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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】排気装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
F24F7/06 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022188577
(22)【出願日】2022-11-25
(65)【公開番号】P2024076804
(43)【公開日】2024-06-06
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】松島 潤治
(72)【発明者】
【氏名】大塚 啓右
(72)【発明者】
【氏名】ミシ,アブダラー
(72)【発明者】
【氏名】葛西 勝哉
(72)【発明者】
【氏名】前田 敏行
(72)【発明者】
【氏名】津田 哲志
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-127934(JP,U)
【文献】特開2006-090625(JP,A)
【文献】特開2002-081701(JP,A)
【文献】特開平09-014690(JP,A)
【文献】特開平10-274425(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00-13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内空気の温度調整を行う空調室内機(3)に室内において隣接配置され、前記室内から室外へと室内空気を排気させる排気装置(101)であって、
上面に第1吸込口(12a)が形成されているケーシング(12)と、
前記ケーシング内に収容されている送風機(13)と、
を備え、
上面視において、前記第1吸込口は、前記ケーシングの第1側面(S1)側に寄っており、前記送風機は、前記第1側面に対向する面である前記ケーシングの第2側面(S2)側に寄っている、
排気装置。
【請求項2】
上面視において、前記第1吸込口と前記送風機とは重ならない、
請求項1に記載の排気装置。
【請求項3】
上面視において、前記第1吸込口は、その全体が前記上面の中心よりも前記第1側面側に位置している、
請求項1又は2に記載の排気装置。
【請求項4】
前記送風機のハウジング(131)は、前記第1吸込口から前記ケーシング内に入った室内空気を吸い込む第2吸込口(137)が形成されているベルマウス(139)、を有し、
上面視において、前記ベルマウスは、前記上面の中心よりも前記第2側面側に配置されている、
請求項3に記載の排気装置。
【請求項5】
記第1吸込口は、前記空調室内機に近い側に配置され、
前記送風機は、前記空調室内機から遠い側に配置されている、
請求項1又は2に記載の排気装置。
【請求項6】
前記排気装置は、前記空調室内機から給電される、
請求項1又は2に記載の排気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
排気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排気機能を備える空気調和装置が知られている。例えば、特許文献1(特許第7135241号公報)に記載されている空気調和装置には、室内機の側面に隣接して排気装置が配置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
排気装置は室内機とともに室内に配置されるため、異音が問題となる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点の排気装置は、室内から室外へと室内空気を排気させる排気装置である。排気装置は、ケーシングと、送風機と、を備える。ケーシングは、上面に第1吸込口が形成されている。送風機は、ケーシング内に収容されている。上面視において、第1吸込口は、ケーシングの第1側面側に寄っている。送風機は、ケーシングの第2側面側に寄っている。ケーシングの第2側面は、第1側面に対向する面である。
【0005】
第1吸込口と送風機とが近いと、吸い込まれた空気が送風機に当たり、異音が発生する。
【0006】
第1観点の排気装置では、上面視において、第1吸込口は、ケーシングの第1側面側に寄っており、送風機は、ケーシングの第1側に対向する面である第2側面側に寄っている。そのため、異音の発生を抑制することができる。
【0007】
第2観点の排気装置は、第1観点の排気装置であって、上面視において、第1吸込口と送風機とは重ならない。
【0008】
ここでは、異音の発生をさらに抑制することができる。
【0009】
第3観点の排気装置は、第1観点または第2観点の排気装置であって、上面視において、第1吸込口は、その全体が上面の中心よりも第1側面側に位置している。
【0010】
ここでは、上面視において、第1吸込口と送風機との重なりを低減できる。
【0011】
第4観点の排気装置は、第1観点~第3観点のいずれかの排気装置であって、送風機のハウジングは、ベルマウスを有する。ベルマウスは、第2吸込口が形成されている。第2吸込口は、第1吸込口からケーシング内に入った室内空気を吸い込む。上面視において、ベルマウスは、上面の中心よりも第2側面側に配置されている。
【0012】
ここでは、吸い込まれた空気をスムーズに送風機に送り込むことができる。
【0013】
第5観点の排気装置は、第1観点~第4観点のいずれかの排気装置であって、室内空気の温度調整を行う空調室内機に隣接配置される。吸込口は、空調室内機に近い側に配置される。送風機は、空調室内機から遠い側に配置される。
【0014】
ここでは、送風機が室内機から離れていることにより、送風機振動が空調室内機に与える影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】空気調和装置の外観図である。
図2】空気調和装置の冷媒回路および空気の流れを示す図である。
図3】空調室内機と排気装置との斜視図である。
図4】排気装置の分解模式図である。
図5】送風機の正面図である。
図6】送風機の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(1)全体構成
図1は、一実施形態に係る排気装置101を含む空気調和装置100の外観図である。図2は、空気調和装置100の冷媒回路10および空気の流れを示す図である。なお、図2は概念図であり、上下左右は合っていない。
【0017】
空気調和装置100は、蒸気圧縮式の冷媒サイクルによって、対象空間SPである建物等の室内の空調を行う。図1に示すように、空気調和装置100は、熱源ユニット2と、空調室内機3と、液冷媒連絡管5と、ガス冷媒連絡管6と、リモコン8と、制御部(図示せず)と、排気装置101と、を有している。
【0018】
液冷媒連絡管5およびガス冷媒連絡管6は、熱源ユニット2と、空調室内機3とを接続する。熱源ユニット2内の機器および冷媒配管と、空調室内機3内の機器および冷媒配管と、液冷媒連絡管5と、ガス冷媒連絡管6とは、冷媒配管により環状に接続されており、冷媒回路10を構成する。冷媒回路10は、内部に冷媒が封入されている。
【0019】
(2)詳細構成
(2-1)熱源ユニット
熱源ユニット2は、室外(建物の屋上や建物の外壁面近傍等)に設置されている。図2に示すように、熱源ユニット2は、主として、圧縮機21と、四路切換弁23と、熱源熱交換器24と、熱源膨張弁25と、熱源ファン26と、を有している。
【0020】
(2-1-1)圧縮機
圧縮機21は、冷媒回路10において、低圧の冷媒を吸入側の冷媒配管21aから吸入して、高圧になるまで圧縮した後、吐出側の冷媒配管21bに吐出する。
【0021】
(2-1-2)四路切換弁
四路切換弁23は、冷媒回路10において、冷媒の流れの方向を切り換える。四路切換弁23は、第1ポートP1と、第2ポートP2と、第3ポートP3と、第4ポートP4と、を有する。四路切換弁23は、制御部により、第1ポートP1と第4ポートP4が互いに連通して第2ポートP2と第3ポートP3が互いに連通する第1状態と、第1ポートP1と第2ポートP2が互いに連通して第3ポートP3と第4ポートP4が互いに連通する第2状態との間で切り換えられる。
【0022】
第1ポートP1は、圧縮機21の吐出側の冷媒配管21bに接続されている。第2ポートP2は、熱源熱交換器24のガス側に接続されている。第3ポートP3は、圧縮機21の吸入側の冷媒配管21aに接続されている。第4ポートP4は、ガス冷媒連絡管6に接続されている。
【0023】
(2-1-3)熱源熱交換器
熱源熱交換器24は、冷媒回路10において、冷媒と室外の空気との熱交換を行う熱交換器である。熱源熱交換器24の一端は、熱源膨張弁25に接続されている。熱源熱交換器24の他端は、四路切換弁23の第2ポートP2に接続されている。
【0024】
(2-1-4)熱源膨張弁
熱源膨張弁25は、冷媒回路10において、冷媒を減圧する膨張機構である。熱源膨張弁25は、液冷媒連絡管5と、熱源熱交換器24の液側との間に設けられる。熱源膨張弁25は、開度制御が可能な電動膨張弁である。熱源膨張弁25の開度は、制御部により制御される。
【0025】
(2-1-5)熱源ファン
熱源ファン26は、気流を生成し、室外の空気を熱源熱交換器24に供給する。熱源ファン26が室外の空気を熱源熱交換器24に供給することにより、熱源熱交換器24内の冷媒と室外の空気との熱交換が促される。熱源ファン26は、熱源ファンモータ26aによって回転駆動される。熱源ファン26の風量は、制御部が熱源ファンモータ26aの回転数を変えることにより制御される。
【0026】
(2-2)空調室内機
空調室内機3は、室内空気の温度調整を行う。空調室内機3は、対象空間SPである室内において壁に掛けて設置される壁掛け型の空調室内機である。空調室内機3は、主として、利用熱交換器31と、利用ファンロータ32と、を有している。
【0027】
(2-2-1)利用熱交換器
利用熱交換器31は、冷媒回路10において、冷媒と室内の空気との熱交換を行う。利用熱交換器31の一端は、液冷媒連絡管5に接続されている。利用熱交換器31の他端は、ガス冷媒連絡管6に接続されている。利用熱交換器31は、限定するものではないが、例えば、伝熱管と伝熱フィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。
【0028】
利用熱交換器31は、利用ファンロータ32が生成する気流の流路に配置される。具体的には、図2に示されるように、利用熱交換器31の前方および上方を覆うように配置される。
【0029】
(2-2-2)利用ファンロータ
利用ファンロータ32は、気流を生成する送風装置である。利用ファンロータ32が気流を生成することで、室内の空気が利用熱交換器31を通過する。室内の空気が利用熱交換器31を通過することにより、利用熱交換器31の冷媒と室外の空気との熱交換が促される。
【0030】
利用ファンロータ32は、クロスフローファンである。利用ファンロータ32は、利用ファンモータ32aによって回転駆動される。利用ファンロータ32の風量は、制御部により利用ファンモータ32aの回転数を変えることにより制御される。
【0031】
利用ファンロータ32が作動すると、図1及び図2において点線の矢印で示されているように、空調室内機3の上方空間から吸込口34aを通じて室内の空気がケーシング内に吸い込まれ、利用熱交換器31を通って熱交換された後、ケーシングの下部に形成された吹出口34bから室内へと流れていく。
【0032】
(2-3)リモコン
リモコン8は、ユーザーから暖房運転、冷房運転、加湿運転、などの空調運転の実行指示、空気調和装置100の停止指示、並びに設定湿度などの設定値を受け付け、受け付けた結果を制御信号として制御部に送信する。制御部は、受信した設定値を記憶装置に記録する。
【0033】
(2-4)制御部
制御部は、主に、圧縮機21と、四路切換弁23と、熱源膨張弁25と、熱源ファンモータ26aと、利用ファンモータ32aと、リモコン8と、接続されている。
【0034】
圧縮機21と、四路切換弁23と、熱源膨張弁25と、熱源ファンモータ26aと、利用ファンモータ32aと、をそれぞれ運転制御することで、制御部は冷媒回路10を制御する。
【0035】
制御部は、典型的には、制御演算装置と、記憶装置と(いずれも図示省略)、を備えるコンピュータにより実現される。制御演算装置は、CPUまたはGPUといったプロセッサである。制御演算装置は、記憶装置に記憶されている制御プログラムを読み出し、この制御プログラムにしたがって運転制御を行う。さらに、制御演算装置は、制御プログラムしたがって、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
【0036】
なお、制御部は、互いに制御信号を送受信可能な通信線で接続された、熱源ユニット2の内部に設けられた室外制御部と、空調室内機3の内部に設けられた室内制御部とにより構成されている。
【0037】
(3)排気装置
排気装置101は、室内から室外へと室内空気を排気させる。
【0038】
図3および図4に示すように、排気装置101は、空調室内機3の正面視において右側の側面に隣接して配置される。排気装置101は、ケーブル(図示省略)を介して空調室内機3と接続されている。排気装置101は、空調室内機3から給電される。
【0039】
排気装置101は、ケーシング12と、送風機13と、を有する。
【0040】
以下、上面視とは、排気装置101のケーシング12を真上から見ることを意味する。上面の中心Cとは、ケーシング12の水平方向における中心、つまりケーシング12の幅方向における中心を意味する。
【0041】
(3-1)ケーシング
ケーシング12は、第1側面S1と、第2側面S2と、第1吸込口12aと、排気口12bを有する。第1側面S1は、空調室内機3の側面に対して隙間を空けて互いに鉛直方向に延びる面である。第2側面S2は、第1側面S1に対向する面である。
【0042】
第1吸込口12aは、ケーシング12の上面に形成されている。室内空気は、第1吸込口12aを通って、排気装置101内に取込まれる。
【0043】
第1吸込口12aは、上面視において、ケーシング12の第1側面S1側に寄っている。第1吸込口12aは、上面視において、その全体が上面の中心Cよりも第1側面S1側に位置している。したがって、第1吸込口12aは、送風機13よりも空調室内機3に近い側に配置される。
【0044】
第1吸込口12aには、フィルタ(図示省略)が配置されている。フィルタはたとえば、材質がPE(ポリエチレン)のメッシュである。フィルタは、第1吸込口12aから吸い込まれる空気中の塵埃を捕集する。
【0045】
排気口12bは、ケーシング12の後面に配置される。
【0046】
排気口12b、排気口12bから室外へと延びるホース46、及び、屋外排気口43cは、排気流路51を形成している。
【0047】
(3-2)送風機
送風機13は、ケーシング12内に収容されている。
【0048】
送風機13は、上面視において、ケーシング12の第2側面S2側に寄っている。送風機13は、上面視において、上面の中心Cよりも第2側面S2側に配置される。したがって、送風機13は、第1吸込口12aよりも空調室内機3から遠い側に配置される。送風機13は、上面視において、第1吸込口12aと重ならない。
【0049】
送風機13は、たとえばシロッコファンである。しかしながら、送風機13は、特にこれに限定されない。送風機13は、たとえば、ターボファン、クロスフローファンなどでもよい。以下、送風機13がシロッコファンである場合について説明する。
【0050】
図5および図6に示すように、送風機13は、ハウジング131と、ファンロータ132と、モータ50と、を有する。
【0051】
ハウジング131の頭頂部は、ケーシング12の上面近傍にある。ハウジング131は、ベルマウス139と、第2吸込口137と、突出部136と、吹出口138と、ファン収容部135と、スクロール面131aと、を有する。ハウジング131の素材は特に限定されないが、たとえば板金である。
【0052】
ベルマウス139は、ファン収容部135の第1側面S1側の側面に形成されている。ベルマウス139は、ハウジング131と一体に成形されている。ベルマウス139の内部には、第2吸込口137が形成されている。第2吸込口137の内周縁部は、回転軸141の軸方向において、第2側面S2側から第1側面S1側に向かうにつれて内径を拡大させるようなラッパ形状に構成されている。ベルマウス139は、上面視において、上面の中心Cよりも第2側面側に配置されている。ベルマウス139は、ファンロータ132への空気の吸い込みを促す。
【0053】
第2吸込口137は、第1吸込口12aからケーシング12内に入った室内空気を吸い込む。
【0054】
突出部136は、吹出口138を構成する。
【0055】
吹出口138は、ケーシング12の排気口12bに接続される。吹出口138は、後面側あるいは後面側かつ斜め下方に向く。吹出口138は、吸い込まれた室内空気を吹き出す。
【0056】
ファン収容部135は、ファンロータ132を収容する。
【0057】
スクロール面131aは、ファンロータ132の周方向に沿った曲面である。
【0058】
ファンロータ132は、複数の羽140と、複数の羽140を支持する円板(図示せず)と、回転軸141と、を有する。
【0059】
複数の羽140は、円板の外周に沿って等間隔に配置されている。複数の羽140は、外形が円筒状に形成される。
【0060】
回転軸141の一端は、円板の中心に配置されている。回転軸141の他端は、モータ50の軸心部に連結されている。
【0061】
モータ50は、ファンロータ132の径方向内側部に配置されている。モータ50は、ケーシング12の第2側面S2を向くように配置されている。
【0062】
(4)運転動作
次に、制御部が実行する空調運転である、暖房運転、冷房運転、および排気運転について説明する。
【0063】
(4-1)暖房運転
制御部は、リモコン8から暖房運転の実行指示についての制御信号を受信すると暖房運転を開始する。暖房運転に際して、制御部は、四路切換弁23を第1状態へ切り換える(図2の破線参照)。さらに、制御部は、熱源膨張弁25を、リモコン8から受信した設定温度に対応する開度とし、圧縮機21を運転し、利用ファンロータ32を回転駆動する。これにより、熱源熱交換器24が冷媒の蒸発器として機能し、かつ、利用熱交換器31が冷媒の凝縮器として機能する。
【0064】
(4-2)冷房運転
制御部は、リモコン8から冷房運転の実行指示についての制御信号を受信すると冷房運転を開始する。冷房運転に際して、制御部は、四路切換弁23を第2状態へ切り換える(図2の実線参照)。さらに、制御部は、熱源膨張弁25を、リモコン8から受信した設定温度に対応する開度とし、圧縮機21を運転し、利用ファンロータ32を回転駆動する。これにより、熱源熱交換器24が冷媒の凝縮器として機能し、かつ、利用熱交換器31が冷媒の蒸発器として機能する。
【0065】
(4-3)排気運転
制御部は、リモコン8から排気運転の実行指示についての制御信号を受信すると排気運転を開始する。
【0066】
図1に示すように、空調室内機3の隣には排気装置101が配置されている。排気装置101のファンロータ132が駆動されることによって空気流が生成される。ファンロータ132は、回転軸141を中心に回転することで、第1吸込口12aから室内空気をケーシング内に吸い込む。ファンロータ132はさらに、第2吸込口137からハウジング131内に空気を吸い込む。ファンロータ132の回転によって第2吸込口137から吸込まれた空気は、ハウジング131のスクロール面131aの内壁に沿って流れ、吹出口138に導かれる。導かれた空気は、排気口12b、ホース46、および屋外排気口43cから形成される排気流路51を通って排気される。このように、屋内の空気が排気装置101内に取込まれ、屋外に排出される。
【0067】
換気運転は排気装置101単体で実行することができるため、排気運転が実行されている間であっても、冷媒回路10は、暖房運転又は冷房運転を実行することができる。
【0068】
(5)特徴
(5-1)
本願発明が生まれる前の従来の排気装置では、上面視において排気装置の吸込口が送風機で塞がれている場合があった。この場合、吸い込まれた空気が送風機に当たり、異音が発生する。
【0069】
ここで、送風機13が第1吸込口12aから離れているほど空気の抵抗が抑制され、空気がスムーズに送風機13に吸い込まれる。上記実施形態の排気装置101では、上面視において、送風機13がケーシング12の第2側面S2側に寄っており、第1吸込口12aがケーシング12の第1側面S1側に寄っているため、送風機13を第1吸込口12aから離すことができる。そのため、送風機13が吸い込まれた空気の抵抗になることが抑制される。その結果、異音の発生を抑制することができる。
【0070】
また、排気装置101の上面における第1吸込口12aの面積を低減できるため、第1吸込口12aに配置するフィルタの面積を低減できる。
【0071】
(5-2)
ここでは、第1吸込口12aと送風機13とは重ならない。そのため、送風機13のハウジング131が吸い込まれた空気の抵抗になることがさらに抑制される。その結果、異音の発生をさらに抑制することができる。
【0072】
また、ハウジング131の頭頂部がケーシング12の上面近傍まで、ハウジング131の高さを高くすることができる。これにより、ファンロータ132の直径を大きくすることができる。
【0073】
(5-3)
ここでは、上面視において、第1吸込口12aは、その全体が上面の中心Cよりも第1側面S1側に位置している。そのため、上面視において、第1吸込口12aと送風機13との重なりを低減できる。
【0074】
(5-4)
ここでは、送風機13のハウジング131は、ベルマウス139を有する。ベルマウス139は、第2吸込口137が形成されている。第2吸込口137は、第1吸込口12aからケーシング12内に入った室内空気を吸い込む。上面視において、ベルマウス139は、上面の中心Cよりも第2側面S2側に配置されている。そのため、吸い込まれた空気をスムーズに送風機13に送り込むことができる。
【0075】
(5-5)
ここでは、室内空気の温度調整を行う空調室内機3に隣接配置される。第1吸込口12aは、空調室内機3に近い側に配置される。送風機13は、空調室内機3から遠い側に配置される。そのため、送風機13が空調室内機3から離れていることにより、送風機13の振動が空調室内機3に与える影響を抑制することができる。
【0076】
(6)変形例
(6-1)変形例A
上記実施形態の排気装置101は、正面視において空調室内機3の右側に配置される。しかしながら、特にこれに限定されない。排気装置101は、正面において空調室内機3の左側に配置されてもよい。
【0077】
(6-2)変形例B
上記実施形態の排気装置101では、排気装置101は空調室内機3から給電され、空調運転時に排気装置101も起動できる。しかしながら、特にこれに限定されない。排気装置101は、排気装置101専用の電源を有してもよい。排気装置101は、空調室内機3の運転に関わらず、独自に操作されてもよい。この場合、排気装置101は、リモコン8とは別に、排気装置101用リモコンを備えてもよい。
【0078】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0079】
3 空調室内機
12 ケーシング
12a 第1吸込口
13 送風機
101 排気装置
131 ハウジング
137 第2吸込口
139 ベルマウス
S1 第1側面
S2 第2側面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【文献】特許第7135241号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6