選択処理部は、前記第1の基材を示す情報と、前記第1の基材に対応する前記生体情報又は前記第1の基材に対応する前記生体情報に基づいて推定した前記ユーザの状態の少なくともいずれか1つとの組み合わせを含む、前記第2の基材を選択するために使用される情報を記憶部に記憶する処理を制御する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記選択処理部は、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、前記第2の基材を選択する、
請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記選択処理部は、前記記憶部に情報が記憶済みでない前記基材を、前記第2の基材として選択する、
請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記選択処理部は、前記記憶部に情報が記憶済みである前記基材を、前記第2の基材として選択する、
請求項8に記載の制御装置。
【請求項11】
前記選択処理部は、前記吸引装置がエアロゾルを生成するために従った動作設定にさらに基づいて、前記第2の基材を選択する、
請求項1~10のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項12】
前記選択処理部は、前記ユーザから入力された情報にさらに基づいて、前記第2の基材を選択する、
請求項1~11のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項13】
前記ユーザから入力された情報は、前記ユーザが吸引した前記エアロゾルに対する評価である、
請求項12に記載の制御装置。
【請求項14】
前記ユーザから入力された情報は、前記吸引装置、前記ユーザに携帯される装置、又は前記ユーザに装着される装置の少なくともいずれか1つに入力された情報である、
請求項12又は13に記載の制御装置。
【請求項15】
前記選択処理部は、前記第2の基材を示す情報を送信する、
請求項1~14のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項16】
前記生体情報は、心拍、脈拍、血圧、血中酸素飽和度、血液量変化、血流、呼吸、又は唾液成分の少なくともいずれか1つを含む、
請求項1~15のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項17】
前記生体情報は、前記吸引装置、前記ユーザに携帯される装置、又は前記ユーザに装着される装置の少なくともいずれか1つにより検出される、
請求項1~16のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項18】
前記第2の基材を示す情報は、前記吸引装置、前記ユーザに携帯される装置、又は前記ユーザに装着される装置の少なくともいずれか1つにより出力される、
請求項1~17のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項19】
吸引装置がユーザに吸引されるエアロゾルを生成するために使用した基材である第1の基材を示す情報と、前記第1の基材に対応する前記ユーザの生体情報と、を送信し、前記第1の基材を示す情報と前記第1の基材に対応する前記生体情報とに基づいて選択された、前記ユーザに適した前記基材である第2の基材を示す情報を受信して出力する処理を制御する制御部、
を備える端末装置。
【請求項20】
吸引装置がユーザに吸引されるエアロゾルを生成するために使用した基材である第1の基材を示す情報と、前記第1の基材に対応する前記ユーザの生体情報と、に基づいて、前記ユーザに適した前記基材である第2の基材を選択すること、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、端末装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ及びネブライザ等の、ユーザに吸引される物質を生成する吸引装置が広く普及している。例えば、吸引装置は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル源、及び生成されたエアロゾルに香味成分を付与するための香味源等を含む基材を用いて、香味成分が付与されたエアロゾルを生成する。ユーザは、吸引装置により生成された、香味成分が付与されたエアロゾルを吸引することで、香味を味わうことができる。ユーザがエアロゾルを吸引する動作を、以下ではパフ又はパフ動作とも称する。
【0003】
近年では、生体情報を検出するセンサを吸引装置に搭載することが検討されている。例えば、下記特許文献1では、生体情報を検出するセンサを吸引装置に搭載して、検出された生体情報をユーザに提供する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2019/175810号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、生体情報が単にユーザに提供されても、ユーザのパフ体験の質を向上させることは困難である。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、生体情報を用いてユーザのパフ体験の質を向上させることが可能な仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、吸引装置がユーザに吸引されるエアロゾルを生成するために使用した基材である第1の基材を示す情報と、前記第1の基材に対応する前記ユーザの生体情報と、に基づいて、前記ユーザに適した前記基材である第2の基材を選択する選択処理部、を備える制御装置が提供される。
【0008】
前記選択処理部は、前記第1の基材に対応する前記生体情報に基づいて前記ユーザの状態を推定し、推定した前記ユーザの状態に基づいて前記第2の基材を選択してもよい。
【0009】
前記第1の基材に対応する前記生体情報は、前記吸引装置が前記第1の基材を使用してエアロゾルを生成した際に検出された前記生体情報を含んでいてもよい。
【0010】
前記第1の基材に対応する前記生体情報は、前記吸引装置が前記第1の基材を使用してエアロゾルを生成する前及び生成した後に検出された前記生体情報を含んでいてもよい。
【0011】
前記第1の基材に対応する前記生体情報は、前記吸引装置がエアロゾルを生成する処理を実行したことをトリガとして収集されてもよい。
【0012】
前記選択処理部は、前記吸引装置がエアロゾルを生成する処理を実行したことをトリガとして、前記第2の基材を選択してもよい。
【0013】
前記選択処理部は、前記第1の基材を示す情報と、前記第1の基材に対応する前記生体情報又は前記第1の基材に対応する前記生体情報に基づいて推定した前記ユーザの状態の少なくともいずれか1つとの組み合わせを含む、前記第2の基材を選択するために使用される情報を記憶部に記憶する処理を制御してもよい。
【0014】
前記選択処理部は、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、前記第2の基材を選択してもよい。
【0015】
前記選択処理部は、前記記憶部に情報が記憶済みでない前記基材を、前記第2の基材として選択してもよい。
【0016】
前記選択処理部は、前記記憶部に情報が記憶済みである前記基材を、前記第2の基材として選択してもよい。
【0017】
前記選択処理部は、前記吸引装置がエアロゾルを生成するために従った動作設定にさらに基づいて、前記第2の基材を選択してもよい。
【0018】
前記選択処理部は、前記ユーザから入力された情報にさらに基づいて、前記第2の基材を選択してもよい。
【0019】
前記ユーザから入力された情報は、前記ユーザが吸引した前記エアロゾルに対する評価であってもよい。
【0020】
前記ユーザから入力された情報は、前記吸引装置、前記ユーザに携帯される装置、又は前記ユーザに装着される装置の少なくともいずれか1つに入力された情報であってもよい。
【0021】
前記選択処理部は、前記第2の基材を示す情報を送信してもよい。
【0022】
前記生体情報は、心拍、脈拍、血圧、血中酸素飽和度、血液量変化、血流、呼吸、又は唾液成分の少なくともいずれか1つを含んでいてもよい。
【0023】
前記生体情報は、前記吸引装置、前記ユーザに携帯される装置、又は前記ユーザに装着される装置の少なくともいずれか1つにより検出されてもよい。
【0024】
前記第2の基材を示す情報は、前記吸引装置、前記ユーザに携帯される装置、又は前記ユーザに装着される装置の少なくともいずれか1つにより出力されてもよい。
【0025】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、吸引装置がユーザに吸引されるエアロゾルを生成するために使用した基材である第1の基材を示す情報と、前記第1の基材に対応する前記ユーザの生体情報と、を送信し、前記第1の基材を示す情報と前記第1の基材に対応する前記生体情報とに基づいて選択された、前記ユーザに適した前記基材である第2の基材を示す情報を受信して出力する処理を制御する制御部、を備える端末装置が提供される。
【0026】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、吸引装置がユーザに吸引されるエアロゾルを生成するために使用した基材である第1の基材を示す情報と、前記第1の基材に対応する前記ユーザの生体情報と、に基づいて、前記ユーザに適した前記基材である第2の基材を選択すること、を含む情報処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明によれば、生体情報を用いてユーザのパフ体験の質を向上させることが可能な仕組みが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】吸引装置の第1の構成例を模式的に示す模式図である。
図2】吸引装置の第2の構成例を模式的に示す模式図である。
図3】本実施形態に係るシステムの構成の一例を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係るシステムにより実行される基材の推薦処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0030】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合がある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素を、必要に応じて吸引装置100A、及び100Bのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、吸引装置100A及び100Bを特に区別する必要が無い場合には、単に吸引装置100と称する。
【0031】
<1.吸引装置の構成例>
吸引装置は、ユーザにより吸引される物質を生成する装置である。以下では、吸引装置により生成される物質が、エアロゾルであるものとして説明する。他に、吸引装置により生成される物質は、気体であってもよい。
【0032】
(1)第1の構成例
図1は、吸引装置の第1の構成例を模式的に示す模式図である。図1に示すように、本構成例に係る吸引装置100Aは、電源ユニット110、カートリッジ120、及び香味付与カートリッジ130を含む。電源ユニット110は、電源部111A、センサ部112A、通知部113A、記憶部114A、通信部115A、及び制御部116Aを含む。カートリッジ120は、加熱部121A、液誘導部122、及び液貯蔵部123を含む。香味付与カートリッジ130は、香味源131、及びマウスピース124を含む。カートリッジ120及び香味付与カートリッジ130には、空気流路180が形成される。
【0033】
電源部111Aは、電力を蓄積する。そして、電源部111Aは、制御部116Aによる制御に基づいて、吸引装置100Aの各構成要素に電力を供給する。電源部111Aは、例えば、リチウムイオン二次電池等の充電式バッテリにより構成され得る。
【0034】
センサ部112Aは、吸引装置100Aに関する各種情報を取得する。一例として、センサ部112Aは、コンデンサマイクロホン等の圧力センサ、流量センサ又は温度センサ等により構成され、ユーザによる吸引に伴う値を取得する。他の一例として、センサ部112Aは、ボタン又はスイッチ等の、ユーザからの情報の入力を受け付ける入力装置により構成される。
【0035】
通知部113Aは、情報をユーザに通知する。通知部113Aは、例えば、発光する発光装置、画像を表示する表示装置、音を出力する音出力装置、又は振動する振動装置等により構成される。
【0036】
記憶部114Aは、吸引装置100Aの動作のための各種情報を記憶する。記憶部114Aは、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0037】
通信部115Aは、有線又は無線の任意の通信規格に準拠した通信を行うことが可能な通信インタフェースである。かかる通信規格としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等が採用され得る。
【0038】
制御部116Aは、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って吸引装置100A内の動作全般を制御する。制御部116Aは、例えばCPU(Central Processing Unit)、及びマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。
【0039】
液貯蔵部123は、エアロゾル源を貯蔵する。エアロゾル源が霧化されることで、エアロゾルが生成される。エアロゾル源は、例えば、グリセリン及びプロピレングリコール等の多価アルコール、並びに水等の液体である。エアロゾル源は、たばこ由来又は非たばこ由来の香味成分を含んでいてもよい。吸引装置100Aがネブライザ等の医療用吸入器である場合、エアロゾル源は、薬剤を含んでもよい。
【0040】
液誘導部122は、液貯蔵部123に貯蔵された液体であるエアロゾル源を、液貯蔵部123から誘導し、保持する。液誘導部122は、例えば、ガラス繊維等の繊維素材又は多孔質状のセラミック等の多孔質状素材を撚って形成されるウィックである。その場合、液貯蔵部123に貯蔵されたエアロゾル源は、ウィックの毛細管効果により誘導される。
【0041】
加熱部121Aは、エアロゾル源を加熱することで、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する。図1に示した例では、加熱部121Aは、コイルとして構成され、液誘導部122に巻き付けられる。加熱部121Aが発熱すると、液誘導部122に保持されたエアロゾル源が加熱されて霧化され、エアロゾルが生成される。加熱部121Aは、電源部111Aから給電されると発熱する。一例として、ユーザが吸引を開始したこと、及び/又は所定の情報が入力されたことが、センサ部112Aにより検出された場合に、給電されてもよい。そして、ユーザが吸引を終了したこと、及び/又は所定の情報が入力されたことが、センサ部112Aにより検出された場合に、給電が停止されてもよい。
【0042】
香味源131は、エアロゾルに香味成分を付与するための構成要素である。香味源131は、たばこ由来又は非たばこ由来の香味成分を含んでいてもよい。
【0043】
空気流路180は、ユーザに吸引される空気の流路である。空気流路180は、空気流路180内への空気の入り口である空気流入孔181と、空気流路180からの空気の出口である空気流出孔182と、を両端とする管状構造を有する。空気流路180の途中には、上流側(空気流入孔181に近い側)に液誘導部122が配置され、下流側(空気流出孔182に近い側)に香味源131が配置される。ユーザによる吸引に伴い空気流入孔181から流入した空気は、加熱部121Aにより生成されたエアロゾルと混合され、矢印190に示すように、香味源131を通過して空気流出孔182へ輸送される。エアロゾルと空気との混合流体が香味源131を通過する際には、香味源131に含まれる香味成分がエアロゾルに付与される。
【0044】
マウスピース124は、吸引の際にユーザに咥えられる部材である。マウスピース124には、空気流出孔182が配置される。ユーザは、マウスピース124を咥えて吸引することで、エアロゾルと空気との混合流体を口腔内へ取り込むことができる。
【0045】
以上、吸引装置100Aの構成例を説明した。もちろん吸引装置100Aの構成は上記に限定されず、以下に例示する多様な構成をとり得る。
【0046】
一例として、吸引装置100Aは、香味付与カートリッジ130を含んでいなくてもよい。その場合、カートリッジ120にマウスピース124が設けられる。
【0047】
他の一例として、吸引装置100Aは、複数種類のエアロゾル源を含んでいてもよい。複数種類のエアロゾル源から生成された複数種類のエアロゾルが空気流路180内で混合され化学反応を起こすことで、さらに他の種類のエアロゾルが生成されてもよい。
【0048】
また、エアロゾル源を霧化する手段は、加熱部121Aによる加熱に限定されない。例えば、エアロゾル源を霧化する手段は、振動霧化、又は誘導加熱であってもよい。
【0049】
(2)第2の構成例
図2は、吸引装置の第2の構成例を模式的に示す模式図である。図2に示すように、本構成例に係る吸引装置100Bは、電源部111B、センサ部112B、通知部113B、記憶部114B、通信部115B、制御部116B、加熱部121B、保持部140、及び断熱部144を含む。
【0050】
電源部111B、センサ部112B、通知部113B、記憶部114B、通信部115B、及び制御部116Bの各々は、第1の構成例に係る吸引装置100Aに含まれる対応する構成要素と実質的に同一である。
【0051】
保持部140は、内部空間141を有し、内部空間141にスティック型基材150の一部を収容しながらスティック型基材150を保持する。保持部140は、内部空間141を外部に連通する開口142を有し、開口142から内部空間141に挿入されたスティック型基材150を保持する。例えば、保持部140は、開口142及び底部143を底面とする筒状体であり、柱状の内部空間141を画定する。保持部140は、スティック型基材150へ供給される空気の流路を画定する機能も有する。かかる流路への空気の入り口である空気流入孔は、例えば底部143に配置される。他方、かかる流路からの空気の出口である空気流出孔は、開口142である。
【0052】
スティック型基材150は、基材部151、及び吸口部152を含む。基材部151は、エアロゾル源を含む。なお、本構成例において、エアロゾル源は液体に限られるものではなく、固体であってもよい。スティック型基材150が保持部140に保持された状態において、基材部151の少なくとも一部は内部空間141に収容され、吸口部152の少なくとも一部は開口142から突出する。そして、開口142から突出した吸口部152をユーザが咥えて吸引すると、図示しない空気流入孔から内部空間141に空気が流入し、基材部151から発生するエアロゾルと共にユーザの口内に到達する。
【0053】
加熱部121Bは、第1の構成例に係る加熱部121Aと同様の構成を有する。ただし、図2に示した例では、加熱部121Bは、フィルム状に構成され、保持部140の外周を覆うように配置される。そして、加熱部121Bが発熱すると、スティック型基材150の基材部151が外周から加熱され、エアロゾルが生成される。
【0054】
断熱部144は、加熱部121Bから他の構成要素への伝熱を防止する。例えば、断熱部144は、真空断熱材、又はエアロゲル断熱材等により構成される。
【0055】
以上、吸引装置100Bの構成例を説明した。もちろん吸引装置100Bの構成は上記に限定されず、以下に例示する多様な構成をとり得る。
【0056】
一例として、加熱部121Bは、ブレード状に構成され、保持部140の底部143から内部空間141に突出するように配置されてもよい。その場合、ブレード状の加熱部121Bは、スティック型基材150の基材部151に挿入され、スティック型基材150の基材部151を内部から加熱する。他の一例として、加熱部121Bは、保持部140の底部143を覆うように配置されてもよい。また、加熱部121Bは、保持部140の外周を覆う第1の加熱部、ブレード状の第2の加熱部、及び保持部140の底部143を覆う第3の加熱部のうち、2以上の組み合わせとして構成されてもよい。
【0057】
他の一例として、保持部140は、内部空間141を形成する外殻の一部を開閉する、ヒンジ等の開閉機構を含んでいてもよい。そして、保持部140は、外殻を開閉することで、内部空間141に挿入されたスティック型基材150を挟持してもよい。その場合、加熱部121Bは、保持部140における当該挟持箇所に設けられ、スティック型基材150を押圧しながら加熱してもよい。
【0058】
また、エアロゾル源を霧化する手段は、加熱部121Bによる加熱に限定されない。例えば、エアロゾル源を霧化する手段は、誘導加熱であってもよい。
【0059】
また、吸引装置100Bは、第1の構成例に係る加熱部121A、液誘導部122、液貯蔵部123、及び空気流路180をさらに含んでいてもよく、空気流路180の空気流出孔182が内部空間141への空気流入孔を兼ねていてもよい。この場合、加熱部121Aにより生成されたエアロゾルと空気との混合流体は、内部空間141に流入して加熱部121Bにより生成されたエアロゾルとさらに混合され、ユーザの口腔内に到達する。
【0060】
<2.技術的特徴>
<2.1.システム構成>
図3は、本実施形態に係るシステム1の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態に係るシステム1は、吸引装置100、ウェアラブル端末200、携帯端末300、及びサーバ400を含む。なお、図3では、本実施形態に特に関連する構成要素のみが図示されており、その余の構成要素については省略されている。例えば、これら各装置は、他の装置と通信する通信部、情報の入力を受け付ける入力部、情報を出力する出力部、及び装置全体の処理を制御する制御部等を備えるが、図示が省略されている場合がある。すなわち、これら各装置は、通信インタフェース、入力装置、出力装置、及びCPU等の電子回路を含み得る。
【0061】
(1)吸引装置100の構成
吸引装置100は、上記説明した第1の構成例、又は第2の構成例のうち任意の構成例を取り得る。本実施形態に係る吸引装置100は、基材を使用してユーザに吸引されるエアロゾルを生成する。加熱部121は、エアロゾルを生成する生成部の一例である。第1の構成例におけるカートリッジ120及び香味付与カートリッジ130、並びに第2の構成例におけるスティック型基材150は、本発明における基材の一例である。吸引装置100は、吸引装置100に装着又は挿入された基材を使用してエアロゾルを生成する。第1の構成例において、電源ユニット110に接続されたカートリッジ120及び香味付与カートリッジ130は、吸引装置100に装着された基材の一例である。第2の構成例において、吸引装置100に挿入されたスティック型基材150は、吸引装置100に挿入された基材の一例である。
【0062】
吸引装置100は、動作設定に従ってユーザに吸引されるエアロゾルを生成する。吸引装置100が、吸引装置100に含有されたエアロゾル源を加熱することでエアロゾルを生成する場合、動作設定は、エアロゾル源を加熱する温度に関する設定である。
【0063】
第1の構成例において、動作設定は、加熱部121が到達するべき温度を示す目標温度と、加熱部121による加熱を継続する時間長を示す加熱時間との組み合わせを含んでいてもよい。その場合、吸引装置100は、パフが1回行われる度に、加熱時間において加熱部121の温度が目標温度に達するよう、加熱部121による加熱を行う。
【0064】
第2の構成例において、動作設定は、加熱部121が到達するべき温度を示す目標温度の時系列推移を含んでいてもよい。その場合、吸引装置100は、加熱を開始してからの加熱部121の温度の時系列推移が目標温度の時系列推移と同様になるよう、加熱部121による加熱を行う。
【0065】
(2)ウェアラブル端末200
ウェアラブル端末200は、ユーザに装着される装置である。ウェアラブル端末200は、腕時計型、首掛け型、又は口腔内装着型等の任意の形態をとり得る。図3に示すように、ウェアラブル端末200は、生体情報検出部210及び生体情報管理部220を含む。
【0066】
生体情報検出部210は、ウェアラブル端末200を装着したユーザの生体情報を検出する機能を有する。生体情報は、心拍、脈拍、血圧、血中酸素飽和度、血液量変化、血流、呼吸、又は唾液成分の少なくともいずれか1つを含む。生体情報検出部210は、これらの生体情報を検出するための種々のセンサを含む。
【0067】
生体情報管理部220は、生体情報検出部210の動作、及び生体情報検出部210により検出された生体情報を管理する機能を有する。例えば、生体情報管理部220は、定期的に生体情報を検出するよう生体情報検出部210を制御する。そして、生体情報管理部220は、検出した生体情報検出部210を検出時刻に対応付けて記憶する。その後、生体情報管理部220は、他の装置からのリクエストに応じて、記憶した生体情報を送信する。
【0068】
(3)携帯端末300
携帯端末300は、ユーザに携帯される装置である。携帯端末300は、スマートフォン又はタブレット端末等、任意の形態をとり得る。携帯端末300は、本実施形態における端末装置の一例である。図3に示すように、携帯端末300は、制御部310、入力部320、及び出力部330を含む。
【0069】
制御部310は、ユーザに適した基材を推薦するための一連の処理を制御する装置である。例えば、制御部310は、基材を推薦するために使用される情報を収集して、選択処理部410に送信する。そして、制御部310は、選択処理部410から受信した情報に基づいて、選択処理部410により選択された基材をユーザに推薦する処理(例えば、選択された基材を示す情報を出力部330により出力する処理)を制御する。
【0070】
入力部320は、ユーザからの情報の入力を受け付ける機能を有する。入力部320は、タッチパネル、ボタン、及びマイク等の各種入力装置により構成される。
【0071】
出力部330は、ユーザに対し情報を出力する機能を有する。出力部330は、ディスプレイ、及びスピーカ等の各種出力装置により構成される。
【0072】
(4)サーバ400
サーバ400は、ユーザに推薦する基材を選択するための処理を実行する機能を有する。サーバ400は、例えば吸引装置100又は基材を製造又は販売する等、関連する業務を行う企業により運用される。サーバ400は、本実施形態における制御装置の一例である。図3に示すように、サーバ400は、選択処理部410及び記憶部420を含む。選択処理部410は、ユーザに推薦する基材を選択する機能を有する。記憶部420は、選択処理部410がユーザに推薦する基材を選択する際に参照する情報を記憶する機能を有する。
【0073】
<2.2.生体情報に基づく基材の推薦>
選択処理部410は、吸引装置100がユーザに吸引されるエアロゾルを生成するために使用した基材である第1の基材を示す情報と、前記第1の基材に対応するユーザの生体情報と、に基づいて、ユーザに適した基材である第2の基材を選択する。基材を示す情報の一例は、基材の種類(例えば、銘柄)を示す情報である。基材の種類を示す情報は、例えば、吸引装置100に基材が装着又は挿入された際に、センサ部112により検出され得る。一例として、基材の表面に付された識別情報を画像認識することにより、基材の種類が検出されてもよい。他の一例として、基材に通電した際の抵抗値に基づいて、基材の種類が検出されてもよい。基材を示す情報を、以下では銘柄情報とも称する。第1の基材に対応する生体情報とは、吸引装置100が第1の基材を使用して生成したエアロゾルをユーザが吸引した際に検出された生体情報である。なお、ここでのエアロゾルをユーザが吸引した際とは、ユーザがエアロゾルを吸引する前、吸引している間及び吸引した後等の、時間的な幅を持つ概念である。かかる構成によれば、ユーザがエアロゾルを吸引した際に生体情報が受ける影響に基づいて、ユーザの体に適する第2の基材を推薦することが可能となる。ユーザはユーザ自身の生体情報の変化を自覚しにくい場合があることを考慮すれば、かかる構成により、パフ体験の質を大幅に向上させることが可能となる。
【0074】
選択処理部410は、第1の基材に対応する生体情報に基づいてユーザの状態を推定し、推定したユーザの状態に基づいて第2の基材を選択してもよい。一例として、選択処理部410は、生体情報に基づいてユーザのリラックス度合いを推定し、ユーザが強いストレスを受けていると推定した場合にはリラックス効果が高まる基材を第2の基材として選択する。リラックス効果が高まる基材の一例は、柑橘系の香味源を含有する基材である。他の一例として、選択処理部410は、生体情報に基づいてユーザの眠気を推定し、ユーザが強い眠気を感じていると推定した場合には眠気を覚ます効果のある基材を第2の基材として選択する。眠気を覚ます効果のある基材の一例は、メンソールを含有する基材である。かかる構成によれば、ユーザの体調をより良い方向に変化させることが可能となる。
【0075】
第1の基材に対応する生体情報は、吸引装置100がエアロゾルを生成する処理を実行したことをトリガとして収集されてもよい。例えば、制御部310は、吸引装置100がエアロゾルを生成する処理を実行した場合、生体情報管理部220から生体情報を収集して、第1の基材に対応付けて選択処理部410に送信する。かかる構成によれば、生体情報を収集する頻度を必要最小限にすることができるので、各装置にかかる処理負荷を軽減することが可能となる。
【0076】
第1の基材に対応する生体情報は、吸引装置100が第1の基材を使用してエアロゾルを生成した際に検出された生体情報を含んでいてもよい。例えば、制御部310は、吸引装置100がエアロゾルを生成する処理を実行したタイミングにおいて、生体情報検出部210により検出された生体情報を収集して、第1の基材に対応付けて選択処理部410に送信する。なお、吸引装置100がエアロゾルを生成している間に複数回生体情報が検出された場合、制御部310は、検出された複数の生体情報を収集してもよい。また、制御部310は、吸引装置100がエアロゾルを生成する処理を実行したタイミングにおいて、生体情報を検出するようリクエストして、当該タイミングにおける生体情報を検出させ、取得してもよい。かかる構成によれば、吸引したエアロゾルからの影響を反映した生体情報に基づいて、第2の基材を推薦することが可能となる。
【0077】
第1の基材に対応する生体情報は、吸引装置100が第1の基材を使用してエアロゾルを生成する前及び生成した後に検出された生体情報を含んでいてもよい。例えば、制御部310は、エアロゾルの生成が開始される所定時間以上前に検出された生体情報と、エアロゾルの生成が終了してから所定時間以上経過後に検出された生体情報と、を収集して、第1の基材に対応付けて選択処理部410に送信する。この場合、選択処理部410は、これらの生体情報の差に基づいてエアロゾルを吸引する前後でのユーザの状態の変化を推定し、より望ましい状態の変化が見込まれる基材を第2の基材として選択する。かかる構成によれば、エアロゾルを吸引する前後でのユーザの状態の変化に応じた基材を、第2の基材として推薦することが可能となる。
【0078】
選択処理部410は、吸引装置100がエアロゾルを生成する処理を実行したことをトリガとして、第2の基材を選択してもよい。例えば、制御部310は、吸引装置100がエアロゾルを生成する処理実行したことをトリガとして、第1の基材に対応する生体情報を収集し、収集した生体情報と第1の基材を示す情報とを選択処理部410に送信する。そして、選択処理部410は、第1の基材を示す情報と生体情報とを制御部310から受信したことをトリガとして、第2の基材を選択する。かかる構成によれば、ユーザは、パフを行った直後に第2の基材の推薦を受けることが可能となる。
【0079】
選択処理部410は、直近の情報に基づいて第2の基材を選択してもよい。さらに、選択処理部410は、直近の情報と共に、又は代えて、過去の情報に基づいて第2の基材を選択してもよい。かかる点について、以下に説明する。
【0080】
選択処理部410は、第2の基材を選択するために使用される情報を記憶部420に記憶する処理を制御してもよい。即ち、記憶部420は、第2の基材を選択するために使用される情報を記憶してもよい。第2の基材を選択するために使用される情報は、第1の基材を示す情報と、第1の基材に対応する生体情報又は第1の基材に対応する生体情報に基づいて推定したユーザの状態の少なくともいずれか1つと、の組み合わせを含む。かかる構成によれば、記憶部420は、第1の基材を使用して生成されたエアロゾルを吸引した際のユーザの生体情報又はユーザの状態の履歴を、第1の基材に対応付けて蓄積することが可能となる。
【0081】
そして、選択処理部410は、記憶部420に記憶された情報に基づいて、第2の基材を選択してもよい。即ち、選択処理部410は、第1の基材を使用して生成されたエアロゾルを吸引した際のユーザの生体情報又はユーザの状態の履歴を参照して、第2の基材を選択してもよい。ユーザの生体情報及びユーザの状態は、吸引したエアロゾルだけでなく、その前後に行う行動及び場所等の外的要因からも影響を受けると考えられる。この点、かかる構成によれば、過去複数回にわたって収集され蓄積された情報を参照することができるので、外的要因からの影響を均し、より適切な第2の基材を推薦することが可能となる。
【0082】
選択処理部410は、記憶部420に情報(即ち、銘柄情報)が記憶済みでない基材を、第2の基材として選択してもよい。即ち、選択処理部410は、まだユーザが試したことのない基材を、第2の基材として選択してもよい。かかる構成によれば、ユーザは、新たな基材を試すことが可能となる。
【0083】
選択処理部410は、記憶部420に情報(銘柄情報)が記憶済みである基材を、第2の基材として選択してもよい。即ち、選択処理部410は、ユーザが過去に試したことのある基材を、第2の基材として選択してもよい。例えば、選択処理部410は、ユーザが良い状態であったときに使用していた基材を、第2の基材として選択する。かかる構成によれば、ユーザは、過去に試したことある基材の良さを再発見することが可能となる。
【0084】
<2.3.その他の情報に基づく基材の推薦>
-動作設定
選択処理部410は、吸引装置100がユーザに吸引されるエアロゾルを生成するために従った動作設定にさらに基づいて、第2の基材を選択してもよい。例えば、選択処理部410は、吸引装置100が現在使用中の動作設定と同一の動作設定が過去に使用された際に収集された生体情報を参照して、第2の基材を選択する。ユーザの生体情報は、第1の基材の他に、動作設定からも影響も受けると考えられる。この点、かかる構成によれば、動作設定ごとにユーザに適する第2の基材を推薦することが可能となる。
【0085】
記憶部420は、第2の基材を選択するために使用される情報として、吸引装置100がエアロゾルを生成するために従った動作設定を示す情報を記憶してもよい。
【0086】
-ユーザからの入力情報
選択処理部410は、ユーザから入力された情報にさらに基づいて、第2の基材を選択してもよい。一例として、入力部320は、第1の基材を使用して生成されたエアロゾルをユーザが吸引した直後に、ユーザが吸引したエアロゾルに対する評価の入力を受け付けてもよい。例えば、吸い心地が5段階評価で入力される。そして、選択処理部410は、ユーザが吸引したエアロゾルに対する評価に基づいて、第2の基材を選択してもよい。かかる構成によれば、第1の基材に関するユーザからの直接的な評価に基づいて、第2の基材を推薦することが可能となる。
【0087】
記憶部420は、第2の基材を選択するために使用される情報として、ユーザから入力された情報を記憶してもよい。
【0088】
-パフを行った時刻
選択処理部410は、吸引装置100が第1の基材を使用してエアロゾルを生成する処理を実行した時刻、即ちユーザがパフを行った時刻にさらに基づいて、第2の基材を選択してもよい。例えば、選択処理部410は、今回ユーザがパフを行った時刻と同一時間帯にユーザがパフを行った際に収集された生体情報を参照して、第2の基材を選択する。ユーザの生体情報は、第1の基材の他に、パフを行う時間帯からも影響も受けると考えられる。この点、かかる構成によれば、パフを行った時間帯ごとにユーザに適する第2の基材を推薦することが可能となる。
【0089】
記憶部420は、第2の基材を選択するために使用される情報として、吸引装置100が第1の基材を使用してエアロゾルを生成する処理を実行した時刻を記憶してもよい。
【0090】
<2.4.情報出力>
選択処理部410は、第2の基材を示す情報を送信する。例えば、選択処理部410は、第2の基材の銘柄情報を送信する。
【0091】
一例として、選択処理部410は、選択した第2の基材を示す情報を制御部310に送信してもよい。制御部310は、受信した第2の基材を示す情報を出力部330によりユーザに出力させる。かかる構成によれば、ユーザは、第2の基材の推薦を受けることが可能となる。そして、ユーザに対し、推薦された第2の基材への切り替えを動機付けすることが可能となる。
【0092】
出力部330は、第2の基材を示す情報と共に、又は代えて、第1の基材に対応する生体情報、又は第1の基材に対応する生体情報に基づいて推定されたユーザの状態を出力してもよい。かかる構成によれば、ユーザは、第2の基材が推薦された根拠を知ることができる。そのため、ユーザに対し、推薦された第2の基材への切り替えをより強く動機付けすることが可能となる。
【0093】
<2.5.処理の流れ>
図4は、本実施形態に係るシステム1により実行される基材の推薦処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図4に示すように、本シーケンスには、吸引装置100、ウェアラブル端末200、携帯端末300及びサーバ400が関与する。なお、図4では図示していないが、ウェアラブル端末200は、定期的に生体情報を検出しているものとする。
【0094】
まず、吸引装置100は、第1の基材を使用してエアロゾルを生成する処理を実行する(ステップS102)。その前後に、吸引装置100は、エアロゾルを生成する際に使用した第1の基材を識別する。
【0095】
次いで、吸引装置100は、動作報告を携帯端末300に送信する(ステップS104)。動作報告は、例えば、エアロゾルを生成する処理を実行した時刻を示す情報、第1の基材を示す情報、及び第1の基材を使用してエアロゾルを生成する際に従った動作設定を示す情報を含む。吸引装置100は、例えば加熱開始時に動作報告を送信してもよいし、加熱終了後に動作報告を送信してもよい。
【0096】
次に、携帯端末300は、第1の基材に対応する生体情報を送信するよう要求するリクエストを、ウェアラブル端末200に送信する(ステップS106)。生体情報のリクエストは、例えば、エアロゾルを生成する処理を実行した時刻を示す情報を含む。
【0097】
次いで、ウェアラブル端末200は、第1の基材に対応する生体情報を携帯端末300に送信する(ステップS108)。例えば、ウェアラブル端末200は、第1の基材を使用してエアロゾルを生成する処理が実行された時刻の、所定時間以上前から所定時間以上経過後までに検出された生体情報を、携帯端末300に送信する。
【0098】
次に、携帯端末300は、ユーザから吸引したエアロゾルに対する評価の入力を受け付ける(ステップS110)。
【0099】
次いで、携帯端末300は、収集した情報をサーバ400に送信する(ステップS112)。例えば、携帯端末300は、第1の基材を示す情報、第1の基材に対応する生体情報、動作設定を示す情報、ユーザから入力された評価、及び第1の基材を使用してエアロゾルを生成する処理を実行した時刻を示す情報を、サーバ400に送信する。
【0100】
次に、サーバ400は、受信した情報を、第2の基材の選択に使用される情報として記憶する(ステップS114)。そして、サーバ400は、記憶した情報に基づいて、第2の基材を選択する(ステップS116)。例えば、サーバ400は、第1の基材に対応する生体情報に基づいてユーザの状態を推定し、推定したユーザの状態と第1の基材とに基づいて第2の基材を選択する。選択の際には、サーバ400は、動作設定、ユーザから入力された評価、及びエアロゾルを生成する処理を実行した時刻を参照してもよい。
【0101】
次いで、サーバ400は、選択結果を示す情報を、携帯端末300に送信する(ステップS118)。選択結果を示す情報は、例えば、選択した第2の基材を示す情報、第1の基材に対応する生体情報及び第1の基材に対応する生体情報に基づいて推定されたユーザの状態を示す情報を含む。
【0102】
次に、携帯端末300は、第2の基材をユーザに推薦する(ステップS120)。例えば、携帯端末300は、第2の基材を示す情報を表示する。さらに、携帯端末300は、第1の基材に対応する生体情報、又は第1の基材に対応する生体情報に基づいて推定されたユーザの状態を示す情報を、出力してもよい。
【0103】
<3.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0104】
例えば、システム1は、吸引装置100の他に、生体情報検出部210、生体情報管理部220、制御部310、入力部320、出力部330、選択処理部410、及び記憶部420を有していればよい。そして、これらの構成要素がどの装置に搭載されるかは任意である。また、1つの構成要素が複数の装置に搭載されてもよい。
【0105】
一例として、生体情報検出部210及び生体情報管理部220は、吸引装置100、ウェアラブル端末200、又は携帯端末300の少なくともいずれか1つに搭載されてもよい。即ち、生体情報は、吸引装置100、ウェアラブル端末200、又は携帯端末300の少なくともいずれか1つにより検出されてもよい。かかる構成によれば、例えば装置ごとに検出可能な生体情報が異なる場合に、より多くの生体情報に基づいて第2の基材を推薦することが可能となる。
【0106】
他の一例として、入力部320は、吸引装置100、ウェアラブル端末200、又は携帯端末300の少なくともいずれか1つに搭載されてもよい。即ち、選択処理部410は、吸引装置100、ウェアラブル端末200、又は携帯端末300の少なくともいずれか1つに入力された情報に基づいて、第2の基材を選択してもよい。かかる構成によれば、例えば装置ごとに入力可能な情報が異なる場合に、より多くの入力情報に基づいて第2の基材を推薦することが可能となる。
【0107】
他の一例として、出力部330は、吸引装置100、ウェアラブル端末200、又は携帯端末300の少なくともいずれか1つに搭載されてもよい。即ち、吸引装置100、ウェアラブル端末200、又は携帯端末300の少なくともいずれか1つから、第2の基材を示す情報が出力されてもよい。かかる構成によれば、例えばユーザが通知に気づきやすい装置を介して、第2の基材を推薦することが可能となる。
【0108】
他の一例として、システム1は、装置としては少なくとも吸引装置100を有していればよく、その他の装置については特に限定されない。例えば、制御部310、入力部320、及び出力部330がウェアラブル端末200に搭載され、システム1から携帯端末300が省略されてもよい。他にも例えば、選択処理部410及び記憶部420が携帯端末300に搭載され、システム1からサーバ400が省略されてもよい。
【0109】
他の一例として、上記実施形態では、制御部310、入力部320、及び出力部330を有する装置が携帯端末300である例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。制御部310、入力部320、及び出力部330は、ユーザが吸引装置100を使用する際にユーザの身近に存在する装置であればよい。そのような装置の一例として、喫煙所に設けられたデジタルサイネージが挙げられる。この場合、喫煙所でユーザが吸引装置100を用いてパフを行うと、デジタルサイネージを介してユーザに適した第2の基材が推薦される。
【0110】
例えば、上記実施形態では、吸引装置100がエアロゾルを生成する処理を実行したこと、即ちパフが行われたことをトリガとして、第2の基材の推薦が行われる例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。一例として、複数の基材が入った箱単位で基材が販売される場合、1箱分の基材が吸い終わりそうなタイミングであることが使用履歴から判定されたことをトリガとして、第2の基材の推薦が行われてもよい。これにより、次に箱を購入する際には、第2の基材入りの箱を購入するよう動機付けすることが可能となる。他の一例として、ユーザが吸引したエアロゾルに対する評価を入力したことをトリガとして、第2の基材の推薦が行われてもよい。他の一例として、基材の販売店にユーザが近付いたことが位置情報に基づき判定されたことをトリガとして、第2の基材の推薦が行われてもよい。その場合には、店舗で販売されている基材の中から、第2の基材の推薦が行われることが望ましい。
【0111】
例えば、上記実施形態では、選択処理部410が、吸引装置100を使用するユーザに関し収集された情報に基づいて第2の基材を選択する例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、選択処理部410は、吸引装置100を使用するユーザ以外の、他のユーザに関し収集された情報に基づいて、ユーザに推薦する第2の基材を選択してもよい。例えば、選択処理部410は、生体情報の傾向がユーザに似た他のユーザに関し収集された情報に基づいて、ユーザに推薦する第2の基材を選択してもよい。かかる構成によれば、より推薦精度を向上させることが可能となる。
【0112】
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0113】
なお、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記録媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、本明細書において説明した各装置を制御するコンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。上記記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0114】
なお、以下のような構成も本発明の技術的範囲に属する。
(1)
吸引装置がユーザに吸引されるエアロゾルを生成するために使用した基材である第1の基材を示す情報と、前記第1の基材に対応する前記ユーザの生体情報と、に基づいて、前記ユーザに適した前記基材である第2の基材を選択する選択処理部、
を備える制御装置。
(2)
前記選択処理部は、前記第1の基材に対応する前記生体情報に基づいて前記ユーザの状態を推定し、推定した前記ユーザの状態に基づいて前記第2の基材を選択する、
前記(1)に記載の制御装置。
(3)
前記第1の基材に対応する前記生体情報は、前記吸引装置が前記第1の基材を使用してエアロゾルを生成した際に検出された前記生体情報を含む、
前記(1)又は(2)に記載の制御装置。
(4)
前記第1の基材に対応する前記生体情報は、前記吸引装置が前記第1の基材を使用してエアロゾルを生成する前及び生成した後に検出された前記生体情報を含む、
前記(1)~(3)のいずれか一項に記載の制御装置。
(5)
前記第1の基材に対応する前記生体情報は、前記吸引装置がエアロゾルを生成する処理を実行したことをトリガとして収集される、
前記(1)~(4)のいずれか一項に記載の制御装置。
(6)
前記選択処理部は、前記吸引装置がエアロゾルを生成する処理を実行したことをトリガとして、前記第2の基材を選択する、
前記(1)~(5)のいずれか一項に記載の制御装置。
(7)
前記選択処理部は、前記第1の基材を示す情報と、前記第1の基材に対応する前記生体情報又は前記第1の基材に対応する前記生体情報に基づいて推定した前記ユーザの状態の少なくともいずれか1つとの組み合わせを含む、前記第2の基材を選択するために使用される情報を記憶部に記憶する処理を制御する、
前記(1)~(6)のいずれか一項に記載の制御装置。
(8)
前記選択処理部は、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、前記第2の基材を選択する、
前記(7)に記載の制御装置。
(9)
前記選択処理部は、前記記憶部に情報が記憶済みでない前記基材を、前記第2の基材として選択する、
前記(8)に記載の制御装置。
(10)
前記選択処理部は、前記記憶部に情報が記憶済みである前記基材を、前記第2の基材として選択する、
前記(8)に記載の制御装置。
(11)
前記選択処理部は、前記吸引装置がエアロゾルを生成するために従った動作設定にさらに基づいて、前記第2の基材を選択する、
前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の制御装置。
(12)
前記選択処理部は、前記ユーザから入力された情報にさらに基づいて、前記第2の基材を選択する、
前記(1)~(11)のいずれか一項に記載の制御装置。
(13)
前記ユーザから入力された情報は、前記ユーザが吸引した前記エアロゾルに対する評価である、
前記(12)に記載の制御装置。
(14)
前記ユーザから入力された情報は、前記吸引装置、前記ユーザに携帯される装置、又は前記ユーザに装着される装置の少なくともいずれか1つに入力された情報である、
前記(12)又は(13)に記載の制御装置。
(15)
前記選択処理部は、前記第2の基材を示す情報を送信する、
前記(1)~(14)のいずれか一項に記載の制御装置。
(16)
前記生体情報は、心拍、脈拍、血圧、血中酸素飽和度、血液量変化、血流、呼吸、又は唾液成分の少なくともいずれか1つを含む、
前記(1)~(15)のいずれか一項に記載の制御装置。
(17)
前記生体情報は、前記吸引装置、前記ユーザに携帯される装置、又は前記ユーザに装着される装置の少なくともいずれか1つにより検出される、
前記(1)~(16)のいずれか一項に記載の制御装置。
(18)
前記第2の基材を示す情報は、前記吸引装置、前記ユーザに携帯される装置、又は前記ユーザに装着される装置の少なくともいずれか1つにより出力される、
前記(1)~(17)のいずれか一項に記載の制御装置。
(19)
吸引装置がユーザに吸引されるエアロゾルを生成するために使用した基材である第1の基材を示す情報と、前記第1の基材に対応する前記ユーザの生体情報と、を送信し、前記第1の基材を示す情報と前記第1の基材に対応する前記生体情報とに基づいて選択された、前記ユーザに適した前記基材である第2の基材を示す情報を受信して出力する処理を制御する制御部、
を備える端末装置。
(20)
吸引装置がユーザに吸引されるエアロゾルを生成するために使用した基材である第1の基材を示す情報と、前記第1の基材に対応する前記ユーザの生体情報と、に基づいて、前記ユーザに適した前記基材である第2の基材を選択すること、
を含む情報処理方法。
【符号の説明】
【0115】
1 システム
100 吸引装置
111 電源部
112 センサ部
113 通知部
114 記憶部
115 通信部
116 制御部
121 加熱部
140 保持部
141 内部空間
142 開口
143 底部
144 断熱部
150 スティック型基材
151 基材部
152 吸口部
200 ウェアラブル端末
210 生体情報検出部
220 生体情報管理部
300 携帯端末
310 制御部
320 入力部
330 出力部
400 サーバ
410 選択処理部
420 記憶部
図1
図2
図3
図4