IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司の特許一覧

特許7529921電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器
<>
  • 特許-電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器 図1
  • 特許-電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器 図2
  • 特許-電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器 図3
  • 特許-電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器 図4
  • 特許-電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器 図5
  • 特許-電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器 図6
  • 特許-電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器 図7
  • 特許-電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器 図8
  • 特許-電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器 図9
  • 特許-電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器 図10
  • 特許-電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器 図11
  • 特許-電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器 図12
  • 特許-電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器 図13
  • 特許-電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器 図14
  • 特許-電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器 図15
  • 特許-電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器 図16
  • 特許-電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器 図17
  • 特許-電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器 図18
  • 特許-電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/213 20210101AFI20240730BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20240730BHJP
   H01M 50/375 20210101ALI20240730BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20240730BHJP
   H01M 50/233 20210101ALI20240730BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20240730BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240730BHJP
   H01M 10/6555 20140101ALI20240730BHJP
   H01M 10/643 20140101ALI20240730BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240730BHJP
【FI】
H01M50/213
H01M50/342 101
H01M50/375
H01M50/291
H01M50/233
H01M50/289 101
H01M10/613
H01M10/6555
H01M10/643
H01M10/625
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023547687
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 CN2022071925
(87)【国際公開番号】W WO2023133784
(87)【国際公開日】2023-07-20
【審査請求日】2023-08-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】▲銭▼ 欧
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲飄▼▲飄▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 玉峰
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 小波
【審査官】窪田 陸人
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-142148(JP,A)
【文献】特開2012-028244(JP,A)
【文献】国際公開第2021/132222(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/153016(WO,A1)
【文献】特開2003-109655(JP,A)
【文献】中国実用新案第213584016(CN,U)
【文献】中国実用新案第213026309(CN,U)
【文献】中国実用新案第207587793(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 50/30-50/392
H01M 10/52-10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
複数の電池セルであって、前記電池セルが円柱体であり、前記電池セルの円柱側面に前記電池セルの内圧又は温度が閾値に達した時に作動して前記電池セルの内圧を逃すための放圧機構が設置される複数の電池セルと、
複数の前記電池セルを収容するための電気キャビティと、
前記放圧機構が作動する時に前記電池セルからの排出物を収集するための収集キャビティと、
前記電気キャビティと前記収集キャビティを隔離するための隔離部材であって、前記隔離部材が第1の領域と第2の領域を含み、前記第1の領域が、前記電池セルの第1の部分が前記収集キャビティに向かって前記第2の領域の前記収集キャビティに向かう表面から突出するように前記第1の部分を収容するために用いられ、前記放圧機構が作動する時に前記排出物が前記収集キャビティに入るように、前記放圧機構が前記円柱側面の前記第1の部分に位置する領域に設置される隔離部材とを含み、
前記第1の領域の、前記隔離部材の前記電気キャビティに向かう表面での正投影の前記電池セルの軸方向に沿った長さは、前記電池セルの円柱側面の前記電池セルの軸方向に沿った長さ以上であり、前記正投影の第2の方向に沿った長さは、前記電池セルの直径よりも小さく、ここで、前記第2の方向は、前記正投影の位置する平面上で前記電池セルの軸方向に垂直な方向である、電池。
【請求項2】
前記第1の領域は、前記隔離部材を貫通する開孔である、請求項に記載の電池。
【請求項3】
前記隔離部材が開孔位置で円弧面を有することにより、前記第1の部分は、前記開孔内で前記隔離部材に貼り合わせられる、請求項に記載の電池。
【請求項4】
前記第1の領域は、前記隔離部材上の凹溝であり、前記凹溝は、前記収集キャビティに向かって前記第2の領域の前記収集キャビティに向かう表面から突出する、請求項に記載の電池。
【請求項5】
前記凹溝の第1の平面に沿った断面は円弧形であり、前記第1の平面は、前記電池セルの軸方向に垂直な平面である、請求項に記載の電池。
【請求項6】
前記第1の部分は、前記凹溝内で前記隔離部材に貼り合わせられる、請求項に記載の電池。
【請求項7】
前記凹溝の第1の平面に沿った断面は矩形であり、前記第1の平面は、前記電池セルの軸方向に垂直な平面である、請求項に記載の電池。
【請求項8】
前記隔離部材が前記凹溝の開口位置で円弧面を有することにより、前記第1の部分は、前記凹溝の開口位置で前記隔離部材に貼り合わせられる、請求項に記載の電池。
【請求項9】
前記電気キャビティ内に、複数の前記電池セル間の隙間を充填するための充填材が設置される、請求項1~のいずれか1項に記載の電池。
【請求項10】
前記電気キャビティ内に第1の方向に沿って配列された複数の電池セル群が収容され、前記複数の電池セル群のうちの各電池セル群に第2の方向に沿って配列された複数の前記電池セルが含まれ、前記第1の方向、前記第2の方向及び前記電池セルの軸方向が互いに垂直であり、
同一の電池セル群内の複数の前記電池セルは、同一の前記隔離部材に対応する、請求項1~のいずれか1項に記載の電池。
【請求項11】
前記同一の電池セル群内の複数の前記電池セルは、同一の前記隔離部材上の複数の前記第1の領域と一対一に対応する、請求項10に記載の電池。
【請求項12】
前記複数の電池セル群のうちの隣接する二つの電池セル群が対向して設置された二つの前記隔離部材に対応することにより、二つの前記隔離部材の間は前記電気キャビティであり、且つ前記電気キャビティは、二つの前記収集キャビティの間に位置する、請求項10又は11に記載の電池。
【請求項13】
前記電池は、前記電池セルの軸方向に沿って前記隣接する二つの電池セル群の両側にそれぞれ設置され、前記電気キャビティを形成するように二つの前記隔離部材に接続された二つのエンドプレートをさらに含む、請求項12に記載の電池。
【請求項14】
前記二つのエンドプレートのうちの各エンドプレートに前記第1の方向に沿って突出する第1の凸部が設置され、前記隔離部材に第1のスルーホールが設置され、前記第1の凸部は、前記第1のスルーホールを貫通することにより、前記各エンドプレートを前記隔離部材に固定接続し、又は、
前記二つのエンドプレートのうちの各エンドプレートに第2のスルーホールが設置され、前記隔離部材に前記電池セルの軸方向に沿って突出する第2の凸部が設置され、前記第2の凸部は、前記第2のスルーホールを貫通することにより、前記各エンドプレートを前記隔離部材に固定接続する、請求項13に記載の電池。
【請求項15】
電力消費機器であって、請求項1~14のいずれか1項に記載の電池を含み、前記電池は、前記電力消費機器に電気エネルギーを提供するためのものである、電力消費機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、特に電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネと排出削減は、自動車産業の持続可能な発展のカギである。このような場合、電動車両は、その省エネと環境保護の優位性のため、自動車産業の持続可能な発展の重要な構成部分となっている。電動車両にとって、電池技術は、その発展に関わる重要な要素である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電池技術の発展において、電池の性能の向上に加えて、安全性の問題も無視できない問題となっている。電池の安全性を確保できなければ、その電池を使用することはできない。そのため、どのように電池の安全性を向上させるかは、電池技術において早急な解決が待たれる技術課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願の実施例は、電池の安全性を向上させることができる電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、電池を提供し、前記電池は、複数の電池セルであって、前記電池セルが円柱体であり、前記電池セルの円柱側面に前記電池セルの内圧又は温度が閾値に達した時に作動して前記電池セルの内圧を逃すための放圧機構が設置される複数の電池セルと、複数の前記電池セルを収容するための電気キャビティと、前記放圧機構が作動する時に前記電池セルからの排出物を収集するための収集キャビティと、前記電気キャビティと前記収集キャビティを隔離するための隔離部材であって、前記隔離部材が第1の領域と第2の領域を含み、前記第1の領域が、前記電池セルの第1の部分が前記収集キャビティに向かって前記第2の領域の前記収集キャビティに向かう表面から突出するように前記第1の部分を収容するために用いられ、前記放圧機構が作動する時に前記排出物が前記収集キャビティに入るように、前記放圧機構が前記円柱側面の前記第1の部分に位置する領域に設置される隔離部材とを含む。
【0006】
そのため、本出願の実施例の電池は、隔離部材の第1の領域を通じて電池セルに対して位置決め及び固定を行うことにより、電池セルの転がりを回避し、電池の安定性を向上させることができるとともに、第1の部分が第2の領域に対して電気キャビティから突出し、即ち一部の収集キャビティの空間を占有することにより、電池の空間利用率を向上させることができる。また、電池セルの放圧機構が該第1の部分に位置することで、放圧機構が作動する時に、該排出物は、該収集キャビティに入り、それにより所定の方向に排出するという目的を達成し、電気キャビティへの排出物の影響を回避し、つまり、排出物と電気キャビティ内の高圧部材との接続接触を回避し、電池の爆発リスクを低下させ、電池の安全性を向上させる。
【0007】
いくつかの実施例において、前記第1の領域の、前記隔離部材の前記電気キャビティに向かう表面での正投影の前記電池セルの軸方向に沿った長さは、前記電池セルの円柱側面の前記電池セルの軸方向に沿った長さ以上であり、前記正投影の第2の方向に沿った長さは、前記電池セルの直径よりも小さく、ここで、前記第2の方向は、前記正投影の位置する平面上で前記電池セルの軸方向に垂直な方向である。
【0008】
このように、電池セルの第1の領域に位置する第1の部分について、該第1の部分は、電池セルの全部ではなく、局所領域だけであり、且つ該電池セルのほんの一部の領域であり、第1の部分は、収集キャビティの多くの領域を占有しないため、収集キャビティへの影響が小さい。
【0009】
いくつかの実施例において、前記第1の領域は、前記隔離部材を貫通する開孔である。
【0010】
一方では、開孔が加工しやすく、他方では、第1の部分に位置する放圧機構が作動する時に、何の障害もなく、該開孔を介して排出物を収集キャビティに直接排出することができ、熱暴走している電池セルは、内圧と温度をタイムリーに逃し、熱拡散を回避することができ、それにより電池の安全性を向上させる。
【0011】
いくつかの実施例において、前記隔離部材が前記開孔位置で円弧面を有することにより、前記第1の部分は、前記開孔内で前記隔離部材に貼り合わせられる。
【0012】
電池セルと隔離部材との間に、線接触ではなく、面接触があり、両者の間の接触面積が増加することにより、一方では、電池セルの該第1の領域での安定性を向上させることができ、変位が発生しにくく、他方では、隔離部材が熱管理部材である場合、温度調節効率を向上させることもできる。
【0013】
いくつかの実施例において、前記第1の領域は、前記隔離部材上の凹溝であり、前記凹溝は、前記収集キャビティに向かって前記第2の領域の前記収集キャビティに向かう表面から突出する。
【0014】
このように、電池が正常に使用される時に、該隔離部材の両側の電気キャビティと収集キャビティが相対的に密閉されるが、いずれか一つの電池セルが熱暴走した時に、その放圧機構は、作動して排出物を排出し、該排出物は、該放圧機構に対応する第1の領域の凹溝を破壊することにより、収集キャビティに入ることができ、同時に、他の位置の第1の領域の凹溝が破壊されていないため、収集キャビティに入る排出物(特に高温ガス又は炎)は、他の位置の第1の領域から電気キャビティに再び戻らず、それにより他の電池セルへの影響を回避し、熱拡散の可能性を低下させ、電池の安全性を向上させることができる。
【0015】
いくつかの実施例において、前記凹溝の第1の平面に沿った断面は円弧形であり、前記第1の平面は、前記電池セルの軸方向に垂直な平面であり、円弧面の凹溝は、他の形状の凹溝に比べて、占用される収集キャビティの空間が小さく、収集キャビティの設置への影響が小さい。
【0016】
いくつかの実施例において、前記第1の部分は、前記凹溝内で前記隔離部材に貼り合わせられる。この時、電池セルと隔離部材との間の接触面積が線接触ではなく、円弧面であり、両者の接触面積が増加することにより、一方では、電池セルの該第1の領域での安定性を向上させることができ、他方では、隔離部材が熱管理部材である場合、温度調節効率を向上させることもできる。
【0017】
いくつかの実施例において、前記凹溝の第1の平面に沿った断面は矩形であり、前記第1の平面は、前記電池セルの軸方向に垂直な平面であり、矩形凹溝は、構造が簡単であり、加工しやすい。
【0018】
いくつかの実施例において、前記隔離部材が前記凹溝の開口位置で円弧面を有することにより、前記第1の部分は、前記凹溝の開口位置で前記隔離部材に貼り合わせられ、その結果、電池セルと隔離部材との間が線接触ではなく、面接触であり、両者の接触面積が増加することにより、一方では、電池セルの該第1の領域での安定性を向上させることができ、他方では、隔離部材が熱管理部材である場合、温度調節効率を向上させることもできる。
【0019】
いくつかの実施例において、前記電気キャビティ内に、複数の前記電池セル間の隙間を充填するための充填材が設置されることを特徴とする。
【0020】
一方では、充填材は、内部の電池セルに拘束を提供し、電池セルの移動を回避することができ、他方では、該充填材は、電池セルのハウジングを拘束し、ハウジングの強さを向上させ、ある電池セルが熱暴走した時に、電池セルの表面上で第1の部分以外の電気キャビティ内に位置する部分が破壊されることを回避することもでき、さらに熱暴走の拡散を回避し、電池の安全性能を向上させることができる。
【0021】
いくつかの実施例において、前記電気キャビティ内に第1の方向に沿って配列された複数の電池セル群が収容され、前記複数の電池セル群のうちの各電池セル群に第2の方向に沿って配列された複数の前記電池セルが含まれ、前記第1の方向、前記第2の方向及び前記電池セルの軸方向が互いに垂直であり、同一の電池セル群内の複数の前記電池セルは、同一の前記隔離部材に対応する。
【0022】
電池内の複数の電池セルを規則的に配列することにより、電池の空間利用率を向上させることができる。同一の電池セル群内の複数の電池セルが同一の隔離部材に対応するように設置される場合、該複数の電池セルは、同一の収集キャビティに対応し、即ち該複数の電池セルの放圧機構から排出された排出物は、同一の収集キャビティに排出することができ、それにより空間を節約し、電池の空間利用率を向上させる。
【0023】
いくつかの実施例において、前記同一の電池セル群内の複数の前記電池セルが同一の前記隔離部材上の複数の前記第1の領域と一対一に対応することにより、各電池セルが熱暴走した時に収集キャビティに向かって排出物を所定の方向に排出できることを保証できるとともに、該第1の領域を利用して各電池セルの位置決め及び取り付けを行い、電池セルの第1の部分が第1の領域に位置することを可能にすることもでき、それにより電池の安全性を向上させる。
【0024】
いくつかの実施例において、前記複数の電池セル群のうちの隣接する二つの電池セル群が対向して設置された二つの前記隔離部材に対応することにより、二つの前記隔離部材の間は前記電気キャビティであり、且つ前記電気キャビティは、二つの前記収集キャビティの間に位置する。
【0025】
第1の方向に沿った隣接するいずれか二つの電池セル群に対し、該二つの電池セル群を同一の電気キャビティに設置する際に、二つの電池セル群の電池セル同士を交互に設置することにより、電気キャビティの空間を節約することができる。この時、該二つの電池セル群に対応する二つの収集キャビティは、該電気キャビティの対向する両側にそれぞれ位置してもよく、それにより該電池の第1の方向に沿った厚さは最小になってもよい。
【0026】
いくつかの実施例において、前記電池は、前記電池セルの軸方向に沿って前記隣接する二つの電池セル群の両側にそれぞれ設置され、前記電気キャビティを形成するように二つの前記隔離部材に接続された二つのエンドプレートをさらに含む。
【0027】
二つのエンドプレートが電池セルの軸方向に沿って隣接する二つの電池セル群の両側にそれぞれ設置されることにより、二つの電池セル群内の電池セルの電池セルの軸方向に沿った運動をさらに制限することができ、それにより電池セルを固定し、電池の安定性を向上させる。
【0028】
いくつかの実施例において、前記二つのエンドプレートのうちの各エンドプレートに前記第1の方向に沿って突出する第1の凸部が設置され、前記隔離部材に第1のスルーホールが設置され、前記第1の凸部は、前記第1のスルーホールを貫通することにより、前記各エンドプレートを前記隔離部材に固定接続し、又は、前記二つのエンドプレートのうちの各エンドプレートに第2のスルーホールが設置され、前記隔離部材に前記電池セルの軸方向に沿って突出する第2の凸部が設置され、前記第2の凸部は、前記第2のスルーホールを貫通することにより、前記各エンドプレートを前記隔離部材に固定接続する。
【0029】
凸部とスルーホールとの間の相互嵌合を利用して隔離部材とエンドプレートとの間の固定を実現することにより、加工しやすいとともに、取り付けと組み合わせも簡単であり、さらに電池の製造効率を向上させる。
【0030】
第2の態様によれば、電力消費機器を提供し、前記電力消費機器は、第1の態様又は第1の態様におけるいずれか一つの実施例に記載の電池を含む。
【0031】
いくつかの実施例において、前記電力消費機器は、車両、船舶又は宇宙船である。
【0032】
第3の態様によれば、電池を製造する方法を提供し、前記方法は、複数の電池セルを提供することであって、前記電池セルが円柱体であり、前記電池セルの円柱側面に前記電池セルの内圧又は温度が閾値に達した時に作動して前記内圧を逃すための放圧機構が設置されることと、複数の前記電池セルを収容するための電気キャビティを提供することと、前記放圧機構が作動する時に前記電池セルからの排出物を収集するための収集キャビティを提供することと、前記電気キャビティと前記収集キャビティを隔離するための隔離部材を提供することであって、前記隔離部材が第1の領域と第2の領域を含み、前記第1の領域が、前記電池セルの第1の部分が前記収集キャビティに向かって前記第2の領域の前記収集キャビティに向かう表面から突出するように前記第1の部分を収容するために用いられ、前記放圧機構が作動する時に前記排出物が前記収集キャビティに入るように、前記放圧機構が前記円柱側面の前記第1の部分に位置する領域に設置されることとを含む。
【0033】
第4の態様によれば、電池を製造する機器を提供し、前記機器は、上記第3の態様の方法を実行するモジュールを含む。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本出願の一実施例による車両の構造概略図である。
図2】本出願の一実施例による電池の分解構造概略図である。
図3】本出願の一実施例による電池の部分構造概略図である。
図4】本出願の一実施例による電池の断面概略図である。
図5】本出願の一実施例による電池の部分断面概略図である。
図6】本出願の一実施例による電池の別の部分断面概略図である。
図7図6における領域Aの拡大図である。
図8】本出願の一実施例による別の電池の部分構造概略図である。
図9】本出願の一実施例による別の電池の断面概略図である。
図10】本出願の一実施例による別の電池の部分断面概略図である。
図11図10における領域Bの拡大図である。
図12】本出願の一実施例による電池セルと隔離部材の概略図である。
図13】本出願の一実施例による隔離部材の上面図である。
図14】本出願の一実施例による電池セルと隔離部材の上面図である。
図15】本出願の一実施例による二つの電池セルと隔離部材の断面図である。
図16】本出願の一実施例による別の二つの電池セルと隔離部材の断面図である。
図17】本出願の一実施例によるさらなる二つの電池セルと隔離部材の断面図である。
図18】本出願の一実施例による電池を製造する方法の概略的フローチャートである。
図19】本出願の一実施例による電池を製造する機器の概略的ブロック図である。 図面部分において、図面は、実際の縮尺に応じて描かれるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面と実施例を結び付けながら本出願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例についての詳細な説明及び図面は、本出願の原理を例示的に説明するためのものであるが、本出願の範囲を限定するものではなく、即ち本出願は、記述された実施例に限定されない。
【0036】
本出願の記述において、指摘すべきこととして、特に説明されていない限り、「複数」は、二つ以上を意味し、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などの用語により示される方位又は位置関係は、示された装置又は素子が特定の方位を有しなければならず、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを示したり、暗示したりするのではなく、本出願を容易に説明し、説明を簡略化するためのものに過ぎず、本出願の限定として理解されるべきではない。なお、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、説明のみを目的として使用されており、相対的な重要性を示したり、暗示したりするものとして理解されるべきではない。「垂直」は、厳密な意味での垂直ではないが、誤差の許容範囲内である。「平行」は、厳密な意味での平行ではないが、誤差の許容範囲内である。
【0037】
以下の説明に現れる方位詞は、いずれも図に示されている方向であり、本出願の特定の構造を限定するものではない。本出願の記述において、さらに説明すべきこととして、明確に指定及び限定されていない限り、「取り付け」、「繋がり」、「接続」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接接続されることであってもよく、中間媒体を介して間接的に接続されることであってもよい。当業者にとって、本出願における上記用語の特定の意味は、特定の状況に従って理解することができる。
【0038】
本出願の実施例において、同一の符号は同一の構成要素を表し、また、簡潔のために、異なる実施例において、同一の構成要素に対する詳細な説明を省略する。なお、図面に示される本出願の実施例における各部材の厚さ、長さ・幅などの寸法、及び集積装置の全体的な厚さ、長さ・幅などの寸法は、例示的なものに過ぎず、本出願を限定するものではない。
【0039】
本出願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよいが、本出願の実施例では、それを限定しない。電池セルは、円柱体、扁平体、直方体、又はその他の形状などをなしてもよく、本出願の実施例ではこれについても限定しない。電池セルは、パッケージングの形態によって、一般的には、柱形電池セル、四角形電池セルと軟質パウチ電池セルの3つの種類に分けられ、本出願の実施例では、それを限定しない。
【0040】
本出願の実施例で言及びした電池は、より高い電圧と容量を提供するために一つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本出願に言及びされる電池には、電池モジュール又は電池パックなどが含まれてもよい。電池は、一般的には、一つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又はその他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0041】
電池セルは電極アセンブリと電解液とを含み、電極アセンブリは正極板、負極板とセパレータによって構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することにより動作する。正極板は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗覆されており、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は、正極活物質層が塗覆された正極集電体から突出しており、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は、正極タブとされる。リチウムイオン電池を例にして、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗覆されており、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は、負極活物質層が塗覆された負極集電体から突出しており、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は、負極タブとされる。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はシリコンなどであってもよい。大電流を流しても溶断が生じないように、正極タブの数は複数で積層されており、負極タブの数は複数で積層されている。セパレータの材質は、ポリプロピレン(polypropylene、PP)又はポリエチレン(polyethylene、PE)などであってもよい。また、電極アセンブリは、捲回型構造であってもよいし、積層型構造であってもよく、本出願の実施例はこれらに限定されるものではない。
【0042】
電池技術の発展は、多岐にわたる設計因子、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電レートなどの性能パラメータ及び電池の安全性を同時に考慮する必要がある。
【0043】
電池にとって、主な安全上の危険は、充電と放電プロセスからであり、電池の安全性能を向上させるために、電池セルには、一般的に放圧機構が設置される。放圧機構は、電池セルの内圧又は温度が所定閾値に達したときに作動して内圧又は温度を逃がす素子又は部材である。該所定の閾値は、設計ニーズの異なりに応じて調整を行うことができる。前記所定の閾値は、電池セルにおける正極板、負極板、電解液とセパレータのうちの一つ又は複数の材料に依存することができる。放圧機構は、圧力に敏感又は温度に敏感な素子又は部品などを採用してもよく、すなわち、電池セルの内圧又は温度が所定の閾値に達した時、放圧機構が作動することにより、内圧又は温度を逃すための通路を形成する。
【0044】
本出願に言及された「作動」は、放圧機構が動作して、電池セルの内圧及び温度が逃されることを指す。放圧機構に発生する動作は、放圧機構のうちの少なくとも一つの部分の破裂、引き裂かれ又は溶融等を含んでもよいが、それらに限らない。放圧機構が作動した後、電池セルの内部の高温高圧物質は、排出物として放圧機構から外に排出する。この方式で、圧力又は温度が制御可能である場合には、電池セルの圧力を逃がすことができ、それによって潜在的なより深刻な事故の発生を回避する。
【0045】
本出願で言及した電池セルからの排出物は、電解液、溶解又は分裂された正負極板、セパレータの破片、反応によって生成された高温高圧ガス、火炎などを含むが、それらに限らない。
【0046】
電池セルにおける放圧機構は、電池の安全性に対して重要な影響を及ぼす。例えば、電池セルに短絡、過充電等の現象が発生する時、電池セルの内部に熱暴走が発生して圧力又は温度が急激に上昇する可能性がある。このような場合には、放圧機構の作動によって内圧又は温度を外へ放出し、電池セルの爆発、発火を防止することができる。
【0047】
そのため、電池の組み立て過程において、直方体の電池セルを例にし、隣接する電池セル同士が一般的に面積の大きい壁によって互いに当接されることを考慮すると、放圧機構は、電池セルの面積の小さい壁に設置されてもよく、例えば、放圧機構は、電池セルの頂部のカバープレートに設置されてもよく、それにより放圧機構の性能への影響を回避し、電池の安全性能を保証する。しかしながら、形状が直方体ではない電池セル、例えば、円柱形の電池セルに対し、電池セル自体の形状の制限により、電池セルが熱暴走した時に、放圧機構が頂部の円形のカバープレートに設置される場合、放圧が順調に進まず、電池セルの爆発が起こりやすい。そして、頂部のカバープレートから放圧する時、逃しているガスは、高低圧部材と接続接触しやすく、高電圧点火を引き起こし、電池セル間の熱拡散を進める。しかしながら、放圧機構を電池セルの他の位置に設置する場合、円柱形の電池セルの形状特徴により、電池を組み立てる時に、各電池セルの放圧機構への影響をどのように回避するかも考慮する必要がある。
【0048】
そのため、本出願の実施例は、電池を提供し、該電池は、複数の円柱形の電池セルを含み、電池セルの円柱側面に放圧機構が設置され、該電池は、隔離部材によって隔離された電気キャビティと収集キャビティをさらに含み、電気キャビティは、複数の電池セルを収容するために用いられ、収集キャビティは、放圧機構が作動する時に、電池セルからの排出物を収集するために用いられる。隔離部材に第1の領域と第2の領域が設置され、第1の領域は、該第1の部分が収集キャビティに向かって第2の領域の収集キャビティに向かう表面から突出するように電池セルの第1の部分を収容するために用いられ、このように、該第1の領域を通じて電池セルに対して位置決め及び固定を行うことにより、電池セルの転がりを回避し、電池の安定性を向上させることができるとともに、第1の部分が第2の領域に対して電気キャビティから突出し、即ち一部の収集キャビティの空間を占有することにより、電池の空間利用率を向上させることができる。また、電池セルの放圧機構が該第1の部分に位置することで、放圧機構が作動する時に、該排出物は、該収集キャビティに入り、それにより所定の方向に排出するという目的を達成し、電気キャビティへの排出物の影響を回避し、つまり、排出物と電気キャビティ内の高圧部材との接続接触を回避し、電池の爆発リスクを低下させ、電池の安全性を向上させる。
【0049】
本出願の実施例で説明された技術案は、いずれも、電池を使用する様々な電力消費機器に適用される。
【0050】
電力消費機器は、車両、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、汽船、宇宙航空機、電動玩具と電動工具などであってもよい。車両は、燃料油自動車、ガス自動車、又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車、又はレンジエクステンダー自動車などであってもよく、宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトルと宇宙船などを含み、電動玩具は、据置型又は移動型電動玩具、例えば、ゲーム機、電動自動車玩具、電動汽船玩具、電動飛行機玩具などを含み、電動工具は、金属切削電動工具、研磨電動工具、組み立て電動工具と鉄道用電動工具、例えば、電動ドリル、電動グラインダー、電動レンチ、電動ドライバー、電動ハンマ、ハンマードリル、コンクリート振動機、電動鉋などを含む。本出願の実施例では特に上記電力消費機器について限定しない。
【0051】
以下の実施例は、説明を容易にするために、電力消費機器が車両であることを例として説明する。
【0052】
例えば、図1では、本出願の一実施例による車両1の構造概略図が示されている。車両1は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車やレンジエクステンダー自動車などであってもよい。車両1の内部には、モータ40、コントローラ30、及び電池10が設置されてもよく、コントローラ30は、電池10がモータ40に給電するように制御するためのものである。例えば、車両1の底部又は前部又は後部に電池10が設置されてもよい。電池10は、車両1への給電に用いることができる。例えば、電池10を車両1の操作電源として、車両1の電気回路システムに用いることができ、例えば、車両1の始動、ナビゲーション及び走行時の作動電力需要に用いることができる。本出願の別の実施例では、電池10は、車両1の動作電源として用いることができるだけでなく、車両1の駆動電源として、燃料油又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1に駆動動力を提供することもできる。
【0053】
異なる電力消費需要を満たすために、電池は複数の電池セルを含んでもよく、ここで、複数の電池セルの間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続は、直列接続と並列接続との混合を指す。電池は、電池パックと呼ばれてもよい。任意選択的に、複数の電池セルをまず直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールを直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池を構成してもよい。つまり、複数の電池セルは、直接的に電池を構成してもよく、又は、まず電池モジュールを構成し、さらに電池モジュールで電池を構成してもよく、本出願の実施例は、これらに限定されない。
【0054】
図2は、本出願の実施例による電池10の分解構造概略図を示す。図3は、本出願の実施例による電池10における一部の部材が組み立てられた後の構造概略図を示し、例えば、該図3は、図2に示す電池10の一部の部材が組み立てられた後の構造概略図である。図4は、本出願の実施例による電池10の断面図を示し、例えば、該電池10は、図2に示す電池10の組み立てられた後の構造であってもよく、該断面は、電池における電池セルの軸方向に垂直な平面であってもよい。図2図4に示すように、該電池10は、複数の電池セル20であって、該電池セル20が円柱体であり、該電池セル20の円柱側面に該電池セル20の内圧又は温度が閾値に達した時に作動して該電池セル20の内圧を逃すための放圧機構21が設置される複数の電池セル20と、複数の該電池セル20を収容するための電気キャビティ15と、該放圧機構21が作動する時に、該電池セル20からの排出物を収集するための収集キャビティ16と、該電気キャビティ15と該収集キャビティ16を隔離するための隔離部材12であって、該隔離部材12が第1の領域121と第2の領域122を含み、該第1の領域121が、該電池セル20の第1の部分22が該収集キャビティ16に向かって該第2の領域122の該収集キャビティ16に向かう表面から突出するように該第1の部分22を収容するために用いられ、該放圧機構21が作動する時に該排出物が該収集キャビティ16に入るように、該放圧機構21が該円柱側面の該第1の部分22に位置する領域に設置される隔離部材12とを含む。
【0055】
そのため、本出願の実施例の電池10は、隔離部材12に設置された第1の領域121を通じて円柱形の電池セル20に対して位置決め及び固定を行うことにより、電池セル20の転がりを回避し、電池10の安定性を向上させるとともに、電池セル20の第1の部分22が第2の領域122に対して電気キャビティ15から突出し、即ち電池セル20が一部の収集キャビティ16の空間を占有することにより、電池10の空間利用率を向上させることができる。また、電池セル20の放圧機構21が該第1の部分22に設置されることで、放圧機構21が作動する時に、排出物は、該収集キャビティ16に入り、それにより所定の方向に排出するという目的を達成し、電気キャビティ15への排出物の影響を回避し、つまり、排出物と電気キャビティ15内の高圧部材との接続接触を回避し、電池10の爆発リスクを低下させ、電池10の安全性を向上させる。
【0056】
本出願の実施例の電池10は、電気キャビティ15と収集キャビティ16を含み、任意選択的に、該電池10は、電気キャビティ15と収集キャビティ16を形成するための筐体11をさらに含む。図2図4に示すように、筐体11の内部は中空構造であり、複数の電池セル20は、筐体11内に収容される。筐体11は、それぞれ第1の筐体部111と第2の筐体部112と呼ばれる二つの部分を含んでもよく、第1の筐体部111と第2の筐体部112は一体に係合される。第1の筐体部111と第2の筐体部112の形状は、内部に収容された部材の形状に基づいて決定されてもよく、例えば、内部に収容された複数の電池セル20の組み合わせ形状に基づいて決定されてもよく、第1の筐体部111と第2の筐体部112のうちの少なくとも一つは、開口を有する。例えば、図2に示すように、第1の筐体部111と第2の筐体部112のうち、一方のみが開口を有する中空直方体であるが、他方が開口をカバーするための板状であることであってもよい。例えば、ここで第2の筐体部112が中空直方体であり、且つ開口1113を有するが、第1の筐体部111が板状であることを例にすると、第1の筐体部111は、密閉されたチャンバーを有する筐体11を形成するように第2の筐体部112の開口位置にカバーされ、該チャンバーは、複数の電池セル20を収容するために用いられてもよい。複数の電池セル20は、互いに並列接続又は直列接続又は直並列接続して組み合わせられた後に、第1の筐体部111と第2の筐体部112を係合して形成された筐体11内に置かれる。
【0057】
さらに例えば、図2の図示と異なり、該第1の筐体部111と第2の筐体部112は、いずれも中空直方体であってもよく、且つそれぞれ一つの面が開口面であり、第1の筐体部111の開口と第2の筐体部112の開口とが対向して設置され、且つ第1の筐体部111と第2の筐体部112とが互いに係合して、密閉されたチャンバーを有する筐体11を形成する。
【0058】
筐体11の内部は、電気キャビティ15と収集キャビティ16を含み、ここで、電気キャビティ15は、複数の電池セル20を収容するために用いられる。具体的には、該電池10は、バスバー部材14をさらに含んでもよく、バスバー部材14は、複数の電池セル20の間の電気的接続、例えば、並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現するために用いられてもよい。具体的には、バスバー部材14は、電池セル20の電極端子を接続することによって電池セル20同士の電気的接続を実現することができる。さらに、バスバー部材14は、溶接によって電池セル20の電極端子に固定されてもよい。
【0059】
本出願の実施例において、電気キャビティ15に複数の円柱形の電池セル20が収容され、該複数の電池セル20は、一定の規則に応じて配列して組み立てられてもよく、それにより電気キャビティ15の空間利用率を向上させ、さらに電池10のエネルギー密度を向上させる。例えば、複数の電池セル20のサイズは、同じであるか、又は異なるように設置されてもよく、本出願の実施例において、複数の電池セル20のサイズが同じであることを例に説明し、これにより複数の電池セル20の容量は同じであってもよく、複数の電池セル20同士の電気的接続の実現、及び該複数の電池セル20の配列に役立つ。
【0060】
具体的には、図2図4に示すように、電気キャビティ15内に第1の方向Zに沿って配列された複数の電池セル群が収容され、複数の電池セル群のうちの各電池セル群に第2の方向Yに沿って配列された複数の電池セル20が含まれ、第1の方向Z、第2の方向Y及び電池セル20の軸方向Xが互いに垂直であり、ここで、円柱体の電池セル20に対し、該電池セル20の軸方向Xは円柱体の軸方向Xである。電気キャビティ15内の複数の電池セル20をアレイに配列することにより、電気キャビティ15の空間を効果的に利用することができる。
【0061】
そして、円柱体の特徴を考慮すると、複数の電池セル群は交互に設置されてもよく、それにより電池セル20間の隙間を減少させ、空間利用率を向上させる。具体的には、図2図4に示すように、第1の方向Zに垂直な平面に対し、複数の電池セル20の軸線の該平面での投影は互いにオーバーラップしない。さらに、該複数の電池セル20の軸線の該平面での投影の距離が等しくてもよく、それにより異なる電池セル群における電池セル20が交互に設置されてもよく、空間を合理的に利用することにより、電池セル20間の隙間を減少させる。
【0062】
本出願の実施例の電池セル20の円柱側面に放圧機構21が設置され、該円柱側面は、電池セル20の軸方向Xを取り囲む曲面、即ち円柱体の側面である。該放圧機構21は、様々な方式で設置されてもよい。例えば、該放圧機構21は、電池セル20のハウジングの該放圧機構21での厚さを他の領域の厚さよりも小さくし、即ち該放圧機構21での強度を相対的に弱くする電池セル20上での切り目であってもよく、このように、電池セル20が熱暴走した時に、その内部温度又は圧力が予め設定される値に達すると、該放圧機構21は、切り目で破壊されることで、内圧又は温度を逃すことができる。さらに例えば、該放圧機構21は、感熱性材料で設置されてもよく、このように、電池セル20が熱暴走した時に、その内部温度が予め設定される値に達すると、該放圧機構21は、溶かされることにより、内圧又は温度を逃すことができるが、本出願の実施例は、これに限定されない。
【0063】
本出願の実施例において、電池10は、放圧機構21が作動した後、該放圧機構21から排出された排出物を収集し、排出物と高圧部材との接触による短絡を回避する収集キャビティ16をさらに含む。具体的には、該放圧機構21による収集キャビティ16に向かう所定方向放圧を実現するために、該電池10は、隔離部材12を含み、該隔離部材12は、電気キャビティ15と収集キャビティ16を隔離するために用いられてもよい。図2図4に示すように、該隔離部材12は、第1の領域121と第2の領域122を含み、該第1の領域121は、電池セル20の第1の部分22が該収集キャビティ16に向かって該第2の領域122の該収集キャビティ16に向かう表面から突出するように該第1の部分22を収容するために用いられ、そして、該放圧機構21が作動する時に該放圧機構21から排出された排出物が該収集キャビティ16に順調に入ることができるように、該放圧機構21は、該円柱側面の該第1の部分22に位置する領域に設置される。
【0064】
理解すべきこととして、本出願の実施例の隔離部材12は、熱管理部材とされてもよく、即ち該隔離部材12は、複数の電池セル20の温度を調節するための流体を収容してもよい。ここで、流体は、液体又は気体であってもよく、温度を調節することは、複数の電池セル20を加熱又は冷却することを指す。電池セル20を冷却又は降温する場合、該隔離部材12は、複数の電池セル20を降温するように冷却流体を収容するために用いられ、また、隔離部材12は、複数の電池セル20を昇温するように加熱するために用いられてもよく、本出願の実施例は、これを限定しない。任意選択的に、上記流体は、より良い温度調節効果を達成するように、循環して流れるものであってもよい。任意選択的に、流体は、水、水とエチレングリコールの混合液、又は空気などであってもよい。
【0065】
任意選択的に、図2図4に示すように、同一の電池セル群内の複数の電池セル20は、同一の隔離部材12に対応する。電池10内の電池セル20の配列規則を考慮すると、同一の電池セル群内の複数の電池セル20が同一の隔離部材12に対応するように設置される場合、該複数の電池セル20は、同一の収集キャビティ16に対応し、即ち該複数の電池セル20の放圧機構21から排出された排出物は、同一の収集キャビティ16に排出することができ、それにより空間を節約し、電池10の空間利用率を向上させる。
【0066】
図2図4に示すように、同一の電池セル群内の複数の電池セル20は、同一の隔離部材12上の複数の第1の領域121と一対一に対応する。同一の電池セル群内の複数の電池セル20のうちの各電池セル20に第1の領域121が対応して設置される場合、いずれか一つの電池セル20が熱暴走した時に、隔離部材12のそれに対応する第1の領域121を通じて排出物を所定の方向に排出することができ、また、電池セル20が円柱体であり、同一の電池セル群内の複数の電池セル20を同一の隔離部材12上の複数の第1の領域121と一対一に対応するように設置することにより、各電池セル20が熱暴走した時に収集キャビティ16に向かって排出物を所定の方向に排出できることを保証できるとともに、該第1の領域121を利用して各電池セル20の位置決め及び取り付けを行い、電池セル20の第1の部分22が第1の領域121に位置することを可能にすることもでき、それにより電池10の安定性を向上させる。
【0067】
任意選択的に、複数の電池セル群のうちの隣接する二つの電池セル群が対向して設置された二つの隔離部材12に対応することにより、二つの隔離部材12の間は電気キャビティ15であり、且つ電気キャビティ15は、二つの収集キャビティ16の間に位置する。図2図4に示すように、第1の方向Zに沿った隣接するいずれか二つの電池セル群に対し、該二つの電池セル群を同一の電気キャビティ15に設置する際に、二つの電池セル群の電池セル20同士を交互に設置することにより、電気キャビティ15の空間を節約することができる。この時、該二つの電池セル群に対応する二つの収集キャビティ16は、該電気キャビティ15の対向する両側にそれぞれ位置してもよく、それにより該電池10の第1の方向Zに沿った厚さは最小になってもよい。特に該電池10に二つの電池セル群のみが含まれる場合、各電池セル20の取り付け及び位置決めに役立つとともに、該電池10の空間利用率を大幅に向上させることもできる。
【0068】
任意選択的に、本出願の実施例の電池10は、電池セル20の軸方向Xに沿って隣接する二つの電池セル群の両側にそれぞれ設置され、電気キャビティ15を形成するように二つの隔離部材12に接続された二つのエンドプレート13をさらに含む。本出願の実施例の複数の隔離部材12は、第1の方向Zに沿って設置され、例えば、二つの隔離部材12は、第1の方向Zに沿って隣接する二つの電池セル群の両側にそれぞれ設置され、このように、該二つの隔離部材12は、その内部の複数の電池セル20の第1の方向Zに沿った移動を制限することができるが、二つのエンドプレート13は、電池セル20の軸方向Xに沿って隣接する二つの電池セル群の両側にそれぞれ設置されることにより、二つの電池セル群内の電池セルの電池セル20の軸方向Xに沿った運動をさらに制限することができ、それにより電池セル20を固定し、電池10の安定性を向上させる。
【0069】
任意選択的に、図2図4に示すように、エンドプレート13の電池セル20に向かう表面には電池セル20を固定するためのストッパー構造133がさらに設置されてもよい。具体的には、該ストッパー構造133は、電池セル20と一対一に対応し、各電池セル20の移動を制限するために用いられてもよい。該ストッパー構造133は、エンドプレート13の表面にある電池セル20に向かって突出する凸起構造であってもよく、例えば、図示する括弧形のストッパー構造133として円柱形電池セル20に対応して設置されてもよく、それにより該電池セル20の第1の方向Z又は第2の方向Yに沿った移動を制限し、電池10の安定性をさらに向上させる。
【0070】
理解すべきこととして、図2図4に示すように、本出願の実施例のエンドプレート13、隔離部材12及び第2の筐体部112は、電気キャビティ15を形成するために用いられてもよい。任意選択的に、該電気キャビティ15内に、複数の電池セル20間の隙間を充填するための充填材151が設置される。図は、本出願の実施例の電気キャビティ15の概略図を示す。図に示すように、電池セル20が円柱形であり、エンドプレート13、隔離部材12及び第2の筐体部112により形成された電気キャビティ15が一般的に直方体であるため、該電気キャビティ15に隙間が存在し、該隙間内に充填材151を設置することにより、一方では、内部の電池セル20に拘束を提供し、電池セル20の移動を回避することができ、他方では、該充填材151は、電池セル20のハウジングを拘束し、ある電池セル20が熱暴走した時に、電池セル20の表面上で第1の部分22以外の電気キャビティ15内に位置する他の部分が破壊されることを回避することもでき、さらに熱暴走の拡散を回避し、電池10の安全性能を向上させることができる。
【0071】
任意選択的に、電気キャビティ15に充填材151が設置される場合、電池セル20の電気キャビティ15内に位置する部分は、充填材151の拘束作用により、強度が増加し、その強度が第1の部分22の強度よりも大きく、その結果、該電池セル20が熱暴走した時に、該電池セル20に放圧機構21が設置されなくても、該第1の部分22が破壊される確率も電気キャビティ15内に位置する他の部分よりもはるかに大きいため、電池セル20に放圧機構21が設置されなくてもよく、又は、該電池セル20の放圧機構21は、該第1の部分22であり、切り目領域又は感熱領域を追加的に設置することにより放圧機構21を形成する必要がなく、それにより電池セル20の加工過程を簡素化できるとともに、該電池セル20が所定の方向に爆破し、且つ収集キャビティ16に向かって排出物を排出することを同様に保証できる。
【0072】
任意選択的に、本出願の実施例の充填材151は、放熱効果の高い材料を選択してもよく、例えば、該充填材151は、熱伝導性接着剤を採用してもよいが、本出願の実施例は、これに限定されない。
【0073】
理解すべきこととして、本出願の実施例のエンドプレート13と隔離部材12との間の接続方式は、実際の応用に応じて柔軟に設定されてもよいが、本出願の実施例は、これに限定されない。例えば、二つのエンドプレート13のうちの各エンドプレート13に第1の方向Zに沿って突出する第1の凸部131が設置され、隔離部材12に第1のスルーホール123が設置され、第1の凸部131は、第1のスルーホール123を貫通することにより、各エンドプレート13を隔離部材12に固定接続する。具体的には、図6は、本出願の実施例の電池10の別の断面の部分概略図を示し、該断面は、第2の方向Yに垂直な平面であり、該図6に示す電池10は、図2図4に示す電池10であってもよい。図7は、図6における領域Aの部分拡大図である。図6図7に示すように、各エンドプレート13に少なくとも一つの第1の凸部131が設置されてもよく、該第1の凸部131は、隔離部材12に向かって突出し、それに対応して、各隔離部材12に少なくとも一つの第1のスルーホール123が設置されてもよく、各第1の凸部131は、対応する第1のスルーホール123を貫通するだけで、エンドプレート13と隔離部材12を固定することができ、このような固定方式は、加工及び組み立てが簡単であり、電池10の加工効率を向上させることができる。
【0074】
任意選択的に、第1のスルーホール123と第1の凸部131の形状は、同じであってもよく、又は異なってもよく、且つ実際の応用に応じて柔軟に設定されてもよい。例えば、図6図7に示すように、第1のスルーホール123と第1の凸部131の形状は、同じであるように、例えばいずれも直方体のように設置されてもよく、且つ第1の凸部131のサイズは、第1のスルーホール123のサイズよりも僅かに小さく、それにより、第1の凸部131は、第1のスルーホール123を貫通し、該第1のスルーホール123内に安定して固定されることが可能であり、さらにエンドプレート13と隔離部材12とが相対的に安定する。
【0075】
任意選択的に、各エンドプレート13に複数の第1の凸部131が設置されてもよく、それに対応して、隔離部材12にも複数の第1のスルーホール123が設置されてもよく、それにより該エンドプレート13と隔離部材12とがより安定する。ここで、該複数の第1の凸部131のサイズは、同じであってもよく、又は異なってもよく、且つ該複数の第1の凸部131の間の距離は、同じであってもよく、又は異なってもよく、例えば、該複数の第1の凸部131は、エンドプレート13の隔離部材12に面するエッジ部分に離散設置されてもよく、それにより該エンドプレート13の異なる領域は、いずれも隔離部材12に安定して接続される。
【0076】
さらに例えば、同様に、二つのエンドプレート13のうちの各エンドプレート13に第2のスルーホール132が設置され、隔離部材12に電池セル20の軸方向Xに沿って突出する第2の凸部124が設置され、第2の凸部124は、第2のスルーホール132を貫通することにより、各エンドプレート13を隔離部材12に固定接続する。図8は、本出願の別の実施例の電池10における一部の部材が組み立てられた後の構造概略図を示し、図9は、本出願の別の実施例の電池10の断面図であり、ここで、該断面は、電池10における電池セル20の軸方向Xに垂直な平面であってもよく、且つ図8の電池10は、図9に示す電池10の一部である。図10は、本出願の別の実施例の電池10の別の断面の部分概略図を示し、該断面は、第2の方向Yに垂直な平面であり、該図10に示す電池10は、図8に示す電池10の一部であってもよい。図11は、図10における領域Bの部分拡大図である。図8図11に示すように、各エンドプレート13に少なくとも一つの第2のスルーホール132が設置され、それに対応して、各隔離部材12に少なくとも一つの第2の凸部124が設置されてもよく、各第2の凸部124は、対応する第2のスルーホール132を貫通するだけで、エンドプレート13と隔離部材12を固定することができ、このような固定方式は、加工及び組み立てが簡単であり、電池10の加工効率を向上させることができる。
【0077】
任意選択的に、第2の凸部124と第2のスルーホール132の形状は、同じであってもよく、又は異なってもよく、且つ実際の応用に応じて柔軟に設定されてもよい。例えば、図8図11に示すように、第2のスルーホール132と第2の凸部124の形状は、同じであるように、例えばいずれも直方体のように設置されてもよく、且つ第2の凸部124のサイズは、第2のスルーホール132のサイズよりも僅かに小さく、それにより、第2の凸部124は、第2のスルーホール132を貫通し、該第2のスルーホール132内に安定して固定されることが可能であり、さらにエンドプレート13と隔離部材12とが相対的に安定する。
【0078】
任意選択的に、各隔離部材12に複数の第2の凸部124が設置されてもよく、それに対応して、エンドプレート13にも複数の第2のスルーホール132が設置されてもよく、それにより該エンドプレート13と隔離部材12とがより安定する。ここで、該複数の第2の凸部124のサイズは、同じであってもよく、又は異なってもよく、且つ該複数の第2の凸部124の間の距離は、同じであってもよく、又は異なってもよく、例えば、該複数の第2の凸部124は、隔離部材12のエンドプレート13に面するエッジ部分に離散設置されてもよく、それにより該隔離部材12の異なる領域は、いずれもエンドプレート13に安定して接続される。
【0079】
以下、図面を結び付けながら本出願の実施例の電池セル20及びそれに対応する隔離部材12を詳細に説明する。図12は、電池セル20及びそれに対応する隔離部材12の概略図を示し、ここで、該電池セル20は、図2図12に示すいずれか一つの電池セル群に含まれる電池セル20であってもよく、且つ該電池セル20の第1の部分22は、対応する隔離部材12の第1の領域121に設置される。図13は、隔離部材12の上面図であり、該図13の隔離部材12は、図12における隔離部材12であってもよい。図14は、電池セル20及びそれに対応する隔離部材12の上面図を示し、該図14に示す電池セル20と隔離部材12は、図12に示す電池セル20と隔離部材12であってもよい。
【0080】
図12図14に示すように、本出願の実施例の電池セル20は、電極端子23をさらに含み、電極端子23は、電池セル20の内部の電極アセンブリに電気的に接続されることで、電池セル20の電気エネルギーを出力するために用いられてもよい。具体的には、該電池セルは、二つの電極端子23を含んでもよく、該二つの電極端子は、それぞれ正極電極端子と負極電極端子であり、正極電極端子は、正極タブに電気的に接続されるために用いられ、負極電極端子は、負極タブに電気的に接続されるために用いられる。正極電極端子と正極タブは、直接的に接続されてもよく、間接的に接続されてもよく、負極電極端子と負極タブは、直接的に接続されてもよく、間接的に接続されてもよい。例えば、正極電極端子は、一つの接続部材によって正極タブに電気的に接続され、負極電極端子は、一つの接続部材によって負極タブに電気的に接続される。
【0081】
任意選択的に、図12図14に示すように、本出願の実施例の円柱形電池セル20に対し、該電池セル20の二つの円柱底面に電極端子23がそれぞれ設置され、このように、複数のバスバー部材14を複数の電池セル20の両端にそれぞれ設置することにより、複数の電池セル20同士の電気的接続を実現することができ、組み立て及び電気的接続は簡単である。
【0082】
任意選択的に、図12図14に示すように、電池10に設置された複数の電池セル20の形状及びサイズが一般的に同じであることを考慮すると、それに対応して、隔離部材12上の複数の第1の領域121の形状及びサイズは、同じとなるように設置されてもよく、このように、隔離部材12が加工しやすいとともに、取り付け過程において、いずれか一つの第1の領域121は、いずれか一つの電池セル20に適することができ、さらに電池10の加工効率を向上させることができる。
【0083】
任意選択的に、隔離部材12に設置された複数の第1の領域121の形状は、実際の応用に応じて設置されてもよく、例えば、各第1の領域121の、隔離部材12の電気キャビティ15に向かう表面での正投影は、矩形、三角形又は楕円形などであってもよい。図12図14は、該正投影が矩形であることを例にするが、一方では、矩形が加工しやすく、他方では、正投影が矩形である時、該正投影の異なる位置で電池セル20の軸方向Xに沿った長さが同じであり、且つ第2の方向Yに沿った長さも同じであり、このように、円柱体の電池セル20の局所が該第1の領域121に設置される時に、複数の電池セル20の各方向のサイズも相対的に均一であってもよく、例えば一部の電池セル20が別の一部の電池セル20から突出する状況が存在せず、それにより電池10の空間利用率を向上させる。
【0084】
図12図14に示すように、第1の領域121の、隔離部材12の電気キャビティ15に向かう表面での正投影の電池セル20の軸方向Xに沿った長さL1は、電池セル20の円柱側面の電池セル20の軸方向Xに沿った長さL3以上であり、正投影の第2の方向Yに沿った長さL2は、電池セル20の直径L4よりも小さく、ここで、第2の方向Yは、正投影の位置する平面上で電池セル20の軸方向Xに垂直な方向である。
【0085】
具体的には、第1の領域121の、隔離部材12の電気キャビティ15に向かう表面での正投影は任意の形状であってもよく、該正投影の電池セル20の軸方向Xに沿った長さL1は、該正投影の各位置の電池セル20の軸方向Xに沿った長さのうちの最小値であってもよく、同様に、該正投影の第2の方向Yに沿った長さL2は、該正投影の各位置の第2の方向Yに沿った長さのうちの最小値である。長さL1が長さL3以上であり、長さL2が長さL4よりも小さくなるように設置することにより、電池セル20の第1の領域121に位置する第1の部分22に対し、該第1の部分22は、電池セル20の全部ではなく、局所領域だけであり、且つ該電池セル20のほんの一部の領域であり、第1の部分22は、収集キャビティ16の多くの領域を占有しないため、収集キャビティ16に影響を与えない。
【0086】
理解すべきこととして、本出願の実施例の第1の領域121は、電池セル20の第1の部分22を収容してもよく、該第1の領域は、実際の応用に応じて任意の形状に設置されてもよい。例えば、該第1の領域121は、隔離部材12を貫通する開孔である。図15は、二つの電池セル20と対応する隔離部材12の部分断面概略図を示し、該断面は、電池セル20の軸方向Xに垂直な平面であり、そして、図15における二つの電池セル20は、図2図14に示す電池10におけるいずれか二つの隣接する電池セル20であってもよく、該二つの電池セル20は、同一の隔離部材12の二つの隣接する第1の領域121に対応する。
【0087】
図15に示すように、本出願の実施例の第1の領域121が隔離部材12上の開孔である時、一方では、開孔が加工しやすく、他方では、第1の部分22に位置する放圧機構21が作動する時に、何の障害もなく、該開孔を介して排出物を収集キャビティ16に直接排出することができ、熱暴走している電池セル20は、内圧と温度をタイムリーに逃し、熱拡散を回避することができ、それにより電池10の安全性を向上させる。
【0088】
任意選択的に、隔離部材12が開孔位置で円弧面1211を有することにより、第1の部分22は、開孔内で隔離部材12に貼り合わせられる。図15に示すように、電池セル20の側面は曲面であり、第1の領域121が円弧面1211を有するように設置されることにより、第1の部分22は、円弧面1211に貼り合わせられ、即ち電池セル20と隔離部材12との間に、線接触ではなく、面接触があり、両者の接触面積が増加することにより、一方では、電池セル20の該第1の領域121での安定性を向上させることができ、変位が発生しにくく、他方では、隔離部材12が熱管理部材である場合、温度調節効率を向上させることもできる。
【0089】
さらに例えば、第1の領域121は、隔離部材12上の凹溝であり、凹溝は、収集キャビティ16に向かって第2の領域122の収集キャビティ16に向かう表面から突出する。図16と図17は、二つの電池セル20と対応する隔離部材12の二つの部分断面概略図をそれぞれ示し、該断面は、電池セル20の軸方向Xに垂直な平面であり、図16と図17における二つの電池セル20は、電池10におけるいずれか二つの隣接する電池セルであってもよく、そして、該二つの電池セル20は、同一の隔離部材12の二つの隣接する第1の領域121に対応する。
【0090】
16と図17に示すように、該第1の領域121は、隔離部材12上の凹溝であってもよく、このように、電池10が正常に使用される時に、該隔離部材12の両側の電気キャビティ15と収集キャビティ16が相対的に密閉されるが、いずれか一つの電池セル20が熱暴走した時に、その放圧機構21は、作動して排出物を排出し、該排出物は、該放圧機構21に対応する第1の領域121の凹溝を破壊することにより、収集キャビティ16に入ることができ、同時に、他の位置の第1の領域121の凹溝が破壊されていないため、収集キャビティ16に入る排出物(特に高温ガス又は炎)は、他の位置の第1の領域121から電気キャビティ15に再び戻らず、それにより他の電池セル20への影響を回避し、熱拡散の可能性を低下させ、電池10の安全性を向上させることができる。
【0091】
任意選択的に、該第1の領域121の凹溝の電池セル20の軸方向Xに垂直な平面に沿った断面の形状は、実際の応用に応じて柔軟に設定されてもよい。例えば、該断面の形状は、円弧形又は矩形であってもよいが、本出願の実施例は、これらに限定されない。
【0092】
例えば、図16に示すように、該凹溝の第1の平面に沿った断面は円弧形であり、該第1の平面は、電池セル20の軸方向Xに垂直な平面であり、円弧面の凹溝は、他の形状の凹溝に比べて、占用される収集キャビティ16の空間が小さく、収集キャビティ16の設置への影響が小さい。
【0093】
さらに、該凹溝の第1の平面に沿った断面が円弧形である時、該第1の部分22は、凹溝内で隔離部材12に貼り合わせられ、即ち電池セル20と隔離部材12との間の接触面積が線接触ではなく、円弧面であり、両者の接触面積が増加することにより、一方では、電池セル20の該第1の領域121での安定性を向上させることができ、他方では、隔離部材12が熱管理部材である場合、温度調節効率を向上させることもできる。
【0094】
さらに例えば、図17に示すように、凹溝の第1の平面に沿った断面は矩形であり、第1の平面は、電池セル20の軸方向Xに垂直な平面であり、該矩形凹溝は、加工しやすく、例えば、押し抜きの方式で加工を迅速に完成させることができる。
【0095】
さらに、該凹溝の第1の平面に沿った断面が矩形である時、隔離部材12が凹溝の開口位置で円弧面1212を有することにより、第1の部分22は、凹溝の開口位置で隔離部材12に貼り合わせられ、即ち電池セル20と隔離部材12との間が線接触ではなく、面接触であり、両者の接触面積が増加することにより、一方では、電池セル20の該第1の領域121での安定性を向上させることができ、他方では、隔離部材12が熱管理部材である場合、温度調節効率を向上させることもできる。
【0096】
理解すべきこととして、図16図17に示すように、第1の領域121が凹溝を採用する時、該凹溝の底壁は、電池セル20の放圧機構21を遮蔽し、該放圧機構21が収集キャビティ16に排出物を排出する速度を高めるために、凹溝の底壁に退避領域を設置することができ、該退避領域の位置が放圧機構21に対応することで、放圧機構21から排出された排出物は、退避領域を破壊することにより収集キャビティ16に排出することができ、それにより電池セル20の内圧と温度をタイムリーに逃すが、本出願の実施例は、これに限定されない。
【0097】
任意選択的に、該凹溝底壁の退避領域は、任意の方式で実現されてもよく、例えば、底壁に切り目を設置することにより退避領域を形成してもよく、又は底壁に感熱性材料を設置することにより退避領域を形成してもよいが、本出願の実施例は、これらに限定されない。
【0098】
以上は、本出願の実施例による電池10及び電力消費機器を記述した。以下は、本出願の実施例による電池を製造する方法と機器を説明する。ここで、詳細に説明されない部分は、上記の各実施例を参照することができる。
【0099】
図18は、本出願の一実施例による電池を製造する方法300の概略的フローチャートを示す。図18に示すように、該方法300は、S310、複数の電池セル20を提供することであって、電池セル20が円柱体であり、電池セル20の円柱側面に電池セル20の内圧又は温度が閾値に達した時に作動して内圧を逃すための放圧機構21が設置されることと、S320、複数の電池セル20を収容するための電気キャビティ15を提供することと、S330、放圧機構21が作動する時に、電池セル20からの排出物を収集するための収集キャビティ16を提供することと、S340、電気キャビティ15と収集キャビティ16を隔離するための隔離部材12を提供することであって、隔離部材12が第1の領域121と第2の領域122を含み、第1の領域121が、電池セル20の第1の部分22が収集キャビティ16に向かって第2の領域122の収集キャビティ16に向かう表面から突出するように第1の部分22を収容するために用いられ、放圧機構21が作動する時に排出物が収集キャビティ16に入るように、放圧機構21が円柱側面の第1の部分22に位置する領域に設置されることとを含んでもよい。
【0100】
図19は、本出願の一実施例による電池を製造する機器400の概略的ブロック図を示す。図19に示すように、該機器400は、提供モジュール410を含んでもよく、該提供モジュール410は、複数の電池セル20を提供することであって、電池セル20が円柱体であり、電池セル20の円柱側面に電池セル20の内圧又は温度が閾値に達した時に作動して内圧を逃すための放圧機構21が設置されることと、複数の電池セル20を収容するための電気キャビティ15を提供することと、放圧機構21が作動する時に、電池セル20からの排出物を収集するための収集キャビティ16を提供することと、電気キャビティ15と収集キャビティ16を隔離するための隔離部材12を提供することであって、隔離部材12が第1の領域121と第2の領域122を含み、第1の領域121が、電池セル20の第1の部分22が収集キャビティ16に向かって第2の領域122の収集キャビティ16に向かう表面から突出するように第1の部分22を収容するために用いられ、放圧機構21が作動する時に排出物が収集キャビティ16に入るように、放圧機構21が円柱側面の第1の部分22に位置する領域に設置されることとに用いられる。
【0101】
好ましい実施例を参照して本出願を説明したが、本出願の範囲から逸脱することなく、それに対して様々な改善を行うことができ、そのうちの部材を同等のものに置き換えてもよい。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例で言及される各技術的特徴はいずれも、任意の方法で組み合わせることができる。本出願は、本明細書に開示される特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれる全ての技術案を含む。
【符号の説明】
【0102】
1 車両
10 電池
11 筐体
12 隔離部材
13 エンドプレート
14 バスバー部材
15 電気キャビティ
16 収集キャビティ
20 電池セル
21 放圧機構
22 第1の部分
23 電極端子
30 コントローラ
40 モータ
111 第1の筐体部
112 第2の筐体部
121 第1の領域
122 第2の領域
123 第1のスルーホール
124 第2の凸部
131 第1の凸部
132 第2のスルーホール
133 ストッパー構造
151 充填材
400 機器
410 提供モジュール
1113 開口
1211、1212 円弧面
X 軸方向
Y 第2の方向
Z 第1の方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19