(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】ワイヤスレッドインサートの取付工具用の自動取付機および取付方法
(51)【国際特許分類】
B23P 19/06 20060101AFI20240730BHJP
B25B 27/14 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B23P19/06 Z
B25B27/14 C
(21)【出願番号】P 2023510335
(86)(22)【出願日】2021-08-06
(86)【国際出願番号】 EP2021071972
(87)【国際公開番号】W WO2022033967
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2023-04-06
(32)【優先日】2020-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522424142
【氏名又は名称】ベルホフ フェルビンドゥングステクニーク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】スタッカー,ダニエル
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-195642(JP,A)
【文献】特開2001-113473(JP,A)
【文献】特許第4180510(JP,B2)
【文献】特開2011-005634(JP,A)
【文献】国際公開第2012/015018(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/114122(WO,A1)
【文献】スイス国特許発明第00261878(CH,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 19/06
B25B 27/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤスレッドインサート(G)をねじ穴に取り付けるためにワイヤスレッドインサート(G)用の取付工具(W、W’、W’’、W’’’)に接続可能である取付機(1)であって、前記取付機(1)は、以下の特徴:
a.第1の回転方向と第2の回転方向との間で切り替え可能である回転運動を提供する回転駆動ユニット(M)と、
b.前記回転駆動ユニット(M)との回転結合部(20)内の軸方向変位可能な中空円筒状位置決めスピンドル(10)であって、前記回転駆動ユニット(M)から前記軸方向変位可能な中空円筒状位置決めスピンドル(10)への回転運動の伝達中に、前記軸方向変位可能な中空円筒状位置決めスピンドル(10)が前記回転運動とは独立して長手方向に変位可能である、軸方向変位可能な中空円筒状位置決めスピンドル(10)と、
c.第1の作動部材(30)であって、その作用方向が前記軸方向変位可能な中空円筒状位置決めスピンドル(10)の長手方向に平行に配向され、前記軸方向変位可能な中空円筒状位置決めスピンドル(10)が前記第1の作動部材(30)によって軸方向変位可能であるように前記軸方向変位可能な中空円筒状位置決めスピンドル(10)と変位可能に結合される、第1の作動部材(30)と、
d.前記軸方向変位可能な中空円筒状位置決めスピンドル(10)内に配置されかつ概ね無回転で駆動される軸方向変位可能な作動マンドレル(12)と、
e.工具チャック(90)であって、前記ワイヤスレッドインサート(G)用の取付工具(W、W’、W’’、W’’’)は、前記工具チャック(90)を介して前記軸方向変位可能な中空円筒状位置決めスピンドル(10)と接続可能である、工具チャック(90)と、
を備える、取付機(1)。
【請求項2】
前記軸方向変位可能な中空円筒状位置決めスピンドル(10)および前記第1の作動部材(30)は回転可能であり、前記軸方向変位可能な中空円筒状位置決めスピンドル(10)および前記第1の作動部材(30)は、前記軸方向変位可能な中空円筒状位置決めスピンドル(10)および前記第1の作動部材(30)が同時に回転させられるときに、前記軸方向変位可能な中空円筒状位置決めスピンドル(10)が前記第1の作動部材(30)によって直線変位可能であるように、回転分離接続ユニット(40、40’、40’’)を介して互いに接続される、請求項1に記載の取付機(1)。
【請求項3】
前記回転分離接続ユニット(40、40’、40’’)は、前記作動マンドレル(12)を前記軸方向変位可能な中空円筒状位置決めスピンドル(10)内で直線変位可能にする第2の作動部材(50、50’、50’’)を備える、請求項2に記載の取付機(1)。
【請求項4】
前記第1の作動部材(30)および/または前記第2の作動部材(50、50’)は、複動式空気圧シリンダまたはばね復帰付き単動式空気圧シリンダとして構成される、請求項3に記載の取付機(1)。
【請求項5】
前記工具チャック(90)は、前記取付工具(W、W’、W’’、W’’’)の取付スピンドル(E、E’、E’’、E’’’)のためのボールロック(92)またはコレットチャックである、請求項1~4の何れか一項に記載の取付機(1)。
【請求項6】
前記取付機(1)は、取付スピンドル(E、E’、E’’、E’’’)を有する取付工具(W、W’、W’’、W’’’)を備え、前記取付スピンドル(E、E’、E’’、E’’’)の中で調整マンドレル(D、D’、D’’、D’’’)が直線移動可能であり、前記調整マンドレル(D、D’、D’’、D’’’)は、取付ブレード(I、I’、I’’、I’’’)を移動させることができる、請求項1~5の何れか一項に記載の取付機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部材のねじ穴内にワイヤスレッドインサートを自動的に取り付けるために、このねじ穴にワイヤスレッドインサートを取り付けるための取付工具と接続可能な自動取付機に関する。さらに、本発明は、そのような取付工具と組み合わせた自動取付機に関する。さらに、本発明は、自動取付機を用いて部材のねじ穴にワイヤスレッドインサートを取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
部材の受けねじ部を有する穴内に取り付けるための様々なワイヤスレッドインサートが、当該技術分野において知られている。これらのワイヤスレッドインサートは、例えば、US-A-2,363,789(米国特許第2,363,789号公報)、EP-A-0 140 812(欧州特許出願公開第0140812号公報)およびEP-A-0 157 715(欧州特許出願公開第0157715号公報)に記載されている。通常、ワイヤスレッドインサートの円筒螺旋体の外径は、部材の受けねじ部の内径よりもわずかに大きくなるように選択されなければならない。その結果、受けねじ部への取付後のワイヤスレッドインサートの弾性回復により、ワイヤスレッドインサートの堅固な嵌合が実現されることが保証される。
【0003】
ワイヤスレッドインサートの異なる構成が、例えばEP-B1-0 983 445欧州特許第0983445号公報)に記載されている。この一部は、例えば、多数の螺旋状に巻かれた巻線を有する円筒螺旋体から成るワイヤスレッドインサートである。この円筒螺旋体の第1の巻線は、円筒螺旋体内に半径方向に真っ直ぐに突出する取付タングで終端する。好適な取付工具を用いて、この取付タングが把持され、そのことにより、ワイヤスレッドインサートが部材の受けねじ部に取り付けられる、またはねじ込まれる。取付完了後、取付タングは、所定の破断点を用いて第1の螺旋体内で破断することによって除去される。このようにして、連続的にねじ込むことができるワイヤスレッドインサートを有する受けねじ部が実現される。
【0004】
EP 1 428 627 A2(欧州特許出願公開第1428627号公報)およびDE 600 08 330 T2(独国特許第60008330号公報)に記載されているように、破断される取付タングを有するこのようなワイヤスレッドインサートは、自動取付機および関連する取付工具を用いて取り付けられる。上述した2つの自動取付機に構造的な違いはあるが、基本的な構造は、回転駆動ユニット(すなわち、電気エンジン)を使用して、ワイヤスレッドインサート付きの取付スピンドルをねじ穴に送り、ねじ穴にねじ込む。使用されるエンジンの回転は、例えば、ギアドライブによって伝達される。このギアドライブは、DE 600 08 330 T2(独国特許第60008330号公報)に記載されているように、中空円筒状に構成されたマンドレルを回転させる。マンドレルと内ねじを有するスリーブとの間のねじ接続は、エンジンの回転をねじ穴内へのマンドレルの直線的な取付運動に変換する。中空円筒状に構成されたマンドレル内には、空気圧シリンダによって作動されるパンチが配置される。このパンチと組み合わされた空気圧シリンダは、取付完了後にワイヤスレッドインサートに存在する取付タングを破断するためにのみ機能する。タングを破断した後、マンドレルは、ワイヤスレッドインサートの回転取付に従って、ワイヤスレッドインサートが取り付けられた状態でねじ穴から再び回転可能に取り外される。
【0005】
WO 2012/062604(国際公開第2012/062604号公報)は、半径方向にアーチ状に螺旋体内へ突出するドラッグタングを有するワイヤスレッドインサートを記載している。上述したワイヤスレッドインサートとは対照的に、アーチ状に構成されたドラッグタングは、取付完了後に、部材開口部の内ねじ内に折り返される。この再仕上げ可能/折り返し可能なタングは、取付完了後に部材開口部の内ねじ内に残り、その結果、例えば、取付プロセス中に邪魔になる廃棄物が回避される。
【0006】
再仕上げ可能なタングを有するワイヤスレッドインサートを取り付けるための対応する工具は、既に上述されているWO 2012/062604 A1(国際公開第2012/062604号公報)に記載されている。そのような工具の代替構成は、WO 2018/114122(国際公開第2018/114122号公報)に記載されている。これらの取付工具は、ワイヤスレッドインサートが、最初に、中空円筒状に構成された取付スピンドルに向けて回転されるかまたはねじ込まれることを特徴とする。好適な係合肩部および突出部により、取付方向に見て前方に配置された取付ブレードの軸方向前面は、取付工具が再仕上げ可能なタングを把持し、それを回転させることができることを確実にする。アクチュエータは、中空円筒状の取付スピンドルの内側に配置され、具体的には、直線運動によって取付ブレードを移動させる。この取付ブレードは圧縮面を形成し、この圧縮面は、取付タングを部材開口部の受けねじ部に圧縮して再仕上げするために、取付スピンドルから移動される。ドラッグタングの再仕上げが完了した後、アクチュエータ、ひいては圧縮ブレードは、取付スピンドルを回転させてワイヤスレッドインサートから外すことができるように、取付スピンドル内に再び引き込まれる。
【0007】
再仕上げ可能なタングを有するワイヤスレッドインサートを取り付けるためのさらに開発された工具が、WO 2019/141497(国際公開第2019/141497号公報)に記載されている。この取付工具は、回転駆動ユニット(この場合は、電気エンジン)によって駆動される。電気エンジンは、トルクカップリングの助けを借りて、その回転およびトルクを取付スピンドルに伝達する。トルクカップリングは、その構造により、特定のトルク閾値に達すると、中空円筒状の取付スピンドル内に配置されたアクチュエータの直線運動を引き起こす。取付スピンドル内のアクチュエータのこの直線運動(単に機械的に引き起こされる)により、取付ブレードがタングを再仕上げするために移動される、または取付ブレードが取付スピンドル内に引き込まれる。
【0008】
従来技術と比較して、本発明は、最適化されたより効果的な方法で既知の取付プロセスを実行する、ワイヤスレッドインサートの取付工具用および取付工具と組み合わされる自動取付機を提供するという問題を解決する。
【発明の概要】
【0009】
上記の目的は、独立請求項1に記載の自動取付機によって、ならびに独立請求項7に記載の上記自動取付機を用いたワイヤスレッドインサートの取付方法によって解決される。本発明の有利な構成およびさらなる発展形態は、以下の説明、添付図面、ならびに添付の特許請求の範囲から得られる。
【0010】
本発明の自動取付機は、ワイヤスレッドインサートを部材のねじ穴に取り付けるためにワイヤスレッドインサート用の取付工具と接続可能である。この目的を達成するために、本発明の自動取付機は、以下の特徴:第1の回転方向と第2の回転方向との間で切り替え可能な回転運動を提供する回転駆動ユニットと、回転駆動ユニットから位置決めスピンドルへの回転運動の伝達中に、位置決めスピンドルが回転運動とは独立して長手方向に変位可能であるように、回転駆動ユニットとの回転結合部内で軸方向変位可能な中空円筒状位置決めスピンドルと、第1のアクチュエータ(特に軸方向に移動可能なピストンを有する空気圧シリンダ)であって、その作用方向が位置決めスピンドルの長手方向に平行に配向され、位置決めスピンドルがアクチュエータによって軸方向変位可能であるように位置決めスピンドルと変位可能に結合されている第1のアクチュエータと、中空円筒状位置決めスピンドル内に配置され、概ね無回転で駆動または作動可能である、軸方向変位可能な作動マンドレルと、それによってワイヤスレッドインサート用の取付工具が位置決めスピンドルと接続可能である工具チャックとを備える。
【0011】
本発明により、部材のねじ穴にワイヤスレッドインサートを自動的に取り付けるための構造的要件が提供される。したがって、このような自動取付機は、ワイヤスレッドインサートをねじ穴に取り付けるための既知の手動工具と比較して、さらなる自動化をもたらす。本発明の好ましい自動取付機は、異なる構成および/または機能の取付工具と接続可能であるように構成される。したがって、既知の取付工具は、取付タングを有するワイヤスレッドインサートもしくは取付タングを有さないワイヤスレッドインサート、または半径方向内側に突出する湾曲取付タングを有するワイヤスレッドインサートに適合されるので、本発明の自動取付機は、使用されるワイヤスレッドインサート用のそれぞれの種類の取付工具を操作するための基礎を提供する。
【0012】
本発明によれば、自動取付機は、好ましくは回転駆動ユニット(好ましくは、電気エンジンまたはサーボエンジン)の助けを借りて、位置決めスピンドルの回転運動を提供する。位置決めスピンドルのこの回転運動は、取付工具の取付ピンドルに伝達されて、ワイヤスレッドインサートを取付スピンドル上で回転させて、ワイヤスレッドインサートをねじ穴にねじ込み、その後、取り付けられたワイヤスレッドインサートから取付スピンドルを外す。
【0013】
位置決めスピンドル、ひいてはワイヤスレッドインサート付きの位置決めスピンドルの部材内のねじ穴への送り出しを簡略化するために、第1のアクチュエータ(好ましくは、軸方向に移動可能なピストンを有する第1の空気圧シリンダ)が使用される。第1のアクチュエータとしては、電磁アクチュエータ、圧電アクチュエータ、油圧アクチュエータ、および空気圧アクチュエータが好ましい。第1のアクチュエータの機能について、空気圧シリンダの例を用いて説明する。空気圧シリンダの作用は、位置決めスピンドル、ひいては取付スピンドルの軸方向延長部に平行に配向される。さらに、空気圧シリンダは、その軸方向に移動可能なピストンを介して、位置決めスピンドルが空気圧シリンダの作用方向に平行に変位可能または移動可能であるように、自動取付機に組み込まれる。そのことにより、ワイヤスレッドインサートの取付プロセスは、回転駆動ユニットの回転によって実現されるが、第1の空気圧シリンダは、位置決めスピンドルをねじ穴の方向に送り出すこと、ならびに位置決めスピンドルをねじ穴から戻すことに関与する。この場合、回転駆動ユニットは、ワイヤスレッドインサートの取付に関与するだけでなく、軸方向変位のために、すなわち、部材のねじ穴に対する位置決めスピンドルの送り出しおよび取り外しのために、対応する雌ねじ部を回転させなければならないので、上記構成は、ねじ穴への送り出しが例えば位置決めスピンドルと対応する雌ねじ部とのねじ接続を介して実現される既存のシステムと比較して、調整に関する労力を低減する。送り出しと回転取付との機能的分離は、回転駆動ユニットがトルクを位置決めスピンドルに伝達することのみが可能であるという事実によって保証される。トルクは、好ましくは、トルクボールブッシュまたは溝シャフトガイド(その中で、位置決めスピンドルは、形状嵌合接続によって軸方向に移動可能に保持される)の助けを借りて伝達される。
【0014】
位置決めスピンドルの回転駆動ユニットとは反対の側の端部には、工具チャックが設けられており、この工具チャックを介して、ワイヤスレッドインサート用の取付工具が位置決めスピンドルに接続可能である。好ましくは、このような工具チャックは、例えばコレットチャックまたはボールロックなどの異なる形態で構成される。これらの既知の機械的結合構造は、トルクに加えて、位置決めスピンドル構造の軸方向運動も取付工具に伝達するように意図されている。
【0015】
位置決めスピンドルの中空円筒状構造に基づいて、位置決めスピンドル内には作動マンドレルが配置される。この作動マンドレルは、既知の取付工具の異なる機能を実現するために、位置決めスピンドルの長手方向に特定の形で変位可能である。作動マンドレルのこの軸方向変位は、好ましくは、少なくとも内側アクチュエータまたは別の内側可動要素を含む、同様に中空円筒状に構成された取付スピンドルに伝達される。位置決めスピンドル内で無回転駆動される作動マンドレルの軸方向運動により、好ましくは、取付工具の取付ブレードまたはワイヤスレッドインサートのタングを破断するためのマンドレルまたは同様のものがそれぞれ作動または移動される。これに関連して、位置決めスピンドル内で作動マンドレルによって実行される軸方向運動は、回転駆動ユニットによって引き起こされないことが好ましい。好ましい第1の空気圧シリンダ、すなわち第1のアクチュエータも同様であり、第1のアクチュエータは、好ましくは、位置決めスピンドルをその長手方向に送り出しまたは引き戻し方式でのみ移動させるように構成される。
【0016】
上述の工具チャックに関して、取付スピンドルは、好ましくは、工具チャックとしての六角ソケット内に取付工具として受容可能である。このことにより、耐トルク接続が実現される。取付スピンドルの内側の調整マンドレルは、中央ボールロックを介して作動マンドレルに結合する。
【0017】
自動取付機の好ましい構成によれば、回転可能な位置決めスピンドルおよび第1のアクチュエータ(好ましくは、第1の空気圧シリンダのピストン)は、回転分離接続ユニットを介して互いに接続され、そのことにより、位置決めスピンドルは、第1の空気圧シリンダまたは概して第1のアクチュエータによって直線変位可能であり、それと同時に回転駆動ユニットによって回転される。
【0018】
好ましい回転分離接続ユニットは、回転駆動ユニットがそのトルクを伝達することができ、第1の空気圧シリンダがその直線運動を互いに独立して位置決めスピンドルに伝達することができることを保証する。これらの運動は、互いに独立して制御可能かつ実現可能であり、その結果、特に、2つの運動を同時に使用することにより、例えばワイヤスレッドインサートを部材開口部に取り付ける際のサイクル時間を短縮することができる。
【0019】
本発明の好ましい構成によれば、回転分離接続ユニットは、位置決めスピンドルと第1のアクチュエータとの間に第2の(特に、一体化された)アクチュエータを含み、第2のアクチュエータによって、作動マンドレルが位置決めスピンドル内で直線変位可能である。
【0020】
すなわち、本発明によれば、回転駆動ユニットのトルクおよび第1のアクチュエータ(特に、第1の空気圧シリンダ)の直線運動は、好ましくは、位置決めスピンドルに伝達可能であるが、回転分離接続ユニット内に配置された第2のアクチュエータは、位置決めスピンドル内の作動マンドレルのさらなる機能および運動から分離される制御を行う。なぜなら、回転分離接続ユニット内の第2のアクチュエータによって引き起こされる直線運動が、回転駆動ユニットの回転運動および第1の空気圧シリンダの直線運動とは無関係に制御可能かつ実行可能であるからである。その結果、効果的な方法で互いに組み合わせる、および/または重複させることができるのは、駆動ユニットの回転運動と第1の空気圧シリンダの直線運動だけではない。つまり、さらに作動マンドレルの直線運動が制御されて、駆動ユニットの回転運動および/または第1の空気圧シリンダの直線変位運動と少なくとも部分的に並行して中空円筒状位置決めスピンドル内で行われ得ることも好ましい。
【0021】
本発明の異なる好ましい実施形態によれば、第2のアクチュエータは、電磁アクチュエータまたは圧電アクチュエータまたは空気圧アクチュエータである。
【0022】
本発明によれば、回転分離接続ユニットが、第1の空気圧シリンダのピストンと回転可能に使用される位置決めスピンドルとの間の回転分離接続部の他に取付空間を形成し、取付空間が異なる機能部材と共に使用可能であることが好ましい。しかしながら、これらの機能部材にとって重要なことは、機能部材が、生成された運動によって位置決めスピンドル内の作動マンドレルの軸方向位置を変更することができることである。
【0023】
好ましい構成によれば、電磁アクチュエータまたは圧電アクチュエータが接続ユニットの取付空間内に組み込まれる。電磁アクチュエータまたは圧電アクチュエータは、既知の方法で電気的に制御され、送られた電気信号に基づいて長さを変化させ得る。この長さの変化は、位置決めスピンドル内の作動マンドレルに直接または間接的に伝達され、その結果、作動マンドレルは、アクチュエータの運動により位置決めスピンドルの内側チャネル内でその軸方向位置を変化させる。したがって、それは、好ましくは、作動マンドレルが取付方向に移動されるように、圧電または電磁アクチュエータの運動を引き起こす電気信号である。この運動は、好ましくは、ワイヤスレッドインサートの取付タングを破断するために、または取付工具内の取付ブレードを移動させて、ワイヤスレッドインサートの再仕上げ可能なタング/折り返し可能なタングの再仕上げ/折り返しを準備するために、取付工具に伝達される。同様に、電気信号は、アクチュエータの短縮または作動マンドレルの軸方向移動、ひいては取付工具内の好ましいマンドレルの軸方向運動を引き起こし、その結果、マンドレルは取付スピンドル内に引き戻される。
【0024】
本発明のさらなる好ましい構成によれば、回転分離接続ユニット内に存在する取付空間は、第2のアクチュエータ(好ましくは、第2の空気圧シリンダ)を提供するためのピストンが移動可能に配置される空気圧シリンダとして実装される。このことは、独自のバルブ技術を有する第1の空気圧シリンダに利用可能な空気源が、回転分離接続ユニット内に配置された第2の空気圧シリンダを動作させるためにも使用され得る可能性をもたらす。さらに、第2の空気圧シリンダの利点は、回転分離接続ユニットへの給電が不要であることである。第2の空気圧シリンダは、ワイヤスレッドインサートの取付方向または取付方向とは反対方向の軸方向運動が特に制御可能であるように、好適な空気圧ポートの助けを借りて空気供給される。
【0025】
本発明のさらなる好ましい構成によれば、回転分離接続ユニット内の空気圧アクチュエータは、複動式空気圧シリンダまたはばね復帰付き単動式空気圧シリンダである。
【0026】
第1の空気圧シリンダと並列動作する第2の空気圧シリンダを位置決めスピンドル内の作動マンドレル用のアクチュエータとして使用する形態は、本発明の第1の好ましい構成によれば、ばね復帰付き単動式空気圧シリンダの助けを借りて実現され得る。すなわち、作動可能な空気圧の助けを借りて、空気圧シリンダが特に一方向にのみ移動可能であるということである。これに関連して、印加された制御圧力により取付方向の運動を生成する単動式空気圧シリンダの構成が有用である。この運動は、印加された空気圧の大きさに応じた力で行われることが好ましい。潜在的な用途は、(上記参照)作動マンドレルの助けを借りてこのようにワイヤスレッドインサートのタングを破断することである。さらに、取付工具の取付ブレードを移動させることが可能である。作動マンドレルがその初期位置に戻ろうとするとすぐに、第2の空気圧シリンダ(この場合は単動式空気圧シリンダとして実施される)に対する作用圧力がオフに切り替えられる。第2の空気圧シリンダのピストンは、好ましくは、作用する加圧空気の反対方向にばね予圧されるように配置されるので、空気圧がオフに切り替えられると、作用するばね予圧は、ピストンをその初期位置に、すなわち取付方向と反対方向に移動させる。アクチュエータのこの構成は、好ましくは、作動マンドレルおよびそれに接続された取付工具の部材の効果的な偏向をもたらす。同時に、アクチュエータが、切り替えおよび制御に関していかなる大きな努力も必要とせずに、作用するばね予圧の助けを借りてその初期位置に戻されることも保証される。
【0027】
本発明のさらなる好ましい構成によれば、第2の空気圧シリンダは、第1の空気圧シリンダと並列配置された複動式空気圧シリンダとして構成される。複動式空気圧シリンダとは、この文脈では、第1の作用空気圧が取付方向におけるアクチュエータの調整のために使用され、第2の作用空気圧が第2の空気圧シリンダのアクチュエータまたはピストンをその初期位置に戻すことを意味する。したがって、単動式空気圧シリンダの上述のばね復帰と比較して、一方では取付方向の運動を制御し、他方では取付方向とは反対方向の運動を引き起こす空気圧制御圧力が必要である。
【0028】
第2の空気圧シリンダが回転分離接続ユニット内のアクチュエータとして使用されることが好ましい場合、位置決めスピンドルと接続ユニットまたはその受容空間との間がそれぞれ気密接続される必要がある。この場合、回転分離接続ユニットは、第2の空気圧シリンダを制御するために必要な空気が接続部材を通して案内されるので、空気圧式回転伝達装置のように構成される。さらに、位置決めスピンドルの回転運動のために、第1の空気圧シリンダのピストンと回転する位置決めスピンドルとの間で分離が行われる。
【0029】
本発明のさらなる好ましい構成によれば、ワイヤスレッドインサート用の取付工具と接続するための工具チャックは、取付工具の取付スピンドルのためのボールロックまたはコレットチャックとして実現される。
【0030】
ボールロックおよびコレットチャックは、既知の機械的構造体である。一方では、それらは、取付工具の取付スピンドルへの係脱可能な接続を確立する。さらに、ボールロックならびにコレットチャックは、位置決めスピンドルの回転が取付工具の取付スピンドルにも伝達可能であるように、好適な形状嵌合と組み合わせ可能である。これに関連して、取付スピンドルの他に、例えば取付スピンドル内で案内され、ボールロックまたはコレットチャックを有する調整マンドレルが自動取付機に接続されることも好ましい。
【0031】
さらなる好ましい構成によれば、自動取付機は、WO 2018/114122 A1(国際公開第2018/114122号公報)に記載されているような取付工具を備える。WO 2018/114122 A1(国際公開第2018/114122号公報)には、再仕上げ可能なタングを有するワイヤスレッドインサートのための取付工具が記載されている。直線的に移動可能なアクチュエータがスピンドル本体内に配置されており、このアクチュエータを用いて、ドラッグブレードおよび/または圧縮ブレードをスピンドル本体から移動させたり、スピンドル本体に引き込んだりすることができる。WO 2018/114122 A1(国際公開第2018/114122号公報)を参照することによって、取付工具は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0032】
加えて、本発明はさらに、自動取付機、特に上記の実施形態のうちの1つの実施形態に係る自動取付機を用いる部材のねじ穴内でのワイヤスレッドインサートのための取付方法を開示しており、この取付方法は、以下の:回転駆動ユニットにより回転される位置決めスピンドルと接続された取付工具の取付スピンドル上でワイヤスレッドインサートを回転させるステップと、位置決めスピンドルを長手方向に変位させる第1のアクチュエータ(好ましくは、第1の空気圧シリンダ)を用いて、回転されたワイヤスレッドインサート付きの取付スピンドルをねじ穴へと送り出すステップと、ワイヤスレッドインサートをねじ穴にねじ込むために位置決めスピンドルを第1の回転方向に回転させるステップと、ワイヤスレッドインサートのタングに作用するように、位置決めスピンドルと第1のアクチュエータとの間の回転分離接続ユニット内に配置された第2のアクチュエータによって、位置決めスピンドル内に配置された作動マンドレルを移動させるステップと、位置決めスピンドルを第2の方向に回転させて取付スピンドルをねじ穴から出すステップとを含む。
【0033】
ワイヤスレッドインサートの本発明の取付方法は、異なる取付運動の効果的な編成に基づく。第1のアクチュエータ(好ましくは、第1の空気圧シリンダ)が、部材のねじ穴への位置決めスピンドルの効果的な送り出しを実施する一方で、回転駆動ユニットは、ねじ穴内のワイヤスレッドインサートの回転のオンオフに単独で関与するので、これらの取付運動は、部材のねじ穴へのワイヤスレッドインサートの取付のために好ましい3つの駆動ユニットが使用されるため、部分的に同時に実現され得る。この分離の利点は、すでに、駆動ユニットの回転運動が、位置決めスピンドルと駆動ユニットの回転部材との間の適合されたねじ接続を用いてねじ穴への位置決めスピンドルの直線的な送り出し運動を実現する必要がないことである。さらに、好ましくは、回転分離接続ユニットのアクチュエータは、位置決めスピンドル内の回転運動と、位置決めスピンドル内の作動マンドレルのための後続の作動ステップとの間の滑らかな移行を保証する。なぜなら、取付方向への作動マンドレルからの効果的な移動により、取付ブレードは、例えば、時間的により効果的に位置決めされ得る、または取付タングは、回転された直後に破壊され得るからである。すなわち、2つの独立して動作するアクチュエータ(好ましくは、空気圧シリンダ)の組み合わせが、自動取付機の異なる部材とも協働して、取付方法の効果的な動作を保証する。この有効性は、第1のアクチュエータから独立して動作する第2のアクチュエータが、取付工具を用いてさらなる取付ステップを担うことができることによってさらに裏付けられる。
【0034】
本発明の取付方法の好ましい構成によれば、回転分離接続ユニットは、第2のアクチュエータとして、ばね復帰付き単動式空気圧シリンダまたは複動式空気圧シリンダを備え、取付方法はさらに、好ましくは、空気圧を単動式空気圧シリンダまたは複動式空気圧シリンダに加えて、位置決めスピンドル内の作動マンドレルを初期位置から移動させるステップと、単動式空気圧シリンダ内の空気圧をオフに切り替えて作動マンドレルを初期位置にばね復帰させる、または複動式空気圧シリンダの第1のチャンバ内の空気圧をオフにして複動式空気圧シリンダの第2のチャンバ内に空気圧を加え、そのことにより作動マンドレルを初期位置に戻すステップとを含む。
【0035】
単動式または複動式空気圧シリンダの形態の空気圧式の第2のアクチュエータを使用する代わりに、回転分離接続ユニットは、アクチュエータとして圧電式または電磁式の第2のアクチュエータを備える。これに関連して、取付方法は、好ましくは、以下の:アクチュエータを作動させ、位置決めスピンドル内の作動マンドレルを初期位置から移動させる電気信号を電磁アクチュエータに送るステップと、第2のアクチュエータを後退させて初期位置に作動マンドレルを移動させるか、または第2のアクチュエータおよび作動マンドレルをばね復帰させる第2のアクチュエータのための電気信号をオフに切り替えるステップとを含む。
【0036】
以下に、本発明の好ましい実施形態を貼付図面に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】部材のねじ穴にワイヤスレッドインサートを取り付けるための、機械フレーム内に配置され、自動的に制御される自動取付機の好ましい実施形態を示す図。
【
図2】代替構成として並べて示されたワイヤスレッドインサート用の取付工具の異なる構成と組み合わせられ得る
図1の自動取付機の拡大図。
【
図4】回転分離接続部材と組み合わせた第1の空気圧シリンダを示す、
図3の図の拡大断面図。
【
図5】アクチュエータとして複動式空気圧シリンダを有する回転分離接続ユニットの好ましい構成を示す図。
【
図6】アクチュエータとして単動式空気圧シリンダを有する回転分離接続ユニットの好ましい構成を示す図。
【
図7】電磁式または圧電式内部アクチュエータを有する回転分離接続ユニットの好ましい実施形態を示す図。
【
図8】工具チャックを有するボールブッシュ内で案内される好ましい位置決めスピンドルの拡大図。
【
図10】自動取付機と取付工具との間の接続を示すための好ましい工具チャックおよび取付工具の断面図。
【
図11】自動取付機を用いて部材のねじ穴にワイヤスレッドインサートを取り付けるための本発明の取付方法の好ましい実施形態のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、自動取付機1の好ましい実施形態を示す。自動取付機1は、自動取付機1が特に3つの全ての空間方向に移動可能である送出装置Zに組み込まれる。
【0039】
図1の自動取付機1の代替構成の概略断面図が
図2に示されている。自動取付機1は、一般に、ワイヤスレッドインサートを部材の穴に取り付ける取付工具Wの正確な送り出し、位置決め、および駆動を実現する。好ましくは、これは通過穴または止まり穴として構成されたねじ穴である。
【0040】
取り付けられるワイヤスレッドインサート(図示せず)は、様々な既知の構造に従って構成される。工具チャック90を介して自動取付機1に係脱可能に接続される取付工具Wは、ワイヤスレッドインサートの構造によって決定される。工具チャック90は、コレットチャックまたはボールロックとして構成されることが好ましい。加えて、工具チャック90は、自動取付機1の位置決めスピンドル10と取付工具W、W’、W’’の取付スピンドルE、E’、E’’との間に耐トルク接続を確立する。位置決めスピンドル10の回転は、耐トルク接続を介して取付スピンドルE、E’、E’’に伝達される。
【0041】
同時に、工具チャック90は、位置決めスピンドル10内に配置された作動マンドレル12と、取付スピンドルE、E’、E’’内の調整マンドレルD、D’、D’’との間の接続を実現する。調整マンドレルD、D’、D’’は、好ましくはボールロックを介して、作動マンドレル12に接続される。このことにより、調整マンドレルD、D’、D’’を作動マンドレル12と共にワイヤスレッドインサートの取付方向RIおよびその反対方向に直線的に移動させるための構造的基礎が形成される。
【0042】
自動取付機1と同様に、位置決めスピンドル10の回転運動および作動マンドレル12の直線運動は、接続された取付工具W、W’、W’’に伝達可能であり、自動取付機1は、異なる構造の取付工具W、W’、W’’と接続可能である。好ましい実施形態(
図2a参照)によれば、自動取付機1は、WO 2018/114122 A1(国際公開第2018/114122号公報)に記載されているように、取付工具Wに接続される。調整マンドレルDは、取付スピンドルE内に配置される。取付ブレードIは、調整マンドレルDの直線運動によって取付スピンドルEから移動させることができ、取付スピンドルE内に引き戻すことができる。参照により、取付工具Wの構造は、本願に完全に組み込まれる。
【0043】
自動取付機1および取付工具W’のさらなる好ましい構造が
図2bに示されている。駆動ユニットと組み合わせた、図示されている取付工具W’は、WO 2019/141497(国際公開第2019/141497号公報)に記載されている。調整マンドレルD’を有するが駆動ユニットを有さない本開示の取付スピンドルE’は、自動取付機1と組み合わせられ得る。したがって、駆動ユニットを有さないWO 2019/141497(国際公開第2019/141497号公報)の取付工具W’は、参照により組み込まれる。
【0044】
取付工具W、W’は、好ましくは、EP 2 637 825 B1(欧州特許第2637825号公報)に記載の再仕上げ可能なタングを有するワイヤスレッドインサートを取り付けるのに適している。
【0045】
図2cは、取付スピンドルE’’および調整マンドレルD’’からのEP 1 084 800 B1(欧州特許第1084800号公報)に記載の取付工具W’’を示す。取付スピンドルE’’が位置決めスピンドル10によって回転される一方で、調整マンドレルD’’は、調整マンドレル12の助けを借りて取付方向R
Iに直線的に変位され、戻され得る。作動マンドレル12の運動、ひいては調整マンドレルD’’の運動は、取付タングZを備えるワイヤスレッドインサートGを取り付けるときに、半径方向内側に突出する取付タングZを破断するために使用される。取付工具W’の構造は、EP 1 084 800 B1(欧州特許第1084800号公報)を参照することによってその内容全体が組み込まれる。
【0046】
図1および
図2の自動取付機1の拡大図が、概略断面図で
図3に示されている。エンジン(好ましくは、三相同期エンジンなどの電気エンジン)の形態の駆動ユニットMは、位置決めスピンドル10の回転を引き起こす。自動取付機1の動作を支援するために、好ましい三相同期エンジンMの位置が、一構成に従って監視される。すなわち、三相同期エンジンのそれぞれの位置が検出され、制御ユニットに送信される。
【0047】
第1の回転方向および反対方向の第2の回転方向におけるエンジンMの回転は、歯車14(好ましくは、減速歯車装置)を介して位置決めスピンドル10に伝達される。
【0048】
エンジンMによって生成されるトルクを検出するために、トルクセンサ16が、好ましい減速歯車装置14の前に配置される。検出されたトルクは、好ましくは制御ユニットSにも伝達され、そこで監視される。
【0049】
エンジンMによって生成されるトルクを減衰させるために、トルクセンサ16は、好ましくは、2つの噛合継手18に嵌め込まれる。これらは、エンジンMによって引き起こされるトルクピークによる歯車14の過度の応力を防止する。
【0050】
エンジンMの回転運動およびトルクを位置決めスピンドル10に伝達するために、好ましい減速歯車装置14は、ボールブッシュ20を介して位置決めスピンドル10に接続される。既知の構造のボールブッシュ20は、位置決めスピンドル10に形状嵌合接続される。そのことにより、位置決めスピンドル10は、取付方向RIまたは位置決めスピンドル10の長手方向にボールブッシュ20内で直線変位可能である。好ましい減速歯車装置14とボールブッシュ20との間のさらなる形状嵌合接続は、エンジンMの回転運動およびトルクが位置決めスピンドル10に伝達され得ることを確実にする。この構造に基づいて、位置決めスピンドル10を回転させると、ボールブッシュ20内での位置決めスピンドル10の取付方向RIおよび取付方向RIとは反対方向への直線変位も実現され得る。
【0051】
位置決めスピンドル10を取付方向RIまたは取付方向RIとは反対方向に直線的に移動させるために、第1のアクチュエータ(ここでは、好ましくは第1の空気圧シリンダ30)が設けられる。第1の空気圧シリンダ30は、ピストン32を備える。好ましくは、第1の空気圧シリンダ30のピストン32は、特に、複動式シリンダとして、取付方向RIに平行な両方向に移動可能である。また、第1の空気圧シリンダ30は、取付方向RI(図示せず)とは反対方向へのばね復帰付き単動式空気圧シリンダとして提供されることも好ましい。
【0052】
第1の空気圧シリンダ30は、リニアアクチュエータとして機能するので、さらなる好ましい構成によれば、電磁アクチュエータ、電気アクチュエータ、または圧電アクチュエータとして実装されてもよい。
【0053】
第1の空気圧シリンダ30のピストン32の直線偏位は、位置決めスピンドル10を取付方向RIまたはその反対方向に変位させる。このようにして、第1の空気圧シリンダ30は、好ましくは位置決めスピンドル10、ひいては関連する取付工具W、W’、W’’を、非回転直線運動によって部材内のねじ穴に送り込む。作動マンドレル12も、位置決めスピンドル10内に配置された位置決めスピンドル10と共に移動される。
【0054】
取付スピンドルE,E’、E’’内に配置されたワイヤスレッドインサートのねじ開口部内に向かう回転が開始されたときにのみ、エンジンMは、減速歯車装置14を介して位置決めスピンドル10、ひいては取付スピンドルE,E’、E’’を回転させる。ワイヤスレッドインサートのねじ穴内へのねじ込みまたは回転は、好ましくは、位置決めスピンドル10の回転のみによって実施される。そうすることで、部材のねじ穴の内ねじは、位置決めスピンドル10の回転により、取付スピンドルE,E’、E’’と共にワイヤスレッドインサートをねじ穴に引き込む。この時点で、第1の空気圧シリンダ30は加圧されていないことが好ましい。ワイヤスレッドインサートのねじ穴内に向かう回転は、第1の空気圧シリンダ30または第1のアクチュエータの取付方向RIへの動力補助変位運動によって支援されることも好ましい。
【0055】
好ましくは、空気圧シリンダ30は、最大力に関して減圧弁によって調整可能である。また、第1の空気圧シリンダ30は位置センサを備えることが好ましい。位置センサは、ピストン32の絶対変位を感知し、この変位は、取付スピンドル10の変位および部材開口部におけるワイヤスレッドインサートZの取付深さに較正され得る。加えて、好ましくは、ワイヤスレッドインサートをねじ穴内に向けて回転させるときに、取付スピンドル10が第1の空気圧シリンダのピストン32を取付方向RIにも変位させるので、ワイヤスレッドインサートがねじ穴の中にどれだけ深く位置決めされたかを位置センサを用いて決定することができる。
【0056】
第1の空気圧シリンダ30のピストン32によってピストン32と共に直線移動可能に配置された位置決めスピンドル10は、回転分離接続ユニット40を介してピストン32または概して第1の空気圧シリンダ30に接続される。回転分離接続ユニット40は、ピストン32に接続される。ピストン32の直線運動は、接続ユニット40に伝達され、次いで、この接続部を介して位置決めスピンドル10に伝達される。
【0057】
接続ユニット40は、好ましくは、内部受容空間42を画定する。ピストン32は、接続ユニット40の第1の軸方向端部に固定されるが、位置決めスピンドル10は、第1の軸方向端部の反対側にある第2の軸方向端部に接続される。好ましくは、接続ユニット40は回転しないように配置される。そのためには、接続ユニット40はリンク装置44内で案内される。このリンク装置44は、取付方向RIに平行に延在し、接続ユニット40を回転しないように保持する少なくとも1つの案内スロットを備える。
【0058】
位置決めスピンドル10は、好ましくは、回転シリンダ46にも接続される。回転シリンダ46は、受容空間42内に回転自在に配置され、接続ユニット40を位置決めスピンドル10に接続する。接続ユニット40における回転シリンダ46の回転を好適に支援するために、溝付き玉軸受48が設けられる。
【0059】
位置決めスピンドル10内の作動マンドレル12は、接続ユニット40の受容空間42内のアクチュエータ50、50’、50’’と接続される。異なる好ましいアクチュエータ50、50’、50’’を有する接続ユニット40の拡大図が
図5~
図7に示されている。
【0060】
以下でさらに詳細に示すように、取付工具W、W’、W’’は、少なくとも1つの回転可能な取付スピンドルEから成る。直線的に変位可能または移動可能な調整マンドレルDは、取付スピンドルEの内側に配置される。調整マンドレルDは、取付工具W、W’、W’’の構造に従って、取付ブレードIを出し入れするために、またはワイヤスレッドインサートGのタングZを破断するために使用される。調整マンドレルDの直線作動は、作動マンドレル12によって生成される。取付スピンドルEの回転は、位置決めスピンドル10によって生成される。
【0061】
位置決めスピンドル10および作動マンドレル12、ひいては関連する取付スピンドルEおよび調整マンドレルDを別々に制御し、移動させることができるように、回転分離接続ユニット40が設けられる。一方では、回転分離接続ユニット40は、第1の空気圧シリンダ30の助けを借りて、同時直線運動中に位置決めスピンドル10の回転を保証する。それと並行して、回転分離接続ユニット40内のアクチュエータ50、50’、50’’は、作動マンドレル12が取付方向RIに、または取付方向RIと反対方向に直線的に変位され得ることを保証する。
【0062】
図5および
図6の接続ユニット40、40’の各々の受容空間42内に、第2のアクチュエータ50、50’(好ましくは、空気圧アクチュエータ)が配置される。
【0063】
空気圧アクチュエータ50は、複動式の第2の空気圧シリンダから成ることが好ましい。複動式の第2の空気圧シリンダ50は、接続ユニット40の受容空間42内でシリンダとして動作する複動式ピストン52から成る。複動式ピストン52の両側に、2つの圧縮空気接続部54、56を介して特定の方法で押し付けられ得る。圧縮空気接続部54に空気圧が加えられると、複動式ピストン52およびそれに接続された作動マンドレル12は、取付方向RIに移動する。圧縮空気接続部56に空気圧が加えられると、好ましくは、取付方向RIとは反対方向の複動式ピストン52、ひいては作動マンドレル12の復帰が引き起こされる。
【0064】
図6において、空気圧アクチュエータ50’は、好ましくは、ばね復帰付き単動式空気圧シリンダ50’として実装される。圧縮空気は、圧縮空気接続部54’を介して単動式ピストン58に加えられる。このことにより、単動式ピストン58が作動マンドレル12と共に取付方向R
Iに変位する。単動式ピストン58の復帰のために、圧縮空気接続部54’における空気圧が低減されるか、またはオフに切り替えられる。その結果、単動式ピストン58を予圧するばね60は、弛緩し、ピストン58を取付方向R
Iの反対方向に戻すことができる。
【0065】
第2のアクチュエータ50’’のさらなる好ましい実施形態が
図7に示されている。電磁または圧電アクチュエータ50’’は、接続ユニット40’’の受容空間52内に配置される。このアクチュエータは、好ましくは、給電線62を介して、または無線接続を用いて制御される。給電線62は、接続ユニット40’’の運動を妨げないように、または接続ユニット40’’によって損傷されないように構成される。アクチュエータ50’’は、電気的作動に基づいて、作動マンドレル12を作動させるために取付方向R
Iに変位する。反対方向の電気的作動の場合、アクチュエータ50’’は、作動マンドレル12を設置方向R
Iと反対方向に、好ましくは初期位置に移動させる。
【0066】
図8を参照すると、作動マンドレル12は、好ましくはボールロック70を介して作動マンドレル(図示せず)に接続される。
【0067】
図9は、取付工具W’’’の好ましい実施形態を示す。この取付工具W’’’は、WO 2018/114122 A1(国際公開第2018/114122号公報)において、より詳細にかつ他の好ましい構成で説明されており、この内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0068】
図9の取付工具W’’’の斜視図は、外ねじG
Eを有する取付スピンドルE’’’を示す。ワイヤスレッドインサート(図示せず)は、部材のねじ穴内にねじ込むために、外ねじG
E上で回転される。
【0069】
取付スピンドルE’’’は、取付方向RIの前方に配置された軸方向前面に窓を含む。取付ブレードI’’’は、作動マンドレル12および調整マンドレルD’’’の助けを借りて、取付スピンドルE’’’から移動され、この窓を通して取付スピンドルE’’’内に引き戻される。取付ブレードI’’’が取付スピンドルE’’’内に配置されると、ワイヤスレッドインサートは取付スピンドルE’’’上で回転され、その後、部材開口内に向けて回転される。好ましくは、このワイヤスレッドインサートは、再仕上げ可能なタングを有するワイヤスレッドインサートであり、これについては既に詳細に上述されている。
【0070】
部材開口部におけるワイヤスレッドインサートの所望の取付深さに到達した後、取付ブレードI’’’は、作動マンドレル12および調整マンドレルD’’’の取付方向R
Iへの移動によって取付スピンドルE’’’から移動される。この状態は、好ましくは、
図10に示されている。
【0071】
次に、位置決めスピンドル10、ひいては取付スピンドルE’’’を、ワイヤスレッドインサートの部材開口部へのねじ込み方向とは反対方向に回転させる。この回転運動の間、取付ブレードI’’’の側面は、好ましくは、ねじ込まれたワイヤねじスレッドインサートの再仕上げ可能なタングに係合し、部材開口部の受けねじ部に向けてタングを折り曲げ、好ましくは圧縮する。再仕上げ可能なタングは、そのことにより破壊されない。
【0072】
タングが再仕上げされると、取付スピンドルE’’’は、ワイヤスレッドインサートのねじ込み方向に、好ましくは四分の一回転未満だけ位置決めスピンドル10によって回転される。このことにより、取付ブレードI’’’と再仕上げ可能なタングとの間の当接が解除される。その後、作動マンドレル12によって制御される調整マンドレルD’’’は、取付ブレードI’’’を取付スピンドルE’’’内に戻す。取付ブレードI’’’が取付スピンドルE’’’に再び受容されるとすぐに、取付スピンドルE’’’は、取り付けられたワイヤスレッドインサートから完全にねじ出されるか、または回転されてワイヤスレッドインサートからねじ出される。
【0073】
上述の取付方法は、WO 2018/114122 A1(国際公開第2018/114122号公報)にも、より詳細に、かつさらなる好ましい構成と共に記載されており、この内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0074】
取付工具E’’’の上述のステップを自動取付機1を用いて確実に開始できるように、好ましくは、工具チャック90は、自動取付機1を取付工具E’’’に圧力嵌めおよび形状嵌合で接続する。これは、
図10の好ましい構成でより詳細に示されている。
【0075】
好ましくは、作動マンドレル12は、ボールロックを有する受け部13を備える。調整マンドレルD’’’のボールヘッドKは、受け部13において解除可能にロックされる。この接続に基づいて、取付方向RIおよびその反対方向への作動マンドレル12の直線調整運動は、調整マンドレルD’’’に伝達される。
【0076】
好ましくは、取付スピンドルE’’’は、取付スピンドルE’’’のねじ部端部と反対側の軸方向端部に形状嵌合輪郭部Fを備える。形状嵌合輪郭部Fは、非回転対称に、好ましくは正方形、六角形などとして構成される。
【0077】
形状嵌合輪郭部Fは、それに対して相補的に構成される受容空間94内で受容される。その結果生じる位置決めスピンドル10と取付スピンドルE’’’との間の形状嵌合は、取付スピンドルE’’’への位置決めスピンドル10の回転運動の伝達を保証する。
【0078】
取付スピンドルE’’’を受容部94内に係脱可能かつ堅固に保持するために、工具チャック90内にボールロック92が設けられることが好ましい。ボールロック92は、取付スピンドルE’’’における受け部A、好ましくは溝、凹部、またはラッチ輪郭に係合または接触する。
【0079】
上述の好ましい接続構造により、取付工具E’’’は、自動取付機1に確実に接続可能であり、摩耗した場合に変位可能である。
【0080】
ワイヤスレッドインサートの位置決めについては、EP 2 637 825 B1(欧州特許第2637825号公報)に従って、自動取付機1と、再仕上げ可能なタングを有するワイヤスレッドインサート用の取付工具との好ましい組み合わせに基づいて説明する。このような取付工具WまたはW’は、WO 2018/114122 A1(国際公開第2018/114122号公報)またはWO 2019/141497(国際公開第2019/141497号公報)(上記参照)に記載されている。対応するフローチャートを
図11に示す。
【0081】
最初に、第1のステップS1において、ワイヤスレッドインサートが取付スピンドルE上で回転される。そうするために、エンジンMは、取付スピンドルEがそれ自体をワイヤスレッドインサートにねじ込むか、またはワイヤスレッドインサートが取付スピンドルEにねじ込まれるように、位置決めスピンドル10を回転させる。
【0082】
次に、ステップS2において、ワイヤスレッドインサートを回転させる取付スピンドルの先端が、部材のねじ穴の上方に位置決めされる。続いて、好ましくは、第1の空気圧シリンダ30が、取付スピンドル10、ひいてはワイヤスレッドインサートを、ねじ開口部の方向の取付方向RIに移動させる。好ましくは、ステップS2における送り出しの間、位置決めスピンドル10は、ワイヤスレッドインサートのねじ込み方向に回転される(ステップS3)。これは、ワイヤスレッドインサートが、回転運動の助けを借りて送り出し運動中に部材のねじ穴のねじ部に噛み合うことができるという好ましい利点を有する。
【0083】
所定の相対位置(好ましくは第1の空気圧シリンダ30の位置センサによって感知される)に到達すると、好ましくは位置決めスピンドル10の回転速度が低減される。回転数の低減により、ワイヤスレッドインサートの目標取付深さに到達したときに、ねじ込みプロセスを位置通りに完了または終了させる(S4)ことができる。
【0084】
ワイヤスレッドインサートの好ましい再仕上げ可能なタングを部材のねじ部内に再仕上げするために、作動マンドレル12は、接続ユニット40内のアクチュエータ50、50’、50’’によって取付方向RIに移動される。好ましい圧縮ブレードは、取付工具のマンドレルによって取付スピンドルから移動される。
【0085】
圧縮ブレードがアクチュエータ50、50’、50’’およびマンドレルによって取付スピンドルから移動されると、エンジンは、位置決めスピンドル10をねじ込み方向とは反対方向の第2の回転方向に回転させる。このようにして、再仕上げ可能なタングは、好ましくは、取付開口部のねじ部内に再仕上げされる(ステップS5)。
【0086】
図2Cの取付工具と組み合わせた手順におけるこの段階で、タングZがマンドレルD’ ’の助けを借りて破壊されることも好ましい。そのためには、作動マンドレル12の運動はマンドレルD’ ’の対応する運動に変換される(ステップS5’)。
【0087】
ワイヤスレッドインサートのタングが加工された後、ステップS6において、再仕上げ可能なタングを再仕上げした後に圧縮ブレードを解放するために、取付スピンドルがねじ込み方向とは反対方向に回転される。その後、作動マンドレル12は、取付方向RIとは反対方向に移動されるか、位置決めスピンドル10内に引き込まれる。これは、アクチュエータ50、50’、50’’の対応する運動を介して行われる(ステップS7)。
【0088】
その後、位置決めスピンドル10がねじ込み方向とは反対方向に回転される。その際に、取付スピンドルは回転されてねじ穴からねじ出される(ステップS8)。
【0089】
接続ユニット40内で使用されるのが好ましい第2のアクチュエータに応じて、アクチュエータを作動させるための以下のステップが実行される。まず、複動式空気圧シリンダを有するアクチュエータ50ならびに単動式空気圧シリンダを有するアクチュエータ50’についても、空気圧が加えられる。この空気圧は、位置決めスピンドル10の作動マンドレル12をその初期位置から移動させる。
【0090】
作動ステップの終了後に作動マンドレルをその初期位置に戻すように案内することができるように、まず、単動式空気圧シリンダを有するアクチュエータ50’内の空気圧がオフに切り替えられる。空気圧をオフに切り替えることによって、単動式ピストン58は空気圧解放され、予圧ばね60は、単動式ピストンおよび関連する作動マンドレル12のばね復帰を引き起こす。
【0091】
複動式空気圧シリンダを有するアクチュエータ50では、まず、複動式空気圧シリンダの第1のチャンバの空気圧がオフに切り替えられる。続いて、複動式空気圧シリンダの第2のチャンバ内の空気圧が加えられる。このようにして、取付方向RIとは反対方向(好ましくはその初期位置への方向)の作動マンドレル12の後退が行われる。
【0092】
電磁アクチュエータまたは圧電アクチュエータ50’’の好ましい使用により、このアクチュエータは電気信号によって制御される。例えば、最初に電気信号が電磁アクチュエータまたは圧電アクチュエータに送信される場合、アクチュエータはそのことによって作動され、位置決めスピンドル10内の作動マンドレル12は、その初期位置から取付方向RIの方向に移動される。作動マンドレルがその機能を果たすと、電磁アクチュエータまたは圧電アクチュエータへの電気信号は、好ましくはオフに切り替えられる。したがって、電磁アクチュエータを後退させて、作動マンドレルを初期位置に沿って移動させるか、または初期位置に戻すことが好ましい。別の好ましい構成によれば、電磁アクチュエータは、ばね復帰を備える。電気信号をオフに切り替えた後、予圧ばねは、電磁アクチュエータを作動マンドレルと共に対応する初期位置へと復帰させる。
【符号の説明】
【0093】
1 自動取付機
5 部材
10 位置決めスピンドル
12 作動マンドレル
13 作動マンドレルにおけるボールロックを有する受け部
14 減速歯車装置
16 トルクセンサ
18 噛合継手
20 ボールブッシュ
30 第1のアクチュエータ
32 第1の空気圧シリンダのピストン
40、40’、40’’ 回転分離接続ユニット
42 受容空間
44 リンク装置
46 回転シリンダ
48 ローラ玉軸受
50、50’、50’’ 第2のアクチュエータ
52 複動式ピストン
54、56 圧縮空気接続部
58 単動式ピストン
60 復帰ばね
62 給電線
90 工具チャック
92 取付スピンドルEを固定するためのボールロック
94 工具チャックと取付スピンドルEとの間の耐トルク形状嵌合部
Z 送出装置
E、E’、E’’、E’’’ 取付スピンドル
D、D’、D’’、D’’’ 調整マンドレル
I、I’、I’’、I’’’ 取付ブレード
G ワイヤスレッドインサート
H ワイヤスレッドインサートのタング
M 駆動ユニット/エンジン
S 制御ユニット
W 取付工具
K 調整マンドレルD’’’におけるボールヘッド
F 取付スピンドルE’’’の形状嵌合輪郭部
GE 取付スピンドルE’’’上のねじ部
A 工具チャック90のボールロック92のための受け部