IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テイ・エス テック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-照明装置および車両用ドア 図1
  • 特許-照明装置および車両用ドア 図2
  • 特許-照明装置および車両用ドア 図3
  • 特許-照明装置および車両用ドア 図4
  • 特許-照明装置および車両用ドア 図5
  • 特許-照明装置および車両用ドア 図6
  • 特許-照明装置および車両用ドア 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】照明装置および車両用ドア
(51)【国際特許分類】
   B60Q 3/64 20170101AFI20240731BHJP
   B60Q 3/217 20170101ALI20240731BHJP
   B60Q 3/78 20170101ALI20240731BHJP
   B60Q 3/54 20170101ALI20240731BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20240731BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240731BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20240731BHJP
   F21V 5/02 20060101ALI20240731BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240731BHJP
【FI】
B60Q3/64
B60Q3/217
B60Q3/78
B60Q3/54
F21V8/00 360
F21S2/00 435
F21S2/00 443
F21V17/00 154
F21V17/00 402
F21V5/02 100
F21V5/02 300
F21V5/02 350
F21Y115:10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021010917
(22)【出願日】2021-01-27
(65)【公開番号】P2022114585
(43)【公開日】2022-08-08
【審査請求日】2024-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】糟谷 健太
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-132134(JP,A)
【文献】特開2019-160815(JP,A)
【文献】特開2010-003683(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 3/64
B60Q 3/217
B60Q 3/78
B60Q 3/54
F21V 8/00
F21S 2/00
F21V 17/00
F21V 5/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光可能な光学部品と、前記光学部品を収容するハウジングと、を備えた照明装置において、
前記ハウジングは、
前記光学部品を保持する保持部と、
前記保持部との間で前記光学部品を挟む蓋部と、
前記保持部に対して前記蓋部が回動可能となるように、前記保持部と前記蓋部を連結する連結部と、
前記保持部の前記連結部とは反対側に位置する先端部と、前記蓋部の前記連結部とは反対側に位置する先端部との間に配置される開口であって、前記光学部品から出射される光を通す開口と、
前記開口を覆う、透光性を有するカバー部材であって、前記保持部から前記蓋部が離れないように前記保持部の先端部および前記蓋部の先端部を挟持するカバー部材と、を有することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記保持部は、
前記光学部品を支持する支持部と、
前記支持部の前記開口とは反対側の端部から突出する裏壁部であって、前記連結部を介して前記蓋部に連結される裏壁部と、を有し、
前記裏壁部は、前記光学部品が回転するのを規制する規制部を有し、
前記光学部品は、前記規制部と係合することで回転が規制される被規制部を有することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光学部品は、
長尺状の導光部であって、短手方向において前記蓋部と前記保持部で挟持されるとともに、長手方向の一端に対向して配置された光源からの光を導く導光部と、
前記長手方向に複数配列され、前記導光部から前記裏壁部に向けて突出する前記被規制部としてのプリズム部と、を有し、
前記裏壁部は、
複数の前記プリズム部が入る、前記規制部としての凹部を有することを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記蓋部と前記裏壁部の境界面を延長した延長面は、前記プリズム部と重ならないことを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記境界面は、前記凹部の底面の端を通ることを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記保持部の先端部と前記蓋部の先端部は、互いに近づく方向に突出していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記カバー部材は、
前記保持部および前記蓋部と対向するベース壁と、
前記ベース壁から突出し、前記保持部および前記蓋部を挟む第1挟持壁および第2挟持壁と、
前記第1挟持壁に設けられる第1爪部と、
前記第2挟持壁に設けられる第2爪部と、を有し、
前記保持部は、前記第1爪部が係合する第1凹部を有し、
前記蓋部は、前記第2爪部が係合する第2凹部を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記保持部は、
前記光学部品を支持する第1支持面と、
前記第1支持面とは反対側の第1外面と、を有し、
前記蓋部は、
前記光学部品を支持する第2支持面と、
前記第2支持面とは反対側の第2外面と、を有し、
前記カバー部材は、
前記第1外面に直交する方向における長さが、前記第1外面から前記第2外面までの距離以下であり、
前記第1外面を含む第1平面と前記第2外面を含む第2平面との間に位置することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記保持部、前記蓋部および前記連結部は、一体に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の照明装置を備えた車両用ドアであって、
車両の内装を構成する車両用ドアライニングと、
前記車両用ドアライニングが固定される車両用ドアベースと、を備え、
前記ハウジングは、
前記車両用ドアライニングまたは前記車両用ドアベースに固定される固定部をさらに有することを特徴とする車両用ドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、詳しくは車両の内装品としての照明装置と、当該照明装置を備えた車両用ドアとに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の室内用の照明装置として、ランプ素子の光を導光する導光体と、導光体を支持するハウジングと、ハウジングに取り付けられてハウジングとともに導光体を覆うカバーとを備えたものが知られている(特許文献1参照)。この技術では、カバーは、一端と他端にそれぞれ爪を有しており、ハウジングは、カバーの各爪が係合する孔を有している。そして、カバーの各爪をハウジングの各孔に係合させることで、カバーをハウジングに取り付けて、カバーとハウジングの間で導光体を保持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-213158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、カバーの各爪がハウジングの各孔に係合されるだけであるため、カバーとハウジングで導光体を挟み込む力が弱くなるおそれがあり、導光体を良好に保持できないおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、導光体などの光学部品を良好に保持することができる照明装置および当該照明装置を備えた車両用ドアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る照明装置は、発光可能な光学部品と、前記光学部品を収容するハウジングと、を備える。
前記ハウジングは、前記光学部品を保持する保持部と、前記保持部との間で前記光学部品を挟む蓋部と、前記保持部に対して前記蓋部が回動可能となるように、前記保持部と前記蓋部を連結する連結部と、前記保持部の前記連結部とは反対側に位置する先端部と、前記蓋部の前記連結部とは反対側に位置する先端部との間に配置される開口であって、前記光学部品から出射される光を通す開口と、前記開口を覆う、透光性を有するカバー部材であって、前記保持部から前記蓋部が離れないように前記保持部の先端部および前記蓋部の先端部を挟持するカバー部材と、を有する。
【0007】
この構成によれば、カバー部材によって保持部の先端部および蓋部の先端部を挟持するので、保持部と蓋部とで光学部品を良好に保持することができる。
【0008】
また、前記保持部は、前記光学部品を支持する支持部と、前記支持部の前記開口とは反対側の端部から突出する裏壁部であって、前記連結部を介して前記蓋部に連結される裏壁部と、を有し、前記裏壁部は、前記光学部品が回転するのを規制する規制部を有し、前記光学部品は、前記規制部と係合することで回転が規制される被規制部を有していてもよい。
【0009】
この構成によれば、規制部と被規制部によって、光学部品が回転するのを抑えることができる。
【0010】
また、前記光学部品は、長尺状の導光部であって、短手方向において前記蓋部と前記保持部で挟持されるとともに、長手方向の一端に対向して配置された光源からの光を導く導光部と、前記長手方向に複数配列され、前記導光部から前記裏壁部に向けて突出する前記被規制部としてのプリズム部と、を有し、前記裏壁部は、複数の前記プリズム部が入る、前記規制部としての凹部を有していてもよい。
【0011】
この構成によれば、光学部品のプリズム部を利用して光学部品の回転を規制することができるので、例えばプリズム部とは別の被規制部を光学部品に形成する場合に比べ、光学部品の形状を簡易化することができる。
【0012】
また、前記蓋部と前記裏壁部の境界面を延長した延長面は、前記プリズム部と重ならないように構成されていてもよい。
【0013】
この構成によれば、プリズム部から外に漏れた光が、蓋部と裏壁部の境界面に対応した位置に配置される隙間を通って外部に漏れるのを抑制することができる。
【0014】
また、前記境界面は、前記凹部の底面の端を通っていてもよい。
【0015】
また、前記保持部の先端部と前記蓋部の先端部は、互いに近づく方向に突出していてもよい。
【0016】
この構成によれば、保持部の先端部と蓋部の先端部の間にある開口の大きさを小さくすることができるので、保持部と蓋部の間の空間の密閉性を高めて、開口から出る光の強さを大きくすることができる。
【0017】
また、前記カバー部材は、前記保持部および前記蓋部と対向するベース壁と、前記ベース壁から突出し、前記保持部および前記蓋部を挟む第1挟持壁および第2挟持壁と、前記第1挟持壁に設けられる第1爪部と、前記第2挟持壁に設けられる第2爪部と、を有し、前記保持部は、前記第1爪部が係合する第1凹部を有し、前記蓋部は、前記第2爪部が係合する第2凹部を有していてもよい。
【0018】
この構成によれば、カバー部材の各爪部が保持部および蓋部の各凹部に係合するので、カバー部材が保持部および蓋部から外れるのを抑制することができる。
【0019】
また、前記保持部は、前記光学部品を支持する第1支持面と、前記第1支持面とは反対側の第1外面と、を有し、前記蓋部は、前記光学部品を支持する第2支持面と、前記第2支持面とは反対側の第2外面と、を有し、前記カバー部材は、前記第1外面に直交する方向における長さが、前記第1外面から前記第2外面までの距離以下であり、前記第1外面を含む第1平面と前記第2外面を含む第2平面との間に位置していてもよい。
【0020】
この構成によれば、第1外面に直交する方向において、照明装置を小型化することができる。
【0021】
また、前記保持部、前記蓋部および前記連結部は、一体に形成されていてもよい。
【0022】
この構成によれば、連結部を保持部および蓋部とは別部材とする構成に比べ、部品点数を少なくすることができる。
【0023】
また、本発明に係る車両用ドアは、前述した照明装置と、車両の内装を構成する車両用ドアライニングと、前記車両用ドアライニングが固定される車両用ドアベースと、を備え、前記ハウジングは、前記車両用ドアライニングまたは前記車両用ドアベースに固定される固定部をさらに有している。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、光学部品を良好に保持することができる。
【0025】
また、光学部品に設けた被規制部を裏壁部に設けた規制部に係合させることで、光学部品が回転するのを抑えることができる。
【0026】
また、被規制部を光学部品のプリズム部とすることで、光学部品の形状を簡易化することができる。
【0027】
また、蓋部と裏壁部の境界面を延長した延長面を、プリズム部と重ならないようにすることで、プリズム部から出る光が、蓋部と裏壁部の境界面に対応した位置に配置される隙間を通って外部に漏れるのを抑制することができる。
【0028】
また、保持部の先端部と蓋部の先端部を互いに近づく方向に突出させることで、保持部の先端部と蓋部の先端部の間にある開口の大きさを小さくすることができるので、開口から出る光の強さを大きくすることができる。
【0029】
また、カバー部材の各爪を保持部および蓋部の各凹部に係合させることで、カバー部材が保持部および蓋部から外れるのを抑制することができる。
【0030】
また、第1外面に直交する方向における長さが第1外面から第2外面までの距離以下となるカバー部材を、第1外面を含む第1平面と第2外面を含む第2平面との間に位置させることで、第1外面に直交する方向において、カバー部材を小型化することができる。
【0031】
また、保持部、蓋部および連結部を一体に形成することで、連結部を保持部および蓋部とは別部材とする構成に比べ、部品点数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】照明装置が設置された車両のドアを示す斜視図である。
図2】照明装置を示す斜視図である。
図3】筐体を開口側から見た正面図である。
図4】光学部品を示す斜視図である。
図5】照明装置を示す断面図である。
図6】照明装置の第1変形例を示す図(a)と、第2変形例を示す図(b)である。
図7】照明装置の第3変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1に示すように、照明装置1は、車両を構成する車両用ドアDRに設置される車両用の照明装置である。車両用ドアDRは、照明装置1と、車両の内装を構成する車両用ドアライニングDR1と、車両用ドアライニングDR1が固定される車両用ドアベースDR2と、を備える。
【0034】
図2に示すように、照明装置1は、発光可能な光学部品10と、光学部品10を収容するハウジング20とを備える。光学部品10は、長尺状の導光部11と、被規制部の一例としてのプリズム部12とを有している。
【0035】
図3に示すように、導光部11は、長手方向の両端部が、ハウジング20から突出している。導光部11の長手方向の一端には、光源50が対向して配置され、長手方向の他端は、車両用ドアDRの一部で覆われている。導光部11は、光源50からの光を長手方向の一端から他端に向けて導くとともに、光源50からの光によって発光可能となっている。なお、光源50は、車両用ドアDRに設けられていてもよいし、照明装置1に設けられていてもよい。
【0036】
図4に示すように、導光部11は、光源50からの光の進入方向に延びる線形の発光面11Aに向かって光を反射する反射面11Bを有する。反射面11Bは、平面である。反射面11Bは、導光部11の中心軸線に直交する断面で弦を描く。反射面11Bの幅(弦の長さ)は長手方向の位置によらず一定である。導光部11は、例えばメタクリル樹脂といった透明な樹脂材から成型される。
【0037】
プリズム部12は、光を乱反射させて、光を発光面11Aに向ける機能を有している。プリズム部12は、反射面11Bから突出し、導光部11の長手方向に複数配列されている。プリズム部12は、反射面11Bの長手方向の全域にわたって一定のピッチで配列される。プリズム部12は、長手方向に直交する方向に稜線を有する断面三角形状に形成される。なお、稜線は面取りされて湾曲面であってもよい。
【0038】
図2および図5に示すように、ハウジング20は、光学部品10から出射される光を通す開口30Aを有する筐体30と、開口30Aを覆う透光性を有するカバー部材40とを有する。光学部品10は、発光面11Aを開口30Aに向けた状態で、筐体30内に配置されている。
【0039】
筐体30は、光学部品10を保持する保持部31と、保持部31との間で光学部品10を挟む蓋部32と、保持部31と蓋部32を連結する連結部33と、車両用ドアライニングDR1または車両用ドアベースDR2に固定される固定部34とを有している。筐体30は、樹脂などからなる。保持部31、蓋部32、連結部33および固定部34は、一体に形成されている。
【0040】
保持部31は、導光部11を支持する支持部31Aと、支持部31Aの開口30Aとは反対側の端部から突出する裏壁部31Bとを有している。支持部31Aは、裏壁部31Bとは反対側に位置する先端部E1を有している。先端部E1は、蓋部32に向けて突出している。
【0041】
支持部31Aは、光学部品10を支持する第1支持面F11と、第1支持面F11とは反対側の第1外面F12とを有している。第1支持面F11は、導光部11の曲面状の外周面に沿った曲面であって、導光部11の光の出射側の部分と接触する曲面と、図5に矢印で示す光の出射方向(反射面11Bと直交する方向)に沿った平面とを有している。第1外面F12には、第1凹部D1が形成されている。
【0042】
裏壁部31Bは、開口30A側の面に、規制部の一例としての凹部Dpを有している。凹部Dpは、開口30Aに向けて開口する他、蓋部32に向けても開口している。光学部品10の複数のプリズム部12は、導光部11から裏壁部31Bに向けて突出して、凹部Dp内に入っている。これにより、光学部品10が図示時計回りに回転しそうになっても、プリズム部12が凹部Dpと係合することで、光学部品10が図示時計回りに回転することが規制されるようになっている。裏壁部31Bは、蓋部32側の面が、蓋部32と接触する平面状の第1接触面F13となっている。第1接触面F13は、光の出射方向に沿っている。
【0043】
蓋部32は、導光部11を支持する基部32Aと、基部32Aの開口30Aとは反対側の端部から裏壁部31Bに向けて突出する突出部32Bとを有している。突出部32Bは、連結部33を介して裏壁部31Bに連結されている。
【0044】
連結部33は、可撓性を有しており、非常に薄い肉厚で形成されている。これにより、蓋部32は、保持部31に対して連結部33を中心に回動可能となっている。
【0045】
蓋部32の突出部32Bは、裏壁部31Bの第1接触面F13と接触する平面状の第2接触面F23を有している。第2接触面F23は、光の出射方向において、第1接触面F13よりも開口30Aの近くまで延びて、凹部Dpの蓋部32側の開口を塞いでいる。これにより、光学部品10が図示反時計回りに回転しそうになっても、プリズム部12が第2接触面F23と係合することで、光学部品10が図示反時計回りに回転することが規制されるようになっている。
【0046】
本実施形態において、第1接触面F13は、蓋部32と裏壁部31Bの境界面に相当し、第2接触面F23は、境界面を延長した延長面に相当する。延長面としての第2接触面F23は、プリズム部12と重ならないように配置されている。境界面としての第1接触面F13は、凹部Dpの底面Fdの端を通っている。
【0047】
基部32Aは、突出部32Bとは反対側に位置する先端部E2を有している。先端部E2は、保持部31の先端部E1に向けて突出している。つまり、各先端部E1,E2は、互いに近づく方向に突出している。
【0048】
開口30Aは、各先端部E1,E2の間に形成されている。開口30Aの幅(反射面11Bの短手方向の長さ)は、光の出射方向における下流に向かうにつれて徐々に大きくなっている。
【0049】
基部32Aは、光学部品10を支持する第2支持面F21と、第2支持面F21とは反対側の第2外面F22とを有している。第2支持面F21は、導光部11の曲面上の外周面に沿った曲面であって、導光部11の光の出射側の部分と接触する曲面と、光の出射方向に沿った平面とを有している。第2支持面F21は、第1支持面F11との間で、導光部11を短手方向、詳しくは反射面11Bの短手方向において挟持している。第2外面F22には、第2凹部D2が形成されている。
【0050】
固定部34は、保持部31から蓋部32とは反対側に向けて延びている。固定部34は、光の出射方向において、裏壁部31Bと略同じ位置に配置されている。固定部34は、筐体30を車両用ドアDRに固定するためのネジなどの固定部材が挿入される取付穴34Aと、固定部34と保持部31とを連結する断面視三角形状のリブ34Bとを有している。図3に示すように、取付穴34Aは、光学部品10の長手方向において、間隔を空けて2つ設けられている。リブ34Bは、光学部品10の長手方向において、間隔を空けて4つ設けられている。
【0051】
図5に示すように、カバー部材40は、保持部31から蓋部32が離れないように保持部31の先端部E1と蓋部32の先端部E2を挟持する部材である。カバー部材40は、ベース壁41と、第1挟持壁42および第2挟持壁43と、第1爪部44および第2爪部45とを有している。
【0052】
ベース壁41は、開口30Aを塞ぐ壁である。ベース壁41は、光の出射方向において、保持部31および蓋部32と対向している。
【0053】
第1挟持壁42および第2挟持壁43は、保持部31および蓋部32を挟むための壁である。第1挟持壁42は、ベース壁41の保持部31側の端部から第1外面F12に沿って突出している。第2挟持壁43は、ベース壁41の蓋部32側の端部から第2外面F22に沿って突出している。
【0054】
第1爪部44は、第1挟持壁42の先端に設けられている。第1爪部44は、第1挟持壁42から蓋部32に向けて突出して、第1凹部D1に係合している。
【0055】
第2爪部45は、第2挟持壁43の先端に設けられている。第2爪部45は、第2挟持壁43から保持部31に向けて突出して、第2凹部D2に係合している。
【0056】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
カバー部材40によって保持部31の先端部E1および蓋部32の先端部E2を挟持するので、保持部31と蓋部32とで光学部品10を良好に保持することができる。
【0057】
光学部品10が裏壁部31Bに向けて突出するプリズム部12を有し、裏壁部31Bがプリズム部12と係合する凹部Dpを有するので、光学部品10が回転するのを抑えることができる。また、例えば光学部品10の回転を規制するための突起をプリズム部12とは別に設ける場合に比べ、プリズム部12を利用して光学部品10の回転を規制するので、光学部品10の形状を簡易化することができる。
【0058】
蓋部32と裏壁部31Bの境界面を延長した延長面である第2接触面F23が、プリズム部12と重ならないので、プリズム部12から外に漏れた光が、蓋部32と裏壁部31Bの境界面に対応した位置に配置される隙間を通って外部に漏れるのを抑制することができる。
【0059】
保持部31の先端部E1と蓋部32の先端部E2を互いに近づく方向に突出させることで、各先端部E1,E2の間にある開口30Aの大きさを小さくすることができるので、筐体30内の空間の密閉性を高めて、開口30Aから出る光の強さを大きくすることができる。
【0060】
カバー部材40の各爪部44,45が筐体30の各凹部D1,D2に係合するので、カバー部材40が筐体30から外れるのを抑制することができる。
【0061】
保持部31、蓋部32および連結部33が一体に形成されるので、例えば連結部を保持部および蓋部とは別部材とする構成に比べ、部品点数を少なくすることができる。
【0062】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0063】
図6(a),(b)に示すように、第1外面F12に直交する方向において、カバー部材40の長さを、前記実施形態よりも小さくしてもよい。具体的に、図6(a),(b)の形態では、第1外面F12に直交する方向において、カバー部材40の長さが、第1外面F12から第2外面F22までの距離以下となっている。そして、カバー部材40は、第1外面F12を含む第1平面F10と第2外面F22を含む第2平面F20との間に位置している。
【0064】
具体的に、図6(a)の形態では、各外面F12,F22のカバー部材40側の各端部に、各外面F12,F22から一段凹んだ段差状凹部D3,D4が形成されている。段差状凹部D3,D4は、それぞれ、ベース壁41側に向けて開口しており、その開口からカバー部材40の各挟持壁42,43が挿入可能となっている。各段差状凹部D3,D4の底面には、前述した各凹部D1,D2が形成されている。
【0065】
図6(b)の形態では、保持部31および蓋部32のカバー部材40と対向する各面F3,F4に、カバー部材40の各挟持壁42,43が挿入可能な挿入凹部D5,D6が形成されている。そして、各挿入凹部D5,D6の内周面には、前述した各凹部D1,D2が形成されている。
【0066】
図6(a),(b)の形態によれば、カバー部材40が第1平面F10と第2平面F20との間の範囲内に収まるので、第1外面F12に直交する方向において、照明装置1を小型化することができる。
【0067】
前記実施形態では、各接触面F13,F23を、光の出射方向に沿った平面としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図7に示すように、第1接触面F131および第2接触面F231を、光の出射方向に直交する方向に沿った平面としてもよい。具体的に、この形態では、第1接触面F131は、凹部Dpの底面Fdと面一となっている。
【0068】
また、第1接触面F131に窪みP1を設け、この窪みP1に合致する突起P2を第2接触面F231に設けてもよい。これによれば、第1接触面F131と第2接触面F231の間から光が漏れるのを抑えることができる。
【0069】
前記実施形態では、規制部として凹部Dp、被規制部としてプリズム部12を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、規制部は、突起であってもよいし、被規制部は、プリズム部とは別の突起であってもよい。
【0070】
前記実施形態では、保持部31、蓋部32および連結部33を一体に形成したが、本発明はこれに限定されず、連結部は、保持部および蓋部とは別体となる部材、例えばヒンジであってもよい。
【0071】
前記実施形態では、光学部品として、導光部11とプリズム部12を有する光学部品10を例示したが、本発明はこれに限定されず、光学部品は、例えば、光を自ら発光するLEDなどの光源であってもよい。
【0072】
前記実施形態では、車両用ドアDRに照明装置1を取り付けたが、車両のドア以外の部位に照明装置を取り付けてもよい。
【0073】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 照明装置
10 光学部品
20 ハウジング
30A 開口
31 保持部
32 蓋部
33 連結部
40 カバー部材
E1 先端部
E2 先端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7