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特許7529917歯科用ハンドピース、そのヘッドおよび根管プレパレーション用機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】歯科用ハンドピース、そのヘッドおよび根管プレパレーション用機器
(51)【国際特許分類】
   A61C 1/14 20060101AFI20240730BHJP
   A61C 1/08 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
A61C1/14 A
A61C1/08 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023544714
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 CN2021142651
(87)【国際公開番号】W WO2022257437
(87)【国際公開日】2022-12-15
【審査請求日】2023-08-14
(31)【優先権主張番号】202110642985.8
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202121289334.7
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519159499
【氏名又は名称】桂林市啄木鳥医療器械有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUILIN WOODPECKER MEDICAL INSTRUMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Information Industrial Park, Guilin National High-Tech Zone Guilin, Guangxi 541004, CN
(74)【代理人】
【識別番号】110003476
【氏名又は名称】弁理士法人瑛彩知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉 勳賢
(72)【発明者】
【氏名】寺内 吉継
(72)【発明者】
【氏名】呉 坤優
(72)【発明者】
【氏名】魯 成旺
(72)【発明者】
【氏名】黄 永朝
(72)【発明者】
【氏名】韋 鋒文
(72)【発明者】
【氏名】徐 家振
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0374458(US,A1)
【文献】実開昭50-015193(JP,U)
【文献】特表平05-507859(JP,A)
【文献】特開2018-61710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 1/00-18
A61C 5/40-42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドハウジングを備え、前記ヘッドハウジング内に芯部材室が設けられており、前記芯部材室内に回転可能な芯部材および駆動歯車が設置されており、
前記駆動歯車が前記芯部材の一端に環装されており、前記芯部材が前記駆動歯車の軸方向に沿って移動可能であり、
前記芯部材室内に往復駆動機構がさらに設置されており、前記往復駆動機構が、前記芯部材を前記芯部材の軸方向に沿って往復移動するように駆動するように構成されており、
前記往復駆動機構はカム機構であり、駆動ブロックと、駆動突起と、弾性部材とを含み、
前記駆動ブロックは、前記芯部材室の前記駆動歯車から離間した端に位置し、前記駆動ブロックの前記駆動歯車に近傍の端面に前記芯部材と同軸の環状駆動面を有し、前記駆動ブロックの周方向に沿って、前記環状駆動面から前記駆動歯車までの距離が漸次変化し、
前記駆動突起は、前記芯部材に設置されており、前記環状駆動面に向かって突出するように構成されており、
前記弾性部材は、前記駆動突起を常に前記環状駆動面に当接させるように構成されている
ことを特徴とする歯科用ハンドピースヘッド。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記芯部材の外部に環装されており、前記駆動歯車と前記芯部材との間で前記駆動歯車および前記芯部材のそれぞれと当接されている
ことを特徴とする請求項に記載の歯科用ハンドピースヘッド。
【請求項3】
前記環状駆動面は、傾斜面である
ことを特徴とする請求項に記載の歯科用ハンドピースヘッド。
【請求項4】
前記駆動歯車の前記弾性部材に面した端に、前記弾性部材の前記駆動歯車への移動を制限する第1位置制限部が設けられており、
好ましくは、前記第1位置制限部は、前記駆動歯車の端部に設けられた階段面であり、または前記駆動歯車の端面から内へ凹んで形成された段付孔である
ことを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の歯科用ハンドピースヘッド。
【請求項5】
前記芯部材の外側壁に、前記弾性部材の前記駆動ブロックへの移動を制限する第2位置制限部が設けられており、
好ましくは、前記第2位置制限部は、前記芯部材の外部に設けられた突起であり、または、前記芯部材の外周に環状に設けられたつば部であり、または、前記芯部材を段付シャフト状構造に形成されたものである
ことを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の歯科用ハンドピースヘッド。
【請求項6】
前記芯部材の内部に根管ファイルのヘッド部を挟持する室が設けられており、前記根管ファイルのヘッド部を前記芯部材内に挿入できるように、前記芯部材の一端が前記芯部材室から延出している
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の歯科用ハンドピースヘッド。
【請求項7】
前記往復駆動機構は、2つの前記駆動ブロックを含み、
2つの前記駆動ブロックは、対向して設置され、いずれも前記芯部材に環装され、2つの前記駆動ブロックの間に環状の駆動溝が形成されており、前記駆動ブロックの周方向に沿って、前記駆動溝から前記駆動歯車までの距離が漸次変化し、
前記駆動突起は、少なくとも一部が前記駆動溝内に挿入され、前記駆動溝に対して前記駆動溝の周方向に沿って移動可能に設置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の歯科用ハンドピースヘッド。
【請求項8】
前記駆動溝の幅方向における2つの側面は、形状が整合し、いずれも傾斜面である
ことを特徴とする請求項に記載の歯科用ハンドピースヘッド。
【請求項9】
前記往復駆動機構は、さらに芯部材スリーブを含み、
前記芯部材スリーブは前記芯部材に環装され、前記芯部材スリーブの内壁に、前記芯部材スリーブの周方向に沿って環状に形成された駆動溝が設けられており、前記芯部材スリーブの周方向に沿って、前記駆動溝から前記駆動歯車までの距離が漸次変化し、
前記駆動突起は、少なくとも一部が前記駆動溝内に挿入され、前記駆動溝に対して前記駆動溝の周方向に沿って移動可能に設置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の歯科用ハンドピースヘッド。
【請求項10】
前記駆動溝の、前記駆動突起に対応する2つの対向する側面は、形状が整合し、いずれも傾斜面である
ことを特徴とする請求項に記載の歯科用ハンドピースヘッド。
【請求項11】
前記駆動突起の前記駆動溝内に位置する端にローラが環装されており、および/または、
前記駆動溝の幅方向における2つの側面は、形状が整合し、いずれも傾斜面である
ことを特徴とする請求項またはに記載の歯科用ハンドピースヘッド。
【請求項12】
前記芯部材室の前記駆動歯車から離間した端に付勢バネが設置されており、前記付勢バネが、前記往復駆動機構を前記駆動歯車へ押圧するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の歯科用ハンドピースヘッド。
【請求項13】
前記駆動ブロックは、前記芯部材の端部を囲む環状部品である
ことを特徴とする請求項またはに記載の歯科用ハンドピースヘッド。
【請求項14】
前記芯部材の端部を囲む前記環状部品は、軸受である
ことを特徴とする請求項13に記載の歯科用ハンドピースヘッド。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の歯科用ハンドピースヘッドを備える
ことを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項16】
請求項15に記載の歯科用ハンドピースを備える
ことを特徴とする根管プレパレーション用機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療機器の技術分野に属し、具体的には、歯科用ハンドピース、そのヘッドおよび根管プレパレーション用機器に関する。
【0002】
関係出願の相互参照
本開示は、2021年06月09日に中国国家知的財産局に提出された、出願番号が202110642985.8であり、名称が「歯科用ハンドピース、そのヘッドおよび根管プレパレーション用機器」である中国出願、および2021年06月09日に中国専利局に提出された、出願番号が202121289334.7であり、名称が「歯科用ハンドピース、そのヘッドおよび根管プレパレーション用機器」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本開示に参照として取り込まれる。
【背景技術】
【0003】
口腔根管治療は、根管長測定、根管拡大、根管充填を含む。歯根管拡大操作の過程において、根管プレパレーション用機器を使用して損傷または閉塞した歯根管を拡大する必要がある。根管拡大の方式として、根管ファイルを根管プレパレーション用機器のコントラアングルハンドピースに装着して、コントラアングルハンドピースを使用して根管に対して清掃、拡大を行う。
【0004】
従来のコントラアングルハンドピースの芯部材が駆動軸の駆動により回転運動するため、根管拡大治療の際に、コントラアングルハンドピースを繰り返して引き上げる必要があり、操作効率が低く、そして患者の口腔が小さく、特に奥歯の場合、引き上げのためのスペースが小さく、操作が不便であることに、発明者らは気づいた。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、歯科用ハンドピースヘッドを提供し、歯科用ハンドピースヘッドは、ヘッドハウジングを備え、ヘッドハウジング内に芯部材室が設けられており、芯部材室内には回転可能な芯部材および駆動歯車が設置されており、駆動歯車が芯部材の一端に環装されており、芯部材が駆動歯車の軸方向に沿って移動可能であり、芯部材室内に往復駆動機構がさらに設置されており、往復駆動機構が、芯部材を芯部材の軸方向に沿って往復移動するように駆動するように構成されている。
【0006】
選択可能な実施形態において、往復駆動機構は、非接触駆動の電磁石機構、ボイスコイルモータ機構、カム機構のうちの1種である。
【0007】
選択可能な実施形態において、往復駆動機構はカム機構であり、駆動ブロックと、駆動突起と、弾性部材とを含み、駆動ブロックは、芯部材室の駆動歯車から離間した端に位置し、駆動ブロックの駆動歯車に近傍の端面に芯部材と同軸の環状駆動面を有し、駆動ブロックの周方向に沿って、駆動面から駆動歯車までの距離が漸次変化し、駆動突起は、芯部材に設置されており、駆動面に向かって突出するように構成されており、弾性部材は、駆動突起を常に駆動面に当接させるように構成されている。
【0008】
選択可能な実施形態において、弾性部材は、芯部材の外部に環装されており、駆動歯車と芯部材との間で駆動歯車および芯部材のそれぞれと当接されている。
【0009】
選択可能な実施形態において、駆動面は、傾斜面である。
【0010】
選択可能な実施形態において、駆動歯車の弾性部材に面した端に、弾性部材の駆動歯車への移動を制限する第1位置制限部が設けられている。
【0011】
選択可能な代表的な実施形態において、第1位置制限部は、駆動歯車の端部に設けられた階段面であり、または駆動歯車の端面から内へ凹んで形成された段付孔である。
【0012】
選択可能な実施形態において、芯部材の外側壁に、弾性部材の駆動ブロックへの移動を制限する第2位置制限部が設けられている。
【0013】
選択可能な代表的な実施形態において、第2位置制限部は、芯部材の外部に設けられた突起であり、または、芯部材の外周に環状に設けられたつば部であり、または、芯部材を段付シャフト状構造にして形成されたものである。
【0014】
選択可能な実施形態において、芯部材の内部に根管ファイルのヘッド部を挟持する室が設けられており、根管ファイルのヘッド部を芯部材内に挿入できるように、芯部材の一端が芯部材室から延出している。
【0015】
選択可能な実施形態において、往復駆動機構はカム機構であり、駆動ブロックと駆動突起とを含み、2つの駆動ブロックは、対向して設置され、いずれも芯部材に環装されており、2つの駆動ブロックの間に環状の駆動溝が形成されており、駆動ブロックの周方向に沿って、駆動溝から駆動歯車までの距離が漸次変化し、駆動突起は、芯部材に設置されており、少なくとも一部が駆動溝内に挿入されており、駆動溝に対して移動可能に設置されている。
【0016】
選択可能な実施形態において、駆動突起の一端が芯部材の側壁内に挿設されており、駆動突起の他端が駆動溝内に挿設されている。
【0017】
選択可能な実施形態において、往復駆動機構はカム機構であり、芯部材スリーブと駆動突起とを含み、芯部材スリーブは芯部材に環装され、芯部材スリーブの内壁に、周方向に沿って環状に形成された駆動溝が設けられており、芯部材スリーブの周方向に沿って、駆動溝から駆動歯車までの距離が漸次変化し、駆動突起は、芯部材に設置されており、少なくとも一部が駆動溝内に挿入されており、駆動溝に対して移動可能に設置されている。選択可能な実施形態において、駆動突起の一端が芯部材の側壁内に挿設され、駆動突起の他端が駆動溝内に挿設される。
【0018】
選択可能な実施形態において、駆動突起の駆動溝内に位置する端にローラが環装されており、および/または、駆動溝の幅方向における2つの側面は、形状が整合しており、いずれも傾斜面である。
【0019】
選択可能な実施形態において、芯部材室の駆動歯車から離間した端に付勢バネが設置され、付勢バネが、往復駆動機構を駆動歯車へ押圧するように構成されている。
【0020】
選択可能な実施形態において、駆動ブロックは、芯部材の端部を囲む環状部品、または板状部品に環状リブを設けて形成された部品である。
【0021】
選択可能な代表的な実施形態において、芯部材の端部を囲む環状部品は、軸受である。
【0022】
本開示は、歯科用ハンドピースを提供し、歯科用ハンドピースは、上記の実施形態のいずれか1つによる歯科用ハンドピースヘッドを備える。
【0023】
本開示は、根管プレパレーション用機器を提供し、根管プレパレーション用機器は、上記の実施形態による歯科用ハンドピースを備える。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示の実施形態の技術案をより明瞭に説明するため、以下、実施形態に用いられる図面を簡単に説明する。説明する図面は、本開示のいくつかの実施形態を示すものにすぎず、範囲を限定するものではない。当業者は、発明能力を用いなくても、これらの図面に基づいて他の関連図面を得ることも可能である。
図1】本開示の一実施形態による歯科用ハンドピースの模式的な構成図である。
図2図1におけるA箇所の拡大図である。
図3】本開示の一実施形態による歯科用ハンドピースの模式的な構成図である。
図4図3におけるB箇所の拡大図である。
図5図4のC-Cに沿った断面の模式図である。
図6】本開示の一実施形態による歯科用ハンドピースの模式的な構成図である。
図7図6におけるC箇所の拡大図である。
図8】本開示の一実施形態による芯部材スリーブの、第1角度から見た模式図である。
図9】本開示の一実施形態による芯部材スリーブの、第2角度から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書に使用される用語の「歯科用ハンドピース」は、歯科専用の医療機器であり、例えば虫歯などの悪い歯の切削に使用される製品であり、「口腔用ハンドピース」とも呼ばれる。
【0026】
本明細書に使用される用語の「駆動歯車」は、リムに設けられた歯の連続的なかみ合いにより運動および動力を伝達する機械素子であり、主に動力を伝達するためのものである。
【0027】
本明細書に使用される用語の「根管ファイル」は、医学歯科例えば根管治療に使用されるファイルであり、例えば使い捨てファイルである。
【0028】
本明細書に使用される用語の「付勢バネ」は、圧縮状態のバネである。
【0029】
歯科手術において、根管拡大は、根管ファイルが根管プレパレーション用機器のコントラアングルハンドピースに装着され、従来のコントラアングルハンドピースの芯部材が駆動軸の駆動により回転運動するため、コントラアングルハンドピースを使用して根管に対して清掃、拡大を行うことができる。
【0030】
根管拡大治療のとき、コントラアングルハンドピースを繰り返して引き上げる必要があり、操作効率が低く、そして、患者の口腔が小さく、特に奥歯の場合、引き上げのためのスペースが小さく、操作が不便であることに、発明者らは気づいた。
【0031】
本出願に係る歯科用ハンドピースヘッドは、芯部材室内に往復駆動機構がさらに設置され、往復駆動機構により芯部材を芯部材の軸方向に沿って往復移動するように駆動し、このようにして、根管拡大治療の際に、コントラアングルハンドピースを繰り返して引き上げる必要がなく、根管拡大の操作を容易にするとともに、根管拡大の操作効率を高めることができる。
【0032】
本開示の実施形態の目的、技術案および利点をより明瞭に説明するため、以下、本開示の実施形態に用いられる図面を参照しながら、本開示の実施形態における技術案を明瞭かつ完全に説明する。説明される実施形態が本開示の一部の実施形態にすぎず、すべての実施形態ではないことは無論である。ここで図面を用いて示した本開示の実施形態における部品は、様々な配置方法で配置、設計することが可能である。
【0033】
このため、図面に示された本開示の実施形態に対する以下の詳細な説明は、本開示の選択された実施形態を示すものにすぎず、保護しようとする本開示の範囲を限定するものではない。本開示の実施形態をもとに、当業者が発明能力を用いることなく得たすべての他の実施形態も、本開示の保護範囲に属する。
【0034】
同一の符号は、図面において同一のものを示すので、1つの図面で定義された場合、他の図面でさらに定義、解釈することが不要になる。
【0035】
本開示の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」などの用語で表された方向または位置関係は、図面に基づくものであり、あるいは該開示に係る製品の通常の配置方向または位置関係であり、本開示を簡単および簡略に説明するためのものにすぎず、該当装置または要素が、必ずしも特定の方向を有したり、特定の方向に構成、操作されたり、することを明示または暗示するものではないため、本開示を限定するものではない。また、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、区別して説明するためのものにすぎず、相対重要性を明示または暗示するものではない。
【0036】
また、「水平」、「鉛直」などの用語は、部品を絶対的な水平または鉛直に設置すると意味するのではなく、少し傾斜してもよい。例えば、「水平」とは、該当構成の方向が、「鉛直」に対してより水平にすぎず、必ず完全水平になることを要求するのではなく、少し傾斜してもよい。
【0037】
本開示の説明において、明確な定義や限定がない限り、用語の「設置」、「取付」、「連係」、「接続」を、広義に理解すべきである。例えば、固定接続でもよいし、取外し可能な接続でもよいし、一体的な接続でもよい。そして、機械的な接続でもよいし、電気的な接続でもよい。また、直接接続してもよいし、中間物を介して間接的に接続してもよいし、2つの要素の内部が連通してもよい。当業者は、本開示における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0038】
いくつかの実施形態において、駆動突起109は、芯部材102に設置され、駆動溝1081がヘッドハウジング10に設けられている。駆動突起109は、少なくとも一部が駆動溝1081内に挿入され、駆動溝1081に対して移動可能に設置されている。
【0039】
いくつかの実施形態において、駆動突起109は、ヘッドハウジング10に設置されており、駆動溝1081が芯部材102に設けられている。駆動突起109は、少なくとも一部が駆動溝1081内に挿入されており、駆動溝1081に対して移動可能に設置されている。
【0040】
本開示に係る歯科用ハンドピースヘッドは、芯部材を回転駆動するとともに芯部材を芯部材の軸方向に沿って往復移動するように駆動することができるため、根管拡大治療の際に、コントラアングルハンドピースを繰り返して引き上げる必要がなく、根管拡大の操作を容易にし、根管拡大の操作効率を高めることができる。
【0041】
ヘッドハウジングの芯部材室内に芯部材が設置され、芯部材の一端に駆動歯車が設置されており、駆動歯車が伝動軸と伝動可能に接続されており、これによって伝動軸によりモータの回転駆動トルクを駆動歯車に伝達して、芯部材を回転駆動する。芯部材が駆動歯車の軸方向に沿って移動可能であり、そして、芯部材室内に往復駆動機構がさらに設置されており、往復駆動機構により芯部材を芯部材の軸方向に沿って往復移動するように駆動し、これによって芯部材が回転運動しながら往復移動する。芯部材に根管ファイルが装着されているとき、芯部材により根管ファイルを回転駆動するとともに根管ファイルを根管ファイルの軸方向に沿って往復移動するように駆動することができる。したがって、本歯科用ハンドピースヘッドを使用して根管拡大を行う際に、往復駆動機構により根管ファイルを根管ファイルの軸方向に沿って往復移動するように駆動し、ハンドピースを手動で引き上げる必要がなく、根管拡大の治療効率を高め、患者の口腔のスペースに対する要求を下げ、根管拡大治療の操作を容易にし、患者の治療体験を向上させることができる。
【0042】
本開示の一実施形態は、根管プレパレーション用機器を提供する。該根管プレパレーション用機器は、歯科用ハンドピースと、操作ハンドルと、制御装置とを備える。制御装置と操作ハンドルとが接続されており、操作ハンドル内にモータが設置されており、歯科用ハンドピースと操作ハンドルとが接続されたあと、操作ハンドルにおける起動ボタンによりモータを起動させれば、歯科用ハンドピースが正常に作動することができ、治療目的を実現することができる。
【0043】
図1および図2に示すように、歯科用ハンドピースは、一般的に、曲がっているものであり、順に接続されるヘッドと第1ロッド部105と第2ロッド部106とを備え、第1ロッド部105の長手方向と第2ロッド部106の長手方向とが鈍角をなしており、これによって、容易に根管拡大治療を容易にすることができる。ヘッドは、第1ロッド部105の第2ロッド部106から離間した端に設置され、第2ロッド部106の第1ロッド部105から離間した端が操作ハンドルと接続される。第1ロッド部105は、遠位端と近位端とを含み、ヘッドが該遠位端に設置される。第2ロッド部106は、遠位端と近位端とを含み、その遠位端が第1ロッド部105の近位端と接続され、操作ハンドルが第2ロッド部106の近位端に接続される。
【0044】
第1ロッド部105内に伝動軸104が設置され、伝動軸104は、その軸線回りに回転可能に第1ロッド部105内に設置されており、第2ロッド部106内に、自体の軸線回りに回転可能な接続軸107が設置されている。接続軸107は、遠位端と近位端とを含む。伝動軸104は、遠位端と近位端とを含む。接続軸107の第1端(近位端)が操作ハンドル内のモータと伝動可能に接続されており、接続軸107の第2端(遠位端)が伝動軸104の第1端(近位端)と伝動可能に接続されている。
【0045】
本実施形態による歯科用ハンドピースヘッドは、ヘッドハウジング10を備え、ヘッドハウジング10内に芯部材室101が設けられており、芯部材室101内に回転可能な芯部材102および駆動歯車103が設置されている。芯部材室101は、遠位端と近位端とを含む。芯部材102は、遠位端と近位端とを含む。駆動歯車103が芯部材102の一端(芯部材102の遠位端)に環装されており、芯部材102が駆動歯車103の軸方向に沿って移動可能である。芯部材室101内に往復駆動機構がさらに設置され、往復駆動機構が、芯部材102を芯部材102の軸方向に沿って往復移動するように駆動するように構成される。
【0046】
ヘッドハウジング10の芯部材室101内に芯部材102が設置されており、芯部材102の一端(遠位端)に駆動歯車103が設置されており、駆動歯車103が伝動軸104と伝動可能、例えば噛み合い伝動可能に接続(連結)されており、それにより、伝動軸104によりモータの回転駆動トルクを駆動歯車103に伝達して、芯部材102を回転駆動する。芯部材102は駆動歯車103の軸方向に沿って移動可能に設置されており、そして、芯部材室101内に往復駆動機構がさらに設置されており、往復駆動機構は、芯部材102をその軸方向に沿って往復移動するように駆動するように構成されており、それにより、芯部材102は回転運動しながら軸方向に沿って往復移動することができる。芯部材102は、芯部材102に根管ファイル20が装着されているとき、芯部材102により根管ファイル20を回転駆動するとともに、根管ファイル20をその軸方向に沿って往復移動するように駆動することができるように、構成されている。したがって、本実施形態による歯科用ハンドピースを使用して根管治療を行う際に、往復駆動機構により根管ファイル20をその軸方向に沿って往復移動するように駆動し、手動で引き上げる必要がなく、根管拡大の治療効率を高め、患者の口腔のスペースに対する要求を下げ、根管拡大治療の操作を容易にし、患者の治療体験を向上させることができる。
【0047】
本実施形態において、芯部材102が回転可能に芯部材室101内に設置されており、芯部材102の内部に根管ファイル20のヘッド部を挟持する室が設けられており、根管ファイル20のヘッド部を容易に芯部材102内に挿入できるように、芯部材102の一端(遠位端)が芯部材室101から延出している。
【0048】
図2を参照し、駆動歯車103と芯部材102との接続について、駆動歯車103の中部にスプラインを同軸に設け、芯部材102の外壁にスプライン溝を設けるようにしてもよく、駆動歯車の中部にD型孔を同軸に設け、芯部材102の外壁にフラットヤーンを設置するようにしてもよく、駆動歯車103の中部に貫通孔を設け、該貫通孔の側壁に位置制限突起を設け、芯部材102の外壁に位置制限突起に合致するスライド溝を設けるようにしてもよく、芯部材102が駆動歯車103に従って同期回転できるとともに芯部材102の長手方向に沿って駆動歯車103に対してスライドできればよい。駆動歯車103は、一般的に傘歯車であるが、歯が円周に沿って縦方向に設けられた歯車であってもよい。
【0049】
芯部材室101内の往復駆動機構は、芯部材102の回転を妨げずに芯部材102を芯部材102の長手方向に沿って往復移動するように駆動できればよく、例えば、非接触駆動の電磁石機構、ボイスコイルモータ機構、カム機構などを採用する。図2に示すように、本実施形態による往復駆動機構はカム機構であり、該カム機構は、駆動ブロック108と、駆動突起109と、弾性部材110とを含む。
【0050】
駆動ブロック108は、芯部材室101の駆動歯車103から離間した端に位置しており、駆動ブロック108の駆動歯車103に近傍の端面に芯部材102と同軸の環状駆動面を有する。言い換えれば、駆動ブロック108が芯部材室101の近位端に位置しており、駆動ブロック108は、遠位端と近位端とを含み、駆動ブロック108の遠位端が駆動歯車103に向かい、駆動ブロック108の遠位端の端面が芯部材102と同軸の環状駆動面を有する。駆動ブロック108は、軸受のような、芯部材102の端部を囲む環状部品であってもよく、板状部品に環状リブを設けて形成した部品であってもよい。駆動面から駆動歯車103までの距離が駆動面の周方向に沿って起伏するように変化している、つまり、駆動面から駆動歯車103までの距離が駆動ブロック108の周方向に沿って交互に大きくなったり、小さくなったりしている。駆動面は、傾斜した傾斜面であり得る。また、駆動面は、駆動ブロック108の駆動歯車103に近傍の端面の全端面であってもよく、駆動ブロック108の駆動歯車103に近傍の端面の一部であってもよい。一実施形態において、駆動ブロック108は、厚さが変化するものである。例えば、駆動ブロック108の近位端の端面が芯部材102の軸線に対して垂直であり、駆動ブロック108の遠位端の駆動面が駆動面の周方向において起伏している、つまり駆動ブロック108の厚さが円周方向に沿って変化する。
【0051】
駆動突起109は、芯部材102に設置されており、駆動ブロック108に向かって突出する。駆動突起109は、芯部材102と一体成形されていてもよく、芯部材102とは別体に設置されていてもよい、つまり駆動突起109が芯部材102に取外し可能に固定に取り付けられるようにしてもよい。加工を容易にするために、本実施形態において、駆動突起109は、芯部材102の端部に挿設されるピンである。ピンの長手方向は、芯部材102の長手方向と所定の角をなしてもよく、芯部材102の長手方向に対して平行または垂直であるようにしてもよい。
【0052】
弾性部材110は、コイルバネであってもよく、ベローズなどの管状弾性部品であってもよく、芯部材102の外部に環装されており、駆動歯車103および芯部材102のそれぞれと当接するように駆動歯車103と芯部材102との間に位置する。駆動歯車103の弾性部材110に面した端に、駆動歯車103への弾性部材110の移動を制限する第1位置制限部が設けられている。第1位置制限部は、駆動歯車103の端部に設けられた階段面であってもよく、駆動歯車103の端面が内へ凹んで形成された段付孔であってもよい。
【0053】
そして、芯部材102の外側壁に弾性部材110の駆動ブロック108への移動を制限する第2位置制限部がさらに設けられている。第2位置制限部は、芯部材102の外部に設けられた突起であり、または、芯部材102の外周に環状に設けられたつば部であり、または、芯部材102を段付シャフト状に形成されたものであり、この場合、位置制限部が芯部材102の一階段の面である。このようにして、弾性部材110は、芯部材102の外壁における駆動突起109の端部を駆動面に当接させることができる。
【0054】
また、芯部材室101の駆動歯車103から離間した端(芯部材室101の近位端)内に付勢バネ111が設置されており、往復駆動機構を駆動歯車103へ押圧して駆動ブロック108を駆動突起109にしっかりと押し付けるように、付勢バネ111の一端が芯部材室101の、駆動ブロック108に面した側壁に当接されており、付勢バネ111の他端が駆動ブロック108に当接される。
【0055】
上記のように、本実施形態による歯科プレパレーション用機器を使用する際に、歯科用ハンドピース内の接続軸107と操作ハンドル内のモータとを伝動可能に接続するように歯科用ハンドピースと操作ハンドルとを接続し、そして根管ファイル20端部を芯部材102内に挿入して、芯部材102により根管ファイル20を挟持する。操作ハンドルにおける起動ボタンを起動させてモータを作動させれば、モータの回転トルクが順に接続軸107、伝動軸104および駆動歯車103を経由して芯部材102に伝達され、芯部材102が駆動歯車103の軸線回りに回転し、芯部材102により根管ファイル20を回転駆動する。
【0056】
芯部材102が回転する過程において、弾性部材110により、芯部材102の端部の駆動突起109が駆動ブロック108の駆動面にしっかりと押し付けられ、駆動面が駆動面の周方向に沿って起伏するものであるため、駆動突起109が弾性部材110の押圧で駆動面の周方向に沿って起伏して動作し、これによって弾性部材110および駆動ブロック108により芯部材102を駆動歯車103の軸方向に沿って往復運動するように駆動する。
【0057】
したがって、本実施形態による根管プレパレーション用機器を使用して根管拡大を行う際に、根管ファイル20が回転運動しながら根管ファイル20の長手方向に沿って往復移動し、手動でハンドピースを引き上げる必要がなく、根管拡大の治療効率を高め、患者の口腔のスペースに対する要求を下げ、根管拡大治療の操作を容易にし、患者の治療体験を向上させることができる。
【0058】
図3に示すように、本実施形態は、歯科プレパレーション用機器を提供する。該根管プレパレーション用機器は、図1および図2に示す実施形態による根管プレパレーション用機器と基本構造、作動原理および奏する技術効果がほぼ同じである。説明を簡単にするため、本実施形態で言及されない部分が図1および図2により示す実施形態における相応の内容を参照できる。本実施形態は、往復駆動機構の構造が異なることにおいて図1および図2により示す実施形態と相違している。
【0059】
本実施形態において、往復駆動機構はカム機構であり、該カム機構が、駆動ブロック108と駆動突起109とを含む。
【0060】
図4および図5を参照すると、2つの駆動ブロック108は、対向して設置され、いずれも芯部材102に環装されており、2つの駆動ブロック108の間に環状の駆動溝1081が形成されている。駆動ブロック108の周方向に沿って、すなわち駆動溝1081の長手方向に沿って、駆動溝1081の駆動歯車103に面した2つの側壁が駆動ブロック108の周方向に沿って起伏している、すなわち駆動溝1081から駆動歯車103までの距離が漸次変化する。
【0061】
本実施形態において、駆動突起109は、芯部材102に設置され、少なくとも一部が駆動溝1081内に挿入されており、駆動溝1081に対して移動可能に設置されている。駆動突起109の一端(第1端)が芯部材102の側壁内に挿設されており、駆動突起109の他端(第2端)が駆動溝1081内に挿設されている。駆動突起109の駆動溝1081内に位置する端(第2端)にローラが環装されており、ローラが駆動溝1081内に位置する。駆動突起109の駆動溝1081に位置する端(第2端)が球状または円柱状であり得る。駆動溝1081の幅方向における2つの側面は、形状が整合し、いずれも傾斜面であり、すなわち2つの駆動ブロック108の対向する端面は、いずれも傾斜面であり、形状が整合する。
【0062】
本実施形態による根管プレパレーション用機器を使用する際に、操作ハンドル内のモータにより回転トルクが順に接続軸107、伝動軸104および駆動歯車103を経由して芯部材102に伝達され、芯部材102が駆動歯車103の軸線回りに回転し、芯部材102により根管ファイル20を回転駆動する。芯部材102が回転する過程において、芯部材102により駆動突起109を駆動ブロック108に対して回転駆動し、駆動溝1081の2つの側壁が駆動ブロック108の周方向に沿って起伏しており、駆動突起109の一端が駆動溝1081内に位置するため、駆動突起109が駆動ブロック108に対して回転するとき、駆動溝1081の側壁により、駆動突起109が芯部材102の長手方向(軸方向)に沿って起伏して動作するように駆動され、これによって駆動溝1081および駆動突起109により芯部材102を駆動歯車103の軸方向に沿って往復運動するように駆動する。
【0063】
駆動突起109にローラ構造が設置されているため、芯部材102が駆動ブロック108に対して回転するとき、ローラの転動により、駆動突起109が駆動ブロックに対して移動するときの摩擦力を抑えることができる。本実施形態は、図1および図2により示す実施形態に対して、弾性部材110を使用する必要がないため、構成がよりシンプルで、信頼性がより高い。
【0064】
図6に示すように、本実施形態は、歯科プレパレーション用機器を提供する。該根管プレパレーション用機器は、図3~5により示す実施形態による根管プレパレーション用機器と基本構造、作動原理および奏する技術効果がほぼ同じである。説明を簡単にするため、本実施形態で言及されない部分が図3~5により示す実施形態における相応の内容を参照できる。本実施形態は、往復駆動機構の構造が異なることにおいて図3~5により示す実施形態と相違している。
【0065】
本実施形態において、往復駆動機構はカム機構であり、該カム機構が、芯部材スリーブ112と駆動突起109とを含み、駆動溝1081が芯部材スリーブ112の内壁に形成されている。
【0066】
図7図9に示すように、芯部材スリーブ112は、管状を呈し、芯部材102および駆動歯車の外部に環装されており、芯部材スリーブ112の側壁に、貫通した通し孔1121が設けられており、該通し孔1121は伝動軸104の挿通のためのものであり、伝動軸104は、駆動歯車103と伝動可能に接続されており、駆動歯車103を駆動してさらに芯部材102を回転駆動するように構成されている。芯部材スリーブ112の内壁に、周方向に沿って環状に形成された駆動溝1081が設けられており、芯部材スリーブ112の周方向に沿って、すなわち、駆動溝1081の長手方向に沿って、該駆動溝1081から駆動歯車103までの距離が漸次変化する。
【0067】
本実施形態において、駆動突起109は、芯部材102に設置されており、少なくとも一部が駆動溝1081内に挿入されており、駆動溝1081に対して移動可能に設置されている。駆動突起109の一端(第1端)が芯部材102の側壁内に挿設されており、駆動突起109の他端(第2端)が駆動溝1081内に挿設されている。駆動突起109の駆動溝1081内に位置する端(第2端)にローラが環装されており、ローラが駆動溝1081内に位置する。駆動突起109の駆動溝1081に位置する端が球状または円柱状であり得る。駆動溝1081の、駆動突起109に対応する2つの対向する側面は、形状が整合し、いずれも傾斜面である。
【0068】
本実施形態による根管プレパレーション用機器を使用する際に、操作ハンドル内のモータにより回転トルクが順に接続軸107、伝動軸104および駆動歯車103を経由して芯部材102に伝達され、芯部材102が駆動歯車103の軸線回りに回転し、芯部材102により根管ファイル20を回転駆動する。芯部材102が回転する過程において、芯部材102により駆動突起109を駆動ブロック108に対して回転駆動し、駆動溝1081の2つの側壁が駆動ブロック108の周方向に沿って起伏しており、駆動突起109の一端が駆動溝1081内に位置するため、駆動突起109が駆動ブロック108に対して回転するとき、駆動溝1081の側壁により、駆動突起109が芯部材102の長手方向に沿って起伏して動作するように駆動され、これによって駆動溝1081および駆動突起109により芯部材102を駆動歯車103の軸方向に沿って往復運動するように駆動する。
【0069】
駆動突起109にローラ構造が設置されているため、芯部材102が駆動ブロック108に対して回転するとき、ローラの転動により、駆動突起109が駆動ブロックに対して移動するときの摩擦力を抑えることができる。本実施形態は、図1および図2により示す実施形態に対して、弾性部材110を使用する必要がないため、構成がよりシンプルで、信頼性がより高い。
【0070】
上記は、本開示の選択可能な実施形態にすぎず、本開示を限定するものではない。当業者にとって、本開示に各種の変更や変化を有してもよい。本開示の精神および原理から逸脱しない限り、行った如何なる変更、均等置換、改良なども、本開示の保護範囲内に属する。
【0071】
産業上の利用可能性
【0072】
本開示に係る歯科用ハンドピース、そのヘッドおよび根管プレパレーション用機器は、芯部材を回転駆動するとともに芯部材を芯部材の軸方向に沿って往復移動するように駆動することができるため、根管拡大治療の際に、コントラアングルハンドピースを繰り返して引き上げる必要がなく、根管拡大の操作を容易にし、根管拡大の操作効率を高めることができ、患者の口腔のスペースに対する要求を下げ、根管拡大治療の操作を容易にし、患者の治療体験を向上させることができる。
【符号の説明】
【0073】
10 ヘッドハウジング
101 芯部材室
102 芯部材
103 駆動歯車
104 伝動軸
105 第1ロッド部
106 第2ロッド部
107 接続軸
108 駆動ブロック
1081 駆動溝
1082 駆動面
109 駆動突起
110 弾性部材
111 付勢バネ
112 芯部材スリーブ
1121 通し孔
20 根管ファイル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9