(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】結晶膜の製造方法
(51)【国際特許分類】
C30B 29/16 20060101AFI20240731BHJP
C30B 25/14 20060101ALI20240731BHJP
C30B 25/04 20060101ALI20240731BHJP
C23C 16/40 20060101ALI20240731BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
C30B29/16
C30B25/14
C30B25/04
C23C16/40
H01L21/205
(21)【出願番号】P 2020077069
(22)【出願日】2020-04-24
【審査請求日】2023-04-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載日:令和2年4月3日、掲載アドレス:https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1361-6641/ab7843/meta
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、防衛装備庁、安全保障技術研究推進制度、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】511187214
【氏名又は名称】株式会社FLOSFIA
(73)【特許権者】
【識別番号】301023238
【氏名又は名称】国立研究開発法人物質・材料研究機構
(72)【発明者】
【氏名】大島 祐一
(72)【発明者】
【氏名】河原 克明
【審査官】安齋 美佐子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-155714(JP,A)
【文献】特開2020-001997(JP,A)
【文献】特開2019-163200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C30B 1/00-35/00
C23C 16/00-16/56
H01L 21/205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハロゲン化剤との反応によって得られたGaCl
3
ガスを酸素雰囲気下の基板に供給して、結晶成長により
前記基板上に
ガリウムを含有する金属酸化物を含む結晶膜を形成する結晶膜の製造方法であって、
前記の結晶成長を、前記
ハロゲン化剤の分圧を1kPa以上
の条件にて行うことを特徴とする結晶膜の製造方法。
【請求項2】
前記の結晶成長を、HVPE法により行う請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
前記の結晶成長を、成膜速度90μm/時間以上の結晶成長条件にて行う、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記の結晶成長を、400~700℃の温度下で行う、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
前記の結晶成長を、前記基板上に、直接または他の層を介して、凹部または凸部からなる凹凸部を形成し、ついで、該凹凸部上に前記結晶膜を形成することにより行う請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
【請求項6】
前記凹凸部の形成を、前記基板上に直接または他の層を介してマスクを規則的に配列することにより行う、請求項
5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記
基板が、サファイア基板である請求項1~6のいずれかに記載の製造方法。
【請求項8】
前記結晶膜が、結晶性酸化物膜である請求項1~7のいずれかに記載の製造方法。
【請求項9】
前記結晶性酸化物膜が、Ga
2O
3またはその混晶を含む請求項8記載の製造方法。
【請求項10】
前記結晶性酸化物膜が、コランダム構造を有する請求項8または9に記載の製造方法。
【請求項11】
ガリウムを含む金属源を前記ハロゲン化剤によってガス化して前記GaCl
3
ガスを得る請求項1~10のいずれかに記載の製造方法。
【請求項12】
前記結晶膜は、Ga
2
O
3
を主成分として含む請求項1~11のいずれかに記載の製造方法。
【請求項13】
前記GaCl
3
ガスと酸素含有原料ガスとを前記基板上に供給することにより、前記の結晶成長を行い、前記酸素含有原料ガスの分圧は、1.25kPa以上である請求項1~12のいずれかに記載の製造方法。
【請求項14】
前記結晶膜に含まれるCの含有量が5×10
16
/cm
3
以下である、前記結晶膜に含まれるNの含有量が5×10
15
/cm
3
以下である、前記結晶膜に含まれるSiの含有量が1×10
15
/cm
3
以下である又は前記結晶膜に含まれるSの含有量が2×10
15
/cm
3
以下である請求項1~13のいずれかに記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に有用な結晶膜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高耐圧、低損失および高耐熱を実現できる次世代のスイッチング素子として、バンドギャップの大きな酸化ガリウム(Ga2O3)を用いた半導体装置が注目されており、インバータなどの電力用半導体装置への適用が期待されている。また、広いバンドギャップからLEDやセンサー等の受発光装置としての幅広い応用も期待されている。特に、酸化ガリウムの中でもコランダム構造を有するα―Ga2O3等は、非特許文献1によると、インジウムやアルミニウムをそれぞれ、あるいは組み合わせて混晶することによりバンドギャップ制御することが可能であり、InAlGaO系半導体として極めて魅力的な材料系統を構成している。ここでInAlGaO系半導体とはInXAlYGaZO3(0≦X≦2、0≦Y≦2、0≦Z≦2、X+Y+Z=1.5~2.5)を示し(特許文献9等)、酸化ガリウムを内包する同一材料系統として俯瞰することができる。
【0003】
しかしながら、酸化ガリウムは、最安定相がβガリア構造であるので、特殊な成膜法を用いなければ、準安定相であるコランダム構造の結晶膜を成膜することが困難である。また、コランダム構造を有するα―Ga2O3は準安定相であり、融液成長によるバルク基板が利用できない。そのため、現状はα―Ga2O3と同じ結晶構造を有するサファイアを基板として用いている。しかし、α―Ga2O3とサファイアとは格子不整合度が大きいため、サファイア基板上にヘテロエピタキシャル成長されるα―Ga2O3の結晶膜は、転位密度が高くなる傾向がある。また、コランダム構造の結晶膜に限らず、成膜レートや結晶品質の向上、クラックや異常成長の抑制、ツイン抑制、反りによる基板の割れ等においてもまだまだ課題が数多く存在している。このような状況下、現在、コランダム構造を有する結晶性半導体の成膜について、いくつか検討がなされている。
【0004】
特許文献1には、ガリウム又はインジウムの臭化物又はヨウ化物を用いて、ミストCVD法により、酸化物結晶薄膜を製造する方法が記載されている。特許文献2~4には、コランダム型結晶構造を有する下地基板上に、コランダム型結晶構造を有する半導体層と、コランダム型結晶構造を有する絶縁膜とが積層された多層構造体が記載されている。また、特許文献5~7のように、ELO基板やボイド形成を用いて、ミストCVDによる成膜も検討されている。しかしながら、いずれの方法も成膜レートにおいてまだまだ満足のいくものではなく、成膜レートに優れた成膜方法が待ち望まれていた。
特許文献8には、少なくとも、ガリウム原料と酸素原料とを用いて、ハライド気相成長法(HVPE法)により、コランダム構造を有する酸化ガリウムを成膜することが記載されている。しかしながら、α―Ga2O3は準安定相であるので、β―Ga2O3のように成膜することが困難であり、工業的にはまだまだ多くの課題があった。また、特許文献10および11には、PSS基板を用いて、ELO結晶成長を行い、表面積は9μm2以上であり、転位密度が5×106cm-2の結晶膜を得ることが記載されている。しかしながら、パワーデバイスとして酸化ガリウムの性能を存分に発揮するには、転位密度だけでなく、さらにSi等の不純物を低減すること、すなわち、Siの含有量を1×1016cm-3以下とすることなどが必要であり、このような不純物の無い結晶膜を容易に製造できる方法が待ち望まれている。
なお、特許文献1~11はいずれも本出願人らによる特許または特許出願に関する公報であり、現在も検討が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5397794号
【文献】特許第5343224号
【文献】特許第5397795号
【文献】特開2014-72533号公報
【文献】特開2016-100592号公報
【文献】特開2016-98166号公報
【文献】特開2016-100593号公報
【文献】特開2016-155714号公報
【文献】国際公開第2014/050793号公報
【文献】米国公開第2019/0057865号公報
【文献】特開2019-034883号公報
【非特許文献】
【0006】
【文献】金子健太郎、「コランダム構造酸化ガリウム系混晶薄膜の成長と物性」、京都大学博士論文、平成25年3月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、半導体装置等に有用な高品質な結晶膜を工業的有利に製造できる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、GaCl3を用いて分圧1kPa以上且つ酸素含有雰囲気下でGa2O3を形成すると、Siの含有量が2×1015cm-3以下である結晶膜が容易に得られることを知見し、このような結晶膜が上記した従来の問題を一挙に解決し得ることを見出した。
【0009】
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 原料から結晶成長により基板上に結晶膜を形成する結晶膜の製造方法であって、前記原料がGaCl3を含み、前記の結晶成長を、前記原料の分圧を1kPa以上且つ酸素含有雰囲気下の結晶成長条件にて行うことを特徴とする結晶膜の製造方法。
[2] 前記の結晶成長を、HVPE法により行前記[1]記載の製造方法。
[3] 前記の結晶成長を、成膜速度90μm/時間以上の結晶成長条件にて行う、前記[1]または[2]に記載の製造方法。
[4] 前記の結晶成長を、400~700℃の温度下で行う、前記[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5] 前記の結晶成長を、前記基板上に、直接または他の層を介して、凹部または凸部からなる凹凸部を形成し、ついで、該凹凸部上に前記結晶膜を形成することにより行う前記[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6] 前記凹凸部の形成を、前記基板上に直接または他の層を介してマスクを規則的に配列することにより行う、前記[1]~[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7] 前記結晶基板が、サファイア基板である前記[1]~[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8] 前記結晶膜が、結晶性酸化物膜である前記[1]~[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9] 前記結晶性酸化物膜が、Ga2O3またはその混晶を含む前記[8]記載の製造方法。
[10] 前記結晶性酸化物膜が、コランダム構造を有する前記[8]または[9]に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明の結晶膜の製造方法は、半導体装置等に有用な高品質な結晶膜を工業的有利に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明において好適に用いられるハライド気相成長(HVPE)装置を説明する図である。
【
図2】本発明において好適に用いられる基板の表面上に形成された凹凸部の表面を模式的に示す図である。
【
図3】本発明において好適に用いられる基板の表面上に形成された凹凸部の表面を模式的に示す模式図である。
【
図4】本発明において好適に用いられる基板の表面上に形成された凹凸部の一態様を示す模式図である。
【
図5】実施例における結晶膜の写真を示す図である。
【
図6】比較例におけるSEM観察結果を示す図である。
【
図7】比較例におけるSEM観察結果を示す図である。
【
図8】実施例におけるSEM観察結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の結晶膜の製造方法は、原料から結晶成長により基板上に結晶膜を形成する結晶膜の製造方法であって、前記原料がGaCl3を含み、前記原料の分圧を1kPa以上且つ酸素含有雰囲気下の結晶成長条件にて行うことを特長とする。本発明においては、前記の結晶成長を、HVPE法により行うのが好ましい。また、本発明においては、前記の結晶成長を、成膜速度90μm/時間以上の結晶成長条件で行うのも好ましく、成膜速度100μm/時間以上の結晶成長条件にて行うのがより好ましい。本発明においては、例えば、前記結晶成長を、HVPE法により行う場合、原料ガス(GaCl3ガスやその前駆体ガス等)の流量(分圧)を1kPa以上、酸素含有原料ガスの流量(分圧)を1.25kPa以上とするのが好ましい。
【0014】
(基板)
前記基板は、通常、結晶基板である。前記結晶基板は、結晶物を主成分として含む基板であれば、特に限定されず、公知の基板であってよい。絶縁体基板であってもよいし、導電性基板であってもよいし、半導体基板であってもよい。単結晶基板であってもよいし、多結晶基板であってもよい。前記結晶基板としては、例えば、コランダム構造を有する結晶物を主成分として含む基板、またはβ-ガリア構造を有する結晶物を主成分として含む基板、六方晶構造を有する結晶物を主成分として含む基板などが挙げられる。なお、前記「主成分」とは、基板中の組成比で、前記結晶物を50%以上含むものをいい、好ましくは70%以上含むものであり、より好ましくは90%以上含むものである。
【0015】
コランダム構造を有する結晶物を主成分として含む基板としては、例えば、サファイア基板、α型酸化ガリウム基板などが挙げられる。前記β-ガリア構造を有する結晶物を主成分として含む基板としては、例えば、β-Ga2O3基板、またはβ-Ga2O3とAl2O3とを含む混晶体基板などが挙げられる。なお、β-Ga2O3とAl2O3とを含む混晶体基板としては、例えば、Al2O3が原子比で0%より多くかつ60%以下含まれる混晶体基板などが好適な例として挙げられる。また、前記六方晶構造を有する基板としては、例えば、SiC基板、ZnO基板、GaN基板などが挙げられる。その他の結晶基板の例示としては、例えば、Si基板などが挙げられる。
【0016】
本発明においては、前記結晶基板が、サファイア基板であるのが好ましい。前記サファイア基板としては、例えば、c面サファイア基板、m面サファイア基板、a面サファイア基板などが挙げられる。また、前記サファイア基板はオフ角を有していてもよい。前記オフ角は、特に限定されないが、好ましくは0°~15°である。なお、前記結晶基板の厚さは、特に限定されないが、好ましくは、50~2000μmであり、より好ましくは200~800μmである。
【0017】
本発明においては、前記基板上に、直接または他の層を介して、凹部または凸部からなる凹凸部を形成し、ついで、該凹凸部上に前記結晶膜を形成することにより行うのが好ましい。前記凹凸部は、凹部または凸部からなるものであれば特に限定されず、凹部からなる凹凸部であってもよいし、凸部からなる凹凸部であってもよい。また、前記凹凸部は、規則的な凹部または凸部から形成されていてもよいし、不規則な凹部または凸部から形成されていてもよい。本発明においては、前記凹凸部が周期的に形成されているのが好ましく、周期的かつ規則的にパターン化されているのがより好ましい。前記凹凸部の形状としては、特に限定されず、例えば、ストライプ状、ドット状、メッシュ状またはランダム状などが挙げられるが、本発明においては、ドット状またはストライプ状が好ましい。また、凹凸部が周期的かつ規則的にパターン化されている場合には、前記凹凸部のパターン形状が、三角形、四角形(例えば正方形、長方形若しくは台形等)、五角形若しくは六角形等の多角形状、円状、楕円状などの形状であるのが好ましい。なお、ドット状に凹凸部を形成する場合には、ドットの格子形状を、例えば正方格子、斜方格子、三角格子、六角格子などの格子形状にするのが好ましく、三角格子の格子形状にするのがより好ましい。前記凹凸部の凹部または凸部の断面形状としては、特に限定されないが、例えば、コの字型、U字型、逆U字型、波型、または三角形、四角形(例えば正方形、長方形若しくは台形等)、五角形若しくは六角形などの多角形等が挙げられる。
【0018】
前記凸部の構成材料は、特に限定されず、公知の材料であってよい。絶縁体材料であってもよいし、導電体材料であってもよいし、半導体材料であってもよい。また、前記構成材料は、非晶であってもよいし、単結晶であってもよいし、多結晶であってもよい。前記凸部の構成材料としては、例えば、Si、Ge、Ti、Zr、Hf、Ta、Sn等の酸化物、窒化物または炭化物、カーボン、ダイヤモンド、金属、これらの混合物などが挙げられる。より具体的には、SiO2、SiNまたは多結晶シリコンを主成分として含むSi含有化合物、前記結晶性酸化物の結晶成長温度よりも高い融点を有する金属(例えば、白金、金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウムなどの貴金属等)などが挙げられる。なお、前記構成材料の含有量は、凸部中、組成比で、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、90%以上が最も好ましい。
【0019】
前記凸部の形成手段としては、公知の手段であってよく、例えば、フォトリソグラフィー、電子ビームリソグラフィー、レーザーパターニング、その後のエッチング(例えばドライエッチングまたはウェットエッチング等)などの公知のパターニング加工手段などが挙げられる。本発明においては、前記凸部がストライプ状またはドット状であるのが好ましく、ドット状であるのがより好ましい。また、本発明においては、前記結晶基板が、PSS(Patterned Sapphire Substrate)基板であるのも好ましい。前記PSS基板のパターン形状は、特に限定されず、公知のパターン形状であってよい。前記パターン形状としては、例えば、円錐形、釣鐘形、ドーム形、半球形、正方形または三角形のピラミッド形等が挙げられるが、本発明においては、前記パターン形状が、円錐形であるのが好ましい。また、前記パターン形状のピッチ間隔も、特に限定されないが、本発明においては、5μm以下であるのが好ましく、1μm~3μmであるのがより好ましい。
また、本発明においては、前記凸部の形成を、前記結晶基板上にマスク層を形成することにより行うのが好ましい。マスク層は、例えば、真空蒸着法、CVD法またはスパッタリング法等の公知の成膜手段によってマスク層の構成材料を成膜した後、上記した公知のパターグ加工手段によって加工することにより好適に形成することができる。前記マスク層の構成材料としては、前記凸部の構成材料として例示した材料等が挙げられる。本発明においては、前記マスク層を用いて結晶膜を製造する場合、前記多結晶を少なくとも前記マスク層上に形成するのが、より厚膜且つより大面積の前記結晶性酸化物層を得ることができるので、好ましい。
【0020】
前記凹部は、特に限定されないが、上記凸部の構成材料と同様のものであってもよいし、基板であってもよい。本発明においては、前記凹部が、基板の表面上に設けられた空隙層であるのが好ましい。前記凹部の形成手段としては、前記凸部の形成手段と同様の手段を用いることができる。前記空隙層は、公知の溝加工手段により、基板に溝を設けることで、前記基板の表面上に形成することができる。本発明においては、前記空隙層を、例えば、スパッタリングによりマスク層を設けた後、ついで、フォトリソグラフィー等の公知のパターンニング加工手段を用いてパターニング加工することにより、好適に形成することができる。空隙層の溝幅、溝深さ、テラス幅等は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、適宜に設定することができる。
【0021】
以下、本発明において好適に用いられる結晶基板の好ましい態様を、図面を用いて説明する。
図2は、本発明における結晶基板の結晶成長面上に設けられた凹凸部の一態様を示す。
図2の凹凸部は、結晶基板1と、マスク層4とから構成されている。
図3は、天頂方向から見た
図2に示す凹凸部の表面を示している。
図2および
図3からわかるように、マスク層4は、結晶基板1の結晶成長面上に形成されており、ドット状に穴が空いている。マスク層4のドットの穴からは結晶基板1が露出しており、ドット状の凹部2bが三角格子状に形成されている。なお、前記ドットの円は、それぞれ一定の周期aの間隔ごとに設けられている。周期aは、特に限定されないが、本発明においては、1μm~1mmであるのが好ましく、5μm~300μmであるのがより好ましい。ここで、周期aは、隣接するドットの円の端部同士の間の距離をいう。なお、マスク層4は、マスク層4の構成材料を成膜した後、フォトリソグラフィー等の公知の手段を用いて所定形状に加工することにより形成することができる。また、マスク層4の構成材料としては、例えば、Si、Ge、Ti、Zr、Hf、Ta、Sn、Al等の酸化物、窒化物または炭化物、カーボン、ダイヤモンド、金属、またはこれらの混合物等が挙げられる。また、マスク層4の成膜手段は、特に限定されず、公知の手段であってよい。前記マスク層4の成膜手段としては、例えば、真空蒸着法、CVD法またはスパッタリング法等が挙げられる。
【0022】
図4は、本発明における結晶基板の結晶成長面上に設けられた凹凸部の一態様を示す。
図4凹凸部は、結晶基板1と、マスク層4とから構成されている。マスク層は、結晶基板1の結晶成長面上にストライプ状に形成されており、マスク層4によって、凹部(溝)2bがストライプ状に形成されている。なお、マスク層4は、フォトリソグラフィー等の公知の手段を用いて形成することができる。また、マスク層4の構成材料としては、例えば、Si、Ge、Ti、Zr、Hf、Ta、Sn、Al等の酸化物、窒化物または炭化物、カーボン、ダイヤモンド、金属、またはこれらの混合物等が挙げられる。
【0023】
凹凸部の凸部(マスク層)の幅および高さ、凹部の幅および深さ、間隔などは特に限定されないが、本発明においては、前記凸部(マスク層)の幅が約1μm~約1mmであるのが好ましく、約5μm~約300μmであるのがより好ましく、約10μm~約100μmであるのが最も好ましい。また、本発明においては、前記凸部(マスク層)の高さが、約1nm~約10μmであるのが好ましく、約5nm~約1μmであるのがより好ましく、約10nm~約100nmであるのが最も好ましい。また、本発明においては、前記凹部の幅が、約1μm~約300μmであるのが好ましく、約3μm~約100μmであるのがより好ましく、約5μm~約50μmであるのが最も好ましい。また、本発明においては、前記凹部の深さが、約1nm~約1mmであるのが好ましく、約10nm~約300μmであるのがより好ましく、約20nm~約100μmであるのが最も好ましい。前記凹凸部をこれら好ましいものとすることにより、より優れた前記結晶膜をより容易に得ることができる。なお、前記凹凸部は前記結晶基板上に直接形成されていてもよいし、他の層を介して設けられていてもよい。
【0024】
前記結晶成長手段は、特に限定されず、公知の手段であってよい。前記結晶成長手段としては、例えば、CVD法、MOCVD法、MOVPE法、ミストCVD法、ミスト・エピタキシー法、MBE法、HVPE法、パルス成長法、ALD法またはスパッタリング法等が挙げられる。本発明においては、前記結晶成長手段が、ミストCVD法、ミスト・エピタキシー法またはHVPE法であるのが好ましく、HVPE法であるのがより好ましい。
【0025】
以下、前記結晶成長手段として、HVPE法を用いて前記結晶膜を形成する場合を例として、本発明をより詳細に説明する。前記HVPE法は、具体的には、例えば、ガリウムを含む金属源をガス化して所望によりHClガスと反応させてGaCl3ガスとし、ついで、GaCl3ガスと、酸素含有原料ガスとを反応室内の前記結晶基板に供給して成膜する際に、反応性ガスを前記結晶基板上に供給し、前記成膜を前記反応性ガスの流通下で行うのが好ましい。
【0026】
(金属源)
前記金属源は、ガリウムを含んでおり、ガス化が可能なものであれば、特に限定されず、金属単体であってもよいし、金属化合物であってもよい。本発明においては、前記金属源が、ガリウム単体であるのが最も好ましい。また、前記金属源は、気体であってもよいし、液体であってもよいし、固体であってもよいが、本発明においては、前記金属源が液体であるのが好ましい。
【0027】
前記ガス化の手段は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知の手段であってよい。本発明においては、前記ガス化の手段が、前記金属源をハロゲン化することにより行われるのが好ましい。前記ハロゲン化に用いるハロゲン化剤は、前記金属源をハロゲン化できさえすれば、特に限定されず、公知のハロゲン化剤であってよい。前記ハロゲン化剤としては、例えば、ハロゲンまたはハロゲン化水素等が挙げられる。前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素等が挙げられる。また、ハロゲン化水素としては、例えば、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素等が挙げられる。本発明においては、前記ハロゲン化に、ハロゲン化水素を用いるのが好ましく、塩化水素を用いるのがより好ましい。本発明においては、前記ガス化を、前記金属源に、ハロゲン化剤として、ハロゲンまたはハロゲン化水素を供給して、前記金属源とハロゲンまたはハロゲン化水素とをハロゲン化金属の気化温度以上で反応させて金属ハロゲン化物ガスとすることにより行うのが好ましい。前記ハロゲン化反応温度は、特に限定されないが、本発明においては、例えば、前記金属源がガリウムであり、前記ハロゲン化剤が、HClである場合には、900℃以下が好ましく、700℃以下がより好ましく、400℃~700℃であるのが最も好ましい。前記金属ハロゲン化物ガスは、前記金属源のガリウムのハロゲン化物を含むガスであれば、特に限定されない。前記金属ハロゲン化物ガスとしては、例えば、ガリウムのハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物など)等が挙げられる。
【0028】
本発明においては、ガリウムを含む金属源をガス化してGaCl3ガスとした後、GaCl3ガスと、前記酸素含有原料ガスとを、前記反応室内の基板上に供給する。このようにすることにより、酸素含有雰囲気下にて前記結晶成長を行うことができる。なお、本発明においては、ガリウムを含む金属源をガス化したものがGaCl3ガスであってもよいし、例えば、GaClガスを基板上に供給する前に例えばHClガスと反応させてGaCl3ガスとして基板上に供給してもよい。また、本発明においては、反応性ガスを前記基板上に供給するのが好ましい。前記結晶膜の形成温度は、特に限定されないが、本発明においては、例えば、前記金属源がガリウムであり、前記ハロゲン化剤が、HClである場合には、900℃以下が好ましく、700℃以下がより好ましく、400℃~700℃であるのが最も好ましい。前記酸素含有原料ガスとしては、例えば、O2ガス、CO2ガス、NOガス、NO2ガス、N2Oガス、H2OガスまたはO3ガスから選ばれる1種または2種以上のガスである。本発明においては、前記酸素含有原料ガスが、O2、H2OおよびN2Oからなる群から選ばれる1種または2種以上のガスであるのが好ましく、O2を含むのがより好ましい。このような好ましい酸素含有原料ガスを用いることにより、例えば石英管等を用いる場合であっても、Siの混入をより抑制するとともに、より良質な結晶性酸化物膜を容易に得ることができる。前記反応性ガスは、通常、金属ハロゲン化物ガスおよび酸素含有原料ガスとは異なる反応性のガスであり、不活性ガスは含まれない。前記反応性ガスとしては、特に限定されないが、例えば、エッチングガス等が挙げられる。前記エッチングガスは、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知のエッチングガスであってよい。本発明においては、前記反応性ガスが、ハロゲンガス(例えば、フッ素ガス、塩素ガス、臭素ガスまたはヨウ素ガス等)、ハロゲン化水素ガス(例えば、フッ酸ガス、塩酸ガス、臭化水素ガスまたはヨウ化水素ガス等)、水素ガスまたはこれら2種以上の混合ガス等であるのが好ましく、ハロゲン化水素ガスを含むのが好ましく、塩化水素を含むのが最も好ましい。なお、前記金属ハロゲン化物ガス、前記酸素含有原料ガス、前記反応性ガスは、キャリアガスを含んでいてもよい。前記キャリアガスとしては、例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス等が挙げられる。また、前記金属ハロゲン化物ガスの分圧は特に限定されないが、本発明においては、通常1kPa以上である。前記酸素含有原料ガスの分圧は、特に限定されないが、本発明においては、前記金属ハロゲン化物ガスの分圧の0.5倍~100倍であるのが好ましく、1倍~20倍であるのがより好ましい。前記反応性ガスの分圧も、特に限定されないが、本発明においては、前記金属ハロゲン化物ガスの分圧の0.1倍~5倍であるのが好ましく、0.2倍~3倍であるのがより好ましい。
【0029】
本発明においては、さらに、ドーパント含有原料ガスを前記基板に供給するのも好ましい。前記ドーパント含有原料ガスは、ドーパントを含んでいれば、特に限定されない。前記ドーパントも、特に限定されないが、本発明においては、前記ドーパントが、ゲルマニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブおよびスズから選ばれる1種または2種以上の元素を含むのが好ましく、ゲルマニウム、ケイ素、またはスズを含むのがより好ましく、ゲルマニウムを含むのが最も好ましい。このようにドーパント含有原料ガスを用いることにより、得られる膜の導電率を容易に制御することができる。前記ドーパント含有原料ガスは、前記ドーパントを化合物(例えば、ハロゲン化物、酸化物等)の形態で有するのが好ましく、ハロゲン化物の形態で有するのがより好ましい。前記ドーパント含有原料ガスの分圧は、特に限定されないが、本発明においては、前記金属含有原料ガスの分圧の1×10-7倍~0.1倍であるのが好ましく、2.5×10-6倍~7.5×10-2倍であるのがより好ましい。なお、本発明においては、前記ドーパント含有原料ガスを、前記反応性ガスとともに前記基板上に供給するのが好ましい。
【0030】
(結晶膜)
前記結晶膜は、結晶性酸化物膜であるのが好ましく、前記結晶性酸化物膜は、結晶性酸化物の単結晶を主成分として含むのが好ましい。また、本発明においては、前記結晶性酸化物が半導体であってもよい。前記結晶性酸化物としては、例えば、アルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄、クロム、バナジウム、チタン、ロジウム、ニッケル、コバルトおよびイリジウムから選ばれる1種または2種以上の金属を含む金属酸化物の結晶などが挙げられる。本発明においては、前記結晶性酸化物が、アルミニウム、インジウムおよびガリウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含有するのが好ましく、少なくともガリウムを含むのがより好ましく、Ga2O3またはその混晶であるのが最も好ましい。前記結晶性酸化物の結晶構造は、特に限定されない。前記結晶性酸化物の結晶構造としては、例えば、コランダム構造、β―ガリア構造、六方晶構造(例えば、ε型構造等)、直方晶構造(例えばκ型構造等)、立方晶構造、または正方晶構造等が挙げられる。本発明においては、前記結晶性酸化物が、コランダム構造、β―ガリア構造または六方晶(例えば、ε型構造等)を有するのが好ましく、コランダム構造を有するのがより好ましい。なお、「主成分」とは、前記結晶性酸化物が、原子比で、前記結晶性酸化物層の全成分に対し、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上含まれることを意味し、100%であってもよいことを意味する。前記結晶性酸化物層の厚さは、特に限定されないが、10μm以上であるのが好ましく、30μm以上であるのがより好ましく、50μm以上であるのが最も好ましい。
【0031】
前記結晶膜には、ドーパントが含まれていてもよい。前記ドーパントは、特に限定されず、公知のものであってよく、n型ドーパントであってもよいし、p型ドーパントであってもよい。前記n型ドーパントとしては、スズ、ゲルマニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブまたはこれらの2種以上の元素等が挙げられる。前記p型ドーパントとしては、例えば、Mg、H、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Ca、Sr、Ba、Ra、Mn、Fe、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Ti、Pb、N、Pまたはこれらの2種以上の元素等が挙げられる。前記ドーパントの含有量も、特に限定されないが、前記結晶膜中、0.00001原子%以上であるのが好ましく、0.00001原子%~20原子%であるのがより好ましく、0.00001原子%~10原子%であるのが最も好ましい。
【0032】
本発明の製造方法を用いて得られた結晶膜は、特に、半導体装置に好適に用いることができ、とりわけ、パワーデバイスに有用である。前記結晶膜を用いて形成される半導体装置としては、MISやHEMT、MOS等のトランジスタやTFT、半導体‐金属接合を利用したショットキーバリアダイオード、他のP層と組み合わせたPN又はPINダイオード、受発光素子が挙げられる。本発明においては、前記結晶膜を前記基板とともにそのまま半導体装置等に用いてもよいし、前記基板等から剥離する等の公知の手段を用いた後に、半導体装置等に適用してもよい。
【実施例】
【0033】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
(実施例1)
1.ELOマスクの形成
基板として、表面にα―Ga2O3層が形成されたサファイア基板(c面、オフ角0.25°)を用いて、基板上にスパッタリング法を用いてSiO2からなるマスク層を形成し、ついで、フォトリソグラフィー法を用いて、形成したマスク層を所定形状のマスクに加工した。具体的には、開口部(ドット)(直径:5μm)が、周期(隣接するドットの端部どうしの間の距離)5μmで三角格子状に基板上に配列するようにマスク層を加工した。
【0035】
2.結晶膜の形成
2-1.HVPE装置
図1を用いて、本実施例で用いたハライド気相成長(HVPE)装置50を説明する。HVPE装置50は、反応室51と、金属源57を加熱するヒータ52aおよび基板ホルダ56に固定されている基板を加熱するヒータ52bとを備え、さらに、反応室51内に、酸素含有原料ガス供給管55bと、反応性ガス供給管54bと、基板を設置する基板ホルダ56とを備えている。そして、反応性ガス供給管54b内には、金属含有原料ガス(金属ハロゲン化物ガス)供給管53bが備えられており、二重管構造を形成している。なお、酸素含有原料ガス供給管55bは、酸素含有原料ガス供給源55aと接続されており、酸素含有原料ガス供給源55aから酸素含有原料ガス供給管55bを介して、酸素含有原料ガスが基板ホルダ56に固定されている基板に供給可能なように、酸素含有原料ガスの流路を構成している。また、反応性ガス供給管54bは、反応性ガス供給源54aと接続されており、反応性ガス供給源54aから反応性ガス供給管54bを介して、反応性ガスが基板ホルダ56に固定されている基板に供給可能なように、反応性ガスの流路を構成している。金属含有原料ガス供給管53bは、ハロゲン含有原料ガス供給源53aと接続されており、ハロゲン含有原料ガスが金属源に供給されて金属含有原料ガスとなり金属含有原料ガスが基板ホルダ56に固定されている基板に供給される。反応室51には、使用済みのガスを排気するガス排出部59が設けられており、さらに、反応室51の内壁には、反応物が析出するのを防ぐ保護シート58が備え付けられている。
【0036】
2-2.成膜準備
金属含有原料ガス供給管53b内部にガリウム(Ga)金属源57(純度99.99999%以上)を配置し、反応室51内の基板ホルダ56上に、基板として、上記1.で得られたマスク層付きのサファイア基板を設置した。その後、ヒータ52aおよび52bを作動させて反応室51内の温度を570℃(Ga金属源付近)および520℃(基板ホルダ付近)にまで昇温させた。
【0037】
2-3.成膜
金属原料含有ガス供給管53b内部に配置したガリウム(Ga)金属57に、ハロゲン含有原料ガス供給源53aから、塩化水素(HCl)ガス(純度99.999%以上)を供給した。Ga金属と塩化水素(HCl)ガスとの化学反応によって、塩化ガリウム(GaCl/GaCl3)を生成した。得られた塩化ガリウム(GaCl/GaCl3)と、酸素含有原料ガス供給源55aから供給されるO2ガス(純度99.99995%以上)を、反応性ガス供給管54bを通して、前記基板上に供給した。そして、HClガスの流通下で、塩化ガリウム(GaCl/GaCl3)およびO2ガスを基板上で大気圧下、520℃にて反応させ、基板上に成膜した。ここで、ハロゲン含有原料ガス供給源53aから供給されるHClガスの流量(分圧)を1kPa、反応性ガス供給源54aから供給されるHClガスの流量(分圧)を1kPa、酸素含有原料ガス供給源55aから供給されるO2ガスの流量(分圧)を2.5kPaに、それぞれ維持した。
【0038】
2-4.評価
上記2-3.にて得られた結晶膜につき、SEM観察を行った。結果を
図8に示す。また、得られた結晶膜の写真を
図5に示す。また、得られた結晶膜につき、SIMS測定を実施した。測定結果を表1に示す。表1から明らかなとおり、実施例品は比較例品に比べSi等の含有量が検出限界値以下であった。
【0039】
【0040】
(比較例1)
表2に示す条件としたこと以外は、実施例1と同様にして結晶膜を作製した。得られた結晶膜につき、SEM観察を行った。結果を
図6に示す。
【0041】
(比較例2)
表2に示す条件としたこと以外は、実施例1と同様にして結晶膜を作製した。得られた結晶膜につき、SEM観察を行った。結果を
図7に示す。
【0042】
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の結晶膜の製造方法は、半導体(例えば化合物半導体電子デバイス等)、電子部品・電気機器部品、光学・電子写真関連装置、工業部材などあらゆる分野に用いることができるが、特に、半導体装置の製造等に有用である。
【符号の説明】
【0044】
a 周期
1 基板(結晶基板)
1a 基板の表面
2b 凹部
4 マスク層
50 ハライド気相成長(HVPE)装置
51 反応室
52a ヒータ
52b ヒータ
53a ハロゲン含有原料ガス供給源
53b 金属含有原料ガス(金属ハロゲン化物ガス)供給管
54a 反応性ガス供給源
54b 反応性ガス供給管
55a 酸素含有原料ガス供給源
55b 酸素含有原料ガス供給管
56 基板ホルダ
57 金属源
58 保護シート
59 ガス排出部