(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】成形体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 51/10 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
B29C51/10
(21)【出願番号】P 2020176472
(22)【出願日】2020-10-21
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 芳裕
(72)【発明者】
【氏名】南川 佑太
(72)【発明者】
【氏名】横井 慎司
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-210813(JP,A)
【文献】特開2007-168377(JP,A)
【文献】特開平05-192990(JP,A)
【文献】特開2000-301598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 51/00-51/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一金型及び第二金型の間に溶融樹脂シートを配置する工程と、
型締めにより前記溶融樹脂シートの余剰厚肉部を前記第一金型及び前記第二金型により圧縮する工程と、
前記第一金型側からの負圧及び前記第二金型側からの正圧の少なくとも一方を加えて前記溶融樹脂シートを前記第一金型側に賦形する工程と、
を含
み、
前記型締めをした場合の前記第一金型と前記第二金型の成形面の間の設定幅は、前記溶融樹脂シートの設定シート厚み以上且つ前記余剰厚肉部におけるシート厚み以下に設定されることを特徴とする成形体の製造方法。
【請求項2】
第一金型及び第二金型の間に溶融樹脂シートを配置する工程と、
型締めにより前記溶融樹脂シートの余剰厚肉部を前記第一金型及び前記第二金型により圧縮する工程と、
前記第一金型側からの負圧及び前記第二金型側からの正圧の少なくとも一方を加えて前記溶融樹脂シートを前記第一金型側に賦形する工程と、
を含み、
前記型締めにおいて、前記溶融樹脂シートの成形領域における薄肉部と、前記第二金型の成形面との間には、間隙が形成されることを特徴とする成形体の製造方法。
【請求項3】
前記設定幅は、前記溶融樹脂シートの成形領域において一定であることを特徴とする請求項1に記載の成形体の製造方法。
【請求項4】
前記第一金型側からの負圧及び前記第二金型側からの正圧の両方を加えて前記溶融樹脂シートを前記第一金型側に賦形することを特徴とする請求項1
乃至請求項3の何れかに記載の成形体の製造方法。
【請求項5】
前記溶融樹脂シートと前記第一金型との間に表皮部材を配置して、前記溶融樹脂シート及び前記表皮部材を前記第一金型側に賦形することを特徴とする請求項1
乃至請求項4の何れかに記載の成形体の製造方法。
【請求項6】
前記溶融樹脂シートは非発泡性樹脂材により形成されることを特徴とする請求項1乃至
請求項5の何れかに記載の成形体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、金型に溶融樹脂シートを賦形させて成形体を作成する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、1枚の溶融した熱可塑性樹脂製材のシートを一対の分割形式の金型間に配置し、一方の金型のキャビティ側からシートを吸引し、他方の金型のキャビティ側からシートを加圧して、シートを一方の金型に押し当てて賦形する成形方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
溶融樹脂シートの一方面側を金型に賦形して成形する特許文献1のような成形方法では、金型と接する側の面とその反対側の面との間で冷却速度が異なる。また、押出装置から押し出される溶融樹脂シートは、シート厚みが均一にならないことがあり、シート厚みの厚い肉厚部については他のシート厚みが薄い部位に比べて冷却速度が遅くなる。このような冷却速度の差が大きくなると、成形体に反りが発生する等して寸法精度が低下する場合がある。
【0005】
本発明は、寸法精度を向上させた成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の成形体の製造方法は、第一金型及び第二金型の間に溶融樹脂シートを配置する工程と、型締めにより前記溶融樹脂シートの余剰厚肉部を前記第一金型及び前記第二金型により圧縮する工程と、前記第一金型側からの負圧及び前記第二金型側からの正圧の少なくとも一方を加えて前記溶融樹脂シートを前記第一金型側に賦形する工程と、を含み、前記型締めをした場合の前記第一金型と前記第二金型の成形面の間の設定幅は、前記溶融樹脂シートの設定シート厚み以上且つ前記余剰厚肉部におけるシート厚み以下に設定されることを特徴とする。
本発明の成形体の製造方法は、第一金型及び第二金型の間に溶融樹脂シートを配置する工程と、型締めにより前記溶融樹脂シートの余剰厚肉部を前記第一金型及び前記第二金型により圧縮する工程と、前記第一金型側からの負圧及び前記第二金型側からの正圧の少なくとも一方を加えて前記溶融樹脂シートを前記第一金型側に賦形する工程と、を含み、前記型締めにおいて、前記溶融樹脂シートの成形領域における薄肉部と、前記第二金型の成形面との間には、間隙が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、寸法精度を向上させた成形体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る成形体の斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る成形体の成形装置を示す模式図であり、第一金型及び第二金型の間に溶融樹脂シート及び表皮部材を配置した状態を示す。
【
図3】本発明の実施形態に係る成形体の製造工程において、第一金型及び第二金型を型締めする途中の状態を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る成形体の製造工程において、第一金型及び第二金型を型締めして余剰圧肉部が第一金型及び第二金型と接した状態を示す。
【
図5】本発明の実施形態に係る成形体の製造工程において、第一金型及び第二金型を型締めして溶融樹脂シート及び表皮部材を第一金型側に賦形させた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の成形体1の斜視図である。成形体1は中央側に凹み部1aを有する。凹み部1aの外周縁周りには、鍔部1bが形成される。成形体1は、後述するシート状の熱可塑性樹脂材を変形させて成形された樹脂部材11と、樹脂部材11の一方面側に貼り付けられた表皮部材12とにより形成される。表皮部材12は、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維、ナイロン繊維、セルロース繊維、アラミド繊維等の通気性を有するシート状の不織布により構成することができる。
【0010】
成形体1は、例えば、自動車のドア等のインナートリムとして構成することができる。成形体1の表皮部材12側は、自動車の居住空間側の意匠面として形成される。成形体1の凹み部1aには様々な機能部を設けることがきる。鍔部1bには、他の構造体(例えばドア部材の内側の部材)と接続可能な螺子孔部等を設けることができる。なお成形体1は、インナートリムに限らず、その他の構造部材とすることができる。
【0011】
図2は、本実施形態の樹脂成形装置60を示す図である。樹脂成形装置60は、樹脂供給装置61により、シート状の樹脂材である溶融樹脂シート2を成形する。溶融樹脂シート2は、非発泡性樹脂材により形成される。溶融樹脂シート2の樹脂材料としては、例えば、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂を用いることができ、ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体及びその混合物等が挙げられる。樹脂供給装置61の下方には、分割金型である第一金型4及び第二金型5が配置される。
【0012】
樹脂供給装置61は、樹脂材料の供給口とされるホッパー65と、油圧モータ68に接続されて内部に配置されるスクリューによりホッパー65から供給された材料を溶融、混錬する押出機66と、を有する。押出機66は、プランジャ72を備えるアキュムレータ70と接続される。溶融、混錬された樹脂材料は、押出機66によりアキュムレータ70に送られる。樹脂材料は、アキュムレータ70で高圧とされてTダイ71に送られる。そして、適宜のタイミングでTダイ71のダイスリットが開かれて、ローラ79により送り出された溶融樹脂シート2が形成される。
【0013】
第一金型4及び第二金型5は、対向して配置される。本実施形態では、第一金型4が凸型であり、第二金型5が凹型である場合について示している。第一金型4のピンチオフ部4bの内側の成形面4aは、コア部41を含む。成形面4aには複数の吸気孔4a1が設けられる。第一金型4の成形面4a側は、吸気孔4a1を介して図示しない真空ポンプにより吸気されて減圧することができる。
【0014】
また、第二金型5のピンチオフ部5bの内側の成形面5aは、コア部41に対応したキャビティ部51を含む。第一金型4と第二金型5が型締めされた際の成形面4aと成形面5aとの間の設定幅T3(クリアランス)は、溶融樹脂シート2の成形領域において略一定に形成される(
図5も参照)。成形面5aには複数の排気孔5a1が設けられる。第二金型5の成形面5a側は、排気孔5a1を介して図示しないコンプレッサにより圧空を導入して加圧することができる。
【0015】
次に、成形体1の製造方法について各工程の詳細を説明する。本実施形態で製造される成形体1は、
図2等に示す樹脂成形装置60により成形される。まず、材料供給工程において、樹脂供給装置61は、溶融樹脂シート2を押し出して、第一金型4及び第二金型5の間に配置させる。また、溶融樹脂シート2と第一金型4との間には、
図1に示した成形体1の意匠面側(凹み部1a側)を覆う表皮部材3(表皮部材12)が配置される。溶融樹脂シート2及び表皮部材3は、図示しないロボットハンド等により支持される。
【0016】
型締工程では、
図3乃至
図5に示すように、第一金型4及び第二金型5を型締めし、溶融樹脂シート2及び表皮部材3を第一金型4側に賦形させる。まず、
図3に示すように、第一金型4と第二金型5とを、相対的に近接させる。第一金型4と第二金型5との間に位置する溶融樹脂シート2及び表皮部材3も相対的に近接する。
【0017】
第一金型4と第二金型5を更に近接させると、
図4に示すように、溶融樹脂シート2及び表皮部材3は、第一金型4及び第二金型5の成形面4a,5aの凹凸形状に倣うように変形する。
図4は、第一金型4及び第二金型5が型締めされて閉じ切る直前の状態を示している。
【0018】
P部拡大図に示す位置では、溶融樹脂シート2及び表皮部材3を含むシート厚みT1が予め設定された設定シート厚みT2と略同厚みに形成される。樹脂供給装置61から供給された溶融樹脂シート2は、スウェル、ドローダウン又はネックイン等の様々な要因により樹脂厚みT0にばらつきが生じることがある。本実施形態の溶融樹脂シート2の一部には、Q部拡大図に示すように、樹脂厚みT0が比較的厚い余剰厚肉部221が形成される。
図4では、余剰厚肉部221において、溶融樹脂シート2の一方側の面21が表皮部材3を間に介して第一金型4の成形面4aと当接し、他方側の面22が第二金型5の成形面5aと当接した状態を示している。
【0019】
一方、余剰厚肉部221よりも薄いP部拡大図及びR部拡大図等に示す薄肉部222(設定シート厚みT2より薄い他の領域も含む)では、第一金型4及び第二金型5が型締めされると、薄肉部222における溶融樹脂シート2及び表皮部材3と、第一金型4及び第二金型5との間の一方側又は両側には空間S1,S2(間隙)が形成される。
【0020】
また、溶融樹脂シート2は、コア部41に沿うように賦形される。従って、コア部41の側周部(例えば、R部拡大図に示される入隅部4a2の周辺)に配置される溶融樹脂シート2は、延伸されてシート厚みT1が比較的薄くなる。入隅部4a2の周辺においても、溶融樹脂シート2及び表皮部材3と、第一金型4及び第二金型5との間の一方側又は両側には空間S1,S2が形成される。
【0021】
第一金型4及び第二金型5の対向するピンチオフ部4b,5bが溶融樹脂シート2及び表皮部材3と当接すると、第一金型4及び第二金型5の成形面4a,5a側の内部には、密閉空間が形成される。
【0022】
第一金型4は、吸気孔4a1から吸気して溶融樹脂シート2及び表皮部材3の成形面4a側の空間S1を減圧する。表皮部材3は通気性を有するため、減圧により溶融樹脂シート2が成形面4a側に吸引される。なお、第一金型4は、ピンチオフ部4b,5bが溶融樹脂シート2及び表皮部材3と当接する前又は後に減圧を開始することができる。また、第二金型5は、排気孔5a1から圧縮空気を導入して溶融樹脂シート2の面22と成形面5aとの空間S2を加圧する。溶融樹脂シート2は、加圧によっても成形面4a側に付勢される。
【0023】
図5は、第一金型4及び第二金型5が閉じ切り、溶融樹脂シート2及び表皮部材3が第一金型4側へ賦形された状態を示している。
図5のP'部拡大図及びR'部拡大図に示すように、表皮部材3は、成形面4a側に減圧及び加圧によって移動する溶融樹脂シート2に押されて、成形面4a側に付勢される。従って、溶融樹脂シート2及び表皮部材3は重なり合うように面当接して成形面4aに賦形される。表皮部材3は溶融樹脂シート2に溶着される。
【0024】
本実施形態の溶融樹脂シート2及び表皮部材3には、第一金型4側からの負圧及び第二金型5側からの正圧の両方が加えられる。そのため、第一金型4側の面21は、表皮部材3とともに高い寸法精度で成形することができる。なお、第一金型4側の負圧は、第二金型5側の正圧よりも早いタイミングで加えることができる。例えば、第一金型4の成形面4a側の減圧は、第一金型4及び第二金型5の一方又は両方を移動させて型締めしながら行われる。また、減圧は、溶融樹脂シート2及び表皮部材3が第一金型4と接する前のタイミングから開始することができる。溶融樹脂シート2及び表皮部材3は、
図3に示すコア部41等の先当たり部位では負圧により第一金型4及び第二金型5が閉じ切る前であっても比較的容易に第一金型4側に賦形される。入隅部4a2等の凹部付近では、溶融樹脂シート2及び表皮部材3は、第二金型5の成形面5aの凸部に押し込まれて成形面4aに倣うように変形する。成形面4aに対し所定距離まで近接した溶融樹脂シート2及び表皮部材3は、負圧により成形面4a側へ賦形される。そして、第一金型4及び第二金型5が閉じ切った後(
図5参照)、第二金型5の成形面5a側から加圧が行われる。
【0025】
これにより、溶融樹脂シート2及び表皮部材3を、第一金型4に予備的に賦形させておき、第二金型5側からの正圧により高い圧力で第一金型4側へ確実に賦形させることができる。また、正圧を加える場合は負圧を加える場合と比較して大気圧以上の圧力を加えることも可能である。従って、本実施形態のように正圧を加えて溶融樹脂シート2及び表皮部材3を第一金型4側へ賦形する場合は、
図5のR'部拡大図に示す入隅部4a2付近においても、溶融樹脂シート2及び表皮部材3を成形面4aに沿って高い寸法精度で成形することができる。
【0026】
また、型締めをした場合の成形面4aと成形面5aとの間の設定幅T3は、溶融樹脂シート2の設定シート厚みT2以上且つ余剰厚肉部221におけるシート厚みT4(
図4参照)以下に設定される。例えば、本実施形態の設定シート厚みT2は約2mmであり、設定幅T3は約3mmに設定される。表皮部材3は1mm未満に設定することができる。従って、シート厚みT1が設定シート厚みT2以下に形成された部位(例えば、P'部拡大図及びQ'部拡大図に示す部位)では、型締め状態においても空間S2が形成される。一方、余剰厚肉部221は、溶融樹脂シート2及び表皮部材3が第一金型4及び第二金型5により挟持されて、溶融樹脂シート2の余剰な厚み分が周囲の空間S2側に流動しながら圧縮される。従って、溶融樹脂シート2のうちの余剰厚肉部221については予め設定された設定幅T3まで薄肉化される(Q'部拡大図参照)。
【0027】
本実施形態では、設定幅T3よりも厚いシート厚みT4を有する余剰厚肉部221における面22が第二金型5の成形面5aに当接するため、第二金型5からも放熱することができる。そのため、溶融樹脂シート2における冷却速度の差を低減し、成形体1の反り等の変形の発生を低減することができる。
【0028】
取出工程では、第一金型4及び第二金型5が型開きされて、溶融樹脂シート2及び表皮部材3による成形体1が取り出される。取り出された成形体1にバリ部13が接続されている場合にはバリ部13が手動又は自動により取り除かれて、
図1に示した成形体1が作成される。なお、
図1の成形体1において、樹脂部材11は溶融樹脂シート2により形成された層であり、表皮部材12は表皮部材3により形成された層である。
【0029】
なお、溶融樹脂シート2及び表皮部材3を賦形する際、第一金型4側からの負圧及び第二金型5側からの正圧の一方を加えて行ってもよい。これにより、第一金型4又は第二金型5の構成や製造工程を簡素化することができる。
【0030】
本実施形態の成形体1の製造方法では、第一金型4及び第二金型5の間に溶融樹脂シート2を配置する工程と、型締めにより溶融樹脂シート2の余剰厚肉部221を第一金型4及び第二金型5により圧縮する工程と、第一金型4側からの負圧及び第二金型5側からの正圧の少なくとも一方を加えて溶融樹脂シート2を第一金型4側に賦形する工程と、を含む構成について説明した。これにより、溶融樹脂シート2内の冷却速度のばらつきを小さくして成形体1の反り等の発生を低減し、寸法精度を向上させた成形体1の製造方法を構成することができる。
【0031】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は本実施形態により限定されることはなく、種々の変更を加えて実施することができる。例えば、本実施形態では、第一金型4を凸型とし、第二金型5を凹型として示したが、第一金型4を凹型とし、第二金型5を凸型として構成してもよい。又は、第一金型4及び第二金型5には、各々対応する凸面及び凹面を複数備えて、対向する面間距離(設定幅T3)が略一定となるように平行に形成してもよい。
【0032】
また、溶融樹脂シート2は、発泡剤を基材樹脂に混合させて作製した熱可塑性樹脂である発泡性樹脂材により形成してもよい。溶融樹脂シート2を発泡性樹脂材により形成した場合は、軽量で断熱性を向上させた成形体1を形成することができる。一方で、溶融樹脂シート2を非発泡性樹脂材により形成した場合は、発泡剤の混合工程等を省略して簡易な工程で安価に成形体1を形成することができる。
【0033】
また、本実施形態では、溶融樹脂シート2及び表皮部材3を重ねた成形体1について示したが、表皮部材3を省略して溶融樹脂シート2により成形体1としてもよい。この場合、
図4に示したシート厚みT1は樹脂厚みT0と同じに設定される。
【0034】
また、第一金型4と第二金型5が型締めされた際の成形面4aと成形面5aとの間の設定幅T3(クリアランス)は、溶融樹脂シート2の成形領域の全体に亘り一定に形成してもよいし、成形領域の一部において一定に形成してもよい。
【0035】
また、本実施形態では、第一金型4及び第二金型5により一つの成形体1を成形可能な1個取りの金型について説明したが、第一金型4及び第二金型5は複数の成形体を成形可能な多数個取りの金型として構成してもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 成形体 1a 凹み部
1b 鍔部 2 溶融樹脂シート
3 表皮部材 4 第一金型
4a 成形面 4a1 吸気孔
4a2 入隅部 4b ピンチオフ部
5 第二金型 5a 成形面
5a1 排気孔 5b ピンチオフ部
11 樹脂部材 12 表皮部材
13 バリ部 21 面
22 面 41 コア部
51 キャビティ部 60 樹脂成形装置
61 樹脂供給装置 65 ホッパー
66 押出機 68 油圧モータ
70 アキュムレータ 71 Tダイ
72 プランジャ 79 ローラ
221 余剰厚肉部 222 薄肉部
S1,S2 空間 S2 空間
T0 樹脂厚み T1 シート厚み
T2 設定シート厚み T3 設定幅
T4 シート厚み