(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】独立型操舵機構、操舵システムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
B62D 5/04 20060101AFI20240730BHJP
B62D 9/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B62D5/04
B62D9/00
(21)【出願番号】P 2023513835
(86)(22)【出願日】2021-06-25
(86)【国際出願番号】 CN2021102285
(87)【国際公開番号】W WO2022041991
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-04-07
(31)【優先権主張番号】202010884717.2
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 峰宇
(72)【発明者】
【氏名】李 杰
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲興▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲シン▼
【審査官】松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-121940(JP,A)
【文献】特開2009-101858(JP,A)
【文献】特開2008-168744(JP,A)
【文献】特開2007-326459(JP,A)
【文献】特開2005-126044(JP,A)
【文献】中国特許第109850010(CN,B)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 5/04
B62D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電動アシストモータと、第2の電動アシストモータと、第3の電動アシストモータと、中間タイロッドと、を備え、
前記中間タイロッドが、第1の接続ロッドと、第2の接続ロッドと、第3の接続ロッドと、を備え、
前記第3の接続ロッドの両端が、前記第1の接続ロッドおよび前記第2の接続ロッドに接続され、
前記第1の電動アシストモータが、前記第1の接続ロッドを制御して前記中間タイロッドの軸方向に沿って移動させるように構成され、
前記第2の電動アシストモータが、前記第2の接続ロッドを制御して前記中間タイロッドの前記軸方向に沿って移動させるように構成され、
前記第3の電動アシストモータが、前記第3の接続ロッドを制御して回転させ、前記第1の接続ロッドおよび前記第2の接続ロッドを駆動して前記中間タイロッドの前記軸方向に沿って互いに接近または離間させるように構成される、独立型操舵機構。
【請求項2】
前記第3の接続ロッドが中空構造であり、前記第3の接続ロッドの両端がねじ山を介して前記第1の接続ロッドおよび前記第2の接続ロッドに接続される、請求項1に記載の独立型操舵機構。
【請求項3】
前記第3の接続ロッドの前記両端の前記ねじ山が反対方向に回転される、請求項2に記載の独立型操舵機構。
【請求項4】
第1の伝達部と、第2の伝達部と、第3の伝達部と、をさらに備え、
前記第1の電動アシストモータが、前記第1の伝達部を使用することによって、前記第1の接続ロッドを制御して前記中間タイロッドの前記軸方向に沿って移動させ、
前記第2の電動アシストモータが、前記第2の伝達部を使用することによって、前記第2の接続ロッドを制御して前記中間タイロッドの前記軸方向に沿って移動させ、
前記第3の電動アシストモータが、前記第3の伝達部を使用することによって、前記第3の接続ロッドを制御して回転させる、請求項1から3のいずれか一項に記載の独立型操舵機構。
【請求項5】
前記第1の伝達部が、第1のギヤを備え、
前記第1のギヤが、ねじ山を介して前記第1の接続ロッドに接続され、
前記第1の電動アシストモータが、前記第1の接続ロッドを制御して前記中間タイロッドの前記軸方向に沿って移動させるために、前記第1のギヤを駆動して回転させる、請求項4に記載の独立型操舵機構。
【請求項6】
前記第2の伝達部が、第2のギヤを備え、
前記第2のギヤが、ねじ山を介して前記第2の接続ロッドに接続され、
前記第2の電動アシストモータが、前記第2の接続ロッドを制御して前記中間タイロッドの前記軸方向に沿って移動させるために、前記第2のギヤを駆動して回転させる、請求項4または5に記載の独立型操舵機構。
【請求項7】
前記第3の伝達部が、第3のギヤを備え、
前記第3の接続ロッドの表面には、前記中間タイロッドの前記軸方向に沿って配置されたガイドボスが配置され、
前記ガイドボスに対応するガイド溝が、前記第3のギヤに配置され、
前記第3のギヤが、前記ガイド溝および前記ガイドボスを介して前記第3の接続ロッドに接続され、
前記第3の電動アシストモータが、前記第3の接続ロッドを制御して回転させるために、前記第3のギヤを駆動して回転させる、請求項4から6のいずれか一項に記載の独立型操舵機構。
【請求項8】
第1の操舵輪と、第2の操舵輪と、請求項1から7のいずれか一項に記載の独立型操舵機構と、を備え、
前記独立型操舵機構内の前記第1の接続ロッドが、前記第1の操舵輪に接続され、
前記独立型操舵機構内の前記第2の接続ロッドが、前記第2の操舵輪に接続され、
前記独立型操舵機構内の前記第1の電動アシストモータが、前記第1の操舵輪が回転することを可能にするために、前記第1の接続ロッドを制御して前記独立型操舵機構内の前記中間タイロッドの前記軸方向に沿って移動させるように構成され、
前記独立型操舵機構内の前記第2の電動アシストモータが、前記第2の操舵輪が回転することを可能にするために、前記第2の接続ロッドを制御して前記独立型操舵機構内の前記中間タイロッドの前記軸方向に沿って移動させるように構成される、独立型操舵システム。
【請求項9】
第1の操舵ナックルと、第2の操舵ナックルと、第1の操舵キングピンと、第2の操舵キングピンと、をさらに備え、
前記第1の操舵輪が、前記第1の操舵ナックルを介して前記第1の操舵キングピンに接続され、前記第1の操舵ナックルが、前記第1の接続ロッドに接続され、
前記第1の電動アシストモータが、前記第1の操舵ナックルが前記第1の操舵輪を駆動して前記第1の操舵キングピンの周りを回転させることを可能にするために、前記第1の接続ロッドを制御して前記中間タイロッドの前記軸方向に沿って移動させるように構成され、
前記第2の操舵輪が、前記第2の操舵ナックルを介して前記第2の操舵キングピンに接続され、前記第2の操舵ナックルが、前記第2の接続ロッドに接続され、
前記第2の電動アシストモータが、前記第2の操舵ナックルが前記第2の操舵輪を駆動して前記第2の操舵キングピンの周りを回転させることを可能にするために、前記第2の接続ロッドを制御して前記中間タイロッドの前記軸方向に沿って移動させるように構成される、請求項8に記載の独立型操舵システム。
【請求項10】
第1のタイロッドと、第2のタイロッドと、をさらに備え、
前記第1のタイロッドの一端が前記第1の接続ロッドに接続され、前記第1のタイロッドの他端が前記第1の操舵ナックルに接続され、
前記第2のタイロッドの一端が前記第2の接続ロッドに接続され、前記第2のタイロッドの他端が前記第2の操舵ナックルに接続される、請求項
9に記載の独立型操舵システム。
【請求項11】
制御ユニットをさらに備え、前記制御ユニットが、
前記第1の操舵輪の目標操舵角および前記第2の操舵輪の目標操舵角を決定するように構成され、
前記第1の電動アシストモータまたは前記第2の電動アシストモータが故障している場合に、前記制御ユニットが、前記中間タイロッドが前記第1の操舵輪および前記第2の操舵輪を駆動して対応する目標操舵角まで回転させるように、前記独立型操舵機構内の前記第3の電動アシストモータを制御して、前記独立型操舵機構内の前記中間タイロッドの長さを調整し、前記第1の電動アシストモータまたは前記第2の電動アシストモータのうちの正常な電動アシストモータを制御して前記中間タイロッドの位置を調整するように構成される、請求項8から10のいずれか一項に記載の独立型操舵システム。
【請求項12】
前記第1の電動アシストモータおよび前記第2の電動アシストモータが正常である場合、前記制御ユニットが、
前記中間タイロッドが前記第1の操舵輪および前記第2の操舵輪を駆動して前記対応する目標操舵角まで回転させるように、前記第1の電動アシストモータおよび前記第2の電動アシストモータを制御して、前記中間タイロッドの前記長さおよび前記中間タイロッドの前記位置を調整する、
ように特に構成される、請求項11に記載の独立型操舵システム。
【請求項13】
第1のECUと、第2のECUと、第3のECUと、をさらに備え、前記制御ユニットが、
第1の制御命令を、前記第1の制御命令に従って前記第1の電動アシストモータを制御するように構成される第1のECUに送信し、
第2の制御命令を、前記第2の制御命令に従って前記第2の電動アシストモータを制御するように構成される第2のECUに送信し、
第3の制御命令を、前記第3の制御命令に従って前記第3の電動アシストモータを制御するように構成される第3のECUに送信する、
ように特に構成される、請求項11または12に記載の独立型操舵システム。
【請求項14】
前記制御ユニットが、
前記第1の操舵輪の前記目標操舵角および前記第2の操舵輪の前記目標操舵角に基づいて、前記第1の接続ロッドの目標位置および前記第2の接続ロッドの目標位置を決定し、
前記第1の接続ロッドの前記目標位置および前記第2の接続ロッドの前記目標位置に基づいて前記中間タイロッドの目標長さを決定し、
前記目標長さに基づいて、前記独立型操舵機構内の前記第3の接続ロッドの目標回転角を算出し、
前記目標回転角に基づいて、前記第3の電動アシストモータを制御して前記中間タイロッドの前記長さを前記目標長さに調整し、そして、前記第1の接続ロッドの前記目標位置および前記第2の接続ロッドの前記目標位置に基づいて、前記第1の電動アシストモータまたは前記第2の電動アシストモータのうちの前記正常な電動アシストモータを制御して、前記第1の接続ロッドおよび前記第2の接続ロッドを対応する目標位置に調整する、
ように特に構成される、請求項11から13のいずれか一項に記載の独立型操舵システム。
【請求項15】
前記第3の接続ロッドの前記両端が
、ねじ山を介して前記第1の接続ロッドおよび前記第2の接続ロッドに接続され、
前記目標回転角は以下の式:
【数1】
を満たし、前記式において、Lは前記中間タイロッドの前記目標長さであり、L
0は前記中間タイロッドの最短長さであり、i
angは前記ねじ山のリードである、請求項14に記載の独立型操舵システム。
【請求項16】
第1のECUと、第2のECUと、第3のECUと、をさらに備え、前記制御ユニットが、
第1の制御命令を、前記第1の制御命令に従って前記第1の電動アシストモータを制御するように構成される第1のECUに送信し、
第2の制御命令を、前記第2の制御命令に従って前記第2の電動アシストモータを制御するように構成される第2のECUに送信し、
第3の制御命令を、前記第3の制御命令に従って前記第3の電動アシストモータを制御するように構成される第3のECUに送信する、
ように特に構成され、
前記制御ユニットが、
前記第1の操舵輪の前記目標操舵角および前記第2の操舵輪の前記目標操舵角に基づいて、前記第1の接続ロッドの目標位置および前記第2の接続ロッドの目標位置を決定し、
前記第1の接続ロッドの前記目標位置および前記第2の接続ロッドの前記目標位置に基づいて前記中間タイロッドの目標長さを決定し、
前記目標長さに基づいて、前記独立型操舵機構内の前記第3の接続ロッドの目標回転角を算出し、
前記目標回転角に基づいて、前記第3の電動アシストモータを制御して前記中間タイロッドの前記長さを前記目標長さに調整し、そして、前記第1の接続ロッドの前記目標位置および前記第2の接続ロッドの前記目標位置に基づいて、前記第1の電動アシストモータまたは前記第2の電動アシストモータのうちの前記正常な電動アシストモータを制御して、前記第1の接続ロッドおよび前記第2の接続ロッドを対応する目標位置に調整する、
ように特に構成され、
前記制御ユニットが、
前記第3の制御命令を前記第3のECUに送信するように特に構成され、前記第3の制御命令が、前記中間タイロッドの前記長さが前記目標長さになるように、前記第3の電動アシストモータを制御してトルクを出力させるように前記第3のECUに指示を出すために使用される、請求項
11または12に記載の独立型操舵システム。
【請求項17】
第1のECUと、第2のECUと、第3のECUと、をさらに備え、前記制御ユニットが、
第1の制御命令を、前記第1の制御命令に従って前記第1の電動アシストモータを制御するように構成される第1のECUに送信し、
第2の制御命令を、前記第2の制御命令に従って前記第2の電動アシストモータを制御するように構成される第2のECUに送信し、
第3の制御命令を、前記第3の制御命令に従って前記第3の電動アシストモータを制御するように構成される第3のECUに送信する、
ように特に構成され、
前記制御ユニットが、
前記第1の操舵輪の前記目標操舵角および前記第2の操舵輪の前記目標操舵角に基づいて、前記第1の接続ロッドの目標位置および前記第2の接続ロッドの目標位置を決定し、
前記第1の接続ロッドの前記目標位置および前記第2の接続ロッドの前記目標位置に基づいて前記中間タイロッドの目標長さを決定し、
前記目標長さに基づいて、前記独立型操舵機構内の前記第3の接続ロッドの目標回転角を算出し、
前記目標回転角に基づいて、前記第3の電動アシストモータを制御して前記中間タイロッドの前記長さを前記目標長さに調整し、そして、前記第1の接続ロッドの前記目標位置および前記第2の接続ロッドの前記目標位置に基づいて、前記第1の電動アシストモータまたは前記第2の電動アシストモータのうちの前記正常な電動アシストモータを制御して、前記第1の接続ロッドおよび前記第2の接続ロッドを対応する目標位置に調整する、
ように特に構成され、
前記制御ユニットが、
前記第1の制御命令を前記第1のECUに送信し、前記第1の制御命令が、前記第1の接続ロッドおよび前記第2の接続ロッドが前記対応する目標位置まで回転するように、前記第1の電動アシストモータを制御してトルクを出力させるように前記第1のECUに指示を出すために使用され、または
前記第2の制御命令を前記第2のECUに送信し、前記第2の制御命令は、前記第1の接続ロッドおよび前記第2の接続ロッドが前記対応する目標位置に到達するように、前記第2の電動アシストモータを制御してトルクを出力させるように前記第2のECUに指示を出すために使用される、
ように特に構成される、請求項
11または12に記載の独立型操舵システム。
【請求項18】
第1のセンサと、第2のセンサと、第3のセンサと、をさらに備え、
前記第1のセンサが、前記第1の接続ロッドの位置情報を決定するように構成され、
前記第2のセンサが、前記第2の接続ロッドの位置情報を決定するように構成され、
前記第3のセンサが、前記中間タイロッドの長さ情報を決定するように構成される、請求項13に記載の独立型操舵システム。
【請求項19】
前記制御ユニットが、前記第1の接続ロッドの前記位置情報、前記第2の接続ロッドの前記位置情報、および前記中間タイロッドの前記長さ情報に基づいて、前記第1の制御命令、前記第2の制御命令、または前記第3の制御命令を決定するように特に構成される、請求項18に記載の独立型操舵システム。
【請求項20】
独立型操舵システムのための制御方法であって、前記独立型操舵システムが、制御ユニットと、第1の操舵輪と、第2の操舵輪と、請求項1から7のいずれか一項に記載の独立型操舵機構と、を備え、前記第1の操舵輪および前記第2の操舵輪が、前記独立型操舵機構内の前記中間タイロッドの前記第1の接続ロッドおよび前記第2の接続ロッドにそれぞれ接続され、
前記方法が、
前記制御ユニットによって、前記第1の操舵輪の目標操舵角および前記第2の操舵輪の目標操舵角を決定するステップと、
前記独立型操舵機構内の前記第1の電動アシストモータまたは前記第2の電動アシストモータが故障している場合、前記中間タイロッドが前記第1の操舵輪および前記第2の操舵輪を駆動して対応する目標操舵角まで回転させるように、前記独立型操舵機構内の前記中間タイロッドの長さを調整するために、前記制御ユニットによって、前記独立型操舵機構内の前記第3の電動アシストモータを制御し、そして、前記中間タイロッドの位置を調整するために、前記第1の電動アシストモータまたは前記第2の電動アシストモータのうちの正常な電動アシストモータを制御するステップと、
を含む、方法。
【請求項21】
前記第1の電動アシストモータおよび前記第2の電動アシストモータが正常である場合、前記中間タイロッドが前記第1の操舵輪および前記第2の操舵輪を駆動して前記対応する目標操舵角まで回転させるように、前記中間タイロッドの前記長さおよび前記中間タイロッドの前記位置を調整するために、前記制御ユニットによって、前記第1の電動アシストモータおよび前記第2の電動アシストモータを制御するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記独立型操舵システムが、第1のECUと、第2のECUと、第3のECUと、を備え、前記第1のECUが前記第1の電動アシストモータを制御するように構成され、前記第2のECUが前記第2の電動アシストモータを制御するように構成され、前記第3のECUが前記第3の電動アシストモータを制御するように構成され、
前記方法が、
前記制御ユニットによって、前記第1のECUによって送信された第1の情報を受信するステップであって、前記第1の情報が前記第1の電動アシストモータが故障しているかを示すために使用される、ステップと、
前記制御ユニットによって、前記第2のECUによって送信された第2の情報を受信するステップであって、前記第2の情報が前記第2の電動アシストモータが故障しているかを示すために使用される、ステップと、
前記制御ユニットによって、前記第3のECUによって送信された第3の情報を受信するステップであって、前記第3の情報が前記第3の電動アシストモータが故障しているかを示すために使用される、ステップと、
をさらに含む、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記制御ユニットによって、前記独立型操舵機構内の前記中間タイロッドの長さを調整するために前記独立型操舵機構内の前記第3の電動アシストモータを制御し、かつ前記中間タイロッドの位置を調整するために前記第1の電動アシストモータまたは前記第2の電動アシストモータのうちの正常な電動アシストモータを制御する前記ステップは、
前記制御ユニットによって、前記第1の操舵輪の前記目標操舵角および前記第2の操舵輪の前記目標操舵角に基づいて、前記第1の接続ロッドの目標位置および前記第2の接続ロッドの目標位置を決定するステップと、
前記制御ユニットによって、前記第1の接続ロッドの前記目標位置および前記第2の接続ロッドの前記目標位置に基づいて、前記中間タイロッドの目標長さを決定するステップと、
前記制御ユニットによって、前記目標長さに基づいて、前記独立型操舵機構内の前記第3の接続ロッドの目標回転角を算出するステップと、
前記制御ユニットによって、前記目標回転角に基づいて、前記中間タイロッドの前記長さを前記目標長さに調整するために前記第3の電動アシストモータを制御し、そして、前記第1の接続ロッドの前記目標位置および前記第2の接続ロッドの前記目標位置に基づいて、前記第1の接続ロッドおよび前記第2の接続ロッドを対応する目標位置に調整するために、前記第1の電動アシストモータまたは前記第2の電動アシストモータのうちの前記正常な電動アシストモータを制御するステップと、
を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第3の接続ロッドの前記両端が
、ねじ山を介して前記第1の接続ロッドおよび前記第2の接続ロッドに接続され、
前記目標回転角は以下の式:
【数2】
を満たし、前記式において、Lは前記中間タイロッドの前記目標長さであり、L
0は前記中間タイロッドの最短長さであり、i
angは前記ねじ山のリードである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記制御ユニットによって、前記目標回転角に基づいて、前記中間タイロッドの前記長さを前記目標長さに調整するために前記第3の電動アシストモータを制御する前記ステップが、
前記制御ユニットによって、第3の制御命令を前記第3のECUに送信するステップであって、前記第3の制御命令が、前記中間タイロッドの前記長さが前記目標長さになるように、第3の電動アシストモータを制御してトルクを出力させるように第3のECUに指示を出すために使用される、ステップと、
前記第3のECUによって、前記第3の制御命令に従って前記第3の電動アシストモータを制御するステップと、
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の接続ロッドの前記目標位置および前記第2の接続ロッドの前記目標位置に基づいて、前記第1の接続ロッドおよび前記第2の接続ロッドを対応する目標位置に調整するために、前記第1の電動アシストモータまたは前記第2の電動アシストモータのうちの前記正常な電動アシストモータを制御する前記ステップが、
前記制御ユニットによって、第1の制御命令を前記第1のECUに送信するステップであって、前記第1の制御命令が、前記第1の接続ロッドおよび前記第2の接続ロッドが前記対応する目標位置に到達するように、前記第1の電動アシストモータを制御してトルクを出力させるように前記第1のECUに指示を出すために使用される、ステップ、または
前記制御ユニットによって、第2の制御命令を前記第2のECUに送信するステップであって、前記第2の制御命令が、前記第1の接続ロッドおよび前記第2の接続ロッドが前記対応する目標位置に到達するように、前記第2の電動アシストモータを制御してトルクを出力させるように前記第2のECUに指示を出すために使用される、ステップ、
を含む、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年8月28日に中国国家知識産権局に出願され、名称が「INDEPENDENT STEERING MECHANISM,STEERING SYSTEM,AND CONTROL METHOD」である中国特許出願第202010884717.2号の優先権を主張し、本中国特許出願の全体が本参照によって本明細書に援用される。
【0002】
本出願は、車両分野に関し、より具体的には、車両における独立型操舵機構、操舵システム、および制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
車両が操舵される場合、左右の操舵輪の操舵半径が異なるため、左右の操舵輪の操舵角は異なる。操舵機構は、車両の操舵中に内側車輪の操舵角が外側車輪の操舵角よりも2~4度大きくなり、車両が滑らかに操舵され得るように、アッカーマン(Ackermann)操舵ジオメトリに従って設計される。
【0004】
車両のより柔軟な操舵機能を実装するために、ステアバイワイヤ技術が車両の操舵システムに適用され得る。従来の車両操舵システムは機械式システムであり、車両の操舵動作は、運転者によって駆動輪を操作し、その操作を操舵ギヤおよび一連のロッドを介して操舵輪に伝達することによって実装される。ステアバイワイヤ技術では、駆動輪と操舵輪との間の機械的接続が相殺され、操舵は電気エネルギーによって完全に実装される。さらに、左右の操舵輪は独立して制御され得、これにより、将来の車両の要件をより良好に満たし、柔軟な操舵を実装し得る。しかしながら、ステアバイワイヤの独立型技術では、左右の操舵輪にそれぞれ構成された操舵モータのうちの1つが故障している場合、全体的な操舵が回復される必要があり、独立した操舵機能が失われる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の実施形態は、独立型操舵機構、操舵システム、および制御方法を提供する。複数の電動アシストモータが独立した操舵機能を実装するように配置され、そして、電動アシストモータのうちの1つが故障している場合に、機械的構造を変更せずに独立した操舵は実施され得ないという問題を解決する。
【0006】
第1の態様によれば、第1の電動アシストモータと、第2の電動アシストモータと、第3の電動アシストモータと、中間タイロッドと、を含む独立型操舵機構が提供される。中間タイロッドは、第1の接続ロッドと、第2の接続ロッドと、第3の接続ロッドと、を含み、第3の接続ロッドの両端は、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドに接続される。第1の電動アシストモータは、第1の接続ロッドを制御して中間タイロッドの軸方向に沿って移動させるように構成され、第2の電動アシストモータは、第2の接続ロッドを制御して中間タイロッドの軸方向に沿って移動させるように構成され、そして、第3の電動アシストモータは、第3の接続ロッドを制御して回転させ、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドを駆動して中間タイロッドの軸方向に沿って互いに接近または離間させるように構成される。
【0007】
本出願のこの実施形態によれば、第1の電動アシストモータ、第2の電動アシストモータ、および第3の電動アシストモータは、第1の接続ロッド、第2の接続ロッド、および第3の接続ロッドをそれぞれ制御して、中間タイロッドの長さおよび位置を調整し得る。加えて、3つの電動アシストモータのうちの1つが故障している場合、機械的構造を変更することなく、正常に作動する2つの電動アシストモータを使用することによって、中間タイロッドの長さおよび位置は依然として調整され得る。
【0008】
第1の態様を参照すると、第1の態様のいくつかの実施態様では、第3の接続ロッドは中空構造であり、第3の接続ロッドの両端はねじ山を介して第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドに接続される。
【0009】
本出願のこの実施形態によれば、第3の接続ロッドは中空構造であり、第3の接続ロッドの両端は、ねじ山を介して第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドに接続される。すなわち、第3の接続ロッドはソケット構造であり、第1の接続ロッドの一端および第2の接続ロッドの一端は、ソケット構造の両側の開口部にそれぞれ配置され、ねじ山を介して接続される。あるいは、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドが中空構造であり得、第3の接続ロッドの両端がボールねじまたはねじナットを介して第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドに接続される。すなわち、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドはソケット構造であり、第3の接続ロッドの両端は、第1の接続ロッドの一端および第2の接続ロッドの一端の開口部にそれぞれ配置される。
【0010】
第1の態様を参照すると、第1の態様のいくつかの実施態様では、第3の接続ロッドの両端のねじ山は、反対方向に回転される。
【0011】
本出願のこの実施形態によれば、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドに配置されたねじ山が反対方向に回転されると、第3のモータは、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドが中間タイロッドの軸方向に沿って互いに接近または離間するように、第3の接続ロッドを制御して回転させる。
【0012】
第1の態様に関して、第1の態様のいくつかの実施態様では、独立型操舵機構は、第1の伝達部、第2の伝達部、および第3の伝達部をさらに含む。第1の電動アシストモータは、第1の伝達部を使用することによって、第1の接続ロッドを制御して中間タイロッドの軸方向に沿って移動させ、第2の電動アシストモータは、第2の伝達部を使用することによって、第2の接続ロッドを制御して中間タイロッドの軸方向に沿って移動させ、そして、第3の電動アシストモータは、第3の伝達部を使用することによって、第3の接続ロッドを制御して回転させる。
【0013】
本出願のこの実施形態によれば、電動アシストモータの回転速度は高く、第1の伝達部、第2の伝達部、および第3の伝達部はすべて減速の伝達構造である。本出願のこの実施形態では、第1の伝達部、第2の伝達部、および第3の伝達部がベルト伝達構造である例が説明のために使用されているが、伝達部の構造は限定されない。第1の伝達部、第2の伝達部および第3の伝達部は、ラックアンドピニオン伝達構造であり得、ウォームギヤ伝達構造であり得、または平行軸ギヤの伝達構造であり得る。
【0014】
第1の態様に関して、第1の態様のいくつかの実施態様では、第1の伝達部は第1のギヤを含み、第1のギヤはねじ山を介して第1の接続ロッドに接続される。第1の電動アシストモータは、第1の接続ロッドを制御して中間タイロッドの軸方向に沿って移動させるために、第1のギヤを駆動して回転させる。
【0015】
本出願のこの実施形態によれば、ねじ山が、第1の接続ロッドが第1のギヤと接触する面に配置され得、そして、第1のギヤの内側(第1のギヤが第1の接続ロッドと接触する面)は、ねじナットまたはボールねじ構造であり得る。第1の電動アシストモータが第1のギヤを駆動して回転させると、第1のギヤのねじナットまたはボールねじ構造が第1の接続ロッドのねじ山構造と組み合わされて、第1の接続ロッドを駆動して中間タイロッドの軸方向に沿って移動させる。動力伝達効率を向上させるために、歯が、第1のギヤの外側(第1のギヤが第1の伝達ベルトに接触する面)に配置され得、第1の伝達ベルトの内側(第1の伝達ベルトが第1のギヤに接触する面)に配置された歯と噛合され得る。
【0016】
第1の態様に関して、第1の態様のいくつかの実施態様では、第2の伝達部は第2のギヤを含み、第2のギヤはねじ山を介して第2の接続ロッドに接続され、第2の電動アシストモータは、第2の接続ロッドを制御して中間タイロッドの軸方向に沿って移動させるために、第2のギヤを駆動して回転させる。
【0017】
本出願のこの実施形態によれば、ねじ山が、第2の接続ロッドが第2のギヤと接触する面に配置され得、そして、第2のギヤの内側(第2のギヤが第2の接続ロッドと接触する面)は、ねじナットまたはボールねじ構造であり得る。第2の電動アシストモータが第2のギヤを駆動して回転させると、第2のギヤのねじナットまたはボールねじ構造が第2の接続ロッドのねじ山構造と組み合わされて、第2の接続ロッドを駆動して中間タイロッドの軸方向に沿って移動させる。動力伝達効率を向上させるために、歯が、第2のギヤの外側(第2のギヤが第2の伝達ベルトに接触する面)に配置され得、第2の伝達ベルトの内側(第2の伝達ベルトが第2のギヤに接触する面)に配置された歯と噛合され得る。
【0018】
第1の態様に関して、第1の態様のいくつかの実施態様では、第3の伝達部は第3のギヤを含む。第3の接続ロッドの表面には、中間タイロッドの軸方向に沿って配置されたガイドボスが配置される。第3のギヤには、ガイドボスに対応するガイド溝が配置される。第3のギヤは、ガイド溝およびガイドボスを介して第3の接続ロッドに接続される。第3の電動アシストモータは、第3の接続ロッドを制御して回転させるために、第3のギヤを駆動して回転させる。
【0019】
本出願のこの実施形態によれば、ガイドボスは、第3の接続ロッドが第3のギヤと接触する面に配置され得、ガイドボスに対応するガイド溝は、第3のギヤの内側(第3のギヤが第3の接続ロッドと接触する面)に配置され得る。ガイドボスは、第3のギヤと第3の接続ロッドとの間の動力伝達の効率が改善され得るように、中間タイロッドの軸方向に沿って配置され得る。加えて、ガイドボスの配置は、中間タイロッドの軸方向に沿った第3の接続ロッドの移動に影響を及ぼさない。
【0020】
任意選択で、動力伝達効率を向上させるために、歯が、第3のギヤ172の外側(第3のギヤ172が第3の伝達ベルト171に接触する面)に配置され得、第3の伝達ベルト171の内側(第3の伝達ベルト171が第3のギヤ172に接触する面)に配置された歯と噛合され得る。
【0021】
第2の態様によれば、第1の操舵輪と、第2の操舵輪と、第1の態様の可能な実施態様のいずれか1つによる独立型操舵機構と、を含む、独立型操舵システムが提供される。独立型操舵機構内の第1の接続ロッドは第1の操舵輪に接続され、独立型操舵機構内の第2の接続ロッドは第2の操舵輪に接続される。独立型操舵機構内の第1の電動アシストモータは、第1の操舵輪の回転を可能にするために、第1の接続ロッドを制御して、独立型操舵機構内の中間タイロッドの軸方向に沿って移動させるように構成され、そして、独立型操舵機構内の第2の電動アシストモータは、第2の操舵輪の回転を可能にするために、第2の接続ロッドを制御して、独立型操舵機構内の中間タイロッドの軸方向に沿って移動させるように構成される。
【0022】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実施態様では、独立型操舵システムは、第1の操舵ナックルと、第2の操舵ナックルと、第1の操舵キングピンと、第2の操舵キングピンと、をさらに含む。第1の操舵輪は、第1の操舵ナックルを介して第1の操舵キングピンに接続され、第1の操舵ナックルは、第1の接続ロッドに接続され、そして、第1の電動アシストモータは、第1の操舵ナックルが第1の操舵輪を駆動して第1の操舵キングピンの周りを回転させることを可能にするために、第1の接続ロッドを制御して中間タイロッドの軸方向に沿って移動させるように構成される。第2の操舵輪は、第2の操舵ナックルを介して第2の操舵キングピンに接続され、第2の操舵ナックルは、第2の接続ロッドに接続され、そして、第2の電動アシストモータは、第2の操舵ナックルが第2の操舵輪を駆動して第2の操舵キングピンの周りを回転させることを可能にするために、第2の接続ロッドを制御して中間タイロッドの軸方向に沿って移動させるように構成される。
【0023】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実施態様では、独立型操舵システムは、第1のタイロッドと、第2のタイロッドと、をさらに含む。第1のタイロッドの一端は第1の接続ロッドに接続され、第1のタイロッドの他端は第1の操舵ナックルに接続される。第2のタイロッドの一端は第2の接続ロッドに接続され、第2のタイロッドの他端は第2の操舵ナックルに接続される。
【0024】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実施態様では、独立型操舵システムは、制御ユニットをさらに含む。制御ユニットは、第1の操舵輪の目標操舵角および第2の操舵輪の目標操舵角を決定するように構成される。第1の電動アシストモータまたは第2の電動アシストモータが故障している場合、制御ユニットは、中間タイロッドが第1の操舵輪および第2の操舵輪を駆動して対応する目標操舵角まで回転させるように、独立型操舵機構内の第3の電動アシストモータを制御して、独立型操舵機構内の中間タイロッドの長さを調整し、かつ第1の電動アシストモータまたは第2の電動アシストモータのうちの正常な電動アシストモータを制御して中間タイロッドの位置を調整するように構成される。
【0025】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実施態様では、第1の電動アシストモータおよび第2の電動アシストモータが正常である場合、制御ユニットは、中間タイロッドが第1の操舵輪および第2の操舵輪を駆動して対応する目標操舵角まで回転させるように、第1の電動アシストモータおよび第2の電動アシストモータを制御して、中間タイロッドの長さおよび中間タイロッドの位置を調整するように特に構成される。
【0026】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実施態様では、独立型操舵システムは、第1の電子制御ユニットECUと、第2のECUと、第3のECUと、を含む。制御ユニットは、第1の制御命令を、第1の制御命令に従って第1の電動アシストモータを制御するように構成される第1のECUに送信し、第2の制御命令を、第2の制御命令に従って第2の電動アシストモータを制御するように構成される第2のECUに送信し、かつ第3の制御命令を、第3の制御命令に従って第3の電動アシストモータを制御するように構成される第3のECUに送信するように特に構成される。
【0027】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実施態様では、制御ユニットは、第1の操舵輪の目標操舵角および第2の操舵輪の目標操舵角に基づいて、第1の接続ロッドの目標位置および第2の接続ロッドの目標位置を決定するように、かつ第1の接続ロッドの目標位置および第2の接続ロッドの目標位置に基づいて、中間タイロッドの目標長さを決定するように特に構成される。制御ユニットは、目標長さに基づいて、独立型操舵機構内の第3の接続ロッドの目標回転角を算出し、目標回転角に基づいて、第3の電動アシストモータを制御して中間タイロッドの長さを目標長さに調整し、そして、第1の接続ロッドの目標位置および第2の接続ロッドの目標位置に基づいて、第1の電動アシストモータまたは第2の電動アシストモータのうちの正常な電動アシストモータを制御して、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドを対応する目標位置に調整する。
【0028】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実施態様では、第3の接続ロッドの両端は、ねじ山を介して第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドに接続され、目標回転角は以下の式を満たす。式中の、Lは中間タイロッドの目標長さであり、L0は中間タイロッドの最短長さであり、iangはねじ山のリードである。
【0029】
【0030】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実施態様では、制御ユニットは、第3の制御命令を第3のECUに送信するように特に構成され、第3の制御命令は、中間タイロッドの長さが目標長さになるように、第3の電動アシストモータを制御してトルクを出力させるように第3のECUに指示を出すために使用される。第3のECUは、第3の制御命令に従って第3の電動アシストモータを制御する。
【0031】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実施態様では、制御ユニットは、第1の制御命令を第1のECUに送信するように特に構成され、第1の制御命令は、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドが対応する目標位置まで回転するように、第1の電動アシストモータを制御してトルクを出力させるように第1のECUに指示を出すために使用されるか、または第2の制御命令を第2のECUに送信するように特に構成され、第2の制御命令は、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドが対応する目標位置に到達するように、第2の電動アシストモータを制御してトルクを出力させるように第2のECUに指示を出すために使用される。
【0032】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実施態様では、独立型操舵システムは、第1のセンサと、第2のセンサと、第3のセンサと、をさらに含む。第1のセンサは、第1の接続ロッドの位置情報を決定するように構成され、第2のセンサは、第2の接続ロッドの位置情報を決定するように構成され、そして、第3のセンサは、中間タイロッドの長さ情報を決定するように構成される。
【0033】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実施態様では、制御ユニットは、第1の接続ロッドの位置情報、第2の接続ロッドの位置情報、および中間タイロッドの長さ情報に基づいて、第1の制御命令、第2の制御命令、または第3の制御命令を決定するように特に構成される。
【0034】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実施態様では、第1のセンサは、並進位置センサまたは角度位置センサである。
【0035】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実施態様では、第2のセンサは、並進位置センサまたは角度位置センサである。
【0036】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実施態様では、第3のセンサは角度位置センサである。
【0037】
第3の態様によれば、独立型操舵システムのための制御方法が提供される。独立型操舵システムは、制御ユニットと、第1の操舵輪と、第2の操舵輪と、第1の態様の可能な実施態様のいずれか1つによる独立型操舵機構と、を含む。第1の操舵輪および第2の操舵輪は、独立型操舵機構内の中間タイロッドの第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドにそれぞれ接続され、本方法は、制御ユニットが、第1の操舵輪の目標操舵角および第2の操舵輪の目標操舵角を決定することを含む。独立型操舵機構内の第1の電動アシストモータまたは第2の電動アシストモータが故障している場合、制御ユニットは、中間タイロッドが第1の操舵輪および第2の操舵輪を駆動して対応する目標操舵角まで回転させるように、独立型操舵機構内の第3の電動アシストモータを制御して独立型操舵機構内の中間タイロッドの長さを調整し、かつ第1の電動アシストモータまたは第2の電動アシストモータのうちの正常な電動アシストモータを制御して中間タイロッドの位置を調整する。
【0038】
第3の態様に関して、第3の態様のいくつかの実施態様では、制御方法は、第1の電動アシストモータおよび第2の電動アシストモータが正常である場合、中間タイロッドが第1の操舵輪および第2の操舵輪を駆動して対応する目標操舵角まで回転させるように、制御ユニットが、第1の電動アシストモータおよび第2の電動アシストモータを制御して中間タイロッドの長さおよび中間タイロッドの位置を調整することをさらに含む。
【0039】
第3の態様に関して、第3の態様のいくつかの実施態様では、独立型操舵システムは、第1のECUと、第2のECUと、第3のECUと、を含む。第1のECUは、第1の電動アシストモータを制御するように構成され、第2のECUは、第2の電動アシストモータを制御するように構成され、そして、第3のECUは、第3の電動アシストモータを制御するように構成される。本方法は、制御ユニットが、第1のECUによって送信された第1の情報を受信することをさらに含み、第1の情報は、第1の電動アシストモータが故障しているかを示すために使用される。制御ユニットは、第2のECUによって送信された第2の情報を受信し、第2の情報は、第2の電動アシストモータが故障しているかを示すために使用される。制御ユニットは、第3のECUによって送信された第3の情報を受信し、第3の情報は、第3の電動アシストモータが故障しているかを示すために使用される。
【0040】
第3の態様に関して、第3の態様のいくつかの実施態様では、制御ユニットが、独立型操舵機構内の第3の電動アシストモータを制御して独立型操舵機構内の中間タイロッドの長さを調整し、かつ第1の電動アシストモータまたは第2の電動アシストモータのうちの正常な電動アシストモータを制御して中間タイロッドの位置を調整することは、制御ユニットが、第1の操舵輪の目標操舵角および第2の操舵輪の目標操舵角に基づいて、第1の接続ロッドの目標位置および第2の接続ロッドの目標位置を決定することを含む。制御ユニットは、第1の接続ロッドの目標位置および第2の接続ロッドの目標位置に基づいて、中間タイロッドの目標長さを決定する。制御ユニットは、目標長さに基づいて、独立型操舵機構内の第3の接続ロッドの目標回転角を算出する。制御ユニットは、目標回転角に基づいて、第3の電動アシストモータを制御して中間タイロッドの長さを目標長さに調整し、そして、第1の接続ロッドの目標位置および第2の接続ロッドの目標位置に基づいて、第1の電動アシストモータまたは第2の電動アシストモータのうちの正常な電動アシストモータを制御して、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドを対応する目標位置に調整する。
【0041】
第3の態様に関して、第3の態様のいくつかの実施態様では、第3の接続ロッドの両端は、ねじ山を介して第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドに接続され、目標回転角は以下の式を満たす。式中、Lは中間タイロッドの目標長さであり、L0は中間タイロッドの最短長さであり、iangはねじ山のリードである。
【0042】
【0043】
第3の態様に関して、第3の態様のいくつかの実施態様では、制御ユニットが、目標回転角に基づいて、第3の電動アシストモータを制御して中間タイロッドの長さを目標長さに調整することは、制御ユニットが第3の制御命令を第3のECUに送信することを含み、第3の制御命令は、中間タイロッドの長さが目標長さになるように、第3の電動アシストモータを制御してトルクを出力させるように第3のECUに指示を出すために使用され、第3のECUは、第3の制御命令に従って第3の電動アシストモータを制御する。
【0044】
第3の態様に関して、第3の態様のいくつかの実施態様では、制御ユニットが、第1の接続ロッドの目標位置および第2の接続ロッドの目標位置に基づいて、第1の電動アシストモータまたは第2の電動アシストモータのうちの正常な電動アシストモータを制御して、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドを対応する目標位置に調整することは、制御ユニットが第1の制御命令を第1のECUに送信することを含み、第1の制御命令は、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドが対応する目標位置まで回転するように、第1の電動アシストモータを制御してトルクを出力させるように第1のECUに指示を出すために使用される。あるいは、制御ユニットは、第2の制御命令を第2のECUに送信し、第2の制御命令は、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドが対応する目標位置に到達するように、第2の電動アシストモータを制御してトルクを出力させるように第2のECUに指示を出すために使用される。
【0045】
第4の態様によれば、第2の態様の可能な実施態様のいずれか1つによる独立型操舵システムを含む車両が提供される。独立型操舵システム内の独立型操舵機構は、中間タイロッドの長さおよび位置を調整することによって操舵輪を制御して操舵を実施する。
【0046】
第5の態様によれば、制御装置が提供される。制御装置は、処理ユニットと、記憶ユニットと、を含む。記憶ユニットは、命令を記憶するように構成される。処理ユニットは、記憶ユニットに記憶された命令を実行し、その結果、制御装置は、第3の態様による任意の可能な方法を実施する。
【0047】
任意選択で、制御装置は、車両内の独立したコントローラであり得、または車両内の制御機能を有するチップであり得る。処理ユニットはプロセッサであり得る。記憶ユニットは、チップ内のメモリ(例えば、レジスタもしくはキャッシュ)、または車両内にあり、かつチップの外部に位置される記憶ユニット(例えば、読み出し専用メモリまたはランダムアクセスメモリ)であり得る。
【0048】
前述のコントローラでは、メモリがプロセッサに結合されることに留意されたい。メモリがプロセッサに結合されることは、メモリがプロセッサの内部に位置される、またはメモリがプロセッサの外部に位置されるため、プロセッサから独立していると理解され得る。
【0049】
第6の態様によれば、コンピュータプログラム製品が提供され、コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムコードを含み、コンピュータプログラムコードがコンピュータで実行されると、コンピュータは、前述の態様による方法を実施する。
【0050】
コンピュータプログラムコードのすべてまたは一部が第1の記憶媒体に記憶され得ることに留意されたい。第1の記憶媒体は、プロセッサと共にカプセル化され得、またはプロセッサとは別個にカプセル化され得る。これは、本出願の実施形態において特に限定されない。
【0051】
第7の態様によれば、コンピュータ可読媒体が提供される。コンピュータ可読媒体はプログラムコードを記憶する。コンピュータプログラムコードがコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、前述の態様の方法を実施する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図2】従来技術によるステアバイワイヤの独立型システムを示す図である。
【
図3】本出願の一実施形態による独立型操舵機構を示す図である。
【
図4】本出願の一実施形態による独立型操舵機構の三次元概略図である。
【
図5】本出願の一実施形態による第3のギヤの断面図である。
【
図6】本出願の一実施形態による第3の接続ロッドの断面図である。
【
図7】本出願の一実施形態による独立型操舵システム200の概略図である。
【
図8】本出願の一実施形態による、車両が独立型操舵システムを含む場合の通常操舵の概略図である。
【
図9】本出願の一実施形態による、車両が2つの独立型操舵システムを含む場合の原位置操舵の概略図である。
【
図10】本出願の一実施形態による車両並進の概略図である。
【
図11】本出願の一実施形態による、小半径での車両操舵の概略図である。
【
図12】本出願の一実施形態による、第3の電動アシストモータの故障に対応する概略図である。
【
図13】本出願の一実施形態による、第1の電動アシストモータの故障に対応する概略図である。
【
図14】本出願の一実施形態による、第2の電動アシストモータの故障に対応する概略図である。
【
図15】本出願の一実施形態による別の独立型操舵システム500の概略図である。
【
図16】本出願の一実施形態による制御方法のフローチャートである。
【
図17】本出願の一実施形態による、異なる作動モードを決定するための方法の概略図である。
【
図18】本出願の一実施形態による、制御ユニットによる電動アシストモータの制御の概略フローチャートである。
【
図19】本出願の一実施形態による制御ユニットの概略図である。
【
図20】本出願の別の実施形態による、制御ユニットの概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、添付の図面を参照して本出願の技術的解決手段を説明する。
【0054】
【0055】
図1に示されるように、車両が操舵される場合、左右の操舵輪の操舵半径が異なるため、左右の操舵輪の操舵角は異なる。操舵機構は、アッカーマン操舵ジオメトリに従って設計される。車両がカーブに沿って旋回する場合、内側車輪の操舵角は、4つの接続ロッドの等しいクランク、すなわち
図1に示される操舵台形を使用することによって、外側車輪の操舵角よりも2~4度大きくなり得る。この構造は、車両の4つの車輪の操舵経路の中心が後車軸の延長線上で概ね交差し、車両がスムーズに旋回することを可能にする。
【0056】
従来の操舵システムの車両は機械式システムであり、車両の操舵動作は、運転者によって駆動輪を操作し、その操作を操舵ギヤおよび一連のロッドを介して操舵輪に伝達することによって実装される。従来の車両用操舵システムは、従来の車両用操舵システムの機械的構造によって制約され、ステアリングには柔軟性がない。しかしながら、車両用ステアバイワイヤシステムは、駆動輪と操舵輪との間の機械的接続を相殺し、操舵は電気エネルギーによって完全に実装される。特に、ステアバイワイヤの独立型システムの場合、操舵モータは、左右の操舵輪が独立して回転し得るように、左右の操舵輪のためにそれぞれ構成され、したがって、車両の操舵はより柔軟である。
【0057】
図2は、従来技術のステアバイワイヤの独立型システムを示す。
【0058】
図2に示されるように、操舵輪1および操舵輪7には、操舵モータ2および操舵モータ6がそれぞれ設けられている。2つのモータは互いに独立しており、それぞれ対応する操舵輪を直接駆動して操舵を実施する。操舵モータ2および操舵モータ6の一方が故障して作動を停止した場合、独立した操舵を全体的な操舵に変更するために、回転モータ4が、左接続片3を制御して右接続片5に接続するために使用され得る。
【0059】
この構造に関して、操舵モータは、対応する操舵輪を直接駆動して操舵するために使用され得、回転モータは、左右の接続片の分離および組み合わせを制御するために使用され得る。しかしながら、操舵モータのうちの1つが故障している場合、および回転モータ4が左右の接続片の接続を制御する場合、正常な操舵は影響を受け、故障が発生した後、独立した操舵能力は失われる。
【0060】
本出願は、独立型操舵機構、独立型操舵システム、および制御方法を提供する。複数の電動アシストモータが独立した操舵機能を実装するように配置され、そして、電動アシストモータのうちの1つが故障している場合に、機械的構造を変更せずに独立した操舵は実施され得ないという問題を解決する。
【0061】
図3は、本出願の一実施形態による独立型操舵機構を示す。
【0062】
図3に示されるように、独立型操舵機構100は、第1の電動アシストモータ110と、第2の電動アシストモータ120と、第3の電動アシストモータ130と、中間タイロッド140と、を含み得る。
【0063】
中間タイロッド140は、第1の接続ロッド142と、第2の接続ロッド143と、第3の接続ロッド141と、を含む。第3の接続ロッド141の両端は、第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143に接続される。第1の電動アシストモータ110は、第1の接続ロッド142を制御して中間タイロッド140の軸方向に沿って移動させるように構成される。第2の電動アシストモータ120は、第2の接続ロッド143を制御して中間タイロッド140の軸方向に沿って移動させるように構成される。第3の電動アシストモータ130は、第3の接続ロッド141を回転させて、第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド142を駆動して中間タイロッド140の軸方向に沿って互いに向かってまたは反対に移動させるように構成され、第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド142は、中間タイロッド140の軸方向に沿って互いに接近または離間する。
【0064】
任意選択で、独立型操舵機構100は、第1の伝達部150と、第2の伝達部160と、第3の伝達部170と、をさらに含み得る。第1の電動アシストモータ110は、第1の伝達部150を使用することによって、第1の接続ロッド142を制御して中間タイロッド140の軸方向に沿って移動させ得る。第2の電動アシストモータ120は、第2の伝達部160を使用することによって、第2の接続ロッド143を制御して中間タイロッド140の軸方向に沿って移動させ得る。第3の電動アシストモータ130は、第3の伝達部170を使用することによって、第3の接続ロッド141を制御して回転させ得る。
【0065】
任意選択で、第3の接続ロッド141は中空構造であり、第3の接続ロッド141の両端は、ねじ山を介して第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143に接続される。すなわち、第3の接続ロッド141はソケット構造であり、第1の接続ロッド142の一端および第2の接続ロッド143の一端は、ソケット構造の両側の開口部にそれぞれ配置され、ねじ山を介して接続される。
【0066】
あるいは、第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143が中空構造であり得、第3の接続ロッド141の両端がボールねじまたはねじナットを介して第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143に接続される。すなわち、第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143はソケット構造であり、第3の接続ロッド141の両端は、第1の接続ロッド142の一端および第2の接続ロッド143の一端の開口部にそれぞれ配置される。
【0067】
本出願のこの実施形態では、第3の接続ロッド141が中空構造である例が説明のために使用されており、第1の接続ロッド142、第2の接続ロッド143、および第3の接続ロッドの具体的な構造は限定されないことを理解されたい。
【0068】
図4は、本出願の一実施形態による独立型操舵機構の三次元概略図である。
【0069】
任意選択で、
図4に示されるように、第1の伝達部150は、第1の伝達ベルト151と、第1のギヤ152と、を含み得る。第1のギヤ152は中心孔を有し、第1の接続ロッド142は孔を通って第1のギヤ152を貫通する。第1の電動アシストモータ110が回転すると、第1の伝達ベルト151は、第1のギヤ152を駆動して回転させ、第1の接続ロッド142をさらに駆動して中間タイロッド140の軸方向に沿って移動させ得る。
【0070】
任意選択で、ねじ山が、第1の接続ロッド142が第1のギヤ152と接触する面に配置され得、そして、第1のギヤ152の内側(第1のギヤ152が第1の接続ロッド142と接触する面)は、ねじナットまたはボールねじ構造であり得る。第1の電動アシストモータ110が第1のギヤ152を駆動して回転させると、第1のギヤ152のねじナットまたはボールねじ構造が第1の接続ロッド142のねじ山構造と組み合わされて、第1の接続ロッド142を駆動して中間タイロッド140の軸方向に沿って移動させる。
【0071】
任意選択で、動力伝達効率を向上させるために、歯が、第1のギヤ152の外側(第1のギヤ152が第1の伝達ベルト151に接触する面)に配置され得、第1の伝達ベルト151の内側(第1の伝達ベルト151が第1のギヤ152に接触する面)に配置された歯と噛合され得る。
【0072】
任意選択で、第2の伝達部160は、第2の伝達ベルト161と、第2のギヤ162と、を含み得る。第2のギヤ162は中心孔を有し、第2の接続ロッド143は孔を通って第2のギヤ162を貫通する。第2の電動アシストモータ120が回転すると、第2の伝達ベルト161は、第2のギヤ162を駆動して回転させ、第2の接続ロッド143をさらに駆動して中間タイロッド140の軸方向に沿って移動させ得る。
【0073】
任意選択で、ねじ山が、第2の接続ロッド143が第2のギヤ162と接触する面に配置され得、そして、第2のギヤ162の内側(第2のギヤ162が第2の接続ロッド143と接触する面)は、ねじナットまたはボールねじ構造であり得る。第2の電動アシストモータ120が第2のギヤ162を駆動して回転させると、第2のギヤ162のねじナットまたはボールねじ構造が第2の接続ロッド143のねじ山構造と組み合わされて、第2の接続ロッド143を駆動して中間タイロッド140の軸方向に沿って移動させる。
【0074】
任意選択で、動力伝達効率を向上させるために、歯が、第2のギヤ162の外側(第2のギヤ162が第2の伝達ベルト161に接触する面)に配置され得、第2の伝達ベルト161の内側(第2の伝達ベルト161が第2のギヤ162に接触する面)に配置された歯と噛合され得る。
【0075】
任意選択で、第3の伝達部170は、第3の伝達ベルト171と、第3のギヤ172と、を含み得る。第3のギヤ172は中心孔を有し、第3の接続ロッド141は孔を通って第3のギヤ172を貫通する。第3の電動アシストモータ130が回転すると、第3の伝達ベルト171は、第3のギヤ172を駆動して回転させ、第3の接続ロッド141をさらに駆動して回転させ得る。
【0076】
任意選択で、
図5に示されるように、ガイドボス173が、第3の接続ロッド141が第3のギヤ172と接触する面に配置され得、ガイドボス173に対応するガイド溝174が、第3のギヤ172の内側(第3のギヤ172が第3の接続ロッド141と接触する面)に配置され得る。ガイドボス173は、第3のギヤ172と第3の接続ロッド141との間の動力伝達の効率が改善され得るように、中間タイロッド140の軸方向に沿って配置され得る。加えて、ガイドボス173の配置は、中間タイロッド140の軸方向に沿った第3の接続ロッド141の移動に影響を及ぼさない。
【0077】
任意選択で、動力伝達効率を向上させるために、歯が、第3のギヤ172の外側(第3のギヤ172が第3の伝達ベルト171に接触する面)に配置され得、そして、第3の伝達ベルト171の内側(第3の伝達ベルト171が第3のギヤ172に接触する面)に配置された歯と噛合され得る。
【0078】
任意選択で、第1の伝達部150および第2の伝達部160は、非セルフロック構造であり得る。第1の伝達部150は一例として使用されている。第1の接続ロッド142が移動すると、第1のギヤ152は駆動されて回転し得る。加えて、第1のギヤ152が回転すると、第1の接続ロッド142は駆動されて移動し得る。第2の伝達部160が非セルフロック構造であることも、これに対応して理解され得る。
【0079】
本出願のこの実施形態では、電動アシストモータの回転速度が高く、第1の伝達部150、第2の伝達部160、および第3の伝達部170がすべて減速の伝達構造であることを理解されたい。本出願のこの実施形態では、第1の伝達部150、第2の伝達部160、および第3の伝達部170がベルト伝達構造である例が説明のために使用されているが、伝達部の構造は限定されない。第1の伝達部150、第2の伝達部160および第3の伝達部170は、ラックアンドピニオン伝達構造であり得、ウォームギヤ伝達構造であり得、または平行軸ギヤの伝達構造であり得る。
【0080】
図6は、本出願の一実施形態による第3の接続ロッドの断面図である。
【0081】
図6に示されるように、第3の接続ロッド141は、ねじ山を介して第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143に接続され得る。
【0082】
任意選択で、第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143に配置されたねじ山は、反対方向に回転される。
【0083】
第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143に配置されたねじ山が逆方向に回転されると、第3のモータ130は、第3の伝達部170を使用することによって、第3の接続ロッド141を駆動して回転させ、第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143は、中間タイロッド140の軸方向に沿って互いに向かってまたは反対方向に移動する。例えば、第3の接続ロッド141が第1の方向に回転すると、第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143は中間タイロッド140の軸方向に沿って互いに向かって移動、すなわち、第1の接続ロッド142と第2の接続ロッド143とは互いに接近し得る。第3の接続ロッド141が第2の方向に回転すると、第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143は中間タイロッド140の軸方向に沿って互いに反対に移動、すなわち、第1の接続ロッド142と第2の接続ロッド143とは互いから離間し得る。第1の方向は第2の方向と反対である。例えば、第1の方向は時計回り方向であり、第2の方向は反時計回り方向であり得る。
【0084】
図7は、本出願の一実施形態による独立型操舵システム200の概略図である。
図7に示される独立型操舵システム200は、車両に適用され得る。
【0085】
図7に示されるように、独立型操舵システム200は、独立型操舵機構100と、第1の操舵輪221と、第2の操舵輪222と、を含み得る。
【0086】
独立型操舵機構100は、前述の実施形態で説明された独立型操舵機構のいずれか1つであり得、第1の電動アシストモータ110と、第2の電動アシストモータ120と、第3の電動アシストモータ130と、中間タイロッド140と、を含み得る。中間タイロッド140は、第3の接続ロッド141と、第1の接続ロッド142と、第2の接続ロッド143と、を含む。
【0087】
第3の電動アシストモータ130は、第3の接続ロッド141を制御して回転させ、第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド142を駆動して中間タイロッド140の軸方向に沿って移動させるように構成される。
【0088】
第1の接続ロッド142は第1の操舵輪221に接続され得、第1の電動アシストモータ110は、第1の操舵輪221が回転することができるように、第1の接続ロッド142を制御して中間タイロッド140の軸方向に沿って移動させるように構成され得る。
【0089】
第2の接続ロッド143は第2の操舵輪222に接続され得、第2の電動アシストモータ120は、第2の操舵輪222が回転することができるように、第2の接続ロッド142を制御して中間タイロッド140の軸方向に沿って移動させるように構成され得る。
【0090】
任意選択で、独立型操舵システム200は、第1の操舵ナックル201と、第2の操舵ナックル202と、第1の操舵キングピン211と、第2の操舵キングピン212と、を含み得る。
【0091】
第1の操舵輪221は、第1の操舵ナックル201を介して第1の操舵キングピン211に接続され、第1の操舵ナックル201は、第1の接続ロッド142に接続される。第1の電動アシストモータ110は、第1の操舵ナックル201が第1の操舵輪221を駆動して第1の操舵キングピン211の周りを回転させることを可能にするために、第1の接続ロッド142を制御して中間タイロッド140の軸方向に沿って移動させるように構成される。
【0092】
第2の操舵輪222は、第2の操舵ナックル202を介して第2の操舵キングピン212に接続され、第2の操舵ナックル202は、第2の接続ロッド143に接続される。第2の電動アシストモータ120は、第2の操舵ナックル202が第2の操舵輪222を駆動して第2の操舵キングピン212の周りを回転させることを可能にするために、第2の接続ロッド143を制御して中間タイロッド140の軸方向に沿って移動させるように構成される。
【0093】
任意選択で、第1の操舵キングピン211および第2の操舵キングピン212は、操舵輪が作動する場合の信頼性を高めるために、車両のシャーシに締結され得る。
【0094】
任意選択で、独立型操舵システム200は、第1のタイロッド231と、第2のタイロッド232と、を含み得る。第1のタイロッド231は、第1の接続ロッド142および第1の操舵ナックル201に接続するように構成され得る。第2のタイロッド232は、第2の接続ロッド143および第2の操舵ナックル202に接続するように構成され得る。
【0095】
任意選択で、独立型操舵システム200は、第1のハウジング241と、第2のハウジング242と、を含み得る。第1のハウジング241は、第1の伝達部150の一部を収容するように構成され得、例えば、第1のギヤが外部に露出されることを防止するように、第1の伝達部150内の第1のギヤを収容し得る。第2のハウジング242は、第2の伝達部160の一部を収容するように構成され得る。加えて、第1のハウジング241および第2のハウジング242は、独立型操舵システム200の使用の信頼性を高めるために、独立型操舵システム200を車両のシャーシに締結するように構成され得る。
【0096】
第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143が第1の操舵ナックル201および第2の操舵ナックル202にそれぞれ接続されているため、第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143は、車両の操舵を可能にするために、第1の操舵輪221および第2の操舵輪222を駆動して、第1の操舵キングピン211および第2の操舵キングピン212の周りを回転させるように構成されていることを理解されたい。したがって、第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143は、中間タイロッド140の軸方向に沿ってのみ移動することができ、回転することができない。
【0097】
第3の接続ロッド141に関して、第3の電動アシストモータ130は、第3の伝達部170を使用することによって、第3の接続ロッド141を駆動して回転させ、第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143を中間タイロッド140の軸方向に沿って互いに向かってまたは反対に移動させ得、かつ中間タイロッド140の長さLを制御し得る。加えて、第1の電動アシストモータ110または第2の電動アシストモータ120のみが作動する場合、第3の接続ロッド141は、第1の接続ロッド142または第2の接続ロッド143を駆動して移動させ得る。第3の接続ロッド141は、第1の接続ロッド142と第2の接続ロッド143との間の接続片として使用され、第3の接続ロッド141の一端のみに接続された接続ロッドが移動する場合、第3の接続ロッド141は回転しない。したがって、第1の電動アシストモータ110または第2の電動アシストモータ120のみが作動する場合、第3の接続ロッド141は、中間タイロッド140を駆動して中間タイロッド140の軸方向に沿って移動させ得る。したがって、第3の接続ロッド141は、回転し得、中間タイロッド140の軸方向に沿って移動することができる。
【0098】
図8および
図9は、本出願の一実施形態による車両操舵の概略図である。本出願で提供される独立型操舵システムの、異なる旋回ケースにおける作動状態が
図8および
図9に示される。
図8は、本出願の一実施形態による、車両が独立型操舵システムを含む場合の通常操舵の概略図である。
図9は、本出願の一実施形態による、車両が2つの独立型操舵システムを含む場合の原位置操舵の概略図である。
【0099】
図8に示されるように、車両は、独立型操舵システム200を含み得る。通常操舵中、一例として左操舵が使用される。操舵中、内側操舵輪の操舵角は、外側操舵輪の操舵角よりも大きい。第1の電動アシストモータ110および第2の電動アシストモータ120は、第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143をそれぞれ駆動して、中間タイロッド140の軸方向に沿って左方に移動させ得る。この場合、第3のモータ130は待機状態であり得、トルクを出力しない。第3の接続ロッド130が第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143に接続されるねじ山は非セルフロック構造であるため、第3の接続ロッド130は、第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143に対する拘束効果を有しない。したがって、第1の操舵輪221および第2の操舵輪222の操舵角が独立して制御され、対応する角度が柔軟に調整され得る。
【0100】
車両が2つの独立型操舵システムを含む場合、通常操舵中、後輪は静止したままであり得、共通操舵は前述の方法で実装され得ることを理解されたい。
【0101】
図9に示されるように、車両は、2つの独立型操舵システムを含み得る。原位置操舵中、車両の操舵中心が車両の幾何学的中心にあり、車両が破線に沿った原位置操舵機能を実装し得るように、独立型操舵システム300の操舵輪は内側に回転する必要があり、独立型操舵システム400の操舵輪は外側に回転する必要がある。
【0102】
独立型操舵システム300の操舵輪が内側に回転する必要がある場合、第1の電動アシストモータ310および第2の電動アシストモータ320は、第1の接続ロッド342および第2の接続ロッド343をそれぞれ駆動して中間タイロッド140の軸方向に沿って互いに接近させ得る。この場合、第3のモータ330は待機状態であり得、トルクを出力しない。
【0103】
独立型操舵システム400の操舵輪が外側に回転する必要がある場合、第1の電動アシストモータ410および第2の電動アシストモータ420は、第1の接続ロッド442および第2の接続ロッド443をそれぞれ駆動して中間タイロッド140の軸方向に沿って互いから離間させ得る。この場合、第3のモータ430は待機状態であり得、トルクを出力しない。
【0104】
図10および
図11は、本出願の一実施形態による、車両が2つの独立型操舵システムを含む場合の操舵の概略図である。
図10は、本出願の一実施形態による車両並進の概略図である。
図11は、本出願の一実施形態による、小半径での車両操舵の概略図である。
【0105】
図10に示されるように、並進中、車両の4つの操舵輪の操舵角は同じである。この場合、車両は並進し得、車両の操舵中心は無限遠にある。
【0106】
図11に示されるように、小半径での操舵中、車両の前側操舵輪が操舵され、後側の後側操舵輪が操舵を補助し、後側操舵輪の操舵角は前側操舵輪の操舵角と反対になる。この場合、車両の操舵中心は、通常操舵に比べて車体に非常に接近し得、旋回半径は大幅に小さくなる。
【0107】
本出願の実施形態で提供される独立型操舵システムは、長さが調整可能な独立型操舵機構を含むことを理解されたい。2つの操舵輪の独立した操舵は、第1の電動アシストモータ、第2の電動アシストモータおよび第3の電動アシストモータを制御することによって実装され得る。2つの独立型操舵システムが使用される場合、車両は、駆動モードをより多様化するために、並進操舵、旋回半径縮小、および原位置操舵などの機能を実装し得る。
【0108】
本出願の実施形態で提供される独立型操舵システムによれば、電動アシストモータのうちの1つが故障している場合、独立型操舵システムは、構造調整なしで独立した操舵機能を依然として実装し得る。
図12~
図14を参照して、以下は、電動アシストモータが故障している場合の独立型操舵システムの作動状態について説明する。
【0109】
図12は、独立型操舵システム内の第3の電動アシストモータ130の故障に対応する概略図である。第3の接続ロッド130が第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143に接続されるねじ山が非セルフロック構造であり、第3の接続ロッド130が第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143に拘束効果を有しないため、第3の電動アシストモータ130が故障している場合、第1の電動アシストモータ110および第2の電動アシストモータ120は、対応する操舵輪の操舵角を独立して制御し得る。
【0110】
図13は、独立型操舵システム内の第1の電動アシストモータ110の故障に対応する概略図である。第1の電動アシストモータ110が故障している場合、第3の電動アシストモータ130は中間タイロッド140の長さLを制御し得、第2の電動アシストモータ120は中間タイロッド140を駆動して中間タイロッド140の軸方向に沿って移動させ、2つの操舵輪の独立した操舵を実装する。第1の電動アシストモータ110および第2の電動アシストモータ120の作動と比較して、この場合、50%の電動アシスト能力が提供され得ることを理解されたい。
【0111】
図14は、独立型操舵システム内の第2の電動アシストモータ120の故障に対応する概略図である。第2の電動アシストモータ120が故障している場合、第3の電動アシストモータ130は中間タイロッド140の長さLを制御し得、第1の電動アシストモータ110は中間タイロッド140を駆動して中間タイロッド140の軸方向に沿って移動させ、2つの操舵輪の独立した操舵を実装する。第1の電動アシストモータ110および第2の電動アシストモータ120の作動と比較して、この場合、50%の電動アシスト能力が提供され得ることを理解されたい。
【0112】
本出願の本実施形態で提供される独立型操舵システムは、第1の電動アシストモータ、第2の電動アシストモータ、および第3の電動アシストモータによって操舵輪を制御することによって、2つの操舵輪の独立した操舵を実装し得ることを理解されたい。加えて、車両の良好な運転安定性を確保するために、単一の操舵輪を調整することによって車両の駆動姿勢が補正され得る。車両が2つの独立型操舵システムを含む場合、並進操舵、旋回半径縮小、および原位置操舵などの機能を実装する4輪操舵が車両に適用され得る。独立型操舵システム内の電動アシストモータのいずれか1つが故障している場合、他の2つの電動アシストモータが、依然として共に作動して、独立した操舵を実装し得る。加えて、電動アシストモータが故障している場合、独立型操舵システムは、車両の操舵安全性を確保するために、構造調整なしにユーザの操舵運転に応答し続け得る。本出願の本実施形態で提供される独立型操舵システムは、クラッチなどの構成要素を必要とせず、より単純な構造を有する。
【0113】
図15は、本出願の一実施形態による別の独立型操舵システム500の概略図である。
図15に示される独立型操舵システム500は、車両に適用され得る。
【0114】
図15に示されるように、独立型操舵システム500は、制御ユニット510と、第1の電子制御ユニット(electronic control unit、ECU)521と、第2のECU522と、第3のECU523と、をさらに含み得る。
【0115】
第1のECU521は、第1の電動アシストモータ110を制御するように構成され得る。第2のECU522は、第2の電動アシストモータ120を制御するように構成され得る。第3のECU523は、第3の電動アシストモータ130を制御するように構成され得る。制御ユニット510は、対応する第1の制御命令、第2の制御命令、および第3の制御命令を第1のECU521、第2のECU522、および第3のECU523に送信し得る。第1のECU521、第2のECU522および第3のECU523は、第1の制御命令、第2の制御指令および第3の制御指令に従って、対応する電動アシストモータを別個に制御してトルクを出力させ得る。
【0116】
任意選択で、制御命令は、第1の電動アシストモータ110、第2の電動アシストモータ120、または第3の電動アシストモータ130に対応する出力トルク命令を含み得る。
【0117】
任意選択で、独立型操舵システム500は、第1のセンサ531と、第2のセンサ532と、第3のセンサ533と、をさらに含み得る。第1のセンサ531は、第1の接続ロッド142の位置情報を決定するように構成され得る。第2のセンサ532は、第2の接続ロッド143の位置情報を決定するように構成され得る。第3のセンサ533は、中間タイロッド140の長さ情報を決定するように構成され得る。
【0118】
任意選択で、第1のセンサ531、第2のセンサ532、および第3のセンサ533は、決定された情報を制御ユニット510に送信し得る。制御ユニット510は、第1の接続ロッド142の現在位置情報、第2の接続ロッド143の現在位置情報、および中間タイロッド140の現在長さ情報に基づいて、第1の制御命令、第2の制御命令、または第3の制御命令を決定し得る。
【0119】
任意選択で、第1のセンサ531は、並進位置センサまたは角度位置センサであり得る。第1のセンサ531が並進位置センサである場合、第1の接続ロッド142の具体的な位置が直接測定され得る。第1のセンサ531が角度位置センサである場合、第1の接続ロッド142の具体的な位置は、第1の伝達部150内の第1の電動アシストモータ110の角度位置または第1のギヤの角度位置を測定することによって算出され得る。
【0120】
任意選択で、第2のセンサ532は、並進位置センサまたは角度位置センサであり得る。第2のセンサ532が並進位置センサである場合、第2の接続ロッド143の具体的な位置が直接測定され得る。第2のセンサ532が角度位置センサである場合、第2の接続ロッド143の具体的な位置は、第2の伝達部160内の第2の電動アシストモータ120の角度位置または第2のギヤの角度位置を測定することによって算出され得る。
【0121】
任意選択で、第3のセンサ533は角度センサであり得る。第3のセンサ533は、第3の接続ロッド141の回転角を測定することによって、中間タイロッド140の長さを決定し得る。第1の接続ロッド142、第2の接続ロッド143、および第3の接続ロッド141の間には非セルフロック構造があるため、第3の接続ロッド141が回転すると、第1の接続ロッド142および第2の接続ロッド143は、中間タイロッド140の軸方向に沿って互いに接近または離間すること、すなわち、第3の接続ロッド141の回転角は、中間タイロッド140の長さに対応することを理解されたい。したがって、中間タイロッド140の長さは、第3の接続ロッド141の回転角を測定することによって決定され得る。
【0122】
本出願の実施形態で提供される独立型操舵機構および独立型操舵システムは、
図3から
図15を参照して上述されている。以下は、
図16~
図18を参照して、本出願の実施形態の制御方法を説明する。本出願の実施形態における制御方法は上述の任意の装置に適用することができ、これは、本出願の実施形態では限定されないことに留意されたい。
【0123】
図16は、本出願の一実施形態による制御方法のフローチャートである。
図16に示される方法は、ステップ610と、ステップ620と、を含む。
【0124】
ステップ610:第1の操舵輪の目標操舵角および第2の操舵輪の目標操舵角を決定する。
【0125】
第1の操舵輪の目標操舵角および第2の操舵輪の目標操舵角は、先進運転者支援システム(advanced driver assistance system、ADAS)またはユーザの操舵運転に基づいて算出される。
【0126】
ステップ620:制御ユニットが、電動アシストモータを制御して、第1の操舵輪および第2の操舵輪を対応する目標操舵角に調整する。
【0127】
独立型操舵機構内の第1の電動アシストモータが故障している場合、第1の作動モードが有効にされ得る。制御ユニットは、中間タイロッドが第1の操舵輪および第2の操舵輪を駆動して対応する目標操舵角まで回転させるように、第3の電動アシストモータを制御して独立型操舵機構内の中間タイロッドの長さを調整し、そして、第2の電動アシストモータを制御して中間タイロッドの位置を調整する。
【0128】
独立型操舵機構内の第2の電動アシストモータが故障している場合、第2の作動モードが有効にされ得る。制御ユニットは、中間タイロッドが第1の操舵輪および第2の操舵輪を駆動して対応する目標操舵角まで回転させるように、第3の電動アシストモータを制御して独立型操舵機構内の中間タイロッドの長さを調整し、そして、第1の電動アシストモータを制御して中間タイロッドの位置を調整する。
【0129】
任意選択で、第1の電動アシストモータおよび第2の電動アシストモータが正常である場合、第3の作動モードが有効にされ得る。制御ユニットは、中間タイロッドが第1の操舵輪および第2の操舵輪を駆動して対応する目標操舵角まで回転させるように、第1の電動アシストモータおよび第2の電動アシストモータを制御して中間タイロッドの長さおよび中間タイロッドの位置を調整する。第3の接続ロッドが第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドに接続されるねじ山は非セルフロック構造であるため、第3の接続ロッドは、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドに対する拘束効果を有しないことを理解されたい。したがって、制御ユニットが第1の電動アシストモータおよび第2の電動アシストモータを制御して中間タイロッドの長さおよび中間タイロッドの位置を調整することは、制御ユニットが第1の電動アシストモータおよび第2の電動アシストモータを制御して第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドの位置を調整することとして理解され得る。
【0130】
任意選択で、本方法は、第1のECUが第1の情報を制御ユニットに送信することを含み得、第1の情報は、第1の電動アシストモータが故障しているかを示すために使用され得る。第2のECUは、第2の情報を制御ユニットに送信し得、第2の情報は、第2の電動アシストモータが故障しているかを示すために使用され得る。第3のECUは、第3の情報を制御ユニットに送信し得、第3の情報は、第3の電動アシストモータが故障しているかを示すために使用され得る。
【0131】
任意選択で、第1の情報は、第1のECUが故障しているかを示すためにさらに使用され得る。第1のECUは第1の電動アシストモータを制御するように構成されているため、第1のECUが故障している場合、第1の電動アシストモータはトルクを出力するように制御されることができず、第1の電動アシストモータは故障していると見なされ得ることを理解されたい。
【0132】
任意選択で、第2の情報は、第2のECUが故障しているかを示すためにさらに使用され得る。第2のECUは第2の電動アシストモータを制御するように構成されているため、第2のECUが故障している場合、第2の電動アシストモータはトルクを出力するように制御されることができず、第2の電動アシストモータは故障していると見なされ得ることを理解されたい。
【0133】
任意選択で、第3の情報は、第3のECUが故障しているかを示すためにさらに使用され得る。第3のECUは第3の電動アシストモータを制御するように構成されているため、第3のECUが故障している場合、第3の電動アシストモータはトルクを出力するように制御されることができず、第3の電動アシストモータは故障していると見なされ得ることを理解されたい。
【0134】
任意選択で、第1のセンサは、第4の情報を制御ユニットに送信し得、第4の情報は、第1の接続ロッドの現在位置情報を示すために使用され得る。第2のセンサは、第5の情報を制御ユニットに送信し得、第5の情報は、第2の接続ロッドの現在位置情報を示すために使用され得る。第3のセンサは、第6の情報を制御ユニットに送信し得、第6の情報は、中間タイロッドの現在の長さ情報を示すために使用され得る。
【0135】
任意選択で、第4の情報は、第1のセンサが故障しているかを示すためにさらに使用され得る。第1のセンサが故障している場合、制御ユニットは第1の接続ロッドの位置情報を決定することができないことを理解されたい。したがって、制御ユニットは、第1の電動アシストモータを正確に制御してトルクを出力させることができず、第1の電動アシストモータは故障していると見なされ得る。
【0136】
任意選択で、第5の情報は、第2のセンサが故障しているかを示すためにさらに使用され得る。第2のセンサが故障している場合、制御ユニットは第2の接続ロッドの位置情報を決定することができないことを理解されたい。したがって、制御ユニットは、第2の電動アシストモータを正確に制御してトルクを出力させることができず、第2の電動アシストモータは故障していると見なされ得る。
【0137】
任意選択で、第6の情報は、第3のセンサが故障しているかを示すためにさらに使用され得る。第3のセンサが故障している場合、制御ユニットは中間タイロッドの長さ情報を決定することができないことを理解されたい。したがって、制御ユニットは、第3の電動アシストモータを正確に制御してトルクを出力させることができず、第3の電動アシストモータは故障していると見なされ得る。
【0138】
本出願のこの実施形態で提供される制御方法によれば、実際の状況に基づいて異なる作動モードが選択され得ることを理解されたい。3つの電動アシストモータが正常に作動する場合、独立した操舵を実装するために、独立型操舵システム内の2つの操舵輪が制御され得る。加えて、3つの電動アシストモータのいずれか1つが故障している場合、独立型操舵システムの機械的構造を変更することなく、独立した操舵が実装され得、これはより効率的である。
【0139】
図17は、本出願の一実施形態による、異なる作動モードを決定するための方法の概略図である。
【0140】
ステップ710:制御ユニットが、第1の電動アシストモータが故障しているかを決定する。
【0141】
ステップ720は、第1の電動アシストモータが故障していない場合に実施される。ステップ740は、第1の電動アシストモータが故障している場合に実施される。
【0142】
任意選択で、制御ユニットが第1の電動アシストモータが故障しているかを決定することは、第1の電動アシストモータ、対応する第1のECU、および対応する第1のセンサが故障しているかを決定することを含み得る。
【0143】
任意選択で、制御ユニットは、第1のECUによって送信された第1の情報に基づいて、第1の電動アシストモータおよび第1のECUが故障しているかを決定し得る。
【0144】
任意選択で、制御ユニットは、第1のセンサによって送信された第4の情報に基づいて、第1のセンサが故障しているかを決定し得る。
【0145】
ステップ720:制御ユニットが、第2の電動アシストモータが故障しているかを決定する。
【0146】
第2の電動アシストモータが故障していない場合、制御ユニットは、現在の作動モードは第3の作動モードであると決定する。ステップ730は、第2の電動アシストモータが故障している場合に実施される。
【0147】
任意選択で、制御ユニットが第2の電動アシストモータが故障しているかを決定することは、第2の電動アシストモータ、対応する第2のECU、および対応する第2のセンサが故障しているかを決定することを含み得る。
【0148】
任意選択で、制御ユニットは、第2のECUによって送信された第2の情報に基づいて、第2の電動アシストモータおよび第2のECUが故障しているかを決定し得る。
【0149】
任意選択で、制御ユニットは、第2のセンサによって送信された第5の情報に基づいて、第2のセンサが故障しているかを決定し得る。
【0150】
ステップ730:制御ユニットが、第3の電動アシストモータが故障しているかを決定する。
【0151】
第3の電動アシストモータが故障していない場合、制御ユニットは、現在の作動モードは第2の作動モードであると決定する。第3の電動アシストモータが故障している場合、制御ユニットは、現在の作動モードが故障モードである、すなわち、3つの電動アシストモータのうちの2つが故障しており、操舵を実施することができないと決定する。
【0152】
任意選択で、制御ユニットが第3の電動アシストモータが故障しているかを決定することは、第3の電動アシストモータ、対応する第3のECU、および対応する第3のセンサが故障しているかを決定することを含み得る。
【0153】
任意選択で、制御ユニットは、第3のECUによって送信された第3の情報に基づいて、第3の電動アシストモータおよび第3のECUが故障しているかを決定し得る。
【0154】
任意選択で、制御ユニットは、第3のセンサによって送信された第6の情報に基づいて、第3のセンサが故障しているかを決定し得る。
【0155】
ステップ740:制御ユニットが、第2の電動アシストモータが故障しているかを決定する。
【0156】
ステップ750は、第2の電動アシストモータが故障していない場合に実施される。第2の電動アシストモータが故障している場合、制御ユニットは、現在の作動モードは故障モードであると決定する。
【0157】
ステップ750:制御ユニットが、第3の電動アシストモータが故障しているかを決定する。
【0158】
第3の電動アシストモータが故障していない場合、制御ユニットは、現在の作動モードは第1の作動モードであると決定する。第3の電動アシストモータが故障している場合、制御ユニットは、現在の作動モードは故障モードであると決定する。
【0159】
表1は、各作動モードと各電動アシストモータの作動状態との間の対応関係を示す。
【0160】
【0161】
√は、電動アシストモータが正常に作動していることを示し、×は、電動アシストモータが故障していることを示し、そして、/は、電動アシストモータが任意の状態であることを示す。
【0162】
図18は、本出願の一実施形態による、制御ユニットによる電動アシストモータの制御の概略フローチャートである。
【0163】
ステップ810:第1の接続ロッドの目標位置および第2の接続ロッドの目標位置を決定する。
【0164】
制御ユニットは、第1の操舵輪の目標操舵角および第2の操舵輪の目標操舵角に基づいて第1の接続ロッドの目標位置および第2の接続ロッドの目標位置を決定する、すなわち、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドが目標位置にある場合、第1の操舵輪および第2の操舵輪は目標操舵角に到達し得、車両は操舵を完了する。
【0165】
ステップ820:中間タイロッドの目標長さを決定する。
【0166】
制御ユニットは、第1の接続ロッドの目標位置および第2の接続ロッドの目標位置に基づいて、中間タイロッドの目標長さを決定する。
【0167】
ステップ830:第3の接続ロッドの目標回転角を決定する。
【0168】
制御ユニットは、中間タイロッドの目標長さに基づいて第3の接続ロッドの目標回転角を算出し得る。第3の接続ロッドがねじ山を介して第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドに接続されるため、第3の接続ロッドが回転すると、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドは、中間タイロッドの軸方向に沿って互いに接近または離間して、中間タイロッドの長さを調整する。
【0169】
目標回転角は、以下の式を満たす。式中、Lは中間タイロッドの目標長さであり、L0は中間タイロッドの最短長さであり、iangはねじ山のリードである。
【0170】
【0171】
ステップ840:調整のために電動アシストモータを制御する。
【0172】
独立型操舵システムが第1の作動モードで作動する場合、制御ユニットは、目標回転角に基づいて、第3の電動アシストモータを制御して中間タイロッドの長さを目標長さに調整し、そして、第1の接続ロッドの目標位置および第2の接続ロッドの目標位置に基づいて、第2の電動アシストモータを制御して、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドを対応する目標位置に調整する。
【0173】
独立型操舵システムが第2の作動モードで作動する場合、制御ユニットは、目標回転角に基づいて、第3の電動アシストモータを制御して中間タイロッドの長さを目標長さに調整し、そして、第1の接続ロッドの目標位置および第2の接続ロッドの目標位置に基づいて、第1の電動アシストモータを制御して、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドを対応する目標位置に調整する。
【0174】
任意選択で、制御ユニットは、第3の制御命令を第3のECUに送信し得、第3の制御命令は、中間タイロッドの長さが目標長さになるように、第3の電動アシストモータを制御してトルクを出力させるように第3のECUに指示を出すために使用される。第3のECUは、第3の制御命令に従って第3の電動アシストモータを制御し得る。
【0175】
任意選択で、制御ユニットは、第3のセンサによって送信された第6の情報に基づいて中間タイロッドの現在の長さを取得し、中間タイロッドの現在の長さおよび目標長さに基づいて第3の制御命令を決定し得る。
【0176】
任意選択で、独立型操舵システムが第2の作動モードで作動する場合、制御ユニットは、第1の制御命令を第1のECUに送信し得、第1の制御命令は、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドが対応する目標位置に到達するように、第1の電動アシストモータを制御してトルクを出力させるように第1のECUに指示を出するために使用される。第1のECUは、第1の制御命令に従って第1の電動アシストモータを制御し得る。
【0177】
任意選択で、制御ユニットは、第1のセンサによって送信された第4の情報に基づいて中間タイロッドの現在の長さを取得し、中間タイロッドの現在の長さおよび目標長さに基づいて第4の制御命令を決定し得る。
【0178】
任意選択で、独立型操舵システムが第1の作動モードで作動する場合、制御ユニットは、第2の制御命令を第2のECUに送信し得、第2の制御命令は、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドが対応する目標位置に到達するように、第2の電動アシストモータを制御してトルクを出力させるように第2のECUに指示を出すために使用される。第2のECUは、第2の制御命令に従って第2の電動アシストモータを制御し得る。
【0179】
任意選択で、制御ユニットは、第2のセンサによって送信された第5の情報に基づいて中間タイロッドの現在の長さを取得し、中間タイロッドの現在の長さおよび目標長さに基づいて第2の制御命令を決定し得る。
【0180】
前述のステップ810~ステップ840は、第1の作動モードおよび第2の作動モードに対応するプロセスであることを理解されたい。第3の接続ロッドが第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドに接続されるねじ山は非セルフロック構造であるため、第3の接続ロッドは、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドに対する拘束効果を有しない。したがって、制御ユニットが、作動モードが第3の作動モードであると決定した場合、制御ユニットは、第1の電動アシストモータおよび第2の電動アシストモータを制御して、第1の接続ロッドおよび第2の接続ロッドを対応する目標位置に調整し得、すなわち、ステップ810およびステップ840のみが、電動アシストモータを制御するプロセスを完了するために必要とされる。
【0181】
任意選択で、独立型操舵システムが第3の作動モードで作動する場合、制御ユニットは、第1の制御命令を第1のECUに送信し得、第1の制御命令は、第1の接続ロッドが目標位置に到達するように、第1の電動アシストモータを制御してトルクを出力させるように第1のECUに指示を出するために使用される。第1のECUは、第1の制御命令に従って第1の電動アシストモータを制御し得る。制御ユニットは、第2の制御命令を第2のECUに送信し得、第2の制御命令は、第2の接続ロッドが目標位置に到達するように、第2の電動アシストモータを制御してトルクを出力させるように第2のECUに指示を出すために使用される。第2のECUは、第2の制御命令に従って第2の電動アシストモータを制御し得る。
【0182】
以上は、
図16~
図18を参照して、本出願の実施形態で提供される制御方法について説明している。以下は、
図19および
図20を参照して、前述の制御方法を実施する制御ユニットについて説明する。本出願の本実施形態における装置は、上述の任意の制御方法を実装するために、上述の任意の独立型操舵機構または独立型操舵システムに適用され得ることに留意されたい。簡潔にするため、ここでは詳細を再度説明しない。
【0183】
図19は、本出願の一実施形態による、制御装置の概略図である。
図19に示される装置2400は、生成ユニット2410と、送信ユニット2420と、を含む。
【0184】
生成ユニット2410は、制御命令を生成するように構成され、制御命令は、電動アシストモータを制御するために使用される。
【0185】
送信ユニット2420は、独立した操舵を実装するために、電動アシストモータに対応するECUに制御命令を送信し、ECUを制御して、対応する電動アシストモータを駆動してトルクを出力させるように構成される。
【0186】
任意選択の一実施形態では、生成ユニット2410は、プロセッサ2520であり得、送信ユニット2420は、通信インタフェース2530であり得、制御ユニットの具体的な構造は、
図20に示される。
【0187】
図20は、本出願の別の実施形態による、制御ユニットの概略ブロック図である。
図20に示される制御ユニット2500は、メモリ2510と、プロセッサ2520と、通信インタフェース2530と、を含み得る。メモリ2510、プロセッサ2520、および通信インタフェース2530は、内部接続経路を介して接続される。メモリ2510は、命令を記憶するように構成される。プロセッサ2520は、メモリ2520に記憶された命令を実行し、通信インタフェース2530を制御して、情報を受信/送信させるように構成される。任意選択で、メモリ2510は、インタフェースを介してプロセッサ2520に接続され得、またはプロセッサ2520に統合され得る。
【0188】
通信インタフェース2530は、限定されないが、入力/出力インタフェース(input/output interface)などの装置を使用して、コントローラ2500と、別のデバイスまたは通信ネットワークと、の間の通信を実装することに留意されたい。
【0189】
実装プロセスにおいて、前述の方法におけるステップは、プロセッサ2520内のハードウェア集積論理回路を使用することによって、またはソフトウェアの形態の命令を使用することによって実施され得る。本出願の実施形態を参照して開示された本方法は、ハードウェアプロセッサによって直接実施され得、またはプロセッサ内のハードウェアとソフトウェアモジュールとの組み合わせを使用することによって実施され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ、プログラマブル読み出し専用メモリ、電気的消去可能プログラマブルメモリ、またはレジスタなどの、当分野の成熟した記憶媒体内に位置され得る。記憶媒体は、メモリ2510内に位置され、プロセッサ2520は、メモリ2510内の情報を読み取り、プロセッサ2520のハードウェアと組み合わせて前述の方法のステップを完了する。繰り返しを避けるため、ここでは詳細は再度説明されない。
【0190】
本出願の実施形態では、前述のプロセスのシーケンス番号は実行シーケンスを意味しないことを理解されたい。プロセスの実行シーケンスは、プロセスの機能と内部論理とに基づいて決定されるべきであり、本出願の実施形態の実装プロセスに対するいかなる制限も構成するべきではない。
【0191】
本明細書で開示された実施形態に関連して説明されたユニットおよびアルゴリズムステップは、電子ハードウェアによって、またはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせによって実装され得ることが、当業者には理解されよう。これらの機能がハードウェアまたはソフトウェアのどちらによって実施されるかは、技術的解決手段の特定の用途および設計上の制約に依存する。当業者は、説明された機能を特定の用途ごとに実装するために異なる方法を使用し得るが、実施態様が本出願の範囲を超えると見なされてはならない。
【0192】
当業者であれば明確に分かるように、便宜的かつ簡潔な説明の目的で、前述のシステム、装置、およびユニットの詳細な作動プロセスに関しては、前述の方法の実施形態における対応するプロセスを参照されたい。詳細はここでは再び説明されない。
【0193】
本出願において提供されるいくつかの実施形態においては、開示されたシステム、装置、および方法が他のやり方で実装されることもできることを理解されたい。例えば、説明された装置の実施形態は例にすぎない。例えば、ユニットへの分割は、論理的な機能の分割にすぎず、実際の実施態様では他の分割であり得る。例えば、複数のユニットまたは構成要素は、別のシステムに組み合わせもしくは統合されてもよく、または一部の特徴が無視もしくは実施されなくてもよい。加えて、表示もしくは議論された相互結合または直接的な結合もしくは通信接続は、いくつかのインタフェースを介して実装され得る。装置またはユニット間の間接的な結合または通信接続は、電気的な、機械的な、または他の形態で実装され得る。
【0194】
別個の構成要素として説明されたユニットは、物理的に分離されていてもいなくてもよく、ユニットとして表示された構成要素は、物理的なユニットであってもなくてもよく、1つの位置に位置されていてもよく、または複数のネットワークユニットに分散されていてもよい。ユニットの一部またはすべてが、実施形態の解決手段の目的を達成するために実際の要件に基づいて選択され得る。
【0195】
加えて、本出願の実施形態の機能ユニットが1つの処理ユニットに統合されても、ユニットの各々が物理的に単独で存在してもよく、または、2つ以上のユニットが1つのユニットに統合される。
【0196】
機能がソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売されたり使用されたりする場合、機能はコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。このような理解に基づけば、ソフトウェア製品の形態で、本出願の技術的解決手段が必須なものとして実装されても、従来の技術に貢献する部分が実装されても、または技術的解決手段の一部が実装されてもよい。コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に記憶されており、(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワークデバイスなどであり得る)コンピュータデバイスに、本出願の実施形態で説明されている方法のステップのすべてまたは一部を実行するよう命令するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、リードオンリーメモリ(read-only memory、ROM)、ランダムアクセ・メモリ(random access memory、RAM)、磁気ディスク、または光ディスクなど、プログラムコードを記憶し得る何らかの媒体を含む。
【0197】
前述の説明は本出願の特定の実施態様にすぎず、本出願の保護範囲を限定することは意図されていない。本出願で開示された技術的範囲内で当業者によって容易に考え出されるいかなる変形や置換も、本出願の保護範囲内に入るものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0198】
1 操舵輪
2 操舵モータ
3 左接続片
4 回転モータ
5 右接続片
6 操舵モータ
7 操舵輪
100 独立型操舵機構
110 第1の電動アシストモータ
120 第2の電動アシストモータ
130 第3の電動アシストモータ
140 中間タイロッド
141 第3の接続ロッド
142 第1の接続ロッド
143 第2の接続ロッド
150 第1の伝達部
151 第1の伝達ベルト
152 第1のギヤ
160 第2の伝達部
161 第2の伝達ベルト
162 第2のギヤ
170 第3の伝達部
171 第3の伝達ベルト
172 第3のギヤ
173 ガイドボス
174 ガイド溝
200 独立型操舵システム
201 第1の操舵ナックル
202 第2の操舵ナックル
211 第1の操舵キングピン
212 第2の操舵キングピン
221 第1の操舵輪
222 第2の操舵輪
231 第1のタイロッド
232 第2のタイロッド
241 第1のハウジング
242 第2のハウジング
300 独立型操舵システム
310 第1の電動アシストモータ
320 第2の電動アシストモータ
330 第3のモータ
400 独立型操舵システム
410 第1の電動アシストモータ
420 第2の電動アシストモータ
500 独立型操舵システム
510 制御ユニット
521 第1のECU
522 第2のECU
523 第3のECU
531 第1のセンサ
532 第2のセンサ
533 第3のセンサ
2400 制御装置
2410 生成ユニット
2420 送信ユニット
2500 制御ユニット
2510 メモリ
2520 プロセッサ
2530 通信インタフェース