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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】半導体集積回路装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20240731BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20240731BHJP
   H01L 21/82 20060101ALI20240731BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20240731BHJP
   H01L 27/06 20060101ALI20240731BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20240731BHJP
   H01L 21/8238 20060101ALI20240731BHJP
   H01L 27/092 20060101ALI20240731BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
H01L27/04 C
H01L21/82 B
H01L21/82 W
H01L27/06 102A
H01L27/04 D
H01L27/088 B
H01L27/088 D
H01L27/088 E
H01L27/092 C
H01L27/092 F
H01L27/092 G
H01L29/06 601N
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021507231
(86)(22)【出願日】2020-03-10
(86)【国際出願番号】 JP2020010274
(87)【国際公開番号】W WO2020189408
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-02-15
(31)【優先権主張番号】P 2019048205
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】祖父江 功弥
【審査官】西村 治郎
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-225444(JP,A)
【文献】特開昭63-137450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/04
H01L 27/06
H01L 27/088
H01L 27/092
H01L 21/822
H01L 21/82
H01L 21/8234
H01L 21/8238
H01L 29/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容量素子を備えた半導体集積回路装置であって、
前記容量素子は、第1ノードと第2ノードとの間に設けられた、少なくとも1つの容量構造を備え、
前記容量構造は、
第1導電型の立体構造トランジスタである、第1トランジスタと、
深さ方向において前記第1トランジスタよりも上に形成されており、前記第1トランジスタと平面視で重なっており、前記第1トランジスタとゲート同士が接続された、第2導電型の立体構造トランジスタである、第2トランジスタと、
前記第1トランジスタと同層に形成された前記第1導電型の立体構造トランジスタである、第3トランジスタと、
前記第2トランジスタと同層に形成されており、前記第3トランジスタと平面視で重なっており、前記第3トランジスタとゲート同士が接続された、前記第2導電型の立体構造トランジスタである、第4トランジスタと、
前記第1~第4トランジスタのチャネル部が延びる方向である第1方向と垂直をなす第2方向に延びており、前記第1トランジスタの一方のノードと前記第3トランジスタの一方のノードとを接続する第1ローカル配線と、
前記第2方向に延びており、前記第2トランジスタの一方のノードと前記第4トランジスタの一方のノードとを接続する第2ローカル配線と
前記第2方向に延びており、前記第1トランジスタの他方のノードと前記第3トランジスタの他方のノードとを接続する第3ローカル配線と、
前記第2方向に延びており、前記第2トランジスタの他方のノードと前記第4トランジスタの他方のノードとを接続する第4ローカル配線とを備えている
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項2】
容量素子を備えた半導体集積回路装置であって、
前記容量素子は、第1ノードと第2ノードとの間に設けられた、少なくとも1つの容量構造を備え、
前記容量構造は、
第1導電型の立体構造トランジスタである、第1トランジスタと、
深さ方向において前記第1トランジスタよりも上に形成されており、前記第1トランジスタと平面視で重なっており、前記第1トランジスタとゲート同士が接続された、第2導電型の立体構造トランジスタである、第2トランジスタと、
前記第1トランジスタと同層に形成された前記第1導電型の立体構造トランジスタである、第3トランジスタと、
前記第2トランジスタと同層に形成されており、前記第3トランジスタと平面視で重なっており、前記第3トランジスタとゲート同士が接続された、前記第2導電型の立体構造トランジスタである、第4トランジスタと、
前記第1~第4トランジスタのチャネル部が延びる方向である第1方向と垂直をなす第2方向に延びており、前記第1トランジスタの一方のノードと前記第3トランジスタの一方のノードとを接続する第1ローカル配線と、
前記第2方向に延びており、前記第2トランジスタの一方のノードと前記第4トランジスタの一方のノードとを接続する第2ローカル配線とを備え
前記容量素子は、前記容量構造を複数、備え、
前記複数の容量構造は、前記第1方向に並んで配置された第1および第2容量構造を含み、
前記第1容量構造が備える前記第1、第2、第3、第4トランジスタは、前記第2容量構造が備える前記第1、第2、第3、第4トランジスタと、それぞれ、一方のノードを共有している
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項3】
容量素子を備えた半導体集積回路装置であって、
前記容量素子は、第1ノードと第2ノードとの間に設けられた、少なくとも1つの容量構造を備え、
前記容量構造は、
第1導電型の立体構造トランジスタである、第1トランジスタと、
深さ方向において前記第1トランジスタよりも上に形成されており、前記第1トランジスタと平面視で重なっており、前記第1トランジスタとゲート同士が接続された、第2導電型の立体構造トランジスタである、第2トランジスタと、
前記第1トランジスタと同層に形成された前記第1導電型の立体構造トランジスタである、第3トランジスタと、
前記第2トランジスタと同層に形成されており、前記第3トランジスタと平面視で重なっており、前記第3トランジスタとゲート同士が接続された、前記第2導電型の立体構造トランジスタである、第4トランジスタと、
前記第1~第4トランジスタのチャネル部が延びる方向である第1方向と垂直をなす第2方向に延びており、前記第1トランジスタの一方のノードと前記第3トランジスタの一方のノードとを接続する第1ローカル配線と、
前記第2方向に延びており、前記第2トランジスタの一方のノードと前記第4トランジスタの一方のノードとを接続する第2ローカル配線とを備え
前記容量素子は、前記容量構造を複数、備え、
前記複数の容量構造は、前記第2方向に並んで配置された第1および第2容量構造を含み、
前記第1容量構造が備える前記第3および第4トランジスタのゲート、並びに、前記第2容量構造が備える前記第1および第2トランジスタのゲートが、前記第1および第2ノードのいずれか一方と、共通に接続されている
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項4】
容量素子を備えた半導体集積回路装置であって、
前記容量素子は、第1ノードと第2ノードとの間に設けられた、少なくとも1つの容量構造を備え、
前記容量構造は、
第1導電型の立体構造トランジスタである、第1トランジスタと、
深さ方向において前記第1トランジスタよりも上に形成されており、前記第1トランジスタと平面視で重なっており、前記第1トランジスタとゲート同士が接続された、第2導電型の立体構造トランジスタである、第2トランジスタと、
前記第1トランジスタと同層に形成された前記第1導電型の立体構造トランジスタである、第3トランジスタと、
前記第2トランジスタと同層に形成されており、前記第3トランジスタと平面視で重なっており、前記第3トランジスタとゲート同士が接続された、前記第2導電型の立体構造トランジスタである、第4トランジスタと、
前記第1~第4トランジスタのチャネル部が延びる方向である第1方向と垂直をなす第2方向に延びており、前記第1トランジスタの一方のノードと前記第3トランジスタの一方のノードとを接続する第1ローカル配線と、
前記第2方向に延びており、前記第2トランジスタの一方のノードと前記第4トランジスタの一方のノードとを接続する第2ローカル配線とを備え
前記容量素子は、前記容量構造を複数、備え、
前記複数の容量構造は、前記第1ノードと前記第2ノードとの間に、直列接続されて設けられており、
互いに接続された2個の前記容量構造は、一方が備える前記第3および第4トランジスタのゲートが、他方が備える前記第1および第2トランジスタのゲートと、接続されている
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項5】
容量素子を備えた半導体集積回路装置であって、
前記容量素子は、第1ノードと第2ノードとの間に設けられた、少なくとも1つの容量構造を備え、
前記容量構造は、
第1導電型の立体構造トランジスタである、第1トランジスタと、
深さ方向において前記第1トランジスタよりも上に形成されており、前記第1トランジスタと平面視で重なっており、前記第1トランジスタとゲート同士が接続された、第2導電型の立体構造トランジスタである、第2トランジスタと、
前記第1トランジスタと同層に形成された前記第1導電型の立体構造トランジスタである、第3トランジスタと、
前記第2トランジスタと同層に形成されており、前記第3トランジスタと平面視で重なっており、前記第3トランジスタとゲート同士が接続された、前記第2導電型の立体構造トランジスタである、第4トランジスタと、
前記第1~第4トランジスタのチャネル部が延びる方向である第1方向と垂直をなす第2方向に延びており、前記第1トランジスタの一方のノードと前記第3トランジスタの一方のノードとを接続する第1ローカル配線と、
前記第2方向に延びており、前記第2トランジスタの一方のノードと前記第4トランジスタの一方のノードとを接続する第2ローカル配線とを備え
前記第1および第2ローカル配線は、平面視で重なりを有しており、かつ、コンタクトを介して互いに接続されている
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項6】
請求項1~5のうちいずれか1項記載の半導体集積回路装置において、
前記容量構造は、
前記深さ方向に延びており、前記第1および第2トランジスタのゲートとなる単一の第1ゲート配線と、
前記深さ方向に延びており、前記第3および第4トランジスタのゲートとなる単一の第2ゲート配線とを備える
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項7】
請求項1または5記載の半導体集積回路装置において、
前記容量構造は、
前記第1および第2トランジスタのゲートが、前記第1および第2ノードのいずれか一方と接続されており、
前記第3および第4トランジスタのゲートが、前記第1および第2ノードの他方と接続されている
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項8】
容量素子を備えた半導体集積回路装置であって、
前記容量素子は、第1ノードと第2ノードとの間に設けられた、少なくとも1つの容量構造を備え、
前記容量構造は、
第1導電型の立体構造トランジスタである、第1トランジスタと、
深さ方向において前記第1トランジスタよりも上に形成されており、前記第1トランジスタと平面視で重なっており、前記第1トランジスタとゲート同士が接続された、第2導電型の立体構造トランジスタである、第2トランジスタと、
前記第1トランジスタと同層に形成された前記第1導電型の立体構造トランジスタである、第3トランジスタと、
前記第2トランジスタと同層に形成されており、前記第3トランジスタと平面視で重なっており、前記第3トランジスタとゲート同士が接続された、前記第2導電型の立体構造トランジスタである、第4トランジスタとを備え、
前記第1および第3トランジスタは、前記第1~第4トランジスタのチャネル部が延びる方向である第1方向に並んで配置されており、かつ、一方のノードを共有しており、
前記第2および第4トランジスタは、前記第1方向に並んで配置されており、かつ、一方のノードを共有しており、
前記容量素子は、前記容量構造を複数、備え、
前記複数の容量構造は、前記第1方向と垂直をなす第2方向に並んで配置された第1および第2容量構造を含み、
前記第1容量構造が備える前記第1および第2トランジスタのゲート、並びに、前記第2容量構造が備える前記第1および第2トランジスタのゲートが、前記第1および第2ノードのいずれか一方と、共通に接続されており、
前記第1容量構造が備える前記第3および第4トランジスタのゲート、並びに、前記第2容量構造が備える前記第3および第4トランジスタのゲートが、前記第1および第2ノードの他方と、共通に接続されている
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項9】
請求項8記載の半導体集積回路装置において、
前記容量構造は、
前記深さ方向に延びており、前記第1および第2トランジスタのゲートとなる単一の第1ゲート配線と、
前記深さ方向に延びており、前記第3および第4トランジスタのゲートとなる単一の第2ゲート配線とを備える
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項10】
請求項1~9のうちいずれか1項記載の半導体集積回路装置において、
前記第1導電型と前記第2導電型とは、異なる導電型である
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項11】
請求項1~9のうちいずれか1項記載の半導体集積回路装置において、
前記第1導電型と前記第2導電型とは、同一の導電型である
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、立体構造トランジスタを備えた半導体集積回路装置に関するものであり、特に立体構造トランジスタを用いた容量素子のレイアウト構造に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路装置では、プロセスの微細化に伴い、トランジスタの耐圧は低下傾向にある。一方、装置外部との間の信号入出力を行うインターフェース部は、その規格等によって、トランジスタの耐圧を超える高電圧を要するものがある。
【0003】
また、半導体集積回路を構成する基本的な素子の1つに、容量素子がある。半導体集積回路装置では、容量素子を、トランジスタを用いて構成する場合がある。
【0004】
また、LSIの基本構成要素であるトランジスタは、ゲート長の縮小(スケーリング)により、集積度の向上、動作電圧の低減、および動作速度の向上を実現してきた。しかし近年、過度なスケーリングによるオフ電流と、それによる消費電力の著しい増大が問題となっている。この問題を解決するため、トランジスタ構造を従来の平面型から立体型に変更した立体構造トランジスタが盛んに研究されている。
【0005】
特許文献1では、トランジスタを直列に接続することによって構成した高耐圧の容量素子が開示されている。
【0006】
非特許文献1,2では、新規デバイスとして、立体構造のP型FETとN型FETを基板に対して垂直方向に積層した立体構造デバイスと、これを用いたスタンダードセルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平8-306870号公報
【非特許文献】
【0008】
【文献】Ryckaert J. et al., "The Complementary FET (CFET) for CMOS scaling beyond N3", 2018 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers
【文献】A. Mocuta et al., "Enabling CMOS Scaling Towards 3nm and Beyond", 2018 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本明細書では、立体構造のP型FETとN型FETを基板に対して垂直方向に積層した立体構造デバイスのことを、非特許文献1の記載にならい、CFET(Complementary FET)と呼ぶことにする。また、基板に対して垂直をなす方向のことを、深さ方向と呼ぶ。
【0010】
ところが、これまでに、CFETを用いた高耐圧の容量のレイアウト構造を開示する文献はない。
【0011】
本開示は、CFETを用いた、高耐圧を有する容量素子のレイアウト構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の第1態様では、容量素子を備えた半導体集積回路装置であって、前記容量素子は、第1ノードと第2ノードとの間に設けられた、少なくとも1つの容量構造を備え、前記容量構造は、第1導電型の立体構造トランジスタである、第1トランジスタと、深さ方向において前記第1トランジスタよりも上に形成されており、前記第1トランジスタと平面視で重なっており、前記第1トランジスタとゲート同士が接続された、第2導電型の立体構造トランジスタである、第2トランジスタと、前記第1トランジスタと同層に形成された前記第1導電型の立体構造トランジスタである、第3トランジスタと、前記第2トランジスタと同層に形成されており、前記第3トランジスタと平面視で重なっており、前記第3トランジスタとゲート同士が接続された、前記第2導電型の立体構造トランジスタである、第4トランジスタと、前記第1~第4トランジスタのチャネル部が延びる方向である第1方向と垂直をなす第2方向に延びており、前記第1トランジスタの一方のノードと前記第3トランジスタの一方のノードとを接続する第1ローカル配線と、前記第2方向に延びており、前記第2トランジスタの一方のノードと前記第4トランジスタの一方のノードとを接続する第2ローカル配線とを備える。
【0013】
この態様によると、平面視で重なっており、ゲート同士が接続された第1および第2トランジスタと、平面視で重なっており、ゲート同士が接続された第3および第4トランジスタとを用いて、容量素子が形成される。そして、第1および第3トランジスタのノード同士がローカル配線によって接続されており、第2および第4トランジスタのノード同士がローカル配線によって接続されている。したがって、高耐圧でありかつ小面積の容量素子が実現される。
【0014】
本開示の第2態様では、容量素子を備えた半導体集積回路装置であって、前記容量素子は、第1ノードと第2ノードとの間に設けられた、少なくとも1つの容量構造を備え、前記容量構造は、第1導電型の立体構造トランジスタである、第1トランジスタと、深さ方向において前記第1トランジスタよりも上に形成されており、前記第1トランジスタと平面視で重なっており、前記第1トランジスタとゲート同士が接続された、第2導電型の立体構造トランジスタである、第2トランジスタと、前記第1トランジスタと同層に形成された前記第1導電型の立体構造トランジスタである、第3トランジスタと、前記第2トランジスタと同層に形成されており、前記第3トランジスタと平面視で重なっており、前記第3トランジスタとゲート同士が接続された、前記第2導電型の立体構造トランジスタである、第4トランジスタとを備え、前記第1および第3トランジスタは、前記第1~第4トランジスタのチャネル部が延びる方向である第1方向に並んで配置されており、かつ、一方のノードを共有しており、前記第2および第4トランジスタは、前記第1方向に並んで配置されており、かつ、一方のノードを共有している。
【0015】
この態様によると、平面視で重なっており、ゲート同士が接続された第1および第2トランジスタと、平面視で重なっており、ゲート同士が接続された第3および第4トランジスタとを用いて、容量素子が形成される。そして、第1および第3トランジスタは第1方向に並び、一方のノードを共有しており、第2および第4トランジスタは第1方向に並び、一方のノードを共有している。したがって、高耐圧でありかつ小面積の容量素子が実現される。
【0016】
本開示の第3態様では、半導体集積回路装置であって、第1ノードと第2ノードとの間に設けられた容量素子を備え、前記容量素子は、第1導電型の立体構造トランジスタである、第1トランジスタと、深さ方向において前記第1トランジスタよりも上に形成されており、前記第1トランジスタと平面視で重なっており、前記第1トランジスタとゲート同士が接続された、第2導電型の立体構造トランジスタである、第2トランジスタと、前記第1トランジスタの一方のノードと接続され、かつ、前記第1および第2ノードのいずれか一方と接続された第1ローカル配線と、前記第2トランジスタの一方のノードと接続され、かつ、前記第1および第2ノードの他方と接続された第2ローカル配線とを備えている。
【0017】
この態様によると、平面視で重なっており、ゲート同士が接続された第1および第2トランジスタを用いて、容量素子が形成される。そして、第1トランジスタのノードは、第1ローカル配線を介して第1および第2ノードのいずれか一方と接続されており、第2トランジスタのノードは、第2ローカル配線を介して第1および第2ノードの他方と接続されている。したがって、高耐圧でありかつ小面積の容量素子が実現される。
【0018】
本開示の第4態様では、容量素子を備えた半導体集積回路装置であって、前記容量素子は、第1ノードと第2ノードとの間に設けられた、少なくとも1つの容量構造を備え、前記容量構造は、第1導電型の立体構造トランジスタである、第1トランジスタと、深さ方向において前記第1トランジスタよりも上に形成されており、前記第1トランジスタと平面視で重なっており、前記第1トランジスタとゲート同士が接続された、第2導電型の立体構造トランジスタである、第2トランジスタと、前記第1トランジスタと同層に形成された前記第1導電型の立体構造トランジスタである、第3トランジスタと、前記第2トランジスタと同層に形成されており、前記第3トランジスタと平面視で重なっており、前記第3トランジスタとゲート同士が接続された、前記第2導電型の立体構造トランジスタである、第4トランジスタと、前記第1~第4トランジスタのチャネル部が延びる方向である第1方向と垂直をなす第2方向に延びており、前記第1トランジスタの一方のノードと前記第3トランジスタの一方のノードとを接続する第1ローカル配線とを備え、前記第2トランジスタの少なくとも一方のノードが、前記第1および第2ノードのいずれか一方と接続されており、前記第4トランジスタの少なくとも一方のノードが、前記第1および第2ノードの他方と接続されている。
【0019】
この態様によると、平面視で重なっており、ゲート同士が接続された第1および第2トランジスタと、平面視で重なっており、ゲート同士が接続された第3および第4トランジスタとを用いて、容量素子が形成される。そして、第1および第3トランジスタは、第1ローカル配線を介してノード同士が接続されており、第2トランジスタのノードは、第1および第2ノードのいずれか一方と接続されており、第4トランジスタのノードは、第1および第2ノードの他方と接続されている。したがって、高耐圧でありかつ小面積の容量素子が実現される。
【発明の効果】
【0020】
本開示によると、CFETを用いて、高耐圧を有する容量素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】(a),(b)は第1実施形態に係る容量素子のレイアウト構造の例を示す平面図
図2】(a),(b)は図1のレイアウト構造の平面視縦方向における断面図
図3図1の容量素子の回路図
図4】(a),(b)は図1の構造をアレイ状に配置したレイアウト構造の例を示す平面図
図5図4の容量素子の回路図
図6】(a),(b)は図1の構造を直列接続したレイアウト構造の例を示す平面図
図7図6の容量素子の回路図
図8】(a),(b)は図6の構造をアレイ状に配置したレイアウト構造の例を示す平面図
図9図8の容量素子の回路図
図10】(a),(b)は第1実施形態の変形例に係る容量素子のレイアウト構造の例を示す平面図
図11図10に示す容量素子の回路図
図12】(a),(b)は第2実施形態に係る容量素子のレイアウト構造の例を示す平面図
図13図12のレイアウト構造の平面視横方向における断面図
図14図12の容量素子の回路図
図15】(a),(b)は図12の構造をアレイ状に配置したレイアウト構造の例を示す平面図
図16図15の容量素子の回路図
図17】(a),(b)は第3実施形態に係る容量素子のレイアウト構造の例を示す平面図
図18】(a),(b)は図17のレイアウト構造の平面視縦方向における断面図
図19図17に示す容量素子の回路図
図20】(a),(b)は図17の構造を直列接続したレイアウト構造の例を示す平面図
図21】(a),(b)は図20のレイアウト構造の平面視縦方向における断面図
図22図20に示す容量素子の回路図
図23】(a),(b)は図20の構造をアレイ状に配置したレイアウト構造の例を示す平面図
図24図23に示す容量素子の回路図
図25】CFETを備えた半導体装置の構造を示す断面図
図26】CFETを備えた半導体装置の構造を示す断面図
図27】CFETを備えた半導体装置の構造を示す断面図
図28】CFETを備えた半導体装置の構造を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。以下の実施の形態では、半導体集積回路装置は複数のスタンダードセル(本明細書では、適宜、単にセルという)を備えており、この複数のスタンダードセルのうち少なくとも一部は、CFET、すなわち、立体構造のP型FETとN型FETを基板に対して垂直方向に積層した立体構造デバイスを備えるものとする。
【0023】
まず、CFETの基本構造について説明する。図25図28はCFETを備えた半導体装置の構造を示す図であり、図25はX方向における断面図、図26はY方向におけるゲート部分の断面図、図27はY方向におけるソース・ドレイン部分の断面図、図28は平面図である。なお、X方向はナノワイヤが延びる方向、Y方向はゲートが延びる方向、Z方向は基板面と垂直をなす方向としている。また、図25図28は概略図であり、各部の寸法や位置等は必ずしも整合していない。
【0024】
この半導体装置では、シリコン(Si)基板等の半導体基板301の表面に素子分離領域302が形成されており、素子分離領域302により、素子活性領域30aが画定されている。素子活性領域30aでは、P型FET上にN型FETが形成されている。
【0025】
素子活性領域30aでは、半導体基板301上に積層トランジスタ構造390aが形成されている。積層トランジスタ構造390aは、半導体基板301上に形成されたゲート構造391を含む。ゲート構造391は、ゲート電極356、複数のナノワイヤ358、ゲート絶縁膜355、絶縁膜357を含む。ゲート電極356は、Y方向に延び、Z方向に立ち上がる。ナノワイヤ358は、X方向でゲート電極356を貫通し、Y方向及びZ方向に配列されている。ゲート絶縁膜355は、ゲート電極356とナノワイヤ358との間に形成されている。ゲート電極356及びゲート絶縁膜355は、X方向において、ナノワイヤ358の両端から後退した位置に形成されており、この後退した部分に絶縁膜357が形成されている。半導体基板301上に、絶縁膜357の両脇において、絶縁膜316が形成されている。321,322は層間絶縁膜である。
【0026】
また、図26に示すように、ゲート電極356は、開口部375に設けられたビア385によって、上層の配線と接続される。
【0027】
例えば、ゲート電極356には、チタン、チタン窒化物又は多結晶シリコン等を用いることができる。例えば、ゲート絶縁膜355には、ハフニウム酸化物、アルミニウム酸化物又はハフニウム及びアルミニウムの酸化物等の高誘電率材料を用いることができる。例えば、ナノワイヤ358にはシリコン等を用いることができる。例えば、絶縁膜316、絶縁膜357には、シリコン酸化物又はシリコン窒化物等を用いることができる。
【0028】
この半導体装置では、Z方向に配列するナノワイヤ358の本数は4であり、素子活性領域30aでは、半導体基板301側の2本のナノワイヤ358の各端部にp型半導体層331pが形成されている。p型半導体層331pに接する2つのローカル配線386がX方向でゲート構造391を挟むようにして形成されている。また、半導体基板101から離間する側の2本のナノワイヤ358の各端部にn型半導体層341nが形成されている。n型半導体層341nに接する2つのローカル配線388がX方向でゲート構造391を挟むようにして形成されている。ローカル配線386とローカル配線388との間に絶縁膜332が形成されている。ローカル配線388の上に絶縁膜389が形成されている。例えば、p型半導体層331pはp型SiGe層であり、n型半導体層341nはn型Si層である。例えば、絶縁膜332には、シリコン酸化物又はシリコン窒化物等を用いることができる。
【0029】
また、図27に示すように、ローカル配線388は、ビア3071を介して、埋め込み配線3101と接続される。ローカル配線386は、ビア3072を介して、埋め込み配線3102と接続される。
【0030】
このように、積層トランジスタ構造390aは、ゲート電極356、ナノワイヤ358、ゲート絶縁膜355及びP型半導体層331pを含むP型FETを有する。このP型FETでは、一方のP型半導体層331pがソース領域として機能し、他方のP型半導体層331pがドレイン領域として機能し、ナノワイヤ358がチャネルとして機能する。積層トランジスタ構造390aは、ゲート電極356、ナノワイヤ358、ゲート絶縁膜355及びN型半導体層341nを含むN型FETも有する。このN型FETでは、一方のN型半導体層341nがソース領域として機能し、他方のN型半導体層341nがドレイン領域として機能し、ナノワイヤ358がチャネルとして機能する。
【0031】
なお、積層トランジスタ構造より上層については、ビアおよび金属配線によりトランジスタ間の配線等が行われるが、これらは既知の配線プロセスによって実現が可能である。
【0032】
なお、ここでは、P型FETおよびN型FETにおけるナノワイヤの本数は、それぞれ、Y方向に4本、Z方向に2本、計8本ずつであるものとしたが、ナノノワイヤの本数はこれに限られるものではない。また、P型FETとN型FETのナノワイヤの本数は、異なっていてもかまわない。
【0033】
また、本明細書では、ナノワイヤの両端に形成され、トランジスタのソースまたはドレインとなる端子を構成する半導体層部のことを「パッド」という。上述したCFETの基本構造例では、p型半導体層331pおよびn型半導体層341nが、パッドに相当する。
【0034】
また、以降の実施形態における平面図および断面図においては、各絶縁膜等の記載は省略することがある。また、以降の実施形態における平面図および断面図については、ナノワイヤおよびその両側のパッドを、簡易化した直線状の形状で記載することがある。また、本明細書において、「同一サイズ」等のように、サイズ等が同じであることを意味する表現は、製造上のばらつき範囲を含んでいるものとする。
【0035】
また、本明細書では、トランジスタのソースおよびドレインのことを、適宜、トランジスタの「ノード」と称する。すなわち、トランジスタの一方のノードとは、トランジスタのソースまたはドレインのことを指し、トランジスタの両方のノードとは、トランジスタのソースおよびドレインのことを指す。
【0036】
(第1実施形態)
図1および図2は第1実施形態に係る容量素子のレイアウト構造の例を示す図であり、図1(a),(b)は平面図、図2(a),(b)は平面視縦方向における断面図である。具体的には、図1(a)は下部、すなわち基板に近い側に形成された立体構造トランジスタ(ここではP型ナノワイヤFET)を含む部分を示し、図1(b)は上部、すなわち基板から遠い側に形成された立体構造トランジスタ(ここではN型ナノワイヤFET)を含む部分を示す。図2(a)は線Y1-Y1’の断面、図2(b)は線Y2-Y2’の断面である。
【0037】
また、図3図1および図2に示す容量素子の構成を示す回路図である。本実施形態に係る半導体集積回路装置は、図3に示す容量素子を備える。図3の容量素子は、ノードIN1とノードIN2との間に配置された、P導電型のトランジスタP11,P12およびN導電型のトランジスタN11,N12を備える。トランジスタP11,N11のゲートはノードIN1と接続されている。トランジスタP12,N12のゲートはノードIN2と接続されている。トランジスタP11,P12は両方のノードが互いに接続されている。トランジスタN11,N12は両方のノードが互いに接続されている。すなわち、図3の容量素子は、ノードIN1とノードIN2との間に設けられた、トランジスタP11,P12,N11,N12を備えた1個の容量構造を備える。ノードIN1,IN2は、例えば、信号が与えられる。あるいは、ノードIN1,IN2は、電源線と接続される。この場合は、容量素子は電源間容量として機能する。
【0038】
図3の構成では、トランジスタP11,P12,N11,N12に印加される電圧は、ノードIN1-IN2間の電圧の1/2となる。このため、この容量素子は、トランジスタP11,P12,N11,N12の耐圧よりも高い電圧が印加可能になる。
【0039】
なお、以下の説明では、図1等の平面図において、図面横方向をX方向(第1方向に相当)、図面縦方向をY方向(第2方向に相当)、基板面に垂直な方向をZ方向(深さ方向に相当)としている。また、図1等の平面図において縦横に走る点線、および、図2等の断面図において縦に走る点線は、設計時に部品配置を行うために用いるグリッドを示す。グリッドは、X方向において等間隔に配置されており、またY方向において等間隔に配置されている。なお、グリッド間隔は、X方向とY方向とにおいて同じであってもよいし異なっていてもよい。また、グリッド間隔は、層ごとに異なっていてもかまわない。さらに、各部品は必ずしもグリッド上に配置される必要はない。ただし、製造ばらつきを抑制する観点から、部品はグリッド上に配置される方が好ましい。
【0040】
図1および図2に示すように、容量素子の下部には、X方向に延びるナノワイヤ21a,21bが形成されており、容量素子の上部には、X方向に延びるナノワイヤ26a,26bが形成されている。ナノワイヤ21a,26aは平面視で重なっており、ナノワイヤ21b,26bは平面視で重なっている。ゲート配線31,32は、Z方向に延びており、下部から上部にかけて、並列に形成されている。ゲート配線31は、トランジスタP11,N11のゲートとなる。ゲート配線32は、トランジスタP12,N12のゲートとなる。また、容量素子のX方向における両端に、ダミーゲート配線33a,33b,33c,33dが形成されている。ダミーゲート配線33a,33b,33c,33dは、ゲート配線31,32と同様に、Z方向に延びている。
【0041】
ナノワイヤ21aの両端にそれぞれ、P型半導体がドーピングされたパッド22a,22bが形成されている。ナノワイヤ21bの両端にそれぞれ、P型半導体がドーピングされたパッド22c,22dが形成されている。ナノワイヤ21a,21bがトランジスタP11,P12のチャネル部をそれぞれ構成する。パッド22a,22bがトランジスタP11のノードを構成する。パッド22c,22dがトランジスタP12のノードを構成する。
【0042】
ナノワイヤ26aの両端にそれぞれ、N型半導体がドーピングされたパッド27a,27bが形成されている。ナノワイヤ26bの両端にそれぞれ、N型半導体がドーピングされたパッド27c,27dが形成されている。ナノワイヤ26a,26bがトランジスタN11,N12のチャネル部をそれぞれ構成する。パッド27a,27bがトランジスタN11のノードを構成する。パッド27c,27dがトランジスタN12のノードを構成する。
【0043】
すなわち、ナノワイヤ21a、ゲート配線31、およびパッド22a,22bによって、トランジスタP11が構成される。ナノワイヤ21b、ゲート配線32、およびパッド22c,22dによって、トランジスタP12が構成される。ナノワイヤ26a、ゲート配線31、およびパッド27a,27bによって、トランジスタN11が構成される。ナノワイヤ26b、ゲート配線32、およびパッド27c,27dによって、トランジスタN12が構成される。
【0044】
下部において、Y方向に延びるローカル配線41,42が形成されている。ローカル配線41はパッド22a,22cと接続されており、ローカル配線42はパッド22b、22dと接続されている。上部において、Y方向に延びるローカル配線43,44が形成されている。ローカル配線43はパッド27a,27cと接続されており、ローカル配線44はパッド27b,27dと接続されている。
【0045】
金属配線層であるM1配線層に、X方向に延びる配線61,62が形成されている。配線61はノードIN1に対応しており、配線62はノードIN2に対応している。配線61は、コンタクト51を介して、ゲート配線31と接続されている。配線62は、コンタクト52を介して、ゲート配線32と接続されている。
【0046】
以上のように本例によると、平面視で重なっており、ゲート同士が接続されたトランジスタP11,N11と、平面視で重なっており、ゲート同士が接続されたトランジスタP12,N12とを用いて、容量素子が形成される。また、トランジスタP11,P12のノード同士がローカル配線41,42によって接続されており、トランジスタN11,N12のノード同士がローカル配線43,44によって接続されている。これにより、小面積でありかつ高耐圧の容量素子が実現される。
【0047】
なお、上述した構成では、トランジスタP11,P12は両方のノードが互いに接続されているものとしたが、一方のノードのみが接続されていてもよい。また、トランジスタN11,N12は両方のノードが互いに接続されているものとしたが、一方のノードのみが接続されていてもよい。
【0048】
(アレイ配置)
図4は本実施形態に係る容量素子のレイアウト構造の他の例を示す平面図であり、(a)は下部を示し、(b)は上部を示す。図4のレイアウト構造は、図1の容量構造を(2×2)個、アレイ状に配置したものに相当する。X方向に並ぶ容量構造は、隣り合うトランジスタが一方のノードを共有している。Y方向に並ぶ容量構造は、隣り合うトランジスタがゲート配線を共有している。
【0049】
図5図4に示す容量素子の構成を示す回路図である。図5の容量素子は2個のノードIN1に接続されている。一方のノードIN1とノードIN2との間に、P導電型のトランジスタP11,P12,P13,P14およびN導電型のトランジスタN11,N12,N13,N14を備える。トランジスタP11,P13,N11,N13のゲートはIN1と接続されている。トランジスタP12,P14,N12,N14のゲートはIN2と接続されている。トランジスタP11,P12は両方のノードが互いに接続されている。トランジスタP13,P14は両方のノードが互いに接続されている。トランジスタP11,P13は一方のノードを共有しており、トランジスタP12,P14は一方のノードを共有している。トランジスタN11,N12は両方のノードが互いに接続されている。トランジスタN13,N14は両方のノードが互いに接続されている。トランジスタN11,N13は一方のノードを共有しており、トランジスタN12,N14は一方のノードを共有している。
【0050】
また、他方のノードIN1とノードIN2との間に、P導電型のトランジスタP15,P16,P17,P18およびN導電型のトランジスタN15,N16,N17,N18を備える。トランジスタP15~P18,N15~N18の接続関係は、トランジスタP11~P14,N11~N14の接続関係と同様であり、ここではその詳細は省略する。
【0051】
図4において、トランジスタP11,P13はX方向において隣り合っており、パッド23aを共有している。同様に、トランジスタP12,P14はパッド23bを共有しており、トランジスタP15,P17はパッド23cを共有しており、トランジスタP16,P18はパッド23dを共有している。また、トランジスタN11,N13はX方向において隣り合っており、パッド28aを共有している。同様に、トランジスタN12,N14はパッド28bを共有しており、トランジスタN15,N17はパッド28cを共有しており、トランジスタN16,N18はパッド28dを共有している。
【0052】
ゲート配線34a,34bはY方向およびZ方向に延びている。ゲート配線34aは、トランジスタP12,P15,N12,N15に共有されており、トランジスタP12,P15,N12,N15のゲートとなる。ゲート配線34bは、トランジスタP14,P17,N14,N17に共有されており、トランジスタP14,P17,N14,N17のゲートとなる。
【0053】
金属配線層であるM1配線層に、X方向に延びる配線63a,63b,64が形成されている。配線63a,63bはノードIN1に対応しており、配線64はノードIN2に対応している。なお、配線63a,63bは図示しない上層配線によって互いに接続されている。配線63aは、コンタクト53a,53bを介して、トランジスタP11,N11のゲートとなるゲート配線35a、および、トランジスタP13,N13のゲートとなるゲート配線35bと接続されている。配線63bは、コンタクト53c,53dを介して、トランジスタP16,N16のゲートとなるゲート配線35c、および、トランジスタP18,N18のゲートとなるゲート配線35dと接続されている。配線64は、コンタクト54a,54bを介して、ゲート配線34a,34bと接続されている。
【0054】
なお、アレイ状に配置する容量構造の個数は、(2×2)に限られるものではない。例えば、X方向に3個以上配置してもよい。この場合、X方向に並べる容量構造は、隣り合うトランジスタの一方のノードを共有させればよい。また、Y方向に3個以上配置してもよい。この場合、Y方向に並べる容量構造は、隣り合うトランジスタのゲート配線を共有させればよい。また、X方向またはY方向に配置する容量構造の個数を1個としてもよい。
【0055】
(直列配置)
図6は本実施形態に係る容量素子のレイアウト構造の他の例を示す平面図であり、(a)は下部を示し、(b)は上部を示す。図6のレイアウト構造は、図1の容量構造を2個、Y方向に並べて配置したものに相当する。Y方向に並ぶ容量構造は、隣り合うトランジスタがゲート配線を共有している。
【0056】
図7図6に示す容量素子の構成を示す回路図である。図7の容量素子は、ノードIN1とノードIN2との間に、図3の容量素子が2段、直列に接続されて配置されたものに相当する。トランジスタP11,N11のゲートはノードIN1と接続されている。トランジスタP12,P13,N12,N13のゲートは互いに接続されている。トランジスタP14,N14のゲートはノードIN2と接続されている。トランジスタP11,P12は両方のノードが互いに接続されている。トランジスタP13,P14は両方のノードが互いに接続されている。トランジスタN11,N12は両方のノードが互いに接続されている。トランジスタN13,N14は両方のノードが互いに接続されている。
【0057】
図7の構成では、ノードIN1-IN2間にトランジスタが4段接続されている。すなわち、トランジスタP11~P14,N11~N14に印加される電圧は、ノードIN1-IN2間の電圧の1/4となる。このため、この容量素子は、トランジスタP11~P14,N11~N14の耐圧よりも高い電圧が印加可能になる。
【0058】
図6において、ゲート配線36はY方向およびZ方向に延びている。ゲート配線36は、トランジスタP12,P13,N12,N13に共有されており、トランジスタP12,P13,N12,N13のゲートになる。
【0059】
金属配線層であるM1配線層に、X方向に延びる配線65,66が形成されている。配線65はノードIN1に対応しており、配線66はノードIN2に対応している。配線65は、コンタクト55を介して、トランジスタP11,N11のゲートとなるゲート配線37aと接続されている。配線66は、コンタクト56を介して、トランジスタP14,N14のゲートとなるゲート配線37bと接続されている。
【0060】
なお、直列接続する基本素子の個数は、2個に限られるものではなく、3個以上直列接続してもかまわない。また、トランジスタを3段など奇数段、直列に接続した構成とすることも可能である。この場合は、ノードIN1,IN2の一方が、トランジスタのゲートではなく、ノードに接続される。
【0061】
(直列配置&アレイ配置)
図8は本実施形態に係る容量素子のレイアウト構造の他の例を示す平面図であり、(a)は下部を示し、(b)は上部を示す。図8のレイアウト構造は、図6のレイアウト構造を基本構造とし、この基本構造を(2×2)個、アレイ状に配置したものである。X方向に並ぶ基本構造は、隣り合うトランジスタが一方のノードを共有している。Y方向に並ぶ基本素子は、隣り合うトランジスタがゲート配線を共有している。
【0062】
図9図8に示す容量素子の構成を示す回路図である。図9の容量素子は2個のノードIN1に接続されている。一方のノードIN1とノードIN2との間に、P導電型のトランジスタP11~P18およびN導電型のトランジスタN11~N18を備える。トランジスタP11,P15,N11,N15のゲートはノードIN1と接続されている。トランジスタP12,P13,P16,P17,N12,N13,N16,N17のゲートは互いに接続されている。トランジスタP14,P18,N14,N18のゲートはノードIN2と接続されている。トランジスタP11,P12は両方のノードが互いに接続されている。トランジスタP13,P14は両方のノードが互いに接続されている。トランジスタP15,P16は両方のノードが互いに接続されている。トランジスタP17,P18は両方のノードが互いに接続されている。トランジスタP11,P15は一方のノードを共有しており、トランジスタP12,P16は一方のノードを共有している。トランジスタP13,P17は一方のノードを共有しており、トランジスタP14,P18は一方のノードを共有している。トランジスタN11,N12は両方のノードが互いに接続されている。トランジスタN13,N14は両方のノードが互いに接続されている。トランジスタN15,N16は両方のノードが互いに接続されている。トランジスタN17,N18は両方のノードが互いに接続されている。トランジスタN11,N15は一方のノードを共有しており、トランジスタN12,N16は一方のノードを共有している。トランジスタN13,N17は一方のノードを共有しており、トランジスタN14,N18は一方のノードを共有している。
【0063】
また、他方のノードIN1とノードIN2との間に、P導電型のトランジスタP21~P28およびN導電型のトランジスタN21~N28を備える。トランジスタP21~P28,N21~N28の接続関係は、トランジスタP11~P18,N11~N18の接続関係と同様であり、ここではその詳細は省略する。
【0064】
図8において、トランジスタP11,P15はX方向において隣り合っており、パッド24aを共有している。同様に、トランジスタP12,P16はパッド24bを共有しており、トランジスタP13,P17はパッド24cを共有しており、トランジスタP14,P18はパッド24dを共有している。トランジスタP21,P25はパッド24eを共有しており、トランジスタP22,P26はパッド24fを共有しており、トランジスタP23,P27はパッド24gを共有しており、トランジスタP24,P28はパッド24hを共有している。また、トランジスタN11,N15はX方向において隣り合っており、パッド29aを共有している。同様に、トランジスタN12,N16はパッド29bを共有しており、トランジスタN13,N17はパッド29cを共有しており、トランジスタN14,N18はパッド29dを共有している。トランジスタN21,N25はパッド29eを共有しており、トランジスタN22,N26はパッド29fを共有しており、トランジスタN23,N27はパッド29gを共有しており、トランジスタN24,N28はパッド29hを共有している。
【0065】
ゲート配線38a,38b,38c,38d,38e,38fはY方向およびZ方向に延びている。ゲート配線38aは、トランジスタP12,P13,N12,N13に共有されており、トランジスタP12,P13,N12,N13のゲートとなる。ゲート配線38bは、トランジスタP16,P17,N16,N17に共有されており、トランジスタP16,P17,N16,N17のゲートとなる。ゲート配線38cは、トランジスタP14,P21,N14,N21に共有されており、トランジスタP14,P21,N14,N21のゲートとなる。ゲート配線38dは、トランジスタP18,P25,N18,N25に共有されており、トランジスタP18,P25,N18,N25のゲートとなる。ゲート配線38eは、トランジスタP22,P23,N22,N23に共有されており、トランジスタP22,P23,N22,N23のゲートとなる。ゲート配線38fは、トランジスタP26,P27,N26,N27に共有されており、トランジスタP26,P27,N26,N27のゲートとなる。
【0066】
金属配線層であるM1配線層に、X方向に延びる配線67a,67b,68,69a,69bが形成されている。配線67a,67bはノードIN1に対応しており、配線68はノードIN2に対応している。なお、配線67a,67bは図示しない上層配線によって互いに接続されている。配線67aは、コンタクト57a,57bを介して、トランジスタP11,N11のゲートとなるゲート配線39a、および、トランジスタP15,N15のゲートとなるゲート配線39bと接続されている。配線67bは、コンタクト57c,57dを介して、トランジスタP24,N24のゲートとなるゲート配線39c、および、トランジスタP28,N28のゲートとなるゲート配線39dと接続されている。配線68は、コンタクト58a,58bを介して、ゲート配線38c,38dと接続されている。配線69aは、コンタクト59a,59bを介して、ゲート配線38a,38bと接続されている。配線69bは、コンタクト59c,59dを介して、ゲート配線38e,38fと接続されている。
【0067】
なお、アレイ状に配置する基本構造の個数は、(2×2)に限られるものではない。例えば、X方向に3個以上配置してもよい。この場合、X方向に並べる基本構造は、隣り合うトランジスタの一方のノードを共有させればよい。また、Y方向に3個以上配置してもよい。この場合、Y方向に並べる基本構造は、隣り合うトランジスタのゲート配線を共有させればよい。また、X方向またはY方向に配置する基本素子の個数を、1個としてもよい。
【0068】
(変形例)
図10は第1実施形態の変形例に係る容量素子のレイアウト構造の例を示す図であり、(a)は下部を示し、(b)は上部を示す。また、図11図10に示す容量素子の構成を示す回路図である。
【0069】
本変形例では、平面視で重なっているローカル配線41,43がコンタクト53を介して接続されており、また、平面視で重なっているローカル配線42,44がコンタクト54を介して接続されている。すなわち、トランジスタP11,P12の一方のノードが、トランジスタN11,N12の一方のノードと接続されており、また、トランジスタP11,P12の他方のノードが、トランジスタN11,N12の他方のノードと接続されている。これにより、容量素子は、動作がより安定し、ノイズに対する耐性が向上する。
【0070】
なお、本変形例に係る容量素子は、上述した構成例と同様に、アレイ状に配置することができ、また、直列配置することできる。さらに、直列配置した構成を基本構造として、アレイ状に配置することができる。
【0071】
(第2実施形態)
図12および図13は第2実施形態に係る容量素子のレイアウト構造の例を示す図であり、図12は平面図、図13は平面視横方向における断面図である。具体的には、図12(a)は下部を示し、図12(b)は上部を示す。図13は線X1-X1’の断面である。
【0072】
また、図14図12および図13に示す容量素子の構成を示す回路図である。本実施形態に係る半導体集積回路装置は、図14に示す容量素子を備える。図14の容量素子は、ノードIN1とノードIN2との間に配置された、P導電型のトランジスタP11,P12およびN導電型のトランジスタN11,N12を備える。トランジスタP11,N11のゲートはノードIN1と接続されている。トランジスタP12,N12のゲートはノードIN2と接続されている。トランジスタP11,P12は一方のノードが互いに接続されている。トランジスタN11,N12は一方のノードが互いに接続されている。すなわち、図14の容量素子は、ノードIN1とノードIN2との間に設けられた、トランジスタP11,P12,N11,N12を備える容量構造を備える。
【0073】
図14の構成では、トランジスタP11,P12,N11,N12に印加される電圧は、ノードIN1-IN2間の電圧の1/2となる。このため、この容量素子は、トランジスタP11,P12,N11,N12の耐圧よりも高い電圧を印加可能になる。
【0074】
第1実施形態では、トランジスタP11,P12はY方向に並べて配置されており、ノードがローカル配線によって接続されていた。トランジスタN11,N12も同様に、Y方向に並べて配置されており、ノードがローカル配線によって接続されていた。これに対して本実施形態では、トランジスタP11,P12はX方向に並べて配置されており、ノードの一方を共有している。トランジスタN11,N12も同様に、X方向に並べて配置されており、ノードの一方を共有している。
【0075】
図12および図13に示すように、容量素子の下部には、X方向に同一直線上に延びるナノワイヤ121a,121bが形成されており、容量素子の上部には、X方向に同一直線上に延びるナノワイヤ126a,126bが形成されている。ナノワイヤ121a,126aは平面視で重なっており、ナノワイヤ121b,126bは平面視で重なっている。ゲート配線131,132はZ方向に延びており、下部から上部にかけて、並列に形成されている。ゲート配線131は、トランジスタP11,N11のゲートとなる。ゲート配線132は、トランジスタP12,N12のゲートとなる。また、容量素子のX方向における両端に、ダミーゲート配線133a,133bが形成されている。ダミーゲート配線133a,133bは、ゲート配線131,132と同様に、Z方向に延びている。
【0076】
ナノワイヤ121aの図面左端に、P型半導体がドーピングされたパッド122aが形成されている。ナノワイヤ121a,121bの間に、P型半導体がドーピングされたパッド122bが形成されている。ナノワイヤ121bの図面右端に、P型半導体がドーピングされたパッド122cが形成されている。ナノワイヤ121a,121bがトランジスタP11,P12のチャネル部をそれぞれ構成する。パッド122a,122bがトランジスタP11のノードを構成する。パッド122b,122cがトランジスタP12のノードを構成する。すなわち、パッド122bはトランジスタP11,P12によって共有されており、トランジスタP11,P12は一方のノードが接続されている。
【0077】
ナノワイヤ126aの図面左端に、N型半導体がドーピングされたパッド127aが形成されている。ナノワイヤ126a,126bの間に、N型半導体がドーピングされたパッド127bが形成されている。ナノワイヤ126bの図面右端に、N型半導体がドーピングされたパッド127cが形成されている。ナノワイヤ126a,126bがトランジスタN11,N12のチャネル部をそれぞれ構成する。パッド127a,127bがトランジスタN11のノードを構成する。パッド127b,127cがトランジスタN12のノードを構成する。すなわち、パッド127bはトランジスタN11,N12によって共有されており、トランジスタN11,N12は一方のノードが接続されている。
【0078】
すなわち、ナノワイヤ121a、ゲート配線131、およびパッド122a,122bによって、トランジスタP11が構成される。ナノワイヤ121b、ゲート配線132、およびパッド122b,122cによって、トランジスタP12が構成される。ナノワイヤ126a、ゲート配線131、およびパッド127a,127bによって、トランジスタN11が構成される。ナノワイヤ126b、ゲート配線132、およびパッド127b,127cによって、トランジスタN12が構成される。
【0079】
容量素子の下部において、Y方向に延びるローカル配線141,142,143が形成されている。ローカル配線141,142,143は、パッド122a,122b,122cとそれぞれ接続されている。容量セルの上部において、Y方向に延びるローカル配線146,147,148が形成されている。ローカル配線146,147,148は、パッド127a,127b,127cとそれぞれ接続されている。
【0080】
金属配線層であるM1配線層に、X方向に同一直線上に延びる配線161,162が形成されている。配線161はノードIN1に対応しており、配線162はノードIN2に対応している。配線161は、コンタクト151を介して、ゲート配線131と接続されている。配線162は、コンタクト152を介して、ゲート配線132と接続されている。
【0081】
以上のように本例によると、平面視で重なっており、ゲート同士が接続されたトランジスタP11,N11と、平面視で重なっており、ゲート同士が接続されたトランジスタP12,N12とを用いて、容量素子が形成される。また、トランジスタP11,P12がX方向に並んで配置され、一方のノードを共有しており、トランジスタN11,N12がX方向に並んで配置され、一方のノードを共有している。このため、第1実施形態と比べて、容量素子がさらに小面積になる。
【0082】
(アレイ配置)
図15は本実施形態に係る容量素子のレイアウト構造の他の例を示す平面図であり、(a)は下部を示し、(b)は上部を示す。図15のレイアウト構造は、図12の容量構造を(2×2)個、アレイ状に配置したものに相当する。X方向に並ぶ容量構造は、隣り合うトランジスタが一方のノードを共有している。Y方向に並ぶ容量構造は、隣り合うトランジスタが、ゲート配線を共有しており、かつ、両方のノードがローカル配線によって接続されている。
【0083】
図16図15に示す容量素子の構成を示す回路図である。ただし、図16の回路図では、Y方向に並ぶ2個のトランジスタを、1個のトランジスタとして表している。ノードIN1とノードIN2との間に、P導電型のトランジスタP11,P12,P13,P14およびN導電型のトランジスタN11,N12,N13,N14を備える。トランジスタP11,P13,N11,N13のゲートはノードIN1と接続されている。トランジスタP12,P14,N12,N14のゲートはノードIN2と接続されている。トランジスタP11,P12は一方のノードが互いに接続されている。トランジスタP12,P13は一方のノードが互いに接続されている。トランジスタP13,P14は一方のノードが互いに接続されている。トランジスタN11,N12は一方のノードが互いに接続されている。トランジスタN12,N13は一方のノードが互いに接続されている。トランジスタN13,N14は一方のノードが互いに接続されている。
【0084】
図15において、ゲート配線134,135,136,137は、Y方向およびZ方向に延びている。ゲート配線134は、トランジスタP11,N11に共有されており、トランジスタP11,N11のゲートとなる。同様に、ゲート配線135は、トランジスタP12,N12のゲートとなり、ゲート配線136は、トランジスタP13,N13のゲートとなり、ゲート配線137は、トランジスタP14,N14のゲートとなる。
【0085】
金属配線層であるM1配線層に、X方向に延びる配線163,164が形成されている。配線163はノードIN1に対応しており、配線164はノードIN2に対応している。配線163は、コンタクト153,154を介して、ゲート配線134,136と接続されている。配線164は、コンタクト155,156を介して、ゲート配線135,137と接続されている。
【0086】
なお、アレイ状に配置する容量構造の個数は、(2×2)に限られるものではない。例えば、X方向に3個以上配置してもよい。この場合、X方向に並べる容量構造は、隣り合うトランジスタの一方のノードを共有させればよい。また、Y方向に3個以上配置してもよい。この場合、Y方向に並べる容量構造は、隣り合うトランジスタについて、ゲート配線を共有させるとともに、両方のノードをローカル配線によって接続すればよい。また、X方向またはY方向に配置する基本素子の個数を1個としてもよい。
【0087】
(第3実施形態)
図17および図18は第3実施形態に係る容量素子のレイアウト構造の例を示す図であり、図17は平面図、図18は平面視縦方向における断面図である。具体的には、図17(a)は下部を示し、図17(b)は上部を示す。図18(a)は線Y1-Y1’の断面、図18(b)は線Y2-Y2’の断面である。
【0088】
また、図19図17および図18に示す容量素子の構成を示す回路図である。本実施形態に係る半導体集積回路装置は、図19に示す容量素子を備える。図19の容量素子は、ノードIN1とノードIN2との間に配置された、P導電型のトランジスタP11およびN導電型のトランジスタN11を備える。トランジスタP11,N11は、ゲート同士が接続されている。トランジスタN11の両方のノードはノードIN1と接続されている。トランジスタP11の両方のノードはノードIN2と接続されている。ノードIN1,IN2は、例えば、信号が与えられる。あるいは、ノードIN1,IN2は、電源線と接続される。この場合は、容量素子は電源間容量として機能する。
【0089】
図19の構成では、トランジスタP11,N11に印加される電圧は、ノードIN1-IN2間の電圧の1/2となる。このため、この容量素子は、トランジスタP11,N11の耐圧よりも高い電圧が印加可能になる。
【0090】
図17および図18に示すように、容量素子の下部には、X方向に延びるナノワイヤ221が形成されており、容量素子の上部には、X方向に延びるナノワイヤ226が形成されている。ナノワイヤ221,226は平面視で重なっている。ゲート配線231は、Z方向に延びており、下部から上部にかけて形成されている。ゲート配線231は、トランジスタP11,N11のゲートとなる。また、容量素子のX方向における両端に、ダミーゲート配線232a,232bが形成されている。ダミーゲート配線232a,232bは、ゲート配線231と同様に、Z方向に延びている。
【0091】
ナノワイヤ221の両端にそれぞれ、P型半導体がドーピングされたパッド222a,222bが形成されている。ナノワイヤ221がトランジスタP11のチャネル部を構成する。パッド222a,222bがトランジスタP11のノードを構成する。ナノワイヤ226の両端にそれぞれ、N型半導体がドーピングされたパッド227a,227bが形成されている。ナノワイヤ226がトランジスタN11のチャネル部を構成する。パッド227a,227bがトランジスタN11のノードを構成する。
【0092】
すなわち、ナノワイヤ221、ゲート配線231、およびパッド222a,222bによって、トランジスタP11が構成される。ナノワイヤ226、ゲート配線231、およびパッド227a,227bによって、トランジスタN11が構成される。
【0093】
下部において、Y方向に延びるローカル配線241,242が形成されている。ローカル配線241はパッド222aと接続されており、ローカル配線242はパッド222bと接続されている。上部において、Y方向に延びるローカル配線243,244が形成されている。ローカル配線243はパッド227aと接続されており、ローカル配線244はパッド227bと接続されている。
【0094】
金属配線層であるM1配線層に、X方向に延びる配線261,262が形成されている。配線261はノードIN1に対応しており、配線262はノードIN2に対応している。配線261は、コンタクト253を介して、ローカル配線243と接続されており、かつ、コンタクト254を介して、ローカル配線244と接続されている。配線262は、コンタクト251を介して、ローカル配線241と接続されており、かつ、コンタクト252を介して、ローカル配線242と接続されている。ただし、ローカル配線243,244は、ローカル配線241,242よりも短い。
【0095】
以上のように本例によると、平面視で重なっており、ゲート同士が接続されたトランジスタP11,N11を用いて、容量素子が形成される。また、Z方向に延びる単一のゲート配線231がトランジスタP11,N11のゲートになるため、レイアウト上で、トランジスタP11,N11のゲート同士を接続するための配線が不要である。このため、半導体集積回路装置の小面積化が実現できる。
【0096】
なお、上述した構成では、トランジスタP11は両方のノードがノードIN2と接続されているものとしたが、一方のノードのみがノードIN2と接続されていてもよい。また、トランジスタN11は両方のノードがノードIN1と接続されているものとしたが、一方のノードのみがノードIN1と接続されていてもよい。
【0097】
(直列配置)
図20および図21は第3実施形態に係る容量素子のレイアウト構造の他の例を示す図であり、図20は平面図、図21は平面視縦方向における断面図である。具体的には、図20(a)は下部を示し、図20(b)は上部を示す。図21(a)は線Y1-Y1’の断面、図21(b)は線Y2-Y2’の断面である。図20および図21のレイアウト構造は、図17および図18のレイアウト構造を2個、Y方向に並べて配置したものに相当する。図20および図21において、図17および図18と共通の構成要素には同一の符号を付しており、ここではその説明を省略する場合がある。
【0098】
図22図20および図21に示す容量素子の構成を示す回路図である。図22の容量素子は、ノードIN1とノードIN2との間に、図19の容量素子が2段、直列に接続されて配置されたものに相当する。トランジスタP11,N11は、ゲート同士が接続されている。トランジスタP12,N12は、ゲート同士が接続されている。トランジスタP11,P12は、両方のノードが互いに接続されている。トランジスタN11の両方のノードはノードIN1と接続されている。トランジスタN12の両方のノードはノードIN2と接続されている。すなわち、図22の容量素子は、ノードIN1とノードIN2との間に設けられた、トランジスタP11,P12,N11,N12を備える容量構造を備える。
【0099】
図22の構成では、ノードIN1-IN2間にトランジスタが4段接続されている。すなわち、トランジスタP11,P12,N11,N12に印加される電圧は、ノードIN1-IN2間の電圧の1/4となる。このため、この容量素子は、トランジスタP11,P12,N11,N12の耐圧よりも高い電圧を印加可能になる。
【0100】
図20および図21に示すように、容量素子の下部には、X方向に延びるナノワイヤ223が形成されており、容量素子の上部には、X方向に延びるナノワイヤ228が形成されている。ナノワイヤ223,228は平面視で重なっている。ゲート配線233は、Z方向に延びており、下部から上部にかけて形成されている。ゲート配線233は、トランジスタP12,N12のゲートとなる。また、容量素子のX方向における両端に、ダミーゲート配線234a,234bが形成されている。ダミーゲート配線234a,234bは、ゲート配線233と同様に、Z方向に延びている。
【0101】
ナノワイヤ223の両端にそれぞれ、P型半導体がドーピングされたパッド224a,224bが形成されている。ナノワイヤ223がトランジスタP12のチャネル部を構成する。パッド224a,224bがトランジスタP12のノードを構成する。ナノワイヤ228の両端にそれぞれ、N型半導体がドーピングされたパッド229a,229bが形成されている。ナノワイヤ228がトランジスタN12のチャネル部を構成する。パッド229a,229bがトランジスタN12のノードを構成する。
【0102】
すなわち、ナノワイヤ223、ゲート配線233、およびパッド224a,224bによって、トランジスタP12が構成される。ナノワイヤ228、ゲート配線233、およびパッド229a,229bによって、トランジスタN12が構成される。
【0103】
下部において、ローカル配線241はパッド222a,224aと接続されており、ローカル配線242はパッド222b,224bと接続されている。ローカル配線241,242はコンタクトと接続されていない。上部において、Y方向に延びるローカル配線245,246が形成されている。ローカル配線245はパッド229aと接続されており、ローカル配線246はパッド229bと接続されている。
【0104】
配線262は、コンタクト255を介して、ローカル配線245と接続されており、かつ、コンタクト256を介して、ローカル配線246と接続されている。配線262は、ローカル配線241,242とは接続されていない。
【0105】
以上のように本例によると、平面視で重なっており、ゲート同士が接続されたトランジスタP11,N11と、平面視で重なっており、ゲート同士が接続されたトランジスタP12,N12とを用いて、容量素子が形成される。また、Z方向に延びる単一のゲート配線231がトランジスタP11,N11のゲートになり、Z方向に延びる単一のゲート配線233がトランジスタP12,N12のゲートになるため、レイアウト上で、トランジスタP11,N11のゲート同士を接続するための配線、および、トランジスタP12,N12のゲート同士を接続するための配線が不要である。さらに、トランジスタP11,P12のノード同士の接続がローカル配線241,242によって実現される。このため、半導体集積回路装置の小面積化が実現できる。
【0106】
なお、上述した構成では、トランジスタN11は両方のノードがノードIN1と接続されているものとしたが、一方のノードのみがノードIN1と接続されていてもよい。また、トランジスタN12は両方のノードがノードIN2と接続されているものとしたが、一方のノードのみがノードIN2と接続されていてもよい。また、トランジスタP11,P12は両方のノードが互いに接続されているものとしたが、一方のノードのみが互いに接続されていてもよい。
【0107】
なお、ノードIN1,IN2間において、P型トランジスタとN型トランジスタを入れ替えて、P型トランジスタのノードをノードIN1,IN2と接続するように構成してもかまわない。ただし、この場合は、ノードIN1,IN2に対応する配線との接続を簡易に構成するために、P型トランジスタを上部に配置することが好ましい。
【0108】
(直列配置&アレイ配置)
図23は本実施形態に係る容量素子のレイアウト構造の他の例を示す平面図であり、(a)は下部を示し、(b)は上部を示す。図23のレイアウト構造は、図20の容量構造を(2×2)個、アレイ状に配置したものである。X方向に並ぶ容量構造は、隣り合うトランジスタが、一方のノードを共有している。Y方向に並ぶ容量構造は、上部において、隣り合うトランジスタが両方のノードを共有している。
【0109】
図24図23に示す容量素子の構成を示す回路図である。図24の容量素子は2個のノードIN1に接続されている。一方のノードIN1とノードIN2との間に、P導電型のトランジスタP11~P14およびN導電型のトランジスタN11~N14を備える。トランジスタN11,N13の両方のノードはノードIN1と接続されており、トランジスタN12,N14の両方のノードはノードIN2と接続されている。トランジスタN11,P11はゲート同士が接続されており、トランジスタN13,P13はゲート同士が接続されている。トランジスタP11,P12は両方のノードが互いに接続されている。トランジスタP13,P14は両方のノードが互いに接続されている。トランジスタP11,P13は一方のノードを共有しており、トランジスタP12,P14は一方のノードを共有している。トランジスタP12,N12はゲート同士が接続されており、トランジスタP14,N14はゲート同士が接続されている。
【0110】
また、他方のノードIN1とノードIN2との間に、P導電型のトランジスタP21~P24およびN導電型のトランジスタN21~N24を備える。トランジスタP21~P24,N21~N24の接続関係は、トランジスタP11~P14,N11~N18の接続関係と同様であり、ここではその詳細な説明を省略する。
【0111】
図23において、トランジスタP11,P13はパッド225aを共有している。同様に、トランジスタP12,P14はパッド225bを共有しており、トランジスタP21,P23はパッド225cを共有しており、トランジスタP22,P24はパッド225dを共有している。同様に、トランジスタN11,N13はパッド225eを共有しており、トランジスタN12,N14はパッド225fを共有しており、トランジスタN21,N23はパッド225gを共有しており、トランジスタN22,N24はパッド225hを共有している。
【0112】
金属配線層であるM1配線層に、X方向に延びる配線263a,263b,264が形成されている。配線263a,263bはノードIN1に対応しており、配線264はノードIN2に対応している。なお、配線263a,263bは図示しない上層配線によって互いに接続されている。配線263aは、コンタクト257a,257b,257cを介して、トランジスタN11,N13のノードに接続されたローカル配線247a,247b,247cと接続されている。配線263bは、コンタクト257d,257e,257fを介して、トランジスタN22,N24のノードに接続されたローカル配線248a,248b,248cと接続されている。配線264は、コンタクト258a,258b,258cを介して、トランジスタN12,N14,N21,N23のノードに接続されたローカル配線249a,249b,249cと接続されている。
【0113】
なお、アレイ状に配置する容量構造の個数は、(2×2)に限られるものではない。例えば、X方向に3個以上配置してもよい。この場合、X方向に並べる容量構造は、隣り合うトランジスタの一方のノードを共有すればよい。また、Y方向に3個以上配置してもよい。この場合、Y方向に並べる容量構造は、上部において隣り合うトランジスタのノードを共有すればよい。また、X方向またはY方向に配置する基本素子の個数を1個としてもよい。
【0114】
(他の実施形態)
上述の各実施形態では、下部にP型トランジスタを形成し、上部にN型トランジスタを形成するものとしたが、これとは逆に、下部にN型トランジスタを形成し、上部にP型トランジスタを形成するものとしてもかまわない。
【0115】
また、下部および上部において、同じ導電型のトランジスタを形成してもよい。すなわち、本開示に係る容量素子は、P型トランジスタのみによって構成してもよいし、N型トランジスタのみによって構成してもよい。ただし、半導体集積回路装置は、通常のCFETすなわち、深さ方向において上下に形成されるP型トランジスタおよびN型トランジスタによって、回路機能が実現される。
【0116】
この場合、半導体集積回路装置は、例えば次のように製造すればよい。いま、上部はN型トランジスタが形成されており、下部は、通常の回路部ではP型トランジスタが形成されており、容量素子のみN型トランジスタが形成されるものとする。この場合、下部におけるトランジスタを形成する際に、容量素子の部分をマスクして他の部分をP導電型にドーピングする。その後、容量素子以外の部分をマスクして、N導電型にドーピングする。
【0117】
なお、上述の各実施形態では、トランジスタは1本のナノワイヤを備えるものとしたが、トランジスタの一部または全部は、複数本のナノワイヤを備えてもよい。この場合、平面視でY方向において複数本のナノワイヤを設けてもよいし、Z方向において複数本のナノワイヤを設けてもよい。また、Y方向およびZ方向の両方においてそれぞれ複数本のナノワイヤを設けてもよい。また、セルの上部と下部とにおいて、トランジスタが備えるナノワイヤの本数が異なっていてもよい。
【0118】
また、上述の各実施形態では、ナノワイヤの断面形状はほぼ正方形としているが、これに限られるものではない。例えば、円形や長方形であってもよい。
【0119】
また、上述の各実施形態では、立体構造トランジスタとしてナノワイヤFETを例にとって説明を行ったが、これに限られるものではない。例えば、セルの下部に形成されるトランジスタは、フィン型トランジスタであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本開示では、CFETを用いて、高耐圧でありかつ小面積の容量素子を実現することができるので、例えば半導体チップの性能向上に有用である。
【符号の説明】
【0121】
IN1 第1ノード
IN2 第2ノード
P**,N**(*は数字) トランジスタ
31,32 ゲート配線
41,42,43,44 ローカル配線
53,54 コンタクト
131,132 ゲート配線
231,233 ゲート配線
241,242,243,244 ローカル配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28