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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】洗濯機及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/42 20200101AFI20240731BHJP
   D06F 33/34 20200101ALI20240731BHJP
   D06F 33/46 20200101ALI20240731BHJP
   D06F 34/00 20200101ALI20240731BHJP
   D06F 103/14 20200101ALN20240731BHJP
   D06F 103/16 20200101ALN20240731BHJP
   D06F 103/18 20200101ALN20240731BHJP
   D06F 105/08 20200101ALN20240731BHJP
【FI】
D06F33/42
D06F33/34
D06F33/46
D06F34/00
D06F103:14
D06F103:16
D06F103:18
D06F105:08
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022542399
(86)(22)【出願日】2021-01-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 CN2021070571
(87)【国際公開番号】W WO2021143606
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】202010030626.2
(32)【優先日】2020-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521356862
【氏名又は名称】重慶海爾滾筒洗衣机有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(73)【特許権者】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】趙志強
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】呂佩師
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105525490(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 1/00-51/02
D06F 58/00-60/00
D06F 103/14
D06F 103/16
D06F 103/18
D06F 105/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外槽と、洗浄及びすすぎ過程で独立して洗浄水を収容可能な内槽を含み、更に、前記外槽内の水位を検出するための検出装置を含むことを特徴とする洗濯機の制御方法であって、
洗濯過程で、検出装置により外槽内の水位をモニタリングし、外槽内の水面高さに基づいて内槽の漏水有無を判断することを特徴とする制御方法。
【請求項2】
前記洗濯機は前記外槽内の水位hをモニタリングし、前記水位hを第1の予め設定された水位Hと比較して、h>Hの場合には、内槽が漏水していると判定することを特徴とする請求項に記載の制御方法。
【請求項3】
前記内槽には遠心排水構造が設けられており、前記遠心排水構造は、前記内槽が排水回転速度に達すると開放されて排水を実施可能となり、
前記制御方法は、更に、前記洗濯機によって前記内槽が漏水していると判定された場合にセルフ密封プログラムを実行し、前記セルフ密封プログラムでは、前記内槽が排水回転速度に達して前記遠心排水構造を開放するよう制御し、前記洗濯機は、排水過程の実行後、再び前記検出装置により前記外槽内の水位をモニタリングし、前記外槽内の水面高さに基づいて前記内槽の漏水有無を判断することを特徴とする請求項に記載の制御方法。
【請求項4】
前記制御方法は、更に、前記セルフ密封プログラムの実行終了後、再び前記内槽が漏水していると判定された場合には、前記セルフ密封プログラムを再度実行してから、再び前記内槽の漏水有無を判断し、これをN回繰り返しても前記内槽が漏水していると判定される場合には、前記洗濯機が警告を発することを特徴とする請求項に記載の制御方法。
【請求項5】
前記制御方法は、更に、前記セルフ密封プログラムの実行終了後、再び前記内槽が漏水していないと判断された場合には、所定の水位まで水を補給してから洗浄を継続することを特徴とする請求項に記載の制御方法。
【請求項6】
前記制御方法は、更に、前記洗濯機によって前記内槽が漏水していると判定された場合に、前記外槽と前記洗濯機の外部とを連通させる排水装置を開放して排水を実施し、前記セルフ密封プログラムの実行終了後、前記外槽内の水位hをモニタリングして第2の予め設定された水位Hと比較し、h<Hであれば前記排水装置を閉止し、第2の予め設定された水位Hは、H<Hを満たすよう設定されることを特徴とする請求項に記載の制御方法。
【請求項7】
前記制御方法は、更に、前記セルフ密封プログラムの実行終了後に、前記洗濯機によって、前記内槽内の水面高さが漏水検出水位よりも低いか否かを判断し、判断結果がNOの場合には、再び前記内槽の漏水有無を判断し、判断結果がYESの場合には、漏水検出水位まで水を補給したあと、再び前記内槽の漏水有無を判断することを特徴とする請求項に記載の制御方法。
【請求項8】
前記洗濯機は、給水過程で前記外槽内の水位をモニタリングし、前記内槽が漏水していると判定した場合には、給水弁を閉止して前記セルフ密封プログラムを実行するよう制御し、前記セルフ密封プログラムの終了後は、前記給水弁を開放し、所定の水位まで引き続き給水してから後続の洗濯プログラムを実行することを特徴とする請求項に記載の制御方法。
【請求項9】
前記検出装置は、前記外槽の底部に装着される圧力センサであり、前記圧力センサは、検出した水圧に基づいて前記外槽内の水面高さを判断し、
或いは、前記検出装置は、前記外槽の底部に装着される第1プローブ及び第2プローブを含み、前記第1プローブと前記第2プローブの装着位置は一定の高低差を有し、前記第1プローブと前記第2プローブは導通時にフィードバック信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機の技術分野に属し、具体的には、洗濯機及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大多数のドラム洗濯機は、外槽に水を貯え、内槽に衣類を投入して洗浄する方式で動作している。この場合には、内槽と外槽の隙間に汚れが溜まり、クリーニングも容易でないため、細菌が繁殖することもある。また、汚れの付着が増えるにつれて、衣類に対する二次汚染が発生し、ユーザの健康を脅かす。更には、隙間に位置する水は衣類の洗浄に関与しないため、ある程度の水資源の無駄が発生する。上記の課題を解決するために、一般的な方案では、洗浄過程で密封される内槽を設計している。これにより、洗浄水は内槽にのみ存在し、洗浄過程で内槽と外槽の間に進入することがなくなる。
【0003】
特許文献1は、内槽を含むドラム洗濯機を開示している。内槽は孔無し内槽であり、衣類を洗浄する際に洗浄水を収容する。また、内槽を外部環境と連通させることで内槽内部の気圧のバランスを取る増圧機構及び/又は減圧機構を更に含む。上記の方案では、孔無し内槽を設置し、且つ内槽の槽口に内槽ドアを装着することで、洗浄過程における内槽の密封構造を実現している。また、内槽の側壁に開設された脱水孔に遠心弁を装着することで、内槽の高速回転時の遠心力の作用で脱水孔を開放して排水を実施する。しかし、この方案では、排水段階の水流が小さい場合に、脱水孔に糸屑が残留することで遠心弁が完全には閉まらなくなり、次の給水後に内槽からの漏水が発生する恐れがある。
【0004】
以上に鑑みて、本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】中国特許出願第201821723525.8号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消するために、洗浄及びすすぎ過程で独立して洗浄水を収容可能な内槽を有する洗濯機及びその制御方法を提供し、内槽の漏水有無を判断可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0008】
洗濯機は、外槽と、洗浄及びすすぎ過程で独立して洗浄水を収容可能な内槽を含み、更に、外槽内の水位を検出するための検出装置を含む。
【0009】
更に、前記検出装置は、前記外槽の底部に装着される圧力センサである。前記圧力センサは、検出した水圧に基づいて前記外槽内の水面高さを判断する。
【0010】
或いは、前記検出装置は、前記外槽の底部に装着される第1プローブ及び第2プローブを含む。前記第1プローブと第2プローブの装着位置は一定の高低差を有する。前記第1プローブと第2プローブは導通時にフィードバック信号を生成する。
【0011】
本発明の別の目的は、上述した洗濯機の制御方法を提供することである。当該制御方法は、洗濯過程で、検出装置により外槽内の水位をモニタリングし、外槽内の水面高さに基づいて内槽の漏水有無を判断する。
【0012】
更に、前記洗濯機は外槽内の水位hをモニタリングし、前記水位hを第1の予め設定された水位Hと比較して、h>Hの場合には、内槽が漏水していると判定する。
【0013】
更に、前記内槽には遠心排水構造が設けられている。前記遠心排水構造は、内槽が排水回転速度に達すると開放されて排水を実施可能となる。
【0014】
上記の制御方法では、更に、洗濯機によって内槽が漏水していると判定された場合にセルフ密封プログラムを実行する。前記セルフ密封プログラムでは、内槽が排水回転速度に達して遠心排水構造を開放するよう制御する。洗濯機は、排水過程の実行後、再び検出装置により外槽内の水位をモニタリングし、外槽内の水面高さに基づいて内槽の漏水有無を判断する。
【0015】
更に、上記の制御方法では、セルフ密封プログラムの実行終了後、再び内槽が漏水していると判定された場合には、セルフ密封プログラムを再度実行してから、再び内槽の漏水有無を判断し、これをN回繰り返しても内槽が漏水していると判定される場合には、洗濯機が警告を発する。
【0016】
更に、上記の制御方法では、セルフ密封プログラムの実行終了後、再び内槽が漏水していないと判断された場合には、所定の水位まで水を補給してから洗浄を継続する。
【0017】
更に、上記の制御方法では、洗濯機によって内槽が漏水していると判定された場合に、外槽と洗濯機の外部とを連通させる排水装置を開放して排水を実施する。そして、セルフ密封プログラムの実行終了後、外槽内の水位hをモニタリングして第2の予め設定された水位Hと比較し、h<Hであれば排水装置を閉止する。第2の予め設定された水位Hは、H<Hを満たすよう設定される。
【0018】
更に、上記の制御方法では、セルフ密封プログラムの実行終了後に、洗濯機によって、内槽内の水面高さが漏水検出水位よりも低いか否かを判断し、判断結果がNOの場合には、再び内槽の漏水有無を判断し、判断結果がYESの場合には、漏水検出水位まで水を補給したあと、再び内槽の漏水有無を判断する。
【0019】
更に、前記洗濯機は、給水過程で外槽内の水位をモニタリングし、内槽が漏水していると判定した場合には、給水弁を閉止してセルフ密封プログラムを実行するよう制御する。また、セルフ密封プログラムの終了後は、給水弁を開放し、所定の水位まで引き続き給水してから後続の洗濯プログラムを実行する。
【発明の効果】
【0020】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0021】
本発明における洗濯機の内槽は、洗浄及びすすぎ過程で独立して洗浄水を収容する。また、検出装置を設置して、外槽内の水位を検出することで、内槽に漏水が存在するか否かを判断可能とする。これにより、内槽に漏水が発生することによる衣類洗浄への影響が回避される。
【0022】
本発明の制御方法では、内槽に漏水が発生した場合、内槽を回転させて遠心排水構造を開放するよう制御することで、排水及び洗い流しを実施可能とし、その後、再び漏水状況を判断する。これにより、漏水の問題を自動的に排除し、衣類の洗浄効果を保証する。
【0023】
本発明の制御方法では、セルフ密封プログラムを複数回実行しても漏水異常が排除されない場合、警告を発して、人為的検査を行うようユーザに注意喚起する。これにより、漏水の継続による資源の無駄が回避される。
【0024】
本発明の制御方法では、洗濯機の給水段階で外槽内の水面高さをモニタリングすることで漏水判断を実施する。そして、漏水発生時には給水を停止し、自動的に異常を排除したあと、引き続き給水することで資源の無駄を回避する。
【0025】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0026】
図面は、本発明の一部として本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要さないことを前提に、これらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明の洗濯機の概略構造図である。
図2図2は、本発明における図1のA部分の概略拡大図である。
図3図3は、本発明の実施例3の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0029】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明瞭とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0030】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0031】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定している場合を除き、「装着する」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0032】
図1に示すように、本発明の洗濯機は、外槽1、孔無し構造を有する内槽2及び内槽ドア5を含む。内槽ドア5は、開放/閉止可能に内槽2の槽口に装着されており、閉止時に内槽2とともに独立した洗浄室を形成することで、洗浄及びすすぎ段階で独立して洗浄水を収容可能とする。本発明の洗濯機は、動作時に内槽と外槽の間に洗浄水/すすぎ水を満たす必要がないため、洗濯機の用水量が極めて大きく減少するほか、内槽と外槽の間に垢が付着する可能性も回避される。これにより、ユーザの健康及びユーザエクスペリエンスが向上するとともに、水資源の節約となる。
【0033】
外槽1は中心装着孔を有している。中心装着孔には軸受10が固定的に装着されており、内槽2にしっかりと接続された伝動軸7が軸受10を貫通して駆動モータに接続される。伝動軸7は、中空の給水孔6を有している。給水孔6は給水管9と連通しており、これらの間に動的シール8が設置されている。これにより、孔無し構造の内槽2における給水機能が実現される。
【0034】
内槽2の側壁にはリフティングリブ3が装着されている。リフティングリブ3のハウジングには孔が開設されている。また、リフティングリブの内部には遠心排水構造が集積されている。遠心排水構造の初期状態は閉状態であり、内槽2の密閉を維持することで洗浄水を独立して収容させる。また、遠心力の作用で遠心排水構造が開放されることで、孔無し構造の内槽2における排水機能を実現可能となる。好ましくは、遠心排水構造は、往復運動可能な密封プランジャと、密封プランジャの弾性復元に用いられる弾性部材を含む。密封プランジャが往復運動することで、内槽2の側壁における排水孔を開放又は閉止可能である。密封プランジャには、梃子を介してカウンタウェイトが接続されている。内槽2が排水回転速度に達すると、カウンタウェイトは、遠心力の作用で内槽2の軸線から離間する方向に運動し、密封プランジャを内槽2の軸線方向に向かって運動させることで排水孔を開放する。一方、内槽2の回転速度が低くなるか、回転しなくなると、弾性部材が密封プランジャを内槽2の軸線から離間する方向に運動させることで排水孔を閉止し、内槽2の密封を実現する。
【実施例1】
【0035】
図1及び図2に示すように、本実施例における上記の洗濯機は、外槽1、孔無し構造を有する内槽2及び内槽ドア5を含む。内槽ドア5は、開放/閉止可能に内槽2の槽口に装着されており、閉止時に内槽2とともに独立した洗浄室を形成することで、洗浄及びすすぎ段階で独立して洗浄水を収容可能とする。内槽2に接続される伝動軸7は中空の給水孔6を有しており、給水管9と連通することで、内槽2の給水機能を実現する。内槽2の側壁にはリフティングリブ3が装着されている。リフティングリブ3のハウジングには孔が開設されている。また、リフティングリブの内部には遠心排水構造が集積されている。遠心排水構造の初期状態は閉状態であり、内槽2が排水回転速度に達すると、内槽2の排水孔を開放することで排水機能を実現可能とする。
【0036】
本実施例における上記の洗濯機は、更に、外槽1内の水面高さを検出するための検出装置を含む。検出装置は、外槽1の底部に装着される第1プローブ11及び第2プローブ12を含む。第1プローブ11と第2プローブ12の装着位置は一定の高低差を有する。
【0037】
本実施例では、外槽底部の異なる高さに第1プローブ11及び第2プローブ12を設置することで、外槽1内の水位の上昇に伴って、下方に位置する第1プローブ11がまず洗浄水と接触し、装着位置の高い第2プローブ12がその後に洗浄水と接触する。外槽1内に洗浄水が存在しないか、ごく少量の洗浄水のみが存在する場合、第2プローブ12は洗浄水と接触せず、第1プローブ11と第2プローブ12が導通しない。また、外槽1内の水位が一定の高さに達すると、第1プローブ11と第2プローブ12がいずれも洗浄水と接触し、これらが導通することで、フィードバック信号が生成されて、相応の操作が実行される。
【0038】
本実施例における洗濯機の内槽は、洗浄及びすすぎ段階で独立して洗浄水を収容する。正常な場合、内槽と外槽の間は無水状態であるが、外槽に異常な水位が発生した場合には、内槽に漏水が発生したことを意味する。本実施例では、第1プローブと第2プローブを設置することで、外槽内の水位が一定の高さに達した時点で、外槽に異常な水位が発生したため検査が必要な旨をユーザに注意喚起する。これにより、内槽の漏水が衣類洗浄に及ぼす影響を回避する。
【実施例2】
【0039】
本実施例は、上記実施例1と以下の点において異なる。前記検出装置は、外槽の底部に装着される圧力センサである。圧力センサは、周囲の水圧を検出することで、水圧から外槽内の水面高さを取得可能である。そして、水面高さが一定の値に達した時点で、内槽が漏水していると判定して信号を発し、洗濯機に相応の操作を実行させるよう制御する。
【0040】
本実施例では、外槽の底部に圧力センサを設置し、当該圧力センサがモニタリングした水圧から外槽内の水面高さをリアルタイムで取得する。これにより、内槽の漏水状況を判断し、速やかにユーザに注意喚起することで、内槽の漏水が洗濯効果に及ぼす影響を回避する。
【実施例3】
【0041】
図3に示すように、本実施例は、上記実施例1と以下の点において異なる。前記検出装置は、外槽1の底部と排水装置4の間の連通管路に設置されるガス室21を含む。ガス室21は、本体の上部に装着される圧力センサ23に伝達管22を通じて接続される。
【0042】
本実施例では、ガス室と圧力センサを設置することで、ガス室が存在する位置の圧力をモニタリングする。これにより、外槽内の水面高さを取得して、内槽の漏水を判断可能である。そして、内槽に漏水が発生した時点でセルフ密封プログラムを実行し、漏水異常を自動的に排除することで、内槽の漏水が洗濯効果に及ぼす影響を排除する。
【実施例4】
【0043】
本実施例は、上記実施例1~3のいずれかで述べた洗濯機の制御方法に関する。当該制御方法は、洗濯過程で、検出装置により外槽1内の水位をモニタリングし、外槽1の水面高さに基づいて内槽2の漏水有無を判断する。
【0044】
本実施例の好ましい実施形態として、検出装置は外槽1内の水位hをモニタリングし、第1の予め設定された水位Hと比較する。そして、h>Hの場合には、内槽が漏水していると判定する。
【0045】
本実施例では、内槽2に漏水が発生していると判定した場合、更にセルフ密封プログラムを実行して異常を排除可能である。セルフ密封プログラムでは、内槽2が排水回転速度に達して遠心排水構造を開放するよう制御する。洗濯機は、排水過程の実行後、再び検出装置により外槽1内の水位をモニタリングし、外槽1内の水面高さに基づいて内槽2の漏水有無を判断する。
【0046】
本実施例の好ましい実施形態では、セルフ密封プログラムの実行後に、洗濯機によって再び内槽2が漏水していると判定された場合には、セルフ密封プログラムを再度実行し、セルフ密封プログラムの終了後に再び内槽2の漏水有無を判断する。そして、これをN回繰り返しても内槽2が漏水していると判定される場合、洗濯機は動作を停止して警告を発する。
【0047】
本実施例の別の好ましい実施形態では、セルフ密封プログラムの実行後に、洗濯機によって再び内槽2が漏水していないと判断された場合には、洗濯機が所定の水位まで水を補給してから、中断していた洗濯過程を引き続き実行するよう制御する。
【0048】
本実施例において、洗濯機は、外槽内の水面高さをモニタリングして内槽の漏水判定を行うことで、内槽に存在する漏水の状況を速やかに発見可能である。これにより、内槽の漏水が洗濯過程に及ぼす影響が回避される。洗濯機の内槽に漏水が発生している場合には、内槽を排水回転速度で回転させて遠心排水構造を開放するよう制御し、排水を実施して排水孔を洗浄することで、絡まっている糸屑等を洗い流す。これにより、遠心排水構造を密封状に閉止し直すことが可能となり、漏水異常の自動排除が実現される。上記の操作が完了したあと、再び漏水状況を判断し、内槽が漏水していなければ、異常が排除されたことを確認して洗濯を継続可能とする。一方、内槽が依然として漏水している場合には、再び、遠心排水構造を開放-閉止して異常を排除する。そして、これを複数回繰り返しても内槽が漏水したままの場合には、警告信号を発し、人為的検査を行うようユーザに注意喚起する。これにより、漏水の継続による洗濯への影響及び資源の無駄発生が回避される。
【実施例5】
【0049】
本実施例は、上記実施例4を更に限定する。上記の制御方法は、更に、洗濯機によって内槽2が漏水していると判定された場合に、外槽1と本体の外部とを連通させる排水装置4を開放して排水を実施する。そして、セルフ密封プログラムの実行終了後、外槽1内の水位hをモニタリングし、第2の予め設定された水位Hと比較して、h<Hであれば排水装置4を閉止する。第2の予め設定された水位Hは、H<Hを満たすよう設定される。
【0050】
本実施例では、洗濯機によって内槽が漏水していると判定された場合、排水装置を開放して外槽からの排水を実施する。また、第1の予め設定された水位よりも低い第2の予め設定された水位を設けて排水装置の閉止を制御することで、漏水判断を再度実施する前に、外槽内の水位が正常な範囲となるよう確実に保証する。これにより、前回の漏水又はセルフ密封プログラムの実行時に生じた外槽の水位上昇が除去されず、洗濯機による内槽の漏水有無の判定にエラーが生じるとの事態が回避される。
【実施例6】
【0051】
本実施例は、上記実施例4を更に限定する。上記の制御方法は、更に、セルフ密封プログラムの実行終了後に、洗濯機によって、内槽2内の水面高さが漏水検出水位よりも低いか否かを判断する。そして、判断結果がNOの場合には、再び内槽2の漏水有無を判断する。一方、判断結果がYESの場合には、漏水検出水位まで水を補給したあとに、再び内槽2の漏水有無を判断する。
【0052】
本発明における上記の制御方法では、漏水判断を実施する際に、内槽内の洗浄水の量が臨界値を有する。内槽内の洗浄水量が当該臨界値よりも小さい場合には、漏水が発生していたとしても、外槽内の水位が第1の予め設定された水位に達して漏水判定をトリガし、相応のプログラムを実行させることは不可能である。そこで、本実施例では、漏水検出水位を設定している。内槽内の水位が漏水検出水位に達している場合には、内槽内の洗浄水の量が上記の臨界値を上回るため、漏水発生時に外槽内の水位が第1の予め設定された水位に達して、漏水判定をトリガし得る。セルフ密封プログラムにおいて、洗濯機は、内槽を回転させて遠心排水構造を開放するよう制御することで、内槽内の一部の洗浄水を排出する。これにより、内槽内に残った洗浄水の量が上記の臨界値を下回り、漏水判定をトリガできなくなる可能性がある。そこで、本実施例では、セルフ密封プログラムの終了後に内槽内の水位を検出し、当該水位が漏水検出水位よりも低い場合には、漏水検出水位まで水を補給してから漏水判断を実施する。これにより、内槽内の洗浄水量が過度に少ないために招来される内槽の漏水状況の判定エラーが回避される。
【実施例7】
【0053】
本実施例は、上記実施例4を更に限定する。前記洗濯機は、給水過程で外槽1内の水位をモニタリングし、内槽2が漏水していると判定した場合には、給水弁を閉止してセルフ密封プログラムを実行するよう制御する。また、セルフ密封プログラムの終了後は、給水弁を開放し、所定の水位まで引き続き給水してから後続の洗濯プログラムを実行する。
【0054】
本実施例では、洗濯機の給水段階で外槽内の水面高さをモニタリングすることで漏水判断を実施する。そして、漏水発生時には給水を停止し、自動的に異常を排除したあと、引き続き給水することで資源の無駄を回避する。
【0055】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変更或いは補足は、同等に変形された等価の実施例であって、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【符号の説明】
【0056】
1 外槽
2 内槽
3 リフティングリブ
4 排水装置
5 内槽ドア
6 給水孔
7 伝動軸
8 動的シール
9 給水管
10 軸受
11 第1プローブ
12 第2プローブ
21 ガス室
22 伝達管
23 圧力センサ
図1
図2
図3