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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 9/02 20060101AFI20240731BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240731BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240731BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20240731BHJP
【FI】
F21S9/02 120
F21V23/00 120
F21V23/00 170
F21V23/00 200
F21Y115:10
F21Y115:15
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021021013
(22)【出願日】2021-02-12
(65)【公開番号】P2022123603
(43)【公開日】2022-08-24
【審査請求日】2023-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 優
(72)【発明者】
【氏名】冨山 和也
(72)【発明者】
【氏名】世良 大志郎
(72)【発明者】
【氏名】閨谷 渉
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-192168(JP,A)
【文献】特開2016-026373(JP,A)
【文献】特開2019-207806(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 9/02
F21V 23/00
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部、この開口部の一側に設けられる第1側面部と、前記開口部の他側に設けられ前記第1側面部に対向する第2側面部と、前記開口部に対向される背面部とを有する器具本体と;
前記第1側面部に配置される電源部と;
前記第2側面部に配置される信号端子台である第1端子台および電池と
前記背面部に配置される電源端子台である第2端子台と;
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記器具本体の前記開口部を覆う化粧枠と;
前記化粧枠に配置された光源と;
をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の照明装置
【請求項3】
前記第2端子台の少なくとも一部は、前記開口部から前記背面部に向けた正面視において前記電源部と前記第1端子台および前記電池の少なくとも一方との間よりも外側位置に配置されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、器具本体内に各種部品を配置する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、器具本体内に、電源部、端子台および電池などが配置される照明装置がある。一般に、器具本体内に配置される電源部、端子台および電池などは、器具本体の開口部に対向する背面部に全て配置されていることが多く、小形化が難しい構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-160761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、小形化できる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の照明装置は、器具本体を備える。器具本体は、開口部、開口部の一側に設けられる第1側面部と、開口部の他側に設けられ第1側面部に対向する第2側面部と、開口部に対向される背面部とを有する。第1側面部に電源部を配置する。第2側面部に信号端子台である第1端子台および電池を配置する。背面部に電源端子台である第2端子台を配置する。
【発明の効果】
【0006】
実施形態の照明装置によれば、小形化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態を示す照明装置の斜視図である。
図2】同上照明装置の分解斜視図である。
図3】同上照明装置の器具本体の底面図である。
図4】同上器具本体の内部構造を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0009】
図1および図2に示すように、照明装置10は、避難経路を表示する誘導灯に対応した位置に設置され、避難誘導時に点滅して積極的な避難誘導を行う点滅装置である。照明装置10は、被設置面である天井面に設けられている埋込開口に埋め込み設置される埋込形点滅装置である。
【0010】
照明装置10は、筐体11と、この筐体11の前面側に配置される点滅部12と、筐体11内に配置される内蔵部品とを備えている。図3および図4に示すように、内蔵部品には、第1端子台14a,14b、第2端子台15、電源部16、動作確認スイッチ部17および電池18などが含まれている。
【0011】
そして、筐体11は、四角形箱状であって、前面側の一方の対向する辺がこの一方の対向する辺に交差する他方の辺よりも長い、つまり長辺と短辺を有する長方形箱状に形成されている。筐体11は、器具本体20と、この器具本体20の前面側に着脱可能に取り付けられる化粧枠21とを備えている。
【0012】
図1ないし図4に示すように、器具本体20は、前面側の長方形状の開口部22と、この開口部22に対向する長方形状の背面部23と、開口部22および背面部23の短手方向(第1方向)の両側に設けられる第1側面部24aおよび第2側面部24bと、開口部22および背面部23の長手方向(第1方向に交差する第2方向)の両側に設けられる端面部25とを有し、前面側が開口された長方形箱状に設けられている。背面部23と側面部24a,24bとは一体で折曲形成されており、端面部25は別体で側面部24a,24bに固定されている。器具本体20は、天井面の埋込開口に埋め込まれ、天井面上の天井裏空間を利用して配置されるため、器具本体20の埋め込み方向の奥行寸法つまり高さ寸法を比較的大きくすることが可能で、器具本体20の高さ寸法が短手方向の幅寸法よりも大きく設けられている。側面部24a,24bには、器具本体20の埋込時に天井面に係合するフランジ部26が設けられている。
【0013】
器具本体20の背面部23には、背面部23の長手方向の両端近傍で短手方向の中央域に2つの取付孔27が設けられ、背面部23の中央域でかつ背面部23の長手方向に並んで2つの配線孔28,29が設けられている。取付孔27には器具本体20を設置する際に天井面側から突出する吊ボルトが挿通され、この吊ボルトにナットを螺合することにより、器具本体20が天井面に固定される。一方の配線孔28は背面部23の長手方向の中央に設けられ、他方の配線孔29は背面部23の一端側に寄った位置で一方の配線孔28と一端側の取付孔27との間に設けられている。一方の配線孔28には電源線が挿通され、他方の配線孔29には信号線が挿通され、電源系と信号系とを分けて配線することが可能となっている。また、器具本体20の両端の端面部25には、化粧枠21を取り付けるためのばね受部30が設けられている。
【0014】
化粧枠21は、長方形状の前面部31と、この前面部31の周囲に設けられた枠部32とを備えている。化粧枠21の背面側で長手方向の両端にはばね取付金具33が取り付けられ、このばね取付金具33に取付ばね34が取り付けられている。取付ばね34は、中央がコイル状に屈曲されるとともに両端部が突出されたV字ばねであり、コイル部分がばね取付金具33に取り付けられ、両端部が互いに開く方向に弾性を有している。取付ばね34の両端部の先端側が器具本体20のばね受部30に引っ掛けられ、化粧枠21が器具本体20に向けて押し上げられることにより、取付ばね34の弾性により化粧枠21が引き上げられて器具本体20に取り付けられるように構成されている。
【0015】
化粧枠21の前面部31には、点滅部12が配置される点滅用窓35、および動作確認スイッチ部17が配置される動作確認用窓36が設けられている。点滅用窓35は前面部31の中央位置に設けられ、動作確認用窓36は前面部31の短手方向の一側に寄った位置に設けられている。
【0016】
また、点滅部12は、点滅用窓35に対応して化粧枠21に配置されている。点滅部12は、光源としての点滅光源40を備えている。点滅光源40は、例えば、基板にLEDや有機ELなどの半導体発光素子を実装した発光モジュールが用いられる。点滅部12には、点滅光源40に接続された配線が引き出され、この配線が電源部16と電気的に接続される。
【0017】
点滅部12には、点滅光源40を配置する放熱板41と、点滅光源40の光を制光するレンズ42と、このレンズ42を保持するレンズ押え43と、点滅部12を化粧枠21に取り付ける取付部材44とが設けられている。レンズ42は、前面側に突出する凸レンズ状に形成されている。レンズ押え43は、レンズ42を保持し、放熱板41に取り付けられている。取付部材44は、略L字形に形成され、化粧枠21の背面側で点滅用窓35の側部に固定され、放熱板41を支持する。そして、点滅部12は化粧枠21の点滅用窓35に配置され、レンズ42が点滅用窓35から化粧枠21の前方に突出されている。
【0018】
また、第1端子台14a,14bは、信号端子台である。第1端子台14aと第1端子台14bとは、電線接続数が異なるが同様に構成されている。第1端子台14a,14bは、器具本体20の短手方向の他側の第2側面部24bで、器具本体20の長手方向の一端側に寄った位置に配置されている。第1端子台14a,14bは、端子台取付金具50に一体に取り付けられている。端子台取付金具50は、両端に取付脚51を有する断面略コ字形に形成されており、取付脚51を介して器具本体20の第2側面部24bに取り付けられている。
【0019】
第1端子台14a,14bは、一端面に設けられた外部接続部である外部電線挿入孔52と、この外部電線挿入孔52に対して反対側の他端面に設けられた内部接続部である内部電線挿入孔と、これら一端面および他端面に交差する面に設けられ外部電線挿入孔52または内部電線挿入孔に挿入接続された電線の接続保持を解除するためのリリース部53を有している。第1端子台14a,14bは、外部電線挿入孔52が器具本体20の開口部22に対向され、リリース部53が器具本体20の短手方向の中央域に対向するように配置されている。第1端子台14a,14bの内部電線挿入孔に複数の内部配線の一端がそれぞれ挿入接続され、他端が電源部16の所定の信号端子部にそれぞれ接続されている。一方の第1端子台14aの外部電線挿入孔52には、施設の自動火災報知機に連動する信号装置からの信号線が挿入接続されるとともに、信号装置からの信号を他の点滅装置や誘導灯へ送るための送り用の信号線が挿入接続される。他方の第1端子台14bの外部電線挿入孔52には、電源部16から直上階の点滅装置や誘導灯に誘導停止信号を出力するための信号線、直下階の点滅装置や誘導灯からの誘導停止信号を入力するための信号線、および煙感知器からの感知信号を入力するための信号線が挿入接続される。
【0020】
また、第2端子台15は、電源端子台である。第2端子台15は、背面部23の短手方向の中央域で、かつ器具本体20の長手方向の他端側であって一端側の取付孔27と一方の配線孔28との間の位置に取り付けられている。すなわち、第2端子台15は、開口部22から背面部23に向けた正面視において電源部16と第1端子台14a,14bおよび電池18との間よりも外側位置に配置されている。
【0021】
器具本体20の開口部22に対向する第2端子台15の前面側は、電源線を接続したり外したりするための操作面である。第2端子台15の操作面には、外部電源からの電源線を挿入接続する電線挿入孔55が設けられているとともに、電線挿入孔55に挿入接続された電源線の接続保持を解除するためのリリースボタンが配置されている。リリースボタンは、器具本体20の開口部22から挿入されるドライバーなどの工具で押動操作されることにより、電源線の接続保持を解除する。第2端子台15は、電源線の挿入接続およびリリースボタンの操作性を考慮して器具本体20の開口部22に対向する背面部23に配置することが好ましい。また、第2端子台15は、内部配線によって電源部16に接続されている。
【0022】
また、電源部16は、器具本体20の短手方向の一側の第1側面部24aで、器具本体20の長手方向の一端側に寄った位置に配置されている。電源部16は、第1端子台14a,14bおよび第2端子台15とそれぞれ内部配線で接続されているとともに、点滅部12の点滅光源40および電池18がそれぞれ着脱可能に接続されている。
【0023】
電源部16は、外部電源から供給される電力または電池18から供給される電力により動作する。電源部16は、常時モードと、非常時に点滅部12を点滅動作させる非常時モードを有している。常時モードは、非火災時に、信号装置からの信号の状態に応じて該モードに切り換わり、点滅部12を消灯し、外部電源により電池18を充電する。また、非常時モードは、火災時に、信号装置からの信号の状態の変化に応じて該モードに切り換わり、電池18の電力により点滅部12を点滅させ、直上階の点滅装置や誘導灯に誘導停止信号を出力する。また、非常時モード時に、直下階からの誘導停止信号や煙感知器からの感知信号を入力すると、点滅部12を消灯する。また、電源部16は、動作確認スイッチ部17からの点検信号により電池18、点滅部12の点滅光源40の点検を実施する点検回路を備えている。
【0024】
また、動作確認スイッチ部17は、器具本体20の短手方向の一側の第1側面部24aで、器具本体20の長手方向の他端側に寄った位置で、電源部16の側部に並んで配置されている。動作確認スイッチ部17は、器具本体20の前面側に化粧枠21が取り付けられることで動作確認用窓36に対向配置される。動作確認スイッチ部17は、動作確認時に操作される動作確認スイッチ、この動作確認スイッチの操作に応じて点灯、点滅、消灯する複数のモニタランプなどを備えている。そして、動作確認スイッチ部17は、外部から操作されている間、電源部16が電池18の電力により点滅部12を点滅させ、電池18および点滅部12が正常に動作するか否かを確認可能とする。
【0025】
また、電池18は、充放電可能な二次電池が用いられている。電池18は、細長い直方体形状に形成され、長手方向の一端側から電源部16に接続される配線が引き出されている。配線は、先端にコネクタが設けられ、電源部16に対して着脱可能にコネクタ接続される。
【0026】
また、電池18は、器具本体20に設けられた電池配置部61に着脱可能に配置される。電池配置部61は、器具本体20の短手方向の他側の第2側面部24bで、器具本体20の長手方向の一端側に寄った位置、かつ第1端子台14a,14bよりも開口部22から離れた器具本体20の奥側の位置に形成されている。電池配置部61は、器具本体20の背面部23および第2側面部24bと保持部材62と保持部材63とによって囲まれた空間に形成されている。
【0027】
保持部材62は、板金によって一体に折曲形成されている。保持部材62は、器具本体20の第2側面部24bに固定される固定板部64と、この固定板部64から器具本体20の開口部22と略平行に配置される保持板部65と、この保持板部65の一端側から固定板部64に対向する位置に折曲される端板部66とを備えている。
【0028】
保持部材63は、例えば、ねじやロッドによって構成され、器具本体20の背面部23から第2側面部24bおよび保持部材62の固定板部64に対向する領域に突出されている。保持部材63がねじである場合には、器具本体20の背面部23に設けられた取付孔に背面側からねじが螺合され、ねじの先端側が背面部23の前方へ突出される。保持部材63は器具本体20の長手方向に沿って複数配置されている。
【0029】
器具本体20の背面部23および第2側面部24bと、保持部材62の固定板部64、保持板部65および端板部66と、複数の保持部材63との間に、電池18を配置する電池配置部61が形成されている。背面部23と、第2側面部24bおよび固定板部64と、保持板部65と、保持部材63との間で、端板部66に対して反対側の領域に、電池配置部61の開放領域67が形成されており、この開放領域67を通じて電池18を着脱可能とする。
【0030】
開放領域67には、電池18が電池配置部61に配置されるように規制する規制部材68が着脱可能に配置される。規制部材68は、手動操作で回動可能な螺合部品であり、棒状の飾りナットである。なお、螺合部品としては、ねじやボルトでもよい。
【0031】
開放領域67に対応して、器具本体20の背面部23に背面側から前面側に固定ねじ69が挿通され、背面部23の前面側に突出した固定ねじ69に固定ナット70が螺合されて固定されている。固定ねじ69の先端は、固定ナット70から前方に突出され、規制部材68が螺合可能となっている。
【0032】
器具本体20内には、電池配置部61の開放領域67に対向して、電池配置部61に対する電池18の着脱スペースS1が形成されている。着脱スペースS1は、器具本体20の短手方向の他側の第2側面部24bに沿って器具本体20の長手方向の他端側に形成されている。
【0033】
そして、器具本体20の短手方向の一側の第1側面部24aに電源部16および動作確認スイッチ部17が配置され、他側の第2側面部24bに第1端子台14a,14bおよび電池18が配置されている。これら電源部16および動作確認スイッチ部17と、第1端子台14a,14bおよび電池18との間で、器具本体20の短手方向の中央域に、施工時に取り付けや配線の作業を行える配線スペースS2が形成されている。器具本体20の背面部23には、配線スペースS2に対応して、取付孔27、配線孔28,29が設けられているとともに、第2端子台15が配置されている。さらに、配線スペースS2には、電池18を着脱する着脱スペースS1が連通されている。
【0034】
次に、照明装置10を施工するには、器具本体20から化粧枠21を外した状態で、天井面の埋込開口に導かれている電源線を配線孔28から器具本体20内に引き込みし、信号線を配線孔29から器具本体20内に引き込む。
【0035】
器具本体20を天井面の埋込開口に挿入し、器具本体20の取付孔27に挿通された吊ボルトにナットを螺合し、器具本体20のフランジ部26を天井面に当接させた状態に埋め込み固定する。
【0036】
電源線を第2端子台15の電線挿入孔55に挿入接続し、信号線を第1端子台14a,14bの対応する外部電線挿入孔52に挿入接続する。なお、電池18が電源部16から外されている場合には、電池18を電源部16に接続する。
【0037】
このようなナットの螺合作業や電源線および信号線の接続作業は、配線スペースS2を利用して容易に作業できる。また、第2端子台15に対する電源線の接続作業は、配線スペースS2に電池18の着脱スペースS1が連通されていて広いスペースが確保されているため、容易に作業できる。第1端子台14a,14bに対する信号線の接続作業は、第1端子台14a,14bが電池18よりも器具本体20の開口部22に近い位置に配置され、外部電線挿入孔52が器具本体20の開口部22に対向されているため、容易に作業できる。
【0038】
化粧枠21の取付ばね34を器具本体20のばね受部30に引っ掛け、化粧枠21に設けられている点滅部12の点滅光源40からの配線を電源部16に接続する。化粧枠21を押し上げることにより、取付ばね34の弾性で化粧枠21を器具本体20に引き上げ、施工完了となる。
【0039】
照明装置10を天井面に設置すると、器具本体20の開口部22が下方に向く。この場合、電池18は、自重により保持部材62の保持板部65上に載り、この状態で、器具本体20の背面部23と保持部材62の保持板部65との間で上下方向が規制され、器具本体20の第2側面部24bまたは保持部材62の固定板部64と保持部材63との間、および保持部材62の端板部66と規制部材68との間で水平方向の位置が規制されるため、電池配置部61から外れることはない。
【0040】
そして、照明装置10は、非火災時、施設の自動火災報知機に連動する信号装置からの信号の状態に応じて、電源部16の動作モードが常時モードで動作する。常時モードでは、点滅部12を消灯し、外部電源により電池18を充電する。
【0041】
一方、照明装置10は、火災時、施設の自動火災報知機に連動する信号装置からの信号の状態の変化に応じて、電源部16の動作モードが非常時モードに切り換わる。非常時モードでは、電池18の電力により点滅部12を点滅させ、避難誘導を行う。また、非常時モード時に、直下階の点滅装置や誘導灯からの点滅停止信号や煙感知器からの感知信号が入力されると、点滅部12を消灯し、避難誘導を停止する。
【0042】
また、照明装置10の前面側から動作確認スイッチ部17の動作確認スイッチを操作することにより、その動作確認スイッチが操作されている間、電源部16が電池18の電力により点滅部12を点滅させるため、電池18および点滅部12が正しく動作するか否かを確認できる。
【0043】
また、電池18の交換時期、または動作確認の結果に応じて、電池18の交換作業を行う。電池18を交換する場合には、化粧枠21を外し、器具本体20の前面側を開放する。規制部材68を手動操作で回動させて固定ねじ69から外し、電池配置部61の開放領域67を開放する。電池18の配線を電源部16から外し、電池18を器具本体20の第2側面部24bに沿って電池配置部61から着脱スペースS1に移動させ、つまり電池18を電池配置部61から開放領域67を通じて着脱スペースS1に移動させ、開口部22を通じて器具本体20から取り外す。
【0044】
交換する新しい電池18を開口部22から器具本体20の着脱スペースS1に挿入し、電池18を器具本体20の第2側面部24bに沿って電池配置部61に移動させ、つまり電池18を着脱スペースS1から開放領域67を通じて電池配置部61に移動させる。規制部材68を固定ねじ69に合わせ、規制部材68を手動操作で回動させて固定ねじ69に螺合して取り付け、電池配置部61の開放領域67に配置する。電池18の配線を電源部16に接続する。化粧枠21を器具本体20の前面側に取り付けることにより、電池18の交換作業が完了する。
【0045】
このように構成された照明装置10では、器具本体20の開口部22の一側に設けられる第1側面部24aに電源部16を配置し、開口部22の他側に設けられて第1側面部24aに対向する第2側面部24bに第1端子台14a,14bおよび電池18を配置するため、器具本体20内に配線スペースS2を確保しながら、小形化できる。
【0046】
例えば、器具本体20の背面部23に第1端子台14a,14b、電源部16および電池18などを配置した場合には背面部23の面積が大きくなって器具本体20が大形になるが、器具本体20の側面部24a,24bに第1端子台14a,14b、電源部16および電池18を配置することで、背面部23の面積が小さくなって、器具本体20の前面部の小形化ができる。これにより、天井面に配置される化粧枠21を小形化でき、照明装置10の外観を向上できる。なお、器具本体20の高さは高くなるが、天井面上の天井裏空間に器具本体20を配置できる。
【0047】
また、化粧枠21に点滅部12を配置するため、点滅部12で器具本体20内に配線スペースS2を塞ぐことがなく、器具本体20内に配線スペースS2を確保できる。
【0048】
また、器具本体20の開口部22に対向する背面部23に第2端子台15を設けるため、第2端子台15の電線挿入孔55およびリリースボタンを開口部22に対向させ、電源線の接続作業、およびリリースボタンの操作を容易にできる。
【0049】
しかも、第2端子台15の少なくとも一部は、開口部22から背面部23に向けた正面視において電源部16と第1端子台14a,14bおよび電池18との間よりも外側位置に配置するため、第2端子台15の周囲に作業スペースを確保でき、第2端子台15に対する電源線の接続または接続解除操作を容易にできる。
【0050】
また、配線スペースS2と電池18の着脱スペースS1とが連通されていて広いスペースが確保されるため、第2端子台15に対する電源線の接続操作または接続解除操作を容易にできるとともに、電池18の交換作業を容易にできる。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
10 照明装置
14a,14b 第1端子台
15 第2端子台
16 電源部
18 電池
20 器具本体
21 化粧枠
22 開口部
23 背面部
24a 第1側面部
24b 第2側面部
40 光源としての点滅光源
図1
図2
図3
図4