(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】カラーポイント及び光束レベルの制御のための照明システムの制御
(51)【国際特許分類】
H05B 45/28 20200101AFI20240730BHJP
【FI】
H05B45/28
(21)【出願番号】P 2024502423
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(86)【国際出願番号】 EP2022069339
(87)【国際公開番号】W WO2023285393
(87)【国際公開日】2023-01-19
【審査請求日】2024-01-16
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】テル ヴェーメ ベレント ヤン ヴィレム
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-521593(JP,A)
【文献】特表2010-538434(JP,A)
【文献】特表2009-526385(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0128640(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なるカラーポイントを持つ光源を備える複数の照明チャンネルを有する照明システムを制御する方法であって、
前記光源に関する公称カラーポイント情報を含むカラーポイント情報を受信する第1ステップと、
現在の最新の温度推定値に依存して前記カラーポイント情報を調節する第2ステップと、
それぞれの前記照明チャンネルの現在の最新の電流駆動レベルに依存して前記カラーポイント情報を更に調節する第3ステップであって、前記第2ステップ及び前記第3ステップがどちらの順序でも実施され得る第3ステップと、
更に調節された前記カラーポイント情報を使用して、前記複数の照明チャンネルからの所望の組み合わせカラーポイント及び組み合わせ光出力光束を達成するための各照明チャンネルの光束寄与を決定する第4ステップと、
各照明チャンネルの前記光束寄与を達成するための更新された電流駆動レベルを作成するよう、前記複数の照明チャンネルの前記電流駆動レベルを更新する第5ステップと、
前記更新された電流駆動レベルに基づいて更新された温度推定値を作成するよう、前記温度推定値を更新する第6ステップと、
(i)前記温度推定値が、更新されるときに、閾値未満だけ逸脱する値に収束するまで、及び/又は(ii)前記電流駆動レベルが、更新されるときに、閾値未満だけ逸脱する値に収束するまで、前記第2ステップから前記第6ステップまで繰り返すこととを有する方法。
【請求項2】
(i)前記温度推定値が、更新されるときに、閾値未満だけ逸脱する値に収束し、且つ(ii)前記電流駆動レベルが、更新されるときに、閾値未満だけ逸脱する値に収束するまで、前記第2ステップから前記第6ステップまで繰り返すことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2ステップが、CIE 1936 XYZ色座標をCIE xyY色度色座標に変換し、dx/dT及びdy/dT及び光束に温度補正を適用し、変換してXYZ色座標に戻すことを含む請求項1乃至2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記第3ステップが、駆動電流に対するCIE xy色度色座標の変化率に関する情報を使用することを含む請求項1乃至2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第3ステップが、
調節された前記カラーポイント情報の代表波長を導出する第1サブステップと、
前記それぞれの照明チャンネルの現在の最新の電流駆動レベルに依存して前記代表波長を調節する第2サブステップと、
調節された前記代表波長に基づいて前記カラーポイント情報を更に調節する第3サブステップとを有する請求項1乃至2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1サブステップが、カラーポイントから代表波長に変換するためのモデルを使用する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2サブステップが、異なる波長の電流依存性のモデルを使用し、主波長の関数としてCIE x,y色座標のモデルに基づいて波長によるカラーポイントシフトを決定する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第3サブステップが、代表波長からカラーポイントに変換するためのモデルを使用する請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記照明チャンネル
の駆動電流にパルス幅変調を適用することを更に含む請求項1乃至2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
異なるカラーポイントを持つ光源を備える複数の照明チャンネルを有する照明システムを制御する方法であって、
調光レベルの第1範囲に対しては、請求項1乃至2のいずれか一項に記載の方法を適用すること、及び
調光レベルの第2範囲に対しては、パルス幅変調調光を適用することを含む方法。
【請求項11】
前記第1範囲が、低輝度レベルのためのものであり、前記第2範囲が、高輝度レベルのためのものである、又は
前記第1範囲が、高輝度レベルのためのものであり、前記第2範囲が、低輝度レベルのためのものである請求項10に記載の方法。
【請求項12】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがコンピュータにおいて実行されるときに請求項1乃至2のいずれか一項に記載の方法を実施するよう適合されるコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラム。
【請求項13】
異なるカラーポイントを持つ光源を備える複数の照明チャンネルを有する照明システムを制御するためのプロセッサであって、請求項12に記載のコンピュータプログラムを使用してプログラムされるプロセッサ。
【請求項14】
請求項13に記載のプロセッサを有する照明コントローラ。
【請求項15】
複数の照明チャンネルであって、異なる照明チャンネルが、異なるカラーポイントを持つ光源を有する複数の照明チャンネルと、
前記異なる照明チャンネルへの駆動電流を制御するための、請求項14に記載の照明コントローラとを有する照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システムの制御に関し、とりわけ、所望のカラーポイントを維持しながら光束レベル制御(即ち、調光)を可能にすることに関する。
【背景技術】
【0002】
多チャンネル(multi-channel)ランプは、異なるカラーポイントを持つ異なるチャンネルを持ち、異なるチャンネルに適用される駆動レベルを独立して制御することによって、カラーポイント制御を可能にする。
【0003】
例えば、多チャンネルランプにおいて、とりわけLEDランプのために、パルス幅変調(PWM)調光を使用することはよく知られている。PWM調光は、LEDの動作が十分に予測されることができることから、非常に魅力的である。とりわけ、常に同じ電流がLEDランプを通して駆動され、調光レベルの変更は、ランプがオンである持続時間の選択しか必要としない。十分に高い周波数のPWM制御信号を選択することによって、オン/オフサイクルは人間の目には見えない。
【0004】
しかしながら、(実施するためによりコストがかからない)低いPWM周波数のPWM調光の固有の不利な点であるちらつきに対する注目が高まっている。更に、集積回路(IC)業界においては、振幅変調調光機能を備えるICへの注目が高まっている。
【0005】
PWM調光システムは固定電流を使用し、故に、上述のように、電流補正(即ち、電流の関数としてのカラーポイントの変動の補正)は必要とされない。しかしながら、特に直射赤色(direct red)LEDが使用される場合、温度に対して各チャンネルのカラーポイント(例えばCIE 1936色空間のXYZ値)を補正するのが一般的なやり方である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
主流(mainstream)振幅調光ICを使用し、多チャンネル照明システムの出力カラーポイントの所望の制御を達成することができるためには、電流の影響が、正確なカラーポイント制御の達成における問題になる。
【0007】
CA2791258A1は、識別可能に異なる色座標の複数の離散照明源を有する照明器具を動作させる方法であって、照明器具を動作させる目標色座標及び光束を決定するステップと、複数の離散照明源の測定に基づく較正データを持つ較正データルックアップテーブルを参照することによって目標色座標及び光束を実質的に生成する複数の離散照明源の各々に対する入力電力値を決定するステップと、複数の離散照明源の3つの識別可能に異なる色座標によって画定される色混合ゾーンであって、目標色座標が、較正データに従って、色混合ゾーン内にある色混合ゾーンを決定するステップと、目標色座標を実質的に生成する色混合ゾーンを画定する3つの識別可能に異なる色座標のうちの1つを持つ複数の離散照明源の各々の光束比率を決定するステップとを有する方法を開示している。
【0008】
US2010/301777A1は、異なる色若しくは波長の光を発するLED、又は色グループ内で同じ色若しくは波長の光を発するLED色グループを有するLED照明デバイスの色特性又は測光特性(photometric properties)の温度依存性調節のための方法であって、その光束部分が、LED照明デバイスによって発せられる光の色、色温度及び/又は混合光の色度座標を決定する方法を開示している。
【0009】
US2010/259182A1は、第1波長範囲を持つ光を生成するための1つ以上の第1発光要素と、第2波長範囲を持つ光を生成するための1つ以上の第2発光要素とを有する光源を開示している。第1発光要素及び第2発光要素は、それらに供給される別々の制御信号に応答する。制御システムは、1つ以上の検知デバイスから動作温度を表す信号を受信し、光の所望の色及び動作温度に基づいて第1及び第2制御信号を決定する。受信した第1及び第2制御信号の結果として第1発光要素及び第2発光要素によって発せられる光は、実質的に所望の色の光を得るよう混ぜ合わされることができる。従って、生成される所望の色の光は、発光要素の動作特性のジャンクション温度(junction temperature)によって引き起こされる変化と実質的に無関係であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、請求項によって規定されている。
【0011】
本発明の或る態様による例によれば、異なるカラーポイントを持つ光源を備える複数の照明チャンネルを有する照明システムを制御する方法であって、
前記光源に関する公称カラーポイント情報を含むカラーポイント情報を受信する第1ステップと、
現在の最新の温度推定値に依存して前記カラーポイント情報を調節する第2ステップと、
それぞれの前記照明チャンネルの現在の最新の電流駆動レベルに依存して前記カラーポイント情報を更に調節する第3ステップであって、前記第2ステップ及び前記第3ステップがどちらの順序でも実施され得る第3ステップと、
更に調節された前記カラーポイント情報を使用して、前記複数の照明チャンネルからの所望の組み合わせカラーポイント及び組み合わせ光出力光束(combined light output flux)を達成するための各照明チャンネルの光束寄与を決定する第4ステップと、
各照明チャンネルの前記光束寄与を達成するための更新された電流駆動レベルを作成するよう、前記複数の照明チャンネルの前記電流駆動レベルを更新する第5ステップと、
前記更新された電流駆動レベルに基づいて更新された温度推定値を作成するよう、前記温度推定値を更新する第6ステップと、
必要に応じて前記第2ステップから前記第6ステップまで繰り返すこととを有する方法が提供される。
【0012】
この方法は、所望のカラーポイント及び所望の輝度(例えば、調光レベル)を達成するために、チャンネルのセットの電流駆動レベルを決定するが、異なる電流でチャンネルを動作させることが結果として生じるカラーポイントに及ぼす影響が考慮に入れられることを確実にする。それは、輝度レベル(即ち、調光レベル)制御だけでなくカラーポイント制御も可能にし、故に、前記カラーポイントは、全ての輝度(即ち、調光)レベルに対して一定のままである。このことは、単独で又はデジタル(PWM)電流レベル制御と組み合わせて使用され得る、アナログ電流レベル制御手法を提供する。
【0013】
第1補償手段は、異なる駆動電流に起因する温度(例えば、LEDジャンクション温度)が決定され、前記カラーポイントがどのように変化するかをモデル化するためにこれが使用されるものである。この温度補償は知られている。
【0014】
本発明の方法は、更に、前記照明チャンネルの異なるカラーポイントが異なる駆動電流を必要とするやり方を考慮に入れる。とりわけ、青色及び緑色LEDはかなりのカラーシフト(color shift)を示す。従って、前記カラーポイント情報は、更に、それぞれの前記照明チャンネルの前記電流駆動レベルに依存して更新される。これは、様々なやり方で、例えば前記光源のタイプに応じて、実施され得る。
【0015】
カラーシフトのため、完全な光源の所望の設定値を達成するためには、様々なチャンネルのバランスが変化する必要がある。別の影響は、特に、広範囲の可能な駆動電流がある場合に、駆動電流と光束とが非線形関係にあることである。非線形性の一部は、LEDダイにおける固有の影響によるものである。これらの影響の全てが、電流に関係する光束変化として顕在化され、故に、所与の光束を達成するためには異なる電流駆動レベルが必要とされる。
【0016】
前記カラーシフトは温度に依存せず、故に、それらは(どちらの順序でも補正されることができる)独立した影響としてモデル化され、温度制御ループだけでは完全な補償を提供することができない。
【0017】
それによって、本発明の方法は、温度補償に加えて、電流によるカラーポイントの変化だけでなく、非線形の光束対電流を、別々に、考慮に入れることを可能にする。前記方法は、反復的なものであり、十分なカラーポイント制御精度に達するまでステップを繰り返す。
【0018】
前記第2ステップ乃至前記第6ステップは、
前記温度推定値が、更新されるときに、閾値未満だけ逸脱する値に収束するまで、及び/又は
前記電流駆動レベルが、更新されるときに、閾値未満だけ逸脱する値に収束するまで、繰り返される。
【0019】
実施形態においては、前記第2ステップ乃至前記第6ステップは、前記温度推定値が、更新されるときに、閾値未満だけ逸脱する値に収束し、且つ前記電流駆動レベルが、更新されるときに、閾値未満だけ逸脱する値に収束するまで、繰り返される。
【0020】
従って、前記方法は、正確な温度推定値に基づいて、前記電流駆動レベルが前記カラーポイントに及ぼす影響を補償して、前記電流駆動レベルを適切に適応させることによって、正しいカラーポイントのセット(及び出力光束)に反復的に到達し得る。
【0021】
前記第2ステップは、CIE 1936 XYZ色座標をCIE xyY色度色座標に変換し、dx/dt及びdy/dtに温度補正を適用し、変換してXYZ色座標に戻すことを含み得る。
【0022】
これは、温度補償を実施するための効果的なやり方を提供する。
【0023】
或る手法においては、前記第3ステップは、駆動電流に対するCIE xy色度色座標の変化率に関する情報を使用することを含み得る。
【0024】
色の、駆動電流に対する依存性をモデル化するためのこの手法は、とりわけ蛍光体変換LEDに適している。
【0025】
別の手法においては、前記第3ステップは、
調節された前記カラーポイント情報の代表波長(representative wavelength)を導出する第1サブステップと、
前記それぞれの照明チャンネルの現在の最新の電流駆動レベルに依存して前記代表波長を調節する第2サブステップと、
調節された前記代表波長に基づいて前記カラーポイント情報を更に調節する第3サブステップとを含み得る。
【0026】
色の、駆動電流に対する依存性をモデル化するためのこの手法は、とりわけ直射LED(direct LED)に適している。このやり方においては、前記方法は、主波長(dominant wavelength)が異なる駆動電流を必要とするやり方を考慮に入れる。
【0027】
前記第1サブステップは、例えば、カラーポイントから代表波長に変換するためのモデルを使用する。前記代表波長は、そのカラーポイントの主波長である。前記主波長は、例えば、(CIE色座標空間において)白色点及びx,y座標を通る線を引くことによって規定される。前記線が前記色空間の周囲と交わる波長が主波長である。
【0028】
前記第2サブステップは、例えば、異なる波長の電流依存性のモデルを使用し、主波長の関数としてCIE x,y色座標のモデルに基づいて波長によるカラーポイントシフトを決定する。
【0029】
前記第3サブステップは、例えば、代表波長からカラーポイントに変換するためのモデルを使用する。
【0030】
従って、前記第2ステップ及び前記第3ステップは、波長と電流との間の関係が使用されることができるように電流と波長との間で変換を行う。
【0031】
前記方法は、前記照明チャンネルの前記駆動電流にパルス幅変調を適用することを更に含み得る。従って、アナログ駆動電流方式が、PWM駆動方式と組み合わされ得る。(前記チャンネルのうちの1つ以上のための)PWM設定は、例えば、1であるよう設定されてもよい。従って、チャンネルにおける違いは、可能な限り長いデューティサイクルでのPWM制御によって実施され、更なるスケーリング(scaling)は、振幅変調制御を使用する。
【0032】
本発明は、異なるカラーポイントを持つ光源を備える複数の照明チャンネルを有する照明システムを制御する方法であって、
調光レベルの第1範囲に対しては、上記で規定されているアナログ方法を適用すること、及び
調光レベルの第2範囲に対しては、パルス幅変調調光を適用することを含む方法も提供する。
【0033】
従って、アナログ調光方法である上記の方法は、適用される調光レベルに基づいて、PWM調光と組み合わされ得る。
【0034】
前記第1範囲は、低輝度レベルのためのものであってもよく、前記第2範囲は、高輝度レベルのためのものであってもよい。
【0035】
この第1手法においては、最初は、(高輝度のためには)前記PWM調光が使用されてもよく、低輝度レベルのためには上記の方法が使用されてもよい。これは、低輝度における解像度(resolution)を高める。
【0036】
前記第1範囲は、高輝度レベルのためのものであってもよく、前記第2範囲は、低輝度レベルのためのものであってもよい。
【0037】
この第2手法においては、最初は、ちらつきの発生を防止するために(高輝度のためには)前記アナログ調光が使用されてもよく、低輝度レベルのためにはPWM調光が使用されてもよい。これは、前記アナログ調光に必要な調光範囲を減少させ、アナログ調光モデルの精度を向上させる。
【0038】
本発明は、コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがコンピュータにおいて実行されるときに上記で規定されている方法を実施するよう適合されるコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムも提供する。
【0039】
本発明は、異なるカラーポイントを持つ光源を備える複数の照明チャンネルを有する照明システムを制御するためのプロセッサであって、上記で規定されているコンピュータプログラムを使用してプログラムされるプロセッサも提供する。
【0040】
照明コントローラは、前記プロセッサを内蔵し得る。
【0041】
本発明は、
複数の照明チャンネルであって、異なる照明チャンネルが、異なるカラーポイントを持つ光源を有する複数の照明チャンネルと、
前記異なる照明チャンネルへの駆動電流を制御するための、上記で規定されているような照明システムコントローラとを有する多チャンネル照明システムも提供する。
【0042】
下記の実施形態を参照して、本発明のこれら及び他の態様を説明し、明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明のより良い理解のために、及び本発明がどのようにして実施され得るかをより明確に示すために、ここで、ほんの一例として、添付図面を参照する。
【
図1】温度を考慮に入れるよう別々のチャンネルの光束レベルを決定するための既知の方法を示す。
【
図2】CIE色度図を示すと共に、振幅変調調光が蛍光体変換LEDに及ぼす影響を示す。
【
図3】相対電流当たりの相対光束(y軸)と相対電流(x軸)との間の一般的な関係を示す。
【
図4】2%の調光レベルにおける照明システムのカラーポイントシフトを示す。
【
図5】照明システムを制御する方法内の第1オプションを示す。
【
図7】チャンネル比がどのように決定されるかを示す。
【
図8】振幅変調とPWMとが組み合わされ得る方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図を参照して本発明について説明する。
【0045】
詳細な説明及び特定の例は、装置、システム及び方法の例示的な実施形態を示しているが、説明の目的のためのものでしかなく、本発明の範囲を限定しようとするものではないことは理解されたい。本発明の装置、システム及び方法のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲及び添付の図面からよりよく理解されるようになるだろう。図は、単に概略的なものに過ぎず、縮尺通りには描かれていないことは、理解されたい。図の全体を通して、同じ参照符号は、同じ又は同様のパーツを示すために使用されていることも、理解されたい。
【0046】
本発明は、光源に関する(公称)カラーポイント情報が、温度推定値と必要とされる電流駆動レベルとの両方に依存して調節される多チャンネル照明システムを制御するための方法を提供する。従って、前記方法は、光源温度と、算出電流駆動レベルがカラーポイント及び光束に及ぼす影響とを別々に補償する。繰り返しループが、所望のカラーポイント及び光束を達成するための電流駆動レベルを見つける。
【0047】
図1は、温度を考慮に入れるよう別々のチャンネルの光束レベルを決定するための既知の方法を示している。駆動電流は、光束レベルから導出される。
【0048】
前記方法は、ステップ10において開始する。フローチャートへの入力は、基準条件下の個々のLEDの公称カラーポイント12を含む。これらは、例えば、計算し易いようにCIE 1931 XYZ色座標として提供される。しかしながら、カラーポイント情報は、別の色空間において処理されてもよい。
【0049】
XYZ座標に対する温度補正は、下記の説明から明らかであるだろうように、ステップ16において初期温度推定値として始まり、その後の繰り返しにおいては前記方法によって生成される温度推定値に基づいて、ステップ14においてなされる。
【0050】
入力18として提供される目標色及び光束を考慮すると、チャンネルの各々の相対的な光束寄与が、ステップ20において算出されることができる。
【0051】
算出された光束要件に基づいて、ステップ22において、LED温度が推定されることができる。これは、温度依存性モデル23を考慮に入れる。ステップ24においては、温度推定値の収束がチェックされる。推定された温度と前回の温度推定値との間にまだ収束がない場合には、前記方法はXYZ補正ステップ14に戻る。
【0052】
収束がある場合、ステップ28においてプロセスが終了する。
【0053】
本発明は、電流の振幅変調を可能にするよう、とりわけ、一定ではない駆動電流がカラーポイントに及ぼす影響が補償されることができるように、温度補償を拡張する。
【0054】
一般的な赤色、緑色及び青色LEDについては、振幅変調調光の影響は分析されている。特に青色及び緑色LEDは、調光によってかなりのカラーシフトを示す。
【0055】
図2は、CIE色度図を示している。領域30R、30G、30Bは、蛍光体変換LEDの100%調光レベルから0.1%調光レベルまでの振幅変調調光により、赤色、緑色及び青色LEDのカラーポイントがどのようにシフトするかを示している。異なるポイントは、異なる調光レベルに対するものである。カラーポイントシフトは青色及び緑色LEDで最も顕著であることが分かる。
【0056】
LEDは、カラーポイントシフトに加えて、特に広範囲の電流を与えられると、出力光束と電流との間で非線形挙動も示す。
【0057】
図3は、一般的な相対電流当たりの相対光束(y軸)対相対電流(x軸)を示している。グラフは、相対光束対相対電流の曲線の傾きの変化を示している。示されているように、関係は非線形である。
【0058】
温度補償を使用するが、電流による光束及びカラーポイントのシフトを無視する、カラーポイント制御のための既知のアルゴリズムを適用することは、LEDデバイスのかなりのカラーシフトをもたらす。
【0059】
図4は、2%の調光レベルにおける照明システムのカラーポイントシフトを示している。領域40内の×印は、2700K、4000K及び6500Kの目標カラーポイントに対するカラーポイントシフトを示している。目標カラーポイントは、実線上にある。これらのシフトは、ANSI規制における許容されるカラーポイントの偏差の約2倍の大きさです。
【0060】
光束対電流における非線形性及びカラーポイントシフトを適切に補償せずに振幅変調調光を組み合わせることは、許容可能な色の一貫性をもたらさないと結論付けられることができる。
【0061】
本発明は、電流による光束及びカラーポイントの非線形挙動を補正するための適切な方法を提供する。本発明は、既知の温度補正に追加される追加の特徴を提供する。従って、目的は、例えばXYZ座標としての、カラーポイントの変化を、温度及び電流の関数として、記述することである。
【0062】
図5及び6は、異なるカラーポイントを持つ光源を備える複数の照明チャンネルを有する照明システムを制御する方法を示している。
【0063】
前記方法は、ステップ50において開始し、次いで、光源に関する公称カラーポイント情報51を受信する第1ステップを有する。第2ステップ52においては、カラーポイント情報が、温度推定値に依存して調節される。この温度推定値は、前記方法において後で導出され、フィードバックされ、それによって、繰り返しループを形成する。従って、温度推定値は、各繰り返しの間に更新され、温度補正は、最新の、即ち、直近の温度推定値(又は前記方法の開始時には初期推定値)に基づいている。
【0064】
温度補正は、例えば、CIE 1936 XYZ色座標をCIE xyY色度色座標に変換し、dx/dT及びdy/dT及び光束レベルに温度補正を適用することを含む。これは、温度補償を実施するための効果的な(既知の)やり方を提供する。変換の公式は、一般に知られており、
X=x/y
Y=Y
Z=(1-x-y)/y
によって与えられる。
【0065】
この例においては、ステップ52の出力は、xyY値である。
【0066】
図5及び6のフローチャートは、2つの可能な補正手法であって、一方が、x及びy色度値の、電流に対する依存性に基づき、他方が、波長の、電流に対する依存性に基づく2つの可能な補正手法を含む。
【0067】
ステップ53は、補正が波長に基づくか電流に基づくかを決定する。
図5は、次いで、電流に基づく補正方法のステップのみを示している。
図6は、前記方法による代替パスを示している。最初のステップ(50、52、53)及び最後のステップ(61、62、64、66、70)は、前記方法による両方のパスに共通である。
【0068】
本発明は、これら2つの手法のうちの一方だけを有するシステムを提供し得ること、又は
図5及び6において示されているように選択することを可能にするシステムを提供し得ることに留意されたい。
【0069】
(両方の手法において使用されるが、異なるステップを備える)第3ステップ54は、それぞれの照明チャンネルの電流駆動レベルに依存してカラーポイント情報を更に調節することを含む。この電流駆動レベルも、フローチャートにおいて後で導出され、フィードバックされ、再びそれによって、繰り返しループを形成する。従って、電流設定は、各繰り返しの間に更新され、電流レベルを考慮に入れるカラーポイントの適応は、最新の、即ち、直近の電流設定に基づいている。
【0070】
カラーポイントを補正するための一次近似は、カラーポイントと電流との間に線形関係を適用するものであり、故に、係数dx/dI及びdy/dIを使用する。
【0071】
データが、XYZ形式のものである場合には、xyY形式への変換があり得る。
図5における第3ステップ54は、次いで、ステップ80において駆動電流に対するCIE xy色度色座標の変化率に関する情報を使用することを含む。色の、駆動電流に対する依存性をモデル化するためのこの手法は、とりわけ蛍光体変換LEDに適している。
【0072】
ステップ61は、変換してXYZ色座標に戻す。
【0073】
第4ステップ62は、更に調節されたカラーポイント情報を使用して、複数の照明チャンネルからの所望の組み合わせカラーポイント及び組み合わせ光出力光束を達成するための各照明チャンネルの光束寄与を決定することを含む。
【0074】
この第4ステップ62において、(
図3において示されているような)非線形光束関係が補償されることができる。電流及び温度による光束の変化は、直接Y=Y(I,T)としてモデル化される。
【0075】
第4ステップ62は、nチャンネルシステムの場合、相対光束比(relative flux fraction)f1…fnのセットの形式で出力を提供する。相対光束比は、目標光束を満たすために各チャンネルがどれくらいの光束を生成する必要があるかを示す。値fは、0と1との間である。目標カラーポイント値X、Y、Z、及び(温度及び電流補正後の)LEDのX、Y、Z値が、1より大きい値のfをもたらす場合には、目標は、達成可能ではなく、スケーリングされる必要がある。
【0076】
第5ステップ64は、各チャンネルの所望の光束レベルのこのセットから、複数の照明チャンネルの電流駆動レベルを更新して、更新された電流駆動レベルを作成することを含む。これらは、各照明チャンネルの決定された光束寄与を達成するために必要とされる電流レベルである。これらの電流レベルは、ステップ80にフィードバックされる。
【0077】
直射LEDにおける電流によるカラーポイントシフトの非線形的性質を考慮すると、シフトは、その代わりに、dλ/dIにおけるシフトとして波長の変化率としてモデル化される場合がある。
【0078】
これらの更新された電流レベルから、第6ステップ66は、温度推定値を更新して、更新された温度推定値を作成することを含む。これは、温度依存性モデル68を使用する。
【0079】
ステップ70においては、反復プロセスが停止されることができるかどうかを決定するために、収束テストが実施される。収束がある場合には、前記方法はステップ72において終了し、収束がない場合には、前記方法は第2ステップ52に戻る。
【0080】
図6は、波長ベースの手法が選択される場合の方法のステップを示している。
【0081】
その場合、第3ステップ54は、調節されたカラーポイント情報の代表波長を導出する第1サブステップ54aを有する。これは、xy値から主波長にマッピングする変換関数56を利用する。この場合も先と同様に、必要に応じて、XTZからxyYへの変換ステップが使用され得る。
【0082】
代表波長は、主波長である。主波長は、例えば、CIE色座標において、白色点及びx,y座標を通る線を引くことによって規定される。線が色空間の周囲と交わる波長が主波長である。電流の結果としてのカラーシフトは、CIE空間において周囲とほぼ平行に移動することが分かっており、故に、主波長は、このカラーシフトを表すロバストなやり方である。
【0083】
第2サブステップ54bは、それぞれの照明チャンネルの直近の電流駆動レベルに依存して代表波長を調節することを含む。これは、主波長の、電流に対する依存性のモデル58を利用し、即ち、値dλ/dIを使用する。
【0084】
第3サブステップ54cは、調節された代表波長に基づいてカラーポイント情報を更に調節することを含む。これは、マッピングして主波長からxy値に戻す変換関数60を利用する。この変換関数は、例えば、色度色座標x及びyを主波長の関数として記述する。
【0085】
色の、駆動電流に対する依存性をモデル化するためのこの手法は、とりわけ直射LEDに適している。このやり方においては、前記方法は、主波長が異なる駆動電流を必要とするやり方を考慮に入れる。
【0086】
同じステップ61が、変換してXYZ色座標に戻す。
【0087】
同じ第4ステップ62が使用され、この場合も先と同様に、更に調節されたカラーポイント情報を使用して、複数の照明チャンネルからの所望の組み合わせカラーポイント及び組み合わせ光出力光束を達成するための各照明チャンネルの光束寄与を決定することを含む。
【0088】
同じ第5ステップ64が、各チャンネルの所望の光束レベルのこのセットから、複数の照明チャンネルの電流駆動レベルを更新して、更新された電流駆動レベルを作成することを含む。これらは、各照明チャンネルの決定された光束寄与を達成するために必要とされる電流レベルである。これらの電流レベルは、ステップ54bにフィードバックされる。
【0089】
同じ第6ステップ66が、温度依存性モデル68を使用して、温度推定値を更新して、更新された温度推定値を作成することを含む。
【0090】
ステップ70においては、反復プロセスが停止されることができるかどうかを決定するために、同じ収束テストが実施される。収束がある場合には、前記方法はステップ72において終了し、収束がない場合には、前記方法は第2ステップに戻る。
【0091】
光源は、直射LEDと蛍光体変換LEDとの両方を含み得ることに留意されたい。従って、2つの異なる補正モデルがシステム内で組み合わされてもよい。しかしながら、どちらの補正モデルも、どちらのタイプのLEDのためにも、又は両方のタイプのLEDのために、使用され得る。しかしながら、特に直射LEDの場合は、波長補正手法が、より良い結果をもたらすだろう。
【0092】
当然、温度と、一方では電流、他方では、CIE 1936 XYZ色座標との間の単純な関係を与えるために使用されることができる他の変換もある。別の方法は、例えば、CIE 1976座標を使用し、シフトを、まず、du'/dT及びdv'/dT、並びに/又はdu'/dI及びdv'/dIとして記述するものであり得る。
【0093】
最も適切なモデルは、様々な座標系に対して測定データをフィットし(fit)、最も適切なものを選択することによって見つけられ得る。非線形多項式フィット(non-linear polynomial fit)、べき乗フィット(power fit)、指数フィット(exponential fit)又は対数フィット(logarithmic fit)を使用することによって、更なる改善がなされ得る。
【0094】
この方法は、それによって、所望のカラーポイント及び所望の輝度(例えば、調光レベル)を達成するために、チャンネルのセットの電流駆動レベルを決定するが、異なる電流でチャンネルを動作させることが結果として生じるカラーポイントに及ぼす影響が考慮に入れられることを確実にする。それは、輝度レベル(即ち、調光レベル)制御だけでなくカラーポイント制御も可能にし、故に、カラーポイントは、全ての輝度(即ち、調光)レベルに対して一定のままである。前記方法は、照明チャンネルの異なるカラーポイントが異なる駆動電流を必要とするやり方を考慮に入れる。
【0095】
前記方法は、完全な光源の所望の設定値を達成するために、様々なチャンネルのバランスを変更することを可能にする。駆動電流の関数としてのカラーシフトは、温度とは独立して扱われ、故に、それらは独立した影響としてモデル化される。前記方法は、温度補償に加えて、電流によるカラーポイントの変化だけでなく、上記で説明した非線形の光束対電流の関係を、別々に、考慮に入れることを可能にする。
【0096】
収束テストは、例えば、次の更新が閾値を下回る変化をもたらすように温度推定値が収束したかどうかを決定することを含む。同様に、収束は、(その代わりに、又はその上、)次の更新が閾値を下回る変化をもたらすように電流駆動レベルが収束したかどうかをテストし得る。
【0097】
従って、前記方法は、正確な温度推定値に基づいて、電流駆動レベルがカラーポイントに及ぼす影響を補償して、電流駆動レベルを適切に適応させることによって、正しいカラーポイントのセット(及び出力光束)に反復的に到達し得る。
【0098】
上記の方法は、アナログ振幅変調手法に基づいている。しかしながら、これは、下記のように、様々なやり方でデジタルパルス幅変調手法と組み合わされ得る。
【0099】
解像度を向上させるために、PWM調光システムに加えて、振幅変調が使用されてもよい。多くの標準的なPWMシステムは、8ビット調光制御を使用しているだけである。しかしながら、深い調光においては、8ビットの解像度は十分ではない。振幅変調を使用して全体の電流を変更することによって、解像度の増加が達成されることができる。例えば、100%から12.5%までの振幅調光は、フルPWMシステムにおける追加の3ビットに相当する精度ゲイン(accuracy gain)を追加する。
【0100】
或るオプションは、或る特定の合計システム調光レベル未満で振幅変調調光を使用するものであり、故に、初期調光は、PWM調光を使用して実施される。しかしながら、この手法は、高い輝度がある場合に PWM調光システムの固有のちらつきを示す。
【0101】
代替オプションは、振幅変調を使用してシステム調光を開始するものである。この初期振幅変調は、大きな電流範囲及び広範囲の一貫したLED動作フィッティング(consistent LED behavior fitting)の発生を防止するために、例えば、20%調光レベルまでであり得る。20%レベル未満では、PWM制御を使用して追加の調光が実施される。
【0102】
従って、振幅変調とPWM調光とを組み合わせる3つの可能な構成がある。
【0103】
(i)まず、PWM調光でシステムを調光する。低い調光(即ち、低輝度)レベルにおける解像度を高めるよう、振幅変調調光を追加する。
【0104】
(ii)まず、ちらつきの発生を防止するよう振幅変調調光でシステムを調光する。大きすぎるAM調光範囲の発生を防止し、モデルフィット(model fit)の不正確さのリスクを減らすよう、PWM調光を追加する。
【0105】
(iii)全ての調光レベルに対して振幅変調とPWM調光を組み合わせる。これは、例えば、最大PWMデューティ比が常に1に達するように常に調光することを含み得る。このやり方においては、PWM制御は、チャンネル間の差を設定するが、最大デューティサイクルで設定する。その場合、振幅変調がスケーリングを提供する。これは、シャントスイッチ・多チャンネルシステム(shunt switched multi-channel system)において特に魅力的であり得る。
【0106】
図7は、LEDチャンネルのY0値、即ち、チャンネルの比の値(fraction value)f_chに関して各チャンネルの相対的な光束寄与がどのように得られるかを示している。
【0107】
この方法は、温度補正及び電流補正されたLED値と、目標XYZ値(XT,YT,ZT)との間でマッピングする、示されているベクトル方程式を解くことを含む。
【0108】
これは、チャンネルの比f1乃至fnをもたらす。従って、出力は、nチャンネルシステムの場合、相対光束比f1…fnである。相対光束比は、目標光束を満たすために各チャンネルがどれくらいの光束を生成する必要があるかを示す。システムは、fの値が0と1との間であることを確実する必要がある。fが1より大きい場合には、右側の目標はスケーリングされる必要がある。
【0109】
図8は、閾値の輝度までPWM調光を有効にし、次いで、振幅変調を使用する方法、又は閾値まで振幅変調を有効にし、次いで、PWM調光を使用する方法を示している。
【0110】
前記方法は、上記の方法(ステップ62)から所望の光束レベルが分かった後に使用される。
【0111】
図8を理解することを可能にするために、幾つかの値が定義されている。
【0112】
温度補正後のチャンネルのカラーポイント及び光束は、x0、y0、Y0と定義されている。
【0113】
従って、Y0_chは、フローチャートにおいてステップ54の最後に示されているような、特定のチャネルの温度補正された光束である。
【0114】
x(It_ch)及びy(It_ch)は、振幅変調調光後の各チャンネル(ch)の目標電流(It)のカラーポイント補正を示す。
【0115】
Yt_chは、1というPWM設定における(即ち、常時オンのときの)チャンネル(ch)の目標光束(Yt)である。
【0116】
It_chは、振幅変調調光後のチャンネル(ch)の目標電流(It)である。
【0117】
繰り返しが終わるとき、Ych(It_ch)=Yt_chである。換言すれば、目標電流におけるチャンネルの光束は、目標光束に等しい。
【0118】
Ychは、光束と電流との間の非線形関係を記述する関数である。
【0119】
振幅変調調光が最初に使用される場合には、目標値relFlux_limが定義される。relFlux_limは、Y0に対する光束であって、前記光束未満ではPWM調光が使用される光束を示す。
【0120】
PWM調光が最初に使用される場合には、目標値PWM_limが定義される。PWM_limは、依然としてPWM調光が使用される最低調光レベルを記述する。
【0121】
(最初に、PWM調光でシステムを調光し、低い調光における解像度を高めるよう、振幅変調調光を追加する)上記のシナリオ(i)は、目標relFlux_limを使用する。relFlux_lim=0である場合、純粋な振幅変調調光があり、初期PWM調光はない。
【0122】
(最初に、ちらつきの発生を防止するよう振幅変調調光でシステムを調光し、大きすぎるAM調光範囲の発生を防止するよう、PWM調光を追加する)上記のシナリオ(ii)は、PWM_lim<1である場合、目標PWM_limを使用する。PWM_lim=1である場合、PWM調光が常に使用されるシナリオ(iii)の組み合わせシステムがある。
【0123】
所望の照明システムのカラーポイントに到達するためには、各チャンネルが、f_ch*Y0_chルーメンを供給する必要があり、ここで、f_ch*Y0_ch=PWM_ch*Yt_chである。
【0124】
Yt_chは、AM調光後にチャンネルが与える必要がある光束の量である。
【0125】
フルAM調光システムにおいては、Yt_ch=f_ch*Y0_chである。PWM調光システムにおいては、Yt_ch=f_ch*Y_ch,/PWM_chである。非線形関係Ych(Ich)が、f_ch*Y0_ch=Ych(Ich)となるように電流を決定するために使用される。
【0126】
前記方法は、ステップ90において開始する。
【0127】
ステップ92においては、振幅変調が最初に使用されるべきであるかどうか、又はPWM変調が最初に使用されるべきであるかどうかが選択される。
【0128】
最初に振幅変調調光を使用する場合、目標relFlux_lim及びチャンネル比がステップ94に入力される。
【0129】
ステップ94は、各チャンネルの補正値corr_ch=min(1,fch/relFlux_lim)を設定する。この補正は、1より大きくすることはできない。
【0130】
これは、チャンネルごとの必要とされるルーメンが限界値より低いかどうかをチェックすることを含む。低い場合には、補正が適用される。限界値は、値であって、前記値まで、電流を使用するカラーポイント補正が依然として十分に正確である値である。
【0131】
ステップ96は、目標チャンネル光束Yt_ch=Y0_ch x fch/corr_chを設定し、PWM値PWM_ch=corr_chを設定する。補正は、許容される最低値と算出相対光束f_chとの間の差である。
【0132】
従って、目標光束は、corr_chで逆スケーリングされ、PWM設定は、corr_chでスケーリングされる。
【0133】
ステップ98においては、次いで、新しい値Yt_chに対して必要とされる電流が求められる。従って、PWM及び目標電流値が求められた。
【0134】
最初にPWM調光を使用する場合、目標PWM_lim及びチャンネル比がステップ102に入力される。ステップ102は、各チャンネルの補正値corr_ch=max(1,PWM_lim/f_ch)を設定する。従って、この補正は、1より大きくすることはできない。
【0135】
ステップ104は、チャンネルごとの補正が必要とされるどうかを決定する。
【0136】
これは、設計者の好みに基づく決定である。「はい」のパスは、チャンネルごとの補正係数(及びドライバにおいて、チャンネルごとの電流を個別に制御する機能)を提供する。「いいえ」のパスは、全てのチャンネルに対して同じである単一の補正だけを全てのチャンネルに対して使用する。
【0137】
チャンネルごとの補正が必要とされる場合には、ステップ106が、目標チャンネル光束Yt_ch=Y0_ch/corr_ch及びPWM_ch=corr_chを設定する。
【0138】
Y0_chは、公称電流におけるチャンネルの光束である。(例えば、チャンネル比f_chを大きくするために)PWM値に補正が適用される場合には、100%PWMにおける光束はYt_chまで減らされる必要がある。
【0139】
f_chはチャンネルごとの光束比である。f_ch=flux(It_ch)/flux(Inom_ch)*PWMであり、ここで、flux(It_ch)は、PWM=1且つ目標電流Itにおける光束であり、flux(Inom_ch)は、公称電流におけるそのチャンネルの光束である。
【0140】
目標光束は、corr_chで逆スケーリングされ、PWM設定は、corr_chでスケーリングされる。
【0141】
チャンネルごとの補正が必要とされない場合には、ステップ108が、目標チャンネル光束Yt_ch=Y0_ch/min(corr_ch)及びPWM_ch=min(corr_ch)を設定する。
【0142】
この場合には、全てのPWMが同様のやり方でスケーリングされ、故に、電流も同じように(一次(first order)において)スケーリングされる。
【0143】
ステップ98においては、次いで、新しい値Yt_chに対して必要とされる電流が求められる。従って、PWM及び目標電流値が求められた。
【0144】
図8は、複数の照明チャンネル110であって、異なる照明チャンネルが、異なるカラーポイントを持つ光源を有する複数の照明チャンネル110を含む多チャンネル照明システムを示している。照明システムコントローラ112は、照明ドライバ114の一部であり、上記で説明した方法を使用して異なる照明チャンネルへの駆動電流を制御する。
【0145】
(例えば、
図5及び6における)前記方法のステップには番号が付けられている。しかしながら、これは、追加のステップが存在しない可能性があることを意味するものではない。
【0146】
当業者は、請求項記載の発明の実施において、図面、明細及び添付の特許請求の範囲の研究から、開示されている実施形態に対する変形を、理解し、達成することができる。特許請求の範囲において、「有する」という単語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形表記は、複数性を除外しない。
【0147】
単に、或る特定の手段が、相互に異なる従属請求項において挙げられているという事実は、これらの手段の組み合わせは有利になるようには使用されることができないことを示すものではない。
【0148】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又は他のハードウェアの一部として供給される光学式記憶媒体又は固体媒体のような適切な媒体上に記憶/分散されてもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線電気通信システムを介するような他の形態で分散されてもよい。
【0149】
特許請求の範囲又は明細書において「~するよう適合される」という用語が使用されている場合には、「~するよう適合される」という用語は、「~するよう構成される」という用語と同等であるよう意図されていることに留意されたい。
【0150】
特許請求の範囲における如何なる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。