(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】複合メータユニット
(51)【国際特許分類】
E03B 7/07 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
E03B7/07 Z
(21)【出願番号】P 2021002776
(22)【出願日】2021-01-12
【審査請求日】2023-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】390006736
【氏名又は名称】株式会社日邦バルブ
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】牧野 樹
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-109230(JP,A)
【文献】特開2017-190559(JP,A)
【文献】特開2008-175802(JP,A)
【文献】特開2018-204277(JP,A)
【文献】特開2013-096143(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 7/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水の流入口を備える流入管、前記流入管から分岐する複数の支流管、および複数の前記支流管を介さずに前記流入管に連通する通水口を備える流入側配管と、
前記通水口を開閉可能に封鎖する蓋体と、を有し、
前記流入管は、直線状に延びる本管部分を備え、
各支流管は、
前記本管部分から分岐し、当該支流管を開閉する止水栓を備え、
各支流管の水の流出口には、それぞれ水道メータが接続され、
前記流入側配管は、前記本管部分に連通する連通管を備え、
前記通水口は、前記連通管に設けられ、
複数の前記支流管は、前記本管部分から同一方向に突出して、互いに平行に延び、
設置姿勢において、前記本管部分および各支流管が水平方向に延び、前記通水口が複数の前記支流管よりも上方に位置して、上方に開口し、
前記連通管は、前記設置姿勢において、前記通水口から下方に延びる第1延設管部と、前記本管部分から隣り合う2つの前記支流管の間を延びて前記第1延設管部の下端部分に接続された第2延設管部と、を備えることを特徴とする複合メータユニット。
【請求項2】
前記第1延設管部の第1管軸と前記第2延設管部の第2管軸とが交差する交点は、前記第2延設管部の両隣りの2つの前記支流管のそれぞれの前記流出口よりも前記本管部分に近い位置にあることを特徴とする
請求項1に記載の複合メータユニット。
【請求項3】
前記流入口は、前記第2延設管部と同軸に設けられることを特徴とする
請求項1または2に記載の複合メータユニット。
【請求項4】
前記流入管は、前記流入口を開閉する開閉弁を備えることを特徴とする
請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の複合メータユニット。
【請求項5】
水の流入口を備える流入管、前記流入管から分岐する複数の支流管、および複数の前記支流管を介さずに前記流入管に連通する通水口を備える流入側配管と、
前記通水口を開閉可能に封鎖する蓋体と、を有し、
前記流入管は、直線状に延びる本管部分を備え、
各支流管は、前記本管部分から分岐し、当該支流管を開閉する止水栓を備え、
各支流管の水の流出口には、それぞれ水道メータが接続され、
前記流入側配管は、前記本管部分に連通する連通管を備え、
前記通水口は、前記連通管の先端に設けられ、
複数の前記支流管は、前記本管部分から同一方向に突出し、
設置姿勢において、前記本管部分が上下方向に延び、前記通水口が前記本管部分と交差する方向に開口し、
前記連通管は、前記本管部分から複数の前記支流管とは異なる方向に突出することを特徴とする複合メータユニット。
【請求項6】
前記流入管は、前記流入口を開閉する開閉弁を備えることを特徴とする
請求項5に記載の複合メータユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の水道メータを備え、取水が可能な複合メータユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
水道管の本管からの水を複数の配管に分配し、計量しながら、各戸に供給する複合メータユニットは、特許文献1、2に記載されている。これらに記載の複合メータユニットは、本管に連通する一次側配管に接続される流入側配管を備える。流入側配管は、水道管の本管からの水が流れ込む流入口を備える流入管、および流入管から分岐する複数の支流管を備える。流入管は、直線状に延びる本管部分を備えており、複数の支流管は、本管部分から分岐している。複数の支流管は、それぞれ止水栓を備える。各支流管の水の流出口には、それぞれ水道メータが接続される。また、複合メータユニットは、水道メータのぞれぞれに接続される流出側配管を備える。各流出側配管は逆止弁を備える。各流出側配管には、各戸に延びる二次側配管が接続される。
【0003】
特許文献1の複合メータユニットは、本管部分が水平方向に延びる姿勢で設置される。特許文献2の複合メータユニットは、本管部分が上下方向に延びる姿勢で設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-204277号公報
【文献】特開2008-175802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
災害時に、水道管の本管から各戸に引き込まれる配管から取水できれば、被災者に飲料可能な水を供給できる。また、このような場合に、複合メータユニットから取水すれば、複合メータユニットの前後の配管に取水用の開口を形成するなどの施工を行うことなく、水を外部に供給できる。しかし、複合メータユニットから取水する場合には、複合メータユニットから一つの水道メータを取り外すなどして、そこに水を目的の場所に供給するための給水管を接続しなければならない。
【0006】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、水道メータを取り外すことなく取水が可能な複合メータユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の複合メータユニットは、水の流入口を備える流入管、前記流入管から分岐する複数の支流管、および複数の前記支流管を介さずに前記流入管に連通する通水口を備える流入側配管と、前記通水口を開閉可能に封鎖する蓋体と、を有し、前記流入管は、直線状に延びる本管部分を備え、各支流管は、前記本管部分から分岐し、当該支流管を開閉する止水栓を備え、各支流管の水の流出口には、それぞれ水道メータが接続され、前記流入側配管は、前記本管部分に連通する連通管を備え、前記通水口は、前記連通管に設けられ、複数の前記支流管は、前記本管部分から同一方向に突出して、互いに平行に延び、設置姿勢において、前記本管部分および各支流管が水平方向に延び、前記通水口が複数の前記支流管よりも上方に位置して、上方に開口し、前記連通管は、前記設置姿勢において、前記通水口から下方に延びる第1延設管部と、前記本管部分から隣り合う2つの前記支流管の間を延びて前記第1延設管部の下端部分に接続された第2延設管部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明では、本管からの水が流入する流入側配管は、流入管に連通する通水口を備える。従って、通水口を封鎖する蓋体を取り外して通水口を開状態とすれば、本管からの水を通水口から取水できる。よって、災害時などに、水道メータを取り外すことなく、メータボックスから取水できる。ここで、各支流管は、当該支流管を開閉する止水栓を備える。また、通水口は、いずれの支流管も介することなく、流入管に連通する。従って、通水口から取水を行う際に、複数の支流管のそれぞれに設けられた止水栓を全て閉じれば、本管
から流入する水の全てを、通水口から流出させることができる。また、通水口から取水を行う際に、特定の支流管の止水栓を開状態として、他の支流管の止水栓を閉じれば、通水口から水を供給するとともに、特定の支流管を経由する水の供給系のみに、水を流通させることができる。従って、通水口からの取水時に、水の供給が必要な戸や施設に対しては、その供給を継続できる。
【0009】
また、本発明は、前記流入管は、直線状に延びる本管部分を備え、各支流管は、前記本管部分から分岐し、設置姿勢において、前記本管部分および各支流管が水平方向に延び、前記通水口が上方に開口することを特徴とする。このようにすれば、通水口からの水を目的の場所まで供給するための給水管などを、上方から通水口に接続できる。従って、複合メータユニットが地中に埋設される場合などに、給水管を通水口に接続することが容易となる。
【0010】
さらに、本発明は、前記流入側配管は、前記本管部分に連通する連通管を備え、複数の前記支流管は、前記本管部分から同一方向に突出して、互いに平行に延び、前記通水口は、前記連通管に設けられて複数の前記支流管よりも上方に位置し、前記連通管は、前記通
水口から下方に延びる第1延設管部と、前記本管部分から隣り合う2つの前記支流管の間を延びて前記第1延設管部の下端部分に接続された第2延設管部と、を備えることを特徴とする。このようにすれば、流入側配管は、本管部分に連通する連通管を備え、複数の支流管は、本管部分から同一方向に突出して、互いに平行に延びる。通水口は、連通管に設けられて複数の支流管よりも上方に位置する。従って、通水口に給水管などを接続する際に、給水管が複数の支流管のそれぞれと干渉することを防止できる。また、このようにすれば、連通管が、本管部分から、直接、上方に突出し、連通管の上端が通水口となっている場合と比較して、通水口の位置を上下方向で調節しやすい。
【0011】
この場合において、前記第1延設管部の第1管軸と前記第2延設管部の第2管軸とが交差する交点は、前記第2延設管部の両隣りの2つの前記支流管のそれぞれの前記流出口よりも前記本管部分に近い位置にあるものとすることが望ましい。一般的に、水道メータは、水の流通方向の上流側から下流側に向かって、流入口を備える流入管部分と、内部に水の流量を計測するための羽根車を収容する本体部分と、流出口を備える流出管部分と、を備える。また、上下方向から見た場合に、本体部分の幅寸法は、流入管部分および流出管部分の幅寸法よりも大きい。従って、隣り合う2本の支流管の間に、連通管を設けた場合には、隣り合う2本の支流管に接続された水道メータの本体部分と連通管とが接触する可能性がある。これに対して、第1延設管部の第1管軸と第2延設管部の第2管軸とが交差する交点が、支流管の流出口よりも本管部分に近い位置にあれば、連通管の両側にある2つの支流管に水道メータを接続したときに、連通管の第1延設管部が水道メータの本体部分に接触することを防止或いは抑制できる。、また、本発明において、前記流入口は、前記第2延設管部と同軸に設けられるものとすることができる。このようにすれば、流入口を介して流入する水を、通水口から取水しやすい。
【0012】
本発明において、前記流入管は、前記流入口を開閉する開閉弁を備えるものとすることができる。このようにすれば、災害などによって水道管の本管に断水が発生した場合などに、開閉弁により流入口を閉状態として通水口から蓋体を取り外し、通水口に給水車の給水管を接続すれば、給水車から供給される水を、複合メータユニットを介して、建物内に供給できる。よって、避難所として利用される建物や、病院、各種の施設において、建物内で水を必要とする場所に、給水車からの水を直接的に届けることができる。
【0013】
本発明の別の形態は、水の流入口を備える流入管、前記流入管から分岐する複数の支流管、および複数の前記支流管を介さずに前記流入管に連通する通水口を備える流入側配管と、前記通水口を開閉可能に封鎖する蓋体と、を有し、前記流入管は、直線状に延びる本管部分を備え、各支流管は、前記本管部分から分岐し、当該支流管を開閉する止水栓を備
え、各支流管の水の流出口には、それぞれ水道メータが接続され、前記流入側配管は、前記本管部分に連通する連通管を備え、前記通水口は、前記連通管の先端に設けられ、複数の前記支流管は、前記本管部分から同一方向に突出し、設置姿勢において、前記本管部分が上下方向に延び、前記通水口が前記本管部分と交差する方向に開口し、前記連通管は、前記本管部分から複数の前記支流管とは異なる方向に突出することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、通水口からの水を目的場所まで供給するための給水管などを、側方から通水口に接続できる。また、本発明において、前記流入側配管は、前記本管部分に連通する連通管を備え、複数の前記支流管は、前記本管部分から同一方向に突出し、前記通水口は、前記連通管の先端に設けられ、前記連通管は、前記本管部分から複数の前記支流管とは異なる方向に突出することを特徴とする。従って、通水口に給水管を接続する際などに、支流管と給水管とが干渉することを防止或いは抑制できる
【0015】
本発明において、前記流入管は、前記流入口を開閉する開閉弁を備えるものとすることができる。このようにすれば、災害などによって水道管の本管に断水が発生した場合などに、開閉弁により流入口を閉状態として通水口から蓋体を取り外し、通水口に給水車の給水管を接続すれば、給水車から供給される水を、複合メータユニットを介して、建物内に供給できる。よって、避難所として利用される建物や、病院、各種の施設において、建物内で水を必要とする場所に、給水車からの水を直接的に届けることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の複合メータユニットでは、水道メータを取り外すことなく取水が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施例1の複合メータユニットの斜視図である。
【
図2】
図1の複合メータユニットの部分断面図である。
【
図3】実施例1の変形例の複合メータユニットの斜視図である。
【
図4】実施例2の複合メータユニットの斜視図である。
【
図5】実施例2の複合メータユニットの回転操作機構の説明図である。
【
図6】水道メータがメータ確認可能姿勢にある場合の回転操作機構の説明図である。
【
図7】実施例2の変形例の複合メータユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態である複合メータユニットを説明する。
【0019】
(実施例1)
図1は本例の複合メータユニットの斜視図である。
図2は、
図1の複合メータユニットの部分断面図である。
【0020】
本例の複合メータユニット1Aは、水道管の本管から建物内に引き込まれる配管の途中に設置される。
図1に示すように、複合メータユニット1Aは、水道管の本管に連通する一次側配管2からの水を複数の二次側配管3に配分する。また、複合メータユニット1Aは、配分した水を、水道メータ13によって計量しながら、各二次側配管3に供給する。以下に示す例では、複合メータユニット1Aは、水道管の本管からの水を4系統に分配する。
【0021】
本例では、一次側配管2と二次側配管3とは地中に埋設されている。従って、複合メータユニット1Aも地中に埋設される。以下の説明では、複合メータユニット1Aを、地中に埋設した設置姿勢で説明する。
【0022】
図1、
図2に示すように、複合メータユニット1Aは、ユニット本体5と、ユニット本体5を収容するユニットボックス6と、を備える。ユニット本体5は、一次側配管2に接続される流入側配管11と、4系統の二次側配管3のそれぞれに接続された4本の流出側配管12と、流入側配管11と4本の流出側配管12との間に着脱可能に接続された4つの水道メータ13と、を備える。流入側配管11は、一次側配管2と各水道メータ13との間の配管である。各流出側配管12は、各水道メータ13と各二次側配管3との間の配管である。
【0023】
流入側配管11は、水の流入口15を備える流入管16と、流入管16から分岐する4本の支流管17と、を備える。流入管16は、水平方向に直線状に延びる本管部分20と
、本管部分20の管軸L方向の中央部分から水平方向を管軸Lと直交する方向に突出する突出管部分21と、を備える。流入口15は、突出管部分21の先端である。各支流管17は、本管部分20から分岐する。4本の支流管17は、同一方向に平行に延びる。本例では、4本の支流管17は、本管部分20から突出管部分21とは反対の方向に延びる。また、複数の支流管17は、本管部分20と管軸Lと直交する方向に、平行に延びる。
【0024】
以下では、互いに直交する3方向を、X方向、Y方向、およびZ方向とする。X方向は、突出管部分21および各支流管17の突出方向である。従って、各支流管17の管軸Sは、X方向に延びる。X方向において、突出管部分21が突出する方向をX1方向、各支流管17が突出する方向をX2方向とする。Y方向は、本管部分20の管軸Lに沿った方向である。Y方向の一方側をY1方向、他方側をY2方向とする。Z方向は、複合メータユニット1Aの設置姿勢における上下方向である。Z方向において、下方をZ1方向、上方をZ2方向とする。
【0025】
複数の支流管17は、それぞれ止水栓22を備える。各止水栓22は、各支流管17の流路を開閉する。本例では、止水栓22は、ボール止水栓である。各支流管17のX2方向(本管部分20とは反対側)の端は、水が流出する流出口23である。ここで、4本の支流管17のうちY2方向に位置する3本の支流管17は、止水栓22に接続された管継手28を備える。流出口23は、管継手28の止水栓22とは反対側の端である。また、4本の支流管17のうち最もY1方向に位置する支流管17は、それぞれ止水栓22に接続された補足管29を備える。流出口23は、補足管29の止水栓22とは反対側の端である。ここで、本例では、各支流管17を構成するボール止水栓は、ボール弁体を収容する弁箱の一部分が流入管16の本管部分20と一体に形成されている。
【0026】
また、流入側配管11は、
図2に示すように、複数の支流管17を介さずに流入管16に連通する通水口25を備える。本例では、流入側配管11は、本管部分20に連通する連通管26を備えており、通水口25は、連通管26の本管部分20とは反対側の端である。連通管26は、本管部分20のY方向の中央部分に連通する。通水口25は、複数の支流管17よりもZ2方向(上方)に位置する。また、通水口25はZ2方向(上方)に開口する。
【0027】
より具体的には、連通管26は、通水口25から下方に延びる第1延設管部31と、本管部分20からX2方向に突出して第1延設管部31の下端部分に接続された第2延設管部32と、を備える。Y方向から見た場合に、連通管26は、L字形状をしている。第2延設管部32は、Y方向の中央部分で隣り合う2つの支流管17の間を延びる。第2延設管部32は、突出管部分21と同軸であり、流入口15と同軸である。また、第2延設管部32は、各支流管17と平行である。ここで、
図2に示すように、第1延設管部31の第1管軸L1と第2延設管部32の第2管軸L2とが交差する交点Pは、第2延設管部32の両隣りに位置する2つの支流管17のそれぞれの流出口23よりも本管部分20に近い位置にある。すなわち、交点Pは、第2延設管部32の両隣りに位置する2つの支流管17のそれぞれの流出口23よりもX1方向に位置する。
【0028】
通水口25には、蓋体33が着脱可能に取り付けられる。蓋体33は、通水口25を開閉可能に封鎖する。
【0029】
図1、
図2に示すように、複数の支流管17の流出口23には、それぞれ水道メータ13が接続される。水道メータ13は、水の流通方向Dの上流側から下流側に向かって、メータ流入口を備える流入管部分34と、内部に水の流量を計測するための羽根車を収容する本体部分35と、メータ流出口を備える流出管部分36と、を備える。流入管部分34と、流出管部分36とは、同軸である。
【0030】
流入管部分34は、支流管17の流出口23に接続される。これにより、流入管部分34は、水道メータ13の本体部分35のX1方向に位置する。本体部分35は、上端に流量を示す表示部37を備える。表示部37は、開閉蓋38により覆われている。流出管部分36は、本体部分35からX2方向に延びる。ここで、水道メータ13を上下方向から見た場合に、本体部分35の幅寸法は、流入管部分34および流出管部分36の幅寸法よりも大きい。各水道メータ13が各支流管17に接続された状態では、Y方向で隣り合う水道メータ13の本体部分35の間には隙間が設けられる。従って、隣り合う2つの水道メータ13は互いに接触しない。
【0031】
各流出側配管12は、X方向に延びる。各流出側配管12は、流出管部分36が接続される接続部41と、二次側配管3が接続される管継手42と、接続部41と管継手42との間に位置する逆止弁43と、を備える。4本の流出側配管12のそれぞれは、平行である。各流出側配管12は、X方向で対向する位置にある支流管17と同軸である。
【0032】
ユニットボックス6は、ベース45を備える。ベース45には、図示しない蓋が、Z2方向の側から被せられて、ユニット本体5を覆う。ベース45は、直方体形状の底板部46と、底板部46の外周端縁からZ2方向に立ち上がる枠部47と、を備える。流入側配管11は、第1支持金具48により、底板部46に固定されている。流出側配管12は、第2支持金具49などにより、底板部46に固定されている。
図2に示すように、枠部47は、底板部46のX1方向の端縁から立ち上がってY方向に延びる第1枠部分47aと、底板部46のX2方向の端縁から立ち上がってY方向に延びる第2枠部分47bと、X方向に延びて第1枠部分47aのY1方向の端と第2枠部分47bのY1方向の端とを接続する第3枠部分47cと、X方向に延びて第1枠部分47aのY2方向の端と第2枠部分47bのY2方向の端とを接続する第4枠部分47dと、を備える。
【0033】
第1枠部分47aのY方向の中央には、その上端縁からZ1方向に延びる半円形状の第1切欠51が設けられている。流入側配管11における突出管部分21は、Z2方向から第1切欠51に載置されて、第1切欠51をX方向に貫通する。突出管部分21は、第1枠部分47aにおける第1切欠51の縁によりZ1方向から支持される。第2枠部分47bには、その上端縁からZ1方向に延びる半円形状の第2切欠52が4つ設けられている。
図1に示すように、複合メータユニット1Aが複数の二次側配管3に接続される際に、各二次側配管3は、各第2切欠52にZ2方向から載置されて、各第2切欠52をX方向に貫通する。各二次側配管3は、第2枠部分47bにおける各第2切欠52の縁によりZ1方向から支持される。
【0034】
(通常使用時)
複合メータユニット1Aを設置した状態では、
図1に示すように、複合メータユニット1Aの流入側配管11の流入口15には、水道管の本管から延びる一次側配管2が接続される。複合メータユニット1Aの各流出側配管12には、各戸に引き込まれる二次側配管3が接続される。複合メータユニット1Aを介して各戸に水を供給する通常使用時には、通水口25は、蓋体33によって封鎖されている。また、各支流管17の各止水栓22は、開状態とされる。従って、一次側配管2から複合メータユニット1Aの流入口15に流入する水は、流入管16から各支流管17に分配される。また、流入管16から各支流管17に流れ込む水は、水道メータ13を経由する際に計量されて、流出側配管12から4系統の二次側配管3のそれぞれに供給される。
【0035】
(取水時)
災害時に複合メータユニット1Aを介して水道管の本管からの水を取水する際には、通水口25を封鎖する蓋体33を連通管26から取り外して、通水口25を解放状態とする
。これにより、
図1に二点鎖線で示す流路E1が形成され、通水口25からの取水が可能となる。
【0036】
本例では、流入側配管11の各支流管17は、当該支流管17を開閉する止水栓22を備える。また、通水口25は、支流管17も介することなく、流入管16に連通する。従って、通水口25から取水を行う際に、複数の支流管17のそれぞれに設けられた止水栓22を全て閉じれば、水道管の本管から流入する水の全てを、通水口25から流出させることができる。また、通水口25から取水を行う際に、特定の支流管17の止水栓22を開状態として、他の支流管17の止水栓22を閉じれば、通水口25から水を外部に供給するとともに、特定の支流管17を経由する水の供給系のみに、水を流通させることができる。従って、通水口25からの取水時に、水の供給が必要な戸や施設に対しては、その供給を継続することができる。
【0037】
また、本例では、設置姿勢において、本管部分20および各支流管17が水平方向に延び、通水口25がZ2方向(上方)に開口する。従って、通水口25からの水を目的の場所まで供給するための給水管などを、Z2方向(上方)から通水口25に接続できる。よって、地中に埋設されている複合メータユニット1Aの通水口25に、給水管を接続することが容易である。
【0038】
さらに、本例では、流入口15、および流入管16の突出管部分21は、連通管26の第2延設管部32と同軸に設けられている。従って、流入口15を介して流入する水を、通水口25から取水しやすい。
【0039】
また、本例では、流入側配管11は、本管部分20に連通する連通管26を備え、複数の支流管17は、本管部分20から同一方向に突出して、互いに平行に延びる。通水口25は、連通管26に設けられて複数の支流管17よりもZ2方向に位置する。従って、通水口25に給水管などを接続する際に、給水管が複数の支流管17のそれぞれと干渉することを防止できる。
【0040】
さらに、連通管26は、通水口25からZ1方向に延びる第1延設管部31と、本管部分20から隣り合う2つの支流管17の間を延びて第1延設管部31の下端部分に接続された第2延設管部32と、を備える。従って、連通管26が本管部分20から直接Z2方向に突出して、連通管26の上端が通水口25となる場合と比較して、通水口25の位置を上下方向Zで調節しやすい。
【0041】
ここで、一般的に、水道メータ13は、水の流通方向Dの上流側から下流側に向かって、メータ流入口を備える流入管部分34と、内部に水の流量を計測するための羽根車を収容する本体部分35と、メータ流出口を備える流出管部分36と、を備える。また、水道メータ13を上下方向から見た場合に、本体部分35の幅寸法は、流入管部分34および流出管部分36の幅寸法よりも大きい。従って、隣り合う2本の支流管17の間に、連通管26を設けた場合には、隣り合う2本の支流管17に接続された水道メータ13の本体部分35と連通管26とが接触する可能性がある。これに対して、本例では、第1延設管部31の第1管軸Lと第2延設管部32の第2管軸Lとが交差する交点Pは、第2延設管部32の両隣りの2つの支流管17のそれぞれの流出口23よりも本管部分20に近い位置にある。従って、2つの支流管17の間に連通管26を設けた場合でも、連通管26の両側の2つの支流管17に水道メータ13を接続したときに、連通管26の第1延設管部31が水道メータ13の本体部分35に接触することを防止できる。
【0042】
(変形例)
図3は、実施例1の変形例の複合メータユニットの斜視図である。本例の複合メータユ
ニット1Bは、流入側配管11は、流入管16に流入口15を開閉する開閉弁55を備える。より具体的には、流入管16の突出管部分21に開閉弁55が設けられている。これにより、開閉弁55のX1方向の端は流入口15となり、開閉弁55は流入管16の流入口15を開閉する。開閉弁55は、ボール止水栓である。なお、変形例1の複合メータユニット1Bにおいて、開閉弁55を除くの他の構成は、上記の複合メータユニット1Aと同一である。従って、対応する構成には、上記の複合メータユニット1Aと同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0043】
本例の複合メータユニット1Bでは、水道管の本管からの水を取水する際に、開閉弁55を閉状態として、本管から流入管16への水の流入を停止させる。また、複数の支流管17のそれぞれに設けられた止水栓22を閉状態とする。次に、通水口25を封鎖する蓋体33を連通管26から取り外して、通水口25を解放状態とする。その後、開閉弁55を閉状態として一次側配管2から流入管16に水を流入させて、通水口25からの取水を可能とする。本例によれば、開閉弁55の開閉により、通水口25から外部に流れ出す水の量を調節できる。
【0044】
また、本例では、災害などによって水道管の本管に断水が発生した場合などに、給水車から供給される水を、複合メータユニット1Bを介して、各戸に供給できる。すなわち、断水が発生した場合には、開閉弁55により流入口15を閉状態として通水口25から蓋体33を取り外し、通水口25に給水車の給水管を接続する。これにより、通水口25から給水管を介して複合メータユニット1Bに流れ込む水は、流入管16の本管部分20から各支流管17に分配され、建物内の各戸に供給される。よって、避難所として利用される建物や、病院、各種の施設において、建物内で水を必要とする場所に、給水車からの水を直接的に届けることができる。また、各箇所に届けた水を計量できる。
【0045】
(実施例2)
図4は本例の複合メータユニットの斜視図である。
図5および
図6は、本例の複合メータユニットが備える回転操作機構の説明図である。
【0046】
本例の複合メータユニット1Cは、水道管の本管から建物内に引き込まれる配管の途中に設置される。
図4に示すように、複合メータユニット1Cは、水道管の本管に連通する一次側配管2からの水を複数の二次側配管3に配分する。また、複合メータユニット1Cは、配分した水を、水道メータ13によって計量しながら、各二次側配管3に供給する。本例では、複合メータユニット1Cは、5系統の二次側配管3を備える。
【0047】
以下では、複合メータユニット1Cを、建物の外壁などに沿って設置する設置姿勢で説明する。また、実施例1と同様に、互いに直交する3方向を、X方向、Y方向、およびZ方向とする。なお、本例の複合メータユニット1Cは、実施例1の複合メータユニット1Cと対応する構成を備えるので、対応する構成には同一の符号を付す。
【0048】
複合メータユニット1Cは、ユニット本体5と、ユニット本体5を収容するユニットボックス6と、を備える。ユニット本体5は、一次側配管2に接続される流入側配管11と、4本の二次側配管3のそれぞれに接続される5本の流出側配管12と、流入側配管11と4本の流出側配管12との間に着脱可能に接続された5つの水道メータ13と、を備える。流入側配管11は、一次側配管2と各水道メータ13との間の配管である。各流出側配管12は、各水道メータ13と各二次側配管3との間の配管である。また、複合メータユニット1Cは、流入側配管11と各流出側配管12とを接続する5つの接続ベース8を備える。
【0049】
流入側配管11は、水の流入口15を備える流入管16と、流入管16から分岐する複
数の支流管17と、を備える。流入側配管11は、Z方向(上下方向)に直線状に延びる本管部分20を備える。流入口15は、本管部分20の下端である。各支流管17は、本管部分20から、当該本管部分20と管軸Lと直交するX2方向に分岐する。複数の支流管17は平行である。本例において、支流管17は、5本である。
【0050】
5本の支流管17は、それぞれ、本管部分20に接続された接続管部61と、第1アダプタ62と、止水栓22と、を備える。第1アダプタ62は、接続管部61に固定されて、接続管部61と止水栓22とを各支流管17の管軸S回りで相対回転可能に接続する。各止水栓22は、各支流管17の流路を開閉する。本例では、止水栓22は、ボール止水栓である。各支流管17のX2方向(本管部分20とは反対側)の端は、水が流出する流出口23である。各支流管17は、止水栓22と流出口23との間に、圧着機構24を備える。圧着機構24は、周知の構成である。圧着機構24は、例えば、止水栓22に接続された第1の管部材と、第1の管部材と同軸に配置された第2の管部材と、第2の管部材を第1の管部材に対して進退させる移動機構と、を備えるものである。第2の管部材の第1の管部材とは反対側の端は流出口23である。圧着機構24は、第2の管部材を進退させることにより、流出口23を水道メータ13に圧着させる。
【0051】
また、流入側配管11は、5本の支流管17を介さずに、流入管16に連通する通水口25を備える。本例では、流入側配管11は、流入管16の本管部分20に連通する連通管26を備えており、連通管26の本管部分20とは反対側の端が通水口25となっている。連通管26は、本管部分20の下端部分に連通する。また、連通管26は本管部分20からY2方向に突出し、通水口25はY2方向に開口する。
【0052】
ここで、通水口25には、蓋体33が着脱可能に取り付けられる。蓋体33は、通水口25を封鎖する。5本の支流管17の流出口23には、それぞれ水道メータ13が接続される。
【0053】
各流出側配管12は、X方向に延びる。各流出側配管12は、X方向で対向する位置にある各支流管17と同軸である。各流出側配管12は、水道メータ13が接続される接続部65と、二次側配管3が接続される第2アダプタ66と、接続部65と第2アダプタ66との間に位置する逆止弁43と、を備える。第2アダプタ66は、二次側配管3に固定されて、接続部65および逆止弁43と、二次側配管3と、を各支流管17の管軸S回りで回転可能に接続する。
【0054】
接続ベース8は、流入側配管11の各支流管17の第1アダプタ62よりも水道メータ13の側と、流出側配管12の第2アダプタ66よりも水道メータ13の側とを接続する。本例では、接続ベース8は、止水栓22と、逆止弁43とを接続する。従って、接続ベース8、止水栓22、水道メータ13、および逆止弁43からなるユニット部67は、第1アダプタ62と第2アダプタ66とによって各支流管17の管軸L1回りで回転可能である。
【0055】
ユニットボックス6は、Y2方向が開口する直方体形状のケース71と、ケース71の内側に固定されたフレーム72と、を備える。また、ユニットボックス6は、ケース71の開口をY2方向の側から開閉可能に封鎖する不図示の開閉扉を備える。
【0056】
フレーム72は、ユニット本体のY2方向で厚み方向をY方向に向けた矩形板状の板部73と、板部73のX1方向の端縁からY2方向に突出して上下方向Zに延びる第1縦板部74と、板部73のX2方向の端縁からY2方向に突出して上下方向Zに延びる第2縦板部75と、板部73の下端縁からY2方向に突出する底板部76と、を備える。第1縦板部74と第2縦板部75とは、平行であり、X方向で対向する。
【0057】
流入側配管11は、第1縦板部74に支持されている。より詳細には、第1縦板部74には、上下方向Zに配列された5つの第1固定孔77が設けられている。流入管16は、本管部分20が第1縦板部74のX1方向に位置する。各支流管17は、第1アダプタ62が第1縦板部74における各第1固定孔77の開口縁部分に固定された状態で、当該第1固定孔77をX方向に貫通する。
【0058】
流出側配管12は、第2縦板部75に支持される。より詳細には、第2縦板部75には、上下方向Zに配列された5つの第2固定孔78が設けられている。各流出側配管12は、第2アダプタ66が第2縦板部75における各第2固定孔78の開口縁部分に固定された状態で、当該第2固定孔78をX方向に貫通する。流入側配管11および流出側配管12が第1縦板部74および第2縦板部75に支持されたときに、接続ベース8、止水栓22、水道メータ13、および逆止弁43からなるユニット部67は、第1縦板部74と第2縦板部75とによって、軸線S回りに回転可能に支持される。
【0059】
ここで、複合メータユニット1Cは、各支流管17に接続された各ユニット部67を、各支流管17の管軸S回りに回転させる回転操作機構80を備える。
図5、
図6に示すように、回転操作機構80は、複数の第1リンク部材81、第2リンク部材82、および操作レバー83を備える。また、回転操作機構80は第2リンク部材82をZ1方向(下方)から支持する支持部84を備える。なお、
図5は、各水道メータ13が、表示部37(開閉蓋38)がZ2方向(上方)を向く基準姿勢にある状態を示す。
図6は、各水道メータ13が、表示部37(開閉蓋38)がZ2方向(上方)のY2方向に傾斜したメータ確認可能姿勢にある状態を示す。
【0060】
図5、
図6に示すように、各第1リンク部材81は、各流出側配管12における第2アダプタ66よりも水道メータ13の側に固定された固定部81aと、固定部81aから流出側配管12の径方向外側に突出する突出部81bと、を備える。第2リンク部材82は、流出側配管12のY1方向でZ軸方向に延びる。第2リンク部材82には、各第1リンク部材81の突出部81bの先端が接続されている。操作レバー83は、Z方向(上下方向)に延びる棒状の部材であり、流出側配管12のY2方向に位置する。操作レバー83は、その下端部分が、下から2番目の流出側配管12における第2アダプタ66よりも水道メータ13の側に固定されている。操作レバー83の上端部分には、操作レバー83を把持するためのグリップ83aが設けられている。操作レバー83がZ方向に延びる状態では、支持部84が第2リンク部材82にZ2方向の側から当接する。操作レバー83がY2方向に向かってZ1方向に傾斜する場合には、第2リンク部材82は、支持部84からZ1方向およびY1方向に離間する。
【0061】
(通常使用時)
図4に示すように、複合メータユニット1Cの流入側配管11の流入口15には、水道管の本管から延びる一次側配管2が接続される。複合メータユニット1Cの各流出側配管12には、各戸に引き込まれる二次側配管3が接続される。複合メータユニット1Cの通常使用時には、通水口25は、蓋体33によって封鎖されている。各支流管17の各止水栓22は、開状態とされている。従って、一次側配管2から複合メータユニット1Cの流入口15に流入する水は、流入管16から複数の支流管17に分配される。また、流入管16から各支流管17に流れ込む水は、水道メータ13を経由する際に計量されて、流出側配管12から5系統の二次側配管3のそれぞれに供給される。
【0062】
ここで、本例の複合メータユニット1Cでは、回転操作機構80の操作レバー83のグリップ83aをY2方向に引き出すと、
図6に示すように、操作レバー83が接続された下から2番目のユニット部67が下から2番目の支流管17の管軸S回りに回転する。ま
た、この回転は、第1リンク部材81および第2リンク部材82を介して他のユニット部67に伝わるので、下から2番目のユニット部67の回転と同時に、他の全てのユニット部67が各支流管17の管軸S回りに回転する。これにより、各水道メータ13は、表示部37(開閉蓋38)をY2方向から目視可能なメータ確認可能姿勢となる。よって、各水道メータ13を通過した水の流量を確認することが容易である。なお、Y2方向に引き出したグリップ83aをY1方向に移動させて元の位置に戻せば、各水道メータ13は、表示部37(開閉蓋38)がZ2方向を向く基準姿勢に戻る。
【0063】
(取水時)
災害時に複合メータユニット1Cを介して水道管の本管からの水を取水する際には、通水口25を封鎖する蓋体33を連通管26から取り外し、通水口25を解放状態とする。これにより、
図4に二点鎖線で示す流路E2が形成され、通水口25からの取水が可能となる。
【0064】
本例においても、流入側配管11の各支流管17は、当該支流管17を開閉する止水栓22を備える。また、通水口25は、支流管17も介することなく、流入管16に連通する。従って、通水口25から取水を行う際に、複数の支流管17のそれぞれに設けられた止水栓22を全て閉じれば、水道管の本管から流入する水の全てを、通水口25から流出させることができる。また、通水口25から取水を行う際に、特定の支流管17の止水栓22を開状態として、他の支流管17の止水栓22を閉じれば、通水口25から水を外部に供給するとともに、特定の支流管17を経由する水の供給系のみに、水を流通させることができる。従って、通水口25からの取水時に、水の供給が必要な戸や施設に対しては、その供給を継続することができる。
【0065】
また、本例では、設置姿勢において、通水口25がY2方向に開口する。従って、通水口25からの水を目的の場所まで供給するための給水管などを、横方向から通水口25に接続できる。
【0066】
(変形例)
図7は、変形例2の複合メータユニットの斜視図である。本例の複合メータユニット1Dでは、流入側配管11は、流入管16に、流入口15を開閉する開閉弁55を備える。より具体的には、流入管16は、本管部分20の下端に開閉弁55を備える。これにより、開閉弁55の下端は流入口15となり、開閉弁55は流入管16の流入口15を開閉する。開閉弁55は、ボール止水栓である。ここで、変形例2の複合メータユニット1Dにおいて、開閉弁55を除くの他の構成は、上記の複合メータユニット1Cと同一である。従って、対応する構成には、上記の複合メータユニット1Cと同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0067】
本例の複合メータユニット1Dでは、水道管の本管からの水を取水する際に、開閉弁55を閉状態として、本管から流入管16への水の流入を停止させる。また、5本の支流管17のそれぞれに設けられた止水栓22を閉状態とする。さらに、通水口25を封鎖する蓋体33を連通管26から取り外し、通水口25を解放状態とする。その後、開閉弁55を閉状態として一次側配管2から流入管16に水を流入させて、通水口25からの取水を可能とする。本例によれば、開閉弁55の開閉により、通水口25から外部に流れ出す水の量を調節できる。
【0068】
また、本例では、災害などによって水道管の本管に断水が発生した場合などに、給水車から供給される水を、複合メータユニット1Dを介して、建物内に供給できる。すなわち、断水が発生した場合には、開閉弁55により流入口15を閉状態として通水口25から蓋体33を取り外し、通水口25に給水車の給水管を接続する。これにより、通水口25
から給水管を介して複合メータユニット1Dに流れ込む水は、流入管16の本管部分20から各支流管17に分配され、建物内の各戸に供給される。よって、避難所として利用される建物や、病院、各種の施設において、建物内で水を必要とする場所に、給水車からの水を直接的に届けることができる。また、各箇所に届けた水を計量できる。
【符号の説明】
【0069】
1…複合メータユニット、2…一次側配管、3…二次側配管、5…ユニット本体、6…ユニットボックス、8…接続ベース、11…流入側配管、12…流出側配管、13…水道メータ、15…流入口、16…流入管、17…支流管、20…本管部分、21…突出管部分、22…止水栓、23…流出口、24…圧着機構、25…通水口、26…連通管、28…管継手、29…補足管、31…第1延設管部、32…第2延設管部、33…蓋体、34…流入管部分、35…本体部分、36…流出管部分、37…表示部、38…開閉蓋、41…接続部、42…管継手、43…逆止弁、45…ベース、46…底板部、47…枠部、47a…第1枠部分、47b…第2枠部分、47c…第3枠部分、47d…第4枠部分、48…第1支持金具、49…第2支持金具、51…第1切欠、52…第2切欠、55…開閉弁、61…接続管部、62…第1アダプタ、65…接続部、66…第2アダプタ、67…ユニット部、71…ケース、72…フレーム、73…板部、74…第1縦板部、75…第2縦板部、76…底板部、77…第1固定孔、78…第2固定孔、80…回転操作機構、81…第1リンク部材、81a…固定部、81b…突出部、82…第2リンク部材、83…操作レバー、83a…グリップ、84…支持部、L…本管部分の管軸、L1…第1延設管部の管軸、L2…第2延設管部の管軸S…支流管の管軸